説明

コード収納部付携帯型電子装置

【課題】携帯型電子装置に接続されたコードを収納して携帯型電子装置を使用でき、かつ、携帯型電子装置に対し着脱可能であるコード収納部付携帯型電子装置を提供する。
【解決手段】携帯型音楽再生装置1は、耳たぶ取付型脈拍センサ8とイヤフォン10と共に使用される。コードプラグ6から脈拍センサコード7とジャックコード21が引き出される。コード収納カバー12内のジャックに、イヤフォンコード9のプラグが差し込まれる。携帯型音楽再生装置1は装置固定ベルト3により装置受皿2に固定される。装着ベルト4を腕14に巻き付ける。コード収納カバー12は、脈拍センサコード7とイヤフォンコード9の余長を包むようにして収納する。コード収納カバー12は、面ファスナにより、装置受皿2の裏面にある装置固定ベルト3の裏面に着脱自在に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電子装置に接続されたコードの余長を収納して携帯型電子装置を使用できる、コード収納部付携帯型電子装置に関するものである。
このような携帯型電子装置としては、例えば、耳たぶ取付型脈拍センサコードやジャックコード、イヤフォンコードを接続して使用される電子音楽装置がある。
【背景技術】
【0002】
従来、ジョギングなどの運動をしながら音楽を聞くために、ユーザ(使用者)の上膊(二の腕)にアームバンドで装着して使用される携帯型音楽再生装置が製品化されている(非特許文献1参照)。
この携帯型音楽再生装置に、耳たぶ取付型脈拍センサコードとイヤフォンコードとを接続する際、コードユニットとして、携帯型音楽再生装置へのプラグを共通化し、このプラグから両コードが結合状態で一体となって引き出され、コード端部近くで分離されたものを用いている。
【0003】
上述した先行技術では、長いコードを束ねたり、コードを衣服に留めたりするために、「ケーブルクリップ」を使用している。これは、3枚の平行板材を、それらの一辺を共通板材で一体化することにより2個の凹部を形成し、この凹部にコードを挿入するものである。
しかし、束ねられたコードは、雑然としているし、使用中に何かの拍子で物に引っかかったりするという問題がある。
【0004】
一般に、イヤフォンコードを携帯型電子装置内に巻き取るものがある。しかし、巻取機構のために、その内部構造が複雑になるだけでなく、細くて柔らかいコードしか巻き取れないと言う問題がある。
また、携帯型音響機器の不使用時に、この携帯型音響機器を収納する袋の外側に帯を設け、束ねたイヤフォンコードを包み込んで収納するものが知られている(特許文献1参照)。
しかし、この携帯型音響機器は、その使用状態においては、イヤフォンコードの余長分を収容できないという問題がある。
【0005】
一方、上述した非特許文献1に記載のアームバンドは、腕に装着されるために、特に、携帯型電子装置が装着される部分の裏面が汗などで汚れやすい。しかし、アームバンドと携帯型電子装置を装着したケースとが一体のものである。
従って、アームバンドを洗浄するには、携帯型電子装置を先ずケースから取り外す必要がある。また、ケースとアームバンドの全体を洗うことになるから、汗がつかない部分も、水や洗剤に強い材質のものにする必要があった。
【非特許文献1】BF-1 Owner's Manual Ver. 1.1.d、[online]、[平成20年8月25日検索]、インターネット、<http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/emi/english/others/bf1_en_om_v11d2.pdf>
【特許文献1】特開平10−85019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、携帯型電子装置に接続されたコードを収納して携帯型電子装置を使用でき、かつ、携帯型電子装置に対し着脱可能であるコード収納部付携帯型電子装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1に記載の発明においては、携帯型電子装置本体部と、該携帯型電子装置本体部が取り付けられる台座部と、該台座部に取り付けられ、使用者の腕に装着される装着ベルトと、面状で折り曲げ可能なコード収納部を有し、前記台座部は、当該裏面に第1の結合部材を有し、前記コード収納部は、当該一方の面に、収納領域と該収納領域を間にして取付領域と重ね合わせ領域を有し、前記取付領域には、前記第1の結合部材に対し着脱自在に結合される第2の結合部材を有し、前記収納領域には、第1の面ファスナを有し、前記重ね合わせ領域には、前記第1の面ファスナに着脱自在に結合される第2の面ファスナを有し、前記コード収納部が折り曲げられて前記第1の面ファスナと前記第2の面ファスナとが面結合することにより、前記コード収納部に前記携帯型電子装置本体部に接続されるコードの余長が収納されるようにしたものである。
【0008】
従って、携帯型電子装置の内部構成を変更することなく、コードの余長を収納することができる。コード収納部は必要がない場合に取り外せる。収納するコードの太さ、長さ、コードに付属するプラグに応じて、コード収納部の折り曲げ位置を調整できる。
上述した第1の結合部材と第2の結合部材として、面ファスナのような面結合部材を用いることができるほか、凹部と凸部とが対になった留め金具である、複数個のスナップボタン(ホック)のような結合部材であってもよい。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載のコード収納部付携帯型電子装置において、前記第2の結合部材は、前記コード収納部が前記台座部に対し前記装着ベルトに直交する方向に配置されたときに前記第1の結合部材の形状に対向するものである。
従って、使用者の腕に装着ベルトを装着した状態でも、装着ベルトと干渉することなくコード収納部を取り付けることができる。
上述したコード収納部の配置を実現するには、例えば、第1の結合部材と第2の結合部材として、面ファスナを用いた場合、両者の面ファスナの外形状が対向状態で一致する形状にする。また、複数個のスナップボタンを用いた場合、凹凸一対のスナップボタンが対向するように位置合わせする。
【0010】
請求項3に記載の発明においては、コード収納部付携帯型電子装置において、携帯型電子装置本体部と、面状で折り曲げ可能なコード収納部を有し、前記携帯型電子装置本体部は、当該裏面に第1の結合部材を有し、前記コード収納部は、当該一方の面に、収納領域と該収納領域を間にして取付領域と重ね合わせ領域を有し、前記取付領域には、前記第1の結合部材に対し着脱自在に結合される第2の結合部材を有し、前記収納領域には、第1の面ファスナを有し、前記重ね合わせ領域には、前記第1の面ファスナに着脱自在に結合される第2の面ファスナを有し、前記コード収納部が折り曲げられて前記第1の面ファスナと前記第2の面ファスナとが面結合するることにより、前記コード収納部に前記携帯型電子装置本体部に接続されるコードの余長が収納されるようにしたものである。
この請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明における台座部がなく、携帯型電子装置本体部の裏面に着脱自在な結合用の第1の結合部材を設けたものである。使用者の腕に装着される装着ベルトを用いる場合は、携帯型電子装置本体部に取り付ければよい。
請求項1に記載の発明と同様に、携帯型電子装置の内部構成を変更することなく、コードの余長を収納することができる、このコード収納部は必要がない場合に取り外せる等の作用を奏する。
【0011】
請求項4に記載の発明においては、請求項1から3までのいずれか1項に記載のコード収納部付携帯型電子装置において、前記コード収納部の他面は、クッション性のあるメッシュ材である。
従って、コード収納部が使用者の腕部やその他の体の一部を押さえることになっても、クッション性のあるメッシュ材が通気性とクッション性を有するために、使用者に不快感や圧迫感を与えない。
【0012】
請求項5に記載の発明においては、請求項1から4までのいずれか1項に記載のコード収納部付携帯型電子装置において、前記収納領域における前記コード収納部は、当該幅が、前記取付領域から前記重ね合わせ領域に近づくにつれて徐々に短くなっている。
従って、コード収納部の幅が短くなった包み込み部分にコードを巻き付けやすくなるから、コードを巻き付ける方法で収納することもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、携帯型電子装置本体部の使用中に携帯型電子装置本体部に接続されたコードの余長をコード収納部に収納でき、かつ、このコード収納部を取り外せるという効果がある。
その結果、コード収納部のみを取り外して洗ったり、コード収納部が必要ない場合に取り外した状態で携帯型電子装置本体部を使用することができたりする。
このコード収納部は、コードを包み込むものであるため、コードが整然と収容され、コードが何かに引っかかることが少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の実施の一形態を示す説明図である。使用者の体の位置を1点鎖線で示している。
まず、携帯型音楽再生装置(携帯型電子装置本体部)1について簡単に説明しておく。
この携帯型音楽再生装置1は、使用者の身体に装着し、身体の各部に対する信号を送受信する携帯型電子装置である。具体的には、使用者の二の腕に装着し、耳たぶ取付型脈拍センサ8とイヤフォン(電気音響変換器)10と共に使用し、これらとの間を電気接続用のコードで接続している。
【0015】
使用者は、この携帯型音楽再生装置1を、携帯音楽プレーヤ、例えば、MP3(MPEG-1 Audio Layer-III)プレーヤとして使用し、内蔵記憶装置に記憶された多数の曲の中から好みの音楽を再生できる。
使用者は、ジョギングなどの反復運動をしながらこの携帯型音楽再生装置1で音楽再生をする場合は、使用者の歩行テンポ又は走行テンポ(反復運動テンポ)の変化に追従して、反復運動テンポに対応した値の音楽テンポの曲を再生できる。
また、運動計画に従って使用者の反復運動を支援する場合、この携帯型音楽再生装置1は、使用者の心拍数(脈拍数)と目標運動強度に対応する目標心拍数との差が小さくなるように、音楽テンポの値を決定し、決定した音楽テンポの曲を再生する。使用者が再生される曲の音楽テンポに対応した反復運動テンポで反復運動をすれば、使用者に最適な運動ができるようになる。
【0016】
ここで、使用者の脈拍は、耳たぶ取付型脈拍センサ8の出力に基づいて計算される。一方、使用者の反復運動テンポは、携帯型音楽再生装置1に内蔵された反復運動テンポ検出器で検出する。例えば、2軸あるいは3軸加速度センサ、あるいは、振動センサであって、使用者の腕の動きにより、すなわち、右又は左足で一歩(ステップ)を進めた時の衝撃を検出し、携帯型音楽再生装置1に内蔵されたマイクロコンピュータにより、歩行ステップのタイミングを抽出するアルゴリズムを実行し、1ステップの時間長を計測し、反復運動テンポを計算する。
【0017】
この携帯型音楽再生装置1は、装置受皿2に載置されたとき、図2を参照して説明する係合突部1jと係合凹部2aとが係合する。この装置固定ベルト2には、リング部材5が挿通されている。
装置受皿2には装着ベルト4が取り付けられており、装着ベルト4を使用者の腕14に巻き付け、その端部をリング部材5に挿通して折り返す。折り返された端部を引っ張って、装着ベルト4の外周面に面ファスナで面結合する。その際、装置固定ベルト3が引っ張られることにより、携帯型音楽再生装置1は装置受皿2に強く押し付けられた状態となって、装置受皿2に固定される。
【0018】
携帯型音楽再生装置1のコネクタ端子部1k(図2(b))に、電気接続用のコードプラグ(共通プラグ)6が差し込まれている。コードプラグ6からは、脈拍センサコード(主コード)7とジャックコード21が引き出される。コード収納カバー(コード収納部)12内において、ジャックコード21に接続されたジャック22(図2、図4参照)に差し込まれたイヤフォンプラグ41(図4参照)にイヤフォンコード(副コード)9が接続される。
脈拍センサコード7には、脈拍センサ8が接続される。イヤフォンコード9は、イヤフォンコード分岐部材11を経て、左耳用のイヤフォンコード9L、右耳用のイヤフォンコード9Rに別れ、それぞれ、左耳用のイヤフォン10Lと図示しない右耳用のイヤフォン10Rとに接続される。これらのコードは、電気接続用のコードである。
【0019】
脈拍センサ8は、バネにより付勢されたクリップ構造により、使用者の耳15の耳たぶを挟む。脈拍センサ8の一対のクリップ片に、相対向する発光素子、受光素子が収容されており、血流の透過光を利用して脈拍を検出する。
一方、イヤフォン10(10R、10L)は、使用者の耳15に架けられて、その耳甲介腔に挿入される。
上述したイヤフォン10は、電気音響変換器の一具体例である。使用者は、イヤフォン10に代えて、ヘッドフォンを用いたり、小型のボックスに収容された外部スピーカを用いたりすることもできる。
コード収納カバー12は、イヤフォンコード9の折り畳まれた余長を収納する。コード収納カバー12は、装置受皿2の裏に取り付けられた装置固定ベルト3の裏面に、相互の結合部材により、着脱自在に取り付けられる。
【0020】
本願発明の実施形態においては、脈拍センサコード7とジャックコード21とが、コードプラグ6から分離して引き出され、ジャックコード21にジャック22が接続されたコードユニットを用いることができる。イヤフォンコード9のイヤフォンプラグ10は、ジャックコード21に接続されたジャック22に差し込む。しかし、2本に分離したコードの取扱いが煩わしい。
そのため、両コードの複数箇所を、コードクリップ(コード結束部材)13により結束し、脈拍センサコード7にイヤフォンコード9を沿わせて取り付けるようにした。
【0021】
図の右上に拡大して示すように、コードクリップ13は、脈拍センサコード7が挿通される主コード挿通孔52とイヤフォンコード9が挿通される副コード挿通凹部53を有し、この副コード挿通凹部53は、イヤフォンコード9が導入される際、及び、イヤフォンコード9が導出される際に、イヤフォンコード9の押圧による弾性変形により、開口部が一時的に拡幅する。コードクリップ13の詳細な構造は、図5を参照して後述する。
【0022】
図2は、図1に示した携帯型音楽再生装置1、装置固定ベルト3、装着ベルト4等の詳細を示す構造図である。
図2(a)は平面図、図2(b)は左側面図(図示右側方向を前面という)、図2(c)は台座部25の裏面及び装着ベルト4の裏面を示す底面図である。
携帯型音楽再生装置1は、使用者の腕14(右の二の腕)に装着することを想定したもので、左側面が手先側、右側面が肩側になる。
図2(c)は、装着ベルト4の端部(摘み28がある側)がリング部材5に挿通される前において、図3に示すコード収納カバー12又はパッド31(一点鎖線で示す)が取り外された状態を示している。
【0023】
図2(a)、図2(b)に示すように、携帯型音楽再生装置1は、装着ベルト3の長手方向に長い筐体であって、台形の側面を有した上部筐体1aと、この上部筐体1aよりも若干小さな逆台形の側面を有した下部筐体1bを有する。
図2(a)に示すように、上部筐体1aの表面が装置固定ベルト3の窓部3aから見えている。1cは電源スイッチ、1dは押下操作スイッチ、1eは指掛部、1f,1gはレバースイッチ、1hは液晶表示画面である。レバースイッチ1f,1gは、液晶表示画面1hのある側に押圧することにより作動する。装置固定ベルト3に隠れている1iはUSBコネクタ端子収容部であり、蓋を開けると、パーソナルコンピュータに接続するためのUSBコネクタ端子部が露出する。
【0024】
図2(b)に示すように、装置受皿2は、下部筐体1bを収容する形状をし、その上面の外枠は、上部筐体1aの最下部の外周と略一致する。
下部筐体1bの左右両側面には、係合凸部1jが形成されている。これに係合する係合凹部2aが装置受皿2に形成されていることにより、携帯型音楽再生装置1を装置受皿2に着脱自在に装着できる。
2bは摘みであって、この摘み2bを上から押圧すると装置受皿2の側面が拡がることにより、係合凸部1jと係合凹部2aとの係合が外れる。
【0025】
上部筐体1aの右側面には、コネクタ端子部1k(図2(b)に破線で示す)が形成されている。このコネクタ端子部1kには、コードプラグ6が差し込まれ電気的に接続される。コードプラグ6からは脈拍センサコード7と短いジャックコード21とが引き出されている。このジャック22には、イヤフォンプラグ41(図6)が差し込まれる。
【0026】
図2(b)に示すように、装置固定ベルト3はリング部材5に挿通された箇所で曲げられる。その下部側の下面に面ファスナ(パイル面、メス部)23が、縫い合されることにより、固着されている。また、その下部側の上面の図示右側((携帯型音楽再生装置1の前面)に寄せて、装置受皿2が、装置固定ベルト3と面ファスナ23とに、例えば、4個の鳩目29(図2(c))で結合されている。
装置固定ベルト3のうち、面ファスナ23が取り付けられている部分は、比較的剛性の大きな部分となり、台座部25を構成している。
【0027】
装置受皿2の図示右端部(携帯型音楽再生装置1の前端側)に接合部26がある。ここにおいて、装置固定ベルト3の上端部3bと下端部3cとの間に、装着ベルト4の一端部が挟まれ、下端部3cの裏面に面ファスナ23の端部が重ねられ、これらが縫い合わせにより結合される。
装着ベルト4は、例えば、裏面(腕14に接する面)を基布面4aとし、表面をパイル面4bとした、長手方向に伸縮性のある面ファスナである。
【0028】
装着ベルト4がリング部材5に挿通されて曲げられたベルトの先端部においては、パイル面4bの上に面ファスナ(フック面、オス部)27が重ねられ、基布面4aの上に摘み28が重ねられて、縫い合わせ等により結合されている。
面ファスナ(フック面)27は、装着ベルト4のパイル面4bのどの部分にも面結合できるから、使用者の腕14の太さに応じて、装着ベルト4の巻付け長さを調整できる。
【0029】
装着ベルト4を腕14に巻き付けて引っ張った際に、台座部25のうち、特に装置受皿2が存在しない図示左側(携帯型音楽再生装置1の後方)が湾曲し、弾性復帰力を装置固定ベルト3に与える。
台座部25のうち装置受皿2が存在しない部分の長さは、この部分を無くすことを含めて、任意に設計できる。
【0030】
台座部25の裏面にある面ファスナ(パイル面)(第1の結合部材)23には、図3(c)に示すコード収納カバー12の面ファスナ36(フック面)(第2の結合部材)、又は、図3(a)に示すパッド31の面ファスナ(フック面)32が着脱可能に結合される。
しかし、面ファスナ(パイル面)23が、そのまま、使用者の腕14に接するようにしてもよい。
【0031】
図2を参照した説明では、装置受皿2等を含む台座部25の裏面に、収納カバー12やパッド31と着脱自在に結合する面ファスナ(パイル面)23を設けていた。
これに代えて、台座部25を設けることなく、携帯型音楽再生装置1の裏面に、収納カバー12やパッド31と着脱自在に結合する結合部材、例えば、面ファスナ(パイル面)23やフックボタンを設けてもよい。
この場合、携帯型音楽再生装置1を腕14(図1)に装着するには、携帯型音楽再生装置1に装着ベルト4を取り付ければよい。
携帯型音楽再生装置1は、また、使用者の衣服の腰ベルトに装着したり、別途、携帯型音楽再生装置1に腰装着ベルトを取り付けて使用者の腰に装着したりしてもよい。
【0032】
図3は、図1、図2に示したコード収納カバー12、及び、このコード収納カバー12に代わるパッド31の説明図である。
最初に、図3(a)を参照し、パッド31について説明する。
図3(a)はパッド31の表面部、図3(b)はパッド31の裏面部を示す平面図である。
パッド31の表面部は面ファスナ(フック面)32であり、先に説明したコード収納カバー12と装置固定ベルト3の裏面に取り付けた面ファスナ(パイル面)23の外形状に対向する外形状をしており、面ファスナ23に着脱自在に結合される。
このような結合部材として、面ファスナ以外のものも使用できる。
例えば、凹部と凸部とが対になった留め金具であるスナップボタン(ホック)を用い、複数対のスナップボタンを、パッド31の表面と装置固定ベルト3の裏面に取り付けてもよい。
パッド31は、不要な場合や、これを洗浄したい場合に、簡単に取り外せる。
【0033】
パッド31の裏面部は、メッシュ状の表面を有し厚み方向に緩衝作用を有する立体編物33である。
立体編物33は、ダブルラッセル(ダブルラッシェル)とも呼ばれ、表編地、裏編地という2層の編地を、間隔を空けて連結糸で、筋違、交叉、トーラス等の構造で連結した編物である。表編地、裏編地は、ポリエステル等の合成繊維マルチフィラメントであり、連結糸は、ポリエステル等の合成繊維のモノフィラメントである。
図示の立体編物は、表編地を目の粗いメッシュ構造とすることにより、通気性を良好にし、連結構造により、通気性と弾性、形態復帰性を得ている。
面ファスナ(フック面)32と立体編物33とは、重ね合わされて、周囲をバイアステープ34で包まれ、縫い合わせによりパッド31を構成する。その結果、腕への装着時のフイット感が良く、通気性があり、汗を発散させやすい。
【0034】
図3(c)はコード収納カバー12の表面部、図3(d)はコード収納カバー12の裏面部を示す平面図である。
コード収納カバー12の表面部は、収納領域12bと、この収納領域12bを間にして取付領域12aと重ね合わせ領域12cに区分され、いずれも面ファスナである。
収納領域12bは、図2に示した、ジャックコード21、イヤフォンコード9等のコード類、ジャック22、イヤフォンプラグ41を収納する領域であって、面ファスナ(パイル面)(第1の面ファスナ)35を有する。
【0035】
取付領域12aは、このコード収納カバー12を、台座部25に対し、装着ベルト4の長手方向(すなわち、台座部25及び携帯型音楽再生装置1の長手方向)に直交する一方向に延在するように取り付ける領域であって、図2に示した面ファスナ(パイル面)(第1の結合部材)23に対し着脱自在に面結合される面ファスナ(フック面)(第2の結合部材)36を有する領域である。
従って、使用者の腕14に装着ベルト4を装着した状態でも、装着ベルト4の取付けと干渉することなくコード収納カバー12を取り付けることができる。また、コード類は携帯型音楽再生装置1の長手方向に沿って折り重ねられて収納されるので、使用者が運動中にも、携帯型音楽再生装置1との一体性が保たれる。
【0036】
面ファスナ(フック面)(第2の結合部材)36は、コード収納カバー12が台座部25に対し装着ベルト4に直交する方向に配置されたときに、面ファスナ(第1の結合部材)23の外形状に対向する外形状(鏡対称形状)をしている。
また、パッド31と同様に、面ファスナ23、面ファスナ36に代えて、複数個のスナップボタン(ホック)を用いた場合、凹凸一対のスナップボタンが対向するように位置合わせする。
コード収納カバー12も、パッド31と同様に、不要な場合や洗浄したい場合に、簡単に取り外せる。
【0037】
重ね合わせ領域12cは、収納領域12bにある面ファスナ35内の任意の箇所に着脱自在に面結合される面ファスナ(フック面)(第2の面ファスナ)37となっている。
例えば、上述した面ファスナ35をコード収納カバー12の全体形状に合わせて裁断しておき、この面ファスナ35の上に、上述した面ファスナ(フック面)34及び37を重ね、後述する裏面の立体編物38との縫い合わせの際に一体化すればよい。
【0038】
上述した面ファスナ35,37は、一方をフック面、他方をループ面とすればよい。しかし、特に、収納領域12bにおける面ファスナ35がループ面となるようにすることが好ましい。ループ面は、フック面に比べて表面が柔らかいので、収納されるコードが保護される。
また、上述した面ファスナ35,37は、フック面とループ面とが混在したタイプの面ファスナとしてもよい。収納領域12bと重ね合わせ領域12cとの区別がなくなるから、両者を重ね合わせる際の自由度が増す。加えて、面ファスナ36も同じ混在タイプの面ファスナとすれば、コード収納カバー12の表面を、同じ一枚の面ファスナで形成することができる。
【0039】
図3(d)に示したコード収納カバー12の裏面部は、図3(b)に示したパッド31の裏面部と同じ立体編物38である。従って、同様に、腕への装着時のフイット感が良く、汗を発散させやすい。
上述した表面部を構成する部材と立体編物(クッション性のあるメッシュ材)38とが重ね合わされ、バイアステープ34により周縁を包まれて縫い合わされることにより、コード収納カバー12が形成される。
【0040】
上述した収納領域12bにおけるコード収納カバー12は、その幅(装着ベルト4の長手方向)が、取付領域12aから重ね合わせ領域12cに近づくにつれてL1からL2まで徐々に短くしている。コード収納カバー12の幅、特に、折り曲げたときの上側を短くすることにより、上側にコードを巻き付けやすくなる。
その結果、コードの余長を収納領域12bのコード収納カバー12に巻き付ける方法をとることが容易にできる。
折り畳んだコードの余長を携帯型音楽再生装置1の脇に収容するには、折り畳んだコードの一部分を包んで束ねることができればよいので、上述した幅が短くてもさほど問題がない。
【0041】
図4は、図3(c)、図3(d)に示したコード収納カバー12の使用形態を示す説明図である。図4(a)にコード収納カバー12を開いた状態を示し、図4(b)にコード収納カバー12を閉じた状態を示す。
コードプラグ6から、脈拍センサコード7と、短いジャックコード21とが引き出され、このジャックコード21にジャック22が接続されている。脈拍センサコード7には、耳たぶ取付型脈拍センサ8が接続されている。
【0042】
コードプラグ6、脈拍センサコード7、耳たぶ取付型脈拍センサ8、ジャックコード21、ジャック22、及び、コードクリップ13によりコードユニット42が構成される。
イヤフォンジャック41、イヤフォンコード9、イヤフォン10は、コードユニット42に対し、外付け部材となる。イヤフォンコード9は、イヤフォンプラグ41に接続されており、このイヤフォンプラグ41をジャック22に差し込むことにより、コードプラグ6とイヤフォンプラグ41とが電気的に接続される。
【0043】
面ファスナ(パイル面)35の上に、コードプラグ6から引き出されたジャックコード21、ジャック22、イヤフォンプラグ41、イヤフォンコード9の折り畳んだ余長部分を、コードプラグ6の側に片寄せて載置する。
次に、収納領域12bの中央を谷折りに折り曲げ、コード収納カバー12の遠端部(重ね合わせ領域12cの端部)が、携帯型音楽再生装置1の右側面の近傍、すなわち、取付領域12aと収納領域12bとの境界に合うようにして、面ファスナ(パイル面)35と面ファスナ(フック面)37とを面結合すると、図4(b)の状態となる。
図示の例では、コードプラグ6、ジャックコード21の引き出し部分、及び、脈拍センサコード7は、コード収納カバー12に収納されず、コード収納カバー12の上に露出している。
コード収納カバー12は、コードプラグ6のある、携帯型音楽再生装置1の右側面側に延在するように取り付けられる。その結果、コードプラグ6から引き出されたジャックコード21を、携帯型音楽再生装置1の周囲に引き回すことなく、引き出された状態のままコード収納カバー12に収納することができる。
【0044】
重ね合わせ領域12cの面ファスナ(フック面)37は、収納領域12bの面ファスナ(パイル面)35のどの位置にも面結合することができる。その結果、折り曲げたコード収納カバー12に収納するコード類の分量に応じて、折り曲げた後のコード収納カバー12の重ね合わせ領域12cの端部の位置を任意に調整することができる。
【0045】
図示の例では、イヤフォンコード9を折り畳んで収納したが、脈拍センサコード7の余長を折り畳んで収納してもよいし、両者を収納してもよい。コードを何度か折り返して重ねることによりコードの余長を収納することができる。脈拍センサコード7とイヤフォンコード9の長さが合わない場合は、長い方の折り返しを多くすればよい。
不使用時のイヤフォン10又は耳たぶ取付型脈拍センサ8を、そのコードとともに収納するようにしてもよい。耳たぶ取付型脈拍センサ8は、そのクリップ部でコード収納カバー12を挟んでもよい。
なお、脈拍センサコード7とイヤフォンコード9とが共通の1本のコードとなっていたり、分離したコードになっていたりして、共通のコードプラグ6から引き出される場合(ジャックコード21、ジャック22を用いない場合)にも、そのコード余長をコード収納カバー12に収納することができる。
また、コードプラグ6を用いずに、携帯型音楽再生装置1から直接にコードが引き出される場合にも、コードの余長を収容できる。
【0046】
図5は、図1に示したコードクリップ13の構造図である。
図1に示した脈拍センサコード7とイヤフォンコード9とがバラバラにならないように結束するために、1又は複数のコードクリップ(コード結束部材)13を用いる。
図5(a)はコードクリップ13の平面図、図5(b)はその側面図である。図5(c)は、イヤフォンコード9としてステレオ用の丸形コード54を用いた場合の結束状態を示す説明図であり、図5(d)は、イヤフォンコード9としてステレオ用の平行丸形コード55を用いた場合の結束状体を示す説明図である。
図5(e)、図5(f)は、コードクリップの他の構造例を示す平面図である。
【0047】
図5(a)、図5(b)に示されるように、コードクリップ13は、軸51に対して左右対称であり、その上面13Aと下面13Bとは互いに平行で、その幅がw1であり、その側面13Cの高さがhである柱状体である。このコードクリップ13は、弾性を有する樹脂材料で形成されている。
このコードクリップ13には、脈拍センサコード(主コード)7を挿通するための主コード挿通孔52と、イヤフォンコード(副コード)9を挿通するための副コード挿通凹部53を有している。
【0048】
主コード挿通孔52は、脈拍センサコード7の外形(図5(c)、直径D1)と同じか若干広く形成される(直径D'1)ことにより、脈拍センサコード7は、脈拍センサコード7の長手方向に移動可能に挿通される。
副コード挿通凹部53は、イヤフォンコード(副コード)9を保持する保持部53aと、イヤフォンコード9を導入する開口部53bを有している。
副コード挿通部53aは、イヤフォンコード9(図5(c)に示す54と図5(d)に示す55の場合がある)の外形よりも広く形成されることにより、挿通されたイヤフォンコード9をコード長手方向に移動可能に、かつ、脈拍センサコード7との相対位置関係を一定距離内に保持する。
開口部53bは、イヤフォンコード9を、副コード挿通部53aに導入する途中経路となる。
【0049】
副コード挿通凹部53は、その副コード挿通部53aにイヤフォンコード9が導入される際に、イヤフォンコード9の押圧による弾性変形により、その開口部53bが一時的に拡幅する。
より具体的には、このコードクリップ13は、主コード挿通孔52が形成されたベース部13aと、副コード挿通凹部53が相互の間に形成された左アーム部13bと右アーム部13cとを有している。
【0050】
左アーム部13bと右アーム部13cとは、左右対称であり、開口部53bが、イヤフォンコード9の導入方向(図示、下方向)に徐々に狭くなるようにされ、最小の開口幅w2は、イヤフォンコード9の外形より狭い。
従って、イヤフォンコード9が副コード挿通部53aに導入される際、左アーム部13bと右アーム部13cとが、イヤフォンコード9に押圧されベース部13aに対し徐々に弾性変形することにより、開口部53bが一時的に拡幅する。その結果、イヤフォンコード9は副コード挿通部53aに導入される。
【0051】
イヤフォンコード9が副コード挿通部53aに挿通された後は、第1、第2のアーム部13b,13cの弾性変形が元に復帰する。
イヤフォンコード9が導出される際も、左アーム部13bと右アーム部13cとが、イヤフォンコード9に押圧されベース部13aに対し弾性変形することにより、開口部53bが一時的に拡幅する。その結果、イヤフォンコード9は副コード挿通部53aから導出される。ただし、図示の例では、開口部53aの構造が、導出側では、最初から最小の開口幅w2になっており、徐々に拡幅されるものではないので、導出されにくい構造である。
【0052】
図5(c)、図5(d)に示すように、この実施形態では、イヤフォンコード9として外形状の異なるコードを使用可能にする。
図5(c)に示す丸形コード54を用いた場合、この直径をD2とすると、副コード挿通部53aの外形は、丸形コード54の外形(直径D2)より広く形成し、開口部53bの開口幅w2は直径D2よりも狭くする必要がある。
一方、図5(d)に示す平行丸形コード55を用いた場合、この短辺(丸形の直径)をD3(D3<D2)、長辺をD4とすれば、副コード挿通部53aの外形は、この平行丸形コード55の外形(短辺D3、長辺D4)より広く形成し、開口部53bの開口幅w2は、短辺D3よりも狭くする必要がある。
【0053】
以上の要求を満たすコードクリップ13の一具体例として、副コード挿通部53aの形状は、開口部53bからイヤフォンコード(副コード)9の導入方向(図示下方)に沿って、この順に小径円(直径D3’)と大径円(直径D2’)とが部分的に重なる連結円(だるま型形状)としている。その導入方向の縦幅はD4’とする。
ただし、部分的に重なる領域における外形S1の横幅は、小径円の直径D3’としている。また、開口部53bの開口幅w2は、平行丸形コード55の横幅D3よりも幅狭にしている。
【0054】
その結果、副コード挿通部53aは、イヤフォンコード(副コード)9として、上述した大径円(直径D2’)よりも小さな直径D2の丸形コード54(図5(c))と、上述した小径円(直径D3’)よりも小さな短辺D3と、上述した縦幅D4’(図5(a))よりも短い長辺D4の平行丸形コード(図5(d))、のいずれも挿通可能となる。
図5(c)に示した丸形コード54は、開口部53bの開口w2及び副コード挿通部53aの小径円の輪郭D3’により、副コード挿通部52からの脱落が阻止される。一方、図5(d)に示した平行丸形コード55は、開口部53bの開口w2により、副コード挿通部52からの脱落が阻止される。
【0055】
上述した説明では、脈拍センサコード7を主コードとした。そのため、1又は複数のコードクリップ13を使って、脈拍センサコード7にイヤフォンコード9など、別のコードを合体させることができ、分離独立したコードの取扱いが容易となる。このコードクリップ13は、脈拍センサコード7に沿って移動可能であるから、合体させたい箇所において結束することができる。
逆に、イヤフォンコード9を主コードとしてもよく、この場合、1又は複数のコードクリップ13を使って、イヤフォンコード9に、脈拍センサコード7を合体させることができる。
【0056】
なお、コードクリップ13の主コード挿通孔52に脈拍センサコード(主コード)7を予め挿通しておくには、脈拍センサコード7に脈拍センサ8又はコードプラグ6を電気的に接続する前の状態において、脈拍センサコード7の一端を主コード挿通孔52に挿通しておけばよい。
あるいは、コードクリップ13を製造する金型に、脈拍センサコード(主コード)7を挿入した状態で、樹脂成型してもよい。
【0057】
なお、副コード挿通部53の形状は、図5(f)、図5(g)のような形状にしてもよい。副コード挿通部以外の構成は、図5(a)と同様である。
図5(f)、図5(g)に示すコードクリップ13でも、開口部56b,57bからイヤフォンコード9の導入方向に沿って、この順に部分的に重なる、小径円(直径D3’)と大径円(直径D2’)となり、その導入方向の縦幅をD4’とする連結円(だるま型形状)としている。
ただし、図5(f)では、部分的に重なる領域における外形S2は、小径円と大径円の交点で切り換わるようにしている。
また、図5(g)では、部分的に重なる領域における外形S3は、小径円と大径円の接線としている。
【0058】
図6は、図5に示したコードクリップ13の使用例を示す説明図である。
図6(a)は図1、図4に示した使用例を示し、図6(b)、図6(c)はイヤフォンコード9を使用しない例を示す。
図示のコード収納カバーの範囲は、収納可能な範囲を示し、図4等に示したコード収納カバー12が収納している範囲とは一致しない。図4では、脈拍センサコード7を収納していない。
図6(a)において、携帯型音楽再生装置1に接続されるコードユニット42は、携帯型音楽再生装置1の付属品のオプションとして提供される。
ジャックコード21とジャック22とを用いたのは、携帯型音楽再生装置1の様々な使用形態を考慮したことによる。
【0059】
イヤフォン10には種々の特性、特長のある製品があり、使用者は日頃使用している自分のイヤフォンを使用したいと考える。このような場合のために、短いジャックコード21の先にジャック22を接続したコードユニット42を用意した。
使用者は、気に入っているイヤフォン10のイヤフォンプラグ41をジャック22に差し込んで使用することができる。
なお、脈拍センサコード7のプラグをイヤフォンプラグ41とは別のプラグとすることも考えられる。携帯型音楽再生装置1には、これらが別々に差し込まれる2つのコネクタ端子部を設ける。しかし、そうすると、携帯型音楽再生装置1の構造が大きくなる。コネクタ端子部を小型化すれば、機械的強度が落ちてコネクタ端子部が故障するおそれがある。また、図7を参照して後述するように、コネクタ結合部分の防水性を考慮すれば、上述したコネクタ端子部は共通にしたい。
【0060】
コードクリップ132〜135は、脈拍センサコード7とイヤフォンクリップ9とを結束している。これに対し、コードクリップ131は結束に使用されていない。結束に使用されていないコードクリップ131は、脈拍センサコード7に挿通されているため、紛失することがない。
【0061】
また、スポーツジム等において、自転車型エルゴメータ、トレッドミル、ストレングスマシン等のトレーニング機械を使用した運動などの反復運動をしながら、トレーニング機械のスピーカから放音される音楽を聴く場合に、この携帯型音楽再生装置1では、脈拍の計測のみをする。このような場合、図6(b)、図6(c)に示すように、イヤフォンコード9を取り外して使用することができる。
【0062】
図6(b)、図6(c)に示す例では、イヤフォンコード9がないため、全てのコードクリップ131〜135は、結束に使用されていない。これらは、コード収納カバー12内にまとまるようにスライドさせておけば、目障りにならない。
この場合、コードクリップ131〜133のように、ジャックコード21を脈拍センサコード7に結束するために使用することができる。
【0063】
特に、図6(c)に示すように、コードクリップ131〜135を千鳥状に配置し、コードクリップ131,133,135により、ジャックコード21のコードプラグ6側を脈拍センサコード7と結束し、コードクリップ132,134によりジャックコード21のジャック22側を脈拍センサコード7と結束することもできる。
この場合、コードクリップ131〜135により、ジャックコード21をU字状に保持することができる。
【0064】
上述したコードクリップ13を用いることにより、耳たぶ装着型脈拍センサコード7とイヤフォンコート9とを、一体化して使用したり、別々にして使用したりすることができる。脈拍を計測しながらイヤフォンで音楽を聞く際に、コードクリップにより、それぞれのコードがバラバラにならないので、コードを扱いやすい。
コードクリップ13は、耳たぶ装着型脈拍センサコード7という一方のコードに取り外しできないように挿通されている。従って、コードクリップを外す場合、コードクリップは、主コード側に残ることになるので、コードクリップを紛失することがなく管理しやすく、再度、両コードを一体化しようとする際にも一体化しやすい。
コードクリップ13は、一端がクリップ状のアームであるので、他方のコードを簡単に着脱することができる。着脱の際に、コードクリップの切断や塑性変形を伴わないので、コードクリップは、何度でも着脱して繰り返し使用ができる。
【0065】
上述したコードユニット42の他、脈拍センサコード7とイヤフォンコード9とが、コードプラグ6から分離して引き出されている場合(ジャックコード21とジャック22が介在しない場合)においても、いずれかのコードが挿通孔に挿通されたコードクリップ13を使用して、脈拍センサコード7とイヤフォンコード9とを結束することができる。
この場合のコードユニットは、コードプラグ6、脈拍センサコード7、耳たぶ取付型脈拍センサ8、イヤフォンコード(電気音響変換器用のコード)9、イヤフォン(電気音響変換器)10で構成され、携帯型音楽再生装置1に添付された付属品として使用者に提供される。
また、先に比較例として示した、脈拍センサコード7のプラグとイヤフォンプラグ41とを別々にした場合においても、いずれかのコードが挿通孔に挿通されたコードクリップ13を使用して、脈拍センサコード7とイヤフォンコード9とを結束することができる。
【0066】
コードクリップ13を一方のコード(主コード)に挿通し、この一方のコードに他方のコード(副コード)を結束するものであれば、上述したコードクリップ13は、同様の作用効果を奏する。
主コードは、例えば、その一端が電子装置本体部に対して第1のコネクタ(第1のプラグ)を介して、又は、第1のコネクタを介さずに直接的に、電気的接続され、他端が第1の外部取付される装置に電気的接続されたものであればよい。電子装置本体部は携帯用でなくてもよい。
副コードは、例えば、その一端が電子装置本体部に対して第2のコネクタ(第2のプラグ、第1のコネクタと共通であってもよい)を介して、又は、第2のコネクタを介さずに直接的に、電気的接続され、他端が第2の外部取付される装置に電気的接続されたものであればよい。
電子装置本体の付属品として電気接続用コードユニットが用意される場合、この電気接続用コードユニットは、少なくとも、第1のコネクタ、主コード、第1の外部取付される装置、1又は複数のコード結束部材を有し、加えて、第2のコネクタ、副コード、第2の外部取付される装置を含む場合がある。
外部取付される装置としては、これまでに説明した、耳たぶ取付型脈拍センサ8、イヤフォン10、ヘッドフォンのほか、その他のセンサ(例えば加速度センサ)、マイクロフォン、電子装置本体部に対するリモコン操作部などがある。また、ジャック22のような中間接続コネクタも、外部取付される装置ということができる。
【0067】
図7は、図1に示したコードプラグ6の構造を示す説明図である。
図7(a)〜図7(c)は、コードプラグ6の分解構成図であり、図7(a)は本体部分の側面図を示し、図7(b)は防水キャップ62の側面図、図7(c)は防水キャップ62の平面図である。
図7(d)は、図7(a)の本体部分に図7(b)、図7(c)に示した防水キャップを取り付けたコードプラグ6の側面図である。図7(e)は、コードプラグ6の底面図である。
図7(f)は、コードプラグ6を図1、図2に示した携帯型音楽再生装置1のコネクタ端子部に差し込んだ状態を示す説明図である。
【0068】
図7(a)に示す本体部において、コネクタ結合用で略直方体の突起部6bが、主部6aの下方に突出し、この突起部6bの側面に係合凹部6dが形成されている。
突起部6bの下面からコネクタ結合用で外形が不等6角形の筒状で金属製のシールド筒体61(図7(e)参照)が突出している。
主部6aの左側にコード引出部6cが延設され、脈拍センサコード7及びジャックコード21が引き出されている。
【0069】
図7(b)、図7(c)に示す防水キャップ62は、矩形筒状の基部62aの下に、スカート部62bが、肉厚を徐々に薄く裾広がりに形成されたもので、シリコンゴム等の弾性を有する合成樹脂で形成されている。
基部62aの内面には係合凸部62cが形成されている。防水キャップ62が図7(a)に示した突起部6bに嵌めこまれる際に、係合凸部62cが係合凹部61dに係合することにより、防水キャップ62が突起部6bに密着固定される。
【0070】
図7(d)、図7(e)に示すコードコネクタ6において、61aはシールド筒体61に切り込みを入れて形成された板バネである。シールド筒体61内には、凹部63が形成され、ここに、携帯型音楽再生装置1の側の図示されないコネクタ端子板と物理的かつ電気的に結合することにより、携帯型音楽再生装置1側と電気的に接続される。
図7(f)に示すように、携帯型音楽再生装置1の右側面に形成されたコネクタ端子部(携帯型音楽再生装置側)1kの凹部64に、突起部6bを差し込むと、シールド筒体61は、携帯型音楽再生装置1側のシールド筒体65内に摺動挿入されるとともに、図示されない携帯型音楽再生装置1の側のコネクタ端子板が凹部63に挿入される。
その際、防水キャップ62のスカート部62bは、押しつぶされて扁平になり、携帯型音楽再生装置1の右側面に密着し防水キャップとなる。
【0071】
上述した説明では、電子装置本体部として、耳たぶ取付型脈拍センサ8を用いる携帯型音楽再生装置1を例示して説明した。しかし本発明は、耳たぶ取付型脈拍センサ8を用いない一般的な携帯型音楽再生装置のほか、携帯電話機、携帯型コンピュータ、携帯型ゲーム機等にも適用可能であり、同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の一形態を示す説明図である。
【図2】図1に示した携帯型音楽再生装置、装置固定ベルト、装着ベルト等の詳細を示す構造図である。
【図3】図1、図2に示したコード収納カバー、及び、このコード収納カバーに代わるパッドの説明図である。
【図4】図3(c)、図3(d)に示したコード収納カバーの使用形態を示す説明図である。
【図5】図1に示したコードクリップの構造図である。
【図6】図5に示したコードクリップの使用例を示す説明図である。
【図7】図1に示したコードプラグの構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0073】
1…携帯型音楽再生装置(携帯型電子装置本体部)、1a…上部筐体、1b…下部筐体、1c…電源スイッチ、1d…押下操作スイッチ、1e…指掛部、1f,1g…レバースイッチ、1h…液晶表示画面、1i…USBコネクタ端子収容部、1j…係合凸部、1k…コネクタ端子部、
2…装置受皿、2a…係合凹部、2b…摘み、3…装置固定ベルト、3a…窓部、3b…上端部、3c…下端部、4…装着ベルト、4a…基布面、4b…パイル面、5…リング部材、
6…コードプラグ(共通プラグ)、6a…主部、6b…突起部、6c…引出部、6d…係合凹部、
7…脈拍センサコード(主コード)、8…耳たぶ取付型脈拍センサ、9…イヤフォンコート(副コード、電気音響変換器用のコード)、9L…左耳用イヤフォンコード、9R…右耳用イヤフォンコード、10…イヤフォン(電気音響変換器)、10R…右耳用イヤフォン、10L…左耳用イヤフォン、11…イヤフォンコード分岐部材、
12…コード収納カバー(コード収納部)、12a…取付領域、12b…収納領域、12c…重ね合わせ領域、
13…コードクリップ(コード結束部材)、13A…上面、13B…下面、13C…側面、13a…ベース部、13b…左アーム部、13c…右アーム部、131〜136…コードクリップ、
14…腕、15…耳、21…ジャックコード、22…ジャック、23…面ファスナ(第1の結合部材)、25…台座部(装置受皿2、装置固定ベルト3の一部、面ファスナ23)、26…接合部、27…面ファスナ、28…摘み、29…鳩目、31…パッド、32…面ファスナ、33…立体編物、34…バイアステープ、35…面ファスナ(第1の面ファスナ)、36…面ファスナ(第2の結合部材)、37…面ファスナ(第2の面ファスナ)、38…立体編物(クッション性のあるメッシュ材)、
41…イヤフォンプラグ、42…コードユニット(コードプラグ6、脈拍センサコード7、耳たぶ取付型脈拍センサ8、ジャックコード21、ジャック22、コードクリップ13)、
51…軸、52…主コード挿通孔、53…副コード挿通凹部、53a…副コード挿通部、53b…開口部、54…丸形コード、55…平行丸形コード、56,57…副コード挿通凹部、56a,57a…副コード挿通部、56b,57b…開口部、
61…シールド筒体、61a…板バネ、62…防水キャップ、62a…基部、62b…スカート部、62c…係合凸部、63…凹部、64…コネクタ端子部1kの凹部(携帯型音楽再生装置1側)、65…シールド筒体(携帯型音楽再生装置1側)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電子装置本体部と、
該携帯型電子装置本体部が取り付けられる台座部と、
該台座部に取り付けられ、使用者の腕に装着される装着ベルトと、
面状で折り曲げ可能なコード収納部を有し、
前記台座部は、当該裏面に第1の結合部材を有し、
前記コード収納部は、当該一方の面に、収納領域と該収納領域を間にして取付領域と重ね合わせ領域を有し、
前記取付領域には、前記第1の結合部材に対し着脱自在に結合される第2の結合部材を有し、
前記収納領域には、第1の面ファスナを有し、
前記重ね合わせ領域には、前記第1の面ファスナに着脱自在に結合される第2の面ファスナを有し、
前記コード収納部が折り曲げられて前記第1の面ファスナと前記第2の面ファスナとが面結合することにより、前記コード収納部に前記携帯型電子装置本体部に接続されるコードの余長が収納されるようにした、
ことを特徴とするコード収納部付携帯型電子装置。
【請求項2】
前記第2の結合部材は、前記コード収納部が前記台座部に対し前記装着ベルトに直交する方向に配置されたときに前記第1の結合部材の形状に対向する形状である、
ことを特徴とする請求項1に記載のコード収納部付携帯型電子装置。
【請求項3】
携帯型電子装置本体部と、
面状で折り曲げ可能なコード収納部を有し、
前記携帯型電子装置本体部は、当該裏面に第1の結合部材を有し、
前記コード収納部は、当該一方の面に、収納領域と該収納領域を間にして取付領域と重ね合わせ領域を有し、
前記取付領域には、前記第1の結合部材に対し着脱自在に結合される第2の結合部材を有し、
前記収納領域には、第1の面ファスナを有し、
前記重ね合わせ領域には、前記第1の面ファスナに着脱自在に結合される第2の面ファスナを有し、
前記コード収納部が折り曲げられて前記第1の面ファスナと前記第2の面ファスナとが面結合することにより、前記コード収納部に前記携帯型電子装置本体部に接続されるコードの余長が収納されるようにした、
ことを特徴とするコード収納部付携帯型電子装置。
【請求項4】
前記コード収納部の他面は、クッション性のあるメッシュ材である、
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のコード収納部付携帯型電子装置。
【請求項5】
前記収納領域における前記コード収納部は、当該幅が、前記取付領域から前記重ね合わせ領域に近づくにつれて徐々に短くなっている、
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のコード収納部付携帯型電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−75263(P2010−75263A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244232(P2008−244232)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】