説明

コード表記物を利用した情報収集装置と情報収集方法

【課題】 コード表記を利用して情報を収集する際に、コード表記になじみにくい位置の情報等を併せて収集する技術を提供する。
【解決手段】 コード表記物が固定されている物体から情報を収集する装置であって、物体を撮像する撮像手段と、コード表記物が記述している情報を読取る読取手段と、撮像手段が撮像した撮像画像中のコード表記物の像に基づいて、物体中におけるコード表記物の固定位置を特定する位置特定手段と、読取手段が読取った情報と、位置特定手段が特定した固定位置を対にして記憶する情報記憶手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード表記物を物体に固定するとともに、物体に固定されたコード標記物から物体の情報を収集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードや二次元コード等のコード表記は、読取装置によって情報を読取ることが可能となることから、工業製品の生産現場等にも応用されている。例えば特許文献1には、自動車生産ラインの検査工程でバーコードを利用する技術が記載されている。この技術では、自動車に自動車の識別情報を記述するバーコードを貼付しておき、バーコード読取装置によってバーコードを読取ることによって、検査する自動車の識別情報を収集する。自動車の識別情報を収集する作業を機械化することで、人為的なミスを防止するようにしている。
【特許文献1】特開平1−306379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コード表記を利用する従来の情報収集技術は、コード表記されている情報を読取ることに注力しており、収集したい情報を予めコード表記しておく必要がある。従って、コード表記することになじみにくい情報については、コード表記を利用して情報を収集することが得策でないことも多い。
例えば工業製品の検査工程では、製品に生じている製造欠陥の種類情報を収集して記憶することに加え、製造欠陥の存在部位に関する情報をも収集して記憶することが求められている。例えば塗装面の塗装欠陥のように、製品に局所的に生じる製造欠陥については、製造欠陥の種類に関する情報と、その発生位置に関する情報の両者を収集して記憶することが求められる。すなわち塗装欠陥の場合、「異物混入」、「塗料溜り」、「塗料ハゲ」といった種類情報と、その発生位置に関する情報を収集して記憶することが求められる。この場合、前者の種類情報はコード表記しやすい。一方、塗装欠陥の発生位置をコード表記するためには、その発生位置を測定して定量的に把握する必要があり、コード表記しづらい性格を持っている。そのことから従来では、塗装欠陥等の発生位置等を、作業者が記録用紙等にスケッチして残すようにしており、情報化と情報の記憶過程に時間と工数を要している。
本発明は、上記の課題を解決する。本発明では、コード表記を利用して情報を収集する際に、コード表記になじみにくい位置の情報を併せて収集する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、コード表記物が固定されている物体から情報を収集する装置に具現化することができる。この情報収集装置は、物体を撮像する撮像手段と、コード表記物が記述している情報を読取る読取手段と、撮像手段が撮像した撮像画像中のコード表記物の像に基づいて、物体中におけるコード表記物の固定位置を特定する位置特定手段と、読取手段が読取った情報と、位置特定手段が特定した固定位置を対にして記憶する情報記憶手段を備えている。
ここでいうコード表記とは、バーコードや二次元コード等のように、読取手段によって情報が読取り可能に表記されているものを示し、手書き数字認識装置を利用する場合には手書き数字もコード表記の一種である。
【0005】
この情報収集装置によると、コード表記物が記述している情報と、物体中におけるコード表記物の位置情報を対にして収集することができる。
例えば物体表面の塗装欠陥に関する情報を収集する場合、塗装欠陥の種類を記述するコード表記物を用意し、そのコード表記物を塗装欠陥の発生位置に貼付しておけば、この情報収集装置によって、塗装欠陥の種類とその発生位置を対にして収集することができる。塗装欠陥の発生位置にコード表記物を貼付すれば足りることから、塗装欠陥の発生位置を測定する必要がなくなる。
この情報収集装置によると、位置に関する情報を含む情報を収集する際に、コード表記することが面倒な位置に関する情報をコード表記しておく必要がない。コード表記物の位置から位置に関する情報を直接的に収集して記憶することができる。
【0006】
上記の情報収集装置では、物体の形状を記述している形状データの記憶手段が付加されていることが好ましい。この場合、位置特定手段は、記憶手段が記憶している形状データを、撮像手段が撮像した撮像画像中の物体の像の領域に重畳することによって、物体中におけるコード表記物の固定位置を特定することが可能となる。
撮像画像中において物体の像の位置が変動する場合でも、物体中におけるコード表記物の固定位置を正確に特定すること可能となる。
【0007】
上記の情報収集装置の場合、コード表記物が記述している情報を読取る読取手段は、物体を撮像する撮像手段が撮像した撮像画像中のコード表記物の像に基づいて、コード標記物が記述している情報を読取ることが好ましい。
それにより、撮像手段が読取り手段を兼用することができる。バーコードリーダといったコード読取り専用装置を不要化することができる。
【0008】
本発明の技術は、コード表記物が固定されている物体から情報を収集する方法にも具現化される。この情報収集方法は、物体を撮像する撮像工程と、コード表記物が記述している情報を読取る読取工程と、撮像工程で撮像した撮像画像中のコード表記物の像に基づいて、物体中におけるコード表記物の固定位置を特定する位置特定工程と、読取工程で読取った情報と位置特定工程で特定した固定位置を対にして記憶する情報記憶工程を備えている。
この方法によれば、コード表記物を利用して情報を収集する際に、コード表記しづらい位置に関する情報をコード表記しておく必要がなく、それでいながら位置に関する情報を併せて収集することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、コード表記物からコード化された情報を読取るのと同時に、コード表記物の位置を利用して、位置に関する情報を併せて収集することができる。それにより、コード表記が困難な位置に関する情報を、コード表記することなく収集することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
最初に、以下に説明する実施例の主要な形態を列記する。
(形態1) 画像処理装置は、撮像画像に撮像されているバーコード像から、バーコードが記述している情報を読取るバーコード読取部を備えている。
(形態2) 画像処理装置は、ワークの形状を記述している形状データを記憶する装置を備えている。
(形態3) 画像処理装置は、撮像画像中のワーク像の領域や、撮像画像中のバーコード像の領域を特定することができる。
(形態4) 画像処理装置は、撮像画像中のワーク像の領域に、形状データが記述するワークの形状情報を重畳することによって、撮像画像中における位置とワーク中における位置の対応を記述する位置対応マップを作成することができる。
【実施例】
【0011】
(実施例1)
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は、自動車の生産ラインに本発明を実施したものである。
図1は、本実施例の自動車生産ラインの一部を示している。図1に示すように、本実施例の自動車生産ラインは、塗装工程Aと検査工程Bと記録工程Cと補修工程Dと確認工程E等を備えている。塗装工程A〜確認工程Eによって、ワーク(自動車ボディ)Wの表面に第1塗装(下塗り塗装)が実施される。なお、本実施例の自動車生産ラインは、第2塗装(中塗り塗装)や第3塗装(上塗り塗装)を実施する工程も別に備えている。第2塗装や第3塗装を実施する工程についても、塗装工程A〜確認工程Eと同様の工程から構成されている。
自動車の生産ラインは、ワークWを各工程に搬送する搬送装置50を備えている。搬送装置50は、ワークWを載置する搬送ベッド54と、搬送ベッド54を動かす搬送駆動部52と、搬送駆動部52の動作を調節する制御部56を備えている。制御部56は、搬送駆動部52の動作を調節し、各搬送ベッド54の流れをコントロールする。それにより、ワークWの流れがコントロールされる。
【0012】
塗装工程Aでは、ワーク(自動車ボディ)Wに塗料を塗布する塗装作業が行われる。塗料の塗布は、塗装装置4によって行われる。塗装後のワークWは、搬送装置50によって検査工程Bへと搬送される。
検査工程Bでは、塗装後のワークWの塗装面を検査する作業が行われる。ワークWの塗装面には、例えば「異物混入」、「塗料溜り」、「塗装ハゲ」等の塗装欠陥が生じることがある。作業者H1は、目視検査や触診によってワークWの塗装面を検査し、ワークWの塗装面に生じている塗装欠陥を検出する。ワークWの塗装面に塗装欠陥を検出した場合、作業者H1は塗装欠陥の発生位置(図中のP1)に、その塗装欠陥の種類に対応するバーコードラベルT1を貼付する。バーコードラベルT1は、検査工程Bに用意されているバーコードラベル発行機6によって発行される。
【0013】
バーコードラベル発行機6は、塗装欠陥の種類(例えば「異物混入」)に対応するコードを記述するバーコードラベルTを発行する。バーコードラベル発行機6のタッチパネル6aには、「異物混入」、「塗料溜り」、「塗装ハゲ」等の操作ボタンが表示されている。例えば「異物混入」ボタンが操作された場合、バーコードラベル発行機6は「異物混入」に対応するコードを記述するバーコードラベルTを発行する。
バーコードラベル発行機6には複数色のバーコードラベル原紙がセットされており、バーコードラベル発行機6はシール原紙の色を変更してバーコードTを発行することができる。タッチパネル6aには、ワークWの塗装色を示す「濃色系」、「淡色系」、「白系」等の操作ボタンが表示されている。例えば「濃色系」ボタンが操作された場合、バーコードラベル発行機6は「濃色系」と色相が大きく異なるシール原紙(例えば白色原紙)を用いてバーコードラベルTを発行する。
検査工程Bの作業者H1は、ワークWに塗装欠陥を検出した場合、バーコードラベル発行機6のタッチパネル6aを操作してバーコードラベルTを発行する。次いで、発行したバーコードラベルTを塗装欠陥の発生位置に貼付する。このときバーコードラベルTは、塗装欠陥上に貼付されてもよいし、塗装欠陥の発生位置から所定方向(例えば下方向)に所定距離(例えば1cm)だけオフセットした位置に貼付されてもよい。作業者H1は、検出した塗装欠陥の種類や発生位置を記録用紙等に記録する必要がない。特に、塗装欠陥の発生位置をスケッチしたり計測したりする必要がないことから、作業者H1は検査作業を迅速に行うことができる。検査後のワークWは、搬送装置50によって記録工程Cへと搬送される。
【0014】
記録工程Cでは、検査工程Bにおいて作業者H1が検出した塗装欠陥を記録する処理が行われる。記録工程Cには、塗装欠陥に関する情報を収集する情報収集装置2が用意されている。記録工程Cでは、作業者等が直接的に介在することはない。
塗装欠陥の情報収集装置2は、カメラ群14と、画像処理装置10と、データ記憶装置20と、蓄積記憶装置30等を備えている。蓄積記憶装置30は、生産ラインに用意されているネットワークサーバ40に接続されている。ネットワークサーバ40には、複数の表示装置42a、42b、42c・・・が接続されている。各表示装置42a、42b、42c・・・は生産ラインの各工程に配置されており、例えば表示装置42bは確認工程Eに配置されている。
【0015】
カメラ群14は、いわゆるデジタルカメラであり、映像(光信号)を電子情報に変換した画像データを作成する。図2に示すように、カメラ群14は複数のカメラ14U、14F、14B、14L、14Rから構成されている。カメラ14UはワークWを上方から撮像する。カメラ14FはワークWを前方から撮像する。カメラ14BはワークWを後方から撮像する。カメラ14LはワークWを左方から撮像する。カメラ14RはワークWを右方から撮像する。複数のカメラ14U、14F、14B、14L、14Rを用いることによって、ワークWの塗装面のほぼ全体が撮像される。
画像情報処理装置10は、二値化処理や輪郭強調処理等の周知の画像処理を実行することができる。また画像情報処理装置10は、バーコード読取部11を備えている。バーコード読取部11は、画像に撮像されているバーコード像から、バーコードが記述している情報を読取る処理を行う。
【0016】
データ記憶装置20は、画像処理装置10が利用する電子データを記憶している。データ記憶装置20には、例えば車両形状データベース22や、バーコードデータベース24が記憶されている。
図3に示すように、車両形状データベース22は、複数の車両形状データ22a、22b、22c、・・・から構成されている。各車両形状データ22a、22b、22c、・・・は、自動車の各車種α、β、γ・・・の自動車ボディ(ワークW)の形状を記述している。各車両形状データ22a、22b、22c、・・・は、例えばxyz座標系における自動車ボディの表面位置P:(x,y,z)を記述している。各形状データ22a、22b、22c、・・・には、CADデータ等を利用することができる。
バーコードデータベース24は、バーコードラベル発行機6が発行するバーコードラベルTのコード情報と、塗装欠陥の種類を対応付けて記述している。
蓄積記憶装置30は、画像情報処理装置10から教示された情報を蓄積記憶する。蓄積記憶装置30に記憶されている情報は、ネットワークサーバ40を介して表示装置42a、42b、42c・・・から取得することができる。
【0017】
図4は、塗装欠陥の情報収集装置2の動作の流れを示すフローチャートである。図4に示すフローに沿って、情報収集装置2の動作について説明する。
ワークWが記録工程Cに搬入されるまで、情報収集装置2は待機している(ステップS2)。記録工程CにワークWが搬入されると、ステップS4へと進む。ワークWが搬入されたことを検出するためには、例えば光電管センサ等を用いて検出してもよいし、搬送装置50の制御部56から指示を受けることで検出してもよい。
ステップS4では、カメラ群14がワークWを撮像する。図5に、ワークWを右方から撮像するカメラ14Rの撮像画像F1を例示する。図5に示すように、撮像画像F1には、ワークWの像Wf(ワーク像Wf)や、ワークWに貼付されているバーコードラベルT1の像(バーコードラベル像)Tf1が撮像されている。カメラ群14が撮像した撮像画像群は、画像処理装置10に入力される。
【0018】
ステップS6〜ステップS20の処理は、主に画像処理装置10によって実行される。画像処理装置10は、各ステップの処理を、各カメラ14U、14F、14B、14L、14Rが撮像した撮像画像のそれぞれに対して実行する。そのことから、以下ではカメラ14Rの撮像画像F1に対する処理を例に挙げて説明し、他のカメラ14U、14F、14B、14Lが撮像した画像に対する処理は省略する。
ステップS6では、画像処理装置10が、撮像画像F1に撮像されているワーク像Wfやバーコードラベル像Tf1の撮像領域を特定する。撮像画像F1には、例えば搬送ベッド54等のワークW以外の物体が写り込んでいる(図5では図示省略)。このステップS6の処理では、それらのノイズを除去するとともに、ワーク像Wfやバーコードラベル像Tf1の撮像領域の輪郭等を画定する。そのために画像処理装置10は、撮像画像F1に周知の二値化処理や輪郭強調処理を実行することで、図6に例示する輪郭強調画像F2を作成する。輪郭強調画像F2では、ノイズが除去されているとともに、ワーク像Wfの輪郭部Rwやバーコードラベル像Tf1の輪郭部Rt1が強調されている。輪郭強調画像F2を作成することによって、撮像画像F1に含まれるノイズ等に影響を受けることなく、ワーク像Wfやバーコードラベル像Tf1の撮像領域を正確に特定することができる。先に説明したように、バーコードラベルT1には、ワークWの塗装色と色相が大きく異なるシール原紙が用いられている。それにより、バーコードラベル像Tf1の輪郭部Rt1は正しく抽出される。
ステップS8では、画像処理装置10のバーコード読取部11が、撮像画像F1に撮像されているバーコードラベル像Tf1から、バーコードT1が記述している情報を読取る。バーコード読取部11は、ステップS8で特定されたバーコードラベル像Tf1の撮像領域に対して、コード情報を読取る処理を実行する。バーコード読取部11は、読取ったコード情報をバーコードデータベース24に照会することで、ワークWに生じている塗装欠陥の種類を特定する。
【0019】
ステップS10では、画像処理装置10が、撮像画像F1におけるバーコードラベル像Tf1の位置を特定する。この処理においても、画像処理装置10は、輪郭強調画像F2を利用する。画像処理装置10は、輪郭強調画像F2のバーコードラベル像Tf1の輪郭部Rt1から、バーコードラベル像Tf1の中心位置Pf1:(m1,n1)を算出する(図6参照)。
ステップS12では、画像処理装置10が車両形状データベース22を照会し、輪郭強調画像F2のワーク像Wfの形状に一致する車両形状データを選択する。ここでは、例えば図3に示す車種αの車両形状データ22aが選択されたとする。なお、画像処理装置10がワークWの車種を特定することに換えて、ワークWの車種をネットワークサーバ40を介して画像処理装置10に教示するようにしてもよい。
ステップS14では、画像処理装置10が、ステップS12で選択した車両形状データ22aを撮像画像F1(あるいは輪郭強調画像F2)のワーク像Wfに重畳して、図7に例示する位置対応マップMを作成する。位置対応マップMでは、撮像画像F1(あるいは輪郭強調画像F2)における位置(例えばPf1:(m1,n1))と、ワークWにおける位置(例えばP1:(x,y,z))が、対応付けて記述されている。
ステップS16では、画像処理装置10が、ステップS10で特定したバーコードラベル像Tf1の中心位置Pf1:(m1,n1)と、位置対応マップMから、ワークWにおけるバーコードラベルT1の固定位置P1:(x1,y1,z1)を特定する(図7参照)。このステップS16の処理によって、ワークWにおける塗装欠陥の発生位置P1:(x1,y1,z1)が特定される。なお、検査工程BにおいてバーコードラベルT1を塗装欠陥の発生位置からオフセットさせている場合には、そのオフセット量を加味して塗装欠陥の発生位置を特定する。
【0020】
ステップS18では、ステップS8で特定した塗装欠陥の種類と、ステップS16で特定した塗装欠陥の発生位置P1が、搬送装置50の制御部56に教示される。搬送装置50は、塗装欠陥が生じているワークWは補修工程Dへと搬送し、塗装欠陥のないワークWは確認工程Eへと搬送する。このとき、塗装欠陥が生じているワークWであっても、塗装欠陥の種類や発生位置から確認工程Eで補修可能と判断すれば、確認工程Eへ搬送することもある。
ステップS20では、ステップS8で特定した塗装欠陥の種類と、ステップS16で特定した塗装欠陥の発生位置P1が、蓄積記憶装置30に記憶される。蓄積記憶装置30は、教示された塗装欠陥の種類と発生位置P1を対にして記憶する。このとき、蓄積記憶装置30には、例えば記録日時、ワークWの種類(車種)、作業者ID、製品ID等を併せて記憶させてもよい。それらの情報は、例えばネットワークサーバ40を介して蓄積記憶装置30に教示することができる。
塗装欠陥の情報収集装置2は、記録工程Cに搬送されてくるワークW毎に、以上の処理フローを繰り返し実行する。
【0021】
補修工程Dでは、搬入されたワークWに対して、塗装欠陥の補修作業が行われる。塗装欠陥の補修作業は、作業者H2によって行われる。作業者H2は、ワークWに貼付されているバーコードラベルT1を目印にすることによって、塗装欠陥の位置P1を容易に特定することができる。作業者H2は、バーコードラベルT1を除去し、塗装欠陥の補修作業を行う。補修後のワークWは、確認工程Eへと搬送される。
確認工程Eでは、ワークWの塗装面の良否が確認される。塗装面の確認作業は、作業者H3によって行われる。補修工程Dで補修された補修位置(即ち塗装欠陥の発生位置)P1は、補修後の塗装面を観察しても特定することは困難である。本実施例の生産ラインでは、記録工程Cで記録された塗装欠陥の種類と発生位置が、表示装置42bに表示されるようになっている。表示装置42bにはワークWに生じていた塗装欠陥の種類と位置が正確に表示されるので、作業者H3は塗装欠陥の補修位置を正確に確認することができる。
【0022】
蓄積記憶装置30には、ワークWの塗装面に生じた塗装欠陥の種類と発生位置が蓄積記憶されて、塗装欠陥の種類と発生位置に関する正確なデータが作成されていく。図8に例示するように、蓄積記憶された塗装欠陥の種類と発生位置は、ワークWと併せて表示装置42a等に表示することができる。塗装欠陥の種類と発生位置の相関関係等を分析することで、塗装欠陥が発生する原因を正確に特定することも可能となり、塗装欠陥を未然に防ぐための対策を的確に講じることも可能となる。
【0023】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
上記の実施例では、バーコードラベルを利用しているが、他のコード表記物を利用することも可能である。塗装欠陥の種類情報に対応するコードを表記可能であればよく、各種の記号や色彩等を用いてコードを記述するコード表記物を利用することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例の生産ラインの一部を模式的に示す図。
【図2】カメラ群の構成を示す図。
【図3】車両形状データの構成を示す図。
【図4】記録装置の動作の流れを示すフローチャート。
【図5】撮像画像の一例を示す図。
【図6】輪郭強調画像の一例を示す図。
【図7】位置対応マップの一例を示す図。
【図8】蓄積された塗装欠陥に関する情報の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0025】
2・・記録装置
4・・塗装装置
6・・バーコードラベル発行機
14・・カメラ群
10・・画像処理装置
11・・バーコード読取部
20・・データ記憶装置
22・・車両形状データベース
24・・バーコードデータベース
30・・蓄積記憶装置
40・・ネットワークサーバ
42a、42b、42c・・表示装置
W・・ワーク
T、T1・・バーコードラベル
Wf・・ワーク像
Tf1・・バーコード像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード表記物が固定されている物体から情報を収集する装置であって、
物体を撮像する撮像手段と、
コード表記物が記述している情報を読取る読取手段と、
撮像手段が撮像した撮像画像中のコード表記物の像に基づいて、物体中におけるコード表記物の固定位置を特定する位置特定手段と、
読取手段が読取った情報と、位置特定手段が特定した固定位置を対にして記憶する情報記憶手段と、
を備える情報収集装置。
【請求項2】
物体の形状を記述している形状データの記憶手段が付加されており、
前記位置特定手段は、その形状データを、前記撮像画像中の物体の像の領域に重畳することによって、物体中におけるコード表記物の固定位置を特定することを特徴とする請求項1の情報収集装置。
【請求項3】
前記読取手段は、前記撮像画像中のコード表記物の像に基づいて、コード標記物が記述している情報を読取ることを特徴とする請求項1又は2の情報収集装置。
【請求項4】
コード表記物が固定されている物体から情報を収集する方法であって、
物体を撮像する撮像工程と、
コード表記物が記述している情報を読取る読取工程と、
撮像工程で撮像した撮像画像中のコード表記物の像に基づいて、物体中におけるコード表記物の固定位置を特定する位置特定工程と、
読取工程で読取った情報と、位置特定工程で特定した固定位置を対にして記憶する情報記憶工程と、
を備える情報収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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