説明

コード読取装置

【課題】パネルがパネル収納容器内に収納された状態においても識別コードを読み取ることができ、その処理効率を向上させる。
【解決手段】複数枚のパネルPがパネル収納容器内に各々所定の間隔を隔てて並列に収納された状態でこれらのパネルPの間に該パネルの面に沿って照明光を照射する照明手段10と、これらのパネルP間に挿入され照明光を識別コードC1側に反射させる反射ブロック93aと、これらのパネルの間に挿入され照明光が識別コードC1を透過することにより識別コード情報を含んだ照明光をパネルP面に沿って反射させる反射ブロック93bと、この反射ブロック93bによって反射された照明光を受光することによりこの照明光に含まれる識別コード情報を検出する撮像装置8を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルなどの各種パネルに配設された識別コードを読み取るコード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルは、通常、透明電極をガラス基板に形成する電極形成工程、ガラス基板に配向膜等を形成する表面処理工程、ガラス基板を貼り合わせる基板貼着工程、これらの基板間に液晶を注入・封止する液晶充填工程等の各種工程を経て形成される。そして、これらの製造履歴や、検査工程における検査結果をパネルごとに管理するため、各パネルにバーコードなどの固有の識別コードが付されることがある。
【0003】
従来、これらの識別コードを読み取るためのコード読取装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。すなわち、この特許文献1には、パネル(特許文献1では「基板」と表現)上のコードに対して直接照明光を照射する投光部および上記照明光を受光してパネル上のコードを検出する検出部を内蔵したバーコードリーダと、上記パネルを所定のコード読取位置に搬送する搬送ハンドとを備えたコード読取装置が開示されている。
【特許文献1】特開2000−123106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような液晶パネルや基板などの各種パネルの製造工程では、複数枚のパネルが各々所定の間隔を隔てて並列に収納されるパネル収納容器内に収納された状態で一括して搬送されることが多い。このように各パネルがパネル収納容器内に収納された状態では各パネル間の間隔が狭く、各パネル間にバーコードリーダを配設することができないため、このままでは上記特許文献1記載のコード読取装置によって各パネルに付された識別コードを読み取ることができない。このため、この特許文献1の装置では、わざわざ搬送ハンドによってパネル収納容器からパネルを一枚ずつ取り出し、このパネルをバーコードの読み取り位置であるバーコードリーダに対応する位置に搬送して識別コードを読み取り、該識別コードと検査工程の検査結果等とを関連付けるなどされていた。
【0005】
このように、従来のコード読取装置では、一枚ずつパネルを抜き出して読み取り位置にまで搬送しなければならず、その結果、読み取りのための処理効率、ひいては生産効率が思うように向上しないという問題があった。特に、近年、顧客満足度を向上させるため、小型の液晶パネルなどについても各々識別コードを付して製造履歴等を管理することが求められるようになってきており、これらの個々の小型の液晶パネルを一枚ずつ取り出して識別コードを読み取るのは、上記処理効率が極めて悪くなる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、パネルがパネル収納容器内に収納された状態においても上記識別コードを読み取ることができ、その処理効率を向上させることができるコード読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコード読取装置は、パネルの面の所定領域に配設された識別コードを読み取るコード読取装置において、複数枚の上記パネルがパネル収納容器内に各々所定の間隔を隔てて並列に収納された状態でこれらのパネルの間に該パネルの面に沿って照明光を照射する照明手段と、これらのパネル間に挿入され上記照明光を上記識別コード側に反射させる第1の反射手段と、これらのパネルの間に挿入され上記照明光が上記識別コードを透過しまたは上記識別コードで反射されることにより識別コード情報を含んだ照明光を上記パネル面に沿って反射させる第2の反射手段と、この第2の反射手段によって反射された照明光を受光することによりこの照明光に含まれる識別コード情報を検出するコード検出手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
この発明によれば、上記照明手段によってパネル間の隙間に照明光を照射して、この照明光を第1および第2の反射手段によって反射させることにより上記コード検出手段において上記識別コード情報を検出することができるので、パネル間の間隔が狭い場合でも、比較的簡易に構成される第1および第2の反射手段をパネル間の隙間に挿入することによって照明光の光路を変更することができ、これによりコード検出手段をパネル間の隙間に挿入しなくても識別コードを検出することができる。すなわち、パネルが上記パネル収納容器内に収納された状態においても識別コードを検出することができ、この識別コードの読み取りにあたって各パネルを1枚ずつ取り出す必要がなく、これらのパネルに配設された識別コードを連続的に読み取ることも可能になるなど、識別コードの読み取りのための処理効率を向上させることができる。
【0009】
この場合、上記第1および第2の反射手段を手動で上記パネル間に挿入してこれらの各反射手段を上記識別コードに対応する位置に配置するものであってもよいが、このコード読取装置において、上記第1および第2の反射手段を上記パネル間に挿入してこれらの各反射手段を上記識別コードに対応する位置に配置する駆動手段をさらに備えるのが好ましい(請求項2)。
【0010】
このように構成すれば、上記パネル収納容器をセットするだけで、駆動手段によって自動的に第1および第2の反射手段を所定の位置に配置させることができ、上記識別コードの読み取りのための処理効率を一層向上させることができる。
【0011】
この場合、上記パネル間に挿入される部分の幅が先細り状に形成され、上記第1および第2の反射手段が挿入される前に上記パネル間に挿入されることにより各パネルの姿勢を保持する姿勢保持手段をさらに備えるのが好ましい(請求項3)。
【0012】
すなわち、上記パネルはパネル収納容器内に各パネル間に所定の遊びをもって収納されることが多く、上記駆動手段によって第1および第2の反射手段が配置される際に、これらの反射手段が上記パネルに接触して上記パネルが損傷することも懸念される。しかしながら、このように構成すれば、上記パネル間の離間方向の幅が先細り状に形成された姿勢保持手段がこれらの反射手段の挿入に先立って挿入されることによりパネルを保持してパネル間の間隔を固定することができることから、各反射手段とパネルとの不測の接触を回避することができ、各反射手段がパネルに接触することによるパネルの不測の損傷を防止することができる。
【0013】
この発明において、上記第1および第2の反射手段はともに複数個設けられ、上記第2の反射手段は上記識別コードを透過した照明光が反射されるように構成されるとともに隣接するパネルの識別コードを透過させるための照明光が反射される、上記隣接パネルのための第1の反射手段としても構成されているのが好ましい(請求項4)。
【0014】
このように構成すれば、上記第2の反射手段は、上記識別コードを透過した照明光が反射されるように構成されるとともに、隣接するパネルの識別コードを透過させるための照明光が反射される、上記隣接パネルのための第1の反射手段としても構成されているので、第2の反射手段を隣接するパネルのための第1の反射手段として利用することができ、部材構成を簡略化することができる。
【0015】
具体的には、上記第2の反射手段は、先端に表裏いずれの面でも光反射可能な傾斜反射面を有する透明体として構成されることにより、上記識別コードを透過した照明光が上記透明体を通ってこの傾斜反射面の裏面で反射され、一方、隣接するパネルの上記識別コードを透過させるための照明光が上記傾斜反射面の表面で反射されるように構成されているのが好ましい(請求項5)。
【0016】
このように構成すれば、第2の反射手段は、先端に表裏いずれの面でも光反射可能な傾斜反射面を有する透明体、いわゆるプリズムミラーとして構成されているので、簡単な構成で第2の反射手段と隣接パネルのための第1反射手段とを共用化させることができる。
【0017】
また、この発明において、上記照明手段および上記識別コード検出手段をそれぞれパネルの並列方向に移動させて順次照明光を照射させて識別コードを検出するように構成等するものであってもよいが、上記照明手段は上記パネル収納容器内に収納された各パネル間に一挙に照明光を照射するように構成されるとともに、上記コード検出手段は上記パネルの並列方向に沿って移動し各パネルの上記識別コードを順次検出するように構成されているのが好ましい(請求項6)。
【0018】
このように構成すれば、上記照明手段によって各パネル間に照射される照明光をそれぞれ安定させることができ、この状態で上記識別コード検出手段を移動させれば、効率かつ安定的に上記識別コード情報を検出することができる。
【0019】
一方、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記第2の反射手段は、上記識別コードで反射された照明光を反射させる第1の反射手段として構成されるものとしてもよい(請求項7)。
【0020】
このように構成すれば、各パネルの識別コードを読み取るために、各反射手段を共用化することができ、部材構成を簡略化することができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明に係るコード読取装置によれば、パネル間の間隔が狭い場合でも識別コードを検出することができることから、パネルが上記パネル収納容器内に収納された状態においてもこのパネル面の所定領域に配設された識別コードを検出することができるという利点がある。このため、この識別コードの読み取りにあたって各パネルを1枚ずつ取り出す必要がなく、これらのパネルに配設された識別コードを連続的に読み取ることも可能になるなど、識別コードの読み取りのための処理効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明のコード読取装置の一実施形態について説明する。図1および図2は当実施形態に係るコード読取装置の概略を示す正面図および側面図である。
【0023】
このコード読取装置3は、複数枚のパネルPがパネルカセット4(パネル収納容器の一例に相当)内に収納された状態で各パネルPに配設された識別コードCを読取可能に構成されている。図3はこのパネルを概略的に示す平面図であり、図4はパネルカセットを概略的に示す断面図である。
【0024】
パネルPは、分割されることにより複数枚の小型液晶パネルが形成される、いわゆる複数面付(ここでは8面付)タイプのものであり、一方向に長尺な短冊状パネルとして形成されている。具体的には、このパネルPは、基板間にカラーフィルター層、透明電極層、配向膜、液晶層などが設けられ、画像表示される表示領域P1とその周囲に設けられた非表示領域P2とを備える。この表示領域P1は、小型液晶パネルに応じて設けられており、当実施形態では8ヶ所の領域がパネルPの長手方向に沿って等間隔置きに設けられている。非表示領域P2には、透明ないしは半透明に形成され、各表示領域P1に対応した識別コードCが配設されている。
【0025】
すなわち、識別コードCは、各小型液晶パネルに対応して個別に設けられたものであり、非表示領域P2であって各表示領域P1の右上隅部の上方に設けられている。この識別コードCは、例えば図示しない中央管理制御部において、各小型液晶パネルに関する製造履歴や検査結果などの各種情報と関連付けられ、これにより識別コードCによる小型液晶パネルのトレーサビリティ(追跡調査)が可能になっている。この識別コードCとしては、バーコードなどの一次元コードだけでなく、マイクロQRコードを含むQRコード、データマトリックス、PDF417、マキシコード、ベリコードなどの二次元コードやその他の公知のコードが用いられる。当実施形態では、識別コードCは、パネルPの表面の非表示領域P2にマイクロQRコードとして配設されている。
【0026】
パネルカセット4は、複数枚のパネルPが各々所定の間隔を隔てて並列に収納されるものであり、液晶パネルなどのパネルの製造に用いられる公知のカセットやパレットなどとして構成されている。すなわち、このパネルカセット4は、上下方向に開放された角筒状の枠体41と、この枠体41の対向壁411に両端部がそれぞれ支持されパネルPの長手方向両端部における下端縁と係合することにより該パネルPを支持する一対のパネル支持体42とを備える。
【0027】
枠体41は、平面視略長方形の偏平な短筒状に形成され、長辺に対応する一対の長辺側の側壁411と、短辺に対応する一対の短辺側の側壁412とを有する。長辺側の側壁411には、その長手方向両端部にそれぞれ該長手方向に沿って細長い上下一対のガイド孔413が壁厚方向に貫通形成され、この各ガイド孔413にパネル支持体42のピン(不図示)が挿入されることにより該パネル支持体42が長辺側の側壁411にスライド可能に支持されている。従って、パネル支持体42はパネルPの長さに応じて相互の間隔を可変に構成されている。また、短辺側の側壁412および上記左右ガイド孔413間における長辺側の側壁411には、一ないし複数の開口部414,415が設けられ、枠体41の軽量化が図られている。
【0028】
パネル支持体42は、それぞれ相対向する面に複数本の縦溝421が形成されるとともにこの縦溝421に応じて下端部にそれぞれ内側に突出する係合部422が設けられている。パネル支持体42は、その各縦溝411にパネルPの両端縁部がそれぞれ挿入され、このパネルPの両端縁部下端が係合部421に係合されることにより、複数枚のパネルPを図4において奥行き方向に各々所定の間隔を隔てて並列に支持するように構成されている。なお、各縦溝411の幅は、パネルPの厚みに比べ若干大きく形成され、パネルPが所定の遊びを有した状態でパネルカセット4に収納されるように設定されている。
【0029】
図1および図2に戻って、コード読取装置3について説明する。このコード読取装置3は、その下部に配設された基台5と、上記基台5の上部に配設された照明ユニット10(照明手段の一例に相当)と、上記基台5の上面に配設された略門形状のガイド部6と、このガイド部6に移動自在に支持される移動ユニット7(駆動手段の一例に相当)と、移動ユニット7に取り付けられた撮像装置8(撮像手段の一例に相当)および反射ユニット9(第1および第2の反射手段の一例に相当)とを備え、基台5の所定位置にセットされたパネルカセット4の下方から照明ユニット10によって照明光が照射され、移動ユニット7により適正位置に移動された反射ユニット9によって照明光の光路が変更されてこの照明光を撮像装置8に導くとともにこの照明光の光路の途中で識別コードCを透過させることによって撮像装置8に導かれる照明光に識別コードCに関する情報が含まれるように構成されている。また、当実施形態のコード読取装置3は、各パネルPの長手方向一端部に配置された識別コードCを、パネル並列方向の一端側のパネルPから順次撮像装置8で撮像することにより読み取り、この識別コードCを全パネルPについて読み取った後にパネルPの長手方向に沿って撮像装置8、反射ユニット9、照明ユニット10を移動させて、上記読取が完了した識別コードCに隣接する識別コードCを各パネルPについて順次読み取るように構成されている。以下、具体的にコード読取装置3について説明する。なお、この説明ではその便宜上、図1の横および縦方向をそれぞれX軸、Z軸方向とし、図1の奥行き方向をY軸方向(図2参照)としている。
【0030】
基台5は、山形鋼や角形鋼管等によって直方体状の枠体として形成され、その枠体内部における一端側(図1では右端側)に後述する制御装置11が設置されている。基台5の上部であって、制御装置11が設けられた空間に隣接する空洞部の上方には、パネルカセット4が設置されるカセット設置部51が設けられている。このカセット設置部51は、Y軸方向に沿って基台5の一端側(図2では基台5の右側)から所定の読取位置までパネルカセット4をガイドしてこの読取位置で該カセット4を固定するためのものである。
【0031】
すなわち、このカセット設置部51は、基台5の上面にY軸方向に沿って立設された左右一対のカセット用ガイドレール部511と、各ガイドレール部511の対向面に、X軸方向に沿った軸を中心に回転可能に支持された複数個の搬送コロ512とを備え、パネルカセット4の下端部外側面にガイドレール部511の各対向面が当接することによりパネルカセット4のX軸方向の移動を規制しつつ、搬送コロ512がパネルカセット4の下端両端部を支持することにより搬送抵抗を低減できるように構成されている。
【0032】
また、カセット設置部51には、図2に示すように、ガイドレール部511に沿って搬送されるパネルカセット4の固定ストッパ513が上記読取位置のY軸方向他端側(図2では左側)に設けられるとともに、上記読取位置のY軸方向一端側(図2では右側)に可動ストッパ514が設けられている。この可動ストッパ514は、X軸方向に沿った回転軸515を中心に起到可能に構成され、回転軸515を図示しないハンドルで回転させることにより倒伏姿勢から起立させて、固定ストッパ513との間でパネルカセット4を挟むことによりこのパネルカセット4を上記読取位置で固定するように構成されている。
【0033】
このカセット設置部51の下方における基台5の上部には、照明ユニット10がX軸方向にスライド自在に設置されている。この照明ユニット10は、その照明光の照射方向が鉛直上方を指向した状態で配置されており、カセット設置部51に設置されたパネルカセット4内のパネルP間にこのパネル面に沿って鉛直上向きの透過照明光を照射するものである。
【0034】
具体的には、この照明ユニット10は、Y軸方向に細長く形成された、いわゆるバー照明であり、内部に多数のLEDが埋め込まれている。この照明ユニット10は、その長さがパネルカセット4の短辺に対応して形成され、これによりパネルカセット4に収納された全パネルP間に一挙に透過照明光を照射できるように構成されている。また、この照明ユニット10は、図2に示すように、その長手方向両端部がX軸方向に沿ってスライド移動するスライダー101に着脱自在に取り付けられている。このスライダー101は、その下端部がX軸方向に延びるボールねじ軸102に螺合され、このボールねじ軸102の正逆回転駆動によりX軸方向に沿ってスライド移動するようになされている。このボールねじ軸102は、図示しない駆動モータの出力軸に接続され、後述するX軸方向のボールねじ軸63の駆動に同期して回転駆動するように構成されている。このスライダー101の移動範囲は、少なくともカセット設置部51に設置されたパネルカセット4の長手方向(X軸方向)の長さと同等ないしはそれよりも広い範囲に設定され、これにより照明ユニット10をX軸方向に沿って移動させてパネルPに複数個配設された各識別コードCに対して照明光を照射できるようになされている。
【0035】
図2に示すように、基台5の上面におけるY軸方向他端側(図2では左側)には、正面視略門形状のガイド部6がX軸方向に沿って取り付けられている。このガイド部6は、その上端部にX軸方向に沿って配設されたメインレール61と、このメインレール61の下方にこれと平行に配設されたサブレール62とを備え、各レール61,62で移動ユニット7をX軸方向に移動可能に支持している。このように、移動ユニット7は、メインレール61とサブレール62との二点で移動可能に支持されているので、X軸方向への移動を円滑かつ安定的に行わせることができる。
【0036】
具体的には、メインレール61には、駆動手段としてのX軸サーボモータ64により回転駆動されるボールねじ軸63がX軸方向に沿って配設されている。このボールねじ軸63には、移動ユニット7におけるX軸移動部材71のナット部分711が螺合されている。これにより、X軸移動部材71は、ボールねじ軸63にX軸方向に沿って移動可能に支持されている。
【0037】
このX軸移動部材71は、Z軸方向に延びる昇降レール72およびZ軸サーボモータ74により回転駆動されるボールねじ軸73を有し、この昇降レール72で昇降部材75をZ軸方向に移動可能に支持している。すなわち、この昇降部材75は、ボールねじ軸73に螺合されるナット部76を有し、ボールねじ軸73がZ軸サーボモータ74により回転駆動されることにより昇降レール72に沿って昇降駆動するように構成されている。
【0038】
また、この昇降部材72は、板状に形成され、その一面の下端部に反射ユニット9が支持ブラケット91を介して取り付けられている。従って、反射ユニット9は、この昇降部材75に取り付けられることにより、X軸およびZ軸方向に移動可能に構成されている。
【0039】
さらに、この昇降部材75には、Y軸方向に延びるY軸レール77が設けられるとともに、駆動手段としてのY軸サーボモータ79により回転駆動されるボールねじ軸79がY軸方向に沿って配設されている。このボールねじ軸79には撮像装置8に設けられたナット部分(不図示)が螺合され、これによりボールねじ軸79に撮像装置8が移動可能に支持されている。従って、この撮像装置8は、移動ユニット7によってX,Y,Zの各軸方向に移動可能に構成されている。
【0040】
なお、上記各軸サーボモータ64,74,79には、図示しないが、それぞれ位置検出センサとしてのロータリーエンコーダが付設され、このロータリーエンコーダによって各部材71,75,8の位置を検出するように構成されている。そして、このロータリーエンコーダは検出信号を制御装置11に出力するように構成されている。
【0041】
撮像装置8は、CCDやCMOSなどの受光素子を有する公知のカメラとして構成され、受光レンズ、光学フィルタなどを介して識別コード情報を含んだ照明光が受光素子に入光されるように構成されている。この撮像装置8は、その受光部分が下方を指向した状態で移動ユニット7に取り付けられ、反射ユニット9の真上に配置されることにより該反射ユニット9によって反射された照明光が受光されるようになっている。
【0042】
反射ユニット9は、鉛直方向に垂下しY軸方向に沿って細長い板状体として形成されている。この反射ユニット9は、その幅(Y軸方向の長さ)がパネルカセット4の短辺よりも若干短く形成され、移動ユニット7によって下降されることにより下端部が該パネルカセット4に挿入可能に構成されている。この反射ユニット9の下端部には、この反射ユニット9がパネルカセット4に挿入された場合に、各パネルP間に挿入されるパネル姿勢保持突部92および反射ブロック93がくし歯状に下方に突出した状態で設けられ、この反射ブロック93によって照明ユニット10から照射された照明光を反射させるように構成されている。
【0043】
図5はこの反射ユニットを分解して示す概略斜視図であり、図6はこの反射ユニットの側面図である。図7は図6のVII−VII線断面図であり、図8は図6のVIII−VIII線断面図である。
【0044】
具体的には、反射ユニット9は、支持ブラケット91に垂直に起立した状態で支持された板状の支持部94と、この支持部94の下端部における一側面(図9では左側面)に接合されたラック部材95と、このラック部材95に取り付けられるパネル姿勢保持突部92および反射ブロック93と、弾性シート97を介してこの反射ブロック93をラック部材95に圧着するための圧着プレート96とを備え、識別コードCの読取時に移動ユニット7によって反射ブロック93の下端部が各パネルPの識別コードCに対応する位置に移動されることにより、この反射ブロック93によって照明光を反射させるように構成されている。
【0045】
支持部94は、Y軸方向に細長い板部材であり、その上端部の図5における後面側に支持ブラケット91がボルト接合されているとともに、その下端部の図5における前面側にラック部材95がボルト接合されている。
【0046】
ラック部材95は、Y軸方向に細長いブロック状体であり、その前面にZ軸方向に沿って形成された多数本の支持溝951がY軸方向に列設されている。この支持溝951の本数は、パネルカセット4に収納されるパネルPの数よりも一本多い数に設定されている。この各支持溝951には図6および図7に示すようにその下端部に反射ブロック93の一部が嵌入され、この嵌入状態で弾性シート97を介して圧着プレート96がラック部材95の下端部前面にねじ止めされることにより、このラック部材95に反射ブロック93が下方に突出した状態で支持される。
【0047】
この支持溝951のピッチ(支持溝951と隣接する支持溝951との間)はパネルカセット4に収納されたパネルPの厚みに応じて設計され、これによりラック部材95に支持される反射ブロック93がこれらの各パネルPの間の隙間に応じて配設されるようになっている。言い換えれば、反射ユニット9がパネルカセット4に挿入された場合には、このラック部材95に支持された反射ブロック93がパネルPの間に挿入配置されることになる。
【0048】
また、ラック部材95は、図6の側面視に示すように、この反射ブロック93の配設位置に対応してパネル姿勢保持突部92が取り付けられている。このパネル姿勢保持突部92は反射ブロック93のパネルP間の挿入に先立ってこれらのパネルP間に挿入され、隣接する一対のパネル姿勢保持突部92によってパネルPのY軸方向の移動を規制することによりパネルPの姿勢を安定させるものである。従って、このパネル姿勢保持突部92は、その下端が反射ブロック93下端よりも下方に位置するようにラック部材95に突設されている。
【0049】
また、このパネル姿勢保持突部92は、その下端部の幅(Y軸方向の長さ)、すなわち、側面視において反射ブロック93の下端よりも下方に位置する所定部分の幅が下方に向かうに従って先細り状に形成され、その下端は丸みを帯びた形状を呈している。すなわち、パネル姿勢保持突部92は、下降に伴ってその下端部がパネルPを損傷させることなくパネルP間に挿入させ易い形状に形成されている。
【0050】
このパネル姿勢保持突部92は、各々個別に形成されているものであってもよいが、当実施形態では具体的に図示はしないが、その上端部においてY軸方向に一体に連設された偏平くし歯状のユニットとして構成されている。そして、図7に示すように、このユニットの上端部がラック部材95の下面にY軸方向に沿って形成された保持溝952に挿入され、この状態でY軸方向に沿った所定の箇所においてラック部材95にねじ止めされることによりパネル姿勢保持突部92がラック部材95に固定されている。
【0051】
一方、反射ブロック93は、図9に示すように、表裏両面で光学的に反射可能な傾斜反射面932を有する透明多角体、いわゆるプリズムミラーとして構成されている。なお、ここでは、説明の便宜上、図9に示すX,Y,Z軸方向の各長さをこの反射ブロック93の幅、厚み、高さと称して説明する。
【0052】
すなわち、この反射ブロック93は、偏平な略角柱状に形成され、下端部がXZ平面に対して所定の角度α(ここではα=45度)で切り欠かれて下端面がXZ平面に対して角度αの傾きをもつ傾斜面931として形成されている。この傾斜面931は、表面にアルミが蒸着され平滑な傾斜反射面932として構成されている。この傾斜反射面932は、その表面で照明光を反射させるとともに、その裏面においても反射ブロック93内に進入した照明光を反射させるように構成されている。
【0053】
例えば、この傾斜反射面932は、図9において実線で示すように、その表面で下方から照射された照明光をX軸方向に反射させるとともに、図9において点線で示すように、その裏面でX軸方向から反射ブロック93内に進入する照明光を鉛直上向きに反射させるように構成されている。
【0054】
この反射ブロック93は、その厚みがパネルカセット4に収納された各パネルPの隙間よりも若干薄く形成され、これによりこのパネルP間の隙間に嵌入可能に構成されている。また、反射ブロック93の高さは、移動ユニット7の下降位置で傾斜反射面932が各パネルPの識別コードCの高さ位置に配置可能に調整されている。さらに、この反射ブロック93の幅は、識別コードCのX軸方向の長さに応じて設定され、この傾斜反射面932で反射される照明光が識別コードCの全体にわたって照射されるようになっている。
【0055】
上記構成の反射ブロック93は、その上端部がラック部材95の支持溝951に嵌入されて、その下端部がラック部材95から下方に突出した状態で支持されている。このラック部材95への反射ブロック93の取付は、それぞれ傾斜反射面932の法線方向が平行となり、かつ、各傾斜反射面932の上下高さ位置が揃うように行われている。これらの反射ブロック93は、2個一組で一枚のパネルPの識別コードCを読み取るように構成されている。すなわち、一方の傾斜反射面932の表面で照明ユニット10から照射された照明光を識別コードC側に反射させ、この識別コードCを透過した照明光を他方の傾斜反射面932の裏面で鉛直上向きに反射させ、この反射された照明光を撮像装置8に導くように反射ブロック93が形成されている。この反射ブロック93の作用については後に詳しく説明する。
【0056】
一方、制御装置11は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータ等からなり、予めROM(又はRAM)に記憶されているプログラムがCPUによって実行されることによって、移動ユニット7、撮像装置8、照明ユニット10の動作などを制御するとともに、撮像装置8によって読み取った識別コード情報を中央管理制御部や所定の表示手段などに出力するように構成されている。
【0057】
この制御装置11の各種動作制御等をこのコード読取装置3によるコード読取方法とともに説明する。
【0058】
このコード読取装置3は、初期設定で、移動ユニット7が制御装置11の上方の待機位置にあり、また、照明ユニット10が制御装置11に最も近接した待機位置にセットされている。そして、コード読取装置3は、制御装置11からの制御信号に応じて各サーボモータ64,74,79などが駆動され、これにより撮像装置8、反射ユニット9、照明ユニット10が駆動制御される。
【0059】
この装置3による読取前に、基台5のカセット設置部51にパネルPが収納されたパネルカセット4をセットする。具体的には、パネルカセット4を、その長手方向をX軸方向と一致させた状態で、図2に示す基台5の右側から一対のガイドレール部511間に載置する。このとき、このパネルカセット4の長手方向両端部における下端は、搬送コロ512上に載置された状態となっている。次に、このパネルカセット4をそのままY軸方向に沿って(図2で左側に)押し込むと、搬送コロ512がX軸方向に沿った軸を中心に回転し、このパネルカセット4を低負荷で所定の読取位置にまで搬送することができる。
【0060】
パネルカセット4が読取位置に到達すると、図2に示すように、このパネルカセット4の側壁411が固定ストッパ513に当接することによりパネルカセット4が停止する。すなわち、この固定ストッパ513がパネルカセット4の位置決めを行っている。
【0061】
そして、不図示のハンドルにより回転軸515を所定方向(図2では時計方向)に回転させることにより倒伏姿勢にある可動ストッパ514を起立させて該可動ストッパ514と固定ストッパ513との間で上記所定の読取位置にあるパネルカセット4を挟み込み、このパネルカセット4をカセット設置部51に確実に固定する。
【0062】
パネルカセット4をカセット設置部51にセットした後、スタートボタンを押圧操作すると、コード読取装置3が駆動され、このパネルカセット4に収納されているパネルPに付された識別コードCの読取が開始される。
【0063】
すなわち、まず制御装置11からX軸サーボモータ64に制御信号が出力され、移動ユニット7、具体的にはこの移動ユニット7に取り付けられている撮像装置8をX軸方向に沿って所定の第1読取ポイントにまで移動させる。この第1読取ポイントは、X軸方向についての位置であり、予め設定されて制御装置11に記憶されている。ここでは、この第1読取ポイントは、各パネルPに付された識別コードCのうち移動ユニット7の待機位置に最も近接する側の識別コードCを読み取るための位置に設定されている。
【0064】
このX軸サーボモータ64の駆動と同時に、制御装置11から照明ユニット10の駆動モータにも制御信号が出力され、照明ユニット10が移動ユニット7に同期してボールねじ軸102に沿ってスライドして上記第1読取ポイントに移動する。このとき、さらに制御装置11から照明ユニット10に点灯信号が出力されて、照明ユニット10から上方に向けて照明光が照射される。
【0065】
移動ユニット7が第1読取ポイントに停止されると、Z軸サーボモータ74が駆動して、昇降部材75を初期位置である上限位置から識別コードCの読取位置(ここでは下限位置)にまで下降させる。この昇降部材75の下降に伴い、反射ユニット9も下降してその下端部がパネルカセット4の内部に挿入されるとともに、この反射ユニット9のパネル姿勢保持突部92もパネルカセット4に収納されたパネルP間の隙間に挿入される。このように、このパネル姿勢保持突部92がパネルP間の隙間に挿入されると、パネルPの並列方向(Y軸方向)の遊びが小さくなり、各パネルPの姿勢が保持される。続いて、この反射ユニット9の下降に伴ってその反射ブロック93も姿勢が保持されたパネルP間の隙間に挿入され、この昇降部材75の下限位置では、図10に示すように、反射ブロック93の傾斜反射面932が識別コードCに対応する高さ位置に配置されるようになっている。
【0066】
このZ軸サーボモータ74による回転速度は、昇降部材75の下降行程で一定に設定されているものであってもよいが、ここではこの下降行程中において可変に設定されている。すなわち、Z軸サーボモータ74は、反射ユニット9のパネル姿勢保持突部92の下端(先端)がパネルPの上縁に対応する位置に達する直前まで回転速度が速く設定されているとともに、その後、パネル姿勢保持突部92がパネルP間の隙間に挿入される過程では回転速度を低減してこのパネル姿勢保持突部92および反射ブロック93がゆっくりとパネルP間に挿入されるように設定されている。
【0067】
反射ユニット9が所定の読取位置に配設されると、制御装置11からの制御信号に基づいてY軸サーボモータ79が駆動し、撮像装置8をパネルPの並列方向一端側(例えば図2で右側)からY軸方向に沿って他端側(例えば図2で左側)に連続的に移動させ、照明ユニット10から照射された照明光であって、反射ユニット9で反射させることにより識別コードCを透過して該識別コード情報を含んだ照明光を受光することにより識別コードCを検出する。
【0068】
図10に基づいてこの識別コードCを読み取るためのメカニズムについて説明する。図10は、所定のパネルPAに配設された識別コードC1を読み取りのためのメカニズムを図式化したものである。
【0069】
照明ユニット10から照射された照明光は、図10に実線の矢印Aで示すように、パネルPAとパネルPB間の隙間をこれらの各パネル面に沿って鉛直上向きに直進し、所定の反射ブロック93aの傾斜反射面932の表面において、X軸方向であって識別コードC1側に反射される。この照明光は、識別コードC1を透過することにより該識別コードC1の情報が含まれる。この識別コード情報が含まれた照明光は、上記照明光を反射した反射ブロック93aにパネルPAを挟んで隣接する反射ブロック93bの傾斜反射面932の裏面において、X軸方向から鉛直上向きに反射され、この反射ブロック93bの内部を通って上向きに直進する。そして、この反射ブロック93bの真上に撮像装置8が位置したときに、該撮像装置8によって識別コード情報が含まれた照明光が受光され、これにより撮像装置8において識別コードC1が検出される。すなわち、このパネルPAに配設された識別コードC1の読取にあたっては、反射ブロック93aが第1の反射手段として構成され、反射ブロック93bが第2の反射手段として構成されている。
【0070】
撮像装置8は、図10に矢印で示すようにY軸方向に沿って連続的に移動しており、上記パネルPAに隣接するパネルPBに配設された識別コードC2についても同様に、検出することができる。このとき、上記反射ブロック93aは、第2の反射ブロックとして構成されており、すなわち、各反射ブロック93は、第1の反射ブロックとして構成されるとともに、隣接するパネルPの識別コードCを読み取るに当たっては第2の反射手段としても機能することになる。
【0071】
これらの各パネルPの長手方向一端側に配設された1列目の識別コードCがそれぞれ検出されると、続いてX軸サーボモータ64および照明ユニット10の駆動モータが作動し、既に読取が完了した識別コードCに隣接する第2列目の識別コードCを読み取るために、第2読取ポイントに撮像装置8、反射ユニット9、照明ユニット10が移動される。なお、ここでは、移動ユニット7によって撮像装置8や反射ユニット9を上方に移動させず、反射ユニット9のパネル姿勢保持突部92および反射ブロック93をパネルP間に挿入したまま、これらの各ユニット8,9をX軸方向に移動させるように制御装置11が設定されている。
【0072】
そして、各パネルPに配設された2列目の識別コードCについても同様に撮像装置8で読み取って、この読取、移動作業を各パネルPに配設された8列目の識別コードCまで繰り返し、全ての識別コードCの読取が完了すると、各ユニット8,9,10が初期位置にまで戻される。
【0073】
このように、このコード読取装置3では、反射ブロック93を各パネルPの間に挿入することにより照明ユニット10から照射された照明光を反射して、撮像装置8によってパネルカセット4に収納された各パネルPの識別コードCをこのパネルカセット4内に収納された状態で読み取ることができる。すなわち、この識別コードCの読み取りにあたって各パネルPを1枚ずつ取り出す必要がなく、これらのパネルPに配設された識別コードCを連続的に読み取ることも可能になるなど、識別コードCの読み取りのための処理効率を向上させることができる。しかも、反射ブロック93が第1の反射手段としてだけでなく、第2の反射手段としても構成されることにより、部材構成を簡略化することができる。
【0074】
なお、以上に説明したコード読取装置は、本発明に係る装置の一実施形態であって、装置の具体的構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であり、この変形例を以下に説明する。
【0075】
(1)上記実施形態では、反射ブロック93で照明光を反射させて識別コードCを透過させ、より詳しくは識別コードCに対応するパネルPを透過させ、上記反射ブロック93に隣接する反射ブロック93でさらに反射させて撮像装置8においてこの照明光を受光するように構成されているが、例えば反射ブロック93で反射させた照明光を識別コードC、より詳しくは識別コードCが配設されたパネル面で反射させ、この反射により識別コード情報が含まれた反射光を、最初に照明光を反射させた反射ブロック93で下方に反射させ、照明ユニット10の近傍に配置させた撮像装置で受光するように構成してもよい。このように構成した場合には、反射ブロック93をプリズムミラーとして構成させる必要がないという利点がある。
【0076】
(2)上記実施形態において、所定の場合に、カセット設置部51にセットされたパネルカセット4に収納されたパネルPを1枚単位で突き上げて、該パネルPの取り出しを容易にするパネル突き上げ機構を基台5の制御装置11に隣接する空洞部に設けるようにしてもよい。例えば、このパネル突き上げ機構は、Y軸方向にスライド移動可能な突き上げ板を有し、制御装置11からの出力信号に応じて所望のパネルPの下方に移動して、上記突き上げ板をエアシリンダ等の昇降機構で押し上げることにより、パネルPに係合してこのパネルPを上方に突き上げるように構成してもよい。
【0077】
(3)上記実施形態では、基台5のカセット設置部51にパネルカセット4を手動でセットするように構成されているが、例えばパネルカセット4をベルトコンベアなどの搬送手段によって自動的にカセット設置部51にセットするように構成してもよい。
【0078】
(4)上記実施形態では、多数のLEDを備えた照明ユニット10が用いられているが、この照明ユニットの照明手段はLEDに限定されるものではなく、蛍光灯やその他の照明手段であってもよい。
【0079】
(5)上記実施形態では、ボールネジ軸102によってスライド移動するスライダー101に取り付けることにより照明ユニット10をスライド移動可能に支持しているが、この照明ユニット10の移動手段の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0080】
例えば、照明ユニット10を支持するスライダーと移動ユニット7とがそれぞれ磁石などで着脱自在に構成され、移動ユニット7におけるスライダーの取付位置を撮像装置8に対して適正な位置に設定するものであってもよい。このように構成すれば、移動ユニット7が待機位置から第1読取ポイントに移動するまでの間に、この移動ユニット7の取付位置にスライダーが磁石などによって取り付けられ、この移動ユニット7の移動に同期して照明ユニットがスライド移動するとともに、移動ユニット7が待機位置にもどる場合には、照明ユニット10の移動限界まで移動ユニット7とともにスライド移動して移動ユニット7が照明ユニット10の移動限界を過ぎてスライド移動することにより相互の取付状態が解除され、移動ユニット7だけが所定の待機位置に移動できるように構成してもよい。すなわち、このように構成すれば、照明ユニット10の独自の移動手段を設ける必要がなく、部材構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係るコード読取装置の一実施形態を概略的に示す断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】識別コードが配設されたパネルの一実施形態を示す概略図である。
【図4】パネルカセットを概略的に示す断面図である。
【図5】反射ユニットを分解して示す斜視図である。
【図6】反射ユニットを示す側面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図である。
【図9】反射ブロックを示す斜視図である。
【図10】この装置による読み取りメカニズムを示す説明図である。
【符号の説明】
【0082】
C 識別コード
P パネル
3 コード読取装置
4 パネルカセット
7 移動ユニット(駆動手段の一例)
8 撮像装置(コード検出手段の一例)
9 反射ユニット(第1および第2の反射手段の一例)
10 照明ユニット(照明手段の一例)
11 制御装置
51 カセット設置部
92 パネル姿勢保持突部(姿勢保持手段の一例)
93 反射ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルの面の所定領域に配設された識別コードを読み取るコード読取装置において、
複数枚の上記パネルがパネル収納容器内に各々所定の間隔を隔てて並列に収納された状態でこれらのパネルの間に該パネルの面に沿って照明光を照射する照明手段と、これらのパネル間に挿入され上記照明光を上記識別コード側に反射させる第1の反射手段と、これらのパネルの間に挿入され上記照明光が上記識別コードを透過しまたは上記識別コードで反射されることにより識別コード情報を含んだ照明光を上記パネル面に沿って反射させる第2の反射手段と、この第2の反射手段によって反射された照明光を受光することによりこの照明光に含まれる識別コード情報を検出するコード検出手段とを備えることを特徴とするコード読取装置。
【請求項2】
上記第1および第2の反射手段を上記パネル間に挿入してこれらの各反射手段を上記識別コードに対応する位置に配置する駆動手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のコード読取装置。
【請求項3】
上記パネル間に挿入される部分の幅が先細り状に形成され、上記第1および第2の反射手段が挿入される前に上記パネル間に挿入されることにより各パネルの姿勢を保持する姿勢保持手段をさらに備えることを特徴とする請求項2記載のコード読取装置。
【請求項4】
上記第1および第2の反射手段はともに複数個設けられ、上記第2の反射手段は上記識別コードを透過した照明光が反射されるように構成されるとともに隣接するパネルの識別コードを透過させるための照明光が反射される、上記隣接パネルのための第1の反射手段としても構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコード読取装置。
【請求項5】
上記第2の反射手段は、先端に表裏いずれの面でも光反射可能な傾斜反射面を有する透明体として構成されることにより、上記識別コードを透過した照明光が上記透明体を通ってこの傾斜反射面の裏面で反射され、一方、隣接するパネルの上記識別コードを透過させるための照明光が上記傾斜反射面の表面で反射されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載のコード読取装置。
【請求項6】
上記照明手段は上記パネル収納容器内に収納された各パネル間に一挙に照明光を照射するように構成されるとともに、上記コード検出手段は上記パネルの並列方向に沿って移動し各パネルの上記識別コードを順次検出するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のコード読取装置。
【請求項7】
上記第2の反射手段は、上記識別コードで反射された照明光を反射させる第1の反射手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコード読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−219610(P2007−219610A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36371(P2006−36371)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000162087)共栄制御機器株式会社 (2)
【Fターム(参考)】