説明

コーヒー組成物

【課題】 審美性を向上させたコーヒー組成物を提供する。
【解決手段】インスタントコーヒーに金箔を混ぜ合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コーヒー組成物、中でも審美性に優れたコーヒー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーは、その優れた芳香や、豊富に含んでいるカフェインによる覚醒作用から、人々に好まれており、中でも、いわゆるインスタントコーヒーはその手軽さから多くの愛好者がいる。
【0003】
一方、食品の味や香りを高めることにより消費者の購買意欲を高めるだけではなく、食品の形状や見栄えなどを向上させることによって購買意欲を高めることが、多くの食品で行なわれている。例えば、日本酒に金箔を入れて審美性を高め、食品としての価値、特に贈答品としての価値を高めることが行なわれている(非特許文献1を参照)。
【0004】
しかし、インスタントコーヒーについては味、香り、保存性を向上させることについては研究されているものの、審美性の向上については研究されていなかった(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−266842号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】天領酒造株式会社、特別本醸造「喜金」、[平成22年2月1日検索]、インターネット<http://www.tenryou.biz/jp/honjou/kikin.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、審美性を向上させたコーヒー組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、インスタントコーヒーに金箔を混ぜ合わせたことを主な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明のコーヒー組成物が金箔を含んでいるため、この金箔が持つ貴金属光沢によってコーヒー組成物及びこれから作られたコーヒー飲料の審美性が向上する。なお、金は化学的に安定している物質であるため、人体に悪影響を及ぼす可能性はない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明のコーヒー組成物は、(1)インスタントコーヒーと(2)金箔とを少なくとも含んでいる。以下に、これらの成分について詳説する。
【0011】
(1)インスタントコーヒー
【0012】
ここでいうインスタントコーヒーは、市販のインスタントコーヒーであればよく、焙煎粉砕したコーヒー豆から熱湯を使用して可溶性コーヒー固形物を抽出して製造したものであり、例えば、コーヒー豆からスプレードライ法、フリーズドライ法によって製造したものである。中でも、風味がよいことから、フリーズドライ製法により製造したものが好ましい。
【0013】
また、原料となるコーヒー豆は、ブラジル産、コロンビア産等の中南米産、インドネシア産、ベトナム産等のアジア産、エチオピア産、タンザニア産等のアフリカ産等のコーヒー豆、又はこれらの複数種をブレンドしたものである。
【0014】
(2)金箔
金箔の厚さは0.5〜1.5μmm程度のものが好ましい。厚さが、0.5μmm以上であれば、インスタントコーヒーに混ぜても強度的に金箔が破れることはない。また、厚さが1.5μmm以内であれば、インスタントコーヒーに混ぜても舌触りが悪化せず、コーヒー組成物の原価に与える影響も少ない。
【0015】
金箔の形状は、短冊形、正方形、円形、桜型、星型等の任意のものでよいが、製造の容易さを考えると短冊状が好ましい。また、金箔の大きさは任意のものでよいが、強度や原価に与える影響などを考慮すると、例えば短冊形の場合であれば、長辺の長さが1mm程度であるのが好ましい。
【0016】
コーヒー組成物は、金箔を0.01〜0.1重量%含んでいることが好ましい。コーヒー組成物が、0.01重量%以上の金箔を含んでいれば、金箔に存在感があり、審美性が向上する。また、コーヒー組成物が、100gあたり金箔を0.1重量%以下しか含んでいなければ、審美性を向上させても、原価にそれほど影響を与えない。
【0017】
(3)その他
この発明のコーヒー組成物は、(1)インスタントコーヒーと(2)金箔の他にも、砂糖や粉末クリームなどインスタントコーヒーとともに通常使用される他の成分を含んでいてもよい。なお、これら他の成分の配合量は、金箔を含まない通常のコーヒー組成物と同様の範囲であればよい。
【0018】
また、この発明のコーヒー組成物は、通常の瓶詰めのほか、袋づめ、スティック状の少量包装で販売してもよい。また、スティック状に少量包装したコーヒー組成物を紙コップや化粧箱に入れたものであってもよい。
【実施例1】
【0019】
厚さ1.0μmの金箔を短冊形(1mm×0.5mm)に切断した。この金箔0.04125gをインスタントコーヒー100gに加えてよく混ぜ合わせ、コーヒー組成物を調製した(0.04123重量%)。そして、コーヒー組成物5gに100℃、200mlの熱湯を注いでコーヒーを入れた(実施例)。一方、金箔を含まないインスタントコーヒー5gに100℃、200mlの熱湯を注いでコーヒーを入れた(比較例)。
【0020】
実施例のコーヒーは、その表面に金箔が浮かんで美しさを醸し出しているのに対して、比較例のコーヒーは従来どおりの茶褐色であり審美性に劣るものであった。なお、両者の味に違いは分からなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金箔と、インスタントコーヒーとを含むコーヒー組成物。
【請求項2】
金箔を0.01〜0.1重量%含む請求項1に記載のコーヒー組成物。
【請求項3】
インスタントコーヒーが、フリーズドライ法によって製造されたインスタントコーヒーである請求項1又請求項2に記載のコーヒー組成物。