説明

ゴマ春巻皮製造装置

【課題】 春巻皮やクレープ皮に、ゴマ・ピーナッツ・乾燥ニンニク等を添加・加工したものは市場には出ていない。これは、従来の原料液(小麦粉・卵等に水等を加えて練成したもの)に加えて攪拌し焼成する方法では、混入した粒子が大きい(1〜2mm)と原料液の吸出口と焼成機の焼付面の間で詰まったり、原料液がダマになる為に、皮が所々破れてしまうなど春巻皮として使えるものができなく、又粒子を細かくして混入すると、皮に要求される強度が出ないという欠点があった。
【解決手段】 丈夫で破れにくく、しかも荒い粒子状の食品を添付しても皮の表面にしっかりと保持され、かつ具を巻くときにも剥がれ落ちないという特徴を持った春巻皮を連続的に作るために、粒子状の食材を圧縮空気を吹き付けることによって表面に張り付かせて、そのまま焼成する方法で問題の解決を行った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、春巻皮及びクレープ皮製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
春巻皮やクレープ皮を連続的に製造する方法は、円形ドラム状の回転型焼成機で焼き上げる方法が普及している。
【0003】
【特許文献1】特開2001−017064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、高齢化が進む中で健康に対する関心や欲求が高まり、健康に利する機能性食品の開発が求められているところであるが、春巻皮、クレープ皮に、ゴマ、ナッツ、乾燥ニンニク、各種ハーブ等を添加、加工して、味、香り、風味、栄養機能を付加させた皮は、未だ市場に出てきていない。
【0005】
円形ドラム状の回転型焼成機で、ゴマ等の粒子状の食品を皮の表面に添加したゴマ春巻皮を焼く場合、2つの方法が考えられる。
1つは、原料液(小麦粉、卵、乳化剤、水等を加えて練ったもの)に、ゴマ等の粒子状のものをそのまま加えて攪拌し焼成する方法、もう1つは、粒子を粉状に近い形にして混入する方法とである。
第一の方法は、原料液の吹出口で詰まって、皮がその部分から切れてしまい、所定の広さの皮ができない場合が多く発生する。詰まらないようにするためには、吹出口とドラム表面との間を広く取る必要が生じて、皮がかなり厚くなってしまうといった欠点が生じる。
第二の方法は、皮そのものの組成が変わるために、皮がもろく劣化しやすい状態になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
今までの欠点を克服して、丈夫で破れにくく、しかも粒子が皮の表面にしっかりと保持され、かつ皮を巻くときに剥がれ落ちないという条件を満たす春巻皮を、連続的に製造する装置として考案したのが本発明である。
圧縮空気を使って、ゴマ等の粒子状食品を回転ドラム表面の焼付面に吹出されたばかりの未焼成状態の原料液に向けて、強く吹き付けて付着させ、回転させながら焼成することで課題の解決ができた。
【0007】
ゴマ等の粒子状食品をホッパーより投入し、調節口(落下口の大きさを2枚の穴の開いた調節板をずらすことで穴の大きさを変えられる)より、バイブレーターで振動させて、穴詰まりを防止させて一定量を落下させ、パイプを通じて扇型射出器に落下させ、エアーコンプレッサーより引き入れられたエアーを、調節バルブで強さを調節し射出口より放射状に射出して、回転ドラム表面の焼付面に吹出されてすぐのドロドロの状態の液表面に向けて吹付けることにより、表面に付着させた状態で連続的に焼成できる装置が本発明である。
【発明の効果】
【0008】
皮の表面にゴマ、ナッツ、ニンニク、各種ハーブなどを添加、加工を可能にするため、皮自体の組成を変化させないので、春巻の味、食感を損なうことがない。
【0009】
糊状のものや、添加物等を一切使う必要がないために、今までの春巻皮の扱いと同じように取り扱いができる。
【0010】
装置自体が非常に簡単で、連続的に皮の製造ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ドラム状回転焼成機にゴマ春巻皮製造装置を取り付けた説明図である。
【図2】粒子状食品ホッパー、バイブレーター及び調節口を示した説明図である。
【図3】扇型放出器及びエアー調節バルブを示した説明図である。
【符号の説明】
【0012】
1 粒子状食品ホッパー
2 調節口
3 バイブレーター
4 パイプ
5 扇型放出器
6 エアーコンプレッサー
7 エアー調節バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平軸回りに低速回転する加熱された回転ドラムの外周面にペースト状の春巻皮生地を塗布して春巻皮に仕上げるようにした春巻皮製造装置において、前記回転ドラムの外周面に付着した未焼成状態の春巻皮の生地の表面に向けて粒子状の食品を吹き付ける粒子状食品吹付け手段を設けたことを特徴とする春巻皮製造装置。
【請求項2】
前記粒子状食品吹付け手段が、粒子状の食品を収容するホッパーと、ホッパーの下部に設けた粒子状の食品を払い出す払出し装置と、払出し装置から送給される粒子状の食品を圧縮空気によって未焼成状態の春巻皮生地の表面に放射する扇形放射器とを備えることを特徴とする請求項1記載の春巻皮製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−81458(P2006−81458A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−269116(P2004−269116)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(500376678)株式会社サンデリカ (3)
【Fターム(参考)】