説明

ゴミ収集システムおよび方法、ゴミ袋、ゴミ集積ボックスならびにゴミ収集用の管理装置

【課題】指定の有料ゴミ袋以外のゴミ袋の使用を防止し、分別を間違えてゴミ袋を排出することを防止するゴミ収集システムの提供。
【解決手段】ゴミ袋120それぞれにICタグ70を付し、ゴミ集積ボックス40に設けたICタグリーダ60が読み取ったゴミ袋120のICタグ70が正しいものを示していれば、ごみ集積ボックス40の通常は閉じているゴミ投入口83を開けて、ゴミ袋120をゴミ受け部81に投入させる。ゴミ袋120のICタグ70から判断されるゴミ袋120の数と赤外線センサー90が検出したゴミ袋の数とが同じであればゴミ投入口83を閉じてからゴミ受け部81からゴミ袋をゴミ集積ボックス40内に排出させる。ICタグリーダ60がICタグ70から読み取ったゴミ袋120のIDおよびゴミ袋120を排出したユーザのIDは、データベースサーバに送信されて登録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ収集システムおよび方法、ゴミ袋、ゴミ集積ボックスならびにゴミ収集用の管理装置に関する。本発明は、特に、ゴミ袋を有料で各家庭に配布し、各家庭がゴミを入れたゴミ袋を所定のゴミ集積所に設けられたゴミ集積ボックスに投入するゴミ収集システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、家庭で生じるゴミは、ゴミ袋に入れて所定の集積所に出し、回収業者が集積所からゴミの入ったゴミ袋を回収して焼却処分等をしている。最近は、家庭から排出されるゴミの量を抑制するために、ゴミ袋を有料とする有料指定ゴミ袋制の地域が増加してきている。しかし、ゴミ袋一枚当たり15円から50円の価格がネックとなっている。そのため指定の有料ゴミ袋を使用しないでゴミを排出する人が後を絶たず、結局そのゴミも業者が回収しているのが現状である。また、可燃のゴミと不燃のゴミというように分別し、日にちによって排出すべきゴミの種類を異ならせていることが多いが、これを間違える人も少なくない。
【0003】
特許文献1および2には、ゴミ袋の表面に使用枚数を表す番号等を表示してゴミ袋の使用状況が直ちに分かるようにすることが示されている。また、ゴミ袋の表面にゴミの種類や袋の大小を分別する文字、記号等を表示してゴミ袋の使用の間違いを少なくすることも示されている。
【0004】
特許文献3のゴミ収集システムは、ゴミ袋にゴミ廃棄者を特定するQRコード(光学的に読み取り可能な識別コード)が記録された回収シールを貼り付けている。そして、ゴミ収集業者がゴミ袋を回収する際に操作端末によりQRコードを読み取ると共に、重量測定装置により測定した廃棄ゴミ重量をQRコード中のユーザ情報と対応して蓄積記憶している。
【0005】
【特許文献1】特開2002−029601号公報
【特許文献2】実用新案登録第3075516号
【特許文献3】特開2002−104607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、指定の有料ゴミ袋以外のゴミ袋の使用を防止し、分別を間違えてゴミ袋を排出することを防止することを目的とする。また、各家庭でのゴミ袋の使用状況を明確にして、ゴミの排出量の抑制に役立てることを目的とする。
【0007】
特許文献1または2に記載された発明では、ゴミ袋を表面に表示された番号等の順番通りに使用していかなければ、ゴミ袋の使用枚数は分からないという問題点がある。また、人がゴミ袋の表面に表示された文字、記号等を注意しなければ、ゴミ袋の使用の間違いを防ぐことができないという問題点もある。
【0008】
特許文献2に記載された発明では、ゴミ収集業者が操作端末を用いてゴミ袋に貼り付けられた回収シールのQRコードを読み取る必要がある。また、QRコードからゴミの種類が読み取り可能であるが、ゴミ収集車自体はゴミの種類を判別し、ゴミ袋をゴミの種類によって選択することはできない。したがって、ゴミ収集車に投入すべきゴミ袋の選択は、ゴミ収集業者がしなければならないという問題点がある。例えば、可燃ゴミの回収日に集積場所に出された不燃ゴミは、回収業者が注意してゴミ収集車に投入しないようにしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明のゴミ収集システムは、各家庭に配布されるゴミ袋それぞれに付されゴミ袋に固有のゴミ袋ID(識別情報)およびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDが記録されたIC(集積回路)タグと、
ゴミを入れたゴミ袋が投入されるゴミ集積ボックスと、
前記ゴミ集積ボックスに投入されるゴミ袋の前記ICタグから前記ゴミ袋IDおよび前記ユーザIDを読み取るICタグリーダと、
ゴミ袋の配布業者が家庭に配布したゴミ袋の数である配布数を入力するゴミ袋配布業者端末と、
家庭それぞれについて保有するゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、前記ゴミ袋配布業者端末から入力される前記配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、前記ICタグリーダが読み取った前記ユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックスに投入されたゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭に未使用のゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示する管理装置とを含むことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明のゴミ収集システムは、各家庭に配布されるゴミ袋それぞれに付されIDが記録されたICタグと、ゴミを入れたゴミ袋が投入口から投入されるゴミ集積ボックスと、前記ゴミ集積ボックスに投入するために前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグから前記IDを読み取るICタグリーダとを含み、前記ICタグリーダに読み取られた前記ICタグのIDが前記投入口の前に差し出されたゴミ袋が投入してもよい正しいものであることを示している場合に限り前記投入口を開けてゴミ袋を前記ゴミ集積ボックスに投入可能とすることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明のゴミ収集システムは、各家庭に配布されるゴミ袋それぞれに付されIDが記録されたICタグと、ゴミを入れたゴミ袋を集積するためのゴミ集積ボックスと、前記ゴミ集積ボックスに設けられ通常は閉じているゴミ投入口と、前記ゴミ投入口に投入されたゴミ袋を受け入れた後に前記ゴミ集積ボックス内に排出するゴミ受け部と、前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグから前記IDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けさせるICタグリーダと、前記ゴミ投入口から前記ゴミ受け部に投入されたゴミ袋を数える計数手段と、前記ICタグリーダが読み込んだ前記IDから判断されるゴミ袋の数と前記計数手段が検出した数とが同じであれば前記ゴミ投入口を閉じるとともに前記ゴミ受け部からゴミ袋を前記ゴミ集積ボックス内に排出させ同じでなければ前記ゴミ投入口を開けたまま前記ゴミ受け部からゴミ袋を外へ取り出すことを促す表示を表示部に行わせる制御部とを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明のゴミ収集システムは、各家庭に配布されるゴミ袋それぞれに付されIDが記録されたICタグと、ゴミを入れたゴミ袋を集積するためのゴミ集積ボックスと、前記ゴミ集積ボックスに設けられ通常は閉じているゴミ投入口と、前記ゴミ袋の1つのみを収納可能で前記ゴミ投入口に投入されたゴミ袋を受け入れた後に前記ゴミ集積ボックス内に排出するゴミ受け部と、前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグから前記IDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けさせるICタグリーダと、ゴミ袋が前記ゴミ受け部に投入されてから前記投入口を閉じるとともにゴミ袋を前記ゴミ受け部から前記ゴミ集積ボックス内に排出させる制御部とを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明のゴミ収集システムは、ゴミ袋は大きさの異なる複数種類のものからなり、前記ゴミ受け部は前記ゴミ袋に対応して大きさの異なる複数種類のものからなることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載のゴミ収集システム。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項2〜5のいずれかに係るゴミ収集システムにおいて、
前記IDはゴミ袋に固有のゴミ袋IDおよびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDを有し、
ゴミ袋の配布業者が家庭に配布したゴミ袋の数である配布数を入力するゴミ袋配布業者端末と、
家庭それぞれについて保有するゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、前記ゴミ袋配布業者端末から入力される前記配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、前記ICタグリーダが読み取った前記ユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭に未使用のゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示する管理装置とを含むことを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項6に係るゴミ収集システムにおいて、
前記ゴミ受け部が受け入れた前記ゴミ袋の重さを量る秤を含み、
前記管理装置は、前記秤が量った重さを受けて家庭それぞれについて、所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の重さを集計し、集計したゴミ袋の重さが目標値より少ない家庭を特定することを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項6に係るゴミ収集システムにおいて、
前記ゴミ受け部が受け入れた前記ゴミ袋の重さを量る秤を備え、
前記管理装置は、各家庭の構成人数を記憶部に格納し、前記秤が量った重さを受けて家庭それぞれについて、所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記込み集積ボックス内に排出されたゴミ袋の重さを集計し、集計したゴミ袋の重さを前記構成人数で割った値が目標値より少ない家庭を特定することを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項1、6〜8のいずれかに係るゴミ収集システムにおいて、
前記管理装置は、ゴミ袋の種類ごとに前記家庭保有数を記憶部に格納することを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項1、6〜9のいずれかに係るゴミ収集システムにおいて、
前記管理装置は、各家庭について前記ゴミ集積ボックスに投入されたゴミ袋の前記ゴミ袋IDおよび日付を記録し、
少なくとも一部の家庭それぞれに対応して設けられ、前記管理装置から情報を受け、対応する家庭が前記ゴミ集積ボックスに投入したゴミ袋の種類および日付ならびに前記家庭保有数を閲覧可能なユーザ端末を含むことを特徴とする。
【0019】
請求項11に係る発明は、請求項7〜10のいずれかに係るゴミ収集システムにおいて、
前記管理装置は、各家庭について当月の当日までのゴミの排出量の集計の予め定めた目標値に対する割合から翌月に提供する無料の未使用の前記ゴミ袋の枚数である来月獲得枚数の予測値を算出し、
少なくとも一部の家庭それぞれに対応して設けられ、前記管理装置から情報を受け、対応する家庭についての前記予測値を閲覧可能なユーザ端末を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項12に係る発明は、請求項1、6〜11のいずれかに係るゴミ収集システムにおいて、
前記管理装置は、前記ゴミ集積ボックスそれぞれについて、ゴミの回収時に前回のゴミ回収時から排出されたゴミ袋の個数の累計である総個数およびゴミ排出量の累計であるゴミ総排出量ならびに回収所用時間を求め、
前記管理装置から情報を受け、前記ゴミ集積ボックスからゴミを回収する業者が前記ゴミ集積ボックスそれぞれおよびゴミの回収作業それぞれについて前記ゴミ袋の総個数、ゴミ総排出量および回収所用時間を閲覧可能な回収業者端末を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項13に係る発明のゴミ収集方法は、ゴミ袋に固有のゴミ袋IDおよびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDが記録されたICタグが付されたゴミ袋を各家庭に配布し、ゴミ集積ボックスに投入されるゴミを入れたゴミ袋の前記ICタグから前記ゴミ袋IDおよび前記ユーザIDをICタグリーダで読み取り、ゴミ袋の配布業者が家庭に配布した前記ゴミ袋の数である配布数をゴミ袋配布業者端末から入力し、
管理装置は、家庭それぞれについて保有する前記ゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、前記ゴミ袋配布業者端末から入力される前記配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、前記ICタグリーダが読み取った前記ユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックスに投入された前記ゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭に未使用の前記ゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示することを特徴とする。
【0022】
請求項14に係る発明のゴミ収集方法は、IDが記録されたICタグが付されたゴミ袋を各家庭に配布し、ゴミ集積ボックスに投入するために前記ゴミ集積ボックスの投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグから前記IDをICタグリーダで読み取り、前記ICタグリーダに読み取られた前記ICタグの前記IDが前記投入口の前に差し出されたゴミ袋が投入してもよい正しいものであることを示している場合に限り前記投入口を開けてゴミ袋を前記ゴミ集積ボックスに投入可能とすることを特徴とする。
【0023】
請求項15に係る発明のゴミ収集方法は、IDが記録されたICタグが付されたゴミ袋を各家庭に配布し、ゴミ集積ボックスにゴミを入れたゴミ袋を投入するためのゴミ投入口を通常は閉じておき、ICタグリーダが前記ゴミ投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグの前記IDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けてゴミ袋を前記ゴミ投入口から前記ゴミ集積ボックスに設けたゴミ受け部に投入させ、計数手段により数えた前記ゴミ受け部に投入されたゴミ袋の数と前記ICタグリーダが読み込んだ前記IDから判断されるゴミ袋の数とが同じであれば前記ゴミ投入口を閉じるとともに前記ゴミ受け部からゴミ袋を前記ゴミ集積ボックス内に排出させ同じでなければ前記ゴミ投入口を開けたまま前記ゴミ受け部からゴミ袋を外へ取り出すことを促す表示を表示部に行わせることを特徴とする。
【0024】
請求項16に係る発明のゴミ収集方法は、IDが記録されたICタグが付されたゴミ袋を各家庭に配布し、ゴミ集積ボックスにゴミを入れたゴミ袋を投入するためのゴミ投入口を通常は閉じておき、ICタグリーダが前記ゴミ投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグの前記IDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けてゴミ袋を前記ゴミ投入口から前記ゴミ集積ボックスに設けたゴミを入れた1つのゴミ袋のみを入れることが可能なゴミ受け部に投入させ、ゴミ袋が前記ゴミ受け部に投入されてから前記投入口を閉じるとともにゴミ袋を前記ゴミ受け部から前記ゴミ集積ボックス内に排出させることを特徴とする。
【0025】
請求項17に係る発明は、請求項14、15または16のいずれかに係るゴミ収集方法において、
前記IDはゴミ袋に固有のゴミ袋IDおよびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDを有し、
ゴミ袋の配布業者が家庭に配布したゴミ袋の数である配布数をゴミ袋配布業者端末から入力し、
管理装置は、家庭それぞれについて保有するゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、前記ゴミ袋配布業者端末から入力される前記配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、前記ICタグリーダが読み取った前記ユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックスに排出されたゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭に未使用のゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示することを特徴とする。
【0026】
請求項18に係る発明は、請求項17に記載のゴミ収集方法において、
前記ゴミ受け部が受け入れた前記ゴミ袋の重さを秤で量り、前記管理装置は、前記秤が量った重さを受けて家庭それぞれについて、所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の重さを集計し、集計したゴミ袋の重さが目標値より少ない家庭を特定し、前記管理装置が特定した家庭には特典を付与することを特徴とする。
【0027】
請求項19に係る発明は、請求項17に係るゴミ収集方法において、
前記ゴミ受け部が受け入れた前記ゴミ袋の重さを秤で量り、前記管理装置は、各家庭の構成人数を記憶部に記憶し、前記秤が量った重さを受けて家庭それぞれについて、所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の重さを集計し、集計したゴミ袋の重さを前記構成人数で割った値が目標値より少ない家庭を特定し、前記管理装置が特定した家庭には特典を付与することを特徴とする。
【0028】
請求項20に係る発明は、請求項13、17〜19のいずれかに記載のゴミ収集システムにおいて、
前記管理装置は、ゴミ袋の種類ごとに前記家庭保有数を記憶部に格納することを特徴とする。
【0029】
請求項21に係る発明は、請求項13、17〜20のいずれかに記載のゴミ収集方法において、
前記管理装置は、ゴミ袋の種類ごとに所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の数を集計し、これら集計した数を所定の種類のゴミ袋の数に換算した換算集計数を求め、全ての種類についての前記換算集計数の合計が目標値より少ない家庭を特定し、前記管理装置が特定した家庭には特典を付与することを特徴とする。
【0030】
請求項22に係る発明のゴミ袋は、ICタグが付されたゴミ袋であって、前記ICタグにゴミ袋に固有のゴミ袋IDおよびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDが記録されていることを特徴とする。
【0031】
請求項23に係る発明のゴミ集積ボックスは、ゴミを入れたゴミ袋を集積するためのゴミ集積ボックスであって、
通常は閉じているゴミ投入口と、前記ゴミ投入口に投入されたゴミ袋を受け入れた後に前記ゴミ集積ボックス内に排出するゴミ受け部と、前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミに付されたICタグに記録されたIDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けさせるICタグリーダと、前記ゴミ投入口から前記ゴミ受け部に投入されたゴミ袋を数える計数手段と、前記ICタグリーダが読み込んだ前記IDから判断されるゴミ袋の数と前記計数手段が検出した数とが同じでなければ前記ゴミ投入口を開けたまま前記ゴミ受け部からゴミ袋を外へ取り出すことを促す表示を行う表示部とを含み、
前記ICタグリーダが読み込んだ前記IDから判断されるゴミ袋の数と前記計数手段が検出した数とが同じであれば前記ゴミ投入口を閉じるとともに前記ゴミ受け部からゴミ袋を前記ゴミ集積ボックス内に排出させることを特徴とする。
【0032】
請求項24に係る発明のゴミ集積ボックスは、ゴミを入れたゴミ袋を集積するためのゴミ集積ボックスであって、
通常は閉じているゴミ投入口と、1つのゴミ袋のみを収納可能で前記ゴミ投入口に投入されたゴミ袋を受け入れた後に前記ゴミ集積ボックス内に排出するゴミ受け部と、前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミに付されたICタグに記録されたIDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けさせるICタグリーダとを含み、
ゴミ袋が前記ゴミ受け部に投入されてから前記投入口を閉じるとともにゴミ袋を前記ゴミ受け部から前記ゴミ集積ボックス内に排出させることを特徴とする。
【0033】
請求項25に係る発明は、請求項24または25のいずれかに記載のゴミ集積ボックスにおいて、
ゴミ袋は大きさの異なる複数種類のものからなり、前記ゴミ受け部は前記ゴミ袋に対応して大きさの異なる複数種類のものからなることを特徴とする。
【0034】
請求項26に係る発明のゴミ収集用の管理装置は、ゴミ袋が配布される家庭それぞれについて保有するゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、ゴミ袋配布業者端末から入力されるゴミ袋配布業者が家庭に配布したゴミ袋の数である配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、ゴミ集積ボックスに投入されるゴミ袋に付されたICタグに記録されたユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックスに投入されたゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭にゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、ゴミ集積ボックスの投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋のICタグからIDをICタグリーダで読み取る。そして、ICタグのIDが投入口の前に差し出されたゴミ袋が投入してもよい正しいものであることを示している場合に限り、投入口を開けてゴミ袋を前記ゴミ集積ボックスに投入可能とする。これにより、ゴミ収集日に収集すべきものとして指定されている種類以外のゴミが誤ってゴミ集積ボックスに投入されるのを防ぐことができる。また、指定されたICタグ付きのゴミ袋以外の不適当なゴミ袋を使用してゴミが排出されることも防ぐことができる。特に、ゴミの排出を有料制として指定の有料のゴミ袋の使用を義務づけた場合に、指定以外のゴミ袋を使用して料金の負担なしでゴミを排出する不当な行為を防ぐことができる効果がある。
【0036】
また本発明は、投入口から投入されたゴミ袋をゴミ受け部で受けて、投入されたゴミ袋が指定のICタグを付したもののみであることを検知してからゴミ集積ボックスへ排出する。これにより、ICタグが付されていない不正なゴミ袋が混ぜられてゴミ集積ボックスへ排出されるのを防ぐことができる効果がある。
【0037】
本発明は、家庭それぞれについて保有するゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、ゴミ袋の配布業者が家庭に配布したゴミ袋の数である配布数で家庭保有数を加算し、ゴミ集積ボックスに投入されたゴミ袋の数で家庭保有数を減算する。そして、家庭保有数が通知枚数になった家庭に業者がゴミ袋を配布する。これにより、各家庭に未使用のゴミ袋がなくなってしまうということを防ぎ、指定のゴミ袋がないためにゴミを排出できないということを防ぐことができるという効果がある。また、各家庭にとっては、ゴミ袋をスーパーマーケットやコンビニエンスストアにわざわざ買いに行く手間を省くことができるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1は、本発明の実施の形態のゴミ収集システムを示すブロック図である。
【0039】
本実施の形態は、ユーザ端末10と、集中管理センタ20と、回収業者端末30と、ゴミ集積ボックス40と、ゴミ袋販売業者端末50と、これらを接続するインターネット100とからなる。
【0040】
本実施の形態のゴミ収集システムは、集合住宅におけるゴミ収集を対象としており、ユーザ端末10は、集合住宅に住んでいる家庭に設けられた端末である。ゴミ集積ボックス40は、その集合住宅または、その近辺に設けられている。
【0041】
本実施の形態で用いるゴミ袋120は、図6に示すようにICタグ70が付されている。ICタグ70は、図5に示すとおりアンテナ71、送受信部72およびメモリ73を持っているが、電源を持っていない。ICタグ70がICタグリーダ60の電波を受信すると、磁界ができ、磁界内にあるICタグ70のアンテナ71の両端に電位差が生じて、送受信部72およびメモリ73へ供給する電流を発生させる仕組みである。
【0042】
メモリ73には、図7に示す通り、ユーザID74およびゴミ袋ID75が記録されている。
【0043】
ゴミ集積ボックス40は、図3に示すとおり、前面に複数のゴミ投入部80が設けられている。各ゴミ投入部80の上側にICタグリーダ60と、赤外線センサー90と、スピーカ内蔵液晶パネル110が設けられている。ICタグリーダ60は、図5に示すとおりの構造をしており、アンテナ61、送受信部62および制御部63を有し、ICタグ70とはアンテナ61を通して情報交換をする。ICタグリーダ60により読み取られるICタグ70の情報は、集中管理センタ20へ送信される。
【0044】
集中管理センタ20内に設置されているデータベースサーバ200は、図2に示す通り、データベース管理システム201、ゴミ袋管理データベース202、住人情報データベース203、ゴミ情報データベース204から構成されている。また、データベースサーバ200には、予め定められたゴミ排出日に関する情報(各日付がゴミ集積ボックス40へ可燃ゴミを排出してもよい日か、不燃ゴミを排出してもよい日かに関する情報)および回収業者がゴミ集積ボックス40からゴミを回収する日付が記憶されている。さらに、データベースサーバ200には、ゴミ集積ボックス40が設けられている集合住宅を識別する住宅名、ゴミ集積ボックス40を識別するボックスIDおよび各ゴミ集積ボックス40がどの集合住宅に属しているかが記憶されている。
【0045】
データベース管理システム201は、ゴミ袋管理データベース202、住人情報データベース203、ゴミ情報データベース204のデータの定義、追加、修正、削除、検索などを行う。データベース管理システム201はゴミ袋管理データベース202、住人情報データベース203から、ユーザが欲しい情報をユーザ端末10に配信する。また、データベース管理システム201はゴミ袋管理データベース202の情報を毎日チェックする。
【0046】
ゴミ袋管理データベース202は、図12に示すとおり、ユーザである家庭(住人の所帯)ごとに、ユーザID74および排出したゴミ袋120のゴミ袋ID75を登録している。また、ゴミ袋管理データベース202は、ゴミ袋ID75ごとに、そのゴミ袋120を排出した日付、そのゴミ袋120を排出した時の当該家庭における可燃ゴミ用のゴミ袋在庫および不燃ゴミ用のゴミ袋在庫を登録している。さらに、ゴミ袋管理データベース202は、ゴミ袋120の在庫が残り何枚になったら、データベース管理システム201がゴミ袋販売業者端末50に通知するかの予め設定しておいた通知枚数も格納している。この通知枚数は、ユーザが予めユーザ端末10を用いて設定し、集中管理センタ20へ送信し、データベースサーバ200に記憶させておく。
【0047】
住人情報データベース203は、図13に示すデータを格納したデータベースである。すなわち、家庭ごとにユーザID、居住人数、今月(現在までの)のゴミの総排出量、総排出量を居住人数で割った一人当たりの排出量および集合住宅設定値を格納している。ここに、集合住宅設定値とは、集合住宅で目標値として設定されている排出量の設定値である。集合住宅設定値は、集合住宅の住民の組合や住民が委託した企業などの集合住宅のゴミ収集を管理する機関が予め設定し、データベースサーバ200に記憶させておく。
【0048】
ゴミ情報データベース204は、図14に示すとおり、回収業者がゴミ集積ボックス40からゴミを回収した日付、集合住宅の住宅名(図14ではAハイツのみ)および集合住宅ごとに設置されたゴミ集積ボックス40に付されたボックスIDを登録している。そしてゴミ情報データベース204は、ゴミ回収日それぞれにおけるゴミ集積ボックス40ごとの、排出されていたゴミ袋120の個数、ゴミの総排出量および回収所用時間を格納したデータベースである。ここに開始有所用時間とは、ゴミ回収業者がゴミ集積ボックス40からゴミを回収するのに要した時間である。
【0049】
ゴミ投入部80は、図3および図4に示すように、ゴミ集積ボックス40の前面に設けられた四角い開口と、この開口の下辺82に軸支されたゴミ受け部81からなる。ゴミ受け部81は、外側に膨らむ横向きの円筒の曲面の一部からなる前面板と、平面からなり下辺82で前面板と交わる背面板と、ほぼ扇形の両側面板とからなり、上側が開放されたゴミ投入口83をなす容器をなしている。
【0050】
ゴミ受け部81の前面板および背面板の外形は、ゴミ集積ボックス40の前面に設けられた開口と同一形状である。ゴミ集積ボックス40にゴミ袋120を投入しようとするときは、図4(a)に示すように、ゴミ受け部81を下辺82を中心としてゴミ集積ボックス40の外側へ倒し、ゴミ投入口83がゴミ集積ボックス40の外側に向けて開けられた状態にする。このときは、ゴミ集積ボックス40の前面に設けられた開口は、ゴミ受け部81の背面板で塞がれている。
【0051】
ただし、通常においてゴミ受け部81は、下辺82を中心として図4(b)に示すように、ゴミ集積ボックス40の内側に倒れ込み、前面板をゴミ集積ボックス40の前面の開口に位置させてその開口を塞いでいる。したがって、通常においてゴミ投入口83は、ゴミ集積ボックス40の外側に対し閉じられている。
【0052】
ゴミ受け部81の底部には、電子秤130が設けられていて、ゴミ受け部81に投入されたゴミ袋120の重量を量るようになっている。また、ゴミ受け部81の背面の電子秤130より上側の部分は、上辺84を中心軸として揺動して開閉する扉85となっている。ゴミ受け部81の下辺82を軸とする揺動および扉85の上辺84を中心とする開閉は、図示していないモータにより駆動される。
【0053】
図4(a)に示すとおり、ゴミ投入口83からゴミ受け部81に投入したゴミ袋120の個数は、赤外線センサー90により検知される。
【0054】
ゴミ集積ボックス40は、事前にデータベースサーバ200より指定されたゴミ排出日に関する情報を入手し、図示していない記憶部に記憶し、自らのボックスIDも記憶部に記憶しておく。また、ゴミ回収ボックス40は、記憶部に記憶したプログラムに従い、図示していない制御部により動作する。すなわち、ICタグリーダ60、赤外線センサー90などからの信号を受け、スピーカ内蔵液晶パネル110、ゴミ受け部81の揺動、扉85の開閉を駆動するモータなどを制御する。また、ICタグリーダ60、電子秤130から受けるデータをインターネット100を介して集中管理センタ20へ送出する。
【0055】
また、図には示していないが、ゴミ集積ボックス40には、内部に排出されたゴミを回収するための、通常は閉じられている回収口が設けられている。また、回収業者がゴミの回収のために回収口を開けたことおよび回収が終了して閉じたことを検知するセンサーが設けられている。
【0056】
次に、図1から図16を用いて本実施の形態の動作を詳細に説明する。
【0057】
図8は、ゴミを入れた指定のゴミ袋120をゴミ集積ボックス40に投入する場合の動作を説明する流れ図である。
【0058】
ゴミを捨てるユーザは、ゴミ投入部80からゴミ集積ボックス40の中に、ゴミを入れたゴミ袋120を投入する前に、ゴミ袋120をゴミ投入部80の上側に差し出す。これにより、ICタグリーダ60にICタグ70のユーザID74およびゴミ袋ID75の情報を読み取らせる(ステップA1)。この読み取り時には、図5に示すとおり、ICタグ70のアンテナ71とICタグリーダ60のアンテナ61とを互いの無線が届く範囲内にあるようにして情報の伝送を行う。
【0059】
ICタグリーダ60がICタグ70のID73を読み取れば、次に進む。ゴミ集積ボックス40の制御部は、事前にデータベースサーバ200より入手した排出日情報とICタグ70より検知したゴミ袋ID75の情報をもとに、差し出されたゴミ袋120のゴミの種類と、その日が排出日とされるゴミの種類が適正かチェックする(ステップA2)。本実施例の場合は、可燃ゴミ用のゴミ袋120のゴミ袋ID75はF(flammable)で始まるもので表わし、不燃ゴミ用のゴミ袋120のゴミ袋ID75はN(nonflammable)で始まるもので表わすものと規定されている。
【0060】
ゴミ袋120が不適当なものとしてチェックに引っかかった場合には、ゴミ集積ボックス40の制御部は、そのゴミ袋120のゴミの種類の排出日でないことを知らせるガイダンスをスピーカ内蔵液晶パネル110より音声で流すとともに文字表示する(ステップA4)。ゴミ袋ID75の示すゴミの種類と排出日による指定のゴミの種類が適正だった場合は、ゴミ受け部81を外側へ倒し、ゴミ集積ボックス40の外側に対しゴミ投入口83を開ける(ステップA5)。
【0061】
続いてゴミを捨てるユーザは、ゴミ投入口83からゴミ受け部81にゴミを入れる(ステップA6)。この時に、赤外線センサー90は、ゴミ投入口83からゴミ受け部81に投入されるゴミ袋120の数を検知する。また、ICタグリーダ60で検知したICタグ70のゴミ袋ID75からゴミ受け部81へ投入されたゴミ袋120の個数を検知する。赤外線センサー90が検知した投入したゴミ袋120の数と、ICタグリーダ60が検知したゴミ袋120の数とが同じか否かのチェックを行う。指定ゴミ袋でなく、ICタグリーダ60にICタグ70の情報を読み取らせてないゴミ袋が投入された場合は、赤外線センサー90が検知したゴミ袋の方が、ICタグリーダ60が検知したゴミ袋120よりも多くなる。したがって、このように検知したゴミ袋の数が一致しない場合は、指定のゴミ袋120以外のゴミ袋を取り除くよう、ガイダンスがスピーカ内蔵液晶パネル110より流れ、表示される(ステップA8)。
【0062】
赤外線センサー90で検知したゴミ袋の個数とリーダライタ60で検知した個数が同じとなった場合(ステップA7)の動作は、次の通りである。ゴミ集積ボックス40の制御部は、ゴミ回収口80に内蔵されている電子秤130を使用してゴミ受け部81に投入されたゴミ袋120の重さであるゴミ排出量を測定する(ステップA9)。続いて、図4(b)に示すとおりに、ゴミ受け部81をゴミ集積ボックス40の内側へ倒し、ゴミ集積ボックス40の外側に対しゴミ投入口83を閉じ(A10)、図4(c)に示すとおり扉85を開放し、ゴミ袋120をゴミ集積ボックス40の内部に排出する。
【0063】
図9は、ゴミを入れた指定のゴミ袋120を、ゴミ集積ボックス40に排出した時のデータの流れを説明する流れ図である。
【0064】
図8のステップA1のようにICタグ70をICタグリーダ60に読み取らせる(ステップB1)。ICタグ70のメモリ73から図10に示す情報301をリーダライタ60が読み取る(ステップB2)。情報301は、ユーザID74およびゴミ袋ID75からなる。
【0065】
図8のステップA10でゴミ袋120をゴミ集積ボックス40の内部に排出するために扉85を開放したら、ゴミ集積ボックス40の制御部は、図10に示す情報302(ステップB3)をデータベースサーバ200のデータベース管理システム201に転送する(ステップB4)。ここに、情報302とは、当日の日付76、ボックスID77(集合住宅内にあるゴミ回収ボックス40にはボックスIDが割り当てられている)、電子秤130で量ったゴミ排出量78およびゴミ集積ボックス40の内部に排出したゴミ袋120の個数79を情報301へ加えた情報である。
【0066】
データベース管理システム201は、情報302の中からユーザID74、ゴミ袋ID75および日付76の情報をゴミ袋管理データベース202へ転送する。また、ユーザID74およびゴミ排出量78を住人情報データベース203へ転送する。
【0067】
また、データベース管理システム201は、データベースサーバ200に記憶していたゴミを回収する日付、住宅名、住宅名に関連させてその住宅に付属するゴミ集積ボックス40のボックスIDを転送する。また、ゴミ回収業者がゴミ集積ボックス40の回収口を開けた時は、開けたことを検知したセンサーの信号をゴミ集積ボックス40から受ける。そして、前回のゴミの回収時からのゴミ排出量78の累計であるゴミ総排出量、前回のゴミ回収時からの個数79の累計である総個数を算出してゴミ情報データベース204へ転送する。さらに、ゴミ集積ボックス40に設けたセンサーが出力する回収口を開けた時および閉めた時の信号をゴミ集積ボックス40から受けて、回収口を開けてから閉めた時までの時間である回収所用時間を計測し、ゴミ情報データベース204へ転送する(ステップB5)。
【0068】
なお、回収所用時間のゴミ情報データベース204への登録方法は、上述の方法に限られない。例えば、作業者に携帯端末を持たせ、ゴミ回収の作業の開始時および終了時に、作業者が携帯端末を用いて作業開始または終了をデータベースサーバ200に通知するとともに、携帯端末がゴミ集積ボックス40のIDを読み取ってデータベースサーバ200に通知するようにすることもできる。
【0069】
ゴミ袋管理データベース202は、ユーザID74別にゴミ袋ID75および日付76の情報を記憶する(ステップB6)。住人情報データベース203は、ユーザID74別にゴミ排出量78を記憶する(ステップB7)。ゴミ情報データベース204は、ゴミ回収の日付ごとに住宅名を記憶し、住宅名ごとにその住宅に設けられたゴミ集積ボックス40のボックスIDを記憶し、ボックスIDごとにされたゴミ袋120の累積個数、総排出量および回収所用時間の情報を記憶する(ステップB8)。
【0070】
このゴミ情報データベース204の内容は、ゴミ集積ボックス40からゴミを回収する回収業者が、回収業者端末30から閲覧することができる。この閲覧によりゴミ回収業者は、ゴミ袋120の個数および総排出量と回収所用時間との関係を知ることができ、ゴミ回収作業に必要な時間の予測精度を高めることができる。
【0071】
図11は、各家庭において指定のゴミ袋120が少なくなったことを受けてゴミ袋販売業者からゴミ袋120が補充される手順を説明する流れ図である。
【0072】
ここでゴミ袋120の補充というのは、各家庭におけるゴミ袋120の残り枚数が、ユーザがあらかじめ設定しておいた通知枚数に達した時に、ゴミ袋販売業者より設定済みの枚数120のゴミ袋がユーザである家庭の元に配送されることである。
【0073】
データベース管理システム201は、1日に1回、ゴミ袋管理データベース202の中でゴミ袋120の残り枚数であるゴミ袋在庫が通知枚数に達しているものがあるかチェックを行う(ステップC1)。通知枚数に達しているユーザがいた場合(ステップC2)、データベース管理システム201は、ゴミ袋販売業者端末50へその旨の通知を行う(ステップC3)。通知を受けたゴミ袋販売業者は、ゴミ袋販売業者端末50からそのユーザに販売するゴミ袋120の枚数のデータをデータベース管理システム201へ転送する(ステップC4)。データベース管理システム201は、販売データ(販売枚数)をゴミ袋管理データベース202へ転送し(ステップC5)、ゴミ袋120の枚数の更新作業を行う(ステップC6)。ゴミ袋販売業者は、販売データ(販売枚数)に基づいて、そのユーザである家庭にゴミ袋120の配送を行う(ステップC7)。この補充用の販売枚数も各家庭について、ユーザ端末10により予め設定し、集中管理センタ20のデータベースサーバ200および回収業者端末30に通知し、記憶させておく。
【0074】
図12にユーザIDがA−0002の家庭について示される例では、通知枚数が3枚と設定され、2003年12月3日に不燃のゴミ用のゴミ袋120の在庫が3枚となり、通知枚数に達している。そこで、データベース管理システム201は、当家庭の不燃のゴミ用のゴミ袋120を補充すべきことをゴミ袋販売業者端末50に通知する。この通知を受けてゴミ袋販売業者は、当家庭に不燃のゴミ用のゴミ袋120を10枚補充することをデータベース管理システム201に通知し、データベース管理システム201は、ゴミ袋管理データベース202の不燃のゴミ用のゴミ袋120の枚数を10枚増加させて13枚に更新する。
【0075】
データベース管理システム201は、ユーザ端末10からの履歴情報の要求に応じて、ゴミ袋管理データベース202から次のデータを読み出し、そのユーザ端末10に送信する。すなわち、そのユーザ端末10から入力したユーザID74についての排出したゴミ袋120のゴミ袋ID75、個数、日付およびゴミ袋120の在庫を送信する。ユーザ端末10は、これらのデータを受けて図15に示すゴミ排出履歴情報の画面11を表示する。ゴミ排出履歴情報の画面11は、日付ごとの該当家庭の排出したゴミの種類、排出したゴミ袋120の個数、可燃ゴミ用のゴミ袋120の残り枚数(在庫)および不燃ゴミ用のゴミ袋120の残り枚数(在庫)からなる。
【0076】
住民のゴミ減量の意識を強めるために、住民1人当たりの月ごとのゴミ排出量の目標値(集合住宅設定値)を設定する。さらに、目標値よりその月のゴミ排出量の実績が少ないパーセントに対応して、翌月に無料で該当住民の属する家庭に支給するゴミ袋120の枚数(来月獲得枚数)を設定する。そして、この集合住宅設定値および来月獲得枚数をデータベースサーバ200に記憶しておく。来月獲得枚数は、集合住宅のゴミ収集を管理する機関が設定し、データベースサーバ200に入力する。
【0077】
データベース管理システム201は、住人情報データベース203の1人当たりのゴミ排出量と、当月の目標値を日割りで計算した当月の当日までの目標値とを比較して来月獲得枚数の予測値を算出する。月初めに前月のゴミ排出量の実績にもとずき、前月分の来月獲得枚数を算出して確定し、ゴミ袋販売業者端末50に通知し、ゴミ袋販売業者は、その通知にもとずき、該当する家庭に来月獲得枚数分の未使用のゴミ袋120を無料で配布する。
【0078】
このようにゴミの排出量が目標値より少ない家庭に無料のゴミ袋120を提供することにより、住民のゴミを低減する意欲を向上させることができる。
【0079】
なお、本実施の形態では、各家庭の居住者の一人当たりのゴミ排出量の目標値を設定したが、各家庭のゴミ排出量の目標値を設定し、その目標値に対する各家庭の実際のゴミ排出量の割合から来月獲得枚数を決定するようにすることもできる。ただし、この場合も各家庭の居住者の人数、年齢などの事情を勘案して目標値を定めることが望ましい。
【0080】
データベース管理システム201は、ユーザ端末10からのユーザ情報の要求に応じて、住人情報データベース203から次のデータを読み出す。すなわち、そのユーザ端末10から入力したユーザIDについての居住人数、当月の当日までのゴミの排出量、居住者1人当たりの当月の当日までのゴミの排出量および当家庭の集合住宅の当月の集合住宅設定値を読み出す。そして、これらと共にゴミの種類ごとの指定排出日(曜日)および来月獲得枚数の予測値を、そのユーザ端末10に送信する。ユーザ端末10は、これらのデータを受けて図16に示すユーザ情報の画面12を表示する。
【0081】
ユーザは、ユーザ端末10で図15に示すとおり、ゴミ排出履歴情報の画面11として自分が排出したゴミの情報およびゴミ袋120の残り枚数を閲覧することが可能である。さらに図16に示すとおり、ユーザ情報として、居住人数、ゴミの排出量(今月)、一人当たりの排出量、可燃ゴミ、不燃ゴミ回収日、来月にもらえる袋の枚数である来月獲得枚数の予測値が閲覧できる。
【0082】
このようにユーザ端末10で閲覧可能とすることにより、各家庭にゴミの排出状況を認識させることができ、住民のゴミを低減する意欲を強化することができる。
【0083】
なお、ゴミ投入部の構造は、図3および4に示されるものに限られない。例えば、ゴミ受け部が四角い箱状で、その上面が水平に移動するシャッターを有するゴミ投入口をなし、底面がゴミ受け部内のゴミ袋120をゴミ集積ボックスに排出することができる水平に移動する別のシャッターからなるようなものでもよい。
【0084】
ゴミ投入部が設けられるゴミ集積ボックスは、箱状のものに限られず、例えば2階建て以上の階層をなす建物に設けられたゴミ捨て用のダクトをゴミ集積ボックスとし、この側面にゴミ投入部を設けるようにしてもよい。
【0085】
また、ゴミ受け部81が1つのゴミを満杯にしたゴミ袋120のみを収納可能にすることもできる。こうすれば、ICタグ70を付した正規のゴミ袋120以外に不正なものを混ぜてゴミ受け部81に投入することができないために、ICタグリーダ60による投入ゴミ袋120の計数以外に、投入ゴミ袋を計数するための赤外線センサー90は、必要がない。
【0086】
ゴミ袋120の種類としては、不燃ゴミ用および可燃ゴミ用に限られない。例えば、プラスチックゴミ用、資源ゴミ用、生ゴミ用なども含めることもできる。また、大きさによるゴミ袋の種別をゴミ袋IDに表すようにしてもよい。
【0087】
複数種類の大きさのゴミ袋を使用可能なものとして指定した場合には、ゴミ投入部80も対応して複数種類の大きさのものを設け、各ゴミ投入部80に設けられたICタグリーダ60が対応する大きさのゴミ袋を示すゴミ袋ID75を読み取らない限りゴミ投入口83を開けないようにしてもよい。
【0088】
また、複数種類のゴミに対応して複数のゴミ集積ボックスを備え、毎日全ての種類のゴミを排出できるような場合にも本発明は、適用できるのは言うまでもない。
【0089】
本実施の形態では、各家庭のゴミ排出量を求め、月当たりのゴミ排出量が目標値を下回った場合に無料のゴミ袋120を提供するという特典を与えているが、各家庭の排出したゴミ袋120の個数が目標値を下回った場合に特典を与えるようにしてもよい。ただし、指定のゴミ袋として種々の大きさのゴミ袋が用いられている場合は、基準とする大きさのゴミ袋の大きさに換算して排出したゴミ袋の個数を求めることが望ましい。また、月当たりのゴミ排出量等の代わりに、年間のゴミ排出量等にしてもよい。特典も無料のゴミ袋の提供に限られず、他の景品の提供等であってもよい。
【0090】
請求項1、2、12または13に係る発明の場合は、ゴミ集積ボックス40に投入されるゴミ袋120に付されたICタグ70をICタグリーダ60で読み取りさえすればよく、必ずしもゴミ受け部を必要としない。
【0091】
上述の実施の形態では、ICタグ70のメモリ73にユーザID74およびゴミ袋ID75を記録したが、ゴミ収集日として指定された種類のゴミ以外のためのゴミ袋等の不適切なゴミ袋がゴミ集積ボックス40に投入されるのを防ぐためには、ユーザID74は必ずしも必要ではない。
【0092】
本実施の形態では、ゴミ集積ボックス40と集中管理センタ20とをインターネット100を介して接続している。しかし、ゴミ集積ボックス40が1つのみであるような場合には、ゴミ集積ボックス40内に設けた管理装置が集中管理センタ20の働きをするようにすることもできる。また、インターネット100の代わりに専用の通信回線等を用いることもできる。
【0093】
本実施の形態は、集合住宅におけるゴミの収集を対象としているが、地方公共団体が管理するような大規模なゴミの収集にも本発明は、適用できる。
【0094】
本実施の形態では、ICタグリーダ60はゴミ投入口83の前に差し出されたゴミ袋120のICタグ70を読み取っている。しかし、投入されたゴミ受け部81内にあるゴミ袋120のICタグ70も読み取れれば、ゴミ受け部81に投入されたゴミ袋120の個数を正確に検出でき、正しいゴミ袋120以外のものをより厳格に排除できる。ゴミ投入部80の上側に設けたICタグリーダ60のみではゴミ受け部81に投入されたゴミ袋120のICタグ70を読み取ることができなければ、ゴミ受け部81に別のICタグリーダを設ければよい。ゴミ受け部81の数カ所にICタグリーダを設けることにより、より確実にゴミ受け部81内のゴミ袋120のICタグ70を読み取ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
集合住宅棟における住民が排出する生活ゴミの集積および回収の管理に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態のゴミ収集システムの全体の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の集中管理センタ20内に設置されているデータベースサーバ200の構成を示すブロック図である。
【図3】図1中のゴミ集積ボックス40の斜視図である。
【図4】図3に示すゴミ集積ボックス40のゴミ排出時の動作を説明する断面図で、(a)は、ゴミ受け部81をゴミ回収ボックス40の外側に倒しゴミ袋120をゴミ受け部81に投入した状態の図、(b)は、ゴミ袋120が投入されたゴミ受け部81をゴミ回収ボックス40の内側に倒した状態の図、(c)はゴミ受け部81をゴミ回収ボックス40の内側に倒し扉85を開いてゴミ袋120をゴミ回収ボックス40の内部に排出した状態の図である。
【図5】図5は、図4中のゴミ袋120に付されたICタグ70および図3中のICタグリーダ60の構成を示すブロック図である。
【図6】図4中のゴミ袋120の使用面図である。
【図7】図5中のメモリ73の構成を示すブロック図である。
【図8】図3に示すゴミ収集ボックス40のゴミ袋120が投入された時の動作を示すフローチャートである。
【図9】図3に示すゴミ収集ボックス40にゴミを排出した時の情報の流れを示すフローチャートである。
【図10】図9中の情報301および302の構成を示すブロック図である。
【図11】図1に示すゴミ収集システムでのゴミ袋の自動送付に至るまでの手順を示すフローチャートである。
【図12】図2中のゴミ袋管理データベース202のデータ例を示す図である。
【図13】図2中の住民情報データベース203のデータ例を示す図である。
【図14】図2中のゴミ情報データベース204のデータ例を示す図である。
【図15】図1中のユーザ端末10に表示されるゴミ排出履歴情報の画面を示す図である。
【図16】図1中のユーザ端末10に表示されるユーザ情報の画面を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
10 ユーザ端末
11 ゴミ排出履歴情報の画面
12 ユーザ情報の画面
20 集中管理センタ
30 回収業者端末
40 ゴミ集積ボックス
50 ゴミ袋販売業者端末
60 ICタグリーダ
61 アンテナ
62 送受信部
63 制御部
70 ICタグ
71 アンテナ
72 送受信部
73 メモリ
74 ユーザID
75 ゴミ袋ID
76 日付
77 ボックスID
78 ゴミ排出量
79 個数
80 ゴミ投入部
81 ゴミ受け部
82 下辺
83 ゴミ投入口
84 上辺
85 扉
90 赤外線センサー
100 インターネット
110 スピーカ内蔵液晶パネル
120 ゴミ袋
130 電子秤
200 データベースサーバ
201 データベース管理システム
202 ゴミ袋管理データベース
203 住人情報データベース
204 ゴミ情報データベース
301 情報
302 情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各家庭に配布されるゴミ袋それぞれに付されゴミ袋に固有のゴミ袋ID(識別情報)およびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDが記録されたIC(集積回路)タグと、
ゴミを入れたゴミ袋が投入されるゴミ集積ボックスと、
前記ゴミ集積ボックスに投入されるゴミ袋の前記ICタグから前記ゴミ袋IDおよび前記ユーザIDを読み取るICタグリーダと、
ゴミ袋の配布業者が家庭に配布したゴミ袋の数である配布数を入力するゴミ袋配布業者端末と、
家庭それぞれについて保有するゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、前記ゴミ袋配布業者端末から入力される前記配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、前記ICタグリーダが読み取った前記ユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックスに投入されたゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭に未使用のゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示する管理装置とを含むことを特徴とするゴミ収集システム。
【請求項2】
各家庭に配布されるゴミ袋それぞれに付されIDが記録されたICタグと、ゴミを入れたゴミ袋が投入口から投入されるゴミ集積ボックスと、前記ゴミ集積ボックスに投入するために前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグから前記IDを読み取るICタグリーダとを含み、前記ICタグリーダに読み取られた前記ICタグのIDが前記投入口の前に差し出されたゴミ袋が投入してもよい正しいものであることを示している場合に限り前記投入口を開けてゴミ袋を前記ゴミ集積ボックスに投入可能とすることを特徴とするゴミ収集システム。
【請求項3】
各家庭に配布されるゴミ袋それぞれに付されIDが記録されたICタグと、ゴミを入れたゴミ袋を集積するためのゴミ集積ボックスと、前記ゴミ集積ボックスに設けられ通常は閉じているゴミ投入口と、前記ゴミ投入口に投入されたゴミ袋を受け入れた後に前記ゴミ集積ボックス内に排出するゴミ受け部と、前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグから前記IDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けさせるICタグリーダと、前記ゴミ投入口から前記ゴミ受け部に投入されたゴミ袋を数える計数手段と、前記ICタグリーダが読み込んだ前記IDから判断されるゴミ袋の数と前記計数手段が検出した数とが同じであれば前記ゴミ投入口を閉じるとともに前記ゴミ受け部からゴミ袋を前記ゴミ集積ボックス内に排出させ同じでなければ前記ゴミ投入口を開けたまま前記ゴミ受け部からゴミ袋を外へ取り出すことを促す表示を表示部に行わせる制御部とを含むことを特徴とするゴミ収集システム。
【請求項4】
各家庭に配布されるゴミ袋それぞれに付されIDが記録されたICタグと、ゴミを入れたゴミ袋を集積するためのゴミ集積ボックスと、前記ゴミ集積ボックスに設けられ通常は閉じているゴミ投入口と、前記ゴミ袋の1つのみを収納可能で前記ゴミ投入口に投入されたゴミ袋を受け入れた後に前記ゴミ集積ボックス内に排出するゴミ受け部と、前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグから前記IDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けさせるICタグリーダと、ゴミ袋が前記ゴミ受け部に投入されてから前記投入口を閉じるとともにゴミ袋を前記ゴミ受け部から前記ゴミ集積ボックス内に排出させる制御部とを含むことを特徴とするゴミ収集システム。
【請求項5】
ゴミ袋は大きさの異なる複数種類のものからなり、前記ゴミ受け部は前記ゴミ袋に対応して大きさの異なる複数種類のものからなることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載のゴミ収集システム。
【請求項6】
前記IDはゴミ袋に固有のゴミ袋IDおよびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDを有し、
ゴミ袋の配布業者が家庭に配布したゴミ袋の数である配布数を入力するゴミ袋配布業者端末と、
家庭それぞれについて保有するゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、前記ゴミ袋配布業者端末から入力される前記配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、前記ICタグリーダが読み取った前記ユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭に未使用のゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示する管理装置とを含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のゴミ収集システム。
【請求項7】
前記ゴミ受け部が受け入れた前記ゴミ袋の重さを量る秤を含み、
前記管理装置は、前記秤が量った重さを受けて家庭それぞれについて、所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の重さを集計し、集計したゴミ袋の重さが目標値より少ない家庭を特定することを特徴とする請求項6に記載のゴミ収集システム。
【請求項8】
前記ゴミ受け部が受け入れた前記ゴミ袋の重さを量る秤を含み、
前記管理装置は、各家庭の構成人数を記憶部に格納し、前記秤が量った重さを受けて家庭それぞれについて、所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記込み集積ボックス内に排出されたゴミ袋の重さを集計し、集計したゴミ袋の重さを前記構成人数で割った値が目標値より少ない家庭を特定することを特徴とする請求項6に記載のゴミ収集システム。
【請求項9】
前記管理装置は、ゴミ袋の種類ごとに前記家庭保有数を記憶部に格納することを特徴とする請求項1、6〜8のいずれかに記載のゴミ収集システム。
【請求項10】
前記管理装置は、各家庭について前記ゴミ集積ボックスに投入されたゴミ袋の前記ゴミ袋IDおよび日付を記録し、
少なくとも一部の家庭それぞれに対応して設けられ、前記管理装置から情報を受け、対応する家庭が前記ゴミ集積ボックスに投入したゴミ袋の種類および日付ならびに前記家庭保有数を閲覧可能なユーザ端末を含むことを特徴とする請求項1、6〜9のいずれかに記載のゴミ収集システム。
【請求項11】
前記管理装置は、各家庭について当月の当日までのゴミの排出量の集計の予め定めた目標値に対する割合から翌月に提供する無料の未使用の前記ゴミ袋の枚数である来月獲得枚数の予測値を算出し、
少なくとも一部の家庭それぞれに対応して設けられ、前記管理装置から情報を受け、対応する家庭についての前記予測値を閲覧可能なユーザ端末を含むことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のゴミ収集システム。
【請求項12】
前記管理装置は、前記ゴミ集積ボックスそれぞれについて、ゴミの回収時に前回のゴミ回収時から排出されたゴミ袋の個数の累計である総個数およびゴミ排出量の累計であるゴミ総排出量ならびに回収所用時間を求め、
前記管理装置から情報を受け、前記ゴミ集積ボックスからゴミを回収する業者が前記ゴミ集積ボックスそれぞれおよびゴミの回収作業それぞれについて前記ゴミ袋の総個数、ゴミ総排出量および回収所用時間を閲覧可能な回収業者端末を含むことを特徴とする請求項1、6〜11のいずれかに記載のゴミ収集システム。
【請求項13】
ゴミ袋に固有のゴミ袋IDおよびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDが記録されたICタグが付されたゴミ袋を各家庭に配布し、ゴミ集積ボックスに投入されるゴミを入れたゴミ袋の前記ICタグから前記ゴミ袋IDおよび前記ユーザIDをICタグリーダで読み取り、ゴミ袋の配布業者が家庭に配布した前記ゴミ袋の数である配布数をゴミ袋配布業者端末から入力し、
管理装置は、家庭それぞれについて保有する前記ゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、前記ゴミ袋配布業者端末から入力される前記配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、前記ICタグリーダが読み取った前記ユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックスに投入された前記ゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭に未使用の前記ゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示することを特徴とするゴミ収集方法。
【請求項14】
IDが記録されたICタグが付されたゴミ袋を各家庭に配布し、ゴミ集積ボックスに投入するために前記ゴミ集積ボックスの投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグから前記IDをICタグリーダで読み取り、前記ICタグリーダに読み取られた前記ICタグの前記IDが前記投入口の前に差し出されたゴミ袋が投入してもよい正しいものであることを示している場合に限り前記投入口を開けてゴミ袋を前記ゴミ集積ボックスに投入可能とすることを特徴とするゴミ収集方法。
【請求項15】
IDが記録されたICタグが付されたゴミ袋を各家庭に配布し、ゴミ集積ボックスにゴミを入れたゴミ袋を投入するためのゴミ投入口を通常は閉じておき、ICタグリーダが前記ゴミ投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグの前記IDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けてゴミ袋を前記ゴミ投入口から前記ゴミ集積ボックスに設けたゴミ受け部に投入させ、計数手段により数えた前記ゴミ受け部に投入されたゴミ袋の数と前記ICタグリーダが読み込んだ前記IDから判断されるゴミ袋の数とが同じであれば前記ゴミ投入口を閉じるとともに前記ゴミ受け部からゴミ袋を前記ゴミ集積ボックス内に排出させ同じでなければ前記ゴミ投入口を開けたまま前記ゴミ受け部からゴミ袋を外へ取り出すことを促す表示を表示部に行わせることを特徴とするゴミ収集方法。
【請求項16】
IDが記録されたICタグが付されたゴミ袋を各家庭に配布し、ゴミ集積ボックスにゴミを入れたゴミ袋を投入するためのゴミ投入口を通常は閉じておき、ICタグリーダが前記ゴミ投入口に近接する位置に差し出されたゴミ袋の前記ICタグの前記IDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けてゴミ袋を前記ゴミ投入口から前記ゴミ集積ボックスに設けたゴミを入れた1つのゴミ袋のみを入れることが可能なゴミ受け部に投入させ、ゴミ袋が前記ゴミ受け部に投入されてから前記投入口を閉じるとともにゴミ袋を前記ゴミ受け部から前記ゴミ集積ボックス内に排出させることを特徴とするゴミ収集方法。
【請求項17】
前記IDはゴミ袋に固有のゴミ袋IDおよびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDを有し、
ゴミ袋の配布業者が家庭に配布したゴミ袋の数である配布数をゴミ袋配布業者端末から入力し、
管理装置は、家庭それぞれについて保有するゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、前記ゴミ袋配布業者端末から入力される前記配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、前記ICタグリーダが読み取った前記ユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックスに排出されたゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭に未使用のゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示することを特徴とする請求項14、15または16のいずれかに記載のゴミ収集方法。
【請求項18】
前記ゴミ受け部が受け入れた前記ゴミ袋の重さを秤で量り、前記管理装置は、前記秤が量った重さを受けて家庭それぞれについて、所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の重さを集計し、集計したゴミ袋の重さが目標値より少ない家庭を特定し、前記管理装置が特定した家庭には特典を付与することを特徴とする請求項17に記載のゴミ収集方法。
【請求項19】
前記ゴミ受け部が受け入れた前記ゴミ袋の重さを秤で量り、前記管理装置は、各家庭の構成人数を記憶部に記憶し、前記秤が量った重さを受けて家庭それぞれについて、所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の重さを集計し、集計したゴミ袋の重さを前記構成人数で割った値が目標値より少ない家庭を特定し、前記管理装置が特定した家庭には特典を付与することを特徴とする請求項17に記載のゴミ収集方法。
【請求項20】
前記管理装置は、ゴミ袋の種類ごとに前記家庭保有数を記憶部に格納することを特徴とする請求項13、17〜19のいずれかに記載のゴミ収集方法。
【請求項21】
前記管理装置は、ゴミ袋の種類ごとに所定の期間における前記ゴミ受け部に投入されてから前記ゴミ集積ボックス内に排出されたゴミ袋の数を集計し、これら集計した数を所定の種類のゴミ袋の数に換算した換算集計数を求め、全ての種類についての前記換算集計数の合計が目標値より少ない家庭を特定し、前記管理装置が特定した家庭には特典を付与することを特徴とする請求項13、17〜20のいずれかに記載のゴミ収集方法。
【請求項22】
ICタグが付されたゴミ袋であって、前記ICタグにゴミ袋に固有のゴミ袋IDおよびゴミ袋が配布される家庭に固有のユーザIDが記録されていることを特徴とするゴミ袋。
【請求項23】
ゴミを入れたゴミ袋を集積するためのゴミ集積ボックスであって、
通常は閉じているゴミ投入口と、前記ゴミ投入口に投入されたゴミ袋を受け入れた後に前記ゴミ集積ボックス内に排出するゴミ受け部と、前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミに付されたICタグに記録されたIDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けさせるICタグリーダと、前記ゴミ投入口から前記ゴミ受け部に投入されたゴミ袋を数える計数手段と、前記ICタグリーダが読み込んだ前記IDから判断されるゴミ袋の数と前記計数手段が検出した数とが同じでなければ前記ゴミ投入口を開けたまま前記ゴミ受け部からゴミ袋を外へ取り出すことを促す表示を行う表示部とを含み、
前記ICタグリーダが読み込んだ前記IDから判断されるゴミ袋の数と前記計数手段が検出した数とが同じであれば前記ゴミ投入口を閉じるとともに前記ゴミ受け部からゴミ袋を前記ゴミ集積ボックス内に排出させることを特徴とするゴミ集積ボックス。
【請求項24】
ゴミを入れたゴミ袋を集積するためのゴミ集積ボックスであって、
通常は閉じているゴミ投入口と、1つのゴミ袋のみを収納可能で前記ゴミ投入口に投入されたゴミ袋を受け入れた後に前記ゴミ集積ボックス内に排出するゴミ受け部と、前記投入口に近接する位置に差し出されたゴミに付されたICタグに記録されたIDを読み取りゴミ袋が投入してもよい正しいものであれば前記ゴミ投入口を開けさせるICタグリーダとを含み、
ゴミ袋が前記ゴミ受け部に投入されてから前記投入口を閉じるとともにゴミ袋を前記ゴミ受け部から前記ゴミ集積ボックス内に排出させることを特徴とするゴミ集積ボックス。
【請求項25】
ゴミ袋は大きさの異なる複数種類のものからなり、前記ゴミ受け部は前記ゴミ袋に対応して大きさの異なる複数種類のものからなることを特徴とする請求項24または25のいずれかに記載のゴミ集積ボックス。
【請求項26】
ゴミ袋が配布される家庭それぞれについて保有するゴミ袋の数である家庭保有数を記憶部に格納し、ゴミ袋配布業者端末から入力されるゴミ袋配布業者が家庭に配布したゴミ袋の数である配布数で配布先の家庭の前記家庭保有数を加算し、ゴミ集積ボックスに投入されるゴミ袋に付されたICタグに記録されたユーザIDの示す家庭の前記家庭保有数を前記ゴミ集積ボックスに投入されたゴミ袋の数で減算し、前記家庭保有数が通知枚数になった家庭にゴミ袋を配布するように前記配布業者に指示することを特徴とするゴミ収集用の管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−56704(P2006−56704A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242712(P2004−242712)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】