説明

ゴミ取り装置

【課題】粘着体の清掃作業を効率よく実施することができるゴミ取り装置を提供する。
【解決手段】枚葉紙1に接触して枚葉紙1からゴミを除去するゴム胴203と、ゴム胴203に対接するように回転可能に支持されて表面に粘着性を有する粘着ローラ210とを備えているゴミ取り装置200において、ゴム胴203に対して粘着ローラ210を対接離反方向へ移動させるエアシリンダ213等と、粘着ローラ210を駆動回転させる駆動モータ228等と、粘着ローラ210がゴム胴203から離反しているときに粘着ローラ210の表面に当接する洗浄帯242等と、粘着ローラ210がゴム胴203に対して離反しているときに駆動モータ228の駆動力で粘着ローラ210を駆動回転させる一方、粘着ローラ210がゴム胴203に対して対接しているときにゴム胴203の回転に伴って粘着ローラ210を連れ回させるワンウェイクラッチ231とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート又はウエブからゴミを除去するゴミ取り装置に関し、特に、印刷機の印刷ユニットに給紙される枚葉紙やウエブに付着している紙粉や裏移り防止用のパウダ等のゴミを取り除く場合に適用すると有効である。
【背景技術】
【0002】
印刷機の印刷ユニットに給紙される枚葉紙に付着している紙粉や裏移り防止用のパウダ等のゴミを取り除くゴミ取り装置としては、例えば、下記特許文献1等に記載されているように、印刷機の枚葉紙流通方向最上流側に位置する印刷ユニットのゴム胴のブランケット面に湿し水のみを供給することにより、当該ゴム胴の当該ブランケット面に上記ゴミを付着させて、粘着ローラで粘着性の表面に転移させて除去するようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平07−037871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1等に記載されているゴミ取り装置においては、前記粘着ローラの表面に多くのゴミが転移して当該粘着ローラの表面の粘着性が低下したら、当該粘着ローラを装置の外部へ取り出して、当該粘着ローラの表面を清掃することにより、当該ゴミ取りローラの表面の粘着性を回復させるようにしなければならないため、当該粘着ローラの清掃作業に非常に手間がかかってしまっていた。
【0005】
このような問題は、枚葉紙に印刷を施す枚葉印刷機に限らず、ウエブに印刷を施すウエブ印刷機はもちろんのこと、シート又はウエブに接触してシート又はウエブからゴミを除去する回転体と、この回転体に対接するように回転可能に支持されて表面に粘着性を有する粘着体とを備えているゴミ取り装置であれば、前述した場合と同様にして生じ得ることである。
【0006】
このようなことから、本発明は、粘着体の清掃作業を効率よく実施することができるゴミ取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するための、本発明に係るゴミ取り装置は、シート又はウエブに接触して当該シート又は当該ウエブからゴミを除去する回転体と、前記回転体に対接するように回転可能に支持されて表面に粘着性を有する粘着体とを備えているゴミ取り装置において、前記回転体に対して前記粘着体を対接離反方向へ移動させる粘着体移動手段と、前記粘着体へ接続されて当該粘着体を駆動回転させる粘着体駆動手段と、前記粘着体が前記回転体から離反しているときに当該粘着体の表面に当接して当該粘着体の表面を洗浄する粘着体洗浄手段と、前記粘着体と前記粘着体駆動手段との間に配設されて、当該粘着体が前記回転体に対して離反しているときに前記粘着体駆動手段の駆動力で当該粘着体を駆動回転させる一方、当該粘着体が前記回転体に対して対接しているときに当該回転体の回転に伴って当該粘着体を連れ回させる動力切換手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るゴミ取り装置は、上述したゴミ取り装置において、前記動力切換手段が、ワンウエイクラッチであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るゴミ取り装置においては、粘着体駆動手段で粘着体を駆動回転させると共に、粘着体移動手段で粘着体を回転体に対接させるように移動させると、動力切換手段が、粘着体を回転体の回転に伴って連れ回させるようにするので、粘着体を回転体と同速度で常に回転させて、粘着体による回転体からのゴミの効果的な転移回収を確実にすることができ、また、粘着体移動手段で粘着体を回転体から離反させるように移動させると共に、粘着体洗浄手段を粘着体の表面に当接させると、動力切換手段が、粘着体を粘着体駆動手段の駆動力で駆動回転させるので、粘着体の表面を粘着体洗浄手段でまんべんなく洗浄して、粘着体の清掃作業を効率よく実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るゴミ取り装置を適用した枚葉印刷機の主な実施形態の全体概略構成図である。
【図2】図1のゴミ取り装置の要部の抽出拡大図である。
【図3】図2の要部の展開断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るゴミ取り装置の実施形態を図面に基づいて以下に説明するが、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0012】
[主な実施形態]
本発明に係るゴミ取り装置を枚葉印刷機に適用した場合の主な実施形態を図1〜3に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、給紙装置100には、給紙台101上に積載されたシートである枚葉紙1を一枚ずつ送り出すフィーダボード102の基端側が連絡している。このフィーダボード102の先端側には、フィーダボード102上の枚葉紙1を渡胴201に一枚ずつ受け渡すスイング装置103が配設されている。
【0014】
前記渡胴201には、ゴミ取り装置200の圧胴202が対接している。この圧胴202には、回転体であるゴム胴203が対接している。前記圧胴202の前記ゴム胴203との対接位置よりも当該圧胴202の回転方向下流側には、渡胴301が対接している。この渡胴301には、第一印刷ユニット300の圧胴302が対接している。この圧胴302には、ゴム胴303が対接している。このゴム胴303には、版胴304が対接している。この版胴304の近傍には、当該版胴304へ第一のインキを供給する第一のインキ供給装置(図示省略)及び当該版胴304へ湿し水を供給する給水装置(図示省略)がそれぞれ配設されている。
【0015】
前記圧胴302の前記ゴム胴303との対接位置よりも当該圧胴302の回転方向下流側には、渡胴401が対接している。この渡胴401には、第二印刷ユニット400の圧胴402が対接している。この圧胴402には、ゴム胴403が対接している。このゴム胴403には、版胴404が対接している。この版胴404の近傍には、当該版胴404へ第二のインキを供給する第二のインキ供給装置(図示省略)及び当該版胴404へ湿し水を供給する給水装置(図示省略)がそれぞれ配設されている。
【0016】
前記圧胴402の前記ゴム胴403との対接位置よりも当該圧胴402の回転方向下流側には、渡胴501が対接している。この渡胴501には、第三印刷ユニット500の圧胴502が対接している。この圧胴502には、ゴム胴503が対接している。このゴム胴503には、版胴504が対接している。この版胴504の近傍には、当該版胴504へ第三のインキを供給する第三のインキ供給装置(図示省略)及び当該版胴504へ湿し水を供給する給水装置(図示省略)がそれぞれ配設されている。
【0017】
前記圧胴502の前記ゴム胴503との対接位置よりも当該圧胴502の回転方向下流側には、渡胴601が対接している。この渡胴601には、第四印刷ユニット600の圧胴602が対接している。この圧胴602には、ゴム胴603が対接している。このゴム胴603には、版胴604が対接している。この版胴604の近傍には、当該版胴604へ第四のインキを供給する第四のインキ供給装置(図示省略)及び当該版胴604へ湿し水を供給する給水装置(図示省略)がそれぞれ配設されている。
【0018】
前記圧胴602の前記ゴム胴603との対接位置よりも当該圧胴602の回転方向下流側には、排紙装置700の排紙胴701が対接している。この排紙胴701には、スプロケット(図示省略)が同軸上に設けられている。このスプロケットには、くわえ爪を有するくわえ竿(図示省略)を所定の間隔で複数取り付けられたエンドレス型の排紙チェーン704が掛けられている。この排紙チェーン704は、スプロケット703に掛け渡されている。上記排紙チェーン704の下方には、排紙台705が複数配設されている。
【0019】
そして、図2に示すように、前記ゴミ取り装置200の前記ゴム胴203には、外周面に粘着性を有する粘着体である粘着ローラ210が対接している。図2,3に示すように、前記粘着ローラ210は、軸受211を介して偏心軸受212に回転可能に支持されている。前記偏心軸受212は、印刷機のフレーム10に対して回動可能に支持されている。前記偏心軸受212には、アーム212aが突設されている。前記偏心軸受212の前記アーム212aの先端側には、エアシリンダ213の先端側がピン213aを介して連結されている。前記エアシリンダ213の基端側は、前記フレーム10に対して回動可能に支持されている。
【0020】
つまり、前記エアシリンダ213を伸縮させて、前記アーム212aを介して前記偏心軸受212を回動させることにより、前記粘着ローラ210の外周面を前記ゴム胴203の外周面に対して対接離反方向へ移動させることができるようになっている。
【0021】
前記偏心軸受212の前記アーム212aの近傍には、前記フレーム10に対して回動可能に支持された回動軸214が配設されている。この回動軸214には、円板型をなすカム215が偏心して取り付けられている。前記偏心軸受212の前記アーム212aの長手方向中程には、前記カム215のカム面(外周面)に当接するカムフォロア216が回転可能に支持されている。
【0022】
前記フレーム10の前記回動軸214の近傍には、径方向へ貫通する貫通穴217aを先端側に形成された支持ピン217の基端側が当該先端側を突出させるようにして回動可能に取り付けられている。前記支持ピン217の前記貫通穴217aには、内側にねじ穴218aを形成された円筒状のねじ筒218が周方向に回動可能となるように差し込まれている。
【0023】
前記ねじ筒218の基端側には、当該ねじ筒218を周方向に回動させるグリッパ219が取り付けられている。前記ねじ筒218の先端側には、前記支持ピン217の前記貫通穴217aに対する当該ねじ筒218の軸方向への移動を規制する抜け止め218bが取り付けられている。前記ねじ軸218の前記ねじ穴218aには、基端側にねじ部を形成されたねじ軸220の当該基端側が螺合している。前記ねじ軸220の先端部には、連結ブロック221が取り付けられている。
【0024】
前記回動軸214には、アーム222の一端側が連結されている。前記アーム222の他端側には、前記連結ブロック221が前記回動軸214や前記支持ピン217と同じ軸回りで回動できるようにピン223を介して連結されている。
【0025】
つまり、前記エアシリンダ213の作動によって前記ゴム胴203の外周面に前記粘着ローラ210を対接させているときに、前記グリッパ219を把持して前記ねじ筒218を回動させると、当該ねじ筒218の前記ねじ穴218aに沿って前記ねじ軸220が軸方向に移動して、前記連結ブロック221及び前記ピン223を介して前記アーム222の他端側が揺動することにより、前記回動軸214が回動して前記カム215が回動し、当該カム215の回動に伴って、前記カムフォロア216が移動して、前記アーム212aを介して前記偏心軸受212を回動させて、前記ゴム胴203に対する前記粘着ローラ210の押圧力等を調整することができるようになっている。
【0026】
前記粘着ローラ210の外周面の近傍には、当該粘着ローラ210の外周面と対向するようにしてパッド241が配設されており、当該パッド241は、当該粘着ローラ210の外周面に対して当接離反方向へ移動できるようになっている。このパッド241の近傍には、洗浄液を含浸された洗浄帯242を巻き付けられた繰り出しローラ243と、この繰り出しローラ243から繰り出される前記洗浄帯242を回収する巻き取りローラ244とが配設されており、上記洗浄帯242は、上記パッド241の前記粘着ローラ210との対向面側を通過するようになっている。
【0027】
図3に示すように、前記フレーム10の前記偏心軸受212の近傍には、支持フレーム224が立設されている。前記支持フレーム224には、前記粘着ローラ210の軸心方向に沿って軸方向を向けた回転軸225の一端側が軸受224aを介して回転可能に支持されている。前記回転軸225の他端側は、前記フレーム10に固定された支持台226に軸受226aを介して回転可能に支持されている。
【0028】
前記フレーム10の前記支持台226の近傍には、支持フレーム227が立設されている。前記支持フレーム227には、当該フレーム10側へ駆動軸228aを向けるように配向された駆動モータ228が支持されている。前記駆動モータ228の前記駆動軸228aには、歯車229が同軸をなして取り付けられている。この歯車229には、前記回転軸225の他端寄りに同軸をなして取り付けられた歯車230が噛み合っている。
【0029】
前記回転軸225の軸方向中程には、円筒型のワンウェイクラッチ231の内周面側が同軸をなして嵌合している。前記ワンウェイクラッチ231の外周面には、歯車232が同軸をなして取り付けられている。この歯車には、前記粘着ローラ210の軸端に同軸をなして取り付けられた歯車233が噛み合っている。
【0030】
つまり、本機駆動手段である本機モータの作動によって前記ゴム胴203が回転すると共に前記駆動モータ228が作動しているときに、前記エアシリンダ213を作動させて前記ゴム胴203の外周面から前記粘着ローラ210を離反させると、前記駆動モータ228の前記駆動軸228aの回転力(駆動力)が前記歯車229,230及び前記回転軸225から前記ワンウェイクラッチ231を介して前記歯車232,233に伝達して、前記粘着ローラ210が回転(低速)する一方、前記エアシリンダ213を作動させて前記ゴム胴203の外周面に前記粘着ローラ210を対接させると、当該ゴム胴203の回転力(高速)が上記駆動モータ228の上記駆動軸228aの回転力(駆動力)よりも大きい、言い換えれば、当該ゴム胴203の周速が前記粘着ローラ210の周速よりも速いことから、上記ワンウェイクラッチ231の外周側が内周側に対して空回りして、上記ゴム胴203の回転に伴って上記粘着ローラ210が連れ回る(高速)ようになっているのである。
【0031】
なお、本実施形態においては、前記軸受211、前記偏心軸受212、前記エアシリンダ213等により、粘着体移動手段を構成し、前記回動軸214、前記カム215、前記カムフォロア216、前記支持ピン217、前記ねじ筒218、前記グリッパ219、前記ねじ軸220、前記連結ブロック221、前記アーム222、前記ピン223等により、粘着体位置調整手段を構成し、前記回転軸225、前記駆動モータ228、前記歯車229,230,232,233等により、粘着体駆動手段を構成し、前記ワンウェイクラッチ231等により、動力切換手段を構成し、前記パッド241、前記洗浄帯242、前記繰り出しローラ243、前記巻き取りローラ244等により、粘着体洗浄手段を構成している。
【0032】
次に、上述したようなゴミ取り装置200を備えた本実施形態に係る枚葉印刷機の作動を説明する。
【0033】
前記本機モータ及び前記駆動モータ228を作動させると共に、前記ゴミ取り装置200の前記粘着ローラ210を前記ゴム胴203に対接させるように前記エアシリンダ213を収縮させてから、前記給紙装置100の給紙台101上の枚葉紙1をフィーダボード102上に一枚ずつ給紙してスイング装置103で前記渡胴201に一枚ずつ受け渡すと、当該枚葉紙1は、当該渡胴201から前記ゴミ取り装置200の前記圧胴202に受け渡され、当該圧胴202と前記ゴム胴203との対接位置を通過することにより、紙粉や裏移り防止用のパウダ等のゴミが前記ゴム胴203に付着して取り除かれた後、渡胴301を介して第一印刷ユニット300の圧胴302に受け渡され、版胴304に供給された第一のインキがゴム胴303を介して転写されて印刷される。
【0034】
続いて、上記枚葉紙1は、渡胴401を介して第二印刷ユニット400の圧胴402に受け渡され、版胴404に供給された第二のインキがゴム胴403を介して転写されて印刷され、渡胴501を介して第三印刷ユニット500の圧胴502に受け渡され、版胴504に供給された第三のインキがゴム胴503を介して転写されて印刷され、渡胴601を介して第四印刷ユニット600の圧胴602に受け渡され、版胴604に供給された第四のインキがゴム胴603を介して転写されて印刷された後、排紙装置700の排紙胴701に受け渡され、排紙チェーンの前記くわえ竿にくわえ替えされて搬送され、排紙台705上に排紙される。
【0035】
他方、上記枚葉紙1から前記ゴミを除去した前記ゴミ取り装置200は、先に説明したように、前記本機モータの作動による前記ゴム胴203の回転に伴って前記粘着ローラ210が連れ回る(高速)ことにより、当該ゴム胴203に付着した前記ゴミが当該粘着ローラ210の外周面に転移する。これにより、上記ゴム胴203は、再生されて新たに送給される枚葉紙1に付着している前記ゴミを再び付着させて取り除くようになる。
【0036】
このように枚葉紙1に付着している前記ゴミを取り除きながら印刷を行って、前記粘着ローラ210による前記ゴム胴203からの前記ゴミの転移回収能力が低下したら、前記粘着ローラ210を上記ゴム胴203から離反させるように前記エアシリンダ213を伸長する。
【0037】
これにより、先に説明したように、前記駆動モータ228の前記駆動軸228aの回転力(駆動力)が前記歯車229,230及び前記回転軸225から前記ワンウェイクラッチ231を介して前記歯車232,233に伝達して、上記粘着ローラ210を回転(低速)させるようになる。
【0038】
そして、上記粘着ローラ210に前記パッド241上の前記洗浄帯242を当接させるように当該パッド241等を移動させることにより、当該粘着ローラ210に転移回収した前記ゴミを上記洗浄帯242で所定時間洗浄除去して、当該粘着ローラ210の粘着性能を回復させた後、当該パッド241上の上記洗浄帯242を当該粘着ローラ210から離反させるように当該パッド241等を移動させると共に、当該粘着ローラ210を前記ゴム胴203に再び対接させるように前記エアシリンダ213を短縮する。
【0039】
これにより、前記粘着ローラ210は、当初の状態に復帰し、先に説明したように、前記本機モータによる前記ゴム胴203の回転に伴って連れ回る(高速)ようになり、枚葉紙1から当該ゴム胴203に付着除去された前記ゴミを外周面に再び転移回収して当該ゴム胴203を再生することができる。
【0040】
つまり、前記粘着ローラ210は、前記ワンウエイクラッチ331を介して前記駆動モータ228へ接続されることにより、前記ゴム胴203から離反しているときには、前記駆動モータ228の駆動力によって回転(低速)する一方、前記ゴム胴203に対接すると、前記本機モータの作動による当該ゴム胴203の回転力によって当該ゴム胴203の回転に伴って連れ回る(高速)ことができるのである。
【0041】
このため、前記粘着ローラ210は、転移回収した前記ゴミを前記洗浄帯241で洗浄されるときには、洗浄に適切な速度(低速)で回転駆動され、前記ゴム胴203に付着除去している前記ゴミを転移回収するときには、当該ゴム胴203からの転移回収に適切な速度(高速)、すなわち、当該ゴム胴203と常に同速度で回転することが外径サイズに左右されずにできる。
【0042】
したがって、本実施形態によれば、前記粘着ローラ210による前記ゴム胴203からの前記ゴミの効果的な転移回収を確実にしつつ、前記粘着ローラ210の清掃作業を効率よく実施することができる。
【0043】
また、高速度で回転する前記ゴム胴203に前記粘着ローラ210が対接するときに、前記駆動モータ228が前記ワンウエイクラッチ331を介して当該粘着ローラ210を回転させているので、当該粘着ローラ210と当該ゴム胴203との当接に際して双方に加わる負荷(衝撃)を低減することができ、当該粘着ローラ210及び当該ゴム胴203の劣化を抑制することができる。
【0044】
[他の実施形態]
なお、前述した実施形態においては、粘着体として粘着ローラ210を適用した場合について説明したが、他の実施形態として、例えば、回転可能に支持されて表面に粘着性を有する粘着胴を適用することも可能である。
【0045】
また、前述した実施形態においては、枚葉紙1に印刷を施す枚葉印刷機に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、ウエブに印刷を施すウエブ印刷機に適用することができるのはもちろんのこと、シート又はウエブに接触してシート又はウエブからゴミを除去する回転体と、この回転体に対接するように回転可能に支持されて表面に粘着性を有する粘着体とを備えているゴミ取り装置であれば、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るゴミ取り装置は、粘着体の清掃作業を効率よく実施することができるので、印刷産業等を始めとする各種産業において極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 枚葉紙
10 フレーム
100 給紙装置
101 給紙台
102 フィーダボード
103 スイング装置
200 ゴミ取り装置
201 渡胴
202 圧胴
203 ゴム胴
210 粘着ローラ
211 軸受
212 偏心軸受
212a アーム
213 エアシリンダ
213a ピン
214 回動軸
215 カム
216 カムフォロア
217 支持ピン
217a 貫通穴
218 ねじ筒
218a ねじ穴
218b 抜け止め
219 グリッパ
220 ねじ軸
221 連結ブロック
222 アーム
223 ピン
224 支持フレーム
225 回転軸
226 支持台
227 支持フレーム
228 駆動モータ
228a 駆動軸
229,230 歯車
231 ワンウェイクラッチ
232,233 歯車
241 パッド
242 洗浄帯
243 繰り出しローラ
244 巻き取りローラ
300 第一印刷ユニット
301 渡胴
302 圧胴
303 ゴム胴
304 版胴
400 第二印刷ユニット
401 渡胴
402 圧胴
403 ゴム胴
404 版胴
500 第三印刷ユニット
501 渡胴
502 圧胴
503 ゴム胴
504 版胴
600 第四印刷ユニット
601 渡胴
602 圧胴
603 ゴム胴
604 版胴
700 排紙装置
701 排紙胴
703 スプロケット
704 排紙チェーン
705 排紙台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート又はウエブに接触して当該シート又は当該ウエブからゴミを除去する回転体と、
前記回転体に対接するように回転可能に支持されて表面に粘着性を有する粘着体と
を備えているゴミ取り装置において、
前記回転体に対して前記粘着体を対接離反方向へ移動させる粘着体移動手段と、
前記粘着体へ接続されて当該粘着体を駆動回転させる粘着体駆動手段と、
前記粘着体が前記回転体から離反しているときに当該粘着体の表面に当接して当該粘着体の表面を洗浄する粘着体洗浄手段と、
前記粘着体と前記粘着体駆動手段との間に配設されて、当該粘着体が前記回転体に対して離反しているときに前記粘着体駆動手段の駆動力で当該粘着体を駆動回転させる一方、当該粘着体が前記回転体に対して対接しているときに当該回転体の回転に伴って当該粘着体を連れ回させる動力切換手段と
を備えていることを特徴とするゴミ取り装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゴミ取り装置において、
前記動力切換手段が、ワンウエイクラッチである
ことを特徴とするゴミ取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−17977(P2013−17977A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155376(P2011−155376)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000184735)株式会社小森コーポレーション (403)
【Fターム(参考)】