説明

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

【課題】タイヤのトレッド部の少なくとも接地部分に用いることで、高温での貯蔵弾性率(G')を保持しつつ、破壊強度が付与されると共に、タイヤの氷上でのグリップ性能(氷上性能)を向上させることが可能なゴム組成物を提供する。
【解決手段】ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が150,000以上の天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなるゴム成分(A)100質量部に対して、芳香族ビニル化合物の結合量が5質量%未満であって、ゲル浸透クロマトグラフィーで変性停止なしの状態を測定したポリスチレン換算重量平均分子量が50,000以上で且つ150,000未満の低分子量共役ジエン系重合体(B)を1〜60質量部配合してなるゴム組成物であって、該ゴム組成物のゴムマトリクス中に気泡を含有させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いた空気入りタイヤに関し、特にスタッドレスタイヤに用いることで、高温での貯蔵弾性率(G')を保持しつつ、破壊強度が付与されると共に、タイヤの氷上性能を向上させることが可能なゴム組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスタッドレスタイヤは、氷雪上性能を向上させるためにガラス転移点(Tg)を下げ、低温(ここで、低温とは、氷雪上走行時の温度であり、-20〜0℃程度である)での弾性率を低く設定したものが多い。しかしながら、一般に低温での弾性率を下げると高温(ここで、高温とは、通常走行時のハンドリングに影響を及ぼす温度である)での弾性率も低下する傾向があるため、従来のスタッドレスタイヤは、高温領域で十分なグリップ性能が維持できない問題があった。加えて、通常走行時での湿潤路面上においては、十分な摩擦係数が得られず、従来のスタッドレスタイヤは、通常走行時での湿潤路面におけるグリップ性能(ウェット性能)を改良することが困難であった。
【0003】
これに対して、これまで、トレッドゴム自体の摩擦力を向上させる種々の技術が開発されてきた。かかる技術として、例えば、ゴム成分に発泡剤を配合したゴム組成物をトレッドゴムに用い、適当な方法で発泡させ、ゴム成分からなるマトリクス中に気泡を生成させる手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、該手法により得られるトレッドゴムの表面は、氷雪路面に対する除水効果及びエッジ効果が発現し、摩擦力が向上できる一方で、該表面が多数の気孔で覆われているため、タイヤの破壊強度が低下してしまう問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開平9−194640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、タイヤのトレッド部の少なくとも接地部分に用いることで、高温での貯蔵弾性率(G')を保持しつつ、破壊強度が付与されると共に、タイヤの氷上でのグリップ性能(氷上性能)を向上させることが可能なゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、該ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いた、高温での貯蔵弾性率(G')、破壊強度及び氷上性能に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の重量平均分子量を有するゴム成分(A)に対して、従来の軟化剤に代えて特定の重量平均分子量及び芳香族ビニル化合物の結合量を有する低分子量共役ジエン系重合体(B)を配合し、更に、ゴムマトリクス中に気泡を含有させることで、得られたゴム組成物の破壊強度を高め、かつ、高温での貯蔵弾性率(G')を向上させると共に、低温での貯蔵弾性率(G')を低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明のゴム組成物は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が150,000以上の天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなるゴム成分(A)100質量部に対して、芳香族ビニル化合物の結合量が5質量%未満であって、ゲル浸透クロマトグラフィーで変性停止なしの状態を測定したポリスチレン換算重量平均分子量が50,000以上で且つ150,000未満の低分子量共役ジエン系重合体(B)を1〜60質量部配合してなるゴム組成物であって、該ゴム組成物がゴムマトリクス中に気泡を含有していることを特徴とする。
【0008】
なお、「変性停止なしの状態を測定」とは、重合反応終了後に変性剤を添加して変性反応、又は分子量ジャンプなどが発生する高分子量体同士をカップリング反応をすることなく、アルコール等の停止剤により活性末端を失活させる事により重合体を得、該重合体を測定することを意味する。このことは、開始剤に窒素等を含む官能基が含まれる場合も同様である。
【0009】
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記低分子量共役ジエン系重合体(B)が、分子中に少なくとも1つの官能基を有する。ここで、前記低分子量共役ジエン系重合体(B)の官能基は、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基及び窒素含有官能基からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。かかる場合、前記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、重合活性部位をスズ含有化合物、ケイ素含有化合物又は窒素含有化合物で変性されたものであることが更に好ましい。
【0010】
本発明のゴム組成物において、前記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、ゲル浸透クロマトグラフィーで変性停止なしの状態を測定したポリスチレン換算重量平均分子量が50,000〜120,000であるのが好ましい。
【0011】
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記低分子量共役ジエン系重合体(B)が、ブタジエン単独重合体又は芳香族ビニル化合物−ブタジエン共重合体である。ここで、前記低分子量共役ジエン系重合体(B)の芳香族ビニル化合物部分としては、スチレンが好ましい。
【0012】
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分(A)に対して、前記低分子量共役ジエン系重合体(B)と共に発泡剤(C)を配合してなる。ここで、本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、前記発泡剤(C)を1〜20質量部配合した後、加硫・発泡させることが好ましい。
【0013】
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、更に充填剤(D)を20〜100質量部配合してなる。ここで、前記充填剤(D)としては、カーボンブラック及び/又はシリカが好ましい。
【0014】
本発明のゴム組成物の好適例においては、加硫後にクロロホルムで48時間抽出したクロロホルム抽出量が、前記低分子量重合体(B)の配合した全質量に対し60質量%以下である。
【0015】
また、本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いたことを特徴とする。ここで、該空気入りタイヤとしては、スタッドレスタイヤが好ましく、乗用車用スタッドレスタイヤが特に好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特定の重量平均分子量を有するゴム成分(A)に対して、特定の重量平均分子量及び芳香族ビニル化合物の結合量を有する低分子量共役ジエン系重合体(B)を配合してなり、ゴムマトリクス中に気泡を含有し、タイヤのトレッド部の少なくとも接地部分に用いることで、高温での貯蔵弾性率(G')を保持しつつ、破壊強度が付与されると共に、タイヤの氷上でのグリップ性能(氷上性能)を向上させることが可能なゴム組成物を提供することができる。また、かかるゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に適用した、高温での貯蔵弾性率(G')、破壊強度及び氷上性能に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が150,000以上の天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなるゴム成分(A)100質量部に対して、芳香族ビニル化合物の結合量が5質量%未満であって、ゲル浸透クロマトグラフィーで変性停止なしの状態を測定したポリスチレン換算重量平均分子量が50,000以上で且つ150,000未満の低分子量共役ジエン系重合体(B)を1〜60質量部配合してなるゴム組成物であって、該ゴム組成物がゴムマトリクス中に気泡を含有していることを特徴とする。
【0018】
本発明のゴム組成物は、ゴムマトリクス中に気泡を含有するため、氷雪路面に対する除水効果及びエッジ効果により、氷上性能及びウェット性能が高い。加えて、本発明のゴム組成物においては、アロマオイル等の軟化剤に代えて、ゲル浸透クロマトグラフィーで変性停止なしの状態を測定したポリスチレン換算重量平均分子量が50,000以上で且つ150,000未満の低分子量共役ジエン系重合体(B)を用いており、該低分子量共役ジエン系重合体(B)が一般的な軟化剤と異なり一定の分子量を有するため、高温での貯蔵弾性率(G')及び破壊強力を向上させることができる。一方、上記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、分子内に炭素−炭素二重結合を有するので、カーボンブラック等の充填剤と親和性が高く、充填剤の分散性が改良されている。このため、本発明のゴム組成物は、低温での貯蔵弾性率(G')の上昇が抑制され、氷上性能を高度に維持できる。なお、本発明のゴム組成物は、高温でのtanδが低いため、該ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いたタイヤは、転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れる。
【0019】
本発明のゴム組成物のゴム成分(A)は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が150,000以上であることを要し、200,000〜2,000,000であることが好ましい。上記ゴム成分(A)の重量平均分子量を上記範囲にすれば、低分子量共役ジエン系重合体(B)を配合する際にゴム組成物のムーニー粘度の低下や、破壊特性及び耐摩耗性の低下を抑制しつつ、優れた加工性を得ることができる。
【0020】
本発明のゴム組成物のゴム成分(A)は、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなり、該ゴム成分(A)としては、未変性のゴム及び変性ゴムのいずれを用いてもよい。ここで、合成ジエン系ゴムとしては、乳化重合又は溶液重合で合成されたものが好ましい。また、上記合成ジエン系ゴムとして、具体的には、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、イソブチレンイソプレンゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。上記ゴム成分(A)としては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、イソブチレンイソプレンゴムが好ましい。なお、上記ゴム成分(A)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
【0021】
本発明のゴム組成物は、芳香族ビニル化合物の結合量が5質量%未満であって、ゲル浸透クロマトグラフィーで変性停止なしの状態を測定したポリスチレン換算重量平均分子量が50,000以上で且つ150,000未満の低分子量共役ジエン系重合体(B)を上記ゴム成分(A)100質量部に対して1〜60質量部含有する。上記低分子量共役ジエン系重合体(B)の含有量が1質量部未満では、タイヤの氷上性能及びウェット性能を十分に改良することができず、一方、60質量部を超えると、加硫ゴムの破壊特性及び耐摩耗性が低下してしまう。
【0022】
上記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、ゲル浸透クロマトグラフィーで変性停止なしの状態を測定したポリスチレン換算重量平均分子量が50,000以上で且つ150,000未満であることを要し、50,000〜120,000であることが好ましい。ポリスチレン換算重量平均分子量が上記特定範囲内である低分子量共役ジエン系重合体(B)を配合したゴム組成物をタイヤのトレッド部の少なくとも接地部分に用いた場合、高温での貯蔵弾性率(G')及び破壊強力を向上させることができる。ここで、上記ポリスチレン換算重量平均分子量が50,000未満では、ゴム組成物の高温での貯蔵弾性率(G')が低下すると共に、tanδが上昇する傾向があり、一方、150,000以上では、ゴム組成物の作業性が低下する。
【0023】
上記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、共役ジエン化合物の単独重合体、又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体が好ましい。ここで、単量体としての共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中でも、1,3-ブタジエンが好ましい。上記低分子量共役ジエン系重合体(B)がブタジエン単独重合体である場合には、ガラス転移温度(Tg)が低いため、低温での柔軟性に優れ、氷上性能が高い。一方、単量体としての芳香族ビニル化合物としては、スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらの中でも、スチレンが好ましい。従って、上記低分子量共役ジエン系重合体(B)が芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体である場合、低分子量共役ジエン系重合体(B)としては、スチレン−ブタジエン共重合体が特に好ましい。なお、これら単量体は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
上記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、芳香族ビニル化合物の結合量が5質量%未満であることを要する。芳香族ビニル化合物の結合量が5質量%未満であれば、低温での貯蔵弾性率(G')を低く保つことができ、さらに、低ガラス転移温度(Tg)のポリマーは耐摩耗性を向上させることができる。
【0025】
また、上記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が0〜80質量%であることが好ましい。共役ジエン化合物部分のビニル結合量が80質量%を超えると、低温での貯蔵弾性率(G')が大幅に上昇し、氷上性能を悪化してしまう。
【0026】
更に、上記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、分子中に少なくとも一種の官能基を有するのが好ましく、ここで、該官能基としては、カーボンブラック等の充填剤と親和性を有する官能基が好ましく、スズを含む官能基、ケイ素を含む官能基及び窒素を含む官能基が更に好ましい。低分子量共役ジエン系重合体(B)が分子中に少なくとも一種の官能基を有する場合、官能基を有しない低分子量共役ジエン系重合体(B)に比べて、充填剤に対する親和性が高くなる。このため、充填剤の分散性が更に向上して、氷上性能を大幅に向上できる上、高温でのtanδが低下し、ゴム組成物自体の発熱を抑制できる。また、低分子量共役ジエン系重合体(B)が分子中に少なくとも一種の官能基を有する場合、上記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、スズ含有化合物、ケイ素含有化合物又は窒素含有化合物等の変性剤で変性され、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基又は窒素含有官能基等を導入したものが好ましい。
【0027】
上記低分子量共役ジエン系重合体(B)は、特に制限されず、例えば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、単量体である共役ジエン化合物を単独で、又は単量体である芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との混合物を重合して得ることができるが、該低分子量共役ジエン系重合体(B)の分子中に少なくとも一種の官能基を導入する場合においては、(1)単量体を重合開始剤を用いて(共)重合させ、重合活性部位を有する(共)重合体を生成させた後、該重合活性部位を各種変性剤で変性する方法や、(2)単量体を官能基を有する重合開始剤を用いて(共)重合させる方法で得ることができる。
【0028】
上記重合体(B)の合成に用いる重合開始剤としては、有機リチウム化合物が好ましく、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が更に好ましい。なお、重合開始剤として有機リチウム化合物を用いた場合、共役ジエン系重合体は、アニオン重合で製造される。重合開始剤としてヒドロカルビルリチウムを用いる場合、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、他方の末端が重合活性部位である共重合体が得られる。一方、重合開始剤としてリチウムアミド化合物を用いる場合、重合開始末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端が重合活性部位である(共)重合体が得られ、該(共)重合体は、変性剤で変性することなく、本発明における少なくとも一つの官能基を有する低分子量共役ジエン系重合体(B)として用いることができる。なお、重合開始剤の使用量は、単量体100g当り0.2〜20mmolの範囲が好ましい。
【0029】
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム、フェニルリチウム、2-ナフチルリチウム、2-ブチル-フェニルリチウム、4-フェニル-ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられ、これらの中でも、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム等のアルキルリチウムが好ましく、n-ブチルリチウムが特に好ましい。
【0030】
一方、上記リチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチムジ-2-エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム-N-メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられ、これらの中でも、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状のリチウムアミド化合物が好ましく、リチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが特に好ましい。
【0031】
上記リチウムアミド化合物として、式:Li−AM[式中、AMは、下記式(I):
【化1】

(式中、R1は、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基である)で表される置換アミノ基、又は下記式(II):
【化2】

(式中、R2は、3〜16のメチレン基を有するアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN-アルキルアミノ-アルキレン基を示す)で表される環状アミノ基である]で表されるリチウムアミド化合物を用いることで、式(I)で表される置換アミノ基及び式(II)で表される環状アミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の窒素含有官能基が導入された低分子量共役ジエン系重合体(B)が得られる。
【0032】
式(I)において、R1は、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、3-フェニル-1-プロピル基及びイソブチル基等が好適に挙げられる。なお、R1は、それぞれ同じでも異なってもよい。
【0033】
式(II)において、R2は、3〜16個のメチレン基を有するアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN-アルキルアミノ-アルキレン基である。ここで、置換アルキレン基には、一置換から八置換のアルキレン基が含まれ、置換基としては、炭素数1〜12の鎖状若しくは分枝状アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。また、R2として、具体的には、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オキシジエチレン基、N-アルキルアザジエチレン基、ドデカメチレン基及びヘキサデカメチレン基等が好ましい。
【0034】
上記リチウムアミド化合物は、二級アミンとリチウム化合物から予備調製して重合反応に用いてもよいが、重合系中で生成させてもよい。ここで、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン等の他、アザシクロヘプタン(即ち、ヘキサメチレンイミン)、2-(2-エチルヘキシル)ピロリジン、3-(2-プロピル)ピロリジン、3,5-ビス(2-エチルヘキシル)ピペリジン、4-フェニルピペリジン、7-デシル-1-アザシクロトリデカン、3,3-ジメチル-1-アザシクロテトラデカン、4-ドデシル-1-アザシクロオクタン、4-(2-フェニルブチル)-1-アザシクロオクタン、3-エチル-5-シクロヘキシル-1-アザシクロヘプタン、4-ヘキシル-1-アザシクロヘプタン、9-イソアミル-1-アザシクロヘプタデカン、2-メチル-1-アザシクロヘプタデセ-9-エン、3-イソブチル-1-アザシクロドデカン、2-メチル-7-t-ブチル-1-アザシクロドデカン、5-ノニル-1-アザシクロドデカン、8-(4'-メチルフェニル)-5-ペンチル-3-アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン、1-ブチル-6-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、8-エチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1-プロピル-3-アザビシクロ[3.2.2]ノナン、3-(t-ブチル)-7-アザビシクロ[4.3.0]ノナン、1,5,5-トリメチル-3-アザビシクロ[4.4.0]デカン等の環状アミンが挙げられる。一方、リチウム化合物としては、上記ヒドロカルビルリチウムを用いることができる。
【0035】
上記重合開始剤を用いて、低分子量共役ジエン系重合体(B)を製造する方法としては、上述のとおり、特に制限はなく、例えば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、単量体を重合させることで該重合体(B)を製造することができる。ここで、重合反応に不活性な炭化水素溶媒としては、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1-ブテン、イソブテン、トランス-2-ブテン、シス-2-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
上記重合反応は、ランダマイザーの存在下で実施してもよい。該ランダマイザーは、重合体の共役ジエン化合物部分のミクロ構造を制御することができ、より具体的には、重合体の共役ジエン化合物部分のビニル結合量を制御したり、重合体中の共役ジエン化合物単位と芳香族ビニル化合物単位とをランダム化する等の作用を有する。上記ランダマイザーとしては、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、1,2-ジピペリジノエタン、カリウム-t-アミレート、カリウム-t-ブトキシド、ナトリウム-t-アミレート等が挙げられる。これらランダマイザーの使用量は、重合開始剤1モル当り0.01〜100モル当量の範囲が好ましい。
【0037】
上記アニオン重合は、溶液重合で実施することが好ましく、重合反応溶液中の上記単量体の濃度は、5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲が更に好ましい。なお、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を併用する場合、単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含有率は、80質量%以下が好ましく、目的とする共重合体の芳香族ビニル化合物量に応じて適宜選択することができる。また、重合形式は特に限定されず、回分式でも連続式でもよい。
【0038】
上記アニオン重合の重合温度は、0〜150℃の範囲が好ましく、20〜130℃の範囲が更に好ましい。また、該重合は、発生圧力下で実施できるが、通常は、使用する単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力下で行うことが好ましい。ここで、重合反応を発生圧力より高い圧力下で実施する場合、反応系を不活性ガスで加圧することが好ましい。また、重合に使用する単量体、重合開始剤、溶媒等の原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を予め除去したものを用いることが好ましい。
【0039】
更に、上記重合活性部位を有する(共)重合体の重合活性部位を変性剤で変性するにあたって、使用する変性剤としては、窒素含有化合物、ケイ素含有化合物及びスズ含有化合物が好ましい。この場合、変性反応により、窒素含有官能基、ケイ素含有官能基又はスズ含有官能基を導入することができる。
【0040】
上記変性剤として用いることができる窒素含有化合物は、置換若しくは非置換のアミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ニトリル基又はピリジル基を有することが好ましい。該変性剤として好適な窒素含有化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDI、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物,4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4-ジメチルアミノベンジリデンアニリン、4-ジメチルアミノベンジリデンブチルアミン、ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
【0041】
また、上記変性剤として用いることができるケイ素含有化合物としては、下記式(III):
【化3】

[式中、Aは(チオ)エポキシ、(チオ)インシアネート、(チオ)ケトン、(チオ)アルデヒド、イミン、アミド、イソシアヌル酸トリエステル、(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、炭酸ジヒドロカルビルエステル、環状三級アミン、非環状三級アミン、ニトリル、ピリジン、スルフィド及びマルチスルフィドの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R3は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;nは0〜2の整数であり;OR5が複数ある場合、複数のOR5はたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物、並びに、下記式(IV):
6p−Si−(OR7)4-p ・・・ (IV)
[式中、R6及びR7は、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり;pは0〜2の整数であり;OR7が複数ある場合、複数のOR7はたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮物も好ましい。
【0042】
式(III)において、Aにおける官能基の中で、イミンはケチミン、アルジミン、アミジンを包含し、(チオ)カルボン酸エステルは、アクリレートやメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステルを包含し、非環状三級アミンは、N,N-二置換アニリン等のN,N-二置換芳香族アミンを包含し、また環状三級アミンは、環の一部として(チオ)エーテルを含むことができる。また、(チオ)カルボン酸の金属塩の金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Zn等を挙げることができる。
【0043】
3のうちの二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。該直鎖状アルキレン基としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
【0044】
また、R4及びR5としては、炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜18のアルケニル基,炭素数6〜18のアリール基,炭素数7〜18のアラルキル基等が挙げられる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,イソブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロぺニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基等が挙げられる。また、上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等が挙げられる。更に、上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
【0045】
式(III)において、nは0〜2の整数であるが、0が好ましく、また、この分子中には活性プロトン及びオニウム塩を有しないことが必要である。
【0046】
式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば(チオ)エポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、2-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2-グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン及びこれらの化合物におけるエポキシ基をチオエポキシ基に置き換えたものを挙げることができるが、これらの中でも、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
【0047】
また、イミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(1-メチルエチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-エチリデン-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(1-メチルプロピリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(4-N,N-ジメチルアミノベンジリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(シクロヘキシリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物,メチルジエトキシシリル化合物,エチルジエトキシシリル化合物,メチルジメトキシシリル化合物,エチルジメトキシシリル化合物等を挙げることができるが、これらの中でも、N-(1-メチルプロピリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン及びN-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミンが特に好ましい。
【0048】
更に、イミン(アミジン)基含有化合物としては、1-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-4,5-ジヒドロイミダゾール,1-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-イソプロポキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-メチルジエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール等が挙げられ、これらの中でも、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾールが好ましい。
【0049】
また更に、カルボン酸エステル基含有化合物としては、3-メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロイロキシプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0050】
また、イソシアネート基含有化合物としては、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシランが好ましい。
【0051】
更に、カルボン酸無水物含有化合物としては、3-トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられ、これらの中でも、3-トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物が好ましい。
【0052】
また、環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン,(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン,(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン,2-(1-ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン,2-(1-ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン,3-(1-ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン,3-(1-ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン,3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシラン,3-[10-(トリエトキシシリル)デシル]-4-オキサゾリン等が挙げられ、これらの中でも、3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン及び(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シランが好ましい。
【0053】
更に、非環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、3-ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン,3-ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン,3-ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン,3-ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン,2-ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン,2-ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン,3-ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン,3-ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン等が挙げられ、これらの中でも、3-ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン及び3-ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランが好ましい。
【0054】
また更に、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、2-(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2-(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2-シアノエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0055】
上記式(III)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
【0056】
式(IV)において、R6及びR7については、それぞれ上記式(III)におけるR4及びR5について説明したとおりである。
【0057】
式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、テトラエトキシシランが特に好ましい。
【0058】
式(IV)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物を用いることもできる。
【0059】
上記変性剤としては、下記式(V):
8aZXb ・・・ (V)
[式中、R8は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され;Zは、スズ又はケイ素であり;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であり;aは0〜3で、bは1〜4で、但し、a+b=4である]で表される変性停止剤も好ましい。式(V)の変性停止剤で変性することで、重合体(B)の耐コールドフロー性を改良することができる。なお、式(V)の変性停止剤で変性して得られる重合体(B)は、少なくとも一種のスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する。
【0060】
式(V)のR8として、具体的には、メチル基、エチル基、n-ブチル基、ネオフィル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。また、式(V)の変性停止剤として、具体的には、SnCl4、R8SnCl3、R82SnCl2、R83SnCl、SiCl4、R8SiCl3、R82SiCl2、R83SiCl等が好ましく、SnCl4及びSiCl4が特に好ましい。
【0061】
上記変性剤による重合活性部位の変性反応は、溶液反応で行うことが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。また、変性反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。更に、変性反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されず、重合反応の反応温度をそのまま採用してもよい。なお、変性剤の使用量は、(共)重合体の製造に使用した重合開始剤1molに対し、0.25〜3.0molの範囲が好ましく、0.5〜1.5molの範囲が更に好ましい。
【0062】
本発明においては、上記重合体(B)を含む反応溶液を乾燥して重合体(B)を分離した後、得られた重合体(B)を上記ゴム成分(A)に配合してもよいし、重合体(B)を含む反応溶液を上記ゴム成分(A)のゴムセメントに溶液状態で混合した後、乾燥して、ゴム成分(A)及び重合体(B)の混合物を得てもよい。
【0063】
本発明のゴム組成物においては、加硫後にクロロホルムで48時間抽出したクロロホルム抽出量が、上記低分子量重合体(B)の配合した全質量に対し60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることが更に好ましい。ここで、クロロホルム抽出量(質量%)とは、ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをクロロホルムにより48時間抽出することで、重合体(B)の配合した全質量に対する抽出した重合体(B)の割合を求めた値である。
【0064】
本発明のゴム組成物は、ゴムマトリクス中に気泡を含有する。本発明おいて、ゴムマトリクス中に気泡を含有するゴム組成物は、例えば、通常のゴム配合物に予め発泡剤(C)を加えて混練し、得られたゴム組成物を通常の条件で加硫することにより、発泡剤(C)が発泡し、気泡が形成される。ここで、ゴム組成物中の気泡率(Vs)は、5〜35%の範囲であるのが好ましい。気泡率が5%未満であると、氷上性能が低下し、35%を超えると、破壊特性及び耐摩耗性が低下する傾向がある。
【0065】
上記気泡率(Vs)(%)は、下記式(VI):
Vs = {(ρ0−ρg)/(ρ1−ρg)−1} × 100 ・・・ (VI)
[式中、ρ1はゴム組成物の密度(g/cm3)、ρ0はゴム組成物における固相部の密度(g/cm3)、ρgはゴム組成物における気泡部の密度(g/cm3)である]により算出できる。また、気泡部の密度ρgは無視できる程度に小さいので、上記気泡率(Vs)(%)を、下記式(VII):
Vs =(ρ0/ρ1−1)× 100 ・・・ (VII)
により算出してもよい。
【0066】
本発明のゴム組成物に用いることができる発泡剤(C)としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。これら発泡剤(C)の中でも、製造加工性の観点から、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等が好ましい。また、これら発泡剤(C)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0067】
上記発泡剤(C)の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて粒子状、液状等の中から適宜選択することができる。なお、発泡剤(C)の形態は、例えば顕微鏡を用いて観察することができる。また、粒子状の発泡剤(C)の平均粒径は、例えば、コールターカウンター等を用いて測定することができる。
【0068】
本発明のゴム組成物においては、上記ゴム成分(A)100質量部に対して、上記発泡剤(C)を1〜20質量部の割合で配合することが好ましく、2〜10質量部の割合で配合することが更に好ましい。
【0069】
また、上記発泡剤(C)には、発泡助剤として尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛、亜鉛華等を併用するのが好ましい。これら発砲助剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。発泡助剤を併用することにより、発泡反応を促進して反応の完結度を高め、経時的に不要な劣化を抑制することができる。
【0070】
本発明のゴム組成物においては、更に充填剤(D)を上記ゴム成分(A)100質量部に対して20〜100質量部の割合で配合することが好ましい。充填剤(D)の配合量が20質量部未満では、加硫ゴムの破壊特性及び耐摩耗性が十分でなく、一方、100質量部を超えると、作業性が悪化する傾向がある。ここで、充填剤(D)としては、カーボンブラック及びシリカが好ましい。なお、カーボンブラックとしては、FEF,SRF,HAF,ISAF,SAFグレードのものが好ましく、HAF,ISAF,SAFグレードのものが更に好ましい。一方、シリカとしては、湿式シリカ及び乾式シリカ等が好ましく、湿式シリカが更に好ましい。これら補強性の充填剤(D)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0071】
本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分(A)、低分子量共役ジエン系重合体(B)、発泡剤(C)、発泡助剤、充填剤(D)の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、シランカップリング剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。上記ゴム組成物は、ゴム成分(A)に、低分子量共役ジエン系重合体(B)と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
【0072】
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いたことを特徴とする。上記ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いたタイヤは、高温での貯蔵弾性率(G')、破壊強度及び氷上性能に優れる。従って、本発明の空気入りタイヤを、スタッドレスタイヤ、特に乗用車用スタッドレスタイヤに用いるのが好ましい。なお、本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
【実施例】
【0073】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0074】
<重合体(B-1)の製造例>
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロへキサン300g、1,3-ブタジエン50gを加え、更にn-ブチルリチウム(n-BuLi)1.06mmolを加えた後、50℃で2時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、重合反応系に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して重合体(B-1)を得た。
【0075】
<重合体(B-2)の製造例>
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロへキサン300g、1,3-ブタジエン50gを加え、更にn-ブチルリチウム(n-BuLi)1.06mmolを加えた後、50℃で2時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に、変性剤として四塩化スズ(SnCl4)0.22mmolを速やかに加え、更に50℃で30分間変性反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、重合反応系に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して重合体(B-2)を得た。
【0076】
<重合体(B-3)の製造例>
重合開始剤として、n-ブチルリチウム(n-BuLi)に代えて、インサイチューで調製したリチウムヘキサメチレンイミド[HMI−Li;ヘキサメチレンイミン(HMI)/リチウム(Li)モル比 = 0.9]をリチウム当量で1.06mmol用いる以外は、上記重合体(B-2)と同様にして、重合体(B-3)を得た。
【0077】
<重合体(B-4)の製造法>
単量体として、1,3-ブタジエン50gに代えて、1,3-ブタジエン45gとスチレン5gとを用い、更にジテトラヒドロフリルプロパン0.53mmolを加える以外は、上記重合体(B-2)と同様にして、重合体(B-4)を得た。
【0078】
上記のようにして製造した重合体(B-1)〜(B-4)の重量平均分子量(Mw)、ミクロ構造、結合スチレン量、ガラス転移温度(Tg)を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0079】
(1)重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製GMH−XL(2本直列)、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体の変性停止なしの状態でのポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0080】
(2)ミクロ構造及び結合スチレン量
重合体のミクロ構造を赤外法(モレロ法)で求め、重合体の結合スチレン量を1H-NMRスペクトルの積分比より求めた。
【0081】
【表1】

【0082】
次に、上記重合体(B-1)〜(B-4)又はアロマオイルを用いて、表2に示す配合処方のゴム組成物を調製し、更に、該ゴム組成物を160℃で15分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムに関し、気泡率については上記式(VII)により算出し、クロロホルム抽出量、引張強度及び貯蔵弾性率(G')については下記の方法により測定した。結果を表3に示す。
【0083】
(4)引張強度
JIS K6301−1995に準拠して室温で引張試験を行い、引張強度を測定し、比較例1のゴム組成物の引張強度を100として指数表示した。指数値が大きい程、破壊強度が良好であることを示す。
【0084】
(5)貯蔵弾性率(G')
レオメトリックス社製の粘弾性測定装置を用いて、周波数15Hz、歪1.0%の条件で、温度-20℃,50℃での貯蔵弾性率(G')を測定した。-20℃での貯蔵弾性率(G')については、比較例1のゴム組成物の貯蔵弾性率(G')の逆数を100として指数表示し、指数値が大きい程、氷上性能に優れることを示す。一方、50℃での貯蔵弾性率(G')については、比較例1のゴム組成物の貯蔵弾性率(G')を100として指数表示し、指数値が大きい程、高温での貯蔵弾性率(G')に優れることを示す。
【0085】
(6)クロロホルム抽出量
クロロホルムを溶媒として、加硫ゴムのサンプルをソックスレー抽出器により48時間抽出し、加硫ゴムサンプルの残量より、重合体(B)の配合した全質量に対する抽出した重合体(B)の割合(質量%)を求めた。
【0086】
【表2】

【0087】
*1 分子量200万.
*2 JSR(株)製,「BR01」,高シス1,4-ポリブタジエン,分子量60万.
*3 アロマオイル又は重合体(B-1)〜(B-4)の種類を表3に示す.
*4 ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT):尿素 = 1:1(質量比).
*5 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*6 ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド.
*7 N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
【0088】
【表3】

【0089】
表3から、特定の重量平均分子量を有する重合体(B-1)〜(B-4)を用いた実施例1〜4のゴム組成物は、アロマオイルを用いた比較例1のゴム組成物よりも、引張強度、-20℃での貯蔵弾性率(G')及び50℃での貯蔵弾性率(G')が良好で、高温での貯蔵弾性率(G')を保持しつつ、タイヤに優れた破壊強度及び氷上性能を付与することが分かる。また、実施例2〜4のゴム組成物は、分子中に少なくとも一種の官能基を有する重合体(B-2)〜(B-4)の使用により、-20℃での貯蔵弾性率(G')が大幅に低下しており、実施例1,4のゴム組成物よりも氷上性能に優れることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が150,000以上の天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなるゴム成分(A)に対して、芳香族ビニル化合物の結合量が5質量%未満で、ゲル浸透クロマトグラフィーで変性停止なしの状態を測定したポリスチレン換算重量平均分子量が50,000以上で且つ150,000未満の低分子量共役ジエン系重合体(B)を配合してなるゴム組成物であって、
該ゴム組成物がゴムマトリクス中に気泡を含有していることを特徴とするゴム組成物。
【請求項2】
前記低分子量共役ジエン系重合体(B)が、分子中に少なくとも1つの官能基を有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記低分子量共役ジエン系重合体(B)の官能基が、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基及び窒素含有官能基からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記低分子量共役ジエン系重合体(B)が、重合活性部位をスズ含有化合物、ケイ素含有化合物又は窒素含有化合物で変性されたものであることを特徴とする請求項3に記載のゴム組成物。
【請求項5】
前記低分子量共役ジエン系重合体(B)はゲル浸透クロマトグラフィーで変性停止なしの状態を測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、50,000〜120,000であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項6】
前記低分子量共役ジエン系重合体(B)がブタジエン単独重合体であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項7】
前記低分子量共役ジエン系重合体(B)が芳香族ビニル化合物−ブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項8】
前記低分子量共役ジエン系重合体(B)の芳香族ビニル化合物部分がスチレンであることを特徴とする請求項7に記載のゴム組成物。
【請求項9】
前記ゴム成分(A)に対して、前記低分子量共役ジエン系重合体(B)と共に発泡剤(C)を配合してなることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項10】
前記ゴム成分(A)100質量部に対して、前記発泡剤(C)を1〜20質量部配合した後、加硫・発泡させたことを特徴とする請求項9に記載のゴム組成物。
【請求項11】
前記ゴム成分(A)100質量部に対して、更に充填剤(D)を20〜100質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項12】
前記充填剤(D)がカーボンブラック及び/又はシリカであることを特徴とする請求項11に記載のゴム組成物。
【請求項13】
加硫後にクロロホルムで48時間抽出したクロロホルム抽出量が、前記低分子量共役ジエン系重合体(B)の配合した全質量に対し60質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載のゴム組成物を、トレッド部の少なくとも接地部分に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項15】
スタッドレスタイヤであることを特徴とする請求項14に記載の空気入りタイヤ。
【請求項16】
乗用車用スタッドレスタイヤであることを特徴とする請求項15に記載の空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2008−88425(P2008−88425A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229597(P2007−229597)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】