説明

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

【課題】ゴム組成物調製時における混練り時等において、揮発性有機化合物(VOC)の発生量が少ない上、低発熱性(低燃費性)に優れ、しかも耐熱性にも優れたゴム組成物及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】(A)分子鎖末端が、下記一般式(1)で表される構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び別のケイ素含有基で変性された変性共役ジエン(共)重合体の少なくともいずれかを含むゴム成分と、(B)該ゴム成分100質量部に対して10質量部以上100質量部以下の、チッ素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上100m2/g以下であるカーボンブラックと、(C)有機架橋剤と、を含有するゴム組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物及びそのゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー、省資源の社会的要請に伴い、自動車の燃料消費を節約するために、タイヤの耐久性の要求から、低ロス性・耐破壊性のゴム材料が多く望まれるようになってきた。
タイヤの転がり抵抗性能向上のために、低発熱性ゴム組成物を用いる手法が一般的になっており、その性能を発現するための技術として、充填材と相互作用を有する官能基を導入した変性重合体の利用は、極めて有効な手段である。
タイヤの転がり抵抗性能を向上させるために、補強用充填材を低減させる手法では、耐久性の悪化は免れないが、使用するポリマーに変性基を導入することによって、低ロス性と耐久性の両立を実現できることが分かっている。そして、ポリマーに導入される変性官能基の種類によっては、補強用充填材との相互作用が異なり、得られる性能も影響を受けることが知られている。
【0003】
本発明者らの研究によると、第一アミノ基が導入された変性ポリマーは、カーボンブラックとの相互作用が極めて高く、低ロス性に優れるゴム組成物を与えることが分かった。この第一アミノ基のポリマーへの導入に関しては、例えば、第一アミノ基及びアルコキシシリル基を有する共役ジエン重合体を含むゴム成分と、N2SAが30〜100m2/gのカーボンブラックを含有するゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−307095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記の技術においては、ポリマー中にアルコキシシリル基が残留するため、該ポリマー配合時において、アルコール分として大気中に放出されることが懸念され、作業環境等の環境衛生上の問題がある。
【0006】
本発明は、このような状況下で、ゴム組成物調製時における混練り時等において、揮発性有機化合物(VOC)の発生量が少ない上、低発熱性(低燃費性)に優れ、しかも耐熱性にも優れたゴム組成物及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、下記本発明により解決される。すなわち本発明は、
<1> (A)分子鎖末端が、下記一般式(1)で表される構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び下記一般式(2)で表される構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−2)の少なくともいずれかを含むゴム成分と、(B)該ゴム成分100質量部に対して10質量部以上100質量部以下の、チッ素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上100m2/g以下であるカーボンブラックと、(C)有機架橋剤と、を含有するゴム組成物である。
【0008】
【化1】

式中、R1は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R2は炭素数1〜12のアルキレン基を示す。また(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。
【0009】
【化2】

式中、R3は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R4は炭素数1〜12のアルキレン基、R5は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数2〜20のヒドロカルビルカルボキシル基、−OH基及び炭素数5〜20の1,3−ジカルボニル含有基のいずれかを示し、複数のR5はたがいに同一でも異なっていてもよい。MはTi、Sn、Al、Si及びBiのいずれかを示し、kは{(Mの価数)−2}であり、nは0または1である。また(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。
【0010】
<2> (A)活性末端を有する共役ジエン(共)重合体の該活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物を反応させて変性したのち、加水分解反応及び脱保護反応を行うことにより得られる下記一般式(1)で表される末端構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−1)を含むゴム成分と、(B)該ゴム成分100質量部に対して10質量部以上100質量部以下の、チッ素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上100m2/g以下であるカーボンブラックと、(C)有機架橋剤と、を含有するゴム組成物。
【0011】
【化3】

式中、R1は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R2は炭素数1〜12のアルキレン基を示す。また(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。
【0012】
<3> (A)(a)活性末端を有する共役ジエン(共)重合体の該活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物を反応させて、変性を行う工程、(b)チタン系、スズ系、アルミニウム系、ケイ素系、ジルコニウム系及びビスマス系の中から選ばれる少なくとも一種の縮合促進剤の存在下、前記の2官能性ケイ素原子を含む化合物が関与する縮合反応を行う工程、及び(c)加水分解反応と脱保護反応とを行う工程を施すことにより得られる下記一般式(2)で表される変性共役ジエン(共)重合体(a−2)を含むゴム成分と、(B)該ゴム成分100質量部に対して10質量部以上100質量部以下の、チッ素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上100m2/g以下であるカーボンブラックと、(C)有機架橋剤と、を含有するゴム組成物である。
【0013】
【化4】

式中、R3は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R4は炭素数1〜12のアルキレン基、R5は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数2〜20のヒドロカルビルカルボキシル基、−OH基及び炭素数5〜20の1,3−ジカルボニル含有基のいずれかを示し、複数のR5はたがいに同一でも異なっていてもよい。MはTi、Sn、Al、Si及びBiのいずれかを示し、kは{(Mの価数)−2}であり、nは0または1である。また(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。
【0014】
<4> 前記有機架橋剤が、下記一般式(3)乃至一般式(5)、式(I)及び式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種である<1>〜<3>のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0015】
【化5】

式中、R18、R19、R20及びR21は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基を示す。
【0016】
【化6】

式中、R22及びR23は、それぞれ独立に炭素数7〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基を示し、M1は2価以上の金属であり、nはM1の金属の原子価に等しい数である。
【0017】
【化7】

式中、R24、R25、R26及びR27は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基を示す。
【0018】
【化8】

【0019】
【化9】

【0020】
<5> 前記有機架橋剤が、下記式(I)、式(II)及び式(III)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種である<1>〜<4>のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0021】
【化10】

【0022】
【化11】

【0023】
【化12】

【0024】
<6> 前記活性末端を有する共役ジエン(共)重合体が、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし、共役ジエン化合物単独、または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合させて得られたものである<2>〜<5>のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0025】
<7> 前記2官能性ケイ素原子を含む化合物が、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2−エトキシメチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン及び3−(2,2,5,5−テトラメチル(1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン)−1−イル)プロピルメチルジエトキシシランの中から選ばれる少なくとも一種である<2>〜<6>のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0026】
<8> 前記(b)工程で用いられる縮合促進剤が、チタン、スズ及びアルミニウムから選ばれる金属のアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩、またはこれらの混合塩の中から選ばれる少なくとも一種である<3>〜<7>のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0027】
<9> 前記(A)ゴム成分が、変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び変性共役ジエン(共)重合体(a−2)の少なくともいずれかを10質量%以上の割合で含む<1>〜<8>のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0028】
<10> 前記(A)ゴム成分が、変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び変性共役ジエン(共)重合体(a−2)の少なくともいずれかを50質量%以上の割合で含む<9>に記載のゴム組成物である。
【0029】
<11> <1>〜<10>のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤである。
【0030】
<12> <1>〜<10>のいずれかに記載のゴム組成物を、トレッドゴム、サイドゴム、サイド補強ゴム及びビードフィラーゴムから選ばれる少なくとも一種として用いた<11>に記載の空気入りタイヤである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ゴム組成物調製時における混練り時等において、揮発性有機化合物(VOC)の発生量が少ない上、低発熱性(低燃費性)に優れ、しかも耐熱性にも優れたゴム組成物及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施形態により説明する。
<ゴム組成物>
まず、本実施形態のゴム組成物について説明する。
本実施形態のゴム組成物は、(A)変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び変性共役ジエン(共)重合体(a−2)の少なくともいずれかを含むゴム成分と、(B)該ゴム成分100質量部に対して10質量部以上100質量部以下の、チッ素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上100m2/g以下であるカーボンブラックと、(C)有機架橋剤と、を含有することを特徴とする。
なお、本実施形態において、前記共役ジエン(共)重合体とは、共役ジエン重合体と共役ジエン共重合体とを包含するものである。
【0033】
すなわち、低発熱性に優れ、且つ揮発性有機化合物(VOC)が発生しない特定構造の変性共役ジエン(共)重合体とともに、特定の有機架橋剤を用いることにより、得られるゴム組成物において、架橋構造がC−S−C結合(モノスルフィド結合)及びC−C結合の少なくともいずれかを有すると考えられ、前記特性に加えて耐熱性をも向上させることができる。
【0034】
(変性共役ジエン(共)重合体(a−1))
本実施形態における変性共役ジエン(共)重合体(a−1)の構造は、下記一般式(1)で表される。
【0035】
【化13】

式中、R1は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R2は、炭素数1〜12のアルキレン基を示す。なお、(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。
【0036】
一般式(1)において、R1で表される炭素数1〜20のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等を挙げることができるが、これらの中で、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種イコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等を挙げることができる。これらの中で、原料の入手容易さ等の観点から、メチル基及びエチル基が好適である。
【0037】
一方、R2は、炭素数1〜12のアルキレン基であり、このアルキレン基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,3−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基等が挙げられる。これらの中で、原料の入手容易さ及び性能等の観点から、エチレン基及びプロパン−1,3−ジイル基が好適である。
【0038】
本実施形態における変性共役ジエン(共)重合体(a−1)は、以下の製造方法によれば、効率よく製造することができる。
すなわち、活性末端を有する共役ジエン(共)重合体の該活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物を反応させて変性したのち、加水分解反応及び脱保護反応を行うことにより、前記一般式(1)で表される末端構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−1)を得ることができる。
【0039】
−活性末端を有する共役ジエン(共)重合体−
前記の製造方法において用いられる活性末端を有する共役ジエン(共)重合体は、ジエン系モノマーを単独で、または他のモノマーと共重合して得られるものであり、その製造方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
また、共役ジエン(共)重合体の分子中に存在する活性部位の金属はアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる1種であることが好ましく、アルカリ金属が好ましく、特にリチウム金属が好ましい。
【0040】
上記溶液重合法においては、例えば有機アルカリ金属化合物、特にリチウム化合物を重合開始剤とし、共役ジエン化合物単独または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合させることにより、目的の重合体を製造することができる。
更には、ハロゲン含有モノマーを混在させ、ポリマー中のハロゲン原子を有機金属化合物によって活性化することも有効である。例えば、イソブチレン単位、パラメチルスチレン単位及びパラブロモメチルスチレン単位を含む共重合体の臭素部分をリチオ化して活性部位とすることも有効である。
【0041】
上記共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、これらの共役ジエン化合物との共重合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
【0042】
更に、単量体として共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、それぞれ1,3−ブタジエン及びスチレンの使用が、単量体の入手の容易さ等の実用性面、及びアニオン重合特性がリビング性等の点で優れること等から、特に好適である。
また、溶液重合法を用いた場合には、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%の範囲、より好ましくは10〜30質量%の範囲である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は0〜55質量%の範囲が好ましい。
【0043】
重合開始剤のリチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン(共)重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン(共)重合体が得られる。
【0044】
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルーフェニルリチウム、4−フェニルーブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
【0045】
一方、リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが好適である。
【0046】
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、第二アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することができるが、重合系中(in−Situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
前記リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン(共)重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
【0047】
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の共役ジエン(共)重合体が得られる。
【0048】
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0049】
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン(共)重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加等、あるいは共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化等の作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、オキソラニルプロパンオリゴマー類[特に2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパンを含む物等]、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタン等のエーテル類及び三級アミン類等を挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシド等のカリウム塩類、ナトリウム−t−アミレート等のナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
【0050】
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃の範囲、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
この重合においては、重合開始剤、溶媒、単量体等、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。
尚、エラストマーとして重合体を得る場合は、得られる重合体または共重合体の、示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)が−95℃〜−15℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移温度を上記範囲にすることによって、粘度が高くなるのを抑え、取り扱いが容易な重合体を得ることができる。
【0051】
−2官能性ケイ素原子を含む化合物−
前記製造方法においては、上記のようにして得られた共役ジエン(共)重合体の活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と、1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物(以下、「変性剤」と称することがある。)を反応させて変性反応を行う。
当該変性剤としては、例えば一般式(6)、一般式(7)及び一般式(8)で表されるケイ素化合物を挙げることができる。
【0052】
【化14】

式中、R6〜R16は、それぞれ独立に炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R17は炭素数1〜12のアルキレン基、A1及びA2は、それぞれ独立に反応性基であって、ハロゲン原子または炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基を示し、R1及びR2は前記と同じである。
【0053】
上記炭素数1〜20のヒドロカルビル基については、前記一般式(1)におけるR1、一般式(2)におけるR3で説明したとおりである。また、R17で示される炭素数1〜12のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,3−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
【0054】
当該変性剤における上記反応性基A1、A2がヒドロカルビルオキシ基である場合、当該変性剤としては、例えばN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−エトキシメチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン及び3−(2,2,5,5−テトラメチル(1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン)−1−イル)プロピルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
【0055】
また、上記反応性基A1、A2がハロゲン原子である場合、当該変性剤としては、例えばN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルメトキシクロロシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルエトキシクロロシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルメトキシクロロシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルエトキシクロロシラン等が挙げられる。
【0056】
当該変性剤の好ましいものとしては、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−エトキシメチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、3−(2,2,5,5−テトラメチル(1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン−1−イル)プロピルメチルジエトキシシランである。
【0057】
これらの変性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。またこの変性剤は部分縮合物であってもよい。
ここで、部分縮合物とは、変性剤のSi−ORの一部(全部ではない)が縮合によりSi−O−Si結合したものをいう。
また、前記の変性反応においては、使用する共役ジエン(共)重合体は、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性を有するものが好ましい。
【0058】
前記変性剤による変性反応において、該変性剤の使用量は、好ましくは0.5〜200mmol/kg・共役ジエン(共)重合体の範囲である。同含有量は、更に好ましくは1〜100mmol/kg・共役ジエン(共)重合体の範囲であり、特に好ましくは2〜50mmol/kg・共役ジエン(共)重合体の範囲である。ここで、共役ジエン(共)重合体とは、製造時または製造後、添加される老化防止剤等の添加剤を含まないポリマーのみの質量を意味する。変性剤の使用量を上記範囲にすることによって、カーボンブラックの分散性に優れ、加硫後の機械特性、耐摩耗性、低発熱性が改良される。
なお、上記変性剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法等が挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。
【0059】
本実施形態においては、このようにして共役ジエン(共)重合体の活性末端に変性反応を施したのち、加水分解反応及び脱保護反応を行い、Si原子に結合しているヒドロカルビルオキシ基またはハロゲン原子等の加水分解性官能基を水酸基に変換すると共に、保護されている第一アミノ基の脱保護を行って、遊離した第一アミンに変換する。
上記加水分解反応は、塩基性化合物と水とを加えて行うことが好ましい。塩基性化合物と水とを同時に加えても良いが、先に塩基性化合物または塩基性化合物水溶液を重合反応系に加え、pHが9〜13、好ましくは10〜11になったことを確認してから、開始剤のLiモル量より過剰なモル量の水、例えば、2〜4倍のモル量の水を加え、加水分解が終了するまで、例えば、10分〜数時間重合反応系を撹拌するのが良い。
【0060】
前記塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属がコスト面から好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
このようにして、加水分解反応及び脱保護反応を終了後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液等を重合反応系に加えて、重合反応を停止する。
その後、水蒸気を吹き込んで溶剤の分圧を下げるスチームストリッピング等の脱溶媒処理や真空乾燥処理を施すことにより、分子鎖末端が、前記一般式(1)で表される構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−1)が得られる。
【0061】
(変性共役ジエン(共)重合体(a−2))
本実施形態における変性共役ジエン(共)重合体(a−2)の構造は、下記一般式(2)で表される。
【0062】
【化15】

式中、R3は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R4は炭素数1〜12のアルキレン基、R5は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数2〜20のヒドロカルビルカルボキシル基、−OH基または炭素数5〜20の1,3−ジカルボニル含有基を示し、複数のR5はたがいに同一でも異なっていてもよい。MはTi、Sn、Al、SiまたはBiを示し、kは{(Mの価数)−2}であり、nは0または1である。
なお、(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。
【0063】
上記R3で表される炭素数1〜20のヒドロカルビル基及びR5のうちの炭素数1〜20のヒドロカルビル基は、前記一般式(1)のR1で説明したとおりである。また、R4で表される炭素数1〜12のアルキレン基は、前記一般式(1)のR2で説明したとおりである。
【0064】
本実施形態における変性共役ジエン(共)重合体(a−2)は、以下の製造方法によれば、効率よく製造することができる。
すなわち、(a)活性末端を有する共役ジエン(共)重合体の該活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物を反応させて、変性を行う工程、(b)チタン系、スズ(錫)系、アルミニウム系、ケイ素系、ジルコニウム系及びビスマス系の中から選ばれる少なくとも一種の縮合促進剤の存在下、前記の2官能性ケイ素原子を含む化合物が関与する縮合反応を行う工程、及び(c)加水分解反応と脱保護反応とを行う工程を施し、前記一般式(2)で表される変性共役ジエン(共)重合体(a−2)を得ることができる。
なお、この変性共役ジエン(共)重合体(a−2)の製造方法においては、(a)工程の変性反応工程までは、前述の変性共役ジエン(共)重合体(a−1)の製造方法における変性反応と同様であるが、当該製造方法においては、(a)工程の変性反応工程後、(b)工程として、縮合促進剤の存在下、(a)工程で使用した2官能性ケイ素原子を含む化合物が関与する縮合反応を行う工程を施す。
【0065】
−縮合促進剤−
前記(b)工程において用いられる縮合促進剤として、チタン系、スズ系、アルミニウム系、ケイ素系、ジルコニウム系及びビスマス系の中から選ばれる少なくとも一種の金属化合物が好ましい。より具体的には、チタン系として、四価のチタンのアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩、またはこれらの混合塩等が好適に挙げられ、スズ系として、二価のスズのジカルボン酸{特に、ビス(ヒドロカルビルカルボン酸)塩}や、四価のスズのジヒドロカルビルスズのジカルボン酸塩{ビス(ヒドロカルビルカルボン酸)}塩を含む)、ビス(β−ジケトネート)、アルコキシハライド、モノカルボン酸塩ヒドロキシド等を好適に挙げられる。スズに結合したヒドロカルビル基としては炭素数が4以上のものが望ましく、炭素数4から炭素数8のものが特に好ましい。
また、アルミニウム系として、三価のアルミニウムのアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩またはこれらの混合塩等が好適に挙げられる。
以上より、縮合促進剤として、チタン、スズ及びアルミニウムから選ばれる金属のアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩、またはこれらの混合塩の中から選ばれる少なくとも一種が好適である。
【0066】
上述の縮合促進剤の内、チタン系が特に好適であり、チタン(Ti)のアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩が好ましく用いられる。
具体的な縮合促進剤としては、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンオリゴマー、テトライソブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、ビス(オレート)ビス(2−エチルヘキサノエート)チタン、チタンジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタントリブトキシステアレート、チタントリプロポキシステアレート、チタントリプロポキシアセチルアセトネート、チタンジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリプロポキシ(エチルアセトアセテート)、チタンプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタントリブトキシアセチルアセトネート、チタンジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリブトキシエチルアセトアセテート、チタンブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(アセチルアセトネート)、チタンジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタンオキサイド、ビス(ラウレート)チタンオキサイド、ビス(ナフテネート)チタンオキサイド、ビス(ステアレート)チタンオキサイド、ビス(オレエート)チタンオキサイド、ビス(リノレート)チタンオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタン、テトラキス(ラウレート)チタン、テトラキス(ナフテネート)チタン、テトラキス(ステアレート)チタン、テトラキス(オレエート)チタン、テトラキス(リノレート)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタンテトラ(ラクテート)などが挙げられる。
中でも、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)が好ましい。
【0067】
また、スズ系の具体的な縮合促進剤として、例えば、2−エチルヘキサン酸スズ{[CH3(CH2)3CH(C25)CO2]2Sn(二価)}が挙げられる。
アルミニウム系の具体的な縮合促進剤として、例えば、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテネート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム等が挙げられる。
【0068】
また、ビスマス系の具体的な縮合促進剤として、例えば、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテネート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマス等が挙げられる。
ジルコニウム系の具体的な縮合促進剤として、例えば、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテネート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム等が挙げられる。
【0069】
本実施形態における縮合反応には、前記縮合促進剤と水とを組み合わせて用いる。水としては、単体やアルコール等の溶液、炭化水素溶媒中の分散ミセル等の形態が好適に用いられるほか、必要ならば固体表面の吸着水や水和物の水和水等の、反応系中で水を放出し得る化合物が潜在的に含んだ水分も有効に用いることができる。従って吸着水を持つ固体や、水和物等、容易に水を放出することができる化合物を前記縮合促進剤と併用することも好ましい態様として挙げられる。
【0070】
前記縮合促進剤と水とは、反応系に別々に投入しても、使用直前に混合して混合物として投入してもよいが、混合物の長期保存は金属化合物の分解を招くので好ましくない。
尚、水の反応系中への投入は、アルコール等の水と相溶性のある有機溶媒の溶液としてもよいし、種々の化学工学的手法を用いて水を直接炭化水素溶液中に注入・分散させても良い。また、水は縮合反応終了後に、スチームストリッピング等により加えても良い。
【0071】
前記縮合促進剤の使用量としては、該縮合促進剤のモル数が、反応系内に存在するヒドロカルビルオキシ基総量に対するモル比として、0.1〜10の範囲となることが好ましく、0.5〜5の範囲が特に好ましい。縮合促進剤の使用量を上記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
また、水のモル数は、反応系内に存在するヒドロカルビオキシシリル基の総量に対するモル比として、共に0.1以上が好ましい。上限は目的や反応条件によっても異なるが、縮合処理以前の段階で重合体活性部位に結合されたヒドロカルビオキシシリル基の量に対して0.5から3モル当量の有効な水が存在することが好ましい。
また、前記縮合促進剤を用いた縮合反応は20℃以上の温度で行うことが好ましく、30〜120℃の範囲がより好ましい。反応時間としては、0.5分〜10時間の範囲が好ましく、より好ましくは0.5分〜5時間の範囲、さらに好ましくは0.5〜120分程度、3〜60分の範囲が更に好ましい。
なお、縮合反応時の反応系の圧力は、通常、0.01〜20MPaの範囲、好ましくは0.05〜10MPaの範囲である。
【0072】
本実施形態においては、縮合反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行っても良い。
このようにして縮合反応を行ったのち、(c)工程として、加水分解反応と脱保護反応を行う。この加水分解反応と脱保護反応は、前述した変性共役ジエン(共)重合体(a−1)の製造における説明と同様にして実施することができる。
(c)工程の加水分解反応と脱保護反応を終了後、前述の変性共役ジエン(共)重合体(a−1)の場合と同様に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液等を重合反応系に加えて、重合反応を停止する。その後、スチームストリッピング等の脱溶媒処理や、熱ロール乾燥、真空乾燥等の乾燥処理を施すことにより分子鎖末端が、前記一般式(2)で表される構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−2)が得られる。
【0073】
(ゴム成分)
本実施形態のゴム組成物における(A)ゴム成分は、前述した製造方法により得られる、分子鎖末端が、前記一般式(1)で表される変性共役ジエン(共)重合体(a−1)を一種用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよく、また、前記一般式(2)で表される変性共役ジエン(共)重合体(a−2)を一種用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。あるいは、変性共役ジエン(共)重合体(a−1)一種以上と変性共役ジエン(共)重合体(a−2)一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
前記(A)ゴム成分中の変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び(a−2)の少なくともいずれかの含有量は、10質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。変性共役ジエン(共)重合体の含有量が10質量%以上であれば、本実施形態の効果が良好に発揮される。
【0074】
なお、本実施形態のゴム組成物に用いる変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び(a−2)の少なくともいずれかと併用される他のゴム成分としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びこれらの混合物等が挙げられる。また、その一部が多官能型、例えば四塩化スズ、四塩化珪素のような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているものでもよい。
【0075】
本実施形態のゴム組成物に用いる変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び(a−2)は、重量平均分子量(Mw)が50×103〜1,000×103の範囲であることが好ましく、100×103〜600×103の範囲であることが更に好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn)が5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。変性共役ジエン(共)重合体の重量平均分子量を前記範囲内にすることによって、加硫物の弾性率の低下、ヒステリシスロスの上昇を抑えて優れた耐破壊特性を得るとともに、変性共役ジエン(共)重合体を含むゴム組成物の優れた混練作業性が得られる。また、変性共役ジエン(共)重合体の分子量分布を前記範囲内にすることで、変性共役ジエン(共)重合体をゴム組成物に配合しても、ゴム組成物の作業性を低下させることがなく、混練りが容易で、ゴム組成物の物性を十分に向上させることができる。
ここで、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布は、GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
【0076】
また、本実施形態のゴム組成物に用いる変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び(a−2)は、共役ジエン部のビニル結合含有量が、ゴム組成物の耐久性向上の観点から、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
なお、ビニル結合含有量は、赤外法(モレロ法)により求めた。
【0077】
社団法人 日本ゴム協会は、揮発性有機化合物(VOC)の発生を現行の65%に低減させることを目標としている。従って、本実施形態のゴム組成物は、下記の方法で測定した揮発性有機化合物(VOC)の発生量が現行の65%以下であることが好ましく、50%以下であることが更に好ましく、35%以下であることが特に好ましい。このVOCの発生量が現行の65%を超えると押出し工程においてゴム材料に気泡が発生するおそれがあり、また環境に対する負荷が大きくなり、好ましくない。
【0078】
・VOC測定方法
15%n−ブタノール及び85%トルエンからなる溶媒中の0.2Nトルエンスルホン酸/0.24N水からなるシロキサン加水分解試薬で試料を処理し、未加硫ゴム組成物中に残留する[EtOSi]からのエタノールの化学量論的量をヘッドスペース/ガスクロマトグラフィーにより測定する。
【0079】
(カーボンブラック)
本実施形態のゴム組成物においては、前記(A)ゴム成分100質量部に対して、(B)窒素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上100m2/g以下であるカーボンブラックを、10質量部以上100質量部以下の割合で用いる。
本実施形態のゴム組成物に用いられる変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び(a−2)は、分子鎖末端に遊離の第一アミノ基を有しており、この第一アミノ基は、特にN2SAが100m2/g以下のカーボンブラックに対して、極めて高い相互作用を示し、低発熱性能(低燃費性能)に優れるゴム組成物を与えるが、N2SAが100m2/gを超えるカーボンブラックに対しては、効果が充分に発揮されない。またN2SAが20m2/g未満では補強性が不足し、充分な耐久性が得られない。前記N2SAは、好ましくは20m2/g以上95m2/g以下であり、より好ましくは25m2/g以上90m2/g以下である。なお、このN2SAは、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定される値である。
【0080】
このようなカーボンブラックとしては、例えばHAF、FEF、GPF、SRF、N339、IISAF−HS(N285)等が挙げられる。
また、(A)ゴム成分100質量部に対し、当該カーボンブラックの含有量が10質量部未満では充分な補強効果が得られず、100質量部を超えると混練りや押出しが困難となる。好ましいカーボンブラックの含有量は20質量部以上80質量部以下であり、より好ましくは30質量部以上70質量部以下である。
【0081】
(有機架橋剤)
本実施形態のゴム組成物は、前述した(A)ゴム成分及び(B)カーボンブラックと、(C)有機架橋剤とを含む。ここで該有機架橋剤とは、共役ジエン(共)重合体を架橋して三次元網状構造とする硫黄以外の有機系化合物である。
本実施形態における有機架橋剤としては、例えば有機含硫黄化合物、有機過酸化物、キノンジオキシム、有機多価アミン、変性フェノール樹脂及びテトラクロロ−p−ベンゾキノンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
本実施形態では、架橋後のゴム組成物における架橋構造がC−S−C結合及びC−C結合の少なくともいずれかを有することが、ゴム組成物の耐熱性を向上させる上で必要である。すなわち、ゴムの架橋構造にはSが3以上のポリスルフィド結合、Sが2のジスルフィド結合、Sが1つのモノスルフィド結合が含まれるが、前記ポリスルフィド結合やジスルフィド結合は熱で切れやすいため、これらの結合のみで架橋構造が形成されるとゴム組成物の耐熱性を十分に確保できない。したがって、本実施形態のゴム組成物は、架橋構造がC−S−C結合及びC−C結合の少なくともいずれかを有すると考えられ、架橋構造におけるポリスルフィド結合やジスルフィド結合の比率が少なくなるほど、ゴム組成物の耐熱性は向上することとなる。
【0083】
上記架橋構造にC−S−C結合及びC−C結合の少なくともいずれかを存在させるために、本実施形態における前記有機架橋剤としては、下記一般式(3)乃至一般式(5)、式(I)及び式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種であることが望ましい。
【0084】
【化16】

上記式中、R18、R19、R20及びR21は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基を示す。
【0085】
【化17】

上記式中、R22及びR23は、それぞれ独立に炭素数7〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基を示し、M1は2価以上の金属であり、nはM1の金属の原子価に等しい数である。
【0086】
【化18】

上記式中、R24、R25、R26及びR27は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基を示す。
【0087】
【化19】

【0088】
【化20】

【0089】
一般式(3)において、R18、R19、R20及びR21は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基又は炭素数7〜12のアラルキル基を示し、炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基としては、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、ドデシル基等が挙げられ、一方、炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。R18〜R21の炭素数が2以下ではゴム成分中への分散が悪くなり、耐熱性が悪化し、炭素数が13以上では、加硫速度が非常に遅れる場合がある。
具体的に、一般式(3)の化合物としては、テトラキス−2−エチルヘキシルチウラムジスルフィド、テトラキス−イソプロピルチウラムジスルフィド、テトラキス−イソブチルチウラムジスルフィド、テトラキス−ドデシルチウラムジスルフィド、テトラキス−ベンジルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
【0090】
一般式(4)において、R22及びR23は、それぞれ独立に炭素数7〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基又は炭素数7〜12のアラルキル基を示し、炭素数7〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基としては、2−エチルヘキシル基、ドデシル基等が挙げられ、一方、炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。R22〜R23の炭素数が6以下ではゴム成分中への分散が悪くなり、耐熱性が悪化し、炭素数が13以上では、加硫速度が非常に遅れる場合がある。また、M1は2価以上の金属で、nはM1の金属の原子価に等しい数であり、該金属としては、亜鉛、アンチモン、鉄、銅、ニッケル、鉛、テルル等が挙げられ、これらの中でも亜鉛が好ましい。具体的に、一般式(4)の化合物としては、2−エチルヘキシルジチオカルバメート亜鉛、ドデシルジチオカルバメート亜鉛、ベンジルジチオカルバメート亜鉛等が挙げられる。
【0091】
一般式(5)において、R24、R25、R26及びR27は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基又は炭素数7〜12のアラルキル基を示し、炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基としては、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、ドデシル基等が挙げられ、一方、炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。R24〜R27の炭素数が2以下ではゴム成分中への分散が悪くなり、耐熱性が悪化し、炭素数が13以上では、加硫速度が非常に遅れる場合がある。具体的に、一般式(5)の化合物としては、1,6−ビス(N,N'−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン、1,6−ビス(N,N'−ジ(2−エチルヘキシル)チオカルバモイルジチオ)−ヘキサン等が挙げられる。
【0092】
前記一般式(3)乃至一般式(5)で表される化合物の中でも、耐熱性及び耐破壊性並びにコスト面から、一般式(5)で表される化合物が好ましく、その中でも下記式(III)で表される化合物が最も好ましい。
【0093】
【化21】

【0094】
したがって、本実施形態に用いられるより有機架橋剤としては、具体的に、前記式(I)、式(II)で表される化合物及び上記式(III)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種であることが特に望ましい。
【0095】
前記一般式(3)乃至一般式(5)、式(I)及び式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の総配合量は、ゴム成分100質量部に対し0.5質量部以上10質量部以下とすることが好ましく、1質量部以上6質量部以下とすることがより好ましい。これらの化合物の総配合量を上記範囲とすることにより、ゴム組成物の架橋構造におけるC−S−C結合やC−C結合の割合を所望の耐熱性を確保するのに十分とすることができる。
特に、有機架橋剤として前記式(I)、式(II)で表される化合物及び上記式(III)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種を用いる場合の総配合量は、ゴム成分100質量部に対し0.5質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。
【0096】
(その他の配合成分)
本実施形態のゴム組成物は、硫黄架橋性であることが好ましく、加硫剤として硫黄が好適に用いられる。その使用量としては、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分(硫黄及び硫黄供与剤の硫黄分の合計量)を0.1〜10質量部配合することが好ましい。この範囲であれば、加硫ゴム組成物の必要な弾性率及び強度を確保すると共に低燃費性を得ることができるからである。この観点から、硫黄分を0.5〜5質量部配合することが更に好ましい。
【0097】
本実施形態のゴム組成物には、本実施形態の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば硫黄以外の加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、可塑剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を含有させることができる。
【0098】
前記加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜3.0質量部の範囲である。
【0099】
また、本実施形態のゴム組成物で使用できる軟化剤として用いるプロセス油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系またはパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部の範囲が好ましい。100質量部以下であれば加硫ゴムの引張強度、低発熱性(低燃費性)が悪化するのを抑制することができる。
【0100】
更に、本実施形態のゴム組成物で使用できる老化防止剤としては、例えば3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を挙げることができる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜6.0質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜5.0質量部の範囲である。
【0101】
本実施形態のゴム組成物は、前記配合処方により、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、例えば空気入りタイヤの各部材や、ベルトコンベア、ゴムホース等の各種工業用ゴム製品に用いられる。特に、タイヤの各部材としては、トレッドゴム、サイドゴム、サイド補強層ゴムやビードフィラーゴム等として用いられる。
【0102】
<空気入りタイヤ>
本実施形態の空気入りタイヤは、前記のゴム組成物をトレッドゴム、サイドウォール、サイド補強層ゴムやビードフィラーゴム等に用いて通常の空気入りタイヤまたは空気入りランフラットタイヤ等の製造方法によって製造される。すなわち、前記のように各種薬品を含有させた本実施形態のゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本実施形態のタイヤは、通常走行時の転がり抵抗性を軽減し低燃費性を向上させたものとなる。また、ランフラットタイヤのサイド補強層やビードフィラーに用いれば、通常走行時の低燃費性に加えて、ランフラット耐久性をも向上させたものとなる。
【実施例】
【0103】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
<ゴム組成物の評価>
未加硫ゴム組成物からのアルコール揮発量及び加硫ゴム組成物の動的損失正接(tanδ)に基づくΣtanδ(28〜150℃)は、下記の方法に従って測定した。
(1)アルコール揮発量
15質量%n−ブタノール及び85質量%トルエンからなる溶媒中の(0.2モル/リットル トルエンスルホン酸)/(0.24モル/リットル 水)からなるシロキサン加水分解試薬で試料を処理し、供試未加硫ゴム組成物中に残留する[EtOSi]からのエタノールの化学量論的量をヘッドスペース/ガスクロマトグラフィーにより測定した。
(2)Σtanδ(28〜150℃)の測定方法
ゴム組成物を160℃、12分間の条件で加硫処理して得られた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm、長さ40mmのシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所社製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪200μm、動的歪1%、周波数52Hz、測定開始温度25〜200℃の測定条件にて正接損失tanδを測定し、温度とtanδとの関係をグラフ化し、tanδ曲線と28℃及び150℃を示すx軸に対する各々の垂線とで囲まれる部分の面積を求め、その値をΣtanδ(28〜150℃)とする。
【0104】
<タイヤの評価>
(ランフラット耐久性)
各供試タイヤ(タイヤサイズ215/45ZR17)を常圧でリム組みし、内圧230kPaを封入してから38℃の室内中に24時間放置後、バルブのコアを抜き、内圧を大気圧として、荷重4.17kN(425kg)、速度89km/h、室内温度38℃の条件でドラム走行テストを行なった。各供試タイヤの故障発生までの走行距離を測定し、比較例5又は7の走行距離を100として、以下の式により、指数表示した。指数が大きい程、ランフラット耐久性が良好である。
ランフラット耐久性(指数)=(供試タイヤの走行距離/比較例5又は7のタイヤの走行距離)×100
【0105】
<変性・未変性共役ジエン共重合体の製造>
(変性共役ジエン共重合体BR−a)
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g及び2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0285mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合体溶液を温度60℃に保ち、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを2.85mmol添加し、15分間反応させた後、重合体溶液を温度60℃に保ったままテトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン2.85mmol加え更に15分間撹拌し反応させた。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り、重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性共役ジエン共重合体BR−aを得た。
【0106】
(変性共役ジエン共重合体BR−b)
変性共役ジエン共重合体BR−aの製造において、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン2.85mmolの代わりに、2−エチルヘキサン酸スズ2.85mmolを用いた以外は、変性共役ジエン共重合体BR−aの製造と同様にして、変性共役ジエン共重合体BR−bを得た。
【0107】
(変性共役ジエン共重合体BR−c)
変性共役ジエン共重合体BR−aの製造において、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン2.85mmolの代わりに、トリス(ステアレート)アルミニウム2.85mmolを用いた以外は、変性共役ジエン共重合体BR−aの製造と同様にして、変性共役ジエン共重合体BR−cを得た。
【0108】
(変性共役ジエン共重合体BR−d)
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g及び2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0285mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合体溶液を温度60℃に保ち、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを2.85mmol添加し、30分間反応させた後、重合反応系に、1規定の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を少しずつ加え、pH10.5になった段階で、水をリチウム(Li)対比3倍のモル量加え、30分間撹拌した。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り、重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性共役ジエン共重合体BR−dを得た。
【0109】
(変性共役ジエン共重合体BR−e)
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g及び2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0285mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合体溶液を温度60℃に保ち、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを2.85mmol添加し、30分間反応させた。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り、重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性共役ジエン共重合体BR−eを得た。
【0110】
(未変性共役ジエン共重合体BR−f)
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g及び2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0285mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。この重合体溶液を2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3g含むメタノール溶液に抜き取り、重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、未変性共役ジエン共重合体BR−fを得た。
【0111】
<実施例1〜9及び比較例1〜8>
前記で得られた変性・未変性共役ジエン共重合体BR−a〜BR−fを用い、表1に示した配合にしたがって(配合1〜3を適宜選択)ゴム組成物を製造した。具体的には、前記配合処方により、バンバリーミキサーを用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、常法により加硫を行った。
【0112】
【表1】

【0113】
得られたゴム組成物について、アルコール揮発量及び加硫ゴム物性、Σtanδ(28〜150℃)を求めた。
次に、これらのゴム組成物をサイド補強層に配設して、それぞれタイヤサイズ215/45ZR17の乗用車用空気入りランフラットタイヤを常法に従って製造し、それらのタイヤについてランフラット耐久性を評価した。
これらの結果をまとめて表2、表3に示す。なお表2、表3において、有機架橋剤として記載されているI、II、IIIは、各々前記式(I)、式(II)、式(III)で表される化合物を示す。
【0114】
【表2】

【0115】
【表3】

【0116】
表2〜表3に示すように、実施例に係る特定の変性共役ジエン系重合体、カーボンブラック及び特定の有機架橋剤を含むゴム組成物は、混練り時にアルコールの揮発がなく、tanδのΣ値が比較的小さく、実際これらのゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いてなる空気入りタイヤでは、ランフラット走行時のタイヤの発熱が小さく、ランフラット耐久性を向上させ得ることが分かる。
一方、前記特定の変性共役ジエン系重合体、カーボンブラック及び特定の有機架橋剤の少なくともいずれかを使用していない比較例では、混練り時にアルコールの揮発が発生する場合があるだけでなく、いずれも十分なランフラット耐久性を得ることができない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)分子鎖末端が、下記一般式(1)で表される構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び下記一般式(2)で表される構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−2)の少なくともいずれかを含むゴム成分と、(B)該ゴム成分100質量部に対して10質量部以上100質量部以下の、チッ素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上100m2/g以下であるカーボンブラックと、(C)有機架橋剤と、を含有するゴム組成物。
【化1】

(式中、R1は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R2は炭素数1〜12のアルキレン基を示す。また(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。)
【化2】

(式中、R3は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R4は炭素数1〜12のアルキレン基、R5は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数2〜20のヒドロカルビルカルボキシル基、−OH基及び炭素数5〜20の1,3−ジカルボニル含有基のいずれかを示し、複数のR5はたがいに同一でも異なっていてもよい。MはTi、Sn、Al、Si及びBiのいずれかを示し、kは{(Mの価数)−2}であり、nは0または1である。また(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。)
【請求項2】
(A)活性末端を有する共役ジエン(共)重合体の該活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物を反応させて変性したのち、加水分解反応及び脱保護反応を行うことにより得られる下記一般式(1)で表される末端構造を有する変性共役ジエン(共)重合体(a−1)を含むゴム成分と、(B)該ゴム成分100質量部に対して10質量部以上100質量部以下の、チッ素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上100m2/g以下であるカーボンブラックと、(C)有機架橋剤と、を含有するゴム組成物。
【化3】

(式中、R1は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R2は炭素数1〜12のアルキレン基を示す。また(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。)
【請求項3】
(A)(a)活性末端を有する共役ジエン(共)重合体の該活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物を反応させて、変性を行う工程、(b)チタン系、スズ系、アルミニウム系、ケイ素系、ジルコニウム系及びビスマス系の中から選ばれる少なくとも一種の縮合促進剤の存在下、前記の2官能性ケイ素原子を含む化合物が関与する縮合反応を行う工程、及び(c)加水分解反応と脱保護反応とを行う工程を施すことにより得られる下記一般式(2)で表される変性共役ジエン(共)重合体(a−2)を含むゴム成分と、(B)該ゴム成分100質量部に対して10質量部以上100質量部以下の、チッ素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上100m2/g以下であるカーボンブラックと、(C)有機架橋剤と、を含有するゴム組成物。
【化4】

(式中、R3は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R4は炭素数1〜12のアルキレン基、R5は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数2〜20のヒドロカルビルカルボキシル基、−OH基及び炭素数5〜20の1,3−ジカルボニル含有基のいずれかを示し、複数のR5はたがいに同一でも異なっていてもよい。MはTi、Sn、Al、Si及びBiのいずれかを示し、kは{(Mの価数)−2}であり、nは0または1である。また(Polymer)−は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。)
【請求項4】
前記有機架橋剤が、下記一般式(3)乃至一般式(5)、式(I)及び式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【化5】

(式中、R18、R19、R20及びR21は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
【化6】

(式中、R22及びR23は、それぞれ独立に炭素数7〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基を示し、M1は2価以上の金属であり、nはM1の金属の原子価に等しい数である。)
【化7】

(式中、R24、R25、R26及びR27は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
【化8】

【化9】

【請求項5】
前記有機架橋剤が、下記式(I)、式(II)及び式(III)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【化10】

【化11】

【化12】

【請求項6】
前記活性末端を有する共役ジエン(共)重合体が、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし、共役ジエン化合物単独、または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合させて得られたものである請求項2〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項7】
前記2官能性ケイ素原子を含む化合物が、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2−エトキシメチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン及び3−(2,2,5,5−テトラメチル(1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン)−1−イル)プロピルメチルジエトキシシランの中から選ばれる少なくとも一種である請求項2〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項8】
前記(b)工程で用いられる縮合促進剤が、チタン、スズ及びアルミニウムから選ばれる金属のアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩、またはこれらの混合塩の中から選ばれる少なくとも一種である請求項3〜7のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項9】
前記(A)ゴム成分が、変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び変性共役ジエン(共)重合体(a−2)の少なくともいずれかを10質量%以上の割合で含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項10】
前記(A)ゴム成分が、変性共役ジエン(共)重合体(a−1)及び変性共役ジエン(共)重合体(a−2)の少なくともいずれかを50質量%以上の割合で含む請求項9に記載のゴム組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴム組成物を、トレッドゴム、サイドゴム、サイド補強ゴム及びビードフィラーゴムから選ばれる少なくとも一種として用いた請求項11に記載の空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2010−270176(P2010−270176A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120812(P2009−120812)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】