説明

ゴム組成物

【課題】 本発明の課題は、未加流時の粘着性と加流後のゴム組成物の機械的特性に優れる脂肪族/芳香族共重合石油樹脂組成物、及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】ジエン系ゴム成分、プロトンNMRスペクトルでオレフィン性二重結合水素面積比率が2〜11%である脂肪族/芳香族共重合石油樹脂及びヒンダードアミン化合物からなることを特徴とするゴム組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ用トレッド、タイヤ用サイドウォールなどに採用されるタイヤ用ゴム組成物に関する。特に、加硫前に良好な粘着性を有し、加硫後には高い機械的特性を有するゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ用途に用いられるゴム組成物は、様々な配合剤が用いられる。例えば、カーボンブラック(補強剤)、硫黄(弾力性、耐久性付与)、加硫促進剤、老化防止剤、粘着付与樹脂、オイルなどである。
【0003】
それら配合剤の一つである粘着付与樹脂は、ゴムに粘着性を与えることにより加工性を改良するもので、特に粘着性に乏しい合成ゴムにおいて重要である。その他に、タイヤ部材およびケースコードとの接着性を向上させ、また、タイヤ成形時の粘着性を向上させ、さらに優れた低空気透過性を付与するため(例えば、特許文献1参照)、高速車用タイヤトレッドのDRYグリップ性、耐チャンク性、耐熱ダレ性、作業性の向上のため(例えば、特許文献2参照)、また、耐カット性や耐チッピング性、耐摩耗性を改良するため(例えば、特許文献3参照)などでも粘着付与樹脂は使用される。これらの先行技術ではクマロン樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、ロジン誘導体等が単独でまたは任意に組み合わせて使用される。中でも経済性という観点からは石油樹脂が好んで用いられる。石油樹脂はC5留分から製造する脂肪族石油樹脂、C9留分から製造する芳香族石油樹脂、並びにジシクロペンタジエン系石油樹脂が単独または2種類以上を併用して用いられる。特に脂肪族石油樹脂は合成ゴムとの相溶性が良く、合成ゴムの未加硫物に優れたタックを与えると共に加工助剤としても働くため、重用される。また、芳香族石油樹脂はグリップ性能向上の観点から用いられる(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
このC5留分中には、樹脂の色相を悪化させゲルの生成を促進するシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン等の共役環状ジオレフィンが存在しているため、製造時並びに保管時にゲル状物質の発生や樹脂物性の経時変化を起こし、品質の低下が問題となってきた。そのため、一般的には、これらの樹脂物性に悪影響を与える共役環状ジオレフィンを二量化、蒸留により除去した留分から、脂肪族/芳香族共重合石油樹脂は製造されている(例えば、非特許文献1参照)。また、共役環状ジオレフィンの除去方法として、シクロペンタジエン類の高い反応性を利用して、無水マレイン酸、マレイン酸エステル等に代表されるα−不飽和カルボン酸、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体を添加し、化学反応により除去する方法も知られている(例えば、特許文献5参照)。しかし、上記の共役環状ジオレフィンを除去する製造方法では、その除去モノマーに相当する収率の低下を招き、生産性が低下して好ましくない。また、性能面でも共役環状ジオレフィン由来の樹脂の剛直性が低下し、軟化点の低下を招き、ブロッキングを起こし易くなる。
【0005】
そこで、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン等の共役環状ジオレフィンを原料に残したまま、重合して石油樹脂を製造する方法が検討されている。石油樹脂の経時劣化の原因が、樹脂中に存在する共役二重結合や第三級炭素などの化学構造部位の酸化であることから、酸化防止剤について数多くの検討がなされており、ラジカル補足作用を有するフェノール系酸化防止剤、過酸化物分解作用を有するリン系或いは硫黄系の酸化防止剤で効果が見出されている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、酸化防止剤は単独ではその効果が少なく添加量の増大を招き、複合化させる場合はプレブレンド等が必要となり、必ずしも経済的ではなかった。
【0006】
一方、石油樹脂にヒンダードアミン化合物を配合し、加熱安定性を改良する方法は既に提案されている(例えば、特許文献6参照)。しかし、ヒンダードアミン化合物を配合した石油樹脂をゴム組成物の原料にした場合については全く述べられていない。
【0007】
【特許文献1】特公3320004(第1頁)
【特許文献2】特開2002−155165(第1頁)
【特許文献3】特開2005−15601(第1頁)
【特許文献4】特開H5−9338(第1頁)
【特許文献5】特公昭43−21737号公報(第1頁)
【特許文献6】特開2006−028285(第1頁)
【非特許文献1】化学経済、1976年3月号(第69頁)
【非特許文献2】接着の技術 2000年 Vol20 No2 (第27頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、加硫前に良好なタックを有し、加硫後には高い機械的特性を有するゴム組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ジエン系ゴム成分、オレフィン性二重結合水素面積比率が特定の範囲にある脂肪族/芳香族共重合石油樹脂及びヒンダードアミン化合物からなるゴム組成物が、粘着性と機械的特性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、ジエン系ゴム成分、プロトンNMRスペクトルでオレフィン性二重結合水素面積比率が2〜11%である脂肪族/芳香族共重合石油樹脂及びヒンダードアミン化合物からなることを特徴とするゴム組成物に関するものである。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明におけるジエン系ゴム成分としては、炭素・炭素二重結合を有しているジエン系ゴム成分である限り制限はなく、天然ゴム(NR)または合成ゴムが挙げられ、該合成ゴムとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)やブタジエンゴム(BR)などが好ましい例として挙げられる。これらは単独で使用しても混合して使用しても良い。
【0013】
本発明における脂肪族/芳香族共重合石油樹脂は、プロトンNMRを測定した際に観測されるスペクトルで、4.5〜6.0ppmに観測されるオレフィン性二重結合性水素の面積比率が2〜11%の条件を満たすことが必要である。このオレフィン性二重結合性水素の面積百分率が11%を越える場合、ゴム組成物を混練する際に均一分散性に劣る。逆に、オレフィン性二重結合性水素の面積百分率が2%未満ではゴム組成物の加硫前の粘着性や加硫後の機械的特性が劣る。
【0014】
脂肪族/芳香族共重合石油樹脂における軟化点は60〜140℃が好ましく、特に90〜110℃が好ましい。また、重量平均分子量Mwは、500〜7000が好ましく、特に1500〜6500が好ましい。
【0015】
脂肪族/芳香族共重合石油樹脂は、石油類の熱分解により得られる沸点範囲が20〜110℃のC5留分と、同じく熱分解により得られる沸点範囲が140〜280℃のC9留分を混合して製造される脂肪族/芳香族共重合石油樹脂であることが好ましい。また、脂肪族/芳香族共重合石油樹脂は、シクロペンタジエン類含有率が20重量%以下であることが好ましい。
【0016】
C5留分を構成する成分としては、例えば2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロペンテンなどの炭素数4〜6のモノオレフィン性不飽和炭化水素類;イソプレン、ピペリレン等の炭素数4〜6の直鎖状ジエン類;シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンなどのシクロペンタジエン類;シクロペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサンなどの脂肪族系飽和炭化水素類が挙げられる。
【0017】
一方、C9留分を構成する成分としては、例えば、スチレン、そのアルキル誘導体であるα−メチルスチレンやβ−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン及びそのアルキル誘導体などの炭素数8〜10のビニル芳香族炭化水素類;ジシクロペンタジエン及びその誘導体などの環状不飽和炭化水素類;その他炭素数10以上のオレフィン類;炭素数9以上の飽和芳香族類などが挙げられる。
【0018】
脂肪族/芳香族共重合石油樹脂の製造における前記C5留分とC9留分の混合割合は、良好なロール加工性が得られることから、C5留分30〜90重量%、C9留分70〜10重量%の割合が好ましく、特に、C5留分50〜90重量%、C9留分50〜10重量%の割合がより好ましい。
【0019】
脂肪族/芳香族共重合石油樹脂の製造の際には、触媒を用いて重合することが好ましく、該触媒としては、一般的にフリーデルクラフツ型触媒が使用できる。より具体的には例えば三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素あるいはその錯体等が挙げられ、特に三フッ化ホウ素のフェノール錯体が好ましい。
【0020】
重合温度は20〜100℃が好ましく、特に好ましくは30〜80℃である。また、触媒量、重合時間は特に限定はなく、例えばC5留分とC9留分の合計に対して0.1〜2.0重量%の触媒を用いて、0.1〜10時間に範囲で重合することができる。反応系の圧力は大気圧以上又はそれ以下であってもよい。
【0021】
本発明におけるヒンダードアミン化合物としては、ヒンダードアミン化合物と称される範疇に属する化合物であれば制限なく用いることが可能であり、その中でも特に加工特性に優れるゴム組成物が得られることから、下記一般式で示されるヒンダードアミン化合物であることが好ましい。
【0022】
【化1】

ここで、一般式中のR1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基であり、R5は水素又は置換基を持っていても良い炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシ基である。R1〜R4は互いに同一であっても相違していても良く、炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等が挙げられ、その中でもメチル基が好ましい。R5の置換基を持っていても良い炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、例えばメチル基、オクチル基等が挙げられ、置換基を持っていても良い炭素数1〜8のアルコキシ基の具体例としては、例えばメトキシ基、オクトキシ基等が挙げられ、その中でも水素及びメチル基が好ましい。
【0023】
具体的な一般式一般式で示されるヒンダードアミンとしては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などが挙げられる。これらのヒンダードアミン化合物は分子量400〜4,000のものが知られており、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)として、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)や旭電化工業(株)で市販されているものが使用できる。
【0024】
本発明のゴム組成物におけるジエン系ゴム成分、脂肪族/芳香族共重合石油樹脂及びヒンダードアミン化合物の配合量は、加工特性、接着性及び機械特性に優れるゴム組成物が得られることからジエン系ゴム成分100重量部に対して、脂肪族/芳香族共重合石油樹脂98〜99.99重量%及びヒンダードアミン化合物2〜0.01重量%からなる石油樹脂組成物1〜15重量部を含有するゴム組成物とすることが好ましく、特に3〜10重量部を含有するゴム組成物とすることが好ましい。
【0025】
本発明のゴム組成物の製造方法としては、機械特性に優れたゴム組成物が得られることから、脂肪族/芳香族共重合石油樹脂とヒンダードアミン化合物を配合し石油樹脂組成物を得た後、ジエン系ゴム成分を配合することが好ましい。
【0026】
脂肪族/芳香族共重合石油樹脂とヒンダードアミン化合物を配合し石油樹脂組成物を得る際には、温度80〜250℃、攪拌回転数200〜500rpmで配合することができる。なお配合時には、酸素による溶融状態の脂肪族/芳香族共重合石油樹脂の酸化を防止するために、配合時の配合器内の酸素濃度が1000ppm以下であることが好ましく、中でも100ppm以下であることが、さらに10ppm以下であることが好ましい。
【0027】
得られた石油樹脂組成物とジエン系ゴム成分を配合することにより本発明のゴム組成物得られるものであり、その際の混練方法としては、例えば、練りロール機等の開放式混練機、バンバリーミキサー等の密閉式混練機等の混練機を用いることが可能であり、より詳細には、練りロール機を用いて温度60〜100℃で混練する方法を用いることができる。
【0028】
本発明のゴム組成物には、カーボンブラックを含有することが好ましく、該カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、20〜100重量部が好ましい。
【0029】
また、本発明のゴム組成物には、硫黄を始めとする架橋剤、加硫促進剤、シランカップリング剤や老化防止剤などの配合剤や、シリカなどの充填剤を加えても良い。
【0030】
さらに、本発明のゴム組成物は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、通常樹脂組成物に配合される添加剤として、例えばフェノール系抗酸化剤、リン系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ラクトン系抗酸化剤、紫外線吸収剤、顔料、炭酸カルシウム、ガラスビーズなどを配合しても良い。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関するものであり、タイヤに用いた場合に未加流時の粘着性と加流後の機械的特性に優れたゴム組成物である。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限を受けるものではない。尚、実施例、比較例において用いた原料樹脂、配合物、組成物の調整、分析、試験法は下記の通りである。
1.原料
(1)脂肪族/芳香族共重合石油樹脂組成物:製造例1〜7に記載した条件により製造した。
(2)ヒンダードアミン化合物:アデカスタブ光安定剤LA−77(旭電化工業(株)製、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート)
2.分析方法
(1)原料油の各成分の含有量:通常のガスクロマトグラフ法を用いて分析した。
(2)重量平均分子量:ポリスチレンを標準物質としゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。
(3)オレフィン性二重結合水素面積比率:脂肪族/芳香族共重合石油樹脂をクロロホルム−d(和光純薬工業(株)製)に溶解させ、核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GX270)を用い、温度25℃でプロトン核磁気共鳴分光(H−NMR)スペクトル分析を行い、下記の計算式に基づき面積比率を求めた。
【0033】
(4.5〜6.0ppmピーク面積)/(全ピーク面積の合計)×100
(4)軟化点:JIS K−2531(1960)(環球法)に準拠した方法で測定した。
3.試験方法
(1)粘着力の評価
未加流生地シートを500gfで30秒間圧着した後の粘着力をピックアップ式タックメーターで測定して評価した。
(2)硬さ、引張強さ、伸び、300%引張強さ及び引裂強さの評価
JIS K6301に準拠して測定評価した。
【0034】
製造例1
内容積2Lのガラス製オートクレーブに、表1に示した組成のC5留分200g(40重量%)、表2に示した組成のC9留分300g(60重量%)を仕込んだ。次に、窒素雰囲気下で35℃になるまで加温した後、フリーデルクラフツ型触媒として三フッ化ホウ素フェノール錯体(ステラケミファ(株)三フッ化ホウ素フェノール)をC5留分とC9留分の合計量に対して、0.8重量%加えて2時間重合した。その後、苛性ソーダ水溶液で触媒を除去し、油相の未反応油を蒸留して脂肪族/芳香族共重合石油樹脂を得た。
【0035】
更に、酸素濃度が2ppmの窒素気流下でこの脂肪族/芳香族共重合石油樹脂99.9重量%と、ヒンダードアミン化合物(旭電化工業製、商品名アデカスタブ光安定剤LA−77)0.1重量%を150℃、攪拌回転数300rpmの条件下で配合し、石油樹脂組成物Aを得た。石油樹脂組成物Aの物性、およびオレフィン性二重結合水素面積比率について、表3に示した。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

製造例2〜7
製造例1に記載の製造方法で、C5留分とC9留分の仕込み比率を表3とする以外は同様の方法で、石油樹脂組成物B,C,D,E、F及びGを得た。それぞれの物性、およびオレフィン性二重結合水素面積比率について、表3に示した。
【0039】
実施例1〜16、比較例1〜4
表4の組成にて、練りロール機を用いて80℃で混練し、ゴム組成物を得た。そしてこのゴム組成物の粘着力を測定した。その結果を表5に示す。なお、石油樹脂組成物Gは、オレフィン性二重結合水素面積比率が11.9%である脂肪族/芳香族石油樹脂を用いたことから、ゲルが多数発生し、ジエン系ゴム成分と均一に混合できなかった。
【0040】
次に、このゴム組成物をプレスにて150℃の温度にて加硫を行なった。加硫後の物性を表5に示す。
【0041】
実施例1〜16では、加硫前の接着力及び加硫後の伸びに優れたゴム組成物が得られた。
【0042】
比較例1、3では、オレフィン性二重結合水素面積比率が0.2%である脂肪族/芳香族共重合石油樹脂を用いたことから、得られるゴム組成物は接着性に劣るものであった。また、比較例2、4では、脂肪族/芳香族共重合石油樹脂を用いなかったことから、接着性及び伸びに劣るものであった。
【0043】
【表4】

【0044】
【表5】

比較例5
製造例1で得たヒンダードアミン化合物を添加しない脂肪族/芳香族共重合石油樹脂を用いた以外は実施例1と同様にゴム組成物の調製を行ったが、ロール加工性に劣り均一混合ができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴム成分、プロトンNMRスペクトルでオレフィン性二重結合水素面積比率が2〜11%である脂肪族/芳香族共重合石油樹脂及びヒンダードアミン化合物からなることを特徴とするゴム組成物。
【請求項2】
ジエン系ゴム成分100重量部に対して、脂肪族/芳香族共重合石油樹脂98〜99.99重量%及びヒンダードアミン化合物2〜0.01重量%からなる石油樹脂組成物1〜15重量部を含有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
さらに、カーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
ジエン系ゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックを20〜100重量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項5】
脂肪族/芳香族共重合石油樹脂が、石油類の熱分解により得られる沸点範囲が20〜110℃のC5留分30〜90重量%に、同じ熱分解により得られる沸点範囲が140〜280℃のC9留分を70〜10重量%の範囲であり、且つシクロペンタジエン類含有率が20重量%以下である脂肪族/芳香族共重合石油樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項6】
ヒンダードアミン化合物を配合する際の配合器内の酸素濃度が1000ppm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。

【公開番号】特開2009−108193(P2009−108193A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281923(P2007−281923)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】