説明

ゴム組成物

【課題】 ゴム中のシリカの分散性を向上させ、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性に優れるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することである。
【解決手段】 シリカ、及びゴムを必須成分とするゴム組成物であって、シリカが樹脂で被覆された樹脂被覆シリカであることを特徴とするゴム組成物であり、前記樹脂がフェノール樹脂であることが好ましい。さらに前記樹脂がシリカに対して、0.1〜50重量%であり、さらにシリカが、シランカップリング剤により表面処理されたシリカであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止のための二酸化炭素排出削減の観点から、自動車のさらなる燃費向上の要求が強まっている。タイヤは燃費に大きく影響する自動車部材の一つであり、タイヤトレッド部の転がり抵抗を低減させることにより燃費を改善する取り組みが活発に行なわれている。一方で、トレッド部は路面と接する唯一の部分であるため、転がり抵抗だけでなく、ウェット時の制動性能などの安全性についても考慮する必要がある。
これら転がり抵抗を低減させるトレッドの開発において、従来はカーボンブラックを主成分とした配合手法で行なわれていたが、特性を両立させるのが難しかった。そこでカーボンブラックの代わりにシリカを用いることで特性の両立が可能になることが明らかになり、シリカ配合が低燃費タイヤの主流として広く使用されている。
しかし、シリカ粒子の表面はシラノール基で覆われているため極性が高く、ゴムとの相溶性に劣る。また、ゴム中でシリカ同士がシラノール基を通して水素結合を生成するため、ゴム中への分散性が非常に悪い。そのため、通常はビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドに代表される官能基にスルフィド基を持ったカップリング剤が併用される。確かに、カップリング剤を併用することで相溶性や分散性は改善されたものの未だ十分とは言えず、さらにゴム練回数の増加やゴム練り温度の制限等、生産上の問題を有している。また、スルフィド系のカップリング剤は高価であることから高コストになる問題も併せ持っている。
そのため、分散性向上の手法として、ゴム、シリカおよびシランカップリング剤と、あらかじめ重量平均分子量800以下のポリエチレングリコール(以下、単に「PEG」ともいう)と混合してなる無機充填材とを含むゴム組成物が開発されている。(例えば、特許文献1参照。)しかし、本手法では未だ分散性が十分でなく、結果として得られる性能も十分でなかった。
【0003】
【特許文献1】特開平11−343366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ゴム中のシリカの分散性を向上させ、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性に優れるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的は、以下の本発明[1]〜[5]により達成される。
[1] (A)シリカ、及び(B)ゴムを必須成分とするゴム組成物であって、(A)シリカが(C)樹脂で被覆された樹脂被覆シリカであることを特徴とするゴム組成物。
[2] 前記(C)樹脂がフェノール樹脂である[1]項に記載のゴム組成物。
[3] 前記(C)樹脂が(A)シリカに対して、0.1〜50重量%である[1]又は[2]項に記載のゴム組成物。
[4] (A)シリカが、(D)シランカップリング剤により表面処理されたシリカである[1]ないし[3]項のいずれか1項に記載のゴム組成物。
[5] [1]ないし[4]項のいずれか1項に記載のゴム組成物をタイヤトレッド部に用いたタイヤ。
【発明の効果】
【0006】
本発明のゴム組成物を、タイヤトレッド部に用いた場合、ウェットグリップ性と低転がり抵抗性に優れるタイヤを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
まず、本発明のゴム組成物について説明する。
本発明のゴム組成物は、(A)シリカ、及び(B)ゴムを必須成分とするゴム組成物であって、(A)シリカが(C)樹脂で被覆された樹脂被覆シリカであることを特徴とする。
【0008】
本発明において用いる(A)シリカは特に制限はないが、チッ素吸着比表面積が50〜300m2/gであることが好ましい。50m2/g未満では補強性としての効果が小さくなる傾向がある。また、300m2/gをこえるとシリカの分散性が悪くなる傾向がある。市販されているシリカとしてはニップシールAQ(東ソー・シリカ(株)製)、トクシールU((株)トクヤマ製)などがあげられる。
【0009】
本発明において用いる(B)ゴムは特に制限はないが、たとえば天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、イソプレンブタジエンゴム(IBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。なかでも、ゴムの強度という点から、NR、SBR、IR、BR、NBRを用いるのが好ましく、さらに、グリップがよく、燃費がよいという点から、NR、SBR、BRを用いるのが特に好ましい。
【0010】
本発明において用いる(C)樹脂は特に制限はないが、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET樹脂、PBT樹脂などがあげられるが、ゴムとの密着性、相溶性や経済性の点から、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂が好ましく、補強性の点からフェノール樹脂を用いるのが特に好ましい。
【0011】
樹脂の付着量は、特に限定されるものではないが、シリカ100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部程度であり、好ましくは0.5〜15重量部程度である。
0.1重量部より少ない場合は、樹脂被覆シリカとゴムとの相溶性が低下するため好ましくなく、50重量部より多いとゴム組成物としてのコストが増大するため好ましくない。
【0012】
フェノール樹脂に用いるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール類、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール類、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール類、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、及び、1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類などが挙げられる。これらを単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
これらのフェノール類の中でも、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールAから選ばれるものが好ましい。これにより、本発明のフェノール樹脂組成物において、機械的強度を高めることができる。
【0013】
フェノール樹脂に用いるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
これらのアルデヒド類の中でも、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドから選ばれるものが好ましい。これにより、フェノール樹脂を合成する際の反応性を高くすることができる。
【0014】
フェノール樹脂に用いるフェノール樹脂の合成方法としては、例えば、ノボラック型であれば、上述したフェノール類、及びアルデヒド類を、酸性触媒の存在下で反応させた後、脱水工程により水を除去して得ることができ、レゾール型であれば、上述したフェノール類、及びアルデヒド類を、アルカリ性触媒の存在下で反応させることによって得ることができる。
【0015】
ノボラック型フェノール樹脂を合成する際に用いる酸性触媒としては、蓚酸、塩酸、硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸類、酢酸亜鉛等の金属塩類を単独または2種類以上併用して使用できる。
前記酸性触媒の使用量としては、フェノール類1モルに対して、通常、0.001〜0.05モルとすることができる。
【0016】
レゾール型フェノール樹脂を合成する際に用いるアルカリ性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、アンモニア水、トリエチルアミンなどの第3級アミン、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミンなどのアルカリ性物質等を単独または2種類以上併用することができる。
前記アルカリ性触媒の使用量としては特に限定されないが、フェノール類1モルに対して、通常、0.01〜0.1モルとすることができる。
【0017】
本発明に用いるフェノール樹脂の合成において、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比としては、フェノール類1モルに対して、アルデヒド類0.50〜3.00モルとすることが好ましい。さらに好ましくは、アルデヒド類0.55〜2.50モルであり、より好ましくは、アルデヒド類0.60〜2.10モルである。
【0018】
本発明に用いるフェノール樹脂は、各種変性剤により変性させることも可能である。変性剤としてはカシューオイル、桐油、トールオイルなどのオイル類やシリコーンゴム、アクリルゴム、ニトリルブタジエンゴムなどのゴム類などがあげられる。
【0019】
本発明に用いる(D)シランカップリング剤は特に制限はないが、たとえば3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等を単独または2種類以上併用することができる。
これらの中でも、3−アミノプロピルトリエトキシシランや3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランから選ばれるのが好ましい。これにより(A)シリカと(C)樹脂との密着性を向上させることができる。
【0020】
シランカップリング剤の付着量は、特に限定されるものではないが、シリカ100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部程度であり、好ましくは0.05〜5重量部程度であり、さらに好ましくは0.1〜3重量部程度である。
0.01重量部より少ない場合はゴムと反応するシランカップリング剤の量が少なすぎるため、カップリング効果が小さくなり好ましくなく、10重量部より多いとゴム組成物としてのコストが増大するため好ましくない。
【0021】
<樹脂被覆シリカの製造方法>
樹脂被覆シリカの製造方法としては、シランカップリング剤処理されたシリカと樹脂を加熱しながら混合する方法、有機溶剤に溶解した樹脂とシランカップリング剤処理されたシリカを混合して、有機溶剤を揮発させる方法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
ここに、混合機としては、ミキサー、ニーダー、ロール類などを挙げることができる。
【0022】
<ゴム組成物の製造方法>
本発明の製造方法は、必須成分である原料ゴムと、本発明の樹脂被覆シリカとを混練する工程を含む。なお、必要に応じて、原料ゴムおよび任意成分を予備混合した後に混練してもよい。
ここに、混練機としては、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール類などを挙げることができる。
【0023】
製造方法の一例を下記に示す。
(1)シランカップリング剤処理されたシリカと樹脂を、ミキサーやロールなどの混合機により混合して、樹脂被覆シリカを得る。
(2)原料ゴムと、樹脂被覆シリカと、任意成分(加硫剤および加硫促進剤を除く)とを、バンバリーミキサーなどの密閉式混練機により混練して、加硫系を含有していないゴム組成物を得る。ここに、混練条件(温度・時間)は混練機により異なる。
(3)上記(2)により得られたゴム組成物に、オープンロールなどのロール類を用いて加硫剤および加硫促進剤を添加し、再度混練して、加硫系を含有するゴム組成物を得る。
【0024】
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物をタイヤのトレッドに用いて、通常の方法により製造される。すなわち、前記ゴム組成物を未加硫の段階でタイヤのトレッド部の形状に押出し加工し、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り合わせて未加硫タイヤを成形する。該未加硫タイヤを加硫機中で加熱・加圧してタイヤを得ることができる。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
ここに記載されている「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を示す。
【0026】
(実施例1)
まず、ビーカーを用いて、アセトン250部、シランカップリング剤(Z−6011(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)東レ・ダウコーニング(株)製)2部、シリカ(ニップシールAQ、東ソー・シリカ(株)製)100部を混合し、均一に混ざるまで充分に撹拌した後、アセトンを除去し、カップリング剤処理を施したシリカを得た。
続いて、アセトン250部、カシュー変性フェノール樹脂(PR−12686、住友ベークライト(株)製)10部、カップリング処理シリカ100部を混合し、均一に混ざるまで充分に撹拌した後、アセトンを除去し、樹脂被覆シリカを得た。樹脂被覆シリカの配合を表1に示す。
ついで表2に示す配合割合にしたがって、まず、イオウ、加硫促進剤および硬化剤を除く成分をバンバリーミキサーを用いて150℃にまで加熱しながら3〜5分間混合し、ついで、得られた混合物とイオウ、加硫促進剤および硬化剤をオープンロールで混合して未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫のゴム組成物を170℃で15分間加硫することによって、加硫後の本発明のゴム組成物を得た。
【0027】
(実施例2)
実施例1において、シランカップリング剤をZ−6040(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、東レ・ダウコーニング(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様にゴム混練を行ない、加硫後の本発明のゴム組成物を得た。
【0028】
(実施例3)
実施例1において、カシュー変性フェノール樹脂(PR−12686、住友ベークライト(株)製)を未変性フェノール樹脂(PR−50235、住友ベークライト(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様にゴム混練を行ない、加硫後の本発明のゴム組成物を得た。
【0029】
(実施例4)
実施例1において、フェノール樹脂配合量を10部から3部に変えた以外は、実施例1と同様にゴム混練を行ない、加硫後の本発明のゴム組成物を得た。
【0030】
(実施例5)
実施例1において、シリカにカップリング剤処理を施さない以外は、実施例1と同様にゴム混練を行ない、加硫後の本発明のゴム組成物を得た。
【0031】
(実施例6)
実施例1において、カシュー変性フェノール樹脂をエポキシ樹脂(EOCN−104S、日本化薬(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様にゴム混練を行ない、加硫後の本発明のゴム組成物を得た。
【0032】
(比較例1)
樹脂被覆シリカを用いずに、表2に示す配合割合にしたがって、まず、イオウおよび加硫促進剤、硬化剤を除く成分を、バンバリーミキサーを用いて150℃にまで加熱しながら3〜5分間混合し、ついで、得られた混合物とイオウ、加硫促進剤および硬化剤をオープンロールで混合して未加硫のゴム組成物を得た。この未加硫のゴム組成物を170℃で15分間加硫することによって、加硫後の本発明のゴム組成物を得た。
【0033】
(比較例2)
比較例1において、フェノール樹脂と硬化剤(ヘキサミン)を配合から取り除いた以外は、比較例1と同様にゴム混練を行ない、加硫後の本発明のゴム組成物を得た。
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
<試験方法>
(1)ムーニー粘度
JIS K6300に準拠してムーニー粘度(125℃)を測定した。結果を、比較例2に係るゴム組成物について測定された粘度を100としたときの指数表示で表3に示す。
【0037】
(2)引張弾性率および伸び
得られた加硫ゴムシート( 厚さ2mm)の各々から試験片(ダンベル3号)を作製し、JIS K 6251に準拠し、引張速度=500 mm/分、測定温度=25℃の条件で引張試験を行って、引張弾性率および伸びを測定した。結果を表3 に示す。
【0038】
(3)損失正接(tanδ)
周波数10Hz、歪み2%で測定した。用いた装置は、動的粘弾性測定装置DMS6100(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)である。結果を表3に示す。0℃におけるtanδの値が大きいほどウェットグリップ性に優れており、60℃におけるtanδの値が小さいほど低転がり抵抗性に優れている。
【0039】
【表3】

【0040】
実施例1〜4はいずれも、本発明のゴム組成物であり、これらを用いたtanδの結果、比較例1、2と比較して、0℃におけるtanδは高く、60℃におけるtanδは低い結果であり、低転がり抵抗とウェットグリップ性が両立できていることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッドを形成するゴムとして使用され、特に、上記のようにウェットグリップ性能と低転がり抵抗性に優れるため、高性能タイヤのトレッドとして好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)シリカ、及び(B)ゴムを必須成分とするゴム組成物であって、(A)シリカが(C)樹脂で被覆された樹脂被覆シリカであることを特徴とするゴム組成物。
【請求項2】
前記(C)樹脂がフェノール樹脂である請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記(C)樹脂が(A)シリカに対して、0.1〜50重量%である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
(A)シリカが、(D)シランカップリング剤により表面処理されたシリカである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のゴム組成物をタイヤトレッド部に用いたタイヤ。

【公開番号】特開2010−83943(P2010−83943A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252748(P2008−252748)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】