説明

サイドガード付き傾斜ローラ型ベルトコンベヤ

物品を、それらの向きを変化させることなく、コンベヤの側部に沿って整列させるための整列コンベヤである。このコンベヤは、物品支持ローラを持つコンベヤベルトを有する。ローラは、ベルトが進行するにつれ、ベルト移動の方向に対し傾斜した方向に回転する。ローラは、物品をコンベヤの側部に向けて方向付けるものである。一連の板または回転可能な要素の配列によって形成されたサイドガードは、ベルトと共にベルト移動の方向に進行して、物品を受け取り、それらを接触時に回転させることなく整列させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[背景]
この発明は、動力駆動型コンベヤに関し、特にベルト移動の方向に対し傾斜して回転する物品支持ローラを持つコンベヤベルトを使用して、搬送される物品をコンベヤの側部に並進させるコンベヤに関する。
【0002】
ベルトの厚みを通して延び且つベルトの移動方向に対し傾斜した軸を支えとして回転するように配置された複数のローラを持つコンベヤベルトは、コンベヤで使用されて、物品をコンベヤの側部に沿って整列させる。傾斜したローラは、図5に示されているように、コンベヤベルト10を下から支持するベアリング面に乗って、ベルトが進行するときに、ローラ14上を搬送される物品12をベルトの側部16に向けて押す。矩形の物品の長辺18が先行しているときに、その物品は、静止サイドレール20に接触すると、物品とサイドレールとの間の摩擦によって、回転しようとする。この物品は、それ自身を、短辺19が先行した最も安定した姿勢に方位付ける。多くの応用において、全ての物品にとって重要なことは、長いエッジが先行した状態で搬送及び整列されることである。
【0003】
かくして、搬送される物品を、それらの向きを変化させることなく、整列させることができるベルトコンベヤに対する要求がある。
【0004】
[要約]
この要求及び他の要求は、この発明の特徴を具体化したコンベヤによって満たされる。このコンベヤは、ベルト移動の方向に進行するコンベヤベルトを有する。このコンベヤベルトは、その厚さを通して延びた複数のローラを持つ。これらのローラは、ベルト移動の方向に対し傾斜した方向に回転するように配置されている。このコンベヤベルトの下にあってローラと接触するベアリング面は、コンベヤベルトが進行するときにローラを回転させる。傾斜して方位付けされた回転するローラは、ローラ上を搬送される物品をコンベヤベルトの側部に向けて並進させる。コンベヤベルトの側部に沿って配設されてローラの上方を延びるサイドガードは、コンベヤベルトと共にベルト移動の方向に進行して、側部に向けて並進される搬送される物品を受ける。
【0005】
この発明の他の形態において、コンベヤは、ベルト移動の方向に進行するコンベヤベルトを備える。このベルトは、コンベヤベルトの対向する第1及び第2の側部に向けて横方向に延びる外面及び対向する内面を有する。このコンベヤベルトの複数のローラは、ベルト移動の方向に対し傾斜した複数の軸を支えとして回転するように配置されている。これらローラの突出部は、コンベヤベルトの外及び内面を超えて延びている。ローラの突出部に接触するベアリング面は、コンベヤベルトの内面を超えて延び、コンベヤベルトがベルト移動の方向に進行するときに、ローラをそれらの傾斜軸を支えとして回転させる。ローラの回転は、コンベヤベルトの外面を超えて延びるローラの突出部上を搬送される物品をコンベヤベルトの第1の側部に向けて方向付ける。第1の側部に沿ってコンベヤベルトの外面から起立したサイドガードは、ローラ上でコンベヤベルトの第1の側部に向けて方向付けられた物品を受ける。
【0006】
この発明の更に他の形態において、コンベヤは、コンベヤベルトがベルト移動の方向に進行するときに、ベルト移動の方向に対し傾斜した方向に回転可能な物品支持ローラを持つコンベヤベルトを備える。サイドガードは、ベルトの側部に沿ってコンベヤベルトから起立している。
【0007】
これらの特徴及び発明の形態は、その利点と同様に、以下の説明、添付された請求の範囲、及び添付図面を参照することによって、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の特徴を具体化したコンベヤの一部分の等角図であり、一連の板からなるサイドガードを有する。
【図2】この発明の特徴を具体化したもう1つのバージョンのコンベヤの一部分の等角図であり、複数の輪のスタックを持つサイドガードを有する。
【図3】図2のコンベヤの上部平面図、立側面図、及び立前面図を示す。
【図4】図2のコンベヤの一部分の等角図であり、コンベヤベルトが進行するときに、サイドガード輪を回転させるための垂直ベアリング面を更に示している。
【図5】静止サイドレールを持つコンベヤにおいて従来の手法で操作された傾斜ローラ型ベルトの上部平面図である。
【0009】
[詳細な説明]
この発明の特徴を具体化したコンベヤの1つのバージョンの一部分が図1に示されている。このコンベヤは、ベルト移動の方向24に駆動されるコンベヤベルト22を有する。ベルト内、例えば空洞27内に保持されているローラ26は、外側28及び内側29のベルト面を超えて延びている。外側の、即ち上部の、表面を超えて延びたローラの突出部は、ベルト上を搬送される物品を支持する。ベルトの内側の、即ち底部の、表面を超えて延びたローラの突出部は、ベルト下のローラベアリング面30上を転がる。ローラは、ベルト移動の方向に対し傾斜した軸32(例えばローラ内の穴を通して延びる軸芯によって規定される)を支えとして回転するように配置され、そしてベルトの本体内に維持されている。ベルトがベルト移動の方向に進行すると、ローラはそれらの軸を支えとして傾斜方向34に回転して、ローラ上を搬送される物品をベルトの側部36に向けて押す。ベルトの側部にあるサイドガード38は垂直な位置合わせ面40を与え、側部に向けて並進される物品は、これに接して整列される。この例では、ベルトは、一連のベルトモジュール42の列40からなるモジュール式のプラスチックコンベヤベルトである。これらの列は、隣接する先行及び後続列に対しヒンジ接合部44で結合されて、ベルトが駆動及びアイドルスプロケットを中心として節動すること、及び後屈することを可能にする(1つのヒンジ接合部は、隣接する列の噛合したヒンジアイのジャーナル内に1本のヒンジピンを入れることにより通常の手法によって形成されている)。サイドガードは、一連の個別板46によって構成されている。各板は、搬送される物品がローラによって方向付けられるベルト側部において列の外面から上向きに延びている。これらの板は、サイドガードに位置合わせ面40を与える。これらの板は、ベルトモジュールに対し機械的に取り付けられるか、あるいはそれらと一体的に成型される。サイドガードは、ベルトと共にベルト移動の方向に進行するので、サイドガードは、側部に並進される物品に対し、静止コンベヤ側部がなすよりも少ない摩擦で係合する。その結果、その長いエッジを先行させて搬送される矩形の物品は、ベルトの側部における整列構造と接触しても、回転しにくくなる。
【0010】
回転可能な要素、例えば輪52、の配列を与えるサイドガード50は、図2及び3のコンベヤに示されている。輪は、ベルトの側部36にコンベヤベルト22の長さに沿って離れて配置された柱54上に搭載され、そこに向けて物品支持ローラ26が物品を方向付ける。柱は、ベルトの外面28から上向きに直角に伸びている。輪は、柱を支えとして積み重ねられ、柱は、輪の中心孔を通して延びている。柱は、軸芯として機能し、それを支えとして、ベルトに面した輪の部分がベルト移動の方向に回転する。輪は、一方の側部にハブ56を持つ。ハブは、柱上の各スタックにおいて、大径の輪トレッド58を離隔することに使用される。連続した柱上の輪は、逆向きに積み重ねられる。偶数番目の柱には、トレッドよりも上のハブを伴って、輪が積み重ねられ、また奇数番目の柱には、トレッドよりも下のハブを伴って、輪が積み重ねられる。このことにより、複数の輪は、1つの配列内に接近して詰め込まれる。この場合、1つの柱上のトレッドは1つの隣接する柱上の輪のトレッドから垂直方向にオフセットされ、また互いに隣接する柱上の輪は、垂直に重なる。このようにして、輪の配列は、物品に対する低摩擦の整列面を形成する。図2及び3の輪は、並進される物品と接触したときに、自由に回転する。低摩擦のローリング係合は、サイドガードが、並進される物品を、それらを回転させることなく、受けることを可能にする。
【0011】
図4に示されているように、図2及び3のサイドガード50の輪は、垂直な輪ベアリング面62との接触によって、矢印60によって示されるように、回転させられる。ベルト22がベルト移動の方向24に進行すると、輪52のトレッドは、静止垂直ベアリング面上を転がる。このことにより、輪は、搬送される物品との接触点において、ベルト移動の方向に回転させられる。物品は、ベルトに対するベルト移動の方向の運動の成分を伴って、ベルトローラ26によって並進されており、しかも輪もベルト移動の方向に回転して物品と接触しているので、物品が回転しようとする如何なる傾向も消去される。
【0012】
この発明は、2〜3の好ましいバージョンに関して詳細に説明されてきたが、他のバージョンも可能である。例えば、図1のローラベアリング面を与える個別の線形摩耗ストリップは、図2〜4のように、単一のベアリング板によって、あるいはローリング接触してベルトローラに下から係合する支持ローラによって、置き換えることができる。もう1つの例として、説明されたサイドガードは、ベルトに取り付けられる。しかしながら、ベルトの側部においてベルト移動の方向に移動するが物理的にはベルトに取り付けられていないサイドガードもまた使用可能である。さらに他の例として、側壁内に保持されたローラボールは、回転可能な要素として、柱上の輪の代わりに使用され得る。そして、ベルトは、発明の説明に使用されたモジュール式ベルトに限らず、平坦なベルトでもよい。それ故、これら2〜3の例が示唆するように、請求の範囲は、好ましいバージョンに限定されることを意図されていない。
【符号の説明】
【0013】
10,22 コンベヤベルト
12 物品
14 ローラ
16 ベルトの側部
18 物品の長辺
19 短辺
20 静止サイドレール
24 ベルト移動の方向
26 ローラ
27 空洞
28 外側
29 内側
30 ローラベアリング面
32 軸
34 傾斜方向
36 ベルトの側部
38 サイドガード
40 垂直な位置合わせ面
42 モジュール
44 ヒンジ接合部
46 別板
50 サイドガード
52 輪
54 柱
56 ハブ
58 大径の輪トレッド
60 矢印
62 垂直な輪ベアリング面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルトと、ベアリング面と、サイドガードとを備えるコンベヤであって、
コンベヤベルトは、ベルト移動の方向に進行するものであり、そしてベルト移動の方向に対し傾斜した方向に回転するように配置された複数の、コンベヤベルトの厚さを通して延びたローラを持ち、
ベアリング面は、このコンベヤベルトの下にあってローラと接触し、そしてコンベヤベルトが進行するときにローラを回転させて、ローラ上を搬送される物品をコンベヤベルトの側部に向けて並進させるものであり、
サイドガードは、コンベヤベルトの側部に沿って配設され、そしてローラの上方を延び且つコンベヤベルトと共にベルト移動の方向に進行して、側部に向けて並進される搬送される物品を受けるものであることを特徴とするコンベヤ。
【請求項2】
サイドガードは、側部に沿ってコンベヤベルトから起立した一連の板を備える請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項3】
サイドガードは、ベルト移動の方向に回転可能な一連の回転可能な要素を備える請求項1または2に記載のコンベヤ。
【請求項4】
コンベヤベルトの側部に接近した第2のベアリング面を更に備え、回転可能な要素は、コンベヤベルトが進行するときに、第2のベアリング面との接触によって回転する請求項3に記載のコンベヤ。
【請求項5】
サイドガードは、コンベヤベルトに搭載された一連の輪を備え、これらはベルト移動の方向に直交して配設された複数の軸を支えとして回転する請求項1または2に記載のコンベヤ。
【請求項6】
サイドガードは、コンベヤベルトから起立した一連の柱と、各柱上に支えられて、その柱を中心として回転する1以上の輪とを備える請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項7】
コンベヤベルトと、ベアリング面と、サイドガードとを備えるコンベヤであって、
コンベヤベルトは、ベルト移動の方向に進行するものであり、そしてコンベヤベルトの対向する第1及び第2の側部に向けて横方向に延びる外面及び対向する内面と、ベルト移動の方向に対し傾斜した複数の軸を支えとして回転するように配置された複数のローラとを有し、これらローラは、コンベヤベルトの外及び内面を超えて延びる突出部を持ち、
ベアリング面は、コンベヤベルトの内面を超えて延びる突出部と接触し、そしてコンベヤベルトがベルト移動の方向に進行するときに、ローラをそれらの傾斜軸を支えとして回転させるもので、ローラの回転は、コンベヤベルトの外面を超えて延びる突出部上を搬送される物品をコンベヤベルトの第1の側部に向けて方向付けるものであり、
サイドガードは、第1の側部に沿ってコンベヤベルトの外面から起立し、ローラ上でコンベヤベルトの第1の側部に向けて方向付けられた物品を受けるものであることを特徴とするコンベヤ。
【請求項8】
サイドガードは、第1の側部に沿ってコンベヤベルトの外面から起立した一連の板を備える請求項7に記載のコンベヤ。
【請求項9】
サイドガードは、ベルト移動の方向に回転可能な一連の回転可能な要素を備える請求項7または8に記載のコンベヤ。
【請求項10】
コンベヤベルトの第1の側部に接近した第2のベアリング面を更に備え、回転可能な要素は、コンベヤベルトがベルト移動の方向に進行するときに、第2のベアリング面との接触によってベルト移動の方向に回転する請求項9に記載のコンベヤ。
【請求項11】
サイドガードは、コンベヤベルトに搭載された一連の輪を備え、これらはコンベヤベルトの外面に直交して配設された複数の軸を支えとして回転する請求項7または8に記載のコンベヤ。
【請求項12】
サイドガードは、
コンベヤベルトの外面から起立し、第1の側部に沿って離れて配置された一連の柱と、
各柱上に支えられ、その柱を中心として回転する1以上の輪と
を備える請求項7に記載のコンベヤ。
【請求項13】
前記輪は柱上に積み重ねられ、連続する柱上の輪は、互いに垂直方向にオフセットされている請求項12に記載のコンベヤ。
【請求項14】
連続する柱上の輪は、互いに垂直方向に重なり合う請求項12に記載のコンベヤ。
【請求項15】
コンベヤベルトと、サイドガードとを備えるコンベヤであって、
コンベヤベルトは、コンベヤベルトがベルト移動の方向に進行するときに、ベルト移動の方向に対し傾斜した方向に回転可能な物品支持ローラを持ち、
サイドガードは、コンベヤベルトの側部に沿ってコンベヤベルトから起立していることを特徴とするコンベヤ。
【請求項16】
サイドガードは、ベルト移動の方向に回転するように配置された回転可能な要素の配列を有する請求項15に記載のコンベヤ。
【請求項17】
コンベヤベルトの外側で回転可能な要素に接触する垂直ベアリング面を更に有して、コンベヤベルトが進行するときに、輪をベルト移動の方向に回転させる請求項15に記載のコンベヤ。
【請求項18】
コンベヤベルトは、一連のヒンジ結合されたベルトモジュールの列を有し、サイドガードは、コンベヤベルトの側部で各列に接続された起立した板を有する請求項15に記載のコンベヤ。
【請求項19】
コンベヤベルトは、一連のヒンジ結合されたベルトモジュールの列を有し、サイドガードは、各列の側部でコンベヤベルトから起立した少なくとも1つの柱と、各柱上に回転可能に搭載された少なくとも1つの輪とを有する請求項15に記載のコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−510944(P2010−510944A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539488(P2009−539488)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/085947
【国際公開番号】WO2008/067473
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(506152704)レイトラム リミテッド ライアビリティー カンパニー (21)
【氏名又は名称原語表記】LAITRAM,L.L.C.
【Fターム(参考)】