説明

サックパックのチェストクリップ

【課題】サックパックスタイルのシンプルさと実用性を兼ね備え、着用者の肩にストラップを保持する装置を提供する。
【解決手段】バックパックアセンブリ10は、着用者の背部に着用できる袋(パック)12、袋に係合され、着用者の胸部に延長するストラップ20、ストラップ保持具30とから構成される。ストラップ保持具は、第1の側部に閉ループと、第2の側部に開ループとを有する。第1のサイドストラップは閉ループ内にスライド自在に保持され、第2のサイドストラップは開ループ内にスライド自在に保持される。閉ループは第2のサイドストラップの挿入および取り外しを可能とする側部開口部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサックパックに関し、特にサックパックの保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な形状およびスタイルのキャリングバッグが存在する。一般にバックパックと呼ばれる背負うスタイルのキャリングバッグは、使用者が肩および背部の両方にバッグの重量を分配させることが可能なため、いくつかの用途に有用である。その上、使用者はバックパックを携帯しながら、両手を自由に使うこともできる。
【0003】
バックパックはまた、様々な形態のものがある。ハイキングおよびキャンプ旅行に用いられるトレッキングバックパックは、炭素繊維またはアルミニウムから作られている内部または外部フレームを含み、100リットルの容量を有し、着用者の胸、ウエスト、および腰に渡る追加のストラップを含み、このストラップは重量を配分し、空の状態で8ポンドの重量がある。日常使用するものとしては、トレッキングバックパックは不必要に大きくてかさばり、ユーザの要求を満足させるものはより小さくシンプルなバックパックである。例えば、少数の軽量な物品を運ぶためには、およそ8リットルの容量で2〜3オンスのシンチサック(cinch sack)、またはサックパック(sack pack)(また引きひもバックパック(drawstring backpack)とも呼ばれる)で十分である。引きひもバックパックは、引きひもとして当該バッグの頂部の開口部を制御するため2重になっているストラップを有するように設計されている。このデザインにより、アセンブリにはわずか単一の袋(サック)と2つの引きひもを必要とするだけのため簡素化が可能となり、結果的に前記引きひもバックパックの製造コストは比較的低く抑えられる。
【0004】
サックパックのシンプルさ、および少数の軽量物品を運ぶそれらの典型的な使用方法のため、前記ストラップが使用者の肩から滑り落ちる傾向がある。上記に鑑みて、バックパックのサックパックスタイルのシンプルさと実用性を兼ね備えながら、使用者の肩に前記ストラップを保持する装置をサックパックに提供することは有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の1実施形態によれば、着用者の背部に着用できるように構成された袋(パック)と、前記袋に係合され、前記着用者の胸部に延長するように構成されたストラップであって、少なくとも1つの第1のサイドストラップと少なくとも1つの第2のサイドストラップとを含むものである、前記ストラップとを含むバックパックアセンブリが提供される。前記バックパックアセンブリはまた、ストラップ保持具であって、当該ストラップ保持具の第1の側部に設けられた閉ループを含み、前記少なくとも1つの第1のサイドストラップは前記閉ループ内にスライド自在に保持されるものである、前記ストラップ保持具を含む。前記ストラップ保持具はまた、当該ストラップ保持具の第2の側部に開ループを有し、当該開ループは前記少なくとも1つの第2のサイドストラップがスライド自在に保持されるように構成されている。前記開ループは、前記少なくとも1つの第2のサイドストラップの挿入および取外しを可能とする側部開口部を有する。
【0006】
開示の別の実施形態によれば、着用者の背部に着用できるように構成された袋と、前記袋に係合された紐とを含むバックパックアセンブリが提供される。前記紐は、着用者の胸部に延長するように構成され、引き紐として前記袋に配置される。前記バックパックはまた、前記紐がスライド自在に係合されるように構成された第1の紐保持部と、前記紐がスライド自在に係合されるように構成され、当該第1の紐保持部に対向する第2の紐保持部とを有する紐保持具を含む。
【0007】
開示の更に別の実施形態によれば、着用者の背部に着用できるように構成された袋と、前記袋に係合されたストラップと、チェストクリップ(sternum clip)とを含むバックパックアセンブリが提供される。前記ストラップは、前記着用者の胸部に延長するように構成され、引き紐として前記袋に配置される。前記チェストクリップは、後部と、前記後部に接触する第1の折曲部を有する第1の側部と、前記後部に接触しない第2の折曲部を有する第2の側部と、前記第2の折曲部と前記後部との間に形成される開口部とを含む。前記開口部は、前記ストラップが通過するように構成されている。
【0008】
上述の特徴および利点、並びにその他のことは、以下の詳細な記載および添付の図面を参照することにより当業者にとってより容易に明らかになるであろう。1若しくはそれ以上の様々な有利な特徴を提供するもたらされる記事を提供することが望ましいであろうが、本明細書に記載の教示は、1若しくはそれ以上の上述の利点を達成するか否かに関わらず、添付の特許請求の範囲の範囲内に属する実施形態にまで及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ストラップの1つに取り付けられたチェストクリップを含むバックパックアセンブリを示す。
【図2】図2は、引き紐を備えた図1のバックパックアセンブリを示す。
【図3】図3は、図1のチェストクリップの正面図を示す。
【図4】図4は、図1のチェストクリップの側面図を示す。
【図5】図5は、使用時の非結合位置にある図1のチェストクリップを示す。
【図6】図6は、使用時の結合位置にある図1のチェストクリップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜図5を参照すると、使用者によって着用または背負われるバックパックアセンブリ10が示されている。前記バックパックアセンブリ10は、使用者の背部に着用または背負われるものである。前記バックパックアセンブリ10は、使用者の持ち物を保持する袋(パック)12と、前記袋12に係合され、且つ前記バックパックの使用時には使用者の肩に延長するように設計および必要な寸法に形成された2つのストラップ20とを含む。前記バックパックアセンブリ10はまた、前記ストラップ20にスライド自在に取り付けられるチェストクリップ30を含む。前記バックパックアセンブリ10の使用時に、前記使用者は前記ストラップ20を肩に着用し、前記チェストクリップ30によって前記ストラップ20を使用者の胸骨あたりで互いに近づけて保持する。
【0011】
前記袋12は任意の数の異なる形状で提供される。前記袋12の1つの例示的な形状が図1に示されている。前記袋12は、底部14で閉鎖される本体部13と、頂部16の開口部17とを含む。前記開口部17は引き紐によって閉鎖される。典型的には、前記ストラップ20は、引き紐として機能することにより、前記ストラップ20を引っ張ると、前記袋12の頂部16で前記開口部17が締め付けられて閉じる。このようなタイプの袋12は、「サックパック」または「シンチサック」として一般に知られている。しかしながら、前記袋12が任意の数の異なる形状で提供される袋(バッグ)であってもよいことは認識されるであろう。
【0012】
前記ストラップ20は前記袋12に係合され、使用者の胸部に延長するように構成されている。前記ストラップ20は前記袋12の底部14に係合されており、前記袋12の頂部16に延長している。前記袋12の頂部16において、前記ストラップ20は、前記ストラップ20が前記バックパックアセンブリ10に向かって引っ張られると、前記バックパックアセンブリ10に提供された引き紐が前記開口部17を締めるような方法で前記袋12に係合される。例えば、図2に示すように、前記ストラップは前記袋の開口部17の周囲に沿って形成されたチャネル50を通って延長する。このような配置により、前記バックパックアセンブリがサックパックとして使用されることを可能にし、これにより前記ストラップ20が引き寄せられると、前記袋12の開口部17が閉じる。しかしながら、他の実施の形態において、前記バックパックアセンブリ10の使用時に前記ストラップ20が使用者の肩に着用されることが可能なあらゆる方法で、前記ストラップ20が前記袋12の底部14および頂部16に係合されるような前記ストラップ20の異なる構成があることは認識されるであろう。
【0013】
前記ストラップ20は多数の異なる形状で提供される。例えば、前記ストラップ20は糸のような細い紐または通常の紐の形状であってもよい。前記ストラップ20は可撓性のある任意の形状であり、前記バッグの底部14に係合されることが可能であり、且つ前記袋12の頂部16で引き紐として機能することが可能である。1実施形態において、前記ストラップ20は、例えばエラステイン(またはスパンデックス)繊維などの弾性要素を有する材料から作製される。これにより前記ストラップ20は長手方向に伸長して、使用者および前記袋12に必要なものをより良く提供することが可能となる。
【0014】
前記チェストクリップ30は、前記ストラップ20にスライド自在に係合されているため、前記バックパックアセンブリ10の使用時に使用者の胸骨の上に配置するようにできる。換言すれば、使用時前記チェストクリップ30は、前記ストラップ20が互いに接近して、使用者の胸の上または近くに配置された状態になるように前記ストラップ20を保持する。このように、前記チェストクリップ30はまた、「ストラップ保持具」または「紐保持具」と呼ばれる。
【0015】
図3〜4でより詳細に示すように、前記チェストクリップ30は内面40、外面41、第1の側部32、第2の側部34、および中心部42を含む単一構成要素として提供される。前記チェストクリップ30の第1の側部32は、前記袋12の片側からの前記ストラップ20を保持するように構成されている。前記チェストクリップ30の第2の側部34は、前記袋12の反対側からの前記ストラップ20を保持するように構成されている。前記中心部42は、前記チェストクリップ30の第1の側部32および第2の側部34の間の位置に置かれる略矩形状板部材である。正面図から、前記チェストクリップ30の第1の側部32および第2の側部34は、前記中心部42より外側に向かって幅広になっている。
【0016】
前記チェストクリップ30の第1の側部32および第2の側部34は、前記チェストクリップ30の中心部42から延長するウイング60を含む。各ウイング60は、後部62と、湾曲部64と、前部66とを含む。前記後部62は、前記チェストクリップ30の中心部42から横方向へ延出する板状部材である。前記後部62は前記湾曲部64に合流した一体化形状となっている。前記湾曲部64は、約180?湾曲する前記ウイング60において曲げを形成する。前記前部66は、前記湾曲部64から延出し、且つ前記チェストクリップ30の中心部42に向けて延出するC型バンドとして形成される(前記前部66のC型形状は、図3で見られる。)前記前部66は概して円弧状バンドであり、前記湾曲部64に結合された前記円弧状バンドの端部68と、前記チェストクリップ30の中心部42に近接した位置に置かれた前記円弧状バンドの頂上部70を有する。前記前部66は概して円弧状であるため、腹面部の中心にウィンドウ72(図3に図示)が形成されている。前記ウィンドウ72は、前記チェストクリップを正面から(例えば、図3で図示する眺めで)見た場合、前記チェストクリップ30の側部32、34において内面40が露出される。
【0017】
これから特に図4を参照して、前記チェストクリップ30の第1の側部32に設けられた前記ウィング60と、前記チェストクリップ30の第2の側部34に設けられた前記ウィング60との構成は異なっている。前記チェストクリップ30の第1の側部32に設けられた前記ウィング60は、前記袋12の片側からの前記ストラップ20を取り囲むように構成される閉ループ36を形成する。特に、前記第1の側部32に設けられた前記ウイング60の前部66は、前記中心部42の近くで前記チェストクリップ30のウイング60の後部62に結合する。このように、前記チェストクリップ30の第1の側部32に設けられた前記ウイング60の後部62、湾曲部64、および前部66によって、閉ループ36が形成される。この閉ループ36は、前記チェストクリップ30に、第1の軸線80(図3に図示)に沿って画成される第1の通路35を形成する。前記第1の通路35は、前記ストラップ20を受け入れ、且つ前記ストラップ20が当該第1の通路35内でスライド可能である十分なサイズである。しかしながら、前記第1の通路35は、前記ストラップ20が前記閉ループ36の外部への通過を可能とするいかなる側部開口部(すなわち、前記第1の軸線80に垂直な方向の開口部)も含まない。このように、前記ストラップ20が前記第1の通路35内でスライドするとき、前記チェストクリップ30は前記ストラップ20に係合されたままである。前記チェストクリップ30の第1の側部32が前記ストラップ20に沿って移動可能であるが、前記ストラップ20の両端が前記袋12に係合されている場合、前記ストラップは前記チェストクリップ30へ挿入されたり取り外したりできない。前記第1の通路35を形成する前記閉ループ36はまた、本明細書において「第1のストラップ係合部」または「第1のストラップ保持部」と呼ばれる。
【0018】
前記チェストクリップ30の第2の側部34に設けられたウイング60は、前記袋12の反対側から前記ストラップ20を係合するように構成される開ループ38を形成する。特に、前記第2の側部34に設けられた前記ウイング60の前部66は、前記中心部42の近辺において前記チェストクリップ30のウイング60の後部62には結合されず、前記第2の側部34の前部66と後部62との間に開口部55が維持される。このように、前記チェストクリップ30の第2の側部34に設けられた前記ウィング60の後部62、湾曲部64、および前部66によって、開ループ38が形成される。この開ループ38は、前記チェストクリップ30に、第2の軸線82(図3に図示)に沿って画成される第2の通路37を形成する。前記第2の通路37は、前記ストラップ20を受け入れ、且つ前記ストラップ20が前記第2の通路37内でスライド可能である十分なサイズである。加えて、第2の通路37は、前記ストラップ20が前記開ループ38の外部への通過を可能とする、前記第2の軸線82に垂直な方向の開口部55を含む。前記開口部55は、前記ストラップ20の幅よりも概して小さい寸法を有している。従って、前記ストラップ20は、当該ストラップを前記開口部55を介して前記第2の通路37の中に押し込むため僅かに圧縮される。このように、前記ストラップ20が前記第2の通路37内でスライドするとき、前記チェストクリップ30の第2の側部34は前記ストラップ22に係合されたままである。加えて、前記チェストクリップ30の第2の側部34は前記ストラップ20に沿って移動可能であり、前記ストラップ20は、当該ストラップ20の両端部が前記袋12に結合されたままである間、前記開口部55を通して前記チェストクリップ30へ挿入したり取り外したりすることができる。前記第2の通路37を形成する前記開ループ38はまた、本明細書において「第2のストラップ係合部」または「第2のストラップ保持部」と呼ばれる。
【0019】
図3〜4に開示さる実施形態の前記チェストクリップ30は、「蝶ネクタイ」形状であると見なされる。言い換えると、前記クリップ30はより狭い中心領域(すなわち、中心部42)と、当該中心領域から外側に延出するより幅広い端部(すなわち、前記第1の側部32および前記第2の側部34)とを有している。前記蝶ネクタイ形状クリップ30の第1の側部32は、集合的に「第1の折曲部」と呼ばれる前記湾曲部64と前記前部66とを含む。前記第1の折曲部は、前記チェストクリップ30の内面40を約180°回転させ、前記内面40が前記中心部42の近くの交点69でそれ自体に結合するまで前記中心部42へ後方に向かう角度で移動される。結果的に、前記第1の側部32に備わる前記内面40は、前記前部66に備わる前記内面40が実際に前記後部62に備わる前記内面40に結合するような閉ループ36になる。前述したように、この結合によって形成される閉ループ36は、前記チェストクリップ30の第1の側部32に第1の通路35を形成し、この第1の通路は前記ストラップ20を受け入れて、前記ストラップ20が前記閉ループを介してスライド可能なように構成される。前記チェストクリップ30の第1の側部32に備わる前記ストラップ20は前記閉鎖された第1の通路35内にスライド自在に保持されるが、前記前部66と前記後部62との間の接触のため、前記ストラップ20は前記チェストクリップ30の第1の側部32に設けられた前記閉鎖された第1の通路35へ挿入されたり取り外したりできない。
【0020】
前記蝶ネクタイ形状クリップ30の第2の側部34は、集合的に「第2の折曲部」と呼ばれる前記湾曲部64と前記前部66とを含む。この第2の折曲部は前記チェストクリップ30の内面40を約180°回転させ、前記中心部40へ後方に向かう角度で移動させるが、前記内面40はそれ自体に結合しない。その代わり、前記第2の折曲部は側部開口部55(図4に図示)を含む。結果的に、前記第2の側部34に備わる前記内面40は、前記前部66に備わる前記内面40が前記後部62に備わる前記内面40に結合しないような開ループ38になる。前述したように、この配置によって形成される前記開ループ38は、前記チェストクリップ30の第2の側部34に第2の通路37を形成し、この第2の通路は前記ストラップ20を受け入れて、前記ストラップ20が前記開ループを介してスライド可能なように構成される。前記チェストクリップ30の第2の側部34に備わる前記ストラップ20は、前記第2の通路37内にスライド自在に保持され、前記第2の折曲部と前記表面40との間の前記開口部55を介して前記チェストクリップ30の第2の側部34に設けられた前記第2の通路37に挿入させたり取り外したりできる。
【0021】
図4に示すように、前記第2の折曲部は前記表面40から離れるように広がるリップ部90を含み、このリップ部は前記ストラップ20を前記開口部55を介して案内するのを助ける。その上、前記表面40は僅かに凸状であり、これにより前記中心部42が前記第1の側部32および前記第2の側部34の最も低い部分と同一の平面に位置しないようになっている。
【0022】
前記チェストクリップ30は多数の異なる方法で形成される。例えば、前記第1の側部32、前記第2の側部34、および前記中心部42は、取り外しができない構成要素とともに単一成形品として形成される。前記クリップ30は、当技術分野で周知の様々な材料のうちの任意の材料(例えば、PVCまたはその他のポリマー)を使用して、当技術分野で周知の様々な方法のうちの任意の方法(例えば、射出成形)によって形成される。1代替実施形態において、前記第1の側部32および前記第2の側部34は単一品として提供されず、その代わり前記第1の側部32または前記第2の側部34は前記中心部42から取り外し可能であって、別個の成形品として形成される。前記第1の側部32または前記第2の側部34が別個の成形品として形成される場合、前記チェストクリップ30の中心部42は前記別個の構成要素を着脱可能に結合するように構成される接合具または接合部を含むであろう。前記中心部42は、当該中心部が前記第1の側部32を前記第2の側部34に確実に結合させ、ひいては前記閉ループ36を前記開ループ38に確実に結合させることが可能な任意の方法で作製される。1実施形態において、前記中心部42は比較的可撓性がありかつ弾力的であり、使用中にいくらかの弾性コンプライアンスおよび快適さを提供する。別の実施形態において、前記中心部42は、前記開口部55により隙間を提供することによって前記ストラップ20を前記第2の側部34に挿入したり取り外したりするのを促進するように曲げることが可能である。
【0023】
使用に際して、前記バックパックアセンブリ10の使用者が前記ストラップ20の中に腕を通して、背部に前記袋12が配置される。前記使用者は今図5に示すような非結合位置の前記バックパックアセンブリ10を有している。前記ストラップ20は前記チェストクリップ30の第1の側部32に設けられた前記閉ループ36内にスライド自在に保持され、前記チェストクリップ30の第2の側部34に設けられた前記開ループ38内の開口部55の中に挿入されない。前記使用者は次に、前記開ループ38に設けられた前記開口部55を介して前記ストラップ20を挿入し、これにより前記バックパックアセンブリ10は図6に示すような結合位置にある。前記ストラップ20は、前記チェストクリップ30の第1の側部32に設けられた前記閉ループ36内および前記チェストクリップ30の第2の側部34に設けられた開ループ38内にスライド自在に保持される。前記使用者はこれで前記ストラップ20が肩から滑り落ちることを心配しないでバックパックアセンブリ10を着用することができ、持ち物をハンズフリーで運ぶことができるようになる。
【0024】
前記サックパック・チェストクリップの1若しくはそれ以上の実施形態の上述の詳細な記載が、本明細書において限定ではなく実施例のみを手段として説明されてきた。本明細書に記載されたその他の特徴および機能を組み込まないで得られる、本明細書に記載される特定の個々の特徴および機能の利点が存在することは認識されるであろう。更に、上記で開示された実施形態の様々な代替手段、修正、変更、改善、並びにその他の特徴および機能、またはそれらの代替は、多くの他の異なる実施形態、システム、および適用に望ましい方法で組み合わされる。本明細書の現在予見できないまたは予期できない代替手段、修正、変更、または改善は当業者によってその後実行されるものであり、それはまた添付の特許請求の範囲によって包含されることを目的としている。従って、あらゆる添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲は、本明細書に含くまれる実施形態の記載に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックパックアセンブリであって、
着用者の背部に着用できるように構成された袋(パック)と、
前記袋に係合され、前記着用者の胸部に延長するように構成されたストラップであって、少なくとも1つの第1のサイドストラップと少なくとも1つの第2のサイドストラップとを含むものである、前記ストラップと、
ストラップ保持具であって、
前記ストラップ保持具の第1の側部に設けられた閉ループであって、前記少なくとも1つの第1のサイドストラップは当該閉ループ内にスライド自在に保持されるものである、前記閉ループと、
前記ストラップ保持具の第2の側部に設けられた開ループであって、当該開ループは前記少なくとも1つの第2のサイドストラップをスライド自在に保持するように構成され、且つ前記少なくとも1つの第2のサイドストラップの挿入および取外しを可能とする側部開口部を含むものである、前記開ループと
を有する前記ストラップ保持具と
を有するバックパックアセンブリ。
【請求項2】
請求項1記載のバックパックアセンブリにおいて、前記ストラップは、弾性要素を有する紐であるバックパックアセンブリ。
【請求項3】
請求項1記載のバックパックアセンブリにおいて、前記ストラップ保持具は、さらに、内面と外面とを含み、前記閉ループは、前記内面が当該閉ループと結合する結合点を有する折曲部を含み、前記開ループは、前記内面が当該開ループと結合する結合点を有さない折曲部を含むものであるバックパックアセンブリ。
【請求項4】
請求項1記載のバックパックアセンブリにおいて、前記ストラップ保持具は単一成形品であるバックパックアセンブリ。
【請求項5】
請求項1記載のバックパックアセンブリにおいて、前記ストラップ保持具は中心部をさらに含み、前記閉ループおよび前記開ループは単一成形品であり、前記中心部により前記閉ループは前記開ループに連結されるものであるバックパックアセンブリ。
【請求項6】
請求項1記載のバックパックアセンブリにおいて、前記閉ループは後部と、前部と、当該前部と当該後部の間に位置する湾曲部とを含み、前記前部は前記後部に結合しているものであるバックパックアセンブリ。
【請求項7】
請求項1記載のバックパックアセンブリにおいて、前記開ループは後部と、前部と、当該前部と当該後部との間に位置する湾曲部とを含み、前記前部は前記後部に結合していないものであるバックパックアセンブリ。
【請求項8】
バックパックアセンブリであって、
着用者の背部に着用できるように構成された袋と、
前記袋に係合され、前記着用者の胸部に延長するように構成された紐であって、引き紐として前記袋に配置されるものである、前記紐と、
紐保持具であって、
前記紐にスライド自在に係合するように構成された第1の紐保持部と、
前記紐にスライド自在に係合するように構成され、前記第1の紐保持部に対向する第2の紐保持部と
を含むものである、前記紐保持具と
を有するバックパックアセンブリ。
【請求項9】
請求項8記載のバックパックアセンブリにおいて、
前記第1の紐保持部は、前記紐を取り囲むように構成された閉ループを含み、
前記第2の紐保持部は、前記紐の挿入および取外しを可能とする開ループを含むものであるバックパックアセンブリ。
【請求項10】
請求項8記載のバックパックアセンブリにおいて、前記紐保持具は単一成形品であるバックパックアセンブリ。
【請求項11】
請求項9記載のバックパックアセンブリにおいて、さらに、
前記閉ループと前記開ループとの間に位置する中心部を有し、前記閉ループおよび前記開ループは前記中心部より外側に向かって幅広になっており、これにより前記紐保持具は蝶ネクタイ形状を有するものであるバックパックアセンブリ。
【請求項12】
請求項9記載のバックパックアセンブリにおいて、前記第2の紐保持部は、前記紐を前記開ループ内に案内するリップ部を含むものであるバックパックアセンブリ。
【請求項13】
請求項9記載のバックパックアセンブリにおいて、前記閉ループは後部と、前部と、当該前部と当該後部との間に位置する湾曲部とを含み、前記前部は前記後部に結合しているものであるバックパックアセンブリ。
【請求項14】
請求項9記載のバックパックアセンブリにおいて、前記開ループは後部と、前部と、当該前部と当該後部との間に位置する湾曲部とを含み、前記前部は前記後部に結合していないものであるバックパックアセンブリ。
【請求項15】
バックパックアセンブリであって、
着用者の背部に着用できるように構成された袋と、
前記袋に係合され、前記着用者の胸部に延長するように構成されたストラップであって、引き紐として前記袋に配置される前記ストラップと、
前記ストラップを保持するチェストクリップ(sternum clip)であって、
後部と、
前記後部に接触する第1の折曲部を有する第1の側部と、
前記後部に接触しない第2の折曲部を有する第2の側部と、
前記後部と前記第2の折曲部との間に形成された開口部であって、前記ストラップは当該開口部を通過するように構成されているものである、前記開口部と
を有する前記チェストクリップと
を有するバックパックアセンブリ。
【請求項16】
請求項15記載のバックパックアセンブリにおいて、前記第2の折曲部は、前記後部から離れる方向に延出し、前記ストラップを前記開口部を介して案内するように構成されたリップ部を含むものであるバックパックアセンブリ。
【請求項17】
請求項15記載のバックパックアセンブリにおいて、前記後部はわずかに凸状であるバックパックアセンブリ。
【請求項18】
請求項15記載のバックパックアセンブリにおいて、前記第1の折曲部は閉ループを形成し、前記第2の折曲部は開ループを形成するものであるバックパックアセンブリ。
【請求項19】
請求項15記載のバックパックアセンブリにおいて、前記後部は中心部を含み、前記後部は、前記中心部においてよりも前記第1の側部および前記第2の側部においてより幅広であり、これにより前記後部は蝶ネクタイ形状となるバックパックアセンブリ。
【請求項20】
請求項15記載のバックパックアセンブリにおいて、前記ストラップは、弾性要素を含む材料から作製されるものであるバックパックアセンブリ。
【請求項21】
請求項15記載のバックパックアセンブリにおいて、前記閉ループは、前部と、当該前部と前記後部との間に位置する湾曲部とを含み、前記前部は前記後部に結合しているものであるバックパックアセンブリ。
【請求項22】
請求項15記載のバックパックアセンブリにおいて、前記開ループは、前部と、当該前部と前記後部との間に位置する湾曲部とを含み、前記前部は前記後部に結合していないものであるバックパックアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−46756(P2013−46756A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−172414(P2012−172414)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【出願人】(511112353)アンダー アーマー,インク. (5)
【Fターム(参考)】