説明

サッシの改装構造及びその施工方法

【課題】新設サッシBを既存のサッシとし、既設サッシAと既存のサッシを双方利用することによって改装コストを劇的に低減する。
【解決手段】建物の窓開口部1に設けられた既設サッシAの上下枠及び縦枠の内方に新設サッシBを配置固定した改装サッシにおいて、既設サッシAの下枠の上面部から上方に突出した障子案内用外レールを切除し、既設サッシAの下枠の屋内側の端部と新設サッシBの下枠の屋内側の端部とを屋内側取付部材47を介して結合し、既設サッシAの下枠の屋外側の端部と新設サッシBの下枠の屋外側の端部とを屋外側取付部材48を介して結合するとともに、上記屋内側取付部材47の上部と上記窓開口部1との間には化粧カバーを取り付け、化粧カバーの屋外側端部を上記新設サッシBに当接した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設サッシを新しいサッシに代えるに際し、既設サッシを取り付けた状態のまま新しいサッシを取り付け可能としたサッシの改装構造及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンクリート製の建物躯体の窓開口部にサッシを取り付けるときは、特許文献1に示されるように、サッシの上枠、縦枠及び下枠に、それぞれ2つの係止縁を形成しておき、それぞれの係止縁にアンカー金物を係止し、さらにアンカー金物を建物躯体から露出した鉄筋に溶接することによって固定している。したがって、建物躯体に既にサッシが取り付けられているときは、既設のサッシを取り外してから、新しいサッシに交換することが考えられる。
【0003】
ところが、既設サッシの取り外し作業には手間や時間や費用がかかるので煩わしい。そのため、既設サッシを窓開口部に取り付けた状態のまま新しいサッシを取り付ける改装サッシが知られている(特許文献2参照)。
【0004】
これは、既設サッシの内方に新設サッシを配置し、新設サッシを既設サッシに固定するものである。このような改装方法は、既設サッシの取り外し作業を伴わないので、短期間で改装工事を終了することができるというメリットがある。
【特許文献1】実開平3−74787号
【特許文献2】特開2007−120245
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような改装方式では、既設サッシをそのままにしてよいという半面、新設サッシを改装専用のサッシにしなければならないので、改装コストを十分に低減することはできなかった。
【0006】
本発明は、既設サッシであれ既存のサッシであれ、建物窓開口部に対する取付構造は変わらないことに着目し、新設サッシを既存のサッシとし、既設サッシと既存のサッシを双方利用することによって改装コストを劇的に低減することができるサッシの改装構造及びその施工方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、建物の窓開口部に設けられた既設サッシの上下枠及び縦枠の内方に新設サッシを配置固定した改装サッシにおいて、既設サッシの下枠の上面部から上方に突出した障子案内用外レールを切除し、既設サッシの下枠の屋内側の端部と新設サッシの下枠の屋内側の端部とを屋内側取付部材を介して結合し、既設サッシの下枠の屋外側の端部と新設サッシの下枠の屋外側の端部とを屋外側取付部材を介して結合するとともに、上記屋内側取付部材の上部と上記窓開口部との間には化粧カバーを取り付け、化粧カバーの屋外側端部を上記新設サッシに当接したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記屋内側取付部材をさらに既設サッシ側の第1の取付部材と新設サッシ側の第2の取付部材とに分割し、第1の取付部材を既設サッシの屋内側の端部に固定し、第2の取付部材を新設サッシの屋内側の端部に固定するとともに、上記第1の取付部材と第2の取付部材とを重合させて一体に結合したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2において、上記屋外側取付部材を、上又は下向きに開口するコ字形部とコ字形部の一方の片の端部から横に延びる固定片とから構成し、上記コ字形部の他方の片を上記新設サッシの屋外側の端部に固定し、上記固定片を既設サッシの屋外側の端部に固定したことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、建物の窓開口部に設けられた既設サッシに新設サッシを施工する改装方法において、既設サッシの下枠の上面部から上方に突出した障子案内用外レールを切除し、かつ新設サッシの縦枠下部の屋内側コーナー部を切除しておき、上記新設サッシを既設サッシの上に、やや屋外側に持ち出して配置し、既設サッシの下枠の屋内側の端部と新設サッシの下枠の屋内側の端部とを屋内側取付部材を介してビス止め結合するとともに、既設サッシの下枠の屋外側の端部と新設サッシの下枠の屋外側の端部とを屋外側取付部材を介してビス止め結合し、さらに、上記屋内側取付部材の上部と上記窓開口部の下部との間には化粧カバーを取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、既存のサッシとし、既設サッシと既存のサッシを双方利用し、新設サッシを既設サッシの上に重ねるのではなく、屋外側に持ち出した状態で簡単な構造の取付部材を介して取り付けることができるので、わざわざ改装専用のサッシを製造する必要がなく、改装コストを格段に低減することができる。
【0012】
また、新設サッシは屋内側取付部材と屋外側取付部材の幅分だけ屋外側に持ち出しされた状態で配置されているため、既設サッシの直上に配置される場合に比べて、新設サッシによって形成される開口面積を大きくすることができる。
【0013】
さらに、既設サッシの内方に新設サッシを配置した構成により、既設サッシと新設サッシとの接合部分が露出することになるが、既設サッシと新設サッシとの隙間は化粧カバーで覆われ、接合部分は見えないので内観が向上する。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、屋内側取付部材をさらに既設サッシ側の第1の取付部材と新設サッシ側の第2の取付部材とに分割し、第1の取付部材を既設サッシの屋内側の端部に固定し、第2の取付部材を新設サッシの屋内側の端部に固定するとともに、上記第1の取付部材と第2の取付部材とを重合させて一体に結合した構成であるから、新設サッシの屋外側への持ち出し量をより大きくなるように取り付けられ、改装によってサッシ自体を外壁に近づけるように施工する最近の傾向にマッチさせることができる。
【0015】
また、第2の取付部材を第1の取付部材の上に重合させて結合するので、多少の寸法誤差があっても、重合幅を変えることによって上記誤差を吸収させることができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、屋外側取付部材を、上又は下向きに開口するコ字形部とコ字形部の一方の片の端部から横に延びる固定片とから構成し、上記コ字形部の他方の片を上記新設サッシの屋外側の端部に固定し、上記固定片を既設サッシの屋外側の端部に固定した構成であるから、上記コ字形部を上向きに開口させて配置するか下向きに開口させて配置するかによって、下枠の下方への沈み量を調整して新設サッシによる開口面積を調整することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、まず改装施工の邪魔にならないように既設サッシの下枠の上面部から上方に突出した障子案内用外レールを切除し、かつ新設サッシの縦枠下部の屋内側コーナー部を切除しておき、さらに上記新設サッシを既設サッシの上に、屋外側に持ち出して配置し、既設サッシの下枠の屋内側の端部と新設サッシの下枠の屋内側の端部とを屋内側取付部材を介してビス止め結合し、その後に既設サッシの下枠の屋外側の端部と新設サッシの下枠の屋外側の端部とを屋外側取付部材を介してビス止め結合し、最後に上記屋内側取付部材の上部と上記窓開口部の下部との間には化粧カバーを取り付けるという手順なので、スムーズに施工作業を進めることができる。
【0018】
なお、新設サッシは、屋内側取付部材と屋外側取付部材によって予め取付位置の位置出しをしておき、新設サッシを既設サッシの屋外側から内側に嵌め込むように移動付部材と屋外側取付部材に当接させてビス止めすればよいので、取付作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態をいくつか説明する。なお、改装形態1において示したものと同じ符号を他の介装形態でさせ、屋内側取示したときは、同じ部材を表わすものとし、説明を省略する。
【0020】
[改装形態1]
図1は本発明に係る改装サッシの縦断面図、図2はその一部の横断面図である。
【0021】
(既設サッシの構成)
上図において符号Aは腰窓タイプの既設サッシを示す。この既設サッシAはビル等の建物躯体の窓開口部1に設けられたサッシで、それぞれアルミニウム押出型材からなる上枠2、下枠3及び左右の縦枠4とから方形に枠組みされている。
【0022】
上枠2は、上枠本体2aの屋外側と屋内側の両端から上方にL形縁5を形成し、その下部には屋外側と中央部と屋内側に3本の突縁6、7、8が形成され、これらの突縁6、7、8によって屋外側と屋内側に障子案内溝が形成されている。
【0023】
下枠3は、屋外側に傾斜した下枠本体3aの屋外側の端部から下にZ字形の水切り縁10を形成し、屋内側の端部上方には立上り壁11を、その下方には垂下壁12を連続形成するとともに、下枠本体3aの上面には外障子案内用外レール13(図3、図4参照)と内障子案内用の内レール14とが上方に突出形成されている。
【0024】
さらに、縦枠4は、縦枠本体4aの屋外側と屋内側の両端から外方にL形縁15を形成し、その内方には屋外側と屋内側と屋外側近傍とにそれぞれ突縁16、17を突出形成したものである。
【0025】
上記既設サッシAは、上記縦枠4と下枠3の屋内側に設けたアングル材18を介して建物窓開口部1に固定されている。
【0026】
上記構成により、既設サッシAの屋外側の端部は面一になるように形成されている。なお、既設サッシAの屋内側には額縁20が配設されている。
【0027】
(新設サッシの構成)
次に、符号Bは新設サッシで、この新設サッシBは改装専用ではなく、既存のサッシである。
【0028】
上枠21は、上枠本体21aの屋外側の端部から上方に突出するZ形縁22と屋内側の端部から上方に突出するL形の係止縁23を形成し、下方には4本の突縁24、25、26、27が形成されている。なお、Z形縁22の中途部には係止縁28が形成されている。
【0029】
縦枠30は、縦枠本体30aの両端の屋外側にはL字形の係止縁31、31を、屋内側に板状突縁32をそれぞれ突出している。
【0030】
下枠33は、下枠本体33aの屋内側の中空部34から下方に傾斜する傾斜部を介して水平部35に続き、中空部34には立上げ縁36と、内障子案内用の内レール37と、外障子との隙間を埋めるための水平の張出し縁38とが形成され、また水平部35には外障子案内用の外レール40と屋外側の端部に設けられた網戸の摺動溝41とが設けられている。さらに、屋外側の端部下方にはL字形の垂下縁42が形成されている。なお、下枠本体33aの屋内側と屋外側とには係止縁43、44が形成されている。
【0031】
なお、上記新設サッシBの上枠21、縦枠30及び下枠33は既存の枠材で、コンクリート躯体の窓開口部に直接に取り付けるときは、図示はしないが、特許文献1に示すように、上枠21のZ形縁22の中途部に形成された係止縁28とL形の係止縁23、縦枠30の2つの係止縁31、31及び下枠33の下方に形成された係止縁43、44は、それぞれコンクリート躯体から露出した鉄筋に溶接したアンカー金物に係止させて固定するためのものである。
【0032】
(改装施工)
次に、上枠21と両側縦枠30と下枠33とを方形に枠組みした新設サッシBを窓開口部1に取り付けるときは、まず図3、図4に示されるように、既設サッシAの下枠3の上面部から突出した障子レールのうち外レール13を切除するとともに、新設サッシBの縦枠30の下部の屋内側コーナー部を屋内側が高くなるように切除しておく。その理由は、新設サッシBを、既設サッシAの内側に嵌め込むとき、図4に示されるように、既設サッシAの下枠3の外レール13が新設サッシBの係止縁44と干渉し、また縦枠30の斜線部分を切除しないと、コーナー部45が既設サッシAの内レール14に干渉するからである。
【0033】
なお、縦枠30の下部には外側から略五角形のステンレス製の補強プレート46が溶接固定されている。補強プレート46はステンレス製で切断しにくいので、この部分は残し、その先の三角形状の部分だけを切断する。
【0034】
そして、既設サッシAの上面部の屋内側と屋外側の各端部に、それぞれ長尺の屋内側取付部材47と屋外側取付部材48を取り付けておく。屋内側取付部材47は、水平片50とその両端の垂下片51、52とから下向きに開口するコ字形形状とした金属製部材で、屋内側垂下片51を既設サッシAの屋内側端部の立上り壁11にビス止め固定により結合する。また、屋外側取付部材48はL字形の金属製部材で、一方の片53を既設サッシAの屋外側の上面にビス止め固定により結合しておく。
【0035】
次に、新設サッシBを、図1、図2のように既設サッシAの内方に嵌め込み状に取り込み、屋内側取付部材47の屋内側垂下片51の屋内側に形成した作業孔(図示せず)からビス55を通して屋外側垂下片52を新設サッシBの屋内側端部の係止縁43に止着して結合する。同様に、新設サッシBの屋外側端部の垂下縁42と水切り縁56とを屋外側からビスにより屋外側取付部材48の他方の片57に共締めして結合する。
【0036】
なお、上枠21と縦枠30は、既設サッシAに補助金具58、59と取付部材60、61とを介して新設サッシBがビス止め固定されている。
【0037】
さらに、屋内側取付部材47の上部と上記窓開口部1との間には化粧カバー62が配置され、屋内側取付部材47にリベット69で固定されている。化粧カバー62の屋外側端部は上記新設サッシBの立上げ縁36に当接している。
【0038】
新設サッシBの上枠21と縦枠30も同様に化粧カバー63、64で覆われている。これらの化粧カバー63、64はいずれもリベットによって取付部材60、61に固定されている。
【0039】
以上のように、既設サッシAと既存の新設サッシBを双方利用し、新設サッシBの下枠33を既設サッシAの下枠3の上に重ねるのではなく、屋外側に持ち出した状態で簡単な構造の取付部材47、48を介して取り付けることができるので、わざわざ改装専用のサッシを製造する必要がなく、改装コストを格段に低減することができる。
【0040】
また、新設サッシBは、屋内側取付部材47と屋外側取付部材48によって予め取付位置の位置出しをしておき、新設サッシBを既設サッシAの屋外側から内側に嵌め込むように移動させ、屋内側取付部材47と屋外側取付部材48に当接させてビス止めすればよいので、取付作業を容易に行うことができる。
【0041】
また、新設サッシBは屋内側取付部材47と屋外側取付部材48の幅分だけ屋外側に持ち出しされた状態で配置されているため、既設サッシAの直上に配置される場合に比べて、新設サッシBによって形成される開口面積を大きくすることができる。
【0042】
さらに、既設サッシAの内方に新設サッシBを配置した構成により、既設サッシAと新設サッシBとの接合部分が露出することになるが、既設サッシAと新設サッシBとの隙間は化粧カバー62で覆われ、接合部分は見えないので内観が向上する。
【0043】
[改装形態2]
次に、新設サッシBの取付態様については、上述の例に限定されない。例えば、図5に示すものは、テラスタイプのサッシの形態であるが、既設サッシAの下枠3の屋内側の端部の立上り壁11がテラスの窓開口部の下縁部66と同じになるように設けられているときは、窓開口部の下縁部66にアングル材65を固定し、このアングル材65に上述の要領で屋内側取付部材47を固定すればよい。化粧カバー62も上述と同じようにして屋内側取付部材47の上部と上記窓開口部1との間に配置する。この化粧カバー62はテラスの開口部に設けられるものであるから、傾斜をつけて躓かないように形成されている。
【0044】
なお、化粧カバー62には傾斜部分との境界に突条74が形成されているから、結露水が室内側に流れ込むのを有効に防止することができる。
【0045】
上記構成によっても、上述の改装形態1の場合と同じ効果を得ることができる。
【0046】
[改装形態3]
また、新設サッシBの取付態様については、新設サッシの屋外側への持ち出し量をより大きくなるように取り付けてもよい。この場合、既設サッシAの屋内側端部と新設サッシBの屋内側の端部との間隔は大きくなるので、図3に示されるような屋内側取付部材47は使いにくい。したがって、図6に示されるように、屋内側取付部材47をさらに既設サッシA側の第1の取付部材67と新設サッシB側の第2の取付部材68とに分割して2ピース構成とし、図7に示すように、第1の取付部材67を既設サッシAの屋内側の端部に固定し、また第2の取付部材68は予め新設サッシBの屋内側の端部に固定しておき、新設サッシBの取付時に第1の取付部材67と第2の取付部材68とを重合させ、化粧カバー62とともにリベット69等で一体に結合すればよい。
【0047】
また、この場合、屋外側取付部材48を、下向きに開口するコ字形部70とコ字形部70の一方の片71の端部から横に延びる固定片72とから構成し、上記固定片72を既設サッシAの上面部の屋外側の端部に調整材54を介して固定する。
【0048】
上記構成の新設サッシBを既設サッシAに取り付けるときは、図7に示すように、既設サッシAの外レール13を切除し、縦枠4の屋内側コーナー部を切除するとともに、予め既設サッシAの屋内側の端部に第1の取付部材67をビス止め固定し、屋外側取付部材48を既設サッシAの屋外側にビス止め固定し、さらに新設サッシBの屋内側の端部に第2の取付部材68をビス止め固定しておく。そして、新設サッシBを屋外側から既設サッシAの内方に嵌め込み状に取り込み、新設サッシBの第2の取付部材68を既設サッシAの第1の取付部材67の上に重合させ、重合した第1の取付部材67と第2の取付部材68とを化粧カバー62とともにリベット69で止着固定するとともに、新設サッシBの屋外側の垂下片42を屋外側取付部材48の屋外側の端部の片73に当接して位置決めし、水切り縁56と共締めして結合する。
【0049】
上記構成によれば、新設サッシBの屋外側への持ち出し量がより大きくなるように取り付けられるので、改装によってサッシ自体を外壁Pに近づけるように施工する最近のビルの意匠傾向にマッチさせることができる。
【0050】
また、第2の取付部材68を第1の取付部材67の上に重合させて結合するので、多少の寸法誤差があっても、重合幅を変えることによって上記誤差を吸収させることができる。
【0051】
[改装形態4]
なお、上記屋外側取付部材48を、図8に示されるように、コ字形部70が上向きに開口するように取り付けてもよい。これにより、新設サッシBの屋外側への持ち出し量がより大きくなるように取り付けられるとともに、新設サッシBの下枠33をより下方に沈めて取り付けることができるので、テラスタイプの改装サッシに好適である。
【0052】
また、上記形態においても、化粧カバー62には傾斜部分との境界に突条74が形成されているから、結露水が室内側に流れ込むのを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る改装サッシの縦断面図
【図2】上記改装サッシの縦枠の断面図
【図3】上記改装サッシの下枠の拡大断面図
【図4】既設サッシと新設サッシの干渉状態説明図
【図5】他の改装形態の下枠の拡大断面図
【図6】別の改装形態の下枠の分解図
【図7】図6の改装形態の下枠の拡大断面図
【図8】さらに別の改装形態の下枠の拡大断面図
【符号の説明】
【0054】
A 既設サッシ
B 新設サッシ
1 窓開口部
13 外レール
47 屋内側取付部材
48 屋外側取付部材
67 第1の取付部材
68 第2の取付部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の窓開口部に設けられた既設サッシの上下枠及び縦枠の内方に新設サッシを配置固定した改装サッシにおいて、
既設サッシの下枠の上面部から上方に突出した障子案内用外レールを切除し、
既設サッシの下枠の屋内側の端部と新設サッシの下枠の屋内側の端部とを屋内側取付部材を介して結合し、既設サッシの下枠の屋外側の端部と新設サッシの下枠の屋外側の端部とを屋外側取付部材を介して結合するとともに、上記屋内側取付部材の上部と上記窓開口部との間には化粧カバーを取り付け、化粧カバーの屋外側端部を上記新設サッシに当接した
ことを特徴とするサッシの改装構造。
【請求項2】
上記屋内側取付部材をさらに既設サッシ側の第1の取付部材と新設サッシ側の第2の取付部材とに分割し、第1の取付部材を既設サッシの屋内側の端部に固定し、第2の取付部材を新設サッシの屋内側の端部に固定するとともに、上記第1の取付部材と第2の取付部材とを重合させて一体に結合したことを特徴とする、請求項1に記載のサッシの改装構造。
【請求項3】
上記屋外側取付部材を、上又は下向きに開口するコ字形部とコ字形部の一方の片の端部から横に延びる固定片とから構成し、上記コ字形部の他方の片を上記新設サッシの屋外側の端部に固定し、上記固定片を既設サッシの屋外側の端部に固定したことを特徴とする、請求項2に記載のサッシの改装構造。
【請求項4】
建物の窓開口部に設けられた既設サッシに新設サッシを施工する改装方法において、既設サッシの下枠の上面部から上方に突出した障子案内用外レールを切除し、かつ新設サッシの縦枠下部の屋内側コーナー部を切除しておき、
上記新設サッシを既設サッシの上に、やや屋外側に持ち出して配置し、
既設サッシの下枠の屋内側の端部と新設サッシの下枠の屋内側の端部とを屋内側取付部材を介してビス止め結合するとともに、既設サッシの下枠の屋外側の端部と新設サッシの下枠の屋外側の端部とを屋外側取付部材を介してビス止め結合し、
さらに、上記屋内側取付部材の上部と上記窓開口部の下部との間には化粧カバーを取り付けた
ことを特徴とするサッシの改装施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−221816(P2009−221816A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70252(P2008−70252)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】