説明

サッシ

【課題】 サブロックの部品の交換やメンテナンスが行えるサッシの提供。
【解決手段】 枠1と、枠1に開閉自在に支持した障子2と、障子の框8aに設けたサブロック19とを備え、サブロック19は、操作部側20と可動部側21とに分離して構成され、操作部側20は框見付面30に形成した孔31より框8a内に挿入して框見付面30に取付けてあり、可動部側21は框見込面37に形成した孔38より框8a内に挿入して框見込面37に取付けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子にサブロックを備えるサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、窓の障子にグレモン錠等の錠に加えてサブロックを設けることで、窓の防犯性を高めることが行われている。框内に設置するサブロックは、特許文献1に記載されているように従来からあるが、従来のサブロックはケースに可動部と操作部を組み付けて一体化し、障子を組む前に框に取付けており、部品の交換やメンテナンスを行うには、竪・横の框を固定しているネジを外して、框を分離しなければならない。樹脂障子の場合は、竪・横框の端部を突き合わせて融着するため、框を分離するのは困難であり、上記のようなサブロックでは部品の交換やメンテナンスが行えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−210297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、サブロックの部品の交換やメンテナンスが行えるサッシの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるサッシは、枠と、枠に開閉自在に支持した障子と、障子の框に設けたサブロックとを備え、サブロックは、操作部側と可動部側とに分離して構成され、操作部側は框見付面に形成した孔より框内に挿入して框見付面に取付けてあり、可動部側は框見込面に形成した孔より框内に挿入して框見込面に取付けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によるサッシは、サブロックが操作部側と可動部側とに分離して構成され、操作部側は框見付面に形成した孔より框内に挿入して框見付面に取付けてあり、可動部側は框見込面に形成した孔より框内に挿入して框見込面に取付けてあるため、框を分離することなく操作部側と可動部側の部品を個々に取付け・取り外しでき、部品の交換やメンテナンスが容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】サブロックの周辺を拡大して示す室内側正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】サブロックを障子の戸先側から見た側面図である。
【図4】サブロックの分解斜視図である。
【図5】サブロックの周辺を拡大して示す室内側正面図であって、サブロックを開錠したときの状態を示す。
【図6】本発明のサッシの一実施形態を示す室内側正面図である。
【図7】同サッシの縦断面図である。
【図8】同サッシの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図6〜8は、本発明のサッシの一実施形態であって、たてすべり出し窓の場合を示している。本サッシは、躯体開口部に取付けられる枠1と、枠1に開閉自在に支持した障子2とを備えている。
枠1は、樹脂の押出形材よりなる上枠3と下枠4と左右の竪枠5a,5bを枠組みして構成してある。上枠3と下枠4と竪枠5a,5bは断面形状が同一であり、図6に示すように、それぞれ両端部を斜めに切断して突き合わせ、融着により互いに連結してある。
障子2は、樹脂の押出形材よりなる上框6と下框7と左右の竪框8a,8bを框組みし、その内側にガラス9(複層ガラス)を取付けて構成してある。上框6と下框7と竪框8a,8bは、図7,8に示すように、中空状の框本体部10と、框本体部10の室内側寄りに内周側に突出した中空状の室内側ガラス支持部11と、框本体部10の内周側の室外側寄りに形成した押縁取付部12と、框本体部10の室外側寄りに外周側に突出した中空状の室外側突出部13とを一体に有する同一の断面形状となっており、押縁取付部12に押縁14が取付けられ、室内側ガラス支持部11と押縁14とでガラス9を挟持している。各框6,7,8a,8bは、図6に示すように、それぞれ両端部を斜めに切断して突き合わせ、融着により互いに連結してある。
【0009】
障子2は、図7に示すように、上枠3と上框6間及び下枠4と下框7間に設けたフリクションステー15a,15bにより枠1に連結され、室外側にすべり出しつつ縦軸回りに約90°回動して開くようになっている。枠1と障子2間の隙間は、タイト材16a,16bにより塞いである。
図6に示すように、戸先側の竪框8aの長手方向中間部には、ハンドル17の操作により施開錠するグレモン錠18が設けてあり、同竪框8aの下部にはサブロック19が設けてあり、グレモン錠18とサブロック19とで障子2を二重に施錠できるようになっている。
【0010】
サブロック19は、図1〜4に示すように、操作部側20と可動部側21とに分離して構成され、操作部側20は台座22と操作片23とピン24とで構成され、可動部側21はロック片25とケース26とで構成されている。
台座22は、図2,4に示すように、操作片23取付用の開口部27と案内溝28を有し、裏面側に設けた爪29を竪框8aの室内側見付面30に形成した長孔状の孔31に挿入係止することで、竪框8aの室内側見付面30に取付けてある。操作片23は、裏面側にピン24を差し込んで保持し、裏面側に形成した爪32を台座22の開口部27の側縁に係止して、上下動可能に台座22に取付けてある。台座22には、図1,2,5に示すように、操作片23を下方にスライドした施錠位置と上方にスライドした開錠位置とに停止させるストッパー部33が設けてある。台座22と操作片23は樹脂製であり、ピン24はステンレス製である。
ケース26は、図1,4に示すように、取付板34と、取付板34の裏面に設けた筒状のガイド部35と、ガイド部35の下方に設けた係止部36とを有し、ガイド部35を竪框8aの外周側の見込面37の室内側寄りに形成した長孔状の孔38に挿入すると共に係止部36を孔38の下縁に係止し、取付板34の上部をネジ39で竪框8aに固定して取付けてある。ガイド部35には、屋内側と屋内側の壁にピン24の挿通部40が上下方向の長孔状に形成してあり、上部内側面にロック片25の抜け止め用の突部41が設けてある。図2に示すように、竪框8aの框本体部10の中空部42a内には、ケース26取付用の裏板43が設けてあり、裏板43は図1,4に示すように、雌ネジ孔44a,44bが形成された上下の固定板45a,45bと、上下の固定板45a,45bを繋ぐ繋ぎ板46とを有し、下部側の固定板45bをネジ47で竪框8aに固定し、上部側の固定板45aの雌ネジ孔44aにケース26取付用のネジ39を螺入している。
ロック片25は、長方形の板状に形成してあり、図1,4に示すように、ケース26のガイド部35に挿入して竪框8aの長手方向に直交する左右方向にスライド可能に保持されている。ロック片25には、ピン24が係合する係合溝48が右肩上がりに傾斜して設けてあり、ロック片25の上縁部にはケース26の突部41と係合する凹部49が形成してある。ケース26のガイド部35とロック片25は、図2に示すように、竪框8aの框本体部10と室内側ガラス支持部11の中空部42a,42b内にまたがって設置されている。ケース26は樹脂製であり、ロック片25はステンレス製である。
【0011】
図1に示すように、操作片23を下方にスライドさせた状態では、ピン24がロック片25の係合溝48の下端部に位置し、ロック片25はケース26から戸先側に突出する。竪枠5aの内周側見込面には錠受け50が設けてあり、突出したロック片25が錠受け50に係止することで、障子2が開くのを阻止する。
図5に示すように、操作片23を上方にスライドさせると、ピン24がロック片25の傾斜した係合溝48内を上方に移動するのに伴い、ロック片25が竪枠5aから離れる方向にスライドしてケース26内に引っ込み、障子2のロックが解除される。
【0012】
次に本サブロック19の取付手順を説明する。まず、図4に示すように、予め戸先側の竪框8aの室内側の見付面30に台座22取付用の孔31を、外周側の見込面37にケース26取付用の孔38とネジ39,47の挿通孔をそれぞれ形成しておき、竪框8aの中空部42a内に裏板43を挿入し、ネジ47で裏板43を固定しておく。その後、ケース26のガイド部35にロック片25を挿入した上で、ケース26のガイド部35を竪框見込面37の孔38に挿入し、ケース26の取付板34をネジ39で固定する。次に、竪框8aの見付面30の孔31に台座22を取付け、ピン24を操作片23に取付けてから、ピン24をロック片25の係合溝48に差し込みつつ操作片23を台座22の開口部27に取付ける。裏板43は、障子2を框組みする前に取付けておく必要があるが、サブロック19の各部品、すなわちケース26、ロック片25、台座22、ピン24、操作片23は、障子2を框組みした後からでも取付けできる。
【0013】
以上に述べたように本サブロック19は、操作部側20と可動部側21とに分離して構成され、操作部側20の各部品22,23,24を竪框8aの見付面30に形成した孔31より竪框8a内に挿入して竪框見付面30に取付け、可動部側21の各部品25,26を竪框8aの見込面37に形成した孔38より竪框8a内に挿入して竪框見込面37に取付けたことで、竪横框6,7,8a,8bを融着したままの状態で、操作部側20と可動部側21の各部品22,23,24,25,26を個々に取付け・取り外しでき、部品の交換やメンテナンスが容易に行える。また本サブロック19は、竪框8aの框本体部10と室内側ガラス支持部11の中空部42a,42bにまたがるように配置したことで、框8aの見付寸法をスリム化しつつロック片25のストロークを大きくすることができ、ロック片25を竪枠5aの錠受け50としっかり係合させることができるため、防犯性が高い。また本サブロック19は、可動部側21の部品25,26を竪框8aの中空部42a,42b内に埋め込んでいるため、竪框8aの外部に可動部が露出したサブロックと比較して、意匠性が優れている。さらに本サブロック19は、操作片23を框の長手方向にスライドさせるとロック片25がこれと交差する方向にスライドする構造のため、障子2の竪横の框6,7,8a,8bの長手方向の任意の位置に取付け可能で取付位置の自由度が高く、障子2の開き方の違いにも容易に対応することができ、また一つの障子2に複数設置することも容易である。
【0014】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。サブロックの各部品の形状や材質は、適宜変更することができる。障子の開き方は任意であり、たてすべり出し窓に限らず、例えば開き窓や突き出し窓、回転窓等とすることもできる。障子は、室内側に開くものであってもよい。本発明は、実施形態のような枠と障子の框が樹脂で形成された樹脂サッシに限らず、枠と障子の框がアルミで形成されたアルミサッシや、枠と障子の框がアルミと樹脂の複合構造よりなるアルミ・樹脂複合サッシ等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0015】
1 枠
2 障子
8a,8b 竪框(框)
19 サブロック
20 操作部側
21 可動部側
30 框見付面
31 框見付面の孔
37 框見込面
38 框見込面の孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠と、枠に開閉自在に支持した障子と、障子の框に設けたサブロックとを備え、サブロックは、操作部側と可動部側とに分離して構成され、操作部側は框見付面に形成した孔より框内に挿入して框見付面に取付けてあり、可動部側は框見込面に形成した孔より框内に挿入して框見込面に取付けてあることを特徴とするサッシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−87489(P2013−87489A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228664(P2011−228664)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【出願人】(300088186)株式会社エクセルシャノン (30)
【出願人】(000155207)株式会社明工 (44)