サブパレット移載装置
【課題】基準パレット内からサブパレットを簡単に取り出すことができ、また取り出したサブパレットを確実に基準パレット上に移載することができるサブパレット移載装置を提供する。
【解決手段】シリンダユニットを駆動することで、操作爪片107を前進させ基準パレット10に設けたストッパ18をスプリングに抗して水平状態にし、サブパレット20を引き出し可能な状態にする。また予め昇降部材110を最下限位置にし、シリンダユニット123を駆動し、ロッドを前進せしめ、ロッド先端の係合片をサブパレット20のT字溝に進入させ、次いでモータ(駆動部材)によってロッドを90°回動せしめることで係合片をT字溝に係合させ、次いでシリンダユニット123を逆方向に駆動し、収納空間Sからサブパレット20をサブパレット受渡しユニット130上に引き出す。
【解決手段】シリンダユニットを駆動することで、操作爪片107を前進させ基準パレット10に設けたストッパ18をスプリングに抗して水平状態にし、サブパレット20を引き出し可能な状態にする。また予め昇降部材110を最下限位置にし、シリンダユニット123を駆動し、ロッドを前進せしめ、ロッド先端の係合片をサブパレット20のT字溝に進入させ、次いでモータ(駆動部材)によってロッドを90°回動せしめることで係合片をT字溝に係合させ、次いでシリンダユニット123を逆方向に駆動し、収納空間Sからサブパレット20をサブパレット受渡しユニット130上に引き出す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準パレットの一部に収納されているサブパレットを基準パレットから取り出してこれを基準パレットの上に移載するサブパレット移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の部品(例えばエンジンのミッションケース)などのワークには多数の部品が組み付けられる。斯かる部品の組付けを効率よく行うために、従来から搬送ライン上を移動するパレットにワークを載置し、また搬送ラインに沿って部品ごとに組付けステーションを配置し、パレットに載置したワークに順次部品を組付けるようにしている。
【0003】
前記パレットにはワークを位置決め固定するための位置決めピンまたは位置決め座が設けられている。そして、ワークの種類が変わると位置決めピンまたは位置決め座の位置が変わるので、多数のパレットを用意しておかなければならず面倒である。そこで、特許文献1,2にパレット装置が提案されている。
【0004】
特許文献1には、電卓を載置するパレット装置として、親パレットと子パレットからなる2層式のパレットが提案されている。この2層式パレットは電卓の機種に応じて複数種類の子パレットをストッカーにストックしておき、一方、親パレットは全ての子パレットに対して共通とし、親パレットのメモリーピンに与えられた信号を読み取って、自動的に所定の子パレットを選定してストッカーから取り出し親パレットに積載する内容が開示されている。
【0005】
特許文献2には、パレットをメインパレットとこのメインパレットに対して交換自在とされたサブパレットから構成し、サブパレットにワークを取付けるとともにメインパレットについては直交する2軸に対して回動可能とした内容が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開昭61−124421号公報
【特許文献2】特開平8−252783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1,2に開示されたパレット装置にあっては、子パレット或いはサブパレットを保管する場所が別途必要となる。特に、子パレット或いはサブパレットは1機種ごとに用意されるため、それだけ大きな保管場所が必要になってしまう。また、機種変更に応じて子パレット(サブパレット)を交換する際には、保管場所から親パレット(メインパレット)の位置まで子パレット(サブパレット)を移動させなければならず、時間と手間がかかる。
【0008】
更に、子パレット(サブパレット)を親パレット(メインパレット)にセットするのを人手によって行うのは、パレット自体重量物であるので重労働となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明に係るサブパレット移載装置は、サブパレットを収納する基準パレットを位置決めする位置決め部材と昇降部材を備え、この昇降部材には、位置決めされた基準パレット内からサブパレットを引き出すサブパレット引き出しユニットと、このサブパレット引き出しユニットで引き出されたサブパレットが載置されるとともに前記基準パレット上にサブパレットを送り出すサブパレット受渡しユニットを設け、前記サブパレット引き出しユニットはサブパレットを引き出す際はサブパレット受渡しユニットとは独立して進退動し、前記基準パレット上にサブパレットを送り出す際は接合ユニットを介して前記サブパレット受渡しユニットと一体的に進退動する構成とした。
【0010】
前記サブパレットが複数のワークに対応した複数の位置決めピンを出没可能に設けている場合には、サブパレット移載装置に、当該複数の位置決めピンの中から載置するワークに対応した位置決めピンを選択し、選択したピンを突出せしめる位置決めピン切替え装置を備えることが好ましい。
【0011】
前記サブパレット引き出しユニットの具体的な構造としては、例えば進退動をなすロッド先端に、サブパレットに形成した切欠に係合する係止片を設け、前記ロッドを軸廻りに回転せしめることで前記係止片を前記切欠に係脱せしめることが考えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基準パレットの一部にサブパレットを収納したパレット装置から、当該サブパレットを自動的に基準パレットの上に移載することができ、パレットの積み替えを効率よく行うことができる。
【0013】
また、移載の際に同時にサブパレットに設けた複数の位置決めピンの中から特定の位置決めピンのみを突出せしめることで、ワークの機種切替に対し容易に対処できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るサブパレット移載装置の正面図、図2はサブパレット移載装置内に進入した無人搬送車の側面図、図3は本発明に係るサブパレット移載装置の平面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図4のA方向矢視図、図6は図3のB−B方向拡大図、図7(a)〜(d)はサブパレットの位置決めピンの構造と動きを説明した図、図8(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対してフリーの状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図、図9(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対して係合した状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図である。
【0015】
先ず、サブパレット移載装置100内に進入した無人搬送車Aは床面上に施設した磁気軌道Bに沿って走行する。この無人搬送車Aに設けた昇降台C上にパレット装置1が載置されている。
【0016】
パレット装置1は基準パレット10とサブパレット20からなる。基準パレット10は支持プレート11を有し、この支持プレート11の上面側にはサブパレット20を位置決め載置する固定部材としての位置決めピン12、ワークを位置決め載置する位置決めピン13およびワークの位置決め座14が設けられている。
ワークの位置決めピン13には操作ノブ15が付設され、機種に応じて位置決めピン13を交換したり、高さ調整が行えるようにしている。また、図示例では位置決めピン13と位置決め座14の両方を設けているが、いずれか一方でもよい。
【0017】
また、支持プレート11の下面には3方を囲むサイドプレート16…を介してボトムプレート17が取り付けられ、支持プレート11の下面、サイドプレート16の内側面及びボトムプレート17の上面によって収納空間Sが形成され、この収納空間S内に前記サブパレット20が収納される。
【0018】
前記サイドプレート16…のうち左右のサイドプレート16の内側面はサブパレット20を差し入れる際のガイドを兼ねるベく、先端部はテーパ状に広がっている。また奥のサイドプレート16にはサブパレット20を突き当てることで収納空間S内での位置決めを行う。
【0019】
また、サイドプレートがない面を収納空間Sの出し入れ用の開口とし、この開口部分に収納空間S内からのサブパレット20の抜け落ちを防止するストッパ18を設けている。このストッパ18は図5に示すように、通常はスプリング18aによって先端がサブパレット20に干渉する高さまで持ち上げられ、後述するサブパレット移載装置100の操作爪片によってストッパ18をスプリングに抗して水平状態にすることで、サブパレット20を収納空間Sから引き出すことができる。
【0020】
更に、基準パレット10のボトムプレート17には、サブパレット20を収納空間Sから引き出す際、或いは基準パレット10の位置決めピン12にサブパレット20を載置する際などに、パレット装置1全体を位置決めする位置決め穴19a及び位置決め座19bが形成されている。位置決め穴19a及び位置決め座19bは2個づつ合計4個が対角線上に配置されている。
【0021】
サブパレット20の下面には転動ローラ21が設けられ、サブパレット20の前縁にはサブパレット20を収納空間Sから引き出す際、或いは収納空間Sに差し入れる際に治具の先端が係止する切欠としてのT字溝22が形成されている。
【0022】
またサブパレット20には複数のワーク位置決め部材23が設けられている。図7(a)〜(d)はサブパレットの位置決めピンの構造と動きを説明した図である。
【0023】
ワーク位置決め部材23はサブパレット20を厚み方向に貫通する筒体24を設け、筒体24の下端開口をキャップ25で閉塞している。そして、筒体24内には中空ピン26を摺動自在に配置するとともにキャップ25との間に縮装したスプリング27によって上方に付勢している。
【0024】
前記中空ピン26内には内側ピン28を摺動自在に配置している。この内側ピン28は中間部を大径部28a、上半部を小径部28bとし、これら大径部28aと小径部28bの間をテーパ部で連続している。また内側ピン28はキャップ25との間に縮装したスプリング29によって上方に付勢されている。尚、スプリング29の弾発力はスプリング27の弾発力よりも弱く設定している。
【0025】
また、前記中空ピン26には横穴26aが形成され、この横穴26aにはスチールボール30が収納され、またこのスチールボール30が係止する溝24a、24bが筒体24の内周面に上下に離間して形成されている。
【0026】
以上において、センサによって基準パレット10の支持プレート11上の位置決め座14の位置を確認することでサブパレット20上に載置するワークの種類を検出したならば、後述する位置決めピン切替え装置によって、当該機種に応じて所定のワーク位置決め部材23のみをそのまま突出せしめ、他のワーク位置決め部材23は中空ピン26がサブパレット20上面と面一になる位置まで押し込む。
【0027】
具体的には図7(a)に示す状態では、スチールボール30は溝24aに係止し、同時にスチールボール30は内側ピン28の大径部28aに当接し、内側に逃げることができないので、中空ピン26を押し下げることができない。
【0028】
この状態から位置決めピン切替え装置によって、内側ピン28をスプリング29に抗して押し下げる。すると、図7(b)に示すように、内側ピン28の小径部28bがスチールボール30の位置まで降下し、スチールボール30は径方向内側に移動し溝24aから外れ、中空ピン26を押し下げることが可能になる。
【0029】
そこで、図7(c)に示すように、中空ピン26を押し下げて、中空ピン26の上端面をサブパレット20上面と面一になる位置まで押し込み、更に内側ピン28をフリーにすると、図7(d)に示すように、内側ピン28はスプリング29の弾発力で上昇し、内側ピン28の大径部28aがスチールボール30を径方向外側に押し出し、溝24bに係合し、中空ピン26は潜った位置のままとなる。
【0030】
このように複数のワーク位置決め部材23のうちの所定のワーク位置決め部材のみを突出させることで、機種に応じた対応が可能になる。
【0031】
次に、サブパレット移載装置100の構成について詳細に説明する。サブパレット移載装置100は支柱101,102,103を有する。これら支柱101,102,103は図1の紙面垂直方向に2本づつ設けられる。そして、支柱101と102間をサブパレット移載ステーションとしている。
【0032】
前記サブパレット移載ステーションにおいて、支柱101,102には前記基準パレット10に設けた位置決め穴19aに係合する位置決めピン104a及び位置決め座19bが載置される受け座104bが設けられている。
【0033】
また支柱102,103間は図3に示すように前後方向および左右方向のフレーム104にて連結されて基枠105を形成している。
【0034】
前記基枠105には、図4及び図5に示すように、左右方向のレール106が設けられ、このレール106に操作爪片107が係合している。そしてシリンダユニット108を駆動することで、操作爪片107がレール106に沿って摺動する。即ち、操作爪片107が前進(図4,5において左方に移動)すると、基準パレット10に設けたストッパ18をスプリング18aに抗して水平状態にする。この状態で、サブパレット20は出し入れ可能な状態になる。
【0035】
また前記基枠105には上下方向のレール109,109が取り付けられ、このレール109,109に昇降部材110のガイド111が係合し、モータ112を駆動することで、昇降部材110は上下動する。
【0036】
前記昇降部材110にはサブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130が設けられている。
【0037】
サブパレット引き出しユニット120は、左右方向のガイドレール121にブロック122が摺動自在に係合し、シリンダユニット(駆動部材)123によってブロック122が前進動及び後退動するとともに、ブロック122にはロッド124が軸廻りに回転可能に支持され、このロッド124の先端にはT字状をなす係合片125が取り付けられ、前記ブロック122に設けたモータ(駆動部材)126によってロッド124を90°回動せしめることで、T字状をなす係合片125が上向きまたは水平になるようにしている。
【0038】
また図6に示すように、昇降部材110にはフレーム113が取り付けられ、このフレーム113の上端には前記サブパレット20下面の転動ローラ21が当接する受け板114が設けられている。
【0039】
またフレーム113の側面にはガイド115が取り付けられ、このガイド115に前記サブパレット受渡しユニット130のアーム131のレール132が係合している。またアーム131の上面には引き出されたサブパレット20の位置決めを行う受け部133が設けられている。
【0040】
更に、前記サブパレット受渡しユニット130は接合装置140を備えている。この接合装置140は前記サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130とを係脱せしめるものであり、詳細を図8及び図9に基づいて説明する。尚、図8(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対してフリーの状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図、図9(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対して係合した状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図である。
【0041】
接合装置140は前記サブパレット受渡しユニット130に支持板141を固着し、この支持板141に可動板142をスライド可能に取り付け、可動板142にピン143およびピン144を取り付け、更にスプリング145によって可動板142を下方に付勢している。また、何も力が作用しない状態ではピン143はピン144よりも下方位置にある。
【0042】
一方、前記基枠105には、アングル状ブラケット150が取り付けられ,このアングル状ブラケット150の先端に、前記ピン143が係合可能な係合孔151を設けている。
【0043】
昇降部材110が下降位置にあるときは、図8(a)〜(c)に示すように、ピン143が係合孔151に係合し、ピン144はサブパレット引き出しユニット120に形成した係合孔127よりも上方に位置している。
【0044】
一方、昇降部材110が上昇すると、サブパレット引き出しユニット120も上昇し、図9(a)〜(c)に示すように、ピン144にサブパレット引き出しユニット120の係合孔127が係合し、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130が一体化する。
【0045】
また、昇降部材110の上昇限よりも上方位置には、位置決めピン切替え装置160を配置している。この位置決めピン切替え装置160は前記したようにサブパレット20に設けた複数のワーク位置決め部材23のうちの所定のワーク位置決め部材のみを機種に応じて突出させる装置である。
【0046】
次に、基準パレット10からサブパレット20を引き出し、基準パレット10の上面に移載するまでの手順について説明する。
先ず、サブパレット移載装置100のサブパレット移載ステーションに無人搬送車Aが位置したならば、図10に示すように昇降台Cを下げる。すると、基準パレット10に設けた位置決め穴19aはサブパレット移載装置100に設けた位置決めピン104aに係合し、位置決め座19bはサブパレット移載装置100の受け座104bに載置されて位置決めが完了する。
【0047】
この後、シリンダユニット108を駆動することで、操作爪片107を前進させ基準パレット10に設けたストッパ18をスプリング18aに抗して水平状態にし、サブパレット20を引き出し可能な状態にする。
【0048】
また予め昇降部材110を最下限位置にしておく。このときピン144はサブパレット引き出しユニット120の係合孔127から外れているので、サブパレット引き出しユニット120は単独で進退動を行う状態になっている。
【0049】
そこで、シリンダユニット123を駆動し、ロッド124を前進せしめ、ロッド先端の係合片125をサブパレット20のT字溝22に進入させ、次いでモータ(駆動部材)126によってロッド124を90°回動せしめることで係合片125をT字溝22に係合させ、次いでシリンダユニット123を逆方向に駆動し、収納空間Sからサブパレット20をサブパレット受渡しユニット130上に引き出す。
【0050】
次いで、図11に示すように、モータ112を駆動して昇降部材110とともにサブパレット20を位置決めピン切替え装置160の位置まで上昇させ、ワークの機種に応じてサブパレット20の所定のワーク位置決め部材23を突出せしめる。
【0051】
位置決めピン切替え装置160による切替が終了したならば、昇降部材110を若干下げる。このとき接合装置140のピン144は、サブパレット引き出しユニット120の係合孔127に係合している。したがって、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130とは一体化している。
【0052】
そこで、図12に示すように、シリンダユニット123を駆動し、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット20を載置したサブパレット受渡しユニット130を基準パレット10の上方まで前進させて停止する。
【0053】
この後、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130を降下させ、サブパレット20を基準パレット10の位置決めピン12上に載置する。そして、サブパレット引き出しユニット120のロッド124をモータ126によって90°回動せしめ、サブパレット20のT字溝22とロッド先端の係合片125との係合状態を解除し、更にシリンダユニット123を駆動し、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130を一体的に後退させる。この後、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130を一体的に降下せしめ最下位置にくると、接合装置140のピン143がブラケット150の係合孔151に係合し、ピン144は係合孔127から外れ、サブパレット引き出しユニット120がフリーの状態になる。
【0054】
この後、無人搬送車Aの昇降台Cを上昇させ、昇降台C上にサブパレットを搭載した基準パレット10を受け取り、次工程に移動する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るサブパレット移載装置の正面図
【図2】サブパレット移載装置内に進入した無人搬送車の側面図
【図3】本発明に係るサブパレット移載装置の平面図
【図4】図3の要部拡大図
【図5】図4のA方向矢視図
【図6】図3のB−B方向拡大図
【図7】(a)〜(d)はサブパレットの位置決めピンの構造と動きを説明した図
【図8】(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対してフリーの状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図
【図9】(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対して係合した状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図
【図10】基準パレットをサブパレット移載装置に位置決めした状態を示す図1と同様の図
【図11】サブパレットを位置決めピン切替え装置の位置まで上昇させた状態を示す図1と同様の図
【図12】サブパレットを基準パレット上まで送り出した状態を示す図1と同様の図
【符号の説明】
【0056】
A…無人搬送車、B…磁気軌道、C…昇降台、S…収納空間。
1…パレット装置、10…基準パレット、11…支持プレート、12…サブパレット位置決めピン、13…ワーク位置決めピン、14…ワーク位置決め座、15…操作ノブ、16…サイドプレート、17…ボトムプレート、18…ストッパ、18a…スプリング、19a…位置決め穴、19b…位置決め座、20…サブパレット、21…転動ローラ、22…T字溝、23…ワーク位置決め部材、24…筒体、24a,24b…溝、25…キャップ、26…中空ピン、26a…横穴、27…スプリング、28…内側ピン、28a…大径部、28b…小径部、29…スプリング、30…スチールボール。
100…サブパレット移載装置、101,102,103…支柱、104a…位置決めピン、104b…受け座、105…基枠、106…レール、107…操作爪片、108…シリンダユニット、109…レール、110…昇降部材、111…ガイド、112…モータ、113…フレーム、114…受け板、115…ガイド、120…サブパレット引き出しユニット、121…ガイドレール、122…ブロック、123…シリンダユニット(駆動部材)、124…ロッド、125…係合片、126…モータ(駆動部材)、127…係合孔、130…サブパレット受渡しユニット、131…アーム、132…レール、133…受け部、140…接合装置、141…支持板、142…可動板、143,144…ピン、145…スプリング、150…ブラケット、151…係合孔、160…位置決めピン切替え装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準パレットの一部に収納されているサブパレットを基準パレットから取り出してこれを基準パレットの上に移載するサブパレット移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の部品(例えばエンジンのミッションケース)などのワークには多数の部品が組み付けられる。斯かる部品の組付けを効率よく行うために、従来から搬送ライン上を移動するパレットにワークを載置し、また搬送ラインに沿って部品ごとに組付けステーションを配置し、パレットに載置したワークに順次部品を組付けるようにしている。
【0003】
前記パレットにはワークを位置決め固定するための位置決めピンまたは位置決め座が設けられている。そして、ワークの種類が変わると位置決めピンまたは位置決め座の位置が変わるので、多数のパレットを用意しておかなければならず面倒である。そこで、特許文献1,2にパレット装置が提案されている。
【0004】
特許文献1には、電卓を載置するパレット装置として、親パレットと子パレットからなる2層式のパレットが提案されている。この2層式パレットは電卓の機種に応じて複数種類の子パレットをストッカーにストックしておき、一方、親パレットは全ての子パレットに対して共通とし、親パレットのメモリーピンに与えられた信号を読み取って、自動的に所定の子パレットを選定してストッカーから取り出し親パレットに積載する内容が開示されている。
【0005】
特許文献2には、パレットをメインパレットとこのメインパレットに対して交換自在とされたサブパレットから構成し、サブパレットにワークを取付けるとともにメインパレットについては直交する2軸に対して回動可能とした内容が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開昭61−124421号公報
【特許文献2】特開平8−252783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1,2に開示されたパレット装置にあっては、子パレット或いはサブパレットを保管する場所が別途必要となる。特に、子パレット或いはサブパレットは1機種ごとに用意されるため、それだけ大きな保管場所が必要になってしまう。また、機種変更に応じて子パレット(サブパレット)を交換する際には、保管場所から親パレット(メインパレット)の位置まで子パレット(サブパレット)を移動させなければならず、時間と手間がかかる。
【0008】
更に、子パレット(サブパレット)を親パレット(メインパレット)にセットするのを人手によって行うのは、パレット自体重量物であるので重労働となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明に係るサブパレット移載装置は、サブパレットを収納する基準パレットを位置決めする位置決め部材と昇降部材を備え、この昇降部材には、位置決めされた基準パレット内からサブパレットを引き出すサブパレット引き出しユニットと、このサブパレット引き出しユニットで引き出されたサブパレットが載置されるとともに前記基準パレット上にサブパレットを送り出すサブパレット受渡しユニットを設け、前記サブパレット引き出しユニットはサブパレットを引き出す際はサブパレット受渡しユニットとは独立して進退動し、前記基準パレット上にサブパレットを送り出す際は接合ユニットを介して前記サブパレット受渡しユニットと一体的に進退動する構成とした。
【0010】
前記サブパレットが複数のワークに対応した複数の位置決めピンを出没可能に設けている場合には、サブパレット移載装置に、当該複数の位置決めピンの中から載置するワークに対応した位置決めピンを選択し、選択したピンを突出せしめる位置決めピン切替え装置を備えることが好ましい。
【0011】
前記サブパレット引き出しユニットの具体的な構造としては、例えば進退動をなすロッド先端に、サブパレットに形成した切欠に係合する係止片を設け、前記ロッドを軸廻りに回転せしめることで前記係止片を前記切欠に係脱せしめることが考えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基準パレットの一部にサブパレットを収納したパレット装置から、当該サブパレットを自動的に基準パレットの上に移載することができ、パレットの積み替えを効率よく行うことができる。
【0013】
また、移載の際に同時にサブパレットに設けた複数の位置決めピンの中から特定の位置決めピンのみを突出せしめることで、ワークの機種切替に対し容易に対処できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るサブパレット移載装置の正面図、図2はサブパレット移載装置内に進入した無人搬送車の側面図、図3は本発明に係るサブパレット移載装置の平面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図4のA方向矢視図、図6は図3のB−B方向拡大図、図7(a)〜(d)はサブパレットの位置決めピンの構造と動きを説明した図、図8(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対してフリーの状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図、図9(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対して係合した状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図である。
【0015】
先ず、サブパレット移載装置100内に進入した無人搬送車Aは床面上に施設した磁気軌道Bに沿って走行する。この無人搬送車Aに設けた昇降台C上にパレット装置1が載置されている。
【0016】
パレット装置1は基準パレット10とサブパレット20からなる。基準パレット10は支持プレート11を有し、この支持プレート11の上面側にはサブパレット20を位置決め載置する固定部材としての位置決めピン12、ワークを位置決め載置する位置決めピン13およびワークの位置決め座14が設けられている。
ワークの位置決めピン13には操作ノブ15が付設され、機種に応じて位置決めピン13を交換したり、高さ調整が行えるようにしている。また、図示例では位置決めピン13と位置決め座14の両方を設けているが、いずれか一方でもよい。
【0017】
また、支持プレート11の下面には3方を囲むサイドプレート16…を介してボトムプレート17が取り付けられ、支持プレート11の下面、サイドプレート16の内側面及びボトムプレート17の上面によって収納空間Sが形成され、この収納空間S内に前記サブパレット20が収納される。
【0018】
前記サイドプレート16…のうち左右のサイドプレート16の内側面はサブパレット20を差し入れる際のガイドを兼ねるベく、先端部はテーパ状に広がっている。また奥のサイドプレート16にはサブパレット20を突き当てることで収納空間S内での位置決めを行う。
【0019】
また、サイドプレートがない面を収納空間Sの出し入れ用の開口とし、この開口部分に収納空間S内からのサブパレット20の抜け落ちを防止するストッパ18を設けている。このストッパ18は図5に示すように、通常はスプリング18aによって先端がサブパレット20に干渉する高さまで持ち上げられ、後述するサブパレット移載装置100の操作爪片によってストッパ18をスプリングに抗して水平状態にすることで、サブパレット20を収納空間Sから引き出すことができる。
【0020】
更に、基準パレット10のボトムプレート17には、サブパレット20を収納空間Sから引き出す際、或いは基準パレット10の位置決めピン12にサブパレット20を載置する際などに、パレット装置1全体を位置決めする位置決め穴19a及び位置決め座19bが形成されている。位置決め穴19a及び位置決め座19bは2個づつ合計4個が対角線上に配置されている。
【0021】
サブパレット20の下面には転動ローラ21が設けられ、サブパレット20の前縁にはサブパレット20を収納空間Sから引き出す際、或いは収納空間Sに差し入れる際に治具の先端が係止する切欠としてのT字溝22が形成されている。
【0022】
またサブパレット20には複数のワーク位置決め部材23が設けられている。図7(a)〜(d)はサブパレットの位置決めピンの構造と動きを説明した図である。
【0023】
ワーク位置決め部材23はサブパレット20を厚み方向に貫通する筒体24を設け、筒体24の下端開口をキャップ25で閉塞している。そして、筒体24内には中空ピン26を摺動自在に配置するとともにキャップ25との間に縮装したスプリング27によって上方に付勢している。
【0024】
前記中空ピン26内には内側ピン28を摺動自在に配置している。この内側ピン28は中間部を大径部28a、上半部を小径部28bとし、これら大径部28aと小径部28bの間をテーパ部で連続している。また内側ピン28はキャップ25との間に縮装したスプリング29によって上方に付勢されている。尚、スプリング29の弾発力はスプリング27の弾発力よりも弱く設定している。
【0025】
また、前記中空ピン26には横穴26aが形成され、この横穴26aにはスチールボール30が収納され、またこのスチールボール30が係止する溝24a、24bが筒体24の内周面に上下に離間して形成されている。
【0026】
以上において、センサによって基準パレット10の支持プレート11上の位置決め座14の位置を確認することでサブパレット20上に載置するワークの種類を検出したならば、後述する位置決めピン切替え装置によって、当該機種に応じて所定のワーク位置決め部材23のみをそのまま突出せしめ、他のワーク位置決め部材23は中空ピン26がサブパレット20上面と面一になる位置まで押し込む。
【0027】
具体的には図7(a)に示す状態では、スチールボール30は溝24aに係止し、同時にスチールボール30は内側ピン28の大径部28aに当接し、内側に逃げることができないので、中空ピン26を押し下げることができない。
【0028】
この状態から位置決めピン切替え装置によって、内側ピン28をスプリング29に抗して押し下げる。すると、図7(b)に示すように、内側ピン28の小径部28bがスチールボール30の位置まで降下し、スチールボール30は径方向内側に移動し溝24aから外れ、中空ピン26を押し下げることが可能になる。
【0029】
そこで、図7(c)に示すように、中空ピン26を押し下げて、中空ピン26の上端面をサブパレット20上面と面一になる位置まで押し込み、更に内側ピン28をフリーにすると、図7(d)に示すように、内側ピン28はスプリング29の弾発力で上昇し、内側ピン28の大径部28aがスチールボール30を径方向外側に押し出し、溝24bに係合し、中空ピン26は潜った位置のままとなる。
【0030】
このように複数のワーク位置決め部材23のうちの所定のワーク位置決め部材のみを突出させることで、機種に応じた対応が可能になる。
【0031】
次に、サブパレット移載装置100の構成について詳細に説明する。サブパレット移載装置100は支柱101,102,103を有する。これら支柱101,102,103は図1の紙面垂直方向に2本づつ設けられる。そして、支柱101と102間をサブパレット移載ステーションとしている。
【0032】
前記サブパレット移載ステーションにおいて、支柱101,102には前記基準パレット10に設けた位置決め穴19aに係合する位置決めピン104a及び位置決め座19bが載置される受け座104bが設けられている。
【0033】
また支柱102,103間は図3に示すように前後方向および左右方向のフレーム104にて連結されて基枠105を形成している。
【0034】
前記基枠105には、図4及び図5に示すように、左右方向のレール106が設けられ、このレール106に操作爪片107が係合している。そしてシリンダユニット108を駆動することで、操作爪片107がレール106に沿って摺動する。即ち、操作爪片107が前進(図4,5において左方に移動)すると、基準パレット10に設けたストッパ18をスプリング18aに抗して水平状態にする。この状態で、サブパレット20は出し入れ可能な状態になる。
【0035】
また前記基枠105には上下方向のレール109,109が取り付けられ、このレール109,109に昇降部材110のガイド111が係合し、モータ112を駆動することで、昇降部材110は上下動する。
【0036】
前記昇降部材110にはサブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130が設けられている。
【0037】
サブパレット引き出しユニット120は、左右方向のガイドレール121にブロック122が摺動自在に係合し、シリンダユニット(駆動部材)123によってブロック122が前進動及び後退動するとともに、ブロック122にはロッド124が軸廻りに回転可能に支持され、このロッド124の先端にはT字状をなす係合片125が取り付けられ、前記ブロック122に設けたモータ(駆動部材)126によってロッド124を90°回動せしめることで、T字状をなす係合片125が上向きまたは水平になるようにしている。
【0038】
また図6に示すように、昇降部材110にはフレーム113が取り付けられ、このフレーム113の上端には前記サブパレット20下面の転動ローラ21が当接する受け板114が設けられている。
【0039】
またフレーム113の側面にはガイド115が取り付けられ、このガイド115に前記サブパレット受渡しユニット130のアーム131のレール132が係合している。またアーム131の上面には引き出されたサブパレット20の位置決めを行う受け部133が設けられている。
【0040】
更に、前記サブパレット受渡しユニット130は接合装置140を備えている。この接合装置140は前記サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130とを係脱せしめるものであり、詳細を図8及び図9に基づいて説明する。尚、図8(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対してフリーの状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図、図9(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対して係合した状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図である。
【0041】
接合装置140は前記サブパレット受渡しユニット130に支持板141を固着し、この支持板141に可動板142をスライド可能に取り付け、可動板142にピン143およびピン144を取り付け、更にスプリング145によって可動板142を下方に付勢している。また、何も力が作用しない状態ではピン143はピン144よりも下方位置にある。
【0042】
一方、前記基枠105には、アングル状ブラケット150が取り付けられ,このアングル状ブラケット150の先端に、前記ピン143が係合可能な係合孔151を設けている。
【0043】
昇降部材110が下降位置にあるときは、図8(a)〜(c)に示すように、ピン143が係合孔151に係合し、ピン144はサブパレット引き出しユニット120に形成した係合孔127よりも上方に位置している。
【0044】
一方、昇降部材110が上昇すると、サブパレット引き出しユニット120も上昇し、図9(a)〜(c)に示すように、ピン144にサブパレット引き出しユニット120の係合孔127が係合し、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130が一体化する。
【0045】
また、昇降部材110の上昇限よりも上方位置には、位置決めピン切替え装置160を配置している。この位置決めピン切替え装置160は前記したようにサブパレット20に設けた複数のワーク位置決め部材23のうちの所定のワーク位置決め部材のみを機種に応じて突出させる装置である。
【0046】
次に、基準パレット10からサブパレット20を引き出し、基準パレット10の上面に移載するまでの手順について説明する。
先ず、サブパレット移載装置100のサブパレット移載ステーションに無人搬送車Aが位置したならば、図10に示すように昇降台Cを下げる。すると、基準パレット10に設けた位置決め穴19aはサブパレット移載装置100に設けた位置決めピン104aに係合し、位置決め座19bはサブパレット移載装置100の受け座104bに載置されて位置決めが完了する。
【0047】
この後、シリンダユニット108を駆動することで、操作爪片107を前進させ基準パレット10に設けたストッパ18をスプリング18aに抗して水平状態にし、サブパレット20を引き出し可能な状態にする。
【0048】
また予め昇降部材110を最下限位置にしておく。このときピン144はサブパレット引き出しユニット120の係合孔127から外れているので、サブパレット引き出しユニット120は単独で進退動を行う状態になっている。
【0049】
そこで、シリンダユニット123を駆動し、ロッド124を前進せしめ、ロッド先端の係合片125をサブパレット20のT字溝22に進入させ、次いでモータ(駆動部材)126によってロッド124を90°回動せしめることで係合片125をT字溝22に係合させ、次いでシリンダユニット123を逆方向に駆動し、収納空間Sからサブパレット20をサブパレット受渡しユニット130上に引き出す。
【0050】
次いで、図11に示すように、モータ112を駆動して昇降部材110とともにサブパレット20を位置決めピン切替え装置160の位置まで上昇させ、ワークの機種に応じてサブパレット20の所定のワーク位置決め部材23を突出せしめる。
【0051】
位置決めピン切替え装置160による切替が終了したならば、昇降部材110を若干下げる。このとき接合装置140のピン144は、サブパレット引き出しユニット120の係合孔127に係合している。したがって、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130とは一体化している。
【0052】
そこで、図12に示すように、シリンダユニット123を駆動し、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット20を載置したサブパレット受渡しユニット130を基準パレット10の上方まで前進させて停止する。
【0053】
この後、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130を降下させ、サブパレット20を基準パレット10の位置決めピン12上に載置する。そして、サブパレット引き出しユニット120のロッド124をモータ126によって90°回動せしめ、サブパレット20のT字溝22とロッド先端の係合片125との係合状態を解除し、更にシリンダユニット123を駆動し、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130を一体的に後退させる。この後、サブパレット引き出しユニット120とサブパレット受渡しユニット130を一体的に降下せしめ最下位置にくると、接合装置140のピン143がブラケット150の係合孔151に係合し、ピン144は係合孔127から外れ、サブパレット引き出しユニット120がフリーの状態になる。
【0054】
この後、無人搬送車Aの昇降台Cを上昇させ、昇降台C上にサブパレットを搭載した基準パレット10を受け取り、次工程に移動する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るサブパレット移載装置の正面図
【図2】サブパレット移載装置内に進入した無人搬送車の側面図
【図3】本発明に係るサブパレット移載装置の平面図
【図4】図3の要部拡大図
【図5】図4のA方向矢視図
【図6】図3のB−B方向拡大図
【図7】(a)〜(d)はサブパレットの位置決めピンの構造と動きを説明した図
【図8】(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対してフリーの状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図
【図9】(a)はサブパレット引き出しユニットがサブパレット受渡しユニットに対して係合した状態を示す図、(b)は(a)をb方向から見た図、(c)は(a)をc方向から見た図
【図10】基準パレットをサブパレット移載装置に位置決めした状態を示す図1と同様の図
【図11】サブパレットを位置決めピン切替え装置の位置まで上昇させた状態を示す図1と同様の図
【図12】サブパレットを基準パレット上まで送り出した状態を示す図1と同様の図
【符号の説明】
【0056】
A…無人搬送車、B…磁気軌道、C…昇降台、S…収納空間。
1…パレット装置、10…基準パレット、11…支持プレート、12…サブパレット位置決めピン、13…ワーク位置決めピン、14…ワーク位置決め座、15…操作ノブ、16…サイドプレート、17…ボトムプレート、18…ストッパ、18a…スプリング、19a…位置決め穴、19b…位置決め座、20…サブパレット、21…転動ローラ、22…T字溝、23…ワーク位置決め部材、24…筒体、24a,24b…溝、25…キャップ、26…中空ピン、26a…横穴、27…スプリング、28…内側ピン、28a…大径部、28b…小径部、29…スプリング、30…スチールボール。
100…サブパレット移載装置、101,102,103…支柱、104a…位置決めピン、104b…受け座、105…基枠、106…レール、107…操作爪片、108…シリンダユニット、109…レール、110…昇降部材、111…ガイド、112…モータ、113…フレーム、114…受け板、115…ガイド、120…サブパレット引き出しユニット、121…ガイドレール、122…ブロック、123…シリンダユニット(駆動部材)、124…ロッド、125…係合片、126…モータ(駆動部材)、127…係合孔、130…サブパレット受渡しユニット、131…アーム、132…レール、133…受け部、140…接合装置、141…支持板、142…可動板、143,144…ピン、145…スプリング、150…ブラケット、151…係合孔、160…位置決めピン切替え装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準パレット内に収納されたサブパレットを取り出して当該基準パレット上に載置するサブパレット移載装置であって、このサブパレット移載装置は、前記基準パレットを位置決めする位置決め部材と昇降部材を備え、前記昇降部材には、位置決めされた基準パレット内からサブパレットを引き出すサブパレット引き出しユニットと、このサブパレット引き出しユニットで引き出されたサブパレットが載置されるとともに前記基準パレット上にサブパレットを送り出すサブパレット受渡しユニットが設けられ、前記サブパレット引き出しユニットはサブパレットを引き出す際はサブパレット受渡しユニットとは独立して進退動し、前記基準パレット上にサブパレットを送り出す際は接合ユニットを介して前記サブパレット受渡しユニットと一体的に進退動することを特徴とするサブパレット移載装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサブパレット移載装置において、このサブパレット移載装置は、サブパレットに設けた複数の出没可能な位置決めピンの中から載置するワークに対応した位置決めピンを選択し、選択したピンを突出せしめる位置決めピン切替え装置を備えることを特徴とするサブパレット移載装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のサブパレット移載装置において、前記サブパレット引き出しユニットは進退動をなすロッドを備え、このロッド先端にはサブパレットに形成した切欠に係合する係止片が設けられ、前記ロッドを軸廻りに回転せしめることで前記係止片が前記切欠に係脱することを特徴とするサブパレット移載装置。
【請求項1】
基準パレット内に収納されたサブパレットを取り出して当該基準パレット上に載置するサブパレット移載装置であって、このサブパレット移載装置は、前記基準パレットを位置決めする位置決め部材と昇降部材を備え、前記昇降部材には、位置決めされた基準パレット内からサブパレットを引き出すサブパレット引き出しユニットと、このサブパレット引き出しユニットで引き出されたサブパレットが載置されるとともに前記基準パレット上にサブパレットを送り出すサブパレット受渡しユニットが設けられ、前記サブパレット引き出しユニットはサブパレットを引き出す際はサブパレット受渡しユニットとは独立して進退動し、前記基準パレット上にサブパレットを送り出す際は接合ユニットを介して前記サブパレット受渡しユニットと一体的に進退動することを特徴とするサブパレット移載装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサブパレット移載装置において、このサブパレット移載装置は、サブパレットに設けた複数の出没可能な位置決めピンの中から載置するワークに対応した位置決めピンを選択し、選択したピンを突出せしめる位置決めピン切替え装置を備えることを特徴とするサブパレット移載装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のサブパレット移載装置において、前記サブパレット引き出しユニットは進退動をなすロッドを備え、このロッド先端にはサブパレットに形成した切欠に係合する係止片が設けられ、前記ロッドを軸廻りに回転せしめることで前記係止片が前記切欠に係脱することを特徴とするサブパレット移載装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−57129(P2009−57129A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224144(P2007−224144)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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