説明

サプライチェーンの効率化支援方法

【課題】製品の欠品による納品率の低下を防ぐとともに、仕向け先製品毎の生産終了時にその専用部品の廃棄ロスを抑制することができるサプライチェーン効率化支援方法を提供する。
【解決手段】サプライチェーンモデルを用い、仕向け先製品毎の販売終了時期が確定される都度、コンピューター上でシミュレーションを行い、生産終了時に余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となる、製品の供給数を導出し、販売及び生産終了時期確定以降の販売計画、生産計画、資材調達計画を作成する。前記販売計画と実際の販売状況とにずれが生じた時に、前記サプライチェーンモデルでシミュレーションを行い、生産終了時に余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となる、前記時点以降の製品の供給数を導出し、修正した販売計画、生産計画、資材調達計画を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品のサプライチェーンにおいて、製品の欠品による納品率の低下を抑制しつつ、製品の生産終了時に生ずる廃棄ロスの削減を図ることができる、サプライチェーン効率化支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品が顧客に届くまでには、原材料を含む資材(以下、部品ともいう)の調達から顧客に届けるまでの複数の業務、例えば、資材調達・生産・販売・物流といった各業務(以下、部門ともいう)が存在し、各業務における業務活動の連携を通じて一連の業務活動が行われる。
【0003】
前記資材には、単独で資材(部品)となるもの、複数の構成資材(子部品)を組み立てて資材(部品)となるもの等がある。
【0004】
前記業務は、それぞれ1拠点とは限らず一般的には複数の拠点で構成されることが多い。例えば、販売部門は、複数の販売拠点で構成されることが多い。
【0005】
このような一連の業務活動による製品供給の連鎖はサプライチェーンともいわれる。
【0006】
このような複数の業務が存在するサプライチェーンの最適化に際しては、生産量及び納期等の生産情報、調達・生産・物流・販売等の形態及びそれらの拠点についての情報等を複数の観点から考慮し、管理することが必要になる。このようなサプライチェーンの管理は、一般的にサプライチェーンマネジメント(SCM)と呼ばれている。以下、SCMを行う部門をSCM部門と称す。
【0007】
このようなことからサプライチェーンの最適化のために、コンピューター上にサプライチェーンモデルを作成し、コンピューター上でシミュレーションを行いサプライチェーンの最適化を図る方法の開発が行われてきている。
【0008】
前記サプライチェーンにおいては、そのチェーンの中に物の流れ、情報等の捕捉に弱い部分、例えば在庫数量が不明確等、があるとサプライチェーンが崩れる恐れがある。従って、資材の調達・生産・販売・物流といった業務活動の物と情報の流れを最適化するためには、サプライチェーン内の全ての業務で、リアルタイムで物の流れが捉えられている必要がある。そのため、企業の基幹業務を対象に、ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージと呼ばれる情報システム・パッケージの導入が進められてきている。
【0009】
前記ERPパッケージとは統合業務パッケージであり、販売・生産・物流・財務等の企業活動全般にわたる業務を全社的に統合した企業情報システムのパッケージソフトウェアである。各部門に別々に構築されていたシステムを統合し、相互に参照・利用できるようにしようというもので、財務会計や人事等のデータの一元管理、システムのバージョンアップや保守点検の容易化、他部門の作業のリアルタイムな参照等も可能になるものである。
【0010】
前記サプライチェーンにおいては、顧客からの注文(顧客需要)に応じて販売・生産計画を立案し、社外や他工場の資材供給側(以下、サプライヤーと言う)から資材を調達し、生産工程で生産活動が行われる。
【0011】
図1は、サプライチェーンの一例を示す概略図である。図1において、顧客21は、製品を購入する販売拠点22に製品を発注する。販売拠点22は、顧客21からの注文及び販売拠点22での販売予測等を基に販売計画を作成し、販売部門23に発注する。ここで、販売拠点22とは、製品を生産する製造会社の販売部門の販売店、及び製造会社とは独立した、例えば特約店、代理店等の販売会社等をいう。
【0012】
販売部門23は、複数の販売拠点22からの注文、販売部門23での在庫計画等を基に需要計画を作成し、製品を生産部門24に発注する。ここで販売部門23とは、各販売拠点からの注文、入出庫情報及び販売情報等を統括する業務を有し、製品を一時在庫する拠点倉庫42を有する。従って、前記入出庫情報は拠点倉庫42の製品在庫情報を含む拠点倉庫情報でもある。また、販売部門23は、前記製造会社の一部門であることが多い。販売部門23は、地域毎、例えば国内においては市、県毎等、国外においては州、郡毎等に複数設けられる場合もある。
【0013】
工場内部門である生産部門24は、販売部門23からの発注に基づき製品及び資材の工場在庫を考慮し、製品の出荷、工場での生産数量を決め、資材調達部門25に資材の発注を行う。資材調達部門25は、複数のサプライヤー26に資材の発注を行い、資材を調達する。図1において、実線の矢印は注文等の情報の流れを示し、破線の矢印は物の流れを示す。資材調達部門25は工場内に、または工場外に配置される場合がある。
【0014】
前記製品の発注に際し、一般的に製品の発注確定情報以外に、調達を円滑に行うため、調達側(発注側)より供給側に将来の製品発注見込み情報(フォーキャスト情報)が通知される。前記フォーキャスト情報は、所定期日に製品発注確定情報(確定情報)へと変更される。これにより、供給側は、将来の生産計画を立てることができ、過剰在庫や欠品の発生を抑制することが可能となる。図1の例では、販売拠点から販売部門へは販売見込み情報及び販売確定情報であり、販売部門から生産部門へは需要見込み情報及び需要確定情報である。
【0015】
しかしながら、顧客からの注文は一定で推移するとは限らず、販売計画に変動が生じる場合がある。これにより、フォーキャスト情報から確定情報への変更時に、需要及び生産計画変動が生じることがある。
【0016】
また、製品が販売開始されてから販売終了に至る、所謂製品の販売のライフサイクルは、一例を挙げると導入期、成長期、成熟期、衰退期の段階を経ると考えられている。
【0017】
図5は、このライフサイクルの過程の一例を示す図である。前記衰退期には販売量が逐次減少し、製品のライフサイクルにおける販売が終了する時期、所謂販売のEnd Of Life(エンド・オブ・ライフ、以下EOLとも略す)となる。
【0018】
また、このライフサイクルの考え方を製品の生産開始から生産終了までに適用した場合は、製品生産のライフサイクルとなる。
【0019】
前記ライフサイクルの設定は、例えば製品の企画段階時に、市場動向、全社的な営業戦略における当該製品の位置付け等種々の要因を基に、企画部門等で想定し行われる。また、複数の部門間で協議して行われることもある。
【0020】
ここで、生産が開始され、ライフサイクルを経て生産終了を迎える製品(以下、EOL製品ともいう)の生産終了に際しては、多くの場合、EOL製品の後継となる次期製品の生産更に販売が開始され、前記次期製品に切り替えられる。しかしながら、前記次期製品は新製品であるため、販売戦略上、生産上、品質上等により生産開始時期が当初の計画に対し変動する(多くの場合、遅れとなる)ことがある。このため、次期製品の販売、生産変動が生じ、これにともない、EOL製品の販売、生産にも変動が生じることがある。このように、販売、生産の変動は、製品がEOL製品から次期製品への切り替え時期にも生じることがある。
【0021】
このような販売計画、生産計画の変動に対して、製品の欠品が生じ納品率が低下することを防ぐためには、十分な製品及び資材の安全在庫を持つことが1つの方法である。しかしながら、十分な安全在庫を持つことは、例えば在庫品の在庫費用の増加を招くことになる。
【0022】
このような在庫費用の減少を図るためには製品及び資材の在庫を減少させることが効果的であるが、相反して前述の納品率が低下(欠品率が上昇)し、販売できないための損失、即ち販売の機会損失が生じることがある。
【0023】
前記機会損失、前記在庫費用は小さいことが好ましく、このため、製品のライフサイクルの段階に応じて、前記機会損失費用を抑制でき、前記在庫費用が最小となる在庫の最適化が行われてきている。
【0024】
また、製品の生産終了時点における製品及び資材の在庫については、製品の在庫は生産終了後も販売され、また最終的には販売での所謂在庫処分等で処理できることも多い。しかし、生産終了時点における資材の在庫、特に仕向け先毎に異なる専用資材は、その仕向け先製品の生産終了時点で余剰在庫となり、廃棄ロス(廃棄費用)を生じる恐れがある。この廃棄ロスの抑制が望まれている。
【0025】
上記に対し、過去のフォーキャスト情報とこれに対応する受注実績から前記過去のフォーキャスト情報の誤差、前記誤差の平均値及び前記誤差の標準偏差を導出し、現在のフォーキャスト情報を補正することにより、発注量を導出することが開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0026】
また、サプライチェーンモデルを評価指標に基づき評価し、最適なサプライチェーンモデルを設定してそれを基に最適なサプライチェーン構築することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】特開2006−39802号公報
【特許文献2】特開2007−226718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
特許文献1は、現在のフォーキャスト情報を補正し、発注量を算出することにより、受注側では高精度な受注予測を行うことができ、これにより、欠品の発生や過剰な在庫の発生を効果的に抑制することを図るものである。しかし、過去のフォーキャスト情報とこれに対応する受注実績を参照しての現在のフォーキャスト情報の補正と発注量の算出では、製品の生産が終息に向かう場合の発注量は資材在庫量にも影響を与えるため、廃棄ロスの削減には繋がらなかった。
【0029】
特許文献2は、稼働中のサプライチェーンの形態をサプライチェーンモデルとしてシミュレーションを行うことにより、稼働中のサプライチェーンの調達から消費者に届けるまでの資材(部品)の調達・生産・物流・販売といった業務活動の物と情報の流れを最適化するものである。しかしながら、生産終了に向かっての販売及び需要変動時の対応は考慮されておらず、廃棄ロスの削減は考慮されていない。
【0030】
ここで、前記製品は仕向け先(販売先)毎に異なる仕様となることが多い。例えば、日本向けと北米向けでは、電源仕様、機器に表示される言語、種々の添付物等様々な仕様が異なる、また、同じ北米向けでも、例えばカナダ向けとアメリカ向けでは機器に表示される言語は同じでも、電源仕様等様々な仕様が異なる等である。このように、仕向け先毎の異なる仕様は、製品の販売先が世界的規模になるほど多くなる。
【0031】
このような複数の仕向け先がある製品では、ある仕向け先製品は、生産終了となるが、別な仕向け先製品は生産継続中のように生産終了時期が異なることがある。
【0032】
また、生産過程には、最終出荷仕様前のもの、即ち全生産過程を経ていないがその状態で貯蔵できる状態の半製品が存在する。例えば、生産工程での所定の仕向け先仕様に組み上げる前のもの、即ち仕向け先が限定される前のもの、所定の仕向け先仕様に梱包する前のもの、即ち仕向け先が一定の限定範囲のもの等がある。
【0033】
仕向け先に最終出荷状態とされた製品は、仕向け先変更に工数、費用を要するが、前記半製品はその段階に応じ仕向け先の変更が容易である。
【0034】
前述のように、製品の在庫は生産終了後も販売されるため、在庫の処理が可能であり、廃棄ロスを抑制することができる。半製品は、生産継続中の他の仕向け先製品に変更可能であり、廃棄ロスを抑制することができる。
【0035】
資材においては、同一機種の仕向け先製品間及び他機種と共通な資材は、ある仕向け先製品が生産終了しても、他製品に用いられ、廃棄ロスとはならないが、前述のように仕向け先毎に異なる専用資材の在庫は、その仕向け先製品の生産終了時点で余剰在庫となり、廃棄ロス(廃棄費用)を生じる。
【0036】
特許文献1及び2では、このような仕向け先製品毎の、生産終了時の専用資材の在庫については考慮されておらず、廃棄ロスの抑制は困難であった。
【0037】
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、製品の欠品による納品率の低下を防ぐとともに、仕向け先製品毎の生産終了時にその専用部品の廃棄ロスを抑制することができるサプライチェーン効率化支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0038】
上記目的は、下記の方法により達成される。
【0039】
1.複数の仕向け先があり仕向け先毎に異なる専用資材がある製品の資材調達から生産工程を経て顧客に至る複数の業務からなるサプライチェーンの効率化を図るサプライチェーンの効率化支援方法であって、
前記サプライチェーンをモデル化したサプライチェーンモデルをコンピューター上に設定するステップと、
前記製品の生産開始から生産終了までのライフサイクルを設定し、ライフサイクル情報を作成するステップと、
前記ライフサイクルの過程の、単位期間を起点とした生産終了までの期間の前記製品の需要を予測した需要予測情報を作成するステップと、
前記製品の仕向け先毎の製品の販売状況と前記需要予測情報を参照して販売終了の時期を確定し、仕向け先製品毎の販売終了情報を作成するステップと、
前記販売終了情報に基づき生産終了の時期を確定し、前記仕向け先製品毎の生産終了情報を作成するステップと、
ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージに格納された製品情報、生産情報、物流ルート情報、資材情報を参照して、シミュレーションデータ作成手段でシミュレーションデータを作成し格納手段に格納するステップと、
前記サプライチェーンモデルで、前記仕向け先製品毎の生産終了情報が作成される都度、前記シミュレーションデータを参照して、且つ製品の納品率を制約条件にしてコンピューター上でシミュレーションを行い、生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となる、生産終了仕向け先製品の、生産終了時期確定時点での、安全在庫数を含めた製品在庫数、半製品在庫数、生産終了時期確定以降の生産数を合計した供給数を導出し、前記供給数に基づき販売終了時期及び生産終了時期確定以降の販売計画、生産計画、資材調達計画を作成するとともに、前記販売計画、生産計画、資材調達計画に掛かる費用を導出するステップと、
前記販売計画の期間中に前記販売計画と実際の販売状況とにずれが生じた場合に、ずれ情報を作成するステップと、
前記ずれ情報が作成された場合に、前記サプライチェーンモデルで、前記ずれ情報に基づき、前記シミュレーションデータを参照して、コンピューター上でシミュレーションを行い、生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となる、生産終了仕向け先製品の、前記ずれ情報が作成された時点での、安全在庫数がある場合にはそれを含めた製品在庫数、半製品在庫数、前記ずれ情報が作成された以降の生産数を合計した供給数を導出し、前記供給数に基づき修正した販売計画、生産計画、資材調達計画を作成するとともに、前記修正した販売計画、生産計画、資材調達計画に掛かる費用を導出するステップと、を有し、
前記ステップでの一連の処理が、前記仕向け先製品毎に行われることを特徴とするサプライチェーンの効率化支援方法。
【0040】
2.前記需要予測情報は、前記製品の仕向け先毎の生産終了までのスケジュールを含むことを特徴とする前記1に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。
【0041】
3.前記資材情報は、資材毎の前記製品の専用資材か或いは次期製品を含む他製品との共通資材かの資材専用・共通情報を含むことを特徴とする前記1または2に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。
【0042】
4.前記製品情報は、製品に使用する資材とその資材の数量、製品の工程表及び構成のデータを含むことを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。
【0043】
5.前記生産情報は、製品の生産量と納期の生産計画情報、資材の在庫情報と発注情報と納期情報と価格情報、生産及び販売での製品在庫情報を含むことを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。
【0044】
6.前記物流ルートの情報は、製品の物流リードタイム及び物流費用、発送サイクルを含むことを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。
【発明の効果】
【0045】
上記により、製品の欠品による納品率の低下での販売機会損失を防ぐとともに、仕向け先製品毎の生産終了時にその専用部品の廃棄費用を抑制することができる。これにより、サプライチェーンの効率化を図ることができる。
【0046】
更に、販売終了時期及び生産終了時期確定以降に販売計画と販売状況とにずれが生じた場合であっても、製品の欠品による納品率の低下での販売機会損失を防ぐとともに、仕向け先製品毎の生産終了時にその専用部品の廃棄費用を抑制することができる。これにより、サプライチェーンの効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】サプライチェーンの一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係るサプライチェーンの効率化支援方法の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るサプライチェーンの効率化支援方法の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るサプライチェーンの効率化支援方法の一例を示すブロック図である。
【図5】製品のライフサイクルの経過を示す概略図である。
【図6】仕向け先毎の生産終了時期確定後(最終期)の最適化のフロー図である。
【図7】フォーキャスト情報及び資材発注確定情報の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】
図7は、発注フォーキャスト情報(以下、フォーキャストともいう)及び発注確定情報(以下、発注確定ともいう)の推移の例を表すテーブルである。図7では、発注間隔、フォーキャスト発信間隔及び納入リードタイムを1週間とした例である。これらの間隔は、製品及び資材の種類によって適宜設定されるものであり、例えば2週間であったり、1か月であったりする。また間隔はそれぞれ異なっていてもよい。また、図7では発注確定をPO、フォーキャストをFCと記す。
【0050】
最初の受注により立案された発注計画に従い、発注予定1週に発注確定のPO1が発注されるとともに、フォーキャストのFC1が発信される。PO1は、2週に納入される。2週には、FC1がPO2に変更され発注されるとともに、フォーキャストのFC2が発信される。PO2は、3週に納入される。以下、同様に推移する。図7は、納入が10週で完了する例である。
【0051】
図7の例では、前記発注は1週間毎に前記生産計画に基づいてMRP(Material Requirement Planning)等によって資材所要量計画が作成され行われる。
【0052】
また、フォーキャストと発注確定の間に、更に発注情報、例えば予約情報(予約)等を設けてもよい。この場合、一例を挙げるとフォーキャストは、資材の買い取りは確約ではなく、予約は、買い取りは確約であるが時期は確約ではなく、発注確定は、買い取りも時期も確約したものとしてもよい。
【0053】
図2、3、4は、製品の発注情報がフォーキャストから発注確定へと移行する、複数の仕向け先があり仕向け先毎に異なる専用資材がある製品のサプライチェーンの効率化を図るサプライチェーン効率化支援方法の実施の一形態を示すブロック図である。
【0054】
前記ブロック図は図示の関係上、図2、3、4に分割して示すが、図2、3、4は一体を成すものである。また、サプライチェーン20は、図1を参照する。
【0055】
図3において、データベース1は、各種データ及び情報を格納する格納手段であり、ERPパッケージ2(図2参照)のデータ、情報は中継プログラム6及びシミュレーションデータ作成手段であるデータ変換部7を介して、データベース1に必要に応じ取り込まれる。また、後述のデータ変換部7で作成されたシミュレーションデータも取り込まれる。なお、ERPパッケージ2のデータ、情報の内、データ変換部7で用いないデータ、情報は、データ変換部7を介さず中継プログラム6を介して直接データベース1に取り込んでもよい。
【0056】
ERPパッケージ2は統合業務パッケージであり、統合データベースを有し、製品情報、生産情報、物流ルート情報、資材情報等が格納される。ここで資材(部品)には、資材及び資材(部品)を構成する部材である構成資材(子部品)を含む。
【0057】
前記製品情報は製品に使用する資材とその資材の数量、製品の工程表及び構成のデータ等を含む。
【0058】
前記生産情報は製品の生産量、生産リードタイム、納期の各情報、資材の物流ルート、物流リードタイム、在庫、発注、納期、価格の各情報、生産及び販売での製品、半製品在庫情報等を含む。
【0059】
前記物流ルート情報は、製品の出荷及び資材調達に使用される、通常物流ルート及び臨時物流ルートでの、製品及び資材別の物流リードタイム及び物流費用の情報及び製品の発送サイクルを含む。前記発送サイクルとは、工場(生産部門24)から拠点倉庫42に製品が発送される間隔のことで、例えば発送が毎日、1週間毎、10日毎等である。また、拠点倉庫42毎に異なることもある。
【0060】
前記資材情報は、資材毎の、仕向け先製品毎の専用資材か或いは仕向け先製品間及び次期製品を含む他製品との共通資材かの情報を含む。
【0061】
次に、生産終了時期確定前、即ち生産が継続中の場合の販売機会損失の防止と在庫費用を最小とする在庫の最適化について説明する。この最適化は、専用資材については仕向け先製品毎に行われる。
【0062】
ここで、生産終了時期確定前は、販売については販売終了時期確定前である。
【0063】
販売計画作成部3は、サプライチェーン20における単位期間の期首の顧客21の実需要(注文)に基づき販売計画を作成する。前記販売計画は、EOL製品と、次期製品の販売が具体化された後は次期製品についても作成される。
【0064】
以下、EOL製品の仕向け先毎の製品を仕向け先製品とも称す。
【0065】
販売計画作成部3は、販売拠点22内の、例えば、販売管理部門に設けられる。前記販売計画は、需要計画作成部41に伝達される。前記単位期間とは、製品の生産・販売計画を作成する、ある所定の期間のことであり、生産・販売は単位期間の継続で行われる。例えば、3か月毎、6か月、1年毎等、製品の種類、形態等により適宜設定される。前記単位期間は、常に一定の長さとは限らず、例えば、製品のライフサイクルの各段階、導入期、成長期、成熟期、衰退期等で期間の長さを変えてもよい。また、実需要が、ある幅で変動する毎としてもよい。また、販売の単位期間と生産の単位期間は、多くの場合期間の順番、例えば、販売計画のn期目と生産計画n期目は相対するものであるが、それぞれの単位期間が実行される時間的(月日)な時期及び時間的(月日)な長さは同一となるとは限らない。
【0066】
前記ライフサイクルは、前述のように製品の企画段階等に、市場動向、全社的な営業戦略における当該製品の位置付け等種々の要因を基に、例えば企画部門等或いは複数の部門間で想定し、設定される。このライフサイクルは、必要に応じ適宜修正される。
【0067】
需要計画作成部41は、前記販売計画、拠点倉庫42の製品在庫情報、入出庫情報を基に、また販売変動を考慮し、安全在庫数を想定して需要計画を作成する。また、前記単位期間が予め想定した製品のライフサイクルのどの位置にあるかを判別し、位置情報を作成する。前記需要計画は、製品のフォーキャスト情報及び確定情報を含む。
【0068】
拠点倉庫42は、生産部門24より納入された製品を一時保管し、販売拠点22からの出荷要請(受注)により製品を出荷する。拠点倉庫42の情報としては、製品在庫情報、入出荷情報等がある。需要計画作成部41及び拠点倉庫42は販売部門23内の、例えば調達管理部門に設けられる。
【0069】
需要計画及びライフサイクルの位置情報は、生産計画作成部5に伝達される。
【0070】
生産計画作成部5は、前記需要計画を基に、資材調達、工場、物流の各制約条件及び生産部門24での製品在庫状況を考慮して、生産計画を作成する。資材調達の制約条件は、部品生産能力、資材の物流リードタイム、等がある。前記工場の制約条件は、生産リードタイム、工程の最大生産能力等がある。物流の制約条件は、製品の出荷及び物流リードタイム、物流能力、倉庫在庫能力等がある。生産計画作成部5は、生産部門24内の、例えば、生産管理部門に設けられる。
【0071】
販売計画、需要計画、生産計画は同一機種の場合でも仕向け先毎に作成される。また、これに対応して拠点倉庫42の情報も仕向け先毎となる。
【0072】
上述の販売計画、需要計画、位置情報、拠点倉庫、生産計画の各情報は、中継プログラム6及びデータ変換部7を介してデータベース1、ERPパッケージ2に入力される。これらの計画及び情報は、対象となる製品のサプライチェーン20に単位期間の期首に適用される。
【0073】
シミュレーションデータ作成手段であるデータ変換部7は、ERPパッケージ2に格納されている製品情報と生産情報と資材情報と物流ルート情報、販売計画、需要計画、生産計画、次期製品導入計画、ライフサイクル情報を基にシミュレーションデータを作成する。
【0074】
前記シミュレーションデータは、コンピューター上で用いることができるように、各情報のデータを、数値及び記号化してデータテーブルとしたものである。例えば、販売計画、需要計画、生産計画をコード化して、各計画のデータと結びつけ、データテーブルを作成する。データ変換部7を設け、前記データ変換部7をERPパッケージ2、販売計画作成部3、需要計画作成部41、拠点倉庫42及び生産計画作成部5と結びつけることにより、最新の情報を用いてシミュレーションデータを作成することができる。例えば、設計変更が生じてERPパッケージ2のデータが修正された場合等においても、常にERPパッケージ2の最新のデータに基づきデータ変換部7でシミュレーションデータを作成することができる。このため、実際の系に近い、且つ精度の高いシミュレーションが可能になる。また、予めシミュレーションデータを作成することにより、後述のシミュレーション実行時に、シミュレーションデータを作成する負荷を軽減することができ、迅速なシミュレーションを行うことができる。
【0075】
モデル作成部8は、データベース1に格納されたサプライチェーンの構成等の情報を基に、サプライチェーンモデルをコンピューター上に前記シミュレーションデータに基づき設定する。前記サプライチェーンモデルは、実際のサプライチェーンを模擬的にコンピューター上に仮想サプライチェーンとして再現したものであり、実際のサプライチェーンの物の流れ、各作業等をコンピューター上に模擬的に再現することができる。
【0076】
モデル作成部8で設定されるサプライチェーンモデルでは、製品及び資材の物流は継続的に用いられる通常物流ルートで設定される。以下、前記サプライチェーンモデルをモデル1とも称す。
【0077】
ここで物流ルートは、船便、自動車便、航空便等種々挙げられるが、一般的に物流ルートは、物流リードタイムが長い、例えば船便等では物流費用は安く、物流リードタイムが短い、例えば航空便等では高くなる。このため、通常は、物流ルートとして物流リードタイムが長いが物流費用が安い、例えば船便等が継続的に通常物流ルートとして用いられることが多い。これに対し、本実施の形態では、物流リードタイムが短いが物流費用が高く、臨時的に用いられる物流ルート(航空便等)を臨時物流ルートと称する。
【0078】
また、モデル作成部8で、前述の製品のライフサイクルの全期間において、単位期間の位置情報を参照して、EOL製品の前記単位期間の期首からライフサイクル終了までの、残りのライフサイクルでの需要予測情報が作成される。前記需要予測情報は、一般に提案されている既知の需要予測の手法を実現するアプリケーションプログラム(需要予測ツール)、例えば移動平均法等を製品特性にあわせて取捨選択して、モデル1に加え、コンピューター上で使用し、作成される。
【0079】
シミュレーション条件設定部9で、シミュレーション期間、例えば、始めとする単位期間以後のどの単位期間までシミュレーションを行うか等、また製品の納品率の設定、資材、製品の期首在庫の設定等のシミュレーション条件の設定(パラメータの設定)を行う。シミュレーション条件の設定は、コンピューターに接続された入出力装置(不図示)で、販売、生産の管理関係者等の許可された担当者により行われる。
【0080】
シミュレーション部10で、シミュレーションデータ、需要予測情報の内のシミュレーション期間内での需要予測情報、シミュレーション条件に基づき、製品の納品率を制約条件にしてコンピューター上でモデル1を用い、シミュレーション(以下、継続期シミュレーションという)が行われる。単位期間の期首の販売計画においては、通常欠品は許容されないため、継続期シミュレーションにおいては、最初は納品率を100%(即ち欠品率0%)として行われる。
【0081】
継続期シミュレーションにより、販売機会損失を生じることなく、製品、半製品及び資材の在庫費用が最小となる在庫数及び在庫場所を導出する。なお、在庫数及び在庫場所は、仕向け先毎に導出される。半製品の在庫は、生産部門24、即ち工場に限定されるものではなく、工場と拠点倉庫42の間に中間倉庫(不図示)を設けて在庫してもよい。また、工場と中間倉庫に分散して在庫することもある。
【0082】
継続期シミュレーションの結果は、シミュレーションの都度、コンピューターに接続された入出力装置(不図示)に出力され、販売、生産の管理関係者等の関係者に伝達される。
【0083】
結果評価部11で、販売、生産の管理関係者等により継続期シミュレーションの結果が評価検討される。更に条件を変えて(例えば、納品率を変更、製品の期首在庫の設定変更等)、シミュレーションする必要のある場合は、再度シミュレーション条件設定部9で条件を設定してシミュレーションを行うことができる。これにより、評価の範囲を広げることが可能になる。
【0084】
継続期シミュレーション結果の情報は、製品、半製品及び資材の在庫数と在庫場所、在庫費用の各情報としてフィードバックされ、データベース1に格納され、更にERPパッケージ2に転送し格納される。ERPパッケージ2に転送された継続期シミュレーション結果はサプライチェーン20に取り込まれ、実際の製品の在庫計画(安全在庫数と在庫場所)、発注確定、フォーキャストに反映される。
【0085】
次に、仕向け先毎の生産終了時期確定後(最終期)の最適化について説明する。
【0086】
前述の継続期シミュレーション結果を生産終了まで適用すると、専用資材の在庫は、余剰在庫となり廃棄費用が発生する。
【0087】
製品販売のライフサイクルの衰退期の終了近傍になると、販売部門23の、例えば需要計画作成部41は、販売拠点22からの販売予測情報、前記衰退期の終了近傍の需要予測情報等に基づき、製品の販売を最終とする販売最終単位期間(以下、販売終了時期ともいう)を確定するか否かの判定をする。販売終了時期が確定されると、これらの情報を基に販売終了情報が作成され関係部門に伝達される。また、データベース1に格納される。
【0088】
この販売終了時期は、仕向け先製品毎に異なることが多いため、仕向け先製品毎に確定される。販売終了時期の確定は、需要計画作成部41に限定されるものではなく、例えば、SCM部門(不図示)、また関係部門間の協議等で行ってもよい。
【0089】
仕向け先製品の販売終了時期が確定されると、生産計画作成部5は、製品の生産を最終とする生産最終単位期間(以下、生産終了時期ともいう)を確定する。確定がされると、生産終了情報が作成され関係部門に伝達され、データベース1に格納される。生産終了時期の確定は、生産計画作成部5に限定されるものではなく、例えば、SCM部門、また関係部門間の協議等で行ってもよい。この生産終了時期が確定した仕向け先製品を生産終了仕向け先製品とも記す。
【0090】
上述の、販売終了時期及び生産終了時期は情報としてデータベース1に入力される。
【0091】
生産終了時期が確定されると、シミュレーション条件設定部9で、データベース1に格納されているシミュレーションデータを基に、生産終了時期確定時点の資材、製品、半製品の在庫情報、次期製品導入計画情報、資材の最小発注単位等をシミュレーション条件として設定する。
【0092】
修正のある場合には、修正してシミュレーション条件の設定が行われる。また、シミュレーション実行の際のパラメータとして安全在庫数、専用資材の最小発注単位等も設定される。前記安全在庫数の設定とは、資材、製品の安全在庫数を最終期にも設定するか否か、設定する場合にはその数量等の設定である。
【0093】
更に、生産終了仕向け先製品の最終期の市場動向等により、最終期に販売される生産終了仕向け先製品の販売量に予め限界値が存在する場合にはその限界値をシミュレーション条件に設定する。
【0094】
これらの設定は、コンピューターに接続された入出力装置(不図示)を用い、担当者が設定に必要な操作をすることにより行われる。
【0095】
シミュレーション部10で、シミュレーションデータ、シミュレーション条件、納品率に基づき、コンピューター上でモデル1を用い、シミュレーション(以下、最終期シミュレーションという)が行われる。
【0096】
最終期シミュレーションにより、生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となるような、生産終了仕向け先製品の供給数を導出する。供給数には、生産終了時期を確定した時点で既に存在している製品の安全在庫数を含めた在庫数、半製品在庫数の他、生産終了仕向け先製品の追加生産数も合計して(考慮して)導出する。更に、前記供給数に基づき販売計画(最終期販売計画)、生産計画(最終期生産計画)、資材調達計画(最終期資材調達計画)を作成するとともに、専用資材の廃棄費用、販売、生産、資材調達に掛かる費用(最終期費用)を導出する。
【0097】
前記生産数は、生産終了時期を確定した時点の専用資材の安全在庫数を含めた在庫数を基に、追加生産数を導出するが、最小発注単位を考慮して専用資材の追加発注を行った場合でも生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となるような生産数を導出する。また、前記生産計画には、半製品を製品として完成するための計画も含む。
【0098】
ここで、資材の調達においては、単価との関係で発注単位が決められていることが多い。通常はこの発注単位で発注するため、資材在庫は製品の生産数に対して数量的にばらつきができる。従って、他仕向け先製品や他機種と共通の資材であれば転用し、ばらつきを解消することができるが、専用部品間のばらつきは、解消できない。
【0099】
このため、生産終了時に余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用を最小とするためには、必要資材を追加発注し、専用資材を可能な限り消化することが好ましい。しかしながら、資材それぞれに最小発注単位があることが多く、数量のばらつきは残る。また、通常、発注単位が小さくなると単価が高くなる。
【0100】
このため、最終期シミュレーションにより、生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となる生産数を導出する。なお、前述の限界値が存在する場合にはその限界値を供給数として最終期シミュレーションが行われる。
【0101】
前述のように、発注単位が小さくなると単価が高くなることがあるため、継続期の費用と異なることが多い。このため、最終期費用が導出される。
【0102】
最終期シミュレーションの結果は、コンピューターに接続された入出力装置(不図示)に出力され、販売、SCM、生産の管理関係者等の関係者に伝達される。
【0103】
結果評価部11で、販売、SCM、生産の管理関係者等の関係者により最終期シミュレーションの結果が評価検討される。更に条件を人為的に変更して(例えば、納品率を変更、製品の期首在庫の設定変更等)、シミュレーションする必要のある場合は、再度シミュレーション条件設定部9で条件を設定してシミュレーションを行うことができる。これにより、評価の範囲を広げることが可能になる。納品率の変更とは、生産終了仕向け先製品に対する顧客21からの受注を中止する、或いは他機種に変更してもらう等の処理をいう。
【0104】
最終期シミュレーション結果の情報は、最終期販売計画、最終期生産計画、最終期資材調達計画、専用資材廃棄費用、最終期費用の各情報としてフィードバックされ、データベース1に格納され、更にERPパッケージ2に転送し格納される。
【0105】
また、導出された最終期販売計画は販売部門23及びSCM部門に、最終期生産計画及び最終期資材調達計画は生産部門24にフィードバックされる。販売部門23は、シミュレーションにより作成された最終販売計画を必要に応じ修正する。この修正を行う場合には、修正は専用資材廃棄費用の増加を招かない微小な範囲で行われることが好ましい。
【0106】
最終期販売計画が修正された場合には、その修正計画が生産部門24に伝えられ、最終期生産計画、最終期資材調達計画が必要に応じ修正される。
【0107】
最終期販売計画、最終期生産計画、最終期資材調達計画が修正された場合には、それらの修正版が最終期販売計画、最終期生産計画、最終期資材調達計画としてデータベース1に格納され、更にERPパッケージ2に転送し格納される。
【0108】
最終期資材調達計画は資材調達部門25にフィードバックされる。
【0109】
最終期販売計画、最終期生産計画、最終期資材調達計画はサプライチェーン20に適用され、最終期の各業務が行われる。
【0110】
上記により、製品の欠品による納品率の低下での販売機会損失を防ぐとともに、仕向け先製品毎の生産終了時にその専用資材の廃棄費用を抑制することができる。これにより、サプライチェーンの効率化を図ることができる。
【0111】
ここで、前述の最終期の期間中において、最終期販売計画と実際の販売状況とにずれ(変動)が生じることがある。例えば、前述のように後継となる次期製品の生産計画の変動によりEOL製品(生産終了仕向け先製品)の販売状況にずれが生じる等がある。また、市場動向の変化等による場合も起こりうる。
【0112】
この場合、専用資材の廃棄費用を抑制するためには、このずれに応じて最終期販売計画、最終期生産計画、最終期資材調達計画を修正し、各種費用を再度導出することが求められる。
【0113】
最終期生産期間中に最終期販売計画と販売状況とにずれが確認され、販売部門23等で最終期販売計画の修正が必要と決定(修正決定)されると、例えば需要計画作成部41は最終期販売計画と販売状況との経時的なずれデータ、販売及び需要の変動データを含むずれ情報を作成し、データベース1に格納する。
【0114】
次に、モデル作成部12で、モデル作成部8と同様にサプライチェーンモデルが、コンピューター上に設定される。モデル作成部12で設定されるサプライチェーンモデルをモデル2と称す。
【0115】
モデル1とモデル2とは、説明のために別称としたが、サプライチェーンの構成は同じものである。
【0116】
モデル2には、前述のモデル1に対し、製品及び資材の物流ルートに臨時物流ルート(航空便等)が加えられ、通常物流ルート及び臨時物流ルートで供給した場合の製品及び資材の物流リードタイム及び物流費用が加えられる。
【0117】
ここで、前述のように所定の仕向け先用に最終出荷状態とされた製品の在庫は、その仕向け先での需要が減少しても、余剰品を他の仕向け先に変更することは工数、費用を多く要し困難な場合が多い。しかしながら、最終出荷状態以前の半製品は、その段階に応じ仕向け先の変更が容易である。
【0118】
このように、半製品での在庫は各仕向け先の販売動向により仕向け先変更が容易なため、製品での在庫の減少を図ることができ、製品の余剰在庫の減少に繋げることができる。また、半製品の段階によっては、次期製品を含む他製品に転用可能な場合もある。前記半製品は、通常生産部門24で在庫されるが、その段階によっては、他の部門、例えば中間倉庫、拠点倉庫42に在庫することが可能である。
【0119】
このような半製品の在庫は、前述の次期製品の遅れにより生産終了仕向け先製品の急な増産が必要になった時等に、継続中の他仕向け先製品を転用することが容易となる。また、逆の場合、継続中の他仕向け先製品等に転用が容易となる。
【0120】
しかしながら、半製品での在庫は、製品として完成するまでの生産リードタイム、製品として完成してからの工場から拠点倉庫42、更に拠点倉庫42から販売拠点22までの出荷の物流ルート、物流リードタイムを、また前述の前記発送サイクルも考慮する必要がある。更に、在庫場所も、その段階に応じて考慮する必要がある。また、このため、半製品での在庫は前記臨時物流ルート及びその費用を考慮する必要が生じる。
【0121】
また、増産の場合には、専用資材の最小発注単位、物流ルート、これらの費用を考慮する必要もある。
【0122】
次に、シミュレーション条件設定部13で、データベース1に格納されているシミュレーションデータを参照して、修正決定時の資材、製品、半製品の在庫情報、次期製品導入計画情報、資材の最小発注単位等をシミュレーション条件として設定する。また、ずれ情報を基に、修正の方向(販売推移の方向)をシミュレーション条件として設定する。
【0123】
シミュレーション条件に修正のある場合には、修正してシミュレーション条件の設定が行われる。また、シミュレーション実行の際のパラメータとして専用資材の最小発注単位等も設定される。
【0124】
更に、生産終了仕向け先製品の最終期の市場動向等により、修正決定時以降に販売される生産終了仕向け先製品の販売量に予め限界値を設定する場合には、その限界値をシミュレーション条件に設定する。
【0125】
これらの設定は、コンピューターに接続された入出力装置(不図示)を用い、担当者が設定に必要な操作をすることにより行われる。
【0126】
シミュレーション部14で、ずれ情報、シミュレーションデータ、シミュレーション条件に基づき、コンピューター上でモデル2を用い、シミュレーション(以下、修正シミュレーションという)が行われる。
【0127】
修正シミュレーションにより、生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となるような、生産終了仕向け先製品の供給数を導出する。供給数には、修正決定した時点で既に存在している製品の在庫数、半製品在庫数の他、生産終了仕向け先製品の追加生産数も合計して(考慮して)導出する。
【0128】
半製品在庫数からの生産終了仕向け先製品の供給数は、供給数が前述の修正方向に倣うように、例えば増産の場合は他仕向け先製品から転用し、減産の場合は他仕向け先製品に転用するように調整される。
【0129】
更に、前記供給数に基づき修正販売計画、修正生産計画、修正資材調達計画を作成するとともに、専用資材の廃棄費用、販売、生産、資材調達に掛かる通常物流ルートと、それに加えて用いる臨時物流ルートの選定とそれらの費用(修正費用)が導出される。
【0130】
修正シミュレーションの結果は、シミュレーションの都度、コンピューターに接続された入出力装置(不図示)に出力され、販売、SCM、生産の管理関係者等の関係者に伝達される。
【0131】
結果評価部15で、販売、SCM、生産の管理関係者等の関係者により修正シミュレーションの結果が評価検討される。更に条件を人為的に変更して(例えば、許容納品率を変更、製品の在庫の設定変更等)、シミュレーションする必要のある場合は、再度シミュレーション条件設定部13で条件を設定してシミュレーションを行うことができる。これにより、評価の範囲を広げることが可能になる。
【0132】
修正シミュレーション結果の情報は、修正販売計画、修正生産計画、修正資材調達計画、修正専用資材廃棄費用、臨時物流ルート、修正費用の各情報としてフィードバックされ、データベース1に格納され、更にERPパッケージ2に転送し格納される。
【0133】
また、導出された修正販売計画は販売部門23及びSCM部門に、修正生産計画及び修正資材調達計画は生産部門24にフィードバックされる。修正資材調達計画は資材調達部門25にフィードバックされる。
【0134】
修正販売計画、修正生産計画、修正資材調達計画はサプライチェーンチェーン20に適用され、修正決定時以降の各業務が行われる。
【0135】
上記説明では、修正シミュレーションの実行は最終期販売計画と実際の販売状況とにずれが確認された時としたが、最終期生産計画が作成された時、予め最終期生産計画の期間中に所定の時点を設定し、ずれが確認されない或いはずれが軽微であっても前記所定の時点で修正シミュレーションを行い、その時点での最適化を行うことが好ましい。所定の時点は、例えば生産計画作成部5により設定される。
【0136】
例えば、最終期シミュレーションが生産終了日の6か月前に行われた場合には、3か月後に修正シミュレーションを行う等である。
【0137】
上記により、最終期生産期間中に最終期販売計画と販売状況とにずれが生じた場合であっても、製品の欠品による納品率の低下での販売機会損失を防ぐとともに、仕向け先製品毎の生産終了時にその専用部品の廃棄費用を抑制することができる。これにより、サプライチェーンの効率化を図ることができる。
【0138】
また、ずれがない或いはずれが軽微な場合にも、予め設定した所定の時点での最適化の確認或いは微調が可能になる。
【0139】
図6は、上述の、仕向け先毎の生産終了時期確定後(最終期)の最適化のフロー図である。サプライチェーンモデルのモデル1は設定されているものとする。なお、以下のステップは仕向け先製品毎に実行されるものである。
【0140】
ステップS101で、販売部門23の、例えば需要計画作成部41で、販売拠点22からの販売予測情報、衰退期の終了近傍の需要予測情報等に基づき、販売終了時期が確定される。
【0141】
ステップS102で、生産計画作成部5で、確定された販売終了時期に基づき生産終了時期が確定される。
【0142】
ステップS103で、シミュレーション条件設定部9で、データベース1に格納されているシミュレーションデータを基に、生産終了時期の期首の資材、製品、半製品の在庫情報、次期製品導入計画情報、資材の最小発注単位等がシミュレーション条件として設定される。
【0143】
ステップS104で、シミュレーション部10で、シミュレーションデータ、シミュレーション条件、納品率に基づき、コンピューター上でモデル1を用い、最終期シミュレーションが行われる。最終期シミュレーションにより、生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となるような、生産終了仕向け先製品の供給数を導出する。供給数には、生産終了時期を確定した時点で既に存在している製品の安全在庫数を含めた在庫数、半製品在庫数の他、生産終了仕向け先製品の追加生産数も合計して(考慮して)導出する。更に、前記供給数に基づき販売計画(最終期販売計画)、生産計画(最終期生産計画)、資材調達計画(最終期資材調達計画)を作成するとともに、専用資材の廃棄費用、販売、生産、資材調達に掛かる費用(最終期費用)を導出する。また、予め最終期生産計画の期間中に所定の時点を設定する場合には、最終期生産計画が作成された時にその設定が行われる。
【0144】
ステップS105で、結果評価部11で、販売、SCM、生産の管理関係者等の関係者により最終期シミュレーションの結果が評価検討される。更に条件を変えてシミュレーションする必要のある場合は(ステップS105;No)、ステップS103で再度条件を設定してシミュレーションを行う。再シミュレーション不要の場合は(ステップS105;Yes)、ステップS106へ進む。
【0145】
ステップS106で、最終期シミュレーション結果の情報は、最終期販売計画、最終期生産計画、最終期資材調達計画、専用資材廃棄費用、最終期費用の各情報としてデータベース1に格納される。
【0146】
ステップS107で、最終期シミュレーション結果の情報は、最終期販売計画、最終期生産計画、最終期資材調達計画、専用資材廃棄費用、最終期費用の各情報としてERPパッケージ2に転送され格納される。
【0147】
ステップS108で、最終期販売計画の修正が必要な場合には(ステップS108;Yes)、ステップS110で修正される。更に、最終期販売計画が修正された場合には、最終期生産計画、最終期資材調達計画が必要に応じ修正される。最終期販売計画、最終期生産計画、最終期資材調達計画が修正された場合には、それらの修正版がデータベース1及びERPパッケージ2に格納される。最終期販売計画の修正が必要ない場合には(ステップS108;No)、ステップS109でサプライチェーンに反映される。
【0148】
ステップS111で、最終期生産期間中に最終期販売計画と販売状況とにずれが確認され最終期販売計画の修正が必要と決定された時、或いはずれがないか或いは軽微であっても予め所定の時点でシミュレーションを行うことが設定されている場合には所定の時点となった時に、最終期販売計画の修正が決定される。
【0149】
ステップS112で、ずれ情報が作成される。このずれ情報は、ずれにより最終期販売計画の修正が必要と決定された場合だけでなく、所定の時点で最終期販売計画の修正を行う場合にも作成される。所定の時点でずれがない場合であっても、「ずれなし」としたずれ情報が作成される。
【0150】
ステップS113で、モデル作成部12で、サプライチェーンモデルが、コンピューター上に設定される。モデル作成部12で設定されるサプライチェーンモデルをモデル2と称す。モデル1とモデル2とは、説明のために別称としたが、サプライチェーンの構成は同じものである。モデル2には、前述のモデル1に対し、製品及び資材の物流ルートに臨時物流ルート(航空便等)が加えられ、通常物流ルート及び臨時物流ルートで供給した場合の製品及び資材の物流リードタイム及び物流費用が加えられる。
【0151】
ステップS114で、シミュレーション条件設定部13で、データベース1に格納されているシミュレーションデータを参照して、修正決定時の資材、製品、半製品の在庫情報、次期製品導入計画情報、資材の最小発注単位等がシミュレーション条件として設定される。また、ずれ情報を基に、修正の方向(販売推移の方向)がシミュレーション条件として設定される。
【0152】
ステップS115で、シミュレーション部14で、ずれ情報、シミュレーションデータ、シミュレーション条件に基づき、コンピューター上でモデル2を用い、修正シミュレーションが行われる。修正シミュレーションにより、生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となるような、生産終了仕向け先製品の供給数を導出する。供給数には、修正決定した時点で既に存在している製品の在庫数、半製品在庫数の他、生産終了仕向け先製品の追加生産数も合計して(考慮して)導出する。半製品在庫数からの生産終了仕向け先製品の供給数は、供給数が前述の修正方向に倣うように、例えば増産の場合は他仕向け先製品から転用し、減産の場合は他仕向け先製品に転用するように調整される。更に、前記供給数に基づき修正販売計画、修正生産計画、修正資材調達計画を作成するとともに、専用資材の廃棄費用、販売、生産、資材調達に掛かる臨時物流ルートの選定とそれらの費用(修正費用)が導出される。
【0153】
ステップS116で、結果評価部15で、販売、SCM、生産の管理関係者等の関係者により修正シミュレーションの結果が評価検討される。更に条件を変えてシミュレーションする必要のある場合は(ステップS116;No)、ステップS114で再度条件を設定してシミュレーションを行う。再シミュレーション不要の場合は(ステップS116;Yes)、ステップS117へ進む。
【0154】
ステップS117で、修正シミュレーション結果の情報は、修正販売計画、修正生産計画、修正資材調達計画、修正専用資材廃棄費用、臨時物流ルート、修正費用の各情報としてフィードバックされ、データベース1に格納される。
【0155】
ステップS118で、修正シミュレーション結果の情報は、修正販売計画、修正生産計画、修正資材調達計画、修正専用資材廃棄費用、臨時物流ルート、修正費用の各情報としてERPパッケージ2に転送し格納される。
【0156】
ステップS119で、導出された修正販売計画は販売部門23及びSCM部門に、修正生産計画及び修正資材調達計画は生産部門24にフィードバックされる。修正資材調達計画は資材調達部門25にフィードバックされる。また、修正販売計画、修正生産計画、修正資材調達計画はサプライチェーン20に適用され、修正決定時以降の各業務が行われる。
【符号の説明】
【0157】
1 データベース
2 ERPパッケージ
3 販売計画作成部
41 需要計画作成部
42 拠点倉庫
43 サプライヤー情報作成部
5 生産計画作成部
6 中継プログラム
7 データ変換部
8、12 モデル作成部
9、13 シミュレーション条件設定部
10、14 シミュレーション部
11、15 結果評価部
20 サプライチェーン
21 顧客
22 販売拠点
23 販売部門
24 生産部門
25 資材調達部門
26 サプライヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕向け先があり仕向け先毎に異なる専用資材がある製品の資材調達から生産工程を経て顧客に至る複数の業務からなるサプライチェーンの効率化を図るサプライチェーンの効率化支援方法であって、
前記サプライチェーンをモデル化したサプライチェーンモデルをコンピューター上に設定するステップと、
前記製品の生産開始から生産終了までのライフサイクルを設定し、ライフサイクル情報を作成するステップと、
前記ライフサイクルの過程の、単位期間を起点とした生産終了までの期間の前記製品の需要を予測した需要予測情報を作成するステップと、
前記製品の仕向け先毎の製品の販売状況と前記需要予測情報を参照して販売終了の時期を確定し、仕向け先製品毎の販売終了情報を作成するステップと、
前記販売終了情報に基づき生産終了の時期を確定し、前記仕向け先製品毎の生産終了情報を作成するステップと、
ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージに格納された製品情報、生産情報、物流ルート情報、資材情報を参照して、シミュレーションデータ作成手段でシミュレーションデータを作成し格納手段に格納するステップと、
前記サプライチェーンモデルで、前記仕向け先製品毎の生産終了情報が作成される都度、前記シミュレーションデータを参照して、且つ製品の納品率を制約条件にしてコンピューター上でシミュレーションを行い、生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となる、生産終了仕向け先製品の、生産終了時期確定時点での、安全在庫数を含めた製品在庫数、半製品在庫数、生産終了時期確定以降の生産数を合計した供給数を導出し、前記供給数に基づき販売終了時期及び生産終了時期確定以降の販売計画、生産計画、資材調達計画を作成するとともに、前記販売計画、生産計画、資材調達計画に掛かる費用を導出するステップと、
前記販売計画の期間中に前記販売計画と実際の販売状況とにずれが生じた場合に、ずれ情報を作成するステップと、
前記ずれ情報が作成された場合に、前記サプライチェーンモデルで、前記ずれ情報に基づき、前記シミュレーションデータを参照して、コンピューター上でシミュレーションを行い、生産終了仕向け先製品の生産終了時に、余剰在庫となり廃棄される専用資材の廃棄費用が最小となる、生産終了仕向け先製品の、前記ずれ情報が作成された時点での、安全在庫数がある場合にはそれを含めた製品在庫数、半製品在庫数、前記ずれ情報が作成された以降の生産数を合計した供給数を導出し、前記供給数に基づき修正した販売計画、生産計画、資材調達計画を作成するとともに、前記修正した販売計画、生産計画、資材調達計画に掛かる費用を導出するステップと、を有し、
前記ステップでの一連の処理が、前記仕向け先製品毎に行われることを特徴とするサプライチェーンの効率化支援方法。
【請求項2】
前記需要予測情報は、前記製品の仕向け先毎の生産終了までのスケジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。
【請求項3】
前記資材情報は、資材毎の前記製品の専用資材か或いは次期製品を含む他製品との共通資材かの資材専用・共通情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。
【請求項4】
前記製品情報は、製品に使用する資材とその資材の数量、製品の工程表及び構成のデータを含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。
【請求項5】
前記生産情報は、製品の生産量と納期の生産計画情報、資材の在庫情報と発注情報と納期情報と価格情報、生産及び販売での製品在庫情報を含むことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。
【請求項6】
前記物流ルートの情報は、製品の物流リードタイム及び物流費用、発送サイクルを含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のサプライチェーンの効率化支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−170737(P2011−170737A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35728(P2010−35728)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】