説明

サプライチェーン管理および在庫管理を保護するシステムおよび方法

物品集合体上のRFIDタグを符号化し、読み取るシステムが示されている。本発明の一実施形態は複数の物品および複数のRFIDタグを含み、各物品は物品識別文字列を有し、RFIDタグは各物品に取り付けられ、各RFIDタグは、少なくとも物品識別文字列のすべてを使用して生成された符号語要素で符号化される。多くの実施形態では、集合体は、物品は複数のケース、パレット、容器または保管領域に保管された複数の商品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には無線自動識別(RFID)に関し、より具体的には、物品の集合体に関する情報を用いたRFIDタグの符号化に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からあるサプライチェーンでは、商品は、パレットに載せた商品のようにまとめた形態で場所間を輸送される。個々の物品は、多くの場合分類され、次いで、サプライチェーンを通じて移動したときに再分類される。サプライチェーンを通じて商品が移動するときに、商品に関する情報は、在庫管理と、商品を遺失した可能性のある地点を見つけることとに役立てることができる。
【0003】
商品がサプライチェーンを通じて移動するときに、商品を識別するためにRFIDタグを使用することができる。RFIDシステムは、RFIDタグに埋め込まれた情報を無線で処理することを可能にする。RFIDタグは通常、受動的である(すなわち、内部電源を有しない)か、能動的である(すなわち、内部電源を有する)か、または半受動的である(すなわち、マイクロプロセッサだけに電力を供給する電源を有する)か、で分類される。サプライチェーン管理用途では、商品の最終仕向地に到着する前に、サプライチェーンの様々な経由地点において、チェーンの各段階で商品が再分類されるときに、商品のRFIDタグを読み取ることができる。商品のグループが形成された場合に、それらの商品に取り付けられたRFIDタグは、RFIDタグの母集団とみなすことができる。
【0004】
従来のRFIDシステムは、励起することができるすべてのRFIDタグを読み取ろうとする。物理法則は、通常、RFIDタグの母集団に対してつねに100%の読み取り率を達成することを妨げる。不良の原因は、母集団にある各RFIDタグを囲む伝播環境や伝播障害に関係することが多い。例えば、パレットの中央にあるタグを充分に励起できなかったり、パレットに対してはめ込まれた関係にあるために、タグの向きによっては良好な読み取りが妨げられることがあったり、タグの廃却率によりタグが読み取れなくなることがあったり、あるいは製品の素材(例えば金属や液体)に起因する無線周波数の高い減衰により、タグが読み取り機から遮断されることがあったりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来からある多くのRFIDシステムの欠点は、RFIDタグ母集団にあるあらゆるRFIDタグがいつ読み取られたかを確認する方法がないことである。これは、タグの読み取りに成功したことを知らせる「ビープ音」を作業者が聞くバーコードリーダの場合とは対照的である。RFIDシステムでは、現在利用できるそのようなメカニズムがない。「検証可能性」という用語は、母集団にある各タグを物理的に読み取ったか読み取らなかったかに関係なく、RFIDタグの母集団全体の存在を検出する能力を意味するために使用することができる。
【0006】
多くのRFID応用のさらなる課題は、いわゆる「クロスリード(cross−reads)」に関する。クロスリードは、タグの1つの母集団がエネルギを照射され、別の意図しない母集団のRFIDタグが応答したときに発生する。電磁エネルギは空間を自由に動くので、意図しない対象領域への波動の伝播を防止する方法がない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
物品の集合体の中のRFIDタグを符号化し、読み取るシステムおよび方法について説明する。多くの実施形態では、個々のRFIDタグを符号化するのに使用される符号化文字列は、集合体の中のすべての物品を識別する情報を使用して生成される。符号化文字列は、読み取ることができなかったRFIDタグからの情報の再生を可能にする誤り訂正符号を含むこともできる。幾つかの実施形態では、RFIDタグの符号化は、検証可能性をもたらす。幾つかの実施形態では、RFIDタグの符号化はマニフェスト情報を含み、電子配達証明を可能にするために保護される。本発明の実施形態は、受動的な、能動的な、および/または半受動的なRFIDタグと併用することができる。本発明の実施形態は、RFIDタグなどの3次元無線メモリシステムを含めた、任意の分散されたまたは3次元のメモリシステムと併用することもできる。
【0008】
本発明の一実施形態は複数の物品および複数のRFIDタグを含み、各物品は物品識別文字列を有し、RFIDタグは各物品に取り付けられ、各RFIDタグは、少なくとも物品識別文字列のすべてを使用して生成された符号語要素で符号化される。多くの実施形態では、物品は複数のケース、パレット、または容器である。
【0009】
本発明のさらなる実施形態では、符号語要素の部分セットは、すべての物品識別文字列を示す情報を含む。
【0010】
本発明の別の実施形態では、すべての符号語要素は、すべての物品識別文字列を示す情報および誤り訂正符号を含む符号語を形成する。
【0011】
さらに別の実施形態では、符号語は、マニフェスト情報をさらに含む。
【0012】
さらに別の実施形態では、すべての物品識別文字列を示す情報は、圧縮された物品識別文字列セットであり、その物品識別文字列セットは、集合体の中のすべての物品の物品識別文字列から形成される。
【0013】
さらに別の実施形態では、誤り訂正符号は、すべての物品識別文字列を示す情報に誤り訂正符号化を適用することで得られる。
【0014】
さらに別の実施形態では、すべての物品識別文字列を示す情報は暗号化される。
【0015】
さらに別の実施形態では、符号語は、疑似ランダムキーによって定義されるインタリーバに従ってインタリーブされる。
【0016】
さらに別の実施形態では、疑似ランダムキーは、暗号化キーを使用して暗号化される。
【0017】
さらに別の実施形態では、各物品識別文字列は、物品用の物品シーケンス番号を含み、各RFIDタグは、符号語要素に加えて、RFIDタグが取り付けられた物品の物品シーケンス番号を含む。
【0018】
さらに別の実施形態では、集合体は、集合体シリアル番号を有し、集合体の中の各物品上のRFIDタグは、符号語要素および物品シーケンス番号に加えて、集合体シリアル番号を含む。
【0019】
さらに別の実施形態では、各RFIDタグは、誤り訂正情報で符号化され、この誤り訂正情報は、RFIDタグから物品シーケンス番号および集合体シリアル番号を読み取った際に、誤りを訂正することができるようにする。
【0020】
さらに別の実施形態は、RFICタグを符号化できる信号を生成するように構成されたアンテナと、アンテナと通信するプロセッサと、プロセッサと通信するメモリとを含み、当該メモリは、商品の集合体用の物品識別文字列を格納する。さらに、プロセッサは、少なくとも物品識別文字列を使用して符号語を生成するように構成され、またプロセッサは、この符号語から符号語要素を抽出し、アンテナに指示して、符号語要素でRFIDタグを符号化できる信号を生成させるように構成される。
【0021】
さらに別の実施形態では、メモリはまた、マニフェスト情報を格納し、プロセッサは、少なくとも物品識別文字列およびマニフェスト情報を使用して、符号語を生成するように構成される。
【0022】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、物品識別文字列を圧縮し、圧縮した物品識別文字列を使用して、誤り訂正符号を生成し、少なくとも圧縮した物品識別文字列および誤り訂正符号を使用して、符号語を生成するように構成される。
【0023】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、圧縮した物品識別文字列および誤り訂正符号を暗号化するように構成される。
【0024】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、疑似ランダムキーに従って、圧縮した物品識別文字列および誤り訂正符号をインタリーブし、疑似ランダムキーを暗号化するように構成される。
【0025】
さらに別の実施形態では、各物品識別文字列は、物品シーケンス番号を含み、メモリは、集合体シリアル番号を格納し、プロセッサは、少なくとも物品シーケンス番号および集合体シリアル番号を使用してユニークワードを生成するように構成され、アンテナに指示して、符号語要素およびユニークワードでRFIDタグを符号化できる信号を生成させるように構成される。
【0026】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、物品シーケンス番号および集合体シリアル番号を使用して、誤り訂正符号を生成し、少なくとも物品シーケンス番号、集合体シリアル番号および誤り訂正符号を使用して、ユニークワードを生成するように構成される。
【0027】
さらに別の実施形態は、複数のRFIDタグから情報を読み取るように構成されたRFIDタグ読み取り機と、RFIDタグ読み取り機から情報を受け取り、集合体の集合体シリアル番号と一致する集合体シリアル番号を有するRFIDタグからの情報を格納し、他のRFIDタグからの情報を廃棄するように構成されたプロセッサとを含む。さらに、プロセッサは、符号語要素が読み取られたRFIDタグの物品シーケンス番号に従って符号語要素を再配列するようにも構成され、また、符号語要素を使用して符号語を作るようにも構成され、さらに、符号語を使用して物品識別子列を抽出するようにも構成される。
【0028】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、符号語からマニフェスト情報を抽出するようにさらに構成される。
【0029】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、読み取った符号語要素に含まれる誤り訂正情報を使用して、読み取ることができなかったRFIDタグからの符号語要素を再生するように構成される。
【0030】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、符号語要素一式を暗号化するように構成される。
【0031】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、疑似ランダムキーを暗号化し、疑似ランダムキーを使用して、符号語要素一式をデインタリーブするように構成される。
【0032】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、各物品識別文字列から物品シーケンス番号を抽出し、抽出した物品シーケンス番号を各RFIDタグの物品シーケンス番号と照合するように構成される。
【0033】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、各RFIDタグに対応する物品識別文字列のレコードを作成するように構成される。
【0034】
さらに別の実施形態では、プロセッサは、在庫から取り出されたと分かっているRFIDタグの符号語要素をメモリに格納し、在庫にあると考えられるRFIDタグを読み取り、読み取られなかった、在庫にあると考えられるRFIDタグを識別し、欠落したRFIDタグに対応する物品識別文字列を各RFIDタグに対応する物品識別文字列のレコードに配置するように構成される。
【0035】
本発明の方法の実施形態は、集合体の中のすべての物品の物品識別文字列を使用して、識別文字列セットを作成することと、少なくとも識別文字列セットを使用して、符号語を生成することと、その符号語を、集合体の中の物品の個数に等しい複数の符号語要素に分割することと、各符号語要素を使用して個々のRFIDタグを符号化することとを含む。
【0036】
本発明の方法のさらなる実施形態では、符号語は、少なくとも識別文字列セットおよびマニフェスト情報を使用して生成される。
【0037】
本発明の方法の別の実施形態では、識別文字列セットを使用して符号語を生成することは、識別文字列セットを圧縮することと、圧縮した物品識別文字列セットに誤り訂正符号を追加することとをさらに含む。
【0038】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、識別文字列セットを使用して符号語を生成することは、圧縮した識別文字列セットおよび誤り訂正符号を暗号化することをさらに含む。
【0039】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、識別文字列セットを使用して符号語を生成することは、疑似ランダムキーによって定義されるインタリーバを使用して、圧縮した識別文字列セットおよび誤り訂正符号をインタリーブすることをさらに含む。
【0040】
本発明の方法のさらに別の実施形態は、疑似ランダムキーを暗号化することをさらに含む。
【0041】
本発明の方法のさらに別の実施形態は、物品の集合体にシリアル番号を割り当てることと、少なくとも物品の集合体のシリアル番号と、RFIDタグが作られた物品の物品識別文字列に含まれる物品シーケンス番号とを使用して生成された、ユニークワードでRFIDタグを符号化することとを含む。
【0042】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、ユニークワードは、誤り訂正符号をさらに含む。
【0043】
本発明の方法のさらに別の実施形態は、符号語要素、集合体シリアル番号および物品シーケンス番号を複数のメモリから読み取ることと、集合体のシリアル番号と一致しない集合体シリアル番号を有するメモリからの符号語要素を廃棄することと、メモリから読み取った物品シーケンス番号に従って残りの符号語要素を再配列することと、配列した符号語要素を使用して符号語を形成することと、その符号語から物品識別文字列セットを抽出することと、各物品識別文字列を使用して集合体の中の物品を識別することとを含む。
【0044】
本発明の方法のさらに別の実施形態はまた、符号語からマニフェスト情報を抽出することも含む。
【0045】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、配列した符号語要素を使用して符号語を形成することは、読み取られた前記符号語要素に含まれる誤り訂正情報を使用して、読み取られなかったメモリからの符号語要素を再生することを含む。
【0046】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、配列した符号語要素を使用して符号語を形成することは、符号語要素一式を暗号化することをさらに含む。
【0047】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、配列した符号語要素を使用して符号語を形成することは、疑似ランダムキーを暗号化することと、疑似ランダムキーを使用して符号語要素一式をデインタリーブすることとをさらに含む。
【0048】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、各識別文字列を使用して集合体の中の物品を識別することは、各物品識別文字列から物品シーケンス番号を抽出することと、抽出した物品シーケンス番号を、各メモリから読み取った物品シーケンス番号と照合することとをさらに含む。
【0049】
本発明の方法のさらに別の実施形態は、各物品に対応する物品識別文字列のレコードを作成することをさらに含む。
【0050】
本発明の方法のさらに別の実施形態は、在庫にある物品に添付されたメモリから読み取った符号語要素を、在庫から取り出されたと分かっている物品に関連する格納された符号語要素と組み合わせた符号語を作成することによって、在庫を追跡することをさらに含む。
【0051】
本発明の方法のさらに別の実施形態は、読み取られなかった、在庫にあると考えられる物品を識別し、各物品に対応する物品識別文字列のレコードを使用して、欠落している特定の物品を識別することによって、在庫から欠落した物品を特定することをさらに含む。
【0052】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、各メモリは、個々のRFIDタグの一部である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、工場、倉庫および小売店との間を移動する本発明の実施形態に従って符号化されるRFIDタグを有する物品の概念図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従うRFIDタグ読み取り機を含む倉庫の平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従うRFIDタグ読み取り機を含む小売店の平面図である。
【図4】図4は、パレットに包装される物品に添付されるRFIDタグに符号化される情報を読み込むRFID読み取り機の概念図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に従うRFIDタグを符号化し、RFIDタグから情報を読み取るプロセスを示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施形態に従うRFIDタグを符号化するプロセスを示すフローチャートである。
【図7a】図7aは、本発明の実施形態に従う符号語要素を生成するプロセスを示すフローチャートである。
【図7b】図7bは、本発明の実施形態に従う符号語要素を生成するプロセスを示すフローチャートである。
【図8a】図8aは、従来のEPC/ISOに準拠したRFIDタグに格納することができる物品識別文字列の概念図である。
【図8b】図8bは、本発明の実施形態に従う符号語要素の概念図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態に従う物品のためのユニークワードを生成するプロセスを示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の実施形態に従う符号語要素を生成するシステムの概念図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態に従う符号語要素を生成するためのソフトウェアアプリケーションの概念図である。
【図12】図12は、本発明の実施形態に従う低密度パリティチェック(LDPC)コードのための基本的なコード構造の概念図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態に従うLDPC符号器のコード構造の概念図である。
【図14a】図14aは、本発明の実施形態に従うパリティマトリックスの図である。
【図14b】図14bは、図14aに示されるマトリックスの60倍に拡大されるマトリックスの図である。
【図15】図15は、本発明の実施形態に従う物品の集合体のRFIDタグからの情報を再生するプロセスを示すフローチャートである。
【図16a】図16aは、本発明の実施形態に従う集合体のRFIDタグから読み取る符号語要素からの符号語の再構築の概念図である。
【図16b】図16bは、本発明の実施形態に従う集合体のRFIDタグから読み取る符号語要素からの符号語の再構築の概念図である。
【図16c】図16cは、本発明の実施形態に従う集合体のRFIDタグから読み取る符号語要素からの符号語の再構築の概念図である。
【図17a】図17aは、本発明の実施形態に従う複数の符号語要素から符号語を再構築するための可変チェックノードプロセッサの概念図である。
【図17b】図17bは、バール(Bahl)、コック(Cocke)、イェリネク(Jelinek)およびラビブ(Raviv)(BCJR)トレリス復号器の概念図である。
【図17c】図17cは、本発明の実施形態に従う可変チェックノードプロセッサおよびBCJRトレリス復号器の統合の概念図である。
【図18】図18は、図14に示されるレート1/3コードを使用して、生成した符号化文字列を利用する本発明の実施形態に従うシステムの誤り率性能を示す図である。
【図19】図19は、本発明の実施形態に従うマニフェスト情報を含む符号語要素を有する商品の集合体のRFIDタグをコード化して、読み取るプロセスを示すフローチャートである。
【図20】図20は本発明の実施形態に従うRFIDタグを有する、小売店の棚にある商品の概念図である。
【図21】図21は、本発明の実施形態に従う在庫管理を実行するプロセスを示すフローチャートである。
【図22】図22は、本発明の実施形態に従う在庫管理を実行するシステムの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
ここで図面を参照すると、物品集合体上のRFIDタグを符号化し、読み取るシステムが示されている。集合体は、物品の入ったケース、物品が載ったパレット、および物品を入れる容器を含むことができる。多くの実施形態では、集合体の中の各物品は、関連する物品識別文字列を有する。符号化プロセスは、物品識別文字列を使用して集合体の符号語を生成し、その符号語を、各物品のRFIDタグに割り当てられた符号語要素に分割することを含む。幾つかの実施形態では、符号語は誤り訂正符号を含む。RFIDタグ集合体を読み取ろうとする場合、通常はRFIDタグの一部のみを読み取ることができ、誤り訂正符号を使用して、読み取られなかったRFIDタグに符号化された符号語要素を再生する。すべての符号語要素が読み取られた、および/または再生された後、符号語を再構築することができ、集合体の中の各物品用の物品識別文字列が決まる。
【0055】
多くの実施形態では、物品識別文字列の冗長性を利用して符号語を生成する。本発明の実施形態による符号語は、物品識別文字列を圧縮し、誤り訂正符号をその圧縮したデータに追加することにより生成することができる。幾つかの実施形態では、符号語を生成する際に、物品識別文字列に加えて、情報が使用される。例えば、マニフェスト情報を符号語に含めることができる。多くの実施形態では、符号語に含まれる情報は、インタリーブして難読化され、および/または暗号化を使用して保護される。多くの例では、符号語は、ビット数が、連結した物品識別文字列と同じかまたはそれ未満である。
【0056】
幾つかの実施形態では、集合体の中の各RFIDタグはまた、物品シーケンス番号を含むユニークワードで符号化される。物品シーケンス番号は、符号語要素の再配列を容易にする。多くの実施形態では、ユニークワードは、集合体シリアル番号も含む。集合体シリアル番号により、読み取り機が、読み取ることを意図しないRFIDタグ集合体から読み取った符号語要素を廃棄するのが可能になる。
[サプライチェーン]
【0057】
本発明の実施形態によるサプライチェーンが図1に示されている。サプライチェーン10は、工場12、倉庫14、および小売店16の間の物品の移動を含む。サプライチェーンを通じた様々な段階で、物品は集合体に分類され、集合体の中の各物品は、本発明の実施形態による、符号化されたRFIDタグを付けられて、集合体の中のすべての物品に関する情報を集合体の中の一部のRFIDタグから再生することができる。集合体が、ある場所から別の場所に移動するとき、RFID読み取り機は、集合体の中の各RFIDタグに問い合わせようとする。RFID読み取り機は通常、集合体の中のRFIDタグの一部からしか情報を読み取ることができない。しかし、読み取られたRFIDタグに符号化された情報は、集合体の中のすべての物品に関する情報を含んでいる。
【0058】
図1に示すサプライチェーンは非常に単純である。本発明の実施形態は、複数の倉庫間での集合体の移動、および/または工場とは異なる供給源から生じる物品の移動を含む、さらに相当複雑なサプライチェーンを含めた任意のサプライチェーンで使用することができる。
【0059】
物品がエンドユーザに至る途中に通過することがある倉庫および小売店を検討することで、物品がサプライチェーンを通じて移動するときの物品の追跡についてより深く理解することができる。本発明の実施形態による、倉庫に入荷し、倉庫から出荷する物品を追跡するためのRFID読み取り機を備えた倉庫が、図2に示されている。物品は通常、受け入れ口22を通って倉庫に入り、パレット包装ステーション26で集合体の形に形成される前に、そして出荷口28から出荷される前に、保管棚24に一時的に保管される。物品が倉庫の中を移動するときに、物品に取り付けられたRFIDタグに問い合わせをして、物品を追跡することができる。さらに、物品が集合体に加えられるときに、RFIDタグを物品に固定したり、再符号化したりすることができる。本発明の多くの実施形態では、集合体全体の全RFIDタグにわたって符号化された情報は、集合体の中のすべての物品に関する情報およびマニフェスト情報を含み、インタリーブおよび/または暗号化プロセスによって、これらの情報を保護することができる。図示した実施形態では、受け入れ口22、保管棚24、パレット包装ステーション26、および出荷口28を含む倉庫20内に、複数の問い合わせ用の空間がある。質問機を装備したフォークリフトおよび/または携帯装置を装備した作業者など、移動性の問い合わせ空間も存在できる。問い合わせ空間の大きさの可変性は、電力制御によって、すなわち所望の範囲を照射するのに使用できる励起電力量によって具現化され、最小範囲は、EPC Gen2およびISO 18000−6の場合には、通常約−20dBmを上限とされるRFIDタグ信号受信感度によって決まり、最大範囲は、米国では電力が約4ワットに制限される規定上の制約によって決まる。物品が倉庫に入り、倉庫の中を全体にわたって移動され、パレットの形に形成されて倉庫から輸送されるときに、各問い合わせ空間での読み取り機による問い合わせを遠隔で制御して、個々の物品および物品の集合体を読み取ることができる。
【0060】
図示した実施形態では、RFID読み取りシステムは、励起装置30および読み取り機32で構成されている。読み取り機は、ネットワーク34を介してデータベースに接続され、本発明の実施形態に従って、読み取り機により得られた情報を使用して、倉庫内に商品在庫を維持し、工場から受け入れて出荷した物品のマニフェストを保存することができる。幾つかの実施形態では、2006年10月27日に出願の、ラミン・サドル(Ramin Sadr)による「RFID受信機(RFID Receiver)」と題した米国特許出願第11/553,951号に記載された読み取りシステムの1つなどの読み取りシステムを使用する。他の実施形態では、単一の一体となった励起装置および読み取り機を有するシステムを含めて、RFIDタグの集合体に問い合わせできる任意のRFIDタグ読み取り機を使用することができる。米国特許出願第11/553,951号の開示は、参照することによりその全体を本明細書に組み込むものとする。
【0061】
本発明の実施形態に従って、小売店に入荷し、そこから出荷する物品を追跡するRFID読み取り機を有する小売店が、図3に示されている。物品は通常、受け入れ口22からパレットに載って小売店に入る。パレットは解かれ、物品は、ボックス破砕ステーション42でボックスから取り出され、保管棚24、冷凍保管庫44、および冷蔵保管庫46などの保管場所に移動される。集合体が小売店に入荷したときと、物品が小売店内全体にわたって配置されて、販売されるときに、集合体のRFIDタグに問い合わせることにより、在庫の追跡、商品の位置、および紛失した商品の検出が可能になる。小売店40は、受け入れ口22と、ボックス破砕機42と、保管棚24と、冷凍保管庫44と、冷蔵保管庫46とに配置された問い合わせ空間を含む。図示した実施形態では、RFID読み取りシステムは、励起装置30および読み取り機32で構成される。RFID読み取り機は、ネットワーク34を介してデータベースに接続され、RFID読み取り機によって得られた情報を使用して、小売店内に物品の在庫を維持することができる。
【0062】
本発明の実施形態に従って符号化されたRFIDタグが付いた物品の集合体が、サプライチェーンの任意の地点でRFID読み取り機によって読み取られるときに、RFID読み取り機が、集合体の中のすべてのRFIDタグから直接情報を読み取る可能性は低い。RFID読み取り機がすべてのタグを読み取るのは不可能であることが図4に示されている。本発明の実施形態に従って読み取り機によって読み取られる、物品が載ったパレットを含む問い合わせ空間が図4に示されている。問い合わせ空間50は、物品が載ったパレット52を含む。物品が載ったパレット52には、パレットに積み重ねられた物品の集合体の表面近くに配置された第1の物品56と、パレットに積み重ねられた物品の集合体の内部に配置された第2の物品58とが含まれる。多くの実施形態では、読み取り機は、第1の物品からRFID情報を得ることができ、第2の物品のRFIDタグからRFID情報を得ることができない。第2の物品のRFIDタグを読み取ることができないのは、幾つかの要因に起因すると考えることができる。例えば、パレットの中央にあるタグを充分に励起することができなかったり、パレットに対してはめ込まれた関係にあるために、タグの向きによっては良好な読み取りが妨げられることがあったり、タグの廃却率によりタグが読み取れなくなることがあったり、屋内無線伝播環境での多重経路よる高周波の減衰や、タグアンテナと製品素材(例えば、金属または液体)との間のエネルギの高周波結合による高周波の減衰によって、読み取り機によるタグからの信号の受信に失敗することがあったりする。本発明の実施形態に従って各RFIDタグが符号化されると、読み取ることができた、集合体の中のRFIDタグからの情報を使用して、読み取ることができなかったRFIDタグからの情報を再生することができる。
[物品の集合体の追跡]
【0063】
RFIDタグを符号化し、RFIDタグから情報を読み取ることを含む、本発明の実施形態によるサプライチェーンプロセスが、図5に示されている。プロセス60は、物品の集合体を形成する(62)ことと、集合体の中のすべての物品に関する同一性に基づいて、集合体の中の各物品のRFIDタグに符号語要素を割り当てる(64)ことと、集合体の中の物品の少なくとも一部のRFIDタグから符号語要素を読み取る(66)ことと、読み取った符号語要素を使用して、集合体の中のすべての物品の同一性を再構築する(68)こととを含む。
【0064】
本発明の実施形態による符号語要素の重要な特徴は、各符号語要素が、集合体の中のすべての物品の同一性を反映した情報を使用して生成されることである。実際上、集合体全体に関する情報は、集合体の中の各物品のRFIDタグ全体に行き渡る。多くの実施形態では、物品のRFIDタグから単一の符号語要素を読み取っても、RFIDタグを含む物品(または集合体の中の他の任意の物品)の同一性を確認するのに情報が不充分である。一方、集合体の中の物品の充分大きな部分セットのRFIDタグから符号語要素を読み取ることにより、集合体の中の各物品に関する情報の再生が可能になる。
[符号語要素の生成]
【0065】
幾つかの実施形態では、集合体の中の各物品は物品識別文字列によって識別され、符号語要素は、集合体の中のすべての物品用の物品識別文字列を使用して生成される。本発明の実施形態による、符号語要素をRFIDタグに割り当てるプロセスが、図6に示されている。プロセス70は、集合体の中の各物品用の物品識別文字列を受け取る(72)ことと、少なくともすべての物品識別文字列を使用して符号語を生成する(74)ことと、符号語要素を各物品に割り当てる(76)ことと、符号語要素で符号化されたRFIDタグを各物品に取り付ける(78)こととを含む。
【0066】
図示した実施形態では、物品識別文字列に内在する情報を維持する様々な方法のいずれかで符号語を生成することができる。例えば、本発明の実施形態による、符号語を生成するプロセスは、物品識別文字列の損失のない圧縮を含むことができる。多くの実施形態では、符号語は、符号語の一部が消失するかまたは破損した場合に、すべての物品識別文字列の再生を可能にする誤り訂正情報を含む。作動時、読み取り機は集合体の中の物品のRFIDタグから読み取った符号語要素を使用して、符号語を再構築しようとする。RFIDタグを読み取ることができない場合、再構築した符号語に欠落が存在し、この欠落は、誤り訂正符号を使用して埋めることができる。符号語を再構築できるようにするために、読み取られなければならないRFIDタグの個数は通常、誤り訂正符号のレートに依存する。
【0067】
本発明の実施形態による、符号語を生成するプロセスが、図7aに示されている。プロセス80は、集合体の中のすべての物品の物品識別文字列を使用して、物品識別文字列セットを形成する(82)ことを含む。次いで、物品識別文字列セットを圧縮し(84)、この圧縮した物品識別文字列セットに誤り訂正符号を追加して、符号語を生成する(86)。次いで、符号語を物品の個数に等しい複数の符号語要素に分割する(88)。多くの実施形態では、物品識別文字列セットは、集合体の中の各物品の物品識別文字列を連結して形成される。幾つかの実施形態では、圧縮および誤り訂正符号化方法は、物品識別文字列と同じ容量かまたはそれ未満の符号語要素が得られるように選択される。他の実施形態では、様々な圧縮および誤り訂正符号の任意のものを使用することができる。
【0068】
多くの実施形態では、RFIDタグは、物品の集合体に関する情報への許可されていないアクセスを防止するやり方で、その情報を用いて符号化される。幾つかの実施形態では、符号語が生成され、符号語要素を生成する前に、様々な暗号化および難読化技術の1つまたは複数が符号語に適用される。符号語の暗号化および/または難読化によって、符号語要素にアクセスできた誰かが、符号語を再生できる可能性が低くなる。他の実施形態では、集合体の中の物品のRFIDタグを符号化するために使用される情報を生成するのに、1つまたは複数の暗号化および/または難読化プロセスが、符号語要素のそれぞれに個別に適用される。他の実施形態では、限定するものではないが、物品識別文字列を符号語にマッピングする専用プロセスの使用を含めて、集合体の中の物品に関する情報を保護する他の方法を使用することができる。
[集合体に関する情報の保護]
【0069】
本発明の実施形態による、難読化した符号語を使用してRFIDタグを符号化するプロセスの実施形態が、図7bに示されている。プロセス80’は、物品識別文字列セットを形成する(82’)ことを含む。物品識別文字列セットを圧縮し(84’)、圧縮した物品識別文字列に誤り訂正符号を追加する(86’)。誤り訂正符号と圧縮した物品識別文字列セットとをインタリーブすることで難読化した符号語を形成する(90)。多くの実施形態では、疑似ランダムキーを使用してインタリーバを構成し、疑似ランダムキーを暗号化する(92)。幾つかの実施形態では、暗号化したキーを符号語に追加し、その符号語を集合体の中の物品の個数に等しい複数の符号語要素に分割する(78’)。他の実施形態では、符号語は、暗号化した疑似ランダムキーを含まない。幾つかの実施形態では、パレットまたは他の容器、あるいは集合体とともに輸送される物品に取り付け可能な、集合体用のRFIDタグに疑似ランダムキーを符号化する。多くの実施形態では、暗号化されたキーは、電子メールまたは電気通信の他の形態を経由することを含めた他の手段によって輸送される。
[物品識別文字列]
【0070】
上記説明のほとんどは、商品の集合体の中の各物品について記述する物品識別文字列セットの存在を想定している。多くの異なる方法で物品識別文字列を得ることができる。幾つかの用途では、標準化した物品識別文字列セットが望ましい。例えば、多くのサプライチェーンは、マサチューセッツ州ケンブリッジに所在のマサチューセッツ工科大学オートIDセンタによって開発された電子製品符号(EPC)規格などの規格に基づいて得られた物品識別文字列を使用する。他の実施形態では、物品識別文字列を定めるのに他の標準規格を使用することができる。
【0071】
一般的な物品識別文字列が図8aに示されている。物品識別文字列102は、商品記述文字列103を構成する第1のビット列と、物品シーケンス番号104またはCase IDを構成する第2のビット列とを含む。商品記述文字列103は、物品を簡単に記述するのに使用される非一意的な文字列であることが多い。物品シーケンス番号は、物品集合体の中の物品に対して一意の番号である。多くの実施形態では、物品シーケンス番号は、物品のすべての集合体にわたって一意ではない。
[符号化文字列の生成]
【0072】
上記のように、図8aに示したものと同様の物品識別文字列は、RFIDタグを符号化する符号化文字列の少なくとも一部として使用される符号語要素を生成するために使用される。本発明の実施形態による符号化文字列が、図8bに示されている。符号化文字列106は、本発明の実施形態に従って得られた符号語要素108およびユニークワード110を含む。幾つかの実施形態では、ユニークワード110は、物品識別文字列の物品シーケンス番号と同じ物品シーケンス番号114を含む。符号化文字列に物品シーケンス番号を含むことによって、符号語要素から再生された物品識別文字列を特定のRFIDタグと照合することが可能になる。さらに下記に説明するように、物品識別文字列を特定のRFIDタグと照合する機能により、物品集合体の追跡に加えて、特定の物品の在庫管理が容易になり得る。幾つかの実施形態では、ユニークワード110は集合体シリアル番号も含む。集合体シリアル番号は、物品集合体を一意的に識別できる番号である。幾つかの実施形態では、集合体シリアル番号は、商業機構内の物品集合体を一意的に識別できる。集合体シリアル番号により、読み取り機は、集合体に隣接する物品から誤って読み取られた、RFIDタグからの符号語要素を廃棄できるようになる。図示した実施形態では、符号化文字列106のユニークワード110はまた、読み取り機が、物品シーケンス番号および/または集合体番号の誤りを訂正するのに使用できる誤り訂正符号と、他の用途のために残しておくことができる余剰ビットとを含む。
[ユニークワードの生成]
【0073】
本発明の実施形態によるユニークワードを生成するプロセスが図9に示されている。プロセス120は、物品の物品識別文字列から物品シーケンス番号を得る(122)ことと、物品が属する集合体の集合体シリアル番号を得る(124)こととを含む。物品シーケンス番号、集合体シリアル番号、およびユニークワードに含めることが望ましいであろうさらなる情報を使用して、誤り訂正符号を生成する(126)。次いで、誤り訂正符号、物品シーケンス番号、集合体シリアル番号、および(必要に応じて)さらなる情報を使用して固有の符号語を生成し(128)、これを符号語要素とともにRFIDタグに符号化する(130)。
[EPCの枠内での物品集合体の符号化]
【0074】
本発明の実施形態による、EPCバージョン1.3に準拠した物品識別文字列を使用して符号化文字列を生成するソフトウェアアプリケーションが、図10に概念的に示されている。 ソフトウェアアプリケーション139は、パレット上の商品ケースなどの集合体の中の物品に関連するN個の物品識別文字列のリスト140を受け取る。各物品識別文字列は、96ビットであり、Case IDで識別可能なEPC汎用識別子列を含む。Case IDは、各EPC汎用識別子列に関連する物理的なタグ割り当てIDを付与する9ビットの数である。上記のように、これらの9ビットCase IDは、各符号化文字列のユニークワードのフィールドと1対1に対応する物品シーケンス番号である。Case IDおよびユニークワードは、物品識別文字列および符号化文字列の両方の場合と物理的に同様な関係にある。上記に概説した態様で符号語要素を復号することで、再生したCase IDを物品の符号化文字列のユニークワードにあるCase IDと照合して、元のEPC汎用識別子および隣接するCase IDを元のタグに再度割り当てることができる。
【0075】
ソフトウェアアプリケーション139は、物品識別文字列リストを一列に並べ、並べたリストに追加情報を付け加えることができる。幾つかの実施形態では、追加情報には、マニフェスト情報142が含まれ、ソフトウェアアプリケーションの情報源符号器144要素への入力の形で、追加情報をデータ流に付け加えることができる。マニフェスト情報は、商品が載ったパレットなどの集合体に、配送センタが組み込みたいと考えるであろう、N個の物品識別文字列に追加するデータである。例としては、パレット構築の時刻/場所、意図するパレットの送り先などが含まれる。物品識別文字列およびマニフェスト情報により、集合体が一意的に識別される。
【0076】
図示した実施形態では、物品識別文字列およびマニフェスト情報のリスト全体にわたってかなりの重複がある。情報源符号器144は、少なくとも(96+9)Nビットの物品識別文字列情報を96Nビットよりはるかに小さいものに圧縮する。多くの実施形態では、マニフェスト情報も圧縮される。元の物品識別文字列およびマニフェスト情報のノイズのない情報源符号化を行うために、情報源符号器144によって使用され得る、多くの使用可能な情報源圧縮アルゴリズムがある。多くの実施形態では、ハフマン符号、算術符号、または汎用情報源符号化法が使用される。幾つかの応用では、圧縮性能と処理量との間の良好な折衷案を提供する情報源符号化技術が選択される。
【0077】
ソフトウェアアプリケーションは、圧縮したビットに順方向誤り訂正(FEC)符号化146を行う。図示した実施形態では、FEC符号化は、情報ビットを総計72Nビットに拡張し戻す。誤り訂正符号を生成した場合に、結果として得られる情報ビット数の総計(m)は、データ圧縮効率に依存し、符号レートおよびブロック長を確定する。確定基準については、さらに下記で説明する。
【0078】
物品識別子列およびマニフェストのリストに含まれる情報を暗号化して、プライバシーおよび安全性を保証することができる。暗号化/安全モードを可能にする一実施形態では、ランダム72ビット2進列πが生成される。この2進列は、長さ72Nの順列p(π)生成150のシード(seed)となる。順列p(π)は、符号のパリティチェックマトリクスHの列をインタリーブするのに使用される、言い換えれば、生成した符号語を並べ替えて、FECエンコーダ/フレーマ146でc(暗号文)を作成するのに使用される。πおよびNからp(π)を生成するメカニズムは公知である。符号語の再生に関する情報は、暗号化(150)によって保護され、ランダム2進列πは、公開キー暗号(E)および送り先に関連する公開キーk、ekを使用する。図示した実施形態では、結果として得られたπ、πcの暗号化版も72ビット長であり、集合体RFIDタグに書き込まれる。次いで、πのコピーをすべて破壊して安全性を保証する。多くの実施形態では、集合体RFIDタグは、パレットなどの輸送用容器に固定される。他の実施形態では、疑似ランダム文字列πは、安全な電子通信手段を介することを含めた他の通信手段を介して読み取り装置に送られる。送り先秘密キーdkは、πcからπを再生するために、読み取り機162によって使用される。送り先は、その秘密キーを信頼できない相手に決して公開しない。公開キーekについては、公開してもよいし、(認証を目的として)信頼できる第3者(TTP)152が管理してもよい。
【0079】
(安全かそうでないかは別として)符号語が生成されると、ソフトウェアアプリケーション139は、符号語を符号語要素に分割する。図示した実施形態では、符号語は72Nビットであり、各符号語要素は72ビットである。すべての72ビット符号語要素154は、24ビットのユニークワード156を追加されて、完全な96ビット符号化文字列を形成し、次いで、この符号化文字列をEPC/ISO準拠のRFIDタグに符号化できる。
【0080】
一実施形態では、各ユニークワード156は、2−誤り訂正ボーズ、レイ−チャウドゥリ、ホックエンゲム(Bose、Ray−Chaudhuri、Hocquenghem)(BCH)符号(n=24、k=14、dmin=5)を含む。14データビットの下位9ビットは、物理的に読み取った符号化文字列を、復号する前に順序付けるためのシリアル番号(0からN−1、N<512)として使用される。上記のように、シリアル番号は通常、符号化文字列で符号化されたRFIDタグを有する物品に割り当てられたCase ID(すなわち、物品シーケンス番号)である。多くの実施形態では、上位5ビットは、集合体シリアル番号またはシリアルIDを特定の集合体と関連付けるために使用される。集合体シリアル番号は、パレット間の読み取りを防ぐために使用される。所与の在庫段階で一連のRFIDタグが読み取り機によって読み取られる。所望の集合体シリアル番号を有するRFIDタグのみが復号器に渡される。また、ユニークワードは、符号語要素に組み込まれたFEC符号の対象範囲に含まれないので、ビット反転され、かつ消去されたチャネルデータを復号器に渡したい場合に、BCH符号が14ビットユニークワードの内容を保護する(通常の動作モードでは、タグは、受け入れられるためにEPC CRCチェックに合格しなければならない)。
【0081】
物品識別文字列を符号化文字列に変換するプロセスは、EPCフォーマットのタグとの下位互換性を維持しながら、各RFIDタグを「一意化する」ことに留意されたい。EPCフォーマットのもとで、集合体の中の個々のRFIDタグは一意的でなくてもよい。これは、電子タグ(eTag)が、物品を一意的に識別するのに使用できる連続番号化特性を有することを意味するため、本発明の重要な主張事項になる。
[インタリーバ設計]
【0082】
図10に示すソフトウェアアプリケーションによって生成された符号語の安全性は、インタリーバの使用にかかっている。多くの実施形態では、符号語インタリーバp(π)は、整数セット{0...71}にある数の順列である(そのような順列は72の階乗ある)。この順列は、パリティチェックマトリクスの、N個、長さ72の小区分のそれぞれにN回適用される。順列p(π)は、第1に、例えばターナリ多項式(ternary polynomial)x127+x+1を使用して、7つのリニアフィードバックシフトレジスタ(LFSR)を構築することで得ることができる。この多項式に関連するLFSRは、127個のメモリ要素を有する。i番目のLSFR用のメモリ要素は、72ビット乱数πを左にi桁巡回シフトさせることによって初期化される。初期化の後、7つのLFSRセットの出力は連結されて7ビット数を形成する。さらに、この7ビット数に対して基数72が適用される。結果として得られた数は、セット{0...71}からの疑似ランダム整数である。第2の上記の数を生成する。次いで、これら2つの数を使用して、要素{0...71}を初期値とした列挙リストを割り出しする。次いで、割り出された数を交換する。この手順は一定の回数繰り返される。元の順番のセット([0...71])の組み替えの回数は、長さLで連続数が並ぶ確率が、セット{0...71}からL個の数を連続数の形で取り出す確率に近づくように充分大きくすべきである。この確率は、(72−L)!/72!である。
【0083】
上記のインタリーバと同様なインタリーバを使用して符号語を保護する場合、秘密を維持しなければならない、システムの唯一の部分は、72ビット2進列πである。このため、公開キー(ek)が、πcを生成する公開キー暗号Eek(π)の適用によってπを暗号化するために使用される。π(πc)の暗号化版はタグに書き込まれ、「パレットタグ」のしるしであるユニークワードマーカ「PT」を付与される。送り先はこのタグを読み取り、秘密キー(dk)に基づいた、秘密キー暗号Ddk(πc)からの解読を施す。これは、パリティチェックマトリクスインタリーバp(π)を導くことができる、つまり可変拘束ノードプロセッサで復号するために(下記を参照のこと)物品集合体を公開するπをもたらす。
【0084】
特定のソフトウェアアプリケーションが図10に示されたが、物品識別文字列および他の情報を使用して、符号語要素およびユニークワードを生成するために、本発明の実施形態による多種多様のプロセスを使用することができる。物品集合体のRFIDタグに符号化された物品識別文字列およびマニフェスト情報などの追加情報を保護するのに使用できる、本発明の別の実施形態によるソフトウェアアプリケーションが、図11に示されている。図10に示すソフトウェアアプリケーション139と図11に示すソフトウェアアプリケーション170との間の主な相違は、情報源符号化(174)のみを行った後、図11に示すソフトウェアアプリケーション170によって公開キー暗号化(178)が施され、FECインタリーバは利用されないことである。情報源符号器の出力に公開キー暗号化を行うことには、ともに公開キーを形成する可変長キーの生成(180)(または、固定長キーの1ブロックずつの連結)が含まれる。他の相違は、暗号化された順列のシード(seed)が図10に示すアプリケーションで独立して伝達されることである。図15に示すソフトウェアアプリケーション170は、物品識別文字列および/またはマニフェスト情報を解読するための情報の伝達を必要としない。図10および図11に示すソフトウェアアプリケーション間の相違にかかわらず、2つのアプリケーションは、盗聴の防止を公開−秘密キー暗号化に頼っているので、ともに同レベルの安全性を提供する。
[LDPC符号を使用したECCの生成]
【0085】
上記の実施形態の多くでは、物品識別文字列およびマニフェスト情報を使用して生成された符号語の中に誤り訂正符号が含まれる。様々な誤り訂正符号化技術のいずれかを使用することができる。多くの実施形態では、低密度パリティチェック(LPDC)符号が使用される。本発明の実施形態によるLPDC符号器の基本構造ブロックが、図12に示されている。基本構造ブロック200は、排他的論理和論理演算である一対のチェックノード202、204に接続された複数の可変ノードを有する。符号のグラフは、可変ノードとチェックノードの間の接続によって定義される。可変ノードの中で、In0からIn3と表記されたノード(206、208、212、216)は、入力可能な情報可変ノードを表し、P0およびP1と表記されたノード(210、214)は、パリティ可変ノードを表している。可変ノードおよびチェックノード間の接続は以下のとおりである。可変ノード212はチェックノード204に1回、チェックノード202に2回つながり、可変ノード208は、チェックノード204に1回、チェックノード202に2回つながり、可変ノード206は、チェックノード202に1回、チェックノード204に2回つながり、可変ノード216は、チェックノード204に1回、チェックノード202に2回つながり、可変ノード214は、チェックノード204に2回つながり、可変ノード210は、チェックノード202に1回、チェックノード204に2回つながる。
【0086】
図示した実施形態では、LDPC符号は、3つの符号レート(すなわち、レート2/3、レート1/2、およびレート1/3)に適用可能な最大6ビットの符号語長を備えた基本符号構造200に構築される。この構造では、In0からIn3で表される最大4つの情報ビットと、P0およびP1で表される2つのパリティビットがある。4つの情報ビットの場合、レートは2/3である。符号レート1/3および1/2に対しては、それぞれ、2つのパリティビットと、1つまたは2つの情報ビットとがある。2つのチェックノードとの等式は、排他的論理和シンボル202、204への接続部で表されている。
【0087】
72ビット符号語要素の生成に使用できる、本発明の実施形態による正式なLPDC符号器の符号構造が図13に示されている。LDPC符号器220は、その長さが72である基本符号を具現化するために、T回(Tは、レート1/3、1/2、2/3に対してそれぞれ24、18、12である)繰り返される基本符号構造を含む。次いで、サイズNの巡回置換で基本符号を複製する。Nは入力パラメータであり、通常集合体の中の物品の個数に等しい。このプロセスは、複製したLDPC基本符号構造の二部グラフの所与の辺(または、対応するパリティチェックマトリクスの「1」)をサイズNのシフトした単位マトリクスで置き換えることを含む。この実施は、符号化の世界では公知である。この2つのステップの組み合わせにより、その全体長さがすべてのレートに対して72Nである、符号用のパリティチェックマトリクスが得られる。例えば、下記のテーブルから、レートが2/3の符号を有する、サイズがN=20の1パレットを消去から保護するのに適切な符号は、図12に示す基本符号構造200をT=12回繰り返し、次いで結果として得られた構造20を20回繰り返すことによって得ることができると分かる。これにより、4TN+2TN=6(12)(20)=1140ビットの符号が得られる。1140=72*20であることに留意されたい。
【表1】

表1−様々なLDPC符号レートに対する基本符号構造のコピー数と結果として得られた情報ビットおよびパリティビット
【0088】
符号レートの選択は、情報源符号化後の全ビット数に基づくことができ、下記の式に従って求めることができる。
【数1】

上式で、Totbits=長さ(c)、N=物品/RFICタグの個数
【0089】
上記符号の(ブロック長の)漸近しきい値解析から、符号は、ブロック長が無限に向かって行くにつれて(各レートに対して)シャノン限界に近い性能を提供することができると分かる。
【0090】
図14aおよび図14bは、図12にあるレートが2/3の基本符号構造を展開したリテラル(literal)例を示している。図12の符号は、可変ノードとチェックノードとの間に総計17の辺があることに留意されたい。これらの辺のそれぞれが、サイズ4のシフトした単位マトリクスで置換された場合、図14aに示すようなプロット230が得られる。得られたプロットは、グラフ「展開」の結果である。特に、図14aに示すプロットは、得られたグラフ展開のパリティマトリクス図を提示している。この図では、各列は、符号の可変ノードを表し、一方各行は、チェックノードを表している。図14aは、24列および8行を有することに留意されたい。これは、図12の6つの可変ノードおよび2つのチェックノードのそれぞれの4回コピーに相当する。図14aのグラフ(マトリクス)を60倍だけ拡張すると、図14bに示すチャート240が出現する。具体的には、図14aの各ノードが、サイズ60のシフトした単位マトリクスで置換されたものである。したがって、24個の可変ノード(列)および8個のチェックノード(行)の代わりに、1440個の可変ノード(列)および480個のチェックノード(行)がある。図14aにはゼロでないエントリが68あり、図14bにはゼロでないエントリが4080(68x60)あることに留意されたい。(図13に概略的に記載した)この例の方法を使用して、サイズNの任意の集合体の符号を得ることができる(Nは、集合体の中のRFIDタグ/物品の個数である)。
[RFIDタグ集合体の復号]
【0091】
物品集合体のRFIDタグが本発明の実施形態に従って符号化された後、集合体を輸送することができ、RFID読み取り機は、集合体の中の物品のRFIDタグを読み取ろうとすることができる。RFID読み取り機が、集合体のRFIDタグをすべて読み取ることができるのはまれであり、したがって、読み取られた符号語要素のECCを使用して、読み取られなかったRFIDタグの符号語要素を再生する。完全な符号語が再生されると、符号語に含まれる情報を再生することができ、この情報を使用して、集合体の中の個々の物品および/または集合体用のマニフェスト情報を識別することができる。
【0092】
本発明の実施形態による、物品集合体のRFIDタグを読み取るプロセスが図15に示されている。プロセス250は、RFIDタグを読み取る(252)ことと、読み取られた集合体のシリアル番号と一致しない集合体シリアル番号を備えたユニークワードを有するタグを除外する(253)ことと、各符号語要素の対応するユニークワードにある物品シーケンス番号を使用して、符号語要素を再配列する(254)こととを含む。次いで、任意の欠落したRFIDタグおよび/または読み取りエラーを訂正するEECを利用して、符号語要素から符号語を再構築する(256)。次いで、物品識別文字列のリストおよび、多くの場合、マニフェスト情報も符号語から抽出する(258)。暗号化または難読化プロセスを使用して、物品識別文字列および/またはマニフェスト情報を保護した場合、読み取り機の秘密キーを使用して符号語をデインタリーブする、かつ/または解読する。物品識別文字列を抽出した後、物品識別文字列の物品シーケンス番号を、RFIDタグに符号化されたユニークワードの物品シーケンス番号と照合する(259)ことにより、集合体の中の個々の物品を識別することができる。
【0093】
本発明の実施形態による、RFID読み取り機を用いた符号化文字列の再配列が、図16a〜図16cに示されている。図16aは、RFIDタグから物理的に読み取られた符号化文字列262の配列260を示している。図16bは、各符号化文字列のユニークワードを使用して符号化文字列262を再配列した後の再配列された配列260’を示している。再配列プロセスはまた、物理的に読み取られなかったかまたは読み取ることができなかった欠落したタグを識別する。これらのタグは、消去品264としてマークを付けられる。非消去および消去タグ内容からなる再構築したブロックは、復号器への入力を形成する。復号器はこの入力を使用して、符号語を再構築し、図16cに示す符号語配列260”を出力する。
[可変およびチェックノードプロセッサに基づく復号]
【0094】
本発明の実施形態による、完全な符号語要素セットを再生するのに使用できる復号器が、図17aに示されている。復号器270は、可変ノードプロセッサ272およびチェックノードプロセッサ274を含む。図16bに示す配列260’と同様の入力配列が可変ノードプロセッサ272に送られ、この可変ノードプロセッサは、すべての符号チェックノードが条件を満たすか、またはある最大繰り返し回数に達するまで、チェックノードプロセッサ274とともに繰り返し処理を行う。すべてのチェックノードが条件を満たすようになると、次いで、再構築タグデータが可変ノードプロセッサから出力される。
【0095】
可変ノードは次の関係式で更新される。
【数2】

上式で、
【数3】

【0096】
拘束ノードは次の関係式で更新される。
【数4】

上式で
【数5】

【0097】
図17aは、集合体の部分セットから物品集合体を再生するための、可変ノード(メッセージはVjを表す)から拘束ノード(メッセージはUiを表す)へのメッセージの受け渡しに関連するプロセスの抽象概念を示している。具体的には、メッセージUiは(本発明では、RFID無線受信機によって生成されたメッセージであるU0を除いて)チェックノードプロセッサによって作られた対数尤度比であり、メッセージVjは、可変ノードプロセッサで作られた対数尤度比である。メッセージVjは、上記の関係式によって定義される。可変ノード更新関係式の演算は、単なる加減算からなる。メッセージUiは、そのカーネルが双曲線正接の対数であり、シンボルΛlnBPで表される関係を使用して作られる。さらに、図17aには示していないが、符号で定義されるとおりに、出力メッセージUiを、ujとして参照することができる新たな順番にインタリーブする順列がある。逆インタリーブ手順は、メッセージViに適用されて、その結果メッセージvjになる。また、その手順は、符号、特に符号のパリティチェックマトリクスで定義され(図14bを参照のこと)、当業者には公知である。可変およびチェックノード処理演算については、誤り訂正符号化の当業者ならばよく理解している。
【0098】
図17aに示す可変チェックノードLDPC復号器は、バール、コック、ジェリネック、ラビブ(Bahl、Cocke、Jelinek、Raviv)(BCJR)トレリス復号器と相互利用可能である。 BCJRトレリス復号器は、刊行誌、L・バール(L.Bahl)、J・コック(J.Cocke)、F・ジェリネック(F.Jelinek)、J・ラビブ(J.Raviv)著「シンボル誤り率を最小化する線形符号の最適符号化(Optimal Decoding of Linear Codes for minimizing symbol error rate)」、情報理論に関するIEEEトランザクション(IEEE Transactions on Information Theory)、vol.IT−20(2)、pp.284−287、1974年3月、で説明されており、この開示は、参照することによりその全体を本明細書に組み込むものとする。図17aに示すシステムおよびBCJRトレリス復号器は、内部繰り返しを採用し、外部繰り返しによって情報を交換する。この交換は、より不利なチャネル状態または消去状態下で、すべてのチェックが満たされる状態への収束に当たって可変/チェックノードプロセッサの助けとなり得る。多くの場合、BCJRから可変チェックノードLDPC符号復号器へのソフト情報の受け渡しは、2dB低い受信信号出力に対処することができる。図17bおよび図17cは、BCJRトレイル符号器と、BCJR(またはSISO)復号器を図17aの可変チェックノードプロセッサに接続できる態様とに関してさらに詳細に提示している。
【0099】
図14に示す、レート1/3の符号を使用して生成した符号化文字列を利用するシステムのシミュレーションによる性能グラフが、図18に示されている。符号は、T=24、N=20である。したがって、この符号は、全ブロック長が72*20=1440であり、各タグの72ビットが符号語によって確定され、24ビットがユニークワードによって確定される20個の96ビットRFIDタグを符号化するのに適している。シミュレーションには、受信したシンボルがyi=xi+niで表されるガウスノイズチャネルを含めた。i番目の単位エネルギ符号語ビットをxi(0<i<1439)で表し、niをi番目のガウスノイズサンプルとする。ノイズサンプルについては、1つの時点と次の時点とで独立させ、平均はゼロ、分散は1/(2(Rate)Eb/N0)に等しいとした。チャートは、パケット誤り率に関連したビット誤り率の大幅な低減を示している。性能がシミュレーションで見られたものと同程度であることを確認するために、リアルタイムシステムで同じ符号を試験した。
[電子配達証明]
【0100】
物品集合体用のRFIDタグを符号化し、物品集合体に取り付けられたRFIDタグを復号する上記のプロセスを、物品集合体および集合体の中の個々の物品の追跡に使用することができる。電子配達証明(ePOD)の場合、信頼できる第3者が一連の公開キー列を維持することに、小売業者(受取人)およびその供給業者(送り主)がどちらも同意するか、または各小売業者が、他のメカニズムを介して(例えば、IPsecやVPNなどの安全なチャネルを使用するインターネット上で)公開キーを送り主と共有する。サプライチェーンで「検証」が望まれる場合はいつも、商品集合体の受取人は、データベースに入れることができる、集合体用の物品識別文字列およびマニフェスト情報にアクセスするために秘密キーを使用する。ビジネスインテリジェンスおよび後置型データベースソフトウェアは、データベースを処理して、収集した情報をビジネス用途として解析する。
【0101】
本発明の実施形態による、物品集合体を追跡するサプライチェーンおよびePODの様々な段階のフローチャートが、図19に示されている。プロセス320は、符号語要素およびユニークワードを生成する(324)のに使用されるEPCデータを用意する(322)ことで始まる。EPC/IOC準拠のRFIDタグに符号語要素およびユニークワードを書き込み(326)、これらをリアルタイムで印刷する。パレットなどの集合体の形態となった各物品/ケースにRFIDタグを付ける(328)。適切な認証と、受け取った商品に関連するタグの復号とを可能にするために、公開キーで暗号化したインタリーバシードを配布するオプションのメカニズムを提供するのに、多くの場合、パレットタグが使用される。パレットRFIDタグが、復号プロセスで使用される情報で符号化される実施形態では、次いで、パレットにパレットRFIDタグも付け(330)、サプライチェーン物流(例えば、トラック、船舶、鉄道など)を通じてパレットを出荷する(332)。パレットがその最初の送り先に到着すると、パレットを読み取り(334)、ビジネスインテリジェンスおよび後置ソフトウェアによるさらなる解析および処理のために、符号化文字列および対応する再生EPCデータをデータベース336に送る。
[在庫管理]
【0102】
集合体が小売場所に到着すると、集合体は通常解体され、物品は保管される。図20は、小売店での一般的な保管領域を示している。保管領域350には、商品が積み重ねられる複数の保管棚351がある。小売店が受け取った商品集合体の部分セット352は、棚351の領域に積み重ねられている。積み重ね中にまたは時間が経つとともに、商品は、商品の部分セットに割り当てられた領域に対して移動される。さらに、商品が売れると、商品は棚から取り出される。図示した実施形態では、間違って置かれた商品354と、商品が取り出され、売られた欠落部356とがともに示されている。
【0103】
集合体の中のそれぞれの物品に取り付けられたRFIDタグの符号化文字列と、各RFIDタグが取り付けられた物品に対応するEPCデータとを含むデータベースを使用して、様々な在庫管理機能を実行することができる。在庫管理機能には、商品の売買を追跡することと、間違って置かれた商品の位置を特定するのを助けることとが含まれる。図20に示した配置、および他の同様の保管構成では、本発明の実施形態による符号化文字列を使用するタグの付いた物品に選択的に問い合わせを行うことができ、別の集合体からの別のタグが誤って含まれる可能性はゼロである。選択的問い合わせ機能が、保管領域に保管された物品のRFIDタグの符号化文字列および物品の位置に関するデータベースと組み合わされると、島13、棚14内のすべての物品を識別させたり、島13、棚14の物品がN個未満になった場合に通知させたり、任意の物品が島12、棚2から移動した場合に通知させたりするクエリを呼び出すことが可能である。これらのクエリはそれぞれ、キューブ(cube)の結合体または(重なった場合に)共通部分である棚を示すこともできる。
【0104】
実施例として、図21のフローチャートは、小売店の棚管理、物品追跡、およびトランザクション処理のためのビジネスプロセスを示している。プロセス370は、保存されたRFIDタグ情報リスト(372)が、保管棚にあるタグの特定の個体群の在庫補充用に届いたときに始まる。タグの付いた物品が保管棚に置かれると、RFID読み取りシステムは、各問い合わせ空間に定期的に問い合わせをする(374)。「検証」(376)が終わると、システムは引き続き問い合わせをする。問い合わせ空間にある任意の物品が移動された場合に、RFID読み取りシステムは、フローチャートのステップに示すように、そのような移動を検出する機能を有する。この移動が検出されると、RFID読み取りシステムで主在庫テーブルデータべースを更新し(378)、RFIDタグのペアレント集合体用の符号化文字列テーブルの一部を削除する(380)。ペアレント集合体とは、例えば、保管場所内のある領域によって関連付けられるタグのグループを指すことができる。タグが、売り場専用端末(すなわちレジ)または出入り口に到達すると、タグまたはタグの一部をオプションで消去して(380)、消費者のプライバシを保護し、タグの内容を消費者と関連付けようとする誰かがいた場合に起こり得る問題を防止する。
【0105】
図21に示す実施形態では、最初に保存するRFIDタグ情報のリストは、小売場所で物品を受け入れたときに、物品のRFIDタグに保存されている符号化文字列に基づくことができる。保存するRFIDタグ情報のリストはまた、保管場所に保管されている集合体について記述するために、その場で生成された符号化文字列に基づくこともできる。言い換えると、受け取った商品のRFIDタグを再符号化するか否かに関して、すなわち、簡単に既存の符号化文字列を使用するか否かに関して、選択することができる。多くの場合、両方の手法を混合したものが利用される。2つのオプションを含むプロセスが図22に示されている。プロセス390は、物品識別文字列のリストの受け取りを示している。リストは、ソフトウェアアプレット397およびプリンタ398を有するタグプリンタ396に供給され、プリンタ398は、少なくとも物品識別文字列をすべて使用して生成された符号化文字列を含むRFIDタグの印刷を可能にする。次いで、RFID読み取り機496を用いてRFIDタグを読み取り、復号する。復号された物品識別文字列およびRFIDタグから読み取られた符号化文字列をデータベース402に保存する。データベースが利用可能になると、対応する物品識別文字列タグに対する各符号化文字列のユニークマップ406が維持されるので、物品識別文字列の代わりに符号化文字列を使用することができる。他の実施形態では、パレットロットがより小さいロットに分割される場合に、各小ロット408、410に対して、個別の物品識別文字列のリストが生成される。タグ読み取り機およびプリンタ396を使用して、より小さいロット用の新たな符号化文字列412、414を生成するために、小ロットは、上記と同じ符号化および復号プロセスを通ることができる。幾つかの実施形態では、各物品のRFIDタグは、新たな符号化文字列で符号化される。幾つかの他の実施形態では、各物品の元のRFIDタグは取り消され、新たな符号化文字列を含む新たなRFIDタグが物品に取り付けられる。
【0106】
上記の説明は、本発明の特定の実施形態を多数含んでいるが、これらは、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、一実施形態の例と解釈すべきである。例えば、上記の実施形態の多くは、EPC符号およびマニフェスト情報などの情報を符号語に変換し、次いで、RFIDタグを符号語要素で符号化する。本発明の幾つかの実施形態は、各RFIDタグをEPC符号などの識別情報および符号語要素で符号化する。多くの実施形態では、符号語要素に加えて、様々な情報でRFIDタグを符号化することができる。したがって、本発明の範囲は、例示した実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって確定されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合体であって、以下を含む:
各物品が物品識別文字列を有する複数の物品;および
各物品に取り付けられる各RFIDタグが、少なくとも前記物品識別文字列のすべてを使用して生成された符号語要素で符号化される複数のRFIDタグ。
【請求項2】
請求項1に記載の集合体において、前記符号語要素の部分セットは、すべての前記物品識別文字列を示す情報を含む。
【請求項3】
請求項1に記載の集合体において、すべての前記符号語要素は、以下を含む符号語を形成する:
すべての前記物品識別文字列を示す情報;および
誤り訂正符号。
【請求項4】
請求項3に記載の集合体において、前記符号語は、マニフェスト情報をさらに含む。
【請求項5】
請求項3に記載の集合体において、すべての前記物品識別文字列を示す前記情報は、圧縮された物品識別文字列セットであり、当該物品識別文字列セットは、前記集合体の中のすべての前記物品の前記物品識別文字列から形成される。
【請求項6】
請求項5に記載の集合体において、前記誤り訂正符号は、すべての前記物品識別文字列を示す前記情報に誤り訂正符号化を適用することで得られる。
【請求項7】
請求項5に記載の集合体において、すべての前記物品識別文字列を示す前記情報は、暗号化される。
【請求項8】
請求項5に記載の集合体において、前記符号語は、疑似ランダムキーによって定義されるインタリーバに従ってインタリーブされる。
【請求項9】
請求項8に記載の集合体は、前記疑似ランダムキーの暗号化されたコピーによって符号化される集合体RFIDタグをさらに含む。
【請求項10】
請求項1に記載の集合体において:
各物品識別文字列は、前記物品用の物品シーケンス番号を含み;そして
各RFIDタグは、前記符号語要素に加えて、前記RFIDタグが取り付けられた前記物品の前記物品シーケンス番号によって符号化される。
【請求項11】
請求項10に記載の集合体において:
前記集合体は、集合体シリアル番号を有し;そして
前記集合体の中の各物品上の前記RFIDタグは、符号語要素および物品シーケンス番号に加えて、前記集合体シリアル番号によって符号化される。
【請求項12】
請求項10に記載の集合体において、各RFIDタグは、符号語要素に加えて、前記RFIDタグが取り付けられた前記物品を識別する情報によっても符号化される。
【請求項13】
各物品が物品識別文字列によって識別される物品の集合体を識別するためのRFIDタグを生産する方法であって、以下を含む:
前記集合体の中のすべての物品の前記物品識別文字列を使用して、識別文字列セットを作成すること;
少なくとも前記識別文字列セットを使用して、符号語を生成すること;
前記符号語を、前記集合体の中の前記物品の個数に等しい複数の符号語要素に分割すること;および
各符号語要素を使用して個々のRFIDタグを符号化すること。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記符号語は、少なくとも前記識別文字列セットおよびマニフェスト情報を使用して生成される。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、前記識別文字列セットを使用して符号語を生成することは、さらに以下を含む:
前記識別文字列セットを圧縮すること;および
前記圧縮した物品識別文字列セットに誤り訂正符号を追加すること。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記識別文字列セットを使用して符号語を生成することは、前記圧縮した識別文字列セットおよび誤り訂正符号を暗号化することをさらに含む。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、前記識別文字列セットを使用して符号語を生成することは、疑似ランダムキーによって定義されるインタリーバを使用して、前記圧縮した識別文字列セットおよび誤り訂正符号をインタリーブすることをさらに含む。
【請求項18】
請求項17に記載の方法は、前記疑似ランダムキーを暗号化することをさらに含む。
【請求項19】
請求項13に記載の方法は、さらに以下を含む:
物品の前記集合体にシリアル番号を割り当てること;および
少なくとも、物品の前記集合体のシリアル番号と、前記RFIDタグが作られた前記物品の前記物品識別文字列に含まれる物品シーケンス番号とを使用して生成された、ユニークワードによって各RFIDタグを符号化すること。
【請求項20】
請求項13に記載の方法において、前記ユニークワードは、誤り訂正符号をさらに含む。
【請求項21】
集合体シリアル番号によって識別される集合体の中の物品のおのおのが、符号語要素、集合体シリアル番号および物品シーケンス番号によって符号化されるメモリを有する、物品を識別する方法であって、以下を含む:
前記符号語要素、集合体シリアル番号および物品シーケンス番号を複数のメモリから読み取ること;
前記集合体の前記シリアル番号と一致しない集合体シリアル番号を有するメモリからの符号語要素を廃棄すること;
前記メモリから読み取った前記物品シーケンス番号に従って残りの符号語要素を再配列すること;
前記配列した符号語要素を使用して符号語を形成すること;
前記符号語から物品識別文字列セットを抽出すること;および
前記物品識別文字列のおのおのを使用して前記集合体の中の前記物品を識別すること。
【請求項22】
請求項21に記載の方法は、前記符号語からマニフェスト情報を抽出することをさらに含む。
【請求項23】
請求項21に記載の方法において、前記配列した符号語要素を使用して符号語を形成することは、読み取られた前記符号語要素に含まれる誤り訂正情報を使用して、読み取られなかったメモリからの符号語要素を再生することを含む。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記配列した符号語要素を使用して符号語を形成することは、符号語要素一式を暗号化することをさらに含む。
【請求項25】
請求項23に記載の方法において、前記配列した符号語要素を使用して符号語を形成することは、疑似ランダムキーを暗号化することと、前記疑似ランダムキーを使用して符号語要素一式をデインタリーブすることとをさらに含む。
【請求項26】
請求項21に記載の方法において、前記物品識別文字列のおのおのを使用して前記集合体の中の前記物品を識別することは、さらに以下を含む:
各物品識別文字列から物品シーケンス番号を抽出すること;および
前記抽出した物品シーケンス番号を、各メモリから読み取った前記物品シーケンス番号と照合すること。
【請求項27】
請求項26に記載の方法は、各物品に対応する前記物品識別文字列のレコードを作成することをさらに含む。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、在庫にある物品の前記メモリから読み取った符号語要素を、在庫から取り出されたと分かっている物品に関連する格納された符号語要素と組み合わせた符号語を作成することによって、在庫を追跡することをさらに含む。
【請求項29】
請求項21に記載の方法において、各メモリは、個々のRFIDタグの一部である。
【請求項30】
RFICタグを符号化するためのシステムであって、以下を含む:
RFICタグを符号化できる信号を生成するように構成されたアンテナ;
前記アンテナと通信するプロセッサ;
前記プロセッサと通信するメモリであって、商品の集合体用の物品識別文字列を格納するメモリ;
前記プロセッサは、少なくとも前記物品識別文字列を使用して符号語を生成するように構成され;そして
前記プロセッサは、前記符号語から符号語要素を抽出し、アンテナに指示して、前記符号語要素でRFIDタグを符号化できる信号を生成させるように構成される。
【請求項31】
請求項30に記載のシステムにおいて:
前記メモリはまた、マニフェスト情報を格納し;および
前記プロセッサは、少なくとも前記物品識別文字列および前記マニフェスト情報を使用して、前記符号語を生成するように構成される。
【請求項32】
請求項30に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは以下のように構成される:
前記物品識別文字列を圧縮する;
前記圧縮した物品識別文字列を使用して、誤り訂正符号を生成する;および
少なくとも前記圧縮した物品識別文字列および前記誤り訂正符号を使用して、前記符号語を生成する。
【請求項33】
請求項32に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは、前記圧縮した物品識別文字列および前記誤り訂正符号を暗号化するように構成される。
【請求項34】
請求項32に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは、疑似ランダムキーに従って、前記圧縮した物品識別文字列および前記誤り訂正符号をインタリーブし、前記疑似ランダムキーを暗号化するように構成される。
【請求項35】
請求項32に記載のシステムにおいて:
各物品識別文字列は、物品シーケンス番号を含み;
前記メモリは、集合体シリアル番号を格納し;
前記プロセッサは、少なくとも前記物品シーケンス番号および前記集合体シリアル番号を使用して、ユニークワードを生成するように構成され;および
前記プロセッサは、前記アンテナに指示して、前記符号語要素および前記ユニークワードでRFIDタグを符号化できる信号を生成させるように構成される。
【請求項36】
請求項35に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは以下のように構成される:
前記物品シーケンス番号および前記集合体シリアル番号を使用して、誤り訂正符号を生成する;および
少なくとも前記物品シーケンス番号、前記集合体シリアル番号および前記誤り訂正符号を使用して、ユニークワードを生成する。
【請求項37】
各RFICタグが、符号語要素、物品シーケンス番号および集合体シリアル番号で符号化され、集合体シリアル番号を使用して識別されるRFICタグの集合体を符号化するためのシステムであって、以下を含む:
複数のRFIDタグから情報を読み取るように構成されたRFIDタグ読み取り機;
前記RFIDタグ読み取り機から情報を受け取り、前記集合体の前記集合体シリアル番号と一致する集合体シリアル番号を有するRFIDタグからの情報を格納し、他のRFIDタグからの情報を廃棄するように構成されたプロセッサ;
前記プロセッサは、前記符号語要素が読み取られた前記RFIDタグの前記物品シーケンス番号に従って、前記符号語要素を再配列するようにも構成され;
前記プロセッサは、前記符号語要素を使用して、符号語を作るようにも構成され;および
前記プロセッサは、前記符号語を使用して、物品識別子列を抽出するようにも構成される。
【請求項38】
請求項37に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは、前記符号語からマニフェスト情報を抽出するようにさらに構成される。
【請求項39】
請求項37に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは、読み取った前記符号語要素に含まれる誤り訂正情報を使用して、読み取ることができなかったRFIDタグからの符号語要素を再生するように構成される。
【請求項40】
請求項39に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは、符号語要素一式を暗号化するように構成される。
【請求項41】
請求項39に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは、疑似ランダムキーを暗号化し、前記疑似ランダムキーを使用して、符号語要素一式をデインタリーブするように構成される。
【請求項42】
請求項37に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは、各物品識別文字列から物品シーケンス番号を抽出し、前記抽出した物品シーケンス番号を各RFIDタグの前記物品シーケンス番号と照合するように構成される。
【請求項43】
請求項32に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは、各RFIDタグに対応する前記物品識別文字列のレコードを作成するように構成される。
【請求項44】
請求項43に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは以下のように構成される:
在庫から取り出されたと分かっているRFIDタグの前記符号語要素を前記メモリに格納する;
在庫にあると考えられるRFIDタグを読み取る;
読み取られなかった、在庫にあると考えられるRFIDタグを識別する;および
欠落したRFIDタグに対応する前記物品識別文字列を、各RFIDタグに対応する前記物品識別文字列のレコード内に配置する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2010−515999(P2010−515999A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545651(P2009−545651)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/050574
【国際公開番号】WO2008/086393
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509193832)モジクス, インコーポレイティッド (4)
【Fターム(参考)】