説明

サーバ装置、エラーコード変換装置、エラーコード変換プログラム

【課題】第1のプロトコル上に構築される第2のプロトコルの処理で発生したエラーを、第1のプロトコルにおけるエラー体系に合わせてクライアントに通知する。
【解決手段】ネットワークを介してHTTP上に構築されたAS2プロトコルに基づいてクライアント装置と通信を行うサーバ装置において、AS2処理部302におけるAS2プロトコル処理において発生したエラーのAS2エラーコードを入力するエラーコード入力部303と、AS2エラーコードとHTTPエラーコードとを対応付けるマッピングテーブルを記憶するエラーマッピングテーブル記憶部305と、エラーマッピングテーブルをもとに、エラーコード入力部303により入力されたAS2エラーコードをHTTPエラーコードにマッピングするエラーコードマッピング部304と、マッピングされたHTTPエラーコードをHTTP処理部301に出力するエラーコード出力部306とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エラーの発生に応じてエラーコードを送信するサーバ装置、同サーバ装置におけるエラーコード変換装置、エラーコード変換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、HTTP(HyperText Transfer Protocol)を介して、HTTPサーバ(Webサーバ)がHTTPクライアントからの要求に対して各種サービスを提供するWebシステムが広く利用されている(図2(a))参照。Webシステムにおいてエラーが発生した場合には、例えばエラーコードやエラーメッセージ等が、HTTPサーバからHTTPクライアントに送信される。HTTPクライアントは、Webブラウザによって、HTTPサーバから受信したエラーコードやエラーメッセージ等を表示させる。WebシステムにおけるHTTPサーバでは、標準的に定義されているエラーコードやエラーメッセージ等が使用されている。
【0003】
これに対して、エラーが標準的に定義されていないシステムでは、システムでエラーが起こった場合には、メーカー独自に決められたエラーコード体系に基づいてエラーコードが返され、ユーザはエラーコード表などを用いてエラーの詳細な内容を確認するのが一般的であった。
【0004】
また、従来では、HTTPにおけるエラーコード体系を使いながらも、より詳細なエラーメッセージを提供しようとするエラーメッセージングの方法が考えられている(特許文献1参照)。特許文献1には、クライアント端末が中間装置を介してサーバと通信する通信システムにおけるエラーメッセージング方法が記載されており、中間装置は、エラーステータスコードであるHTTPステータスコードを受信し、このステータスコードをエラー記述テキスト及びエラー記述メッセージに変換し、このエラー記述メッセージをクライアント端末に送信する。
【特許文献1】特表2006−510122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで近年では、HTTP上に別のプログラム、例えばEDIINT AS2(Electronic Data Interchange-Internet Integration Applicability Statement 2)に従うプロトコル(以下、AS2プロトコルと略称する)を構築することで、商品の受発注や決済など商取引に関するデータを標準化し電子的に交換するシステムを提供することができる。
【0006】
AS2プロトコルの仕様は、RFC4130として公開されているが、エラーコードまでは規定されていない。このため、AS2プロトコルにおける処理で発生したエラーについては、メーカー独自に規定したエラーコード表に基づくエラーコードがクライアントに返されていた。クライアント側では、サーバからのエラーコードが示すエラーの詳細について、エラーコード表を参照することにより内容を把握しなければならなかった。
【0007】
また、引用文献1に記載されたエラーメッセージングの方法では、HTTPのエラーコードをテキストデータに変換することができるだけであり、異なる他のプロトコルについてのエラーコードを変換することはできなかった。従って、異なるプロトコルにより構築されたシステムでは、各プロトコルにおける処理で発生したエラーについて、プロトコルごとに個々に内容を把握しなければならなかった。
【0008】
本発明は上記の事情を考慮したもので、その目的は、第1のプロトコル上に構築される第2のプロトコルの処理で発生したエラーを、第1のプロトコルにおけるエラー体系に合わせてクライアントに通知することが可能なサーバ装置、エラーコード変換装置、エラーコード変換プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ネットワークを介して第1のプロトコル上に構築された第2のプロトコルに基づいてクライアント装置と通信を行うサーバ装置において、第1のプロトコル上に構築された第2のプロトコルにおける処理において発生したエラーのエラーコードを入力するエラーコード入力手段と、前記第1のプロトコルにおけるエラーの第1エラーコードと前記第2のプロトコルにおけるエラーの第2エラーコードとを対応付けるマッピングテーブルを記憶するマッピングテーブル記憶手段と、前記マッピングテーブルをもとに、前記エラーコード入力手段により入力されたエラーコードを前記第2エラーコードにマッピングするエラーコードマッピング手段と、前記エラーコードマッピング手段によりマッピングされた前記第2エラーコードを前記第1のプロトコルに出力するエラーコード出力手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1のプロトコル上に構築される第2のプロトコルの処理で発生したエラーを、第1のプロトコルにおけるエラー体系に合わせてクライアントに通知することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態における全体的なシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態におけるシステムは、クライアント装置101とサーバ装置102とが、インターネットを含むネットワーク103を介して接続されている。クライアント装置101は、例えばパーソナルコンピュータなどにより構成されるもので、Webブラウザを通じてサーバ装置102から提供された情報を表示することができる。
【0012】
図2には、図1に示すシステム構成において実現される通信システムの一例を示している。
図2(a)は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)によりデータを交換するHTTPサーバ102aとHTTPクライアント101aとにより構成されるWebシステムである。HTTPクライアント101aでは、Webブラウザを通じて、HTTPサーバ102aとの間でデータ交換を行う。
【0013】
また、図2(b)は、本実施の形態における、HTTP上にAS2プロトコルが構築されたAS2サーバ102bとAS2クライアント101bとによりデータを交換するAS2システムを示している。AS2プロトコルは、インターネットプロトコルであるHTTPを用いた電子データ交換仕様を提供するもので、特に、インターネットを介した商品の受発注や決済など商取引に関するデータを標準化し、電子的に交換するシステムに好適なプロトコルである。
【0014】
図2(a)に示すWebシステムと図2(b)に示すAS2システムとを比較すると、クライアント装置101がWebブラウザを使用すれば、HTTPクライアント101aとAS2クライアント101bとはほぼ同一の構成となる。すなわち、AS2クライアント101bは、HTTPクライアント101aと同様にして、HTTPによりエラーコードを含むデータをAS2サーバ102bから受信することができる。
【0015】
図3は、サーバ装置102(AS2サーバ102b)のハードウェア構成を示すブロック図である。
サーバ装置102(AS2サーバ102b)を構成するコンピュータは、CPU201、メモリ202、ディスプレイ203、キーボード/マウス204、ハードディスク装置205、及び通信回路206を備えている。
【0016】
CPU201は、各デバイスを総括的に制御するもので、メモリ202あるいはハードディスク装置205に記憶された、あるいは通信回路206を通じて入力されたプログラムを実行することで各種機能を実現する。CPU201は、HTTP上で構築されたAS2プロトコルに従い、通信回路206を通じてネットワーク103に接続し、AS2クライアント101bとの間でデータ交換を実行する。本実施の形態では、エラーコード変換プログラムによって、HTTP上で構築されたAS2プロトコルの処理においてエラーが発生した場合に、HTTPのコード体系に従うエラーコードに変換してクライアント装置101(AS2クライアント101b)に送信するエラーコード変換処理を実行する。
【0017】
メモリ202は、各種プログラムやデータが記憶されるもので、CPU201のメインメモリやワークエリアとして使用される。
【0018】
ディスプレイ203は、CPU201によって実行される処理に関連するデータを表示する。
【0019】
キーボード/マウス204は、サーバ装置102において実行される処理に対するデータを入力する。
【0020】
ハードディスク装置205は、各種のプログラムやデータを記憶する。ハードディスク装置205に記憶されるプログラムには、基本制御プログラム、アプリケーションプログラムの他、プロトコルに係わるプログラム(HTTP、AS2プロトコル、エラーコード変換プログラム等)が格納されている。
【0021】
通信回路206は、CPU201の制御によるプロトコルに従って、ネットワーク103を通じてAS2クライアント101bとの間でデータ通信を実行する。
【0022】
図4は、サーバ装置102(AS2サーバ102b)におけるエラー通知に係わる機能の構成を示すブロック図である。
本実施の形態におけるAS2サーバ102bには、HTTP処理部301、AS2処理部302、エラーコード入力部303、エラーコードマッピング部304、エラーマッピングテーブル記憶部305、及びエラーコード出力部306が設けられる。
【0023】
HTTP処理部301は、HTTPに従ってAS2クライアント101bとの間でデータ交換をするためのHTTP処理を実行する。
【0024】
AS2処理部302は、HTTP上に構築されたEDIINT(Electronic Data Interchange-Internet Integration)において決められたAS2(Applicability Statement 2)の規格に従うAS2プロトコル処理を実行する。
【0025】
エラーコード入力部303は、AS2処理部302によって実行されるAS2プロトコル処理において発生したエラーのエラーコードを入力する。
【0026】
エラーコードマッピング部304は、エラーコード入力部303により入力されたAS2エラーコード(第1エラーコード)を、エラーマッピングテーブル記憶部305に記憶されたエラーマッピングテーブル(詳細については後述する)をもとに、HTTPのエラーコード体系に従うエラーコード(第2エラーコード)にマッピング(変換)する。
【0027】
エラーマッピングテーブル記憶部305は、AS2エラーのエラーコードとHTTPエラーコードとを対応付けるデータが設定されたエラーマッピングテーブルを記憶する。
【0028】
エラーコード出力部306は、エラーコードマッピング部304によってマッピングされたHTTPエラーコードをHTTP処理部301に出力する。エラーコード出力部306により出力されるHTTPエラーコードは、HTTP処理部301によって通常のHTTP処理において発生した際に送信されるHTTPエラーコードと同様にしてAS2クライアント101bに送信される。
【0029】
図5は、エラーマッピングテーブル記憶部305に記憶されるエラーマッピングテーブルの一例を示している。
【0030】
図5に示すように、エラーマッピングテーブルには、AS2プロトコルにおいて発生するAS2エラーのエラーコード(1〜12)と、HTTPエラーコードとが対応付けられている。図5に示すエラーコードテーブルでは、AS2エラーとして設定された全てのエラーコードのそれぞれに対して、HTTPのエラーコード体系において設定されている複数のHTTPエラーコードの何れかが対応付けられている。
【0031】
AS2エラーには、通常のエラーメッセージ(コード3〜6)を通知するためのエラーコードだけでなく、ワーニングメッセージ(コード1〜2)やフェイラーメッセージ(コード7〜12)が含まれている。エラーマッピングテーブルでは、AS2エラーの全てのコードについてHTTPエラーコードの何れかが対応付けられているので、エラーコード変換処理によってAS2エラーのエラーコードをHTTPエラーコードにマッピングしてAS2クライアント101bに送信することで、エラメッセージーだけでなく、ワーニングメッセージやフェイラーメッセージに対応するHTTPエラーコードをAS2クライアント101bに送信できる。
【0032】
次に、本実施形態におけるAS2サーバ102bに動作について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
AS2サーバ102bは、AS2クライアント101b(Webブラウザ)からデータを受け取ると、HTTP処理部301によるHTTPプロトコル処理、AS2処理部302によるAS2プロトコル処理など、AS2サーバ102bとして必要な処理を行う(ステップS1)。例えば、AS2サーバ102bは、AS2クライアント101bから入力されたデータに対して、ヘッダ・署名・証明書のチェック、暗号の解読、クライアントへの受信確認の送付、受信データの保管などの処理を実行する。
【0033】
AS2処理部302は、その一連のプロトコル処理を実行する中でエラーが起こったかどうかを判定する(ステップS2)。ここで、AS2エラーが発生した場合には、エラーコード入力部303は、AS2処理部302からAS2エラーのエラーコードを入力する(ステップS3)。
【0034】
エラーコードマッピング部304は、エラーコード入力部303によって入力されたAS2エラーのエラーコードを、エラーマッピングテーブル記憶部305に記憶されたエラーマッピングテーブル(図5)と突き合わせ、AS2エラーのエラーコードをHTTPエラーコードにマッピングする(ステップS4)。
【0035】
エラーコード出力部306は、エラーコードマッピング部304によってマッピングされたAS2エラーのエラーコードに対応するHTTPエラーコードをHTTP処理部301に出力する。
【0036】
HTTP処理部301は、HTTP処理においてエラーが発生した際にAS2クライアント101bにHTTPエラーコードを送信する場合と同様にして、エラーコード出力部306からのHTTPエラーコードをAS2クライアント101bに送信する(ステップS5)。
【0037】
例えば、AS2クライアント101bから送られてきたAS2サーバ用の証明書が古く、認証でエラーになった場合には、AS2エラーとしては「コード4:error:authentication−failed」となる。その場合のHTTPエラーコードは、エラーマッピングテーブルをもとに、意味として「Unauthorized」をもつHTTPエラーコード「401」にマッピングされる。
【0038】
これを受け取ったクライアントであるWebブラウザは、そのまま「401 Unauthorized」というHTTPエラーを表示することができるので、ユーザはエラーの内容を直接知ることができる。
【0039】
なお、前述した説明では、AS2クライアント101bではWebブラウザを通じてデータを交換するとしているが、Webブラウザでない場合は、HTTPエラーコードをもとにエラーメッセージを表示する機能を設け、この機能によってAS2クライアント101bにおいてエラーメッセージを表示させるものとする。
【0040】
このようにして、本実施の形態におけるAS2サーバ102bでは、AS2プロトコル処理において発生したエラーのエラーコードを、標準的にエラーが定義されているHTTPエラーコードにマッピングしてAS2クライアント101bに送信することによって、AS2クライアント101bではAS2サーバ102bから入力されたエラーコードに応じたHTTPエラーメッセージをWebブラウザにより表示することによって、おおよそのエラー内容を把握することができるため、メーカー独自のエラーコード表を参照することなく、AS2サーバ102bのプロトコル処理で発生したエラーを容易に把握することが可能となる。
【0041】
次に、AS2サーバ102bの他の構成の一例について説明する。
図7は、サーバ装置102(AS2サーバ102b)におけるエラー通知に係わる機能の他の構成を示すブロック図である。
【0042】
図7に示すAS2サーバ102bでは、HTTP処理部401、AS2処理部402、ebXML処理部403、エラーコード変換ユニット404が設けられる。
【0043】
HTTP処理部401は、HTTPに従ってAS2クライアント101bとの間でデータ交換をするためのHTTP処理を実行する。
【0044】
AS2処理部402は、HTTP上に構築されたEDIINTにおいて決められたAS2の規格に従うAS2プロトコル処理を実行する。
【0045】
ebXML処理部403は、HTTP上に構築されたebXML MS(electronic business Extensible Markup Language Message Services)に従うebXMLプロトコル処理を実行する。ebXMLは、XML(Extensible Markup Language)を使った企業間商取引に好適な規格であり、ebXML MSにはメッセージ交換方式としての通信プロトコルが規定されている。
【0046】
エラーコード変換ユニット404は、AS2処理部402におけるAS2プロトコル処理において発生したエラーのエラーコード、ebXML処理部403におけるebXMLプロトコル処理において発生したエラーのエラーコードを、HTTPのエラーコード体系に従うHTTPエラーコードに変換する処理を実行する。
【0047】
エラーコード変換ユニット404には、エラーコード入力部405、エラーコードマッピング部406、エラーマッピングテーブル記憶部407、エラーコード出力部408が含まれる。それぞれは、図4に示すエラーコード入力部303、エラーコードマッピング部304、エラーマッピングテーブル記憶部305、エラーコード出力部306のそれぞれとに対応し、ほぼ同様の機能を有しているものとして詳細な説明を省略する。
【0048】
ただし、エラーコード入力部405は、AS2処理部402のAS2プロトコル処理、及びebXML処理部403のebXMLプロトコル処理において発生したエラーのエラーコードを入力する。エラーコードマッピング部406は、エラーコード入力部405によって入力されたAS2プロトコル処理あるいはebXMLプロトコル処理において入力されたエラーコードに応じて、エラーマッピングテーブル記憶部407に記憶されたエラーコードテーブルをもとに、HTTPエラーコードにマッピングする。
【0049】
エラーマッピングテーブル記憶部407には、図5に示すAS2エラーのエラーコードをHTTPエラーコードにマッピングするためのエラーマッピングテーブルの他、ebXMLエラーのエラーコードをHTTPエラーコードにマッピングするためのエラーマッピングテーブルが記憶されている。
【0050】
図8には、エラーマッピングテーブル記憶部305に記憶されるebXMLエラーに対するエラーマッピングテーブルの一例を示している。
【0051】
図8に示すように、エラーマッピングテーブルには、ebXMLプロトコルにおいて発生するebXMLエラーのエラーコード(1〜8)と、HTTPエラーコードとが対応付けられている。図8に示すエラーコードテーブルでは、ebXMLエラーとして設定された全てのエラーコードのそれぞれに対して、HTTPのエラーコード体系において設定されている複数のHTTPエラーコードの何れかが対応付けられている。
【0052】
エラーコード変換ユニット404は、HTTP上においてAS2プロトコル、ebXMLプロトコルが構築されたAS2サーバ102bにおいて、エラーコード変換プログラムを実行することにより提供される機能である。エラーコード変換ユニット404は、AS2処理部402及びebXML処理部403のそれぞれに設けられるエラーコードを出力する機能を通じて、エラー発生時にエラーコードをエラーコード入力部405を入力して、HTTPエラーコードにマッピングしたAS2クライアント101bに送信する処理を実行する。なおAS2プロトコル処理に関するフローチャートは図6と同様であり、ebXMLプロトコル処理に関するフローチャートはAS2に関する部分がebXMLに変わるだけであるので、フローチャートは省略する。
【0053】
このようにして、AS2サーバ102bでは、AS2プロトコルを対象とするだけでなく、ebXMLプロトコル等の他のプロトコルで発生したエラーのエラーコードを、HTTPエラーコードにマッピングしてAS2クライアント101bに送信することができる。また、HTTP上に構築されるプロトコルは1つに限るものではなく、複数のプロトコルが構築された場合にも適用することができる。さらには、AS2サーバ102bにおいてエラーコード変換プログラムを実行することで、HTTP上で構築されるプロトコルで発生したエラーのエラーコードをHTTPエラーコードにマッピングして、AS2クライアント101bに送信することができる機能を実現することができる。
【0054】
なお、前述した実施の形態では、HTTP上にAS2プロトコルが構築されたAS2システムを対象としているが、本発明は、標準的なエラーが定義されているプロトコル上に、独自のエラーが定義されているプロトコルが構築された他のシステムに適用することが可能である。
【0055】
例えば、HTTP上に構築されるプロトコルとしては、前述したAS2やebXMLに限るものではなく、例えばSOAP(Simple Object Access Protocol)−RPC(Remote Procedure Call)などの他のプロトコルを適用することも可能である。
【0056】
また、標準的なエラーが定義されたプロトコルとしては、HTTPの他にもSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やFTP(File Transfer Protocol)などがある。SMTPを用いるシステムでは、SMTP上にAS1プロトコルが構築され、AS1プロトコルのエラーがSMTPエラーにマッピングされてクライアント装置に送信される。同様にして、FTP(File Transfer Protocol)上にAS3プロトコルが構築されたシステムに適用することもできる。
【0057】
本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0058】
なお本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を変形できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態における全体的なシステムの構成を示すブロック図。
【図2】図1に示すシステム構成において実現される通信システムの一例を示す図。
【図3】サーバ装置102(AS2サーバ102b)のハードウェア構成を示すブロック図。
【図4】サーバ装置102(AS2サーバ102b)におけるエラー通知に係わる機能の構成を示すブロック図。
【図5】エラーマッピングテーブル記憶部305に記憶されるエラーマッピングテーブルの一例を示す図。
【図6】本実施形態におけるAS2サーバ102bに動作について説明するためのフローチャート。
【図7】サーバ装置102(AS2サーバ102b)におけるエラー通知に係わる機能の他の構成を示すブロック図。
【図8】エラーマッピングテーブル記憶部305に記憶されるebXMLエラーに対するエラーマッピングテーブルの一例を示す図。
【符号の説明】
【0060】
101…クライアント装置、101b…AS2クライアント、102…サーバ装置、102b…AS2サーバ、103…ネットワーク、201…CPU、202…メモリ、203…ディスプレイ、204…キーボード/マウス、205…ハードディスク装置、206…通信回路、301,401…HTTP処理部、302,402…AS2処理部、303,405…エラーコード入力部、304,406…エラーコードマッピング部、305,407…エラーマッピングテーブル記憶部、306,408…エラーコード出力部、403…ebXML処理部、404…エラーコード変換ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して第1のプロトコル上に構築された第2のプロトコルに基づいてクライアント装置と通信を行うサーバ装置において、
前記第2のプロトコルにおける処理において発生したエラーのエラーコードを入力するエラーコード入力手段と、
前記第1のプロトコルにおけるエラーの第1エラーコードと前記第2のプロトコルにおけるエラーの第2エラーコードとを対応付けるマッピングテーブルを記憶するマッピングテーブル記憶手段と、
前記マッピングテーブルをもとに、前記エラーコード入力手段により入力されたエラーコードを前記第2エラーコードにマッピングするエラーコードマッピング手段と、
前記エラーコードマッピング手段によりマッピングされた前記第2エラーコードを前記第1のプロトコルに出力するエラーコード出力手段と
を具備したことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記マッピングテーブルには、前記第2のプロトコルにおいて設定された全ての第2エラーコードのそれぞれに対して、前記第1プロトコルにおいて設定された複数の前記第1エラーコードの何れかが対応付けられていることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第1のプロトコルはHTTP(HyperText Transfer Protocol)であり、前記第2のプロトコルはEDIINT AS2(Electronic Data Interchange-Internet Integration Applicability Statement 2)であることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項4】
第1のプロトコル上に構築された第2のプロトコルにおける処理において発生したエラーのエラーコードを入力するエラーコード入力手段と、
前記第1のプロトコルにおけるエラーの第1エラーコードと前記第2のプロトコルにおけるエラーの第2エラーコードとを対応付けるマッピングテーブルを記憶するマッピングテーブル記憶手段と、
前記マッピングテーブルをもとに、前記エラーコード入力手段により入力されたエラーコードを前記第2エラーコードにマッピングするエラーコードマッピング手段と、
前記エラーコードマッピング手段によりマッピングされた前記第2エラーコードを前記第1のプロトコルに出力するエラーコード出力手段と
を具備したことを特徴とするエラーコード変換装置。
【請求項5】
前記マッピングテーブルには、前記第2のプロトコルにおいて設定された全ての第2エラーコードのそれぞれに対して、前記第1プロトコルにおいて設定された複数の前記第1エラーコードの何れかが対応付けられていることを特徴とする請求項4記載のエラーコード変換装置。
【請求項6】
コンピュータを、
第1のプロトコル上に構築された第2のプロトコルにおける処理において発生したエラーのエラーコードを入力するエラーコード入力手段と、
前記第1のプロトコルにおけるエラーの第1エラーコードと前記第2のプロトコルにおけるエラーの第2エラーコードとを対応付けるマッピングテーブルを記憶するマッピングテーブル記憶手段と、
前記マッピングテーブルをもとに、前記エラーコード入力手段により入力されたエラーコードを前記第2エラーコードにマッピングするエラーコードマッピング手段と、
前記エラーコードマッピング手段によりマッピングされた前記第2エラーコードを前記第1のプロトコルに出力するエラーコード出力手段として機能させるためのエラーコード変換プログラム。
【請求項7】
前記マッピングテーブルには、前記第2のプロトコルにおいて設定された全ての第2エラーコードのそれぞれに対して、前記第1プロトコルにおいて設定された複数の前記第1エラーコードの何れかが対応付けられていることを特徴とする請求項7記載のエラーコード変換プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−93546(P2009−93546A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265618(P2007−265618)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】