説明

サーバ装置、ネットワークシステム、サーバ装置の制御方法、およびサーバ装置の制御プログラム

【課題】 ユーザの機器の操作性を向上させることができるサーバ装置を提供する。
【解決手段】 MFP1,2は、複数のユーザにより共有されることを想定し、ユーザ認証機能を持つ。ユーザが認証を終えると、MFP1,2の操作部から、共通サーバ3にアクセスが行なわれる。これによりMFP1,2は、各個人向けのカスタマイズされた操作部の表示内容を取得する。MFP1,2は、その表示内容に従って操作部での表示を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はサーバ装置、ネットワークシステム、サーバ装置の制御方法、およびサーバ装置の制御プログラムに関し、特に複数の機器にWebページを送信することができるサーバ装置、ネットワークシステム、サーバ装置の制御方法、およびサーバ装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の操作によって指定される設定を、一度の操作で設定することを可能とする操作部のカスタマイズについての技術が知られている。例えば、複写機、プリンタ、MFP(Multi Function Peripherals)などには、利用者が一連の操作を再度利用可能な形で機器内に保存することが可能なものがあった。このようなカスタマイズは、ページレイアウトなどの幾つかの操作が必要な機能を一度に設定することを狙いとしている。
【0003】
しかしながら、カスタマイズの機能は限定されたものであることが多く、特別な場合を除いて使われていなかったのが現状である。
【0004】
また、Webブラウザを操作部にする考えが知られている。この場合、操作部の表示の記述はHTMLなどの標準的であり広く知られた方法で行なわれる。このような操作部では個人ごとに別々のページを用意し、それらのページを書換え可能とすることで、個人毎に「スタートボタンを中央に赤色で表示したい」といった自由度が高く広い用途に使える操作部のカスタマイズが可能である。
【0005】
操作画面をHTMLなどのWeb標準形式とすることで、安価で高品質なツールの利用、Web技術のコミュニティからのノウハウの流用を可能として、操作部の開発工数など、開発コストの低減を図ることができる。
【0006】
そのような構成を実現するため、操作部を有する機器に、HTMLページのデータを機器内に保持する簡単なサーバ機能と、従来の操作部プログラムの代わりにWebブラウザとを搭載させることが行なわれている。Webページは機器毎に1セット用意され、機器製造時などに機器に配置される。
【0007】
機器単体に特化したHTMLページは他の機器に流用することが不可能であり、他の機器などから参照することも不可能であった。
【0008】
以下の特許文献1および2は、機器の操作部をWeb技術を用いて構成する事項を開示している。
【0009】
また、以下の特許文献3は、PC用ブラウザを対象として、URLとクッキー情報をスマートカードに待たせて任意の端末からWebアクセスを再開可能としたネットワークアクセスシステムを開示している。
【特許文献1】特開2002−86847号公報
【特許文献2】特開2003−29577号公報
【特許文献3】特開2004−178193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、個人毎にカスタマイズした操作画面を機器に用意したいというニーズは限定的であった。これはカスタマイズのための個人の作業量に比べて得られるメリットが小さいためである。
【0011】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、ユーザの機器の操作性を向上させることができるサーバ装置、ネットワークシステム、サーバ装置の制御方法、およびサーバ装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、Webページの表示手段を備えた複数の機器と通信を行なうサーバ装置は、各機器に適合したWebページを送信するWebページ送信手段と、各機器におけるユーザ操作に基づく情報、または各機器における機器の状態を示す情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した情報に基づいて、その情報を送信した機器に対して、動作指示、新たなWebページの送信、および問合わせの少なくとも1つを行なう機能呼出手段とを備える。
【0013】
好ましくは複数の機器のそれぞれは、個人別情報を記録した移動可能なメモリ媒体から情報を読取る読取手段を備え、Webページ送信手段は、個人別情報に対応したWebページを送信する。
【0014】
好ましくはサーバ装置は、カスタマイズしたページを保持する保持手段と、カスタマイズしたページを各機種に適合したWebページに変換するページ変換手段とをさらに備え、Webページ送信手段は、変換されたWebページを送信する。
【0015】
好ましくはWebページは、特定のタグセットに従ったXML形式またはHTML形式で記述される。
【0016】
好ましくはサーバ装置は、カスタマイズしたページを特定のタグセットに従ったXML形式とし、ページ変換手段は、両XML形式間変換を行なうXSLスタイルシートを参照したXSLT変換プロセッサにより変換を行なう。
【0017】
好ましくは機能呼出手段は、Webサービスとして公開された機器の機能を、Webサーバ部から呼出すことで機能の呼出しを行なう。
【0018】
この発明の他の局面に従うと、ネットワークシステムは、上述のいずれかに記載のサーバ装置と、サーバ装置と通信を行なうことが可能な、Webページの表示手段を備えた複数の機器とを備える。
【0019】
この発明のさらに他の局面に従うと、Webページの表示手段を備えた複数の機器と通信を行なうサーバ装置の制御方法は、各機器に適合したWebページを送信するWebページ送信ステップと、各機器におけるユーザ操作に基づく情報、または各機器における機器の状態を示す情報を受信する受信ステップと、受信ステップで受信した情報に基づいて、その情報を送信した機器に対して、動作指示、新たなWebページの送信、および問合わせの少なくとも1つを行なう機能呼出ステップとを備える。
【0020】
この発明のさらに他の局面に従うと、Webページの表示手段を備えた複数の機器と通信を行なうサーバ装置の制御プログラムは、各機器に適合したWebページを送信するWebページ送信ステップと、各機器におけるユーザ操作に基づく情報、または各機器における機器の状態を示す情報を受信する受信ステップと、受信ステップで受信した情報に基づいて、その情報を送信した機器に対して、動作指示、新たなWebページの送信、および問合わせの少なくとも1つを行なう機能呼出ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
これら発明に従うと、各機器に適合したWebページを送信し、各機器におけるユーザ操作に基づく情報、または各機器における機器の状態を示す情報を受信し、受信した情報に基づいて、その情報を送信した機器に対して、動作指示、新たなWebページの送信、および問合わせの少なくとも1つを行なうことができるため、ユーザの機器の操作性を向上させることができるサーバ装置、ネットワークシステム、サーバ装置の制御方法、およびサーバ装置の制御プログラムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1の実施の形態]
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態における機器ネットワークシステムの構成を示す図である。
【0024】
図に示されるように、機器ネットワークシステムは、複数のMFP1,2と、共通サーバ3と、ネットワーク機器4と、複数のユーザのそれぞれの個人情報を記録するICカードA5およびICカードB6とを備えている。
【0025】
MFP1,MFP2は、多機能周辺機器であり、複写機やプリンタなどの機能を持つ。
【0026】
共通サーバ3は、システム共通のユーザ別の操作部の機能を提供する。
【0027】
ネットワーク機器4は、MFP1,2および共通サーバ3を含むネットワークを構成するための機器である。MFP1,2は、ネットワーク機器4と接続されている。
【0028】
ICカードA5、およびICカードB6は、ユーザを識別するIDを含む、読み書き可能なICカードであり、MFP1やMFP2から、IDを含むデータの読み書きが可能である。
【0029】
このような構成により、MFPなどの複数の機器を含むネットワークシステムを構成することができる。また、複数の機器であるMFP1,2それぞれの操作部は、Webブラウザで構成し、個人カスタマイズに依存する部分を共通サーバ化する。
【0030】
またMFPは、複数のユーザにより共有されることを想定し、ユーザ認証手段を持つ。ユーザが認証を終えると、MFP1,2の操作部から、共通サーバ3にアクセスが行なわれ、これによりMFP1,2は、各個人向けのカスタマイズされた操作部のページ(表示内容)を取得する。MFP1,2は、そのページの指定に従って操作部にページ内容を表示する。
【0031】
ページの内容は、個人毎、グループ毎、機種毎に異なったカスタマイズしたページである。カスタマイズしたページでは、個人がよく使う機能やサービスに表示を限定したり、業務に限定した事項のみを記載することが可能である。
【0032】
共通サーバ3は、MFP1,2のブラウザからアクセスを受けると、アクセスしたブラウザを搭載する機器とユーザを特定し、機器、ユーザに適切なページを生成して、それをアクセスした機器に返す。
【0033】
また共通サーバ3は、操作ページ作成において、機器側の動作指示、機器側の情報取得の指定があると、機器が備える機能提供用のWebサービスI/Fに相当する要求を発行する。WebサービスI/Fから要求の結果が返されると、その結果を反映したページが共通サーバ3で生成され、それがブラウザに返される。
【0034】
このような動作を実行するため、共通サーバ3は、機器からのアクセスに対して、機器のタイプ、構成に適合したページを返す機能と、個人がカスタマイズしたページを機器毎に適合したページに変換する機能と、機器の操作時に、適切な機器に対して動作指示、問合わせを行なう機能を有している。
【0035】
従来、機器の操作、機能などの個人カスタマイズを可能にしたものがあったが、カスタマイズした内容を、同様の他の機器に容易に流用することができず、有効に活用されていなかったという問題があった。そのため、カスタマイズ機能は使われないか、簡単なカスタマイズしか行われないという問題があった。
【0036】
本実施の形態によると、一度カスタマイズしたページを作成すると、ユーザは同様の機器の間でそれを共通に利用することができ、カスタマイズした結果を有効利用できるという効果がある。
【0037】
すなわち本実施の形態では、一度カスタマイズした操作画面を複数の同様の機器で共通に利用可能であるため、共通に利用できる機器の増加に比例してカスタマイズした画面を利用する機会が増え、カスタマイズに要する個人の作業量を上回るメリットが生じるという効果がある。
【0038】
図2は、共通サーバ3の構成を示す図である。
【0039】
図を参照して共通サーバ3は、Webサーバ部10と、デバイス判定部11と、ユーザID判定部12と、プログラム登録部13と、デバイスサービス呼出しプログラム14と、ライブラリ実行部15と、表示ページ生成部16と、デバイス別表示データ生成部17と、ユーザID別スタイルシート18と、デバイス別スタイルシート19とを備えている。
【0040】
Webサーバ部10は、ネットワークからの要求を受けて、それに対応するページを返す機能を有する。Webサーバ部10は、デバイス判定部11にネットワークから要求されたURLおよびアクセス先の機器、ブラウザの情報を出力する。またWebサーバ部10は、デバイス別表示データ生成部17が出力したページを要求元の機器へ返す。
【0041】
デバイス判定部11は、Webサーバ部10から受取った情報からデバイスIDを判定する。
【0042】
ユーザID判定部12は、Webサーバ部10から受取った情報からユーザIDを判定する。
【0043】
プログラム登録部13は、要求に対して実行可能なプログラムを格納する。プログラムは、ユーザID、デバイスIDおよびURL毎に登録されており、ライブラリ実行部15からの要求に応じて対応するプログラムがロードされる。またそれらのプログラムは、共通に利用されるプログラムも含む。
【0044】
デバイスサービス呼出しプログラム14は、プログラム登録部13のプログラムから適宜呼出可能であり、MFP1,2のサービスを呼び出すためのプログラムである。
【0045】
ライブラリ実行部15は、ユーザID、デバイスIDおよびURLを用いてプログラム登録部13からプログラムをロードして実行する。実行した結果のデータは表示ページ生成部16へ渡される。このデータはXML形式で表現されている。
【0046】
表示ページ生成部16は、ライブラリ実行部15から出力されたXMLデータ、およびユーザIDを用いてユーザID別スタイルシート18から取得したスタイルシートを入力として、XSL変換することで表示用ページを作成する。
【0047】
デバイス別表示データ生成部17は、表示ページ生成部16から出力されたXMLデータ、およびデバイスIDを用いてデバイス別スタイルシート19から取得したスタイルシートを入力として、XSL変換することでデバイス別表示用ページを作成する。
【0048】
ユーザID別スタイルシート18には、ユーザごとにカスタマイズされたスタイルシートが記録される。ユーザIDを指定した問合せに対して、対応するスタイルシートが出力される。
【0049】
デバイス別スタイルシート19には、デバイスごとにカスタマイズされたスタイルシートが記録される。デバイスIDを指定したデバイス別表示データ生成部17からの問合わせに対して、相当するスタイルシートが出力される。
【0050】
スタイルシートには、デバイス毎に異なる情報を表示用ページに追加または置換えるための指示を含むことができる。例えば、MFPによって、仕上げが指定できるかどうか、仕上げとしてどのような種類から選択できるのか、などが異なる。このような情報をスタイルシートに記述することで、デバイス毎の機能の違いに対応することが可能である。
【0051】
ユーザID別スタイルシート18は、ユーザIDを指定した表示ページ生成部16からの問合わせに対して、相当するスタイルシートを出力する。ユーザは相当するスタイシートをカスタマイズすることで、操作画面の表示を変更することができる。
【0052】
図3は、MFP1の構成を示す図である。
【0053】
なお、MFP2もMFP1と同様の構成を有するので、ここでは説明を繰返さない。
【0054】
図を参照してMFP1は、ICカード読取部30と、操作部31と、Webブラウザ部32と、操作部管理部33と、サービス公開部34と、MFP部35とを備えている。
【0055】
ICカード読取部30は、ICカード5,6の接近を検知してICカードの読書きを行なう。
【0056】
操作部31は、実際のユーザが操作対象とする部分であり、入力部及び表示部からなる。操作部31として、液晶タッチパネル、テンキーなどが用いられる。
【0057】
Webブラウザ部32は、操作部31からの指示に応じてネットワークからWebページを取得し、Webページの内容に従って操作部31に表示を行なう。
【0058】
操作部管理部33は、ICカード読取部30、操作部31、およびWebブラウザ部32からの入出力を制御して、操作機能の実現や各資源の管理を行なう。また操作部管理部33は、ネットワークから共通サーバ3のアドレスを取得してWebブラウザの立ち上げを行なう。
【0059】
サービス公開部34は、MFPの機能をサービスとして公開し、MFPの機能を共通サーバ3から利用可能とする。
【0060】
MFP部35は、サービス公開部34からの要求を受けて機能を実現する。また、サービス公開部34からの問合わせに対して相当する情報をサービス公開部34へ出力する。
【0061】
図4は、操作部31の詳細を示す図である。
【0062】
図を参照して操作部31は、操作キー21と、Webブラウザ部22と、タッチスクリーン23とを備える。
【0063】
操作キー21は、Webブラウザの操作を行なうためのキーであり、入力項目の選択、文字入力など、携帯電話などと同様にWebブラウザを操作するために十分な機能を有している。
【0064】
Webブラウザ部22は、液晶ディスプレイであり、Webページを表示する。
【0065】
タッチスクリーン23は、操作キー21を補助することを目的にしており、入力項目の指定、リンクの実行などの操作を行なうことができる。
【0066】
図5は、MFP1,2を立ち上げた時にWebブラウザ部22に表示される画面の例を示す図である。
【0067】
ユーザが図5の画面に従ってICカードをセットすると、各ユーザのカスタマイズされた操作画面が表示される。
【0068】
図6および図7は、カスタマイズされた操作画面の具体例を示す図である。
【0069】
図6および図7は、それぞれユーザAとユーザBのカスタマイズ画面を示している。
【0070】
図6のユーザAの画面からは、コピー枚数、仕上げ、倍率、用紙などの指定が可能であり、各項目の選択値は各MFPの仕様にあった範囲に制限されている。コピースタートのリンクがクリックされると、選択値を伴ってコピースタートページ要求が共通サーバ3に送信される。
【0071】
図7では、図6と同じ操作内容が複数ページを用いて記述されている。ユーザは、各ページの「詳細指定」、「戻る」のリンクをクリックすると、その都度、共通サーバ3にページ取得要求が出され、これにより画面が遷移する。
【0072】
図8は、図5の画面の変形例を示す図である。
【0073】
図に示されるように、ICカードでのIDの入力に替えて、ユーザIDとパスワードの入力をユーザに要求するようにしてもよい。
【0074】
図9は、MFPの操作部管理部33の処理手順を示すフローチャートである。
【0075】
図を参照して、ステップS1においてネットワーク機器4に共通サーバ3のアドレスを問合わせて、共通サーバ3のアドレスを取得する。
【0076】
ステップS2において、共通サーバ3の提供するトップページを取得する。そして、ステップS3でユーザのログイン待ちとなる。
【0077】
ステップS4で、ユーザのログインがあるとユーザIDを記録し、ユーザIDを指定して共通サーバ3へ要求を送信し、これによりそのユーザ、および当該MFPに合わせたユーザホームページ(図6および7など)を取得する。
【0078】
ステップS5で、ユーザホームページに基づくタッチパネル(タッチスクリーン)の操作や操作キーの入力が行なわれる、またはMFPにおいてエラーが生じるなどして、機器の状態が変化すると、その情報を共通サーバ3へ送り、操作や状態の変化に合わせた画面(ページ)を取得し、Webブラウザ22で表示を行なう。
【0079】
タッチパネルや操作キーの入力は、Webページのテキストボックスやラジオボタンなどのフォームに入力、選択された状態として反映される。入力データは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)のGETメソッドまたはPOSTメソッドを用いて、共通サーバ3に送信される。
【0080】
図10は、共通サーバ3側の処理手順を示すフローチャートである。
【0081】
図を参照して、ステップS10において機器(MFP)からのページ要求待ち状態に入る。一定時間以上ページ要求が無いユーザのセッションは、初期化される。
【0082】
ステップS11において、機器からのページ要求があると、要求があったデバイスおよびユーザIDを判定し、デバイスID、ユーザIDを記録する。
【0083】
ステップS12において、ページ要求のURL、ユーザID、デバイスIDおよびユーザ毎のセッション状態などから実行するプログラムを判定し、プログラムを実行する。また、セッションの状態を更新する。
【0084】
ステップS13において、プログラムが実行する処理にデバイスサービス呼出し要求が含まれる場合は、デバイスIDからデバイスサービスのアドレスを決定してサービスを呼び出す。これにより、問合せを行なって機器の状態などを取得したり、機器で所定の処理を実行することができる。
【0085】
ステップS14において、プログラムの実行結果を表示ページ生成部16へ渡す。ユーザIDからスタイルシートを決定して、そのスタイルシートを用いて実行結果から表示用ページを生成する。
【0086】
ステップS15において、表示用ページをデバイス別表示データ生成部17へ渡す。デバイスIDからスタイルシートを決定して、そのスタイルシートを用いて表示ページからデバイス別表示ページを生成する。
【0087】
ステップS16において、デバイス別表示ページはWebサーバ部10を介して機器に返送される。
【0088】
次に、MFPのサービス公開部34について説明する。
【0089】
サービス公開部34は、ネットワークを介して接続された外部の機器から、MFP部35が持つ機能を利用するためのWebサービスI/Fを提供している。WebサービスI/Fは、SOAP(Simple Object Access Protocol)などの形態で公開され、サービス内容仕様は、WSDL(Web Services Description Language)などの形式で公開される。MFPのコピー機能のためのWebサービスI/Fとして、以下のサービスが公開される。
【0090】
・コピーモード設定
・コピー開始
・コピー停止
・コピー状態の取得
・イベント通知
図11は、コピー動作を行なうための共通サーバ3の呼出し手順を示すフローチャートである。
【0091】
図を参照して、ステップS21で共通サーバ3は、コピーモードの設定サービスの呼出しを行なう。コピーモード設定に必要なコピー枚数、用紙サイズ、カラー/白黒などの設定値を含めて、共通サーバ3は、WebサービスI/Fのコピーモード設定を呼び出す。共通サーバ3は、WebサービスI/Fからの応答を待ち、設定が正常に完了したことを確認する。
【0092】
ステップS22で、共通サーバ3は、コピー開始サービスの呼出しを行なう。共通サーバ3は、WebサービスI/Fからの応答を待ち、呼出しが正常に完了したことを確認する。
【0093】
ステップS23で、共通サーバ3は、コピー状態の監視を行なう。すなわち、コピー状態の取得サービスの呼出しを行ない、WebサービスI/Fからの応答を待ち、返り値を確認する。返り値は、「待機中」、「コピー中」、「コピー完了」などのコピー動作の状態を表す値である。返り値が「コピー中」から「コピー完了」に変化するまで、定期的にコピー状態の取得サービスの呼出しを繰返す。
【0094】
なお、ステップS23での処理として、イベント通知サービスの呼出しを用いる方法がある。共通サーバ3は、コピー完了のイベントを受取るWebサービスI/Fを公開する。サービス公開部34は、イベント通知サービスの呼出しを受付けると、コピー状態の監視を行ない、コピーが完了すると、イベント通知サービスの呼出し時に指定されたWebサービスI/Fの呼出しを行なう。この場合、サービス公開部34は、共通サーバ3のコピー完了のイベントを受取るWebサービスI/Fを呼び出す。
【0095】
ステップS24で、サービス公開部34は、コピー終了確認を行ない、コピー完了時に必要な後処理を行なう。
【0096】
[実施の形態における効果]
以上説明した構成により、以下の効果がある。
【0097】
ユーザは、ユーザID別スタイルシート18のスタイルシートを修正・追加することで操作画面のカスタマイズを行なうことが可能である。
【0098】
また、プログラム登録部13のユーザ別プログラムを更新・追加することで、図7に示すような画面遷移や、画面数の変更が可能であり、自由度の高いカスタマイズが可能である。
【0099】
また、本実施の形態では標準的なXML、Web関係の技術を用いており、安価で良質な開発環境を利用でき、安価で効率的なカスタマイズが可能である。
【0100】
また、構成が異なる機器の追加、部品の追加・故障時機能変更の場合もデバイス別スタイルシート19を更新することで容易に対応することができる。
【0101】
なお、ICカードに代えて、ユーザIDの記憶が可能なポータブルメモリを用いてもよい。
【0102】
またWebブラウザ部32において、共通サーバ3へのアクセス時のクッキー、状態などユーザ毎のデータを発生させる構成も考えられるが、このようなブラウザのユーザ毎のデータをICカードに書き込むことで、他のユーザの機器使用による作業の中断にも容易に対応可能となる。
【0103】
この場合、作業中のデバイスIDをICカードに記録させ、ICカードのデバイスIDを共通サーバに送信することも考えられる。これにより例えば、MFP2の操作部を使って、MFP1で行っていた作業を再開することが可能になる。
【0104】
[第2の実施の形態]
図12は、本発明の第2の実施の形態における機器ネットワークシステムの構成を示す図である。
【0105】
ここでは、図1の構成に加えてネットワーク機器4にPC(パーソナルコンピュータ)40が接続されている。
【0106】
共通サーバ3においてインターネット上で広く利用されている標準的なプロトコルに対応することで、Webブラウザを搭載したPC40(または図示しない情報家電など)を機器の操作部にすることも考えられる。
【0107】
図12において、共通サーバ3はページの要求元がMFPではない(例えばPCである)と判断すると、図13に示すような、操作する機器の選択と、ユーザログインを含む画面を表示する。特定の機器にユーザとしてログインすると、相当するユーザの相当する機器を操作するためのページが表示される。
【0108】
このような構成により、Webブラウザを搭載した様々な機器からの操作が可能になり機器の利便性を高めることができる。
【0109】
[第3の実施の形態]
図14は、本発明の第3の実施の形態における機器ネットワークシステムの構成を示す図である。
【0110】
ここでは、図1の共通サーバ3に代えて、共通サーバ内蔵MFP33が接続されている。すなわち、本実施の形態では、共通サーバをMFPに内蔵する。
【0111】
図15は、共通サーバ内蔵MFP33の構成を示す図である。
【0112】
共通サーバ内蔵MFP33は、共通サーバ3を内蔵し、共通サーバ3のみに電源供給を行なう動作モードを持つ。本実施の形態では、MFPとWebサーバを一体型とすることで機器の設置スペースを削減することができる。
【0113】
[その他]
なお、カスタマイズしたページを特定のタグセットに従ったXML形式とし、ページ変換として、XSLスタイルシートを参照した両XML形式間変換を行なうことは、XSLT変換プロセッサを採用することで実現される。また、XML形式に限らずHTML形式でページを記述してもよいし、他の言語でページを記述してもよい。
【0114】
また、Webサーバ部は、複数のサーバ上に分散して実装してもよい。
【0115】
以上のように、ユーザは、一度カスタマイズしたページを作成すると同様の複数機器で共通に利用することができる。ユーザは複数の機器で自分の嗜好、作業内容にあった適切な操作画面を利用できるというメリットがある。
【0116】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の第1の実施の形態における機器ネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】共通サーバ3の構成を示す図である。
【図3】MFP1の構成を示す図である。
【図4】操作部31の詳細を示す図である。
【図5】MFP1,2を立ち上げた時にWebブラウザ部22に表示される画面の例を示す図である。
【図6】カスタマイズされた操作画面の具体例を示す図である。
【図7】カスタマイズされた操作画面の具体例を示す図である。
【図8】図5の画面の変形例を示す図である。
【図9】MFPの操作部管理部33の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】共通サーバ3側の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】コピー動作を行なうための共通サーバ3の呼出し手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態における機器ネットワークシステムの構成を示す図である。
【図13】操作する機器の選択と、ユーザログインを含む画面を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態における機器ネットワークシステムの構成を示す図である。
【図15】共通サーバ内蔵MFP33の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0118】
1,2 MFP、3 共通サーバ、4 ネットワーク機器、5,6 ICカード、10 Webサーバ部、11 デバイス判定部、12 ユーザID判定部、13 プログラム登録部、14 デバイスサービス呼出しプログラム、15 ライブラリ実行部、16 表示ページ生成部、17 デバイス別表示データ生成部、18 ユーザID別スタイルシート、19 デバイス別スタイルシート、21 操作キー、22 Webブラウザ部、23 タッチスクリーン、30 ICカード読取部、31 操作部、32 Webブラウザ部、33 操作部管理部、34 サービス公開部、35 MFP部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webページの表示手段を備えた複数の機器と通信を行なうサーバ装置であって、
各機器に適合したWebページを送信するWebページ送信手段と、
各機器におけるユーザ操作に基づく情報、または各機器における機器の状態を示す情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した情報に基づいて、その情報を送信した機器に対して、動作指示、新たなWebページの送信、および問合わせの少なくとも1つを行なう機能呼出手段とを備えた、サーバ装置。
【請求項2】
前記複数の機器のそれぞれは、個人別情報を記録した移動可能なメモリ媒体から情報を読取る読取手段を備え、
前記Webページ送信手段は、前記個人別情報に対応したWebページを送信する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
カスタマイズしたページを保持する保持手段と、
前記カスタマイズしたページを各機種に適合したWebページに変換するページ変換手段とをさらに備え、
前記Webページ送信手段は、前記変換されたWebページを送信する、請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記Webページは、特定のタグセットに従ったXML形式またはHTML形式で記述される、請求項1〜3のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項5】
カスタマイズしたページを特定のタグセットに従ったXML形式とし、
前記ページ変換手段は、両XML形式間変換を行なうXSLスタイルシートを参照したXSLT変換プロセッサにより変換を行なう、請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記機能呼出手段は、Webサービスとして公開された機器の機能を、Webサーバ部から呼出すことで機能の呼出しを行なう、請求項1〜5のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のサーバ装置と、
前記サーバ装置と通信を行なうことが可能な、Webページの表示手段を備えた複数の機器とを備えた、ネットワークシステム。
【請求項8】
Webページの表示手段を備えた複数の機器と通信を行なうサーバ装置の制御方法であって、
各機器に適合したWebページを送信するWebページ送信ステップと、
各機器におけるユーザ操作に基づく情報、または各機器における機器の状態を示す情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した情報に基づいて、その情報を送信した機器に対して、動作指示、新たなWebページの送信、および問合わせの少なくとも1つを行なう機能呼出ステップとを備えた、サーバ装置の制御方法。
【請求項9】
Webページの表示手段を備えた複数の機器と通信を行なうサーバ装置の制御プログラムであって、
各機器に適合したWebページを送信するWebページ送信ステップと、
各機器におけるユーザ操作に基づく情報、または各機器における機器の状態を示す情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した情報に基づいて、その情報を送信した機器に対して、動作指示、新たなWebページの送信、および問合わせの少なくとも1つを行なう機能呼出ステップとをコンピュータに実行させる、サーバ装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−277005(P2006−277005A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91458(P2005−91458)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】