サーバ装置、移動通信端末、位置検索システム、通信方法、およびプログラム
【課題】位置検索をされた端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、位置検索をされたことを知ることができるようにする。
【解決手段】位置検索要求受信部11は、通信端末20から位置検索要求を受信する。位置検索要求は、移動通信端末30の位置の検索の要求である。測位指示送信部12は、位置検索要求受信部11が位置検索要求を受信すると、移動通信端末30に測位の指示を送信する。測位結果情報受信部13は、移動通信端末30から指示の応答として送信された位置情報を受信する。移動通信端末位置情報送信部14は、測位結果情報受信部13が受信した位置情報に応じて得られた、移動通信端末30の位置を示す位置情報を通信端末20に送信する。通知送信部15は、期限までに移動通信端末30から測位結果情報を測位結果情報受信部13が受信できなかった場合、位置検索要求があった旨の通知を移動通信端末30に所定のタイミングで送信する。
【解決手段】位置検索要求受信部11は、通信端末20から位置検索要求を受信する。位置検索要求は、移動通信端末30の位置の検索の要求である。測位指示送信部12は、位置検索要求受信部11が位置検索要求を受信すると、移動通信端末30に測位の指示を送信する。測位結果情報受信部13は、移動通信端末30から指示の応答として送信された位置情報を受信する。移動通信端末位置情報送信部14は、測位結果情報受信部13が受信した位置情報に応じて得られた、移動通信端末30の位置を示す位置情報を通信端末20に送信する。通知送信部15は、期限までに移動通信端末30から測位結果情報を測位結果情報受信部13が受信できなかった場合、位置検索要求があった旨の通知を移動通信端末30に所定のタイミングで送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末の位置検索に関する。
【背景技術】
【0002】
自機の位置を測定可能な移動通信端末の位置を他の通信端末から検索する技術が知られている(非特許文献1)。また、特許文献1は、通信可能な圏内から通信不可能な圏外に遷移したことを検出した際に、圏外に遷移した位置を圏外遷移位置として取得し、かつ、圏外に遷移した時刻を圏外遷移時刻として取得して記憶する携帯端末を開示している。この携帯端末は、利用者から表示要求があった際に圏外遷移位置および圏外遷移時刻を表示する。さらに、特許文献2は、移動通信端末が音声着信を受けることができなかったときの着信履歴を通知するための電子メールを作成して、その移動通信端末が着信可能な圏内に入ったことが確認されたときにその電子メールを送信することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−218777号公報
【特許文献2】特開2004−40217号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“イマドコサーチ(お子さまの居場所を検索)”、[online]、NTTドコモ、[平成22年6月2日検索]、インターネット、<URL:http://www.mydocomo.com/web/useful/imadoco/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1、特許文献1および特許文献2の技術では、位置検索をされた端末が圏外だったとき等、位置検索要求を受信できなかったときに、位置検索をされたことを知ることができなかった。
本発明は、位置検索をされたときに端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、位置検索をされたことを知ることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を通信端末から受信する位置検索要求受信手段と、前記位置検索要求受信手段が前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信する測位指示送信手段と、前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する測位結果情報受信手段と、前記測位結果情報受信手段が受信した前記測位結果置情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信する移動通信端末位置情報送信手段と、前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信する通知送信手段とを有するサーバ装置を提供する。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【0007】
好ましい態様において、前記測位結果受信手段は、前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果受信手段が受信した前記測位結果情報を、前記測位指示の応答として受信してもよい。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が応答できなかった場合でも、位置検索を行った端末が移動通信端末の位置を知り得る状態にすることができる。
【0008】
別の好ましい態様において、このサーバ装置は、前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果受信手段が前記測位結果情報を受信すると、前記移動通信端末の位置の履歴を記憶した記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻より前の時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する抽出手段と、前記測位結果受信手段が受信した前記測位結果情報が示す位置と、前記抽出手段が抽出した位置とを用いた補間処理により、前記位置検索要求が行われた時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定手段とを有し、前記移動通信端末位置情報は、前記推定手段が推定した位置を示す情報であってもよい。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が応答できなかった場合でも、移動通信端末の位置検索をされたときの推定位置を位置検索を行った端末が知り得る状態にすることができる。
【0009】
さらに別の好ましい態様において、このサーバ装置は、前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信すると、前記移動通信端末の位置の履歴を記憶した記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する抽出手段を有し、前記移動通信端末位置情報は、前記抽出手段が抽出した位置を示す情報であってもよい。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が応答できなかった場合でも、移動通信端末の位置検索をされたときの位置を位置検索を行った端末が知り得る状態にすることができる。
【0010】
さらに別の好ましい態様において、前記抽出手段は、前記記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻を基準とした複数の時刻における前記移動通信端末の位置を抽出してもよい。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が応答できなかった場合でも、移動通信端末の位置検索をされた時刻を基準とした時間帯における経路を位置検索を行った端末が知り得る状態にすることができる。
【0011】
さらに別の好ましい態様において、前記移動通信端末が応答できる状態になったことの確認をする確認手段を有し、前記確認手段により前記移動通信端末が応答できる状態になったことが確認された後で、前記通知送信手段は前記通知を送信してもよい。
このサーバ装置によれば、確認をしない場合と比較してより確実に通知を届けることができる。
【0012】
さらに別の好ましい態様において、前記通知送信手段は、前記測位結果情報受信手段が所定の期限までに前記測位結果情報を受信できなかった場合に、前記通知を前記移動通信端末に送信し、前記確認手段は、前記期限を過ぎてからしきい値以上の時間が経過すると、前記確認を中止してもよい。
このサーバ装置によれば、確認を中止しない構成と比較してネットワークのトラフィックを低減することができる。
【0013】
また、本発明は、通信端末からの位置検索要求に応じてサーバ装置が送信した、自機の位置を測定するための測位指示を受信する測位指示受信手段と、前記測位指示受信手段が前記測位指示を受信すると、自機の位置を示す位置情報を含む測位結果情報を前記サーバ装置に送信する測位結果情報送信手段と、前記サーバ装置が前記位置情報を受信できなかった場合に前記サーバ装置から送信される、前記通信端末から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する通知受信手段と、前記通知受信手段が受信した前記通知に応じた表示をする表示手段とを有する移動通信端末を提供する。
この移動通信端末によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【0014】
さらに、本発明は、サーバ装置と移動通信端末と通信端末を有する位置検索システムであって、前記サーバ装置は、前記移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を前記通信端末から受信する位置検索要求受信手段と、前記位置検索要求受信手段が前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信する測位指示送信手段と、前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する測位結果情報受信手段と、前記測位結果情報受信手段が受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信する移動通信端末位置情報送信手段と、前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信する通知送信手段とを有し、前記移動通信端末は、前記測位指示を受信する測位指示受信手段と、前記測位指示受信手段が前記測位指示を受信すると、自機の位置情報を含む測位結果情報を前記サーバ装置に送信する測位結果情報送信手段と、前記サーバ装置から送信される、前記通信端末から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する通知受信手段と、前記通知受信手段が受信した前記通知に応じた表示をする表示手段とを有することを特徴とする位置検索システムを提供する。
この位置検索システムによれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【0015】
さらに、本発明は、移動通信端末と通信端末とサーバ装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、前記サーバ装置が、前記移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を前記通信端末から受信するステップと、前記位置検索要求を受信すると、前記サーバ装置が、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信するステップと、前記移動通信端末が、前記測位指示を受信するステップと、前記測位指示を受信すると、前記移動通信端末の位置を示す位置情報を含む測位結果情報を前記測位指示の応答として、前記移動通信端末が前記サーバ装置に送信するステップと、前記サーバ装置が、前記移動通信端末から前記測位結果情報を受信するステップと、前記受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記サーバ装置が前記通信端末に送信するステップと、前記サーバ装置が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信するステップとを有する通信方法を提供する。
この通信方法によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【0016】
さらに、本発明は、コンピュータに、移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を通信端末から受信するステップと、前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信するステップと、前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信するステップと、前記受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信するステップと、前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
このプログラムによれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。
【図2】サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
【図3】移動通信端末30のハードウェア構成を示す図である。
【図4】通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】ネットワークの構成を例示する図である。
【図6】通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
【図7】ステップS205において表示される画面を例示する図である。
【図8】図7のメッセージが選択された場合に表示される画面を例示する図である。
【図9】通信端末20において表示される画面を例示する図である。
【図10】通信端末20において表示される画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.構成
図1は、一実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。通信システム1は、サーバ10と、通信端末20と、移動通信端末30とを有する。サーバ10と、通信端末20と、移動通信端末30とは、移動通信網(図示略)を介して接続されている。通信システム1において、通信端末20(例えば、携帯電話機)は、他の端末である移動通信端末30(例えば、携帯電話機)の位置を検索することができる。
【0020】
サーバ10は、機能要素として、位置検索要求受信部11と、測位指示送信部12と、測位結果情報受信部13と、移動通信端末位置情報送信部14と、通知送信部15と、記憶部16と、抽出部17と、推定部18と、確認部19とを有する。
【0021】
位置検索要求受信部11は、通信端末20から位置検索要求を受信する。位置検索要求は、移動通信端末30の位置を検索する要求である。測位指示送信部12は、位置検索要求受信部11が位置検索要求を受信すると、移動通信端末30に自機の位置を測定するための測位指示を送信する。測位結果情報受信部13は、移動通信端末30から測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する。移動通信端末位置情報送信部14は、測位結果情報受信部13が受信した情報に応じて得られた、移動通信端末30の位置を示す移動通信端末位置情報を通信端末20に送信する。通知送信部15は、移動通信端末30から測位結果情報を測位結果情報受信部13が受信できなかった場合、位置検索要求があった旨の通知を移動通信端末30に送信する。
【0022】
記憶部16は、移動通信端末30の位置の履歴を記憶する。通知送信部15が通知を送信した後で測位結果情報受信部13が測位結果情報を受信すると、抽出部17は、位置検索要求が行われた時刻より前の時刻における移動通信端末30の位置を記憶部16から抽出する。推定部18は、位置検索要求が行われた時刻における移動通信端末30の位置を推定する。推定は、測位結果情報受信部13が受信した測位結果情報が示す位置と、抽出部17が抽出した位置とを用いた補間処理により行われる。確認部19は、移動通信端末30が応答できる状態になったことの確認をする。通知送信部15は、移動通信端末30が応答できる状態になったことが確認された後で、通知を送信する。
【0023】
移動通信端末30は、機能要素として、測位部31と、測位指示受信部32と、測位結果情報送信部33と、通知受信部34と、表示部35とを有する。測位部31は、自機の位置を測定する。測位指示受信部32は、通信端末20からの位置検索要求に応じてサーバ10が送信した測位の指示を受信する。測位結果情報送信部33は、測位指示受信部32が指示を受信すると、測位部31により測定された位置を含む測位結果情報をサーバ10に送信する。通知受信部34は、サーバ10から送信される、通信端末20から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する。表示部35は、通知受信部34が受信した通知に応じた表示をする。
【0024】
図2は、サーバ10のハードウェア構成を示す図である。サーバ10は、制御部110と、記憶部120と、通信IF130とを有する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113とを有する。これらのハードウェア要素はバス(図示略)により接続されている。記憶部120は、データおよびプログラムを記憶する記憶装置、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。通信IF130は、移動通信網その他のネットワークを介した通信を行うインターフェースである。RAM113は揮発性の記憶装置である。ROM112は不揮発性の記憶装置である。CPU111は、RAM113をワークエリアとしてROM112または記憶部120に記憶されているプログラムを実行し、他のハードウェア要素を制御する。このプログラムとハードウェアの協働により、図1に示される機能が実装される。プログラムを実行しているCPU111により制御される通信IF130は、位置検索要求受信部11、測位指示送信部12、測位結果情報受信部13、移動通信端末位置情報送信部14、通知送信部15、および確認部19の一例である。記憶部120は、記憶部16の一例である。プログラムを実行しているCPU111は、抽出部17および推定部18の一例である。
【0025】
図3は、移動通信端末30のハードウェア構成を示す図である。移動通信端末30は、制御部310と、記憶部320と、通信IF330と、入力部340と、表示部350と、GPS(Global Positioning System)受信機360とを有する。制御部310は、CPU311と、ROM312と、RAM313とを有する。記憶部320は、データおよびプログラムを記憶する記憶装置、例えばフラッシュメモリである。通信IF330は、基地局を介して通信を行うインターフェースであり、アンテナや送受信機を含む。入力部340は、ユーザの操作に応じた情報を制御部310に入力する入力装置、例えばキーパッドまたはタッチパネル(タッチスクリーン)である。表示部350は、情報を表示する表示装置、例えば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。GPS受信機360は、GPS衛星からの信号を受信し、受信した信号を用いて自機の位置を算出する。CPU311は、RAM313をワークエリアとしてROM312または記憶部320に記憶されているプログラムを実行し、他のハードウェア要素を制御する。このプログラムとハードウェアの協働により、図1に示される機能が実装される。プログラムを実行しているCPU311により制御される通信IF330は、測位指示受信部32、測位結果情報送信部33、および通知受信部34の一例である。プログラムを実行しているCPU311により制御されるGPS受信機360は、測位部31の一例である。プログラムを実行しているCPU311により制御される表示部350は、表示部35の一例である。
【0026】
図示は省略するが、通信端末20は、CPU等の制御装置と、HDD等の記憶装置と、キーボード等の入力装置と、ディスプレイ等の表示装置とを有する。
【0027】
2.動作
2−1.移動通信端末30が応答可能な場合の動作
図4は、通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。図4は、特に、位置検索要求に対し移動通信端末30が応答可能である場合、すなわち位置検索が正常にできる場合の動作を示している。まず、通信端末20のユーザは、通信端末20のキーボードを操作し、移動通信端末30の位置検索を要求する。位置検索の要求は、例えば、移動通信端末30から位置検索用の特定のウェブサイトにアクセスすることにより行われる。ユーザは、ブラウザに表示される画面の案内にしたがって操作をすることにより、位置検索を要求することができる。ユーザの操作に応じて、移動通信端末30は、サーバ10に位置検索要求を送信する(ステップS101)。位置検索要求は、検索される端末である移動通信端末30の識別子(例えば、電話番号)を含んでいる。
【0028】
サーバ10の位置検索要求受信部11は、通信端末20から位置検索要求を受信する。位置検索要求受信部11が位置検索要求を受信すると、測位指示送信部12は、移動通信端末30に測位指示を送信する(ステップS102)。測位指示の送信は例えば次に説明するように行われる。
【0029】
図5は、ネットワークの構成を例示する図である。この例では、通信端末20も移動通信端末30と同様に携帯電話機である。移動通信網は、サーバ10と、ゲートウェイ40と、中継交換機50と、ホームメモリ60と、加入者交換機70とを有する。さらに、このネットワークは、RNC(Radio Network Controller、無線ネットワーク制御装置)80と基地局90とを有する。なお、このネットワークは、複数の加入者交換機70を有しており、これらを区別する場合には加入者交換機70−1のように添字を用いる。他の装置についても同様である。これらの装置は移動体通信においてよく知られているので、詳細な説明は省略する。
【0030】
通信端末20からの位置検索要求は、基地局90−1、RNC80−1、加入者交換機70−1、中継交換機50、およびゲートウェイ40を介してサーバ10に送られる。サーバ10は、位置検索要求から、検索される端末の識別子を抽出する。この例では移動通信端末30の識別子が抽出される。位置検索要求を受信すると、サーバ10は、位置登録エリアの問い合わせをホームメモリ60に送信する。この問い合わせは、移動通信端末30の識別子を含んでいる。問い合わせを受けると、ホームメモリ60は、データベースから移動通信端末30の位置登録エリアを読み出し、移動通信端末30が属する位置登録エリアを担当する加入者交換機(この例では加入者交換機70−2)を特定する。ホームメモリ60は、加入者交換機70−2に着信処理を依頼する。依頼を受けると、加入者交換機70−2は、依頼に対する応答をホームメモリ60を介してサーバ10に返す。応答を受けると、サーバ10は、加入者交換機70−2との間で回線を接続する。回線が接続されると、加入者交換機70−2は、自身が管理する位置登録エリアに属する基地局(この例では、基地局90−2および基地局90−3)に対して、移動通信端末30と回線を接続するためのページングを行う。ページングを受けると、移動通信端末30は、加入者交換機70−2に応答を送信し、加入者交換機70−2との間で回線を接続する。こうして、サーバ10と移動通信端末30との間に回線が接続される。サーバ10は、こうして接続された回線を介して移動通信端末30に測位指示を送信する。
【0031】
ふたたび図4を参照する。移動通信端末30の測位指示受信部32は、サーバ10から測位指示を受信する。測位指示受信部32が測位指示を受信すると、測位部31は、自機の位置を測定する(ステップS103)。測位結果情報送信部33は、測位部31が測定した位置を示す位置情報を、測位結果情報としてサーバ10に送信する(ステップS104)。サーバ10の測位結果情報受信部13は、移動通信端末30から測位結果情報を受信する。移動通信端末位置情報送信部14は、測位結果情報受信部13が受信した測位結果情報に応じて、移動通信端末位置情報を位置検索要求の送信元である通信端末20に送信する(ステップS105)。この例で、通信端末20はブラウザを使って位置検索用のウェブサイトにアクセスしているので、移動通信端末位置情報送信部14は、移動通信端末30の位置を示すマークが地図上に示された画像の画像データ、およびこの画像データを表示させるためのHTMLデータを移動通信端末位置情報として送信する。通信端末20は、サーバ10から移動通信端末位置情報を受信すると、受信した移動通信端末位置情報に応じた表示を行う。例えば、通信端末20は、ブラウザの機能により、地図上に移動通信端末30の位置が示された画像をディスプレイに表示する。位置検索の要求を送信してから移動通信端末位置情報を受信するまでの間、移動通信端末30のブラウザは、情報待ちの表示をする。
【0032】
2−2.移動通信端末30が応答不能な場合の動作
図6は、通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。図6は、特に、位置検索要求に対し移動通信端末30が応答不能である場合、すなわち位置検索が正常にできなかった場合の動作を示している。応答不能である場合とは、例えば、移動通信端末30が基地局からの電波を受信できない場所にいる場合(いわゆる圏外の場合)、または移動通信端末30の電源がオフになっている場合である。
【0033】
ステップS101における位置検索要求の送信、およびステップS102における測位指示の送信は図4において説明したとおりである。しかし、この例では、移動通信端末30はページングに対して応答しない。すなわち、移動通信端末30は測位指示を受信できない。サーバ10の制御部110は、位置検索要求を受信したときを基点として、経過時間を計測する。移動通信端末30からの測位結果情報の受信には所定の期限が設定されている。この期限までに測位結果(応答)を受信できなかった場合、制御部110は、エラー処理を行う。まず、制御部110は、この位置検索要求を、位置検索が正常に行われなかったことを示すフラグを付加して記憶部120(機能要素としては記憶部16)に記憶する。記憶部120(記憶部16)には、位置検索要求とともに、位置検索要求が行われた時刻が記憶される。さらに、制御部110は、位置検索要求の送信元である通信端末20に対し、通信IF130を介してエラー通知を送信する(ステップS201)。エラー通知を受信すると、通信端末20はエラー処理を行う。例えば、通信端末20のブラウザは、「位置を検出できません」等、位置検索が成功しなかった旨のメッセージを表示する。ユーザは、ブラウザを終了する。
【0034】
サーバ10の確認部19は、エラー通知を送信した後、移動通信端末30が応答可能な状態になったか(以下、応答可能な状態になったことを「圏内復帰した」という)を確認する(ステップS202)。圏内復帰の確認は、例えば以下のように行われる。確認部19は、所定の周期(例えば5分ごと)で、移動通信端末30の位置登録エリアの問い合わせをホームメモリ60に送信する。ホームメモリ60が位置登録エリアの問い合わせを受けると、既に説明したように、加入者交換機70−2が移動通信端末30との間で回線を接続するためのページングを行う。ホームメモリ60から応答を受信して移動通信端末30との間で回線を接続できた場合、確認部19は、移動通信端末30が圏内復帰したと判断する。ホームメモリ60から応答を受信せず移動通信端末30との間で回線を接続できなかった場合、確認部19は、移動通信端末30がまだ圏内復帰していないと判断する。移動通信端末30の圏内復帰が確認された場合、通知送信部15は、位置検索要求があった旨の通知を移動通信端末30に送信する(ステップS203)。この通知は、位置検索要求の送信元である通信端末20またはそのユーザの識別子(ユーザ名、または端末ID)、および位置検索要求が送信された時刻を含んでいる。
【0035】
移動通信端末30の通知受信部34は、サーバ10から通知を受信する。サーバ10から通知を受信すると、移動通信端末30は、サーバ10との間の回線を切断する。通知受信部34が通知を受信すると、表示部35は通知に応じた表示をする(ステップS204)。
【0036】
図7は、ステップS204において表示される画面を例示する図である。この例では、「圏外時に位置検索されました」というメッセージが表示されている。
【0037】
ふたたび図6を参照する。移動通信端末30の制御部310は、図7の画面を表示したままユーザの操作待ちの状態にある。ユーザが何らかの操作を行うと、制御部310は、操作に応じた処理を行う。図7の例では、メッセージが表示されている領域を選択する操作(例えば、このメッセージに入力フォーカスをあわせて決定ボタンを押す操作、またはタッチパネルでこのメッセージをタッチする操作)を行うことが可能である。
【0038】
図8は、図7のメッセージが選択された場合に表示される画面を例示する図である。この例では、位置検索の履歴の詳細が表示される。位置検索の詳細は、検索が行われた日時(この例では6/2の16:59)、および検索を行った者の識別子(この例では、090−1234−5678および山田太郎)を含んでいる。また、位置検索の履歴の下には、次に行う処理のメニューが示されている。この例では、次に行う処理として以下の4つの選択肢が提示されている。
(1)現在位置を知らせる。
(2)現在までの経路を知らせる。
(3)電話をかける。
(4)何もしない。
選択肢(1)が選択されると、移動通信端末30の現在位置の位置情報がサーバ10に送信され、位置検索要求の送信元である通信端末20が移動通信端末30の現在位置を知り得る状態になる。選択肢(2)が選択されると、移動通信端末30の現在位置の位置情報がサーバ10に送信され、移動通信端末30の現在位置までの経路を通信端末20が知り得る状態になる。選択肢(3)が選択されると、移動通信端末30は通信端末20に音声通話を発信する。選択肢(4)が選択されると、移動通信端末30は位置検索についての処理を終了する。すなわち、移動通信端末30は、図6の処理を終了する。
【0039】
以下、選択肢(2)が選択された場合を例に、通信システム1の動作を引き続き説明する。ふたたび図6を参照する。ユーザが選択肢(2)を選択する操作を行うと、測位部31は、自機の位置を測定する。測位結果情報送信部33は、測位部31が測定した位置を示す位置情報を、測位結果情報としてサーバ10に送信する(ステップS206)。
【0040】
位置検索が正常に行われなかった位置検索要求として記憶部120(記憶部16)に記憶されている位置検索要求に対応する測位結果情報を受信すると、サーバ10の制御部110は、通信IF130を介してその旨の通知を通信端末20に送信する(ステップS207)。サーバ10から通信端末20への通知の送信は、サーバ10から移動通信端末30への通知の送信と同様に行われる。サーバ10が通知を受信すると、通信端末20は、通知に応じた画面を表示する(ステップS208)。
【0041】
図9は、このとき表示される画面を例示する図である。この画面は、「6/2 16:59に位置検索した山田太郎さんから位置の通知がありました」という、検索された端末が圏内復帰したことを示すメッセージと、次に行う処理のメニューが示されている。ユーザは、この画面を見て通信端末20を操作し(ステップS209)、次に行う処理を選択する。この例では、次に行う処理として以下の4つの選択肢が提示されている。
(1)現在位置を調べる。
(2)現在までの経路を調べる。
(3)当時の位置を推定する。
(4)電話をかける。
(5)何もしない。
選択肢(1)が選択されると、通信端末20は、移動通信端末30の現在位置をサーバ10に要求する。選択肢(2)が選択されると、通信端末20は、移動通信端末30の現在位置までの経路をサーバ10に要求する。選択肢(3)が選択されると、通信端末20は、位置検索要求が行われた時点における移動通信端末30の位置をサーバ10に要求する。選択肢(4)が選択されると、通信端末20は、移動通信端末30に音声通話を発信する。選択肢(5)が選択されると、通信端末20は位置検索についての処理を終了する。すなわち、通信端末20は、図6の処理を終了する。
【0042】
再び図6を参照する。選択肢(1)〜(3)のいずれかが選択されると、通信端末20は、選択された選択肢を特定する情報を含む応答を、サーバ10に送信する(ステップS210)。ここで送信される情報が移動通信端末位置情報に相当する。サーバ10は、選択肢に応じて位置情報を処理する(ステップS211)。詳細は以下のとおりである。
【0043】
選択肢(1)が選択されると、サーバ10は、移動通信端末30から受信した測位結果情報に含まれる位置情報(すなわち、移動通信端末30の現在位置を示す情報)を、移動通信端末位置情報として用いることを決定する。
【0044】
選択肢(2)が選択されると、サーバ10は、移動通信端末30の経路を示す情報を、移動通信端末位置情報として用いることを決定する。この場合、サーバ10は、過去の一定期間(例えば12時間)における移動通信端末30の位置の履歴を記憶部120に記憶している。この履歴として記憶されている位置は、例えば、移動通信端末30が通信していた基地局の識別子(基地局ID)である。この履歴は、時刻と基地局IDとのセットを複数含んでいる。まず、抽出部17は、記憶部16に記憶されている位置の履歴から、位置検索要求が行われた時刻(以下「検索時刻」という)を基準とする所定の範囲の時刻の基地局IDを抽出する。この例では、所定の範囲は、検索時刻より前でありかつ検索時刻に最も近い時刻から、現在時刻までの範囲である。推定部18は、抽出部17が抽出した基地局IDを位置に変換する。記憶部120は、基地局IDと、その基地局の位置(例えば、基地局の緯度および経度)とを対応させるデータベースを記憶している。推定部18は、このデータベースを参照して基地局IDを位置に変換する。推定部18は、こうして得られた位置を時系列に結んだ線で構成される図形を計算する。推定部18は、こうして得られた図形を示す情報を、移動通信端末位置情報として用いることを決定する。
【0045】
選択肢(3)が選択されると、サーバ10は、検索時刻における移動通信端末30の位置を推定し、推定した位置を示す情報を、移動通信端末位置情報として用いることを決定する。まず、抽出部17は、記憶部16に記憶されている位置の履歴から、位置検索要求が行われた時刻より前でありかつ位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻における移動通信端末30の基地局IDを抽出する。推定部18は、抽出部17が抽出した基地局IDと、移動通信端末30から受信した測位結果情報に含まれる位置情報とを用いて、位置検索要求が行われた時刻における移動通信端末30の位置を推定する。この推定は、例えば補間処理により行われる。まず、推定部18は、抽出部17が抽出した基地局IDを、位置に変換する。この位置が始点であり、移動通信端末30から受信した測位結果情報に含まれる位置情報が示す位置が終点である。以下、始点に対応する時刻、すなわち、位置の履歴において位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻を「始点時刻」という。また、終点に対応する時刻、すなわち、移動通信端末30から測位結果情報を受信した時刻を「終点時刻」という。推定部18は、次に、始点と終点を結ぶ線分の式を算出する。さらに、推定部18は、始点時刻、終点時刻、および検索時刻を用いて、検索時刻における位置を計算する。例えば、終点時刻と始点時刻との差が60分であり、検索時刻と始点時刻との差が10分であった場合、推定部18は、算出した線分の上の点のうち、始点から終点に向かって10/60の距離を進んだ点を検索時刻における位置として推定する。
【0046】
上述のように選択肢に応じた処理が行われると、移動通信端末位置情報送信部14は、用いることが決定された情報を、位置検索要求の送信元である通信端末20に、移動通信端末位置情報として送信する(ステップS212)。移動通信端末位置情報を受信すると、通信端末20は、移動通信端末位置情報に応じた画面を表示する。
【0047】
図10は、通信端末20において表示される画面を例示する図である。この例では、ステップS211において選択肢(3)の処理が行われた場合が示されている。このように、本実施形態によれば、位置検索を行ったときに、検索された端末が応答できない状態であっても、検索された端末のユーザは位置検索が行われたことを知ることができる。
【0048】
3.他の実施形態
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下で説明する変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0049】
図6のステップS202における圏内復帰の確認は、状況に応じて中止されてもよい。例えば、位置検索を行ってから非常に長い時間(例えば数日)が経過したようなときなど、通信端末20のユーザが、移動通信端末30からの応答をもはや期待していない状況も考えられる。このような状況に対応するため、確認部19は、ステップS202の処理またはステップS203の処理に期限を設けてもよい。この場合、確認部19は、期限が経過した後は、ステップS202の圏内復帰確認の処理を中止する。
【0050】
位置検索を行う側の端末である通信端末20は、移動通信端末でなくてもよい。例えば、通信端末20は、インターネットに接続されたパーソナルコンピュータであってもよい。この場合通信端末20は、図5において基地局90を介して通信を行うのではなく、インターネットを介して移動通信網内のサーバ10と通信をする。この場合、サーバ10と通信端末20とは音声回線による通信はできない。
【0051】
測位部31は、GPS受信機を用いたものに限定されない。測位部31は、基地局の位置を用いたネットワーク型の測位を行うものでもよい。この場合、測位部31は、周辺基地局の基地局IDと、これら基地局から受信した電波の受信電界強度とのセットを測位結果情報としてサーバ10に送信する。
【0052】
通知送信部15が移動通信端末30に通知を送信するタイミングは実施形態で説明したものに限定されない。例えば、通知送信部15は、位置検索要求の送信元である通信端末20から要求があったときに、移動通信端末30に通知を送信してもよい。あるいは、移動通信端末30が電子メールの読み出しなどネットワークにアクセスしたときに、移動通信端末30に通知を送信してもよい。さらにあるいは、通信端末20および移動通信端末30の状態とは関係なく、移動通信網側でトリガを生成し、このトリガによって移動通信端末30に通知を送信してもよい。この場合、サーバ10は、確認部19を有していなくてもよい。
【0053】
図6のステップS201のエラー通知を行うための期限の始期は、どのように設定されてもよい。例えば、サーバ10が位置検索要求を受信した時刻を基準として始期が設定されてもよい。あるいは、位置検索を行った時刻が位置検索要求に含まれる場合、位置検索を行った時刻を基準として始期が設定されてもよい。また、期限を過ぎたかどうかの判断は、サーバ10以外の装置により行われてもよい。この場合、サーバ10は、移動通信網内の別の装置から、応答の有無を示す情報を取得する。
【0054】
図6のステップS205以降の一部または全部の処理は、省略されてもよい。例えば、通信システム1は、単に、位置検索要求があった旨の通知を行うだけのものであってもよい。別の例で、サーバ10が移動通信端末位置情報を得るための処理は、あらかじめ決められていてもよい。すなわち、サーバ10は、実施形態においてステップS211の選択肢(1)〜(3)の処理として説明した処理のうち、デフォルトで決められたいずれか一の処理だけを行うものであってもよい。この場合、図8や図9の画面を表示させる必要はない。
【0055】
検索時刻における位置を推定する方法は、実施形態で説明したものに限定されない。推定部18は、始点と終点を単に最短距離で結ぶだけではなく、道路および建物等地理的条件を考慮して位置を推定してもよい。すなわち、推定部18は、建造物、山、池など移動通信端末30が位置することができないと考えられる場所を避けて、始点と終点を結ぶ図形を取得してもよい。
【0056】
サーバ10、通信端末20、および移動通信端末30における機能の分担は、実施形態で説明したものに限定されない。実施形態でサーバ10の機能として説明したものの一部を、通信端末20または移動通信端末30が有していてもよい。例えば、ステップS211の、検索時刻における位置の推定を移動通信端末30が行ってもよい。この場合、サーバ10は、移動通信端末30から受信した測位結果情報に含まれる位置情報を通信端末20に中継する。
【0057】
通信システム1のネットワークの構成は図5で例示したものに限定されない。検索要求、通知、測位結果情報、および測位指示を送受信できるものであれば、どのような構成のネットワークを用いてもよい。また、実施形態において回線接続型の通信を用いて送受信されるものと説明した通知、情報その他のデータは、パケット通信により送受信されてもよい。例えば、通知送信部15による通知の送信は電子メールを用いて行われてもよい。
【0058】
通信システム1を構成するサーバ10、通信端末20、および移動通信端末30の機能構成およびハードウェア構成は、実施形態で説明したものに限定されない。図1の機能構成の一部は省略されてもよいし、それにあわせてハードウェア構成が変更されてもよい。また、実施形態では、位置検索要求がブラウザによるサイト閲覧により行われる例を示したが、位置検索要求は、専用のアプリケーションプログラムを用いて行われてもよい。
【0059】
上述の実施形態において制御部110によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリ(フラッシュROMなど)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…通信システム、10…サーバ、11…位置検索要求受信部、12…測位指示送信部、13…測位結果情報受信部、14…移動通信端末位置情報送信部、15…通知送信部、16…記憶部、17…抽出部、18…推定部、20…通信端末、30…移動通信端末、31…測位部、32…測位指示受信部、33…測位結果情報送信部、34…通知受信部、35…表示部、40…ゲートウェイ、50…中継交換機、60…ホームメモリ、70…加入者交換機、80…RNC、90…基地局、110…制御部、111…CPU、112…ROM、113…RAM、120…記憶部、130…通信IF、310…制御部、311…CPU、312…ROM、313…RAM、320…記憶部、330…通信IF、340…入力部、350…表示部、360…GPS受信機
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末の位置検索に関する。
【背景技術】
【0002】
自機の位置を測定可能な移動通信端末の位置を他の通信端末から検索する技術が知られている(非特許文献1)。また、特許文献1は、通信可能な圏内から通信不可能な圏外に遷移したことを検出した際に、圏外に遷移した位置を圏外遷移位置として取得し、かつ、圏外に遷移した時刻を圏外遷移時刻として取得して記憶する携帯端末を開示している。この携帯端末は、利用者から表示要求があった際に圏外遷移位置および圏外遷移時刻を表示する。さらに、特許文献2は、移動通信端末が音声着信を受けることができなかったときの着信履歴を通知するための電子メールを作成して、その移動通信端末が着信可能な圏内に入ったことが確認されたときにその電子メールを送信することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−218777号公報
【特許文献2】特開2004−40217号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“イマドコサーチ(お子さまの居場所を検索)”、[online]、NTTドコモ、[平成22年6月2日検索]、インターネット、<URL:http://www.mydocomo.com/web/useful/imadoco/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1、特許文献1および特許文献2の技術では、位置検索をされた端末が圏外だったとき等、位置検索要求を受信できなかったときに、位置検索をされたことを知ることができなかった。
本発明は、位置検索をされたときに端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、位置検索をされたことを知ることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を通信端末から受信する位置検索要求受信手段と、前記位置検索要求受信手段が前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信する測位指示送信手段と、前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する測位結果情報受信手段と、前記測位結果情報受信手段が受信した前記測位結果置情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信する移動通信端末位置情報送信手段と、前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信する通知送信手段とを有するサーバ装置を提供する。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【0007】
好ましい態様において、前記測位結果受信手段は、前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果受信手段が受信した前記測位結果情報を、前記測位指示の応答として受信してもよい。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が応答できなかった場合でも、位置検索を行った端末が移動通信端末の位置を知り得る状態にすることができる。
【0008】
別の好ましい態様において、このサーバ装置は、前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果受信手段が前記測位結果情報を受信すると、前記移動通信端末の位置の履歴を記憶した記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻より前の時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する抽出手段と、前記測位結果受信手段が受信した前記測位結果情報が示す位置と、前記抽出手段が抽出した位置とを用いた補間処理により、前記位置検索要求が行われた時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定手段とを有し、前記移動通信端末位置情報は、前記推定手段が推定した位置を示す情報であってもよい。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が応答できなかった場合でも、移動通信端末の位置検索をされたときの推定位置を位置検索を行った端末が知り得る状態にすることができる。
【0009】
さらに別の好ましい態様において、このサーバ装置は、前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信すると、前記移動通信端末の位置の履歴を記憶した記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する抽出手段を有し、前記移動通信端末位置情報は、前記抽出手段が抽出した位置を示す情報であってもよい。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が応答できなかった場合でも、移動通信端末の位置検索をされたときの位置を位置検索を行った端末が知り得る状態にすることができる。
【0010】
さらに別の好ましい態様において、前記抽出手段は、前記記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻を基準とした複数の時刻における前記移動通信端末の位置を抽出してもよい。
このサーバ装置によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が応答できなかった場合でも、移動通信端末の位置検索をされた時刻を基準とした時間帯における経路を位置検索を行った端末が知り得る状態にすることができる。
【0011】
さらに別の好ましい態様において、前記移動通信端末が応答できる状態になったことの確認をする確認手段を有し、前記確認手段により前記移動通信端末が応答できる状態になったことが確認された後で、前記通知送信手段は前記通知を送信してもよい。
このサーバ装置によれば、確認をしない場合と比較してより確実に通知を届けることができる。
【0012】
さらに別の好ましい態様において、前記通知送信手段は、前記測位結果情報受信手段が所定の期限までに前記測位結果情報を受信できなかった場合に、前記通知を前記移動通信端末に送信し、前記確認手段は、前記期限を過ぎてからしきい値以上の時間が経過すると、前記確認を中止してもよい。
このサーバ装置によれば、確認を中止しない構成と比較してネットワークのトラフィックを低減することができる。
【0013】
また、本発明は、通信端末からの位置検索要求に応じてサーバ装置が送信した、自機の位置を測定するための測位指示を受信する測位指示受信手段と、前記測位指示受信手段が前記測位指示を受信すると、自機の位置を示す位置情報を含む測位結果情報を前記サーバ装置に送信する測位結果情報送信手段と、前記サーバ装置が前記位置情報を受信できなかった場合に前記サーバ装置から送信される、前記通信端末から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する通知受信手段と、前記通知受信手段が受信した前記通知に応じた表示をする表示手段とを有する移動通信端末を提供する。
この移動通信端末によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【0014】
さらに、本発明は、サーバ装置と移動通信端末と通信端末を有する位置検索システムであって、前記サーバ装置は、前記移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を前記通信端末から受信する位置検索要求受信手段と、前記位置検索要求受信手段が前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信する測位指示送信手段と、前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する測位結果情報受信手段と、前記測位結果情報受信手段が受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信する移動通信端末位置情報送信手段と、前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信する通知送信手段とを有し、前記移動通信端末は、前記測位指示を受信する測位指示受信手段と、前記測位指示受信手段が前記測位指示を受信すると、自機の位置情報を含む測位結果情報を前記サーバ装置に送信する測位結果情報送信手段と、前記サーバ装置から送信される、前記通信端末から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する通知受信手段と、前記通知受信手段が受信した前記通知に応じた表示をする表示手段とを有することを特徴とする位置検索システムを提供する。
この位置検索システムによれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【0015】
さらに、本発明は、移動通信端末と通信端末とサーバ装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、前記サーバ装置が、前記移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を前記通信端末から受信するステップと、前記位置検索要求を受信すると、前記サーバ装置が、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信するステップと、前記移動通信端末が、前記測位指示を受信するステップと、前記測位指示を受信すると、前記移動通信端末の位置を示す位置情報を含む測位結果情報を前記測位指示の応答として、前記移動通信端末が前記サーバ装置に送信するステップと、前記サーバ装置が、前記移動通信端末から前記測位結果情報を受信するステップと、前記受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記サーバ装置が前記通信端末に送信するステップと、前記サーバ装置が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信するステップとを有する通信方法を提供する。
この通信方法によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【0016】
さらに、本発明は、コンピュータに、移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を通信端末から受信するステップと、前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信するステップと、前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信するステップと、前記受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信するステップと、前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
このプログラムによれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、位置検索をされたときに移動通信端末が位置検索要求を受信できなかった場合でも、移動通信端末のユーザは位置検索をされたことを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。
【図2】サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
【図3】移動通信端末30のハードウェア構成を示す図である。
【図4】通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】ネットワークの構成を例示する図である。
【図6】通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
【図7】ステップS205において表示される画面を例示する図である。
【図8】図7のメッセージが選択された場合に表示される画面を例示する図である。
【図9】通信端末20において表示される画面を例示する図である。
【図10】通信端末20において表示される画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.構成
図1は、一実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。通信システム1は、サーバ10と、通信端末20と、移動通信端末30とを有する。サーバ10と、通信端末20と、移動通信端末30とは、移動通信網(図示略)を介して接続されている。通信システム1において、通信端末20(例えば、携帯電話機)は、他の端末である移動通信端末30(例えば、携帯電話機)の位置を検索することができる。
【0020】
サーバ10は、機能要素として、位置検索要求受信部11と、測位指示送信部12と、測位結果情報受信部13と、移動通信端末位置情報送信部14と、通知送信部15と、記憶部16と、抽出部17と、推定部18と、確認部19とを有する。
【0021】
位置検索要求受信部11は、通信端末20から位置検索要求を受信する。位置検索要求は、移動通信端末30の位置を検索する要求である。測位指示送信部12は、位置検索要求受信部11が位置検索要求を受信すると、移動通信端末30に自機の位置を測定するための測位指示を送信する。測位結果情報受信部13は、移動通信端末30から測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する。移動通信端末位置情報送信部14は、測位結果情報受信部13が受信した情報に応じて得られた、移動通信端末30の位置を示す移動通信端末位置情報を通信端末20に送信する。通知送信部15は、移動通信端末30から測位結果情報を測位結果情報受信部13が受信できなかった場合、位置検索要求があった旨の通知を移動通信端末30に送信する。
【0022】
記憶部16は、移動通信端末30の位置の履歴を記憶する。通知送信部15が通知を送信した後で測位結果情報受信部13が測位結果情報を受信すると、抽出部17は、位置検索要求が行われた時刻より前の時刻における移動通信端末30の位置を記憶部16から抽出する。推定部18は、位置検索要求が行われた時刻における移動通信端末30の位置を推定する。推定は、測位結果情報受信部13が受信した測位結果情報が示す位置と、抽出部17が抽出した位置とを用いた補間処理により行われる。確認部19は、移動通信端末30が応答できる状態になったことの確認をする。通知送信部15は、移動通信端末30が応答できる状態になったことが確認された後で、通知を送信する。
【0023】
移動通信端末30は、機能要素として、測位部31と、測位指示受信部32と、測位結果情報送信部33と、通知受信部34と、表示部35とを有する。測位部31は、自機の位置を測定する。測位指示受信部32は、通信端末20からの位置検索要求に応じてサーバ10が送信した測位の指示を受信する。測位結果情報送信部33は、測位指示受信部32が指示を受信すると、測位部31により測定された位置を含む測位結果情報をサーバ10に送信する。通知受信部34は、サーバ10から送信される、通信端末20から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する。表示部35は、通知受信部34が受信した通知に応じた表示をする。
【0024】
図2は、サーバ10のハードウェア構成を示す図である。サーバ10は、制御部110と、記憶部120と、通信IF130とを有する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113とを有する。これらのハードウェア要素はバス(図示略)により接続されている。記憶部120は、データおよびプログラムを記憶する記憶装置、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。通信IF130は、移動通信網その他のネットワークを介した通信を行うインターフェースである。RAM113は揮発性の記憶装置である。ROM112は不揮発性の記憶装置である。CPU111は、RAM113をワークエリアとしてROM112または記憶部120に記憶されているプログラムを実行し、他のハードウェア要素を制御する。このプログラムとハードウェアの協働により、図1に示される機能が実装される。プログラムを実行しているCPU111により制御される通信IF130は、位置検索要求受信部11、測位指示送信部12、測位結果情報受信部13、移動通信端末位置情報送信部14、通知送信部15、および確認部19の一例である。記憶部120は、記憶部16の一例である。プログラムを実行しているCPU111は、抽出部17および推定部18の一例である。
【0025】
図3は、移動通信端末30のハードウェア構成を示す図である。移動通信端末30は、制御部310と、記憶部320と、通信IF330と、入力部340と、表示部350と、GPS(Global Positioning System)受信機360とを有する。制御部310は、CPU311と、ROM312と、RAM313とを有する。記憶部320は、データおよびプログラムを記憶する記憶装置、例えばフラッシュメモリである。通信IF330は、基地局を介して通信を行うインターフェースであり、アンテナや送受信機を含む。入力部340は、ユーザの操作に応じた情報を制御部310に入力する入力装置、例えばキーパッドまたはタッチパネル(タッチスクリーン)である。表示部350は、情報を表示する表示装置、例えば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。GPS受信機360は、GPS衛星からの信号を受信し、受信した信号を用いて自機の位置を算出する。CPU311は、RAM313をワークエリアとしてROM312または記憶部320に記憶されているプログラムを実行し、他のハードウェア要素を制御する。このプログラムとハードウェアの協働により、図1に示される機能が実装される。プログラムを実行しているCPU311により制御される通信IF330は、測位指示受信部32、測位結果情報送信部33、および通知受信部34の一例である。プログラムを実行しているCPU311により制御されるGPS受信機360は、測位部31の一例である。プログラムを実行しているCPU311により制御される表示部350は、表示部35の一例である。
【0026】
図示は省略するが、通信端末20は、CPU等の制御装置と、HDD等の記憶装置と、キーボード等の入力装置と、ディスプレイ等の表示装置とを有する。
【0027】
2.動作
2−1.移動通信端末30が応答可能な場合の動作
図4は、通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。図4は、特に、位置検索要求に対し移動通信端末30が応答可能である場合、すなわち位置検索が正常にできる場合の動作を示している。まず、通信端末20のユーザは、通信端末20のキーボードを操作し、移動通信端末30の位置検索を要求する。位置検索の要求は、例えば、移動通信端末30から位置検索用の特定のウェブサイトにアクセスすることにより行われる。ユーザは、ブラウザに表示される画面の案内にしたがって操作をすることにより、位置検索を要求することができる。ユーザの操作に応じて、移動通信端末30は、サーバ10に位置検索要求を送信する(ステップS101)。位置検索要求は、検索される端末である移動通信端末30の識別子(例えば、電話番号)を含んでいる。
【0028】
サーバ10の位置検索要求受信部11は、通信端末20から位置検索要求を受信する。位置検索要求受信部11が位置検索要求を受信すると、測位指示送信部12は、移動通信端末30に測位指示を送信する(ステップS102)。測位指示の送信は例えば次に説明するように行われる。
【0029】
図5は、ネットワークの構成を例示する図である。この例では、通信端末20も移動通信端末30と同様に携帯電話機である。移動通信網は、サーバ10と、ゲートウェイ40と、中継交換機50と、ホームメモリ60と、加入者交換機70とを有する。さらに、このネットワークは、RNC(Radio Network Controller、無線ネットワーク制御装置)80と基地局90とを有する。なお、このネットワークは、複数の加入者交換機70を有しており、これらを区別する場合には加入者交換機70−1のように添字を用いる。他の装置についても同様である。これらの装置は移動体通信においてよく知られているので、詳細な説明は省略する。
【0030】
通信端末20からの位置検索要求は、基地局90−1、RNC80−1、加入者交換機70−1、中継交換機50、およびゲートウェイ40を介してサーバ10に送られる。サーバ10は、位置検索要求から、検索される端末の識別子を抽出する。この例では移動通信端末30の識別子が抽出される。位置検索要求を受信すると、サーバ10は、位置登録エリアの問い合わせをホームメモリ60に送信する。この問い合わせは、移動通信端末30の識別子を含んでいる。問い合わせを受けると、ホームメモリ60は、データベースから移動通信端末30の位置登録エリアを読み出し、移動通信端末30が属する位置登録エリアを担当する加入者交換機(この例では加入者交換機70−2)を特定する。ホームメモリ60は、加入者交換機70−2に着信処理を依頼する。依頼を受けると、加入者交換機70−2は、依頼に対する応答をホームメモリ60を介してサーバ10に返す。応答を受けると、サーバ10は、加入者交換機70−2との間で回線を接続する。回線が接続されると、加入者交換機70−2は、自身が管理する位置登録エリアに属する基地局(この例では、基地局90−2および基地局90−3)に対して、移動通信端末30と回線を接続するためのページングを行う。ページングを受けると、移動通信端末30は、加入者交換機70−2に応答を送信し、加入者交換機70−2との間で回線を接続する。こうして、サーバ10と移動通信端末30との間に回線が接続される。サーバ10は、こうして接続された回線を介して移動通信端末30に測位指示を送信する。
【0031】
ふたたび図4を参照する。移動通信端末30の測位指示受信部32は、サーバ10から測位指示を受信する。測位指示受信部32が測位指示を受信すると、測位部31は、自機の位置を測定する(ステップS103)。測位結果情報送信部33は、測位部31が測定した位置を示す位置情報を、測位結果情報としてサーバ10に送信する(ステップS104)。サーバ10の測位結果情報受信部13は、移動通信端末30から測位結果情報を受信する。移動通信端末位置情報送信部14は、測位結果情報受信部13が受信した測位結果情報に応じて、移動通信端末位置情報を位置検索要求の送信元である通信端末20に送信する(ステップS105)。この例で、通信端末20はブラウザを使って位置検索用のウェブサイトにアクセスしているので、移動通信端末位置情報送信部14は、移動通信端末30の位置を示すマークが地図上に示された画像の画像データ、およびこの画像データを表示させるためのHTMLデータを移動通信端末位置情報として送信する。通信端末20は、サーバ10から移動通信端末位置情報を受信すると、受信した移動通信端末位置情報に応じた表示を行う。例えば、通信端末20は、ブラウザの機能により、地図上に移動通信端末30の位置が示された画像をディスプレイに表示する。位置検索の要求を送信してから移動通信端末位置情報を受信するまでの間、移動通信端末30のブラウザは、情報待ちの表示をする。
【0032】
2−2.移動通信端末30が応答不能な場合の動作
図6は、通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。図6は、特に、位置検索要求に対し移動通信端末30が応答不能である場合、すなわち位置検索が正常にできなかった場合の動作を示している。応答不能である場合とは、例えば、移動通信端末30が基地局からの電波を受信できない場所にいる場合(いわゆる圏外の場合)、または移動通信端末30の電源がオフになっている場合である。
【0033】
ステップS101における位置検索要求の送信、およびステップS102における測位指示の送信は図4において説明したとおりである。しかし、この例では、移動通信端末30はページングに対して応答しない。すなわち、移動通信端末30は測位指示を受信できない。サーバ10の制御部110は、位置検索要求を受信したときを基点として、経過時間を計測する。移動通信端末30からの測位結果情報の受信には所定の期限が設定されている。この期限までに測位結果(応答)を受信できなかった場合、制御部110は、エラー処理を行う。まず、制御部110は、この位置検索要求を、位置検索が正常に行われなかったことを示すフラグを付加して記憶部120(機能要素としては記憶部16)に記憶する。記憶部120(記憶部16)には、位置検索要求とともに、位置検索要求が行われた時刻が記憶される。さらに、制御部110は、位置検索要求の送信元である通信端末20に対し、通信IF130を介してエラー通知を送信する(ステップS201)。エラー通知を受信すると、通信端末20はエラー処理を行う。例えば、通信端末20のブラウザは、「位置を検出できません」等、位置検索が成功しなかった旨のメッセージを表示する。ユーザは、ブラウザを終了する。
【0034】
サーバ10の確認部19は、エラー通知を送信した後、移動通信端末30が応答可能な状態になったか(以下、応答可能な状態になったことを「圏内復帰した」という)を確認する(ステップS202)。圏内復帰の確認は、例えば以下のように行われる。確認部19は、所定の周期(例えば5分ごと)で、移動通信端末30の位置登録エリアの問い合わせをホームメモリ60に送信する。ホームメモリ60が位置登録エリアの問い合わせを受けると、既に説明したように、加入者交換機70−2が移動通信端末30との間で回線を接続するためのページングを行う。ホームメモリ60から応答を受信して移動通信端末30との間で回線を接続できた場合、確認部19は、移動通信端末30が圏内復帰したと判断する。ホームメモリ60から応答を受信せず移動通信端末30との間で回線を接続できなかった場合、確認部19は、移動通信端末30がまだ圏内復帰していないと判断する。移動通信端末30の圏内復帰が確認された場合、通知送信部15は、位置検索要求があった旨の通知を移動通信端末30に送信する(ステップS203)。この通知は、位置検索要求の送信元である通信端末20またはそのユーザの識別子(ユーザ名、または端末ID)、および位置検索要求が送信された時刻を含んでいる。
【0035】
移動通信端末30の通知受信部34は、サーバ10から通知を受信する。サーバ10から通知を受信すると、移動通信端末30は、サーバ10との間の回線を切断する。通知受信部34が通知を受信すると、表示部35は通知に応じた表示をする(ステップS204)。
【0036】
図7は、ステップS204において表示される画面を例示する図である。この例では、「圏外時に位置検索されました」というメッセージが表示されている。
【0037】
ふたたび図6を参照する。移動通信端末30の制御部310は、図7の画面を表示したままユーザの操作待ちの状態にある。ユーザが何らかの操作を行うと、制御部310は、操作に応じた処理を行う。図7の例では、メッセージが表示されている領域を選択する操作(例えば、このメッセージに入力フォーカスをあわせて決定ボタンを押す操作、またはタッチパネルでこのメッセージをタッチする操作)を行うことが可能である。
【0038】
図8は、図7のメッセージが選択された場合に表示される画面を例示する図である。この例では、位置検索の履歴の詳細が表示される。位置検索の詳細は、検索が行われた日時(この例では6/2の16:59)、および検索を行った者の識別子(この例では、090−1234−5678および山田太郎)を含んでいる。また、位置検索の履歴の下には、次に行う処理のメニューが示されている。この例では、次に行う処理として以下の4つの選択肢が提示されている。
(1)現在位置を知らせる。
(2)現在までの経路を知らせる。
(3)電話をかける。
(4)何もしない。
選択肢(1)が選択されると、移動通信端末30の現在位置の位置情報がサーバ10に送信され、位置検索要求の送信元である通信端末20が移動通信端末30の現在位置を知り得る状態になる。選択肢(2)が選択されると、移動通信端末30の現在位置の位置情報がサーバ10に送信され、移動通信端末30の現在位置までの経路を通信端末20が知り得る状態になる。選択肢(3)が選択されると、移動通信端末30は通信端末20に音声通話を発信する。選択肢(4)が選択されると、移動通信端末30は位置検索についての処理を終了する。すなわち、移動通信端末30は、図6の処理を終了する。
【0039】
以下、選択肢(2)が選択された場合を例に、通信システム1の動作を引き続き説明する。ふたたび図6を参照する。ユーザが選択肢(2)を選択する操作を行うと、測位部31は、自機の位置を測定する。測位結果情報送信部33は、測位部31が測定した位置を示す位置情報を、測位結果情報としてサーバ10に送信する(ステップS206)。
【0040】
位置検索が正常に行われなかった位置検索要求として記憶部120(記憶部16)に記憶されている位置検索要求に対応する測位結果情報を受信すると、サーバ10の制御部110は、通信IF130を介してその旨の通知を通信端末20に送信する(ステップS207)。サーバ10から通信端末20への通知の送信は、サーバ10から移動通信端末30への通知の送信と同様に行われる。サーバ10が通知を受信すると、通信端末20は、通知に応じた画面を表示する(ステップS208)。
【0041】
図9は、このとき表示される画面を例示する図である。この画面は、「6/2 16:59に位置検索した山田太郎さんから位置の通知がありました」という、検索された端末が圏内復帰したことを示すメッセージと、次に行う処理のメニューが示されている。ユーザは、この画面を見て通信端末20を操作し(ステップS209)、次に行う処理を選択する。この例では、次に行う処理として以下の4つの選択肢が提示されている。
(1)現在位置を調べる。
(2)現在までの経路を調べる。
(3)当時の位置を推定する。
(4)電話をかける。
(5)何もしない。
選択肢(1)が選択されると、通信端末20は、移動通信端末30の現在位置をサーバ10に要求する。選択肢(2)が選択されると、通信端末20は、移動通信端末30の現在位置までの経路をサーバ10に要求する。選択肢(3)が選択されると、通信端末20は、位置検索要求が行われた時点における移動通信端末30の位置をサーバ10に要求する。選択肢(4)が選択されると、通信端末20は、移動通信端末30に音声通話を発信する。選択肢(5)が選択されると、通信端末20は位置検索についての処理を終了する。すなわち、通信端末20は、図6の処理を終了する。
【0042】
再び図6を参照する。選択肢(1)〜(3)のいずれかが選択されると、通信端末20は、選択された選択肢を特定する情報を含む応答を、サーバ10に送信する(ステップS210)。ここで送信される情報が移動通信端末位置情報に相当する。サーバ10は、選択肢に応じて位置情報を処理する(ステップS211)。詳細は以下のとおりである。
【0043】
選択肢(1)が選択されると、サーバ10は、移動通信端末30から受信した測位結果情報に含まれる位置情報(すなわち、移動通信端末30の現在位置を示す情報)を、移動通信端末位置情報として用いることを決定する。
【0044】
選択肢(2)が選択されると、サーバ10は、移動通信端末30の経路を示す情報を、移動通信端末位置情報として用いることを決定する。この場合、サーバ10は、過去の一定期間(例えば12時間)における移動通信端末30の位置の履歴を記憶部120に記憶している。この履歴として記憶されている位置は、例えば、移動通信端末30が通信していた基地局の識別子(基地局ID)である。この履歴は、時刻と基地局IDとのセットを複数含んでいる。まず、抽出部17は、記憶部16に記憶されている位置の履歴から、位置検索要求が行われた時刻(以下「検索時刻」という)を基準とする所定の範囲の時刻の基地局IDを抽出する。この例では、所定の範囲は、検索時刻より前でありかつ検索時刻に最も近い時刻から、現在時刻までの範囲である。推定部18は、抽出部17が抽出した基地局IDを位置に変換する。記憶部120は、基地局IDと、その基地局の位置(例えば、基地局の緯度および経度)とを対応させるデータベースを記憶している。推定部18は、このデータベースを参照して基地局IDを位置に変換する。推定部18は、こうして得られた位置を時系列に結んだ線で構成される図形を計算する。推定部18は、こうして得られた図形を示す情報を、移動通信端末位置情報として用いることを決定する。
【0045】
選択肢(3)が選択されると、サーバ10は、検索時刻における移動通信端末30の位置を推定し、推定した位置を示す情報を、移動通信端末位置情報として用いることを決定する。まず、抽出部17は、記憶部16に記憶されている位置の履歴から、位置検索要求が行われた時刻より前でありかつ位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻における移動通信端末30の基地局IDを抽出する。推定部18は、抽出部17が抽出した基地局IDと、移動通信端末30から受信した測位結果情報に含まれる位置情報とを用いて、位置検索要求が行われた時刻における移動通信端末30の位置を推定する。この推定は、例えば補間処理により行われる。まず、推定部18は、抽出部17が抽出した基地局IDを、位置に変換する。この位置が始点であり、移動通信端末30から受信した測位結果情報に含まれる位置情報が示す位置が終点である。以下、始点に対応する時刻、すなわち、位置の履歴において位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻を「始点時刻」という。また、終点に対応する時刻、すなわち、移動通信端末30から測位結果情報を受信した時刻を「終点時刻」という。推定部18は、次に、始点と終点を結ぶ線分の式を算出する。さらに、推定部18は、始点時刻、終点時刻、および検索時刻を用いて、検索時刻における位置を計算する。例えば、終点時刻と始点時刻との差が60分であり、検索時刻と始点時刻との差が10分であった場合、推定部18は、算出した線分の上の点のうち、始点から終点に向かって10/60の距離を進んだ点を検索時刻における位置として推定する。
【0046】
上述のように選択肢に応じた処理が行われると、移動通信端末位置情報送信部14は、用いることが決定された情報を、位置検索要求の送信元である通信端末20に、移動通信端末位置情報として送信する(ステップS212)。移動通信端末位置情報を受信すると、通信端末20は、移動通信端末位置情報に応じた画面を表示する。
【0047】
図10は、通信端末20において表示される画面を例示する図である。この例では、ステップS211において選択肢(3)の処理が行われた場合が示されている。このように、本実施形態によれば、位置検索を行ったときに、検索された端末が応答できない状態であっても、検索された端末のユーザは位置検索が行われたことを知ることができる。
【0048】
3.他の実施形態
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下で説明する変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0049】
図6のステップS202における圏内復帰の確認は、状況に応じて中止されてもよい。例えば、位置検索を行ってから非常に長い時間(例えば数日)が経過したようなときなど、通信端末20のユーザが、移動通信端末30からの応答をもはや期待していない状況も考えられる。このような状況に対応するため、確認部19は、ステップS202の処理またはステップS203の処理に期限を設けてもよい。この場合、確認部19は、期限が経過した後は、ステップS202の圏内復帰確認の処理を中止する。
【0050】
位置検索を行う側の端末である通信端末20は、移動通信端末でなくてもよい。例えば、通信端末20は、インターネットに接続されたパーソナルコンピュータであってもよい。この場合通信端末20は、図5において基地局90を介して通信を行うのではなく、インターネットを介して移動通信網内のサーバ10と通信をする。この場合、サーバ10と通信端末20とは音声回線による通信はできない。
【0051】
測位部31は、GPS受信機を用いたものに限定されない。測位部31は、基地局の位置を用いたネットワーク型の測位を行うものでもよい。この場合、測位部31は、周辺基地局の基地局IDと、これら基地局から受信した電波の受信電界強度とのセットを測位結果情報としてサーバ10に送信する。
【0052】
通知送信部15が移動通信端末30に通知を送信するタイミングは実施形態で説明したものに限定されない。例えば、通知送信部15は、位置検索要求の送信元である通信端末20から要求があったときに、移動通信端末30に通知を送信してもよい。あるいは、移動通信端末30が電子メールの読み出しなどネットワークにアクセスしたときに、移動通信端末30に通知を送信してもよい。さらにあるいは、通信端末20および移動通信端末30の状態とは関係なく、移動通信網側でトリガを生成し、このトリガによって移動通信端末30に通知を送信してもよい。この場合、サーバ10は、確認部19を有していなくてもよい。
【0053】
図6のステップS201のエラー通知を行うための期限の始期は、どのように設定されてもよい。例えば、サーバ10が位置検索要求を受信した時刻を基準として始期が設定されてもよい。あるいは、位置検索を行った時刻が位置検索要求に含まれる場合、位置検索を行った時刻を基準として始期が設定されてもよい。また、期限を過ぎたかどうかの判断は、サーバ10以外の装置により行われてもよい。この場合、サーバ10は、移動通信網内の別の装置から、応答の有無を示す情報を取得する。
【0054】
図6のステップS205以降の一部または全部の処理は、省略されてもよい。例えば、通信システム1は、単に、位置検索要求があった旨の通知を行うだけのものであってもよい。別の例で、サーバ10が移動通信端末位置情報を得るための処理は、あらかじめ決められていてもよい。すなわち、サーバ10は、実施形態においてステップS211の選択肢(1)〜(3)の処理として説明した処理のうち、デフォルトで決められたいずれか一の処理だけを行うものであってもよい。この場合、図8や図9の画面を表示させる必要はない。
【0055】
検索時刻における位置を推定する方法は、実施形態で説明したものに限定されない。推定部18は、始点と終点を単に最短距離で結ぶだけではなく、道路および建物等地理的条件を考慮して位置を推定してもよい。すなわち、推定部18は、建造物、山、池など移動通信端末30が位置することができないと考えられる場所を避けて、始点と終点を結ぶ図形を取得してもよい。
【0056】
サーバ10、通信端末20、および移動通信端末30における機能の分担は、実施形態で説明したものに限定されない。実施形態でサーバ10の機能として説明したものの一部を、通信端末20または移動通信端末30が有していてもよい。例えば、ステップS211の、検索時刻における位置の推定を移動通信端末30が行ってもよい。この場合、サーバ10は、移動通信端末30から受信した測位結果情報に含まれる位置情報を通信端末20に中継する。
【0057】
通信システム1のネットワークの構成は図5で例示したものに限定されない。検索要求、通知、測位結果情報、および測位指示を送受信できるものであれば、どのような構成のネットワークを用いてもよい。また、実施形態において回線接続型の通信を用いて送受信されるものと説明した通知、情報その他のデータは、パケット通信により送受信されてもよい。例えば、通知送信部15による通知の送信は電子メールを用いて行われてもよい。
【0058】
通信システム1を構成するサーバ10、通信端末20、および移動通信端末30の機能構成およびハードウェア構成は、実施形態で説明したものに限定されない。図1の機能構成の一部は省略されてもよいし、それにあわせてハードウェア構成が変更されてもよい。また、実施形態では、位置検索要求がブラウザによるサイト閲覧により行われる例を示したが、位置検索要求は、専用のアプリケーションプログラムを用いて行われてもよい。
【0059】
上述の実施形態において制御部110によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリ(フラッシュROMなど)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…通信システム、10…サーバ、11…位置検索要求受信部、12…測位指示送信部、13…測位結果情報受信部、14…移動通信端末位置情報送信部、15…通知送信部、16…記憶部、17…抽出部、18…推定部、20…通信端末、30…移動通信端末、31…測位部、32…測位指示受信部、33…測位結果情報送信部、34…通知受信部、35…表示部、40…ゲートウェイ、50…中継交換機、60…ホームメモリ、70…加入者交換機、80…RNC、90…基地局、110…制御部、111…CPU、112…ROM、113…RAM、120…記憶部、130…通信IF、310…制御部、311…CPU、312…ROM、313…RAM、320…記憶部、330…通信IF、340…入力部、350…表示部、360…GPS受信機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を通信端末から受信する位置検索要求受信手段と、
前記位置検索要求受信手段が前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信する測位指示送信手段と、
前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する測位結果情報受信手段と、
前記測位結果情報受信手段が受信した前記測位結果置情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信する移動通信端末位置情報送信手段と、
前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信する通知送信手段と
を有するサーバ装置。
【請求項2】
前記測位結果受信手段は、前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果受信手段が受信した前記測位結果情報を、前記測位指示の応答として受信する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果受信手段が前記測位結果情報を受信すると、前記移動通信端末の位置の履歴を記憶した記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻より前の時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する抽出手段と、
前記測位結果受信手段が受信した前記測位結果情報が示す位置と、前記抽出手段が抽出した位置とを用いた補間処理により、前記位置検索要求が行われた時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定手段と
を有し、
前記移動通信端末位置情報は、前記推定手段が推定した位置を示す情報である
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信すると、前記移動通信端末の位置の履歴を記憶した記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する抽出手段を有し、
前記移動通信端末位置情報は、前記抽出手段が抽出した位置を示す情報である
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻を基準とした複数の時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記移動通信端末が応答できる状態になったことの確認をする確認手段を有し、
前記確認手段により前記移動通信端末が応答できる状態になったことが確認された後で、前記通知送信手段は前記通知を送信する
ことを特徴とする請求項1−5のいずれかの項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記通知送信手段は、前記測位結果情報受信手段が所定の期限までに前記測位結果情報を受信できなかった場合に、前記通知を前記移動通信端末に送信し、
前記確認手段は、前記期限を過ぎてからしきい値以上の時間が経過すると、前記確認を中止する
ことを特徴とする請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
通信端末からの位置検索要求に応じてサーバ装置が送信した、自機の位置を測定するための測位指示を受信する測位指示受信手段と、
前記測位指示受信手段が前記測位指示を受信すると、自機の位置を示す位置情報を含む測位結果情報を前記サーバ装置に送信する測位結果情報送信手段と、
前記サーバ装置が前記位置情報を受信できなかった場合に前記サーバ装置から送信される、前記通信端末から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する通知受信手段と、
前記通知受信手段が受信した前記通知に応じた表示をする表示手段と
を有する移動通信端末。
【請求項9】
サーバ装置と移動通信端末と通信端末を有する位置検索システムであって、
前記サーバ装置は、
前記移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を前記通信端末から受信する位置検索要求受信手段と、
前記位置検索要求受信手段が前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信する測位指示送信手段と、
前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する測位結果情報受信手段と、
前記測位結果情報受信手段が受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信する移動通信端末位置情報送信手段と、
前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信する通知送信手段と
を有し、
前記移動通信端末は、
前記測位指示を受信する測位指示受信手段と、
前記測位指示受信手段が前記測位指示を受信すると、自機の位置情報を含む測位結果情報を前記サーバ装置に送信する測位結果情報送信手段と、
前記サーバ装置から送信される、前記通信端末から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する通知受信手段と、
前記通知受信手段が受信した前記通知に応じた表示をする表示手段と
を有することを特徴とする位置検索システム。
【請求項10】
移動通信端末と通信端末とサーバ装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記サーバ装置が、前記移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を前記通信端末から受信するステップと、
前記位置検索要求を受信すると、前記サーバ装置が、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信するステップと、
前記移動通信端末が、前記測位指示を受信するステップと、
前記測位指示を受信すると、前記移動通信端末の位置を示す位置情報を含む測位結果情報を前記測位指示の応答として、前記移動通信端末が前記サーバ装置に送信するステップと、
前記サーバ装置が、前記移動通信端末から前記測位結果情報を受信するステップと、
前記受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記サーバ装置が前記通信端末に送信するステップと、
前記サーバ装置が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信するステップと
を有する通信方法。
【請求項11】
コンピュータに、
移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を通信端末から受信するステップと、
前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信するステップと、
前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信するステップと、
前記受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信するステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を通信端末から受信する位置検索要求受信手段と、
前記位置検索要求受信手段が前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信する測位指示送信手段と、
前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する測位結果情報受信手段と、
前記測位結果情報受信手段が受信した前記測位結果置情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信する移動通信端末位置情報送信手段と、
前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信する通知送信手段と
を有するサーバ装置。
【請求項2】
前記測位結果受信手段は、前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果受信手段が受信した前記測位結果情報を、前記測位指示の応答として受信する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果受信手段が前記測位結果情報を受信すると、前記移動通信端末の位置の履歴を記憶した記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻より前の時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する抽出手段と、
前記測位結果受信手段が受信した前記測位結果情報が示す位置と、前記抽出手段が抽出した位置とを用いた補間処理により、前記位置検索要求が行われた時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定手段と
を有し、
前記移動通信端末位置情報は、前記推定手段が推定した位置を示す情報である
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記通知送信手段が前記通知を送信した後で前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信すると、前記移動通信端末の位置の履歴を記憶した記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する抽出手段を有し、
前記移動通信端末位置情報は、前記抽出手段が抽出した位置を示す情報である
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記記憶手段から、前記位置検索要求が行われた時刻に最も近い時刻を基準とした複数の時刻における前記移動通信端末の位置を抽出する
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記移動通信端末が応答できる状態になったことの確認をする確認手段を有し、
前記確認手段により前記移動通信端末が応答できる状態になったことが確認された後で、前記通知送信手段は前記通知を送信する
ことを特徴とする請求項1−5のいずれかの項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記通知送信手段は、前記測位結果情報受信手段が所定の期限までに前記測位結果情報を受信できなかった場合に、前記通知を前記移動通信端末に送信し、
前記確認手段は、前記期限を過ぎてからしきい値以上の時間が経過すると、前記確認を中止する
ことを特徴とする請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
通信端末からの位置検索要求に応じてサーバ装置が送信した、自機の位置を測定するための測位指示を受信する測位指示受信手段と、
前記測位指示受信手段が前記測位指示を受信すると、自機の位置を示す位置情報を含む測位結果情報を前記サーバ装置に送信する測位結果情報送信手段と、
前記サーバ装置が前記位置情報を受信できなかった場合に前記サーバ装置から送信される、前記通信端末から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する通知受信手段と、
前記通知受信手段が受信した前記通知に応じた表示をする表示手段と
を有する移動通信端末。
【請求項9】
サーバ装置と移動通信端末と通信端末を有する位置検索システムであって、
前記サーバ装置は、
前記移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を前記通信端末から受信する位置検索要求受信手段と、
前記位置検索要求受信手段が前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信する測位指示送信手段と、
前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信する測位結果情報受信手段と、
前記測位結果情報受信手段が受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信する移動通信端末位置情報送信手段と、
前記測位結果情報受信手段が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信する通知送信手段と
を有し、
前記移動通信端末は、
前記測位指示を受信する測位指示受信手段と、
前記測位指示受信手段が前記測位指示を受信すると、自機の位置情報を含む測位結果情報を前記サーバ装置に送信する測位結果情報送信手段と、
前記サーバ装置から送信される、前記通信端末から前記位置検索要求があった旨の通知を受信する通知受信手段と、
前記通知受信手段が受信した前記通知に応じた表示をする表示手段と
を有することを特徴とする位置検索システム。
【請求項10】
移動通信端末と通信端末とサーバ装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記サーバ装置が、前記移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を前記通信端末から受信するステップと、
前記位置検索要求を受信すると、前記サーバ装置が、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信するステップと、
前記移動通信端末が、前記測位指示を受信するステップと、
前記測位指示を受信すると、前記移動通信端末の位置を示す位置情報を含む測位結果情報を前記測位指示の応答として、前記移動通信端末が前記サーバ装置に送信するステップと、
前記サーバ装置が、前記移動通信端末から前記測位結果情報を受信するステップと、
前記受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記サーバ装置が前記通信端末に送信するステップと、
前記サーバ装置が前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信するステップと
を有する通信方法。
【請求項11】
コンピュータに、
移動通信端末の位置を検索する要求である位置検索要求を通信端末から受信するステップと、
前記位置検索要求を受信すると、前記移動通信端末に自機の位置を測定するための測位指示を送信するステップと、
前記移動通信端末から前記測位指示の応答として送信された位置情報を含む測位結果情報を受信するステップと、
前記受信した前記測位結果情報に応じて得られた、前記移動通信端末の位置を示す移動通信端末位置情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記測位結果情報を受信できなかった場合、前記位置検索要求があった旨の通知を前記移動通信端末に送信するステップと
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−105094(P2012−105094A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252243(P2010−252243)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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