説明

サーバ装置、通話確立方法、及びコンピュータプログラム

【課題】Webサイトから端末装置に提供されたWebページを介して簡単に電話装置間で通話させることが可能なサーバ装置、通話確立方法、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】サーバ装置は、該サーバ装置にアクセスするためのアドレス情報及び第一端末装置の第一ユーザを識別する第一識別情報が含まれWebページに組み込まれるソースコードを生成し、該ソースコードを通信手段を介して前記第一端末装置へ送信し、その後、該ソースコードが組み込まれたWebページを所定のWebサイトから取得した第二端末装置において、該ソースコードに基づき表示されたオブジェクトが第二ユーザにより選択操作されると、該サーバ装置は、第一ユーザにより使用される第一電話装置に発呼すると共に、第二ユーザにより使用される第二電話装置に発呼し、該第一電話装置から応答信号を受信し、且つ、該第二電話装置から応答信号を受信した場合には、前記第一電話装置と前記第二電話装置との間の通話を確立させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等のネットワークを介して端末装置間で通話させることが可能な電話サービスを提供するシステム等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワーク上で商品の売買を行うことが可能なバーチャルショップを提供する電子商取引(以下、「EC(Electronic Commerce)」という)運営サイト(Webサイト)が普及している。このようなEC運営サイトにアクセスしたパーソナルコンピュータ等の端末装置には、例えば、商品販売者により公開された商品の商品情報(例えば、商品の販売価格、仕様、画像など)、商品購入用の注文欄、及び商品の問い合わせ欄等が表示されるWebページが送信され、Webブラウザによりディスプレイ上に表示されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、ユーザが商品の注文を決定するに当たって、Webページ上に表示されている商品の商品情報以外の情報を確認したい場合がある。このような場合、ユーザは、Webページ上に設けられた商品の問い合わせ欄に確認したい内容等を入力し実行ボタンを押下すると、入力された情報を含む電子メールが商品販売者のメールアドレス宛に送信される。これにより、ユーザは、例えば、商品販売者からの電子メールの返信を受け、商品の注文を決定するに当たって必要な情報を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−118310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような電子メールによる商品の問い合わせでは、ユーザは商品販売者から直ちに返答が得られない場合がある。また、些細な問い合わせである場合や、パーソナルコンピュータの操作が苦手な場合、ユーザは、問い合わせ内容を操作部から入力することが煩わしいこともある。これらの場合、ユーザは、直接、商品販売者と電話で話した方が好ましいものの、通話料を負担して商品販売者に連絡することはバーチャルショップを提供する電子商取引にはなじまないし、少しでも安く購入したいユーザにとって通話料を負担することはそれだけで商品購入意欲を減退させるという問題がある。
【0006】
また、近年、SNS(Social Network System)で知られるコミュニティ運営サイトや、ブログ(Weblog)運営サイト等のWebサイトも普及しており、これらのWebサイトを通じて、ユーザ自身のプロフィールをWebページ上で公開することができる。そして、コミュニティ運営サイトやブログ運営サイトにおいても、ユーザ間で、直接、電話で話したい場合があるが、ECサイトと同様の問題に加えて、個人情報である電話番号を少なくとも一方に示す必要がある。
【0007】
本発明は、以上の問題等に鑑みてなされたものであり、Webサイトから端末装置に提供されたWebページを介して、セキュリティを確保しつつ簡単に電話装置間で通話させることが可能なサーバ装置、通話確立方法、及びコンピュータプログラムを提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第一端末装置の第一ユーザを識別する第一識別情報と第一電話番号情報とを対応付けて記憶するとともに、第二端末装置の第二ユーザを識別する第二識別情報と第二電話番号情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、サーバ装置にアクセスするためのアドレス情報及び前記第一識別情報が含まれ、Webページに組み込まれるソースコードを生成するソースコード生成手段と、通信手段を介して前記第一端末装置へ前記ソースコードを送信するソースコード送信手段と、前記ソースコードが組み込まれたWebページを所定のWebサイトから取得した前記第二端末装置において、前記ソースコードに基づき表示されたオブジェクトが前記第二ユーザにより選択操作されることにより通信手段を介してアクセスしてきた該第二端末装置から、該ソースコードに含まれる前記第一識別情報を取得する第一識別情報取得手段と、前記第二端末装置から前記第二識別情報を取得する第二識別情報取得手段と、前記取得された前記第一識別情報に対応付けられた前記第一電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第一電話番号情報に基づいて、前記第一ユーザにより使用される第一電話装置に発呼信号を通信手段を介して送信する第一発呼信号送信手段と、前記取得された前記第二識別情報に対応付けられた前記第二電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第二電話番号情報に基づいて、前記第二ユーザにより使用される第二電話装置に通信手段を介して発呼信号を送信する第二発呼信号送信手段と、前記第一電話装置及び前記第二電話装置へ送信された各前記発呼信号に応じて、該第一電話装置から応答信号を受信し、且つ、該第二電話装置から応答信号を受信した場合には、前記第一電話装置と前記第二電話装置との間の通話を確立させる通話確立処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、Webサイトから端末装置に提供されたWebページを介して、セキュリティを確保しつつ簡単に電話装置間で通話させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサーバ装置において、前記Webサイトは識別情報が設定された複数のコミュニティより構成されており、前記ソースコードには、前記WebサイトのURLと、前記コミュニティを識別する前記識別情報との少なくとも何れか一方が含まれており、前記第一識別情報取得手段は、前記ソースコードに含まれる前記WebサイトのURLと、前記コミュニティを識別する識別情報との少なくとも何れか一方を、前記第二識別情報と共に取得し、前記取得された前記WebサイトのURLと、前記コミュニティを識別する識別情報との少なくとも何れか一方が、前記取得された第二識別情報に対応付けられて前記記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段を更に備え、前記判定手段により記憶されていると判定された場合に、前記第一発呼信号送信手段及び前記第二発呼信号送信手段は、前記発呼信号を送信することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、上記第一ユーザは、通話相手を、所望のWebサイトに会員登録しているユーザや所望のコミュニティに参加しているユーザに限定することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のサーバ装置において、前記第一端末装置へ送信された前記ソースコードは、該第一端末装置が前記Webサイトから取得した前記第一ユーザのWebページに該第一ユーザの操作により組み込まれることを特徴とすることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、上記第一ユーザは自身のWebページ上に簡単に電話ツールとしてのオブジェクトを設定することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載のサーバ装置において、前記ソースコードには、前記Webページを構成する構造化文書に記述されるリンク参照句、前記アドレス情報としての前記サーバ装置のURL、前記第一識別情報、及びリンクが張られる前記オブジェクトの指定情報が含まれることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載のサーバ装置において、前記第一端末装置は、前記第一電話装置を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載のサーバ装置において、前記第二端末装置は、前記第二電話装置を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載のサーバ装置において、前記ソースコードには、前記Webページを構成する構造化文書に記述されるリンク参照句、前記アドレス情報としての前記サーバ装置のURL、及び前記第一識別情報が含まれることを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載のコンピュータプログラムの発明は、コンピュータを、前記第一端末装置の第一ユーザを識別する第一識別情報と第一電話番号情報とを対応付けて記憶するとともに、前記第二端末装置の第二ユーザを識別する第二識別情報と第二電話番号情報とを対応付けて記憶する記憶手段、サーバ装置にアクセスするためのアドレス情報及び前記第一識別情報が含まれ、Webページに組み込まれるソースコードを生成するソースコード生成手段、通信手段を介して前記第一端末装置へ前記ソースコードを送信するソースコード送信手段、前記ソースコードが組み込まれたWebページを所定のWebサイトから取得した前記第二端末装置において、前記ソースコードに基づき表示されたオブジェクトが前記第二ユーザにより選択操作されることにより通信手段を介してアクセスしてきた該第二端末装置から、該ソースコードに含まれる前記第一識別情報を取得する第一識別情報取得手段、前記第二端末装置から前記第二識別情報を取得する第二識別情報取得手段、前記取得された前記第一識別情報に対応付けられた前記第一電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第一電話番号情報に基づいて、前記第一ユーザにより使用される第一電話装置に発呼信号を通信手段を介して送信する第一発呼信号送信手段、前記取得された前記第二識別情報に対応付けられた前記第二電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第二電話番号情報に基づいて、前記第二ユーザにより使用される第二電話装置に通信手段を介して発呼信号を送信する第二発呼信号送信手段、及び、前記第一電話装置及び前記第二電話装置へ送信された各前記発呼信号に応じて、該第一電話装置から応答信号を受信し、且つ、該第二電話装置から応答信号を受信した場合には、前記第一電話装置と前記第二電話装置との間の通話を確立させる通話確立処理手段として機能させることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、コンピュータにより実行される通話確立方法であって、 第一端末装置の第一ユーザを識別する第一識別情報と第一電話番号情報とを対応付けて記憶手段に記憶するステップと、第二端末装置の第二ユーザを識別する第二識別情報と第二電話番号情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶するステップと、前記コンピュータにアクセスするためのアドレス情報及び前記第一識別情報が含まれ、Webページに組み込まれるソースコードを生成するステップと、通信手段を介して前記第一端末装置へ前記ソースコードを送信するステップと、前記ソースコードが組み込まれたWebページを所定のWebサイトから取得した前記第二端末装置において、前記ソースコードに基づき表示されたオブジェクトが前記第二ユーザにより選択操作されることにより通信手段を介してアクセスしてきた該第二端末装置から、該ソースコードに含まれる前記第一識別情報を取得するステップと、前記第二端末装置から前記第二識別情報を取得するステップと、前記取得された前記第一識別情報に対応付けられた前記第一電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第一電話番号情報に基づいて、前記第一ユーザにより使用される第一電話装置に発呼信号を通信手段を介して送信するステップと、前記取得された前記第二識別情報に対応付けられた前記第二電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第二電話番号情報に基づいて、前記第二ユーザにより使用される第二電話装置に通信手段を介して発呼信号を送信するステップと、前記第一電話装置及び前記第二電話装置へ送信された各前記発呼信号に応じて、該第一電話装置から応答信号を受信し、且つ、該第二電話装置から応答信号を受信した場合には、前記第一電話装置と前記第二電話装置との間の通話を確立させるステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、サーバ装置は、該サーバ装置にアクセスするためのアドレス情報及び第一端末装置の第一ユーザを識別する第一識別情報が含まれWebページに組み込まれるソースコードを生成し、該ソースコードを通信手段を介して前記第一端末装置へ送信し、その後、該ソースコードが組み込まれたWebページを所定のWebサイトから取得した第二端末装置において、該ソースコードに基づき表示されたオブジェクトが第二ユーザにより選択操作されると、該サーバ装置は、第一ユーザにより使用される第一電話装置に発呼すると共に、第二ユーザにより使用される第二電話装置に発呼し、該第一電話装置から応答信号を受信し、且つ、該第二電話装置から応答信号を受信した場合には、前記第一電話装置と前記第二電話装置との間の通話を確立させるように構成したので、Webサイトから端末装置に提供されたWebページを介して、セキュリティを確保しつつ簡単に電話装置間で通話させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態に係る電話サービス提供システムSの概要構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態に係る電話ツール提供サーバSVの概要構成例を示すブロック図である。
【図3】(A)は、ユーザ情報データベース21に登録された情報の一例を示す図であり、 (B)は、サイト情報データベース22に登録された情報の一例を示す図である。
【図4】ユーザ端末T1、情報提供サイトSIn、及び電話ツール提供サーバSVにおける処理及び情報のやり取りを示すシーケンス図である。
【図5】ユーザ端末T1のディスプレイ上に表示されたWebページの電話ツール設定画面の一例である。
【図6】ユーザ端末T1のディスプレイ上に表示されたWebページの電話ツール表示画面の一例である。
【図7】ユーザ端末T1のディスプレイ上に表示されたWebページのユーザU1用の編集画面の一例である。
【図8】ユーザ端末T1,T2、及び電話ツール提供サーバSVにおける処理及び情報のやり取りを示すシーケンス図である。
【図9】ユーザ端末T2のディスプレイ上に表示されたユーザU1のWebページの商品販売兼ブログ画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、電話サービス提供システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0023】
1.電話サービス提供システムの構成及び機能概要
先ず、本発明の一実施形態に係る電話サービス提供システムSの構成及び概要機能について、図1等を用いて説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係る電話サービス提供システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0025】
図1に示すように、電話サービス提供システムSは、ユーザU1により使用されるユーザ端末T1及び携帯電話機P1と、ユーザU2により使用されるユーザ端末T2及び一般電話機P2と、情報提供サイトSIn(n=1,2,3・・・k)と、電話ツール提供サーバSVと、ネットワークNWと、を備えて構成されている。
【0026】
ここで、ユーザ端末T1は、本発明における第一端末装置の一例であり、ユーザ端末T2は、本発明における第二端末装置の一例である。また、携帯電話機P1は、第一電話装置の一例であり、一般電話機P2は、第二電話装置の一例である。また、情報提供サイトSInは、本発明におけるWebサイトの一例であり、電話ツール提供サーバSVは、本発明におけるサーバ装置の一例である。なお、ユーザ端末T1は、後述するIP電話機能により第一電話装置としても機能し、ユーザ端末T2は、後述するIP電話機能により第二電話装置としても機能する。
【0027】
通信手段としてのネットワークNWは、例えば、インターネット、公衆電話回線網、移動体通信回線網、及びゲートウェイ(GW)等により構築されている。なお、ゲートウェイ(GW)は、インターネットと公衆電話回線網、インターネットと移動体通信回線網間、及び公衆電話回線網と移動体通信回線網間の通信方式の切換制御を担う。これにより、例えば、ユーザ端末T1と一般電話機P2間、携帯電話機P1とユーザ端末T2間、又は携帯電話機P1と一般電話機P2間の音声通話が可能となる。
【0028】
情報提供サイトSIn及び電話ツール提供サーバSVには、夫々、固有のIP(Internet Protocol)アドレスが割り当てられており、これらは、インターネットに接続されている。携帯電話機P1には固有の電話番号(第一電話番号情報の一例)が割り当てられており、当該携帯電話機P1は基地局を介して移動体通信回線網に接続可能になっている。一般電話機P2には固有の電話番号(第二電話番号情報の一例)が割り当てられており、当該一般電話機P2公衆電話回線網に接続されている。
【0029】
ユーザ端末T1,T2は、夫々、インターネットに接続可能になっている。これらのユーザ端末T1,T2には、インターネットへの接続時に、ISP(Internet Services Provider)のサーバから固有のIPアドレスが割り当てられる。
【0030】
また、ユーザ端末T1,T2は、例えば、パーソナルコンピュータ、又は携帯型端末等からなり、Webブラウザ機能及びIP電話機能を備える。また、ユーザ端末T1,T2は通話に必要なマイク及びスピーカを備える。
【0031】
IP電話機能には、例えば、音声を所定の符号化方式で圧縮しIPパケットに変換してインターネットを通じてリアルタイム伝送するVoIP(Voice over Internet Protocol)技術が適用される。IP電話のプロトコルとしては、例えば、公知のSIP(Session Initiation Protocol)、Jabberプロトコル、又はH.323プロトコル等が適用可能である。
【0032】
また、IP電話機能は、ユーザ端末T1,T2が例えば電話ツール提供サーバSV等の所定のサーバからインターネットを介してIP電話用アプリケーションプログラムをダウンロードしてインストールすることにより実現される。これにより、ユーザ端末T1にはIP電話として、固有の電話番号(第一電話番号情報の一例)が割り当てられ、ユーザ端末T2にはIP電話として、固有の電話番号(第二電話番号情報の一例)が割り当てられる。
【0033】
次に、情報提供サイトSInは、ユーザ端末T1,T2に提供するための複数のWebページを記憶するWebサーバ等により構成されている。Webページは、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)文書やXHTML文書ファイル等の構造化文書ファイル、及び画像データ等から構成される。情報提供サイトSInの例としては、店舗情報(例えば、ホームページ)の提供を担う運営サイト、EC(Electronic Commerce)運営サイト、コミュニティ運営サイト、及びブログ運営サイト等が挙げられる。
【0034】
次に、電話ツール提供サーバSVは、情報提供サイトSInから提供されるWebページを介して、本発明における第一電話装置と第二の電話装置間の通話を確立させるための電話ツールを提供する処理等を行うものである。この電話ツール提供サーバSVは、Webサーバ、アプリサーバ、通話制御サーバ、及びデータベースサーバ等の機能を有する1又は複数のサーバコンピュータからなる。
【0035】
図2は、本実施形態に係る電話ツール提供サーバSVの概要構成例を示すブロック図である。図2に示すように、電話ツール提供サーバSVは、大別して、通信部1、記憶部2、及びシステム制御部3から構成されている。記憶部2は、本発明の記憶手段の一例である。
【0036】
通信部1は、インターネットに接続して、ユーザ端末T1,T2等との通信状態を制御する。
【0037】
記憶部2は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、オペレーティングシステム及びサーバプログラム(コンピュータプログラムの一例)を記憶する。サーバプログラムは、Webページ生成プログラム、電話ツール生成プログラム及び通話確立プログラム等を含む。
【0038】
また、記憶部2には、ユーザ端末T1又はT2等に提供するためのWebページを構成する構造化文書ファイル等、及び電話ツール提供サーバSVのURL(Uniform Resource Locator)等が記憶されている。このURLは、ユーザ端末T1又はT2が電話ツール提供サーバSVにアクセスするためのアドレス情報の一例である。
【0039】
更に、記憶部2には、ユーザ情報データベース(DB)21、及びサイト情報データベース(DB)22が構築されている。
【0040】
図3(A)は、ユーザ情報データベース21に登録された情報の一例を示す図であり、 図3(B)は、サイト情報データベース22に登録された情報の一例を示す図である。
【0041】
ユーザ情報データベース21には、図3(A)に示すように、ユーザID、パスワード、住所、氏名、電話番号、及びメールアドレス等のユーザ情報がユーザ毎に対応付けられて登録(記憶)されている。ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報である。図3(A)において、「aaaaa」はユーザU1のユーザID(第一識別情報の一例)であり、「bbbbb」はユーザU2のユーザID(第二識別情報の一例)である。
【0042】
ユーザ情報データベース21へのユーザ情報の登録は、電話ツール提供サーバSVからユーザ端末T1,T2に提供されたユーザ情報登録画面を通じて行われる。このとき、ユーザU1は、登録すべき電話番号を、IP電話としてのユーザ端末T1に割り当てられた電話番号にするか、或いは携帯電話機P1に割り当てられている電話番号にするかを選択することができる。同様に、ユーザU2は、登録すべき電話番号を、IP電話としてのユーザ端末T2に割り当てられた電話番号にするか、或いは一般電話機P2に割り当てられている電話番号にするかを選択することができる。
【0043】
なお、ユーザ情報データベース21に登録されたユーザU1の電話番号が、例えばIP電話としてのユーザ端末T1に割り当てられた電話番号の場合、ユーザ端末T1においてインターネットに接続後、IP電話用アプリケーションプログラムが起動されると、ユーザ端末T1に割り当てられたIPアドレスが電話ツール提供サーバSVに送信され、当該IPアドレスがユーザU1の電話番号に対応付けられて登録されることになる。登録されたIPアドレスはIP電話通信において用いられる。
【0044】
サイト情報データベース22は、ユーザID、ユーザが会員登録している情報提供サイトSInのURL及びサイト名等がユーザ毎に対応付けられて登録されている。図3(B)に示す例では、ユーザU1は、コミュニティ運営サイト「CUS」及びブログ運営サイト「BUS」に会員登録していることが分かり、ユーザU2は、コミュニティ運営サイト「CUS」及びEC運営サイト「EUS」に会員登録していることが分かる。
【0045】
また、図3(B)に示す例では、ユーザU1,U2のユーザIDには、夫々、ユーザU1,U2が参加しているコミュニティのコミュニティID及びコミュニティ名が対応付けられて登録されている。なお、コミュニティ運営サイトはコミュニティIDが設定された複数のコミュニティより構成されている。このコミュニティIDは、コミュニティ運営サイトを介してユーザ間でコミュニケーションを行うコミュニティを識別する識別情報である。
一般に、コミュニティへの参加は、コミュニティ運営サイトから提供されたWebページ上でユーザが所望のコミュニティを検索して参加ボタンを操作部により選択操作(例えば、マウスでクリック)することにより行われる。
【0046】
ここで、サイト情報データベース22に登録されるURLは、例えば、電話ツール提供サーバSVと同一の運営会社により運営される情報提供サイトSInのURLである(サーバのドメイン名が同じ)。電話ツール提供サーバSVと情報提供サイトSInの運営会社が同一であり、同一のユーザID体系をとっている場合、電話ツール提供サーバSVは、例えば、ユーザ情報データベース21に登録されたユーザIDをキーとして、情報提供サイトSInのデータベースを検索することができる。従って、この場合、ユーザ情報データベース21に登録されたユーザIDが、情報提供サイトSInのデータベースにも登録されていれば、当該ユーザIDに対応するユーザが会員登録している情報提供サイトSInのURL及びサイト名を特定でき、更に、ユーザがコミュニティ運営サイトに会員登録している場合、当該ユーザが参加しているコミュニティのコミュニティID及びコミュニティ名を特定できる。
【0047】
なお、電話ツール提供サーバSVの運営会社と情報提供サイトSInの運営会社とが異なる場合、サイト情報データベース22に登録される情報提供サイトSInのURL及びサイト名、並びにコミュニティID及びコミュニティ名は、例えばユーザ端末T1上でユーザU1により入力され電話ツール提供サーバSVに送信されるように構成しても良い。
【0048】
システム制御部3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。そして、システム制御部3は、CPUが、記憶部2に記憶されたサーバプログラムを読み出し実行することにより、本発明のソースコード生成手段、ソースコード送信手段、第一識別情報取得手段、第二識別情報取得手段、判定手段、第一発呼信号送信手段、第二発呼信号送信手段、及び通話確立処理手段等として機能し、後述する処理を行うようになっている。
【0049】
2.電話サービス提供システムの動作
次に、本実施形態に係る電話サービス提供システムSの動作について説明する。
【0050】
(2−1.Webページへの電話ツールの設定動作)
先ず、Webページへの電話ツールの設定動作について、図4等を用いて説明する。
【0051】
図4は、ユーザ端末T1、情報提供サイトSIn、及び電話ツール提供サーバSVにおける処理及び情報のやり取りを示すシーケンス図である。
【0052】
なお、Webページへの電話ツールの設定動作の前提として、ユーザ端末T1のユーザU1に対してユーザIDが発行され、当該ユーザIDを含むユーザ情報がユーザ情報データベース21に登録されているものとする。
【0053】
図4において、ユーザ端末T1においてWebブラウザ(ブラウザプログラム)が起動後、ユーザU1による操作部の操作により電話ツール提供サーバSVのURLが指定されると、ユーザ端末T1は、電話ツール提供サーバSVにアクセスしログイン処理を経た後、電話ツール設定画面要求(例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)リクエスト)を、インターネットを介して電話ツール提供サーバSVへ送信する(ステップS1)。
【0054】
そして、電話ツール提供サーバSVは、ユーザ端末T1からの電話ツール設定画面要求を受信すると、電話ツール設定画面要求で指定されたCGI(Common Gateway Interface)によりWebページ生成プログラムを呼び出して実行し、上記ログイン処理により特定されたユーザU1用の電話ツール設定画面を構成するWebページの生成処理を行う(ステップS2)。
【0055】
このWebページの生成処理において、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、上記ログイン処理により特定されたユーザU1のユーザIDをキーとしてサイト情報データベース22を検索し、当該ユーザU1のユーザIDに対応付けられて情報提供サイトSInのURL及びサイト名が登録されている場合、当該URL及びサイト名を取得する。また、このとき取得される情報提供サイトSInのURLがコミュニティ運営サイトのURLであり、且つ、当該URLに対応付けられてコミュニティID及びコミュニティ名が登録されている場合、このコミュニティID及びコミュニティ名も取得される。そして、当該システム制御部3は、上記取得した情報提供サイトSInのURL及びサイト名等が表示される電話ツール設定画面のWebページを生成する。
【0056】
次いで、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、上記生成した電話ツール設定画面のWebページを、インターネットを介してユーザ端末T1へ送信する(ステップS3)。
【0057】
そして、ユーザ端末T1は、電話ツール提供サーバSVからの電話ツール設定画面のWebページを受信すると、Webブラウザにより当該Webページをディスプレイ上(Webブラウザのウインドウ内)に表示する(ステップS4)。
【0058】
図5は、ユーザ端末T1のディスプレイ上に表示されたWebページの電話ツール設定画面の一例である。図5に示す電話ツール設定画面50には、コミュニティ運営サイトのURL及びサイト名と、コミュニティのコミュニティID及びコミュニティ名と、ブログ運営サイトのURL及びサイト名とが、チェックボタン51〜53により選択可能に表示されている。例えば、ユーザU1は、電話をかけて来る相手を、コミュニティ運営サイト「CUS」に会員登録しているユーザのみに限定したい場合には、例えばマウスによりチェックボタン51をチェックする。また、ユーザU1は、電話をかけて来る相手を、コミュニティ「お勧め料理」に参加しているユーザのみに限定したい場合には、例えばマウスによりチェックボタン52をチェックする。
【0059】
なお、図5に示す電話ツール設定画面50上で、ユーザU1が所望の情報提供サイトSInのURLや所望のコミュニティのコミュニティIDを入力できるように構成しても良い。また、ユーザU1が未だログインしていない場合、当該ユーザU1のユーザIDが電話ツール設定画面50に設けられたユーザID入力欄にユーザU1により入力されるように構成しても良い。
【0060】
そして、ユーザU1が、電話ツール設定画面50に表示された電話ツール要求ボタン55を操作部により選択操作(例えば、マウスでクリック)すると(ステップS5)、ユーザ端末T1は、電話ツール要求を、インターネットを介して電話ツール提供サーバSVへ送信する(ステップS6)。
【0061】
なお、電話ツール要求には、ユーザU1のユーザIDが含まれる。また、電話ツール設定画面50上で、情報提供サイトSInのURLが選択又は入力されていた場合、電話ツール要求には、当該情報提供サイトSInのURLが含まれる。また、電話ツール設定画面50上で、コミュニティのコミュニティIDが選択又は入力されていた場合、電話ツール要求には、当該コミュニティのコミュニティIDが含まれる。
【0062】
そして、電話ツール提供サーバSVは、ユーザ端末T1からの電話ツール要求を受信すると、電話ツール要求で指定されたCGIにより電話ツール生成プログラムを呼び出して実行し、電話ツールとして、後にユーザU1のWebページに組み込まれるソースコードを生成する(ステップS7)。ここで、「Webページに組み込まれる」とは、例えば、当該Webページを構成する構造化文書に記述されることを意味する。
【0063】
より具体的には、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、リンク参照句(例えば、href=)、電話ツール提供サーバSVのURL(IPアドレスでも良い)、ユーザU1のユーザID、及びリンク(ハイパーリンク)が張られるオブジェクトの指定情報(例えば、target="_blank"・・・)を含むソースコードを生成する。
【0064】
ここで、ユーザU1のユーザIDは、所定の暗号鍵により暗号化されてソースコードに含められる。また、リンクが張られるオブジェクトは、Webページの画面上に表示されるものであり、例として、テキスト(文章)、画像、又はQRコード(2次元バーコード)が挙げられる。オブジェクトがテキストの場合、ソースコードには、当該テキストも含まれる。また、オブジェクトが画像、又はQRコードの場合、画像又はQRコード(画像)の取得先となるURLが含まれる。
【0065】
更に、上記受信された電話ツール要求に、情報提供サイトSInのURLが含まれている場合、上記生成されるソースコードには、情報提供サイトSInのURL(例えば、暗号化されたもの)が含められる。また、上記受信された電話ツール要求に、コミュニティIDが含まれている場合、上記生成されるソースコードには、当該コミュニティID(例えば、暗号化されたもの)が含められる。
【0066】
電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、上記生成したソースコードを表示する電話ツール表示画面のWebページを、インターネットを介してユーザ端末T1へ送信する(ステップS8)。
【0067】
そして、ユーザ端末T1は、電話ツール提供サーバSVからの電話ツール表示画面のWebページを受信すると、Webブラウザにより当該Webページをディスプレイ上に表示する(ステップS9)。
【0068】
図6は、ユーザ端末T1のディスプレイ上に表示されたWebページの電話ツール表示画面の一例であり、図6(A)は、オブジェクトがテキストの場合を、図6(B)は、オブジェクトが画像の場合を、夫々示す。図6(A),(B)に示す電話ツール表示画面60に設けられたソースコード表示欄61には上記生成されたソースコードが表示されている。ユーザUIは、ユーザ端末1の操作部を操作して、表示されたソースコードをコピーすることができる。これにより、ユーザU1は自身のWebページ上に簡単に電話ツールとしてのオブジェクトを設定することができる。
【0069】
次に、ユーザU1が操作部を操作してWebブラウザで所望の情報提供サイトSInのURLを指定すると、ユーザ端末T1は、当該情報提供サイトSInにアクセスしログイン処理を経た後、ユーザU1がネットワークNW上で公開するWebページ(つまり、ユーザU1のWebページ)を編集する編集画面要求を、インターネットを介して情報提供サイトSInへ送信する(ステップS10)。
【0070】
そして、情報提供サイトSInのWebサーバは、ユーザ端末T1からの編集画面要求を受信すると、編集画面要求で指定された当該ユーザU1用の編集画面のWebページを取得しこれをインターネットを介してユーザ端末T1へ送信する(ステップS11)。
【0071】
そして、ユーザ端末T1は、情報提供サイトSInからのユーザU1用の編集画面のWebページを受信すると、Webブラウザにより当該Webページをディスプレイ上に表示する(ステップS12)。
【0072】
なお、ユーザU1により指定される情報提供サイトSInは、店舗情報の提供を担う運営サイト、EC運営サイト、コミュニティ運営サイト、及びブログ運営サイト等の何れであっても良いが、少なくとも、ユーザU1が操作部を操作して自身の情報(例えば、ユーザU1の記事(日記)、ユーザU1のプロフィール、ユーザU1の店舗から販売される商品情報)を入力し組み込むことが可能なWebページを提供するサイトである必要がある。以下の例では、情報提供サイトSInがブログ運営サイトであるものとする。
【0073】
図7は、ユーザ端末T1のディスプレイ上に表示されたWebページのユーザU1用の編集画面の一例である。図7に示す例では、ユーザU1用の編集画面70のWebページと、電話ツール表示画面60のWebページとが表示されている。そして、図7に示すユーザU1用の編集画面70には、ユーザU1が記事を入力するための入力欄71が設けられている。
【0074】
このような表示状態において、ユーザU1は操作部を操作して、電話ツール表示画面60のソースコード表示欄61に表示されたソースコードをコピーして、ユーザU1用の編集画面60の入力欄71に貼り付ける(ペースト)。そして、ユーザU1は、ユーザU1用の編集画面60においてその他必要事項を入力した後、送信ボタン72を操作部により選択操作(例えば、マウスでクリック)すると(ステップS13)、上記入力欄71に貼り付け入力されたソースコードを含む組込要求が、ユーザ端末T1からインターネットを介して情報提供サイトSInへ送信される(ステップS14)。
【0075】
そして、情報提供サイトSInのWebサーバは、ユーザ端末T1からの組込要求を受信すると、組込要求に含まれるソースコードを、当該組込要求に対応するWebページに組み込む処理を行う(ステップS15)。この組み込む処理により、上記組込要求に含まれるソースコードが当該組込要求に対応するWebページ(ユーザU1のWebページ)を構成する構造化文書に記述され、当該ソースコードによるオブジェクトが電話ツールとして当該Webページに反映されることになる。
【0076】
(2−2.Webページを介した通話確立動作)
次に、Webページを介した通話確立動作について、図8等を用いて説明する。
【0077】
図8は、ユーザ端末T1,T2、及び電話ツール提供サーバSVにおける処理及び情報のやり取りを示すシーケンス図である。
【0078】
なお、Webページを介した通話確立動作の前提として、ユーザ端末T2においてIP電話用アプリケーションプログラムが起動しているものとする。また、ユーザ端末T2において、上述したようにソースコードが組み込まれたユーザU1のWebページが、Webブラウザにより情報提供サイトSInから取得されディスプレイ上に表示(ステップS20)されているものとする。
【0079】
図9は、ユーザ端末T2のディスプレイ上に表示されたユーザU1のWebページの商品販売兼ブログ画面の一例である。図9に示す商品販売兼ブログ画面80には、上述したように当該Webページに組み込まれたソースコードに基づきオブジェクト81が電話ツールとして表示されている。
【0080】
このような表示状態において、ユーザU2が、商品販売兼ブログ画面80に表示されたオブジェクト81を操作部により選択操作(例えば、マウスでクリック)すると(ステップS21)、ユーザ端末T2は、当該Webページに組み込まれたソースコードに含まれる電話ツール提供サーバSVのURLにしたがって、電話ツール提供サーバSVにアクセスし、通話確立要求を、インターネットを介して電話ツール提供サーバSVに送信する(ステップS22)。
【0081】
なお、通話確立要求には、ユーザU1のユーザID(暗号化されたもの)が含まれる。また、上記ソースコードに情報提供サイトSInのURL(暗号化されたもの)が含まれる場合、通話確立要求には、当該情報提供サイトSInのURL(暗号化されたもの)が含まれることになる。また、上記ソースコードにコミュニティID(暗号化されたもの)が含まれる場合、通話確立要求には、当該コミュニティID(暗号化されたもの)が含まれることになる。また、過去にユーザ端末T2が電話ツール提供サーバSVにアクセスしており、その時に生成されたクッキー(Cookie)情報(ユーザU2のユーザIDを含む)がユーザ端末T2の記憶部に保存されている場合、通話確立要求には、当該クッキー情報が含められることになる。
【0082】
ところで、ユーザ端末T2が情報提供サイトSInにアクセスしてログインをしている場合であって、当該情報提供サイトSInから提供されたWebページからユーザU2のユーザIDを取得できる場合、このユーザIDを通話確立要求に含めるように構成しても良い。例えば、上記ソースコードに基づき表示されるオブジェクト81が画像の場合、ユーザ端末T2は、ユーザU1のWebページを表示する際に、当該表示すべき画像を電話ツール提供サーバSVに取得しにいくが、このとき、電話ツール提供サーバSVがクッキー情報(ユーザU2のユーザIDを含む)を生成してユーザ端末T2に保存させる。また、上記ソースコードに基づき表示されるオブジェクト81がテキストの場合も、例えばWebビーコン(例えば、1×1ドット程度と小さい画像)を取得するための指定情報をソースコードに記述しておけば、ユーザ端末T2がWebビーコンを電話ツール提供サーバSVに取得しにいくとき、電話ツール提供サーバSVがクッキー情報(ユーザU2のユーザIDを含む)を生成してユーザ端末T2に保存させることができる。こうして保存されたクッキー情報を含む通話確立要求が電話ツール提供サーバSVに送信される。
【0083】
そして、電話ツール提供サーバSVは、ユーザ端末T2からの通話確立要求を受信すると、当該電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、通話確立要求で指定されたCGIにより通話確立プログラムを呼び出して実行し、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、受信した通話確立要求からユーザU1のユーザID及びユーザU2のユーザIDを取得する(ステップS23)。なお、取得されたユーザU1のユーザIDが暗号化されている場合、復号される。
【0084】
ここで、通話確立要求からユーザU2のユーザIDを取得できない(例えば、クッキー情報がユーザ端末T2に保存されていない等)場合、或いは通話確立要求から取得したユーザU2のユーザIDがユーザ情報データベース21に登録されていない場合、システム制御部3は、ユーザIDの登録を促す登録画面のWebページをユーザ端末T2に送信して表示させ、該登録画面を通じてユーザU2により入力されたユーザIDを当該ユーザ端末T2から取得する。或いは、通話確立要求からユーザU2のユーザIDを取得できない場合、或いは通話確立要求から取得したユーザU2のユーザIDがユーザ情報データベース21に登録されていない場合、システム制御部3は、電話ツール利用拒否を示すメッセージをユーザ端末T2に送信するように構成しても良い。
【0085】
次いで、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、情報提供サイトSInのURLとコミュニティIDの少なくとも何れか一方が受信した通話確立要求に含まれるか否かを判定し(ステップS24)、含まれる場合には(ステップS24:YES)、ステップS25に進み、含まれない場合には(ステップS24:NO)、ステップS26に進む。
【0086】
ステップS25では、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、受信した電話発信要求から情報提供サイトSInのURLとコミュニティIDの少なくとも何れか一方を取得し、通話確立条件を満たすか否かを判定する。例えば、受信した電話発信要求から情報提供サイトSInのURLが取得された場合、システム制御部3は、当該情報提供サイトSInのURL(暗号化されている場合、復号する)が、上記取得したユーザU2のユーザIDに対応付けられてサイト情報データベース22に登録されているか否かを判定(DB検索による)し、登録されていると判定した場合には、通話確立条件を満たすと判定する。また、受信した電話発信要求からコミュニティIDが取得された場合、システム制御部3は、当該コミュニティID(暗号化されている場合、復号する)が、上記取得したユーザU2のユーザIDに対応付けられてサイト情報データベース22に登録されているか否かを判定し、登録されていると判定した場合には、通話確立条件を満たすと判定する。
【0087】
そして、通話確立条件を満たすと判定された場合(ステップS25:YES)、システム制御部3は、ステップS26に進む。一方、通話確立条件を満たさないと判定された場合(ステップS25:NO)、システム制御部3は、通話確立要求には応じず、例えば電話ツール利用拒否を示すメッセージをユーザ端末T2に送信して、処理を終了する。
【0088】
ステップS26では、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、上記取得したユーザU1のユーザIDに対応付けられた電話番号をユーザ情報データベース21から取得する。
【0089】
次いで、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、上記取得したユーザU1の電話番号に基づいて、ネットワークNWを介してユーザ端末T1(又は携帯電話機P1)に発呼信号を送信(応答があるまで発呼)する(ステップS27)。なお、取得された電話番号がIP電話としてのユーザ端末T1に割り当てられた電話番号である場合、当該ユーザ端末1に発呼信号が送信される。一方、取得された電話番号が携帯電話機P1に割り当てられた電話番号である場合、当該携帯電話機P1に発呼信号が送信される。
【0090】
次いで、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、上記取得したユーザU2のユーザIDに対応付けられた電話番号をユーザ情報データベース21から取得する(ステップS28)。
【0091】
次いで、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、上記取得したユーザU2の電話番号に基づいて、ネットワークNWを介してユーザ端末T2(又は一般電話機P2)に発呼信号を送信する(ステップS29)。なお、取得された電話番号がIP電話としてのユーザ端末T2に割り当てられた電話番号である場合、当該ユーザ端末2に発呼信号が送信される。一方、取得された電話番号が一般電話機P2に割り当てられた電話番号である場合、当該一般電話機P2に発呼信号が送信される。
【0092】
なお、ユーザ端末T1又は携帯電話機P1に発呼信号が送信されるより先に、ユーザ端末T2又は一般電話機P2に発呼信号が送信されるように構成しても良い。
【0093】
こうして送信された発呼信号がユーザ端末T1により受信されると、IP電話用アプリケーションプログラムにより、例えば電話応答ボタンの表示画面が表示(例えば、ポップアップ)されると共に、呼出音がスピーカから出力される。そして、ユーザU1が当該電話応答ボタンを操作部により選択操作(例えばマウスでクリック)することにより応答すると、ユーザ端末T1から電話ツール提供サーバSVに応答信号が送信される(ステップS30)。なお、発呼信号受信から応答信号送信までの流れは、ユーザ端末T2でも同様である(ステップS31)。
【0094】
また、送信された発呼信号が携帯電話機P1により受信されると、携帯電話機P1のスピーカから呼出音が出力される。そして、ユーザU2が携帯電話機P1の電話応答ボタンを押下することにより応答すると、携帯電話機P1から電話ツール提供サーバSVに応答信号が送信される。なお、発呼信号受信から応答信号送信までの流れは、一般電話機P2でも同様である(この場合、上記応答は、一般電話機P2の受話器を取り上げる (オフフック) ことによる)。
【0095】
そして、電話ツール提供サーバSVのシステム制御部3は、ユーザ端末T1(又は携帯電話機P1)及びユーザ端末T2(又は一般電話機P2)へ送信された各発呼信号に応じて、ユーザ端末T1(又は携帯電話機P1)から応答信号を受信し、且つ、ユーザ端末T2(又は一般電話機P2)から応答信号を受信した場合には、ユーザ端末T1(又は携帯電話機P1)とユーザ端末T2(又は一般電話機P2)との間の通話を確立(言い換えれば、通話路を形成)させる(ステップS32)。なお、この通話を確立させる手順については、公知の技術を適用できるので、詳しい説明省略する。
【0096】
こうして、ユーザU2はユーザU1と、直接、電話で話すことができる。
【0097】
以上説明したように上記実施形態によれば、電話ツール提供サーバSVは、ユーザ端末T1からの要求に応じて、当該電話ツール提供サーバSVのURL及びユーザ端末T1のユーザU1のユーザID等が含まれ、Webページに組み込まれるソースコードを生成し、該ソースコードをユーザ端末T1へ送信する。そして、該ソースコードが組み込まれたWebページを所定の情報提供サイトSInから取得したユーザ端末T2において、該ソースコードに基づき表示されたオブジェクトがユーザU2により選択操作されると、電話ツール提供サーバSVは、ユーザU1により使用されるユーザ端末T1(又は携帯電話機P1)に発呼すると共に、ユーザU2により使用されるユーザ端末T2(又は一般電話機P2)に発呼し、双方から応答信号を受信した場合には、ユーザ端末T1(又は携帯電話機P1)とユーザ端末T2(又は一般電話機P2)との間の通話を確立させるように構成したので、情報提供サイトSInからユーザ端末T2に提供されたWebページを介して、セキュリティを確保(例えば個人情報が公開されない)しつつ簡単にユーザ端末等の電話装置間で通話させることができる。
【0098】
従って、例えばユーザU1が商品販売者である場合、消費者であるユーザU2は、ユーザU1のWebページ上に掲載された商品の商品情報をユーザU1から迅速に電話で確認することができる。また、少しでも安く商品を購入したいユーザに商品購入意欲を減退させないことができる。また、ブログ運営サイトやコミュニティ運営サイトにおいても、ユーザ間で、直接、電話で話すことができる。
【0099】
また、上記実施形態において、情報提供サイトSInのURLやコミュニティのコミュニティIDの登録に基づく通話確立条件が満たされる場合にのみ、ユーザ端末等の電話装置間で通話を確立させる構成によれば、例えばユーザU1は、通話相手を、所望の情報提供サイトSInに会員登録しているユーザや所望のコミュニティに参加しているユーザに限定することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 通信部
2 記憶部
3 システム制御部
T1,T2 ユーザ端末
P1 携帯電話機
P2 一般電話機
SIn 情報提供サイト
SV 電話ツール提供サーバ
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端末装置の第一ユーザを識別する第一識別情報と第一電話番号情報とを対応付けて記憶するとともに、第二端末装置の第二ユーザを識別する第二識別情報と第二電話番号情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
サーバ装置にアクセスするためのアドレス情報及び前記第一識別情報が含まれ、Webページに組み込まれるソースコードを生成するソースコード生成手段と、
通信手段を介して前記第一端末装置へ前記ソースコードを送信するソースコード送信手段と、
前記ソースコードが組み込まれたWebページを所定のWebサイトから取得した前記第二端末装置において、前記ソースコードに基づき表示されたオブジェクトが前記第二ユーザにより選択操作されることにより通信手段を介してアクセスしてきた該第二端末装置から、該ソースコードに含まれる前記第一識別情報を取得する第一識別情報取得手段と、
前記第二端末装置から前記第二識別情報を取得する第二識別情報取得手段と、
前記取得された前記第一識別情報に対応付けられた前記第一電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第一電話番号情報に基づいて、前記第一ユーザにより使用される第一電話装置に発呼信号を通信手段を介して送信する第一発呼信号送信手段と、
前記取得された前記第二識別情報に対応付けられた前記第二電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第二電話番号情報に基づいて、前記第二ユーザにより使用される第二電話装置に通信手段を介して発呼信号を送信する第二発呼信号送信手段と、
前記第一電話装置及び前記第二電話装置へ送信された各前記発呼信号に応じて、該第一電話装置から応答信号を受信し、且つ、該第二電話装置から応答信号を受信した場合には、前記第一電話装置と前記第二電話装置との間の通話を確立させる通話確立処理手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置において、
前記Webサイトは識別情報が設定された複数のコミュニティより構成されており、
前記ソースコードには、前記WebサイトのURLと、前記コミュニティを識別する前記識別情報との少なくとも何れか一方が含まれており、
前記第一識別情報取得手段は、前記ソースコードに含まれる前記WebサイトのURLと、前記コミュニティを識別する識別情報との少なくとも何れか一方を、前記第二識別情報と共に取得し、
前記取得された前記WebサイトのURLと、前記コミュニティを識別する識別情報との少なくとも何れか一方が、前記取得された第二識別情報に対応付けられて前記記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記判定手段により記憶されていると判定された場合に、前記第一発呼信号送信手段及び前記第二発呼信号送信手段は、前記発呼信号を送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のサーバ装置において、
前記第一端末装置へ送信された前記ソースコードは、該第一端末装置が前記Webサイトから取得した前記第一ユーザのWebページに該第一ユーザの操作により組み込まれることを特徴とすることを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のサーバ装置において、
前記ソースコードには、前記Webページを構成する構造化文書に記述されるリンク参照句、前記アドレス情報としての前記サーバ装置のURL、及び前記第一識別情報が含まれることを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のサーバ装置において、
前記第一端末装置は、前記第一電話装置を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のサーバ装置において、
前記第二端末装置は、前記第二電話装置を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のサーバ装置において、
前記ソースコードには、前記Webページを構成する構造化文書に記述されるリンク参照句、前記アドレス情報としての前記サーバ装置のURL、前記第一識別情報、及びリンクが張られる前記オブジェクトの指定情報が含まれることを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
コンピュータを、
前記第一端末装置の第一ユーザを識別する第一識別情報と第一電話番号情報とを対応付けて記憶するとともに、前記第二端末装置の第二ユーザを識別する第二識別情報と第二電話番号情報とを対応付けて記憶する記憶手段、
サーバ装置にアクセスするためのアドレス情報及び前記第一識別情報が含まれ、Webページに組み込まれるソースコードを生成するソースコード生成手段、
通信手段を介して前記第一端末装置へ前記ソースコードを送信するソースコード送信手段、
前記ソースコードが組み込まれたWebページを所定のWebサイトから取得した前記第二端末装置において、前記ソースコードに基づき表示されたオブジェクトが前記第二ユーザにより選択操作されることにより通信手段を介してアクセスしてきた該第二端末装置から、該ソースコードに含まれる前記第一識別情報を取得する第一識別情報取得手段、
前記第二端末装置から前記第二識別情報を取得する第二識別情報取得手段、
前記取得された前記第一識別情報に対応付けられた前記第一電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第一電話番号情報に基づいて、前記第一ユーザにより使用される第一電話装置に発呼信号を通信手段を介して送信する第一発呼信号送信手段、
前記取得された前記第二識別情報に対応付けられた前記第二電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第二電話番号情報に基づいて、前記第二ユーザにより使用される第二電話装置に通信手段を介して発呼信号を送信する第二発呼信号送信手段、及び、
前記第一電話装置及び前記第二電話装置へ送信された各前記発呼信号に応じて、該第一電話装置から応答信号を受信し、且つ、該第二電話装置から応答信号を受信した場合には、前記第一電話装置と前記第二電話装置との間の通話を確立させる通話確立処理手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータにより実行される通話確立方法であって、
第一端末装置の第一ユーザを識別する第一識別情報と第一電話番号情報とを対応付けて記憶手段に記憶するステップと、
第二端末装置の第二ユーザを識別する第二識別情報と第二電話番号情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶するステップと、
前記コンピュータにアクセスするためのアドレス情報及び前記第一識別情報が含まれ、Webページに組み込まれるソースコードを生成するステップと、
通信手段を介して前記第一端末装置へ前記ソースコードを送信するステップと、
前記ソースコードが組み込まれたWebページを所定のWebサイトから取得した前記第二端末装置において、前記ソースコードに基づき表示されたオブジェクトが前記第二ユーザにより選択操作されることにより通信手段を介してアクセスしてきた該第二端末装置から、該ソースコードに含まれる前記第一識別情報を取得するステップと、
前記第二端末装置から前記第二識別情報を取得するステップと、
前記取得された前記第一識別情報に対応付けられた前記第一電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第一電話番号情報に基づいて、前記第一ユーザにより使用される第一電話装置に発呼信号を通信手段を介して送信するステップと、
前記取得された前記第二識別情報に対応付けられた前記第二電話番号情報を前記記憶手段から取得し該第二電話番号情報に基づいて、前記第二ユーザにより使用される第二電話装置に通信手段を介して発呼信号を送信するステップと、
前記第一電話装置及び前記第二電話装置へ送信された各前記発呼信号に応じて、該第一電話装置から応答信号を受信し、且つ、該第二電話装置から応答信号を受信した場合には、前記第一電話装置と前記第二電話装置との間の通話を確立させるステップと、
を含むことを特徴とする通話確立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−51455(P2013−51455A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296965(P2009−296965)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】