説明

サーバ装置、録画設定方法およびクライアント装置

【課題】番組情報取得の際にサーバへのアクセスの集中を防ぐことができるサーバ装置およびクライアント装置を提供する。
【解決手段】クライアント装置からの番組情報のアクセス権要求に対しこの番組開始前のアクセス権とこのアクセス権の行使タイミングを該クライアント装置に与えるデータベースを備え、このデータベースは前記行使タイミングに該クライアント装置からの前記番組情報の取得要求があった場合に、この番組情報を該クライアント装置に与えるサーバ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、録画用設定制御におけるサーバ装置およびクライアント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、インターネットに接続することにより、専用サイト(iEPGサイト)から番組情報を取得可能な録画再生装置が開発されており、録画予約がより一層便利になってきている。
【0003】
しかしながら、番組情報をインターネットを介して専用サイトから取得する機能を備えた録画再生装置は、まだまだ開発途上にある段階であり、インターネットを利用した利点を十分に活用しているとは言えないのが現状である。
【0004】
対して、例えば、特許文献1には、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、番組情報を取得するためのネットワークへのアクセスタイミングを動的に設定し、最新の番組情報を効果的なタイミングで取得することを可能とした録画装置及び録画方法、放送受信装置及び放送受信方法を提供することを目的とする旨が記載されている。
【0005】
操作手段を操作することにより、特定の番組に対する番組情報の取得を要求する情報をネットワークに送出し、該ネットワーク上から番組情報を取得して記録させるようにしたので、番組情報を取得するためのネットワークへのアクセスタイミングを動的に設定し、最新の番組情報を効果的なタイミングで取得することが可能となるとある。
【0006】
例えば「・・・録画が開始されてから録画が終了される1分までの期間、または、録画が開始されてから19分が経過するまでの期間内の任意のタイミングで、・・・番組情報取得要求情報としてEPGDサーバ15に出力する。」と記載されている。
【0007】
しかしながら、サーバへのアクセスの集中を防ぐ方法については開示されていなく、よってサーバへのアクセスの集中を防ぐ方法についての要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−33546号公報(10頁、段落番号0067)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施の形態は、番組情報取得の際にサーバへのアクセスの集中を防ぐことができるサーバ装置およびクライアント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、実施形態によればサーバ装置は、クライアント装置からの番組情報のアクセス権要求に対しこの番組開始前のアクセス権とこのアクセス権の行使タイミングを該クライアント装置に与えるデータベースを備え、このデータベースは前記行使タイミングに該クライアント装置からの前記番組情報の取得要求があった場合に、この番組情報を該クライアント装置に与える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、ネットワークシステムの概略を説明するために示すブロック構成図。
【図2】同実施形態のクライアント構成(ブロック図)が適用された記録再生装置の構成説明図。
【図3】同実施形態の各種データの例を示す説明図。
【図4】同実施形態の録画予約データの例を示す説明図。
【図5】同実施形態に用いられる仮録画設定値取得時のフロー図。
【図6】同実施形態の番組開始直前の録画設定値取得時のフロー図。
【図7】同実施形態に用いられるサーバ・録画機器間の通信を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態を図1乃至図7を参照して説明する。
図1は、この発明の実施の形態を示すもので、ネットワークシステムの概略を説明するために示すブロック構成図である。図1において、録画機器11は例えば録画予約機能を備えた録画再生装置としてのビデオレコーダである。
【0013】
この録画機器11は、イーサネット(登録商標)規格に準拠したシリアルバス12を介して、ルータ13とデータ通信可能に接続されている。そして、このルータ13は、電話回線によるインターネット14を介してサーバ15とデータ通信可能に接続されている。
【0014】
このサーバ15は、EPG情報を格納したデータベース16にアクセスし、特定の番組に対する番組情報を取り出すことができる。このデータベース16には、全ての放送番組に対する番組情報が、常に最新の内容に更新された状態で格納されている。
【0015】
番組情報としてはこの他に、インターネット14を介して後述の設定値や最新のランキング情報を得られるように構成されている。
ここで、上記録画機器11は、詳細は後述するが、サーバ15に対してクライアントとして、一般には任意のタイミングで、特定の番組に対する番組情報の取得要求を行なうことができる。この場合、録画機器11は、特定の番組に対する番組情報の取得要求をシリアルバス12上に出力する。
【0016】
すると、このシリアルバス12上に出力された番組情報の取得要求が、ルータ13及びインターネット14を介してサーバ15に供給される。サーバ15では、供給された番組情報取得要求に基づいてデータベース16から必要な番組情報を取り出し、インターネット14上に出力する。
【0017】
そして、このインターネット14上に出力された番組情報は、ルータ13及びシリアルバス12を介して録画機器11に供給される。これにより、録画機器11は、特定の番組に対する番組情報を任意のタイミングで取得する
【0018】
ことが可能となる。
次に図2として示すのは、実施形態のクライアント構成(ブロック図)が適用された記録再生装置の構成説明図である。
図2では、記録媒体としてDVDなどの光ディスクとハードディスクの双方を取り扱うことができる装置として示しているが、ハードディスクあるいはDVDなどの光ディスクは例えば半導体メモリによる記録媒体などに置換されてもよい。
【0019】
図2において、各ブロックを大きく分けると、左側には記録部の主なブロックを示し,右側には再生部の主なブロックを示している。
図2の記録再生装置は、ディスクドライブ部1002と、ハードディスクドライブ部2001の2種類のディスクドライブ部を有する。まず、ディスクドライブ部1002は、ビデオファイルを構築できる情報記録媒体である第1のメディアとしての光ディスク1001を回転駆動し、情報の読み書きを実行する。ディスクドライブ部1002は、光ディスク1001に対する回転制御系、レーザ駆動系、光学系などを有する。また、ハードディスクドライブ部2001は、第2のメディアとしてのハードディスクを駆動する。
【0020】
データプロセッサ部1003は、ディスクドライブ部1002及びハードディスクドライブ部2001に記録データを供給することができ、また、再生された信号を受け取ることができる。ディスクドライブ部1002は、光ディスク1001に対する回転制御系、レーザ駆動系、光学系などを有する。
【0021】
データプロセッサ部1003は記録または再生単位のデータを取り扱うもので、バッファ回路、変調・復調回路、エラー訂正部などを含む。
図2の記録再生装置は、録画側を構成するエンコーダ部50と、再生側を構成するデコーダ部60と、装置本体の動作を制御するマイクロコンピュータブロック30とを主たる構成要素としている。エンコーダ部50は、トランスポートストリーム処理部及び複数のエンコーダを含む。
【0022】
エンコーダ部50は基本的には入力されたアナログビデオ信号やアナログオーディオ信号をデジタル化するビデオ用及びオーディオ用のアナログデジタルコンバータと、ビデオエンコーダと、オーディオエンコーダとを有する。さらに、副映像エンコーダも含む。
【0023】
エンコーダ部50からのエンコード出力は、バッファメモリを含むフォーマッタ51にて所定のDVD規格のフォーマットに変換され、先のデータプロセッサ部1003に供給される。
【0024】
なおトランスポートストリームから抽出したパケットエレメンタリーストリームがエンコーダ部50から直接ハードディスクドライブ部2001のハードディスクに記録される場合もある。
【0025】
エンコーダ部50には、スイッチ53を介して、AV入力部41aからの外部アナログビデオ信号と外部アナログオーディオ信号が入力することができる。またエンコーダ部50には、放送波受信手段を構成する地上波アナログチューナ41c、地上波デジタルチューナ41c、衛星BS/CSチューナ41e,衛星アナログチューナ41eからの受信信号が選択的に入力することができる。また、エンコーダ部50で複数のデコーダが活用される場合、地上波デジタルチューナ41cで受信した番組がハードディスクドライブ部2001で録画され、同時に、衛星BS/CSチューナ41dで受信した番組を視聴することも可能である。
【0026】
なお、エンコーダ部50は、圧縮されたデジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号が直接入力されるときは、圧縮デジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号を直接フォーマッタ51に供給することもできる。またエンコーダ部50は、アナログデジタル変換されたデジタルビデオ信号やオーディオ信号を、ビデオミキシング部71やオーディオセレクタ76に直接供給することもできる。
【0027】
エンコーダ部50に含まれるMPEGビデオエンコーダでは、デジタルビデオ信号はMPEG2またはMPEG1規格に基づいた可変ビットレートで圧縮されたデジタルビデオ信号に変換される。デジタルオーディオ信号は、MPEGまたはAC−3規格に基づいて固定ビットレートで圧縮されたデジタルオーディオ信号、あるいはリニアPCMのデジタルオーディオ信号に変換される。
【0028】
副映像信号がAV入力部41aから入力された場合(例えば副映像信号の独立出力端子付DVDビデオプレーヤからの信号など)、あるいはこのようなデータ構成のDVDビデオ信号が放送されてそれがTVチューナ部で受信された場合は、DVDビデオ信号中の副映像信号が副映像エンコーダでエンコード(ランレングス符号化)されて副映像のビットマップとなる。
【0029】
エンコードされたデジタルビデオ信号、デジタルオーディオ信号、副映像データは、フォーマッタ51にてパック化され、ビデオパック、オーディオパック、副映像パックとなり、さらにこれらが集合されて、DVD-ビデオ規格で規定されたフォーマット(DVD Videoフォーマット)や、DVD-レコーディング規格で規定されたフォーマット(DVD VRフォーマット)に変換される。フォーマッタ51は、上記の変換処理のとき、バッファメモリ52も利用している。
【0030】
図2の装置は、フォーマッタ51でフォーマット化された情報(ビデオ、オーディオ、副映像データなどのパック)及び作成された管理情報を、記録再生手段を構成しているデータプロセッサ部1003を介してハードディスクドライブ部2001あるいはデータディスクドライブ部1002に供給し、記録媒体であるハードディスクあるいは光ディスク1001に記録することができる。またハードディスクあるいは光ディスク1001に記録された情報を、データプロセッサ部1003、ディスクドライブ部1002を介して光ディスク1001あるいはハードディスクに記録することもできる。
【0031】
またハードディスクあるいは光ディスク1001に記録されている複数番組のビデオオブジェクトを、一部削除したり、異なる番組のオブジェクトをつなげたり、といった編集処理を行うこともできる。
【0032】
マイクロコンピュータブロック30は、MPU(マイクロプロセッシングユニット)、またはCPU(セントラルプロセッシングユニット)と、制御プログラム等が書きこまれたROMと、プログラム実行に必要なワークエリアを提供するためのRAMとを含んでいる。マイクロコンピュータブロック30は、ネットワークインターフェース30aを介して、外部ネットワークに接続することが可能である。これにより、外部のサーバから電子番組案内情報(DEPG:Dynamic Electronic Program Guide)を取り込むことも可能である。
【0033】
さらにマイクロコンピュータブロック30のMPUは、そのROMに格納された制御プログラムに従い、RAMをワークエリアとして用いて、欠陥場所検出、未記録領域検出、録画情報記録位置設定、UDF記録、AVアドレス設定などを実行する。
【0034】
またマイクロコンピュータブロック30は、装置の各ブロックを統括して制御するために必要な情報処理部を有するもので、ワークRAM31、ディレクトリ検出部32、VMG(全体のビデオ管理情報)情報作成部、コピー関連情報検知部、コピー及びスクランブリング情報処理部(RDI処理部)、パケットヘッダ処理部、シーケンスヘッダ処理部、アスペクト比情報処理部などを備える。
【0035】
またマイクロコンピュータブロック30は、録画を実行する際の管理情報の制御部34と、編集を実行する際の管理情報の制御部33をも備える。
さらに、マイクロコンピュータブロック30には、録画関連ブロック35、GUI(グラフィックユーザインターフェース)画面制御部36が設けられている。この録画関連ブロック35、GUI(グラフィックユーザインターフェース)画面制御部36の動作については、さらにあとで詳しく説明することにする。
【0036】
MPUの実行結果のうち、ユーザに通知すべき内容は、映像データ記録再生装置の表示部43に表示されるか、またはモニターディスプレイにOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示される。
【0037】
またマイクロコンピュータブロック30は、この装置を操作するための操作信号を与えるキー入力部44を有する。このキー入力部44は、例えば記録再生装置の本体上に設けた操作スイッチ類や、あるいはリモートコントローラなどに相当する。また、記録再生装置と有線通信あるいは無線通信あるいは光通信や赤外線通信などの手段を用いて接続されたパーソナルコンピューターであってもよい。いずれの形態であるにせよ、ユーザがこのキー入力部44を操作することにより、入力された映像音声信号の録画処理や、録画されたコンテンツの再生処理、あるいは録画されたコンテンツに対する編集処理などを施すことができる。
【0038】
なお、マイクロコンピュータブロック30が、ディスクドライブ部1002、ハードディスクドライブ部2001、データプロセッサ部1003、エンコーダ部50及び/またはデコーダ部60などを制御するタイミングは、STC(システムタイムクロック)38からの時間データに基づいて実行することができる。録画や再生の動作は、通常はSTC38からのタイムクロックに同期して実行されるが、それ以外の処理はSTC38とは独立したタイミングで実行されてもよい。
【0039】
デコーダ部60は、パック構造を持つDVDフォーマットの信号から各パックを分離して取り出すセパレータと、パック分離やその他の信号処理実行時に使用するメモリと、セパレータで分離された主映像データ(ビデオパックの内容)をデコードするVデコーダと、セパレータで分離された副映像データ(副映像パックの内容)をデコードするSPデコーダと、セパレータで分離されたオーディオデータ(オーディオパックの内容)をデコードするAデコーダとを有する。またデコードされた主映像にデコードされた副映像を適宜合成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕やその他の副映像を重ねて出力するビデオプロセッサを備えている。
【0040】
デコーダ部60の出力ビデオ信号は、ビデオミキシング部71に入力される。ビデオミキシング部71では、例えばテキストデータの合成が行われる。またビデオミキシング部71には、TVチューナやAV入力部41aからの信号を直接取り込むラインもまた接続されている。ビデオミキシング部71には、バッファとして用いるフレームメモリ72が接続されている。ビデオミキシング部71の出力がアナログ出力の場合はI/F(インタフェース)73を介して外部出力され、デジタル出力の場合はデジタルアナログ変換器74を介して外部へ出力される。モニタ3001がHDMI入力などデジタル入力が可能な表示器であればデジタルアナログ変換器74を省くことができる。
【0041】
デコーダ部60の出力オーディオ信号は、セレクタ76を介してデジタルアナログ変換器77でアナログ変換され外部に出力される。セレクタ76は、マイクロコンピュータブロック30からのセレクト信号により制御される。これによりセレクタ76は、TVチューナやAV入力部41aからのデジタル信号を直接モニタする時、エンコーダ部50をスルーした信号を直接選択することも可能である。
【0042】
なお、エンコーダ部50のフォーマッタでは、録画中、各切り分け情報を作成し、定期的にマイクロコンピュータブロック30のMPUへ送る(GOP先頭割り込み時などの情報)。切り分け情報としては、VOBUのパック数、VOBU先頭からのIピクチャのエンドアドレス、VOBUの再生時間などである。
【0043】
同時に、アスペクト情報処理部からの情報を録画開始時にMPUへ送り、MPUはVOBストリーム情報(STI)を作成する。ここでSTIは、解像度データ、アスペクトデータなどを保存し、再生時、各デコーダ部ではこの情報を元に初期設定が行われる。
【0044】
また本装置では、DVDに記録するビデオファイルは1ディスクに1ファイルとしている。またデータをアクセス(シーク)している間に、途切れないで再生を続けるために、最低限連続する情報単位(サイズ)を決めている。この単位をCDA(コンティギュアス・データ・エリア)という。CDAサイズは、ECC(エラー訂正コード)ブロック(16セクタ)の倍数であり、ファイルシステムではこのCDA単位で記録を行っている。
【0045】
データプロセッサ部1003は、エンコーダ部50のフォーマッタからVOBU単位のデータを受け取り、CDA単位のデータをディスクドライブ部1002あるいはハードディスクドライブ部2001に供給している。またマイクロコンピュータブロック30のMPUは、記録したデータを再生するのに必要な管理情報を作成し、データ記録終了のコマンドを認識すると、作成した管理情報をデータプロセッサ部1003に送る。これにより、管理情報がディスクに記録される。従って、エンコードが行われているとき、エンコーダ部50からマイクロコンピュータブロック30のMPUは、データ単位の情報(切り分け情報など)を受け取る。また、マイクロコンピュータブロック30のMPUは、記録開始時には光ディスク及びハードディスクから読み取った管理情報(ファイルシステム)を認識し、各ディスクの未記録エリアを認識し、データ上の記録エリアをデータプロセッサ部1003を介してディスクに設定している。
【0046】
以上図2は、実施例のクライアント装置の構成であり、要部は次のようである。マイクロコンピュータブロック30は、MPU(マイクロプロセッシングユニット)、またはCPU(セントラルプロセッシングユニット)と、制御プログラム等が書きこまれたROMと、プログラム実行に必要なワークエリアを提供するためのRAMとを含んでいる。マイクロコンピュータブロック30は、ネットワークインターフェース30aを介して、外部ネットワークに接続することが可能である。これにより、外部のサーバから番組情報(EPG情報)を取り込むことも可能である。番組情報は、41c、41dのチューナからも取得が可能である。
【0047】
この番組情報は、例えば、8日以内の情報、のように、取得できる日時の範囲が限定されており、1日1回〜2回程度の頻度で、最新の情報を取得し、更新する。ユーザは、44キー操作入力部からの操作により、36GUI画面制御部または43表示部を見ながら、録画予約の登録操作を行うものである。
【0048】
ここで図7はサーバ3(サーバ15相当のもの)と録画機器1間,録画機器2(いずれも録画機器11相当のもの)間をやりとりする通信内容、そのタイミングを示すシーケンス図である。録画機器1,2は番組録画をする際、サーバ3に番組開始直前のアクセス権を要求する(ステップS71,73)。サーバ3は応答として、録画機器1,2に番組開始直前のある時刻にサーバにアクセスする権利を与え、ランキング情報から得たサーバが推奨する仮の画質設定、音質設定を与える(ステップS72,74)。ランキング情報とは、サーバ3が手動で設定された他の録画機器から画質設定、音質設定を集めてランキングを取ったもので、最も多い設定値を各番組ごとにサーバが推奨する設定値とする。
【0049】
最新のランキング情報に基づく設定値を適用するため、かつ番組開始直前のサーバへのアクセスの集中を防ぐため、録画機器1、2からの予約時のアクセスの際に(ステップS77,75)、番組開始直前のアクセス権とそのタイミングを録画機器1、2に付与する(ステップS78,76)。
【0050】
より詳しく次の図等で説明する。図3は、実施形態の各種データの例を示す説明図である。図3(a)は、番組情報データの例(一部)である。図3(b)は、アクセス権データの例である。図3(c)は、サーバ側のデフォルト画質設定,音質設定表の例(一部)である。図3(d)は、アクセス時刻の付与の方法である。また図4は、実施形態の録画予約データの例を示す説明図である。
【0051】
また図5は、実施形態に用いられる仮録画設定値取得時のフロー図である。図6は、実施形態の番組開始直前の録画設定値取得時のフロー図である。
アクセスする時刻の決定方法は、1台の録画機器がサーバへのアクセスにかかる時間を算出し、早く予約した録画機器ほど番組開始時間に近い時間に、各機器にアクセス可能な時刻を付与するものとする(図3(d))。
【0052】
これを元に録画機器1,2は録画予約データ、アクセス権データ(図4(a)、図3(b))を生成する。マイクロコンピュータブロック30を主体とする図5のフローで説明する。
【0053】
ステップS1: 番組録画予約を行う。
ステップS2: サーバにアクセス権を要求する。
ステップS3: 番組開始直前のアクセス権(時刻指定)を取得する。
ステップS4: 仮録画画質設定、音質設定を取得する。
ステップS5: アクセス権取得、録画の仮画質設定、仮音質設定取得を終了する。
その後、番組開始前、サーバ3が録画機器1,2にアクセス権を与えた時刻(表4-5の例では11/10 10:10に 「おもてなしのテーブル」についてのアクセス権を持っている)に録画機器1,2がアクセスをする。サーバからの応答が返ってきた場合、サーバ3より推奨画質設定、音質設定を取得し、自身が持つ画質設定、音質設定を上書きする。(図4(b)の例では画質設定が8.0Mbpsから17.0Mbpsに、音質設定が中から高に上書きされている)設定値取得フラグを「済」にする(図4(b))。マイクロコンピュータブロック30を主体とする図6のフローで説明する。
【0054】
ステップS6: アクセス権データに記載の時刻となったとの判定を行う。
ステップS7: 番組開始直前の設定値取得フラグが済みか否かを判定し済みの場合はステップS11へ進みそうでない場合は次のステップS8へ進む。
ステップS8: サーバへの録画画質設定、音質設定の取得要求を行う。サーバ応答なしの場合はステップS10へ進みそうでない場合は次のステップS9へ進む。
ステップS9: サーバより録画画質設定、音質設定を取得して録画機器の情報を上書きする。
ステップS10: 番組開始直前の設定値取得フラグを「済」にセットする。
ステップS11: 番組開始直前の設定値取得処理を完了する。
この際、サーバが応答しない場合はアクセスを中止し、あらかじめ与えられている仮の画質設定、音質設定を使うことにする。(図4(c)の例では画質設定が8.0Mbps、音質設定が中で変わらない状態で設定値取得フラグが「済」になっている)
【0055】
また、サーバに登録された録画画質、録画音質のサンプルが足りずランキング情報を作ることが出来ない場合、サーバ3はジャンル毎にあらかじめ与えられているデフォルトの画質設定、音質設定を推奨画質設定、推奨音質設定として録画機器に与える (図3(c)) 。
【0056】
以上、録画機器からの番組録画用設定値を取りまとめるサーバと、サーバと通信する録画機器からなるシステムにおいて、次の方法を説明した。
(1)最新のランキング情報に基づく設定値を適用するため、かつ番組開始直前のサーバへのアクセスへの集中を防ぐため、録画機器からの予約時のアクセスの際に、番組開始直前のアクセス権とそのタイミングを録画機器に与える。
【0057】
(2)上記(1)で番組開始前に多数の録画機器から来るアクセスをサーバが番組開始までに処理することができるように、各録画機器が番組開始前にサーバにアクセスするタイミングをサーバが決定する。この際、サーバはアクセス権を取得するのが早い機器が番組開始時間により近くなるようにアクセスする時刻を各録画機器に与える。
【0058】
(3)上記(1)で番組開始直前に録画用設定値を各録画機器に送信する際に、アクセス権を取得した録画機器以外の機器への対応によって、録画用設定値の送信が番組開始時に間に合わないことを防ぐために、番組開始直前にサーバへのアクセス禁止時間を設ける。
【0059】
(4)上記(1)で設定値をランキング情報から決める際に、一定数以上の手動予約による設定値が得られない場合、ジャンル毎にデフォルトで決めている固定の設定値を適用する。
【0060】
(5)上記(1)でサーバの故障などにより番組開始時に録画用設定値が得られないことを防ぐため、録画予約時にサーバから仮の録画用設定値を取得して保存しておく。
【0061】
以上説明した実施例によればランキング情報を利用した録画設定を行う際に、番組開始直前時点のランキング情報を取得することでより適切な設定を録画機器に適用することができる。
【0062】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係わる構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【符号の説明】
【0063】
11…録画機器、12…シリアルバス、13…ルータ、14…インターネット、15…サーバ、16…データベース、30…マイクロコンピュータブロック、35…録画関連ブロック、36…GUI画面制御部、41a,41b,41c,41d,41e…チューナ、3001…モニタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置からの番組情報のアクセス権要求に対しこの番組開始前のアクセス権とこのアクセス権の行使タイミングを該クライアント装置に与えるデータベースを備え、
このデータベースは前記行使タイミングに該クライアント装置からの前記番組情報の取得要求があった場合に、この番組情報を該クライアント装置に与えるサーバ装置。
【請求項2】
前記番組情報は最新のランキング情報に基づく設定値を含む請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記行使タイミングを、アクセス権を取得するのがより早い前記クライアント装置に前記番組開始時間により近くなるように与える請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
サーバ装置に番組情報のアクセス権要求を送出してこの番組開始前のアクセス権とこのアクセス権の行使タイミングを該サーバ装置から得るアクセス権取得手段と、
得られたこの行使タイミングに前記番組情報の取得要求を該サーバ装置に行いこの番組情報を取得する番組情報取得手段とを
備えたクライアント装置。
【請求項5】
クライアント装置からの番組情報のアクセス権要求に対しこの番組開始前のアクセス権とこのアクセス権の行使タイミングを該クライアント装置に与え、
前記行使タイミングに該クライアント装置からの前記番組情報の取得要求があった場合に、この番組情報を該クライアント装置に与える録画設定方法。
【請求項6】
サーバ装置に番組情報のアクセス権要求を送出してこの番組開始前のアクセス権とこのアクセス権の行使タイミングを該サーバ装置から得て、
得られたこの行使タイミングに前記番組情報の取得要求を該サーバ装置に行いこの番組情報を取得する録画設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−31015(P2013−31015A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166083(P2011−166083)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】