説明

サーバ装置

【課題】異なる通信プロトコルをもつ機器の間の操作を容易とするサーバ装置を提供する。
【解決手段】第1のプロトコルの操作コマンドを第1の外部装置との間で第1プロトコルを用いて送受信する第1通信部と、第2のプロトコルの操作コマンドを第2の外部装置との間で第2プロトコルを用いて送受信する第2通信部と、第1外部装置から第1のプロトコルの操作コマンドを受信すると第2プロトコルの操作コマンドに変換して第2外部装置に送信する制御部をもつサーバ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して複数の機器の間の通信を行うサーバ装置であり、特に、複数の異なる通信プロトコルの間を仲介するサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ネットワーク技術を活用した映像システムが様々な形で開発され実施されており、例えば、このような映像システムは、ネットワーク通信が可能な複数のカメラや映像処理装置、複数のモニタから構成される。このシステムにおいて、制御装置によりこれらの通信機能を有する各ユニットを制御することで、ユーザの必要に応じて、視聴しようとする被写体に対応するカメラを映像切替部を用いて切り替え、選択的に任意の映像を任意のモニタ等に表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−232826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のネットワーク機能をもった映像システムにおいて、ネットワークの通信機能のプロトコルが統一されていない場合は、プロトコルが共通な範囲で制御が可能であるが、プロトコルが相違する機器は、制御コマンドを認識することができない。
【0005】
本発明は、異なる通信プロトコルを使用している機器の間の操作を容易とするサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決する一実施形態は、
第1のプロトコルの操作コマンドを、第1の外部装置との間で前記第1プロトコルを用いて送受信する第1通信部と、
前記第1プロトコルとは異なる第2のプロトコルの操作コマンドを、第2の外部装置との間で前記第2プロトコルを用いて送受信する第2通信部と、
前記第1通信部を介して前記第1のプロトコルの操作コマンドを前記第1外部装置から受信すると前記第1プロトコルの操作コマンドを前記第2プロトコルの操作コマンドに変換し、前記変換した第2プロトコルの操作コマンドを前記第2通信部を介して前記第2外部装置に送信する制御部と、を具備することを特徴とするサーバ装置である。
【発明の効果】
【0007】
複数の通信プロトコルが用いられる機器で構成されたシステムにおいて、例えばクライアントPCが使用する通信プロトコルと異なる通信プロトコルを用いている映像機器を制御対象とする場合でも、通信プロトコルの違いを意識することなくクライアントPCからこの映像機器を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態である通信システムの構成を示す図。
【図2】同じく通信システムの他の構成を示す図。
【図3】同じくネットワーク監視サーバVの情報取得処理の一例を示すフローチャート。
【図4】同じくネットワーク監視サーバVのコマンド変換処理を示すフローチャート。
【図5】同じく通信システムにおける映像の配信処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態である通信システムの構成を図1および図2を用いて、以下に説明する。はじめに、本発明の一実施形態である通信システムは、図1に示すように、一例として映像信号を送受信するものであり、例えば、ONVIF(Open Network Video Interface Forum)等のネットワークカメラ製品のインターフェースの規格標準化フォーラムとしての通信プロトコルに準拠した共通プロトコルとして使用するが、このプロトコルに限定されることはない。この通信システムは、一例として、この共通プロトコルではないプロトコルを意味する独自プロトコルで通信を行う独自プロトコル対応クライアントPC11と、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して設けられる、上述したONVIFに準拠した共通プロトコル対応クライアントPC12と、同じく、この共通プロトコルではない独自プロトコルで通信を行う独自プロトコル対応IPカメラ13と、上述したONVIFに準拠した共通プロトコル対応IPカメラ14を有している。
【0010】
このようなONVIFに準拠した共通プロトコルを使用する通信システムにおいては、独自プロトコル対応クライアントPC11からは、制御コマンドをネットワークを介して独自プロトコル対応IPカメラ13、または共通プロトコル対応IPカメラ14に送信し、ネットワーク製品側で制御処理完了後に、レスポンスをネットワークを介して独自プロトコル対応クライアントPC11で受信して、一連の処理を完了することができる。
【0011】
この通信システムにおいては、共通プロトコル対応クライアントPC12からは、同様に制御コマンドをネットワークを介して独自プロトコル対応IPカメラ13、または共通プロトコル対応IPカメラ14に送信し、共通プロトコル対応IPカメラ14に対しては一連の処理を完了することができる。
【0012】
しかしながら、共通プロトコル対応クライアントPC12から独自プロトコル対応IPカメラ13に対して制御を行おうとしても、独自プロトコル対応IPカメラ13は、共通プロトコル対応クライアントPC12からの制御コマンドを認識できず、制御に応じることができない。
【0013】
このため、図1の通信システムにおいては、独自プロトコル対応IPカメラ13と共通プロトコル対応IPカメラ14を、1台の共通プロトコル対応クライアントPC12から同時監視を行うことができないため、独自プロトコル対応クライアントPC11を設けてこれにより、独自プロトコル対応IPカメラ13を監視している。
【0014】
これに対しして、図2に示す通信システムにおいては一例として、映像信号を送受信するものであり、LANやインターネット等のネットワークを介して設けられる、上述したONVIFに準拠した共通プロトコル対応クライアントPC12と、この共通プロトコルではない独自プロトコルで通信を行う独自プロトコル対応IPカメラ13と、上述したONVIFに準拠した共通プロトコル対応IPカメラ14と、独自プロトコル対応ネットワークデジタルレコーダ15と、ネットワーク監視サーバVを有している。なお、このネットワーク監視サーバVは、一例として、接続機器情報20とプロトコル対応情報19を格納しているRAM21と、共通プロトコル制御部16と独自プロトコル制御部17と機器情報取得制御部18を有するアプリケーション22を有している。
【0015】
次に、このような構成の図2に示す通信システムが行う管理情報の登録処理を、図3のフローチャートを用いて以下に説明する。すなわち、ネットワーク監視サーバVは、予め独自プロトコル方式対応IPカメラ13、共通プロトコル方式対応IPカメラ14、独自プロトコル対応ネットワークデジタルレコーダ15とネットワーク接続した際に、機器情報取得制御部18から各ネットワーク製品に対して独自方式対応の機器情報問合せコマンドを送信する(ステップS11)。ネットワーク監視サーバVは、独自プロトコル方式対応IPカメラ13、共通プロトコル方式対応IPカメラ14、および独自プロトコル対応ネットワークデジタルレコーダ15からこの機器情報問合せコマンドに対応して返信された独自プロトコル機器情報応答を受信すると(ステップS12)、機器情報取得制御部18は、応答のあった装置をRAM21のプロトコル対応情報19に「独自プロトコル対応装置」として更新して登録すると共に(ステップS13)、IPアドレス、型式等の情報を接続機器情報20としてRAM21に登録する(ステップS14)。
【0016】
また、ネットワーク監視サーバVの機器情報取得制御部18は、各ネットワーク製品に対して共通方式対応の機器情報問合せコマンドを送信する(ステップS15)。機器情報取得制御部18は、共通プロトコル機器情報応答を受信すると(ステップS16)、応答のあった装置をRAM21のプロトコル対応情報19に「共通プロトコル対応装置」として登録し(ステップS17)、また、IPアドレス、型式等の情報を、RAM21の接続機器情報20として更新して登録する(ステップS18)。ただし、機器情報取得制御部18は、独自プロトコル機器情報応答、共通プロトコル機器情報応答の両方があった場合は、共通プロトコル対応装置の方をRAM21のプロトコル対応情報19として登録する。
【0017】
次に、図4が示す制御コマンド変換処理を示すフローチャートを用いて、共通プロトコル対応クライアントPC12により、接続された各ネットワーク製品を制御する方法について以下に説明する。最初に共通プロトコル対応クライアントPC12により、独自プロトコル方式対応IPカメラ13を制御する場合について説明する。
【0018】
本発明の実施形態に係る通信システムにおいて、共通プロトコル対応クライアントPC12は、共通制御コマンドをネットワーク監視サーバVに送信すると、ネットワーク監視サーバVの共通プロトコル制御部16はこれを受信し(ステップS21)、制御対象装置のプロトコル対応情報19、および接続機器情報20を取得する(ステップS22)。次に、共通プロトコル制御部16は、プロトコル対応情報をチェックして(ステップS23)、「独自プロトコル対応装置」と判断すると、独自プロトコル制御部17にて共通プロトコルにおける制御コマンドを独自プロトコル用の制御コマンドに変換して(ステップS24)、制御対象の独自プロトコル方式対応IPカメラ13に送信する(ステップS25)。
【0019】
独自プロトコル方式対応IPカメラ13において制御コマンドに従って制御完了後、制御レスポンスをネットワーク監視サーバVに送信し、ネットワーク監視サーバVの共通プロトコル制御部16はこの制御レスポンスを受信すると(ステップS26)、独自プロトコル制御部17は、制御対象機器の対応プロトコルが独自プロトコルかどうかを判断する(ステップS27)。独自プロトコル制御部17は、制御対象機器の対応プロトコルが独自プロトコルであると判断すると、独自プロトコル用の制御レスポンスを共通プロトコル用の制御レスポンスに変換する(ステップS28)。そして、共通プロトコル制御部16は、変換された共通制御レスポンスを共通プロトコル対応クライアントPC12へ送信する(ステップS29)。このような手順により、共通プロトコル対応クライアントPC12による独自プロトコル対応IPカメラ13の制御処理が行われる。
【0020】
次に、共通プロトコル対応クライアントPC12が共通プロトコル方式対応IPカメラ14を制御する場合について、図4のフローチャートを用いて説明する。
ネットワーク監視サーバVの共通プロトコル制御部16は、共通プロトコル対応クライアントPC12から送信された共通制御コマンドをネットワーク監視サーバVが受信すると(ステップS21)、制御対象装置のプロトコル対応情報19および接続機器情報20を取得する(ステップS22)。共通プロトコル制御部16は、プロトコル対応情報をチェックし(ステップS23)、「共通プロトコル対応装置」と認識すると、共通プロトコルにおける制御コマンドを制御対象の共通プロトコル方式対応IPカメラ14に送信する(ステップS25)。共通プロトコル方式対応IPカメラ14において、制御コマンドに応じた制御が完了した後、制御レスポンスをネットワーク監視サーバVに送信する。ネットワーク監視サーバVがこの制御レスポンスを受信すると(ステップS26)、共通プロトコル制御部16は、この制御レスポンスが共通プロトコルであると判断して(ステップS28)、共通制御レスポンスを共通プロトコル対応クライアントPC12へ送信する(ステップS29)。これにより、共通プロトコル対応クライアントPC12による、共通プロトコル対応IPカメラ14の制御処理を行うことができる。
【0021】
次に、共通プロトコル対応クライアントPC12が、独自プロトコル対応ネットワークデジタルレコーダ15を制御する場合について、図4のフローチャートを用いて説明する。
ネットワーク監視サーバVの共通プロトコル制御部16は、共通プロトコル対応クライアントPC12が送信した共通制御コマンドをネットワーク監視サーバVが受信すると(ステップS21)、制御対象装置のプロトコル対応情報19および接続機器情報20を取得する(ステップS22)。ここで、共通プロトコル制御部16は、プロトコル対応情報をチェックして「独自プロトコル対応装置」であると判断すると(ステップS23)、独自プロトコル制御部17により共通プロトコルにおける制御コマンドを独自プロトコル用の制御コマンドに変換し(ステップS24)、独自プロトコル対応ネットワークデジタルレコーダ15に送信する(ステップS25)。
【0022】
この独自プロトコル用の制御コマンドに応じて、独自プロトコル対応ネットワークデジタルレコーダ15にて制御完了後、独自プロトコル対応ネットワークデジタルレコーダ15から送信された制御レスポンスを、ネットワーク監視サーバVの共通プロトコル制御部16が受信すると(ステップS26)、独自プロトコル制御部17は、制御対象機器の対応プロトコルが独自プロトコルかどうかを判断する(ステップS27)。独自プロトコル制御部17は、制御対象機器の対応プロトコルが独自プロトコルであると判断すると、独自プロトコル用の制御レスポンスを共通プロトコル用の制御レスポンスに変換し(ステップS28)、共通プロトコル制御部16にて共通プロトコル用の制御レスポンスを共通プロトコル対応クライアントPC12へ送信する(ステップS29)。このようにして、共通プロトコル対応クライアントPC12は、独自プロトコル対応ネットワークデジタルレコーダ15を制御することができる。
【0023】
最後に、図5に示す映像の配信処理フローチャートを用いて、映像配信の例として、共通プロトコル対応クライアントPC12による制御によって、共通プロトコル対応IPカメラ14からの映像を受信する場合について説明する。
共通プロトコル対応クライアントPC12は、ネットワーク監視サーバVに、映像配信接続前の制御コマンドを送信すると(ステップS31)、ネットワーク監視サーバVの共通プロトコル制御部16は、この制御コマンドを受信し(ステップS32)、制御対象装置のプロトコル対応情報19および接続機器情報20を取得してプロトコル対応情報をチェックする(ステップS33)。共通プロトコル制御部16は、チェック処理の結果が「共通プロトコル対応装置」であると認識すると、共通プロトコルにおける制御コマンドを制御対象の共通プロトコル方式対応IPカメラ14に送信する(ステップS34)。
【0024】
共通プロトコル対応IPカメラ14は、この制御コマンドを受信するとこの制御コマンドに応じて制御処理を行った後に、制御レスポンスをネットワーク監視サーバVに送信する(ステップS35)。ネットワーク監視サーバVの共通プロトコル制御部16は、制御コマンド応答を受信すると(ステップS36)、この制御コマンド応答を、共通プロトコル対応クライアントPC12へ送信する(ステップS37)。
【0025】
共通プロトコル対応クライアントPC12は、映像配信接続前にこの制御コマンド応答を受信すると(ステップS38)、応答に含まれるURL(Uniform Resource Locator)(共通プロトコル対応IPカメラ14)に基づいてRTSP(Real Time Streaming Protocol)接続要求を共通プロトコル対応IPカメラ14に送信する(ステップS39)。共通プロトコル対応IPカメラ14は、RTSPコマンドに応じた処理を行うと、応答を共通プロトコル対応クライアントPC12に送信する(ステップS40)。RTSP接続が完了すると、共通プロトコル対応IPカメラ14から共通プロトコル対応クライアントPC12への映像配信が開始され(ステップS41)、共通プロトコル対応クライアントPC12は、配信映像を受信して、この配信映像に応じた映像表示を行う(ステップS42)。
【0026】
以上、図5のフローチャートを用いて説明したように、本発明の一実施形態に係る通信システムにおいては、共通プロトコル対応IPカメラ14から同じく共通プロトコル対応ネットワーク製品に対する映像配信を行う場合は、上述したネットワーク監視サーバVを介さずに映像配信を行うことができるので、ネットワーク負荷を軽減することができる。
【0027】
以上、詳細に述べたように本発明の一実施形態に係る通信システムにおいては、制御対象である機器が使用するプロトコルが独自プロトコルと共通プロトコルとで混在している場合でも、共通プロトコル対応クライアントPCから制御する場合、プロトコルを意識することなく制御を行なうことが可能となる。
【0028】
以上記載した様々な実施形態は複数同時に実施することが可能であり、これらの記載により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0029】
11…独自プロトコル対応クライアントPC、12…共通プロトコル対応クライアントPC、13…独自プロトコル対応IPカメラ、14…共通プロトコル対応IPカメラ、15…独自プロトコル対応ネットワークデジタルレコーダ、16…共通プロトコル制御部、17…共通プロトコル制御部、18…機器情報取得制御部、19…プロトコル対応情報、20…接続機器情報、21…RAM、22…アプリケーション、V…ネットワーク監視サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプロトコルの操作コマンドを、第1の外部装置との間で前記第1プロトコルを用いて送受信する第1通信部と、
前記第1プロトコルとは異なる第2のプロトコルの操作コマンドを、第2の外部装置との間で前記第2プロトコルを用いて送受信する第2通信部と、
前記第1通信部を介して前記第1のプロトコルの操作コマンドを前記第1外部装置から受信すると前記第1プロトコルの操作コマンドを前記第2プロトコルの操作コマンドに変換し、前記変換した第2プロトコルの操作コマンドを前記第2通信部を介して前記第2外部装置に送信する制御部と、を具備することを特徴とするサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−222687(P2012−222687A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88161(P2011−88161)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】