説明

サービス創造サーバ及びネットワークシステム

【課題】 従来のネットワークシステムでは、サービスの提供側やサービスの利用側が多様化すると、サービスをスムーズに行うことが困難になるという問題点があったが、本発明では、サービスの授受をスムーズに行うことができるサービス創造サーバ及びネットワークシステムを提供する。
【解決手段】 パーソナルコンピュータ15等のサービス利用側から送信されたサービス要求とサービス利用側情報とがサーバ12で受信され、サーバ12でさらにサービス提供側情報を付加して送信された情報を受信して解析し、必要なサービスモジュールをサービス要素データベース17から取得して、サーバ12やパーソナルコンピュータ15に送信するサービス創造サーバ及びネットワークシステムである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク上で授受されるサービスに関連する設定変更やプログラムモジュールの配信を行うサービス創造サーバ及びネットワークシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットを含むネットワークの整備により、多様な形態でネットワーク上の各要素が相互通信を行うようになってきている。当初は限られたワークステーションのみが専用線によって結合されていたが、近年では、電話回線を介して家庭用のパーソナルコンピュータが接続可能になり、さらに携帯電話機を利用してPDA(personal digital assistance)のような小型の携帯端末が接続できるようになっているほか、携帯電話機自体が携帯端末としての機能を備えるものも開発されている。
【0003】従来、これらのネットワークシステムにおけるサービス状況について、図6を参照して説明する。従来の一般的なネットワークシステムは、図6に示すように、サービスサイト1を含むサーバ2と、中継ノード3と、ゲートウエイ4と、無線通信設備5及び公衆電話回線設備6を含む電話回線サービス7と、ブラウザ8aを含む携帯電話機9と、ブラウザ8bを含むパーソナルコンピュータ10とから構成されている。尚、本来ならば、さらに多様な構成要素がこのネットワークシステムに接続、配置されているのが全体の構成であるが、ここでは説明のため、これらの構成要素に限定して説明する。
【0004】サービスサイト1は、一般に複数のHTML(HyperText Markup Language)文書や、それとともに用いられる画像データ、CGI(Common Gateway Interface)プログラムや各種のJavaプログラム、及び特定のプラグインをブラウザ側で処理されるべきデータ(例えば米国MacroMedia社のFlush(商標)など)がコンテンツデータとして含まれている。サーバ2は、これらのコンテンツデータをネットワークを介して受信した要求に応えて配信する。中継ノード3は、ネットワーク上で往来するデータをパケットの単位で中継する。ゲートウエイ4は、異なる種類のネットワークを相互接続する。無線通信設備5はPHSや携帯電話機等のシステムであり、各携帯電話機(PHSを含む)の位置登録情報を管理する管理局や各地に配置された基地局、これらを統括して公衆電話回線網(PSTN乃至ISDN)に接続するための統括局を含む。公衆電話回線設備6は、公衆電話回線としてのPSTN又はISDN回線網とこれらの回線網を介して送受されるデータの交換を行う交換機システムを含む。電話回線サービス7は、これらの無線・有線回線を通じて、サービスに係るデータの送受信を行う。
【0005】ブラウザ8は、HTML文書を解析表示するNetscapeNavigator(商標)等の処理プログラムである。一般にこれらのブラウザでは、各データはMIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)種別に分類され、ブラウザ8内で、各種別のデータをどのように扱うかが事前に設定されており、ブラウザはこの設定に基づいて各データを処理している。具体的に、ブラウザ8には、事前に図7に示すようなテーブルが設定されている。このテーブルには、例えば図7に示すように、HTMLはTEXT(テキスト)としてブラウザ自身によって処理されるべき指定がされ、MPEG(Motion Picture Experts Group)の動画データは、MPEGデータとして、QuickTime(商標)を用いたプラグイン(ブラウザ機能を拡張するサービスモジュール)に出力されて処理されるべき指定がされている。また、このブラウザ8には、Javaアプレットを実行するためのJavaVM(Virtual Machine)やプラグインの実行環境がセットアップされているもの(主としてパーソナルコンピュータ上で動作するもの)といないもの(主として携帯電話機などで動作するもの)とがある。
【0006】携帯電話機9は、JavaVMやプラグインの実行環境がセットアップされていないブラウザ8aを含み、PDC(personal digital cellular)やCDMA(Code Division Multiple Access)方式等により無線通信設備5とサービスに係るデータを交換する。パーソナルコンピュータ10は、モデムやTA(Tarminal Adapter)等の機器を介してISDNを含む電話回線網に接続され、公衆電話回線設備6との間でサービスに係るデータを交換する。
【0007】従来、ネットワークを介してサービスを受けるには、例えばパーソナルコンピュータ10を操作して、電話回線網を介して電話回線サービス7の公衆電話回線設備6を経由して、ゲートウエイ4にアクセスし、さらに、パーソナルコンピュータ10上でブラウザ8bを起動して、ゲートウエイ4にアクセスする。このゲートウエイ4は、電話回線網を介して受信したデータを複数の中継ノード3を介してサーバ2に送信する。サービスの需要者は、携帯電話機9やパーソナルコンピュータ10からこのように多くの中継点を経てサービスサイト1に対して、そのコンテンツデータを取得する要求をする。
【0008】ここで、このコンテンツデータにMPEGデータが関連づけられているときには、MPEGデータに対するMIMEコードとともに、当該MPEGデータがサービスサイト1からネットワーク上の中継ノード3をホップしてゲートウエイ4に到来し、このゲートウエイ4が電話回線網を介してパーソナルコンピュータ10に送信し、ブラウザ8bがこのMIMEコードを参照して、適切なプラグインを読み込んで、このプラグインによりデータを処理してその結果を表示する。
【0009】一方、携帯電話機9からのアクセスでは、無線通信設備5を用いるほかは、パーソナルコンピュータ10からと同様の経路によりサービスに係るデータの授受が行われるのであるが、プラグインを実行する環境がないため、プラグインに関連した処理は行われることなく、MPEGデータを見ることができない。
【0010】さらに、パーソナルコンピュータ10において、必要なプラグインがインストールされていない場合は、プラグインを提供するwebページにアクセスして、プラグインの取得処理を行うよう設定されているブラウザ8bもある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のネットワークシステムでは、サービスを提供するサービス提供側と、サービスを享受するブラウザ側と、これらの間でサービスに係るデータを中継するプロバイダを含むネットワーク上の各ノードとがそれぞれサービスに係るデータを適切に扱わないと、ブラウザ側でサービスを享受できなくなるが、サービス提供側とサービス利用側とを含むネットワーク上の各ノードの種類が多様化するにつれ、全てのノードでデータを適切に扱うことが困難になり、サービスの提供をスムーズに行うのが困難になるという問題点があった。
【0012】本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、サービスの提供をスムーズにできるサービス創造サーバ及びネットワークシステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に所定のサービスが提供されるシステムに接続されたサービス創造サーバであって、前記サービス提供側の現有サービス提供機能及び前記サービス利用側の現有サービス利用機能の少なくとも一方を既存サービス構成として認識する手段と、前記所定のサービスの内容と前記認識の結果とに応じて、前記サービス提供側又はサービス利用側の少なくとも一方の既存サービス構成を拡張的に変更する手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に所定のサービスが提供されるシステムに接続されたサービス創造サーバであって、前記サービス提供側の現有サービス提供機能と前記サービス利用側の現有サービス利用機能とを既存サービス構成として認識する手段と、前記所定のサービスの内容と前記認識の結果とに応じて、前記サービス提供側とサービス利用側の少なくとも一方の既存サービス構成を拡張的に変更するためのサービスモジュールを選出する手段と、前記サービスモジュールを前記サービス提供側とサービス利用側と少なくとも一方に提供する手段と、を含むことを特徴とする。
【0015】上記従来例の問題点を解決するための請求項3記載の発明は、サービス創造サーバであって、ネットワークを介してサービス利用側からサービス提供側に対してのサービス要求を取得する取得手段と、前記サービス要求に応じて、当該サービスの提供に際して必要となるサービスモジュールを拡張サービスモジュールとして選択する選択手段と、前記選択された拡張サービスモジュールを前記サービスの提供側又はサービス利用側の少なくとも一方に対して配信する配信手段と、を含むことを特徴とする。
【0016】上記従来例の問題点を解決するための請求項4記載の発明は、サービス創造サーバであって、ネットワークを介してサービス利用側からサービス提供側に対してのサービス要求を取得する取得手段と、前記サービス利用側と、サービス提供側との現有サービスモジュールを既存サービスモジュールの情報として特定する手段と、前記サービス要求と既存サービスモジュール情報とに応じて、当該サービスの提供及び利用に際して必要となる拡張サービスモジュール群を選出する手段と、前記拡張サービスモジュールを前記サービス提供側又はサービス利用側の少なくとも一方に対して配信する手段と、を含むことを特徴とする。
【0017】上記従来例の問題点を解決するための請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載のサービス創造サーバであって、選出された拡張サービスモジュールの各々の間の第1整合性又は当該拡張サービスモジュールの各々と、既存サービスモジュールとの第2整合性の少なくとも一方を検証する検証手段をさらに含むことを特徴とする。
【0018】上記従来例の問題点を解決するための請求項6記載の発明は、請求項5記載のサービス創造サーバであって、前記検証手段は、サービス提供側及びサービス利用側からなるシステムの仮想環境を構築する手段と、前記仮想環境で前記拡張サービスモジュール群を動作させる手段と、を含み、当該仮想環境での動作不具合の有無を検出して、整合性を検証することを特徴とする。
【0019】上記従来例の問題点を解決するための請求項7記載の発明は、請求項3乃至6記載のサービス創造サーバにおいて、前記配信手段は、前記選択手段で特定された各モジュールの配信順序を設定する手段と、前記設定に基づいて各モジュールを配信する手段と、を含むことを特徴とする。
【0020】上記従来例の問題点を解決するための請求項8記載の発明は、請求項7記載のサービス創造サーバにおいて、前記配信順序を設定する手段は、サービス利用側から配信を開始するよう設定し、サービス提供側に対して最後に配信を行うよう設定することを特徴とする。
【0021】上記従来例の問題点を解決するための請求項9記載の発明は、ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に対し、中継局を介して所定のサービスが提供されるシステムに接続されたサービス創造サーバであって、少なくとも前記サービス提供側の現有サービス提供機能又は中継局の現有サービス提供機能又はサービス利用側の現有サービス利用機能のいずれかを既存サービス構成として認識する手段と、少なくとも前記所定のサービスの内容と認識の結果とに応じて、サービス提供側又は中継局又はサービス利用側のいずれかの既存サービス構成を拡張的に変更する手段と、を含むことを特徴とする。
【0022】上記従来例の問題点を解決するための請求項10記載の発明は、ネットワークシステムにおいて、ネットワークを介して要求されたサービスを提供するサービス提供側装置と、前記サービス提供側装置に対しサービス要求を出力して、サービスを享受するサービス利用側装置と、サービス創造サーバとを含み、前記サービス創造サーバは、前記サービス提供側の現有サービス提供機能及び前記サービス利用側の現有サービス利用機能の少なくとも一方を既存サービス構成として認識する手段と、前記サービス要求の内容と前記認識の結果とに応じて、前記サービス提供側又はサービス利用側の少なくとも一方の既存サービス構成を拡張的に変更する手段と、を含むことを特徴とする。
【0023】上記従来例の問題点を解決するための請求項11記載の発明は、ネットワークシステムにおいて、サービス利用側からサービス提供側に対するサービス要求と、前記サービス利用側とサービス提供側との現有サービス機能とに応じて、前記サービス提供側とサービス利用側の少なくとも一方に対して、当該要求されたサービスの提供のためのソフトウエアが配信されることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】実施の形態1.本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムは、図1に示すように、サービスサイト11を含むサーバ12と、複数の中継ノード3と、ゲートウエイ4と、無線通信設備5と公衆電話回線設備6とを含む電話回線サービス7と、ブラウザ13を含む携帯電話機14と、ブラウザ13を含むパーソナルコンピュータ15と、サービス創造サーバ16と、サービス要素データベース17とから構成され、これらの構成要素は相互にネットワーク接続されている。
【0025】また、サービス創造サーバ16は、図2に示すように、システム状態監視部18と、要求受信部19と、要求解析部20と、要求解析データベース(DB)21と、要求条件データベース検索部22と、要求条件データベース管理部23と、要求条件データベース24と、要求条件データベース登録部25と、サービス要素データベース管理部26と、サービス要素データベース検索部27と、ダウンロード部28と、サービス群検証部29と、サービス管理部30と、サービス格納部31と、送信制御部32と、送信部33とから構成されている。また、サービス要素データベース17は、図1に示したように、サーバサービスデータベース34と、端末サービスデータベース35とから基本的に構成されている。尚、従来のものと同様の構成をとる部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0026】尚、サービス創造サーバ16の要求解析部20及び要求条件データベース検索部22が本発明の既存サービス構成を認識する手段に、ダウンロード部28とサービス群検証部29とサービス管理部30とサービス格納部31とが既存サービス構成を拡張的に変更する手段に、システム状態監視部18と要求受信部19とが取得手段に、サービス要素要求条件データベース検索部22とサービス要素データベース検索部27とデータベース管理部26とがサービスモジュールを選出又は選択する手段に、送信制御部32と送信部33とがサービスモジュールを提供又は配信する手段に、サービス群検証部29が検証手段にそれぞれ対応している。
【0027】以下、各部を具体的に説明する。サービスサイト11は、従来のサービスサイト1と同様のものである。サーバ12は、ブラウザ側から到来したコンテンツ要求をサービス要求として、そのままサービス創造サーバ16に送信し、併せて自己(及びそのコンテンツ)を特定するサービス提供側の情報を送信する。また、サーバ12は、後に説明するサービス創造サーバ16からこの要求の返信をそのまま受け、またこの返信とともに配信されるサービスモジュールを受信する。そして、受信した当該サービスモジュールが自己宛か否かを判断し、自己宛であれば、このサービスモジュールをインストールして起動し、返信された要求に伴うサービスを実施する。さらに、このサーバ12は、サービス創造サーバ16から受信したサービスモジュールが自己宛でなければ、当該サービスモジュールをブラウザ側に送信し、返信された要求に伴うサービスを実施する。尚、ここでサービスの実施とは、サービスに係るデータの送信を行うことを示す。
【0028】ブラウザ13は、従来のブラウザ8と同様に、URI(Uniform Resource Identifier)を送信してサービス要求を送信する。本実施の形態において特徴的なことは、このブラウザ13がサービス要求に、サービス利用側(携帯電話機やパーソナルコンピュータなど)の情報を含めて送信することである。携帯電話機14は、ブラウザ13の処理を行うとともに、無線通信設備5を介してサーバ12からサービス創造サーバ16により配信されたサービスモジュールを受信してインストールし、このサービスモジュールを起動して、サービスの利用処理をブラウザ13とともに行う。
【0029】パーソナルコンピュータ15は、ブラウザ13の処理を行うとともに、サーバ12からサービス創造サーバ16により配信されたサービスモジュールを受信してインストールし、このサービスモジュールを起動して、サービスの利用処理をブラウザ13とともに行う。
【0030】サービス創造サーバ16は、サービス利用側としての携帯電話機14又はパーソナルコンピュータ15と、サービス提供側としてのサーバ12とに設定されている既存のサービス構成を認識し、また、サーバ12からサービスの要求内容を受信して、認識したサービス構成と、サービスの要求内容とに基づいて、不足しているサービスモジュールを検出し、当該サービスモジュールを配信する処理を基本的に行っている。このサービス創造サーバ16の動作については、後にさらに詳しく説明する。
【0031】サービス要素データベース17は、サービス提供側であるサーバ12に対し配信されるべきサービスモジュールを格納したサーバサービスデータベース34と、サービス利用側である携帯電話機14又はパーソナルコンピュータ15に対して配信されるべきサービスモジュールを格納した端末サービスデータベース35とからなり、サービス創造サーバ16からの要求に応じて、サービスモジュールを読み出して、サービス創造サーバ16に対して送信する。
【0032】ここで、サービス創造サーバ16の動作について説明する。サービス創造サーバ16のシステム状態監視部18は、電話回線の切断などのネットワーク状況を監視し、監視の結果を要求解析部20に出力する。この監視は、具体的にはポーリング用のパケットを送出して、当該パケットに対する返答により行われる。要求受信部19は、サーバ12を介してサービス要求とともに、端末の情報、サービス提供側情報を受信し、要求解析部20に出力する。要求解析部20は、要求解析データベース21を参照して、サービス要求又はネットワーク状況に応じて、必要なサービスモジュールを特定するための基礎情報を出力する。要求解析データベース21は、図3に示すように、サービス要求やネットワーク状況、及びサービス提供側情報の内容に応じて必要なサービスモジュールを特定するための基礎情報を対応づけて格納している。
【0033】この基礎情報は、例えば図3に示すように、サービス要求の内容が「MPEG4映像再生」であり、サービス提供側情報に示されたコンテンツ内容が「MPEG2」であった場合には、この再生に必要なサービス利用側及びサービス提供側で実行されるプログラムモジュールを関連づけて格納している。この場合には例えば、サービス利用側にMPEG4再生モジュールが必要で、サービス提供側にMPEG2データからMPEG4データに変換するモジュールが必要であることを表している。また、サービス要求の内容が「電子商取引」であり、サービス提供側情報によりサービス提供側にセキュリティに関する機能がない場合には、セキュリティ機能を実現するためのSSL(Secure Socket Layor)通信を実現するモジュールや、個人認証のためのモジュールが特定される。
【0034】さらに、この基礎情報には、サービス提供側で実行されるものばかりでなく、サービス利用側で実行されるサービスモジュールも含まれる。例えばサービス提供側のコンテンツがMPEG4映像であり、サービス要求が「MPEG4映像再生」であると、サービス利用側で実行されるサービスモジュールであって、MPEG4再生のためのサービスモジュールが特定される。
【0035】要求条件データベース検索部22は、端末の情報をキーとして要求条件データベース24を検索し、基礎情報に表されたサービスモジュールのうち、サービス利用側に適合するサービスモジュールを表す参照情報としてのサービス利用側サービスモジュールキーを生成する。また、この要求条件データベース検索部22はサービス提供側の情報をキーとして要求条件データベース24を検索し、基礎情報に表されたサービスモジュールのうち、サービス提供側に適合するサービスモジュールに対する参照情報としてのサービス提供側サービスモジュールキーを生成する。さらに、この要求条件データベース検索部22は、これら適合するサービスモジュールをどのように組み合わせて配信するかを表す情報を組み合わせパラメータとしてサービス群検証部29に出力する。尚、以下の説明では、サービス利用側サービスモジュールキーとサービス提供側サービスモジュールキーとを合わせてサービスモジュールキーと略称する。
【0036】要求条件データベース管理部23は、要求条件データベース登録部25から入力されたデータに基づいて要求条件データベース24に格納されている要求条件データの編集処理を行う。要求条件データベース24は、図4に示すように、基礎情報と、サービス利用側情報及びサービス提供側情報とに関連づけて、適合するサービスモジュールの参照情報を設定している。尚、サービスモジュールが既存のサービスモジュールとの関係で不要である場合には、その旨が示されている。
【0037】要求条件データベース登録部25は、サービス創造サーバ16を管理する管理者から入力される情報に基づいてサービス利用側情報又はサービス提供側情報と、これらに対応する既存サービスとを要求条件データベース24に設定して格納する。
【0038】サービス要素データベース管理部26は、サービス要素データベース検索部27から入力される検索式情報を用いてサービス要素データベース17から対応するサービスモジュールを検索し、対応するサービスモジュールが検索されたならば、このサービスモジュールの格納場所を表す参照情報をダウンロード部28に出力する。サービス要素データベース検索部27は、要求条件データベース検索部22から入力されるサービスモジュールキーに基づいて、サービス要素データベース17を検索するための検索式情報を生成して、サービス要素データベース管理部26に出力する。
【0039】ダウンロード部28は、サービス要素データベース管理部26から入力された参照情報を用いて、サービス要素データベース17から対応するサービスモジュールをダウンロードして、サービス管理部30に出力し、サービス格納部31に格納させる。ここでサービス格納部31で格納されたサービスモジュールが本発明の拡張サービスモジュールに相当する。
【0040】サービス群検証部29は、サービス格納部31に格納されたサービスモジュール間の整合性を検証する。この検証は具体的には、各サービスモジュールが取り扱うことのできるデータ形式と、各サービスモジュールが出力するデータ形式とを調べることで実現できる。すなわち、MPEG2画像をMPEG4画像に変換して出力するサービスモジュールと、MPEG4画像を表示するサービスモジュールとは整合しているが、前者のMPEG4を出力する変換サービスモジュールと、モーションJPEG画像を表示するサービスモジュールとは整合していないと判断される。
【0041】また、このサービス群検証部29は、サービス格納部31に格納されたサービスモジュールが携帯電話機14やパーソナルコンピュータ15のブラウザ13等、各装置に既存のサービスモジュールと整合しているか否かを検証する。この検証は、各装置の現在の仮想環境を構築し、当該仮想環境内でサービス格納部31に格納されたサービスモジュールを実行して整合しているか否かをエミュレーションにより検証すればよい。このサービス群検証部29の処理が、本発明の仮想環境を構築する手段と、この仮想環境で拡張サービスモジュールを動作させる手段とに相当する。さらに、このサービス群検証部29は、これらの検証に成功して、サービス群が整合していると判断すると、送信制御部32に当該検証を完了したサービスモジュールを送信する指示を出力する。
【0042】サービス管理部30は、サービス格納部31に格納されているサービスモジュールをサービス要求とサービス利用側情報とサービス提供側情報とに関連づけて管理している。また、このサービス管理部30は、サービス群検証部29からサービスモジュールを取得する要求の入力を受けて、要求されたサービスモジュールをサービス群検証部29に出力する。さらに、このサービス管理部30は、送信制御部32からサービスモジュールを取得する要求の入力を受けて、当該要求されたサービスモジュールを出力する。サービス格納部31は、サービスモジュールを格納している。
【0043】送信制御部32は、サービス群検証部29からサービスモジュールを送信する指示の入力を受けて、当該指示されたサービスモジュールを取得する要求をサービス管理部30に出力して、サービスモジュールを取得し、関連するサービス要求をさらにサービス管理部30から取得して、これらを併せて、送信部33に出力して、サーバ12に対して送信させる。
【0044】このように、本実施の形態のネットワークシステムでは、サービス利用側としての携帯電話機14やパーソナルコンピュータ15が、ブラウザ13からサービスサイト11へのサービス要求に対し、端末情報を付加してサーバ12に送信し、サーバ12がこのサービス要求にサービス提供側情報をさらに付加してサービス創造サーバ16に当該サービス要求を送信する。サービス創造サーバ16では、このサービス要求を受信して、その内容を解析し、対応するサービスモジュールを特定するとともに、サービス利用側の現有サービスと、サービス提供側の現有サービスとを特定する。そして、対応するサービスモジュールを各データベースから取得して、上記特定した現有サービスとの整合性やサービスモジュール間の整合性を判断し、整合していれば、サービスモジュールを送信する。
【0045】ここで、サービスを享受する側の準備が整っていないのに、サービスの供給が開始されることを防止するために、この送信制御部32がサービスごとに事前に定義された依存関係に従い、サービスを受けるサービス利用側から順に送信するよう送信部33を制御することが好ましい。また、サービスモジュールがインストールされたか否かをシステム状態監視部18によって検出できるときには、検出結果に基づいて、例えばサービス利用側での準備が完了したことを検出してから、サービス提供側にサービスモジュールを送信したり、サービス提供側に対し、先にサービスモジュールを送信しておき、当該サービスモジュールによるサービス提供をこの検出の結果により開始制御することも好ましい。この送信制御部32の動作が本発明の配信順序を設定する手段に相当する。
【0046】このように、本実施の形態によれば、サービスに係るデータを処理するために必要なソフトウエアであるサービスモジュールがサービス提供側とサービス利用側とに配信されるため、サービスに係るデータを円滑に処理でき、サービスの提供をスムーズに行うことができる。
【0047】実施の形態2.本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムは、図5に示すように、サービスサイト11を含むサーバ12と、複数の中継ノード3と、ゲートウエイ4と、無線通信設備5と公衆電話回線設備6とを含む電話回線サービス7と、ブラウザ13を含む携帯電話機14と、ブラウザ13を含むパーソナルコンピュータ15と、サービス創造サーバ16と、サービス要素データベース17とから構成され、これらの構成要素は相互にネットワーク接続されている。
【0048】ここでサービス創造サーバ16は、図2に示した、第1の実施の形態のものと同様のものである。また、サービス要素データベース17は、図5に示したように、サーバサービスデータベース34と、端末サービスデータベース35と、ネットワークサービスデータベース36とから基本的に構成されている。尚、第1の実施の形態のものと同様の構成をとる部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。本実施の形態のネットワークシステムは、基本的には図1に示した第1の実施の形態に係るネットワークシステムと同様の構成をとるものであるが、中継ノード3及びゲートウエイ4の動作と、サービス創造サーバ16の動作とが若干異なる。
【0049】すなわち、本実施の形態においては、中継ノード3とゲートウエイ4とは、サービス利用側としての携帯電話機14やパーソナルコンピュータ15からサーバ12へ向かうサービス要求のデータに対し、それぞれの現有機能を表す情報(中間ノード情報)を付加しつつ中継動作を行う。
【0050】また、サービス創造サーバ16は、これら中間ノード情報に基づいて配信するサービスモジュールを選択する。具体的に中間ノード情報に示されたゲートウエイ4の情報により、電話回線網を介して授受される回線が9600bpsでのパケット交換(PDC等で用いられているもの)である場合には、サービス要求や、サービス提供側情報に応じて、必要であると判断される場合には、サーバ12に対して、データを圧縮するためのサービスモジュールを送信し、同様に、サービス利用側の情報に応じて、サービス利用側に対して、圧縮されたデータを伸長するためのサービスモジュールが配信される。これらのサービスモジュールについても、サービス群検証部29の働きにより、例えばLZH(Lampel-Zip-Huffman)圧縮するサービスモジュールがサービス提供側に対して配信されるときには、サービス利用側に配信される伸長用のサービスモジュールも、LZH圧縮に対応したものが選出される。
【0051】さらに、本実施の形態において特徴的なことは、サービス創造サーバ16が、サーバ12や携帯電話機14,パーソナルコンピュータ15ばかりでなく、中継ノード3やゲートウエイ4に対してもサービスモジュールを配信して、そのサービスを拡張することである。具体的に本実施の形態のサービス創造サーバ16は、サービス利用側から受信したサービス要求の内容により、中継ノード3やゲートウエイ4で必要となるサービスモジュールを特定し、中継ノード3等からの中間ノード情報から中継ノード3やゲートウエイ4の既存サービスとの比較により、送信すべきサービスモジュールをネットワークサービスデータベース36から取得して、整合性を検証し、整合性が検証されたならば、当該サービスモジュールを配信する。ここで、サービスモジュールの配信は、サービス利用側に近い側又はサーバ12に近い側から順に配信することが好ましい。
【0052】また、本実施の形態のサービス創造サーバ16は、システム状態監視部18により検出されたシステム状態の変化に応じて必要となるサービスモジュールを特定してサービス要求におけるのと同様にして、中継ノード3やゲートウエイ4の既存サービスとの関連において適切なサービスモジュールをネットワークサービスデータベース36から取得して配信する。
【0053】本実施の形態のネットワークシステムでは、サービス創造サーバ16が、ネットワーク上でサービスの授受が行われる経路全体に対し、必要なサービスモジュールを整合性に配慮しつつ配信するので、サービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0054】具体的に本実施の形態のネットワークシステムの動作について説明する。サービス利用側としてのパーソナルコンピュータ15が端末情報とともに、例えば電子商取引のサービス要求を電話回線を介してゲートウエイ4に出力すると、ゲートウエイ4がこのサービス要求に自己の中間ノード情報をさらに付して、サーバ12に複数の中継ノード3を介して送信する。ここで、各中継ノード3でも、対応する中間ノード情報が付加される。サーバ12は、複数の中継ノード3を介して受信したデータ(サービス要求、端末情報、複数の中間ノード情報からなるデータ)にサービス提供側情報を付加して、サービス創造サーバ16に送信する。
【0055】すると、サービス創造サーバ16がこのサービス要求と、端末情報、中間ノード情報及びサービス提供側情報に応じて、要求解析データベース21及び要求条件データベース24を参照して、必要なサービスモジュールを特定する。ここでは、電子商取引に必要なセキュリティを達成するための暗号化モジュールと、利用者認証モジュールと、確実なデータ伝送のための再送モジュールとが特定されたとする。
【0056】サービス創造サーバ16は、これら特定したサービスモジュールをサービス要素データベース17のサーバサービスデータベース34と、端末サービスデータベース35と、ネットワークサービスデータベース36から各々取得して、サービス利用側としてのパーソナルコンピュータ15と、中間ノード情報に示された中継ノード3及びゲートウエイ4と、サーバ12とに対応するサービスモジュールを配信する。
【0057】そして、パーソナルコンピュータ15と、サーバ12とには、データを暗号化して送受するための暗号化モジュールと、利用者を認証するための認証モジュールとが配信されて、そのサービスの授受が可能になり、また、各中継ノード3とゲートウエイ4とには、再送モジュールが配信されてデータの再送が行われるようになり、確実なデータ伝送のサービスを利用者が享受できる。
【0058】さらに、本実施形態において特徴的なことは、サービス利用側及びサービス提供側に配信されるサービスモジュールを特定する際に、中間ノード情報が配慮されることである。具体的には、ゲートウエイ4が通信速度9600bpsにてサービス利用側と通信していることを表す中間ノード情報を付加したときには、サービス創造サーバ16はこの通信速度に適合したサービスモジュールを配信することになる。
【0059】このように、本実施形態のサービス創造サーバ16は、ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に対し、中継ノード3やゲートウエイ4等の中継局を介して所定のサービスが提供されるシステムに接続され、サービス提供側の現有サービス提供機能、中継局の現有サービス提供機能、サービス利用側の現有サービス利用機能の少なくともいずれかを既存サービス構成として認識する手段と、所定のサービスの内容と認識の結果とに応じて、サービス提供側、中継局、サービス利用側の少なくともいずれかの既存サービス構成を拡張的に変更する手段と、を含むことが特徴的である。
【0060】また、別の視点からは、本実施形態のサービス創造サーバ16は、ネットワーク上の中継局を介してサービス利用側からサービス提供側に対して送信されるサービス要求又はネットワークの状態情報を取得するシステム状態監視部18及び要求受信部19に相当する取得手段と、サービス要求又はネットワークの状態情報に応じて、必要となるサービスモジュールを拡張サービスモジュールとして選択する要求解析部20,要求条件データベース検索部22等からなる選択手段と、選択された拡張サービスモジュールをサービス提供側、中継局、サービス利用側の少なくともいずれかに対して配信する送信制御部32等の配信手段とを含むことが特徴的である。ここで、拡張サービスモジュールを選択する際に要求条件データベース検索部22等がサービス利用側、中継局、サービス提供側の各々での現有サービスモジュールを既存サービスモジュールの情報として特定し、これらの情報に配慮することが好ましい。
【0061】さらに、選出された拡張サービスモジュールの各々の間の第1整合性又は当該拡張サービスモジュールの各々と、既存サービスモジュールとの第2整合性の少なくとも一方を検証するサービス群検証部29に相当する検証手段をさらに含むことが好適である。
【0062】尚、本発明の第1,第2の実施の形態におけるサービス創造サーバ16は、サービスモジュールの配信をサーバ12を介して行うようにしておくことも好ましい。このようにすることで、利用者はサービス創造サーバ16の存在を意識する必要がなく、サーバ12に対してのみアクセスすれば、適切なサービスモジュールの組み合わせが配信されてサービスを享受することができるようになり、利便性を向上できる。
【0063】このように、本発明の第1,第2の実施の形態のネットワークシステムでは、サービスモジュールをサービス要素データベース17にて一局管理しており、バージョンアップ時の混乱を防止できる。また、このサービスモジュールの配信はサービス創造サーバ16からしか行われないため、他に悪質なサービスモジュール配信者(ウイルス等を混入したサービスモジュールを配信する者等)がいても、サーバ12がサービス創造サーバ16を常に利用することで、セキュリティを向上できる。
【0064】さらに、本発明の第1,第2の実施の形態のネットワークシステムでは、サービス創造サーバ16が、サービスモジュールを配信する先の現有サービス提供/利用機能(既存モジュール)との整合性に配慮しているため、思わぬコンフリクトを避けることができる。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に所定のサービスが提供されるシステムに接続され、サービス提供側の現有サービス提供機能及びサービス利用側の現有サービス利用機能の少なくとも一方を既存サービス構成として認識し、所定のサービスの内容と認識の結果とに応じて、サービス提供側又はサービス利用側の少なくとも一方の既存サービス構成を拡張的に変更するサービス創造サーバとしているので、ネットワークを介して行われるサービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0066】請求項2記載の発明によれば、ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に所定のサービスが提供されるシステムに接続され、サービス提供側の現有サービス提供機能及びサービス利用側の現有サービス利用機能の少なくとも一方を既存サービス構成として認識し、所定のサービスの内容と認識の結果とに応じて、サービス提供側又はサービス利用側の少なくとも一方の既存サービス構成を拡張的に変更するためのサービスモジュールを選出し、サービス提供側とサービス利用側との少なくとも一方に対して選出したサービスモジュールを提供するサービス創造サーバとしているので、ネットワークを介して行われるサービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0067】請求項3記載の発明によれば、サービス利用側からサービス提供側に対してのサービス要求を取得し、サービス要求に応じて必要なサービスモジュールを選択して配信するサービス創造サーバとしているので、ネットワークを介してソフトウエアにて行われるサービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0068】請求項4記載の発明によれば、サービス利用側からサービス提供側に対してのサービス要求を取得し、サービス利用側とサービス提供側との既存サービスモジュールを特定し、特定した既存サービスモジュールの情報とサービス要求とに応じて必要なサービスモジュールを選択して配信するサービス創造サーバとしているので、ネットワークを介してソフトウエアにて行われるサービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0069】請求項5記載の発明によれば、拡張サービスモジュール群の間又は拡張サービスモジュールと既存サービスモジュールとの整合性を検証する請求項3又は4記載のサービス創造サーバとしているので、思わぬコンフリクトの発生を防ぎつつ、ネットワークを介してソフトウエアにて行われるサービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0070】請求項6記載の発明によれば、サービス提供側及びサービス利用側のシステムの仮想環境を構築し、この仮想環境で拡張サービスモジュール群を動作させて検証を行う請求項5記載のサービス創造サーバとしているので、拡張サービスモジュール間及び既存サービスモジュールとの間での思わぬコンフリクトの発生を防ぎつつ、ネットワークを介してソフトウエアにて行われるサービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0071】請求項7記載の発明によれば、モジュールの配信順序を設定し、この配信順序で配信を行う請求項3乃至6記載のサービス創造サーバとしているので、ネットワークを介してソフトウエアにて行われるサービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0072】請求項8記載の発明によれば、サービス利用側から配信を開始するよう設定し、サービス提供側に対して最後に配信を行うサービス創造サーバとしているので、ネットワークを介してソフトウエアにて行われるサービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0073】請求項9記載の発明によれば、ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に所定のサービスが提供されるシステムに接続され、サービス提供側の現有サービス提供機能、中継局の現有サービス提供機能、サービス利用側の現有サービス利用機能のいずれかを既存サービス構成として認識し、所定のサービスの内容と認識の結果とに応じて、サービス提供側、中継局、サービス利用側のいずれかの既存サービス構成を拡張的に変更するサービス創造サーバとしているので、ネットワークを介して行われるサービスの授受をスムーズに行うことができる。
【0074】請求項10記載の発明によれば、サービス提供側装置がネットワークを介して要求されたサービスを提供し、サービス利用側装置がサービス要求を出力し、サービス創造サーバがサービス提供側の現有サービス提供機能及びサービス利用側の現有サービス利用機能の少なくとも一方を既存サービス構成として認識し、サービス要求と既存サービス構成の認識結果とに応じて、サービス提供側装置又はサービス利用側装置の既存サービス構成を拡張的に変更するネットワークシステムとしているので、サービス提供側装置とサービス利用側装置との間でのサービスの授受をスムーズにできる。
【0075】請求項11記載の発明によれば、サービス利用側からサービス提供側に対するサービス要求と、サービス利用側とサービス提供側との現有サービス機能に応じてサービス利用側又はサービス提供側の少なくとも一方に対して要求されたサービスの授受のためのソフトウエアが配信されるネットワークシステムとしているので、ネットワークを介して行われるサービスの授受をスムーズにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成ブロック図である。
【図2】 サービス創造サーバの構成ブロック図である。
【図3】 要求解析データベースに格納されているテーブルの一例を表す説明図である。
【図4】 要求条件データベースに格納されているデータの一例を表す説明図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムの構成ブロック図である。
【図6】 従来のネットワークシステムの構成ブロック図である。
【図7】 従来のブラウザでの処理設定の一例を表す説明図である。
【符号の説明】
1,11 サービスサイト、2,12 サーバ、3 中継ノード、4 ゲートウエイ、5 無線通信設備、6 公衆電話回線設備、7 電話回線サービス、8,13 ブラウザ、9,14 携帯電話機、10,15 パーソナルコンピュータ、16 サービス創造サーバ、17 サービス要素データベース、18 システム状態監視部、19 要求受信部、20 要求解析部、21 要求解析データベース、22 要求条件データベース検索部、23 要求条件データベース管理部、24 要求条件データベース、25 要求条件データベース登録部、26サービス要素データベース管理部、27 サービス要素データベース検索部、28 ダウンロード部、29 サービス群検証部、30 サービス管理部、31サービス格納部、32 送信制御部、33 送信部、34 サーバサービスデータベース、35 端末サービスデータベース、36 ネットワークサービスデータベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に所定のサービスが提供されるシステムに接続されたサービス創造サーバであって、前記サービス提供側の現有サービス提供機能及び前記サービス利用側の現有サービス利用機能の少なくとも一方を既存サービス構成として認識する手段と、前記所定のサービスの内容と前記認識の結果とに応じて、前記サービス提供側又はサービス利用側の少なくとも一方の既存サービス構成を拡張的に変更する手段と、を含むことを特徴とするサービス創造サーバ。
【請求項2】 ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に所定のサービスが提供されるシステムに接続されたサービス創造サーバであって、前記サービス提供側の現有サービス提供機能と前記サービス利用側の現有サービス利用機能とを既存サービス構成として認識する手段と、前記所定のサービスの内容と前記認識の結果とに応じて、前記サービス提供側とサービス利用側の少なくとも一方の既存サービス構成を拡張的に変更するためのサービスモジュールを選出する手段と、前記サービスモジュールを前記サービス提供側とサービス利用側と少なくとも一方に提供する手段と、を含むことを特徴とするサービス創造サーバ。
【請求項3】 ネットワークを介してサービス利用側からサービス提供側に対してのサービス要求を取得する取得手段と、前記サービス要求に応じて、当該サービスの提供に際して必要となるサービスモジュールを拡張サービスモジュールとして選択する選択手段と、前記選択された拡張サービスモジュールを前記サービス提供側又はサービス利用側の少なくとも一方に対して配信する配信手段と、を含むことを特徴とするサービス創造サーバ。
【請求項4】 ネットワークを介してサービス利用側からサービス提供側に対してのサービス要求を取得する取得手段と、前記サービス利用側と、サービス提供側との現有サービスモジュールを既存サービスモジュールの情報として特定する手段と、前記サービス要求と既存サービスモジュール情報とに応じて、当該サービスの提供及び利用に際して必要となる拡張サービスモジュール群を選出する手段と、前記拡張サービスモジュールを前記サービス提供側又はサービス利用側の少なくとも一方に対して配信する手段と、を含むことを特徴とするサービス創造サーバ。
【請求項5】 選出された拡張サービスモジュールの各々の間の第1整合性又は当該拡張サービスモジュールの各々と、既存サービスモジュールとの第2整合性の少なくとも一方を検証する検証手段をさらに含むことを特徴とする請求項3又は4記載のサービス創造サーバ。
【請求項6】 前記検証手段は、サービス提供側及びサービス利用側からなるシステムの仮想環境を構築する手段と、前記仮想環境で前記拡張サービスモジュール群を動作させる手段と、を含み、当該仮想環境での動作不具合の有無を検出して、整合性を検証することを特徴とする請求項5記載のサービス創造サーバ。
【請求項7】 前記配信手段は、前記選択手段で特定された各モジュールの配信順序を設定する手段と、前記設定に基づいて各モジュールを配信する手段と、を含むことを特徴とする請求項3乃至6記載のサービス創造サーバ。
【請求項8】 前記配信順序を設定する手段は、サービス利用側から配信を開始するよう設定し、サービス提供側に対して最後に配信を行うよう設定することを特徴とする請求項7記載のサービス創造サーバ。
【請求項9】 ネットワークを介してサービス提供側からサービス利用側に対し、中継局を介して所定のサービスが提供されるシステムに接続されたサービス創造サーバであって、少なくとも前記サービス提供側の現有サービス提供機能又は中継局の現有サービス提供機能又はサービス利用側の現有サービス利用機能のいずれかを既存サービス構成として認識する手段と、少なくとも前記所定のサービスの内容と認識の結果とに応じて、サービス提供側又は中継局又はサービス利用側のいずれかの既存サービス構成を拡張的に変更する手段と、を含むことを特徴とするサービス創造サーバ。
【請求項10】 ネットワークを介して要求されたサービスを提供するサービス提供側装置と、前記サービス提供側装置に対しサービス要求を出力して、サービスを享受するサービス利用側装置と、サービス創造サーバとを含み、前記サービス創造サーバは、前記サービス提供側の現有サービス提供機能及び前記サービス利用側の現有サービス利用機能の少なくとも一方を既存サービス構成として認識する手段と、前記サービス要求の内容と前記認識の結果とに応じて、前記サービス提供側又はサービス利用側の少なくとも一方の既存サービス構成を拡張的に変更する手段と、を含むことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項11】 サービス利用側からサービス提供側に対するサービス要求と、前記サービス利用側とサービス提供側との現有サービス機能とに応じて、前記サービス提供側とサービス利用側の少なくとも一方に対して、当該要求されたサービスの提供のためのソフトウエアが配信されることを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2001−265685(P2001−265685A)
【公開日】平成13年9月28日(2001.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−78649(P2000−78649)
【出願日】平成12年3月21日(2000.3.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】