説明

サービス情報管理システム、方法、端末装置、店舗端末およびプログラム

【課題】システム導入時のコストを削減することができ、個人商店の独自のサービスを容易に提供することができるサービス情報管理システムを提供する。
【解決手段】サービス情報管理システムは、端末装置1および店舗端末2を有する。端末装置1は、近距離無線通信を行う第1の近距離無線通信部と、サービス情報管理ソフトウェアに従って、会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理する第1のソフトウェア実行部と、を有する。店舗端末2は、近距離無線通信を行う第2の近距離無線通信部と、サービス運用管理ソフトウェアに従って、会員制サービスの運用および管理を行う第2のソフトウェア実行部と、を有する。第1および第2の近距離無線通信部の間で無線通信が確立すると、第1および第2のソフトウェア実行部が連携して動作してサービス処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店毎に提供される会員制サービスの情報を一元管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、提携している複数の店舗でポイントを共通に使える会員制ポイントカードを用いたサービスが提供されている。このサービスを提供するシステムは、サービス事業者が管理する中央処理装置と、提携店舗毎に設置された専用端末とから構成される。各専用端末は、通信線を介して中央処理装置と接続されており、会員制ポイントカードから読み出したポイント情報を中央処理装置に送信したり、中央処理装置から受信したポイント処理結果に基づいて会員制ポイントカード内のポイント情報を更新したりする。
【0003】
上記の会員制ポイントカードを用いたサービスによれば、店舗毎にカードを作製する必要がなく、1枚の会員制ポイントカードを用いて各店舗で自由にポイントを使用することができるので、顧客の利便性が向上する。
【0004】
ポイントカードに代えて非接触型ICチップを備えた携帯電話機を用いてポイントや付加サービスの情報を一元管理するシステムも提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、複数種類の電子マネー情報を1台の携帯電話機を用いて一元管理することができる、電子マネー決済システムが記載されている。
【0006】
電子マネー決済システムは、非接触型ICチップを備えた携帯電話機と、非接触型ICチップとの近距離無線通信が可能な電子マネー決済端末と、各種の電子マネーそれぞれに対応する付加サービスの情報を電子マネー決済端末に送信するサーバ装置とを有する。
【0007】
非接触型ICチップは、複数種類の電子マネー情報を保持している。電子マネー情報は、電子マネーの種類を識別するための識別情報と、その電子マネーの残高を示す残高情報と、その電子マネーに対応する付加サービス情報とを含む。付加サービス情報は、ポイントやクーポンの情報を含む。
【0008】
電子マネー決済端末は、サーバ装置から供給される各種の電子マネーの付加サービス情報を保持する。付加サービス情報を取得する場合は、顧客は、所持している携帯電話機を電子マネー決済端末に近付けて、非接触型ICチップと電子マネー決済端末の間で近距離無線通信を確立させる。通信の確立後、電子マネー決済端末は、非接触型ICチップに保持されている電子マネー情報を取得し、自端末で保持している付加サービス情報のうちからその電子マネー情報に対応する付加サービス情報の新着情報を確認する。そして、新着情報が有る場合は、電子マネー決済端末は、その新着情報を非接触型ICチップに書き込む。
【0009】
商品を購入する際に、顧客は、所持している携帯電話機を電子マネー決済端末に近付けて、非接触型ICチップと電子マネー決済端末の間で近距離無線通信を確立させる。通信の確立後、電子マネー決済端末は、非接触型ICチップに保持されている電子マネー情報のうちから決済に必要な電子マネー情報を取得し、その取得した電子マネー情報を利用して決済を行う。この決済の処理において、ポイントやクーポンを利用する場合は、電子マネー決済端末は、取得した電子マネー情報に含まれている付加サービス情報に基づいてポイントの支払いやクーポンを用いた割引の処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−230626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の会員制ポイントカードを用いたサービスにおいては、提携店舗毎に専用端末を設置する必要がある。専用端末は汎用性が低く、高価であるため、顧客がよく利用する身近な販売店や飲食店などの個人商店がそのサービスを利用する場合には、システム導入のコストが高い。
【0012】
加えて、個人商店では、リピータ確保のために、独自のサービスとして、クーポン等の付加サービスを提供しているが、そのような付加サービスを会員制ポイントカードで管理することはできない。このような理由から、会員制ポイントカードを用いたサービスは、主に、大型チェーン店において利用さているのが現状である。
【0013】
特許文献1に記載の電子マネー決済システムにおいても、電子マネー決済端末は、汎用性のない専用端末であるため、個人商店にとっては、システム導入時のコストが高い。
【0014】
また、個人商店の経営者は、システムの運用者と提携する必要がある。通常、提携には制約条件があるために、個人商店のサービスの運用が制限され、提供するサービスの自由度が低い。
【0015】
本発明の目的は、上記問題を解決し、システム導入時のコストを削減することができ、個人商店の独自のサービスを容易に提供することができる、サービス情報管理システム、方法、端末装置、店舗端末およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明のサービス情報管理システムは、
顧客が使用する端末装置と、
前記顧客に会員制サービスを提供する店舗が使用する店舗端末と、を有し、
前記端末装置は、
前記店舗端末と所定の距離の範囲内で無線通信を行う第1の近距離無線通信部と、
情報を格納する記憶部と、
サービス情報管理ソフトウェアに従って前記会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に前記記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理する第1のソフトウェア実行部と、を有し、
前記店舗端末は、
前記第1の近距離無線通信部と所定の距離の範囲内で無線通信を行う第2の近距離無線通信部と、
サービス運用管理ソフトウェアに従って前記会員制サービスの運用および管理を行う第2のソフトウェア実行部と、を有し、
前記第1および第2の近距離無線通信部の間で無線通信が確立すると、前記第1および第2のソフトウェア実行部が連携して動作し、その後、前記第2のソフトウェア実行部が、サービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する。
【0017】
本発明のサービス情報管理方法は、
端末装置の第1のソフトウェア実行部が、サービス情報管理ソフトウェアに従って店舗が提供する会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に記憶部に格納して管理し、
前記店舗が使用する店舗端末の第2のソフトウェア実行部が、サービス運用管理ソフトウェアに従って前記会員制サービスの運用および管理を行い、
前記端末装置の近距離無線通信部と前記店舗端末の近距離無線通信部との間で無線通信が確立すると、前記第1および第2のソフトウェア実行部が連携して動作し、その後、前記第2のソフトウェア実行部が、サービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新することを含む。
【0018】
本発明の端末装置は、
顧客に会員制サービスを提供する店舗に設置された、サービス運用管理ソフトウェアに従って顧客に提供する会員制サービスの運用および管理を行う運用管理ソフトウェア実行部を備える店舗端末との間で、所定の距離の範囲内で無線通信を行う近距離無線通信部と、
情報を格納する記憶部と、
サービス情報管理ソフトウェアに従って、前記会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に前記記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理するソフトウェア実行部と、を有し、
前記ソフトウェア実行部は、前記無線通信が確立すると、前記店舗端末の前記運用管理ソフトウェア実行部と連携して動作し、該運用管理ソフトウェア実行部に、サービス処理を実行する旨の入力を受け付け、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する処理を行わせる。
【0019】
本発明の店舗端末は、
サービス情報管理ソフトウェアに従って、会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理する管理ソフトウェア実行部を備えた、顧客が使用すると端末装置との間で、所定の距離の範囲内で無線通信を行う近距離無線通信部と、
サービス運用管理ソフトウェアに従って顧客に提供する会員制サービスの運用および管理を行う運用管理ソフトウェア実行部と、を有し、
前記運用管理ソフトウェア実行部は、前記無線通信が確立すると、前記端末装置の前記管理ソフトウェア実行部と連携して動作し、その後、サービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する。
【0020】
本発明のプログラムは、
顧客に会員制サービスを提供する店舗に設置された、サービス運用管理ソフトウェアに従って顧客に提供する会員制サービスの運用および管理を行う運用管理ソフトウェア実行部を備える店舗端末との間で、距離の範囲内で無線通信を行う端末装置のコンピュータに、
前記会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理する処理と、
前記無線通信が確立すると、前記店舗端末の前記運用管理ソフトウェア実行部と連携して動作し、該運用管理ソフトウェア実行部に、サービス処理を実行する旨の入力を受け付け、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する処理を行わせる処理と、を実行させる。
【0021】
本発明の別のプログラムは、
サービス情報管理ソフトウェアに従って、会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理する管理ソフトウェア実行部を備えた、顧客が使用すると端末装置との間で、所定の距離の範囲内で無線通信を行う店舗端末のコンピュータに、
前記無線通信が確立すると、前記端末装置の前記管理ソフトウェア実行部と連携して動作し、その後、サービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、システム導入時のコストを削減することができ、個人商店の独自のサービスを容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態のサービス情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すサービス情報管理システムの端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すサービス情報管理システムの店舗端末の構成を示すブロック図である。
【図4】顧客の会員登録の処理の一手順を示すフローチャートである。
【図5】サービス情報一覧表示の処理の一手順を示すフローチャートである。
【図6】付加サービス情報の登録処理の一手順を示すフローチャートである。
【図7】サービス処理の一手順を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第2の実施形態であるサービス情報管理システムの携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態のサービス情報管理システムのPC端末の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態のサービス情報管理システムの動作を説明するための模式図である。
【図11】会員登録店舗情報フォーマット格納部に保持された転送データフォーマットの一例を説明するための図である。
【図12】転送データフォーマットを使用して送信される会員登録店舗情報と会員制サービス情報の読み書き用のデータフォーマットを使用して読み書きされる会員制サービス情報との項目の対応関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態であるサービス情報管理システムの構成を示し、図2および図3はそれぞれ、そのサービス情報管理システムの端末装置および店舗端末の構成を示す。
【0026】
図1に示すように、サービス情報管理システムは、顧客が使用する端末装置1と、店舗毎に設置された店舗端末2とから構成される。
【0027】
まず、図1および図2を参照して端末装置1の構成を説明する。
【0028】
端末装置1は、ソフトウェア実行部10、入力部11、表示部12、近距離無線通信部13、および記憶部14を有する。
【0029】
入力部11は、電源ボタンや操作キー等を含み、使用者による入力操作を受け付けて指示信号を出力する。表示部12は、液晶ディスプレイ等である。入力部11の操作キーに代えて、タッチパネルを用いてもよい。
【0030】
記憶部14は、半導体メモリ等の記憶装置であって、サービス情報管理ソフトウェア140、サービス情報格納部141およびサービス情報フォーマット格納部142を有する。
【0031】
サービス情報管理ソフトウェア140は、店舗端末2側のサービス運用管理ソフトウェアと連携して、会員制サービスに伴うサービス関連処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。会員制サービスは、商品の購入代金の支払いに利用可能な会員制ポイント(以下、単にポイントと称す。)を利用するサービスや商品の購入時に利用可能なクーポン等を利用する付加サービスの少なくとも1つを含む。サービス関連処理は、会員登録処理、ポイントの加減処理、クーポン等の付加サービスの情報の取得処理、認証処理、サービス情報一覧表示処理等を含む。コンピュータはサービス情報管理ソフトウェア140に従ってそれらの処理を適宜に実行する。
【0032】
サービス情報格納部141は、サービス関連処理の各処理で必要となる会員制サービス情報、例えば、サービス情報(ポイント、クーポン等)、パスワード、会員情報(会員番号、登録情報等)、制限情報(有効期限、回数制限等)、店舗情報(店舗端末識別情報、店舗名称、住所、電話、営業時間、位置情報等)等を店舗毎に保持する。店舗端末識別情報または店舗名称に基づいて、会員制サービス情報を特定することができる。
【0033】
サービス情報フォーマット格納部142は、会員制サービス情報の読み書きの際に使用するデータフォーマットを保持する。このデータフォーマットは、後述の店舗端末2の説明で記載されているように、店舗端末2側で使用される会員登録店舗情報のデータフォーマットとの間で、情報の対応付けがなされている。
【0034】
近距離無線通信部13は、所定の距離の範囲内で無線通信を行うものであって、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)の通信方式(電磁誘導方式や電波方式)や、Bluetooth、赤外線通信等を用いることができる。
【0035】
ソフトウェア実行部10は、コンピュータであって、サービス情報管理ソフトウェア140を含む種々のソフトウェア(プログラム)を実行することができる。ソフトウェア実行部10は、入力部11から特定の指示信号を受け取ると、サービス情報管理ソフトウェア140を実行し、このサービス情報管理ソフトウェア140に従って上述したサービス関連処理を実行する。例えば、サービス関連処理のうちのサービス情報一覧表示処理において、ソフトウェア実行部10は、サービス情報フォーマット格納部142に保持されているフォーマットに基づいてテーブルを作成し、そのテーブルに従って会員制サービス情報の一覧を表示部12に表示する。
【0036】
特定の指示信号は、端末装置1の電源を投入したことを示す信号や、サービス関連処理を実行するための所定の入力操作を受け付けたことを示す信号である。この他、近距離無線通信部13が店舗端末2との間で近距離無線通信を確立した場合に、ソフトウェア実行部10が、サービス情報管理ソフトウェア140に基づくサービス関連処理を実行してもよい。
【0037】
なお、サービス情報管理ソフトウェア140は、サービス情報管理システムの運用者によって提供される。例えば、サービス情報管理ソフトウェア140は、USB(Universal Serial Bus)メモリやメモリカードなどの記録媒体を介して提供されてもよく、インターネット等のネットワークを通じて提供されてもよい。前者の場合は、端末装置1は、記録媒体を再生する手段を備え、記録媒体からサービス情報管理ソフトウェア140を読み出して記憶部14に格納する。後者の場合は、端末装置1は、インターネットに接続するための手段を備え、予め与えられたアドレス情報に基づいてサービス情報管理ソフトウェア140を提供しているサイトへアクセスし、そこからサービス情報管理ソフトウェア140を入手する。
【0038】
次に、図1および図3を参照して店舗端末2の構成を説明する。
【0039】
店舗端末2は、パーソナルコンピュータに代表される汎用性の高いコンピュータ装置であって、ソフトウェア実行部20、入力部21、表示部22、近距離無線通信部23、および記憶部24を有する。
【0040】
入力部21、表示部22および近距離無線通信部23は、端末装置1の入力部11、表示部12、近距離無線通信部13と同様のものである。
【0041】
記憶部21は、半導体メモリ等の記憶装置であって、サービス運用管理ソフトウェア240、会員登録店舗情報格納部241および会員登録店舗情報フォーマット格納部242を有する。
【0042】
サービス情報管理ソフトウェア240は、端末装置1側のサービス情報管理ソフトウェア140と連携してサービス関連処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0043】
会員登録店舗情報格納部241は、サービス関連処理の各処理で必要となる会員登録店舗情報を保持する。会員登録店舗情報は、例えば、サービス情報(ポイント、クーポン等)、パスワード、会員情報(会員番号、登録情報等)、制限情報(有効期限、回数制限等)、店舗情報(店舗端末識別情報、店舗名称、住所、電話、営業時間、位置情報等)、利用情報等を含む。
【0044】
会員登録店舗情報フォーマット格納部242は、会員登録店舗情報の一部(サービス情報)を端末装置1へ供給する場合に使用する転送データフォーマットを保持する。転送データフォーマットは、各店舗端末2の間で共通のフォーマットである。
【0045】
ソフトウェア実行部20は、コンピュータであって、サービス情報管理ソフトウェア240を含む種々のソフトウェア(プログラム)を実行することができる。ソフトウェア実行部20は、入力部21から特定の指示信号を受け取ると、サービス情報管理ソフトウェア240を実行し、このサービス情報管理ソフトウェア240に従ってサービス関連処理を実行する。
【0046】
特定の指示信号は、店舗端末2の電源を投入したことを示す信号や、サービス関連処理を実行するための所定の入力操作を受け付けたことを示す信号である。この他、近距離無線通信部23が端末装置1との間で近距離無線通信を確立した場合に、ソフトウェア実行部20が、サービス情報管理ソフトウェア240を実行してもよい。
【0047】
なお、サービス情報管理ソフトウェア240は、サービス情報管理システムの運用者によって提供される。例えば、サービス情報管理ソフトウェア240は、CD−ROM、DVD、USBメモリ、メモリカードなどの記録媒体を介して提供されてもよく、インターネット等のネットワークを通じて提供されてもよい。前者の場合は、店舗端末2は、記録媒体を再生する手段を備え、記録媒体からサービス情報管理ソフトウェア240を読み出して記憶部24に格納する。後者の場合は、店舗端末2は、インターネットに接続するための手段を備え、予め与えられたアドレス情報に基づいてサービス情報管理ソフトウェア240を提供しているサイトへアクセスし、そこからサービス情報管理ソフトウェア240を入手する。
【0048】
図11に、会員登録店舗情報フォーマット格納部242に保持された転送データフォーマットの一例を示す。
【0049】
図11に示すように、転送データフォーマットは、会員側で設定する情報(会員情報、パスワード、制限情報、サービス情報など)と店舗側で設定する(店舗情報、利用情報など)とを規定したものである。ソフトウェア実行部20は、サービス関連処理の実行過程において、転送データフォーマットに従って、会員登録店舗情報を端末装置1へ送信する。
【0050】
図12に、転送データフォーマットを使用して送信される会員登録店舗情報と、サービス情報フォーマット格納部142に保持された、会員制サービス情報の読み書き用のデータフォーマットを使用して読み書きされる会員制サービス情報との対応付けの一例を模式的に示す。図12に示すように、読み書き用のデータフォーマットは、会員登録店舗情報の各項目を詳細に規定したものである。
【0051】
次に、本実施形態のサービス情報管理システムの動作を説明する。
【0052】
(1)会員登録:
図4に、顧客の会員登録の処理の一手順を示す。以下、図1〜図4を参照して、店舗Aへの会員登録の処理を説明する。なお、以下の説明において、顧客は、顧客情報(氏名や住所など)やパスワードを端末装置1に予め登録しているものと仮定する。
【0053】
顧客が、自身が所持している端末装置1の入力部11にて、サービス情報管理ソフトウェア140を実行するための入力操作を行うと、ソフトウェア実行部10が、記憶部14からサービス情報管理ソフトウェア140を読み出して実行する(ステップS10)。
【0054】
次に、ソフトウェア実行部10が、メニュー画面を表示部12に表示させる(ステップS11)。メニュー画面は、例えば、会員登録、サービス情報一覧表示、サービス情報更新などの項目を含む。
【0055】
次に、ソフトウェア実行部10が、メニュー画面の会員登録の項目が選択されたか否かを判定する(ステップS12)。顧客が入力部11にて会員登録の項目を選択するための入力操作を行うと、入力部11が、会員登録が選択されたことを示す項目選択信号をソフトウェア実行部10へ出力する。ソフトウェア実行部10は、項目選択信号に基づいてメニュー画面の会員登録の項目が選択されたことを認識する。
【0056】
会員登録の項目が選択されると、続いて、ソフトウェア実行部10が、近距離無線通信が確立したか否かを判定する(ステップS13)。例えば、顧客が端末装置1を店舗Aの店舗端末2に近付けると、近距離無線通信部13が店舗端末2の近距離無線通信部23との間で近距離無線通信を確立し、通信確立信号をソフトウェア実行部10に供給する。ソフトウェア実行部10は、通信確立信号に基づいて近距離無線通信の確立を認識する。
【0057】
近距離無線通信の確立後、ソフトウェア実行部10が、店舗端末2のソフトウェア実行部20と連携して会員登録処理を実行する(ステップS14)。
【0058】
会員登録処理において、ソフトウェア実行部20が、ソフトウェア実行部10に対して顧客情報(氏名や住所など)やパスワードなどの送信を要求し、該要求に応じて、ソフトウェア実行部10が、記憶部14に予め登録されている顧客情報やパスワードをソフトウェア実行部20へ供給する。
【0059】
次に、ソフトウェア実行部20が、ソフトウェア実行部10から受信した顧客情報やパスワードを記憶部24の会員登録店舗情報格納部241に格納する。顧客情報およびパスワードは、顧客毎に、会員登録店舗情報格納部241に格納される。
【0060】
次に、ソフトウェア実行部20が、会員登録店舗情報格納部241に保持されている会員登録店舗情報のうち、サービス情報(ポイント情報、付加サービス情報等)や店舗情報、を、会員登録店舗情報フォーマット格納部242の転送データフォーマットで、ソフトウェア実行部10に供給する。
【0061】
最後に、ソフトウェア実行部10が、ソフトウェア実行部20から受信したサービス情報や店舗情報を店舗毎に記憶部14のサービス情報格納部141に格納する。換言すると、会員登録店舗情報格納部241に保持されているサービス情報や店舗情報が、会員登録店舗情報フォーマット格納部242の転送データフォーマットでサービス情報格納部141に格納される。
【0062】
なお、ステップS12において、メニュー画面の表示時点から所定の時間内に項目選択信号を受信しなかった場合、または、ステップS14において、会員登録の項目が選択された時点から所定の時間内に通信確立信号を受信しなかった場合は、ソフトウェア実行部10が、所定のメッセージを表示部12に表示させる(ステップS15)。所定のメッセージは、例えば、会員登録を行うための操作を再実行することを通知するためのメッセージである。
【0063】
(2)サービス情報一覧表示:
図5に、サービス情報一覧表示の処理の一手順を示す。以下、図1〜図3、図5を参照して、サービス情報一覧表示の処理を説明する。
【0064】
ステップS20のサービス情報管理ソフトウェアの実行、ステップS21のメニュー画面の表示は、図4に示したステップS10、S20と同じである。
【0065】
メニュー画面の表示後、ソフトウェア実行部10が、メニュー画面のサービス情報一覧表示の項目が選択されたか否かを判定する(ステップS22)。顧客が入力部11にてサービス情報一覧表示の項目を選択するための入力操作を行うと、入力部11が、サービス情報一覧表示が選択されたことを示す項目選択信号をソフトウェア実行部10へ出力する。ソフトウェア実行部10は、項目選択信号に基づいてメニュー画面の会員登録の項目が選択されたことを認識する。
【0066】
次に、ソフトウェア実行部10が、記憶部14のサービス情報格納部141に、会員制サービス情報が登録されているか否かを判定する(ステップS23)。
【0067】
会員制サービス情報が登録されている場合は、ソフトウェア実行部10が、サービス情報格納部141に登録されている全ての会員制サービス情報を読み出し(ステップS24)、サービス情報フォーマット格納部142に格納されているサービス情報フォーマットに基づいて、その読み出した会員制サービス情報を一覧表示するためのテーブルを作成する(ステップS25)。そして、ソフトウェア実行部10が、その作成したテーブルに基づくサービス情報一覧を表示部12に表示させる(ステップS26)。このサービス情報一覧の表示において、店舗毎に、店舗情報(店舗名称、住所、電話番号など)、ポイント情報、有効期限、履歴、クーポン情報などを表示してもよい。
【0068】
なお、ステップS22において、メニュー画面の表示時点から所定の時間内に項目選択信号を受信しなかった場合、または、ステップS23において、会員制サービス情報がサービス情報格納部141に登録されていない場合は、ソフトウェア実行部10が、所定のメッセージを表示部12に表示させる(ステップS27)。所定のメッセージは、例えば、サービス情報の一覧を行うための操作を再実行することを通知するためのメッセージである。
【0069】
(3)クーポン等の付加サービス情報の登録:
図6に、付加サービス情報の登録処理の一手順を示す。以下、図1〜図3、図6を参照して、店舗における付加サービス情報の登録処理を説明する。
【0070】
店舗の管理者が、店舗端末2の入力部21にて、サービス運用管理ソフトウェア240を実行するための入力操作を行うと、ソフトウェア実行部20が、記憶部24からサービス運用管理ソフトウェア240を読み出して実行する(ステップS30)。
【0071】
次に、ソフトウェア実行部20が、メニュー画面を表示部22に表示させる(ステップS31)。メニュー画面は、例えば、付加サービス情報登録、サービス情報更新などの項目を含む。
【0072】
次に、ソフトウェア実行部20が、メニュー画面の付加サービス情報登録の項目が選択されたか否かを判定する(ステップS32)。入力部21にて付加サービス情報登録の項目を選択するための入力操作を行うと、入力部21が、付加サービス情報登録の項目が選択されたことを示す項目選択信号をソフトウェア実行部20へ出力する。ソフトウェア実行部20は、項目選択信号に基づいてメニュー画面の付加サービス情報登録の項目が選択されたことを認識する。
【0073】
ステップS32にて、付加サービス情報登録の項目が選択されたと判定されると、続いて、ソフトウェア実行部20が、付加サービス情報を登録するのに必要な情報を入力するための画面を表示部22に表示し、その入力画面上で入力された情報に基づいて、付加サービス情報を作成する。そして、ソフトウェア実行部20が、その作成した付加サービス情報を記憶部24の会員登録店舗情報格納部241に格納する(ステップS33)。
【0074】
なお、ステップS32において、メニュー画面の表示時点から所定の時間内に項目選択信号を受信しなかった場合は、ソフトウェア実行部20が、所定のメッセージを表示部22に表示させる(ステップS34)。所定のメッセージは、例えば、付加サービス情報登録を行うための操作を再実行することを通知するためのメッセージである。
【0075】
上記の付加サービス情報登録の処理によれば、店舗の管理者は、独自の付加サービスの情報を自由に登録することができる。
【0076】
(4)サービス処理(ポイント支払/更新処理等):
近距離無線通信部13、23の間で無線通信が確立すると、ソフトウェア実行部10、20が連携して動作する。そして、ソフトウェア実行部20は、入力部21を介してサービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、記憶部14に格納されている自店舗の会員制サービス情報を取得し、該取得した情報に基づいてサービス処理を実行し、該実行結果に基づいて記憶部14の会員制サービス情報を更新する。
【0077】
図7に、そのサービス処理の具体的な手順を示す。以下、図1〜図3、図7を参照して、サービス処理を具体的に説明する。以下では、顧客が、店舗Aで商品を購入し、その購入代金としてポイントを利用する場合を仮定してサービス処理を説明する。なお、端末装置1は、ソフトウェア実行10がサービス情報管理ソフトウェア140を実行している状態であり、店舗端末2は、ソフトウェア実行20がサービス運用管理ソフトウェア240を実行している状態である。
【0078】
顧客が、所持している端末装置1を店舗Aの店舗端末2に近付けると、近距離無線通信部13、23の間で近距離無線通信が行われる。近距離無線通信が確立すると、近距離無線通信部13、23は通信確立信号をソフトウェア実行部10、20に供給する。ソフトウェア実行部10、20は、通信確立信号に基づいて近距離無線通信の確立を認識する(ステップS40)。
【0079】
近距離無線通信の確立後、ソフトウェア実行部20が、ソフトウェア実行部10に対してパスワードを要求する(ステップS41)。このパスワード要求時に、ソフトウェア実行部20は、自端末の識別情報(店舗端末識別情報)を端末装置1へ送信する。
【0080】
次に、ソフトウェア実行部10が、ソフトウェア実行部20からのパスワード要求に応じて、記憶部14のサービス情報格納部141から店舗Aの会員登録時に保存されたパスワードを読み出し、そのパスワードをソフトウェア実行部20へ送信する(ステップS42)。サービス情報格納部141には、店舗Aの会員登録店舗情報(サービス情報、パスワード、会員情報、制限情報、店舗情報、利用情報等)が会員制サービス情報として格納されている。店舗情報は店舗端末識別情報を含み、この店舗端末識別情報に基づいて、店舗を特定することができる。
【0081】
次に、ソフトウェア実行部20が、ソフトウェア実行部10から受信したパスワードと、記憶部24の会員登録店舗情報241に保持されている、顧客が予め登録していた登録パスワードとを比較し、両パスワードが一致するか否かを判定する(ステップS43)。ソフトウェア実行部20は、両パスワードが一致した場合にのみ、顧客が正当な利用者であると判定し、それ以外の場合は、不正利用である旨のメッセージを表示部22に表示させる。
【0082】
両パスワードが一致した場合は、ソフトウェア実行部20が、ソフトウェア実行部10に対して店舗Aの会員登録情報を要求する(ステップS44)。
【0083】
次に、ソフトウェア実行部10が、ソフトウェア実行部20からの店舗Aの会員登録情報要求に応じて、記憶部14のサービス情報格納部141から店舗Aの会員登録時に保存された会員登録情報(店舗情報、顧客情報など)を読み出し、その会員登録情報をソフトウェア実行部20へ送信する(ステップS45)。
【0084】
次に、ソフトウェア実行部20が、ソフトウェア実行部10から受信した会員登録情報が、記憶部24の会員登録店舗情報241に登録されているか否かを判定する(ステップS46)。
【0085】
情報が登録されている場合は、ソフトウェア実行部20が、顧客が店舗Aの会員登録された顧客であると判定し、ソフトウェア実行部10に対してサービス情報を要求する(ステップS47)。
【0086】
次に、ソフトウェア実行部10が、ソフトウェア実行部20からのサービス情報の要求に応じて、記憶部14のサービス情報格納部141に格納されている店舗Aに関する会員制サービス情報をソフトウェア実行部20へ送信する(ステップS48)。
【0087】
次に、ソフトウェア実行部20が、ソフトウェア実行部10から受信した会員制サービス情報に基づいて、ポイント処理やクーポン決済などのサービス処理を実行する(ステップS49)。そして、ソフトウェア実行部20が、サービス処理の実行結果をソフトウェア実行部10に送信する(ステップS50)。
【0088】
最後に、ソフトウェア実行部10が、ソフトウェア実行部20からのサービス処理の実行結果に基づいて、記憶部14のサービス情報格納部141に格納されている店舗Aの会員制サービス情報(ポイント情報やクーポン情報)を更新して、利用履歴を作成する(ステップS51)。
【0089】
本実施形態のサービス情報管理システムによれば、顧客は、自身が所持している端末装置1を用いて各店舗の会員制サービス(ポイントやクーポンなど)の情報を一元管理することができるので、利便性が向上する。
【0090】
また、顧客は、システムの運用者からサービス情報管理ソフトウェア140を入手して自身が所持している端末装置にインストールするだけで、上述した会員制サービスを容易に受けることができる。
【0091】
店舗の管理者は、システムの運用者と提携する必要がなく、その運用者からサービス情報管理ソフトウェア240を入手して店舗端末にインストールするだけで、上述した会員制サービスの運用および管理を容易に行うことができる。
【0092】
また、サービス情報管理ソフトウェア140とサービス情報管理ソフトウェア240をセットで動作させて会員制サービスの運用および管理に伴う処理を行うようになっている。換言すると、会員制サービスの運用および管理に伴う処理は、端末装置1と店舗端末2の間で完結する。この場合、店舗の管理者は、独自の付加サービスを自由に店舗端末2に登録することができるので、店舗側での付加サービスの登録の自由度が向上する。
【0093】
本実施形態のサービス情報管理システムにおいて、端末装置1は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ゲーム機、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0094】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態のサービス情報管理システムは、顧客が使用する端末装置である携帯端末と、店舗が使用する店舗端末であるPC端末とから構成される。図8に、携帯端末の構成を示し、図9に、PC端末の構成を示す。
【0095】
図8に示すように、携帯端末は、近距離無線通信部13に対応する無線通信部131とサービス情報格納部141に対応する記憶部132とを備えた非接触IC130を備えており、これ以外は、図2に示した端末装置1の構成と同じである。同じ構成には同じ符号を付している。
【0096】
図9に示すように、PC端末は、近距離無線通信部23に対応する無線通信部を備えた非接触ICリーダー/ライタ230を備えており、これ以外は、図3に示した店舗端末2の構成と同じである。同じ構成には同じ符号を付している。
【0097】
本実施形態のサービス情報管理システムにおいても、ソフトウェア実行部10、20は、サービス情報管理ソフトウェア140およびサービス運用管理ソフトウェア240に従って、第1の実施形態で説明した、会員登録、サービス情報一覧表示、クーポン等の付加サービス情報の登録、およびサービス処理(ポイント支払/更新処理等)を行う。ただし、携帯端末とPC端末との間の情報の送受信は、非接触IC130と非接触ICリーダー/ライタ230との近距離無線通信を通じて行われる。例えば、ソフトウェア実行部20は、非接触ICリーダー/ライタ230を介して、非接触IC130の記憶部132に対して、会員制サービス情報の読み出しおよび書き込みを行う。
【0098】
図10は、サービス情報管理システムの動作を説明するための模式図である。以下、図8〜図10を参照して動作を説明する。
【0099】
顧客が、携帯端末100の非接触IC130を店舗に設置されているPC端末101の非接触ICリーダー/ライタ230に近付けると、非接触IC130と非接触ICリーダー/ライタ230の間で近距離無線通信が確立する。
【0100】
非接触IC130と非接触ICリーダー/ライタ230の間で近距離無線通信が確立すると、ソフトウェア実行部10、20が、連携して動作して、会員制サービスに伴う関連処理、すなわち、第1の実施形態で説明した会員登録、サービス情報一覧表示、クーポン等の付加サービス情報の登録、およびサービス処理(ポイント支払/更新処理等)を実行する。
【0101】
非接触IC130の記憶部131は、セキュア領域、フリー領域、および会員登録店舗情報の領域を含む。
【0102】
セキュア領域は、会員情報(会員番号、登録情報等)、制限情報(有効期限、回数制限等)、サービス情報(ポイント、クーポン等)、利用情報(最終利用日、利用履歴等)、パスワード等の秘匿性の高い情報を格納する領域である。
【0103】
フリー領域は、フォーマットで規定していない情報(例えば、店舗が独自に拡張した情報)を格納する領域である。
【0104】
会員登録店舗情報の領域は、店舗名称、住所、電話、営業時間、位置情報等の、店舗が公開している店舗情報を格納する領域である。
【0105】
サービス情報一覧表示の処理(図5参照)において、ソフトウェア実行部10が、非接触IC130の記憶部131に登録されている全ての会員制サービス情報を読み出し、サービス情報フォーマット格納部142に格納されているサービス情報フォーマットに基づいて、その読み出した会員制サービス情報を一覧表示するためのテーブルを作成する。
【0106】
テーブルは、店舗毎に、店舗名称、店舗情報、会員情報、制限情報、サービス情報、利用情報の項目が設けられたものである。ソフトウェア実行部10は、作成したテーブルに従ってサービス情報一覧を表示部12に表示させる。サービス情報一覧として、各店舗の会員制サービスを受けるのに必要な情報(例えば、店舗名称、住所、ポイント、期限、履歴、クーポン等)をテーブルから抽出して表示してもよい。
【0107】
サービス処理(ポイント支払/更新処理等)において、非接触IC130と非接触ICリーダー/ライタ230の間で近距離無線通信が確立すると、ソフトウェア実行部10、20が連携して動作する。そして、ソフトウェア実行部20が、入力部21を介してサービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、ソフトウェア実行部10を通じて、記憶部131に格納されている会員制サービスの情報を取得し、該取得した情報に基づいてサービス処理を実行し、該実行結果に基づいて記憶部131の会員制サービス情報を更新する。
【0108】
例えば、サービス処理がポイント支払である場合は、ソフトウェア実行部20が、記憶部131に格納されている対応店舗のポイントの値から商品購入に必要なポイントを差し引く。サービス処理でクーポン決済を利用する場合は、ソフトウェア実行部20が、記憶部131に格納されている対応店舗のクーポンに従って商品購入金額の割引を行い、記憶部131に格納されている対応店舗のポイントの値から割引後の金額に対応するポイントを差し引く。
【0109】
上述した本実施形態のサービス情報管理システムにおいても、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0110】
加えて、会員情報(会員番号、登録情報等)、制限情報(有効期限、回数制限等)、サービス情報(ポイント、クーポン等)、利用情報(最終利用日、利用履歴等)、パスワード等の秘匿性の高い情報は、セキュア領域に格納されている。したがって、外部装置からのセキュア領域へのアクセスの際に、外部装置の正当性を判定するセキュリティ機能を設けることで、セキュア領域に格納されている情報の外部への流出を抑制することができる。
【0111】
本実施形態のサービス情報管理システムにおいて、携帯端末100は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ゲーム機、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0112】
以上説明した各実施形態のサービス情報管理システムは本発明の一例であり、その構成は適宜に変更することができる。
【0113】
端末装置1(または携帯端末100)において、ソフトウェア実行部10が、会員制サービスの有効期限までの残り日数をカウントし、該カウントの値が所定値に達すると、所定のメッセージを表示部12に表示させてもよい。ここで、所定のメッセージは、有効期限までの残り日数を含んでいてもよい。
【0114】
店舗端末2(またはPC端末101)において、ソフトウェア実行部20が、会員登録を行った顧客に対する会員制サービスの有効期限までの残り日数をカウントし、該カウントの値が所定値に達すると、所定のメッセージを、ソフトウェア実行部10を通じて表示部12に表示させてもよい。ここで、所定のメッセージは、有効期限までの残り日数を含んでいてもよい。
【0115】
店舗端末2(またはPC端末101)において、顧客情報として顧客の端末装置1(または携帯端末100)のメールアドレスが登録されている場合に、ソフトウェア実行部20が、上記の所定のメッセージを含むメールをその登録メールアドレス宛てに送信してもよい。
【0116】
また、店舗端末2(またはPC端末101)において、店舗からのお知らせや広告などを含むメッセージを顧客の登録メールアドレス宛てに送信してもよい。
【0117】
さらに、店舗側でWEBサイトを構築して、会員登録や会員制サービス(クーポン、ポイントなど)の情報を端末装置1(または携帯端末100)にダウンロードしてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 端末装置
2 店舗端末
10、20 ソフトウェア実行部
11、21 入力部
12、22 表示部
13、23 近距離無線通信部
14、24 記憶部
140 サービス情報管理ソフトウェア
141 サービス情報格納部
142 サービス情報フォーマット格納部
240 サービス運用管理ソフトウェア
241 会員登録店舗情報格納部
242 会員登録店舗情報フォーマット格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が使用する端末装置と、
前記顧客に会員制サービスを提供する店舗が使用する店舗端末と、を有し、
前記端末装置は、
前記店舗端末と所定の距離の範囲内で無線通信を行う第1の近距離無線通信部と、
情報を格納する記憶部と、
サービス情報管理ソフトウェアに従って前記会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に前記記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理する第1のソフトウェア実行部と、を有し、
前記店舗端末は、
前記第1の近距離無線通信部と所定の距離の範囲内で無線通信を行う第2の近距離無線通信部と、
サービス運用管理ソフトウェアに従って前記会員制サービスの運用および管理を行う第2のソフトウェア実行部と、を有し、
前記第1および第2の近距離無線通信部の間で無線通信が確立すると、前記第1および第2のソフトウェア実行部が連携して動作し、その後、前記第2のソフトウェア実行部が、サービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する、サービス情報管理システム。
【請求項2】
前記サービス情報は、商品の購入代金の支払いに利用可能な会員制ポイントの情報と前記商品の購入時に利用可能な付加サービスの情報の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のサービス情報管理システム。
【請求項3】
前記端末装置は、前記第1の近距離無線通信部および記憶部を備えた非接触ICを有し、
前記店舗端末は、前記第2の近距離無線通信部を備えた非接触ICリーダー/ライタを有し、
前記第2のソフトウェア実行部は、前記非接触ICリーダー/ライタを介して、前記非接触ICの前記記憶部に対する、前記サービス情報の読み出しおよび書き込みを行う、請求項1または2に記載のサービス情報管理システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
入力部と、
情報を表示する表示部と、をさらに有し、
前記第1のソフトウェア実行部は、前記入力部を介して前記サービス情報を表示する旨の入力を受け付けると、前記記憶部に格納されている前記サービス情報の一覧を前記表示部に表示させる、請求項1から3のいずれか1項に記載のサービス情報管理システム。
【請求項5】
端末装置の第1のソフトウェア実行部が、サービス情報管理ソフトウェアに従って店舗が提供する会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に記憶部に格納して管理し、
前記店舗が使用する店舗端末の第2のソフトウェア実行部が、サービス運用管理ソフトウェアに従って前記会員制サービスの運用および管理を行い、
前記端末装置の近距離無線通信部と前記店舗端末の近距離無線通信部との間で無線通信が確立すると、前記第1および第2のソフトウェア実行部が連携して動作し、その後、前記第2のソフトウェア実行部が、サービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する、サービス情報管理方法。
【請求項6】
顧客に会員制サービスを提供する店舗に設置された、サービス運用管理ソフトウェアに従って顧客に提供する会員制サービスの運用および管理を行う運用管理ソフトウェア実行部を備える店舗端末との間で、所定の距離の範囲内で無線通信を行う近距離無線通信部と、
情報を格納する記憶部と、
サービス情報管理ソフトウェアに従って、前記会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に前記記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理するソフトウェア実行部と、を有し、
前記ソフトウェア実行部は、前記無線通信が確立すると、前記店舗端末の前記運用管理ソフトウェア実行部と連携して動作し、該運用管理ソフトウェア実行部に、サービス処理を実行する旨の入力を受け付け、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する処理を行わせる、端末装置。
【請求項7】
サービス情報管理ソフトウェアに従って、会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理する管理ソフトウェア実行部を備えた、顧客が使用すると端末装置との間で、所定の距離の範囲内で無線通信を行う近距離無線通信部と、
サービス運用管理ソフトウェアに従って顧客に提供する会員制サービスの運用および管理を行う運用管理ソフトウェア実行部と、を有し、
前記運用管理ソフトウェア実行部は、前記無線通信が確立すると、前記端末装置の前記管理ソフトウェア実行部と連携して動作し、その後、サービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する、店舗端末。
【請求項8】
顧客に会員制サービスを提供する店舗に設置された、サービス運用管理ソフトウェアに従って顧客に提供する会員制サービスの運用および管理を行う運用管理ソフトウェア実行部を備える店舗端末との間で、距離の範囲内で無線通信を行う端末装置のコンピュータに、
前記会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理する処理と、
前記無線通信が確立すると、前記店舗端末の前記運用管理ソフトウェア実行部と連携して動作し、該運用管理ソフトウェア実行部に、サービス処理を実行する旨の入力を受け付け、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する処理を行わせる処理と、を実行させる、プログラム。
【請求項9】
サービス情報管理ソフトウェアに従って、会員制サービスを受けるのに必要なサービス情報を店舗毎に記憶部に格納し、該格納したサービス情報を管理する管理ソフトウェア実行部を備えた、顧客が使用すると端末装置との間で、所定の距離の範囲内で無線通信を行う店舗端末のコンピュータに、
前記無線通信が確立すると、前記端末装置の前記管理ソフトウェア実行部と連携して動作し、その後、サービス処理を実行する旨の入力を受け付けると、前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を取得し、該取得したサービス情報に基づいて前記サービス処理を実行し、該実行結果に基づいて前記記憶部に格納されている自店舗の前記サービス情報を更新する処理と、を実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−41537(P2013−41537A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179618(P2011−179618)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】