サービス管理ノード、通信サービス提供システム、通信サービス提供方法

【課題】MME、MSC/VLR等のノードが故障した場合でも、音声着信が受信不能となる時間を短縮できるようにしたサービス管理ノード、通信サービス提供システム、通信サービス提供方法を実現する。
【解決手段】ノード(MME、MSC/VLR)が故障した場合には、他のノードに接続の振り替えを行うようにし、この振り替えに際し、サービス管理ノードたるMMEは、振り替えによる着信要求を受けたときの自ノードの状態が、自ノード内に予め設定している着信要求を受容するための既定条件に合致した場合に限り、配下のeNBに対し、在圏の各UEに再位置登録要求を促すページングを発する。各UEはこのページングを受けてeNBに再位置登録要求を上げるため、これを契機として、着信を可能にするための接続が確立され、音声通信が再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声等の通信サービス中に生じた当該サービス中断が短時間で修復されるようにした、サービス管理ノード、通信サービス提供システム、通信サービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)のLTE(Long Term Evolution)では、パケット通信サービスのみが提供され回線交換のサービスを持たない。このため、LTEにおいて音声サービスを提供するには、VoIP(Voice over IP)を用いるか、若しくは、3G(3rd Generation)網へ切り替えて音声通話するCSFallback(CSFB)を用いる(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
LTEにおけるサービス管理ノードであるMME(Mobility Management Entity)、MSC/VLR(Mobile Switching Center/Visitor Location Register)等の装置では、それらがリスタートする際の動作、即ち、呼情報が失われている状態から再起動するときの動作(以下、この動作を再開という)については3GPPにて標準動作が規定されている。従って、この標準動作に則って再開時にも着信が可能となる。
【0004】
しかしながら、MME、MSC/VLR等ノードが故障して再起動が起り得ない状態に陥った場合については、3GPPでは特段の標準動作が規定されていない。
このため、MME、MSC/VLR等に故障が発生すると、Iu−FlexやSI−Flexの冗長構成が構築されていても音声着信ができなくなるという事象が生じてしまう。
【0005】
上述のように音声着信ができない状態が生じている期間中に端末装置の移動やユーザによる端末装置からの発信操作が行われないと、3GPPに規定されたデフォルト値である54分間に亘って、音声着信が受信不能となってしまう場合が生じ得る。
尚、CSFB機能を利用する無線通信システムにおいて、連続して音声通信処理を行う場合に、音声通信処理時間を短縮し、無線リソースの浪費を抑制するようにした技術は既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の技術は、MME、MSC/VLR等の故障に対処し得る解決策を提案し得ていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−91587号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】"3GPP TS23.272、Circuit Switched Fallback in Evolved Packet System、Stage 2"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、MME、MSC/VLR等のノードが故障した場合でも、音声着信が受信不能となる時間を短縮できるようにしたサービス管理ノード、通信サービス提供システム、通信サービス提供方法を実現することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、ここに、次のような技術を提案する。
(1)既定の上位ノードからの着信要求を受付ける着信要求受信部と、
前記着信要求受信部が上位ノードからの着信要求を受付けた際に、その時点での自ノードの状態が、自ノード内に予め設定してある着信要求を受容するための既定条件に合致する状態であるか否かを識別する自ノード状態識別部と、
前記自ノード状態識別部での識別結果が前記既定条件に合致する旨であるときには、下位ノードに、端末装置に再位置登録要求を発信させるためのページングを発報するページング発報制御部と、
を備えていることを特徴とするサービス管理ノード。
【0010】
(2)前記既定の上位ノードはMSC/VLRであり、前記自ノードたるサービス管理ノードはMMEであることを特徴とする(1)のサービス管理ノード。
(3)前記自ノード状態識別部は、前記既定条件として、自ノードがユーザプロファイルを有しており、且つ、MME−MSC/VLR間の接続が確立している旨の条件を適用することを特徴とする(2)のサービス管理ノード。
(4)前記自ノード状態識別部は、前記既定条件として、自ノードがユーザプロファイルを有さず、且つ、MME−MSC/VLR間の接続が確立していない旨の条件を適用することを特徴とする(2)のサービス管理ノード。
【0011】
(5)HSSと、前記HSSの下位の複数のMSC/VLRと、前記MSC/VLRの下位の複数のMMEを含んで構成された通信サービス提供システムであって、
前記HSSは、前記複数のMSC/VLRのうち或るMSC/VLRに故障が生じた場合には、該故障が生じたMSC/VLRと同じプールエリア内の他のMSC/VLRに接続を振り替え、
前記MMEは、自ノードが、ユーザプロファイルを有しており、且つ、自ノードと前記MSC/VLR間の接続が確立している場合に限り、下位ノードに再位置登録要求を発信させるためのページングを発報する
ことを特徴とする通信サービス提供システム。
【0012】
(6)複数のMSC/VLRと、前記MSC/VLRの下位の複数のMMEを含んで構成された通信サービス提供システムであって、
前記MMEは、同じプールエリア内の他のMMEに故障が生じたときに該故障が生じたMMEに接続されていた前記MSC/VLRからの接続の振り替えを受けた場合には、自ノードが、ユーザプロファイルを有さず、且つ、自ノードと対応する前記MSC/VLR間の接続が確立していない場合に限り、下位ノードに再位置登録要求を発信させるためのページングを発報する
ことを特徴とする通信サービス提供システム。
【0013】
(7)上位ノードからの着信要求を受付けた際に、その時点での自ノードの状態が、自ノード内に予め設定してある着信要求を受容するための既定条件に合致する状態であるか否かを識別する自ノード状態識別ステップと、
前記自ノード状態識別ステップでの識別結果が前記既定条件に合致する旨であるときには、下位ノードに、端末装置に再位置登録要求を発信させるためのページングを発報するページング発報制御ステップと、
を含んでいることを特徴とする通信サービス提供方法。
【0014】
上記に列記の各提案の技術では、サービス管理ノードは、故障した他のノードの振り替えによる着信要求を受けたときの自ノードの状態が、自ノード内に予め設定している特定の条件に合致した場合に限り、下位のノードに対し、在圏の各UEに再位置登録要求を促すページングを発する。各UEはこのページングを受けてeNBに再位置登録要求を上げるため、これを契機として、着信を可能にするための接続が確立され、音声通信が再開する。
【発明の効果】
【0015】
MME、MSC/VLR等のサービス管理ノードが故障した場合でも、音声着信が受信不能となる時間を短縮できるようにしたサービス管理ノード、通信サービス提供システム、通信サービス提供方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の一つの実施の形態としてのサービス管理ノードを含む通信サービス提供システムを表す概念図である。
【図2】図1の通信サービス提供システムの動作を表すシーケンスチャートである。
【図3】本願発明の他の実施の形態としてのサービス管理ノードを含む通信サービス提供システムを表す概念図である。
【図4】図3の通信サービス提供システムの動作を表すシーケンスチャートである。
【図5】図1および図3のサービス管理ノードを表す機能ブロック図である。
【図6】故障ノードの種別と故障への対処動作の態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより、本発明を明らかにする。
(通信サービス提供システムの一例における構成の概要)
図1は、本願発明の一つの実施の形態としてのサービス管理ノードを含む通信サービス提供システムを表す概念図である。
HSS(Home Subscriber Server:加入者情報管理装置)110には同じプールエリアに属するMSC/VLR121、122が、それらの下位にあるMME131、132と共通に接続され得るように結ばれている。
【0018】
また、MME131、132は、それらの下位にあるLTE方式の無線基地局である各eNB(Evolved Node B)141、142と共通に接続され得るように結ばれている。
図1では、eNB141に、UE(端末装置)151−1、151−2、151−3が在圏している。また、eNB142に、UE(端末装置)152−1、152−2、152−3が在圏している。
【0019】
(通信サービス提供システムの一例における動作の概要)
図1の通信サービス提供システムにおいて、MSC/VLR121に故障が発生すると(P11)、MSC/VLR121とHSS110との間の接続が切断される(P12)。
HSS110は、この切断を検知して、MSC/VLR121と同一プールエリア内の他のMSC/VLR122に接続を振り替える(P13)。
上述のように接続の振り替えを受けたMSC/VLR122は、HSS110に問い合わせて、既定の接続先のMMEに関する情報を取得する(P14)。
MSC/VLR122は、取得した接続先のMMEに関する情報に依拠して、本例の場合、MME131にページングを発する(P15)。
【0020】
上記P15でのページングは、MMEおよびeNBを介して、各UEに再位置登録要求を発信させるためのページングである。
上記P15でのページングを受けたMME131は、自ノードが正規の接続相手を表すものとして保持しているVLRNameとは異なるMSC/VLRからのページングであることを識別する。従来のこの種のノードでは、このような識別を行った場合、MSC/VLRからのページングを一律に拒絶または削除する。
しかしながら、本実施の形態のMME131は、自ノードが現在保持しているVLRNameとは異なるMSC/VLRからのページングであることを認識しても、即座にそのページングを拒絶または削除してしまうことがない。
【0021】
即ち、異なるMSC/VLRからのページングであることを認識すると、次いで、自ノードの内部に保持してある情報を参照して、上述のように接続の振り替えを受けたMSC/VLR122からのページングであるか否かを識別する。そして、この識別結果が肯定的であった場合にはMSC/VLR122からのページングを有効であるものとして扱う(P16)。上記P16の識別動作は、識別時点での自ノードの状態を、自ノード内に設定してある着信要求を受容するための既定条件と照合し、この条件と合致しているか否かを識別することによって実行される。上述の識別に関しては後に詳細する。
【0022】
上記P16に次いで、MME131は、eNB141、142にページングを発する(P17)。上記P17のページングは、eNB141、142を介して、各UE151−1、151−2、151−3、152−1、152−2、152−3に再位置登録要求を発信させるためのページングである。
eNB141、142は、P17のページングを受けて、在圏している各UE151−1、151−2、151−3、152−1、152−2、152−3に上述のページングを発する(P18)。
【0023】
上記P18のページングを受けた各UE151−1、151−2、151−3、152−1、152−2、152−3のうち、このページングに該当するUE(例えば、UE151−1)が、eNB141に再位置登録要求を発信する。
従って、UE151−1による上述の再位置登録要求を契機として着信を可能にするための接続が確立され、音声通信が再開する。
【0024】
(通信サービス提供システムの一例における動作のシーケンス)
次に、図面を参照して図1の通信サービス提供システムの動作について、より具体的に詳述する。
図2は図1の通信サービス提供システムの動作を表すシーケンスチャートである。
GMSC(Gateway MSC)200からの着信要求がHSS110を介してold MSC/VLR121に送信される(ステップS201、S202)。図2では、故障が発生しているMSC/VLRについて、“old"の表記を附している。
old MSC/VLR121では故障が生じているためステップS202の着信要求に対して応答することができない。
【0025】
HSS110は、old MSC/VLR121の無応答時間を計時してタイムアウトを検出する。そして、old MSC/VLR121に替わる通信の振り替え先として、同一のプールエリアにある他のnew MSC/VLR122を選択する(ステップS203)。
HSS110は、ステップS203で選択したMSC/VLR122に対して着信要求を送信する(ステップS204)。図2では、故障が発生しているold MSC/VLRに替えて通信を振り替える先のMSC/VLRには、“new"の表記を附している。
【0026】
new MSC/VLR122は、ステップS204の着信要求を受けてHSS110に着信応答を返す(ステップS205)。
HSS110は、ステップS205での着信応答を受けて、GMSC200に着信要求応答を返す(ステップS206)。
GMSC200は、ステップS206での着信要求応答を受けて、new MSC/VLR122に、接続要求信号IAM(Initial Address Message)を送信する(ステップS207)。
【0027】
new MSC/VLR122は、ステップS207でのIAMを受けて、MME131に対してページングを送信する(ステップS208)。ステップS208におけるページングは、MME131およびeNBを介して、各UEに再位置登録要求を発信させるためのページングである。
MME131は、ステップS208におけるページングを受けて、そのときの自ノードの状態が予め自ノードに設定された着信要求を受容するための既定条件に合致するか否かを識別し、合致することを識別したときに、下位ノードであるeNBにページングを発信することが必要であると判断する(ステップS209)。
【0028】
MME131は、ステップS209での判断に基づいて、eNB141、142にページングを発信する(ステップS210)。尚、図2では、代表的にeNB141が表記してある。
eNB141、142は、ステップS210でのページングを受けて、在圏の各、各UE151−1、151−2、151−3、152−1、152−2、152−3に再位置登録要求を発信させるためのページングを一斉に発する(ステップS211)。
【0029】
ステップS211のページングを受けた各UEのうち、呼び出しに該当するUE151−1は、このページングに呼応して再位置登録要求をeNB141に発信する(ステップS212)。
ステップS212の再位置登録要求はeNB141を介してMMEに送信される(ステップS213)。
上述のステップS213以降、既存の機能の通りに、UE151−1による上述の再位置登録要求を契機として、着信を可能にするための接続が確立され(ステップS214)、音声通信が再開する。
【0030】
(通信サービス提供システムの他の例における構成の概要)
図3は、本願発明の他の実施の形態としてのサービス管理ノードを含む通信サービス提供システムを表す概念図である。
図3において既述の図1との対応部は同一の符号により示してある。
同じプールエリアに属するMSC/VLR121、122が、それらの下位にあるMME131、132と共通に接続され得るように結ばれている。
また、MME131、132は、それらの下位にあるLTE方式の無線基地局である各eNB(Evolved Node B)141、142と共通に接続され得るように結ばれている。
図1では、eNB141に、UE(端末装置)151−1、151−2、151−3が在圏している。また、eNB142に、UE(端末装置)152−1、152−2、152−3が在圏している。
【0031】
(通信サービス提供システムの他の例における動作の概要)
図1の通信サービス提供システムにおいて、MME131に故障が発生すると(P31)、MSC/VLR121とMME131との間の接続が切断される(P32)。
MSC/VLR121は、この切断を検知して、MME131と同一プールエリア内の他のMME132に接続を振り替えて(P33)、このMME132にページングを送信する(P34)。
【0032】
上述のように接続を振り替えてページングを受けたMME132は、故障したMME131が保有していた加入者情報を保有していない。しかしながら、本例のMME132は、従来のこの種のノードのように即座にそのページングを拒絶または削除してしまうことがない。
即ち、ページング(着信要求)を受けたときの自ノード(MME132)の状態が、自ノードの内部に予め保持してある着信要求を受容するための既定条件に合致しているか否かを識別する。そして、この識別結果が肯定的であった場合に、MSC/VLR122からのページングを有効であるものとして扱う(P35)。上述の識別に関しては後に詳細する。
【0033】
上記P35に次いで、MME132は、eNB141、142にページングを発する(P36)。上記P36のページングは、eNB141、142を介して、各UE151−1、151−2、151−3、152−1、152−2、152−3に再位置登録要求を発信させるためのページングである。
eNB141、142は、P36のページングを受けて、在圏している各UE151−1、151−2、151−3、152−1、152−2、152−3に上述のページングを発する(P37)。
【0034】
上記P37のページングを受けた各UE151−1、151−2、151−3、152−1、152−2、152−3のうち、このページングに該当するUE(例えば、UE151−1)が、eNB141に再位置登録要求を発信する。
従って、UE151−1による上述の再位置登録要求を契機として着信を可能にするための接続が確立され、音声通信が再開する。
【0035】
(通信サービス提供システムの他の例における動作のシーケンス)
次に、図面を参照して図1の通信サービス提供システムの動作について、より具体的に詳述する。
図4は図3の通信サービス提供システムの動作を表すシーケンスチャートである。
図4において既述の図3との対応部は同一の符号により示してある。
ここではMME131に故障が発生しているものと仮定している。図4では、故障が発生しているMMEについて、“old"の表記を附している。
故障が発生しているold MME131とMSC/VLR121との間ではAssociation(接続)が断たれた状態にある。
【0036】
この状態で、MSC/VLR121は、接続が断たれた状態にあることを検出する(ステップS401)。
ステップS401以降の時点で、MSC/VLR121が、SGSN(Serving GPRS Support Node)400からのInvite信号を受信した場合を考える(ステップS402)。ここにInvite信号とは、音声圧縮符号化データ等のコーデックで通信を求める信号である。
【0037】
MSC/VLR121は、old MME131が故障中であることを認識しているため、ステップS402でInvite信号を受けると、old MME131と同一のプールエリアにある通信の振り替え先としての他のMMEを選択する(ステップS403)。本例では、MSC/VLR121は、ステップS403での通信の振り替え先としてnew MME132を選択する。
【0038】
図4では、故障が発生しているold MME131に替えて通信を振り替える先のMMEには、“new"の表記を附している。
MSC/VLR121は、ステップS403で選択したnew MME132にページングを発する(ステップS404)。
ステップS404におけるページングは、new MME132およびeNBを介して、各UEに再位置登録要求を発信させるためのページングである。
【0039】
new MME132は、ステップS404におけるページングを受けて、その時点での自ノードの状態が自ノードに予め設定された既定の要件に合致するか否かを識別し、合致することを識別したときに、下位ノードであるeNBにページングを発信することが必要であると判断する(ステップS405)。
new MME132は、ステップS405での判断に基づいて、eNB141、142にページングを発信する(ステップS406)。尚、図4では、代表的にeNB141が表記してある。
【0040】
eNB141、142は、ステップS406でのページングを受けて、在圏の各、各UE151−1、151−2、151−3、152−1、152−2、152−3に再位置登録要求を発信させるためのページングを一斉に発する(ステップS407)。
ステップS407のページングを受けた各UEのうち、呼び出しに該当するUE151−1は、このページングに呼応して再位置登録要求をeNB141に発信する(ステップS408)。
【0041】
ステップS408の再位置登録要求はeNB141を介してnew MME132に送信される(ステップS409)。
上述のステップS409以降、既存の機能の通りに、UE151−1による上述の再位置登録要求を契機として、着信を可能にするための接続が確立され(ステップS410)、音声通信が再開する。
【0042】
(サービス管理ノードの構成)
図5は、サービス管理ノードとしてのMMEの構成を表す機能ブロック図である。
このサービス管理ノード500は、既述の図1ないし図4の何れのMMEについても該当する構成を有する。
図示のように、サービス管理ノード500は、着信要求受信部501と、自ノード状態識別部502と、ページング発報制御部503とを含んで構成されている。
着信要求受信部501は、自ノードの上位ノードに相当する、例えば、MSC/VLRからの着信要求等の通知を受信する。
【0043】
自ノード状態識別部502は、着信要求受信部501が受信した或る上位ノードからの着信要求を受信した際に、その時点での自ノードの状態が、自ノード内に予め設定してある着信要求を受容するための既定条件に合致する状態であるか否かを識別する。
そして、ページング発報制御部503は、自ノード状態識別部502における識別結果が肯定的であるとき、即ち、上位ノードからの通知を受けた際に自ノードが上記既定条件に合致する状態にあると識別したときには、例えば、eNB等の下位ノードに、在圏のUEに対し、再位置登録要求を発信することを促すページングを発報する。
【0044】
ここで、自ノード状態識別部502における識別結果が肯定的になるのは、次のような二通りの場合である。
(1)着信要求受信部で受けた通知は、自ノードの上位ノードが故障しているため、当該故障した上位ノードの通信を振り替えて担うことになった他の上位ノードからの通知である場合。
(2)着信要求受信部で受けた通知は、自ノードと同じプールエリア内の同階層の他のノードが故障したため、当該故障した他のノードの通信を振り替えて担うことになった他のノードが故障前に接続していた上位ノードからの通知である場合。
【0045】
(故障の種別に応じたサービス管理ノードの作用)
自ノードたるサービス管理ノード500がMMEである場合には、故障の種別毎に、上述のような識別を行うための上記既定条件と、この識別の結果に応じたMMEの動作は、図6に要約的に示すとおりである。
図6における「故障ノード」は、この場合、MMEの上位ノードであるMMC/VLR、または、自ノードと同一プールエリア内の他のMMEかの何れかである。
上位ノードであるMMC/VLRが故障した場合が、既述の(1)の場合に対応する。この場合はまた、図1および図2を参照して説明したケースに該当する。
同一プールエリア内の他のMMEが故障した場合が、既述の(2)の場合に対応する。この場合はまた、図3および図4を参照して説明したケースに該当する。
【0046】
一方、図6における「MME状態」とは、MMEが上位ノードであるMMC/VLRからの通知である着信要求を受信した際に、下位ノードであるeNBに着信要求のページングを発報するときの、着信要求を受容するための既定条件として、MME自体の内部に設定されているMMEの状態を表す情報である。
そして、MMEの状態がこの既定条件である「MME状態」に合致しないときには、MMC/VLRからの通知である着信要求を削除または拒絶する。
図示のとおり、この既定の状態は、例えば、ユーザプロファイル等の「プロファイルの有無」と「MME−MMC/VLR間の接続状態」によって定義される。
「MME状態」の右側の欄が、MMC/VLRからの通知である着信要求を受信した際のMMEの動作を表している。
【0047】
以上を踏まえて、図6より容易に次のことが判読される。
(6−1)上位ノードであるMMC/VLRが故障している場合においては、MMEがプロファイルを有しており、且つ、MME−MMC/VLR間が(既定の接続相手として記憶されているVLRnameとは異なるものではあるが)接続された状態にあるときに限り、MMC/VLRからの着信要求に応じて、eNBに着信要求のページングを発報する。
(6−2) 同一プールエリア内の他のMMEが故障している場合には、MMEがプロファイルを有しておらず、且つ、MME−MMC/VLR間の接続がとれない状態にあるときに限り、MMC/VLRからの着信要求に応じて、eNBに着信要求のページングを発報する。
【0048】
上述のように、MMEは、故障の種別に応じて、自ノードの内部に設定された着信要求を受容するための既定条件に自ノードのそのときの状態が合致する場合に限り、eNBにページングを発する。このページングは、eNBを介して、各UEに再位置登録要求を発信させるためのページングである。結果的に、各UEのうち、このページングに該当するUEが、eNBに再位置登録要求を発信し、音声通信が再開することは既述のとおりである。
【符号の説明】
【0049】
110………………………………………………………HSS
121、122……………………………………………MSC/VLR
131、132……………………………………………MME
141、142……………………………………………eNB
151−1〜151−3、152−1〜153−3…UE
200………………………………………………………GMSC
400………………………………………………………SGSN
500………………………………………………………サービス管理ノード
501………………………………………………………着信要求受信部
502………………………………………………………自ノード状態識別部
503………………………………………………………ページング発報制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既定の上位ノードからの着信要求を受付ける着信要求受信部と、
前記着信要求受信部が上位ノードからの着信要求を受付けた際に、その時点での自ノードの状態が、自ノード内に予め設定してある着信要求を受容するための既定条件に合致する状態であるか否かを識別する自ノード状態識別部と、
前記自ノード状態識別部での識別結果が前記既定条件に合致する旨であるときには、下位ノードに、端末装置に再位置登録要求を発信させるためのページングを発報するページング発報制御部と、
を備えていることを特徴とするサービス管理ノード。
【請求項2】
前記既定の上位ノードはMSC/VLRであり、前記自ノードたるサービス管理ノードはMMEであることを特徴とする請求項1に記載のサービス管理ノード。
【請求項3】
前記自ノード状態識別部は、前記既定条件として、自ノードがユーザプロファイルを有しており、且つ、MME−MSC/VLR間の接続が確立している旨の条件を適用することを特徴とする請求項2に記載のサービス管理ノード。
【請求項4】
前記自ノード状態識別部は、前記既定条件として、自ノードがユーザプロファイルを有さず、且つ、MME−MSC/VLR間の接続が確立していない旨の条件を適用することを特徴とする請求項2に記載のサービス管理ノード。
【請求項5】
HSSと、前記HSSの下位の複数のMSC/VLRと、前記MSC/VLRの下位の複数のMMEを含んで構成された通信サービス提供システムであって、
前記HSSは、前記複数のMSC/VLRのうち或るMSC/VLRに故障が生じた場合には、該故障が生じたMSC/VLRと同じプールエリア内の他のMSC/VLRに接続を振り替え、
前記MMEは、自ノードが、ユーザプロファイルを有しており、且つ、自ノードと前記MSC/VLR間の接続が確立している場合に限り、下位ノードに再位置登録要求を発信させるためのページングを発報する
ことを特徴とする通信サービス提供システム。
【請求項6】
複数のMSC/VLRと、前記MSC/VLRの下位の複数のMMEを含んで構成された通信サービス提供システムであって、
前記MMEは、同じプールエリア内の他のMMEに故障が生じたときに該故障が生じたMMEに接続されていた前記MSC/VLRからの接続の振り替えを受けた場合には、自ノードが、ユーザプロファイルを有さず、且つ、自ノードと対応する前記MSC/VLR間の接続が確立していない場合に限り、下位ノードに再位置登録要求を発信させるためのページングを発報する
ことを特徴とする通信サービス提供システム。
【請求項7】
上位ノードからの着信要求を受付けた際に、その時点での自ノードの状態が、自ノード内に予め設定してある着信要求を受容するための既定条件に合致する状態であるか否かを識別する自ノード状態識別ステップと、
前記自ノード状態識別ステップでの識別結果が前記既定条件に合致する旨であるときには、下位ノードに、端末装置に再位置登録要求を発信させるためのページングを発報するページング発報制御ステップと、
を含んでいることを特徴とする通信サービス提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−46368(P2013−46368A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185009(P2011−185009)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】