サーベイランステスト装置およびサーベイランステスト手順の検証方法
【課題】複数の機器を有するプラントに対してサーベイランステストを行う前に、サーベイランステスト手順の検証を効率的に行う。
【解決手段】複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステストで使用するサーベイランステスト装置は、機器に接続されたセンサーを介して機器の状態を示すプロセス信号を入力するプロセス入力手段1と、プロセス信号の模擬値を入力するサーベイランステスト模擬値入力手段2と、複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を記憶するサーベイランステスト手順記憶手段3と、サーベイランステスト手順に基づいてサーベイランステストの進行状態を判定するサーベイランステスト進行判定手段4と、少なくとも前記サーベイランステスト手順とサーベイランステスト進行判定手段4による判定結果とを表示するサーベイランステスト操作進行表示手段5と、を有する。
【解決手段】複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステストで使用するサーベイランステスト装置は、機器に接続されたセンサーを介して機器の状態を示すプロセス信号を入力するプロセス入力手段1と、プロセス信号の模擬値を入力するサーベイランステスト模擬値入力手段2と、複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を記憶するサーベイランステスト手順記憶手段3と、サーベイランステスト手順に基づいてサーベイランステストの進行状態を判定するサーベイランステスト進行判定手段4と、少なくとも前記サーベイランステスト手順とサーベイランステスト進行判定手段4による判定結果とを表示するサーベイランステスト操作進行表示手段5と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーベイランステスト装置およびその装置を用いたサーベイランステスト手順の検証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、原子力発電所等のプラントを監視するプラント監視システムにおいては、プラントの安全性確保のためにプラント緊急時の対応を主目的とした機器および系統等が多数導入されている。これらの機器および系統は、例えば緊急時対応機器および緊急時対応系統などで、これらを総称して緊急時対応設備機器ともいう。
【0003】
緊急時対応設備機器は、プラント通常運転時においては動作しないため、定期的に緊急時対応設備機器に係るプラントデータを計測し、その計測結果に基づいて緊急時対応設備機器の動作を確認する試験(サーベイランステスト)を行なう。これにより、緊急時対応設備機器が緊急時に支障無く動作(機能)することを確認している。
【0004】
サーベイランステストを行なうために、テスト対象となるプラント現場の系統および設備機器、すなわち、試験対象系統機器の各計測項目に係るデータ収集、計測処理、および計測された結果の判定処理を行うサーベイランステスト装置が使用されている。また、この装置は、サーベイランステスト手順のガイド表示処理なども行う。
【0005】
サーベイランステスト装置は、例えば特許文献1に開示されているような装置が知られている。
【0006】
特許文献1に開示されたサーベイランステスト装置は、操作する機器の順番や操作したことによる機器の動作結果、および操作に伴う機器動作の許容時間等を予め手順として定めている。その手順は、サーベイランステスト装置に記憶されている。サーベイランステスト装置で表示される手順内容に沿って、作業員が試験対象系統の操作盤により機器スイッチを操作してサーベイランステストを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−208885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上述のサーベイランス装置によるサーベイランステストは、改訂される頻度が高く、改訂された場合に、そのテストの手順が正常に機能するか否かを検証する必要がある。このサーベイランステスト手順の検証には、非効率な問題がある。
【0009】
改訂に伴いサーベイランステスト手順を変更した後に、この手順を確認するためには、プラントの機器を実際に動作させるか、または機器からの送信される動作信号に模擬信号を与えながら手順が正しく進行するかを確認する必要がある。
【0010】
しかし、試験対象機器の運転中は、模擬信号を入力することはできない。例えば、原子力発電所の大規模プラントにおける運転停止は、ほぼ年に1度程度である。よって、手順変更後の確認は1年毎の運転停止期間中の短い時間に行う必要がある。
【0011】
実際のプラントの機器には複数のセンサーが取り付けられており、サーベイランステスト装置では、機器とセンサーの情報を一対となるように割り当てて、この複数のセンサーからの信号を論理的に判断して機器の状態を判断している。例えば、弁については少なくとも開状態を検出するセンサーと閉状態を検出するセンサーが取り付けられている。弁の全閉状態を判断するためには開状態を検出するセンサーからの信号がOFFで、閉状態を検出するセンサーからの信号がONであることで判断されている。このように、1つの機器の状態を模擬する場合でも、複数のセンサー信号に対して模擬を行う必要がある。
【0012】
サーベイランステスト手順は操作する機器名称(タグ名称)と操作する方向を記載しただけのものであるため、不慣れな作業員がサーベイランステストを行う場合、操作する機器が、プラント内のどこに配置されているかを探すために時間を要し、スムーズな操作を行うことが難しい場合がある。
【0013】
模擬信号を入力してサーベイランステスト手順の検証を行っている最中に、誤りが見つかった場合には手順の修正を行い、再度手順の先頭より一気通貫で確認することになる。サーベイランス手順のほとんどは、プラントの機器に対して若干の修正を行う程度で済むことが多い。しかし、模擬信号の入力については毎回同じ入力を繰り返す必要があり、効率的ではなかった。
【0014】
サーベイランステストは系統を監視および調査するテストで、機器を一時的に動作させるため、テスト終了後はテスト前の元の状態に戻しておく必要がある。このとき機器の状態を元に戻したかどうかを判断するためには、作業員が机上で手順の進行を確認する、例えば完了した手順を塗りつぶしていくことにより確認している。よって、効率的に行えない場合もある。
【0015】
また、改訂したサーベイランステスト手順が、一度起動させた機器を元の状態に戻さずに動作させる等の誤った手順になっていないかについても確認する必要がある。
【0016】
サーベイランステスト手順上では、操作機器に対してセンサーの情報を対で割り当てる必要があるが、操作機器に対するセンサーの情報は、機器に接続されたセンサーからサーベイランステスト装置のプロセス入力手段までの配線を図面で確認し、プロセス入力手段で定義したセンサー信号番号を抽出して割り当てる必要があった。
【0017】
また上述の通り、1つの機器に接続されたセンサーは複数あり、改訂したサーベイランステスト手順の機器の割り当てが正しいかどうか、または誤りが無いかどうかを確認する作業は手順書を作成する作業員の負担となっていた。さらに、同じ機器の操作を複数回行う場合においても、その度に機器に対してセンサー信号番号を割り当てる必要があり、手順を入力する作業員の負担となっていた。
【0018】
また、プラント機器の健全性の確認のため、例えば操作した弁の開閉時間やポンプが動作してから一定の流量を得るまでの時間などの測定を行っている。このとき、測定結果が判定基準を逸脱した場合や過去の実績と相違が発生した場合、計測対象の動作の問題なのか、サーベイランステスト装置における計測精度の問題なのかを検証する有効な手段がなかった。
【0019】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の機器を有するプラントに対してサーベイランステストを行う前に、サーベイランステスト手順の検証を効率的に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するため本発明に係るサーベイランステスト装置は、複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステスト装置において、複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を記憶するサーベイランステスト手順記憶手段と、前記機器に接続されたセンサーを介して、前記機器の状態を示すプロセス信号が入力され、前記サーベイランステスト手順に基づいて前記サーベイランステストの進行状態を判定するサーベイランステスト進行判定手段と、前記プロセス信号の模擬値を前記サーベイランス進行判定手段に入力するサーベイランステスト模擬値入力手段と、少なくとも前記サーベイランステスト手順と前記サーベイランステスト進行判定手段による判定結果とを表示するサーベイランステスト操作進行表示手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るサーベイランステスト手順の検証方法は、複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステストの手順を検証するサーベイランステスト手順の検証方法において、複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を読み出すサーベイランステスト手順読出し工程と、前記サーベイランステスト手順を表示するサーベイランステスト手順表示工程と、表示された前記サーベイランステスト手順に示されているテスト対象機器を指定して、前記テスト対象機器に対応付けられたセンサー信号番号を抽出するセンサー信号番号抽出工程と、表示画面に表示された前記センサー信号番号およびセンサー名称に対して模擬値を設定する模擬値設定工程と、前記模擬値を使用して模擬的にサーベイランステストを行う模擬サーベイランステスト工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の機器を有するプラントに対してサーベイランステストを行う前に、サーベイランステスト手順の検証を効率的に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図2】第1の実施形態におけるサーベイランステスト手順の表示例を示した表示画面の概略図。
【図3】図2の実施形態における機器番号「F001」のセンサー信号番号「BD431」に模擬値を設定入力している例を示す表示画面の概略図。
【図4】本発明に係る第2の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図5】第2の実施形態における操作盤機器スイッチ配置図の一例を示す表示画面の概略図。
【図6】本発明に係る第3の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図7】第3の実施形態における模擬値データベース構造の一例を示すデータベース構造図。
【図8】本発明に係る第4の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図9】第4の実施形態における操作機器一覧の一例を示す表。
【図10】第4の実施形態における操作機器毎に手順を整理した手順整理表の一例を示す表。
【図11】第4の実施形態における操作手順誤り警告画面の一例を示す表示画面の概略図。
【図12】本発明に係る第5の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図13】第5の実施形態における機器番号とセンサー信号番号の対比した照合用リストの一例を示す表。
【図14】第5の実施形態における機器番号センサー信号番号割り当て誤り警告画面の一例を示す表示画面の概略図。
【図15】本発明に係る第6の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図16】第6の実施形態におけるセンサー番号割り当て画面の一例を示す表示画面の概略図。
【図17】第6の実施形態における判定方法指定画面の一例を示す表示画面の概略図。
【図18】本発明に係る第7の実施形態のサーベイランステスト装置に時間測定装置が接続された状態を示すブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
図1は本発明に係るサーベイランステスト装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。
【0026】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、プロセス入力手段1、サーベイランステスト操作進行表示手段5、サーベイランステスト手順記憶手段3、サーベイランステスト模擬値入力手段2、およびサーベイランステスト進行判定手段4を有している。
【0027】
サーベイランステスト操作進行表示手段5は、サーベイランステスト手順を画面表示する機能を有しており、例えばセンサー信号番号、センサー名称、およびセンサー信号の現在値を表示している。サーベイランステスト手順記憶手段3は、サーベイランステスト手順を記憶しておく機能を有している。サーベイランステスト模擬値入力手段2は、サーベイランステスト操作進行表示手段5により表示された、例えばセンサー信号番号、センサー名称、およびセンサー信号の模擬値を設定および入力する機能を有している。サーベイランステスト進行判定手段4は、サーベイランステスト手順記憶手段3から読み込んだサーベイランステスト手順とサーベイランステスト模擬値入力手段2から読み込んだセンサー信号(模擬値)によりサーベイランステストを進行する機能を有している。
【0028】
プロセス入力手段1は、サーベイランステストを行うプラントの系統に配置された複数の機器それぞれに接続されたセンサーから、動作状態を示す信号を受信してサーベイランステスト進行判定手段4に入力する機能を有している。すなわち、実際のサーベイランステストでは、このプロセス入力手段1から入力される信号を使用して、サーベイランステスト手順の検証では、サーベイランステスト模擬値入力手段2から入力される信号を使用する。
【0029】
本実施形態のサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0030】
先ず、サーベイランステスト進行判定手段4により、サーベイランステスト手順記憶手段3から読み出されたサーベイランステスト手順をサーベイランステスト操作進行表示手段5にて表示する。次に、表示されたサーベイランステスト手順上の操作機器の名称をタッチパネル上でタッチするか、マウスなどのポインタを用いてクリックする。これより、操作機器に対応付けられたセンサー信号番号とセンサー名称を、サーベイランステスト手順記憶手段3から抽出する(読み出す)。次に、サーベイランステスト操作進行表示手段5は、タッチ(クリック)した操作機器名称の近傍にセンサー信号番号、センサー名称、およびセンサー信号の現在値を表示する。
【0031】
このときの画面例を図2に示す。図2は、サーベイランステスト手順の表示例を示した表示画面の概略図である。機器番号「F001」に割り当てられたセンサー信号番号を表示している。
【0032】
続いて、サーベイランステスト操作進行表示手段5の表示画面に表示されたセンサー信号番号およびセンサー名称に対して、模擬値を設定する。このときの画面例を図3に示す。図3は、機器番号「F001」のセンサー信号番号「BD431」に模擬値を設定入力している例を示す表示画面の概略図である。
【0033】
設定した模擬値はサーベイランステスト模擬値入力手段2よりサーベイランステスト進行判定手段4へ伝送(入力)される。サーベイランステスト進行判定手段4は、サーベイランステスト模擬値入力手段2から伝送された模擬値を受信する。模擬値を受信した後にサーベイランステスト進行判定手段4は、サーベイランステストの進行を行う。
【0034】
このときのサーベイランステストは、プラントに配置されている実際の機器からの信号は使用されず、模擬値が使用される。
【0035】
本実施形態によれば、サーベイランステストで使用する手順表示画面上から実際のプラントの運転状態に関係なく独立して模擬入力を容易に設定できることから、サーベイランステスト手順の設定誤りの確認(検証)が容易になる。さらに、実際の機器を動作させることなく作成したサーベイランステスト手順の模擬実行を行うことができる。
【0036】
また、操作機器に割り当てられているセンサー信号番号、センサー名称、およびセンサー信号の現在値が表示されることから、操作機器に割り当てたセンサー信号番号の確認が容易に行うことができる。さらに、サーベイランステスト進行中に不都合が発生した場合の調査を容易に行うことができ、原因究明及び復旧操作の時間短縮を図ることができる。
【0037】
[第2の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第2の実施形態について以下に説明する。なお、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図4は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0038】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト操作進行表示手段5、サーベイランステスト手順記憶手段3、サーベイランステスト模擬値入力手段2、サーベイランステスト進行判定手段4および配置図表示手段6を有している。この配置図表示手段6は、画面上にサーベイランステストを行う系統に配置された機器の操作スイッチ配置図を表示する機能を有している。
【0039】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0040】
先ず、サーベイランステスト進行判定手段4によりサーベイランステスト手順記憶手段3からサーベイランステスト手順を読み出す(抽出する)。読み出されたサーベイランステスト手順は、サーベイランステスト操作進行表示手段5により表示する。ここで表示されたサーベイランステスト手順上の操作機器の名称をタッチ(クリック)すると、サーベイランステスト操作進行表示手段5から配置図表示手段6へテスト対象の系統の配置図の表示要求が伝送される。系統の配置図の表示要求を受信した配置図表示手段6は、例えば図5に示すような配置図が表示される。図5は、操作盤機器スイッチ配置図の一例を示す表示画面の概略図である。
【0041】
本実施形態によれば、実際のプラントの運転状態に関係なく独立して模擬入力を容易に設定できることから、サーベイランステスト手順の設定誤りの確認(検証)が容易になる。さらに、実際の機器を動作させることなく作成したサーベイランステスト手順の模擬実行を行うことができる。
【0042】
また、使用する操作盤の画面配置(イメージ)とほぼ同じように表示されることから、実際の機器の操作と同じような操作できる。したがって、イメージを把握することができるため模擬運転等の運転訓練にも使用することができる。
【0043】
[第3の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第3の実施形態について以下に説明する。なお、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図6は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0044】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト操作進行表示手段5、サーベイランステスト手順記憶手段3、サーベイランステスト模擬値入力手段2、サーベイランステスト進行判定手段4、模擬値データベース7を有している。この模擬値データベース7は、予め設定する模擬値を記憶しておく機能を有している。
【0045】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0046】
予め設定しておく模擬値について、例えば図7に示すような構造でサーベイランステストの例えば試験対象系統名、試験ステップ番号、センサー信号番号、および模擬値を模擬値データベース7に記憶しておく。図7は、模擬値データベース7構造の一例を示すデータベース構造図である。
【0047】
サーベイランステストを開始するとサーベイランステスト操作進行表示手段5からサーベイランステスト進行判定手段4に試験対象系統名が伝送される。次に、サーベイランステスト手順記憶手段3からサーベイランステスト手順を読み出す(抽出する)。読み出されたサーベイランステスト手順は、サーベイランステスト操作進行表示手段5により表示される。
【0048】
このとき進行中のサーベイランステストの試験ステップ番号は、サーベイランステストを進行する毎に、サーベイランステスト操作進行表示手段5からサーベイランステスト進行判定手段4およびサーベイランステスト模擬値入力手段2へ送られる。
【0049】
サーベイランステスト模擬値入力手段2は、サーベイランステスト操作進行表示手段5から伝送されたサーベイランステスト試験対象系統名および試験ステップ番号に基づいて模擬値データベース7から模擬値を抽出し、サーベイランステスト進行判定手段4に伝送する。
【0050】
本実施形態によれば、サーベイランステストの試験ステップの進行に合わせて模擬値を設定することができる。
【0051】
実際のサーベイランステストの運用では、サーベイランステスト手順の大部分はそのままで、操作する機器や確認する機器の若干の追加等の微調整が主な作業となる。このため、設定する模擬値は前回設定したものとほとんど同じパターンになることが多い。本実施形態では、1度作成した模擬値データベース7を繰り返し使用できて、手順の微調整および模擬実行の繰り返しが可能となり、短い時間で最適な手順を作成することができる。
【0052】
[第4の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第4の実施形態について以下に説明する。なお、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図8は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0053】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト手順記憶手段3、サーベイランステスト手順編集手段17および操作手順解析手段8を有している。サーベイランステスト手順編集手段17は、サーベイランステスト手順を編集する機能を有している。操作手順解析手段8は、サーベイランステスト手順における操作機器を時系列的に解析する機能を有している。
【0054】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0055】
サーベイランステスト手順編集手段17は、サーベイランステスト手順記憶手段3より編集対象のサーベイランステスト手順を一括して読み込む。読み込まれたサーベイランステスト手順は、操作手順解析手段8へ伝送される。操作手順解析手段8では、操作機器と操作機器の操作方向について例えば図9に示すように抽出して、機器毎に時系列的に例えば図10に示すようにまとめる。
【0056】
図9は、操作機器一覧の一例を示す表である。図10は、操作機器毎に手順を整理した手順整理表の一例を示す表である。図9に示す表では、同じ機器番号、例えば「F007」が離れた位置に記載されているのに対して、図10に示す表では、同じ機器番号が連続して表示されている。
【0057】
操作手順解析手段8では、例えば1つの機器に対して時系列的に操作および確認する方向が同じもの、または1つの機器に対して1方向のみの操作および確認で終了している手順を抽出して、その抽出結果をサーベイランステスト手順編集手段17へ伝送する。
【0058】
時系列的に操作および確認する方向が同じものとは、例えば、1つの弁に対して、連続的に「開く」を指令することである。この場合、2度目の開く指示は、弁を操作および確認したことにならない。また、1方向のみの操作および確認とは、例えば、弁に対してサーベイランステストで「開く」と指令した状態のままで、サーベイランステストを完了することである。「開く」を指令した後は、元の状態に戻すため「閉じる」の指令を与える必要がある。
【0059】
これらの誤った手順がある場合には、サーベイランステスト手順編集手段17の表示画面に、例えば図11に示すような警告メッセージを出力する。図11は、操作手順誤り警告画面の一例を示す表示画面の概略図である。この警告メッセージに基づいて例えばサーベイランス手順編集手段で手順の修正を行ってもよい。
【0060】
本実施形態によれば、サーベイランステスト手順に対して、操作確認する機器および方向を、機器毎に時系列的に解析することにより、サーベイランステスト手順上の作成誤りを容易に検出することができる。
【0061】
[第5の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第5の実施形態について以下に説明する。なお、第4の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図12は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0062】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト手順編集手段17、サーベイランステスト手順記憶手段3、機器番号照合手段9および第1の機器番号センサー信号番号対応データベース10aを有している。
【0063】
機器番号照合手段9は、サーベイランステスト手順上の機器番号とセンサー信号番号との整合性を検証する機能を有している。第1の機器番号センサー信号番号対応データベース10aは、機器番号照合手段9で使用する機器番号とセンサー信号番号を対比した照合リストを記憶しておく機能を有している。
【0064】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0065】
先ず、予め機器に接続されたセンサーからサーベイランステスト装置までの配線をプラントの図面などにより確認して、例えば図13に示すような機器番号とセンサー信号番号の対比した照合用リストを作成する。図13は、機器番号とセンサー信号番号の対比した照合用リストの一例を示す表である。この照合用リストは、第1の機器番号センサー信号番号対応データベース10aへ伝送されて記憶される。サーベイランステスト手順編集手段17は、サーベイランステスト手順記憶手段3に記憶されている編集対象のサーベイランステスト手順を一括して読み込む。読み込んだサーベイランステスト手順は、機器番号照合手段9へ伝送される。
【0066】
機器番号照合手段9は、サーベイランステスト手順編集手段17から伝送されたサーベイランステスト手順の中から、機器番号とセンサー信号番号の割り当て状態を抽出する。抽出した割り当て状態の情報は、第1の機器番号センサー信号番号対応データベース10aから読み込んだリストと照合される。機器番号とセンサー信号番号の組み合わせが一致しないものを抽出して、その結果はサーベイランステスト手順編集手段17へ伝送される。
【0067】
一致しないものがある場合にはサーベイランステスト手順編集手段17の画面には、例えば図14に示すような警告メッセージを出力する。図14は、機器番号センサー信号番号割り当て誤り警告画面の一例を示す表示画面の概略図である。この警告メッセージに基づいて例えばサーベイランス手順編集手段で手順の修正を行ってもよい。
【0068】
本実施形態によれば、機器番号とセンサー信号番号の割り当て誤りを防ぐことができ手順書を作成する作業員の負担軽減を図ることができる。
【0069】
[第6の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第6の実施形態について以下に説明する。なお、第4の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図15は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0070】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト手順編集手段17、サーベイランステスト手順記憶手段3、センサー番号検索手段11および第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10bを有している。
【0071】
センサー番号検索手段11は、サーベイランステスト手順上で入力された機器番号に対応したセンサー信号番号を検索する機能を有している。第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10bは、センサー番号検索手段11で使用する機器番号とセンサー信号番号を対比したリストを記憶しておく機能を有している。
【0072】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0073】
先ず、予め機器に接続されたセンサーからサーベイランステスト装置までの配線をプラントの図面などにより確認して、例えば図13に示すような機器番号とセンサー信号番号の対比した照合用リストを作成する。この照合用リストは、第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10bへ伝送されて記憶される。サーベイランステスト手順編集手段17は、サーベイランステスト手順で使用する機器番号をセンサー番号検索手段11に伝送する。センサー番号検索手段11は、受信した機器番号に基づいて、第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10bからセンサー番号を検索する。この検索結果は、サーベイランステスト手順編集手段17へ伝送される。サーベイランステスト手順編集手段17は、センサー番号検索手段11から伝送されてきたセンサー番号を、例えば図16に示すような構成で機器番号に割り当てて記憶する。割り当ての行われた機器番号に基づいてサーベイランステスト手順編集手段17は、例えば図17に示すように操作番号のみを入力して機器動作の判定方法を指定して、サーベイランステスト手順を作成していく。
【0074】
図16は、センサー番号割り当て画面の一例を示す表示画面の概略図である。図17は、判定方法指定画面の一例を示す表示画面の概略図である。
【0075】
本実施形態によれば、サーベイランステスト手順編集手段17で予め機器番号とセンサー信号番号の割り当てを行うため、サーベイランステスト手順の編集作業は機器番号のみを指定すればよい。したがって、同じ機器のセンサー信号番号を複数回入力する必要もなく、センサー信号番号の割り当ての誤りを防ぐことができ、手順編集における作業員の負担軽減を図ることができる。
【0076】
[第7の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第7の実施形態について以下に説明する。図18は、本実施形態のサーベイランステスト装置に時間測定装置15が接続された状態を示すブロック構成図である。
【0077】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、時間測定手段12、基準クロック部13、基準信号出力手段14、出力端子16、および時間測定装置15を有する。
【0078】
時間測定手段12は、サーベイランステストにおける機器の動作時間を測定する機能を有する。基準クロック部13は、時間測定手段12に時間信号を供給する機能を有する。基準信号出力手段14は、基準クロック部13からの時間信号に基づいて一定周期で開閉を繰り返す接点信号を出力する機能を有する。出力端子16は、基準信号出力手段14からの接点信号を出力する機能を有する。
【0079】
なお、本実施形態のサーベイランステスト装置に接続されている時間測定装置15は、出力端子16の接点信号の開閉時間を測定する機能を有している。
【0080】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0081】
基準クロック部13は、時間測定手段12へ供給している時間信号と同じ信号を基準信号出力手段14へ送信している。基準信号出力手段14は、基準クロック部13から伝送された時間信号に基づいて一定周期、例えば10秒毎に開閉を繰り返す接点信号を、出力端子16に対して出力する。
【0082】
出力端子16に校正された時間測定装置15、例えばオシロスコープのような装置を接続して、出力端子16の開閉時間を測定する。
【0083】
本実施形態によれば、サーベイランステスト装置が基準にしている基準クロック部13と校正された時間測定装置15で得られた時間の比較により、基準クロック部13の精度を容易に確認することができる。
【0084】
さらに、サーベイランステストにおいて時間測定対象となる機器に対して、その機器に対応付けられて配置されているセンサーに直接信号を入力することなく、模擬的に時間測定の精度を検証することができる。
【0085】
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0086】
例えば、第5の実施形態および第6の実施形態の特徴を組み合わせることにより、第1および第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10a、10bそれぞれが有する機能を1つのデータベースに統合してもよい。
【0087】
さらに、第1の実施形態〜第7の実施形態の特徴を全て組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…プロセス入力手段、2…サーベイランステスト模擬値入力手段、3…サーベイランステスト手順記憶手段、4…サーベイランステスト進行判定手段、5…サーベイランステスト操作進行表示手段、6…配置図表示手段、7…模擬値データベース、8…操作手順解析手段、9…機器番号照合手段、10a…第1の機器番号センサー信号番号対応データベース、10b…第2の機器番号センサー信号番号対応データベース、11…センサー番号検索手段、12…時間測定手段、13…基準クロック部、14…基準信号出力手段、15…時間測定装置、16…出力端子、17…サーベイランス手順編集手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーベイランステスト装置およびその装置を用いたサーベイランステスト手順の検証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、原子力発電所等のプラントを監視するプラント監視システムにおいては、プラントの安全性確保のためにプラント緊急時の対応を主目的とした機器および系統等が多数導入されている。これらの機器および系統は、例えば緊急時対応機器および緊急時対応系統などで、これらを総称して緊急時対応設備機器ともいう。
【0003】
緊急時対応設備機器は、プラント通常運転時においては動作しないため、定期的に緊急時対応設備機器に係るプラントデータを計測し、その計測結果に基づいて緊急時対応設備機器の動作を確認する試験(サーベイランステスト)を行なう。これにより、緊急時対応設備機器が緊急時に支障無く動作(機能)することを確認している。
【0004】
サーベイランステストを行なうために、テスト対象となるプラント現場の系統および設備機器、すなわち、試験対象系統機器の各計測項目に係るデータ収集、計測処理、および計測された結果の判定処理を行うサーベイランステスト装置が使用されている。また、この装置は、サーベイランステスト手順のガイド表示処理なども行う。
【0005】
サーベイランステスト装置は、例えば特許文献1に開示されているような装置が知られている。
【0006】
特許文献1に開示されたサーベイランステスト装置は、操作する機器の順番や操作したことによる機器の動作結果、および操作に伴う機器動作の許容時間等を予め手順として定めている。その手順は、サーベイランステスト装置に記憶されている。サーベイランステスト装置で表示される手順内容に沿って、作業員が試験対象系統の操作盤により機器スイッチを操作してサーベイランステストを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−208885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上述のサーベイランス装置によるサーベイランステストは、改訂される頻度が高く、改訂された場合に、そのテストの手順が正常に機能するか否かを検証する必要がある。このサーベイランステスト手順の検証には、非効率な問題がある。
【0009】
改訂に伴いサーベイランステスト手順を変更した後に、この手順を確認するためには、プラントの機器を実際に動作させるか、または機器からの送信される動作信号に模擬信号を与えながら手順が正しく進行するかを確認する必要がある。
【0010】
しかし、試験対象機器の運転中は、模擬信号を入力することはできない。例えば、原子力発電所の大規模プラントにおける運転停止は、ほぼ年に1度程度である。よって、手順変更後の確認は1年毎の運転停止期間中の短い時間に行う必要がある。
【0011】
実際のプラントの機器には複数のセンサーが取り付けられており、サーベイランステスト装置では、機器とセンサーの情報を一対となるように割り当てて、この複数のセンサーからの信号を論理的に判断して機器の状態を判断している。例えば、弁については少なくとも開状態を検出するセンサーと閉状態を検出するセンサーが取り付けられている。弁の全閉状態を判断するためには開状態を検出するセンサーからの信号がOFFで、閉状態を検出するセンサーからの信号がONであることで判断されている。このように、1つの機器の状態を模擬する場合でも、複数のセンサー信号に対して模擬を行う必要がある。
【0012】
サーベイランステスト手順は操作する機器名称(タグ名称)と操作する方向を記載しただけのものであるため、不慣れな作業員がサーベイランステストを行う場合、操作する機器が、プラント内のどこに配置されているかを探すために時間を要し、スムーズな操作を行うことが難しい場合がある。
【0013】
模擬信号を入力してサーベイランステスト手順の検証を行っている最中に、誤りが見つかった場合には手順の修正を行い、再度手順の先頭より一気通貫で確認することになる。サーベイランス手順のほとんどは、プラントの機器に対して若干の修正を行う程度で済むことが多い。しかし、模擬信号の入力については毎回同じ入力を繰り返す必要があり、効率的ではなかった。
【0014】
サーベイランステストは系統を監視および調査するテストで、機器を一時的に動作させるため、テスト終了後はテスト前の元の状態に戻しておく必要がある。このとき機器の状態を元に戻したかどうかを判断するためには、作業員が机上で手順の進行を確認する、例えば完了した手順を塗りつぶしていくことにより確認している。よって、効率的に行えない場合もある。
【0015】
また、改訂したサーベイランステスト手順が、一度起動させた機器を元の状態に戻さずに動作させる等の誤った手順になっていないかについても確認する必要がある。
【0016】
サーベイランステスト手順上では、操作機器に対してセンサーの情報を対で割り当てる必要があるが、操作機器に対するセンサーの情報は、機器に接続されたセンサーからサーベイランステスト装置のプロセス入力手段までの配線を図面で確認し、プロセス入力手段で定義したセンサー信号番号を抽出して割り当てる必要があった。
【0017】
また上述の通り、1つの機器に接続されたセンサーは複数あり、改訂したサーベイランステスト手順の機器の割り当てが正しいかどうか、または誤りが無いかどうかを確認する作業は手順書を作成する作業員の負担となっていた。さらに、同じ機器の操作を複数回行う場合においても、その度に機器に対してセンサー信号番号を割り当てる必要があり、手順を入力する作業員の負担となっていた。
【0018】
また、プラント機器の健全性の確認のため、例えば操作した弁の開閉時間やポンプが動作してから一定の流量を得るまでの時間などの測定を行っている。このとき、測定結果が判定基準を逸脱した場合や過去の実績と相違が発生した場合、計測対象の動作の問題なのか、サーベイランステスト装置における計測精度の問題なのかを検証する有効な手段がなかった。
【0019】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の機器を有するプラントに対してサーベイランステストを行う前に、サーベイランステスト手順の検証を効率的に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するため本発明に係るサーベイランステスト装置は、複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステスト装置において、複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を記憶するサーベイランステスト手順記憶手段と、前記機器に接続されたセンサーを介して、前記機器の状態を示すプロセス信号が入力され、前記サーベイランステスト手順に基づいて前記サーベイランステストの進行状態を判定するサーベイランステスト進行判定手段と、前記プロセス信号の模擬値を前記サーベイランス進行判定手段に入力するサーベイランステスト模擬値入力手段と、少なくとも前記サーベイランステスト手順と前記サーベイランステスト進行判定手段による判定結果とを表示するサーベイランステスト操作進行表示手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るサーベイランステスト手順の検証方法は、複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステストの手順を検証するサーベイランステスト手順の検証方法において、複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を読み出すサーベイランステスト手順読出し工程と、前記サーベイランステスト手順を表示するサーベイランステスト手順表示工程と、表示された前記サーベイランステスト手順に示されているテスト対象機器を指定して、前記テスト対象機器に対応付けられたセンサー信号番号を抽出するセンサー信号番号抽出工程と、表示画面に表示された前記センサー信号番号およびセンサー名称に対して模擬値を設定する模擬値設定工程と、前記模擬値を使用して模擬的にサーベイランステストを行う模擬サーベイランステスト工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の機器を有するプラントに対してサーベイランステストを行う前に、サーベイランステスト手順の検証を効率的に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図2】第1の実施形態におけるサーベイランステスト手順の表示例を示した表示画面の概略図。
【図3】図2の実施形態における機器番号「F001」のセンサー信号番号「BD431」に模擬値を設定入力している例を示す表示画面の概略図。
【図4】本発明に係る第2の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図5】第2の実施形態における操作盤機器スイッチ配置図の一例を示す表示画面の概略図。
【図6】本発明に係る第3の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図7】第3の実施形態における模擬値データベース構造の一例を示すデータベース構造図。
【図8】本発明に係る第4の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図9】第4の実施形態における操作機器一覧の一例を示す表。
【図10】第4の実施形態における操作機器毎に手順を整理した手順整理表の一例を示す表。
【図11】第4の実施形態における操作手順誤り警告画面の一例を示す表示画面の概略図。
【図12】本発明に係る第5の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図13】第5の実施形態における機器番号とセンサー信号番号の対比した照合用リストの一例を示す表。
【図14】第5の実施形態における機器番号センサー信号番号割り当て誤り警告画面の一例を示す表示画面の概略図。
【図15】本発明に係る第6の実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図。
【図16】第6の実施形態におけるセンサー番号割り当て画面の一例を示す表示画面の概略図。
【図17】第6の実施形態における判定方法指定画面の一例を示す表示画面の概略図。
【図18】本発明に係る第7の実施形態のサーベイランステスト装置に時間測定装置が接続された状態を示すブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
図1は本発明に係るサーベイランステスト装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。
【0026】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、プロセス入力手段1、サーベイランステスト操作進行表示手段5、サーベイランステスト手順記憶手段3、サーベイランステスト模擬値入力手段2、およびサーベイランステスト進行判定手段4を有している。
【0027】
サーベイランステスト操作進行表示手段5は、サーベイランステスト手順を画面表示する機能を有しており、例えばセンサー信号番号、センサー名称、およびセンサー信号の現在値を表示している。サーベイランステスト手順記憶手段3は、サーベイランステスト手順を記憶しておく機能を有している。サーベイランステスト模擬値入力手段2は、サーベイランステスト操作進行表示手段5により表示された、例えばセンサー信号番号、センサー名称、およびセンサー信号の模擬値を設定および入力する機能を有している。サーベイランステスト進行判定手段4は、サーベイランステスト手順記憶手段3から読み込んだサーベイランステスト手順とサーベイランステスト模擬値入力手段2から読み込んだセンサー信号(模擬値)によりサーベイランステストを進行する機能を有している。
【0028】
プロセス入力手段1は、サーベイランステストを行うプラントの系統に配置された複数の機器それぞれに接続されたセンサーから、動作状態を示す信号を受信してサーベイランステスト進行判定手段4に入力する機能を有している。すなわち、実際のサーベイランステストでは、このプロセス入力手段1から入力される信号を使用して、サーベイランステスト手順の検証では、サーベイランステスト模擬値入力手段2から入力される信号を使用する。
【0029】
本実施形態のサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0030】
先ず、サーベイランステスト進行判定手段4により、サーベイランステスト手順記憶手段3から読み出されたサーベイランステスト手順をサーベイランステスト操作進行表示手段5にて表示する。次に、表示されたサーベイランステスト手順上の操作機器の名称をタッチパネル上でタッチするか、マウスなどのポインタを用いてクリックする。これより、操作機器に対応付けられたセンサー信号番号とセンサー名称を、サーベイランステスト手順記憶手段3から抽出する(読み出す)。次に、サーベイランステスト操作進行表示手段5は、タッチ(クリック)した操作機器名称の近傍にセンサー信号番号、センサー名称、およびセンサー信号の現在値を表示する。
【0031】
このときの画面例を図2に示す。図2は、サーベイランステスト手順の表示例を示した表示画面の概略図である。機器番号「F001」に割り当てられたセンサー信号番号を表示している。
【0032】
続いて、サーベイランステスト操作進行表示手段5の表示画面に表示されたセンサー信号番号およびセンサー名称に対して、模擬値を設定する。このときの画面例を図3に示す。図3は、機器番号「F001」のセンサー信号番号「BD431」に模擬値を設定入力している例を示す表示画面の概略図である。
【0033】
設定した模擬値はサーベイランステスト模擬値入力手段2よりサーベイランステスト進行判定手段4へ伝送(入力)される。サーベイランステスト進行判定手段4は、サーベイランステスト模擬値入力手段2から伝送された模擬値を受信する。模擬値を受信した後にサーベイランステスト進行判定手段4は、サーベイランステストの進行を行う。
【0034】
このときのサーベイランステストは、プラントに配置されている実際の機器からの信号は使用されず、模擬値が使用される。
【0035】
本実施形態によれば、サーベイランステストで使用する手順表示画面上から実際のプラントの運転状態に関係なく独立して模擬入力を容易に設定できることから、サーベイランステスト手順の設定誤りの確認(検証)が容易になる。さらに、実際の機器を動作させることなく作成したサーベイランステスト手順の模擬実行を行うことができる。
【0036】
また、操作機器に割り当てられているセンサー信号番号、センサー名称、およびセンサー信号の現在値が表示されることから、操作機器に割り当てたセンサー信号番号の確認が容易に行うことができる。さらに、サーベイランステスト進行中に不都合が発生した場合の調査を容易に行うことができ、原因究明及び復旧操作の時間短縮を図ることができる。
【0037】
[第2の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第2の実施形態について以下に説明する。なお、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図4は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0038】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト操作進行表示手段5、サーベイランステスト手順記憶手段3、サーベイランステスト模擬値入力手段2、サーベイランステスト進行判定手段4および配置図表示手段6を有している。この配置図表示手段6は、画面上にサーベイランステストを行う系統に配置された機器の操作スイッチ配置図を表示する機能を有している。
【0039】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0040】
先ず、サーベイランステスト進行判定手段4によりサーベイランステスト手順記憶手段3からサーベイランステスト手順を読み出す(抽出する)。読み出されたサーベイランステスト手順は、サーベイランステスト操作進行表示手段5により表示する。ここで表示されたサーベイランステスト手順上の操作機器の名称をタッチ(クリック)すると、サーベイランステスト操作進行表示手段5から配置図表示手段6へテスト対象の系統の配置図の表示要求が伝送される。系統の配置図の表示要求を受信した配置図表示手段6は、例えば図5に示すような配置図が表示される。図5は、操作盤機器スイッチ配置図の一例を示す表示画面の概略図である。
【0041】
本実施形態によれば、実際のプラントの運転状態に関係なく独立して模擬入力を容易に設定できることから、サーベイランステスト手順の設定誤りの確認(検証)が容易になる。さらに、実際の機器を動作させることなく作成したサーベイランステスト手順の模擬実行を行うことができる。
【0042】
また、使用する操作盤の画面配置(イメージ)とほぼ同じように表示されることから、実際の機器の操作と同じような操作できる。したがって、イメージを把握することができるため模擬運転等の運転訓練にも使用することができる。
【0043】
[第3の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第3の実施形態について以下に説明する。なお、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図6は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0044】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト操作進行表示手段5、サーベイランステスト手順記憶手段3、サーベイランステスト模擬値入力手段2、サーベイランステスト進行判定手段4、模擬値データベース7を有している。この模擬値データベース7は、予め設定する模擬値を記憶しておく機能を有している。
【0045】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0046】
予め設定しておく模擬値について、例えば図7に示すような構造でサーベイランステストの例えば試験対象系統名、試験ステップ番号、センサー信号番号、および模擬値を模擬値データベース7に記憶しておく。図7は、模擬値データベース7構造の一例を示すデータベース構造図である。
【0047】
サーベイランステストを開始するとサーベイランステスト操作進行表示手段5からサーベイランステスト進行判定手段4に試験対象系統名が伝送される。次に、サーベイランステスト手順記憶手段3からサーベイランステスト手順を読み出す(抽出する)。読み出されたサーベイランステスト手順は、サーベイランステスト操作進行表示手段5により表示される。
【0048】
このとき進行中のサーベイランステストの試験ステップ番号は、サーベイランステストを進行する毎に、サーベイランステスト操作進行表示手段5からサーベイランステスト進行判定手段4およびサーベイランステスト模擬値入力手段2へ送られる。
【0049】
サーベイランステスト模擬値入力手段2は、サーベイランステスト操作進行表示手段5から伝送されたサーベイランステスト試験対象系統名および試験ステップ番号に基づいて模擬値データベース7から模擬値を抽出し、サーベイランステスト進行判定手段4に伝送する。
【0050】
本実施形態によれば、サーベイランステストの試験ステップの進行に合わせて模擬値を設定することができる。
【0051】
実際のサーベイランステストの運用では、サーベイランステスト手順の大部分はそのままで、操作する機器や確認する機器の若干の追加等の微調整が主な作業となる。このため、設定する模擬値は前回設定したものとほとんど同じパターンになることが多い。本実施形態では、1度作成した模擬値データベース7を繰り返し使用できて、手順の微調整および模擬実行の繰り返しが可能となり、短い時間で最適な手順を作成することができる。
【0052】
[第4の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第4の実施形態について以下に説明する。なお、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図8は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0053】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト手順記憶手段3、サーベイランステスト手順編集手段17および操作手順解析手段8を有している。サーベイランステスト手順編集手段17は、サーベイランステスト手順を編集する機能を有している。操作手順解析手段8は、サーベイランステスト手順における操作機器を時系列的に解析する機能を有している。
【0054】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0055】
サーベイランステスト手順編集手段17は、サーベイランステスト手順記憶手段3より編集対象のサーベイランステスト手順を一括して読み込む。読み込まれたサーベイランステスト手順は、操作手順解析手段8へ伝送される。操作手順解析手段8では、操作機器と操作機器の操作方向について例えば図9に示すように抽出して、機器毎に時系列的に例えば図10に示すようにまとめる。
【0056】
図9は、操作機器一覧の一例を示す表である。図10は、操作機器毎に手順を整理した手順整理表の一例を示す表である。図9に示す表では、同じ機器番号、例えば「F007」が離れた位置に記載されているのに対して、図10に示す表では、同じ機器番号が連続して表示されている。
【0057】
操作手順解析手段8では、例えば1つの機器に対して時系列的に操作および確認する方向が同じもの、または1つの機器に対して1方向のみの操作および確認で終了している手順を抽出して、その抽出結果をサーベイランステスト手順編集手段17へ伝送する。
【0058】
時系列的に操作および確認する方向が同じものとは、例えば、1つの弁に対して、連続的に「開く」を指令することである。この場合、2度目の開く指示は、弁を操作および確認したことにならない。また、1方向のみの操作および確認とは、例えば、弁に対してサーベイランステストで「開く」と指令した状態のままで、サーベイランステストを完了することである。「開く」を指令した後は、元の状態に戻すため「閉じる」の指令を与える必要がある。
【0059】
これらの誤った手順がある場合には、サーベイランステスト手順編集手段17の表示画面に、例えば図11に示すような警告メッセージを出力する。図11は、操作手順誤り警告画面の一例を示す表示画面の概略図である。この警告メッセージに基づいて例えばサーベイランス手順編集手段で手順の修正を行ってもよい。
【0060】
本実施形態によれば、サーベイランステスト手順に対して、操作確認する機器および方向を、機器毎に時系列的に解析することにより、サーベイランステスト手順上の作成誤りを容易に検出することができる。
【0061】
[第5の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第5の実施形態について以下に説明する。なお、第4の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図12は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0062】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト手順編集手段17、サーベイランステスト手順記憶手段3、機器番号照合手段9および第1の機器番号センサー信号番号対応データベース10aを有している。
【0063】
機器番号照合手段9は、サーベイランステスト手順上の機器番号とセンサー信号番号との整合性を検証する機能を有している。第1の機器番号センサー信号番号対応データベース10aは、機器番号照合手段9で使用する機器番号とセンサー信号番号を対比した照合リストを記憶しておく機能を有している。
【0064】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0065】
先ず、予め機器に接続されたセンサーからサーベイランステスト装置までの配線をプラントの図面などにより確認して、例えば図13に示すような機器番号とセンサー信号番号の対比した照合用リストを作成する。図13は、機器番号とセンサー信号番号の対比した照合用リストの一例を示す表である。この照合用リストは、第1の機器番号センサー信号番号対応データベース10aへ伝送されて記憶される。サーベイランステスト手順編集手段17は、サーベイランステスト手順記憶手段3に記憶されている編集対象のサーベイランステスト手順を一括して読み込む。読み込んだサーベイランステスト手順は、機器番号照合手段9へ伝送される。
【0066】
機器番号照合手段9は、サーベイランステスト手順編集手段17から伝送されたサーベイランステスト手順の中から、機器番号とセンサー信号番号の割り当て状態を抽出する。抽出した割り当て状態の情報は、第1の機器番号センサー信号番号対応データベース10aから読み込んだリストと照合される。機器番号とセンサー信号番号の組み合わせが一致しないものを抽出して、その結果はサーベイランステスト手順編集手段17へ伝送される。
【0067】
一致しないものがある場合にはサーベイランステスト手順編集手段17の画面には、例えば図14に示すような警告メッセージを出力する。図14は、機器番号センサー信号番号割り当て誤り警告画面の一例を示す表示画面の概略図である。この警告メッセージに基づいて例えばサーベイランス手順編集手段で手順の修正を行ってもよい。
【0068】
本実施形態によれば、機器番号とセンサー信号番号の割り当て誤りを防ぐことができ手順書を作成する作業員の負担軽減を図ることができる。
【0069】
[第6の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第6の実施形態について以下に説明する。なお、第4の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図15は、本実施形態のサーベイランステスト装置のブロック構成図である。
【0070】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、サーベイランステスト手順編集手段17、サーベイランステスト手順記憶手段3、センサー番号検索手段11および第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10bを有している。
【0071】
センサー番号検索手段11は、サーベイランステスト手順上で入力された機器番号に対応したセンサー信号番号を検索する機能を有している。第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10bは、センサー番号検索手段11で使用する機器番号とセンサー信号番号を対比したリストを記憶しておく機能を有している。
【0072】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0073】
先ず、予め機器に接続されたセンサーからサーベイランステスト装置までの配線をプラントの図面などにより確認して、例えば図13に示すような機器番号とセンサー信号番号の対比した照合用リストを作成する。この照合用リストは、第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10bへ伝送されて記憶される。サーベイランステスト手順編集手段17は、サーベイランステスト手順で使用する機器番号をセンサー番号検索手段11に伝送する。センサー番号検索手段11は、受信した機器番号に基づいて、第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10bからセンサー番号を検索する。この検索結果は、サーベイランステスト手順編集手段17へ伝送される。サーベイランステスト手順編集手段17は、センサー番号検索手段11から伝送されてきたセンサー番号を、例えば図16に示すような構成で機器番号に割り当てて記憶する。割り当ての行われた機器番号に基づいてサーベイランステスト手順編集手段17は、例えば図17に示すように操作番号のみを入力して機器動作の判定方法を指定して、サーベイランステスト手順を作成していく。
【0074】
図16は、センサー番号割り当て画面の一例を示す表示画面の概略図である。図17は、判定方法指定画面の一例を示す表示画面の概略図である。
【0075】
本実施形態によれば、サーベイランステスト手順編集手段17で予め機器番号とセンサー信号番号の割り当てを行うため、サーベイランステスト手順の編集作業は機器番号のみを指定すればよい。したがって、同じ機器のセンサー信号番号を複数回入力する必要もなく、センサー信号番号の割り当ての誤りを防ぐことができ、手順編集における作業員の負担軽減を図ることができる。
【0076】
[第7の実施形態]
本発明に係るサーベイランステスト装置の第7の実施形態について以下に説明する。図18は、本実施形態のサーベイランステスト装置に時間測定装置15が接続された状態を示すブロック構成図である。
【0077】
本実施形態のサーベイランステスト装置は、時間測定手段12、基準クロック部13、基準信号出力手段14、出力端子16、および時間測定装置15を有する。
【0078】
時間測定手段12は、サーベイランステストにおける機器の動作時間を測定する機能を有する。基準クロック部13は、時間測定手段12に時間信号を供給する機能を有する。基準信号出力手段14は、基準クロック部13からの時間信号に基づいて一定周期で開閉を繰り返す接点信号を出力する機能を有する。出力端子16は、基準信号出力手段14からの接点信号を出力する機能を有する。
【0079】
なお、本実施形態のサーベイランステスト装置に接続されている時間測定装置15は、出力端子16の接点信号の開閉時間を測定する機能を有している。
【0080】
本実施形態のサーベイランス装置によるサーベイランステスト手順の検証方法について説明する。
【0081】
基準クロック部13は、時間測定手段12へ供給している時間信号と同じ信号を基準信号出力手段14へ送信している。基準信号出力手段14は、基準クロック部13から伝送された時間信号に基づいて一定周期、例えば10秒毎に開閉を繰り返す接点信号を、出力端子16に対して出力する。
【0082】
出力端子16に校正された時間測定装置15、例えばオシロスコープのような装置を接続して、出力端子16の開閉時間を測定する。
【0083】
本実施形態によれば、サーベイランステスト装置が基準にしている基準クロック部13と校正された時間測定装置15で得られた時間の比較により、基準クロック部13の精度を容易に確認することができる。
【0084】
さらに、サーベイランステストにおいて時間測定対象となる機器に対して、その機器に対応付けられて配置されているセンサーに直接信号を入力することなく、模擬的に時間測定の精度を検証することができる。
【0085】
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0086】
例えば、第5の実施形態および第6の実施形態の特徴を組み合わせることにより、第1および第2の機器番号センサー信号番号対応データベース10a、10bそれぞれが有する機能を1つのデータベースに統合してもよい。
【0087】
さらに、第1の実施形態〜第7の実施形態の特徴を全て組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…プロセス入力手段、2…サーベイランステスト模擬値入力手段、3…サーベイランステスト手順記憶手段、4…サーベイランステスト進行判定手段、5…サーベイランステスト操作進行表示手段、6…配置図表示手段、7…模擬値データベース、8…操作手順解析手段、9…機器番号照合手段、10a…第1の機器番号センサー信号番号対応データベース、10b…第2の機器番号センサー信号番号対応データベース、11…センサー番号検索手段、12…時間測定手段、13…基準クロック部、14…基準信号出力手段、15…時間測定装置、16…出力端子、17…サーベイランス手順編集手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステスト装置において、
複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を記憶するサーベイランステスト手順記憶手段と、
前記機器に接続されたセンサーを介して、前記機器の状態を示すプロセス信号が入力され、前記サーベイランステスト手順に基づいて前記サーベイランステストの進行状態を判定するサーベイランステスト進行判定手段と、
前記プロセス信号の模擬値を前記サーベイランス進行判定手段に入力するサーベイランステスト模擬値入力手段と、
少なくとも前記サーベイランステスト手順と前記サーベイランステスト進行判定手段による判定結果とを表示するサーベイランステスト操作進行表示手段と、
を有することを特徴とするサーベイランステスト装置。
【請求項2】
前記機器の操作スイッチの配置図を表示する配置図表示手段を有し、
前記サーベイランステスト模擬値入力手段により、前記配置図表示手段で前記操作スイッチの配置図が表示された機器の前記プロセス信号の前記模擬値を入力できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項3】
前記模擬値を予め設定しておく模擬値データベースを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項4】
前記サーベイランステスト手順を編集するサーベイランステスト手順編集手段と、
1つの機器に対して行う前記操作手順および動作確認手順を時系列的に表示して、これらの手順が正しいか否かを解析する操作手順解析手段と、
を有し、
前記操作手順解析手段で当該手順に誤りがあることが確認できた場合には前記サーベイランステスト手順編集手段で再度編集できるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項5】
前記サーベイランステスト手順で前記機器に割り当てられた機器番号と、前記機器に配置されるセンサーのセンサー信号番号との整合性を検証する機器番号照合手段と、
前記機器番号照合手段で使用する前記機器番号と前記センサー信号番号を対比したリストを記憶しておく第1の機器番号センサー信号番号対応データベースと、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項6】
前記サーベイランステスト操作進行表示手段により表示された前記サーベイランステスト手順上で入力された機器番号に対応したセンサー信号番号を検索するセンサー番号検索手段と、
前記センサー番号検索手段で使用する前記機器番号およびセンサー信号番号を対比したリストを記憶する第2の機器番号センサー信号番号対応データベースと、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項7】
前記機器の動作時間を測定する時間測定手段と、
前記時間測定手段に時間信号を供給する基準クロック部と、
前記基準クロック部から供給された時間信号に基づいて一定周期で開閉を繰り返す接点信号を出力する基準信号出力手段と、
前記基準信号出力手段からの前記接点信号を出力する出力端子と、
を有し、
前記出力端子に時間測定装置を接続して前記出力端子の開閉時間を測定して、前記基準クロック部の時間信号の精度を検証できるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項8】
複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステストの手順を検証するサーベイランステスト手順の検証方法において、
複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を読み出すサーベイランステスト手順読出し工程と、
前記サーベイランステスト手順を表示するサーベイランステスト手順表示工程と、
表示された前記サーベイランステスト手順に示されているテスト対象機器を指定して、前記テスト対象機器に対応付けられたセンサー信号番号を抽出するセンサー信号番号抽出工程と、
表示画面に表示された前記センサー信号番号およびセンサー名称に対して模擬値を設定する模擬値設定工程と、
前記模擬値を使用して模擬的にサーベイランステストを行う模擬サーベイランステスト工程と、
を有することを特徴とするサーベイランステスト手順の検証方法。
【請求項1】
複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステスト装置において、
複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を記憶するサーベイランステスト手順記憶手段と、
前記機器に接続されたセンサーを介して、前記機器の状態を示すプロセス信号が入力され、前記サーベイランステスト手順に基づいて前記サーベイランステストの進行状態を判定するサーベイランステスト進行判定手段と、
前記プロセス信号の模擬値を前記サーベイランス進行判定手段に入力するサーベイランステスト模擬値入力手段と、
少なくとも前記サーベイランステスト手順と前記サーベイランステスト進行判定手段による判定結果とを表示するサーベイランステスト操作進行表示手段と、
を有することを特徴とするサーベイランステスト装置。
【請求項2】
前記機器の操作スイッチの配置図を表示する配置図表示手段を有し、
前記サーベイランステスト模擬値入力手段により、前記配置図表示手段で前記操作スイッチの配置図が表示された機器の前記プロセス信号の前記模擬値を入力できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項3】
前記模擬値を予め設定しておく模擬値データベースを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項4】
前記サーベイランステスト手順を編集するサーベイランステスト手順編集手段と、
1つの機器に対して行う前記操作手順および動作確認手順を時系列的に表示して、これらの手順が正しいか否かを解析する操作手順解析手段と、
を有し、
前記操作手順解析手段で当該手順に誤りがあることが確認できた場合には前記サーベイランステスト手順編集手段で再度編集できるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項5】
前記サーベイランステスト手順で前記機器に割り当てられた機器番号と、前記機器に配置されるセンサーのセンサー信号番号との整合性を検証する機器番号照合手段と、
前記機器番号照合手段で使用する前記機器番号と前記センサー信号番号を対比したリストを記憶しておく第1の機器番号センサー信号番号対応データベースと、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項6】
前記サーベイランステスト操作進行表示手段により表示された前記サーベイランステスト手順上で入力された機器番号に対応したセンサー信号番号を検索するセンサー番号検索手段と、
前記センサー番号検索手段で使用する前記機器番号およびセンサー信号番号を対比したリストを記憶する第2の機器番号センサー信号番号対応データベースと、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項7】
前記機器の動作時間を測定する時間測定手段と、
前記時間測定手段に時間信号を供給する基準クロック部と、
前記基準クロック部から供給された時間信号に基づいて一定周期で開閉を繰り返す接点信号を出力する基準信号出力手段と、
前記基準信号出力手段からの前記接点信号を出力する出力端子と、
を有し、
前記出力端子に時間測定装置を接続して前記出力端子の開閉時間を測定して、前記基準クロック部の時間信号の精度を検証できるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のサーベイランステスト装置。
【請求項8】
複数の機器を具備するプラントの調査および監視を行うサーベイランステストの手順を検証するサーベイランステスト手順の検証方法において、
複数の機器の操作手順および動作確認手順を具備するサーベイランステスト手順を読み出すサーベイランステスト手順読出し工程と、
前記サーベイランステスト手順を表示するサーベイランステスト手順表示工程と、
表示された前記サーベイランステスト手順に示されているテスト対象機器を指定して、前記テスト対象機器に対応付けられたセンサー信号番号を抽出するセンサー信号番号抽出工程と、
表示画面に表示された前記センサー信号番号およびセンサー名称に対して模擬値を設定する模擬値設定工程と、
前記模擬値を使用して模擬的にサーベイランステストを行う模擬サーベイランステスト工程と、
を有することを特徴とするサーベイランステスト手順の検証方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−176516(P2010−176516A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20044(P2009−20044)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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