説明

サーボフレーム間隔補正装置、記憶装置、サーボフレーム間隔補正方法

【課題】従来の推定位置に補正を行うサーボフレーム間隔補正装置、記憶装置を提供する。
【解決手段】複数のサーボフレームが配置された記憶媒体30から第1サーボフレームを検出する検出部10と、所定のサーボフレームとその所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したサーボフレーム間隔テーブル20から、第1サーボフレームと第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得する取得部11と、取得部11にて取得された検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出する差分算出部12と、差分算出部12にて算出された差分に基づき、次に検出すべき第2サーボフレームの推定位置に対し補正する補正部13とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転中心のずれを伴う記憶媒体のサーボフレームの間隔を補正するサーボフレーム間隔補正装置、記憶装置、サーボフレーム間隔補正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の磁気ディスク装置における磁気ヘッドの制御について図9を参照しつつ説明する。
【0003】
磁気ディスク装置は、現在の磁気ヘッドの算出位置(予測位置)、現在の磁気ヘッドの算出速度(予測速度)、およびバイアス成分である予測外力に制御マトリクス(Z-1(後述))を積算することで、次のサーボフレームの位置および速度を算出する。
【0004】
ただし、これだけでは時間が経過するごとに誤差が累積してしまうため、磁気ディスク装置は、予測位置と復調位置(磁気ヘッド(実メカ)が読み取ったサーボフレームの位置)の差分である予測誤差を算出し、予測誤差と係数(予測位置に対しLp、予測速度に対しLv、予測外力に対しLb)とをそれぞれ積算する。その後、磁気ディスク装置は予測誤差とLpを積算したものと制御マトリクスと予測位置とを積算したものとを加算することで次のサーボフレームの位置(推定位置)を算出する。磁気ディスク装置は次のサーボフレーム到達時の速度(推定速度)、推定外力に対しても同様の方法で算出する。
【0005】
その後、磁気ディスク装置は、推定位置に比例項(Kp)を積算し、推定速度に微分項(Kv)を積算し、それぞれを加算することで、PID制御にて操作量uを算出し、算出された操作量uに基づき磁気ヘッドは制御される。尚、推定外力はPID制御の外部で処理されるため、操作量uの算出には考慮されない。
【0006】
磁気ディスク装置は磁気ヘッドを操作量uで制御した後、次のサーボフレームを検出するよう処理が移る場合は、算出した推定位置を予測位置に、算出した推定速度を予測速度に、推定外力を予測外力として次のサーボフレームにおける推定位置、推定速度を求める。
【0007】
また、磁気ヘッドの制御において、制御器(DSP:Digital Signal Processor)が検知することができるのは、復調位置と、DSPがパワーアンプ経由で磁気ヘッド(実メカ)に指示した電流とである。磁気ヘッドの速度を知る方法は二つあり、一つは位置差分を求める方法であり、もう一つは電流に基づく加速度を積分して速度を求める方法である。現代制御では、加速度を積分することで速度を求めることが一般的である。
【0008】
尚、上述にて説明した磁気ヘッドの制御は、等時間間隔でサーボフレームが得られるという前提で設計されている。
【0009】
また、本発明の関連ある従来技術として、ディスク中心の偏心等により発生するランナウトと呼ばれる現象に起因するベッドサーボ信号のうねりを補正する磁気ヘッド位置決め制御装置が開示されている(例えば特許文献1)。また、ディスクドライブにおける細かいヘッド位置情報を同期して検出する方法が開示されている(例えば特許文献2)。さらに、不要なディスクフォーマットマージンをなくし、フォーマット効率を向上する磁気ディスク装置が開示されている(例えば特許文献3)。
【0010】
【特許文献1】特開平11−353831号公報
【特許文献2】特開平10−507027号公報
【特許文献3】特開2006−12350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、単板STW(Servo Track Writer)を採用した磁気ディスク装置においては、STWを行う設備と、磁気ディスク装置に組み込む時の組み立て精度から、サーボフレームが微小ながらも回転中心からずれてしまう。
【0012】
これにより、磁気ヘッドは楕円のような軌道を描くことになり、サーボフレームが長くなったり短くなったりする。従来の制御系は、等時間間隔でポジション信号が得られるという前提で設計されているが、サーボフレームの間隔は、楕円軌道の影響により等時間間隔にならない。このサーボフレームの時間間隔の変動は、シーク速度が十分遅い場合は問題が無かったが、シーク速度が速くなるにつれ、シーク精度に悪影響を与えるようになってくる。
【0013】
たとえば1サーボフレームに300トラック移動するような状態を仮定する。このとき、磁気ヘッドが回転中心から30mmの距離にあり、記憶媒体の偏心が30umあったとする。この場合、時間に換算すると0.1%の誤差がある。この誤差は、300トラックに対しては0.3トラックに過ぎないが、誤差が累積的に制御系に入ると、シーク動作を安定して行うことが困難になり、シーク終了が乱れてしまう。このことによりシーク時間が延びてしまい、ひいてはアクセスタイム低下、磁気ディスク装置性能の低下と言った問題を引き起こす。
【0014】
これは制御系に対して、磁気ヘッドの推定位置と実際の位置との差分である予測誤差の形でサーボフレームの変動が挿入されていることが問題であると考えられる。
【0015】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、推定位置(あるいは予測位置)に対し補正を行うサーボフレーム間隔補正装置、記憶装置、サーボフレーム間隔補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決するため、本発明のサーボフレーム間隔補正装置の一態様は、複数のサーボフレームが配置された記憶媒体から第1サーボフレームを検出する検出部と、所定のサーボフレームと該所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したテーブルから、前記第1サーボフレームと該第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得する取得部と、前記取得部にて取得された検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出する差分算出部と、前記差分算出部にて算出された差分に基づき、次に検出すべき前記第2サーボフレームの推定位置に対し補正する補正部とを備えるものである。
【0017】
また、本発明の記憶装置の一態様は、複数のサーボフレームが配置された記憶媒体から第1サーボフレームを検出する検出部と、所定のサーボフレームと該所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したテーブルから、前記第1サーボフレームと該第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得する取得部と、前記取得部にて取得された検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出する差分算出部と、前記差分算出部にて算出された差分に基づき、次に検出すべき前記第2サーボフレームの推定位置に対し補正する補正部と、前記補正部にて補正された位置に前記検出部が移動するよう制御する制御部とを備えるものである。
【0018】
さらに、本発明のサーボフレーム間隔補正方法の一態様は、複数のサーボフレームが配置された記憶媒体から第1サーボフレームを検出し、所定のサーボフレームと該所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したテーブルから、前記第1サーボフレームと該第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得し、取得された前記検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出し、算出された前記差分に基づき、次に検出すべき前記第2サーボフレームの推定位置に対し補正する処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、回転中心からのずれを伴う記憶媒体に対し、サーボフレームの位置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、本発明の一つの実施例であるため、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、本実施の形態に限られるものではない。また、本実施の形態では、記憶装置の一つである磁気ディスク装置に基づき説明をするが、形態を限定するものではない。
【0021】
本実施の形態における磁気ディスク装置の制御ブロックを図1に示す。磁気ディスク装置1は、上述の図9における制御ブロックの予測位置に対しサーボフレーム位置補正量(図1の太線枠)をさらに加算することで、推定位置を算出する。サーボフレーム位置補正量は磁気ディスク装置1にサーボフレーム位置補正部100が備えられることで算出される。
【0022】
次に、サーボフレーム位置補正量を算出するサーボフレーム位置補正部100の構成について図2の構成ブロック図を参照しつつ説明する。
【0023】
サーボフレーム位置補正部100は、磁気ヘッド2から読み出された信号を復調し、サーボフレームを検出するRDC3(Read Channel)、水晶発振器4の発振する周波数に基づきサーボフレームが検出された時間(カウント値)を計測するカウンタ5を備える。また、カウンタ5にて計測されたカウンタ値を読み取り、前回読み取ったカウンタ値を減算することでサーボフレームの間隔を検出するプロセッサ6を備える。また、プロセッサ6は、検出したサーボフレームの間隔に基づき、サーボフレーム位置補正量を算出する。
【0024】
次に、磁気ディスク装置1の機能ブロックを図3に示す。磁気ディスク装置1は、検出部10、取得部11、差分算出部12、補正部13、計測部14、検出時間間隔算出部15、更新部16、サーボフレーム間隔テーブル20、記憶媒体30、制御部31を備える。
【0025】
検出部10は、複数のサーボフレームが配置された記憶媒体30からサーボフレーム(第1サーボフレーム)を検出する。取得部11は、サーボフレーム間隔テーブル20から、検出部10にて検出されたサーボフレーム(第1サーボフレーム)と次に検出されるサーボフレーム(第2サーボフレーム)との検出時間間隔を取得する。
【0026】
差分算出部12は、取得部11にて取得された検出時間間隔と、予め定義された所定の基準サーボフレーム時間(基準となる時間間隔)との差分を算出する。尚、本実施の形態では、基準サーボフレーム時間は記憶媒体に偏心がなく、サーボフレームが等時間間隔で検出されるものとしたときの検出時間間隔とする。補正部13は、差分算出部12にて算出された差分に基づき、次に検出すべきサーボフレーム(第2サーボフレーム)の推定位置(図9にて示した従来の推定位置)に対し補正する。
【0027】
計測部14は、検出部10にてサーボフレームが検出されたときの検出時間を計測する。また検出時間間隔算出部15は、計測部14にて計測された検出時間に基づき、検出時間間隔を算出する。更新部16は、サーボフレーム間隔テーブル20にて保持された検出時間間隔を検出時間間隔算出部15にて算出された検出時間間隔に更新する。
【0028】
サーボフレーム間隔テーブル20は、所定のサーボフレームと次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔と、サーボフレームの識別番号であるサーボフレーム番号とを対応付けて保持する。また、記憶媒体30は、磁気的にデータを記憶する薄い円盤状のメディアである。制御部31は、補正部13にて補正された位置に検出部10が移動するよう制御する。
【0029】
尚、サーボフレーム位置補正部100の機能は、検出部10、取得部11、差分算出部12、補正部13、計測部14、検出時間間隔算出部15、更新部16
サーボフレーム間隔テーブル20の各機能にて実現される。
【0030】
ここで、サーボフレーム位置補正部100が算出するサーボフレーム位置補正量の概念について、図4から図6にて示す数式を参照しつつ説明する。
【0031】
時間t=0において、位置をx、速度をv、加速度をaとしたとき、微小時間経過しt=△tになった場合の位置と速度は図4の式1のようになる(ただし、t=0から△tで加速度aは一定とする。)。
【0032】
式1で示した計算式は、MKS(SI)単位系であるが、これを磁気ディスク装置にて一般的に使用されるトラック、サンプル(1サンプル=1秒)の単位系に変換する。具体的にはサンプル時間Tsに対しTdだけ時間を進める場合は式2のようになり(尚、Pos(t)は時間tのときの位置、Vel(t)は時間tのときの速度を示し、Uは加速度に基づく操作量(制御量)を示す。)、特殊な例として、1サンプル進める場合は式3のようになる。尚、式3における右辺第1項の行列は、制御マトリクスであり、図1、図9のZ-1に相当する。
【0033】
制御マトリクスはすべてサンプル時間Tsを基準に設計されている。そこでもし、サーボフレーム間隔(以下、必要に応じSFI(Servo Frame Interval)と称す)が仮想円(偏心を伴う円)の影響で微小に変動したとき、制御マトリクスがどうなるかを検討する。SFIに対する補正として、1サンプルにさらにΔ時間経過した場合は図5の式4のようになる。
【0034】
ここで、Δが微小である場合の一般的に利用される近似式を式5に示す。式5にて示された近似式を式4に代入すると式6のようになる。
【0035】
さらに、式6を演算すると、算出すべきサーボフレームの補正量は図6の式7のようになる。
【0036】
この補正計算を制御マトリクス演算後の位置(PosBar)、速度(VelBar)に対し行うことで補正が可能となる。実際には、Δ×Uは微小であるため、最終的に算出すべきサーボフレームの補正量は式8のようになり、位置のみを考慮すればよい。よって、サーボフレーム位置補正部100は、図1または図9における推定速度と、Δ時間(SFI時間)とを積算した値を加える補正を行えばよい。
【0037】
次に、サーボフレーム位置補正部100におけるサーボフレーム間隔検出および更新のフローチャートを図7を参照しつつ説明する。
【0038】
検出部10(磁気ヘッド2およびRDC3)は、記憶媒体30から読み出された信号からサーボフレームを検出し、計測部14(水晶発振器4およびカウンタ5)は、サーボフレームが検出された時間(カウント値)を計測する。
【0039】
次に、検出時間間隔算出部15(プロセッサ6)は、計測部14にて計測されたカウンタ値(今回のカウンタ値)を読み取り、一つ前のサーボフレームを読取ったときのカウンタ値(前回のカウンタ値)を減算することでサーボフレームの時間間隔を検出する(ステップS1)。
【0040】
更新部16(プロセッサ6)は、現在処理を行っているサーボフレームの識別番号であるサーボフレーム番号に応じて、サーボフレーム間隔テーブル20に保持されたサーボフレームの時間間隔を、ステップS1にて検出したサーボフレームの時間間隔に更新する(ステップS2)。
【0041】
このように、サーボフレーム位置補正部100はサーボフレームの検出およびサーボフレーム間隔テーブル20の更新を行うことで、より現状に沿った偏心誤差を得ることができる。
【0042】
次に、サーボフレーム位置補正部100におけるサーボフレーム補正のフローチャートを図8を参照しつつ説明する。
【0043】
取得部11(プロセッサ6)は、サーボフレーム間隔テーブル20から、検出部10にて検出された(現在処理を行っている)サーボフレーム番号に応じたサーボフレームの時間間隔(検出部10にて検出されたサーボフレームと次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔)を取得する(ステップS3)。その後、差分算出部12(プロセッサ6)は、予め定義された基準となるサーボフレーム時間との差分をΔとして算出する(ステップS4)。
【0044】
次に、補正部13(プロセッサ6)は、Δと推定速度を積算することで、位置補正量を算出し(ステップS5)、推定位置に、算出した位置補正量を加算する(ステップS6)。
【0045】
尚、このように補正部13によって補正された推定位置に基づき、制御部31はPID制御を行うことで検出部10を移動させることになる。
【0046】
本実施の形態では、サーボフレーム位置補正部100は磁気ディスク装置1に備えられた構成として説明したが、サーボフレームの位置を補正するサーボフレーム間隔補正装置として提供されてもよい。
【0047】
(付記1)複数のサーボフレームが配置された記憶媒体から第1サーボフレームを検出する検出部と、
所定のサーボフレームと該所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したテーブルから、前記第1サーボフレームと該第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得する取得部と、
前記取得部にて取得された検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出する差分算出部と、
前記差分算出部にて算出された差分に基づき、次に検出すべき前記第2サーボフレームの推定位置に対し補正する補正部と、
を備えるサーボフレーム間隔補正装置。
(付記2) 付記1に記載のサーボフレーム間隔補正装置において、
更に、前記検出部にてサーボフレームが検出されたときの検出時間を計測する計測部と、
前記計測部にて計測された検出時間に基づき、前記検出時間間隔を算出する検出時間間隔算出部と、
前記テーブルにて保持された検出時間間隔を前記検出時間間隔算出部にて算出された検出時間間隔に更新する更新部と、
を備えることを特徴とするサーボフレーム間隔補正装置。
(付記3) 付記1または付記2に記載のサーボフレーム間隔補正装置において、
前記補正部は、前記差分算出部にて算出された差分と、前記推定位置における前記検出部の移動速度である推定速度とを積算した値を補正値として算出し、該補正値を前記推定位置に対し加算することで補正することを特徴とするサーボフレーム間隔補正装置。
(付記4) 付記2または付記3に記載のサーボフレーム間隔補正装置において、
前記検出時間間隔算出部は、前記検出部にて所定のサーボフレームが検出されたときの前記計測部にて計測された検出時間から、前記所定のサーボフレームの一つ前のサーボフレームが検出されたときの前記計測部にて計測された検出時間を減算した値を、前記所定のサーボフレームの一つ前に検出されたサーボフレームの検出時間間隔として算出することを特徴とするサーボフレーム間隔補正装置。
(付記5) 付記1乃至付記4のいずれかに記載のサーボフレーム間隔補正装置において、
前記取得部は、前記サーボフレームが等時間間隔で検出されるものとしたときの検出時間間隔を基準となる時間間隔とすることを特徴とするサーボフレーム間隔補正装置。
(付記6) 複数のサーボフレームが配置された記憶媒体から第1サーボフレームを検出する検出部と、
所定のサーボフレームと該所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したテーブルから、前記第1サーボフレームと該第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得する取得部と、
前記取得部にて取得された検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出する差分算出部と、
前記差分算出部にて算出された差分に基づき、次に検出すべき前記第2サーボフレームの推定位置に対し補正する補正部と、
前記補正部にて補正された位置に前記検出部が移動するよう制御する制御部と、
を備える記憶装置。
(付記7) 付記6に記載の記憶装置において、
更に、前記検出部にてサーボフレームが検出されたときの検出時間を計測する計測部と、
前記計測部にて計測された検出時間に基づき、前記検出時間間隔を算出する検出時間間隔算出部と、
前記テーブルにて保持された検出時間間隔を前記検出時間間隔算出部にて算出された検出時間間隔に更新する更新部と、
を備えることを特徴とする記憶装置。
(付記8) 付記6または付記7に記載の記憶装置において、
前記補正部は、前記差分算出部にて算出された差分と、前記推定位置における前記検出部の移動速度である推定速度とを積算した値を補正値として算出し、該補正値を前記推定位置に対し加算することで補正することを特徴とする記憶装置。
(付記9) 付記7または付記8に記載の記憶装置において、
前記検出時間間隔算出部は、前記検出部にて所定のサーボフレームが検出されたときの前記計測部にて計測された検出時間から、前記所定のサーボフレームの一つ前のサーボフレームが検出されたときの前記計測部にて計測された検出時間を減算した値を、前記所定のサーボフレームの一つ前に検出されたサーボフレームの検出時間間隔として算出することを特徴とする記憶装置。
(付記10) 付記6乃至付記9のいずれかに記載の記憶装置において、
前記取得部は、前記サーボフレームが等時間間隔で検出されるものとしたときの検出時間間隔を基準となる時間間隔とすることを特徴とする記憶装置。
(付記11) 複数のサーボフレームが配置された記憶媒体から第1サーボフレームを検出し、
所定のサーボフレームと該所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したテーブルから、前記第1サーボフレームと該第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得し、
取得された前記検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出し、
算出された前記差分に基づき、次に検出すべき前記第2サーボフレームの推定位置に対し補正する処理を実行するサーボフレーム間隔補正方法。
(付記12) 付記11に記載のサーボフレーム間隔補正方法において、
更に、サーボフレームが検出されたときの検出時間を計測し、
計測された前記検出時間に基づき、前記検出時間間隔を算出し、
前記テーブルにて保持された検出時間間隔を算出された検出時間間隔に更新する処理を実行することを特徴とするサーボフレーム間隔補正方法。
(付記13) 付記11または付記12に記載のサーボフレーム間隔補正方法において、
前記補正は、算出された前記差分と、前記推定位置におけるヘッドの移動速度である推定速度とを積算した値を補正値として算出し、該補正値を前記推定位置に対し加算する補正であることを特徴とするサーボフレーム間隔補正方法。
(付記14) 付記12または付記13に記載のサーボフレーム間隔補正方法において、
前記検出時間間隔を算出する際、所定のサーボフレームが検出されたときの検出時間から、前記所定のサーボフレームの一つ前のサーボフレームが検出されたときの検出時間を減算した値を、前記所定のサーボフレームの一つ前に検出されたサーボフレームの検出時間間隔として算出することを特徴とするサーボフレーム間隔補正方法。
(付記15) 付記11乃至付記14のいずれかに記載のサーボフレーム間隔補正方法において、
前記基準となる時間間隔は、前記サーボフレームが等時間間隔で検出されるものとしたときの検出時間間隔とすることを特徴とするサーボフレーム間隔補正方法。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施の形態に係る磁気ディスク装置の制御ブロックの一例を示す図である。
【図2】本実施の形態に係るサーボフレーム位置補正部の構成ブロックの一例を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る磁気ディスク装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【図4】本実施の形態に係るサーボフレーム位置補正部が算出するサーボフレーム位置補正量の概念を説明するための数式(式1から式3)である。
【図5】本実施の形態に係るサーボフレーム位置補正部が算出するサーボフレーム位置補正量の概念を説明するための数式(式4から式6)である。
【図6】本実施の形態に係るサーボフレーム位置補正部が算出するサーボフレーム位置補正量の概念を説明するための数式(式7および式8)である。
【図7】本実施の形態に係るサーボフレーム位置補正部におけるサーボフレーム間隔検出の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係るサーボフレーム位置補正部におけるサーボフレーム補正の一例を示すフローチャートである。
【図9】従来の磁気ディスク装置の制御ブロックを示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 磁気ディスク装置、2 磁気ヘッド、3 RDC、4 水晶発振器、5 カウンタ、6 プロセッサ、10 検出部、11 取得部、12 差分算出部、13 補正部、14 計測部、15 検出時間間隔算出部、16 更新部、20 サーボフレーム間隔テーブル、30 記憶媒体、31 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサーボフレームが配置された記憶媒体から第1サーボフレームを検出する検出部と、
所定のサーボフレームと該所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したテーブルから、前記第1サーボフレームと該第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得する取得部と、
前記取得部にて取得された検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出する差分算出部と、
前記差分算出部にて算出された差分に基づき、次に検出すべき前記第2サーボフレームの推定位置に対し補正する補正部と、
を備えるサーボフレーム間隔補正装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーボフレーム間隔補正装置において、
更に、前記検出部にてサーボフレームが検出されたときの検出時間を計測する計測部と、
前記計測部にて計測された検出時間に基づき、前記検出時間間隔を算出する検出時間間隔算出部と、
前記テーブルにて保持された検出時間間隔を前記検出時間間隔算出部にて算出された検出時間間隔に更新する更新部と、
を備えることを特徴とするサーボフレーム間隔補正装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のサーボフレーム間隔補正装置において、
前記補正部は、前記差分算出部にて算出された差分と、前記推定位置における前記検出部の移動速度である推定速度とを積算した値を補正値として算出し、該補正値を前記推定位置に対し加算することで補正することを特徴とするサーボフレーム間隔補正装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のサーボフレーム間隔補正装置において、
前記検出時間間隔算出部は、前記検出部にて所定のサーボフレームが検出されたときの前記計測部にて計測された検出時間から、前記所定のサーボフレームの一つ前のサーボフレームが検出されたときの前記計測部にて計測された検出時間を減算した値を、前記所定のサーボフレームの一つ前に検出されたサーボフレームの検出時間間隔として算出することを特徴とするサーボフレーム間隔補正装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のサーボフレーム間隔補正装置において、
前記取得部は、前記サーボフレームが等時間間隔で検出されるものとしたときの検出時間間隔を基準となる時間間隔とすることを特徴とするサーボフレーム間隔補正装置。
【請求項6】
複数のサーボフレームが配置された記憶媒体から第1サーボフレームを検出する検出部と、
所定のサーボフレームと該所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したテーブルから、前記第1サーボフレームと該第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得する取得部と、
前記取得部にて取得された検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出する差分算出部と、
前記差分算出部にて算出された差分に基づき、次に検出すべき前記第2サーボフレームの推定位置に対し補正する補正部と、
前記補正部にて補正された位置に前記検出部が移動するよう制御する制御部と、
を備える記憶装置。
【請求項7】
請求項6に記載の記憶装置において、
更に、前記検出部にてサーボフレームが検出されたときの検出時間を計測する計測部と、
前記計測部にて計測された検出時間に基づき、前記検出時間間隔を算出する検出時間間隔算出部と、
前記テーブルにて保持された検出時間間隔を前記検出時間間隔算出部にて算出された検出時間間隔に更新する更新部と、
を備えることを特徴とする記憶装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の記憶装置において、
前記補正部は、前記差分算出部にて算出された差分と、前記推定位置における前記検出部の移動速度である推定速度とを積算した値を補正値として算出し、該補正値を前記推定位置に対し加算することで補正することを特徴とする記憶装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の記憶装置において、
前記検出時間間隔算出部は、前記検出部にて所定のサーボフレームが検出されたときの前記計測部にて計測された検出時間から、前記所定のサーボフレームの一つ前のサーボフレームが検出されたときの前記計測部にて計測された検出時間を減算した値を、前記所定のサーボフレームの一つ前に検出されたサーボフレームの検出時間間隔として算出することを特徴とする記憶装置。
【請求項10】
複数のサーボフレームが配置された記憶媒体から第1サーボフレームを検出し、
所定のサーボフレームと該所定のサーボフレームの次に検出されるサーボフレームとの検出時間間隔を保持したテーブルから、前記第1サーボフレームと該第1サーボフレームの次に検出される第2サーボフレームとの検出時間間隔を取得し、
取得された前記検出時間間隔と、基準となる時間間隔との差分を算出し、
算出された前記差分に基づき、次に検出すべき前記第2サーボフレームの推定位置に対し補正する処理を実行するサーボフレーム間隔補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−87425(P2009−87425A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253694(P2007−253694)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】