説明

サーマルプリント可能表面および耐圧縮性層を有する光学ディスク

サーマルプリントヘッドと接触して加熱されたときに多色画像を形成することができる複数の発色層を、1つの表面上に載せた光ディスクが記載される。この発色組成物は、発色層および断熱性スペーサを備え、温度および湿度が変化する条件において光ディスクの反りを最小に抑えるように設計される。発色組成物のコンプライアンスは、サーマルプリントヘッドおよびプリント可能なディスク表面の一方が他方に対して移動させられるときに、これらの間の密接な接触を維持することができる。かかる光ディスクを組み立てるための方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、先の米国仮特許出願第61/086,146号(2008年8月4日出願)および米国仮特許出願第61/100,243号(2008年9月25日出願)の利益を主張し、これらの出願の開示は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
本出願は、譲受人が共通の以下の米国特許出願および特許に関係し、それらの開示すべては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:
本発明に用いるためのサーマルイメージングシステムを記載し請求する米国特許第6,801,233B2号;
本発明に用いるための発色組成物を記載し請求する米国特許第7,008,759B2号;
本発明に用いるための発色組成物を記載し請求する米国特許第7,176,161B2号;
本発明に用いるための発色組成物を記載し請求する米国特許第7,282,317B2号;
本発明に用いるためのイメージング方法を記載し請求する、2006年4月6日出願の米国特許出願第11/400734号;
本発明に用いるためのイメージング方法を記載し請求する米国特許第7,408,563号;
「Printhead pulsing techniques for multicolor printers」と題する、2008年1月30日出願の米国特許出願第12/022955号;
「Thermal Imaging Members and Methods」と題する、2008年1月30日出願の米国特許出願第12/022969号;
「Novel Color−forming Compounds and Use Thereof in Imaging Members and Methods」と題する、2008年12月23日出願の米国特許出願第12/343,234号;および
「Thermally−insulating Layers and Direct Thermal Imaging Members Containing Same」と題する、本出願と同日出願の米国特許出願第xx/XXX,XXX号。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、一般に光ディスクに関し、より詳しくは、複数のサーマルプリント可能な画像形成層を1つの表面上に載せた光ディスク;かかる光ディスクを組み立てるための方法、およびかかる光ディスク上に画像をプリントするための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
光ディスクは、通常は透明プラスチック材料から作られる平坦な円形構造形態のデータ記憶媒体であって、凹凸形状をパターニングし得る単数または複数の層を含み、ディスクから反射されるレーザ光の強度は、これらの凹凸形状によって変調される。光ディスクは、かかる凹凸形状のらせんパターンを備えており、このパターンは、ディスクが回転するにつれてディスク半径に沿ってスキャンされるレーザダイオードからの光によってアドレスされる。反射光の強度変化が検出されて個々のビットとして読み取られる。書き込みおよび検出が可能な凹凸形状が極めて小さくできるので、光ディスク上に多量のデータを記憶することができる。そのうえ、光ディスクは安く製造できるので、他の記憶媒体に比べて非常に競争力のある記憶データのビット単価を提供することができる。
【0005】
数世代の光ディスク技術が開発されてきた。コンパクトディスク(CD)は近赤外レーザで読み取られ、単一層に約700MBを記憶する。DVDは赤色レーザで読み取られ、単一層に約5GBを記憶し、一方でブルーレイディスクは青色レーザで読み取られ、単一層に約25GBを記憶する。
【0006】
標準的な光ディスクは、直径120mmのポリカーボネートディスクであるが、他にも多くフォーマットが製造されてきた。単一層ディスクは、レーザによってアドレスされる光学的に高品質な読み取り/記録用の1つの面を有しており、その一方で対向する面は、不透明であってもよくディスクのラベル付けに利用することができる。
【0007】
記録および再書き込みが可能な光ディスクは広範囲に利用可能であるが、何を記録したか注釈をユーザがディスクにラベル付けすることが難しいという問題がある。ディスクの表面上にペンで書くことが一般的な方法であったが、これは低品質との認識に繋がりかねない。カスタマイズされた情報を記録可能な光ディスクに高品質にラベル付けするためのいくつか異なったアプローチが開発されてきたが、いずれもいくらかの欠点を有する。例えば、粘着性の裏面を有する基板上に(例えば、インクジェットプリンタを用いて)ラベルをプリントし、このラベルを光ディスクに添付することが可能である。この場合、ラベルが中心からずれて付き、ディスクのバランスが崩れて、データの読み戻しに問題を生じる可能性がある。間違ったディスクにラベルを不用意につけることさえありうる。代わりに、特許文献1に記載されるように、光学ドライブにインクジェットプリンタを内蔵することができ、ディスクにはインク受容層をプレコートすることができる。しかしながら、この場合、インクジェットプリンタおよびインク供給部を収容するために、光学ドライブを実質的に拡大しなくてはならない。代わりのアプローチは、特許文献2に記載されており、光ディスク上に感熱層を提供する方法が記載されている。光記録表面に情報を書き込んだ後にディスクを裏返して光学ドライブに再挿入し、レーザを用いて感熱層を活性化することによって、ディスクにラベル付けすることができる。この方法が不利な点は、光学ドライブのレーザ出力がかなり低いこと、それ故にラベルの書き込みにおよそ数分かかる可能性があることである。加えて、フルカラープリントを実現することが難しいこともありうる。特許文献3は、レーザ露光用のフルカラー・ラベルを載せた光ディスクについて記載している。この場合、ディスクにおける単数または複数のデータ記憶層を書き込みまたは読み出すのに必要なものに比べて強力なレーザを用いることもできるが、かかるレーザは消費者向けデバイスに用いるには価格が法外なこともある。
【0008】
従って、ディスクにラベルを貼り付ける必要がなく、しかも現存のディスク/ラベル一体化システムに関する上述の不利な点を克服する、光ディスクにラベル付けする方法が依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,036,131号明細書
【特許文献2】米国特許第6,864,907号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008−0111877号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
それ故に、本発明の目的は、サーマルプリントヘッドと接触して加熱されたときに多色画像を形成することができる複数の発色層を、1つの表面上に載せた光ディスクを提供することである。
【0011】
一実施形態において、光データ記憶媒体は、(A)第1および第2の対向した表面を有する層状プラスチックディスクであって、少なくとも1つのデータ記憶層を含むプラスチックディスク、および(B)該第1の表面に重なる発色組成物を含む。本発色組成物は、第1の表面からの距離が増える順に、第1の発色層、第1の断熱層、第2の発色層、第2の断熱層、および第3の発色層を含む。発色層は、初めは無色であって加熱されたときに発色し、第1の発色層の発色温度は上記第2の発色層の発色温度より低く、第2の発色層の発色温度は第3の発色層の発色温度より低い。
【0012】
本発色組成物は、20℃と30℃との間の一定温度において周囲湿度が75%RHから10%RHまで変化、または露点が一定で温度が20℃から80℃まで変化したときに、任意の位置において測定される光ディスクのラジアルチルトの変化を0.6度未満に維持するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態において、本光ディスクは、発色組成物の表面と接触した半径2ミリメートルのリカンベント・シリンダー状プローブに1ミリメートルの接触当たり0.4+/−0.04ニュートンの負荷、毎秒1マイクロメートルの圧縮速度で力を加えることによって測定された場合、該光ディスクの第2の表面が固定支持されているときには1ミリメートルの接触、1マイクロメートルの押込み当たり0.12ニュートンより大きくない剛性を有する。
【0014】
別の実施形態において、サーマルプリント可能な1つの表面を有する光ディスクを製造するためのプロセスは、(A)第1および第2の対向した表面を有する層状プラスチックディスクであって、少なくとも1つのデータ記憶層を備える該プラスチックディスクを提供することを含む。サーマルプリント可能な組成物は、第1および第2の対向した表面を有するウェブの表面上にコーティングされる。上記基板と接触していない上記サーマルプリント可能な組成物の表面は、上記プラスチックディスクの上記第1の表面に接合され、該基板は、剥離によって除去される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1(縮尺通りではない)は、本発明によるサーマルプリント可能な皮膜を載せた光ディスクの部分概略平面および側断面図を示す。
【図2】図2(縮尺通りではない)は、本発明による複数の画像形成層および関連層を載せた光ディスクの部分概略側断面図である。
【図3】図3(縮尺通りではない)は、本発明によるプリンティング・デバイスの部分概略平面図を示す。
【図4】図4(縮尺通りではない)は、本発明による複数の画像形成層を載せた基板が接合された光ディスクの部分概略側断面図である。
【図5】図5および6は、脱水された時点で本発明のラベルを載せた光ディスクに誘発されたラジアルチルトの量を示すグラフである。
【図6】図5および6は、脱水された時点で本発明のラベルを載せた光ディスクに誘発されたラジアルチルトの量を示すグラフである。
【図7】図7(縮尺通りではない)は、本発明による好ましい発色組成物の部分概略側断面図である。
【図8】図8(縮尺通りではない)は、本発明の光ディスクを製造するための方法を部分概略側断面図で示す。
【図9】図9(縮尺通りではない)は、2つの光ディスクの部分概略側断面図であり、透湿層、耐圧縮層、および本発明による発色組成物がそれぞれに接合されている。
【図10】図10(縮尺通りではない)は、本発明の光ディスクと接触したサーマルプリントヘッドを示す部分概略側断面図である。
【図11】図11および12(縮尺通りではない)は、本発明による複数の画像形成層を載せた基板が接合された光ディスクの部分概略側断面図である。
【図12】図11および12(縮尺通りではない)は、本発明による複数の画像形成層を載せた基板が接合された光ディスクの部分概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を次に参照すると、レーザによる読み出し(および、選択的に、同じかまたは異なったレーザによる書き込みもしくは再書き込み)が可能な単数または複数の層が埋め込まれた透明プラスチック環状部102を備える、本発明の光ディスク100が見られる。環状部102は、例えば、CD、DVDまたはブルーレイディスクであってもよい。該環状部は、サーマルプリントヘッドによってプリントすることが可能な(環状部表面の一部または全体に及んでもよい)組成物104を1つの表面上に載せている。ディスクをスピンドルに搭載するために用いるディスクの中心孔に対応する領域106が、光ディスク100の断面図中に見られる。
【0017】
本明細書では、用語「サーマルプリントヘッド」は、加熱エレメント(本明細書で「プリントヘッドエレメント」とも呼ばれる)のアレイを備える構造を指す。該加熱アレイは、サーマルイメージング組成物(以下では「サーマルプリント媒体」とも呼ばれる)と接触してそれを加熱し、例えば、色、反射率、不透明性、または人間の目で識別しうる任意の特性を変化させることによって画像を生成する。サーマルプリントヘッドは、米国特許出願第12/022,955号に詳細に記載されるように、支持体および駆動回路を含むこともできる。
【0018】
それぞれのプリントヘッドエレメントが動作したときに、該プリントヘッドエレメントの下を通過するサーマルプリント媒体を発色させ、各原色が個別の光学濃度を有するスポットがつくり出される(別に指定されなければ、以下に用語「濃度」は「光学濃度」を指す)。大きいか、または濃度の高いスポットを有する領域は、小さいか、または濃度の低いスポットを有する領域に比べて暗く認識される。デジタル画像は、非常に小さい密集したスポットの2次元アレイとしてレンダリングされる。
【0019】
サーマルプリントヘッドエレメントは、エネルギーが供給されることによって動作する。このようにしてプリントヘッドエレメントが作り出す出力の濃度は、プリントヘッドエレメントに供給されるエネルギー量の関数である。プリントヘッドエレメントに供給されるエネルギー量は、例えば、特定の時間内にプリントヘッドエレメントに供給される電力量を変化させるか、またはプリントヘッドエレメントに電力をより長時間、または短時間にわたって供給することにより変化させることができる。
【0020】
米国特許第6,951,952号に記載されるように、単一サーマルプリントヘッドを用いて複数色をシングル・プリントパスでプリントすることができる多色直接サーマルイメージング媒体が開発されてきた。本発明の好ましい実施形態においては、米国特許第6,951,952号に記載されるような画像形成層が光ディスクの表面上に配置され、サーマルプリントヘッドによってこれらの層がアドレスされて、ディスクの表面上に多色画像が形成される。
【0021】
図2を次に参照すると、それぞれシアン、マゼンタおよび黄とすることができる3つの発色層204、208、および212;断熱層206および210;およびオーバーコート層214を1つの表面上に載せた光ディスク102が見られる。発色組成物200(層204〜214を備える)を光ディスク102の表面から分離しているのは、以下により詳細に記載されるように、1つまたはそれ以上の層を備えうる接合組成物202である。
【0022】
各発色層は、本明細書において活性化温度と呼ばれる個別の温度まで加熱されたときに、例えば、初めの無色から着色するなど(本発明はこれに限定されないが)、色を変化させる。発色層204、208、および212の活性化温度は、212>208>204の順である。米国特許第6,801,233号に詳細に記載されるように、層204のアドレッシング(すなわち、その活性化温度を超えて加熱すること)は、オーバーコート214の表面を比較的低温で比較的長時間加熱することによって達成される;層208のアドレッシングは、オーバーコート214の表面を中間の温度で中間の時間加熱することによって達成される;さらに、層212のアドレッシングは、オーバーコート214の表面を比較的高温で比較的短時間加熱することによって達成される。
【0023】
発色層の色の順序は、任意に選ぶことができる。好ましい色の順序の1つは、上記の通りである。別の好ましい色の順序は、3つの発色層204、208および212が、それぞれ黄、シアンおよびマゼンタの順である。
【0024】
断熱層の機能は、熱拡散の制御である。両方の層を構成する材料が実質的に同じ熱拡散率を有するならば、断熱層210は、断熱層206より実質的に薄いことが好ましい。かかる場合、断熱層206は、断熱層210より少なくとも3倍だけ厚いことが好ましい。一般に、断熱層206の厚さの平方をその熱拡散率(該層を通って熱が拡散するのに要する時間に関係する量)によって除した値は、断熱層210の厚さの平方をその熱拡散率によって除した値よりも、少なくとも4倍だけ大きくなければならない。断熱層の構造および機能は、「Thermally−insulating Layers and Direct Thermal Imaging Members Containing Same」と題する、本出願と同日出願の米国特許出願第xx/XXX,XXX号に詳細に論じられている。
【0025】
図2には光ディスク上に配置された7つの層が示されるが、例えば、大気中の酸素、紫外放射から画像を保護するために、または化学物質の層間拡散を防ぐために、さらなるバリア層を含むことができる。かかる層の有無は、本発明の方法またはデバイスに影響を与えない。
【0026】
層204〜214は、発色前に実質的に透光性であることが好ましい。単数または複数の層202が(以下により詳細に記載されるように)白色反射材を備えるとき、層204、208および212に形成された着色画像は、白色を背景にオーバーコート214を通して見られる。それぞれの発色層にプリントされた色を組み合わせて見ることを層204〜214の透光性が保証する。
【0027】
光ディスク100がサーマルプリントヘッドを通過するシングルパスの間に、プリントヘッドエレメントに供給される電力の振幅および継続時間を精密に制御することにより、3つの発色層204、208および212に形成される色の任意の組み合わせが可能である。このように、サーマルプリントヘッドのシングルパスでフルカラー画像をプリントすることができる。このプロセスの完全な記載は、米国特許出願第12/022,955号に見ることができる。
【0028】
本発明の典型的な実施形態において、光ディスクは、サーマルプリントヘッドに対して0.1インチ/秒のスピードで送られ、搬送方向の画像解像度は、およそ150〜600ドット/インチ(dpi)である。それ故に、1つのラインをプリントするのに要する時間は、およそ数十ミリ秒である。
【0029】
当然のことながら、プリント中のサーマルプリントヘッド、発色組成物および関連材料、ならびに光ディスク自体の熱蓄積は、所定の色をプリントするために所定のプリントヘッドエレメントが供給されるべきエネルギーの量に影響を与えることがありうる。熱履歴の影響を補正できないと、結果的に不正確な色がプリントされるか、または特定の色のプリント濃度に誤差が生じることになる。熱履歴の補正は、例えば米国特許第7,298,387号に記載されるように、本発明の実施に際して達成することができる。
【0030】
発色組成物200は熱的に敏感であるので、加熱された「スタンパー」もしくはスタイラスを用いて印を付けることができる。このようにして、カスタマイズされたロゴまたは組成物のプリント特性を符号化するためのバーコードを、製造プロセス中(または後)にディスクに加えることができる。かかるスタンピング手順は、発色組成物の表面に損傷を与えることを避けるために、好ましくは可能な限り低い温度を用いるべきである。
【0031】
図3は、サーマルプリントヘッドに対する本発明の光ディスクの送りを可能にする2つの基本的な幾何学的配置を示す。図3aでは、光ディスク100がサーマルプリントヘッド302の下を矢印306の方向に搬送されることが示される。プリント画像304は、上記のように光ディスク100の表面を加熱することによって得られる。図3bでは、画像310を形成するために、光ディスクがサーマルプリントヘッド308に対して矢印312の方向に回転する。
【0032】
図3には単一のサーマルプリントヘッドが示されているが、当然のことながら、複数のサーマルプリントヘッドを用いることもできる。同じく当然のことながら、サーマルプリントヘッドは、ディスクが静止状態に保持されている間にプリンタデバイスのフレームに対して動くこともでき、またはディスクおよびサーマルプリントヘッドの両方が動くこともできる。
【0033】
サーマルプリントヘッドの1つまたはそれ以上のパスでディスクにプリントしてもよく、これらのパスは、ディスクまたはサーマルプリントヘッドの相対運動と同じ方向か、または異なった方向であってもよい。
【0034】
プリントされる画像が、発色組成物を載せたディスク環状領域の表面のすべてまたは一部を占めてもよいことは、当業者に明らかであろう。サーマルプリントヘッドに送られるデータは、(例えば、サーマルプリントヘッドが図3aのディスク中央「孔」を横切るときに)光ディスクの表面と接触していないプリントヘッドエレメントにエネルギーを供給しないデータであってもよい。このような方法で該エレメントの過熱を回避することができる。
【0035】
サーマルプリントヘッドと光ディスクとの間の圧力が、これらの2つが接触するラインの長さに依存することは、当業者に明らかであろう。本発明の実施に際して、圧力をできるだけ一定に保つために、サーマルプリントヘッドを光ディスクの表面と接触して保持する力を、プリントが進むにつれて調節することが必要なこともある。
【0036】
光ディスク(またはサーマルプリンティングヘッド)の搬送手段は、ベルトもしくはローラー、または送りねじ、光ディスクの縁と接触する回転スピンドルまたは回転ホイールのようなエレメントを備える摩擦駆動の使用を含む、プリント技術に典型的に用いられる任意の手段とすることができる。
【0037】
図3bの配置においてディスクが回転しているときに、ディスクの周辺近くで接触する加熱エレメントは、ディスクの中心近くに比べてディスクの表面に対してより速く移動することが当業者には明らかであろう。半径方向にグラデーションを示さない画像を形成するためには、加熱パルスのタイミングを然るべく調整する必要がある。半径全体を単一回転でプリントする必要はない;むしろ、例えば、同心状もしくは重なった帯状、または、らせんパターン状に画像をプリントすることができる。
【0038】
本発明の光ディスクは、いくつかの方法で組み立てることができる。図4に示されるように、基板402上に発色組成物200(図2に示された204〜214のような層を上述のように備える)をコーティングすることができ、この基板を、接着剤202を用いて光ディスク102に接合することができる。
【0039】
基板402は、白色または透明とすることができる。基板402が透明な場合、白色反射表面は、光ディスク102の表面上に白色接着剤202を用いることによって、または付加的な白色層(示されていない)を供給することによって提供することができる。
【0040】
図4に同じく示されるのは、以下により詳細に記載されるように、選択的なコンプライアンス層406である。層406は、同じくまたは代わりに、発色組成物200と基板402との間の断熱性を提供することができる。
【0041】
基板402の選択は、本発明の実施に際して重要である。データが光ディスクに確実に書き込まれ、光ディスクから確実に読み出されるためには、ディスクが可能な限り平坦であることが決定的に重要である。これは、ディスク表面の極小領域から反射される光を検出することによってディスクが読み出されるからである。もしディスク自体が反っていれば、検出される反射光は、意図されないディスク領域から来る可能性があり、その結果として誤ったビットが読み出されることになる。ディスクへのデータ書き込みにも同じ議論が当てはまる。
【0042】
ディスクが回転しているときに、2つのタイプの反りが現れる可能性がある。以下に「ラジアルチルト」と呼ばれる第1のタイプの反りは、回転軸周りの回転対称性は維持するが、「椀」状になるようにディスクが反る。ラジアルチルトは、ディスクに対して基板402が等方的に収縮もしくは膨張する場合に起こりうる。ディスクに対して基板402が収縮した場合、ディスクはラベル面の方へ反るであろうし、ディスクに対して基板402が膨張した場合、ディスクは光読み出し/書き込み面の方へ反るであろう。
【0043】
ディスクの反りの第2のタイプは、以下に「タンジェンシャルワープ」と呼ばれる。この場合、ディスクは、ディスクの面に平行な単数または複数の軸の周りで湾曲し、シリンダー状、鞍状、またはなおさらに歪んだ幾何学的形状になる。かかる形状は、基板402が方向をもって(すなわち、非等方的に)寸法を変える場合に生ずる。
【0044】
基板402の収縮または膨張は、例えば、加熱、冷却、水和、脱水、酸化、光分解、または他の手段によって誘発されうる。光ディスクの任意の使用条件下において、かかる寸法変化が、データを確実に書き込みおよび読み戻すことができなくなる光ディスクの反りを発生させないことが極めて重要である。例えば、ブルーレイディスクの場合、ラジアルチルトは+/−0.3度を超えることはできず、タンジェンシャルワープは+/−0.15度を超えることはできない。
【0045】
ラジアルチルトおよびタンジェンシャルワープは、当分野で知られる方法、例えば、光ディスクの表面からレーザを反射させて、光線の偏向を測定することによって測定することができる。ラジアルチルトは、通常はディスクの回転軸からの距離の増加とともに増加する。ラジアルチルトの符号(すなわち、ディスク面に対する方向)が、半径の増加とともに変化しうる場合もある。
【0046】
本発明の好ましい実施形態においては、本発明による発色組成物を1つの表面上に載せた光ディスクであって、20℃と30℃との間の一定温度において周囲湿度が75%RHから10%RHまで変化したときに、任意の位置において測定されたラジアルチルトの変化が0.6度未満である光ディスクが提供される。
【0047】
好ましい別の実施形態においては、本発明による発色組成物を1つの表面上に載せた光ディスクであって、露点が一定で温度が20℃から80℃まで変化したときに任意の位置で測定されたラジアルチルトの変化が0.6度未満である、光ディスクが提供される。
【0048】
サーマルプリンティングヘッドを組み込んだ光ディスクドライブにおいては、特にディスプレイまたはコンピュータのような他のデバイスに内蔵されている場合に80℃と高い温度に遭遇する可能性がある。
【0049】
本発明において基板を用いるためには、90℃で24時間加熱されたとき、任意の線寸法が0.05%を超えて変化してはならないことを本発明者は見出した。本発明に用いるのに好ましい基板は、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよびポリスルホンを含む。特に好ましい基板は、ポリカーボネートである。
【0050】
以下により詳細に記載されるように、本発明の一実施形態には基板402がなく、発色組成物200は、接着剤202に直接に接合される。
【0051】
上記のように、本発明のいくつかの実施形態に用いる基板402は、いかなる動作条件下でもディスクを反らせないように選ばれることが重要である。同様に、発色組成物200自体がディスクの反りに繋がる寸法変化を示さないことも必要である。
【0052】
米国特許出願第11/400734号は、3つの発色層および複数のバリア層を備える、水性コーティング可能なサーマルイメージング組成物を記載する。そこに記載されるように、発色層およびバリア層は、親水性・水溶性ポリマー、例えば、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、エチレンビニルアルコール、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、でんぷんなどを備えることができる。かかる材料は、架橋されているときでも、湿潤環境では水を吸収し、乾燥環境では水を失うことが知られている。水和作用のかかる変化が、著しい寸法変化に繋がることもありうる。本発明のある好ましい実施形態において、本発明者は、発色組成物200中に取り込まれたかかる親水性・水溶性ポリマーの量を最小限に抑える必要があることを見出した。
【0053】
図5は、20〜25Cで約50%RHの周囲条件において平衡化した後に、一晩乾燥環境(同じ温度で5〜10%RH)中に置いたときに、本発明の様々な発色組成物を載せたブルーレイディスクに誘発されるラジアルチルトの量を示す。図5からわかるように、ディスクに誘発されるラジアルチルトの量は、発色組成物200中に取り込まれた親水性・水溶性ポリマー(PVA)の量にほぼ比例する。上述のように、ブルーレイディスクに対するラジアルチルトの限界は、+/−0.3度である(すなわち、全範囲はラジアルチルト変化0.6度である)。以下により詳細に論じられるように、ディスクが然るべくバイアスされている場合、全割当量0.6度を利用することができる)。しかしながら、PVAの所定のカバレッジに対して観察される反りの度合いに関連して、大きなばらつきが存在することが図5から明らかである。
【0054】
米国特許出願第xx/XXX,XXX号に詳細に論じられるように、水溶性ポリマーが置かれる環境は、脱水される時に水溶性ポリマーにかかるカールする力に多大な影響を与える可能性がある。ラジアルチルトの全割当量+/−0.3度を満足させる場合、許容しうる親水性・水溶性ポリマーは、図5からは約3g/mを超えないように見えるかもしれないが、実際には、もしかかるポリマーが取り込まれる材料のヤング率が十分に低ければ、より多量のかかるポリマーを本発明の実施に際して用いることができる。
【0055】
本発明の発色組成物200を用いてラベル付けされた光ディスクが、湿度変化に曝されたときに発生するラジアルチルトの量は、同じ湿度変化を経験したときに発色組成物200自体に誘発される曲率を測定することによって予測することが可能である。図6Aは、
PVAグレードのPOVAL MP103(Kuraray America,Houston,TXから入手可能)の皮膜を、厚さが62.5マイクロメートルの充填剤入り白色ポリカーボネート・ベースに付け、該皮膜を初めに25℃、75%RHで平衡化し(この時点でこれらは平坦である)、その後およそ25℃、8%RHで乾燥させたときに生じた曲率を示す。曲率がPVAポリマーのカバレッジに対して線形に増加することがわかる。
【0056】
感圧接着剤(8171,3M Corporation,St.Paul,MNから入手可能)を用いて上述のポリカーボネート上POVAL MP103皮膜が貼り付けられた光ディスクにおいて、皮膜自体について前述されたのと同じ湿度変化をこのディスクアセンブリが経験したときに誘発されたラジアルチルトの量が測定された。図6Bは、ラジアルチルトの量が、単純な皮膜で測定された曲率にほぼ比例することを示す。62.5マイクロメートルのポリカーボネート上のコーティングにおける最大曲率量は、全ラジアルチルト割当量0.6度以内に収めるためには約80m−1であり、バイアスされていないディスクの場合に当てはまるであろう0.3度の限度内に収めるためには約40m−1が必要であることがわかる。上記の62.5マイクロメートルのポリカーボネートとは組成および/または厚さの異なる基板上への同一発色組成物200の皮膜では、明らかにこれらの好ましい引用値とは異なった曲率量を示すことであろう。力学的モデリングによれば、50マイクロメートルの厚さのポリカーボネート基板に許容される曲率量は、全ラジアルチルト割当量0.6度以内に収めるためには約120m−1であり、0.3度の限度内に収めるためには約60m−1が必要なことを示唆する。
【0057】
本発明の好ましい発色組成物200は、厚さが62.5マイクロメートルのポリカーボネート・ベースに貼り付けられたときに80m−1より大きくない、特に好ましくは40m−1より大きくない曲率を示す。
【0058】
本発明の好ましい発色組成物200は、厚さが50マイクロメートルのポリカーボネート・ベースに貼り付けられたときに120m−1より大きくない、特に好ましくは60m−1より大きくない曲率を示す。
【0059】
本発明に用いることに好ましい発色組成物200が、次に詳細に記載される。
【0060】
すべての層は、少量のコーティング助剤、Zonyl FSN、Dupont Co.,Wilmington,DEから入手可能、を含む水性流体からコーティングされる。
【0061】
図7を次に参照して、基板702は、50マイクロメートルの厚さを有する充填剤入り白色ポリカーボネートである。
【0062】
発色層704は、図7に示されるように、基板702と直接に接触してもよく、または接着促進層もしくは酸素バリア層(示されていない)が選択的に介在してもよい。層704は、同時係属の米国特許出願第12/022,969号のシアン発色化合物Dye X(7.72重量%)、1,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンゼン(融点125℃を有する熱溶剤、1マイクロメートル未満の平均粒子サイズを有する結晶の水分散液としてコーティングされる、48.6重量%)、フェノール性抗酸化剤/展開剤(Anox 29、融点161〜164℃を有する、Chemtura,Middlebury,CTから入手可能、1マイクロメートル未満の平均粒子サイズを有する結晶の水分散液としてコーティングされる、7.91重量%)、Lowinox 1790(第2のフェノール性抗酸化剤/安定剤、Chemtura,Middlebury,CTから入手可能、1マイクロメートル未満の平均粒子サイズを有する結晶の水分散液としてコーティングされる、13.28重量%)、およびバインダー(水性ラテックス、CP655、Dow Chemical Co.,Midland,MIから入手可能、22.31の重量%)から構成される。この層は、2.53g/mのカバレッジを有する。
【0063】
シアン発色層704に重なるのは、上述のCP655(69.9重量%)、上述のLowinox 1790(1マイクロメートル未満の平均粒子サイズを有する結晶の水分散液としてコーティングされ、その分散剤は、スチレン・マレイン酸共重合体、SMA 1000MA,Sartomer Company,Inc.,Exton,PAから入手可能、14.25重量%)、疎水性修飾、完全加水分解グレードのポリ(ビニルアルコール)POVAL MP103、Kuraray America,Inc.,Houston,TXから入手可能、(13.5重量%)、アジリジン架橋剤、CX−100、DSM NeoResins,Waalwijk,The Netherlandsから入手可能、1.7重量%、および界面活性剤、Alkanol OS、E.I.Dupont de Nemours,Wilmington,DEから入手可能、0.3重量%から構成される断熱層706である。この層は、12g/mのカバレッジを有する。
【0064】
断熱層706に重なるのは、同時係属の米国特許出願第12/343,234号に記載されたマゼンタ発色剤Dye 23、8.93重量%;フェノール性エーテル熱溶剤、1,4−ビス[(4−メチルフェノキシ)メチル]ベンゼン、(融点172℃、1マイクロメートル未満の平均粒子サイズを有する結晶の水分散液としてコーティングされる、46.74重量%);フェノール性抗酸化剤/展開剤(Lowinox 44B25、融点210〜211℃を有する、Chemtura,Middlebury,CTから入手可能、1マイクロメートル未満の平均粒子サイズを有する結晶の水分散液としてコーティングされる、18.26重量%);第2のフェノール性抗酸化剤/安定剤(Lowinox 1790、Chemtura,Middlebury,CTから入手可能、1マイクロメートル未満の平均粒子サイズを有する結晶の水分散液としてコーティングされる、5.13重量%);およびバインダー(ポリ(ビニルアルコール))、Celvol 540、Celanese,Dallas,TXから入手可能、20.39重量%)から構成されるマゼンタ発色層708である。この層は、2.56g/mのカバレッジを有する。
【0065】
マゼンタ発色層708に重なるのは、断熱層706と同じ組成を有する、第2の断熱層710である。この層は、3g/mのカバレッジを有する。
【0066】
第2の断熱層710に重なるのは、黄色発色剤(米国特許第7,279,264号に記載されるDye XI、融点202〜203℃を有する)、61.3の重量%;フェノール性抗酸化剤/安定剤(Lowinox 1790、Chemtura,Middlebury,CTから入手可能、1マイクロメートル未満の平均粒子サイズを有する結晶の水分散液としてコーティングされる、6.13重量%);レオロジー調整剤、上述のPOVAL MP103、10重量%;およびバインダー、Carboset CR717(Lubrizol,Cleveland,OHから入手可能なラテックス、22.26重量%)から構成される黄色発色層712である。この層は、2.05g/mのカバレッジを有する。
【0067】
黄色発色層712上に堆積されるのは、ナノ粒子グレードの二酸化チタン(MS−7、Kobo Products Inc.,South Plainfield,NJから入手可能、62重量%)、上述のPOVAL MP103(35重量%)およびグリオキサール(3重量%)から構成される紫外線遮断層714である。この層は、2g/mのカバレッジを有する。
【0068】
紫外線遮断層714上に堆積されるのは、Carboset 526(Lubrizol,Cleveland,OHから入手可能なポリマーバインダー、5重量部)、上述のPOVAL MP103(2.12重量部)、NeoRez R−989(ポリウレタンラテックス、DSM NeoResins,Waalwijk,the Netherlandsから入手可能、4.34重量部)、Hidorin F−115P(溶融可能な潤滑剤、Nagase America Corp.,New York,NYから入手可能、5重量部)、Pinnacle 2530、エルカミド・グレード、Lubrizol Advanced Materials,Inc.,Cleveland,OHから入手可能、(1重量部)、およびUltraflon AD−10(Laurel Products LLC,Elverson、PAから入手可能なポリ(テトラフルオロエチレン)潤滑剤、1.72重量部)から構成されるオーバーコート716である。この層は、1.2g/mのカバレッジを有する。
【0069】
上記の皮膜は、脱水されたときに106m−1の曲率を示した。ポリカーボネート基板上に50マイクロメートルの厚さの代わりに62.5マイクロメートルの厚さの皮膜が形成されたとすれば、力学モデルは、(ポリカーボネートのヤング率が2.4GPaであると仮定して)曲率が70m−1であったことを示唆する。
【0070】
図5に示されるラジアルチルトの方向は、ディスクの光読み出し/書き込み面とは反対にラベルの方へ向いており、脱水時における親水性・水溶性ポリマーの収縮と整合している。しかしながら、かかるポリマーの水和および膨湿は、通常はラベルとは反対の方向へディスクを反らせない。これは、親水性ポリマー材料が水を吸収すると可塑化も進み、曲げる力を作用させなくなるためである。極度に水和されると、それらのガラス転移温度(Tg)、すなわち流動することもできる温度が、周囲温度より低くなることもありうる。
【0071】
脱水によってディスクがラベルの方へ反ることはありうるが、水和によってラベルとは反対の方へ反ることはなさそうなことから、本発明の一実施形態において、発色組成物200が上に配置された光ディスク102は、ラベル側とは反対側の方向に0と0.3度との間の初期ラジアルチルトを有することが好ましい。このような態様で、より多量の親水性・水溶性ポリマーを発色組成物中に取り込むことができる。
【0072】
上掲の図4を参照して記載されたように、本発明の一実施形態では、基板402がなく、発色組成物200は、接着剤202に直接に結合される。
【0073】
発色組成物200を備えるが基板402のない光ディスクのアセンブリは、図8に示されるように実現される。転写ラミネート802を形成するために、層204〜214を備える発色組成物200が選択的な「剥離層」808を載せた基板800上に「逆さまに」コーティングされる。基板800上にコーティングされる発色層の順序は、次の通りである:(着色に最も高い温度を必要とする)発色層212は、基板800の最も近くにある;(着色に中間の温度を必要とする)発色層208は、発色層212と204との間にある;さらに(着色に最も低い温度を必要とする)発色層204は、基板800から最も遠くにある。転写ラミネート802は、接着剤層202によって光ディスク102の表面に接着され、その後、基板800が(番号804の「剥離」に示されるように)除去される。
【0074】
上記の積層ステップの順序は、重要ではない。かくして、接着剤202は、光ディスク102に最初に付けられてもよく、または転写ラミネート802に最初に付けられてもよい。
【0075】
接着剤層202との化学的相互作用から発色層204を保護するために、選択的に、単数または複数の付加的な層806を転写ラミネート802の発色層204上に提供することもできる。
【0076】
本発明の好ましい方法において、ディスクは、好ましくはウェブである基板800の表面上にサーマルプリント可能な組成物をコーティングするステップ、基板800と接触していない該サーマルプリント可能な組成物の表面を光ディスク102に接合するステップ、および最終的に剥離によって該基板を除去するステップにおいて製造される。
【0077】
最後に、本発明の発色組成物200における発色層、スペーサ層、バリア層またはオーバーコート層のいずれかまたはすべては、スピンコーティングによって光学ディスク自体に付けることができる。すべての層204〜214がこのような方法で付けられる場合、接着剤層202が必要でないこともある。
【0078】
好ましい一実施形態において、オーバーコート層は、発色組成物200に必要な他の層、すなわち、層204〜212を備える光ディスクに、スピンコーティングを用いて付けられる。以下により詳細に記載されるように、オーバーコート層214は、選択的にスピンコーティングを用いて光ディスクに付けられるUV硬化組成物であり、スピンコーティング後にオーバーコート層214を硬化させるために、紫外線がディスクに照射される。
【0079】
本発明の光ディスクの実施形態にいずれのアセンブリ方法が採用されるにしても、最終的な構造は図2に示される一般的な形態を有する。本発明のプリント方法を最適に利用するために、この構造に関するさらにいくつかの一般的な必要事項がある。
【0080】
オーバーコート214は、プリント中にサーマルプリントヘッドと直接に接触しており、従って耐熱性のある材料を備えなくてはならない。加えて、(サーマルプリンティング技術においてよく知られるように)サーマルプリントヘッドがいかなる温度であっても、サーマルプリントヘッドとオーバーコートとの間の摩擦係数は小さく(約0.4未満、好ましくは0.3未満)、できる限り一定でなくてはならない。当分野において知られるように、オーバーコート214は、溶融可能な潤滑剤(例えば、ワックス、ステアリン酸亜鉛のような金属石けん、または長い脂肪族鎖を備える結晶化合物など)、溶融可能でない潤滑剤(例えば、テフロン(登録商標)のようなフッ素を含む有機材料、シリコーン材料、グラファイト、窒化ホウ素)、およびシリカのような軽い研摩剤を備えることができる。
【0081】
大部分の光ディスクが作られるポリカーボネートは、湿潤環境において水を吸収し、そのときに膨張することが知られている。ディスクが湿潤環境から乾燥環境に移ると、ポリカーボネートから水が失われ、その結果として収縮が生じる。それ故に、ディスクの2つの面における水分の吸収または喪失速度の非対称性に繋がる任意の材料が、ディスクの反りをもたらす。この問題は、Joseph Wrobel,”Ramp profiles for optical disc incubation”,SPIE Vol.2338 Optical Data Storage,191−202,1994において詳細で論じられている。
【0082】
図9を次に参照すると、ラベル付けされたディスク900の(縮尺通りではない)概略図が見られる。ディスク900は、光記録のために用いられる反射層904を備える。層904は、光ディスク102内に非対称に位置するとして示されており、この層は、ラベル付けされないディスク面(光読み出し/書き込み面)の方により近い。これは、例えば、青色波長においてディスク(例えば、ブルーレイディスク)を読み出し書き込むときに用いられる多くの開口を有するオプティクスによって使用するのに好ましい光記録層の位置である。層904が金属である場合、水の吸収および喪失に対してディスクの構造を非対称にすることは、水分バリアである可能性がある。この状況は、層904の近くまたはディスク102の対向した面上に、すなわち、本発明の発色組成物200が接着剤層202および(選択的な)基板402を介して貼り付けられるディスク面上に、第2の水分バリア層906を提供することによって改善することができる。かかる水分バリア層は、例えば、金属スパッタ層によって、または当業者に馴染み深いであろう他の方法によって提供することができよう。
【0083】
本発明のラベル付けされた光ディスクに関する他の要件は、発色組成物200の表面とサーマルプリントヘッドとの間の密接な接触が、プリント中に維持されることである。
【0084】
図10を次に参照すると、サーマルプリンティングヘッド1000と光ディスク100とが圧力印加により密接に接触して保持された、典型的なサーマルプリンティング配列の概略断面図が見られる。図1に示されるように、典型的なサーマルプリンティングヘッド1000は、駆動回路1016と加熱エレメントを備えるアセンブリとの両方を運ぶ支持体1002を備える。この支持体1002は、例えば、サーミスタ1020によって温度がモニターされる脱熱材を備える。加熱エレメント1010は、セラミック基板1004と接触したグレーズ層1006によって運ばれ、薄い熱伝導性オーバーコート(示されない)で覆われている。セラミック基板1004は、支持体1002と接触している。好ましい実施形態において、加熱エレメント1010は、シリンダー状の「グレーズ・バンプ」1008上に位置している。ワイヤー1014は、パターニングされた導電性接続1012を通じて、加熱エレメント1010と駆動回路1016との間の電気的接触を提供する。加温エレメント1010は、薄い熱伝導性オーバーコート層を介して感熱組成物104と接触している。図10の配列において、加熱エレメント1010に供給される電力の振幅および継続時間の制御によって感熱組成物104の表面の温度展開が制御される。
【0085】
サーマルプリントヘッド1000と感熱組成物104の表面との密接な接触は、例えば、感熱組成物104の表面上のほこり粒子によって、またはサーマルプリンティングヘッドと光ディスクの表面との間のわずかなずれによって遮断されることがありうる。例えば、サーマルプリンティングヘッド上の加熱エレメント1010のラインが厳密にまっすぐでないこともある。
【0086】
図4を次に参照すると、発色組成物200と光ディスク102自体との間の密接な接触を維持するために、コンプライアンス層が提供されることが好ましい。かかるコンプライアンスは、接着剤層202によって提供することができる。これがなされるときに、基板402は、じゅうぶん薄くてそれ自体が硬い部材にはならず、サーマルプリントヘッドと発色組成物200との間の不完全な接触が接着剤層202のコンプライアンスによって改善されることを妨げないことが好ましい。このような理由から、基板402は、厚くても約75マイクロメートルまで、好ましくは50マイクロメートル以下であることが望ましい。代わりに、基板402自体にコンプライアンスがあり、例えば、空隙を備えてもよい。
【0087】
サーマルプリンティングヘッド上における加熱エレメントのライン全長にわたって少なくとも100マイクロメートルの均一な接触幅を提供するような、程度のコンプライアンスが所望される。図10を参照して上述されたように、好ましい実施形態において、加熱エレメント1010は、シリンダー状グレーズ・バンプ1008上に位置する。グレーズ・バンプの曲率半径は、典型的に2〜3ミリメートルの範囲にあり、ディスクの表面と接触を保つためにプリンティングヘッドに加えられる力は、典型的に2〜6N/cmの範囲にあり、好ましく約4N/cmである。
【0088】
接着剤層202に接合された図4の基板402のコンプライアンスは、次のように測定することができる。機械的なコンプライアンスと剛性とが互いに逆数であること、すなわち剛性=1/コンプライアンスであることを想起する。半径2ミリメートル、長さ25.4ミリメートルの2つの平行なシリンダーを備える圧縮ヘッドを、およそのプリンティング条件である0.4ニュートン/ミリメートルまでの荷重、1〜100マイクロメートル/秒の範囲の速度でテストサンプル上に載荷する。シリンダーを基板の軸に平行な方向に載荷することは、以下に「リカンベント・シリンダー」または「リカンベント・シリンダープローブ」を載荷することと呼ばれる。18.95ニュートンの荷重における剛性値、すなわち荷重/距離が記録される;この値は、圧縮ヘッドの重さに関する補正を含む。次に、サンプルおよびブランクのコンプライアンス値が付加的であると仮定し、サンプルが圧縮装置内にない状態で得られたブランク値を用いることによって、サンプルの剛性値が補正される。1マイクロメートル/秒の圧縮速度で上記のように測定された剛性が0.12N/mm/マイクロメートルより大きくないときに、本発明の光ディスクに許容しうるプリントを実現することができる。
【0089】
従って、本発明の好ましい実施形態において、上記の発色組成物の表面と接触した半径2ミリメートルのリカンベント・シリンダー状プローブに1ミリメートルの接触当たり0.4+/−0.04ニュートンの荷重、毎秒1マイクロメートルの圧縮速度で力を加えることによって測定された剛性は、光ディスクの第2の表面が固定支持されているときに1ミリメートルの接触、1マイクロメートルの押込み当たり0.12ニュートンより大きくない、本発明の発色組成物を載せた光ディスクが提供される。
【0090】
かかるコンプライアンスは、図4の基板402が62.5マイクロメートル以下の厚さの充填剤入り白色ポリカーボネート・ベースであり、接着剤層202が少なくとも50マイクロメートルの厚さを有する3M 8172のような感圧接着剤であるときに、本発明のある実施形態において達成することができる。
【0091】
いくつかの応用では、接着剤202、基板402、選択的な層406および発色組成物200の合計の厚さが、ラベルの厚さの最大値を超えないことが必要かもしれない。例えば、既存のディスクリーダのクランプ形状にディスクを適合させる必要性から、かかる最大値が課されることがある。例えば、ブルーレイディスクにおけるラベル厚の最大値は約100マイクロメートルである。
【0092】
このような場合、50マイクロメートルの厚さを有する接着剤層202を提供できないこともある。例えば、本発明の発色組成物の合計の厚さが約25マイクロメートルであり、基板が50マイクロメートルの厚さであれば、ブルーレイディスクに用いられる接着剤の最大厚さは、(中心孔の周りの環状部である)ディスクのクランプ領域にラベルが広がらない限り、25マイクロメートルであろう。このような材料はコーティング作業で取り扱うのが困難なことから、約50マイクロメートルより薄い基板を用いるのが実用的でないこともある。
【0093】
表1は、厚さが25マイクロメートルの接着剤を有するポリカーボネートディスクの表面に付着した厚さが50マイクロメートルおよびヤング率が2.3GPaのポリカーボネート基板と、リカンベント接触した半径2mmのシリンダー状プローブに0.445N/mmの荷重を加える力学解析の結果を示す。この分析では、発色組成物の圧縮は無視されている。
【0094】
【表1】

表1から、(サーマルプリントヘッドのグレーズ・バンプを真似た)シリンダー状プローブと基板表面との間の少なくとも90マイクロメートルの接触幅に対して、接着剤のヤング率は3.3MPa未満でなくてはならないことがわかる。この場合、基板表面の圧縮は、5.7マイクロメートルまたは約0.08N/mm/μmとなるであろう。
【0095】
ヤング率に粘性成分および弾性成分がありうることは、当業者に理解されるであろう。本発明において、粘性流は、最小に抑えることが好ましい(さもなければ、プリント中に接着剤がディスク端から押出される可能性がある)。それ故に、非流動性接着剤、例えば、高度に架橋された接着剤を用いることが好ましい。かかる接着剤の例はアクリル系およびシリコーン材料を含むが、本発明はこれらに限定されない。
【0096】
ヤング率が3.3MPaより高い接着剤、および50マイクロメートル以上の厚さを有するポリカーボネート基板を併用することが望ましい場合、図11に示されるように、パターニングされた接着剤を用いることによってコンプライアンスが増加した接着剤層を提供することができる。層1102は、10〜25マイクロメートルの範囲の高さを有する接着剤と接着剤の厚さがより小さい低接着剤の領域とが交互に並ぶ領域である。2つの領域間の高さの違いは、図11に示されるように接着剤の全厚であってもよく、またはより薄くて、但し、好ましくは少なくとも5マイクロメートルであってもよい。発色組成物上にプリントされる色の濃度は、下地層の熱伝導率に依存しうるので、接着剤のパターンは、プリントティング・アーチファクトを導入するものであってはならない。該パターンは、同じく、モアレパターンを導入しないものであることが好ましい。当分野で知られるように、接着剤のかかるパターンは、エンボスライナー上に接着剤組成物の皮膜を付けて、その後ライナーを除去することによって調製することができる。
【0097】
本発明の好ましい実施形態において、第1の厚さの領域および第2の厚さの領域のパターンを備え、第1の厚さは、第2の厚さより少なくとも5マイクロメートル小さく、第1の厚さは、0〜25マイクロメートルの範囲にある、接着剤層が提供される。
【0098】
代わりに、図12に示されるように、パターン1202は、接着剤層202が付けられるディスク102の表面にエンボスされてもよい。かかるエンボスパターンの深さは、わずかにおよそ1マイクロメートルであってもよい。好ましくは、該パターンは、画像のピクセル寸法よりずっと小さいスケール(すなわち、約85マイクロメートル未満;好ましくは40マイクロメートル以下)であり、それ故に、均一な接着剤層202を上に付けたときにエンボスパターン内のエアポケットから生ずる、熱伝道率の差異によって発生するイメージング・アーチファクトが最小に抑えられる。
【0099】
基板402自体が硬すぎてコンプライアンスを提供できないときに、発色組成物200を基板402から分離する選択的なコンプライアンス層406を提供することができる。かかるコンプライアンス層は、例えばラテックス、または空隙を有する材料のようなゴム状のポリマー材料を備えてもよい。
【0100】
イメージング・アーチファクトは、光ディスク102自体の厚さの変動によって導入されることもありうる。典型的に、CDおよびDVD光ディスクは、ディスクを積み重ねたときの光学面の引っかきを防ぐ一段高いリングを中心孔の周りに備える。この「スタッキングリング」領域では、ポリカーボネートの厚さがディスク周辺より大きく、それに応じて熱容量がより大きい。加えて、ポリカーボネートディスクを通して熱がブラテンまたは空気界面に拡散しうる距離もスタッキングリング領域の方が大きい。熱特性におけるこれらの違いがサーマルプリント画像の濃度に影響を与える可能性がある。この問題を軽減するために、接着剤202および基板402は、可能な限り低い熱伝導率を有するように選択されるべきである。
【0101】
サーマルプリント画像における予測可能な(スタッキングリングによって誘発されうる変化のような)濃度変化を補償するための本発明の1つの方法は、サーマルプリンティングにおける熱履歴の補正と同様に、プリントされるデータを然るべく調整することである。かかる変化が目立たないようにするためには、スタッキングリングが滑らかな等高線をもち、ディスクの厚さが階段状に変化しないことが好ましい。
【0102】
スタックリング領域において、いずれの画像歪みも不快でないように画像コンテンツを選ぶことも可能である。例えば、一定の色のロゴまたはバンドをスタックリング領域にプリントすることができる。
【0103】
当然のことながら、特定の実施形態の観点から本発明が以上の通り記載されたが、上述の実施形態は、例示的に提示されたに過ぎず本発明の範囲を制限または規定するものではない。
【0104】
本発明のラベル付けされた光ディスクの性能が、具体的な好ましい実施形態について以下にさらに記載されるが、当然のことながらこれは例示的である過ぎず、本発明は、そこに列挙される材料、量、手順およびプロセス・パラメータなどに限定されない。
【0105】
ラジアルチルトがデータ側の方へわずかにバイアスされたブルーレイディスクに、転写接着剤(3M 8171 Optically Clear Adhesive、1ミル厚のアクリル系感圧接着剤、ポリエステル剥離ライナー間に供給され、内径23ミリメートルおよび外径115ミリメートルの環状に予めカットされる)と、図7を参照して上述された皮膜とが順次付けられた。
【0106】
ラベル付けされたディスクのラジアルチルトが、22℃、50%RHにおける実験室でのアセンブリ後;22℃、<10%RHにおける16時間の乾燥後;および最終的に22℃、75%RHの環境中における1日間の保存後に測定され、表2に示す結果が得られた。
【0107】
【表2】

本発明は、様々な好ましい実施形態に関して詳細に記載されたが、これらに限定されることは意図されておらず、むしろ当業者は、本発明の精神および添付された請求項の範囲内において変更および修正が可能なことを認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光データ記憶媒体であって、
(A)第1および第2の対向した表面を有する層状プラスチックディスクであって、該プラスチックディスクは少なくとも1つのデータ記憶層を備える、プラスチックディスクと、
(B)該第1の表面に重なる発色組成物であって、該発色組成物は、該第1の表面からの距離が増える順に、
(B)(1)第1の発色層と、
(B)(2)第1の断熱層と、
(B)(3)第2の発色層と、
(B)(4)第2の断熱層と、
(B)(5)第3の発色層と
を備える、発色組成物と
を備えており、
該発色層は、初めは無色であり、加熱されると発色し、
該第1の発色層の発色温度は、該第2の発色層の発色温度より低く、該第2の発色層の発色温度は、該第3の発色層の発色温度より低く、
該発色組成物は、20℃と30℃との間の一定温度において、周囲湿度が75%RHから10%RHまで変化したときに、任意の位置において測定される該光ディスクのラジアルチルトの変化を0.6度未満に維持するように構成される、光データ記憶媒体。
【請求項2】
前記発色組成物は、約20と200マイクロメートルとの間の厚さの基板に載せられ、該基板は、接着剤によって前記第1の表面に接合される、請求項1に記載の光ディスク。
【請求項3】
前記基板は、25℃から90℃まで加熱されたときに、任意の線寸法において0.05%未満だけ収縮するように構成される、請求項2に記載の光ディスク。
【請求項4】
前記基板は、ポリカーボネートを含み、約65マイクロメートル未満の厚さを有する、請求項2に記載の光ディスク。
【請求項5】
前記発色組成物は、20℃と30℃との間の一定温度において、前記周囲湿度が10%RHから90%RHまで変化したときに、任意の位置において測定されるラジアルチルトの変化を0.3度未満に維持するように構成される、請求項1に記載の光ディスク。
【請求項6】
前記発色組成物は、少なくとも50%の相対湿度および20℃の温度において、任意の位置で測定される最大ラジアルチルトの変化を前記第2の表面に向かって0〜0.3度の範囲に維持するように構成される、請求項1に記載の光ディスク。
【請求項7】
前記発色組成物は、露点が一定で前記温度が20℃から80℃まで変化したときに、任意の位置で測定されるラジアルチルトの変化を0.6度未満に維持するように構成される、請求項1に記載の光ディスク。
【請求項8】
前記発色組成物は、露点が一定で前記温度が20℃から80℃まで変化したときに、任意の位置で測定されるラジアルチルトの変化を0.3度未満に維持するように構成される、請求項7に記載の光ディスク。
【請求項9】
前記発色組成物の表面と接触した半径2ミリメートルのリカンベント・シリンダー状プローブに1ミリメートルの接触当たり0.4+/−0.04ニュートンの荷重、毎秒1マイクロメートルの圧縮速度で力を加えることによって測定される場合の剛性は、前記光ディスクの前記第2の表面が固定支持されている場合における、1ミリメートルの接触、1マイクロメートルの押込み当たりの0.12ニュートンより大きくはない、請求項1に記載の光ディスク。
【請求項10】
前記接触の軸に垂直な方向に測定された該接触の幅は、半径2ミリメートルのリカンベント・シリンダー状プローブの軸の方向に測定された1ミリメートルの接触当たり0.4+/−0.04ニュートンの荷重、毎秒1マイクロメートルの圧縮速度で前記発色組成物の表面に接触して押込まれる該プローブを用いる場合、前記光ディスクの前記第2の表面が固定支持されているときには少なくとも90マイクロメートルである、請求項1に記載の光ディスク。
【請求項11】
前記ディスクの前記第1の表面は、深さが少なくとも1マイクロメートルのエンボスパターンを載せている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光ディスク。
【請求項12】
前記発色組成物は、約20と200マイクロメートルとの間の厚さの基板に載せられ、該基板は、接着剤層によって前記第1の表面に接合される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光ディスク。
【請求項13】
前記接着剤層は、第1の厚さの領域および第2の厚さの領域のパターンを備え、該第1の厚さは、該第2の厚さよりも少なくとも5マイクロメートル小さく、該第1の厚さは、約0と25マイクロメートルとの間の範囲にある、請求項11または12に記載の光ディスク。
【請求項14】
1つのサーマルプリント可能な表面を有する光ディスクを製造するための方法であって、
(A)第1および第2の対向した表面を有する層状プラスチックディスクを提供するステップであって、該プラスチックディスクは、少なくとも1つのデータ記憶層を備える、ステップと、
(B)第1および第2の対向した表面を有するウェブの表面上にサーマルプリント可能な組成物をコーティングするステップと、
(C)基板と接触していない該サーマルプリント可能な組成物の表面を、該プラスチックディスクの該第1の表面に接合するステップと、
(D)剥離によって該基板を除去するステップと
を備える、方法。
【請求項15】
前記サーマルプリント可能な組成物は、
(1)第1の発色層と、
(2)第1の断熱層と、
(3)第2の発色層と、
(4)第2の断熱層と、
(5)第3の発色層と
を備える、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−529813(P2011−529813A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522050(P2011−522050)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/004436
【国際公開番号】WO2010/016876
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(511029637)ズィンク イメージング, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】