サーモサイホン及びサーモサイホンの製造方法及び情報処理装置
【課題】 携帯型情報処理装置の放熱にサーモサイホンを用いる場合、できるだけ重量を軽くしたい。
【解決手段】 放熱板5とサーモサイホン6をノート型パーソナルコンピュータの蓋部51に内蔵し、CPU1からの熱をヒートパイプ3介してサーモサイホン6へ伝達する。放熱板5は、厚肉部33と薄肉部34からなり、薄肉部34が存在することにより、放熱板5の重量を軽くしている。
【解決手段】 放熱板5とサーモサイホン6をノート型パーソナルコンピュータの蓋部51に内蔵し、CPU1からの熱をヒートパイプ3介してサーモサイホン6へ伝達する。放熱板5は、厚肉部33と薄肉部34からなり、薄肉部34が存在することにより、放熱板5の重量を軽くしている。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーモサイホン及びその製造方法及び情報処理装置に関し、特に、携帯型情報処理装置の発熱体で発生した熱を外部に放出することに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、特開平9−6481号公報のものが知られている。この公報に記載された従来の携帯型情報処理装置は、図32に示すように、蓋部51にヒートパイプ3と放熱板5が組み込まれ、本体部50に組み込まれた発熱体(CPU)1の熱は、熱伝導ブロック2とヒートパイプ3を介して放熱板5から放出される。また、その他の従来の技術として、特開平8−87354号公報、特開平8−204373号公報、特開平8−261672号公報などがある。
【0003】図33は、蓋部51の分解斜視図である。フロントパネル60と外部筐体12の間に、液晶表示パネル7とバックライト10とバックライト用光学系62とバックライト用インバータ基板95が設けられている。
【0004】図34は、放熱のために用いられるサーモサイホンの従来の製造方法を示す図である。図35は、昭和アルミニウム株式会社のロールボンドヒートパイプの説明書に示された製造工程である。ロールボンドは、アルミニウム板を切断し(S10)、その上に圧着防止剤で流路となる回路をプリントし(S12)、もう1枚の板を重ねて圧延し(S13,S14)、高圧空気で流路を膨管し、所望の形状に切断したものである(S15,S16)。この流路に作動液を注入し(S17)、サーモサイホンを製造する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の携帯型情報処理装置は、放熱板5の面方向の熱伝導が十分でないために、ヒートパイプ3から送られた熱を放熱板5の全面に伝導させることが難しかった。その結果、放熱板5の各部位のうち、ヒートパイプ3に近い部位しか放熱に貢献できず、放熱効果が十分でなかった。
【0006】また、従来のサーモサイホンは、2枚のアルミニウム板を圧着して製造するが、アルミニウム板は比重が重いため、サーモサイホンの重量が重くなり、結果として、そのサーモサイホンを用いて放熱を行おうとする情報処理装置の重さを増してしまうという問題があった。
【0007】本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、サーモサイホンの重量を軽くすることを目的とする。また、本発明は、情報処理装置の発熱効率を向上させるとともに、重量を軽くすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係るサーモサイホンは、放熱板と、作動液を循環させる流路とを備えたサーモサイホンにおいて、上記放熱板は、厚肉部と薄肉部を有することを特徴とする。
【0009】上記放熱板は、厚肉部を薄肉部より流路の近くに配置したことを特徴とする。
【0010】上記流路は、閉ループを有し、上記厚肉部は、上記閉ループの内側周囲に形成され、上記薄肉部は、厚肉部の内側に形成されることを特徴とする。
【0011】上記放熱板は、平板の第1のプレートと欠落部を形成した第2のプレートとを重ねた合板プレートであることを特徴とする。
【0012】上記第1と第2のプレートの一方のプレートは、他方のプレートの端部よりはみ出した端部を有し、はみ出した端部を曲げ加工したことを特徴とする。
【0013】上記第1と第2のプレートは、厚さが異なることを特徴とする。
【0014】上記薄肉部は、フィン効率が0.7以上1以下であることを特徴とする。
【0015】上記薄肉部は、厚さが0.4mmのアルミニウム板で形成され、最も近い流路から6cm以内に形成されていることを特徴とする。
【0016】上記サーモサイホンは、電子機器の放熱に用いられることを特徴とする。
【0017】上記電子機器は、携帯型コンピュータであることを特徴とする。
【0018】上記電子機器は、発熱体が組み込まれた本体部と、本体部を覆う蓋部とを備え、上記サーモサイホンは、蓋部に設けられたことを特徴とする。
【0019】この発明に係る情報処理装置は、発熱体が組み込まれた本体部と、前記本体部を覆う蓋部と、前記蓋部に設けられ、厚肉部と薄肉部とを有する放熱板と作動液の流路とを有し、前記発熱体で発生した熱を放出するサーモサイホンとを備えたことを特徴とする。
【0020】前記蓋部は、蓋部をカバーする筐体を有し、前記放熱板は、前記蓋部の筐体の少なくとも一部であることを特徴とする。
【0021】前記情報処理装置は、更に、前記発熱体から前記サーモサイホンに対して、前記発熱体で発生した熱を伝える熱伝導部材を備えたことを特徴とする。
【0022】前記熱伝導部材は、前記発熱体と前記サーモサイホンとの間に、前記発熱体で発生した熱を前記サーモサイホンに伝えるヒートパイプを備えることを特徴する。
【0023】前記サーモサイホンは、作動液をためる液溜部を有し、前記ヒートパイプは、前記サーモサイホンの液溜部に接触していることを特徴とする。
【0024】前記熱伝導部材は、前記発熱体とヒートパイプの間に、ヒンジ部を有する熱伝導ブロックを備え、前記ヒートパイプは、この熱伝導ブロックに設けられたヒンジ部に挿入されていることを特徴とする。
【0025】この発明に係るサーモサイホンの製造方法は、以下の工程を備えたことを特徴とする。
(a)放熱板となる材料から2枚のプレートを切断する工程、(b)切断した2枚のプレートのいずれか一方のプレートに欠落部を形成する工程、(c)切断した2枚のプレートのいずれか一方のプレートに圧着防止剤を用いて流路をプリントする工程、(d)2枚のプレートを重ね合わせる工程、(e)重ね合わせた2枚のプレートを圧延して圧着する工程、(f)圧着されたプレートの流路を膨管する工程、(g)膨管した流路に作動液を封入する工程。
【0026】上記切断する工程は、一方のプレートを他方のプレートのサイズより大きなサイズで切断し、上記サーモサイホンの製造方法は、更に、上記圧着する工程後に、上記サイズの大きいプレートの他方のプレートからはみ出た部分を曲げ加工する工程を備えたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明に係るサーモサイホンと情報処理装置の好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0028】図1に基づいて、携帯型情報処理装置の構成を説明する。50はノート型パーソナルコンピュータの本体部、51は本体部を覆う蓋部、52は本体部50と蓋部51が係合している係合軸であり、ヒンジ構造を有している。1は発熱体であるCPU(Central Processing Unit)、2はCPUの熱を効率的に集めヒートパイプ3に伝えるためのヒンジ部13付きの熱伝導ブロックである。熱伝導ブロック2は、熱伝導材であれば金属でなくても、カーボン等でも良い。熱伝導ブロック2のヒンジ部13の軸は、係合軸52と同一軸上にある。ヒートパイプとは、排気した金属パイプのなかに所定の温度で気化する液体(以下、作動液という)を適量封入し、高温端で気化熱を奪い、低温端で凝縮熱を放出させることにより高効率の熱伝達を行うもので、管の内壁に設けた縦方向の溝や多孔質構造(ウイック)の毛細管現象を利用して作動液を循環させるものである。4はヒートパイプ3と放熱板5とを有効に熱接続するための固定板、6は放熱板5と一体形成されたサーモサイホンである。サーモサイホン6もヒートパイプ3と同じ原理で高効率の熱伝達を行うものである。しかし、通常、サーモサイホン6には管の内壁に設けた縦方向の溝や多孔質構造(ウイック)はなく、毛細管現象を利用して作動液を循環させることはない。従って、サーモサイホン6は、重力を利用して流路に沿って作動液を循環させる。例えば、サーモサイホン6として昭和アルミニウム株式会社製のロールボンド板58を用いることができる。ロールボンド板とは、図2に示すように、アルミニウム板の内部に中空の流路59を有する部材である。ロールボンド板を使えば、放熱板5とサーモサイホン6が一括成形されているため有効である。7は液晶表示パネル、10はバックライトである。12は蓋部51の外側の筐体である。
【0029】図3は、図2のB−B断面図である。放熱板5は、第1のプレート31と第2のプレート32が圧着又は接着されたものである。第1のプレート31と第2のプレート32は、例えば、厚さ4mmのアルミニウム板である。第1のプレート31は、平板である。第2のプレート32は、欠落部の一例である開口部を有している。放熱板5の第1のプレート31と第2のプレート32が重なった部分は、厚さ8mmの厚肉部33となる。放熱板5の第1のプレート31のみの部分は、厚さ4mmの薄肉部34となる。流路59のある部分の厚さは1mm〜2mmである。
【0030】上記流路59は、閉ループを有し、上記厚肉部33は、上記閉ループの内側周囲に形成され、上記薄肉部34は、厚肉部33の内側に形成されている。
【0031】図4に基づいて、携帯型情報処理装置の放熱処理を説明する。図5は、図4のC−C断面図である。サーモサイホン6は、作動液9を溜める液溜部55を有している。また、サーモサイホン6は、作動液19を放熱板の面方向に循環させる蒸気流路第1の流路53,第2の流路54を有している。図4に示す場合は、放熱板5の周辺部を周回する第1の流路53と、係合軸52と直交する方向に延在し、両端が第1の流路53と合流する第2の流路54が存在する場合を示している。CPU1で発生した熱は、熱伝導ブロック2を介してヒートパイプ3に伝わり、二層流熱輸送により放熱板5に伝わる。サーモサイホン6が形成された放熱板5では、二層流移動により極めて効率的に熱拡散され、最終的に対流と熱放射の効果で外気に熱放散される。
【0032】作動液9として、通常、フロリナート系又は水などの液体がサーモサイホン6の液溜部と流路に注入され、減圧・密閉される。作動液9は、重力で下方に溜るが、ヒートパイプなどの高温熱源を下部の液溜部に当てて密着させることで、作動液9へ熱伝達が起こり、作動液9は蒸気流となって低温部へ上昇する。こうして熱輸送が行われ、蒸気流は蒸気流路内で、凝縮・放熱する。凝縮して液化した作動液9は、自重により蒸気流路を落下する。つまり、サーモサイホンでは重力を利用した作動液の循環・還流による蒸発熱輸送、凝縮放熱による熱伝達プロセスにより効果的に熱輸送、均熱化をはかることができ、金属のみの熱伝導に比べ、大幅な冷却性能向上が見込める。
【0033】図6は、放熱方法を示すフローチャートである。ステップS0において、CPU1が発熱していなければ、放熱処理は一切行われない。CPU1が発熱しているときは、ステップS1において、本体部50のCPU1から熱がヒートパイプ3を介してサーモサイホン6へ移動する。次に、ステップS2において、ヒートパイプ3を介して移動してきた熱が作動液9を加熱する。ステップS3は、蒸発熱を輸送する工程である。このステップS3は、作動液9の蒸気化を行うステップ(S31)と蒸気流が蒸気流路の内部を循環するステップ(S32)からなる。次に、ステップS4は、蒸気流が凝縮して放熱をする工程である。ステップS4は、蒸気化した作動液9が液化するステップ(S41)と作動液9が蒸気流路を環流して液溜部に戻るステップ(S42)から構成されている。以上、ステップS1からS4までの動作が、発熱が続く限り継続して行われる。サーモサイホン6の厚さは1mm〜2mmにできるので、ファンを取り付けるより薄くできる。また、ファンの使用が望まれているCPUを使用する場合でもファンを必要とせず、ファン以上の放熱効果をもたらすことができる。
【0034】図7は、図8に示すような厚さB及び長さLの放熱フィン35を発熱体36に取り付けた場合の長さLによるフィン効率の特性図である。図中、黒い□は厚さB=1mmのアルミニウム板のフィン効率の特性を示す。また、図中、△は厚さB=0.8mmのアルミニウム板のフィン効率の特性を示す。また、図中、黒い○は厚さB=1mmのマグネシウム板又は厚さB=0.4mmのアルミニウム板のフィン効率の特性を示す。また、図中、*は厚さB=1mmの樹脂板のフィン効率特性を示す。フィン効率とは、フィンの全伝熱面からの実際の放熱量とフィンの全伝熱面が発熱体の温度に等しいと仮定した場合の放熱量との比である。フィン効率が1(100%)の場合には、放熱効果が最大である場合を示している。図7の特性から分かるように、熱が伝わる長さ、即ち、長さLが長くなるほど、フィン効率は悪くなる。また、放熱フィン35の厚さが薄くなると、フィン効率は悪くなる。十分な放熱効率を保つためには、フィン効率が0.8以上であることが望ましい。従って、例えば、厚さB=0.8mmのアルミニウム板を放熱板として使う場合には、フィン効率を0.8以上にするために、放熱板の長さLは約9cm以下でなければならない。また、厚さB=0.4mmのアルミニウム板を放熱板として使う場合には、長さLを約6cm以下にしなければならない。
【0035】図9は、流路59間の距離が12cmであるサーモサイホンを示している。上記流路59は、閉ループを有し、上記厚肉部33は、上記閉ループの内側周囲に形成され、上記薄肉部34は、厚肉部33の内側に形成されているものとする。厚肉部33の長さを3cmとった場合には、薄肉部34の長さは、6cmとなる。薄肉部34の中心部Xは、流路59の端部から6cmの所に存在する。サーモサイホンがアルミニウム板で作成されており、厚肉部33の厚さが0.8mmであり、薄肉部34の厚さが0.4mmであるものとすると、フィン効率の特性は、図9の下部に示した矢印のような特性を示すことになる。即ち、厚肉部33の部分においては、図7に示した0.8mmの厚さの特性を示し、薄肉部34の部分では、図7に示した厚さ0.4mmのフィン効率の特性を示すことになる。もし、薄肉部34の中央部Xが最も近い流路59まで6cm以上離れてしまった場合には、フィン効率は0.8以下になってしまう可能性があり、望ましい放熱効果を期待することができない場合がある。
【0036】図10は、流路59間の距離が10cmである場合を示している。中央部Xは、流路59から5cm離れたところにある。従って、最もフィン効率が低くなる中央部Xにおけるフィン効率は約0.85であり、図9に示した中央部Xのフィン効率は約0.8よりも高い値となる。
【0037】このように、放熱板の厚さを薄くすることによりフィン効率が低下するが、流路59からの距離をなるべく短くすることによりフィン効率を少なくとも0.7(70%)以上、望ましくは0.8以上、更には、0.9以上に保つように厚肉部33と薄肉部34のパターンを設計すればよい。
【0038】前述したように、放熱板5に薄肉部34を設けるのは、放熱効果を減少させてしまうという欠点を有するが、放熱板5の重量を軽くすることができるという利点を有している。特に、携帯型情報処理装置の場合には、重量を軽くする必要があり、この実施の形態の放熱板5は、重量を軽くするために薄肉部34を設けている。例えば、第1のプレート31と第2のプレート32のサイズと厚さと材料が同一の場合において、第2のプレート32に30%の開口部(欠落部)を設けた場合には、第1のプレート31と第2のプレート32を重さ100とすると、形成される放熱板5は、(100+70)/(100+100)=0.85となり、開口部を設けない場合の85%の重さとなる。或いは、開口部を50%設ける場合には、(100+50)/(100+100)=0.75となり、設けない場合に比べて75%の重さとなる。
【0039】図11及び図12は、この実施の形態のサーモサイホンの製造方法を示す図である。まず、S10において、放熱板となるアルミニウム板から2枚のプレートを切断する。次に、S11において、切断した2枚のプレートの一方のプレートに開口部をパンチ加工により形成する。次に、S12において、圧着防止剤で、流路のパターンを、切断した2枚のプレートの他方のプレートにプリントする。なお、このプリントは、開口部を形成したプレートに行っても構わない。次に、S13において、2枚のプレートを重ね合わせる。次に、S14において、重ね合わせた2枚のプレートを圧延して圧着する。次に、S15において、圧着されたプレートの流路に高圧空気を吹き込み膨管する。次に、S16において、プレートを所望の形に切断加工する。次に、S17において、膨管させた流路に作動液を注入し、作動液の入口を封止する。このようにして、サーモサイホンが製造される。
【0040】図13から図17は、第2のプレート32に設ける開口部のいろいろなパターンを示す図である。図13は、開口部が閉ループを構成した流路の内部に1つずつ設けられている場合を示している。図14は、閉ループを形成した流路の中に複数の開口部が設けられている場合を示している。図13に示すような大きな開口部を設ける場合には、第2のプレート32の強度が弱くなり、結果として、サーモサイホンの強度を弱めることになってしまう。図14の場合は、開口部を小さくして複数設けることにより、強度の減少をできるだけ少なくしたものである。図15は、全ての開口部の周囲に流路を設けた場合を示している。図16は、開口部のパターンを変えることにより第1のプレート31の強度が弱まる部分を分散させている場合を示している。図17は、開口部の形状を鋸の歯状に形成した場合を示している。開口部の形状は、図13から図17以外のものであっても構わない。
【0041】図18及び図19は、欠落部が開口部ではなく、切り欠き部である場合を示している。図18は、第2のプレート32に櫛歯状の切り欠き部が設けられた場合に形成されたサーモサイホンを示している。図19は、第2のプレート32を手形状に切り欠いた場合のサーモサイホンを示している。また、図20は、開口部を中央部分に大きく1つだけ設けた場合を示している。この開口部により薄肉部34が中央に大きく形成されるが、この薄肉部34の大きさは、液晶表示パネル7の大きさと同じかそれ以上の大きさである。蓋部51の厚さを薄くするために、液晶表示パネル7の存在する部分は、できるだけサーモサイホンを薄くすることが望ましい。従って、サーモサイホンの最も薄い部分である薄肉部34を液晶表示パネル7の背後に配置し、液晶表示パネル7の存在しない部分に厚肉部33と流路59を配置して蓋部51の厚さを薄くすることができる。
【0042】図21は、蓋部51の外側の斜視図である。図22は、図21のC−C断面図である。図21において、12は蓋部51の外側の筐体である。放熱板5は、蓋部51の外側の筐体12の一部分に露出して設けられている。
【0043】前述したサーモサイホンは、図4及び図5に示したように、筐体12の内部に用いることもできるが、図21及び図22に示したように、放熱板5そのものを筐体の一部に露出して設けることにより、放熱効果が一層向上する。
【0044】図23及び図24は、開口部の他の例を示す図である。図23及び図24に示すように、開口部の形、大きさ、サイズ、数は、どのようなものであっても構わない。また、図23及び図24は、第1のプレート31のサイズを第2のプレート32よりも大きくした場合を示す図である。折り曲げ線37で第1のプレート31の端部を折り曲げ加工、或いは、絞り加工することにより、図25に示すような箱状の強固なサーモサイホンを作ることができる。図25に示す場合は、折り曲げ線37で90℃折り曲げ加工、或いは、絞り加工している場合を示しているが、180℃折り曲げ加工しても構わない。図26は、第1のプレート31を絞り加工して筐体12を形成した場合を示している。即ち、図26は、筐体12が放熱板5として用いられる場合を示している。筐体12もアルミニウム板で作成することが可能である。従って、筐体12を放熱板5として用いることができる。或いは、筐体12をサーモサイホン6として用いることが可能である。
【0045】図27は、第1のプレート31の厚さW1を第2のプレート32の厚さW2よりも厚くした場合を示している。図27の場合は、第2のプレート32に開口部が多数設けられても、サーモサイホンの強度を弱めないという利点がある。図28は、第1のプレート31の厚さW3を第2のプレート32の厚さW4よりも薄くした場合を示している。図28に示す場合は、サーモサイホンの重さを図27の場合に比べてより軽くすることができるという利点がある。
【0046】図29は、第2のプレート32ではなく第1のプレート31に欠落部となる開口部を設けた場合を示している。図30は、第1のプレート31と第2のプレート32に同一の開口部を設けた場合を示している。図31は、第1のプレート31と第2のプレート32の両方に開口部を設けるが、それぞれ異なるパターンの開口部を設ける場合を示している。このように、開口部は、第1のプレート31及び第2のプレート32のいずれか、或いは、両方に設けるようにして構わない。
【0047】なお、図1に示したヒートパイプのかわりに、熱伝導率の高い軟性シート、或いは、熱伝導率の高い金属棒、或いは、熱伝導率の高いカーボン材などでも良い。これらの軟性シートや金属棒やカーボン材など熱伝導率の高い熱伝導部材を用いることにより、ヒートパイプと同じ効果を奏する。
【0048】また、ノート型パーソナルコンピュータでなくハンドヘルド情報処理装置、携帯電話、携帯ファクシミリ装置でも良い。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、サーモサイホンの放熱板に薄肉部を設けるようにしたので、サーモサイホンの重さを軽くすることができる。
【0050】また、この発明によれば、サーモサイホンの重さが軽くできるので、そのサーモサイホンを用いた情報処理装置の重さを軽くすることができる。
【0051】また、この発明によれば、従来の製造方法に加えてプレートに欠落部を設けるという簡単な工程を加えるだけで、サーモサイホンの重量を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す実装構造斜視図。
【図2】 本発明の一実施の形態を示すサーモサイホンの一部破断斜視図。
【図3】 図2のB−B断面図。
【図4】 本発明の一実施の形態を示す実装構造斜視図。
【図5】 図1及び図2のC−C断面図。
【図6】 本発明の放熱方法の一実施の形態を示すフローチャート図。
【図7】 放熱フィンの長さとフィン効率の特性図。
【図8】 放熱フィンを示す図。
【図9】 本発明の一実施の形態のフィン効率を示す図。
【図10】 本発明の一実施の形態のフィン効率を示す図。
【図11】 本発明のサーモサイホンの製造方法の一実施の形態を示すフローチャート図。
【図12】 本発明のサーモサイホンの製造方法の一実施の形態を示すフローチャート図。
【図13】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図14】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図15】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図16】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図17】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図18】 本発明のサーモサイホンの一実施の形態を示す図。
【図19】 本発明のサーモサイホンの一実施の形態を示す図。
【図20】 本発明のサーモサイホンの一実施の形態を示す図。
【図21】 本発明の一実施の形態を示す蓋部の斜視図。
【図22】 本発明の一実施の形態を示す実装構造断面図。
【図23】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図24】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図25】 本発明の第2のプレート32を加工した図。
【図26】 本発明の放熱板5を筐体12として用いる図。
【図27】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の厚さが異なる場合を示す図。
【図28】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の厚さが異なる場合を示す図。
【図29】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図30】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図31】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図32】 従来の放熱構造図。
【図33】 蓋部の分解斜視図。
【図34】 従来のサーモサイホンの製造方法を示すフローチャート図。
【図35】 従来のサーモサイホンの製造方法を示すフローチャート図。
【符号の説明】
1 CPU、2 熱伝導ブロック、3 ヒートパイプ、4 固定板、5 放熱板、6,69 サーモサイホン、7 液晶表示パネル、8 軟性シート、9 作動液、10 バックライト、11 熱伝導性シート、12 筐体、13 ヒンジ部、31 第1のプレート、32 第2のプレート、33 厚肉部、34 薄肉部、35 放熱フィン、36 発熱体、37 折り曲げ線、50 本体部、51蓋部、52 係合軸、53 第1の流路、54 第2の流路、55 液溜部、56 第3の流路、57 第4の流路、58 ロールボンド板、59 流路、60 フロントパネル、62 バックライト用光学系、95 インバータ基板。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーモサイホン及びその製造方法及び情報処理装置に関し、特に、携帯型情報処理装置の発熱体で発生した熱を外部に放出することに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、特開平9−6481号公報のものが知られている。この公報に記載された従来の携帯型情報処理装置は、図32に示すように、蓋部51にヒートパイプ3と放熱板5が組み込まれ、本体部50に組み込まれた発熱体(CPU)1の熱は、熱伝導ブロック2とヒートパイプ3を介して放熱板5から放出される。また、その他の従来の技術として、特開平8−87354号公報、特開平8−204373号公報、特開平8−261672号公報などがある。
【0003】図33は、蓋部51の分解斜視図である。フロントパネル60と外部筐体12の間に、液晶表示パネル7とバックライト10とバックライト用光学系62とバックライト用インバータ基板95が設けられている。
【0004】図34は、放熱のために用いられるサーモサイホンの従来の製造方法を示す図である。図35は、昭和アルミニウム株式会社のロールボンドヒートパイプの説明書に示された製造工程である。ロールボンドは、アルミニウム板を切断し(S10)、その上に圧着防止剤で流路となる回路をプリントし(S12)、もう1枚の板を重ねて圧延し(S13,S14)、高圧空気で流路を膨管し、所望の形状に切断したものである(S15,S16)。この流路に作動液を注入し(S17)、サーモサイホンを製造する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の携帯型情報処理装置は、放熱板5の面方向の熱伝導が十分でないために、ヒートパイプ3から送られた熱を放熱板5の全面に伝導させることが難しかった。その結果、放熱板5の各部位のうち、ヒートパイプ3に近い部位しか放熱に貢献できず、放熱効果が十分でなかった。
【0006】また、従来のサーモサイホンは、2枚のアルミニウム板を圧着して製造するが、アルミニウム板は比重が重いため、サーモサイホンの重量が重くなり、結果として、そのサーモサイホンを用いて放熱を行おうとする情報処理装置の重さを増してしまうという問題があった。
【0007】本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、サーモサイホンの重量を軽くすることを目的とする。また、本発明は、情報処理装置の発熱効率を向上させるとともに、重量を軽くすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係るサーモサイホンは、放熱板と、作動液を循環させる流路とを備えたサーモサイホンにおいて、上記放熱板は、厚肉部と薄肉部を有することを特徴とする。
【0009】上記放熱板は、厚肉部を薄肉部より流路の近くに配置したことを特徴とする。
【0010】上記流路は、閉ループを有し、上記厚肉部は、上記閉ループの内側周囲に形成され、上記薄肉部は、厚肉部の内側に形成されることを特徴とする。
【0011】上記放熱板は、平板の第1のプレートと欠落部を形成した第2のプレートとを重ねた合板プレートであることを特徴とする。
【0012】上記第1と第2のプレートの一方のプレートは、他方のプレートの端部よりはみ出した端部を有し、はみ出した端部を曲げ加工したことを特徴とする。
【0013】上記第1と第2のプレートは、厚さが異なることを特徴とする。
【0014】上記薄肉部は、フィン効率が0.7以上1以下であることを特徴とする。
【0015】上記薄肉部は、厚さが0.4mmのアルミニウム板で形成され、最も近い流路から6cm以内に形成されていることを特徴とする。
【0016】上記サーモサイホンは、電子機器の放熱に用いられることを特徴とする。
【0017】上記電子機器は、携帯型コンピュータであることを特徴とする。
【0018】上記電子機器は、発熱体が組み込まれた本体部と、本体部を覆う蓋部とを備え、上記サーモサイホンは、蓋部に設けられたことを特徴とする。
【0019】この発明に係る情報処理装置は、発熱体が組み込まれた本体部と、前記本体部を覆う蓋部と、前記蓋部に設けられ、厚肉部と薄肉部とを有する放熱板と作動液の流路とを有し、前記発熱体で発生した熱を放出するサーモサイホンとを備えたことを特徴とする。
【0020】前記蓋部は、蓋部をカバーする筐体を有し、前記放熱板は、前記蓋部の筐体の少なくとも一部であることを特徴とする。
【0021】前記情報処理装置は、更に、前記発熱体から前記サーモサイホンに対して、前記発熱体で発生した熱を伝える熱伝導部材を備えたことを特徴とする。
【0022】前記熱伝導部材は、前記発熱体と前記サーモサイホンとの間に、前記発熱体で発生した熱を前記サーモサイホンに伝えるヒートパイプを備えることを特徴する。
【0023】前記サーモサイホンは、作動液をためる液溜部を有し、前記ヒートパイプは、前記サーモサイホンの液溜部に接触していることを特徴とする。
【0024】前記熱伝導部材は、前記発熱体とヒートパイプの間に、ヒンジ部を有する熱伝導ブロックを備え、前記ヒートパイプは、この熱伝導ブロックに設けられたヒンジ部に挿入されていることを特徴とする。
【0025】この発明に係るサーモサイホンの製造方法は、以下の工程を備えたことを特徴とする。
(a)放熱板となる材料から2枚のプレートを切断する工程、(b)切断した2枚のプレートのいずれか一方のプレートに欠落部を形成する工程、(c)切断した2枚のプレートのいずれか一方のプレートに圧着防止剤を用いて流路をプリントする工程、(d)2枚のプレートを重ね合わせる工程、(e)重ね合わせた2枚のプレートを圧延して圧着する工程、(f)圧着されたプレートの流路を膨管する工程、(g)膨管した流路に作動液を封入する工程。
【0026】上記切断する工程は、一方のプレートを他方のプレートのサイズより大きなサイズで切断し、上記サーモサイホンの製造方法は、更に、上記圧着する工程後に、上記サイズの大きいプレートの他方のプレートからはみ出た部分を曲げ加工する工程を備えたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明に係るサーモサイホンと情報処理装置の好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0028】図1に基づいて、携帯型情報処理装置の構成を説明する。50はノート型パーソナルコンピュータの本体部、51は本体部を覆う蓋部、52は本体部50と蓋部51が係合している係合軸であり、ヒンジ構造を有している。1は発熱体であるCPU(Central Processing Unit)、2はCPUの熱を効率的に集めヒートパイプ3に伝えるためのヒンジ部13付きの熱伝導ブロックである。熱伝導ブロック2は、熱伝導材であれば金属でなくても、カーボン等でも良い。熱伝導ブロック2のヒンジ部13の軸は、係合軸52と同一軸上にある。ヒートパイプとは、排気した金属パイプのなかに所定の温度で気化する液体(以下、作動液という)を適量封入し、高温端で気化熱を奪い、低温端で凝縮熱を放出させることにより高効率の熱伝達を行うもので、管の内壁に設けた縦方向の溝や多孔質構造(ウイック)の毛細管現象を利用して作動液を循環させるものである。4はヒートパイプ3と放熱板5とを有効に熱接続するための固定板、6は放熱板5と一体形成されたサーモサイホンである。サーモサイホン6もヒートパイプ3と同じ原理で高効率の熱伝達を行うものである。しかし、通常、サーモサイホン6には管の内壁に設けた縦方向の溝や多孔質構造(ウイック)はなく、毛細管現象を利用して作動液を循環させることはない。従って、サーモサイホン6は、重力を利用して流路に沿って作動液を循環させる。例えば、サーモサイホン6として昭和アルミニウム株式会社製のロールボンド板58を用いることができる。ロールボンド板とは、図2に示すように、アルミニウム板の内部に中空の流路59を有する部材である。ロールボンド板を使えば、放熱板5とサーモサイホン6が一括成形されているため有効である。7は液晶表示パネル、10はバックライトである。12は蓋部51の外側の筐体である。
【0029】図3は、図2のB−B断面図である。放熱板5は、第1のプレート31と第2のプレート32が圧着又は接着されたものである。第1のプレート31と第2のプレート32は、例えば、厚さ4mmのアルミニウム板である。第1のプレート31は、平板である。第2のプレート32は、欠落部の一例である開口部を有している。放熱板5の第1のプレート31と第2のプレート32が重なった部分は、厚さ8mmの厚肉部33となる。放熱板5の第1のプレート31のみの部分は、厚さ4mmの薄肉部34となる。流路59のある部分の厚さは1mm〜2mmである。
【0030】上記流路59は、閉ループを有し、上記厚肉部33は、上記閉ループの内側周囲に形成され、上記薄肉部34は、厚肉部33の内側に形成されている。
【0031】図4に基づいて、携帯型情報処理装置の放熱処理を説明する。図5は、図4のC−C断面図である。サーモサイホン6は、作動液9を溜める液溜部55を有している。また、サーモサイホン6は、作動液19を放熱板の面方向に循環させる蒸気流路第1の流路53,第2の流路54を有している。図4に示す場合は、放熱板5の周辺部を周回する第1の流路53と、係合軸52と直交する方向に延在し、両端が第1の流路53と合流する第2の流路54が存在する場合を示している。CPU1で発生した熱は、熱伝導ブロック2を介してヒートパイプ3に伝わり、二層流熱輸送により放熱板5に伝わる。サーモサイホン6が形成された放熱板5では、二層流移動により極めて効率的に熱拡散され、最終的に対流と熱放射の効果で外気に熱放散される。
【0032】作動液9として、通常、フロリナート系又は水などの液体がサーモサイホン6の液溜部と流路に注入され、減圧・密閉される。作動液9は、重力で下方に溜るが、ヒートパイプなどの高温熱源を下部の液溜部に当てて密着させることで、作動液9へ熱伝達が起こり、作動液9は蒸気流となって低温部へ上昇する。こうして熱輸送が行われ、蒸気流は蒸気流路内で、凝縮・放熱する。凝縮して液化した作動液9は、自重により蒸気流路を落下する。つまり、サーモサイホンでは重力を利用した作動液の循環・還流による蒸発熱輸送、凝縮放熱による熱伝達プロセスにより効果的に熱輸送、均熱化をはかることができ、金属のみの熱伝導に比べ、大幅な冷却性能向上が見込める。
【0033】図6は、放熱方法を示すフローチャートである。ステップS0において、CPU1が発熱していなければ、放熱処理は一切行われない。CPU1が発熱しているときは、ステップS1において、本体部50のCPU1から熱がヒートパイプ3を介してサーモサイホン6へ移動する。次に、ステップS2において、ヒートパイプ3を介して移動してきた熱が作動液9を加熱する。ステップS3は、蒸発熱を輸送する工程である。このステップS3は、作動液9の蒸気化を行うステップ(S31)と蒸気流が蒸気流路の内部を循環するステップ(S32)からなる。次に、ステップS4は、蒸気流が凝縮して放熱をする工程である。ステップS4は、蒸気化した作動液9が液化するステップ(S41)と作動液9が蒸気流路を環流して液溜部に戻るステップ(S42)から構成されている。以上、ステップS1からS4までの動作が、発熱が続く限り継続して行われる。サーモサイホン6の厚さは1mm〜2mmにできるので、ファンを取り付けるより薄くできる。また、ファンの使用が望まれているCPUを使用する場合でもファンを必要とせず、ファン以上の放熱効果をもたらすことができる。
【0034】図7は、図8に示すような厚さB及び長さLの放熱フィン35を発熱体36に取り付けた場合の長さLによるフィン効率の特性図である。図中、黒い□は厚さB=1mmのアルミニウム板のフィン効率の特性を示す。また、図中、△は厚さB=0.8mmのアルミニウム板のフィン効率の特性を示す。また、図中、黒い○は厚さB=1mmのマグネシウム板又は厚さB=0.4mmのアルミニウム板のフィン効率の特性を示す。また、図中、*は厚さB=1mmの樹脂板のフィン効率特性を示す。フィン効率とは、フィンの全伝熱面からの実際の放熱量とフィンの全伝熱面が発熱体の温度に等しいと仮定した場合の放熱量との比である。フィン効率が1(100%)の場合には、放熱効果が最大である場合を示している。図7の特性から分かるように、熱が伝わる長さ、即ち、長さLが長くなるほど、フィン効率は悪くなる。また、放熱フィン35の厚さが薄くなると、フィン効率は悪くなる。十分な放熱効率を保つためには、フィン効率が0.8以上であることが望ましい。従って、例えば、厚さB=0.8mmのアルミニウム板を放熱板として使う場合には、フィン効率を0.8以上にするために、放熱板の長さLは約9cm以下でなければならない。また、厚さB=0.4mmのアルミニウム板を放熱板として使う場合には、長さLを約6cm以下にしなければならない。
【0035】図9は、流路59間の距離が12cmであるサーモサイホンを示している。上記流路59は、閉ループを有し、上記厚肉部33は、上記閉ループの内側周囲に形成され、上記薄肉部34は、厚肉部33の内側に形成されているものとする。厚肉部33の長さを3cmとった場合には、薄肉部34の長さは、6cmとなる。薄肉部34の中心部Xは、流路59の端部から6cmの所に存在する。サーモサイホンがアルミニウム板で作成されており、厚肉部33の厚さが0.8mmであり、薄肉部34の厚さが0.4mmであるものとすると、フィン効率の特性は、図9の下部に示した矢印のような特性を示すことになる。即ち、厚肉部33の部分においては、図7に示した0.8mmの厚さの特性を示し、薄肉部34の部分では、図7に示した厚さ0.4mmのフィン効率の特性を示すことになる。もし、薄肉部34の中央部Xが最も近い流路59まで6cm以上離れてしまった場合には、フィン効率は0.8以下になってしまう可能性があり、望ましい放熱効果を期待することができない場合がある。
【0036】図10は、流路59間の距離が10cmである場合を示している。中央部Xは、流路59から5cm離れたところにある。従って、最もフィン効率が低くなる中央部Xにおけるフィン効率は約0.85であり、図9に示した中央部Xのフィン効率は約0.8よりも高い値となる。
【0037】このように、放熱板の厚さを薄くすることによりフィン効率が低下するが、流路59からの距離をなるべく短くすることによりフィン効率を少なくとも0.7(70%)以上、望ましくは0.8以上、更には、0.9以上に保つように厚肉部33と薄肉部34のパターンを設計すればよい。
【0038】前述したように、放熱板5に薄肉部34を設けるのは、放熱効果を減少させてしまうという欠点を有するが、放熱板5の重量を軽くすることができるという利点を有している。特に、携帯型情報処理装置の場合には、重量を軽くする必要があり、この実施の形態の放熱板5は、重量を軽くするために薄肉部34を設けている。例えば、第1のプレート31と第2のプレート32のサイズと厚さと材料が同一の場合において、第2のプレート32に30%の開口部(欠落部)を設けた場合には、第1のプレート31と第2のプレート32を重さ100とすると、形成される放熱板5は、(100+70)/(100+100)=0.85となり、開口部を設けない場合の85%の重さとなる。或いは、開口部を50%設ける場合には、(100+50)/(100+100)=0.75となり、設けない場合に比べて75%の重さとなる。
【0039】図11及び図12は、この実施の形態のサーモサイホンの製造方法を示す図である。まず、S10において、放熱板となるアルミニウム板から2枚のプレートを切断する。次に、S11において、切断した2枚のプレートの一方のプレートに開口部をパンチ加工により形成する。次に、S12において、圧着防止剤で、流路のパターンを、切断した2枚のプレートの他方のプレートにプリントする。なお、このプリントは、開口部を形成したプレートに行っても構わない。次に、S13において、2枚のプレートを重ね合わせる。次に、S14において、重ね合わせた2枚のプレートを圧延して圧着する。次に、S15において、圧着されたプレートの流路に高圧空気を吹き込み膨管する。次に、S16において、プレートを所望の形に切断加工する。次に、S17において、膨管させた流路に作動液を注入し、作動液の入口を封止する。このようにして、サーモサイホンが製造される。
【0040】図13から図17は、第2のプレート32に設ける開口部のいろいろなパターンを示す図である。図13は、開口部が閉ループを構成した流路の内部に1つずつ設けられている場合を示している。図14は、閉ループを形成した流路の中に複数の開口部が設けられている場合を示している。図13に示すような大きな開口部を設ける場合には、第2のプレート32の強度が弱くなり、結果として、サーモサイホンの強度を弱めることになってしまう。図14の場合は、開口部を小さくして複数設けることにより、強度の減少をできるだけ少なくしたものである。図15は、全ての開口部の周囲に流路を設けた場合を示している。図16は、開口部のパターンを変えることにより第1のプレート31の強度が弱まる部分を分散させている場合を示している。図17は、開口部の形状を鋸の歯状に形成した場合を示している。開口部の形状は、図13から図17以外のものであっても構わない。
【0041】図18及び図19は、欠落部が開口部ではなく、切り欠き部である場合を示している。図18は、第2のプレート32に櫛歯状の切り欠き部が設けられた場合に形成されたサーモサイホンを示している。図19は、第2のプレート32を手形状に切り欠いた場合のサーモサイホンを示している。また、図20は、開口部を中央部分に大きく1つだけ設けた場合を示している。この開口部により薄肉部34が中央に大きく形成されるが、この薄肉部34の大きさは、液晶表示パネル7の大きさと同じかそれ以上の大きさである。蓋部51の厚さを薄くするために、液晶表示パネル7の存在する部分は、できるだけサーモサイホンを薄くすることが望ましい。従って、サーモサイホンの最も薄い部分である薄肉部34を液晶表示パネル7の背後に配置し、液晶表示パネル7の存在しない部分に厚肉部33と流路59を配置して蓋部51の厚さを薄くすることができる。
【0042】図21は、蓋部51の外側の斜視図である。図22は、図21のC−C断面図である。図21において、12は蓋部51の外側の筐体である。放熱板5は、蓋部51の外側の筐体12の一部分に露出して設けられている。
【0043】前述したサーモサイホンは、図4及び図5に示したように、筐体12の内部に用いることもできるが、図21及び図22に示したように、放熱板5そのものを筐体の一部に露出して設けることにより、放熱効果が一層向上する。
【0044】図23及び図24は、開口部の他の例を示す図である。図23及び図24に示すように、開口部の形、大きさ、サイズ、数は、どのようなものであっても構わない。また、図23及び図24は、第1のプレート31のサイズを第2のプレート32よりも大きくした場合を示す図である。折り曲げ線37で第1のプレート31の端部を折り曲げ加工、或いは、絞り加工することにより、図25に示すような箱状の強固なサーモサイホンを作ることができる。図25に示す場合は、折り曲げ線37で90℃折り曲げ加工、或いは、絞り加工している場合を示しているが、180℃折り曲げ加工しても構わない。図26は、第1のプレート31を絞り加工して筐体12を形成した場合を示している。即ち、図26は、筐体12が放熱板5として用いられる場合を示している。筐体12もアルミニウム板で作成することが可能である。従って、筐体12を放熱板5として用いることができる。或いは、筐体12をサーモサイホン6として用いることが可能である。
【0045】図27は、第1のプレート31の厚さW1を第2のプレート32の厚さW2よりも厚くした場合を示している。図27の場合は、第2のプレート32に開口部が多数設けられても、サーモサイホンの強度を弱めないという利点がある。図28は、第1のプレート31の厚さW3を第2のプレート32の厚さW4よりも薄くした場合を示している。図28に示す場合は、サーモサイホンの重さを図27の場合に比べてより軽くすることができるという利点がある。
【0046】図29は、第2のプレート32ではなく第1のプレート31に欠落部となる開口部を設けた場合を示している。図30は、第1のプレート31と第2のプレート32に同一の開口部を設けた場合を示している。図31は、第1のプレート31と第2のプレート32の両方に開口部を設けるが、それぞれ異なるパターンの開口部を設ける場合を示している。このように、開口部は、第1のプレート31及び第2のプレート32のいずれか、或いは、両方に設けるようにして構わない。
【0047】なお、図1に示したヒートパイプのかわりに、熱伝導率の高い軟性シート、或いは、熱伝導率の高い金属棒、或いは、熱伝導率の高いカーボン材などでも良い。これらの軟性シートや金属棒やカーボン材など熱伝導率の高い熱伝導部材を用いることにより、ヒートパイプと同じ効果を奏する。
【0048】また、ノート型パーソナルコンピュータでなくハンドヘルド情報処理装置、携帯電話、携帯ファクシミリ装置でも良い。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、サーモサイホンの放熱板に薄肉部を設けるようにしたので、サーモサイホンの重さを軽くすることができる。
【0050】また、この発明によれば、サーモサイホンの重さが軽くできるので、そのサーモサイホンを用いた情報処理装置の重さを軽くすることができる。
【0051】また、この発明によれば、従来の製造方法に加えてプレートに欠落部を設けるという簡単な工程を加えるだけで、サーモサイホンの重量を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す実装構造斜視図。
【図2】 本発明の一実施の形態を示すサーモサイホンの一部破断斜視図。
【図3】 図2のB−B断面図。
【図4】 本発明の一実施の形態を示す実装構造斜視図。
【図5】 図1及び図2のC−C断面図。
【図6】 本発明の放熱方法の一実施の形態を示すフローチャート図。
【図7】 放熱フィンの長さとフィン効率の特性図。
【図8】 放熱フィンを示す図。
【図9】 本発明の一実施の形態のフィン効率を示す図。
【図10】 本発明の一実施の形態のフィン効率を示す図。
【図11】 本発明のサーモサイホンの製造方法の一実施の形態を示すフローチャート図。
【図12】 本発明のサーモサイホンの製造方法の一実施の形態を示すフローチャート図。
【図13】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図14】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図15】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図16】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図17】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図18】 本発明のサーモサイホンの一実施の形態を示す図。
【図19】 本発明のサーモサイホンの一実施の形態を示す図。
【図20】 本発明のサーモサイホンの一実施の形態を示す図。
【図21】 本発明の一実施の形態を示す蓋部の斜視図。
【図22】 本発明の一実施の形態を示す実装構造断面図。
【図23】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図24】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図25】 本発明の第2のプレート32を加工した図。
【図26】 本発明の放熱板5を筐体12として用いる図。
【図27】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の厚さが異なる場合を示す図。
【図28】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の厚さが異なる場合を示す図。
【図29】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図30】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図31】 本発明の第1のプレート31と第2のプレート32の一例を示す図。
【図32】 従来の放熱構造図。
【図33】 蓋部の分解斜視図。
【図34】 従来のサーモサイホンの製造方法を示すフローチャート図。
【図35】 従来のサーモサイホンの製造方法を示すフローチャート図。
【符号の説明】
1 CPU、2 熱伝導ブロック、3 ヒートパイプ、4 固定板、5 放熱板、6,69 サーモサイホン、7 液晶表示パネル、8 軟性シート、9 作動液、10 バックライト、11 熱伝導性シート、12 筐体、13 ヒンジ部、31 第1のプレート、32 第2のプレート、33 厚肉部、34 薄肉部、35 放熱フィン、36 発熱体、37 折り曲げ線、50 本体部、51蓋部、52 係合軸、53 第1の流路、54 第2の流路、55 液溜部、56 第3の流路、57 第4の流路、58 ロールボンド板、59 流路、60 フロントパネル、62 バックライト用光学系、95 インバータ基板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放熱板と、作動液を循環させる流路とを備えたサーモサイホンにおいて、上記放熱板は、厚肉部と薄肉部を有することを特徴とするサーモサイホン。
【請求項2】 上記放熱板は、厚肉部を薄肉部より流路の近くに配置したことを特徴とする請求項1記載のサーモサイホン。
【請求項3】 上記流路は、閉ループを有し、上記厚肉部は、上記閉ループの内側周囲に形成され、上記薄肉部は、厚肉部の内側に形成されることを特徴とする請求項2記載のサーモサイホン。
【請求項4】 上記放熱板は、平板の第1のプレートと欠落部を形成した第2のプレートとを重ねた合板プレートであることを特徴とする請求項1記載のサーモサイホン。
【請求項5】 上記第1と第2のプレートの一方のプレートは、他方のプレートの端部よりはみ出した端部を有し、はみ出した端部を曲げ加工したことを特徴とする請求項4記載のサーモサイホン。
【請求項6】 上記第1と第2のプレートは、厚さが異なることを特徴とする請求項4記載のサーモサイホン。
【請求項7】 上記薄肉部は、フィン効率が0.7以上1以下であることを特徴とする請求項1記載のサーモサイホン。
【請求項8】 上記薄肉部は、厚さが0.4mmのアルミニウム板で形成され、最も近い流路から6cm以内に形成されていることを特徴とする請求項7記載のサーモサイホン。
【請求項9】 上記サーモサイホンは、電子機器の放熱に用いられることを特徴とする請求項1記載のサーモサイホン。
【請求項10】 上記電子機器は、携帯型コンピュータであることを特徴とする請求項9記載のサーモサイホン。
【請求項11】 上記電子機器は、発熱体が組み込まれた本体部と、本体部を覆う蓋部とを備え、上記サーモサイホンは、蓋部に設けられたことを特徴とする請求項9記載のサーモサイホン。
【請求項12】 発熱体が組み込まれた本体部と、前記本体部を覆う蓋部と、前記蓋部に設けられ、厚肉部と薄肉部とを有する放熱板と作動液の流路とを有し、前記発熱体で発生した熱を放出するサーモサイホンとを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】 前記蓋部は、蓋部をカバーする筐体を有し、前記放熱板は、前記蓋部の筐体の少なくとも一部であることを特徴とする請求項12記載の情報処理装置。
【請求項14】 前記情報処理装置は、更に、前記発熱体から前記サーモサイホンに対して、前記発熱体で発生した熱を伝える熱伝導部材を備えたことを特徴とする請求項12記載の情報処理装置。
【請求項15】 前記熱伝導部材は、前記発熱体と前記サーモサイホンとの間に、前記発熱体で発生した熱を前記サーモサイホンに伝えるヒートパイプを備えることを特徴する請求項14記載の情報処理装置。
【請求項16】 前記サーモサイホンは、作動液をためる液溜部を有し、前記ヒートパイプは、前記サーモサイホンの液溜部に接触していることを特徴とする請求項15記載の情報処理装置。
【請求項17】 前記熱伝導部材は、前記発熱体とヒートパイプの間に、ヒンジ部を有する熱伝導ブロックを備え、前記ヒートパイプは、この熱伝導ブロックに設けられたヒンジ部に挿入されていることを特徴とする請求項16記載の情報処理装置。
【請求項18】 以下の工程を備えたサーモサイホンの製造方法(a)放熱板となる材料から2枚のプレートを切断する工程、(b)切断した2枚のプレートのいずれか一方のプレートに欠落部を形成する工程、(c)切断した2枚のプレートのいずれか一方のプレートに圧着防止剤を用いて流路をプリントする工程、(d)2枚のプレートを重ね合わせる工程、(e)重ね合わせた2枚のプレートを圧延して圧着する工程、(f)圧着されたプレートの流路を膨管する工程、(g)膨管した流路に作動液を封入する工程。
【請求項19】 上記切断する工程は、一方のプレートを他方のプレートのサイズより大きなサイズで切断し、上記サーモサイホンの製造方法は、更に、上記圧着する工程後に、上記サイズの大きいプレートの他方のプレートからはみ出た部分を曲げ加工する工程を備えたことを特徴とする請求項18記載のサーモサイホンの製造方法。
【請求項1】 放熱板と、作動液を循環させる流路とを備えたサーモサイホンにおいて、上記放熱板は、厚肉部と薄肉部を有することを特徴とするサーモサイホン。
【請求項2】 上記放熱板は、厚肉部を薄肉部より流路の近くに配置したことを特徴とする請求項1記載のサーモサイホン。
【請求項3】 上記流路は、閉ループを有し、上記厚肉部は、上記閉ループの内側周囲に形成され、上記薄肉部は、厚肉部の内側に形成されることを特徴とする請求項2記載のサーモサイホン。
【請求項4】 上記放熱板は、平板の第1のプレートと欠落部を形成した第2のプレートとを重ねた合板プレートであることを特徴とする請求項1記載のサーモサイホン。
【請求項5】 上記第1と第2のプレートの一方のプレートは、他方のプレートの端部よりはみ出した端部を有し、はみ出した端部を曲げ加工したことを特徴とする請求項4記載のサーモサイホン。
【請求項6】 上記第1と第2のプレートは、厚さが異なることを特徴とする請求項4記載のサーモサイホン。
【請求項7】 上記薄肉部は、フィン効率が0.7以上1以下であることを特徴とする請求項1記載のサーモサイホン。
【請求項8】 上記薄肉部は、厚さが0.4mmのアルミニウム板で形成され、最も近い流路から6cm以内に形成されていることを特徴とする請求項7記載のサーモサイホン。
【請求項9】 上記サーモサイホンは、電子機器の放熱に用いられることを特徴とする請求項1記載のサーモサイホン。
【請求項10】 上記電子機器は、携帯型コンピュータであることを特徴とする請求項9記載のサーモサイホン。
【請求項11】 上記電子機器は、発熱体が組み込まれた本体部と、本体部を覆う蓋部とを備え、上記サーモサイホンは、蓋部に設けられたことを特徴とする請求項9記載のサーモサイホン。
【請求項12】 発熱体が組み込まれた本体部と、前記本体部を覆う蓋部と、前記蓋部に設けられ、厚肉部と薄肉部とを有する放熱板と作動液の流路とを有し、前記発熱体で発生した熱を放出するサーモサイホンとを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】 前記蓋部は、蓋部をカバーする筐体を有し、前記放熱板は、前記蓋部の筐体の少なくとも一部であることを特徴とする請求項12記載の情報処理装置。
【請求項14】 前記情報処理装置は、更に、前記発熱体から前記サーモサイホンに対して、前記発熱体で発生した熱を伝える熱伝導部材を備えたことを特徴とする請求項12記載の情報処理装置。
【請求項15】 前記熱伝導部材は、前記発熱体と前記サーモサイホンとの間に、前記発熱体で発生した熱を前記サーモサイホンに伝えるヒートパイプを備えることを特徴する請求項14記載の情報処理装置。
【請求項16】 前記サーモサイホンは、作動液をためる液溜部を有し、前記ヒートパイプは、前記サーモサイホンの液溜部に接触していることを特徴とする請求項15記載の情報処理装置。
【請求項17】 前記熱伝導部材は、前記発熱体とヒートパイプの間に、ヒンジ部を有する熱伝導ブロックを備え、前記ヒートパイプは、この熱伝導ブロックに設けられたヒンジ部に挿入されていることを特徴とする請求項16記載の情報処理装置。
【請求項18】 以下の工程を備えたサーモサイホンの製造方法(a)放熱板となる材料から2枚のプレートを切断する工程、(b)切断した2枚のプレートのいずれか一方のプレートに欠落部を形成する工程、(c)切断した2枚のプレートのいずれか一方のプレートに圧着防止剤を用いて流路をプリントする工程、(d)2枚のプレートを重ね合わせる工程、(e)重ね合わせた2枚のプレートを圧延して圧着する工程、(f)圧着されたプレートの流路を膨管する工程、(g)膨管した流路に作動液を封入する工程。
【請求項19】 上記切断する工程は、一方のプレートを他方のプレートのサイズより大きなサイズで切断し、上記サーモサイホンの製造方法は、更に、上記圧着する工程後に、上記サイズの大きいプレートの他方のプレートからはみ出た部分を曲げ加工する工程を備えたことを特徴とする請求項18記載のサーモサイホンの製造方法。
【図2】
【図3】
【図27】
【図1】
【図4】
【図5】
【図8】
【図12】
【図6】
【図7】
【図9】
【図22】
【図28】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図17】
【図20】
【図21】
【図24】
【図23】
【図25】
【図26】
【図29】
【図32】
【図30】
【図31】
【図33】
【図34】
【図35】
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【図31】
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【図34】
【図35】
【公開番号】特開2000−22376(P2000−22376A)
【公開日】平成12年1月21日(2000.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−183563
【出願日】平成10年6月30日(1998.6.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年1月21日(2000.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成10年6月30日(1998.6.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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