説明

システム、把持ヘッド、および、製品を移すための方法

本発明は、製品を移すためのシステムに関し、当該システムは、製品(5)を搬送方向に搬送するためのコンベア(3)を有し、かつ、該製品を該コンベアから他の位置へと移すための可動の把持ヘッド(9)を持った把持装置(7)を有し、前記把持ヘッドは、ベース(32)を有し、少なくとも1つの把持フィンガー(36)を有し、該把持フィンガーは、製品の第1の側を保持するための把持ポジションと、前記少なくとも1つの把持フィンガーを製品が通過方向に通過できる開ポジションとの間での動作のために、該ベースに可動に取り付けられており、前記少なくとも1つの把持フィンガーは、把持ポジションから開ポジションへと移動する時に、該把持フィンガーが最初に前記通過方向に該製品から遠ざかる方へ移動するように構成されている。本願発明は、さらに、把持ヘッドに関し、かつ、その把持ヘッドを用いて製品を他の位置に移す方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシステムに関するものであり、該システムは、製品を搬送方向に搬送するためのコンベアと、把持装置(グリッピングデバイス)とを有しており、該把持装置は、製品をコンベアから他の位置に移すための可動の把持ヘッドを持っている。該把持ヘッドは、ベース(base、基材)と、少なくとも1つの把持フィンガー(gripping finger、把持する指)とを有しており、該把持フィンガーは、該製品の第1の側を保持するための把持ポジションと、開ポジション(この開ポジションでは、該製品は、前記少なくとも1つの把持フィンガーを通過方向(passing direction)に通過することが可能である)との間での動作のために、該ベースに可動的に取り付けられている。
【背景技術】
【0002】
このようなシステムにおいては、該コンベアは、搬送中の製品を支持するためのある種の支持要素を有し、かつ、該把持ヘッドは、通常2つの把持フィンガーを有し、それらフィンガーが、製品と支持要素との間で、対向する側からスライド/移動して該製品を掴む。それに続いて、該把持ヘッドは、製品を他の位置の上に移動させ、そして、両方の把持フィンガーを反対方向の側方へと急速に動かすことによって該製品を落下/解放する。このようにして製品は、例えば梱包のため、容器内に落とされるのである。
【0003】
そのような把持ヘッドの欠点の1つとして、チーズ、肉製品、またはその他の食品といった粘着性(sticky)の製品を満足に取扱うことができないことが挙げられる。製品の粘着性に起因して、把持フィンガーと該製品との間には非常に大きな摩擦力が働き、把持フィンガーを開ポジションへと移動させると掴んだ製品が予測も望みもしない動きをしてしまうことがある。また、例えば、摩擦力が大きいと、掴んだ製品を離す動作中に把持フィンガーが製品を引き裂いてしまう等、製品を損傷する危険性も高い。製品の予測も望みもしない動きは、把持フィンガーを開ポジションから把持ポジションに移動させる時にも起こりうる。
【0004】
フィンガーが製品自体によって汚された場合に、より具体的には製品と把持フィンガーとの間である場合に、あるいは、把持ヘッドの移動中に製品のポジションを十分に固定するよう該製品と把持ヘッドとの間により多くの接触が与えられた場合に、上記の効果はより増大するであろう。該効果は、また、小さな(摩擦の)力が製品の望まない動きを起こすのに十分な大きさに達してしまうような、慣性が小さい(low-inertia)製品の場合にも顕著に現れる。しかし、このような効果は、繰り返し把持ヘッドを洗浄したり、「汚れた」把持ヘッドを汚れていないものと交換したりすることで、ある程度は防止することができるであろうが、そのためにかける時間は、機械の生産性を減少させ、システムの望まない休止時間を作ることにつながるであろう。
【0005】
前記把持ヘッドの他の欠点は、全体的に梱包(パッケージ)しなければならない、スライスされた肉製品や隣り合った製品といった、複数の物品からなる製品を満足に扱うことができないことであろう。一つの把持フィンガーが1つの物品や製品を保持し、他の把持フィンガーが他の物品や製品を保持する場合、それら把持フィンガーの側方へ動作では、該物品や製品は解放されず、それらを把持フィンガーが持ったまま連れて行ったり、少なくとも予測も望みもしない動きを誘発するであろう。該物品や製品の相互の方向付けもまた変わるだろう。その結果、そのシステムでは予測しない動作が起き、故障や休止時間が発生する可能性が高くなるだろう。
【0006】
また前記把持ヘッドのもう1つの欠点は、特に、薄いまたは小さい製品の場合に、把持フィンガー(複数)が製品と支持要素との間をスライド/移動ができず、該製品は、しわを作られ、巻きつけられ、および/または、損傷を与えられる様に、それら把持フィンガーの間にクランプされる。
【0007】
前記把持ヘッドの更なる欠点は、把持フィンガーが、特に製品を他の位置へ移動させる間に、該製品のポジションを固定(ロック)する手段を必要とすることであり、該手段は、製品の特定の形状および/または大きさに適合するものとなっている。よって、そのような手段は、把持ヘッドに対する製品の特定の方向(orientation、方向性、方向付け)を必要とする。しかし、製品が正しい方向付けをされていない場合には、該製品は把持段階で損傷を受けるであろうし、さもなければ、把持ヘッドの位置を適応させなければならなくなるであろう。また、大きさの異なる製品では、異なる把持ヘッドで掴むことを要求されるため、把持ヘッドまたはその手段全体を交換する必要が生ずるであろう。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、製品を移し替えるための改良されたシステムを提供することにある。
【0009】
従って、本発明は、製品を移すためのシステムを提供し、当該システムは
該製品を搬送方向に搬送するためのコンベアと、
該製品を該コンベアから他の位置へと移すための可動の把持ヘッドを持った把持装置とを有し、
前記把持ヘッドは、
ベースを有し、
少なくとも1つの把持フィンガーを有し、該把持フィンガーは、製品の第1の側を保持するための把持ポジションと、前記少なくとも1つの把持フィンガーを製品が通過方向に通過できる開ポジションとの間での動作のために、該ベースに可動に取り付けられており、
前記少なくとも1つの把持フィンガーが該把持ポジションから該開ポジションへと移動する時に、該把持フィンガーが最初に前記通過方向に該製品から遠ざかる方へ移動するように、該把持フィンガーが構成されている。
【0010】
これが他の方向(例えば、該通過方向に垂直な方向)への動作を排除しないということが、ここには明記されている。ここで意味するのは、前記少なくとも1つの把持フィンガーが、最初に、前記通過方向にゼロでない成分を持った方向へと製品から遠ざかって移動するということである。
【0011】
前記システムの利点の1つは、前記少なくとも1つの把持フィンガーが、通過方向に製品から解放、即ち、脱係合されるということであり、それによって、通過方向に対して垂直な方向、即ち、横方向にかかる製品上への摩擦力を最小化できるということである。その結果、製品の横への動きが防止され得るので、製品のポジションは解放の間も維持される。上述のとおり、把持フィンガーの側方への動作は排除されない。前記少なくとも1つの把持フィンガーが、解放の間に製品の横方向への移動や製品へのダメージを引き起こすこと無しに、横方向の動作をどれだけ許容されるかは、製品に依存し、かつ、製品と前記少なくとも1つの把持フィンガーとの間の粘着性に依存する。製品が前記少なくとも1つの把持フィンガーから解放されるまでは、該少なくとも1つの把持フィンガーが前記通過方向に移動するのが好ましい。解放の後は、該少なくとも1つの把持フィンガーと製品との間の接触が無いので、該少なくとも1つの把持フィンガーは、また、側方だけに移動してもよい。
【0012】
ある実施態様においては、前記少なくとも1つの把持フィンガーが把持ポジションから開ポジションへと初期に移動する方向と、前記通過方向とがなす角度は、最大で80度であり、好ましくは最大で60度であり、より好ましくは最大で45度である。
【0013】
更なる利点は、最小化された摩擦力に起因して、製品がダメージを受ける機会が最小化されること、および/または、製品中の物品の相互の方向が変化しないことである。
【0014】
他の実施態様においては、コンベアが、搬送中の製品を支持するための支持要素(例えばコンベアベルトといったもの)を備え、該支持要素は、支持される製品の上方または下方に凹部を有し、該凹部は、把持ヘッドの前記少なくとも1つの把持フィンガーを受け入れるように、支持される製品の外側に延びており、即ち、該支持要素が該凹部の上方で製品を支持しながらも、該把持ヘッドの前記少なくとも1つの把持フィンガーを受け入れるための凹部を有する。
【0015】
利点は、前記少なくとも1つの握り手と製品との間の接触が多分無しで、前記少なくとも1つの握り手が容易に製品の下方に到着することであり、薄いまたは小さな製品の場合であっても、製品が把持フィンガー同士の間でしわになったりクランプされたりすることがない。好ましくは、前記少なくとも1つの把持フィンガーは、製品に向かって前記通過方向にゼロでない成分を持つ方向に移動しつつ、該製品に下方からアプローチ(接近)して該製品の第1の側に係合する。好ましくは、開ポジションから把持ポジションへの移動の間の前記少なくとも1つの把持フィンガーの軌跡は、把持ポジションから開ポジションへの移動の間の前記少なくとも1つの把持フィンガーの軌跡に実質的に等しい。
【0016】
他の利点は、製品の把持の間も横方向の摩擦力が最小化されるので、製品が、把持の間に横方向の望まない移動やダメージ(それらは、製品の予測できないポジショニングにつながる)を被らないことである。
【0017】
各把持フィンガーのために支持要素に1つの凹部があるということが可能なだけでなく、1つの凹部が複数の把持フィンガーを受け入れることができる実施態様も想定される。凹部の壁部および該凹部に隣接する支持面は、通常、製品を支持しなければならないので、各凹部を狭くし、かつ、製品の支持を最良とするために、1つの把持フィンガー毎に1つの凹部を有することが好ましい。この場合には、前記少なくとも1つの把持フィンガーの幅もまた、凹部内に嵌り合うように小さい。
【0018】
他の実施態様においては、前記凹部が、搬送方向に垂直な方向である支持要素の厚さ方向に前記支持要素を通過して全体にわたって延びているので、把持フィンガーの動作が、該凹部の底部によって制限されず、それは動作制御の観点から有利な点であろう。換言すれば、支持要素は、前記少なくとも1つの把持フィンガーが通過しうる開口を有する。ある実施態様においては、支持要素は、製品を支持するワイヤー(複数)を有するので、前記少なくとも1つの把持フィンガーは、特に開ポジションから把持ポジションへの移動の間に、2本のワイヤーの間を貫通することができる。これらのワイヤーは、好ましくはコンベアの搬送方向に延びる。
【0019】
該凹部は、どのような方向に向けられていてもよく、例えば、搬送方向に対して90度の角度をなす方向、即ち、コンベアの搬送方向に垂直な方向に向けられていてもよい。
【0020】
他の実施態様においては、コンベアは、支持要素から装置を持ち上げるための持ち上げ装置(lifting device)を有し、該持ち上げ装置は凹部を有し、該凹部は、持ち上げられた製品の下方に位置し、かつ、持ち上げられた製品の外側に延びて、前記把持ヘッドの前記少なくとも1つの把持フィンガーを受け入れるようになっている。利点は、該持ち上げ装置が、コンベアが移動し続けている間に、製品を静止した状態に保つことができることである。これにより、把持ヘッドの把持動作が簡素になり得る。持ち上げ装置に凹部を設けることによって、前記少なくとも1つの把持フィンガーは、製品に下方からアプローチできるので、支持要素における凹部に対して、前述したとおり、把持の間に製品にかかる横方向の力を最小化することができる。
【0021】
持ち上げ装置は、把持の間の把持ヘッドについて異なる方向(orientations)を選択する可能性を提供してもよい。従って、持ち上げ装置における凹部が、支持要素における凹部に対して角度をなしていてもよい。1つの凹部は、前記少なくとも1つの把持フィンガーの方向を、該凹部の長手方向に平行となるように制限することができる。仮に、把持の間に、製品が把持ヘッドの他の方向を必要とする状況では、該製品は、他の方向に延びる凹部を持った持ち上げ装置によって持ち上げられてもよい。
【0022】
好ましくは、前記持ち上げ装置は、突起部(複数)を有し、該突起部は、製品を持ち上げるために、支持要素の凹部(複数)を通過して延びる。
【0023】
ある実施態様においては、持ち上げ装置は、該持ち上げ装置が製品を持ち上げる間、支持要素に対して静止しており、即ち、持ち上げ装置は、製品を持ち上げる間、支持要素に沿って移動する。利点は、持ち上げの間、製品の搬送方向への運動が阻害されないことである。他の利点としては、コンベア上で次々に続いている製品が、その持ち上げや把持のために互いに邪魔し合うことがないことが挙げられる。したがって、続いている製品同士の間の間隔を最小化できる。
【0024】
本発明はさらに、製品を把持するための把持ヘッドに関するものであり、当該把持ヘッドは、
ベースを有し、
少なくとも1つの把持フィンガーを有し、該把持フィンガーは、製品の第1の側を保持するための把持ポジションと、前記少なくとも1つの把持フィンガーを製品が通過方向に通過できる開ポジションとの間での動作のために、該ベースに可動に取り付けられており、
前記少なくとも1つの把持フィンガーが該把持ポジションから該開ポジションへと移動する時に、該把持フィンガーが最初に前記通過方向に該製品から遠ざかる方へ移動するように、該把持フィンガーが構成されている。
【0025】
ある実施態様においては、把持ヘッドが、少なくとも1つの弾性要素をさらに有し、該少なくとも1つの弾性要素は、前記少なくとも1つの把持フィンガーによって保持される製品の第1の側の反対側にある第2の側に係合するためのものであり、該弾性要素が、前記通過方向に実質的に平行な方向への弾性を有する。
【0026】
前記少なくとも1つの弾性要素の利点は、把持ヘッドが対象物を取扱う間、前記少なくとも1つの弾性要素が把持ヘッドに対して製品の位置を固定(ロック)することができ、また、製品が同時に取扱われなければならない複数の物品からなるものである場合に物品相互の方向(orientation)を固定できることである。これはまた、前記少なくとも1つの把持フィンガーが把持ポジションに移動する前に、前記少なくとも1つの弾性要素が製品をコンベアに押し付けることによって製品を把持する間にも、行われ得るものである。把持の後、製品は、前記少なくとも1つの把持フィンガーと前記少なくとも1つの弾性要素との間にクランプされ、これにより、他の位置に運ぶ間、製品のポジションが固定される。
【0027】
別の利点は、製品を解放(リリース)する際に、前記少なくとも1つの弾性要素が補助的な役割をすることができることである。これは、例えば、製品が弾性要素に対してその慣性に起因してより強く押されるように、通過方向に把持ヘッドを加速させることによってなしうる。そしてこれにより、製品と前記少なくとも1つの把持フィンガーとの間における接触が緩和される。極端な状況においては、前記少なくとも1つの把持フィンガーから、製品の第1の側が実質的に脱係合する。それに続いて、前記少なくとも1つの把持フィンガーを開ポジションに移動させることによって、最小限の横方向の力が前記少なくとも1つの把持フィンガーによって製品に対して加えられる。その結果、製品は、前記少なくとも1つの把持フィンガーのこの動作によって引き裂かれることはなく、複数の物品からなる製品の物品相互の方向も維持される。製品は、把持ヘッドを前記通過方向に減速させることによって、今や前記少なくとも1つの弾性要素から解放され、該製品の慣性によって、前記少なくとも1つの弾性要素から製品の第2の側が脱係合する。そして、製品は、予測可能な軌跡をたどって他の位置に向かう。製品の解放において把持ヘッドの加速を利用することは、非常に粘着性のある製品に有用である。
【0028】
ある実施態様においては、複数の弾性要素が、アレイとして(in an array、配列されて)、好ましくは、2次元アレイとして(in a two-dimensional array、2次元配列になって)または格子状に設けられる。これは、把持ヘッドが製品のどのような形状や大きさにも、自体を適合さえ得るという利点を持つ。複数の弾性要素は互いに独立しているので、これらは全て第2の側に係合することができ、これにより、製品のポジションが最適に固定(ロック)される。これは、弾性的な帯やフィルムといった単一の弾性要素(その場合には、弾性要素の表面全体と第2の側とが確実に係合することを保障できない)と対照的である。
【0029】
複数の弾性要素がまた、前記通過方向に垂直な方向に実質的に剛性であるならば、特に製品が弾性要素の配列によって規定される領域よりも小さく、かつ、外側の弾性要素が製品に対する自然な境界を形成する場合に、これらの弾性要素は、製品の横方向の動きを効果的に防止することができる。従って、製品が異なる大きさまたは形状で取扱われなければならない場合においては、把持ヘッドが製品を把持するのに十分な大きさである限り把持ヘッドを交換する必要がない。換言すれば、これら複数の弾性要素は、製品のポジションを固定するために製品の形状や大きさに柔軟に適応するフレキシブルな手段である。
【0030】
他の実施態様においては、前記少なくとも1つの弾性要素が、2つの開口端部を持ったチューブ状要素であって、その一方の端部が前記ベースに取り付けられ、かつ、他方の端部が製品の第2の側に係合し得るようになっている。
【0031】
ポンプやベンチレーターといったような空気送り装置が、前記ベースに接続されている前記少なくとも1つの弾性要素の開口端部に接続されて設けられている場合、前記少なくとも1つの弾性要素からまたは該弾性要素へと空気を送ることが可能であり、これにより、把持および他の位置への動作の間、前記少なくとも1つの弾性要素に対して製品を吸引することが可能となり、および/または、該製品を解放する際には該製品を吹き飛ばすことが可能となる。これは、非常に粘着性のある製品に有用である。
【0032】
代替的には、前記少なくとも1つの弾性要素が、開口端部と閉端部とを持ったチューブ状要素であって、前記開口端部が前記ベースに取り付けられ、かつ、前記閉端部が製品の第2の側に係合し得るようになっている。閉口端部を有することにより、製品が前記少なくとも1つの弾性要素の内部を汚染することがなく、また、前記少なくとも1つの弾性要素が上述の空気送り装置に接続されていれば、前記少なくとも1つの弾性要素のバネ定数を、空気の量によって、即ち、前記少なくとも1つの弾性要素の内部の圧力によって制御できる。
【0033】
更に他の実施態様においては、前記少なくとも1つの弾性要素は、前記通過方向に調節可能に前記ベースに取り付けられる。これは、製品の異なる形状に対して把持ヘッド自体を調節し、前記少なくとも1つの弾性要素によって製品にかける圧力を設定すること、即ち、把持ヘッドのクランプ力を制御することを可能にする。
【0034】
前記少なくとも1つの把持フィンガーは、前記通過方向に垂直な軸を中心としてピボット回転できるようにしてもよい。このようにすると、単一の始動作用(actuation action)で、前記少なくとも1つの把持フィンガーを、開ポジションから把持ポジションおよびその逆の移動をさせることができ、実質的に前記通過方向の方向にそれぞれ製品から出発して製品のところで終了するようにできる。さらに、ピボット回転動作とすることにより、前記少なくとも1つの把持フィンガーを、前記通過方向に移動するであろう該製品から遠ざかってかつ該製品の邪魔にならないように、効率的に移動させることができる。
【0035】
更に他の実施態様においては、前記少なくとも1つの把持フィンガーが、製品の第1の側を保持するよう構成される側に突起部を有する。これも製品のポジションを固定する際に補助的役割を果たす。該突起部は、把持ポジションにおいて突起部が複数の弾性要素の間に位置するように、または、前記少なくとも1つの弾性要素と一線上に並ぶように配置されてもよい。
【0036】
他の実施態様においては、把持ヘッドは、複数の製品を同時に把持できるように、前記通過方向に垂直な方向に延びており、これは、スループットの観点から有利である。前記少なくとも1つの把持フィンガーが前記通過方向に垂直な軸を中心としてピボット回転できる場合、把持ヘッドは、該軸に平行に延びていることが好ましい。
【0037】
また、本発明は、上記した把持ヘッドを用いて製品を移す方法に関し、当該方法は、
a)少なくとも1つの把持フィンガーが把持ポジションにある場合に、該少なくとも1つの把持フィンガーを開ポジションに移動させるステップと、
b)製品が前記少なくとも1つの把持フィンガーを通過するように、把持ヘッドを、該通過方向に製品に向かって移動させるステップと、
c)前記少なくとも1つの把持フィンガーが製品の第1の側を保持するように、前記少なくとも1つの把持フィンガーを、把持ポジションに移動させるステップと、
d)把持ヘッドを他の位置に移動させるステップと、
e)前記少なくとも1つの把持フィンガーを製品から脱係合させるために、該少なくとも1つの把持フィンガーを、製品に対して通過方向に5m/s2を超える初期の加速度にて、製品から離れるように開ポジションに移動させるステップと
を有する。
【0038】
ある実施態様では、ステップe)において、前記少なくとも1つの把持フィンガーを製品から脱係合させるために、前記少なくとも1つの把持フィンガーは、製品に対して前記通過方向に少なくとも7.5m/s2の初期の加速度を有する。より好ましくは、ステップe)において、1gを超える加速度が提供される。
【0039】
該初期の加速度は、前記少なくとも1つの把持フィンガーだけを作動させることによって提供され得るが、上述したように、把持ヘッドが前記通過方向に加速しながら、前記少なくとも1つの把持フィンガーが作動し、それによって、製品に対する予め定められた加速度を得る際の補助となる組み合わせも可能である。
【0040】
ある実施態様においては、前記通過方向は、実質的に鉛直方向(vertical direction)である。このようにすると、重力から最大の利点が得られ、該重力は製品の解放の補助となりかつ妨害する力としては作用しないだろう。
【0041】
ここで、図面の記載を例示として、本発明を図面に基づき説明する。図面における類似の番号は類似の部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の実施態様におけるシステムを上方から見た図である。
【図2a】図2A〜2Cは、本発明の実施態様における把持ヘッドを示している。
【図2b】図2A〜2Cは、本発明の実施態様における把持ヘッドを示している。
【図2c】図2A〜2Cは、本発明の実施態様における把持ヘッドを示している。
【図3】図3は、本発明のさらなる実施態様におけるシステムの詳細を側方から見た断面図である。
【図4】図4は、図3のシステムの他の側面を示している。
【図5】図5は、持ち上げられていないポジションにある、本発明の他の実施態様における、システムのコンベアおよび持ち上げ装置の側面図および断面図である。
【図6】図6は、持ち上げれたポジションにある、図5のコンベアおよび持ち上げ装置の側面図および断面図である。
【図7】図7は、本発明の更に他の実施態様における、システムのコンベアおよび持ち上げ装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明の一実施態様によるシステム1を上方から見た図である。当該システム1は、製品5を搬送するためのコンベア3と、把持装置(グリッピングデバイス)7とを有する。該コンベアは、製品5を搬送方向Aに搬送する。
【0044】
把持装置7は、把持ヘッド9を有し、該把持ヘッドは、製品5をコンベア3から他の位置(例えば、他のコンベアや、貯蔵クレート(storage crate、貯蔵箱))に移すためのものである。把持ヘッド9は、把持装置7のアーム11に可動に接続されており、該把持ヘッドは、B方向に平行移動(translate)でき、かつ、該アーム11に対して鉛直軸(vertical axis)13の周りをC方向に回転できるようになっている。該アーム11は、把持装置の固定ベース(stationary base、不動の基部)15に可動に接続されており、かつ、該アーム11が該固定ベース15に対してD方向に平行移動できるようになっている。これによって、把持ヘッド9は、少なくとも3つの自由度B、C、Dでの位置取りが可能になっている。好ましくは、把持ヘッドは、鉛直(vertical)方向(図示せず)にも位置取りが可能である。
【0045】
当該システムは、さらに、第2のコンベア20を有し、該コンベアは、搬送方向Aに平行な搬送方向Eにトレイ22を搬送するためのものである。トレイ22は、トレイ形成装置21内で形成され、把持装置7は、製品5をコンベア3からコンベア20上のトレイ22へと、例えば梱包(パッケージング)の目的で、移し替えるように構成されている。
【0046】
ここで、製品5は、複数の物品からなるものであって、例えば、スライスされた肉製品または他の食品であってもよい。該製品がトレイ内に正確に置かれることが重要であり、好ましくは、該製品の再配置にもかかわらず該製品の一品一品の互いの方向が同じに維持されること、即ち、変更されないことが重要である。図1からわかるように、全ての製品が必ずしも完璧に整列されているわけではない。この例においては、真ん中の製品5は、他の製品5に対して垂直軸の周りを回転している。従って、当該システムは、製品の位置を検出する検出システム、例えばカメラといったもの、を有していてもよく、該検出システムは把持装置の制御システムに接続される。そして該制御システムは、把持装置の動作、特に把持ヘッドの動作を該検出システムの出力に従って調節することができる。例えば、把持ヘッドは、真ん中の製品5の位置決め不良(misalignment)に対して自体を調節すべく、把持に先立って回転させられてもよく、または、普通に製品を把持し該製品を解放する前に回転して該位置決め不良を補償してもよい。
【0047】
把持装置7は、本発明の一実施態様に従った把持ヘッドを有する。その例を図2A〜2Cを参照して以下に説明する。
【0048】
なお、図1のシステムには多数の他の構成が存在することを当業者は理解するであろう。把持装置のみならずコンベアも、異なる方向付けが可能であり、異なる動作原理に基づくことも可能である。ここに全てを記載しないのは、それが当業者に明らかだからである。
【0049】
図2A〜2Cは、図1のシステムに適した、本発明の実施態様における把持ヘッド30を示している。該把持ヘッドは、該把持ヘッド30を把持装置(図示せず)の部分34に取り付けるためのベース32を有する。該把持ヘッドは、さらに、ベース32に可動に取り付けられた複数の把持フィンガー36を有する。それらの把持フィンガー36は、把持ポジション(図2Aに示すように、製品の第1の側を保持するためのポジション)と、開ポジション(図2Bに示すように、製品が複数の把持フィンガー36を通過方向(passing direction)Rの方に通過できるポジション)との間で、ピボット回転軸37の周りをピボット回転可能である。図2Cは、図2Aの把持ヘッド30の部分的な側面図である。
【0050】
把持ヘッドはまた、複数の弾性要素(resilient element)40を有しており、それら弾性要素は、該製品の第2の側(該製品の第1の側の反対側)と係合するために2次元アレイ(two-dimensional array、2次元配列)として配置され、第1の側は前記複数の把持フィンガーによって保持され、複数の弾性要素は、通過方向Rに実質的に平行な方向に弾性的である。
【0051】
図2Aおよび2Cから明確に分るように、把持ヘッドが製品を把持しておらずかつ把持フィンガーが把持ポジションにあるという状態では、把持フィンガーと弾性要素(複数)とが2つの平らな把持面を形成し、それら把持平面の間に製品が把持され得る。この2つの平らな把持面は、互いに対して平行である。把持ヘッドによって製品が把持された場合、弾性要素の把持面は、自らを製品の形状および大きさに適合するように変形させることができる。
【0052】
弾性要素は、開口端部40A、40Bを持ったチューブ状要素であって、一方の端部40Aはベース32に取り付けられ、他方の端部40Bは製品の第2の側に係合し得る。該弾性要素40は壁部を有し、該壁部は必要な弾性を提供するようにハーモニカ(harmonica)の様に互いに折りたたまれていてもよい。開口端部40Aは、該弾性要素を通して空気を吸い込んだり吹き出したりするためのポンプやベンチレーターといった空気移送装置(図示せず)に接続されていてもよい。
【0053】
弾性要素40は、この実施態様では、操作ロッド50によって前記通過方向Rの方向に調節可能である。把持ヘッドは、また、弾性要素の前記通過方向Rへの移動をガイドするための案内ロッド52を有する。
【0054】
図2Cは、互いに間隔を置いて配置される複数の把持フィンガー36を明確に示している。各把持フィンガーは、製品を支持する支持要素の凹部内に受け入れられることが可能である。弾性要素の配列(array)と多数の把持フィンガーは、F方向に容易に拡張でき、該方向はピボット回転軸37に平行であって、例えば複数の製品を同時に把持することができるようにするためである。
【0055】
図2Aには、2本の軌跡54が示されており、その軌跡は、ピボット回転軸37の周りの回転に起因する、開ポジションから把持ポジションへのそしてその逆への、把持フィンガー36の自由端部の経路(path)を示している。把持フィンガーの自由端部の初期の方向は矢印Mで示されている。この初期の方向Mは、破線の矢印Mrによって示されているような前記通過方向を向いたゼロでない成分を有する。該初期の方向Mと前記通過方向Rとの間の角度αは、特に非常に粘着性を持った製品を扱うには、できる限り小さいほうが好ましい。初期の方向Mはピボット回転軸37の位置によって決まる。
【0056】
図2の把持ヘッドは、図3の断面図および図4の側面図に示されるような支持要素60と組み合わせて使用することができる。該支持要素60は、コンベアベルトであってもよく、また、図4に示すように、搬送方向Aに搬送される製品5を支持するように構成されていてもよい。該支持要素60は、凹部(複数)または開口部(複数)64を有し、それら凹部または開口部は、支持要素60を厚さ方向に(搬送方向に垂直でありかつ前記通過方向に平行に)通過して全体にわたって伸びており、よって、複数のワイヤー62を形成している。該凹部は、把持フィンガー36を受け入れるように、(上方から見た)製品の周囲以内に、および、該周囲をはみ出して広がる。例として、図4には、単一の把持フィンガー36が示されている。
【0057】
把持フィンガー36は、通過方向Rに対して垂直に伸びるピボット回転軸37を中心にピボット回転ができる。該把持フィンガー36は、先ず、開ポジションにあり、そこで製品5は該把持フィンガー36を通過方向Rの方向に通過する。該把持ヘッドは、続いて、前記通過方向に製品に向かって移動し、該把持フィンガーが複数のワイヤー62同士の間の凹部64内に延びて、該製品に下方から接近するようになっている。図示しない弾性要素が製品のポジションを固定するために、該製品に押し当てられる。該把持フィンガーは、続いて、開ポジションから把持ポジションへ移動し、矢印Fを参照、そこで該把持フィンガーは、製品の第1の側5Aに係合し、該製品を保持する。図4の把持フィンガー36は、開ポジションと把持ポジションとの間のある位置で示されている。好ましくは、把持フィンガーによる製品の把持の間は、横方向の力、即ち、通過方向Rに垂直な力が製品5に加わらないほうがよい。把持フィンガーの動作を示すために、把持フィンガーの自由端部の軌跡54を図4に示す。図には、製品5のところにおける把持フィンガーの端部が、該製品に向かい前記通過方向を向いたゼロでない成分を持った方向を向いていることが示されている。
【0058】
この実施態様においては、把持フィンガー36は、把持する間、製品5に係合するための複数の突起部35を有し、該製品が側方に移動することをさらに防止している。
【0059】
図5は、持ち上げられていないポジションにある、本発明の他の実施態様におけるシステムのコンベアおよび持ち上げ装置(lifting device)72の側面図および断面図である。コンベアは、製品5を支持するための複数のワイヤー74からなる支持要素70を有し、該製品を搬送方向Aに搬送する。
【0060】
持ち上げ装置72は、突起部(protrusions、複数の突起部)76を有し、該突起部は、ワイヤー74同士の間の間隙を通過して延びていてもよい。該持ち上げ装置72は、支持要素と搬送方向Aとに対して垂直なG方向に移動できる。該持ち上げ装置は、搬送方向Aに対して垂直に伸びる複数の凹部28を有する。該複数の凹部28は、製品の下方にかつ外側に延びて、把持ヘッドの把持フィンガーを受け入れる。
【0061】
図6は、コンベアと、持ち上げられたポジションにある持ち上げ装置72の側面図および断面図である。複数の突起部76が、支持要素を通過して延び、製品が支持要素から持ち上げられ、かつ、持ち上げ装置によって完全に支持されるようになっている。複数の凹部78も、ここでは支持要素の上方に延びているので、支持要素のワイヤーに対して角度をなした、特に搬送方向に垂直な、把持フィンガーを受けることができる。
【0062】
よって、把持ヘッドの第1の方向(orientation、方向付け)(この方向では、把持フィンガーは製品に下方からアプローチするようにワイヤーを通過できる)、または、該第1の方向に対して90度回転した第2の方向(この方向では、把持フィンガーは製品に下方からアプローチするように凹部78内に受け入れられる)のいずれにするかを選択することが可能である。
【0063】
図7は、図5および図6における持ち上げ装置72の複数の突起部76と同様の複数の突起部を有するフレキシブルベルト80を有する、他の持ち上げ装置を示している。図には複数の突起部のうちの一部のみを明示している。ベルト80は、4つのプーリー81、82、83、84上を、コンベア70の搬送方向Aに対応するH方向にエンドレスの態様で走行する。好ましくは、該ベルト80の速度は、コンベア70の速度と同一であるほうがよい。
【0064】
プーリー83および84は、矢印Kによって示されるようにコンベアに垂直な方向に調節される。プーリー83および84を前記コンベアに向かって移動させることにより、2つのプーリー間のベルト80の部分をコンベア70を通って延長し、コンベア70に支持される製品を図5および図6の持ち上げ装置と同様にして持ち上げることが可能である。ベルト80の速度は、好ましくはコンベアの速度に等しいほうがよいので、プーリー83と84との間のベルト80は、製品を持ち上げている間は、コンベア70に対して不動であり、これにより、持ち上げている間の製品にかかる力が最小化される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を移すためのシステムであって、当該システムは、
該製品を搬送方向に搬送するためのコンベアと、
該製品を該コンベアから他の位置へと移すための可動の把持ヘッドを持った把持装置とを有し、
前記把持ヘッドは、
ベースを有し、
少なくとも1つの把持フィンガーを有し、該把持フィンガーは、製品の第1の側を保持するための把持ポジションと、前記少なくとも1つの把持フィンガーを製品が通過方向に通過できる開ポジションとの間での動作のために、該ベースに可動に取り付けられており、
その特徴が、
前記少なくとも1つの把持フィンガーが該把持ポジションから該開ポジションへと移動する時に、該把持フィンガーが最初に前記通過方向に該製品から遠ざかる方へ移動するように、該把持フィンガーが構成されていることである、
前記システム。
【請求項2】
前記コンベアが、搬送中に製品を支持するための支持要素を有し、該支持要素は凹部を有し、該凹部は、前記支持要素が該製品を該凹部の上方で製品を支持する間に、前記把持ヘッドの前記少なくとも1つの把持フィンガーを受け入れるためのものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記凹部が、搬送方向に垂直な方向である支持要素の厚さ方向に前記支持要素を通過して全体にわたって延びている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記凹部が、前記コンベアの搬送方向に垂直な方向に延びている、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンベアが、前記支持要素から製品を持ち上げるための持ち上げ装置を有し、該持ち上げ装置は凹部を有し、該凹部は、該持ち上げ装置が製品を持ち上げている間に、前記把持ヘッドの前記少なくとも1つの把持フィンガーを受け入れるためのものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記持ち上げ装置が、製品を持ち上げるために、前記支持要素の凹部を通過して延びる突起部を有している、請求項3または5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記持ち上げ装置における前記凹部が、前記支持要素における前記凹部に対して角度をなしている、請求項5または6、および、請求項2〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記持ち上げ装置が、少なくとも持ち上げの間に、前記支持要素に沿って前記搬送方向に移動できるものである、請求項5〜7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
製品を把持するための把持ヘッドであって、当該把持ヘッドは、
ベースを有し、
少なくとも1つの把持フィンガーを有し、該把持フィンガーは、製品の第1の側を保持するための把持ポジションと、前記少なくとも1つの把持フィンガーを製品が通過方向に通過できる開ポジションとの間での動作のために、該ベースに可動に取り付けられており、
その特徴が、
前記少なくとも1つの把持フィンガーが該把持ポジションから該開ポジションへと移動する時に、該把持フィンガーが最初に前記通過方向に該製品から遠ざかる方へ移動するように、該把持フィンガーが構成されていることである、
前記把持ヘッド。
【請求項10】
把持ヘッドが、少なくとも1つの弾性要素をさらに有し、該少なくとも1つの弾性要素は、前記少なくとも1つの把持フィンガーによって保持される製品の第1の側の反対側にある第2の側に係合するためのものであり、該少なくとも1つの弾性要素が、前記通過方向に実質的に平行な方向への弾性を有するものである、請求項9に記載の把持ヘッド。
【請求項11】
複数の弾性要素が、アレイとして設けられている、請求項10に記載の把持ヘッド。
【請求項12】
複数の弾性要素が、2次元アレイとして設けられている、請求項10または11に記載の把持ヘッド。
【請求項13】
前記少なくとも1つの弾性要素が、2つの開口端部を持ったチューブ状要素であって、その一方の端部が前記ベースに取り付けられ、かつ、他方の端部が製品の第2の側に係合し得るようになっている、請求項10〜12のいずれか1項に記載の把持ヘッド。
【請求項14】
前記少なくとも1つの弾性要素が、開口端部と閉端部とを持ったチューブ状要素であって、前記開口端部が前記ベースに取り付けられ、かつ、前記閉端部が製品の第2の側に係合し得るようになっている、請求項10〜12のいずれか1項に記載の把持ヘッド。
【請求項15】
ポンプといったような空気送り装置を有し、該空気送り装置は、前記少なくとも1つの弾性要素の開口端部に接続されており、前記少なくとも1つの弾性要素からまたは該弾性要素に対して空気を移送するように前記ベースに接続されている、請求項13または14に記載の把持ヘッド。
【請求項16】
前記少なくとも1つの弾性要素が、前記通過方向に調節可能に前記ベースに取り付けられている、請求項10〜15のいずれか1項に記載の把持ヘッド。
【請求項17】
前記少なくとも1つの把持フィンガーが、前記通過方向に対して垂直な軸を中心としてピボット回転できる、請求項9〜16のいずれか1項に記載の把持ヘッド。
【請求項18】
前記少なくとも1つの把持フィンガーが、前記製品の第1の側に係合するための突起部を備えている、請求項9〜17のいずれか1項に記載の把持ヘッド。
【請求項19】
前記把持ヘッドが、複数の製品を同時に把持できるように、前記通過方向に垂直な方向に延びている、請求項9〜18のいずれか1項に記載の把持ヘッド。
【請求項20】
請求項9〜19のいずれか1項に記載の把持ヘッドを用いて製品を移す方法であって、当該方法は、
a)少なくとも1つの把持フィンガーが把持ポジションにある場合に、該少なくとも1つの把持フィンガーを開ポジションに移動させるステップと、
b)製品が前記少なくとも1つの把持フィンガーを通過するように、把持ヘッドを、該通過方向に製品に向かって移動させるステップと、
c)前記少なくとも1つの把持フィンガーが製品の第1の側を保持するように、前記少なくとも1つの把持フィンガーを、把持ポジションに移動させるステップと、
d)把持ヘッドを他の位置に移動させるステップと、
e)前記少なくとも1つの把持フィンガーを製品から脱係合させるために、該少なくとも1つの把持フィンガーを、製品に対して通過方向に5m/s2を超える初期の加速度にて、製品から離れるように開ポジションに移動させるステップと
を有する、前記方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−527389(P2012−527389A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511776(P2012−511776)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【国際出願番号】PCT/NL2010/000085
【国際公開番号】WO2010/134803
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(506002834)
【Fターム(参考)】