説明

システムキッチン

【課題】
本発明は、システムキッチンにおいて、電波センサをシンク側壁に設置した場合に、検知させたい被検知体をセンシングすることが可能であると共に、検知させたくない物体の動きに関してセンシング性能を低下させ、システムキッチン全体の検知精度を向上させることが可能なシステムキッチンを提供すること。
【解決手段】
吐水口を有する水栓1と、前記吐水口から吐水される水を受水するシンク2と、電波の送受信を行う電波センサ4と、前記電波センサ4から得られた被検知体の検知情報に基づいて開閉し、前記吐水口へ水を供給するかどうかを切り替えるバルブとを有するシステムキッチンであって、前記電波センサ4は前記シンク側壁3で、且つ放射される電波の励振方向が前記シンク底面と略平行となるように配置された構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチンにおいて、シンク側壁に設置した電波センサの励振方向に対する設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサで被検知体を検知して、その検知結果に基づきバルブの開閉制御を行うシステムキッチンがあった。
【0003】
また、蛇口の近傍に被洗浄体(例えば、手や食器等)を近づけることにより、光電センサにて検知して、バルブの開動作を行うキッチン装置が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、電波センサの励振方向によって、被検知体を検知する検知精度を向上させた小便器が記載されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、電波センサから放射される送信信号を走査させ、物体を検知するセンサにおいて、電波センサの励振方向と物体の移動方向に対する検知精度が異なる物体センサが記載されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】実開昭61−65570
【特許文献2】特願2007−184566
【特許文献3】特開2006−287766
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、シンク側壁に配置した光電センサに対して手を挿入し、光の遮蔽、又は反射に伴いバルブの開閉制御を行う場合、シンク内部に調理器具等の物体を置いた場合に、その物体による遮蔽、又は反射に伴い、光電センサが検知を行うため、吐水を行いたくない場面において吐水を行う可能性があった。
【0007】
また、特許文献2や特許文献3のように、電波センサにて検知したい被検知体の動きに合わせて電波センサの励振方向を決定した場合には、検知精度を低下させるノイズの動きに対して配慮していないため、検知したい被検知体の動きは検知可能であるが、検知したくない被検知体の動きも検知するために、上記のような構成をキッチンに用いた場合には、キッチンにおける調理作業によっては、誤検知を行う可能性があった。
【0008】
そこで、本発明においては、システムキッチンにおいて、電波センサをシンク側壁に設置した場合に、検知させたい被検知体をセンシングすることが可能であると共に、検知させたくない物体の動きに関してセンシング性能を低下させ、システムキッチン全体の検知精度を向上させることが可能なシステムキッチンを提供することを目的としている。
【0009】
前記目的を達成するために、吐水口を有する水栓と、前記吐水口から吐水される水を受水するシンクと、電波の送受信を行う電波センサと、前記電波センサから得られた被検知体の検知情報に基づいて開閉し、前記吐水口へ水を供給するかどうかを切り替えるバルブとを有するシステムキッチンであって、前記電波センサは前記シンク側壁で、且つ放射される電波の励振方向が前記シンク底面と略平行となるように配置されたことを特徴とするシステムキッチンを提供出来る。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記電波センサは、前記シンク側壁の開口面近傍で且つ前記シンク側壁を介し、前記シンク内に向けて電波を送信できるように前記シンク側壁の裏側に配置したことを特徴とするシステムキッチンを提供出来る。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記シンクに隣接してカウンターが設けられ、前記電波センサは、前記カウンターと隣接する側のシンク側壁に配置されたことを特徴とするシステムキッチンを提供出来る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シンク側壁に電波センサを設けて、電波センサの励振方向をシンク底面と略平行方向になるように設置することで、シンク上方から調理器具等を置く動作に対しての誤検知を低減させ、使用者が差し出す被検知体に関しての検知精度を確保することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1に、本発明のシステムキッチンの概略構成図を示す。本発明のシステムキッチンは、吐水口を有する水栓1と、前記吐水口から吐水される水を受水するシンク2と、電波の送受信を行う電波センサ4と、前記電波センサ4から得られた被検知体の検知情報に基づいて開閉し、前記吐水口へ水を供給するかどうかを切り替えるバルブとを有するシステムキッチンであって、前記電波センサ4は前記シンク側壁3で、且つ放射される電波の励振方向が前記シンク底面と略平行となるように配置されている。
【0014】
ここで、本実施例におけるシンク2の方向関係について示す。図1において、シンク2に対して使用者が使用する場所、例えば、本実施例においては水栓1と対峙する面を前縁側とし、前縁側と対峙する面を後縁側、シンク開放面方向を上方、シンク底面が存在する方向を下方、図面左側を左側方、図面右側を右側方とする。シンク2は、前縁側、後縁側、左側方、右側方に存在する側壁と、底面とによって構成されるものである。なお、各方向に設けられたシンク側壁3と底面との境界は必ずしも明瞭である必要は無く、例えば、側面同士の接続面が曲面にて形成されていても良い。また、シンク底面とシンク側壁とが識別可能な角度、又は形状で形成されていても良い。更に、シンク底面は水平面で形成されるものに限定されず、傾きを持って形成されたものでも良い。またシンク側壁は全てが同じ深さ方向にて、同じ長さを有することなく、シンク底面及びシンク全体の形状に応じて変化しても良い。
【0015】
ここで、電波センサ4の設置方法に関して記載する。電波センサ4をシンク側壁3以外に設置した場合、例えば、シンク底面に設置した場合においては、シンク底面に対して調理器具等を設置する、又はシンク底面に飛散、又は広がる洗浄水を検知してしまい、その結果、吐水を行いたくないタイミングにて吐水を行うという不具合が発生する可能性がある。また、例えば、水栓1に電波センサ4を設置して、空間に電波を放射してセンシングを行った場合、シンク2における洗い動作、又は調理をする際に手が水栓1近傍を通過する動き等を検知してしまい、その結果、吐水を行いたくないタイミングにて吐水を行うという不具合が発生する可能性がある。しかし、シンク側壁3に電波センサ4を設置した場合、シンク側壁3に対して直接調理器具等を接触させることが少なく、また、シンク側壁3近傍では、シンク側壁3が障害となり調理作業が行いにくくなるため、調理作業もシンク側壁3からある一定の距離を空けて作業を行うため、シンク側壁3近傍においては、動作が少なくなってしまう。そこで、本発明においては、シンク側壁3に電波センサ4を設けることで、電波センサ4に対しての操作以外の動きを検知しにくくなるような構成にしている。更に、シンク側壁3の上方(シンク2の開放面に近い場所)に電波センサ4を設置することで、シンク2内部に置かれた小さな調理器具や、洗浄水の動きを検知しにくくなるため、シンク2内部の状況や洗浄水の影響を受けずにセンシングを行うことが可能となる。更に、電波センサ4をシンク2上方に設置することで、使用者が被検知体をシンク側面3に進入させる場合に、シンク2下方(シンク2内部方向)に対して大きく手を挿入させることなく操作することが可能となるため、使用者の身体に負荷のかかる状態での操作を行わせること無く、操作を容易に行うことが可能となる。
【0016】
また、電波センサ4における検知範囲を、シンク側壁3近傍に設定するれば、シンク側壁3から放射される送信信号が、遠くの物体に反射して得られる検知信号をキャンセルすることが可能となるため、シンク側壁3近傍のセンサに対する操作のみを検知することが可能となり、より検知精度を向上させることが可能となる。その方法としては、例えば、シンク側壁3近傍の被検知体の接近、離遠、略静止状態を検知することにより、他の動きとの識別を行うことが可能である。例えば、手の接近に関しては、シンク側壁3に対して接近を行うことで、被検知体はシンク側壁3へ接近して、シンク側壁3へ接触、又は近傍で非接触状態で電波センサに対して操作を行う。その際、シンク側壁3があるため、被検知体を衝突させないために、被検知体はシンク側壁3近傍で減速を行い、そして略静止状態になる。ここでは、シンク側壁3に接近する際に発生する減速を検知し、被検知体が接近(電圧における振幅値の増大)と減速を検知することで、他の動作との識別を行う方法を行っている。また、他の方法としては、物体が離遠する際に、シンク側壁3に対して操作後に離遠を行うため、物体が略静止状態から加速を行う動作となる。そこで、離遠に検知する場合には、略静止状態後に加速動作を検知し、更に離遠(電圧における振幅値の減少)を検知することで、他の動作との識別を行う方法を行っている。また、略静止状態においては、電波センサ4に対して被検知体を操作する場合には、少なくとも一瞬略静止状態が発生する。この場合、電波センサ4直前に物体を静止させるため、非常に低い周波数(DC信号を含む)にて、非常に大きな検知信号(電圧値における振幅値)が発生する。このような状況になったことを検知して、近傍にある被検知体の略静止状態を検知して、他の動作との識別を行う方法を行っている。上記のような方法は、単独、又は組み合わせを行うことが可能であり、組み合わせを行うことにより、物体の動作の軌跡を推測することが可能となるため、より精度良く被検知体の検知を行うことが可能となる。
【0017】
しかし、電波センサ4をシンク側壁3に設置し、上記のような検知方法を用いて電波センサ4に対してのみの操作をセンシングすることを記載したが、シンク2内部における動作においては、上記操作方法に近い動作が発生してしまい、その結果、操作と間違えて誤検知する可能性がある。例えば、シンク側壁3近傍に対して、調理器具を設置する場合で、特に高さ方向のある調理器具(例えばパスタ鍋のように高さがシンク2開口面まで達する大きさの調理器具)をシンク2開放面から設置する場合においては、シンク側壁3近傍に対して人が操作する動きに近い。そこで、本発明においては、シンク側壁3近傍における操作と、それ以外の動作とを識別するために、電波センサ4の設置方向によって、検知したくない動きを識別し、誤検知による誤吐水を低減するシステムキッチンを提供するものである。
【0018】
ここで、図2、及び図3にシンク側壁3に設置した場合の、センサの励振方向8に対する被検知体の挿入方向を図示する。図2には、電波センサ4の励振方向8が、シンク底面に対して略垂直方向に設置した場合について記載している。被検知体の電波センサ4に対する挿入は、一般的には使用者が手を用いて挿入するため、電波センサ4に対峙した方向から電波センサ4の送信信号と同一方向に挿入する方法か、シンク2上方から電波センサ4の送信信号に対して横切るように挿入する方法がある。電波センサ4に対峙した方向からの挿入に関しては、電波センサ4の励振方向8に関係なく、検知することが可能であるため、上記のような接近、離遠、略静止状態をセンシングする方法にて検出可能であり、操作する動きと、それ以外の動きを識別することが可能である。ここでは、シンク2上方からの挿入と励振方向8との関係について示す。図2においては、電波センサ4の励振方向8がシンク底面に対して略垂直方向に設置しているため、シンク2の上下方向に対する動きを検知しやすくなる。図2(A)で見ると、使用者がシンク2上方から操作を行う場合、使用者の肩を基点に手を稼動させるため、シンク2上方から斜め(図中左上から右下)に操作が行われる。その際、使用者の身長や、キッチンのカウンタ高さにも影響するが、カウンタ上面に対して手の挿入角度は約50から80°の角度で挿入され、シンク2上下方向に対するベクトルを持っているため、図4(A)のようにシンク側壁3に対する被検知体の動きを検知することが可能である。しかしながら、図2(B)のように、鍋等の調理器具、特にシンク2上方にまで達する大きな調理器具に関しては、斜め方向からの吐水ではシンク2前縁のカウンタに衝突させる恐れがあったり、シンク2と隣接するカウンタや加熱調理器11からの移動のため、一般的にシンク2上方からシンク2内部に置くことが多い。その際には、シンク2上方からの移動のみとなるため、励振方向8がシンク底面に対して垂直方向の場合には、この調理器具を置く動作を図4(B)のように確実に検知してしまう。また電波を反射しやすい金属等の素材であるため、検知信号は使用者の操作よりも大きくなる可能性があり、単に検知信号の振幅値と閾値のと比較にて判断しようとすると、使用者が電波センサ4に最接近した場合に発生する大きな検知信号と同様の結果を得ることになるため、使用者の操作との識別が困難になってしまう。そのため、調理器具の進入に対しても吐水を行う可能性があり、吐水させたく無いタイミングにて吐水を行う可能性が高くなる。
【0019】
そこで、本発明においては、図3に記載のように、電波センサ4の励振方向8をシンク底面に対して略平行方向になるように電波センサ4を設置するものである。電波センサ4の励振方向8をシンク底面と略平行方向に設置すると、図3(A)のように、使用者が斜め方向から手の挿入を行った場合においては、斜めからの進入のため、シンク底面に対して水平方向のベクトルを有するため、励振方向8が変化した場合にも、図5(A)と同様の振幅値を持った検知信号を得ることが可能となる。しかしながら、図3(B)のように、鍋等の調理器具を置く動作の場合には、シンク底面に対する水平方向のベクトルがほとんど無いため、図5(A)と同様の設置方法にて動作を行ったが、図5(B)のように検知信号としても大きな振幅値を得ることが出来ず、且つ励振方向8と直交する動きのみであるため、動きに対する周期的な信号を出力することが出来ないため、振幅値を小さくすることにより、周波数による判断を行うことにで、使用者による被検知体との挿入との差異を出すことが可能となり、識別可能となる。これにより、被検知体の挿入なのか、また調理器具等の設置による動きなのかを判別し、吐水を行いたいタイミングでのみ吐水を行うことが可能となる。また、検知信号の振幅値が極端に小さくなっていることにより、調理器具の材質による送信信号の反射量をキャンセルして、物体の距離や動きに対してのみの信号に変化されているため、物質の違いにより発生する大きな振幅値の変動に伴う誤検知等を低減することも可能となる。
【0020】
更に、励振方向8をシンク底面に対して略平行方向になるように電波センサ4を設置し、且つ電波センサ4をシンク2上方に設置することで、シンク2内部に調理器具等を置いた場合には、シンク2上方のみが検知範囲となるため大きな調理器具にしか反応せず、小さな調理器具に関しては、シンク2上方から動いて略静止状態を検知することなく、更にシンク底面近傍における動きも検知することが無いため、調理器具等の動きによる誤検知を大幅に低減することが可能となり、吐水を行いたいタイミングでのみ吐水を供給することが可能となる。
【0021】
次に、センサの設置場所に関して記載する。システムキッチンにおける調理作業は、洗浄動作だけでなく、煮る、炒める等の加熱調理や、切る、混ぜる等のカウンタ上面における作業が発生し、効率よく調理を行うためには、シンク2と加熱調理器11の中央にあるカウンタを作業スペース10として、この作業スペース10を基点として作業を行うのが望ましく、一般的なシステムキッチンにおいては、図6に示すように、シンク2と加熱調理器11との間に調理スペースを設けているのが一般的である。このシンク2と加熱調理器11と隣接する作業スペース10と隣接するシンク側壁3に電波センサ4を設置した場合について記載する。
【0022】
作業スペース10においては、シンク2での洗浄行為を行う際に良く行う行為として、野菜等を切る作業において包丁に付着した残菜をさっと洗い流す作業や、調理中に手が汚れてしまった状態で、汚れた手を洗浄する行為等が挙げられる。このような洗浄作業においては、シンク2に設置された洗浄水の吐止水及び流温調が可能な手動バルブを制御すると、洗浄時間よりもバルブの操作を行うための動作や時間が多くなってしまうことや、汚れた手によって手動バルブを操作するために手動バルブ自身が汚れてしまう等の問題点が発生する。そこで、本発明のように、吐止水の制御を行うバルブに対して開閉制御を行う電波センサ4を、シンク側壁3に設けることにより、手動バルブを操作するために手を伸ばす、重心移動を行う等の動作無くバルブを操作することが可能となるため、使用者の身体の負担を低減しつつ容易に操作可能となる。更に、電波センサ4における検知を、非接触状態でも検出可能なように設定することで、シンク側壁3に対して非接触で操作してバルブの開閉制御を行うことも可能となるため、汚れた手による操作においても、シンク側壁3や手動バルブが汚れることなく、洗浄動作を行うことが可能となる。
【0023】
また、作業スペース10からシンク2内部に対して、調理器具等の移動を行う際にも、電波センサ4の励振方向8をシンク底面と略平行方向に設置することにより、調理器具を移動する動きを選定することが可能となるため、吐水を行いたい操作に対してのみ吐水を行うことが可能となるため、誤吐水を低減することが可能となる。
【0024】
また、センサの設置方法について記載する。電波センサ4はシンク側壁3に設置するが、シンク側壁3の裏側からシンク側壁3を介してシンク内部に電波の送信、反射波を受信し、物体の情報を得るように設置する。これにより、シンク2表面にはセンサが露出しないため、シンク2の外観を損なうことなく、またシンク2に別途穴を開ける等の加工を行うことなく設置することが可能となる。また表面に電波センサ4が露出することなく、またシンク側壁3に加工を施さずに設置が可能であるため、シンク側壁3に汚れが付着した際にも、シンク側壁3を洗浄することで汚れが隙間等に残ることなく清掃可能なため、容易に清掃出来、シンク2の清潔感を維持することも可能である。
【0025】
しかし、シンク側壁3に設置された電波センサ4が目視できないため、センサの場所を示す誘導手段があるのが望ましい。この誘導手段は、様々な場所から洗浄作業を行う際に、シンク側壁3に設置された電波センサ4の場所を表示する必要があるため、例えば、作業スペース10のカウンタ上面に設置して、作業スペース10からの洗浄動作の際に電波センサ4に対して被検知体の誘導を行うようにしたり、また、電波センサ4が設置されたシンク側壁3に設置することで、シンク2の前縁にて作業を行う場合でシンク側壁3を目視可能な場合においても、電波センサ4に対して被検知体の誘導を行うことが可能となるため、電波センサ4における被検知体の検知精度をより向上させることが可能となる。誘導手段の設置場所に関しては、例えば、カウンタ上面に設置する場合には、電波センサ4の設置場所よりもシンク2後縁側に設置することで、使用者が操作を行う指先をが誘導手段近傍に接近し、電波センサ4の直前に略平坦で面積のある掌を誘導することが可能となるので、送信信号の反射を大きく得ることが可能となり、電波センサ4における検知信号を大きく得ることが出来、検知精度を向上させることが可能となる。また、電波センサ4が設置されたシンク側壁3に設置する誘導手段に関しては、電波センサ4の設置位置よりもシンク2後縁側で、且つ電波センサ4の設置場所よりもシンク底面側に設置するのが望ましい。これは、カウンタ上面に誘導手段を設置した場合と同様で、シンク2後縁側に設置することで、誘導手段に対して操作する指近傍が接近すると、電波センサ4の直前に掌が誘導されるため、より大きな検知信号を得ることが可能となるためである。更に手は斜め(指がシンク2下方側、掌がシンク2上方側)で挿入されるため、誘導手段を電波センサ4よりもシンク2下方に設置することで、掌をより電波センサ4の近傍に誘導することが可能となり、送受信における検知信号をより大きな状態で得ることが可能となるので、検知精度を向上させることが可能となる。
【0026】
以上より、シンク側壁3に設置した電波センサ4の励振方向8を、シンク底面に対して略平行になるように設置することで、鍋等の調理器具をシンク2上方から移動した場合における検知をせずに、被検知体を挿入する動きに対しては、十分な大きさの検知信号を得ることが可能となり、誤検知を大幅に低減でき、吐水をしたいタイミングでのみ吐水可能なシステムキッチンを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のシステムキッチンの概略構成図
【図2】電波センサの励振方向をシンク底面に対して略垂直方向になるように設置した場合の概略構成図
【図3】電波センサの励振方向をシンク底面に対して略平行方向になるように設置した場合の概略構成図
【図4】(A)は図2(A)における電波センサからの検知信号波形図、(B)は図2(B)における電波センサからの検知信号波形図
【図5】(A)は図3(A)における電波センサからの検知信号波形図、(B)は図3(B)における電波センサからの検知信号波形図
【図6】本発明のシステムキッチンで作業スペースを有する場合の概略構成図
【符号の説明】
【0028】
1…水栓、2…シンク、3…シンク側壁、4…電波センサ、5…開閉信号、6…バルブ、7…配管、8…電波センサの励振方向、9…調理器具、10…作業スペース、11…加熱調理器、12…誘導手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水口を有する水栓と、
前記吐水口から吐水される水を受水するシンクと、
電波の送受信を行う電波センサと、
前記電波センサから得られた被検知体の検知情報に基づいて開閉し、前記吐水口へ水を供給するかどうかを切り替えるバルブとを有するシステムキッチンであって、
前記電波センサは前記シンク側壁で、且つ
放射される電波の励振方向が前記シンク底面と略平行となるように配置されたことを特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
前記電波センサは、前記シンク側壁の開口面近傍で且つ
前記シンク側壁を介し、前記シンク内に向けて電波を送信できるように前記シンク側壁の裏側
に配置したことを特徴とする請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項3】
前記シンクに隣接してカウンターが設けられ、
前記電波センサは、前記カウンターと隣接する側のシンク側壁に配置されたことを特徴とする請求項1または2の何れか1項記載のシステムキッチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−233046(P2009−233046A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81941(P2008−81941)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】