説明

シャフトブレーキユニット

【課題】案内機構とブレーキ機構とを兼ね備える新たなシャフトブレーキユニットを提供する。
【解決手段】シャフトブレーキユニット10は、貫通孔21を備えるハウジング部材20と、貫通孔21を導通して軸方向での往復運動が自在となるように設置されるシャフト15とを備えており、上記ハウジング部材20が、外郭を構成するハウジング本体部22と、ハウジング本体部22に設置される一対の案内機構30,30と、一対の案内機構30,30に挟まれるようにハウジング本体部22に設置されるブレーキ機構40とを備えることにより、一対の案内機構30,30がシャフト15のハウジング部材20に対する相対的な往復運動を案内するとともに、ブレーキ機構40がシャフト15の拘束・解放を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトの往復運動を案内する案内機構と、往復運動するシャフトの拘束・解放を行うブレーキ機構とを兼ね備えるシャフトブレーキユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から知られている機械要素のなかには、案内機構やブレーキ機構などといった各種の動作を行うものが知られており、多くの用途に採用されている。例えば、航空機や車両などに設置される座席シートには、所望の位置に座席シートを移動した上で、確実に固定させることの可能な機構の採用が不可欠であるため、案内機構にはリニアブッシュやボールスプラインなどが採用され、ブレーキ機構には機械的摩擦力や流体抵抗力、あるいは電磁力を利用したブレーキ装置が採用されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、案内機構やブレーキ機構などといった異なる作用を発揮する機械要素については、これらを融合して単一の装置とすることが非常に困難であった。例えば、リニアブッシュやボールスプラインなどの案内機構においては、シャフトの外周面上を複数の転動体が転走することによって案内動作を行うことになるので、シャフトの外周面には極めて小さな表面粗さと高い硬度が求められる。したがって、この要求を満足するために、シャフトの表面には焼き入れなどの表面加工が施されるのが一般的であった。
【0004】
一方、ブレーキ装置を用いてシャフトの往復運動を規制する場合には、シャフトに対して機械的摩擦力等を確実に付与しなければならないため、シャフトの表面はある程度表面粗さが大きく、あまり硬度が高くならないように、焼き入れなどの表面加工を付与しない状態のものを用いるのが好適である。
【0005】
つまり、案内機構とブレーキ機構にとって、それぞれの機能を発揮するために必要且つ好適な条件は全く異なっており、このことからも明らかな通り、異なる機械要素を融合して単一の装置とすることは、従来技術にとっては非常に困難なことであった。
【0006】
そこで、従来の座席シートにおいては、案内機構とブレーキ機構をそれぞれ用意し、これらを平行配置することによって案内動作とブレーキ動作を行うことが実施されていた。しかし、このような装置構成では、部品点数が増加するとともに取付作業も複雑化するので、導入コストが増加してしまうという不具合が存在していた。また、航空機や車両などは、自重が燃費性能に大きな影響を及ぼすので、案内機構とブレーキ機構を単一の装置とすることができれば軽量化にもなり、ランニングコストの改善を図ることが可能となる。
【0007】
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、案内機構とブレーキ機構とを兼ね備える新たなシャフトブレーキユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るシャフトブレーキユニットは、貫通孔を備えるハウジング部材と、前記貫通孔を導通して軸方向での往復運動が自在となるように設置されるシャフトと、を備え、前記ハウジング部材が、外郭を構成するハウジング本体部と、前記ハウジング本体部に設置される一対の案内機構と、前記一対の案内機構に挟まれるように前記ハウジング本体部に設置されるブレーキ機構と、を備えることにより、前記一対の案内機構が前記シャフトの前記ハウジング部材に対する相対的な往復運動を案内するとともに、前記ブレーキ機構が前記シャフトの拘束・解放を行うように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るシャフトブレーキユニットにおいて、前記案内機構は、前記シャフトを導通可能な円筒体と、前記円筒体の内周壁に形成される開口に沿って整列状態で循環し、前記開口に位置するときに僅かに前記内周壁から内側にはみ出すことによって前記シャフトの外周面と接しながら転動動作を行う複数の転動体とを少なくとも備えることとすることができる。
【0010】
また、本発明に係るシャフトブレーキユニットにおいて、前記ブレーキ機構は、前記シャフトの断面形状と相似形となるように巻かれたコイルバネを有し、前記コイルバネは前記シャフトの径よりも小さい径を有するように形成され、前記コイルバネの一端側が前記ハウジング部材側に係止されるとともに、他端側が前記コイルバネの径を拡げる方向に操作可能な操作把手側に係止されることにより、常には前記コイルバネの弾性力が前記シャフトに作用することによって前記シャフトを拘束してシャフトの往復運動を規制し、前記操作把手を操作することによって前記コイルバネの径を拡げたときには前記シャフトを解放してシャフトの往復運動を許可することができる。
【0011】
さらに、本発明に係るシャフトブレーキユニットにおいて、前記コイルバネは、前記ハウジング部材側に固定される固定端側の少なくとも1巻目が前記シャフトの軸方向に垂直な面に対して角度を持つように形成されており、前記コイルバネが前記シャフトを拘束して往復運動を規制しているときにシャフトに対して外力が加わると、前記コイルバネの前記ハウジング部材側に固定される固定端側の少なくとも1巻目が前記外力に応じて傾動し、前記コイルバネをシャフトに対して押圧することによってシャフトの規制を強化するように構成することができる。
【0012】
またさらに、本発明に係るシャフトブレーキユニットにおいて、前記コイルバネは、全ての巻目が前記シャフトの軸方向に垂直な面に対して角度を持つように形成することができる。
【0013】
さらにまた、本発明に係るシャフトブレーキユニットでは、前記コイルバネが複数設置されていることとすることができる。
【0014】
また、本発明に係るシャフトブレーキユニットにおいて、前記コイルバネは、断面が矩形状をした角バネとして構成することができる。
【0015】
さらに、本発明に係るシャフトブレーキユニットにおいて、角バネとして構成される前記コイルバネは、前記操作把手を操作することによって前記コイルバネの径を拡げようとする力を受けるコイル周面の幅よりも、前記コイル周面に続くコイル側面の幅の方が大きくなるように構成することができる。
【0016】
本発明に係るシャフトブレーキユニットにおいて、前記ブレーキ機構は、前記シャフトの断面形状と相似形となるように右巻きに巻かれた右巻きコイルバネと、前記シャフトの断面形状と相似形となるように左巻きに巻かれた左巻きコイルバネと、前記右巻きコイルバネの一端側を前記ハウジング部材側に固定するために、前記右巻きコイルバネの一端側と係合するとともに前記ハウジング本体部に固定設置される右巻きコイルバネ固定外筒と、前記左巻きコイルバネの一端側を前記ハウジング部材側に固定するために、前記左巻きコイルバネの一端側と係合するとともに前記ハウジング本体部に固定設置される左巻きコイルバネ固定外筒と、前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネのそれぞれの他端側に係合し、前記シャフトの軸心を回転中心として回動することによって前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネそれぞれの径を拡大可能なセンタフランジと、前記センタフランジに設置される操作把手と、を有し、前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネが前記シャフトの径よりも小さい径を有するように形成されることによって、常には前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネの弾性力が前記シャフトに作用することによって前記シャフトを拘束してシャフトの往復運動を規制し、前記操作把手を操作することによって前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネの径を拡げたときには前記シャフトを解放してシャフトの往復運動を許可することができる。
【0017】
本発明に係るシャフトブレーキユニットにおいて、前記ブレーキ機構は、前記シャフトの断面形状と相似形となるように右巻きに巻かれた右巻きコイルバネと、前記シャフトの断面形状と相似形となるように左巻きに巻かれた左巻きコイルバネと、前記右巻きコイルバネの一端側を前記ハウジング部材側に固定するために、前記右巻きコイルバネの一端側と係合するとともに前記ハウジング本体部に固定設置される右巻きコイルバネ固定外筒と、前記左巻きコイルバネの一端側を前記ハウジング部材側に固定するために、前記左巻きコイルバネの一端側と係合するとともに前記ハウジング本体部に固定設置される左巻きコイルバネ固定外筒と、前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネのそれぞれの他端側と係合し、前記シャフトの軸心を回転中心として回動することによって前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネそれぞれの径を縮小可能なセンタフランジと、前記センタフランジに設置される操作把手と、を有し、前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネが前記シャフトの径よりも大きい径を有するように形成されることによって、常には前記シャフトが往復運動自在であり、前記操作把手を操作することによって前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネの径を縮小して前記シャフトに押圧力を作用させたときには、前記シャフトを拘束してシャフトの往復運動を規制することができる。
【0018】
また、本発明に係るシャフトブレーキユニットにおいて、前記シャフトは、少なくとも前記複数の転動体と接する箇所以外の部分が、相手部材に対して摩擦力が大きくなるように表面加工を受けていることとすることができる。
【0019】
なお上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、案内機構とブレーキ機構とを兼ね備える新たなシャフトブレーキユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、本実施形態に係るシャフトブレーキユニットを示す外観斜視図であり、図2は、本実施形態に係るシャフトブレーキユニットの概略構成を説明するために一部分を透視状態で示した部分縦断面斜視透視図である。
【0023】
本実施形態に係るシャフトブレーキユニット10は、概略構成として、貫通孔21を備えるハウジング部材20と、この貫通孔21を導通して軸方向での往復運動が自在となるように設置されるシャフト15とを備えて構成されている。なお、本実施形態に係るシャフトブレーキユニット10では、通常状態においてはシャフト15にブレーキ力が加わっているのでシャフト15の往復運動は規制されており、ブレーキ力が解除されたときにのみシャフト15の往復運動が許可されるようになっている。以下、シャフトブレーキユニット10の具体的な構成部材について、詳細な説明を行う。
【0024】
シャフト15は、その表面が焼き入れ加工を施されることによって極めて高い硬度と小さい表面粗さを有するように構成されており、後述する一対の案内機構30,30に案内されることによって、非常にスムーズな往復運動が実現可能となっている。本実施形態に係るシャフト15は、断面形状が円形であり、その表面には溝や面等の加工が施されておらず、丸棒として形成された部材である。このようなシャフト15には、例えば航空機や車両などに設置される座席シートが接続されて、シャフト15の往復運動に応じた座席シートの位置移動が行われることとなる。
【0025】
ハウジング部材20は、外郭を構成するハウジング本体部22と、ハウジング本体部22に設置される一対の案内機構30,30と、一対の案内機構30,30に挟まれるようにハウジング本体部22に設置されるブレーキ機構40とを備えており、一対の案内機構30,30がシャフト15のハウジング部材20に対する相対的な往復運動を案内するとともに、ブレーキ機構40がシャフト15の拘束・解放を行うように構成されている。
【0026】
ここで、図3及び図4を用いて、ハウジング本体部22の具体的な構成を説明する。ここで、図3は、ハウジング本体部22を説明するための図であり、図3中(a)はハウジング本体部22の正面視を、図3中(b)はハウジング本体部22の下面視を、図3中(c)はハウジング本体部22の左側面視を示している。また、図4は、ハウジング本体部の外観斜視図である。
【0027】
ハウジング本体部22は、アルミ合金等の比較的軽量な金属材料によって構成されており、その両端側には後述する案内機構30を設置する案内機構収納部22aと、この両端部に挟まれた中央の部分には後述するブレーキ機構40を設置するためのブレーキ機構収納部22bが形成されている。また、案内機構30を設置する両端側の案内機構収納部22aには、その下面にハウジング部材20を固定するためのボルト孔22cが形成されており、ハウジング部材20を確実に固定することが可能となっている。さらに、ハウジング本体部22の中央部分には、周方向に開口する開口部22dが形成されており、この開口部22dはブレーキ機構40の操作の際に利用されることとなる。
【0028】
案内機構収納部22aに設置される案内機構30には、図5に示されるボールブッシュが採用されている。このボールブッシュは、シャフト15を導通可能な円筒体31と、円筒体31の内周壁31aに形成される開口31bに沿って整列状態で循環し、開口31bに位置するときに僅かに内周壁31aから内側にはみ出すことによってシャフト15の外周面と接しながら転動動作を行う複数のボール32と、を備えるものである。この案内機構30としてのボールブッシュは、ハウジング本体部22の両端側に1つずつ設置されているので、シャフト15の安定した往復運動を案内できるようになっている。
【0029】
次に、再度図2を参照するとともに図6乃至図11を用いることによって、ブレーキ機構40を説明する。本実施形態に係るブレーキ機構40は、2つのコイルバネ41a,41bと、これら2つのコイルバネ41a,41bの一端側(外側の端部)をハウジング本体部22に固定設置するための2つのコイルバネ固定外筒42a,42bと、2つのコイルバネ41a,41bの他端側(中央側の端部)に係合してコイルバネ41a,41bに対して外力を加えるセンタフランジ43とを有している。
【0030】
2つのコイルバネ41a,41bは、図6及び図7において示される形状を有するものであり、それぞれがシャフト15の断面形状、すなわちシャフト15の円形状と相似形となるように巻かれたものである。そして、一方のコイルバネ41aは右巻きに巻かれた右巻きコイルバネ41aであり、もう一方のコイルバネ41bは左巻きに巻かれた左巻きコイルバネ41bとして構成されている。すなわち、これら2つのコイルバネ41a,41bは、シャフト15に嵌め込み設置したときに、互いが鏡像関係となるように形成されている。さらに、2つのコイルバネ41a,41bは、その両端部が外周側に飛び出すように形成された取付部41a1,41b1を有しており、この取付部41a1,41b1がコイルバネ固定外筒42a,42bやセンタフランジ43に係止されることによって、コイルバネ41a,41bの取付固定や、コイルバネ41a,41bへの作用力の付与が可能となっている。
【0031】
2つのコイルバネ固定外筒42a,42bは、図8及び図9に示す形状を有するものであり、一方が右巻きコイルバネ41aの一端側(図2における紙面左側)の取付部41a1をハウジング部材側に固定するために、右巻きコイルバネ41aの一端側と係合するとともにハウジング本体部22に固定設置される右巻きコイルバネ固定外筒42aとして構成されるものである。もう一方は、左巻きコイルバネ41bの一端側(図2における紙面右側)の取付部41b1をハウジング部材側に固定するために、左巻きコイルバネ41bの一端側と係合するとともにハウジング本体部22に固定設置される左巻きコイルバネ固定外筒42bとして構成されるものである。2つのコイルバネ固定外筒42a,42bと、それぞれに対応するコイルバネ41a,41bとの係止は、コイルバネ固定外筒42a,42bに対して形成された切欠部42a1,42b1にコイルバネ41a,41bの取付部41a1,41b1を嵌め込むことによって実現されている。また、コイルバネ固定外筒42a,42bとハウジング本体部22との固定は、コイルバネ固定外筒42a,42bに対して形成されたボルト孔42a2,42b2と、ハウジング本体部22に対して形成された取付穴22eとを用い、不図示のボルトを螺入することによって実現されている。
【0032】
センタフランジ43は、図10及び図11に示す形状を有するものであり、その両側には2つのコイルバネ41a,41bの取付部41a1,41b1を嵌め込んで係止するための切欠部43a,43bが形成されている。したがって、2つのコイルバネ41a,41bは、2つのコイルバネ固定外筒42a,42bとセンタフランジ43とによって挟み込まれた状態で設置されることになり、2つのコイルバネ41a,41bそれぞれの外側の取付部41a1,41b1がコイルバネ固定外筒42a,42bによって固定され、2つのコイルバネ41a,41bそれぞれの中央側の取付部41a1,41b1がセンタフランジ43によって係止状態となっている。そして、センタフランジ43の中央には操作把手44が設置されており、この操作把手44を操作してセンタフランジ43をシャフト15の軸心を回転中心として回動させることによって、2つのコイルバネ41a,41bに対してコイルバネの弾性力に抗した外力を加えることが可能となっている。
【0033】
なお、ブレーキ機構40を構成する部材の取付関係について説明すると、2つのコイルバネ固定外筒42a,42bはハウジング本体部22に確実に固定されており、2つのコイルバネ41a,41bは2つのコイルバネ固定外筒42a,42bとセンタフランジ43とにそれぞれ設けられた切欠部42a1,42b1,43a,43bに対して嵌め込まれており、センタフランジ43は2つのコイルバネ固定外筒42a,42bに対して2つのコイルバネ41a,41bを介して取り付けられている。さらに、センタフランジ43と2つのコイルバネ固定外筒42a,42bとは僅かな隙間を有して配置されており、それらの内部に2つのコイルバネ41a,41bが抱持されるように構成されている。したがって、ブレーキ機構40全体としては、ハウジング本体部22のブレーキ機構収納部22bに対して安定且つ確実な設置状態を維持することができるようになっており、また、操作把手44を操作してセンタフランジ43を回動させたときには、確実に2つのコイルバネ41a,41bに対してそれらの弾性力に抗した外力を付与することができるようになっている。
【0034】
さらに、本実施形態に係る2つのコイルバネ41a,41bの特徴として、これら2つの右巻きコイルバネ41a及び左巻きコイルバネ41bが、シャフト15の径よりも小さい径を有するように形成されていることが挙げられる。かかる特徴の作用とブレーキ機構40の動作について、図12及び図13を用いて説明すると、ブレーキ機構40は、操作把手44に力を加えていない通常の状態にあっては、シャフト15に嵌め込まれた右巻きコイルバネ41a及び左巻きコイルバネ41bの弾性力がシャフト15に対して径の差分だけ及ぶこととなるので、その弾性力はシャフト15を締め付ける方向に作用することになる。したがって、シャフト15は2つのコイルバネ41a,41bによって拘束され、その結果、シャフト15の往復運動は規制を受けることとなる(図12の状態)。
【0035】
一方、操作把手44を操作するとセンタフランジ43は回動し、このとき右巻きコイルバネ41a及び左巻きコイルバネ41bは、それぞれの径が拡大する方向に力を受けるように構成されている。したがって、操作把手44の操作によって2つのコイルバネ41a,41bの径が拡大すると、2つのコイルバネ41a,41bによるシャフト15の拘束は解かれてシャフト15は解放されるので、シャフト15の往復運動が許可されることとなる(図13の状態)。
【0036】
以上、ブレーキ機構40の有意な特徴を説明したが、本実施形態に係るブレーキ機構40には、シャフト15の拘束力を高めるためのさらなる工夫が施されている。かかる工夫点について、図6、図7及び図14を用いて説明を行う。ここで、図14は、本実施形態に係るコイルバネによるシャフトの拘束機構を説明するための図である。
【0037】
これまで説明してきたように、本実施形態に係るコイルバネ41a,41bは、シャフト15の径よりも小さい径を有するように形成されているので、通常の状態においてはシャフト15に対して締め付け力を及ぼしている。したがって、シャフト15とコイルバネ41a,41bとの間の往復運動方向での保持力を考えると、かかる保持力は、コイルバネ41a,41b自体の弾性力と、シャフト15とコイルバネ41a,41bとの間の摩擦力によって得られるものである。しかしながら、本実施形態では、案内機構30であるボールブッシュによってシャフト15を案内するようにしたので、シャフト15の表面は焼き入れ加工と表面粗度の向上が図られており、単純にコイルバネ41a,41bの弾性力と摩擦力を与えるのみでは、適切なシャフト15の拘束は難しい。
【0038】
そこで、本実施形態に係るコイルバネ41a,41bでは、図6及び図7に示すようにコイルバネ41a,41bを断面が矩形状をした角バネとして構成するとともに、図14に示すように全ての巻目がシャフト15の軸方向に垂直な面に対して角度を持つように形成することとした。コイルバネ41a,41bを図6、図7及び図14で示すように構成することによって、コイルバネ41a,41bやシャフト15に外力が加わっていない場合には、図14中の(a)で示すように、コイルバネ41a(41b)とシャフト15との接触面積が最大限に確保できることから最大の摩擦力を確保することができ、非常に好適にシャフト15の拘束が可能となっている。
【0039】
また、図14中の(b)で示すように、コイルバネ41a(41b)にその径を拡げるための外力が加わっておらず、シャフト15に対して往復運動する方向(符号αで示す方向)に外力が加わった場合には、ハウジング本体部22の側に固定されている方のコイル端部、すなわち取付部41a1(41b1)に対してコイルバネ固定外筒42a(42b)を介して軸方向の力が加わることになる。したがって、コイルバネ41a(41b)は取付部41a1(41b1)側の1巻目(乃至2巻目)が外力に応じて傾動し、角バネのエッジをシャフト15に対して押圧することになる。このような動作によって、コイルバネ41a(41b)は、傾動した部分によるエッジの押圧力と、傾動しなかった部分による摩擦力の作用によって、シャフト15の規制を非常に強化することが可能となっているのである。このような規制力の強化は、従来技術では不可能であったものであり、本実施形態に係るコイルバネ41a,41bの採用によって初めて、案内機構30,30とブレーキ機構40とを一つに融合させたシャフトブレーキユニット10を実現することが可能となっている。
【0040】
なお、コイルバネ41a,41bの形状については、上述したように全ての巻目がシャフト15の軸方向に垂直な面に対して角度を持つように形成しても良いが、多様な変形形態を採ることが可能であり、例えば、外力に応じて傾動するのが取付部41a1,41b1側の1巻目乃至2巻目であることを考慮して、この外力の影響を受ける1巻目乃至2巻目のみに角度を付け、その他の巻目については角度を付けずに構成することも可能である。また、さらなるシャフト15の拘束力の強化を図るために、エッジの押圧力を発揮することのできる取付部41a1,41b1側の1巻目乃至2巻目の箇所のみのコイルバネを用意し、このようなエッジの効果を発揮することのできる2巻程度のコイルバネを複数設置するようにしても良い。
【0041】
さらに、コイルバネ41a,41bの形状については、図15に示すように、操作把手44を操作することによってコイルバネ41a(41b)の径を拡げようとする力を受けるコイル周面の幅βよりも、コイル周面に続くコイル側面の幅γの方が大きくなるように構成することも好適である。すなわち、コイルバネ41a(41b)は、その径を拡げてシャフト15の拘束を解除する度にセンタフランジ43から力を受けることになるので、その力が及ぶ方向のコイル幅、すなわちコイル側面の幅γの寸法を大きくすることが好ましいのである。かかる形態の採用によって、コイルバネ41a,41bの寿命は向上し、長期間に亘って安定した動作を提供することが可能となる。また、コイルバネ41a,41bの断面積の向上によって上述したエッジによる押圧力の増加も期待でき、コイルバネ41a,41bの寸法増加による設計変更も殆ど必要ないので、図15に示すコイル側面の幅γの寸法を大きくすることは、非常に好適な改良形態である。
【0042】
一方、コイルバネ41a,41bから押圧力や摩擦保持力を受けるシャフト15についても、改良形態を適用することが可能である。例えば、上述したシャフト15は、案内機構30としてのボールブッシュとの関係を考慮して、その表面が極めて高い硬度と小さい表面粗さを有するように構成されていた。しかしながら、シャフト15については、少なくとも複数のボール32と接する箇所のみが上記性質を備えていれば良いのであり、その他の箇所については相手部材に対して摩擦力が大きくなるように表面加工を施すことが好適である。特に、シャフト15はコイルバネ41a,41bの押圧力と摩擦保持力とによって確実に拘束されているので、コイルバネ41a,41bとの接触面のみに、摩擦力を大きくするような表面加工や表面仕上げを行うことによって、より高度なブレーキ機能を発揮することが可能となる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0044】
例えば、上述した本実施形態に係るシャフトブレーキユニット10では、通常状態においてはシャフト15にブレーキ力が加わってシャフト15の往復運動が規制され、ブレーキ力が解除されたときにのみシャフト15の往復運動が許可されるように構成されていた。しかしながら、かかる構成は変更することが可能であり、右巻きコイルバネ及び左巻きコイルバネがシャフトの径よりも大きい径を有するように形成しておき、また、センタフランジがシャフトの軸心を回転中心として回動することによって右巻きコイルバネ及び左巻きコイルバネそれぞれの径を縮小可能なように構成しておくことによって、通常状態ではシャフトが往復運動自在であり、操作把手を操作することによって右巻きコイルバネ及び左巻きコイルバネの径を縮小してシャフトに押圧力を作用させたときには、シャフトを拘束してシャフトの往復運動を規制するようにすることが可能である。このような装置構成については、用途に応じて選択することが可能である。
【0045】
また、上述した実施形態では、ハウジング部材20側を固定設置し、シャフト15の側が往復運動自在となるように構成された場合のシャフトブレーキユニット10について説明したが、これとは逆にシャフト15側を固定し、ハウジング部材20の側が往復運動自在となるように構成することも可能である。
【0046】
さらに、上述した実施形態では、案内機構にボールブッシュを用いた場合を例示して説明したが、シャフトをスプライン軸として形成し、案内機構をボールスプライン外筒として構成することによって、案内機構にスプライン装置を採用することも可能である。かかる構成によれば、案内精度の向上を図ることが可能となる。
【0047】
またさらに、コイルバネの形状については、上述した実施形態と同様の作用効果を発揮できることを条件に種々変更が可能であり、例えば、本発明に係るコイルバネの角度については、シャフトとの寸法関係や使用条件、設置環境などに応じて任意に変更が可能である。また、上記本実施形態で採用した角バネや角度を設けるといった構成についても、シャフトに対する押圧力を付与できる構成であれば、バネの断面形状や付与する角度の値といった構成の付与や付与の程度については、任意に選択することができる。
【0048】
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態に係るシャフトブレーキユニットを示す外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係るシャフトブレーキユニットの概略構成を説明するために一部分を透視状態で示した部分縦断面斜視透視図である。
【図3】ハウジング本体部を説明するための図であり、図3中(a)はハウジング本体部の正面視を、図3中(b)はハウジング本体部の下面視を、図3中(c)はハウジング本体部の左側面視を示している。
【図4】図3で示したハウジング本体部の外観斜視図である。
【図5】本実施形態に係る案内機構としてのボールブッシュの構成を例示する図であり、図5中(a)は側面視であり、図5中(b)は正面視である。
【図6】本実施形態に係るブレーキ機構の構成部材であるコイルバネを説明するための図であり、図6中(a)は正面視であり、図6中(b)は側面視である。
【図7】図6で示したコイルバネの外観斜視図である。
【図8】本実施形態に係るブレーキ機構の構成部材であるコイルバネ固定外筒を説明するための図であり、図8中(a)は正面視であり、図8中(b)は下面視であり、図8中(c)は側面視である。
【図9】図8で示したコイルバネ固定外筒の外観斜視図である。
【図10】本実施形態に係るブレーキ機構の構成部材であるセンタフランジを説明するための図であり、図10中(a)は正面視であり、図10中(b)は側面視である。
【図11】図10で示したセンタフランジの外観斜視図である。
【図12】本実施形態に係るシャフトブレーキユニットの動作を説明するための部分斜視透視図であり、シャフトが拘束を受けた通常状態を示している。
【図13】本実施形態に係るシャフトブレーキユニットの動作を説明するための部分斜視透視図であり、操作把手を操作してシャフトが解放された状態を示している。
【図14】本実施形態に係るコイルバネによるシャフトの拘束機構を説明するための図である。
【図15】本実施形態に係るコイルバネが取り得る多様な改良形態の一例を示す図であり、図15中(a)は正面視であり、図15中(b)は側面視である。
【図16】図15で示したコイルバネの外観斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
10 シャフトブレーキユニット、15 シャフト、20 ハウジング部材、21 貫通孔、22 ハウジング本体部、22a 案内機構収納部、22b ブレーキ機構収納部、22c ボルト孔、22d 開口部、22e 取付穴、30 案内機構、31 円筒体、31a 内周壁、31b 開口、32 ボール、40 ブレーキ機構、41a (右巻き)コイルバネ、41b (左巻き)コイルバネ、41a1,41b1 取付部、42a (右巻き)コイルバネ固定外筒、42b (左巻き)コイルバネ固定外筒、42a1,42b1 切欠部、42a2,42b2 ボルト孔、43 センタフランジ、43a,43b 切欠部、44 操作把手、β コイル周面の幅、γ コイル側面の幅。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を備えるハウジング部材と、
前記貫通孔を導通して軸方向での往復運動が自在となるように設置されるシャフトと、
を備え、
前記ハウジング部材が、
外郭を構成するハウジング本体部と、
前記ハウジング本体部に設置される一対の案内機構と、
前記一対の案内機構に挟まれるように前記ハウジング本体部に設置されるブレーキ機構と、
を備えることにより、
前記一対の案内機構が前記シャフトの前記ハウジング部材に対する相対的な往復運動を案内するとともに、前記ブレーキ機構が前記シャフトの拘束・解放を行うように構成されていることを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
前記案内機構は、
前記シャフトを導通可能な円筒体と、
前記円筒体の内周壁に形成される開口に沿って整列状態で循環し、前記開口に位置するときに僅かに前記内周壁から内側にはみ出すことによって前記シャフトの外周面と接しながら転動動作を行う複数の転動体と、
を少なくとも備えることを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
前記ブレーキ機構は、
前記シャフトの断面形状と相似形となるように巻かれたコイルバネを有し、
前記コイルバネは前記シャフトの径よりも小さい径を有するように形成され、
前記コイルバネの一端側が前記ハウジング部材側に係止されるとともに、他端側が前記コイルバネの径を拡げる方向に操作可能な操作把手側に係止されることにより、
常には前記コイルバネの弾性力が前記シャフトに作用することによって前記シャフトを拘束してシャフトの往復運動を規制し、
前記操作把手を操作することによって前記コイルバネの径を拡げたときには前記シャフトを解放してシャフトの往復運動を許可することを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
前記コイルバネは、前記ハウジング部材側に固定される固定端側の少なくとも1巻目が前記シャフトの軸方向に垂直な面に対して角度を持つように形成されており、
前記コイルバネが前記シャフトを拘束して往復運動を規制しているときにシャフトに対して外力が加わると、前記コイルバネの前記ハウジング部材側に固定される固定端側の少なくとも1巻目が前記外力に応じて傾動し、前記コイルバネをシャフトに対して押圧することによってシャフトの規制を強化することを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
前記コイルバネは、全ての巻目が前記シャフトの軸方向に垂直な面に対して角度を持つように形成されていることを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項6】
請求項4に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
前記コイルバネが複数設置されていることを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1項に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
前記コイルバネは、断面が矩形状をした角バネとして構成されていることを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項8】
請求項7に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
角バネとして構成される前記コイルバネは、前記操作把手を操作することによって前記コイルバネの径を拡げようとする力を受けるコイル周面の幅よりも、前記コイル周面に続くコイル側面の幅の方が大きくなるように構成されていることを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
前記ブレーキ機構は、
前記シャフトの断面形状と相似形となるように右巻きに巻かれた右巻きコイルバネと、
前記シャフトの断面形状と相似形となるように左巻きに巻かれた左巻きコイルバネと、
前記右巻きコイルバネの一端側を前記ハウジング部材側に固定するために、前記右巻きコイルバネの一端側と係合するとともに前記ハウジング本体部に固定設置される右巻きコイルバネ固定外筒と、
前記左巻きコイルバネの一端側を前記ハウジング部材側に固定するために、前記左巻きコイルバネの一端側と係合するとともに前記ハウジング本体部に固定設置される左巻きコイルバネ固定外筒と、
前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネのそれぞれの他端側に係合し、前記シャフトの軸心を回転中心として回動することによって前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネそれぞれの径を拡大可能なセンタフランジと、
前記センタフランジに設置される操作把手と、
を有し、
前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネが前記シャフトの径よりも小さい径を有するように形成されることによって、
常には前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネの弾性力が前記シャフトに作用することによって前記シャフトを拘束してシャフトの往復運動を規制し、
前記操作把手を操作することによって前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネの径を拡げたときには前記シャフトを解放してシャフトの往復運動を許可することを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
前記ブレーキ機構は、
前記シャフトの断面形状と相似形となるように右巻きに巻かれた右巻きコイルバネと、
前記シャフトの断面形状と相似形となるように左巻きに巻かれた左巻きコイルバネと、
前記右巻きコイルバネの一端側を前記ハウジング部材側に固定するために、前記右巻きコイルバネの一端側と係合するとともに前記ハウジング本体部に固定設置される右巻きコイルバネ固定外筒と、
前記左巻きコイルバネの一端側を前記ハウジング部材側に固定するために、前記左巻きコイルバネの一端側と係合するとともに前記ハウジング本体部に固定設置される左巻きコイルバネ固定外筒と、
前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネのそれぞれの他端側と係合し、前記シャフトの軸心を回転中心として回動することによって前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネそれぞれの径を縮小可能なセンタフランジと、
前記センタフランジに設置される操作把手と、
を有し、
前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネが前記シャフトの径よりも大きい径を有するように形成されることによって、
常には前記シャフトが往復運動自在であり、
前記操作把手を操作することによって前記右巻きコイルバネ及び前記左巻きコイルバネの径を縮小して前記シャフトに押圧力を作用させたときには、前記シャフトを拘束してシャフトの往復運動を規制することを特徴とするシャフトブレーキユニット。
【請求項11】
請求項3〜10のいずれか1項に記載のシャフトブレーキユニットにおいて、
前記シャフトは、少なくとも前記複数の転動体と接する箇所以外の部分が、相手部材に対して摩擦力が大きくなるように表面加工を受けていることを特徴とするシャフトブレーキユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2009−41672(P2009−41672A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207620(P2007−207620)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(390029805)THK株式会社 (420)
【Fターム(参考)】