説明

シュラウドを有したニードルガード機構

【課題】患者からの抜き出し後にニードルの尖鋭先端から使用者および他の人を保護するためのニードルガードを提供すること。
【解決手段】安全カテーテルデバイスであって、カテーテルハブ(220)およびカテーテルチューブ(226)と;ニードルハブ(208)およびニードル(52)と;ニードル先端が保護されていないニードル第1状態とニードル先端が保護されているニードル第2状態との間にわたってニードルを移行させ得るものとされたニードルガードと;ニードルハブに関連して設けられた分離型のシュラウド(320)と;少なくともカテーテルチューブおよびニードル先端を囲んでいるとともに、分離型のシュラウドの少なくとも一部に対して位置合わせされるシース(370)と;を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用ニードル(例えば、皮下注射針や、カテーテル挿入ニードルや、カテーテル挿入カニューレや、他の尖鋭先端を有した中空のカニューレや、あるいは、他の尖鋭先端を有した中実のカニューレ)に関するものであり、より詳細には、患者からの抜き出し後にニードルの尖鋭先端から使用者および他の人を保護するためのニードルガードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
偶発的なニードル刺しを低減させるあるいは無くすことの必要性により、尖鋭なニードル先端を保護するための、すなわち、囲むための、あるいは、他の手法で遮蔽するための、様々なタイプのニードルガードが、開発され提案されている。いくつかのニードルガードは、例えば本出願人であるMedex社によって市販されている PROTECTIV Safety IV カテーテルのように、ニードルシャフトおよびニードル先端の実質的に全体を包囲するためのハウジングを備えている。他のニードルガードは、例えば特許文献1に開示されているように、使用後に先端を包囲し得るようニードルシャフトに沿って移動するクリップを備えている。さらに他のニードルガードは、先端がハウジングの内部に位置した状態にニードルの先端部を固定し得るよう、機能部材を封入した状態でニードルシャフトに沿って移動するハウジングを提供する。特に有利な形態のニードルガードは、特許文献2に開示されているように、機能部材として、傾斜プレート(カンテッドプレート)を備えている。
【0003】
特許文献2の傾斜プレートデバイスにおいては、ハウジングは、ニードルが貫通するものとして、提供される。ハウジングの内部において、傾斜プレートは、開口付きの壁によって形成される。開口は、第1状態においては、この開口を通してニードルシャフトをスライド的に受領するとともに、第1状態に対して傾斜した第2状態においては、ニードルシャフトを把持するあるいは噛み込む。第2壁が、中間壁を介して第1壁に対して連結されている。これにより、全体的に剛直な単一ピースのクリップを形成している。第2壁は、第1状態においてクリップを保持し得るよう、ニードルシャフトに沿って乗るための部分を備えている。ニードルの先端がハウジング内へと引き込まれて、第2壁部分を通過した際には、クリップは、第2状態へと傾斜することができる。これにより、傾斜プレートが、ニードルシャフトを把持し、これにより、ニードルをそれ以上引っ張ることができなくなる。また、第2壁は、ニードル先端をブロックする。これにより、ニードルを、ハウジングの外部へと押し戻すことができなくなる。第1壁に抗して、付勢スプリングが設けられている。これにより、クリップを第2状態に向けて付勢することができる。クリップの第2壁と中間壁とは、第1状態においては、ニードルシャフトの一側部に対して位置しており、ニードルシャフトの他方の側部は、スプリングが位置している。特許文献2におけるクリップの構成は、多くの利点を有するものではあるけれども、さらなる改良と補強とが要望されている。
【0004】
特許文献2のクリップの改良に関する1つの試みが、特許文献3に開示されている。特許文献3のクリップは、ガイドワイヤと一緒にクリップを使用することを可能とすることを意図した特徴点を備えている。特許文献3のデバイスの市販の一形態と考えられるものは、Arrow Radial Artery Catheterization デバイスである。市販の形態は、構成に欠点を有したものと考えられる。さらに、ニードルシャフトに対して、かなりの引っ張り力が印加される。このため、使用が困難となり、好ましくない。
【0005】
さらに、いくつかのニードルガードは、カテーテルアセンブリと一緒に使用することを意図したものとされている。そのようなニードルガードにおいては、有利には、ニードルガードの一部が、カテーテルハブを保持するとともに、ニードルが、カテーテルチューブから突出する。しかしながら、その後、ニードルの引き抜き時には、先端が保護された状態へと、ニードルガードを除去する待ち受け状態となることができる。1つの提案は、ニードルガードにノーズ部分を設けることであり、ニードルガードハウジングから延出させた一対の協働部材を設けることである。協働部材は、カテーテルハブ内に適合し得るサイズとされ、通常は、協働部材どうしの間に通路を形成する。この通路のサイズは、この通路を通してニードルシャフトをスライド的に受領し得るようなサイズとされる。
【0006】
協働部材の一方または双方は、先端部のところに、戻り止めを備えている。戻り止めは、カテーテルハブの内部壁に形成されたそれぞれ対応する径方向外向き凹所内に受領可能なものとされる。戻り止めは、協働部材に対して、ダックビルのような外観性をもたらす。理解されるうに、カテーテルハブ内表面の少なくとも先端部は、メス型ルアー規格に応じたテーパー形状とされる。凹所は、ルアーテーパー表面の先端側に位置し、カテーテルハブ内においては、戻り止めが凹所内に通常的に適合する。ニードルシャフトが通路から取り外される際には、ダックビル部材の一方または双方は、容易に撓むことができ、これにより、ハウジングに対するわずかな引っ張り力によって、ダックビルは、凹所に対して曲がることができる。これにより、ニードルガードは、カテーテルハブから離れ始める。しかしながら、ニードルシャフトが存在するときには、協働部材の撓みが制限され、これにより、保持力が非常に大きなものとなる。戻り止めは、径方向外向きの凹所内に適合するサイズとされたダックビルの外径を規定する。しかしながら、ルアーテーパー表面の内径は、先端側の大部分にわたって、ダックビルの外径よりも、小さなものである。その結果、継続した取り外し時には、ダックビル部材は、曲げられたままであり、カテーテルハブの内表面にわたって引きずられるかあるいは擦る。これにより、医療従事者にとって望ましいものと比較して、より大きな引き抜き力が感じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,652,486号明細書
【特許文献2】米国特許第5,322,517号明細書
【特許文献3】米国特許第6,280,419号明細書
【特許文献4】米国特許第6,221,047号明細書
【特許文献5】米国特許第6,689,102号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
Arrow Radial Artery Catheterization デバイスは、ダックビル構成の一例である。しかしながら、そのニードルガードハウジングは、カテーテルハブに対して回転することができない。ダックビルの戻り止めは、カテーテルハブの凹所に対して、限られた周縁長さしか有していない。そのため、ダックビルが回転することができない。多くの場合、カテーテルハブに対してニードルガードハウジングを回転させ得ることが望ましい。例えば、構成部材が回転可能であれば、患者内へとカテーテルチューブをねじ込むことができて、効果的なことがある。1つの提案された解決手法は、特許文献4に開示されているように、ダックビルの戻り止めを内部で回転可能とし得るよう、カテーテルハブ内に、連続した径方向外向きの環状溝を設けることである。しかしながら、上述した擦るという問題点に加えて、カテーテルハブ内の完全に周縁的な環状溝または凹所は、製造上の問題点と、製品性能上の問題点と、を呈するものと考えられる。特許文献4の発明者らは、後者の問題点を見かけ的に認識し、その後、特許文献5に開示されているように、カテーテルハブ内における戻り止めの回転を阻止し得るよう、限られた長さの凹所を有した構成を提案した。よって、ダックビルに関して実行可能な回転可能構成がなおも要望されているとともに、引き抜き時に、カテーテルハブの内表面を戻り止めが擦ることによって引き起こされる問題点を低減または除去することが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの原理によれば、従来技術による傾斜プレート構成と比較して、要望された改良と補強とを有した傾斜プレート型のニードルガードが提供される。この目的のために、1つの見地においては、ニードルガードは、スプリング部材を備えており、スプリング部材は、リーフスプリングとすることができ、スプリング部材は、中間壁のエッジを超えて第1壁から延出され、中間壁は、1つまたは2つのストラットから形成することができ、スプリング部材は、当接面に対して動作可能に係合し、スプリング部材の延出部分と中間壁とは、有利には、ニードルに関して同じ側に配置されている。当接面は、クリップとスプリング部材とを収容したハウジング内にあるいはそのようなハウジングによって、形成することができる。スプリング部材と、クリップおよび/またはハウジングに対してのスプリング部材の協働関係は、クリップの第2壁とニードルシャフトとの間の過度の引きずり力をもたらすことなく、嵩低いクリップにおいて適切な付勢力を提供するものと、考えられる。
【0010】
第2の見地においては、1つまたは複数のストラットは、すなわち中間壁は、有利には、第1壁に対して90°未満という形成角度でもってクリップの第1壁から延出され、より有利には、形成角度は、83°〜87°という範囲とされる。このような傾斜により、ニードルシャフトを把持するに際してのクリップの回転度合いを増大させることができ、これにより、より信頼性高くニードル先端をブロックまたは遮蔽することができる。第3の見地においては、ニードルシャフトに当接するためのスタイラスが、第2壁に設けられる。これにより、円滑な表面が提供されてニードルに対する引きずり力を低減し得るとともに、触覚的感覚と聴覚的感覚とニードルガードの動作とを改良することができる。第4の見地においては、第2壁は、全体的にL字形状とすることができ、これにより、自由端のところに、第1壁に向けて突出するリップを形成することができる。リップは、クリップの第1状態においてはニードルシャフトの一側方に配置され、クリップの第2状態においてはニードル先端の閉じ込めまたは遮蔽を補助する。スタイラスは、L字形状壁のコイニング加工箇所とすることができる。
【0011】
第5の見地においては、ヒールが、第1壁から延出され、第1壁とヒールとが、中間壁またはストラットに関して互いに反対側に配置されている。棚が設けられており、クリップの第1状態においては、ヒールが、棚に対して当接しており、クリップが第1状態から第2状態へと移行する際には、ヒールが、棚まわりに回転するようになっている。これにより、性能を増強することができる。
【0012】
第1壁による把持力に応答してニードルシャフトが撓んでしまう可能性が考えられる。シャフトは、第1壁の開口に対して位置合わせしようとし、これにより、把持力が低減してしまう。この目的のために、第6の見地においては、ニードル支持体は、ニードルシャフトが規定する円筒形状に対する横断方向に固定的に配置されている。これにより、ニードル先端がニードルガード内へと引き込まれる際に、ニードルシャフトの撓みを制限することができる。よって、クリップの第2状態においては、ニードルシャフトが撓む傾向は、ニードル支持体によって最小化される。
【0013】
個別的に使用し得るようなあるいは所望に組み合わせて使用し得るような本発明の上記の様々な見地に加えて、本発明は、傾斜プレート型クリップと一緒に使用し得るだけではなく他のニードルガード構成に関しても同様に使用し得るように、ニードルガードに対する改良を提供する。例示するならば、複数のニードル付きのニードルアセンブリまたはカテーテルアセンブリは、通常、少なくともニードル先端を包囲するための保護シースを備えている。保護シースは、使用前には、ニードルガードの少なくとも一部に対して位置合わせされる。ニードルが取り付けられたニードルハブを把持しつつ、シースを取り外そうとして、ニードルガード上に位置合わせされたシース部分を引っ張ってしまうと、カテーテルハブからニードルガードを不用意に取り外してしまいかねない。これにより、デバイスを使用できなくなってしまう。1つの提案された解決手段は、ニードルハブ上に、シュラウドを設けることである。シュラウドは、ニードルガードとニードルハブとが互いに隣接しているときには、ニードルガードを実質的に包囲する。これにより、ニードルガード上に位置したシース部分を把持したにしても、把持力は、シュラウドに対して伝達されることとなり、ニードルガードに対して伝達されることがない。これにより、カテーテルハブからニードルガードを不用意に取り外してしまうというリスクを低減させることができる。しかしながら、そのようなシュラウドは、使用時にカテーテルからニードルを迅速に取り外すことに関しての障害となる。この目的のために、本発明の他の原理によれば、ニードルガードの対向部分上に位置合わせされた分離型のシュラウドが提供される。例えばフィンガータブといったような他の部分は、分離型シュラウドを通して露出されたままとされる。これにより、使用時のカテーテルからのニードルの迅速な除去を可能とすることができる。
【0014】
本発明のさらに他の原理によれば、ニードルによる穿刺を開始する際の安定性を増大させ得るようニードルガードの延出前にはニードルハブとニードルガードとを相対回転不可能に保持することが望ましい。この目的のために、ニードルハブとニードルガードとの各対向面には、協働構造が設けられる。協働構造は、例えば、非円形の周縁形状を有したラグ、および、非円形の周縁形状を有した凹所、とされる。ニードルハブがニードルガードに対して隣接配置されたときには、協働構造が係合する。これにより、ニードルハブとニードルガードとが相対回転不可能に保持される。しかしながら、協働構造をなす各部材どうしを引き離した際には、それら部材どうしの係合が解除され、これにより、相対回転が可能とされる。
【0015】
本発明のなおもさらなる原理によれば、特に、カテーテルアセンブリに対する使用においては、改良されたニードルガードダックビルカテーテルハブ解放機構が提供される。この場合、引き離し時の擦れという欠点がなく、ニードルガードとカテーテルハブとが相対回転される。この目的のために、カテーテルハブには、径方向外向きに延在する凹所や溝ではなく、径方向内向きに延在する環状リブが設けられる。このリブに対しては、協働部材の戻り止めが、選択的に係合することができる。このリブは、カテーテルハブの内面のルアーテーパー部分よりも先端側に配置される。ダックビルの戻り止めは、取り外し時にカテーテルハブの内面を無用に擦らないようなサイズのものとすることができ、なおかつ、取り外し前にはリブを保持し得るようなサイズのものとすることができる。リブは、連続的なものとも、あるいは、隙間を有したものとも、することができる。リブは、従来技術によるダックビル解放機構における凹所や溝と比較して、製造面で利点をもたらすとともに、デバイスの性能面で利点をもたらす。
【0016】
上記により、個別的にまた様々な組合せにより、従来技術による傾斜プレート構成と比較して改良と補強とを行った傾斜プレート型ニードルガードが、提供される。また、上記により、個別的にまた様々な組合せにより、傾斜プレート型クリップと一緒に使用し得るのみならず、他のニードルガードの構成とも一緒に使用し得るような、ニードルガードに対する改良が提供される。本発明の上記の目的や他の目的や様々な利点は、添付図面により、また、以下の説明により、明瞭となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】傾斜プレートクリップによって形成されたニードルガードの一実施形態を示す斜視図であって、本発明の原理に基づき、リーフスプリング部材を備えている。
【図2A】ハウジングと図1のクリップとを備えてなるニードルガードの第2実施形態を示す断面図であって、本発明の特定の原理を説明する目的で、ニードルの尖鋭先端が露出された第1状態を示している。
【図2A−1】本発明の特定の原理を説明する目的のためのものであって、図2Aの細部を示している。
【図2B】ハウジングと図1のクリップとを備えてなるニードルガードの第2実施形態を示す断面図であって、本発明の特定の原理を説明する目的で、ニードルの尖鋭先端が保護された第2状態を示している。
【図2B−1】本発明の特定の原理を説明する目的のためのものであって、図2Bの細部を示している。
【図3A】本発明の様々な見地を備えたカテーテルアセンブリを示す側面図であって、カテーテルアセンブリのニードルのためのニードルガードの第3実施形態を備えている。
【図3B】本発明の様々な見地を備えたカテーテルアセンブリを示す側面図であって、カテーテルアセンブリのニードルのためのニードルガードの第3実施形態を備えている。
【図3C】本発明の様々な見地を備えたカテーテルアセンブリを示す側面図であって、カテーテルアセンブリのニードルのためのニードルガードの第3実施形態を備えている。
【図4A】本発明の特定の追加的な原理および見地を説明するためのものであって、図3A〜図3Cのニードルガードハウジングのノーズ部分を示す斜視図である。
【図4B】図4Aのノーズ部分の基端部を示す背面図である。
【図5】本発明におけるダックビルカテーテルハブ解放機構を説明するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるカテーテルハブを示す断面図である。
【図6A】本発明の特定の原理に基づくニードルガードの第2実施形態におけるダックビルカテーテルハブ解放機構の動作を説明するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるカテーテルアセンブリを示す断面図である。
【図6B】本発明の特定の原理に基づくニードルガードの第2実施形態におけるダックビルカテーテルハブ解放機構の動作を説明するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるカテーテルアセンブリを示す断面図である。
【図6C】本発明の特定の原理に基づくニードルガードの第2実施形態におけるダックビルカテーテルハブ解放機構の動作を説明するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるカテーテルアセンブリを示す断面図である。
【図6D】本発明の特定の原理に基づくニードルガードの第2実施形態におけるダックビルカテーテルハブ解放機構の動作を説明するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるカテーテルアセンブリを示す断面図である。
【図7A】本発明における回転防止という特徴点を例示するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるニードルガードの対向面を示す端面図である。
【図7B】本発明における回転防止という特徴点を例示するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるニードルハブの対向面を示す端面図である。
【図7C】図7における7C−7C線に沿った矢視断面図であって、本発明における回転防止という特徴点を説明する目的で、図7Aおよび図7Bにおけるニードルハブおよびニードルガードハウジングを示している。
【図8】図3Cにおけるニードルハブおよびニードルカニューレを示す斜視図であって、ニードルハブの先端部に設けられたシュラウドを示している。
【図9】本発明の特定の原理に基づくシュラウドの動作を説明する目的で、保護シースが付設された図3Aのカテーテルアセンブリを部分的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書の一部をなす添付図面は、本発明の様々な実施形態を図示している。これら添付図面と、上述したような本発明に関する一般的説明と、本発明の様々な実施形態に関する以下の詳細な説明とは、本発明の原理を説明するように、機能する。
【0019】
図1は、傾斜プレートクリップによって形成されたニードルガードの一実施形態を示す斜視図であって、本発明の原理に基づき、リーフスプリング部材を備えている。
【0020】
図2Aおよび図2Bは、ハウジングと図1のクリップとを備えてなるニードルガードの第2実施形態を示す断面図であって、本発明の特定の原理を説明する目的で、ニードルの尖鋭先端が露出された第1状態と、ニードルの尖鋭先端が保護された第2状態と、のそれぞれを示している。
【0021】
図2A’および図2B’は、本発明の特定の原理を説明する目的のためのものであって、図2Aおよび図2Bのそれぞれ細部を示している。
【0022】
図3A〜図3Cは、本発明の様々な見地を備えたカテーテルアセンブリを示す側面図であって、カテーテルアセンブリのニードルのためのニードルガードの第3実施形態を備えている。
【0023】
図4Aは、本発明の特定の追加的な原理および見地を説明するためのものであって、図3A〜図3Cのニードルガードハウジングのノーズ部分を示す斜視図である。
【0024】
図4Bは、図4Aのノーズ部分の基端部を示す背面図である。
【0025】
図5は、本発明におけるダックビルカテーテルハブ解放機構を説明するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるカテーテルハブを示す断面図である。
【0026】
図6A〜図6Dは、本発明の特定の原理に基づくニードルガードの第2実施形態におけるダックビルカテーテルハブ解放機構の動作を説明するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるカテーテルアセンブリを示す断面図である。
【0027】
図7Aおよび図7Bは、本発明における回転防止という特徴点を例示するためのものであって、図3A〜図3Cにおけるニードルガードの対向面とニードルハブの対向面とのそれぞれを示す端面図である。
【0028】
図7Cは、図7における7C−7C線に沿った矢視断面図であって、本発明における回転防止という特徴点を説明する目的で、図7Aおよび図7Bにおけるニードルハブおよびニードルガードハウジングを示している。
【0029】
図8は、図3Cにおけるニードルハブおよびニードルカニューレを示す斜視図であって、ニードルハブの先端部に設けられたシュラウドを示している。
【0030】
図9は、本発明の特定の原理に基づくシュラウドの動作を説明する目的で、保護シースが付設された図3Aのカテーテルアセンブリを部分的に示す断面図である。
【0031】
図1には、ニードルガード10の一実施形態が示されており、傾斜プレートクリップ12と、スプリング部材14と、を備えている。クリップ12は、貫通タイプの例えば円形穴といったような開口18を有した第1壁16と、中間壁22を介して第1壁に対して連結された第2壁20と、を備えている。中間壁22は、ここで示された例においては、第1ストラット24と、第2ストラット26と、を備えている。各ストラットは、壁16,20間にわたって延在するとともにそれらの間に開口32を形成する内方エッジ27,28と、外方エッジ29,30と、を有している。第1壁16からは、ヒール34が延出されている(図1において破線で示されている)。第1壁16とヒール34とは、ストラット24,26に関して互いに反対側に位置するようにして、配置されている。第2壁20は、全体的に第1壁に向けて突出するリップ部36を有することができる。これにより、第2壁20は、全体的にL字形状を有することとなる。L字形状の第2壁20の外側コーナー表面37は、コイニング加工することができる。これにより、コーナー表面のところに、円弧状スタイラス38を形成することができる。クリップ12は、有利には、剛直な金属(それの例は、ステンレス鋼である)またはプラスチックからなる一体部材とされる。
【0032】
図1においては、2つの個別のストラット24,26を備えるものとしてクリップ12が図示されているけれども、当業者であれば、クリップ12の代替可能な実施形態においては、中間壁22が一方のストラット24または26だけを備え得ることは、理解されるであろう。さらに、ストラット24または26は、図示されているものよりも、幅の広いものとすることができる。ストラットは、第1壁16および第2壁20の間にわたって中実壁が形成される程度にまで、広げることができる。その場合、外方エッジ29または30を超えて延在する代替可能なスプリング部材(図示せず)を使用することができる。
【0033】
スプリング部材14は、所望の任意の形態のエネルギー貯蔵デバイスとすることができる。例えば、コイルや、他の巻回スプリングや、圧縮可能な発泡体材料や他の材料や、圧縮可能な気泡、とすることができる。しかしながら、ここでは、リーフスプリングという有利な態様のものとして説明されている。リーフスプリングは、クリップの第1壁16の内表面42と関連した第1壁40を備えている。この第1壁40には、開口41を有している。この場合、開口41は、開口18よりも大きなものとされている(あるいは、開口18に対してオーバーライドされている)。リーフスプリングは、さらに、長尺のリーフ44を備えている。リーフ44は、第1壁16を起点として、ストラット24,26のエッジ27,28を超えて、開口32を超えて、延出されており、リーフ44の自由端46へと至っている。スプリング部材14は、クリップ12に対して一体的な部材とすることができる。これにより、第1端部40は、リーフ44の延在起点をなす第1壁16の一部となる。その場合、リーフ44は、有利には、より薄いものとなり、後述する目的のために、第1壁16よりも弾性的なものとなる。あるいは、図1に示すように、スプリング部材14は、第1端部40を有した個別の弾性部材とされる。この場合、第1端部40は、内表面42に対して当接され、有利には、例えば溶接等の手法によって内表面42に対して固定される。
【0034】
図2Aおよび図2Bには、ニードル52のためのニードルガード50の第2実施形態が示されている。ニードル52は、例えば、中空の皮下注射ニードルや、中空または中実のカテーテル挿入ニードルや、あるいは、他の類似の尖鋭なカニューレ、等であって、ニードルハブ54に対して取り付けられていて、ニードルハブ54から延出されている。ニードルハブ54は、この実施形態においては、皮下注射ニードルに適合するものとして図示されている。よって、メス型ルアーロックアタッチメントを形成している。しかしながら、これに代えて、ニードルハブは、フラッシュチャンバを形成することもできる。ニードル52は、ニードルシャフト56を備えている。ニードルシャフト56は、ニードルハブ54に対して固定されているとともに、ニードルハブ54から尖鋭先端58までにわたって延在している。必須ではないものの、シャフト56は、一定の横断面形状を有した一定の直径のものとすることができる。ニードルガード50は、ハウジング60を備えている。ハウジング60は、基端側の開口62と先端側の開口64とを有している。これら開口62,64は、ハウジングを通してニードルカニューレ52のシャフト56をスライド的に受領し得るようなサイズとされている。これにより、ニードル52の第1状態においては、図2Aに示すように、尖鋭先端58は、先端側において露出されることができる。また、ニードルカニューレ52の第2状態においては、尖鋭先端58は、図2Bに示すように、ハウジング60内へと引き戻される(ニードルシャフト56を基端向きに引っ張ることによって、あるいは、ハウジング60を先端向きに押すことによって、引き戻される。ここでは、これらの双方を、ニードルカニューレ52の基端向き移動として表記する)。ニードルシャフト56を選択的にスライド受領可能とされた公称サイズのものとされたあるいはニードルシャフト56を把持し得るような公称サイズのものとされたクリップ12と、図1のニードルガード10のスプリング部材14とは、以下において説明するように、ハウジング60内に先端58を保護するための機能部材として、設けられている。
【0035】
クリップ12は、開口18が通常はニードルカニューレ52の長手方向軸線65に沿って位置合わせされているようにしてまたハウジング60の開口62,64の間の軸線をもなす長手方向軸線65に沿って位置合わせされているようにして、さらに、そのスプリング部材14が、例えばハウジング60の内壁70に沿って形成されたといったような態様で形成された係止面68に対して係合するようにして、ハウジング60の中に配置されている。これにより、スプリング部材14のリーフ44と中間壁22とは、ニードルシャフト56に関して同じ側に位置している。クリップ12は、図2Aに示すような第1状態を有している。この第1状態においては、第1壁16は、ほぼ垂直に配置されている。しかしながら、有利には、中心を超えて少しだけ先端向きに傾斜して配置されている。これにより、ニードルシャフト56は、開口18を通してスライド的に受領される。これにより、開口18の内周縁18’は、図2A’に示すように、ニードルシャフト56を噛んだり把持したりすることがない。クリップ12のそのような第1状態においては、第2壁20は、有利にはスタイラス38といったような、シャフト56に対して当接するように構成された部分を有している。さらに、ヒール34は、ハウジング60の内面70に隣接しているとともに、ハウジング60の当接棚72に対して当接している。ニードル52が第1状態にあるときには、先端58は、クリップ12を超えて先端側に延出されており、特に、ハウジング60の開口64を超えて先端側に延在しており、シャフト56は、スタイラス38に対して当接している。
【0036】
スプリング部材14は、図2Bに示すような第2状態に向けて第1壁16が基端向きに傾斜するように、クリップ12を付勢する。第2状態においては、ニードルの尖鋭先端58は、リップ36よりも基端側の位置でもって、ハウジング60の内部に位置している。図2B’に示すように、先端58がリップ36を超えた時点で、ヒール34が棚72回りに回転して、第1壁16が傾斜する。これにより、開口の内周縁18’は、シャフト56に対して噛み込むようにして係合する。これにより、シャフトを把持する。これにより、ハウジング60に対してのニードル52のさらなる基端向き移動に対して、抵抗性が付与される。第2壁20は、特にそのリップ36は、図2Bに示すように、軸線65を超えて移動するとともに、先端58を超えて移動する。これにより、第2壁20は、この時点で、先端58に対して対向し、これにより、先端58がハウジング60から先端側へと再度延出することを阻止する。リップ36は、先端58を閉じ込めるように機能する。先端は、基端側へと少しくらいであれば移動可能ではあるものの、先端58は、第2状態とされたクリップ12によって蓋をされている。
【0037】
特に図2Aに示すように、中間壁22は、第1壁16に対して直角ではない。むしろ、中間壁22は、90°未満という形成角度αでもって延在しており、有利には、およそ83°〜およそ87°という角度αでもって延在しており、ニードルシャフト56に向けて延在している。中間壁22がこのような角度であることにより、第1壁16は、中心を超えてわずかに先端側に傾斜することができる(ニードル52のゲージに応じて)。このため、第2状態へと移行する際のクリップの回転度合いは、従来技術における垂直壁16の場合と比較して、増大することとなる。先端側への傾斜の程度は、壁16の先端側への傾斜に伴って穴18がニードルシャフト56を噛み込まないサイズのものとなるように、ほんの数°だけとされる。クリップの回転度合いの増大化は、図2Bに示すように先端58の配向性が最悪の場合であってさえも尖鋭先端58を蓋で覆うことを確実になし得ることを、補助する。有利には、ニードル52は、図2Bに示す配向性から、90°または180°だけ回転させた配向性のものとされる。また、壁16,22の間の形成角度を90°未満とすることにより、壁22は、典型的には、ニードルシャフト56に向けて曲がる。これにより、クリップ12は、より大きなゲージのニードル52の場合であってさえも、ハウジング60に対して係合してしまうことがなくなる。また、ヒール34は、壁22に対しておよそ90°という角度を形成することができる。これは、ヒール34と壁16とが同一平面上である必要がないからである。
【0038】
ニードル52の第2状態においては、クリップ12が第2状態とされており、ニードル52の先端58に対して印加される撓み力が存在することは、理解されるであろう。この撓み力は、ニードルシャフト56の対応部分を、開口18に対して位置合わせしようとする。もしもシャフト56がそのように撓むならば、シャフト56に対しての周縁部18’による噛み込みが低減しまたは消失することとなり、ニードル52は、ニードルガード50から基端向きに引っ張られ得ることとなってしまう。そのような可能性を低減させ得るよう、ニードル支持体80が設けられている。ニードル支持体80は、第1状態におけるニードルシャフト56によって規定される円筒形状84(図4B参照)に対して横方向に延在する可能であれば接線方向に延在する平面82に隣接している。ニードル支持体80は、ハウジング60の一体的突出部材88の端部のところに形成することができ、有利には、ニードルシャフト56の一部をスライド的に受領し得るようなサイズとされた座90(図4A)を備えることができる。座90は、ニードルシャフト56の外面円筒形状に対して相補的な形状のスロットまたは溝とすることができる。ニードル支持体80に加えて、ニードル52は、さらに、ハウジング60の基端側開口62によっても、支持される。これら2つのポイント(ニードル支持体80、および、基端側の開口62)が協働することにより、ニードル52を水平な固定状態に保持することができ、クリップ12は、ニードルシャフト56を撓ませることなく、ニードルシャフト56に対して把持力を印加することができる。リブ91(図4Aにおいては、横方向リブとして破線で示されているけれども、長手方向リブとすることができる)という形態での撓み制限用係止体を、突出部材88の上面に設けることができる。あるいは、これに代えて、撓み制限用係止リブ91’(図2Aおよび図2Bにおいて破線で示されている)を、突出部材88の上方においてハウジングの内表面70の一部として、設けることができる。これにより、例えばニードルシャフト56のてこ作用に基づく撓みといったような部材88の撓み(有利には、0.15mm(0.006インチ)の程度)を制限することができる。
【0039】
ハウジング60は、バレルすなわち容器基端部94と、先端キャップ部96と、を備えている。容器部94は、内壁70(および、設けられている場合には、リブ91’)と、開口62付きの背面壁98と、キャップ96を係合的に受領し得るようなサイズとされたマウス100と、を備えている。キャップ96は、開口64を備えているとともに、有利には、容器94のマウス100に対して、例えばスナップ取付や嵌合や接着剤や超音波溶接といったような手法によって、固定されている。容器94とキャップ96とは、任意の所望の横断面形状を有することができる。例えば全体的に円筒形状とすることができる。これにより、ハウジング60は、全体的に円筒形状とされる。有利には、横断面形状は、互いに反対側に位置する面を平坦化することによって、矩形とされる(図7A参照)。これにより、嵩低い構成とすることができて、挿入角度を浅いものとすることができて、望ましい。ハウジング60は、さらに、ニードルガード50のためのフィンガーリッジ(図示せず)を備えることができる。これにより、医療従事者(また、図示されていない)による使用を容易なものとすることができる。さらに、ニードル52の先端部58が、ニードルガード50から自由に延出されているものとして図示されているけれども、当業者であれば、ニードルシャフト56は、また、カテーテルアセンブリ(例えば、図3Aにおけるアセンブリ200)を通して受領され得ることは、理解されるであろう。さらに、第1壁16が矩形のものとして図示されているけれども、第1壁16は、例えば正方形またはディスク形状といったような他の任意の形状とすることができ、開口18は、クリップ12の第2状態に向けての第1壁16の傾斜によってニードルシャフト56を把持し得る限りにおいては、円形穴以外の形状とすることができる。
【0040】
上記構成および構成部材どうしの上記関係は、かなり小さな引っ張り力を有したニードルガードを提供すると考えられる。これにより、医療従事者(図示せず)にとっては、触覚的な感覚および聴覚的な感覚が容認し得るものであり、これと同時に、信頼性の高い先端58の保護を提供することができて、偶発的なニードル刺しというリスクを最小化することができる。
【0041】
使用時には、ニードル52が、可能であればシリンジ(図示せず)をニードルハブ54に取り付けた状態で、患者(図示せず)内へと挿入される。薬物を注射した後に、例えば、ハウジング60が安定状態に維持したまま、ニードルハブ54とニードル52とを、患者からニードル52を抜くようにして引っ張り、ニードル先端58をハウジング60内へと基端向きに引っ張る。これに代えて、ハウジング60をハブ54に対して隣接させたまま、ニードル52を患者から引き抜くことができる。その後、シャフト52に沿ってハウジング60を押し込むことができ、これにより、ニードル先端58をハウジング60内へと基端向きに受領することができる。いずれにせよ、スプリング部材14は、ニードル先端58を保護するための第2状態に向けて、クリップ12を付勢する。さらに継続してニードル52を基端向きに移動させることにより、ニードルシャフト56に対して印加される拘束力を増大させることができる。これにより、ニードル先端の基端向き移動に対して抵抗することができる。さらに、クリップの第2壁20のリップ36は、この時点においては、ニードル52の先端58を超えて、長手方向軸線65に関する反対側に、位置している。その結果、ニードル52を先端側へと押そうとしても、先端58は、リップ36の下方に衝突するおよび/または第2壁20に阻止される。これにより、ニードル先端58の先端向き移動は阻止される。
【0042】
図3A〜図3Cには、ニードル52の先端58を保護するためのニードルガード202の第3実施形態を備えているカテーテルアセンブリ200が示されている。ニードルガード202は、図2Aおよび図2Bのニードルガード50と実質的に同じものとすることができ、相違点は、フィンガータブタブ203と、上述したようなダックビル204,206(図3C参照)と、をさらに備えている点である。さらに、ニードル52は、フラッシュチャンバを形成するものとして図示されたニードルハブ208を有したカテーテル挿入ニードルである。フラッシュチャンバ208は、ベントポート210を備えることができる。
【0043】
カテーテルアセンブリ200は、基端部224のところにルアーラグ222を形成するカテーテルハブ220と、カテーテルハブ220に対してアイレット227(図5)を介して固定されるカテーテルチューブ226と、を備えている。カテーテルチューブ226は、先端228よりも先端側へと延出されている。図3Aに示すように、ニードルシャフト56は、ニードルガード202のハウジング230を通して、さらに、カテーテルハブ220を通して、延在しており、カテーテルチューブ226は、ニードル52の第1状態においては、先端58を、カテーテルチューブ226の先端232から突出させている。ニードルガード202のハウジング230は、基端側の容器94と、図2Aのキャップ96と同様の修正されたキャップ234と、を備えている。しかしながら、ノーズ部236は、ダックビル204,206を備えている。ニードル支持体208は、ニードルガード202のハウジング230に対して基端向きに引っ張られる。これにより、図3Bに示すように、ニードル支持体208とニードルガード202とが離れ始める。ニードル52の基端向き移動を継続すると、先端58が、ハウジング230内における固定位置において保護される(図2Bおよび図2B’に関連して上述したようにして)。さらに、図3Cに示すように、カテーテルハブ220から、ハウジング230を解放することができる。
【0044】
さらに図4Aに示すように、ハウジング230のキャップ234のノーズ部236からは、先端向きに、一対をなす協働部材250,252が、延出されている。部材250,252は、先端254,256までにわたって延在しており、これら部材250,252の間に、通路258を形成している。通路258の公称的なサイズ(ここでは、内径とも称される)は、通路258のサイズを変更することなく、通路258を通してニードル52のシャフト56を自由に受領し得るようなサイズとされている。これにより、シャフト56に対しては、通常、大きな引きずり力が印加されることがない。部材250,252のうちの少なくとも一方は、有利には双方は、先端部254,256のところに、戻り止め260を備えることができる。これにより、環状リング262の複数のセグメントを規定することができ、協働部材250,252に対して、それぞれのダックビル204,206の形状を与えることができる。戻り止め260は、場所263に示すように、先端側のところを丸めることができる。
【0045】
図5により、カテーテルハブ220が、カテーテルハブ220の内表面266によって規定された内部チャンバ264を備えていることを、理解されるであろう。内部チャンバ264は、メス型ルアーのためのISO規格または他の適用可能な規格に応じてテーパー形状とされた基端部267を備えている。全体的に環状のリブ268が、内表面266からチャンバ264内へと径方向内向きに突出している。リブ268は、有利には、ルアーテーパー部分267よりも先端側に位置している。これにより、カテーテルハブ220に対するオス型ルアーテーパー連結に対して干渉することがない。環状リブ268と戻り止め260とが協働することにより、ニードルカニューレ52の第1状態においては、ニードルガード202をカテーテルハブ220に対して保持することができ(図3A)、なおかつ、第2状態に向けてニードルカニューレ52を基端向きに移動させることによりニードルガード202を解放することができる(図3C)。この点については、図6Aをさらに参照することにより、ニードルカニューレ52の第1状態においては、そのシャフト56が通路258内にあることを、理解されるであろう。これにより、協働部材250,252の一方または双方の圧縮可能性(すなわち、径方向内向きの撓み性)を制限している。同時に、戻り止め260は、環状リング262の外径を規定している。この外径は、環状リブ268の内径よりもわずかに大きなものであって、場所270といったような環状リブ268の先端側箇所においては、カテーテルハブ内表面266の内径と密接に対応することができる。よって、図6Aに示すように、ニードルシャフト56が、協働部材250,252の間に位置している状態においては、戻り止め260は、リブ268の先端側の対向面272と協働することによって、一般に強固な保持力を、カテーテルハブ220に対して提供する。図6Bに示すように、ニードルカニューレを基端向きに引っ込めることによって、先端58をハウジング230に向けて移動させた際であってさえも、シャフト56は、なおもまだ、部材250,252の径方向内向き撓み移動を阻止している。
【0046】
ニードルカニューレ52が第1状態(図6A)にある際には、戻り止め260は、リブ268を超えて、カテーテルハブ220内に着座しており、軽く摩擦係合している。これにより、好ましくは、ヘルスケア使用者(図示せず)は、ニードルガード202に対してカテーテルハブ220を回転させることができる。この時点では、いまだ、ニードルシャフト56は、部材250,252の一方または双方が容易に撓み得るような図6Cに示すニードル52の第2状態において先端58がニードルガード202によって保護されるまでにはなっておらず、通路258を超えて十分には基端向きには移動していない。よって、ニードルガード202を継続的に基端向きに引っ込めることにより、ダックビル204,206の一方または双方は、容易に撓み得る状態となる。これにより、戻り止め260が環状リブ268を通り抜けることができる。その後、ダックビルは、元々の形状にまで弾性復帰することができる。内表面267の一部が、ルアー規格に基づいてテーパー形状とされていることにより、内表面の最小内径は、通常は、戻り止め260によって規定される最大外径よりも小さなものではなく、有利には、それよりも大きなものである。これにより、部材250,252の引っ張り時に、戻り止めは、一般に、リブ268よりも基端側において、表面266を擦ってしまうことがない。これにより、図6Dに示すように、ニードルガード202は、擦る感じを一切もたらすことなくまた使用者(図示せず)に対しての引っ張り作用を一切もたらすことなく、カテーテルハブ220から容易に離れることができる。同様に、ニードルシャフト52が通路258内から抜け出た状態においては、ダックビル204,206をハブ220内へと押し込むことによって(あるいは、ダックビル204,206上へとハブ220を押し込むことによって)、ダックビル204,206を、カテーテルハブ220内へと容易に結合させることができる。この際、戻り止め260は、リブ268に対して衝突する。この時点で、協働部材250,252がわずかに撓むことによって、戻り止め260は、リブ268を超えて先端向きに移動することができる。そして、協働部材250,252の弾性復元によって、戻り止めがカテーテルハブ220を軽く保持することができる。その後、ニードルシャフト52を、部材25
0,252の内向き撓み力に抗して、押し込むことができる。これにより、部材250,252による保持力が大いに増大する。これに代えて、シャフト52を所定に保持した状態のダックビル204,206を、ハブ220内へと押し込むことができる。カテーテルハブ220内へのダックビル204,206の押し込みは、面取り面263によって補助することができる。
【0047】
リブ268の使用は、従来技術における凹所に基づいたダックビル解放機構と関連した欠点を克服する。この目的のために、リブは、より容易に製造することができ、引き抜き時にカテーテルハブの内表面を引きずったり擦ったりしてしまうような大きな直径の戻り止めを、必要としない。
【0048】
通路258のサイズは、ニードルシャフト56の直径とほぼ同じ大きさとすることができる。これにより、通路258は、ニードルシャフト56の存在によって大いに占有される。協働部材250,252の圧縮または他の内向き撓みが、これにより、制限される。これにより、カテーテルハブ220からの協働部材250,252の解放が制限される。協働部材250,252の通路258の相対的な内径と、ニードルシャフト56の外径と、の間のギャップの許容誤差は、ニードル52が存在するときのカテーテルハブ220からのダックビル204,206の抜け出し可能性を低減させ得るように選択することができる。許容誤差は、様々なゲージのニードルに応じて、変えることができる。しかしながら、0.165mm(0.0065インチ)〜0.343mm(0.0135インチ)というクリアランスが有利である。
【0049】
部材250,252は、スプリットシリンダとして、図示されている。部材250,252は、半月形状という横断面のものとし得るけれども、有利には、各部材250,252は、円弧形状とされるとともに、内向きに突出した長手方向リッジ280(図4A)を有している。これらリッジが、実質的に、通路258の内直径を規定することとなる。この目的のために、各リッジ280の径方向の深さは、ニードル52のゲージに基づいて選択することができる。その際、リッジ280の径方向の深さは、ニードル52のゲージに対して反比例する。つまり、径方向深さは、小さなゲージのニードルの場合には、より大きなものとされ、また逆に、径方向深さは、大きなゲージのニードルの場合には、より小さなものとされる。リッジ280は、より大きなゲージのニードル52の場合には、全く省略することができる。円弧形状と、通路258の内径を規定するためのリッジ280の選択的な深さと、により、広範囲のゲージのニードルに関して、ダックビル204,206とカテーテルハブ220との間の力の度合いを、ほぼ一定とすることができる。これにより、医療従事者(図示せず)は、広範囲のゲージのニードルに関して、同じ触感を感じることとなる。協働部材250,252は、スプリットシリンダの上下のセグメントとすることができる、あるいは、スプリットシリンダの大きなセグメントおよび小さなセグメントとすることができる、および/または、互いに並置されたセグメントとすることができる。さらに、協働部材250,252は、双方ともが、撓み得るものでありかつ先端部に戻り止めを有したものとして、図示されているけれども、当業者であれば、協働部材250,252のうちの一方だけを十分な撓み性を有したものとし得ることを、また、協働部材250,252のうちの一方だけを戻り止めを有したものとし得ることを、また、戻り止めを先端部から離間した場所に設け得ることを、理解されるであろう。また、リブ268は、全体的に連続したものとして図示されているけれども、リブは、1つまたは複数の隙間(図示せず)を有することができる。有利には、そのような隙間が設けられる場合には、各隙間は、戻り止め260の周縁方向の幅よりも、狭いものとされる。
【0050】
ニードルガードのダックビル204,206とカテーテルハブのリブ268とが協働することにより、ダックビル解放機構を形成することができる。この例においては、ダックビル解放機構は、傾斜プレート型クリップという形態でニードル先端58を保護するための機能部材と組み合わせることができる。しかしながら、本発明によるダックビル解放機構は、そのような機能部材に対する使用に制限されるものではなく、他の構成のクリップと一緒に使用することもでき、さらには、例えばニードルガードとして機能するハウジングを備えてなるニードルガードといったような非クリップ型のニードルガードと一緒に使用することさえもできる。例示するならば、ニードルガードは、本出願人であるMedex社によって市販されている PROTECTIV Safety IV カテーテルのニードルガードハウジングとすることができる、および/または、米国特許第4,762,516号明細書や米国特許第4,747,831号明細書に開示されたニードルガードハウジングとすることができる。あるいは、機能部材は、米国特許第4,978,344号明細書や米国特許第5,215,528号明細書や米国特許第5,332,517号明細書や米国特許第5,328,482号明細書や米国特許第5,558,651号明細書や欧州特許第0,352,928 B2号明細書や米国特許出願第10/905,047号明細書や米国特許出願第10/906,171号明細書に開示されているような、ニードルを把持および/またはブロックするための他の構造を備えることができる。本発明の他の特徴点は、後述するように、傾斜プレートクリップに基づいたニードルガードに制限されるものでもない。
【0051】
図7A〜図7Cに示すように、1つの見地においては、ニードルハブ208とハウジング230とは、協働構造300,302を備えている。協働構造300,302は、ニードル52の第1状態においては、ニードルハブ208とハウジング230とを相対回転不可能に保持する。これにより、ニードルによる穿刺を開始する際の安定性を増強することができる。より詳細には、ハウジング230は、基端面304のところに、突出ラグ300を備えている。この突出ラグ300は、非円形の周縁エッジ306を有している。同様の非円形周縁エッジ308を有した凹所またはデプレション302が、ニードルハブ208の先端面310のところに配置されている。結果として、ニードル52の第1状態において、ニードル支持体208をハウジング230に対して隣接配置した際には、図7Cに示すように、面304,310が対向して、ラグ300が、凹所302に対して係合する。これにより、構成部材どうしの回転が阻止される。ニードル52が、第1状態から移行した際には、ラグ300と凹所302とは、係合を解除する。これにより、ハブ208とニードルガード202との相対回転が可能となる。ラグ300および凹所302の周縁エッジ306,308は、互いに相補的な対応形状のものであり、有利には、例えば正方形や楕円形や六角形といったような非円形のエッジを形成している。しかしながら、ハウジング230とニードルハブ208との間の相対回転を防止するに際しては、他の相補形状を使用し得ることは、理解されるであろう。さらに、凹所302の周縁エッジ308は、符号312で示すように、1つまたは複数のノッチを備えることができる。ニードル52は、例えば、ニードル52と同心とされた接着剤井戸314内の接着剤313によって、ハブ208に対して固定される。
【0052】
図8および図9に示すように、他の見地においては、ニードルハブ208は、有利には、分離型のシュラウド320と関連している。分離型のシュラウド320は、ハブ208の先端部から延出されかつ互いに対向している円弧状レッグ322,324を備えている。レッグ322,324は、図3Aおよび図9に示すようなニードル52の第1状態においては、ニードルガード202の対向部分326,328に対して位置合わせされるような可能であれば一致するような、サイズおよび配置とされている(よって、ニードルガードハウジング230の容器94の対向円弧状部分と、クリップ12の対向部分と、にも位置合わせされる)。レッグ322,324は、図3Cに示すようなニードル52の第2状態においては、それら対向部分から離間する。有利には、レッグ322,324は、例えばフィンガータブ203といったような、ニードルガード220の一部が、図3Aに示すようなニードルカニューレ52の第1状態においては、それらレッグどうしの間において露出されるようにして、配置される。ニードルカニューレ52の第1状態においては、図9に示すように、分離型のシュラウド320は、ニードルガード202の一部に対して位置合わせされる、例えば、ハウジング230の容器部分94、および/または、フィンガータブ203が露出されたクリップ12、に対して位置合わせされる。分離型のシュラウド320のレッグ322,324は、それらレッグ322,324がハウジング230に対して摩擦係合し得るような、サイズおよび配置とすることができる。使用前においては、保護シース370が、少なくともカテーテルチューブ226と、可能であればカテーテルハブ220と、ニードル先端58と、分離型シュラウド320の一部または全体と、をカバーする。有利には、分離型のシュラウド320は、シース370の基端側マウス部372と、ニードルガード202と、の間に配置される。その結果、最終的な使用者(図示せず)が、シースの部分372を把持した際には、その把持力は、ニードルガード202に対して直接的に伝達されるのではなく、分離型のシュラウド320に対して伝達される。このため、不注意にニードルガード202を機能させてしまう可能性を低減することができる、また、装置の使用前にカテーテルハブ220からニードルガード202を引き離
してしまう可能性を低減することができる。マウス部372は、フィンガータブ203を露出させるためのギャップ(図示せず)を有することができる。しかしながら、使用時には、ニードル52は、例えば分離型シュラウド320を通して露出されたフィンガータブ203を押し込むことによって、容易に取り外すことができる。
【0053】
カテーテルアセンブリ200の使用時には、シース370が取り外され、上述したようにして、患者(図示せず)内へと挿入したニードル先端58がカテーテルチューブ226を位置決めする。ここで、要望された場合には、ニードルガード202に対してカテーテルハブを回転させる。しかしながら、有利には、ニードルハブ208とニードルガード202とは、相対回転されない。要望通りに配置された後に、例えば十分に理解されるように(分離型シュラウド320を通して露出された)フィンガータブ203を使用することによって、ニードルハブ208とニードル52とが、基端向きに引っ張られる。これにより、シャフト56が、カテーテルチューブ226およびカテーテルハブ220から引き抜かれ、先端58は、ニードルガード202によって保護された第2状態となる。ニードルガード202は、同様にカテーテルハブ220から引き抜かれ、ハブ220を使用待ち受け状態とする。有利には、ニードルシャフト56に対しての、クリップ12に基づく引きずり力は、できる限り小さなものである。さらに、引きずり力は、有利には、シャフト56が通路258内にあるかどうかにかかわらず、ダックビル204,206をカテーテルハブ202から分離させるのに必要とされる力よりも、小さい。また、さらに有利には、シャフト56が通路258内に存在している状態でダックビル204,206をカテーテルハブ220から切り離すに際して必要とされる力(『カテーテル切り離し力』と称される)は、例えばニードル52の第2状態といったように通路258がニードルシャフト56によって占有されていない状態でダックビル204,206をカテーテルハブ220から解放するに際して必要とされる力(『カテーテル解放力』と称される)と比較して、より大きなものとされ、最も有利には2倍以上とされる。カテーテル解放力は、『ダックビルフリー長さ』と称することができる。これは、ノーズ部236(あるいは、例えば符号380で示すような任意の連続部分)からの、協働部材250,252の長さである。この長さは、協働部材250,252の硬さに影響を及ぼす。そして、さらに、カテーテル解放力に影響を及ぼす。例えば、協働部材250または252のダックビルフリー長さが長くなればなるほど、硬さは、より小さなものとされ、よりフレキシブルな部材となる。
また、部材250,252,260に対しての円弧形状の使用およびリッジ280の使用は、広範囲のゲージのニードル52に対して、全体的に一様な度合いのカテーテル解放力(および/または、カテーテル引き離し力)を提供する。その一様さは、また、戻り止め260とカテーテルハブ面267との間に擦れがないことによっても、増強される。これにより理解されるように、カテーテルアセンブリ200は、カテーテルハブ220からのニードルガード202の受動的な解放を提供する。カテーテルハブ220からのニードルハブ208の引き抜きの通常的活性により、ヘルスケア作業者(図示せず)による一切の追加的な操作を必要とすることなく、ニードルガード202が駆動される。同様に、その駆動後に、ニードルハブ208をさらに引っ張ることにより、ヘルスケア作業者による追加的な操作を必要とすることなく、容易にニードルガード202をカテーテルハブ220から解放することができる。
【0054】
上記により、個別的にまた様々な組合せにより、従来技術による傾斜プレート構成と比較して改良と補強とを行った傾斜プレート型ニードルガードが、提供される。また、上記により、個別的にまた様々な組合せにより、傾斜プレート型クリップと一緒に使用し得るのみならず、他のニードルガードの構成とも一緒に使用し得るような、ニードルガードに対する改良が提供される。
【0055】
本発明について、本発明の様々な実施形態に関して説明して例示したけれども、また、それら実施形態に関してかなり詳細に説明したけれども、特許請求の範囲は、それら細部によっては何らの制限も受けない。当業者であれば、追加的な利点および修正点が、自明であろう。例えば、クリップ12を、ニードル52の引き抜き時に基端向きに傾斜する第1壁16を備えたものとして、図示して説明したけれども、当業者であれば、壁16が先端向きに傾斜するようにクリップ12を構成し得ることは、理解されるであろう。さらに、クリップ12の第2壁20は、ガイドワイヤのための開口(図示せず)を備えていることができ、さらに、クリップ12の第2状態においてニードル52に対してクリアランスを有していないものとすることができる。さらに、第2壁20のスタイラス38は、スタイラスが第2壁を形成するようにして、クリップ12の中間壁22に対して直接的に連結することができる。さらに、スプリング部材14は、中間壁22の内方エッジ27,28を超えてではなく、中間壁22の外方エッジ29,30を超えて、延在することができる。また、クリップ12およびスプリング部材14が十分に小さいものである場合には、クリップ12およびスプリング部材14は、カテーテルハブ内に当接面を有したカテーテルハブの内部に直接的に設置することができる。したがって、本発明のより広い見地は、図示されまた上述されたような、特定の詳細や、代表的な装置および方法や、様々な実施形態、によって、何ら制限されるものではない。したがって、本発明の一般的概念からなる精神および範囲から逸脱することなく、それら詳細に対して、変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0056】
10 ニードルガード
12 傾斜プレートクリップ
14 スプリング部材
16 第1壁
18 開口
20 第2壁
24 第1ストラット
26 第2ストラット
34 ヒール
38 円弧状スタイラス
50 ニードルガード
52 ニードル
54 ニードルハブ
56 ニードルシャフト
58 尖鋭先端
60 ハウジング
62 基端側の開口
64 先端側の開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全カテーテルデバイスであって、
カテーテルハブ、および、このカテーテルハブから延出されたカテーテルチューブと;
ニードルハブ、および、このニードルハブから延出されたニードルであるとともに尖鋭先端で終端しているニードルシャフトを備えたニードルと;
ニードルガードであるとともに、このニードルガードによって前記ニードル先端が保護されていないニードル第1状態とこのニードルガードによって前記ニードル先端が保護されているニードル第2状態との間にわたってこのニードルガードに対して前記ニードルを移行させ得るものとされたニードルガードと;
前記ニードルハブに関連して設けられた分離型のシュラウドであるとともに、前記ニードル第1状態においては前記ニードルガードの対向部分に対して位置合わせされなおかつ前記ニードルガードの操作部分を露出させるサイズとされなおかつ前記ニードル第2状態においては前記ニードルガードから離間される分離型のシュラウドと;
少なくとも前記カテーテルチューブおよび前記ニードル先端を囲んでいるとともに、前記分離型のシュラウドの少なくとも一部に対して位置合わせされるシースと;
を具備していることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項2】
請求項1記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記分離型のシュラウドが、前記ニードル第1状態においては前記ニードルガードに対して摩擦係合していることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項3】
請求項1または2記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記露出された操作部分が、フィンガータブを備えていることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項4】
請求項1記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記ニードルガードが、前記ニードルを貫通させながら前記ニードルをスライド的に受領し得るよう構成されたハウジングを備え、
前記分離型のシュラウドが、前記ニードル第1状態においては前記ハウジングの対向部分に対して位置合わせされなおかつ前記ハウジングの操作部分を露出させなおかつ前記ニードル第2状態においては前記ハウジングから離間されることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記分離型のシュラウドが、一対をなす対向壁セグメントによって形成されていることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項6】
請求項5記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記対向壁セグメントが、円弧形状とされていることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記ニードルガードが、前記ニードル先端を保護し得る機能部材を備えていることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項8】
請求項7記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記ニードルガードが、前記ニードルを貫通させながら前記ニードルをスライド的に受領し得るよう構成されたハウジングを備え、
前記機能部材が、前記ハウジングの内部に収容されていることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項9】
請求項7または8記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記機能部材が、リーフスプリングであることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記ニードルの前記第2状態においては、前記ニードルハブが、前記ニードルガードから離間していることを特徴とする安全カテーテルデバイス。
【請求項11】
ニードルプロテクタであって、
ニードルハブ、および、このニードルハブから延出されたニードルであるとともに尖鋭先端で終端しているニードルシャフトを備えたニードルと;
ニードルガードであるとともに、このニードルガードによって前記ニードル先端が保護されていないニードル第1状態とこのニードルガードによって前記ニードル先端が保護されているニードル第2状態との間にわたってこのニードルガードに対して前記ニードルを移行させ得るものとされたニードルガードと;
前記ニードルハブに関連して設けられた分離型のシュラウドであるとともに、前記ニードル第1状態においては前記ニードルガードの対向部分に対して位置合わせされなおかつ前記ニードルガードの操作部分を露出させるサイズとされなおかつ前記ニードル第2状態においては前記ニードルガードから離間される分離型のシュラウドと;
少なくとも前記ニードル先端を囲んでいるとともに、前記分離型のシュラウドの少なくとも一部に対して位置合わせされるシースと;
を具備していることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項12】
請求項11記載のニードルプロテクタにおいて、
前記分離型のシュラウドが、前記ニードル第1状態においては前記ニードルガードに対して摩擦係合していることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項13】
請求項11または12記載のニードルプロテクタにおいて、
前記露出された操作部分が、フィンガータブを備えていることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか1項に記載のニードルプロテクタにおいて、
前記分離型のシュラウドが、一対をなす対向壁セグメントによって形成されていることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項15】
請求項14記載のニードルプロテクタにおいて、
前記対向壁セグメントが、円弧形状とされていることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか1項に記載のニードルプロテクタにおいて、
前記ニードルガードが、前記ニードル先端を保護し得る機能部材を備えていることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項17】
請求項16記載のニードルプロテクタにおいて、
前記ニードルガードが、前記ニードルを貫通させながら前記ニードルをスライド的に受領し得るよう構成されたハウジングを備え、
前記機能部材が、前記ハウジングの内部に収容されていることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項18】
請求項16または17記載のニードルプロテクタにおいて、
前記機能部材が、リーフスプリングであることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項19】
請求項11〜15のいずれか1項に記載のニードルプロテクタにおいて、
前記ニードルガードが、前記ニードルを貫通させながら前記ニードルをスライド的に受領し得るよう構成されたハウジングを備え、
前記分離型のシュラウドが、前記ニードル第1状態においては前記ハウジングの対向部分に対して位置合わせされなおかつ前記ハウジングの操作部分を露出させなおかつ前記ニードル第2状態においては前記ハウジングから離間されることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項20】
請求項11〜19のいずれか1項に記載のニードルプロテクタにおいて、
前記ニードルハブが、フラッシュバックチャンバを形成していることを特徴とするニードルプロテクタ。
【請求項21】
請求項11〜20のいずれか1項に記載の安全カテーテルデバイスにおいて、
前記ニードルの前記第2状態においては、前記ニードルハブが、前記ニードルガードから離間していることを特徴とする安全カテーテルデバイス。

【図1】
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【図2A】
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【図2A−1】
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【図2B】
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【図2B−1】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−45438(P2012−45438A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−268834(P2011−268834)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【分割の表示】特願2008−526009(P2008−526009)の分割
【原出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(506246818)スミス・メディカル・エイエスディ・インコーポレーテッド (31)
【Fターム(参考)】