説明

シリコンカーバイド基板生産物の製造方法およびシリコンカーバイド基板生産物

【課題】互い異なる内径を有するマイクロパイプを塞いだシリコンカーバイド基板生産物を製造できるシリコンカーバイド基板生産物の製造方法、該製造方法により製造されたシリコンカーバイド基板生産物を提供する。
【解決手段】複数のマイクロパイプ110を有するシリコンカーバイド基板1の主面102に樹脂を塗布することにより、複数のマイクロパイプ110を樹脂で塞ぐ複数の塗布工程と、樹脂を硬化させる硬化工程とを有し、複数の塗布工程において、工程毎に樹脂の粘度を異ならせることを特徴とする。これにより、粘度の低い樹脂により内径の小さいマイクロパイプを塞ぐことができ、また、粘度の高い樹脂により内径の大きいマイクロパイプを塞ぐことができる。従って、簡易な方法により複数のマイクロパイプ110を塞いだシリコンカーバイド基板生産物1aを製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンカーバイド基板生産物の製造方法およびシリコンカーバイド基板生産物に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン基板と比較して有利な特徴を有するシリコンカーバイド基板(以下「SiC基板」という)が注目されている。SiC基板において最大の問題は、マイクロパイプと呼ばれる結晶欠陥の存在である。SiC基板を貫通するマイクロパイプを有するSiC基板を吸引固定すると、SiC基板の主面に塗布された薬品等がマイクロパイプを通じてSiC基板の裏面に漏れ出し、吸引装置を故障させる原因となる。そこで、例えば特許文献1には、被覆材料でマイクロパイプを閉塞させた後にSiC基板を種結晶としてSiC結晶を成長させてマイクロパイプを塞ぐ方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−158697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の方法ではSiC結晶を成長させるための大掛かりな設備と多くの作業工程とを要する。本発明はこの問題点を鑑みてなされたものであり、簡易な方法によりマイクロパイプを塞いだSiC基板生産物を製造することができるSiC基板生産物の製造方法を提供すること、およびこの製造方法により製造されたSiC基板生産物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、本発明によるSiC基板生産物の製造方法は、マイクロパイプを有するSiC基板の主面に樹脂を塗布することにより、マイクロパイプを樹脂で塞ぐ複数の塗布工程と、樹脂を硬化させる硬化工程とを有し、複数の塗布工程において、工程毎に樹脂の粘度を異ならせることを特徴とする。
【0006】
上記したSiC基板生産物の製造方法によれば、複数の塗布工程毎に塗布する樹脂の粘度を異ならせることにより、粘度の低い樹脂により内径の小さいマイクロパイプを塞ぐことができ、また、粘度の高い樹脂により内径の大きいマイクロパイプを塞ぐことができる。これにより、互いに異なる内径を有する複数のマイクロパイプを、互いに異なる粘度を有する樹脂により塞ぐことができる。従って、簡易な方法によりSiC基板生産物を製造することができる。
【0007】
なお、ここでいう複数の塗布工程では、粘度の低い樹脂から順に塗布することが好ましい。これによれば、塗布する樹脂を内径の小さいマイクロパイプから順に、より確実にマイクロパイプの内部に流し込むことができる。
【0008】
なお、ここでいう樹脂は熱硬化性樹脂であることが好ましく、複数の塗布工程における樹脂の温度が各工程において互いに異なることにより、各工程における樹脂の粘度が互いに異なることが好ましい。
【0009】
なお、ここでいう樹脂は少なくとも2つの互いに異なる材料を含んでおり、樹脂を構成する少なくとも2つの材料の組成比が各工程において互いに異なることにより、各工程における樹脂の粘度が互いに異なることが好ましい。
【0010】
なお、樹脂を構成する材料が、各工程において互いに異なることにより、各工程における樹脂の粘度が互いに異なることが好ましい。
【0011】
また、本発明によるSiC基板生産物の製造方法は、複数の塗布工程で塗布された樹脂が、マイクロパイプを通じてSiC基板の裏面に漏れ出ていないことを確認する検査工程をさらに有することが好ましい。これによれば、複数の塗布工程において塗布された樹脂が、SiC基板の裏面に漏れ出ていないことを確認することにより、SiC基板の主面から裏面に通じるマイクロパイプが塞がれたことを確認できる。従って、貫通するマイクロパイプを塞ぐ工程と、貫通するマイクロパイプの有無を確認する工程を並行して行うことができる。
【0012】
また、本発明によるSiC基板生産物の製造方法は、SiC基板の主面に半導体層を成長させる成長工程をさらに有することが好ましい。
【0013】
また、本発明によるSiC基板生産物は、マイクロパイプを有するシリコンカーバイド基板の主面に、異なる粘度を有する複数の樹脂が塗布され、樹脂が硬化されることによりマイクロパイプが樹脂により塞がれたことを特徴とする。上記したSiC基板生産物によれば、複数の塗布工程毎に塗布する樹脂の粘度を異ならせることにより、内径の異なるマイクロパイプを塗布した樹脂により塞ぐことができる。従って、SiC基板生産物は半導体結晶成長の成長基板として利用できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるSiC基板生産物の製造方法によれば、簡易な方法によりマイクロパイプを塞いだSiC基板生産物を製造することができ、本発明に係る製造方法により製造されたSiC基板生産物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本製造方法に用いられる塗布装置の構成を示す概略図である。
【図2】図2(a)はSiC基板生産物の製造方法の工程を示す側断面図であり、図2(b)は図2(a)の次工程を示す側断面図であり、図2(c)は図2(b)の次工程を示す側断面図である。
【図3】図3(a)は図2(c)の次工程を示す側断面図であり、図3(b)は図3(a)の次工程を示す側断面図であり、図3(c)は図3(b)の次工程を示す側断面図である。
【図4】図4は図3(c)の次工程を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明によるSiC基板生産物の製造方法の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
まず、本発明によるSiC基板生産物の製造方法の実施形態を説明する前に、本製造方法に好適に用いられる塗布装置の構成について説明する。図1は、本製造方法に用いられる塗布装置10の構成を示す概略図である。図1を参照すると、塗布装置10は、回転動力部11、回転制御部12、回転テーブル13、保持部材14、軸15、本体部16、およびスポイト20を備える。
【0018】
本体部16は、内部に回転動力部11を有している。回転動力部11で発生させた回転力は軸15を通じて回転テーブル13に伝達される。回転テーブル13には保持部材14が設けられている。さらに回転テーブル13には、基板100が載置される。保持部材14は、基板100の側面を保持する。また、回転動力部11は、回転制御部12により制御される。スポイト20は、基板100の主面又は裏面に樹脂を滴下する。
【実施例1】
【0019】
ここで、上記塗布装置10を用いたSiC基板生産物の製造工程について説明する。まず、図2(a)に示すように、基板100として、SiC基板1を用意する。SiC基板1は、互いに異なる内径を有する複数のマイクロパイプ110を含んでいる。複数のマイクロパイプ110は、互いに異なる内径を有する3つのマイクロパイプ111、112、113を含んでいる。マイクロパイプ111、112、113のうち、最も小さい内径を有するものはマイクロパイプ111であり、最も大きい内径を有するものはマイクロパイプ113である。ここで、マイクロパイプ111、112、113の内径は、数μmから100μm程度である。また、SiC基板1は、主面102、裏面103、及び側面104を有している。樹脂は主面102に塗布される。
【0020】
まず、SiC基板1を回転テーブル13に載置し、保持部材14によりSiC基板1の側面104を保持する。続いて、図2(a)に示すように、SiC基板1の主面102に樹脂121をスポイト20から滴下する。
【0021】
続いて、図2(b)に示すように、回転テーブル13を低速で回転させて樹脂121をSiC基板1の主面102に均一に塗布する第1の塗布工程を実施する。その後、回転テーブル13の回転を停止させる。続いて、塗布した樹脂121がSiC基板1の裏面103へ漏れているか否かを確認する検査工程を実施する。図2(b)に示すように、最も小さい内径を有するマイクロパイプ111は樹脂121により塞がれたが、マイクロパイプ112とマイクロパイプ113とは塞がれていない。そのため、樹脂121が裏面103へ漏れ出ることとなる。続いて、図2(c)に示すように、回転テーブル13を高速で回転させて、SiC基板1の主面102に均一に塗布された樹脂121を主面102から離脱させる。
【0022】
続いて、図3(a)に示すように、SiC基板1の主面102に、樹脂121が有する粘度よりも高い粘度を有する樹脂122をスポイト20から滴下する。続いて、図3(b)に示すように、回転テーブル13を低速で回転させて樹脂122をSiC基板1の主面102に均一に塗布する第2の塗布工程を実施する。その後、回転テーブル13の回転を停止させる。続いて、塗布した樹脂122がSiC基板1の裏面103へ漏れているか否かを確認する検査工程を実施する。図3(b)に示すように、マイクロパイプ112は樹脂122により塞がれたが、マイクロパイプ113は塞がれていない。そのため、樹脂122が裏面103へ漏れ出ることとなる。続いて、図3(c)に示すように、回転テーブル13を高速で回転させて、SiC基板1の主面102に均一に塗布された樹脂122を主面102から離脱させる。
【0023】
続いて、図4(a)に示すように、SiC基板1の主面102に、樹脂122が有する粘度よりもさらに高い粘度を有する樹脂123をスポイト20から滴下する。続いて、図4(b)に示すように、回転テーブル13を低速で回転させて樹脂123をSiC基板1の主面102に均一に塗布する第3の塗布工程を実施する。その後、回転テーブル13の回転を停止させる。続いて、塗布した樹脂123がSiC基板1の裏面103へ漏れているか否かを確認する検査工程を実施する。図4(c)に示すように、マイクロパイプ113は樹脂123により塞がれている。これにより、マイクロパイプ111、112、113が塞がれたため、塗布した樹脂121、122、123は、裏面103へ漏れ出ていない。
【0024】
続いて、主面102および裏面103を溶剤で洗浄する。続いて、塗布した樹脂121、122、123を硬化させる。ここでは、350℃の状態を1時間保持するキュアを実施することにより、樹脂121、122、123を完全に硬化させることができる。以上に説明した工程により、複数のマイクロパイプ110を樹脂121、122、123で塞いだSiC基板生産物1aを製造することができる。
【0025】
ここで、塗布する樹脂は、互いに異なる粘度を有する樹脂121、122、123を含んでいる。塗布する樹脂121、122、123としては、例えばポリアミドがある。ポリアミドはポリアミド酸とN−メチル−2−ピロリドンとで構成されており、ピロリドンの成分量を変えることにより粘度を変えることができる。ポリアミドの粘度を高くするためには、ピロリドンの成分量を減少させるか、又はポリアミドの温度を高める。ピロリドンの成分量が90%であるポリアミドは、約0.1Pa・sの粘度を有しており、数μmの内径を有するマイクロパイプを塞ぐことができる。なお、水及びエタノールの粘度は、約0.001Pa・sである。
【0026】
上記したSiC基板生産物の製造方法によれば、塗布工程毎に塗布する樹脂121、122、123の粘度を異ならせることにより、粘度の低い樹脂により内径の小さいマイクロパイプを塞ぐことができ、また、粘度の高い樹脂により内径の大きいマイクロパイプを塞ぐことができる。これにより、互いに異なる内径を有する複数のマイクロパイプ110を、互いに異なる粘度を有する樹脂121、122、123により塞ぐことができる。従って、簡易な方法によりSiC基板生産物1aを製造することができる。
【0027】
また、複数の塗布工程において、粘度の低い樹脂から順に塗布することにより、塗布する樹脂121、122、123を、内径の小さいマイクロパイプ111から順に、より確実にマイクロパイプ110の内部に流し込むことができる。
【0028】
また、塗布する樹脂121、122、123を熱硬化性樹脂とすることが好ましい。これにより、各工程において樹脂121、122、123の温度を互いに異ならせて、樹脂121、122、123の粘度を互いに異なるものにすることができる。
【0029】
また、塗布する樹脂121、122、123は少なくとも2つの互いに異なる材料を含んでいることが好ましい。これにより、樹脂121、122、123を構成する少なくとも2つの材料の組成比を各工程ごとに異ならせて、樹脂121、122、123の粘度を互いに異なるものにすることができる。
【0030】
また、複数の塗布工程において、塗布された樹脂121、122、123がSiC基板1の裏面103に漏れ出ていないことを確認することにより、SiC基板1の主面102から裏面103に通じる複数のマイクロパイプ110が塞がれたことが確認できる。これにより、複数のマイクロパイプ110を塞ぐ工程と、複数のマイクロパイプ110の有無を確認する工程とを並行して行うことが可能となり、別工程として実施していた複数のマイクロパイプ110の有無を確認する工程を省略することができる。
【0031】
上記したSiC基板生産物1aによれば、複数の塗布工程毎に塗布する樹脂121、122、123の粘度を異ならせることにより、互いに異なる内径を有する複数のマイクロパイプ110を樹脂121、122、123により塞ぐことができる。これにより、SiC基板1の主面102に塗布された薬品等が複数のマイクロパイプ110を通じてSiC基板1の裏面103に漏れ出すことを防ぐことができる。従って、SiC基板生産物1aは半導体結晶成長の成長基板として利用できる。なお、マイクロパイプの存在しているSiC基板上にマイクロパイプを引き継ぐ形でエピタキシャル成長された半導体層(図示せず)を有するSiC基板でも同様の効果を得ることができる。半導体層は、例えばGaN、AlNなどの窒化物半導体からなる。
【実施例2】
【0032】
まず、塗布する樹脂として、0.5Pa・sの粘度を有する感光性ポリアミドA及び1.5Pa・sの粘度を有する感光性ポリアミドBを準備する。続いて、SiC基板1に対して120℃の状態を3分間保持するベーキング処理を施す。
【0033】
続いて、SiC基板1を回転テーブル13に載置し、保持部材14によりSiC基板1の側面104を保持する。続いて、SiC基板1の主面102に感光性ポリアミドAをスポイト20から滴下する。続いて、回転テーブル13を1000rpmの回転数で30秒間回転させてポリアミドAをSiC基板1の主面102に均一に塗布する第1の塗布工程を実施する。その後、回転テーブル13の回転を停止させる。続いて、SiC基板1の主面102に感光性ポリアミドBをスポイト20から滴下する。続いて、回転テーブル13を1000rpmの回転数で30秒間回転させてポリアミドAをSiC基板1の主面102に均一に塗布する第2の塗布工程を実施する。その後、回転テーブル13の回転を停止させる。
【0034】
続いて、露光、現像およびキュアを実施し、感光性ポリアミドAおよびBを硬化させる。露光量は500mJ/cmである。なお、主面102に付着した感光性ポリアミドAおよびBは、酸素プラズマによるアッシングで除去されることができる。
【0035】
本発明によるSiC基板生産物の製造方法では、塗布する樹脂として上記した実施例2のような感光性ポリアミドA、Bを用いてもよい。これによって、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0036】
まず、塗布する樹脂として、0.5Pa・sの粘度を有する感光性ポリアミドA、1.5Pa・sの粘度を有する感光性ポリアミドB、2.0Pa・sの粘度を有する感光性ポリアミドC、および3.0Pa・sの粘度を有する感光性ポリアミドDを準備する。
【0037】
続いて、SiC基板1を回転テーブル13に載置し、保持部材14によりSiC基板1の側面104を保持する。続いて、SiC基板1の主面102に感光性ポリアミドAをスポイト20から滴下する。続いて、回転テーブル13を1000rpmの回転数で30秒間回転させて感光性ポリアミドAをSiC基板1の主面102に均一に塗布する第1の塗布工程を実施する。その後、回転テーブル13の回転を停止させる。続いて、SiC基板1の主面102に感光性ポリアミドBをスポイト20から滴下し、回転テーブル13を1000rpmの回転数で30秒間回転させて感光性ポリアミドBをSiC基板1の主面102に均一に塗布する第2の塗布工程を実施する。その後、回転テーブル13の回転を停止させる。
【0038】
続いて、SiC基板1の主面102に感光性ポリアミドCをスポイト20から滴下し、回転テーブル13を1000rpmの回転数で30秒間回転させて感光性ポリアミドCをSiC基板1の主面102に均一に塗布する第3の塗布工程を実施する。その後、回転テーブル13の回転を停止させる。続いて、SiC基板1の主面102に感光性ポリアミドDをスポイト20から滴下し、回転テーブル13を1000rpmの回転数で30秒間回転させて感光性ポリアミドDをSiC基板1の主面102に均一に塗布する第4の塗布工程を実施する。その後、回転テーブル13の回転を停止させる。
【0039】
続いて、露光、現像およびキュアを実施し、感光性ポリアミドA、B、CおよびDを硬化させる。露光量は500mJ/cmである。なお、主面102に付着した感光性ポリアミドA、B、CおよびDは、酸素プラズマによるアッシングで除去されることができる。
【0040】
本発明によるSiC基板生産物の製造方法では、塗布する樹脂として上記した実施例3のような感光性ポリアミドA、B、C及びDを用いてもよい。これによって、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
本発明によるSiC基板生産物の製造方法は、上記実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。上記実施例では塗布した樹脂を一括して硬化させる方法が例示されているが、本発明に係る方法は塗布工程と硬化工程とを交互に実施して、樹脂を塗布工程毎に硬化させてもよい。
【0042】
また、上記実施例では樹脂の粘度を異なるものとする方法として、各工程において樹脂の温度を互いに異なるものにする方法、及び各工程において樹脂の組成比を互いに異なるものにする方法が例示されている。例えば、各工程において、樹脂の材料を互いに異なるものにする方法を用いてもよいし、これらの方法を組合わせた方法を用いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…SiC基板、1a…SiC基板生産物、102…主面、110…マイクロパイプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロパイプを有するシリコンカーバイド基板の主面に樹脂を塗布することにより、前記マイクロパイプを前記樹脂により塞ぐ複数の塗布工程と、前記樹脂を硬化させる硬化工程とを有し、前記複数の塗布工程において、工程毎に前記樹脂の粘度を異ならせることを特徴とするシリコンカーバイド基板生産物の製造方法。
【請求項2】
前記複数の塗布工程では、粘度の低い前記樹脂から順に塗布することを特徴とする請求項1に記載のシリコンカーバイド基板生産物の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂は熱硬化性樹脂であって、前記複数の塗布工程における前記樹脂の温度が各工程において互いに異なることにより、各工程における前記樹脂の粘度が互いに異なることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコンカーバイド基板生産物の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂は少なくとも2つの互いに異なる材料を含んでおり、前記樹脂を構成する前記少なくとも2つの材料の組成比が各工程において互いに異なることにより、各工程における前記樹脂の粘度が互いに異なることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコンカーバイド基板生産物の製造方法。
【請求項5】
前記樹脂を構成する材料が、各工程において互いに異なることにより、各工程における前記樹脂の粘度が互いに異なることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコンカーバイド基板生産物の製造方法。
【請求項6】
前記複数の塗布工程で塗布された前記樹脂が、前記マイクロパイプを通じて前記シリコンカーバイド基板の裏面に漏れ出ていないことを確認する検査工程をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコンカーバイド基板生産物の製造方法。
【請求項7】
前記シリコンカーバイド基板の主面に半導体層を成長させる成長工程をさらに有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコンカーバイド基板生産物の製造方法。
【請求項8】
マイクロパイプを有するシリコンカーバイド基板の主面に、異なる粘度を有する複数の樹脂が塗布され、前記樹脂が硬化されることにより前記マイクロパイプが前記樹脂により塞がれたことを特徴とするシリコンカーバイド基板生産物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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