シリコーン化合物溶解剤
【課題】シリコーン化合物に対する溶解性に優れ、かつ、安全性、安定性に優れたシリコ
ーン化合物溶解剤及び、該溶解剤とシリコーン化合物を含有する組成物を提供することに
ある。
【解決手段】炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを
用いることによる。
【効果】炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを用い
ることで、シリコーン化合物との溶解性に優れ、かつ、安全性、安定性に優れたシリコー
ン化合物溶解剤を得ることができ、さらに該溶解剤とシリコーン化合物を含有する組成物
を得ることができる。
ーン化合物溶解剤及び、該溶解剤とシリコーン化合物を含有する組成物を提供することに
ある。
【解決手段】炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを
用いることによる。
【効果】炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを用い
ることで、シリコーン化合物との溶解性に優れ、かつ、安全性、安定性に優れたシリコー
ン化合物溶解剤を得ることができ、さらに該溶解剤とシリコーン化合物を含有する組成物
を得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを
含有するシリコーン化合物溶解剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在シリコーン化合物は様々な用途に利用されており、上市されているシリコーン化合
物の種類も多い。代表的な用途としては、撥水剤、消泡剤、離型剤、塗料、潤滑油等の各
種工業製品から医薬品、化粧品、食品に至るまで非常に幅広い分野で利用されている。シ
リコーン化合物の種類としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニ
ルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の一般シリコーン、各種変性
シリコーン、共重合系シリコーン等数多くあり、利用分野の拡大にともないその形状も多
様化している。また、使用される用途に合わせて、数mm2/sといった低粘度のものか
ら数百万mm2/s程度の非常に高粘度のものまである。ところが、一般にシリコーン化
合物は、各種油剤との相溶性が悪く、鉱物油、動植物油、ほとんどの合成エステルに対し
、不溶であり、特に高重合シリコーン(高粘度シリコーン)は極めて高粘度であるにも関
わらず、他の油剤との相溶性が悪いため、操作性が悪いことが知られている。これらの問
題を解決するものとして、特開平3−209345号公報及び特開平7−69980号公
報では、分岐モノエステルがシリコーン化合物溶解剤として提案されている。しかしなが
ら、これらの分岐モノエステルを溶解剤とした場合では溶解性の面で不十分であり、また
、化粧品用途に用いた場合、臭い、安全性、安定性に問題があった。
【特許文献1】特開平3−209345号公報
【特許文献2】特開平7−69980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
シリコーン化合物に対する溶解性に優れ、かつ、安全性、安定性に優れたシリコーン化
合物溶解剤及び、該溶解剤とシリコーン化合物を含有する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、炭素数6〜9の飽和分岐二
価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルをシリコーン化合物の溶解剤として用いる
ことによって、上記課題を解決することを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本
発明は、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを含有
するシリコーン化合物溶解剤、及び(A)炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオ
ペンタン酸とのジエステルを含有するシリコーン化合物溶解剤と(B)シリコーン化合物
を1種又は2種以上を含有する組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明に従えば、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエス
テルを用いることで、シリコーン化合物との溶解性に優れ、かつ、安全性、安定性に優れ
たシリコーン化合物溶解剤を得ることができ、さらに該溶解剤とシリコーン化合物を含有
する組成物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に用いる炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステ
ルは、ネオペンタン酸と炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとを常法に従ってエステ
ル化することによって製造できる低粘度のエステル油である。該エステルを構成する炭素
数6〜9の飽和分岐二価アルコールとしては、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロ
パンジオール、2、2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピ
ル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−sec−ブチル−1,3−プロパンジ
オール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,
5−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられるが
、シリコーン化合物への溶解性、安全性、安定性等から、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1
,3−プロパンジオールが好ましい。本発明に用いる炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコ
ールとネオペンタン酸とのジエステルとしては、ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ
ネオペンタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールが最も好ましい。こ
れらは常法に従ってエステル化することによって製造することができるが、市販品として
も入手可能である。
【0007】
本発明に用いるシリコーン化合物は、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチル
フェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の一般シリコーン;ア
ミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、高級脂肪
酸変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン等の各種変
性シリコーン;各種架橋シリコーン、共重合系シリコーン等をいう。それらシリコーン化
合物は25℃において数mm2/s程度の低粘度シリコーン化合物から数百万mm2/s
程度の高粘性物までを含み、その種類、形状に何ら制限はないが、特に、操作性(ハンド
リング、洗浄性など)、溶解性が著しく悪い難溶性シリコーン化合物を用いる場合には、
本発明のシリコーン化合物溶解剤は特に有効である。なお、本発明において、難溶性シリ
コーン化合物とは、25℃において、流動パラフィン(40℃における動粘度が12.3
0mm2/s)に対して溶解性が10質量%未満のシリコーン化合物をいう。このような
難溶性シリコーン化合物としては、種々の構造のシリコーン化合物を挙げることが出来る
が、特に、25℃において動粘度十万mm2/s以上のジメチコン、及びアミノ基を含有
するシリコーン化合物に対して本発明のシリコーン化合物溶解剤は有用である。難溶性シ
リコーン化合物の具体例としては、動粘度十万mm2/s以上の高重合ジメチコン、及び
、アミノプロピルジメチコン、高重合アミノプロピルジメチコン/ジメチコン共重合体、
高重合アミノエチルアミノプロピルジメチコン/ジメチコン共重合体、ジメチコンコポリ
オール、ジメチコノール高級脂肪酸エステルなどが挙げられる。
尚、本発明でいうシリコーン化合物の動粘度は、全て、円錐平板型回転粘度計を用いて
25℃で測定した粘度より算出したものである。
【0008】
本発明によれば、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエス
テルを含有する、安全性、安定性に優れたシリコーン化合物溶解剤を得ることができる。
本発明のシリコーン化合物溶解剤には、本発明の好ましい物性を損なわない範囲で、一般
的にシリコーン化合物溶解剤に配合される他の成分を含有させることができる。さらに、
本発明のシリコーン化合物溶解剤を用いることによって、安定性、安全性、操作性の良い
シリコーン化合物を含有する組成物、すなわち、(A)炭素数6〜9の飽和分岐二価アル
コールとネオペンタン酸とのジエステルを含有するシリコーン化合物溶解剤と(B)シリ
コーン化合物を1種又は2種以上を含有する組成物を得ることができる。ここで用いる炭
素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステル、及び、シリコー
ン化合物は、先に挙げたものを用いることができる。組成物への(A)成分と(B)成分
の配合量は、特に制限はないが、一般的には(A)成分0.1〜99.9重量%、(B)
成分0.01〜80重量%の範囲で配合することが好ましい。(A)成分と(B)成分の
配合比も、本発明のシリコーン化合物溶解剤の各種シリコーン化合物溶解性が優れるため
に、特に制限はないが、一般的には1:10〜100:1程度とすることが好ましい。
【0009】
本発明における組成物の用途としては、撥水剤、消泡剤、離型剤、化粧品、塗料、潤滑
油等の添加剤が挙げられる。用途には何ら制限はないが、安定性、安全性を必要とする化
粧品用途には特に有用である。
【0010】
本発明における組成物には、その他公知の撥水剤、消泡剤、離型剤、医薬品、化粧品、
塗料、潤滑油等に使用される成分を本発明の効果を損なわない範囲において、適宜配合す
ることができる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明につき実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものでない。
【0012】
実施例1 ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオールの合成
攪拌機、温度計、ガス導入管を備えた500mLの反応器にネオペンタン酸255g(
2.5モル)及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール(クラレ社製)118g(1.
0モル)を仕込み、窒素吹き込みながら150℃〜210℃で水を留去させつつ14時間
加熱、反応させた。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液で未反応のカルボン酸を水洗除
去し、減圧水蒸気脱臭を行い、目的の3−メチル−1,5−ペンタンジオールジネオペン
タン酸エステル254g(収率89%)をほぼ無色の液状物として得た。
赤外吸収スペクトル(ATR、neat):
2960、2873、1726,1282、1147cm−1
キャピラリーガスクロマトグラフィー分析(FID、面積百分率):
ジエステル99.4%、モノエステル0.1%、
ネオペンタン酸0.005%以下(検出限界以下)
粘度(B型粘度計、25℃):10mPa・s
【0013】
実施例2 ジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールの合成
攪拌機、温度計、ガス導入管を備えた500mLの反応器にネオペンタン酸178g(
1.75モル)、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール(協和油化社製)112
g(0.7モル)を仕込み、窒素吹き込みながら150℃〜210℃で水を留去させつつ
17時間加熱、反応させた。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液で未反応のカルボン酸
を水洗除去し、減圧水蒸気脱臭を行い、目的の2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオ
ールジネオペンタン酸エステル206g(収率90%)をごく薄い淡黄色の液状物として
得た。
赤外吸収スペクトル(ATR、neat):
2962、2875、1726,1282、1147cm−1
キャピラリーガスクロマトグラフィー分析(FID、面積百分率):
ジエステル99.3%、モノエステル0.7%、
ネオペンタン酸0.005%以下(検出限界以下)
粘度(B型粘度計、25℃):16.5mPa・s
【0014】
実施例3 ジネオペンタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールの合成
攪拌機、温度計、ガス導入管を備えた500mLの反応器にネオペンタン酸178g(
1.75モル)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(協和油化社製)
112g(0.7モル)を仕込み、窒素吹き込みながら150℃〜210℃で水を留去さ
せつつ30時間加熱、反応させた。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液で未反応のカル
ボン酸を水洗除去し、減圧水蒸気脱臭を行い、目的の2−ブチル−2−エチル−1,3−
プロパンジオールジネオペンタン酸エステル203g(収率88%)をほぼ無色の液状物
として得た。
赤外吸収スペクトル(ATR、neat):
2960、2871、1728,1281、1142cm−1
キャピラリーガスクロマトグラフィー分析(FID、面積百分率):
ジエステル98.9%、モノエステル1.0%、
ネオペンタン酸0.005%以下(検出限界以下)
粘度(B型粘度計、25℃):22.6mPa・s
【0015】
評価例1 溶解性及び臭い評価
実施例1〜3で得た本発明のシリコーン化合物溶解剤、比較として特開平3−2093
45号公報記載のイソノナン酸イソノニル、特開平7−69980号公報記載のネオペン
タン酸イソデシル、及び、オクタン酸セチル、並びに流動パラフィンを用いて、表1に示
したシリコーン化合物の溶解性、臭いを評価した。
(溶解性評価方法)
表1に記載したシリコーン化合物類(10質量%)にそれぞれの溶解剤(90質量%)
を添加し、攪拌下に一旦80℃まで加熱し、その後25℃まで冷却して、目視で不溶物の
有無により溶解性を評価した。結果を下記の評価基準に基づき表1に記載した。
○:25℃で完全に溶解している、×:不溶物が有る
(臭い評価方法)
各溶解剤5gを70mLの広口ガラスビンにとり、25℃で臭気を官能評価した。結果
を下記の評価基準に基づき表1に記載した。
○:無臭〜ほぼ無臭、△:やや臭いが有る、×:臭いが強い
(結果)
表1に示したとおり、本発明のシリコーン溶解剤は、シリコーン化合物の溶解性に優れ
たものであった。また、臭いも問題なく、シリコーン化合物溶解剤として優れるものであ
った。一方、比較として用いたエステル類は、シリコーン化合物類の溶解性に乏しい、若
しくは、臭いに難があるものであった。
【0016】
【表1】
【0017】
評価例2 皮膚刺激性評価
本発明のシリコーン溶解剤、特開平3−209345号公報記載のイソノナン酸イソノ
ニル、特開平7−69980号公報記載のネオペンタン酸イソデシルを用いて、下記の試
験方法に従ってパッチテストを実施し、皮膚刺激性の評価を行った。
(皮膚刺激性評価方法)
各溶解剤試料0.01gをフィンチャンバー(径8mm、大正製薬社製)を用いて、被
験者計10名(年齢22歳から52歳までの男性7名、女性3名)の上腕屈側部に、24
時間閉塞貼付した。貼付24時間を経過した時点で試料を除去し、除去後1時間後及び2
4時間後にそれぞれ皮膚の状態を観察して判定した。結果は表2に示した。
(判定基準)
−:反応なし、±:軽い紅斑、+:紅斑、++:紅斑、浮腫、
+++:紅斑、浮腫、丘疹、水疱
(結果)
表2に示したとおり、本発明のシリコーン溶解剤は皮膚刺激性が低く、優れるものであ
った。これに比べて、イソノナン酸イソノニルは皮膚刺激性が認められた。
【0018】
【表2】
【0019】
評価例3 安定性試験
本発明のシリコーン溶解剤、特開平3−209345号公報記載のイソノナン酸イソノ
ニル、特開平7−69980号公報記載のネオペンタン酸イソデシルを用いて、下記の試
験方法に従って酸化安定性試験及び加速安定性試験を行った。
(酸化安定性試験方法)
自動油脂安定性試験装置ランシマット679型(メトローム・シバタ株式会社製)を用い
て、試料3gを120℃、空気流量20L/Hrの条件で測定し、トラップ水のコンダク
タンスが上昇を始めるまでの時間(誘導時間)を酸化安定性の指標とした。結果は表3に
示した。
(加速安定性試験方法)
各溶解剤5gを70mLの広口ガラスビンにとり、50℃で3ヶ月保存した。保存前サン
プル、及び、3ヶ月保存サンプルにつき、臭いを下記評価基準に基づき官能評価した。結
果は表3に示した。
○:無臭〜ほぼ無臭、△:やや臭いが有る、×:臭いが強い、××:非常に臭いが強い。
(結果)
表3に示したとおり、本発明のシリコーン溶解剤は酸化安定性試験においては、誘導時
間が無く、48時間以上安定で、酸化安定性に優れるものであった。また、加速安定性試
験においても、50℃で3ヶ月保存しても臭いの悪化はほとんどなく、シリコーン化合物
溶解剤として優れるものであった。一方、イソノナン酸イソノニルは加速安定性にやや劣
り、ネオペンタン酸イソデシルは酸化安定性、加速安定性ともに劣るものであった。
【0020】
【表3】
【0021】
実施例4 組成物の調製とその安定性
表4のごとく、実施例1〜3で得た本発明のシリコーン化合物溶解剤に各種シリコーン化
合物を添加し、攪拌下に一旦80℃まで加熱して均一に混合後、室温まで冷却して、実施
例4−1〜4−6のシリコーン化合物溶解組成物を作成した。得られた組成物について2
5℃にて外観を目視で評価した。結果を下記の評価基準に基づき表4に記載した。
○:25℃で完全に溶解している、×:不溶物が有る。
さらに、組成物を50℃で3ヶ月放置し、加速安定性を評価した。結果を下記の評価基
準に基づき表4に記載した。
(加速安定性試験方法)
各溶解剤5gを70mLの広口ガラスビンにとり、50℃で3ヶ月保存した。保存前サン
プル、及び、3ヶ月保存サンプルにつき、臭いを下記評価基準に基づき官能評価した。結
果は表4に示した。
○:無臭〜ほぼ無臭、△:やや臭いが有る、×:臭いが強い
(結果)
表4に示したとおり、本発明のシリコーン溶解剤を含有する組成物は、透明に溶解し、
また、安定性も良好であった。
【0022】
【表4】
【0023】
実施例5、比較例1 トリートメント
実施例1〜3で得た本発明のシリコーン化合物溶解剤を、高重合ジメチコン及び/または
アミノプロピルジメチコンを含有するトリートメントに配合し、乳化状態を目視で評価し
た。また、実施例4で調製した組成物をトリートメントに配合し、同様に乳化状態を目視
で評価した。さらに、比較例として、シリコーン化合物のみを配合したものを評価した。
(トリートメントの調製方法)
A部、C部、それぞれを別容器に取り、80℃に加熱し溶解した。攪拌しながら、A部に
C部を徐々に添加し乳化させた。十分攪拌した後、冷却し、B部を加えた。
○:25℃で完全に溶解している、×:不溶物が析出している
(結果)
実施例1〜3で得たシリコーン化合物溶解剤を配合する、若しくは本発明の実施例4で得
た組成物を配合することで、乳化状態が良好で、不溶物の析出がないトリートメントを得
ることができた。一方、シリコーン化合物溶解剤を配合しない場合は、乳化状態が悪く、
不溶物が析出した。
【0024】
【表5】
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明により、安全性、安定性、操作性に優れたシリコーン化合物溶解剤を得ることが
できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを
含有するシリコーン化合物溶解剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在シリコーン化合物は様々な用途に利用されており、上市されているシリコーン化合
物の種類も多い。代表的な用途としては、撥水剤、消泡剤、離型剤、塗料、潤滑油等の各
種工業製品から医薬品、化粧品、食品に至るまで非常に幅広い分野で利用されている。シ
リコーン化合物の種類としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニ
ルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の一般シリコーン、各種変性
シリコーン、共重合系シリコーン等数多くあり、利用分野の拡大にともないその形状も多
様化している。また、使用される用途に合わせて、数mm2/sといった低粘度のものか
ら数百万mm2/s程度の非常に高粘度のものまである。ところが、一般にシリコーン化
合物は、各種油剤との相溶性が悪く、鉱物油、動植物油、ほとんどの合成エステルに対し
、不溶であり、特に高重合シリコーン(高粘度シリコーン)は極めて高粘度であるにも関
わらず、他の油剤との相溶性が悪いため、操作性が悪いことが知られている。これらの問
題を解決するものとして、特開平3−209345号公報及び特開平7−69980号公
報では、分岐モノエステルがシリコーン化合物溶解剤として提案されている。しかしなが
ら、これらの分岐モノエステルを溶解剤とした場合では溶解性の面で不十分であり、また
、化粧品用途に用いた場合、臭い、安全性、安定性に問題があった。
【特許文献1】特開平3−209345号公報
【特許文献2】特開平7−69980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
シリコーン化合物に対する溶解性に優れ、かつ、安全性、安定性に優れたシリコーン化
合物溶解剤及び、該溶解剤とシリコーン化合物を含有する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、炭素数6〜9の飽和分岐二
価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルをシリコーン化合物の溶解剤として用いる
ことによって、上記課題を解決することを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本
発明は、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを含有
するシリコーン化合物溶解剤、及び(A)炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオ
ペンタン酸とのジエステルを含有するシリコーン化合物溶解剤と(B)シリコーン化合物
を1種又は2種以上を含有する組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明に従えば、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエス
テルを用いることで、シリコーン化合物との溶解性に優れ、かつ、安全性、安定性に優れ
たシリコーン化合物溶解剤を得ることができ、さらに該溶解剤とシリコーン化合物を含有
する組成物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に用いる炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステ
ルは、ネオペンタン酸と炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとを常法に従ってエステ
ル化することによって製造できる低粘度のエステル油である。該エステルを構成する炭素
数6〜9の飽和分岐二価アルコールとしては、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロ
パンジオール、2、2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピ
ル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−sec−ブチル−1,3−プロパンジ
オール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,
5−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられるが
、シリコーン化合物への溶解性、安全性、安定性等から、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1
,3−プロパンジオールが好ましい。本発明に用いる炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコ
ールとネオペンタン酸とのジエステルとしては、ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ
ネオペンタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールが最も好ましい。こ
れらは常法に従ってエステル化することによって製造することができるが、市販品として
も入手可能である。
【0007】
本発明に用いるシリコーン化合物は、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチル
フェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の一般シリコーン;ア
ミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、高級脂肪
酸変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン等の各種変
性シリコーン;各種架橋シリコーン、共重合系シリコーン等をいう。それらシリコーン化
合物は25℃において数mm2/s程度の低粘度シリコーン化合物から数百万mm2/s
程度の高粘性物までを含み、その種類、形状に何ら制限はないが、特に、操作性(ハンド
リング、洗浄性など)、溶解性が著しく悪い難溶性シリコーン化合物を用いる場合には、
本発明のシリコーン化合物溶解剤は特に有効である。なお、本発明において、難溶性シリ
コーン化合物とは、25℃において、流動パラフィン(40℃における動粘度が12.3
0mm2/s)に対して溶解性が10質量%未満のシリコーン化合物をいう。このような
難溶性シリコーン化合物としては、種々の構造のシリコーン化合物を挙げることが出来る
が、特に、25℃において動粘度十万mm2/s以上のジメチコン、及びアミノ基を含有
するシリコーン化合物に対して本発明のシリコーン化合物溶解剤は有用である。難溶性シ
リコーン化合物の具体例としては、動粘度十万mm2/s以上の高重合ジメチコン、及び
、アミノプロピルジメチコン、高重合アミノプロピルジメチコン/ジメチコン共重合体、
高重合アミノエチルアミノプロピルジメチコン/ジメチコン共重合体、ジメチコンコポリ
オール、ジメチコノール高級脂肪酸エステルなどが挙げられる。
尚、本発明でいうシリコーン化合物の動粘度は、全て、円錐平板型回転粘度計を用いて
25℃で測定した粘度より算出したものである。
【0008】
本発明によれば、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエス
テルを含有する、安全性、安定性に優れたシリコーン化合物溶解剤を得ることができる。
本発明のシリコーン化合物溶解剤には、本発明の好ましい物性を損なわない範囲で、一般
的にシリコーン化合物溶解剤に配合される他の成分を含有させることができる。さらに、
本発明のシリコーン化合物溶解剤を用いることによって、安定性、安全性、操作性の良い
シリコーン化合物を含有する組成物、すなわち、(A)炭素数6〜9の飽和分岐二価アル
コールとネオペンタン酸とのジエステルを含有するシリコーン化合物溶解剤と(B)シリ
コーン化合物を1種又は2種以上を含有する組成物を得ることができる。ここで用いる炭
素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステル、及び、シリコー
ン化合物は、先に挙げたものを用いることができる。組成物への(A)成分と(B)成分
の配合量は、特に制限はないが、一般的には(A)成分0.1〜99.9重量%、(B)
成分0.01〜80重量%の範囲で配合することが好ましい。(A)成分と(B)成分の
配合比も、本発明のシリコーン化合物溶解剤の各種シリコーン化合物溶解性が優れるため
に、特に制限はないが、一般的には1:10〜100:1程度とすることが好ましい。
【0009】
本発明における組成物の用途としては、撥水剤、消泡剤、離型剤、化粧品、塗料、潤滑
油等の添加剤が挙げられる。用途には何ら制限はないが、安定性、安全性を必要とする化
粧品用途には特に有用である。
【0010】
本発明における組成物には、その他公知の撥水剤、消泡剤、離型剤、医薬品、化粧品、
塗料、潤滑油等に使用される成分を本発明の効果を損なわない範囲において、適宜配合す
ることができる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明につき実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものでない。
【0012】
実施例1 ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオールの合成
攪拌機、温度計、ガス導入管を備えた500mLの反応器にネオペンタン酸255g(
2.5モル)及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール(クラレ社製)118g(1.
0モル)を仕込み、窒素吹き込みながら150℃〜210℃で水を留去させつつ14時間
加熱、反応させた。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液で未反応のカルボン酸を水洗除
去し、減圧水蒸気脱臭を行い、目的の3−メチル−1,5−ペンタンジオールジネオペン
タン酸エステル254g(収率89%)をほぼ無色の液状物として得た。
赤外吸収スペクトル(ATR、neat):
2960、2873、1726,1282、1147cm−1
キャピラリーガスクロマトグラフィー分析(FID、面積百分率):
ジエステル99.4%、モノエステル0.1%、
ネオペンタン酸0.005%以下(検出限界以下)
粘度(B型粘度計、25℃):10mPa・s
【0013】
実施例2 ジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールの合成
攪拌機、温度計、ガス導入管を備えた500mLの反応器にネオペンタン酸178g(
1.75モル)、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール(協和油化社製)112
g(0.7モル)を仕込み、窒素吹き込みながら150℃〜210℃で水を留去させつつ
17時間加熱、反応させた。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液で未反応のカルボン酸
を水洗除去し、減圧水蒸気脱臭を行い、目的の2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオ
ールジネオペンタン酸エステル206g(収率90%)をごく薄い淡黄色の液状物として
得た。
赤外吸収スペクトル(ATR、neat):
2962、2875、1726,1282、1147cm−1
キャピラリーガスクロマトグラフィー分析(FID、面積百分率):
ジエステル99.3%、モノエステル0.7%、
ネオペンタン酸0.005%以下(検出限界以下)
粘度(B型粘度計、25℃):16.5mPa・s
【0014】
実施例3 ジネオペンタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールの合成
攪拌機、温度計、ガス導入管を備えた500mLの反応器にネオペンタン酸178g(
1.75モル)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(協和油化社製)
112g(0.7モル)を仕込み、窒素吹き込みながら150℃〜210℃で水を留去さ
せつつ30時間加熱、反応させた。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液で未反応のカル
ボン酸を水洗除去し、減圧水蒸気脱臭を行い、目的の2−ブチル−2−エチル−1,3−
プロパンジオールジネオペンタン酸エステル203g(収率88%)をほぼ無色の液状物
として得た。
赤外吸収スペクトル(ATR、neat):
2960、2871、1728,1281、1142cm−1
キャピラリーガスクロマトグラフィー分析(FID、面積百分率):
ジエステル98.9%、モノエステル1.0%、
ネオペンタン酸0.005%以下(検出限界以下)
粘度(B型粘度計、25℃):22.6mPa・s
【0015】
評価例1 溶解性及び臭い評価
実施例1〜3で得た本発明のシリコーン化合物溶解剤、比較として特開平3−2093
45号公報記載のイソノナン酸イソノニル、特開平7−69980号公報記載のネオペン
タン酸イソデシル、及び、オクタン酸セチル、並びに流動パラフィンを用いて、表1に示
したシリコーン化合物の溶解性、臭いを評価した。
(溶解性評価方法)
表1に記載したシリコーン化合物類(10質量%)にそれぞれの溶解剤(90質量%)
を添加し、攪拌下に一旦80℃まで加熱し、その後25℃まで冷却して、目視で不溶物の
有無により溶解性を評価した。結果を下記の評価基準に基づき表1に記載した。
○:25℃で完全に溶解している、×:不溶物が有る
(臭い評価方法)
各溶解剤5gを70mLの広口ガラスビンにとり、25℃で臭気を官能評価した。結果
を下記の評価基準に基づき表1に記載した。
○:無臭〜ほぼ無臭、△:やや臭いが有る、×:臭いが強い
(結果)
表1に示したとおり、本発明のシリコーン溶解剤は、シリコーン化合物の溶解性に優れ
たものであった。また、臭いも問題なく、シリコーン化合物溶解剤として優れるものであ
った。一方、比較として用いたエステル類は、シリコーン化合物類の溶解性に乏しい、若
しくは、臭いに難があるものであった。
【0016】
【表1】
【0017】
評価例2 皮膚刺激性評価
本発明のシリコーン溶解剤、特開平3−209345号公報記載のイソノナン酸イソノ
ニル、特開平7−69980号公報記載のネオペンタン酸イソデシルを用いて、下記の試
験方法に従ってパッチテストを実施し、皮膚刺激性の評価を行った。
(皮膚刺激性評価方法)
各溶解剤試料0.01gをフィンチャンバー(径8mm、大正製薬社製)を用いて、被
験者計10名(年齢22歳から52歳までの男性7名、女性3名)の上腕屈側部に、24
時間閉塞貼付した。貼付24時間を経過した時点で試料を除去し、除去後1時間後及び2
4時間後にそれぞれ皮膚の状態を観察して判定した。結果は表2に示した。
(判定基準)
−:反応なし、±:軽い紅斑、+:紅斑、++:紅斑、浮腫、
+++:紅斑、浮腫、丘疹、水疱
(結果)
表2に示したとおり、本発明のシリコーン溶解剤は皮膚刺激性が低く、優れるものであ
った。これに比べて、イソノナン酸イソノニルは皮膚刺激性が認められた。
【0018】
【表2】
【0019】
評価例3 安定性試験
本発明のシリコーン溶解剤、特開平3−209345号公報記載のイソノナン酸イソノ
ニル、特開平7−69980号公報記載のネオペンタン酸イソデシルを用いて、下記の試
験方法に従って酸化安定性試験及び加速安定性試験を行った。
(酸化安定性試験方法)
自動油脂安定性試験装置ランシマット679型(メトローム・シバタ株式会社製)を用い
て、試料3gを120℃、空気流量20L/Hrの条件で測定し、トラップ水のコンダク
タンスが上昇を始めるまでの時間(誘導時間)を酸化安定性の指標とした。結果は表3に
示した。
(加速安定性試験方法)
各溶解剤5gを70mLの広口ガラスビンにとり、50℃で3ヶ月保存した。保存前サン
プル、及び、3ヶ月保存サンプルにつき、臭いを下記評価基準に基づき官能評価した。結
果は表3に示した。
○:無臭〜ほぼ無臭、△:やや臭いが有る、×:臭いが強い、××:非常に臭いが強い。
(結果)
表3に示したとおり、本発明のシリコーン溶解剤は酸化安定性試験においては、誘導時
間が無く、48時間以上安定で、酸化安定性に優れるものであった。また、加速安定性試
験においても、50℃で3ヶ月保存しても臭いの悪化はほとんどなく、シリコーン化合物
溶解剤として優れるものであった。一方、イソノナン酸イソノニルは加速安定性にやや劣
り、ネオペンタン酸イソデシルは酸化安定性、加速安定性ともに劣るものであった。
【0020】
【表3】
【0021】
実施例4 組成物の調製とその安定性
表4のごとく、実施例1〜3で得た本発明のシリコーン化合物溶解剤に各種シリコーン化
合物を添加し、攪拌下に一旦80℃まで加熱して均一に混合後、室温まで冷却して、実施
例4−1〜4−6のシリコーン化合物溶解組成物を作成した。得られた組成物について2
5℃にて外観を目視で評価した。結果を下記の評価基準に基づき表4に記載した。
○:25℃で完全に溶解している、×:不溶物が有る。
さらに、組成物を50℃で3ヶ月放置し、加速安定性を評価した。結果を下記の評価基
準に基づき表4に記載した。
(加速安定性試験方法)
各溶解剤5gを70mLの広口ガラスビンにとり、50℃で3ヶ月保存した。保存前サン
プル、及び、3ヶ月保存サンプルにつき、臭いを下記評価基準に基づき官能評価した。結
果は表4に示した。
○:無臭〜ほぼ無臭、△:やや臭いが有る、×:臭いが強い
(結果)
表4に示したとおり、本発明のシリコーン溶解剤を含有する組成物は、透明に溶解し、
また、安定性も良好であった。
【0022】
【表4】
【0023】
実施例5、比較例1 トリートメント
実施例1〜3で得た本発明のシリコーン化合物溶解剤を、高重合ジメチコン及び/または
アミノプロピルジメチコンを含有するトリートメントに配合し、乳化状態を目視で評価し
た。また、実施例4で調製した組成物をトリートメントに配合し、同様に乳化状態を目視
で評価した。さらに、比較例として、シリコーン化合物のみを配合したものを評価した。
(トリートメントの調製方法)
A部、C部、それぞれを別容器に取り、80℃に加熱し溶解した。攪拌しながら、A部に
C部を徐々に添加し乳化させた。十分攪拌した後、冷却し、B部を加えた。
○:25℃で完全に溶解している、×:不溶物が析出している
(結果)
実施例1〜3で得たシリコーン化合物溶解剤を配合する、若しくは本発明の実施例4で得
た組成物を配合することで、乳化状態が良好で、不溶物の析出がないトリートメントを得
ることができた。一方、シリコーン化合物溶解剤を配合しない場合は、乳化状態が悪く、
不溶物が析出した。
【0024】
【表5】
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明により、安全性、安定性、操作性に優れたシリコーン化合物溶解剤を得ることが
できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを含有するシリ
コーン化合物溶解剤。
【請求項2】
炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルがジネオペン
タン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1
,5−ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオールから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載のシリコーン化合物溶解剤
。
【請求項3】
(A)請求項1または2に記載のシリコーン化合物溶解剤と(B)シリコーン化合物を
1種又は2種以上を含有する組成物。
【請求項4】
シリコーン化合物が、難溶性シリコーン化合物である請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
シリコーン化合物が、25℃における動粘度が10万mm2/s以上であるジメチルポリ
シロキサン(ジメチコン)、及び/またはアミノ基を含有するシリコーン化合物である請
求項3または4に記載の組成物。
【請求項1】
炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを含有するシリ
コーン化合物溶解剤。
【請求項2】
炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルがジネオペン
タン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1
,5−ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオールから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載のシリコーン化合物溶解剤
。
【請求項3】
(A)請求項1または2に記載のシリコーン化合物溶解剤と(B)シリコーン化合物を
1種又は2種以上を含有する組成物。
【請求項4】
シリコーン化合物が、難溶性シリコーン化合物である請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
シリコーン化合物が、25℃における動粘度が10万mm2/s以上であるジメチルポリ
シロキサン(ジメチコン)、及び/またはアミノ基を含有するシリコーン化合物である請
求項3または4に記載の組成物。
【公開番号】特開2006−265114(P2006−265114A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−81615(P2005−81615)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000231497)日本精化株式会社 (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000231497)日本精化株式会社 (60)
【Fターム(参考)】
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