説明

シリコーン基を含有するコポリマー、その製造及び使用

本発明は、イオノゲン及び/又はイオン基を有する少なくとも1種のモノマー及び少なくとも1種の架橋用モノマーを共重合形態で含むシリコーン基を含有するコポリマー、前記した種類のシリコーン基を含有するコポリマーの沈澱重合による製造方法及び前記コポリマーの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオノゲン及び/又はイオン基を有する少なくとも1種のモノマー及び少なくとも1種の架橋用モノマーを共重合形態で含むシリコーン基を含有するコポリマー、前記したシリコーン基を含有するコポリマーの沈澱重合による製造方法及び前記コポリマーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品、医薬品及び工業組成物に対してそのレオロジー特性に関する具体的な要件がしばしば課されている。前記組成物はしばしば添加剤、いわゆる増粘剤を用いて所望の適用形態に変換され得る。慣用の低分子量増粘剤の例は、脂肪酸のアルカリ金属及びアルミニウム塩、脂肪アルコール又はワックスである。しかしながら、公知の増粘剤は増粘しようとする配合物の使用分野に応じてしばしば不利を伴っている。例えば、増粘剤の増粘効果は満足できないことがあり、増粘剤の使用が望ましくないことがあったり、増粘しようとする配合物に増粘剤を配合することが例えば増粘しようとする化合物との適合性がないために邪魔になったり、完全に不可能なことがある。異なる活性物質をできるだけ低い割合で又はできるだけ少ない種類で用いて複雑な特性プロフィールを有する製品を提供することは困難なことが多い。例えば、良好なコンディショニング特性、すなわち調節する組成物の感覚特性に対して正の効果を有し、同時に組成物のレオロジー特性を調節できる化粧品及び他の組成物のためのポリマーが要望されている。加えて、消費者は化粧品及び医薬品に対して美的要件をますます求めている。例えば、化粧品及び医薬品の場合、現在ゲル形態で透明、不透明な製剤が好ましいとされている。従って、感覚特性及びレオロジーに関する特定の特性プロフィールを与えるのに適した化粧品上及び製薬上適合性のポリマーが要望されている。これらは、特に粒状の粉末に変換され、増粘しようとする組成物中に短時間で配合でき、それによって隔日に所望のレオロジー特性を与えることができるものである。
【0003】
レオロジー特性を調節するためにポリマーを使用することは公知である。これらのポリマーは、通常、粘度をその分子量に応じて調節できるという利点を有している。より高い粘度又はゲル様製剤を製造するための増粘剤としてポリマーを使用するときにしばしば生ずる1つの欠点は、ポリマーの分子量が高くなるにつれてその配合が通常より困難となり、結局、所望通りに溶解せずポリマーの膨潤しか観察されないこともしばしばである。
【0004】
国際公開第01/85821号は、ポリウレタン及びレオロジー特性を調節するためのその使用を記載している。
【0005】
米国特許第3,915,921号は、オレフィン性不飽和カルボン酸、C10−30アルキル(メタ)アクリレート及び適当ならば、少なくとも2つのエチレン性不飽和二重結合を有する架橋用モノマーを共重合形態で含むコポリマーを記載している。前記コポリマーは、中和形態で各種用途に対する増粘剤として役立つ。
【0006】
国際公開第97/21744号は、架橋アニオン性コポリマー及び水溶液系中の増粘剤及び分散剤としてのその使用を記載している。
【0007】
欧州特許出願公開第0982021号は、
A)50〜99重量%のモノエチレン性不飽和カルボン酸、及び
B)1〜50重量%の以下から選択される少なくとも1種のコモノマー
a)飽和C8−30アルコールとのモノエチレン性不飽和カルボン酸エステル、
b)N−C8−18アルキル−及びN,N−ジ−C8−18アルキルカルボキサミド、
c)脂肪族C8−30カルボン酸のビニルエステル、
d)C8−18アルキルビニルエーテル
及びこれらの混合物
の(部分)中和コポリマーの洗髪組成物を調製するための増粘剤としての使用を記載している。
【0008】
米国特許第4,395,524号及び同第4,432,881号は、増粘剤として作用するアミド基を含有するモノマーをベースとするコポリマーを記載している。
【0009】
ドイツ国特許出願公開第4213971号は、酸基を含有する少なくとも1種のオレフィン性不飽和モノマー、少なくとも1種のオレフィン性不飽和第4級アンモニウム化合物、適当ならば少なくとも1種のポリエーテル(メタ)アクリレート及び適当ならば少なくとも1種の架橋剤を共重合形態で含むコポリマー、及び化粧品であり得る水溶液系を増粘させるための増粘剤としてのその使用を記載している。
【0010】
欧州特許出願公開第893117号及び同第913143号は、架橋カチオン性コポリマー及び特に化粧品組成物中のヘアセッティングゲル形成剤としてのその使用を記載している。
【0011】
欧州特許出願公開第1064924号は、架橋カチオン性ポリマーのスキン化粧品及び外用剤中の、特に増粘剤としての使用を記載している。
【0012】
米国特許第5,015,708号は、(i)ビニルラクタム、(ii)酸基を含有するモノマー、及び(iii)特にエチレン性不飽和シリコーン化合物であり得る疎水性モノマーを含むターポリマーの沈澱重合による製造及びこれらのポリマーからの粉末の調製を記載している。
【0013】
国際公開第00/39176号は、0.05〜20モル%の少なくとも1個のカルボキシ基を有するアニオン性モノマー、0〜45モル%の少なくとも1個のアミノ基を有するカチオン性モノマー、及び適当ならば疎水性モノマー及び/又は架橋剤を共重合形態で含み、カチオン性モノマー対アニオン性モノマーのモル比が約2:1〜16:1である親水性、カチオン性、両性コポリマーを記載している。これらのシリコーン基を含有するコポリマーは特にボディケア組成物のレオロジー特性を調節するために使用できる。
【0014】
国際公開第04/058837号は、
a)少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種のエチレン性不飽和化合物、
b)少なくとも1個のカチオノゲン及び/又はカチオン基を有する少なくとも1種のエチレン性不飽和化合物、
c)アミド基を含有する少なくとも1種の不飽和化合物、及び適当ならば追加コモノマーをフリーラジカル共重合することにより得られる両性コポリマーを記載している。重合はグラフトベースの存在下で実施でき、前記グラフトベースは特にポリアルキレンオキシドを含むシリコーン誘導体であり得る。前記両性コポリマーを含む高分子電解質複合体及び前記シリコーン基を含有するコポリマー及び高分子電解質複合体を主成分とする化粧品又は医薬組成物も記載されている。
【0015】
米国特許出願公開第2006/0084586号は、ビニルアミド及びカルボン酸モノマーをベースとする架橋コポリマーを含むレオロジーを調節するヘアセッティング樹脂を記載している。ポリエーテル基及び/又はフリーラジカル重合可能な二重結合を有する少なくとも1種のシリコーン化合物の存在下でフリーラジカル重合することにより得られるポリマーは記載されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、化粧品、医薬品又は他の組成物のレオロジー特性を調節するのに適した新規なポリマーを提供することである。特に、これらのポリマーは、増粘しようとする処方物に容易に配合できる固体形態、特に粉末に変換できなければならない。更に、提供されるポリマーは、該ポリマーで調節される組成物の適用特性、特に感覚特性を改良すべきである。
【0017】
驚くことに、上記目的は、少なくとも1個のイオノゲン及び/又はイオン基を有する少なくとも1種のモノマー、少なくとも1種の架橋剤及び更に少なくとも1種のシリコーン化合物を共重合形態で含むコポリマーにより達成されることが見出された。
【0018】
従って、本発明は、
a)フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のイオノゲン及び/又はイオン基を有する少なくとも1種の化合物、及び
b)1分子あたり少なくとも2個のα,β−エチレン性不飽和二重結合を有するフリーラジカル重合可能な少なくとも1種の架橋用化合物を、
ポリエーテル基及び/又はフリーラジカル重合可能なオレフィン性不飽和二重結合を含む少なくとも1種のシリコーン化合物c)の存在下でフリーラジカル共重合することにより得られるシリコーン基を含有するコポリマーA)を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のシリコーン基を含有するコポリマーA)は慣用の重合方法、例えば溶液重合又はバルク重合により製造できる。特に有利な特性、すなわち、通常、慣用の重合方法で得られるコポリマーよりもより高い分子量を有し、より粉状製剤を形成しやすいコポリマーは沈澱重合方法に従う製造方法により得られる。従って、本発明の好ましい実施形態は、少なくとも1種の有機溶媒中で沈澱重合方法に従ってフリーラジカル共重合することにより得られるシリコーン基を含有するコポリマーA)である。本発明のコポリマーを製造するための1つの具体的実施形態では、特定の重合温度での分解温度及び/又は半減期が相互に異なる少なくとも2種のフリーラジカル開始剤を用いる。この場合、残留モノマー含量が特に少ないコポリマーを得ることができる。これは、特に高い方の温度で分解する開始剤をポリマーの沈澱が完了する前、好ましくはポリマーが沈澱し始める前に添加する場合に当てはまる。
【0020】
沈澱重合では、使用するモノマーは反応媒体(モノマー、溶媒)中に可溶性であるが、対応のポリマーは可溶性でない。形成するポリマーは、選択した重合条件下で不溶性となり、反応混合物から沈澱する。この方法では、他の重合方法(例えば、溶液重合)により得られるものよりも高い分子量を有し、有利にはレオロジー調節剤(特に、増粘剤)として特に適している両性コポリマーA)を得ることができる。
【0021】
本発明の目的で、表現「アルキル」は直鎖状及び分岐状アルキル基を含む。適当な短鎖アルキル基は、例えば直鎖状又は分岐状C1−7アルキル基、好ましくはC1−6アルキル基、特に好ましくはC1−4アルキル基である。これらには、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、オクチル等が含まれる。
【0022】
適当な長鎖C8−30アルキル及びC8−30アルケニル基は直鎖状及び分岐状のアルキル基及びアルケニル基である。天然及び合成脂肪酸及び脂肪アルコール並びにオキソアルコール中に存在するような主として線状のアルキル基が好ましく、適当ならば更にモノ−、ジ−又はポリ不飽和であってもよい。これらには、例えばn−ヘキシル(エン)、n−ヘプチル(エン)、n−オクチル(エン)、n−ノニル(エン)、n−デシル(エン)、n−ウンデシル(エン)、n−ドデシル(エン)、n−トリデシル(エン)、n−テトラデシル(エン)、n−ペンタデシル(エン)、n−ヘキサデシル(エン)、n−ヘプタデシル(エン)、n−オクタデシル(エン)、n−ノナデシル(エン)、アラキニル(エン)、ベヘニル(エン)、リグノセリニル(エン)、メリシニル(エン)等が含まれる。
【0023】
シクロアルキルは、好ましくはC5−8シクロアルキル、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルである。
【0024】
アリールは未置換及び置換アリール基を含み、好ましくはフェニル、トリル、キシリル、メシチル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニルであり、特にフェニル、トリル、キシリル又はメシチルである。
【0025】
以下、アクリル酸及びメタクリル酸から誘導できる化合物は時にアクリル酸から誘導される化合物に対して音節“(メタ)”を加えることにより短縮して称されることがある。
【0026】
本発明のコポリマーA)は、有利には通常条件(20℃)でゲルとして製剤化できる。「ゲル様コンシステンシー」は、液体よりも高い粘度を有し且つ自己支持性である、すなわち形状安定化カバーなしに付与された形状を維持する製剤により示される。しかしながら、ゲル様製剤は固体製剤とは対照的に剪断力を適用すると容易に変形される。ゲル様組成物の粘度は、好ましくは600以上〜約60000mPas、特に好ましくは6000〜30000mPasの範囲である。ゲルは好ましくはヘアジェルである。
【0027】
本発明の目的で、水溶性モノマー及びポリマーは20℃で水中に少なくとも1g/lの量で溶解するモノマー及びポリマーを意味する。水分散性モノマー及びポリマーは例えば撹拌により剪断力を加えると分散性粒子に分解するモノマー及びポリマーを意味する。親水性モノマーは好ましくは水溶性又は少なくとも水分散性である。本発明のコポリマーA)は、通常水溶性である。
【0028】
本発明のコポリマーA)は、20℃及び1013ミリバールで液体の少なくとも1種の化合物を含む組成物のレオロジー特性を調節するために適していることが特に有利である。本発明の目的で、「レオロジー特性の調節」は広い意味で理解される。よって、本発明のコポリマーA)は、通常、液体化合物のコンシステンシーを広範囲で増粘させるのに適している。液体化合物の基本的コンシステンシーに応じて、低粘度〜固体(もはや流動しない)の範囲の流動特性が、通常、コポリマーA)の使用量に応じて得られる。従って、「レオロジー特性の調節」は、特に液体の粘度の増加、ゲルのチキソトロピー特性の改善、ゲル及びワックスの固化等を意味すると理解される。
【0029】
具体的実施形態では、本発明のシリコーン基を含有するコポリマーA)はアニオノゲン及び/又はアニオン基及びカチオノゲン及び/又はカチオン基の両方を有している。シリコーン基を含有するコポリマーA)を製造するためには、反対に荷電/荷電し得るモノマーa)を、一緒に、すなわちモノマー対(“モノマー塩”)の形態で使用する。このモノマー組成物中のアニオノゲン及びアニオン基対カチオノゲン及びカチオン基のモル比は約1:1である(すなわち、1価モノマーを実質的に等モル量で使用する)。モノマー対は、重合のために使用する前に別々に調製できる。しかしながら、コポリマーの製造中に共使用(例えば、共供給)してモノマー対をin situ調製することが好ましい。
【0030】
モノマーa)
本発明のシリコーン基を含有するコポリマーA)は、化合物a)として、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のイオノゲン及び/又はイオン基を有する少なくとも1種の化合物を含む。成分a)は、重合のために使用される化合物(すなわち、成分a)、b)、c)、及び任意に存在するd)〜f))の全重量に基づいて好ましくは1〜99重量%、特に好ましくは5〜98重量%、とりわけ10〜97重量%の量で使用される。
【0031】
第1の好ましい実施形態において、コポリマーA)は、成分a)として、1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)を共重合形態で含む。具体的実施形態において、モノマーa)は専らアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する化合物a1)から選択される。
【0032】
好ましくは、成分a)はモノエチレン性不飽和カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a1)を含む。
【0033】
モノマーa1)には、3〜25個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸が含まれ、これらの酸はその塩又は無水物の形態でも使用され得る。その例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸及びフマル酸である。モノマーa1)には、4〜10個、好ましくは4〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸)の半エステル、例えばマレイン酸モノメチルも含まれる。モノマーa1)には、モノエチレン性不飽和スルホン酸及びホスホン酸、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシプロピルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びアリルホスホン酸も含まれる。モノマーa1)には、上記した酸の塩、特にナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩、並びにアミンとの塩も含まれる。モノマーa1)はそのまま又は相互の混合物として使用され得る。重量割合はすべて酸形態を参照している。
【0034】
好ましくは、成分a)は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a1)を含む。
【0035】
特に、成分a)はアクリル酸、メタクリル酸及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a1)を含む。
【0036】
更なる実施形態において、コポリマーA)は、1分子あたり少なくとも1個のカチオノゲン及び/又はカチオン基を有する少なくとも1種の化合物a2)を共重合形態で含む。具体的実施形態において、成分a)はカチオノゲン及び/又はカチオン基を有する化合物のみから構成される。
【0037】
好ましくは、成分a2)は、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸とアミン窒素上でモノ−又はジアルキル化されていてもよいアミノアルコールのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と少なくとも1個の第1級又は第2級アミノ基を有するジアミンのアミド、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキルアミン及びその誘導体、ビニル−及びアリル−置換窒素ヘテロ環、ビニル−及びアリル−置換ヘテロ芳香族化合物及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0038】
特に好ましい実施形態において、成分a)は、ビニル−置換ヘテロ芳香族化合物a2)として少なくとも1種のN−ビニルイミダゾール化合物を含む。具体的実施形態において、成分a)はN−ビニルイミダゾール化合物及び少なくとも1種のN−ビニルイミダゾール化合物を含む混合物から選択される。
【0039】
好ましくは、成分a2)のカチオノゲン及び/又はカチオン基は窒素含有基、例えば第1級、第2級及び第3級アミノ基、及び第4級アンモニウム基である。窒素含有基は、好ましくは第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム基である。荷電カチオン基はアミン窒素からプロトン化するか又は酸又はアルキル化剤を用いて4級化することにより生じ得る。これらには例えばカルボン酸(例えば、乳酸)又は鉱酸(例えば、リン酸、硫酸及び塩酸)、又はアルキル化剤としてC1−4アルキルハライド又はスルフェート(例えば、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチル及び硫酸ジエチル)が含まれる。プロトン化又は4級化は、通常、重合の前又は後に実施し得る。
【0040】
適当なN−ビニルイミダゾール化合物は、式:
【化1】

【0041】
(式中、R〜Rは、相互に独立して、水素、C1−4アルキル又はフェニル、好ましくはR〜Rは水素である)
を有する化合物である。
【0042】
更に、コポリマーは、モノマーa)として一般式(II):
【化2】

【0043】
(式中、R〜Rは、相互に独立して、水素、C1−4アルキル又はフェニルである)
を有する少なくとも1種のN−ビニルイミダゾール化合物を共重合形態で含むことが好ましい。
【0044】
一般式(II)を有する化合物の例を下表1に示す。
【表1】

【0045】
モノマーa2)として、1−ビニルイミダゾール(N−ビニルイミダゾール)及びN−ビニルイミダゾールを含む混合物が好ましい。
【0046】
上記N−ビニルイミダゾール化合物をプロトン化又は4級化して得られる化合物も適当なモノマーa2)である。この荷電モノマーa2)の例は4級化ビニルイミダゾール、特に3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド及びメトスルフェートである。適当な酸及びアルキル化剤を以下に挙げる。
【0047】
上記N−ビニルイミダゾール化合物に代えて又は加えて、コポリマーA)は少なくとも1個のカチオノゲン及び/又はカチオン基を有する少なくとも1種の他のモノマーa2)を共重合形態で含み得る。このモノマーa2)の割合は、重合のために使用される化合物の全重量に基づいて好ましくは0〜50重量%、特に好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
【0048】
少なくとも1種のN−ビニルイミダゾール化合物、具体的にはN−ビニルイミダゾールを唯一のモノマーa2)として使用する場合の好ましい割合は重合のために使用される化合物の全重量に基づいて3〜96重量%である。
【0049】
適当な化合物a2)は、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸とアミノアルコールのエステルである。好ましいアミノアルコールは、アミン窒素上でC1−8モノ−又はジアルキル化されているC2−12アミノアルコールである。前記エステルの適当な酸成分は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノブチル及びその混合物である。酸成分としてアクリル酸、メタクリル酸及びその混合物を使用することが好ましい。
【0050】
好ましいモノマーa2)は、N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びN,N−ジメチルアミノシクロヘキシル(メタ)アクリレートである。N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0051】
上記α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と少なくとも1個の第1級又は第2級アミノ基を有するジアミンのアミドも適当なモノマーa2)である。1個の第3級アミノ基及び1個の第1級又は第2級アミノ基を有するジアミンが好ましい。
【0052】
好ましいモノマーa2)は、例えばN−[tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド及びN−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミドである。N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及びN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド(DMAPMAM)が特に好ましい。
【0053】
具体的実施形態は、N−[3−ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及びN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドを含み、ビニルイミダゾール化合物を含まないコポリマーA)に関する。非常に具体的な実施形態において、成分a2)は、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/又はN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドのみから構成される。N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及びN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドの割合(両方が存在するならば合計で)は、重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて好ましくは2〜95重量%、特に好ましくは3〜60重量%である。
【0054】
N,N−ジアリルアミン及びN,N−ジアリル−N−アルキルアミン、その酸付加塩並びに4級化生成物も適当なモノマーa2)である。ここで、アルキルは好ましくはC1−24アルキルである。N,N−ジアリル−N−メチルアミン及びN,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウム化合物、例えばクロリド及びブロミドが好ましい。N,N−ジアリル−N−メチルアミンが特に好ましい。
【0055】
ビニルイミダゾールとは異なるビニル−及びアリル−置換窒素ヘテロ環、例えば2−及び4−ビニルピリジン、2−及び4−アリルピリジン及びその塩も適当なモノマーa2)である。
【0056】
架橋剤b)
コポリマーA)は、所望により少なくとも1種の架橋剤、すなわち2つ以上のエチレン性不飽和非共役二重結合を有する化合物を共重合形態で含み得る。
【0057】
架橋剤は、重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%の量で使用される。
【0058】
適当な架橋剤b)は、例えば少なくとも二価アルコールのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アリルエーテル又はビニルエーテルである。親アルコールのOH基が完全に又は部分的にエーテル化又はエステル化されていてもよい。しかしながら、架橋剤は少なくとも2個のエチレン性不飽和基を含む。
【0059】
親アルコールの例は二価アルコール、例えば1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ブタ−2−エン−1,4−ジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2,5−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールモノエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、3−チオペンタン−1,5−ジオール、並びにそれぞれ200〜10000の分子量を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラヒドロフランである。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのホモポリマーとは別に、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドのブロックコポリマー、或いはエチレンオキシド及びプロピレンオキシド基を組み入れたコポリマーを使用することも可能である。3個以上のOH基を有する親アルコールの例は、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエトキシシアヌル酸、ソルビタン、糖(例えば、スクロース、グルコース、マンノース)である。多価アルコールも勿論対応のエトキシレート又はプロポキシレートとしてエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応に従って使用され得る。多価アルコールはまずエピクロロヒドリンとの反応により対応のグリシジルエーテルに変換され得る。エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0060】
別の適当な架橋剤b)は、ビニルエステル、又は一価不飽和アルコールとエチレン性不飽和C3−6カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸又はフマル酸)のエステルである。前記アルコールの例は、アリルアルコール、1−ブテン−3−オール、5−ヘキセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、9−デセン−1−オール、ジシクロペンテニルアルコール、10−ウンデセン−1−オール、シンナミルアルコール、シトロネロール、クロチルアルコール又はシス−9−オクタデセン−1−オールである。しかしながら、一価不飽和アルコールを多塩基カルボン酸(例えば、マロン酸、酒石酸、トリメリト酸、フタル酸、テレフタル酸、クエン酸又はコハク酸)でエステル化することも可能である。
【0061】
別の適当な架橋剤b)は、不飽和カルボン酸(例えば、オレイン酸、クロトン酸、ケイ皮酸又は10−ウンデセン酸)と上記多価アルコールのエステルである。
【0062】
少なくとも2つの二重結合を有する直鎖状又は分岐状、線状又は環状、脂肪族又は芳香族炭化水素(ただし、脂肪族炭化水素の場合二重結合は共役していてはならない)、例えばジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、4−ビニル−1−シクロヘキサン、トリビニルシクロヘキサン、又は200〜20000の分子量を有するポリブタジエンも適当な架橋剤b)である。
【0063】
アクリルアミド、メタクリルアミド、及び少なくとも二官能性アミンのN−アリルアミンも架橋剤b)として適当である。前記アミンは、例えば1,2−ジアミノメタン、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ドデカンジアミン、ピペラジン、ジエチレントリアミン又はイソホロンジアミンである。アリルアミンと不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、又は上記した少なくとも二塩基性カルボン酸)のアミドも架橋剤b)として適当である。
【0064】
更に、トリアリルアミン及びトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、例えばトリアリルメチルアンモニウムクロリド又はメチルスルフェートが架橋剤b)として適当である。
【0065】
尿素誘導体、少なくとも二官能性アミド、シアヌレート又はウレタン(例えば、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素又はタルタルジアミド)のN−ビニル化合物、例えばN,N’−ジビニルエチレン尿素又はN,N’−ジビニルプロピレン尿素も適当である。
【0066】
別の適当な架橋剤b)はジビニルジオキサン、テトラアリルシラン又はテトラビニルシランである。
【0067】
勿論、上記した化合物b)の混合物を使用することも可能である。
【0068】
架橋剤b)として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジビニルエチレン尿素、トリアリルアミン及びトリアリルモノアルキルアンモニウム塩が非常に好ましい。
【0069】
シリコーン化合物c)
本発明のコポリマーA)は、少なくとも1種のシリコーン化合物と一緒に重合することにより製造される。シリコーン化合物c)の使用量は、重合のために使用される化合物の全重量に基づいて好ましくは0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%、とりわけ0.5〜15重量%、具体的には1〜10重量%である。
【0070】
適当なシリコーン化合物c)は、フリーラジカル重合可能なオレフィン性不飽和二重結合を有する化合物又は二重結合の代わりにポリエーテル基を有する化合物のいずれかである。勿論、フリーラジカル重合可能な二重結合及びポリエーテル基の両方を有する少なくとも1種の化合物も適当である。
【0071】
第1の実施形態において、シリコーン基を含有するコポリマーA)を製造するためのフリーラジカル共重合は、α,β−エチレン性不飽和二重結合を含まない少なくとも1種のポリエーテル含有シリコーン化合物c)の存在下で実施する。この場合、共重合は特に少なくとも1種の有機溶媒中での沈澱重合方法に従って実施する。この場合の重合温度は好ましくは少なくとも70℃、特に好ましくは少なくとも80℃である。前記成分c)の存在下でフリーラジカル共重合すると、有利な特性を有するコポリマーA)が生成する。これは、例えば成分c)の保護コロイド又は乳化剤としての作用に起因し得る。これは、例えばグラフトベースとしての成分c)に少なくとも部分的にグラフトすることによって生じ得る。しかしながら、グラフト以外のメカニズムも考えられる。本発明のシリコーン基を含有するコポリマーA)は、広い意味で、フリーラジカル共重合の生成物であり、例えば純粋なグラフトポリマー、成分c)の非グラフト化化合物とのグラフトポリマーの混合物、上記したモノマーのコポリマー及びこれらの任意の混合物を意味すると理解される。
【0072】
適当なシリコーン誘導体c)は、INCI名でジメチコンポリオール又はシリコーン界面活性剤として公知の化合物、例えばAbil(登録商標)(Th.Goldschmidt)、Alkasil(登録商標)(Rhone−Poulenc)、Silicone Polyol Copolymer(登録商標)(Genesee)、Belsil(登録商標)(Wacker)、Silwet(登録商標)(OSI)又はDow Corning(Dow Corning)の商品名で入手可能な化合物である。これらには、CAS番号が64365−23−7、68937−54−2、68938−54−5、68937−55−3の化合物が含まれる。適当な市販化合物はBelsil(登録商標)DMC 6031である。
【0073】
特に適当な化合物c)は以下の構造要素を含むものである。
【化3】

【0074】
上記式中、
基Rは同一でも異なっていてもよく、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール及びアリールアルキル、特にC1−8アルキル、C5−8シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから選択され、
、R及びRは、相互に独立して、Rについて上記した意味の1つを有するか、又は(CH1−6−OH、−(CH1−6−NHR(ここで、Rは水素、C1−8アルキル又はC5−8シクロアルキルである)、又は式(1.1):
−(CH1−6−O−(CHCHO)(CHCH(CH)O)−(C=O)−R (1.1)
(ここで、
式(1.1)中のアルキレンオキシド単位の順序は任意であり、
a及びbは、相互に独立して、0〜200の整数であり、ただしa及びbの合計は>0であり
cは0又は1であり、
は水素、C1−40アルキル、好ましくはメチルであり、c=0ならば無機酸のアニオンであってもよい)
を有する基であり、
ただし基R、R及びRの少なくとも1つは式(1.1)を有する基である。
【0075】
好ましくは、x及びyは、ポリシロキサンブロックの分子量が300〜30000であるように選択される。
【0076】
好ましくは、基Rは式(1.1)を有する基である。
【0077】
好ましくは、R及びRはC1−8アルキル、特にメチルである。
【0078】
好ましい基(1.1)はa+bの合計が5〜200であるものである。
【0079】
好ましくは、基Rはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル及びオクタデシル基、シクロ芳香族基(具体的には、シクロヘキシル)、芳香族基(具体的には、フェニル又はナフチル)、混合芳香族−脂肪族基(例えば、ベンジル又はフェニルエチル、トリル、キシリル)及び式(1.1)を有する基から選択される。
【0080】
特に適当な基Rは、c=1ならばRが1〜40個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル又はアリール基であり、更にイオノゲン基(例えば、NH、COOH、SOH)を有するものである。
【0081】
好ましい無機基Rは、c=0ならばホスフェート及びスルフェートである。
【0082】
特に好ましいシリコーン誘導体c)は、一般構造式:
【化4】

【0083】
(式中、Rは上に定義した式(1.1):
−(CH1−6−O−(CHCHO)(CHCH(CH)O)−(C=O)−R (1.1)
を有する基である)
を有するものである。具体的には、Wacker製Belsil(登録商標)DMC 6031である。
【0084】
更なる実施形態において、シリコーン化合物c)は少なくとも1個のポリシロキサン基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物である。
【0085】
ポリシロキサン基を有する適当なエチレン性不飽和モノマーc)は、例えば一般式V:
【化5】

【0086】
(式中、
Dは好ましくはビニル基、ビニル(C1−4アルキレン)基、アクリロイルオキシ(C1−4アルキレン)基及びメタクリロイルオキシ(C1−4アルキレン)基から選択されるエチレン性不飽和基であり、
は、それぞれ相互に独立して、C1−10アルキル、フェニル、ベンジル、C4−8シクロアルキル、並びに末端にアルキルエーテル、エステル又はアミド官能基を有し得るポリアルキレン、ポリオキシアルキレン及びポリアルキレンイミン基から選択される同一又は異なる基であり、
EはRについて記載した意味又はDについて記載した意味を有し、
aは1〜1000、好ましくは2〜250の整数である)
を有する化合物である。
【0087】
式Vを有する適当な化合物は、例えば全文を参照により組み入れる欧州特許出願公開第0408311号に記載されている。
【0088】
フリーラジカル重合可能な二重結合を有する別の適当な少なくとも1種のシリコーン化合物c)は、シロキサン基を含有するフリーラジカル重合可能なウレタン(メタ)アクリレートである。例えば欧州特許出願公開第0274699号に記載されており、アミノ基で官能化されているポリシロキサンをウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと反応させることにより得られる(メタ)アクリレート官能化オルガノポリシロキサン−ウレタンコポリマーが適当である。前記文献の開示内容は参照により本明細書に組み入れる。
【0089】
国際公開第2004/055088号に記載されている化合物が好ましい。化合物c)として、国際公開第00/12588号に記載されているようにシロキサン基を含有するフリーラジカル重合可能な少なくとも1種のウレタン(メタ)アクリレートを使用することも好ましい。これらは、
a)1分子あたり少なくとも1個の活性水素原子及び少なくとも1つのフリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合を含む少なくとも1種の化合物
b)少なくとも1種のジイソシアネート,
c)1分子あたり2個の活性水素原子を含む少なくとも1種の化合物、
d)1分子あたり少なくとも1個の活性水素原子及び少なくとも1個のシロキサン基を含む少なくとも1種の化合物
を組み込まれた形態で含むシロキサン基を含有するウレタン(メタ)アクリレートc)及びその塩である。
【0090】
本発明の目的で、表現「ウレタン(メタ)アクリレート」は、非常に一般的な用語で少なくとも1つのオレフィン性不飽和フリーラジカル重合可能な二重結合を有する化合物を含む。アリル性不飽和化合物も含まれる。加えて、表現「ウレタン(メタ)アクリレート」はウレタン基の代わりに又は加えて尿素基を有する化合物をも含む。イソシアネート基と第1級又は第2級アミノ基の反応中に尿素基が生ずる。
【0091】
成分c1):
適当な化合物c1)は、例えば、イソシアネート基に対して反応性であり、好ましくはヒドロキシ基、第1級及び第2級アミノ基から選択される基を更に少なくとも1個有する当業者に公知の慣用のビニル化合物である。これらには、例えばα,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と少なくとも二価アルコールのエステルが含まれる。使用され得るα,β−エチレン性不飽和モノ−及び/又はジカルボン酸は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等及びその混合物である。適当なアルコールは慣用のジオール、トリオール及びポリオール、例えば1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,5,2,2−ジメチルプロパンジオール−1,3,1,4−ジメチロールシクロヘキサン、1,6−ジメチロールシクロヘキサン、グリセロール、トリメチロールプロパン、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ソルビトール等である。この場合、化合物a)は例えばヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルエタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及び1,1,1−トリメチロールプロパン又はグリセロールのジ(メタ)アクリル酸エステルである。
【0092】
上記α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と第1級又は第2級アミノ基を有するC2−12アミノアルコールのエステル及びアミドも適当なモノマーc1)である。これらには、アミノアルキルアクリレート及びアミノアルキルメタクリレート、並びに例えばN−C1−8モノアルキル基を有するそのN−モノアルキル誘導体、例えばアミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(n−プロピル)アミノメチル(メタ)アクリレート、N−イソプロピルアミノメチル(メタ)アクリレート、好ましくはtert−ブチルアミノエチルアクリレート及びtert−ブチルアミノエチルメタクリレートが含まれる。これらには、N−(ヒドロキシ−C1−12アルキル)(メタ)アクリルアミド、例えばN−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等も含まれる。
【0093】
α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と2個の第1級アミノ基、2個の第2級アミノ基、又は1個の第1級アミノ基と1個の第2級アミノ基を少なくとも有するジ−及びポリアミンのアミドも適当なモノマーc1)である。これらの例には、アクリル酸及びメタクリル酸の対応アミド、例えばアミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等が含まれる。
【0094】
少なくとも1個のエポキシド基を有するエポキシド化合物と上記α,β−エチレン性不飽和モノ−及び/又はジカルボン酸及びその無水物の反応生成物も適当なモノマーc1)である。適当なエポキシド化合物の例はグリシジルエーテル、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等である。
【0095】
成分c2):
成分c2)は、慣用の脂肪族、シクロ脂肪族及び/又は芳香族ジイソシアネート、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート及びその異性体混合物、o−及びm−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びその混合物である。成分c2)は、好ましくはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、o−及びm−キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びその混合物である。所望により、当該化合物の最高3モル%をトリイソシアネートで置換してもよい。
【0096】
成分c3):
成分c3)の適当な化合物は、例えばジオール、ジアミン、アミノアルコール及びその混合物である。前記化合物の分子量は好ましくは約56〜280の範囲である。所望により、当該化合物の最高3モル%をトリオール又はトリアミンで置換してもよい。
【0097】
適当なジオールc3)は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメチロール、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−又はヘキサエチレングリコール及びその混合物である。ネオペンチルグリコール及び/又はシクロヘキサンジメチロールを使用することが好ましい。
【0098】
適当なアミノアルコールc3)は、例えば2−アミノエタノール、2−(N−メチルアミノ)エタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、1−エチルアミノブタン−2−オール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−4−アミノペンタン−2−オール等である。
【0099】
適当なジアミンc3)は、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン及び1,6−ジアミノヘキサンである。
【0100】
成分c3)の好ましい化合物は、約300〜5000、好ましくは約400〜4000、特に500〜3000の数平均分子量を有するポリマーである。これらには、例えばポリエステルジオール、ポリエーテルオール、α,ω−ジアミノポリエーテル及びその混合物が含まれる。エーテル基を含有するポリマーを使用することが好ましい。
【0101】
ポリエーテルオールc3)は、好ましくは共重合アルキレンオキシド単位を、ランダムに分布した形態又はブロック形態で含むポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン等)、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー、又はエチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドのブロックコポリマーである。
【0102】
適当なα,ω−ジアミノポリエーテルc3)は、例えばポリアルキレンオキシドをアンモニアを用いてアミノ化することにより製造され得る。
【0103】
適当なポリテトラヒドロフランc3)は、酸触媒(例えば、硫酸又はフルオロ硫酸)の存在下でテトラヒドロフランをカチオン重合することにより製造され得る。前記製造方法は当業者に公知である。
【0104】
好ましく使用され得るポリエステルジオールc3)は、約400〜5000、好ましくは500〜3000、特に600〜2000の数平均分子量を有している。
【0105】
適当なポリエステルジオールは、ポリウレタンの製造に慣用されているものすべて、特に芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、Na又はKスルホイソフタル酸等)、脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸又はコハク酸等)、及びシクロ脂肪族ジカルボン酸、(例えば、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)をベースとするものである。適当なジオールは、特に脂肪族ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、及び最高約3000の分子量を有する式:
HO−C(−R’)(−COOR”)−OH
(式中、R’はH又はCHであり、R”はC1−18アルキル、特にC1−12又はC1−8アルキルである)
を有するポリ(メタ)アクリレートジオールである。このタイプのジオールは、通常の方法で製造でき、市販されている(Goldschmidt製Tegomer(登録商標)グレードMD、BD及びOD)。
【0106】
芳香族及び脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールをベースとするポリエステルジオール、特に芳香族ジカルボン酸が全ジカルボン酸画分の10〜95モル%、特に40〜90モル%、好ましくは50〜85モル%を占め、残部が脂肪族ジカルボン酸であるものが好ましい。
【0107】
特に好ましいポリエステルジオールは、フタル酸/ジエチレングリコール、イソフタル酸/1,4−ブタンジオール、イソフタル酸/アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール、5−NaSO−イソフタル酸/フタル酸/アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸/エチレングリコール、イソフタル酸/アジピン酸/ネオペンチルグリコール、イソフタル酸/アジピン酸/ネオペンチルグリコール/ジエチレングリコール/ジメチロールシクロヘキサン及び5−NaSO−イソフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸/ネオペンチルグリコール/ジエチレングリコール/ジメチロールシクロヘキサンの反応生成物である。
【0108】
成分c3)の化合物は個々に又は混合物として使用され得る。
【0109】
成分c4):
好ましくは、成分c4)は、
一般式VI.1:
【化6】

【0110】
[式中、
c及びdは、相互に独立して、2〜8であり、
eは3〜100であり、
及びRは、相互に独立して、C1−8アルキル、ベンジル又はフェニルであり、
及びZは、相互に独立して、OH、NHR(ここで、Rは水素、C1−8アルキル又はC5−8シクロアルキルである)、又は式VII:
−O−(CHCHO)(CHCH(CH)O)−H (VII)
(ここで、式VII中のアルキレンオキシド単位の順序は任意であり、v及びwは、相互に独立して、0〜200の整数であり、ただしv及びwの合計は>0である)
を有する基である]
を有するポリシロキサン;
一般式VI.2:
【化7】

【0111】
[式中、
シロキサン単位の順序は任意であり、
f及びgは、相互に独立して、0〜100であり、ただしfとgの合計は少なくとも2であり、
hは2〜8の整数であり、
はOH、NHR(ここでRは水素、C1−8アルキル、C5−8シクロアルキル、又は式−(CH−NHを有する基であり、ここで、uは1〜10、好ましくは2〜6の整数である)、又は式VIIを有する基である]
を有するポリシロキサン;
一般式VI.3:
【化8】

【0112】
[式中、
pは0〜100の整数であり、
qは1〜8の整数であり、
及びRは、相互に独立して、C1−8アルキレンであり、
アルキレンオキシド単位の順序は任意であり、
r及びsは、相互に独立して、0〜200の整数であり、ただしr及びsの合計は>0である]
の反復単位を有するポリシロキサン;
一般式VI.4:
【化9】

【0113】
[式中、
はC1−8アルキレン基であり、
及びRは、相互に独立して、水素、C1−8アルキル又はC5−8シクロアルキルであり、
シロキサン単位の順序は任意であり、
x、y及びzは、相互に独立して、0〜100であり、ただしx、y及びzの合計は少なくとも3であり、
tは2〜8の整数であり、
は式VIII:
−(OCHCH(OCHCH(CH))−R (VIII)
(ここで、アルキレンオキシド単位の順序は任意であり、i及びjは、相互に独立して、0〜200整数であり、ただしi及びjの合計は>0であり、Rは水素又はC1−8アルキル基である)
を有する基である]
を有するポリシロキサン;
及びその混合物
から選択される。
【0114】
適当な実施形態によれば、一般式VI.1を有するポリシロキサンc4)は一般式VIIを有するアルキレンオキシド基を持たない。この場合、ポリシロキサンc4)は、好ましくは約300〜5000、好ましくは400〜3000の数平均分子量を有している。
【0115】
アルキレンオキシド基を持たない適当なポリシロキサンc4)は、例えばGoldschmidt製Tegomer(登録商標)グレードである。
【0116】
別の適当な実施形態によれば、ポリシロキサンc4)は、式VI.1(式中、少なくとも1個又は2個の基Z及び/又はZは一般式VIIを有する基である)を有するシリコーンポリ(アルキレンオキシド)コポリマーである。
【0117】
好ましくは、式VII中のvとwの合計はポリシロキサンc4)の分子量が約300〜30000の範囲であるように選択される。
【0118】
好ましくは、ポリシロキサンc4)中のアルキレンオキシド単位の総数、すなわち式VII中のvとwの合計は約3〜200、好ましくは5〜180の範囲である。
【0119】
別の適当な実施形態によれば、ポリシロキサンc4)は、一般式VIIを有する基Zを少なくとも1個有する式VI.2を有するシリコーンポリ(アルキレンオキシド)コポリマーである。
【0120】
好ましくは、式VII中のvとwの合計は、ポリシロキサンc4)の分子量が約300〜30000の範囲であるように選択される。好ましくは、ポリシロキサンc4)中のアルキレンオキシド単位の総数、すなわち式VII中のvとwの合計も約3〜200、好ましくは5〜180の範囲である。
【0121】
国際一般名“ジメチコン”で公知の適当なシリコーンポリ(アルキレンオキシド)コポリマーc4)はGoldschmidt製Tegopren(登録商標)グレード、Wacker製Belsil(登録商標)6031及びWitco製Silvet(登録商標)Lである。
【0122】
好ましい実施形態によれば、ポリシロキサンc4)は、少なくとも1個の基Z(ここで、ZはNHRであり、Rは水素又は式−(CH−NHである)を含む式VI.2を有するシリコーンポリ(アルキレンオキシド)コポリマーである。好ましくは、uは1〜10、好ましくは2〜6の整数である。これらには、例えばHuls製MAN and MARグレード、並びにWacker製Finishグレード(例えば、Finish WT 1270)が含まれる。
【0123】
好ましくは、ポリシロキサンc4)は少なくとも1種の一般式VI.3を有する化合物を含む。好ましくは、式VI.3中のR及びRは、相互に独立して、C2−4アルキレン基である。特に、R及びRは、相互に独立して、C2−3アルキレン基である。
【0124】
好ましくは、式VI.3を有する化合物の分子量は約300〜100000の範囲である。
【0125】
好ましくは、式VI.3中のpは1〜20(例えば、2〜10)の整数である。
【0126】
好ましくは、式VI.3を有する化合物中のアルキレンオキシド単位の総数、すなわちrとsの合計は約3〜200、好ましくは5〜180の範囲である。
【0127】
好ましくは、一般式VI.3の反復単位を含むポリシロキサンの末端基は(CHSiO、H、C1−8アルキル及びその混合物から選択される。
【0128】
アミノ基を含有し、一般式VI.3の反復単位を有する化合物は約2〜50、特に3〜20の範囲のアミン数を有する。
【0129】
式VI.3を有する適当なアルコキシル化シロキサン−アミンは、全文を参照により組み入れる国際公開第97/32917号に記載されている。市販されている化合物は、例えばWitco製Silsoft(登録商標)グレード(例えば、Silsoft(登録商標)A−843)である。
【0130】
好ましくは、式VI.4中の基RはC2−4アルキレン基である。
【0131】
好ましくは、式VI.4中のR及びRは、相互に独立して、水素又はC1−4アルキルである。
【0132】
好ましくは、x、y及びzの合計は、式VI.4を有する化合物の分子量が約300〜100000、好ましくは500〜50000の範囲であるように選択される。
【0133】
好ましくは、式VIIIを有する基中のアルキレンオキシド単位の総数、すなわちiとjの合計は約3〜200、好ましくは5〜80の範囲である。
【0134】
好ましくは、式VIII中の基Rは水素又はC1−4アルキルである。
【0135】
式VI.4を有する適当な化合物は例えばWitco製Silsoft(登録商標)A−858である。
【0136】
欧州特許出願公開第277816号に記載されているポリジメチルシロキサンも適当なポリシロキサンc4)である。
【0137】
適当ならば、本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、更に
c5)1分子あたり2個以上の活性水素原子及び少なくとも1個のイオノゲン及び/又はイオン基を含む化合物;
c6)一価アルコール、第1級又は第2級アミノ基を有するアミン、脂肪族、シクロ芳香族又は芳香族モノイソシアネート及びその混合物;
c7)1分子あたり少なくとも1個のイソシアネート基を更に含むα,β−エチレン性不飽和化合物;
及びその混合物
から選択される少なくとも1種の組み込み成分を含む。
【0138】
モノマーd)
好ましい実施形態において、本発明のコポリマーは、上記したモノマーa)〜c)に加えて、アミド基を含有し、一般式:
【化10】

【0139】
[式中、
基R〜Rの1つは式CH=CR−(ここで、RはH又はC1−4アルキルである)を有する基であり、他の基R〜Rは、相互に独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールであり;
及びRはこれらが結合しているアミド基と一緒に5〜8環原子を有するラクタムであってもよく;
及びRはこれらが結合している窒素原子と一緒に5〜7員ヘテロ環であってもよく、
ただし基R、R及びRの炭素原子の合計は多くとも8である]
を有する少なくとも1種の追加モノマーd)を共重合形態で含む。
【0140】
成分d)の化合物がアミド基のカルボニル炭素原子に加えて多くとも7個の追加炭素原子を有していることが好ましい。
【0141】
好ましくは、成分d)の化合物はα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の第1級アミド、飽和モノカルボン酸のN−ビニルアミド、N−ビニルラクタム、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸のN−アルキルアミド及びN,N−ジアルキルアミド、並びにその混合物から選択される。
【0142】
好ましいモノマーd)は、例えば1個以上のC1−6アルキル置換基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等)を有し得るN−ビニルラクタム及びその誘導体である。これらには、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム等が含まれる。
【0143】
N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムを使用することが特に好ましい。
【0144】
アクリルアミド及びメタクリルアミドも適当なモノマーd)である。
【0145】
アミド基のカルボニル炭素原子に加えて多くとも7個の追加炭素原子を有するα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の適当なN−アルキルアミド及びN,N−ジアルキルアミドは、例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、n−ペンチル(メタ)アクリルアミド、n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、n−ヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ピペリジニル(メタ)アクリルアミド、モルホリニル(メタ)アクリルアミド及びその混合物である。
【0146】
モノマーd)として適当な開鎖N−ビニルアミド化合物は、例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニル−N−メチルプロピオンアミド、N−ビニルブチルアミド及びその混合物である。N−ビニルホルムアミドを使用することが好ましい。
【0147】
式:
【化11】

【0148】
を有する化合物も適当なモノマーd)である。
【0149】
N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド及び上記した式を有する化合物を使用することが特に好ましい。
【0150】
本発明のコポリマーA)は、重合のために使用される化合物の全重量に基づいて好ましくは5〜95重量%、特に好ましくは10〜90重量%の少なくとも1種のモノマーd)を共重合形態で含む。
【0151】
モノマーe)
本発明のコポリマーA)は更に、少なくとも1種の疎水性モノマーe)を共重合形態で含み得る。この場合、コポリマーA)は、重合のために使用される化合物の全重量に基づいて好ましくは0.1〜30重量%、特に好ましくは0.2〜20重量%、特に0.5〜15重量%の少なくとも1種の疎水性モノマーe)を共重合形態で含む。
【0152】
適当な化合物e)は一般式IIIa)、IIIb)、IIIc)、IIId)及びIIIe):
【化12】

【0153】
[式中、
アルキレンオキシド単位の順序は任意であり;
k及びlは、相互に独立して、0〜1000の整数であり、ただしk及びlの合計は少なくとも5であり;
は水素又はC1−4アルキル、好ましくはメチルであり;
はC8−30アルキル又はC8−30アルケニルであり;
XはO又は式NR10(ここで、R10はH、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールである)を有する基である]
を有する化合物から選択される。
【0154】
式IIIa)(式中、XはOである)を有する適当なモノマーは、例えばn−オクチル(メタ)アクリレート、1,1,3,3−テトラメチルブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、アラキニル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセレニル(メタ)アクリレート、セロチニル(メタ)アクリレート、メリシニル(メタ)アクリレート、パルミトレイニル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、リノリル(メタ)アクリレート、リノレニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びその混合物である。
【0155】
式IIIa)(式中、XはNR10である)を有する適当なモノマーは、例えばn−オクチル(メタ)アクリルアミド、1,1,3,3−テトラメチルブチル(メタ)アクリルアミド、エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、n−ノニル(メタ)アクリルアミド、n−デシル(メタ)アクリルアミド、n−ウンデシル(メタ)アクリルアミド、トリデシル(メタ)アクリルアミド、ミリスチル(メタ)アクリルアミド、ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、パルミチル(メタ)アクリルアミド、ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、ノナデシル(メタ)アクリルアミド、アラキニル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド、リグノセレニル(メタ)アクリルアミド、セロチニル(メタ)アクリルアミド、メリシニル(メタ)アクリルアミド、パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、オレイル(メタ)アクリルアミド、リノリル(メタ)アクリルアミド、リノレニル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(n−オクチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−(n−オクチル)(メタ)アクリルアミド及びその混合物である。
【0156】
式IIIb)を有する適当なモノマーはC8−22アルキルビニルエーテル、例えばn−オクチルビニルエーテル、1,1,3,3−テトラメチルブチルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、n−デシルビニルエーテル、n−ウンデシルビニルエーテル、トリデシルビニルエーテル、ミリスチルビニルエーテル、ペンタデシルビニルエーテル、パルミチルビニルエーテル、ヘプタデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ノナデシルビニルエーテル、アラキニルビニルエーテル、ベヘニルビニルエーテル、リグノセレニルビニルエーテル、セロチニルビニルエーテル、メリシニルビニルエーテル、パルミトレイニルビニルエーテル、オレイルビニルエーテル、リノリルビニルエーテル、リノレニルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル及びその混合物である。
【0157】
式IIIc)及びIIId)において、kは好ましくは1〜500、特に3〜250の整数であり、lは好ましくは0〜100の整数である。
【0158】
式IIIc)中のRは、好ましくは水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル又はn−ヘキシル、特に水素、メチル又はエチルである。
【0159】
式IIIc)及びIIId)中のRは、好ましくはn−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、トリデシル、ミリスチル、ペンタデシル、パルミチル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、アラキニル、ベヘニル、リグノセレニル、セロチニル、メリシニル、パルミトレイニル、オレイル、リノリル、リノレニル、ステアリル、ラウリルである。
【0160】
式IIIc)中のXは、好ましくはO又はNHである。
【0161】
適当なポリエーテルアクリレートIIIc)は、例えば上記α,β−エチレン性不飽和モノ−及び/又はジカルボン酸、酸クロリド、酸アミド及び無水物とそのポリエーテルオールの重縮合物である。適当なポリエーテルオールは、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド及び/又はエピクロロヒドリンを出発アルコールR−OHと反応させることにより容易に製造できる。アルキレンオキシドは個々に、交互に又は混合物として使用できる。ポリエーテルアクリレートIIIc)は本発明に従って使用されるポリマーを製造するためにそれ自体で又は混合物として使用できる。
【0162】
適当なアリルアルコールアルコキシレートIIId)は、例えばアリルクロリドと対応ポリエーテルオールのエーテル化生成物である。適当なポリエーテルオールは、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド及び/又はエピクロロヒドリンを出発アルコールR−OHと反応させることにより容易に製造できる。アルキレンオキシドは個々に、交互に又は混合物として使用できる。アリルアルコールアルコキシレートIIId)は本発明に従って使用されるポリマーを製造するためにそれ自体で又は混合物として使用できる。
【0163】
適当なモノマーIIIe)はC8−30、好ましくはC8−22カルボン酸ビニルエステルである。これらには、例えばn−オクチルビニルエステル、1,1,3,3−テトラメチルブチルビニルエステル、エチルヘキシルビニルエステル、n−ノニルビニルエステル、n−デシルビニルエステル、n−ウンデシルビニルエステル、トリデシルビニルエステル、ミリスチルビニルエステル、ペンタデシルビニルエステル、パルミチルビニルエステル、ヘプタデシルビニルエステル、オクタデシルビニルエステル、ノナデシルビニルエステル、アラキニルビニルエステル、ベヘニルビニルエステル、リグノセレニルビニルエステル、セロチニルビニルエステル、メリシニルビニルエステル、パルミトレイニルビニルエステル、オレイルビニルエステル、リノリルビニルエステル、リノレニルビニルエステル、ステアリルビニルエステル、ラウリルビニルエステル及びその混合物が含まれる。
【0164】
モノマーf)
本発明のコポリマーA)は更に、成分e)とは異なるα,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸とC1−7アルカノールのエステル、IIIc)とは異なるポリエーテルアクリレート、C1−7アルキルビニルエーテル、IIId)とは異なるアリルアルコールアルコキシレート及びビニルアルコールとC1−7モノカルボン酸のエステルから選択される少なくとも1種のモノマーf)を共重合形態で含み得る。
【0165】
モノマーf)の割合は、好ましくは重合のために使用される化合物の全重量に基づいて最高40重量%である。追加モノマーf)の適当な使用量は、重合のために使用される化合物の全重量に基づいて0.1〜30重量%、特に1〜25重量%の範囲である。
【0166】
好ましくは、化合物f)は一般式IIIa)、IIIb)、IIIc)、IIId)及びIIIe):
【化13】

【0167】
[式中、
アルキレンオキシド単位の順序は任意であり;
k及びlは、相互に独立して、0〜1000の整数であり、ただしk及びlの合計は少なくとも5であり;
は水素又はC1−4アルキル、好ましくはメチルであり;
9*は水素、C1−8アルキル又はC3−8アルケニルであり;
XはO又は式NR10(ここで、R10はH、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールである)を有する基である]
を有する化合物から選択される。
【0168】
α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸とC1−7アルカノールの適当なエステルは、例えばメチル(メタ)アクリレート、メチルエタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチルエタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルエタクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート等である。好ましいモノマーf)はα,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸とC1−3アルカノールのエステル、特にメチルメタクリレートである。
【0169】
式IIIc)及びIIId)中のkは、好ましくは1〜500、特に3〜250の整数である。lは、好ましくは0〜100の整数である。
【0170】
式IIIc)中のRは、好ましくは水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル又はn−ヘキシル、特に水素、メチル又はエチルである。
【0171】
式IIIc)及びIIId)中のR9*は、好ましくは水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル又はn−ヘキシル、特に水素、メチル又はエチルである。
【0172】
式IIIc)中のXは、好ましくはO又はNHである。
【0173】
適当なポリエーテルアクリレートIIIc)は、例えば上記α,β−エチレン性不飽和モノ−及び/又はジカルボン酸、酸クロリド、酸アミド及び無水物とそのポリエーテルの重縮合物である。適当なポリエーテルオールは、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド及び/又はエピクロロヒドリンを水又は出発アルコールR9*−OHと反応させることにより容易に製造できる。アルキレンオキシドは個々に、交互に又は混合物として使用され得る。ポリエーテルアクリレートIIIc)は本発明に従って使用されるポリマーを製造するためにそれ自体で又は混合物として使用できる。
【0174】
適当なアリルアルコールアルコキシレートIIId)は、例えばアリルクロリドと対応ポリエーテルオールのエーテル化生成物である。適当なポリエーテルオールは、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド及び/又はエピクロロヒドリンを水又は出発アルコールR−OHと反応させることにより容易に製造できる。アルキレンオキシドは個々に、交互に又は混合物として使用できる。アリルアルコールアルコキシレートIIId)は本発明に従って使用されるポリマーを製造するためにそれ自体で又は混合物として使用できる。
【0175】
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びその混合物も適当な追加モノマーIIIe)である。
【0176】
モノマーg)
本発明のコポリマーA)は更に、成分a)〜f)とは異なる少なくとも1種のモノマーg)を共重合形態で含み、これと共重合される。
【0177】
モノマーg)の割合は、好ましくは重合のために使用される化合物の全重量に基づいて最高40重量%である。追加モノマーg)の適当な使用量は、重合のために使用される化合物の全重量に基づいて0.1〜25重量%、特に0.5〜20重量%である。
【0178】
好ましくは、成分g)は、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸とC2−30ジオールのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と第1級又は第2級アミノ基を有するC2−30アミノアルコールのアミド、ビニルアルコール及びアリルアルコールとC1−7モノカルボン酸のエステル、IIIc)及びIIIc)とは異なるポリエーテルアクリレート、ビニル芳香族、ビニルハライド、ビニリデンハライド、C1−8モノオレフィン、少なくとも2つの共役二重結合を有する非芳香族炭化水素及びその混合物から選択される。
【0179】
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルエタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルアクリレート及び3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルメタクリレートも適当な追加モノマーg)である。
【0180】
2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルエタクリルアミド、2−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、2−ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、3−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、3−ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、3−ヒドロキシブチルアクリルアミド、3−ヒドロキシブチルメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルアクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリルアミド、6−ヒドロキシヘキシルアクリルアミド、6−ヒドロキシヘキシルメタクリルアミド、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルアクリルアミド及び3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルメタクリルアミドも適当な追加モノマーg)である。
【0181】
アルキレンオキシド基を有するウレタン(メタ)アクリレートも適当なポリエーテルアクリレートg)である。前記化合物は全文を参照により組み入れるドイツ特許出願第19838851号(成分e2))に記載されている。
【0182】
エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ビニルフルオリド、ビニリデンフルオリド及びその混合物も適当な追加モノマーg)である。
【0183】
上記した追加モノマーg)はそれぞれ個々に、又は所望の混合物の形態で使用できる。
【0184】
−少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
−0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
を共重合形態で含むコポリマーA)が特に好ましい。
【0185】
−少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
−0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−20〜95重量%のビニルピロリドンd);
を共重合形態で含むコポリマーA)が特に好ましい。
【0186】
ビニルピロリドンに代えて又は加えて、ビニルカプロラクタムを使用することもできる。
【0187】
−少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
−0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−0.1〜20重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
を共重合形態で含むコポリマーA)が特に好ましい。
【0188】
−少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
−0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーf);
を共重合形態で含むコポリマーA)が特に好ましい。
【0189】
コポリマーA)の上記した実施形態は、更に少なくとも1種の化合物a2)、好ましくは少なくとも1種のN−ビニルイミダゾール化合物を共重合形態で含み得る。少なくとも1種のN−ビニルイミダゾール化合物の代わりに又は加えて、コポリマーA)の上記した実施形態は該化合物とは異なる少なくとも1種の化合物a2)を共重合形態で含み得る。これは、好ましくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物から選択される。
【0190】
−少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
−0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−20〜95重量%のビニルピロリドンd);
−0.1〜20重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
−5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーf);
を共重合形態で含むコポリマーA)が特に好ましい。
【0191】
ビニルピロリドンに代えて又は加えて、ビニルカプロラクタムを使用することもできる。
【0192】
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも2重量%の、少なくとも1種のN−ビニルイミダゾール化合物a2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも1重量%の、アニオノゲン又はアニオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa1)又はカチオノゲン又はカチオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa2);
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて0.05〜5重量%の、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な架橋用化合物b);
−0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−0〜95重量%の、アミド基を含有する少なくとも1種のモノマーd);
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて0〜40重量%の少なくとも1種の疎水性モノマーe);
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて0〜40重量%の少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られるシリコーン基を含有するコポリマーA)が特に好ましい。
【0193】
本発明のコポリマーA)の具体的実施形態はアニオン系両性コポリマーである。前記コポリマーは成分a1)としてアクリル酸、メタクリル酸又は混合物を含むことが好ましい。成分a2)としてはN−ビニルイミダゾール、N−[3−ジメチルアミノ)プロピル]−アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物が好ましい。
【0194】
好ましいアニオン系両性コポリマーA)は、
−メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
−N−ビニルイミダゾール、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a2);
−少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−少なくとも1種のシリコーン化合物c);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、アニオノゲン/アニオン基のカチオノゲン/カチオン基に対するモル比が少なくとも1:1であるものである。
【0195】
別の好ましいアニオン系両性コポリマーA)は、
−メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
−N−ビニルイミダゾール、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a2);
−少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて3〜35重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、アニオノゲン/アニオン基のカチオノゲン/カチオン基に対するモル比が少なくとも1.2:1であるものである。
【0196】
別の好ましいアニオン系両性コポリマーA)は、
−メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
−N−ビニルイミダゾール、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a2);
−少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて0.1〜10重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、アニオノゲン/アニオン基のカチオノゲン/カチオン基に対するモル比が少なくとも1.4:1であるものである。
【0197】
最後に挙げた3つのアニオン系両性コポリマーの場合、モノマーa1)の全重量に基づいて最高60重量%の成分a1)を少なくとも1種のモノマーd)、好ましくはビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタムで置換してもよい。
【0198】
また、製造のためにモノマーa1)及びa2)の少なくとも幾つかをモノマー対の形態で使用するアニオン系両性コポリマーA)が好ましい。
【0199】
特に好ましいシリコーン基を含有するアニオン性コポリマーA)は、
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも2重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
−5〜70重量%のメタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
−0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−20〜95重量%のビニルピロリドンd);
−0.1〜20重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
−5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られる。
【0200】
ビニルピロリドンに代えて又は加えて、ビニルカプロラクタムを使用することもできる。ビニルイミダゾールに代えて又は加えて、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/又はN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドを使用することもできる。
【0201】
特に好ましいシリコーン基を含有するアニオン性コポリマーA)は、
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも5重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
−5〜70重量%のメタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
−0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−20〜85重量%のビニルピロリドンd);
−5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種の追加モノマーf);
をフリーラジカル共重合することによっても得られる。
【0202】
ビニルピロリドンに代えて又は加えて、ビニルカプロラクタムを使用することもできる。ビニルイミダゾールに代えて又は加えて、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/又はN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドを使用することもできる。
【0203】
特に好ましいシリコーン基を含有するアニオン性コポリマーA)は、
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも5重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
−5〜70重量%のメタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
−0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−20〜85重量%のビニルピロリドンd);
−1〜20重量%の、C8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート及びその混合物、特にステアリルメタクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の追加モノマー;
をフリーラジカル共重合することによっても得られる。
【0204】
ビニルピロリドンに代えて又は加えて、ビニルカプロラクタムを使用することもできる。ビニルイミダゾールに代えて又は加えて、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/又はN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドを使用することもできる。
【0205】
具体的実施形態において、少なくとも5重量%の少なくとも1種のビニルイミダゾール化合物を共重合形態で含む上記したシリコーン基を含有するアニオン性コポリマーA)のすべては部分的又は完全に4級化される。適当な4級化剤は以下に特定されているものである。
【0206】
本発明のコポリマーA)の別の具体的な実施形態はカチオン系両性コポリマーである。前記コポリマーは、成分a1)として好ましくはアクリル酸、メタクリル酸又は混合物を含む。成分a2)としては、N−ビニルイミダゾール及びN−ビニルイミダゾールとN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/又はN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドの混合物が好ましい。
【0207】
好ましいカチオン系両性コポリマーA)は、
−メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
−N−ビニルイミダゾールa2);
少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−少なくとも1種のシリコーン化合物c);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、カチオノゲン/カチオン基のアニオノゲン/アニオン基に対するモル比が少なくとも6:1であるものである。
【0208】
別の好ましいカチオン系両性コポリマーA)は、
−メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
−N−ビニルイミダゾールa2);
−少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて3〜35重量%の少なくとも1種の好ましくはC1−6(メタ)アクリレートから選択されるモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、カチオノゲン/カチオン基のアニオノゲン/アニオン基に対するモル比が少なくとも6:1であるものである。
【0209】
別の好ましいカチオン系両性コポリマーA)は、
−メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
−N−ビニルイミダゾールa2);
−少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−0.1〜10重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、カチオノゲン/カチオン基のアニオノゲン/アニオン基に対するモル比が少なくとも6:1であるものである。
【0210】
最後に挙げた3つのカチオン系両性コポリマーの場合、成分a2)の全重量に基づいて最高50重量%のN−ビニルイミダゾールa2)を別のモノマー、好ましくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/又はN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドで置換してもよい。
【0211】
また、製造のためにモノマーa1)及びa2)の少なくとも幾つかをモノマー対の形態で使用するカチオン系両性コポリマーA)が好ましい。
【0212】
特に好ましいシリコーン基を含有するカチオン性コポリマーA)は、
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも2重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
−3〜70重量%の、好ましくはビニルイミダゾール化合物、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される、カチオノゲン又はカチオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa2);
−0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−0〜95重量%、好ましくは20〜95重量%のビニルピロリドンd);
−0〜20重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
−0〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られる。
【0213】
ビニルピロリドンに代えて又は加えて、ビニルカプロラクタムを使用することもできる。
【0214】
特に好ましいシリコーン基を含有するカチオン性コポリマーA)は、
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも2重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
−3〜50重量%の、好ましくはビニルイミダゾール化合物、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される、カチオノゲン又はカチオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa2);
−0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−20〜95重量%のビニルピロリドンd);
−5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することによっても得られる。
【0215】
ビニルピロリドンに代えて又は加えて、ビニルカプロラクタムを使用することもできる。
【0216】
特に好ましいシリコーン基を含有するカチオン性コポリマーA)は、
−重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも5重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)の少なくとも1種のモノマー対;
−3〜70重量%の、好ましくはビニルイミダゾール化合物、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される、カチオノゲン又はカチオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa2);
−0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤c)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
−0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
−20〜85重量%のビニルピロリドン;
−1〜20重量%の、C8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の追加モノマーe);
をフリーラジカル共重合することによっても得られる。
【0217】
ビニルピロリドンに代えて又は加えて、ビニルカプロラクタムを使用することもできる。
【0218】
具体的実施形態において、上記したシリコーン基を含有するカチオン性コポリマーA)のすべてを部分的又は完全に4級化してもよい。適当な4級化剤は以下に特定されているものである。無水4級化剤が好ましい。特に好ましい4級化剤はCH−Clである。
【0219】
具体的実施形態において、上記した成分a)〜c)及び任意成分のd)〜g)のフリーラジカル共重合は、共重合可能な二重結合を持たない少なくとも1種のポリエーテル含有化合物の存在下で実施する。こうして、シリコーン基を含有し、幾つかの有利な特性を有する特定コポリマーが得られる。これは、例えばポリエーテル成分の保護コロイド又は乳化剤としての作用に起因し得る。これは、例えばグラフトベースとしてのポリエーテル成分上に少なくとも部分的にグラフトすることにより生じ得る。しかしながら、グラフト化以外のメカニズムも考えられる。本発明のシリコーン基を含有するコポリマーは広い意味でフリーラジカル共重合の生成物からなり、例えば純粋なグラフトポリマー、ポリエーテル成分の非グラフト化合物とグラフトポリマーの混合物及びこれらの任意の混合物を意味すると理解される。
【0220】
所望により使用されるポリエーテル成分の量は、好ましくは重合のために使用する成分の全重量に基づいて0.1〜50重量%、特に好ましくは1〜25重量%である。
【0221】
適当なポリエーテル含有化合物は、例えばアルキレンオキシド反復単位を有する水溶性又は水分散性ノニオン性ポリマーである。アルキレンオキシド反復単位の割合は、好ましくは化合物の全重量に基づいて少なくとも30重量%である。適当なポリエーテル含有化合物は、例えば通常ノニオン性界面活性剤としても使用されるポリアルキレングリコールである。適当なポリアルキレングリコールは通常約150〜100000、好ましくは300〜50000、特に好ましくは500〜40000の数平均分子量を有する。適当なポリアルキレングリコールは、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン及びアルキレンオキシドコポリマーである。アルキレンオキシドコポリマーの製造に適したアルキレンオキシドは、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、1,2−及び2,3−ブチレンオキシドである。アルキレンオキシドコポリマーは、共重合アルキレンオキシド単位をランダムに分布した形態で、又はブロック形態で含み得る。エチレンオキシドのホモポリマー又はエチレンオキシドを含むコポリマーを使用することが有利である。好ましくは、エチレンオキシドに由来する反復単位の割合は40〜99重量%である。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー、エチレンオキシド及びブチレンオキシドのコポリマー、及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド及び少なくとも1つのブチレンオキシドのコポリマーが適当である。
【0222】
コポリマーA1)は当業者に公知の慣用方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合又は乳化重合により製造される。水中で適当な置換剤(例えば、NaClのような塩)を用いるW/W重合も適当である。
【0223】
溶液重合のための好ましい溶媒は水性溶媒、例えば水;及び水と水混和性溶媒、例えばアルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ヘキサノール及びシクロヘキサノール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコール)、二価アルコールのメチル又はエチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、数平均分子量が最高約3000であるポリエチレングリコール、グリセロール及びジオキサンの混合物が好ましい。水又は水/アルコール混合物(例えば、水/エタノール混合物)中で重合することが特に好ましい。溶液重合の場合の重合温度は好ましくは約30〜120℃、特に好ましくは40〜100℃の範囲である。
【0224】
シリコーン基を含有するコポリマーA)を沈澱重合により製造することが特に好ましい。
【0225】
沈澱重合を十分に無水の非プロトン性溶媒又は溶媒混合物、好ましくは酢酸エチル及び/又は酢酸n−ブチル中で実施することが好ましい。主として無水の非プロトン性溶媒又は溶媒混合物は水含量が多くとも5重量%の溶媒又は溶媒混合物を意味する。
【0226】
沈澱重合を70〜140℃、好ましくは75〜100℃、特に80〜95℃の範囲の温度で実施することが好ましい。生じたポリマー粒子は反応溶液から沈降し、慣用方法、例えば減圧を用いる濾過により単離できる。沈澱重合の場合、界面活性高分子化合物、好ましくはポリシロキサンをベースとする化合物を使用することが可能である。沈澱重合の場合、得られるポリマーは、通常、溶液重合で得られるものよりも高い分子量を有している。
【0227】
重合は、通常、大気圧下で実施するが、重合を減圧又は高圧下で実施することもできる。適当な圧力は1〜5バールの範囲である。
【0228】
ポリマーを製造するためには、モノマーをフリーラジカルを形成する開始剤を用いて重合する。
【0229】
フリーラジカル重合のために使用され得る開始剤はこの目的のために慣用されているペルオキソ及び/又はアゾ化合物、例えばペルオキシ二硫酸アルカリ金属又はアンモニウム、ジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、スクシニルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルピバレート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルペルマレエート、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルバメート、ビス(o−トリル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、tert−ブチルベルイソブチレート、tert−ブチルペルアセテート、ジ−tert−アミルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩又は2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)である。開始剤混合物又はレドックス開始剤システム(例えば、アスコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキソ二硫酸ナトリウム、tert−ブチルヒドロペルオキシド/二亜硫酸ナトリウム、tert−ブチルヒドロペルオキシド/ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、H/Cu)も適当である。
【0230】
具体的実施形態では、本発明のコポリマーを製造するために少なくとも2つの相中で実質的に独立して開始させ得る少なくとも2種のフリーラジカル開始剤を使用する。この場合、残留モノマー含量が特に低いコポリマーが得られる。
【0231】
共重合のためには、分解温度が相互に少なくとも10℃異なる少なくとも2種の開始剤を使用することが好ましい。本発明の範囲内で、分解温度は分子の50%が2.5時間以内にフリーラジカルに分解する温度と定義される。こうした手順の場合、コポリマーの沈澱が完了するまで共重合を低い方の分解温度以上〜高い方の分解温度未満の温度で実施し、沈澱後、更なる反応を高い方の分解温度以上の温度で実施することが好ましい。
【0232】
好ましくは、本発明の方法は、第1重合温度での第1重合期及び第1重合温度よりも高い第2重合温度での第2重合期を含み、開始剤の少なくとも1種が第1重合期の間にフリーラジカルに分解し、開始剤の少なくとも1種が第1重合期の間には実質的にフリーラジカルに分解せず、第2重合期の間にフリーラジカルに分解するように第1重合温度での半減期が異なる少なくとも2種の開始剤を重合のために使用する。こうした手順の場合、実質的にコポリマーが沈澱した後第2重合期を開始することが好ましい。「実質的に」コポリマーが沈澱した後とは、コポリマーの全重量に基づいて少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、特に少なくとも95重量%のコポリマーが沈澱した形態で存在することを意味する。
【0233】
開始剤の半減期は、例えば“Initiators for high polymers”,Akzo Noble,No.10737に記載されているように当業者に公知の慣用方法により測定できる。第1重合温度での第1重合開始剤の半減期及び第2重合温度での第2重合開始剤の半減期は好ましくは約1分〜3時間、特に好ましくは5分〜2.5時間の範囲である。所望により、高い方の温度で分解する開始剤が第2重合期の間に実質的にフリーラジカルに分解することが確実ならば、例えば1秒〜1分間のより短い半減期又は3時間以上のより長い半減期を使用することもできる。
【0234】
第1及び第2重合期に加えて、異なる重合温度での追加重合相を使用することができる。よって、例えば第1重合期を制御重合(すなわち、反応熱の結果としての望ましくない温度上昇、異常に高い反応速度等を避ける等)が生ずるように選択した第1重合温度で実施することができる。次いで、例えば第1重合温度以上〜第2重合温度以下であり、高い方の温度で分解する開始剤が実質的にフリーラジカルに分解しないように選択する温度で後重合を実施する。この後重合が完了した後、所望により、低い温度で分解する開始剤及び/又は後重合条件下で分解する別の開始剤を再び添加して、第2重合期を実施し得る。
【0235】
好ましくは、使用する開始剤系は、分解温度が少なくとも15℃相互に異なる少なくとも2種の開始剤を含む。
【0236】
低い方の温度で分解する開始剤は、好ましくは50〜100℃の分解温度を有する。
【0237】
高い方の温度で分解する開始剤は、好ましくは80〜150℃の分解温度を有する。
【0238】
高い方の温度で分解する開始剤を共重合の開始時に最初に導入するか、又はコポリマーが沈澱する前又はその間に添加することが好ましい。
【0239】
高い方の温度で分解する開始剤を共重合の開始時に最初に導入するか、又はコポリマーが沈澱する前に添加することが好ましい。
【0240】
好ましい開始剤の組合せにおいて、低い方の温度で分解する開始剤はTrigonox(登録商標)EHP(ビス(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート,CAS番号16111−62−9)であり、高い方の温度で分解する開始剤はtert−ブチルペルオキシピバレート(例えば、Atochem製Luperox 11 M75)、tert−ブチルペルオクトエート、ラウロイルペルオキシド(LPO,CAS番号105−74−8)又は2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオシ)ヘキサン(Trigonox(登録商標)101)から選択される。
【0241】
別の好ましい開始剤の組合せはTrigonox(登録商標)EHPとtert−ブチルペルオクトエートからなる。
【0242】
別の好ましい開始剤の組合せはラウロイルペルオキシドとtert−ブチルペルオクトエート又は2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(Trigonox(登録商標)101)からなる。
【0243】
別の好ましい開始剤の組合せはtert−ブチルペルオキシピバレート(Luperox 11 M75)とtert−ブチルペルオクトエート又は2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(Trigonox(登録商標)101)からなる。
【0244】
別の好ましい開始剤の組合せはtert−ブチルペルオクトエートと2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(Trigonox(登録商標)101)からなる。
【0245】
できるだけ純粋なポリマーを得るためには、ポリマーを例えば適当な溶媒(例えば、重合のためにも使用される溶媒)を用いる洗浄ステップにかけてもよい。
【0246】
コポリマーA)のアニオノゲン基(酸基)を塩基を用いて部分的又は完全に中和してもよい。ポリマーの中和のために使用できる塩基はアルカリ金属塩基、例えば水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウム;及びアルカリ土類金属塩基、例えば水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウム;及びアミンである。適当なアミンは、例えばC1−6アルキルアミン、好ましくはn−プロピルアミン及びn−ブチルアミン;ジアルキルアミン、好ましくはジエチルプロピルアミン及びジプロピルメチルアミン;トリアルキルアミン、好ましくはトリエチルアミン及びトリイソプロピルアミンである。アミノアルコール、例えばトリアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミン)、アルキルジアルカノールアミン(例えば、メチル−又はエチルジエタノールアミン)、及びジアルキルアルカノールアミン(例えば、ジメチルエタノールアミン及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール)が好ましい。特にヘアトリートメント組成物中に使用するためには、NaOH、KOH、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、ジエチルアミノプロピルアミン及びトリイソプロパノールアミンが酸基を含むポリマーを中和するために有用であることが判明した。酸基の中和は、2種以上の塩基の混合物(例えば、水酸化ナトリウム溶液及びトリイソプロパノールアミンの混合物)を用いても実施できる。所期の用途に応じて、中和は部分的又は完全に実施される。
【0247】
荷電カチオン基は、存在するカチオノゲン窒素含有基から例えば一塩基性又は多塩基性カルボン酸(例えば、乳酸又は酒石酸)又は鉱酸(例えば、リン酸、硫酸及び塩酸)を用いてプロトン化することにより、又は例えばアルキル化剤(例えば、C1−4アルキルハライド又はスルフェート)を用いて4級化することにより生じさせ得る。前記アルキル化剤の例は塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチル及び硫酸ジエチルである。
【0248】
本発明のコポリマーA)を4級化し且つ中和するならば、4級化をまず実施した後中和することが好ましい。
【0249】
有利には、本発明のシリコーン基を含有するコポリマーA)は水性活性物質又は作用物質組成物のレオロジー特性を調節するために適している。これらは、広い意味で例えば化粧品組成物、医薬組成物、衛生製品、ペイント、製紙産業及びテキスタイル産業用組成物であり得る。好ましい実施形態において、組成物は少なくとも1種の水溶性又は少なくとも水分散性活性物質又は作用物質を含む。本発明のコポリマーA)は、勿論少なくとも1種の水不溶性(疎水性)活性物質又は作用物質を含む組成物のレオロジー特性を調節するためにも適当である。
【0250】
本発明の目的で、「レオロジー特性を調節する」は広義に理解される。本発明に従って使用されるコポリマーA)は、通常、水性組成物のコンシステンシーを広い範囲内で増粘するために適している。液体組成物の基本的コンシステンシーを応じて、低粘度から固体(“もはや流動しない”という意味で)の範囲の流動特性が、通常、コポリマーA)の使用量に応じて得られる。従って、「レオロジー特性を調節する」は特に液体の粘度の増加、ゲルのチキソトロピー特性の改善、ゲル及びワックスの固化等を意味すると理解される。本発明の組成物は、好ましくは水性化粧品及び医薬品を製剤化するために適している。コポリマーA)の組成物は、通常、透明であることが好ましい。よって、製剤、特に化粧品製剤が組成物の固有の色により阻害されることなく着色されることが有利であり得る。更に、組成物は不透明〜透明ゲルの形態で製剤化できる。
【0251】
本発明のシリコーン基を含有するコポリマーA)は、pHによりコントロールされ得る特性を有するレオロジー調節剤として特に適している。よって、例えば上記したシリコーン基を含有するアニオン性コポリマーA)は6以上のpH範囲に対するpH−スイッチャブル増粘剤として適当である。上記したシリコーン基を含有するカチオン性コポリマーA)は6.5以下のpH範囲に対するpH−スイッチャブル増粘剤として適当である。実質的にプロトン化可能な基を持たないシリコーン基を含有する4級化コポリマーA)は、約2〜10のpHの範囲においてはpHに関係なくレオロジー調節剤として適当である。
【0252】
本発明のシリコーン基を含有するコポリマーA)は具体的には塩含有組成物に対するレオロジー調節剤としても適している。
【0253】
有利には、本発明のシリコーン基を含有するコポリマーA)はフィルム形成性及び/又はコンディショニングレオロジー調節剤としても作用する。これらのコポリマーA)は化粧品及び外皮用組成物、具体的にはヘアセッティング組成物中に“セッティング増粘剤”として、ヘアケア組成物中に“コンディショニング増粘剤”として適している。
【0254】
シリコーン基を含有するコポリマーA)は、均質相水性組成物を調製するためにも、更に少なくとも1種の水不溶性(疎水性)液体又は固体化合物を含む非均質相組成物を形成するためにも適している。「均質相水性組成物」は成分の数に関係なくたった1つの相しか有していない。「不均質相組成物」は2つ以上の非混和性成分の分散系である。これらには固体/液体、液体/液体及び固体/液体/液体組成物、例えば非混和性相として少なくとも1種の以下に詳記する油脂成分及び水を有するO/W及びW/O製剤のようなディスパージョン及びエマルジョンである。原則として、コポリマーA)は水相又は油相中のいずれかに使用され得る。通常、不均質相液体/液体組成物は実質的に水相中にコポリマーA)を含む。
【0255】
本発明のコポリマーA)は、実質的に水不溶性化合物に対する可溶化剤としても適当である。よって、本発明は、上に定義したシリコーン基を含有するコポリマーA)の25℃及び1013ミリバールで10g/l以下の水中溶解度を有する活性物質及び作用物質の水性製剤の製造のための可溶化剤としての使用をも提供する。
【0256】
更に、有利には本発明のコポリマーA)が保護コロイドとしても適当であることも見出された。よって、本発明は、上に定義したシリコーン基を含有するコポリマーA)のフリーラジカル水性乳化重合中の保護コロイドとしての使用をも提供する。
【0257】
上記した特性に基づいて、本発明のコポリマーA)は、広い意味で
A)上に定義したシリコーン基を含有する少なくとも1種のコポリマー、
B)少なくとも1種の活性物質又は作用物質、及び
C)適当ならば、A)ともB)とは異なり、助剤とも異なる少なくとも1種の追加活性物質
を含む活性物質又は作用物質組成物を製造するために適している。
【0258】
化粧品、薬剤、衛生組成物、テキスタイル処理組成物等に対する活性物質、すなわち、通常、低濃度でも効果(例えば、皮膚及び/又は毛髪に対して美容効果、生物内で薬理効果、クリーニング及び/又は殺菌効果、テキスタイルの変性(例えば、しわ無し仕上げ))を発揮する物質;及び生物又は無生物に対して特定の性質を与える作用物質(例えば、メーキャップ又はエマルジョンペイント用着色顔料)は、しばしば水性活性物質又は作用物質組成物の形態で製剤化され、適用され得る。
【0259】
活性物質及び作用物質組成物は、組成物の全重量に基づいて好ましくは約0.001〜50重量%、特に好ましくは0.01〜30重量%、とりわけ0.1〜20重量%の量でポリマー成分A)を含む。
【0260】
成分B)及びC)は組成物の所望する使用分野に従って選択される。使用分野で典型的な成分(例えば、特定の医薬活性物質)の他に、成分B)及びC)は担体、賦形剤、乳化剤、界面活性剤、保存剤、フレグランス、成分A)とは異なる増粘剤、ポリマー、ゲル形成剤、染料、顔料、光防護剤、コンシステンシー調節剤、酸化防止剤、消泡剤、静電防止剤、樹脂、溶媒、溶解促進剤、中和剤、安定化剤、滅菌剤、噴射剤、乾燥剤、乳白剤等から選択される。
【0261】
組成物は、好ましくは水、親水性成分、疎水性成分及びその混合物から選択される担体成分C)を有する。
【0262】
適当な親水性担体C)は、例えば好ましくは1〜8個の炭素原子を有する一価、二価又は多価アルコール(例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール等)である。
【0263】
適当な疎水性担体C)は、好ましくは
i)油脂、ワックス;
ii)iii)とは異なるC6−30モノカルボン酸と一価、二価又は多価アルコールのエステル;
iii)飽和非環状及び環状炭化水素;
iv)脂肪酸;
v)脂肪アルコール;
vi)噴射剤ガス;
及びその混合物
から選択される。
【0264】
適当なシリコーン油C)は、例えば線状ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、環状シロキサン及びその混合物である。ポリジメチルシロキサン及びポリ(メチルフェニルシロキサン)の数平均分子量は、好ましくは約1000〜150000g/モルである。好ましい環状シロキサンは4〜8員環を有する。適当な環状シロキサンは市販されており、例えばシクロメチコンの名前で市販されている。
【0265】
好ましい油脂成分C)は、パラフィン及びパラフィン油;ワセリン;天然油脂、例えばヒマシ油、大豆油、落花生油、オリーブ油、ひまわり油、ゴマ油、アボカド油、カカオ脂、アーモンド油、ピーチカーネル油、ヒマシ油、タラ肝油、豚脂、鯨ロウ、鯨油、まっこう鯨油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、月見草油、ホホバ油;脂肪アルコール、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール;脂肪酸、例えばミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、並びにこれらとは異なる飽和、不飽和及び置換脂肪酸;ワックス、例えば蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、鯨ろう;並びに上記した油脂成分の混合物から選択される。
【0266】
適当な化粧品上及び製薬上適合性の油脂成分C)は、参照により本明細書に組み入れられるKarl−Heinz Schrader,Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika[Fundamentals and formulations of cosmetics],第2版,ハイデルベルグに所在のVerlag Huthig発行,p.319−355に記載されている。
【0267】
本発明の組成物は、活性物質として、例えば化粧品及び/又は医薬活性物質B)として(及び適当ならば助剤C)として)本発明のシリコーン基を含有するコポリマーA)とは異なるポリマーを少なくとも1種含んでいてもよい。広い意味で、これらには、アニオン性、カチオン性、両性及び中性ポリマーが含まれる。
【0268】
アニオン性ポリマーの例は、アクリル酸及びメタクリル酸又はその塩のホモポリマー及びコポリマー、アクリル酸及びアクリルアミド及びその塩のコポリマー;ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、水溶性又は水分散性ポリエステル、ポリウレタン(例えば、BASF製Luviset PUR(登録商標))及びポリ尿素である。特に適当なポリマーは、t−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メタクリル酸のコポリマー(例えば、Luvimer(登録商標)100P)、エチルアクリレート及びメタクリル酸のコポリマー(例えば、Luvimer(登録商標)MAE)、N−tert−ブチルアクリルアミド、エチルアクリレート、アクリル酸のコポリマー(例えば、Ultrahold(登録商標)8、ストロング)、酢酸ビニル、クロトン酸及び適当ならば追加のビニルエステルのコポリマー(例えば、Luviset(登録商標)グレード)、適当ならばアルコールと反応させた無水マレイン酸コポリマー、アニオン性ポリシロキサン(例えば、カルボキシ官能性のもの)、t−ブチルアクリレート、メタクリル酸(例えば、Luviskol(登録商標)VBM)、アクリル酸及びメタクリル酸と疎水性モノマー(例えば(メタ)アクリル酸のC4−30アルキルエステル、C4−30アルキルビニルエステル、C4−30アルキルビニルエーテル及びヒアルロン酸)のコポリマーである。例えばResyn(登録商標)(National Starch)及びGafset(登録商標)(GAF)の名前で販売されているような酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、及び例えばLuviflex(登録商標)(BASF)の商品名で入手し得るビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマーもアニオン性ポリマーの例である。更に適当なポリマーは、Luviflex(登録商標)VBM−35(BASF)の名前で入手可能なビニルピロリドン/アクリレートターポリマー、及びスルホン酸ナトリウムを含有するポリアミド、又はスルホン酸ナトリウムを含有するポリエステルである。StepanからStepanhold−Extra及び−R並びにBF GoodrichからCarboset(登録商標)グレードの名前で販売されているようなビニルピロリドン/エチルメタクリレート/メタクリル酸コポリマーも適当である。
【0269】
適当なカチオン性ポリマーは、例えばポリクオタニウムのINCI名を有するカチオン性ポリマー、例えばビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)FC、Luviquat(登録商標)HM、Luviquat(登録商標)MS、Luviquat(登録商標)Care、Luviquat(登録商標)Supreme、Luviquat(登録商標)Care)、硫酸ジエチルで4級化されているN−ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(Luviquat(登録商標)PQ 11)、N−ビニルカプロラクタム/N−ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)Hold);カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム−4及び−10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム−7)及びキトサンである。Merquat(登録商標)(ジメチルジアリルアンモニウムクロリドを主成分とするポリマー)、Gafquat(登録商標)(ポリビニルピロリドンと第4級アンモニウム化合物を反応させることにより形成される第4級ポリマー)、ポリマーJR(カチオン基を有するヒドロキシエチルセルロース)及び植物由来のカチオン性ポリマー、例えばグアーポリマー(例えば、RhodiaのJaguar(登録商標)グレード)も適当なカチオン性(4級化)ポリマーである。
【0270】
中性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンと酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニルのコポリマー、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタム及びN−ビニルピロリドンとの他のコポリマー、ポリエチレンイミン及びその塩、ポリビニルアミン及びその塩、セルロース誘導体、ポリアスパラギン酸塩及び誘導体も非常に適当なポリマーである。これらには、例えばLuviflex(登録商標)Swing(ポリ酢酸ビニル及びポリエチレングリコールの部分けん化コポリマー(BASF))が含まれる。
【0271】
ノニオン性の水溶性又は水分散性ポリマー又はオリゴマー、例えばポリビニルカプロラクタム(例えば、Luviskol(登録商標)Plus(BASF))、又はポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、特にビニルエステル(例えば、酢酸ビニル)とのコポリマー(例えば、Luviskol(登録商標)VA 37(BASF));例えばドイツ特許出願公開第43 33 238号に記載されているようなイタコン酸と脂肪族ジアミンを主成分とするポリアミドも適当なポリマーである。
【0272】
両性又は両性イオン性ポリマー、例えばAmphomer(登録商標)(National Starch)の名前で入手可能なオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、及び例えばドイツ特許出願第39 29 997号、同第21 50 557号、同第28 17 369号及び同第37 08 451号に開示されているような両性イオン性ポリマーも適当なポリマーである。アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸又はメタクリル酸コポリマー、並びにそのアルカリ金属及びアンモニウム塩が好ましい両性イオン性ポリマーである。更に適当な両性イオン性ポリマーは、Amersette(登録商標)(AMERCHOL)の名前で市販されているメタクロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー、及びヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート及びアクリル酸のコポリマー(Jordapon(登録商標))である。
【0273】
ノニオン性のシロキサン含有水溶性又は水分散性ポリマー、例えばポリエーテルシロキサン(例えば、Tegopren(登録商標)(Goldschmidt)又はBelsil(登録商標)(Wacker))も適当なポリマーである。
【0274】
既に詳記したように、コポリマーA)は有利には水性相中の水に全く(又は、殆ど)溶解しない活性物質及び作用物質B)を安定化させるのに適しており、よって活性物質及び作用物質の水性組成物の調製を可能にする。コポリマーA)は、水性製剤(例えば、市販形態、投与形態又は活性形態)に変換され得る活性物質及び作用物質の固体製剤を調製するのにも適している。これは、固体組成物を(例えば、生物の消化管等に)適用した後でも起こり得る。
【0275】
本発明の範囲内で、本発明に従って使用されるポリマーA)を用いて達成される「溶解度の改善」は広義に理解される。第1には、活性物質が連続相としての水性媒体中に乳化されている及び/又は分散されている相(分散相)として存在している不均質系の安定化が含まれる。均質溶液への遷移段階、例えば分子分散溶液に変動するコロイド溶液の安定化も含まれる。水に殆ど又は全く溶解しない物質が透明な、多くの場合乳白色の水溶液に変換される過程の可溶化の意味での溶解度の改善も含まれる。最後に、いわゆる「固溶体」を形成する能力も含まれる。
【0276】
本発明の範囲で、低(貧)溶解度は活性物質又は作用物質の25℃及び1013ミリバールでの水中溶解度が10g/l未満、特に1g/l未満、具体的には0.1g/l未満であることを意味する。
【0277】
コポリマーA)を用いて製造される水不溶性活性物質又は作用物質の水性活性物質組成物は、連続相としての水性媒体に加えて、25℃/1013ミリバールで10g/l未満、特に1g/l未満、具体的には0.1g/l未満の水中溶解度を有しており、連続相中に分散又は可溶化している少なくとも1種の活性物質及び/又は作用物質B)、並びにシリコーン基を含有する少なくとも1種のコポリマーA)を含む。
【0278】
活性物質は非常に微細な形態で連続水性相中に存在している。これは、例えば活性物質がポリマーA)と水性相中で凝集物を形成しているという事実に起因し得る。前記凝集物は、通常1μm未満、多くの場合500nm未満、特に400nm未満、具体的には300nm未満の平均粒度を有している。ポリマー及び活性物質又は作用物質の種類に応じて、また濃度比に応じて、凝集物はもはや検出可能なばらばらの粒子の形態で存在せず、溶解した形態(粒度<10nm)で存在するくらい非常に小さい場合もある。
【0279】
本明細書中に記載されている粒度は、動的光散乱により確定され得る重量平均粒度である。この方法は、例えばD.Distler,Wassrige Polymerdispersionen[Aqueous polymer dispersions],Wiley−VCH,4.2.1章,p.40以降(1999)中のH.Wiese及びここに引用されている文献;及びH.Auweter,D.Horn,J.Colloid Interf.Sci.,105:399(1985);D.Lilge,D.Horn,Colloid Polym.Sci.,269:704(1991);又はH.Wiese,D.Horn,J.Chem.Phys.,94:6429(1991)から当業者に公知である。
【0280】
コポリマーA)は、有利には水中に全く又は殆ど溶解しないUV吸収剤に対する可溶化剤として使用され得る。
【0281】
用語「UV吸収剤」は、本発明に関連してUV−A、UV−B及び/又は広帯域フィルターを含む。
【0282】
有利な広帯域フィルター、UV−Aフィルター物質又はUV−Bフィルター物質は、例えば以下のクラスの化合物で表される。
【0283】
下記構造式:
【化14】

【0284】
(式中、R、R及びRは、相互に独立して、1〜10個の炭素原子を有する分岐状及び直鎖状アルキル基の群から選択され、又は単一水素原子である)
を有するビスレゾルシニルトリアジン誘導体。CIBA Chemikalien GmbHからTinosorb(登録商標)Sの商品名で入手し得る2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(INCI:アニソトリアジン)が特に好ましい。
【0285】
更に、構造単位:
【化15】

【0286】
を有する他のUVフィルター物質、例えば欧州特許出願公開第570838号に開示されおり、一般式:
【化16】

【0287】
[式中、
13は場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されている分岐状又は直鎖状C1−18アルキル基又はC5−12シクロアルキル基であり、
Zは酸素原子又はNH基であり、
14は場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されている分岐状又は直鎖状C1−18アルキル基又はC5−12シクロアルキル基、或いは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、又は式:
【化17】

【0288】
(式中、Aは場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されている分岐状又は直鎖状C1−18アルキル基、C5−12シクロアルキル基又はアリール基であり、R16は水素原子又はメチル基であり、nは1〜10の数である)、
を有する基であり、
15はXがNH基ならば、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されている分岐状又は直鎖状C1−18アルキル基又はC5−12シクロアルキル基であり、Xが酸素原子ならば、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されている分岐状又は直鎖状C1−18アルキル基又はC5−12シクロアルキル基、或いは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、又は式:
【化18】

【0289】
(式中、Aは場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されている分岐状又は直鎖状C1−18アルキル基、C5−12シクロアルキル基又はアリール基であり、R16は水素原子又はメチル基であり、nは1〜10の数である)
を有する基である]
で表される化学構造を有するs−トリアジン誘導体は本発明の目的で有利なUVフィルター物質である。
【0290】
更に、本発明の目的で特に好ましいUVフィルター物質は、式:
【化19】

【0291】
で表される化学構造を有する非対称に置換されているs−トリアジンである。これは、以下にジオクチルブチルアミドトリアゾン(INCI:ジエチルヘキシルブタアミドトリアゾン)としても記載されており、Sigma 3Vから商品名UVASORB(登録商標)HEBで入手可能である。
【0292】
BASF Aktiengesellschaftから商品名UVINUL(登録商標)で販売されている対称に置換されているs−トリアジン、4,4’,4”−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリイミノ)トリス安息香酸トリス(2−エチルヘキシルエステル)も本発明の目的で有利であり、この同義語は2,4,6−トリス[アニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)]−1,3,5−トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)である。
【0293】
加えて、欧州特許出願公開第775698号は、一般式:
【化20】

【0294】
(式中、R17及びR18は特にC3−18アルキル又はC2−18アルケニルであり、Aは芳香族基である)
で表される化学構造を有する好ましく使用されるビスレゾルシニルトリアジン誘導体を開示している。
【0295】
以下の化合物:
2,4−ビス{[4−(3−スルホナト)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−トキシフェニル)−1,3,5−トリアジンナトリウム塩、2,4−ビス{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−(2−メトキシエチルカルボキシル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−(2−エチルカルボキシル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(1−メチルピロル−2−イル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2”−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メキシフェニル)−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス{[4−(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’−ヘプタメチルシロキシ−2”−メチルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンも本発明の目的のために有利である。
【0296】
有利な油溶性UV−B及び/又は広帯域フィルター物質は、例えば3−ベンジリデンカンファー誘導体、好ましくは3−(4−メチルベンジリデン)カンファー又は3−ベンジリデンカンファー;4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)安息香酸(2−エチルヘキシル)エステル又は4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル;ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(BASFから商品名Uvinul(登録商標)M40で入手可能)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン又は2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(BASFから商品名Uvinul(登録商標)D 50で入手可能)である。
【0297】
本発明の目的で周囲温度で液体である特に有利なUVフィルター物質は、ホモメチルサリチレート、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル及びケイ皮酸エステル、好ましくは4−メトキシケイ皮酸(2−エチルヘキシル)エステル及び4−メトキシケイ皮酸イソペンチルエステルである。
【0298】
サリチル酸ホモメチル(INCI:ホモサレート)は、以下の構造:
【化21】

【0299】
で特徴づけられる。
【0300】
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(INCI:オクトクリレン)は、BASFから商品名Uvinul(登録商標)N 539Tで入手可能であり、以下の構造:
【化22】

【0301】
で特徴づけられる。
【0302】
2−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル(サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸オクチル、INCI:エチルヘキシルサリチレート)は、例えばHaarmann & Reimerから商品名Neo Heliopan(登録商標)OSで入手可能であり、以下の構造:
【化23】

【0303】
で特徴づけられる。
【0304】
4−メトキシケイ皮酸(2−エチルヘキシル)エステル(4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、INCI:エチルヘキシルメトキシシンナメート)は、例えばBASFから商品名Uvinul(登録商標)MC 80で入手可能であり、以下の構造:
【化24】

【0305】
で特徴づけられる。
【0306】
4−メトキシケイ皮酸イソペンチルエステル(4−メトキシケイ皮酸イソペンチル、INCI:イソアミルp−メトキシシンナメート)は、例えばHaarmann & Reimerから商品名Neo Heliopan(登録商標)E 1000で入手可能であり、以下の構造:
【化25】

【0307】
で特徴づけられる。
【0308】
本発明の目的で有利なジベンゾイルメタン誘導体は、特に4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン(CAS番号70356−09−1)であり、これはBASFから商品名Uvinul(登録商標)BMBM、Merckから商品名Eusolex(登録商標)9020で販売されており、以下の構造:
【化26】

【0309】
で特徴づけられる。
【0310】
更に有利なジベンゾイルメタン誘導体は、4−イソプロピル−ジベンゾイルメタン(CAS番号63250−25−9)であり、これはMerckから商品名Eusolex(登録商標)8020で販売されている。Eusolex 8020は以下の構造:
【化27】

【0311】
で特徴づけられる。
【0312】
ベンゾトリアゾールは以下の構造式:
【化28】

【0313】
(式中、R19及びR20は、相互に独立して、線状又は分岐状、飽和又は不飽和、置換(例えば、フェニル基で置換)又は未置換の1〜18個の炭素原子を有するアルキル基である)
で特徴づけられる。
【0314】
本発明の目的で有利なベンゾトリアゾールは、INCI名がドロメトリゾールトリシロキサンの2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]フェノール(CAS番号155633−54−8)であり、これはChimexから商品名Mexoryl(登録商標)XLで販売されており、以下の化学構造式:
【化29】

【0315】
で特徴づけられる。
【0316】
本発明の目的で有利な別のベンゾトリアゾールは、2,4’−ジヒドロキシ−3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−2’−(n−オクトキシ)−5−ベンゾイルジフェニルメタン、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(メチル)フェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ(t−アミル)フェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールである。
【0317】
本発明の目的で有利な別のUVフィルターは、欧州特許出願公開第0916335号に開示されており、一般式:
【化30】

【0318】
を有するジフェニルブタジエン化合物である。
【0319】
本発明の目的で有利な別のUV−Aフィルターは、欧州特許出願公開第0895776号に開示されており、以下の式:
【化31】

【0320】
を有する2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパンジカルボン酸ジエチルエステルである
以下の式:
【化32】

【0321】
を有するアミノ−置換ヒドロキシベンゾフェノンも本発明の目的のために有利であり、これはBASF Aktiengesellschaftから商品名UVINUL(登録商標)A PlusでUV−Aフィルターとして販売されている。
【0322】
本発明に従って使用されるコポリマーA)もレオロジー特性を調節するために、あらゆるタイプの医薬製剤中の可溶化剤として適している。
【0323】
従って、本発明は更に、
A)上に定義した、窒素原子を含有する少なくとも1種のハイパーブランチポリマー、
B)少なくとも1種の製薬上許容される活性物質、及び
C)適当ならば、少なくとも1種のB)とは異なる他の製薬上許容される活性物質又は助剤
を含む医薬組成物を提供する。
【0324】
具体的実施形態において、医薬組成物は、25℃及び1013ミリバールで10g/l未満の水中溶解度を有する製薬上許容される少なくとも1種の活性物質B)を含む。このために、コポリマーA)は殆ど溶解しない活性物質に対する可溶化剤として役立つ。本発明の医薬組成物の製剤基剤は、製薬上許容される助剤を含むことが好ましい。製薬上許容される助剤は医薬分野、食品テクノロジー分野及び関連分野で使用するために公知である助剤、特に当該薬局方(例えば、DAB、Ph、Eur、BP、NF)にリストされている助剤及び生理学的適用を妨げない特性を有している他の助剤である。
【0325】
適当な助剤は、滑沢剤、湿潤剤、乳化/懸濁剤、保存剤、酸化防止剤、抗刺激性物質、キレート化剤、エマルション安定化剤、フィルム形成剤、ゲル形成剤、においマスキング剤、樹脂、ヒドロコロイド、溶媒、可溶化促進剤、中和剤、浸透促進剤、顔料、第4級アンモニウム化合物、再脂肪剤及び過脂肪剤、軟膏基剤、クリーム基剤又は油性基剤、シリコーン誘導体、安定化剤、滅菌剤、噴射剤、乾燥剤、乳白剤、増粘剤、ワックス、柔軟剤又はホワイトオイルであり得る。これに関連する1つの実施形態は、例えばFiedler H.P.,Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie,Kosmetik und angrenzende Gebiete[Lexicon of auxiliaries for pharmacy,cosmetics and related fields],第4版,アウレンドルフに所在のECV−Editio−Cantor−Verlag(1996年)発行に記載されているような専門知識に基づいている。
【0326】
本発明の医薬組成物を製造するためには、活性物質を適当な助剤(賦形剤)と混合又は適当な助剤(賦形剤)で希釈し得る。賦形剤は、活性物質に対するビヒクル、担体又は媒体として作用し得る固体、半固体又は液体材料であり得る。所望により、当業者に公知の方法で追加助剤と混合する。これは、特に経口又は非経口適用のための水溶液又は可溶化物に関する。加えて、本発明に従って使用されるコポリマーは、経口投与形態(例えば、錠剤、カプセル剤、散剤又は溶液剤)で使用するのにも適している。これに関連して、前記コポリマーにより、溶解性の低い医薬を高いバイオアベイラビリティーで利用することができる。非経口適用では、エマルション(例えば、脂肪エマルション)を可溶化剤に加えて使用することができる。本発明のコポリマーA)は、殆ど溶解しない医薬を加工するためにこの目的でも適している。
【0327】
上記した種類の医薬組成物は、本発明に従って使用されるコポリマーA)を、公知及び新しい活性物質を用い、医薬活性物質とともに慣用の方法で処理することにより得られる。
【0328】
本発明に従う使用は、更に医薬用助剤及び/又は希釈剤を含む。補助溶媒、安定化剤及び保存剤が助剤として特に挙げられる。
【0329】
使用される医薬活性物質は水に全く又は殆ど溶解しない物質である。DAB 9(ドイツ薬局方)によれば、医薬活性物質の溶解度は、僅かに溶解する(30〜100部の溶媒中に溶解する)、殆ど溶解しない(100〜1000部の溶媒中に溶解する)、実質的に溶解しない(10000部以上の溶媒中にしか溶解しない)のカテゴリーに分類される。これに関連して、活性物質は上記のいずれの範囲のものでもよい。
【0330】
非経口的に適用され得る製剤に関連する上記した医薬組成物が特に好ましい。
【0331】
医薬組成物中のコポリマーA)の含量は活性物質に依存し、組成物の全重量に基づいて0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%の範囲である。
【0332】
原則として、すべての医薬活性物質及びプロドラッグが本発明の医薬組成物の製造に適している。これらにはベンゾジアゼピン、降圧薬、ビタミン、細胞分裂抑制薬(特に、タキソール)、麻酔薬、神経遮断薬、抗うつ薬、抗生物質、抗カビ薬、殺真菌薬、化学療法薬、泌尿器科薬、血小板凝集インヒビター、スルホンアミド、鎮痙薬、ホルモン、免疫グロブリン、血清、甲状腺治療薬、精神薬理薬、抗パーキンソン薬及び他の抗運動亢進薬、目薬、ニューロパシー製剤、カルシウム代謝調節剤、筋弛緩薬、麻薬、抗高脂血症薬、肝臓治療薬、冠動脈薬、強心薬、免疫治療薬、調節ペプチド及びそのインヒビター、催眠薬、鎮静薬、婦人科薬、抗痛風薬、線維素溶解薬、酵素製剤及び輸送タンパク質、酵素阻害剤、催吐薬、循環促進薬、利尿薬、診断薬、コルチコイド、コリン作動薬、胆管治療薬、抗喘息薬、抗気管支喘息薬、β−受容体ブロッカー、カルシウムアンタゴニスト、ACE阻害剤、抗動脈硬化薬、抗炎症薬、抗凝血薬、昇圧剤、血糖上昇薬、緊張低下薬、抗線維素溶解薬、抗てんかん薬、制吐薬、解毒薬、抗糖尿病薬、抗不整脈薬、抗貧血薬、抗アレルギー薬、駆虫薬、鎮痛薬、興奮薬、アルドステロンアンタゴニスト及びスリミング薬が含まれる。適当な医薬活性物質の例は、特に米国特許出願公開第2003/0157170号の段落0105〜0131に記載されている活性物質である。
【0333】
本発明の別の態様は、シリコーン基を含有するコポリマーA)の分子分散系における可溶化剤としての使用に関する。2つ以上の固体の均質な非常に微細に分散されている相である固体分散物、その特殊ケースである「固溶体」(分子分散系)、及びその製薬テクノロジーでの使用は一般的に公知である(Chiou及びRiegelmann,J.Pharm.Sci.,60:128−1300(1971)参照)。加えて、本発明は、本発明に従って使用しようとするコポリマーA)を少なくとも1種含む固溶体にも関する。
【0334】
固溶体の製造は溶融方法を用いて又は溶解方法に従って実施できる。
【0335】
本発明のコポリマーは高分子助剤、すなわち固体分散物又は固溶体を製造するための可溶化剤として適当である。
【0336】
溶融方法によれば、例えば活性物質B)及びコポリマーA)を秤量し、所望の比率(例えば、等しい部)で混合し得る。混合のためには例えばタンブラーミキサーが適当である。次いで、混合物を例えば2軸押出機を用いて押出す。こうして得られた本発明に従って使用される選択されたポリマー中に選択した活性物質を含む固溶体からなる冷却生成物ストランドの直径は、押出機の多孔板の孔の直径に依存する。冷却生成物ストランドを回転ナイフを用いて切断することにより円筒状粒子が得られ、粒子の長さは多孔板とナイフの距離に依存する。円筒状粒子の平均直径は一般的には約1000〜約3000μmであり、長さは一般的には約2000〜約5000μmである。より大きい押出し物は下流ステップで微粉砕される。
【0337】
或いは、固溶体は溶解方法によっても製造できる。このためには、活性物質B)及びコポリマーA)を、通常、適当な溶媒中に溶解する。その後、溶液を、通常、適当な型に注入し、溶媒を例えば乾燥により除去する。乾燥条件は活性物質の特性(例えば、熱不安定)及び溶媒の特性(例えば、沸点)に従って選択することが有利である。
【0338】
材料の特徴を考慮すると、生じた成形品又は押出し物を例えば適当なミル(例えば、ピンミル)を用いて微粉砕してもよい。固溶体が約2000μm未満、好ましくは約1000μm未満、特に好ましくは約500μm未満の平均粒度まで微粉砕されることが有利である。
【0339】
錠剤用混合物又はカプセル装入原料を得るために、生成したバルク材料を適当な助剤と一緒に加工することができる。錠剤化は、約35N以上、好ましくは約60N以上、特に好ましくは約80〜約100Nの硬度を有する錠剤が得られるように実施されるのが有利である。
【0340】
慣用の製剤のように、こうして得た製剤を、所要により胃液に対する耐性、遅延放出、味のマスキング等を達成するために適当な被覆材料で被覆してもよい。
【0341】
製薬業界での使用に加えて、本発明に従って使用しようとするコポリマーA)は水に殆ど又は全く溶解しない栄養素、助剤又は添加剤(例えば、脂溶性ビタミン又はカロテノイド)のレオロジー特性を調節するために、及び/又は前記成分に対する可溶化剤として食品分野でも適している。例えば、カロテノイドで着色した透明ドリンクが挙げられる。従って、本発明は、本発明に従って使用されるコポリマーA)を少なくとも1種含む食品も提供する。本発明では、食品は食品サプリメント(例えば、食用染料を含む食品)及び栄養食品を含むと理解される。更に、特定のコポリマーA)が動物用飼料サプリメントのレオロジー特性を調節するため及び/又は前記サプリメントに対する可溶化剤としても適当である。
【0342】
更に、シリコーン基を含有するコポリマーA)は、水不溶性ビタミン及びプロビタミン、例えばビタミンA、ビタミンAアセテート、ビタミンD、ビタミンE、トコフェロール誘導体(例えば、トコフェロールアセテート)及びビタミンKのような食品サプリメントの水性製剤を調製するために適している。
【0343】
本発明の水性活性物質組成物として製剤化され得る作用物質の例は、染料、例えばドイツ国特許出願第10245209号に開示されている染料及びカラーインデックスに従ってディスパーズ染料及びソルベント染料(これらは分散染料とも記載されている)として記載されている化合物である。適当な分散染料のリストは、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第4版,10巻,p.155−165(7巻,p.585以降−Anthraquinone Dyes;8巻,p.244以降−Azo Dyes;9巻,p.313以降−Quinophthalone Dyesも参照されたい)に挙げられている。この文献の参照及びここに挙げられている化合物は明白に参照により組み入れられる。本発明に従って適当な分散染料及びソルベント染料は多種多様のいろいろな発色団を有する染料のカテゴリー、例えばアントラキノン染料、モノアゾ及びジアゾ染料、キノフタロン染料、メチン及びアザメチン染料、ナフタルイミド染料、ナフトキノン染料及びニトロ染料からなる。本発明に従う適当な分散染料の例は、以下のカラーインデックスリスト、すなわちC.I.ディスパーズイエロー1−228、C.I.ディスパーズオレンジ1−148、C.I.ディスパーズレッド1−349、C.I.ディスパーズバイオレット1−97、C.I.ディスパーズブルー1−349、C.I.ディスパーズグリーン1−9、C.I.ディスパーズブラウン1−21、C.I.ディスパーズブラック1−36の分散染料である。本発明に従う適当なソルベント染料は、以下のカラーインデックスリスト、すなわちC.I.ソルベントイエロー2−191、C.I.ソルベントオレンジ1−113、C.I.ソルベントレッド1−248、C.I.ソルベントバイオレット2−61、C.I.ソルベントブルー2−143、C.I.ソルベントグリーン1−35、C.I.ソルベントブラウン1−63、C.I.ソルベントブラック3−50の化合物である。本発明に従う適当な染料は更にナフタレン、アントラセン、ペリレン、テリレン又はクアテリレンの誘導体、並びにジケトピロロピロール染料、ペリノン染料、クマリン染料、イソインドリン及びイソインドリノン染料、ポルフィリン染料、並びにフタロシアニン及びナフタロシアニン染料である。
【0344】
上記した成分に加えて、本発明の活性物質及び作用物質組成物は慣用の界面活性物質及び他の添加剤をも含み得る。界面活性物質には界面活性剤、分散剤及び湿潤剤が含まれる。他の添加剤には特に増粘剤、消泡剤、保存剤、凍結防止剤、安定化剤等が含まれる。
【0345】
原則として、ポリマー界面活性剤及び疎水性基中にヘテロ原子を有する界面活性剤を含めたアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性界面活性剤が使用される。
【0346】
アニオン性界面活性剤の例には、カルボキシレート、特に、通常せっけんとも記載されている脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、例えばステアリン酸カリウム;アシルグルタメート;サルコシネート、例えばナトリウムラウロイルサルコシネート;タウレート;メチルセルロース;アルキルホスフェート、特にモノ−及びジリン酸アルキルエステル;スルフェート、特にアルキルスルフェート及びアルキルエーテルスルフェート;スルホネート、更にはアルキル−及びアルキルアリールスルホネート、特にアリールスルホン酸、アルキル置換アリールスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸(例えば、リグニン−及びフェノールスルホン酸、ナフタレン−及びジブチルナフタレンスルホン酸)のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルメチルエステルスルホネート、スルホン化ナフタレン及びその誘導体とホルムアルデヒドの縮合生成物、ナフタレンスルホン酸、フェノール−及び/又はフェノールスルホン酸とホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド及び尿素の縮合生成物、又はモノ−又はジアルキルコハク酸エステルスルホネート;並びにタンパク質加水分解物及びリグノ亜硫酸廃液が含まれる。上記したスルホン酸を中性塩又は適当ならば塩基性塩の形態で使用することが有利である。
【0347】
カチオン性界面活性剤には、例えば第4級アンモニウム化合物、特にアルキルトリメチルアンモニウム及びジアルキルジメチルアンモニウムハライド、アルキルスルフェート、並びにピリジン及びイミダゾリン誘導体、特にアルキルピリジニウムハライドが含まれる。
【0348】
ノニオン性界面活性剤には、例えば
−脂肪アルコールポリオキシエチレンエステル、例えばラウリルアルコールポリオキシエチレンエーテルアセテート;
−アルキルポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンエーテル、例えばイソトリデシルアルコールのもの)及び脂肪アルコールポリオキシエチレンエーテル;
−アルキルアリールアルコールポリオキシエチレンエーテル、例えばオクチルフェノールポリオキシエチレンエーテル;
−アルコキシル化動物及び/又は植物油脂、例えばコーン油エトキシレート、ヒマシ油エトキシレート又は獣脂エトキシレート;
−グリセロールエステル、例えばグリセロールモノステアレート;
−脂肪アルコールアルコキシレート及びオキソアルコールアルコキシレート、特にRO−(R18O)(R19O)20タイプのもの(ここで、R18及びR19は、相互に独立して、C、C又はCであり、R20はH又はC1−12アルキルであり、RはC3−30アルキル又はC6−30アルケニルであり、r及びsは、相互に独立して、0〜50であり、両方が0を表すことはない)、例えばイソトリデシルアルコール及びオレイルアルコールポリオキシエチレンエーテル;
−アルキルフェノールアルコキシレート、例えばエトキシル化イソオクチル−、オクチル−又はノニルフェノール、或いはトリブチルフェノールポリオキシエチレンエーテル;
−脂肪アミンアルコキシレート、脂肪酸アミドアルコキシレート及び脂肪酸ジエタノールアミドアルコキシレート、特にそのエトキシレート;
−糖界面活性剤、ソルビトールエステル、例えばソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート又はソルビタントリステアレート)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド又はN−アルキルグルコンアミド;
−アルキルメチルスルホキシド;
−アルキルジメチルホスフィンオキシド、例えばテトラデシルジメチルホスフィンオキシド);
が含まれる。
【0349】
両性界面活性剤には、例えばスルホベタイン、カルボキシベタイン及びアルキルジメチルアミンオキシド(例えば、テトラデシルジメチルアミンオキシド)が含まれる。
【0350】
例示されるべき別の界面活性剤はパーフルオロ界面活性剤、シリコーン界面活性剤、リン脂質(例えば、レシチン又は化学的に改質したレシチン)、又はアミノ酸界面活性剤(例えば、N−ラウロイルグルタメート)である。
【0351】
別段の記載がない限り、上記した界面活性剤のアルキル鎖は、通常8〜20個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状基である。
【0352】
1つの実施形態において、本発明の水性活性物質組成物は、活性物質及びポリマー組成物の全量に基づいて10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に3重量%以下(例えば、0.01〜5重量%又は0.1〜3重量%)の慣用の界面活性物質を含む。この場合、慣用の界面活性物質が組成物の全重量に基づいて5重量%以下、特に3重量%以下(例えば、0.01〜5重量%又は0.1〜3重量%)を占めることが好ましい。
【0353】
しかしながら、用途に応じて、本発明の活性物質組成物を界面活性物質と製剤化することが有利なことがある。この場合、慣用の界面活性物質の比率は、多くの場合活性物質及びポリマー組成物の全量に基づいて0.5〜30重量%、特に1〜20重量%の範囲であるか、又は製剤化する組成物の全重量に基づいて0.2〜20重量%、特に0.5〜15重量%の範囲である。
【0354】
本発明の組成物の1つの作用効果が揮発性有機物質の含量が低いことであっても、幾つかの用途では本発明の組成物を有機溶媒又は油脂、好ましくは環境にやさしい又は生体適合性である溶媒又は油脂、例えば上記した水混和性溶媒、水と混和しないか又は水と非常に限られた程度にしか混和しない油脂と一緒に使用することが望ましいことがある。前記油脂の例は、
−パラフィン油、芳香族炭化水素及び芳香族炭化水素混合物、例えばキシレン、ソルベッソ100、150又は200等;
−フェノール及びアルキルアェノール、例えばフェノール、ヒドロキノン、ノニルフェノール等;
−4個以上の炭素原子を有するケトン、例えばシクロヘキサノン、イソホロン、イソフェロン、アセトフェノン又はアセトナフトン;
−4個以上の炭素原子を有するアルコール、例えばアセチル化ラノリンアルコール、セチルアルコール、1−デカノール、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、イソオクタデカノール、イソプロピルアルコール、オレイルアルコール又はベンジルアルコール;
−カルボン酸エステル、例えばアジピン酸ジアルキルエステル(例えば、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル))、フタル酸ジアルキルエステル(例えば、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル))、酢酸アルキルエステル(分岐アルキル基)(例えば、酢酸エチル及びアセト酢酸エチル)、ステアリン酸エステル(例えば、ステアリン酸ブチル又はモノステアリン酸グリセロール)、クエン酸エステル(例えば、アセチルクエン酸トリブチル)、更にオクタン酸セチル、オレイン酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、テトラデカン酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、安息香酸メチル、又は乳酸エステル(例えば、乳酸イソプロピル、乳酸ブチルラクテート及び乳酸2−エチルヘキシル);
−植物油、例えばヤシ油、ナタネ油、ヒマシ油及びその誘導体(例えば、酸化形態)、ココナツ油、タラ肝油、コーン油、大豆油、アマニ油、オリーブ油、落花生油、サフラワー油、ゴマ種油、グレープフルーツ油、バージル油、アプリコット油、ショウガ油、ゲラニウム油、オレンジ油、ローズマリー油、マカデミア油、オニオン油、マンダリン油、タル油又はヒマワリ油;
−水素化植物油、例えば水素化ヤシ油、水素化ナタネ油又は水素化大豆油;
−動物油、例えば豚脂又は魚油;
−中鎖〜長鎖脂肪酸のジアルキルアミド、例えばHallcomides;及び
−植物油エステル、例えばナタネ油メチルエステル;
である。
【0355】
コポリマーA)を慣用の増粘剤と一緒に使用してもよい。
【0356】
適当な増粘剤は、製剤に擬似塑性流動挙動(すなわち、静止時高い粘度、撹拌状態で低粘度)を与える化合物である。これに関連して、例えば多糖又は有機層状鉱物、例えばXanthan Gum(登録商標)(Kelco製Kelzan(登録商標))、Rhodopol(登録商標)23(Rhone−Poulenc)又はVeegum(登録商標)(R.T.Vanderbilt)、或いはAttaclay(登録商標)(Engelhardt)を挙げることができ、Xanthan Gum(登録商標)が好ましく使用される。
【0357】
本発明の分散液に対して適当な消泡剤として、シリコーンエマルジョン(例えば、Wacker製Silicone(登録商標)SRE又はRhodia製Rhodorsil(登録商標))、長鎖アルコール、脂肪酸、フルオロ有機化合物及びその混合物が考えられる。
【0358】
本発明の組成物を微生物による感染に対して安定化させるために殺菌剤を添加してもよい。適当な殺菌剤は、例えばICI製Proxel(登録商標)又はThor Chemie製Acticide(登録商標)RS、及びRohm & Haas製Kathon(登録商標)MKである。
【0359】
適当な凍結防止剤は有機ポリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセロールである。凍結防止剤は、揮発性化合物が所望の含量を超えないように、通常、活性物質組成物の全重量に基づいて10重量%以下の量で使用される。本発明の1つの実施形態では、各種の揮発性有機化合物の比率は好ましくは1重量%以下、特に1000ppm以下である。
【0360】
適当ならば、本発明の活性物質組成物は、pHを調節するために、製造される製剤の全量に基づいて1〜5重量%のバッファーを含み、使用するバッファーの量及びタイプは活性物質の化学的特性に依存する。バッファーの例は無機又は有機弱酸(例えば、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸及びコハク酸)のアルカリ金属塩である。
【0361】
特に好ましい実施形態において、本発明のコポリマーは化粧品組成物中の成分として使用される。上記したように、コポリマーは水性媒体をベースとする化粧品組成物のレオロジー特性を調節するのに役立ち得る。コポリマーは、25℃及び1013ミリバールで10g/l未満の水中溶解度を有する化粧品上許容される活性物質又は作用物質を少なくとも1種含む化粧品組成物に対する可溶化剤としても役立ち得る。これとは別に、本発明のコポリマーA)は良好なフィルム形成性を有しており、それ自体を化粧品活性物質としても使用できる。
【0362】
本発明は更に、
α)上に定義した、シリコーン基を含有する少なくとも1種のコポリマーA)、及び
β)少なくとも1種の化粧品上又は製薬上許容される担体
を含む化粧品又は医薬組成物を提供する。
【0363】
好ましくは、成分β)は、
i)水、
ii)水混和性有機溶媒、好ましくはC2−4アルカノール、特にエタノール、
iii)油脂、ワックス、
iv)iii)とは異なるC6−30モノカルボン酸と一価、二価又は三価アルコールのエステル、
v)飽和非環状及び環状炭化水素、
vi)脂肪酸、
vii)脂肪アルコール、
viii)噴射剤ガス、
及びその混合物
から選択される。
【0364】
適当な親水性及び疎水性成分β)は上に特定したものである。
【0365】
具体的な適当な化粧品上適合性の油脂成分β)は、参照により本明細書に組み入れられるKarl−Heinz Schrader,Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika[Fundamentals and formulations of cosmetics],第2版,ハイデルベルグに所在のVerlag Huthig発行,p.319−355に記載されている。
【0366】
好ましい親水性担体β)は、水、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する1価,2価又は多価アルコール(例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール等)から選択される。
【0367】
本発明の化粧品組成物はスキン化粧品、ヘア化粧品、外皮用、衛生又は医薬組成物であり得る。フィルム形成性及び増粘性を利用して、上記したコポリマーA)は特にヘア及びスキン化粧品に対する添加剤として適している。コポリマーA)はジェルを製剤化するのに特に適している。
【0368】
好ましくは、本発明の組成物は、ジェル、フォーム、スプレー、軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、ローション、ミルク又はペーストの形態である。所望により、リポソーム又はミクロスフェアを使用してもよい。
【0369】
本発明の化粧品用活性組成物は更に、化粧品用及び/又は外皮用活性物質及び作用物質及び助剤を含み得る。原則として、上記した活性物質及び作用物質B)及び助剤C)が適当である。具体的実施形態では、本発明の化粧品組成物は少なくとも1種の水に全く又は殆ど溶解しない活性物質又は作用物質を含む。
【0370】
本発明の化粧品組成物が少なくとも1種の上に定義したコポリマーA)、少なくとも1種の上に定義した担体β)、及びこれらとは異なる、好ましくは化粧品用活性物質、乳化剤、界面活性剤、保存剤、香油、追加の増粘剤、ヘアポリマー、ヘア及びスキンコンディショナー、グラフトポリマー、水溶性又は水分散性シリコーン含有ポリマー、光防護剤、漂白剤、ゲル形成剤、ケア物質、着色剤、タンニング剤、染料、顔料、コンシステンシー調節剤、保湿剤、再脂肪剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、脂質、酸化防止剤、消泡剤、帯電防止剤、皮膚緩和薬及び柔軟剤から選択される少なくとも1種の成分を含むことが好ましい。
【0371】
コポリマーA)に加えて、前記製剤中において適当な慣用増粘剤は、架橋ポリアクリル酸及びその誘導体、多糖及びその誘導体(例えば、キサンタンガム、寒天、アルギネート又はチロース)、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシカルボキシメチルセルロース)、脂肪アルコール、モノグリセリド及び脂肪酸、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンである。
【0372】
適当な化粧品用及び/又は外皮用活性物質は、例えばスキン及びヘア色素形成物質、タンニング剤、漂白剤、ケラチン硬化物質、抗微生物活性物質、フォトフィルター活性物質、忌避活性物質、充血性物質、角質溶解及び角質軟化物質、ふけ防止活性物質、消炎薬、角化物質、酸化防止剤又はフリーラジカルスカベンジャーとして作用する活性物質、皮膚モイスチャライジング又は保湿物質、再脂肪活性物質、脱臭活性物質、セボスタティック活性物質、植物抽出物、抗紅斑性又は抗アレルギー性活性物質、及びその混合物である。
【0373】
UV光を自然に又は人工的に照射することなく皮膚を日焼けさせるのに適している人工日焼け活性物質は、例えばジヒドロキシアセトン、アロキサン及びくるみ殻抽出物である。適当なケラチン硬化物質は、通常、発汗防止薬中にも使用されている活性物質、例えばカリウムアルミニウムスルフェート、アルミニウムヒドロキシクロリド、乳酸アルミニウム等である。抗微生物活性物質は、微生物を破壊するため及び/又はその増殖を抑えるために使用され、よって保存剤として、体臭の形成又はその程度を抑える脱臭物質としても役立つ。これらには、例えば当業者に公知の慣用の保存剤(例えば、p−ヒドロキシベンゾエート、イミダゾリジニル尿素、ホルムアルデヒド、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸等)が含まれる。脱臭物質は、例えばリシノール酸亜鉛、トリクロサン、ウンデシレン酸アルキロールアミド、クエン酸トリエチル、クロロヘキシジン等である。適当なフォトフィルター活性物質は、UV−B及び/又はUV−A領域のUV光を吸収する物質である。適当なUVフィルターは上に特定されているものである。p−アミノ安息香酸エステル、シンナム酸エステル、ベンゾフェノン、ショウノウ誘導体、及びUV光を阻止する顔料(例えば、二酸化チタン、タルク及び酸化亜鉛)も適当である。適当な忌避活性物質は特定の動物(特に、昆虫)をヒトから追い払う又は撃退することができる化合物である。これらには、例えば2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、N,N−ジエチル−m−トルアミド等が含まれる。皮膚中の血流を刺激する適当な充血性物質は、例えば精油(例えば、矮性パイン、ラベンダー、ローズマリー、杜松実、セイヨウトチノキ抽出物、バーチリーフ抽出物、ヘイフラワー抽出物、酢酸エチル、ショウノウ、メントール、ペパーミント油、ローズマリー抽出物、ユーカリ油等)である。適当な角質溶解及び角質軟化物質は、例えばサリチル酸、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸及びその塩、硫黄等である。適当なふけ防止活性物質は、例えば硫黄、イオウポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、イオウリシノールポリエトキシレート、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオン等である。皮膚刺激を無効にする適当な消炎薬は、例えばアラントイン、ビサボロール、ドラゴサントール、カモミール抽出物、パンテノール等である。
【0374】
本発明の化粧品組成物は、化粧品及び/又は医薬活性物質として(及び適当ならば助剤として)本発明のコポリマーA)とは異なる化粧品上又は製薬上許容されるポリマーを少なくとも1種含んでいてもよい。広い意味で、これらにはアニオン性、カチオン性、両性及び中性ポリマーが含まれる。上記したポリマーは全体を参照により組み入れる。
【0375】
好ましい実施形態によれば、本発明の組成物はスキンクレンジング組成物である。
【0376】
好ましいスキンクレンジング組成物は、液体〜ゲル様コンシステンシーを有する石けん(例えば、透明石けん、ラグジュリー石けん、デオドラント石けん、クリーム石けん、ベビー石けん、皮膚保護石けん、研磨石けん及びシンデット、ペースト状石けん、ソフト石けん及び洗浄ペースト)、液体洗浄剤、シャワー剤及び入浴剤(例えば、洗浄ローション、シャワー入浴剤及びシャワージェル、泡入浴剤、オイル入浴剤及びスクラブ剤)、シェービングフォーム、シェービングローション及びシェービングクリームである。
【0377】
別の好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は皮膚をケア及び保護するための化粧品組成物、ネイルケア組成物又は装飾用化粧品である。
【0378】
適当なスキン化粧品組成物は、例えばフェーストニック、フェースマスク、デオドラント及び他の化粧ローションである。美粧用化粧品中に使用するための組成物は、例えばコンシーリングスティック、ステージメーキャップ、マスカラ及びアイシャドー、リップスティック、コールペンシル、アイライナー、ほお紅、粉おしろい及び眉ペンシルである。
【0379】
更に、本発明のコポリマーA)は、毛穴クレンジング用ノーズストリップ、抗アクネ組成物、撥水剤、シェービング組成物、脱毛組成物、内部ケア組成物、フットケア組成物及びベビーケア中に使用され得る。
【0380】
本発明のスキンケア組成物は、特にW/O又はO/Wスキンクリーム、昼用及び夜用クリーム、アイクリーム、フェースクリーム、しわ防止クリーム、モイスチャライジングクリーム、漂白クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローション及びモイスチャライジングローションである。
【0381】
上記したコポリマーA)を主成分するスキン化粧品及び外皮用組成物は有利な効果を示す。前記ポリマーは特に皮膚のモイスチャライゼーション及びコンディショニング、並びに皮膚感覚の向上に寄与し得る。本発明のポリマーを添加することにより、特定製剤における皮膚適合性がかなり改善され得る。
【0382】
好ましくは、スキン化粧品及び外皮用組成物は、少なくとも1種のコポリマーA)を組成物の全重量に基づいて約0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜20重量%、非常に好ましくは0.1〜12重量%の量で含む。
【0383】
コポリマーA)を主成分とする特に光防護性組成物は、慣用の助剤(例えば、ポリビニルピロリドン)に比してUV吸収成分の残存時間を延ばす性質を有している。
【0384】
使用分野に応じて、本発明の組成物はスキンケアに適した形態、例えばクリーム、フォーム、ジェル、スティック、ムース、ミルク、スプレー(ポンプスプレー又は噴射剤含有スプレー)又はローションの形態で適用され得る。
【0385】
スキン化粧品は、コポリマーA)及び適当な担体に加えて上記したようなスキン化粧品中で慣用されている追加の活性物質及び助剤を含んでいてもよい。好ましくは、これらには乳化剤、保存剤、香油、化粧品活性物質(例えば、フィタントリオール、ビタミンA、E及びC、レチノール、ビサボロール、パンテノール)、光防護剤、漂白剤、タンニング剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、安定化剤、pH調節剤、染料、塩、増粘剤、ゲル形成剤、コンシステンシー調節剤、シリコーン、保湿剤、再脂肪剤及び追加の慣用添加剤が含まれる。
【0386】
スキン化粧品及び外皮用組成物の好ましい油脂成分は、上記した鉱油及び合成油(例えば、パラフィン、シリコーン油、及び8個以上の炭素原子を有する脂肪族炭化水素)、動物及び植物油(例えば、ひまわり油、ヤシ油、アボカド油、オリーブ油、ラノリン又はワックス)、脂肪酸、脂肪酸エステル(例えば、C6−30脂肪酸のトリグリセリド)、ワックスエステル(例えば、ホホバ油)、脂肪アルコール、ワセリン、水素化ラノリン及びアセチル化ラノリン、並びにその混合物である。
【0387】
本発明のポリマーは、特定の特性を与えるために、上記した慣用のポリマーと混合してもよい。
【0388】
特定の特性(例えば、手触り、展布挙動、水抵抗性及び/又は活性物質及び顔料のような助剤の結合の改善)を与えるためには、皮膚化粧品及び外皮用組成物に更にシリコーン化合物を主成分とするコンディショニング物質を含めてもよい。適当なシリコーン化合物は、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン又はシリコーン樹脂である。
【0389】
化粧品又は外皮用剤は、当業者に公知の慣用方法により製造される。
【0390】
化粧品及び外皮用組成物がエマルション、特に油中水型(W/O)エマルション又は水中油型(O/W)エマルションの形態であることが好ましい。しかしながら、他のタイプの製剤、例えばヒドロディスパージョン、ジェル、オイル、オレオゲル、W/O/W又はO/W/Oエマルション形態のようなマルチプルエマルション、無水軟膏又は軟膏基剤等を選択することも可能である。
【0391】
エマルションは公知の方法により製造される。エマルションは、通常、少なくとも1種のコポリマーA)に加えて、水の存在下で使用される慣用成分、例えば脂肪アルコール、脂肪酸エステル(特に、脂肪酸トリグリセリド)、脂肪酸、ラノリン及びその誘導体、天然又は合成油又はワックス及び乳化剤を含む。エマルションのタイプに特有の添加剤の選択及び適当なエマルションの製造は、例えば参照により本明細書に組み入れるSchrader,Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika[Fundamentals and formulations of cosmetics],ハイデルベルグに所在のHuthig Buch Verlag発行,第2版(1989年),第3部に記載されている。
【0392】
例えばスキンクリーム等のための適当なエマルションは、通常、油相又は脂肪相中に適当な乳化剤系を用いて乳化される水性相を含む。水性相を調製するために、本発明のコポリマーAが使用され得る。
【0393】
エマルションの脂肪相中に存在し得る好ましい脂肪成分は、炭化水素油、例えばパラフィン油、ピュアセリン油、ペルヒドロスクアレン、及び前記油中のマイクロクリスタリンワックスの溶液;動物又は植物油、例えばスイートアーモンド油、アボカド油、カロフィルム油、ラノリン及びその誘導体、ヒマシ油、ゴマ油、オリーブ油、ホホバ油、カリテ油、ホプロステサス油;大気圧下での蒸留始点が約250℃であり、蒸留終点が410℃である鉱油、例えばワセリン油;飽和又は不飽和脂肪酸のエステル、例えばミリスチン酸アルキル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル又はミリスチン酸セチル)、ステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸エチル又はイソプロピル、オクタン酸又はデカン酸トリグリセリド及びリシノール酸セチルである。
【0394】
脂肪相は、他の油に可溶性のシリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン及びシリコーングリコールコポリマー、脂肪酸及び脂肪アルコールをも含み得る。
【0395】
コポリマーA)に加えて、ワックス、例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、蜜ろう、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックス、並びにCa、Mg及びAlのオレエート、ミリステート、リノレエート及びステアレートを使用することもできる。
【0396】
加えて、本発明のエマルションはO/Wエマルションの形態をとり得る。このエマルションは、通常、油相、水相中で油相を安定化させる乳化剤、及び通常増粘された形態で存在する水性相からなる。適当な乳化剤は、好ましくは、O/W乳化剤(例えば、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル又は部分エステル化グリセリド)である。
【0397】
別の好ましい実施形態によれば、本発明の組成物はシャワージェル、シャンプー剤又は入浴剤である。
【0398】
前記製剤は、少なくとも1種のコポリマーA)、基本界面活性剤としての一般的なアニオン性界面活性剤、及び補助界面活性剤としての両性及び/又はノニオン性界面活性剤を含む。別の適当な活性物質及び/又は助剤は、通常、脂質、香油、染料、有機酸、保存剤及び酸化防止剤、増粘剤/ゲル形成剤、皮膚コンディショナー及び保湿剤から選択される。
【0399】
好ましくは、これらの製剤は、製剤の全重量に基づいて2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは8〜30重量%の界面活性剤を含む。
【0400】
ボディクレンジング組成物中に慣用されているすべてのアニオン性、中性、両性又はカチオン性界面活性剤が洗浄剤、シャワー剤及び入浴剤中に使用され得る。
【0401】
適当なアニオン性界面活性剤は、例えばアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイソチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、α−オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩)、アンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩である。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは分子中に1〜10個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有し得る。
【0402】
これらの例には、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートが含まれる。
【0403】
適当な両性界面活性剤は、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート又はプロピオネート、アルキルアンホジアセテート又はジプロピオネートである。
【0404】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン又はナトリウムコカンホプロピオネートが使用され得る。
【0405】
適当なノニオン性界面活性剤は、例えば直鎖状又は分岐状であり得るアルキル鎖中に6〜20個の炭素原子を有する脂肪アルコール又はアルキルフェノールとエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの反応生成物である。アルキレンオキシドの量はアルコール1モルあたり約6〜60モルである。加えて、アルキルアミンオキシド、モノ−又はジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、エトキシル化脂肪酸アミド、アルキルポリグリコシド又はソルビタンエーテルエステルも適当である。
【0406】
更に、洗浄剤、シャワー剤及び入浴剤は慣用のカチオン性界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドのような第4級アンモニウム化合物を含み得る。
【0407】
加えて、シャワージェル/シャンプー剤は、増粘剤(例えば、塩化ナトリウム、PEG−55、プロピレングリコールオレエート、PEG−120メチルグルコースジオレエート等)、保存剤、追加活性物質及び助剤、並びに水を含み得る。
【0408】
更なる好ましい実施形態によれば、本発明の組成物はヘアトリートメント組成物である。
【0409】
本発明のヘアトリートメント組成物は、好ましくは少なくとも1種のコポリマーを組成物の全重量に基づいて約0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の量で含む。
【0410】
本発明のヘアトリートメント組成物は、好ましくはセッティングフォーム、ヘアムース、ヘアジェル、シャンプー、ヘアスプレー、ヘアフォーム、エンドフルイド、パーマ用中和剤又はホットオイルトリートメントの形態である。使用分野に応じて、ヘア化粧品は(エアゾール)スプレー、(エアゾール)フォーム、ジェル、ジェルスプレー、クリーム、ローション又はワックスの形態で適用され得る。ここで、ヘアスプレーはエアゾールスプレー及び噴射剤ガスを含まないポンプスプレーの両方を含む。ヘアフォームはエアゾールフォーム及び噴射剤ガスを含まないポンプフォームの両方を含む。ヘアスプレー及びヘアフォームが主に又は専ら水溶性又は水分散性成分を含むことが好ましい。本発明のヘアスプレー及びヘアフォーム中に使用される化合物が水分散性ならば、該化合物は粒子直径が、通常1〜350nm、好ましくは1〜250nmの水性ミクロディスパージョンの形態で使用され得る。これらの製剤中の固体含量は、通常約0.5〜20重量%の範囲である。ミクロディシパージョンは、通常安定化のために乳化剤も界面活性剤も必要としない。
【0411】
好ましい実施形態では、本発明のヘア化粧品は、
a)0.05〜20重量%の少なくとも1種のコポリマーA)、
b)20〜99.95重量%の水及び/又はアルコール、
c)0〜50重量%の少なくとも1種の噴射剤ガス、
d)0〜5重量%の少なくとも1種の乳化剤、
e)0〜3重量%の少なくとも1種の増粘剤、及び
f)最高25重量%の追加成分
を含む。
【0412】
アルコールは、化粧品中で慣用されているすべてのアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノールを意味すると理解される。
【0413】
追加成分は、化粧品中で慣用されている添加剤、例えば噴射剤、消泡剤、界面活性化合物(すなわち、界面活性剤)、乳化剤、発泡剤及び可溶化剤を意味すると理解される。使用される界面活性化合物はアニオン性、カチオン性、両性又は中性であり得る。追加の慣用成分は、例えば保存剤、香油、乳白剤、活性物質、UVフィルター、ケア物質(例えば、パンテノール、コラーゲン、ビタミン、タンパク質加水分解物、α−及びβ−ヒドロキシカルボン酸)、安定化剤、pH調節剤、染料、粘度調節剤、ゲル形成剤、塩、保湿剤、再脂肪剤、錯化剤及び別の慣用添加剤であり得る。
【0414】
非常に特殊な特性を与えるために、化粧品中で公知であり、本発明のポリマーと組み合わせて使用され得るあらゆるスタイリング及びコンディショナーポリマーを配合してもよい。
【0415】
適当な慣用のヘア化粧品ポリマーは、例えば参照により組み入れる上記したカチオン性、アニオン性、中性、ノニオン性及び両性ポリマーである。
【0416】
ある特性を与えるために、製剤は更にシリコーン化合物を主成分とするコンディショニング物質をも含み得る。適当なシリコーン化合物は、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン、シリコーン樹脂又はジメチコンコポリオール(CTFA)、及びアミノ官能性シリコーン化合物(例えば、アモジメチコン(CTFA))である。
【0417】
本発明のポリマーは、ヘアスタイリング剤(特に、ヘアフォーム)中のセッティング剤として特に適している。
【0418】
使用され得る乳化剤はヘアフォーム中に慣用されている乳化剤のいずれでもよい。適当な乳化剤はノニオン性、カチオン性、アニオン性又は両性であり得る。
【0419】
ノニオン性乳化剤(INCI命名法)の例は、ラウレス(例えば、ラウレス−4)、セテス(例えば、セテス−1)、ポリエチレングリコールセチルエーテル、セテアレス(例えば、セテアレス−25)、ポリグリコール脂肪酸グリセリド、ヒドロキシル化レシチン、脂肪酸のラクチルエステル、アルキルポリグリコシドである。
【0420】
カチオン性乳化剤の例は、セチルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムリン酸二水素塩、セチルトリモニウムクロリド、セチルトリモニウムブロミド、ココトリモニウムメチルスルフェート、クオタニウム1〜x(INCI)である。
【0421】
アニオン性乳化剤は、例えばアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイソチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、α−オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩)、アンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩の群から選択され得る。前記したアルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは分子中に1〜10個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有し得る。
【0422】
スタイリングジェル用に本発明に従って適当な製剤は、例えば以下の組成:
a)0.1〜5重量%の少なくとも1種のコポリマーA、
b)0〜5重量%の少なくとも1種のA)とは異なる化粧品上許容される水溶性又は水分散性ヘアセッティングポリマー、
c)80〜99.85重量%の水及び/又はアルコール、
d)0〜1重量%のA)とは異なるゲル形成剤、
e)0〜20重量%の追加成分
を有し得る。
【0423】
使用され得る追加のゲル形成剤は化粧品において慣用のすべてのゲル形成剤である。これらには、僅かに架橋されているポリアクリル酸(例えば、カルボマー(INCI))、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、カチオン的に改質されているセルロース、多糖(例えば、キサンタンガム)、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレートコポリマー、ポリクオータニウム−32(及び)パラフィナム・リクィダム(INCI)、ナトリウムアクリレートコポリマー(及び)パラフィナム・リクィダム(及び)PPG−1トリデセス−6、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー、ステアレス−10アリルエーテルアクリレートコポリマー、ポリクオタニウム37(及び)パラフィナム・リクィダム(及び)PPG−1トリデス−6、ポリクオタニウム−37(及び)プロピレングリコールジカプレートジカプリレート(及び)PPG−1トリデセス−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−44が含まれる。追加のゲル形成剤として適当なアクリル酸の架橋ホモポリマーは、例えばBF GOODRICHから商品名Carbopol(登録商標)で市販されている。疎水的に改質されている架橋ポリアクリレートポリマー、例えばNoveon製Carbopol(登録商標)Ultrez 21が好ましい。ゲル形成剤として適当なアニオン性ポリマーの別の例は、アクリル酸及びアクリルアミド及びその塩のコポリマー;ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、水溶性又は水分散性ポリエステル、ポリウレタン及びポリ尿素である。特に適当なポリマーは、(メタ)アクリル酸のコポリマー、及びポリエーテル鎖が末端にC8−30アルキル基を有しているポリエーテルアクリレートである。これらには、例えばRohm and Haasから商品名Aculyn(登録商標)で入手可能なアクリレート/ベヘネス−25メタクリレートコポリマーが含まれる。
【0424】
本発明のコポリマーA)は化粧品中にコンディショナーとして使用され得る。
【0425】
コポリマーA)を含む製剤のために適当なアニオン性界面活性剤は、例えばアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイソチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、α−オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩)、アンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩である。前記したアルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは分子中に1〜10個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有し得る。
【0426】
例えば、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートが適当である。
【0427】
適当な両性界面活性剤は、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート又はプロピオネート、アルキルアンホジアセテート又はジプロピオネートである。
【0428】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン又はナトリウムコカンホプロピオネートが使用され得る。
【0429】
適当なノニオン性界面活性剤は、例えば直鎖状又は分岐状であり得るアルキル鎖中に6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコール又はアルキルフェノールとエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの反応生成物である。アルキレンオキシドの量はアルコール1モルあたり約6〜60モルである。加えて、アルキルアミンオキシド、モノ−又はジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド又はソルビタンエーテルエステルが適当である。
【0430】
更に、シャンプー剤は慣用のカチオン性界面活性剤、例えば第4級アンモニウム化合物(例えば、セチルトリメチルルアンモニウムクロリド)を含み得る。
【0431】
ある効果を達成するために、シャンプー剤中にコポリマーA)と一緒に慣用のコンディショナーが使用され得る。これらには、例えばINCI名がポリクオタニウムの上記したカチオン性ポリマー、特にビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)FC、Luviquat(登録商標)HM、Luviquat(登録商標)MS、Luviquat(登録商標)Care)、ジエチルスルフェートで4級化されているN−ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(Luviquat(登録商標)PQ11)、N−ビニルカプロラクタム/N−ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)Hold);カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム−4及び−10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム−7)が含まれる。タンパク質加水分解物及びシリコーン化合物を主成分とするコンディショニング物質(例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン又はシリコーン樹脂)を使用することもできる。更に適当なシリコーン化合物は、ジメチコンコポリオール(CTFA)及びアミノ官能性シリコーン化合物(例えば、アモジメチコン(CTFA))である。加えて、カチオン性グアー誘導体(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI))を使用することができる。
【0432】
更に、本発明は、薬学における助剤として、好ましくはレオロジー特性を調節するために固体製剤に対するコーティング組成物として又は前記コーティング組成物中;界面活性化合物として;接着剤として又は接着剤中;及び繊維、製紙、印刷及び皮革業に対するコーティングとして又は前記コーティング中の上に定義したコポリマーA)の使用を提供する。
【0433】
以下の非限定的実施例を参照することにより本発明をより詳細に説明する。
【実施例】
【0434】
シリコーン−ウレタン−ポリアリルの製造
初期充填物:138.45g(0.28モル)のPluriol(登録商標)A 010R(BASF Aktiengesellschaft)[アリルアルコールエトキシレート,M=約500]
0.50gのDABCO;
供給材料1:61.55g(0.28モル)のイソホロンジイソシアネート;
供給材料2:541.70g(0.15モル)のPluriol(登録商標)ST 4005(BASF Aktiengesellschaft)[エトキシル化プロポキシル化ポリジメチルシロキサン,M=約8000];
供給材料3:184gのエタノール。
【0435】
攪拌機、滴下漏斗、温度計、還流冷却器及び窒素下で作動するためのデバイスを取り付けた4首フラスコ中に、Pluriol(登録商標)A 010R及びDABCOをまず窒素雰囲気下約60℃の温度に加熱しながら且つ撹拌しながら導入した。次いで、15分間かけて撹拌しながら供給材料1を1滴ずつ添加した。この間に反応温度が上昇した。約78℃の温度で、反応混合物を約80分間撹拌した。次いで、供給材料2を10分間かけて計量供給した。反応混合物を約75℃で更に3時間撹拌した(残存NCO含量=約0.5%)。次いで、供給材料3を添加し、混合物を75℃で更に30分間撹拌した。室温まで冷却し、エタノールを添加した後、75重量%の濃度のシリコーン−ウレタン−ポリアリル溶液を得た。
【0436】
一般的製造手順
実施例5(=変法A1):シリコーンを含有するウレタン−ポリアリル/VP/MAA/VI/EGDMAの重合
初期充填物:412gの酢酸ブチル;
供給材料1:3.6gのエタノール中75%濃度のシリコーン−ウレタン−ポリアリル
63.6gのビニルピロリドン
67.5gのメタクリル酸
15.0gのビニルイミダゾール
1.2gのエチレングリコールジメタクリレート;
供給材料2:38.2gの酢酸ブチル
0.15gのtert−ブチルペルオクトエート;
供給材料3:95.6gの酢酸ブチル
0.39gのtert−ブチルペルオクトエート;
供給材料4:70gの塩化メチル。
【0437】
攪拌機、還流冷却器、内部温度計及び4つの供給デバイスを取り付けた装置中に、供給材料1及び供給材料2を85〜88℃で2時間かけて添加した。生じた反応混合物を約88℃で更に2時間撹拌した。次いで、供給材料3を30分間かけて計量供給した。反応混合物を90℃で更に3時間後重合した。白色粉末として沈澱した生成物を塩化メチル(供給材料4)を用いて90℃で約1時間かけて4級化した。次いで、得られた粉末を吸引フィルターを用いて吸引濾別し、アセトンで2回洗浄し、減圧下40℃で乾燥した。
【0438】
表1に示すポリマー11、15、26及び33を同様に製造した。
【0439】
実施例6(=変法A2):エトキシル化ジメチルシロキサンの存在下でのVP/MAA/VI/EGDMAの重合
初期充填物:412gの酢酸ブチル
1.5gのBelsil(登録商標)DMC 6031;
供給材料1:64.2gのビニルピロリドン
67.5gのメタクリル酸
15.0gのビニルイミダゾール
1.8gのエチレングリコールジメタクリレート;
供給材料2:38.2gの酢酸ブチル
0.15gのtert−ブチルペルオクトエート;
供給材料3:95.6gの酢酸ブチル
0.39gのtert−ブチルペルオクトエート;
供給材料4:23.4gのトリエタノールアミン(メタクリル酸に基づいて約20%)。
【0440】
還流冷却器、内部温度計及び4つの供給デバイスを取り付けた撹拌型装置中に、酢酸ブチル(412g)中のBelsil(登録商標)DMC 6031(Wacker)(1.5g)をまず導入した。85〜88℃で、供給材料1及び供給材料2を2時間かけて計量供給した。生じた反応混合物を約88℃で2時間撹拌した。次いで、供給材料3を30分間かけて計量供給した。反応混合物を90℃で更に3時間後重合した。約40℃に冷却した後、白色粉末として沈澱した生成物をトリエタノールアミン(供給材料4)を用いて40℃で1時間かけて部分中和するか、又は塩化メチル(供給材料4)を用いて90℃で約1時間かけて4級化した。粉末を吸引フィルターを用いて吸引濾別し、アセトンで2回洗浄し、減圧下40℃で乾燥した。
【0441】
表1に示すポリマー1〜4、7〜10、12〜14、16〜25、27〜32及び34〜50を同様に製造した。
【0442】
以下の表1に示すポリマーは、以下の製造変法によっても特に有利に製造され得る。この場合、通常、残留モノマー含量の低いポリマーが得られる。
【表2】

【0443】

【0444】

【0445】

【0446】
実施例83(変法B):エトキシル化ジメチルシロキサンの存在下での異なる分解温度を有する2種のフリーラジカル開始剤を用いるVI/MAS/VP/PETAEの重合
初期充填物:613gの酢酸ブチル
2gのBelsil(登録商標)DMC 6031
1gのTrigonox(登録商標)101(2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン);
供給材料1:94gのビニルピロリドン
102gのビニルイミダゾール
6.95gのメタクリル酸
1.2gのペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
供給材料2:35gの酢酸n−ブチル
0.2gのtert−ブチルペルオクトエート;
供給材料3:175gの酢酸n−ブチル
1.0gのtert−ブチルペルオクトエート;
供給材料4:175gの酢酸n−ブチル
1.0gのtert−ブチルペルオクトエート。
【0447】
攪拌機、還流冷却器、内部温度計及び4つの供給デバイスを取り付けた装置において初期充填物を窒素雰囲気下90℃に加熱した。供給材料1及び2を3時間かけて添加し、混合物を90℃で更に1.5時間撹拌した。供給材料3を100℃で1時間かけて添加し、反応混合物をこの温度で1時間撹拌した。次いで、供給材料4を100℃で1時間かけて添加した後、混合物を100℃で2時間撹拌した。温度は125℃に上昇し、混合物を更にこの温度で更に2時間撹拌した。次いで、生じた白色懸濁液を50gの塩化メチルを用いて4級化した。生成物を濾過し、アセトンで洗浄し、減圧下70℃で乾燥した。
【0448】
表2に示す変法Bの生成物はすべて同様に製造した。
【0449】
実施例73(変法C):エトキシル化ジメチルシロキサンの存在下での異なる分解温度を有する2種のフリーラジカル開始剤を用いるAA/DMAPMAM/PETAEの重合
初期充填物:800gの酢酸エチル
1.6gのBelsil(登録商標)DMC 6031
1gのtert−ブチルペルオクトエート;
供給材料1:125gのアクリル酸;
供給材料2:45gのDMAPMAM
1.6gのペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
供給材料3:80gの酢酸エチル
0.4gの過酸化ラウロイル;
供給材料4:200gの酢酸エチル
0.4gの過酸化ラウロイル。
【0450】
攪拌機、還流冷却器、内部温度計及び4つの供給デバイスを取り付けた装置において初期充填物を撹拌しながら窒素雰囲気下75℃に加熱した。供給材料1、2及び3を3時間かけて添加し、混合物を75℃で更に2時間撹拌した。供給材料4を80℃で1時間かけて添加した後、混合物を更に1時間撹拌した。温度は100℃に上昇し、混合物をこの温度で更に3時間撹拌した。次いで、生じた白色懸濁液を40gの塩化メチルを用いて4級化した。生成物を濾過し、アセトンで洗浄し、減圧下70℃で乾燥した。
【0451】
表2に示す変法Cの生成物はすべて同様に製造した。
【0452】
実施例52(変法D):エトキシル化ジメチルシロキサンの存在下での異なる分解温度を有する2種のフリーラジカル開始剤を用いるAA/DMAPMAM/SMA/PETAEの重合
初期充填物:670gの酢酸エチル/シクロヘキサン(65:35)
2gのBelsil(登録商標)DMC 6031
50gの供給材料1
14gの供給材料2
1.5gのペンタエリトリトールトリアリルエーテル
1.5gのtert−ブチルペルオクトエート;
供給材料1:142.5gのアクリル酸
3gのステアリルメタクリレート
3gのジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
100gの酢酸エチル/シクロヘキサン(65:35)
4.3gの無水KCO
供給材料2:70gの酢酸エチル/シクロヘキサン(65:35)
0.35gのTrigonox(登録商標)EHP−C75(75%濃度);
供給材料3:70gの酢酸エチル/シクロヘキサン(65:35)
1.0gのTrigonox(登録商標)EHP−C75(75%濃度)。
【0453】
攪拌機、還流冷却器、内部温度計及び3つの供給デバイスを取り付けた装置において初期充填物を撹拌しながら窒素雰囲気下50℃に加熱した。供給材料1を1.5時間かけて添加し、供給材料2を2時間かけて添加し、混合物を60℃で更に2時間撹拌した。供給材料3を60℃で1時間かけて添加した後、混合物を70℃で更に2時間撹拌した。温度は100℃に上昇し、混合物をこの温度で更に3時間撹拌した。次いで、生じた白色懸濁液を濾過し、アセトンで洗浄し、減圧下70℃で乾燥した。
【0454】
表2に示す変法Dの生成物はすべて同様に製造した。
【表3】

【0455】

【0456】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のイオノゲン及び/又はイオン基を有する少なくとも1種の化合物、及び
b)1分子あたり少なくとも2個のα,β−エチレン性不飽和二重結合を有するフリーラジカル重合可能な少なくとも1種の架橋用化合物を、
ポリエーテル基及び/又はフリーラジカル重合可能なオレフィン性不飽和二重結合を含む少なくとも1種のシリコーン化合物c)の存在下でフリーラジカル共重合することにより得られるシリコーン基を含有するコポリマーA)。
【請求項2】
沈澱重合方法に従ってフリーラジカル共重合することにより得られる請求項1に記載のコポリマーA)。
【請求項3】
成分a)が、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びその混合物から選択される、少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)を含む請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項4】
成分a1)が、アクリル酸、メタクリル酸、及びアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含む混合物から選択される請求項3に記載のコポリマー。
【請求項5】
成分a)が、アミン窒素上でモノ−又はジアルキル化されていてもよいα,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸とアミノアルコールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と少なくとも1個の第1級又は第2級アミノ基を有するジアミンとのアミド、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキルアミン及びその誘導体、ビニル−及びアリル−置換窒素ヘテロ環、ビニル−及びアリル−置換ヘテロ芳香族化合物及びその混合物から選択される、少なくとも1個のカチオノゲン及び/又はカチオン基を有する少なくとも1種の化合物a2)を含む請求項1〜4のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項6】
成分a2)が、N−ビニルイミダゾール化合物及び少なくとも1種のN−ビニルイミダゾール化合物を含む混合物から選択される請求項5に記載のコポリマー。
【請求項7】
成分a2)が、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、並びにN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/又はN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドを含む混合物から選択される請求項5に記載のコポリマー。
【請求項8】
成分a)が、少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)及び少なくとも1個のカチオノゲン及び/又はカチオン基を有する少なくとも1種の化合物a2)を含む請求項1〜7のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項9】
成分a)が、少なくとも1種のN−ビニルイミダゾール化合物並びにアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含むか、又はこれらから構成される請求項8に記載のコポリマー。
【請求項10】
成分a)が、アクリル酸、メタクリル酸及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a1)及びN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物から選択される少なくとも1種の成分a2)を含むか、又はこのように選択される化合物a1)及び化合物a2)から構成される請求項8に記載のコポリマー。
【請求項11】
更に、アミド基を含有し、一般式I:
【化1】

[式中、
基R〜Rの1つは、式CH=CR−(ここで、RはH又はC1−4アルキルである)を有する基であり、他の基R〜Rは、相互に独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールであり;
及びRはこれらが結合しているアミド基と一緒に5〜8環原子を有するラクタムであってもよく;
及びRはこれらが結合している窒素原子と一緒に5〜7員ヘテロ環であってもよく、
ただし基R、R及びRの炭素原子の合計は多くとも8である]
を有するα,β−エチレン性不飽和化合物から選択される少なくとも1種の追加モノマーd)を共重合形態で含む請求項1〜10のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項12】
更に、一般式IIIa)、IIIb)、IIIc)、IIId)及びIIIe):
【化2】

[式中、
アルキレンオキシド単位の順序は任意であり;
k及びlは、相互に独立して、0〜1000の整数であり、ただしk及びlの合計は少なくとも5であり;
は水素又はC1−4アルキル、好ましくはメチルであり;
はC8−30アルキル又はC8−30アルケニルであり;
XはO又は式NR10(ここで、R10はH、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールである)を有する基である]
を有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物e)を共重合形態で含む請求項1〜11のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項13】
更に、一般式IIIa)、IIIb)、IIIc)、IIId)及びIIIe
【化3】

[式中、
アルキレンオキシド単位の順序は任意であり;
k及びlは、相互に独立して、0〜1000の整数であり、ただしk及びlの合計は少なくとも5であり;
は水素又はC1−4アルキル、好ましくはメチルであり;
9*は水素、C1−8アルキル又はC3−8アルケニルであり;
XはO又は式NR10(ここで、R10はH、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールである)を有する基である]
を有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物f)を共重合形態で含む請求項1〜12のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項14】
更に、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸とC2−30ジオールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸と第1級又は第2級アミノ基を有するC2−30アミノアルコールとのアミド、アリルアルコールとC1−7モノカルボン酸とのエステル、IIIc)及びIIIc)とは異なるポリエーテルアクリレート、ビニル芳香族、ビニルハライド、ビニリデンハライド、C1−8モノオレフィン、少なくとも2つの共有二重結合を有する非芳香族炭化水素及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物g)を共重合形態で含む請求項1〜13のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項15】
少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
を共重合形態で含む請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項16】
少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
20〜95重量%のビニルピロリドンd);
を共重合形態で含む請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項17】
少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
0.1〜20重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
を共重合形態で含む請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項18】
少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される、少なくとも1種のモノマーf);
を共重合形態で含む請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項19】
少なくとも2重量%の、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合及び1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン及び/又はアニオン基を有する少なくとも1種の化合物a1)、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸;
0.05〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
20〜95重量%のビニルピロリドンd);
0.1〜20重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーf);
を共重合形態で含む請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項20】
更に、好ましくはN−ビニルイミダゾール化合物、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a2)を共重合形態で含む請求項13〜17のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項21】
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも2重量%の、N−ビニルイミダゾール化合物a2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも1重量%の、アニオノゲン又はアニオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa1)又はカチオノゲン又はカチオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa2);
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて0.05〜5重量%の少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な架橋用化合物b);
0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
0〜95重量%の、アミド基を含有する少なくとも1種のモノマーd);
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて0〜40重量%の少なくとも1種の疎水性モノマーe);
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて0〜40重量%の少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られる請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項22】
アニオノゲン/アニオン基がカチオノゲン/カチオン基と比べて、1:1以上、好ましくは少なくとも1.2:1、特に少なくとも1.4:1でモル過剰である請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項23】
メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
N−ビニルイミダゾール、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a2);
少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
少なくとも1種のシリコーン化合物c);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、アニオノゲン/アニオン基のカチオノゲン/カチオン基に対するモル比が少なくとも1:1である請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項24】
メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
N−ビニルイミダゾール、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a2);
少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
少なくとも1種のシリコーン化合物c);
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて3〜35重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、アニオノゲン/アニオン基のカチオノゲン/カチオン基に対するモル比が少なくとも1.2:1である請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項25】
メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
N−ビニルイミダゾール、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物a2);
少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート 及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
少なくとも1種のシリコーン化合物c);
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて0.1〜10重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、アニオノゲン/アニオン基のカチオノゲン/カチオン基に対するモル比が少なくとも1.4:1である請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項26】
モノマーa1)の全重量に基づいて最高60重量%の成分a1)が少なくとも1種のモノマーd)、好ましくはビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタムで置換されている請求項22〜25のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項27】
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも2重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
5〜70重量%のメタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
20〜95重量%のビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタムd);
0.1〜20重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られる請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項28】
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも5重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
5〜70重量%のメタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
20〜85重量%のビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタムd);
5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種の追加モノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られる請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項29】
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも5重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
5〜70重量%のメタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
20〜85重量%のビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタムd);
1〜20重量%の、C8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーe);
をフリーラジカル共重合することにより得られる請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項30】
成分a2)が、N−ビニルイミダゾールの代わりに又は加えて、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/又はN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドを有する請求項27〜29のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項31】
カチオノゲン/カチオン基がアニオノゲン/アニオン基に比べて少なくとも6:1でモル過剰である請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項32】
メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
N−ビニルイミダゾールa2);
少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
少なくとも1種のシリコーン化合物c);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、カチオノゲン/カチオン基のアニオノゲン/アニオン基に対するモル比が少なくとも6:1である請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項33】
メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
N−ビニルイミダゾールa2);
少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
少なくとも1種のシリコーン化合物c);
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて3〜35重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、カチオノゲン/カチオン基のアニオノゲン/アニオン基に対するモル比が少なくとも6:1である請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項34】
メタクリル酸及び/又はアクリル酸a1);
N−ビニルイミダゾールa2);
少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
少なくとも1種のシリコーン化合物c);
0.1〜10重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
をフリーラジカル共重合することにより得られ、カチオノゲン/カチオン基のアニオノゲン/アニオン基に対するモル比が少なくとも6:1である請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項35】
成分a2)の全重量に基づいて最高50重量%のN−ビニルイミダゾールa2)が別のモノマーa2)、好ましくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/又はN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドで置換されている請求項32〜34のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項36】
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも2重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
3〜70重量%の、好ましくはビニルイミダゾール化合物、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される、カチオノゲン又はカチオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa2);
0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
0〜95重量%、好ましくは20〜95重量%のビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタムd);
0〜20重量%の、好ましくはC8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の化合物e);
0〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られる請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項37】
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも2重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
3〜50重量%の、好ましくはビニルイミダゾール化合物、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される、カチオノゲン又はカチオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa2);
0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤b)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
20〜95重量%のビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタムd);
5〜40重量%の、好ましくはC1−6(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレート及びその混合物から選択される少なくとも1種のモノマーf);
をフリーラジカル共重合することにより得られる請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項38】
重合のために使用されるモノマーの全重量に基づいて少なくとも5重量%の、N−ビニルイミダゾールa2)とアクリル酸及び/又はメタクリル酸a1)との少なくとも1種のモノマー対;
3〜70重量%の、好ましくはビニルイミダゾール化合物、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びその混合物から選択される、カチオノゲン又はカチオン基を有する少なくとも1種の追加モノマーa2);
0.1〜2重量%の少なくとも1種の架橋剤c)、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/又はペンタエリトリトールトリアリルエーテル;
0.05〜30重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の少なくとも1種のシリコーン化合物c);
20〜85重量%のビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタムd);
1〜20重量%の、C8−22(メタ)アクリレート、C8−22アルキルビニルエーテル、末端にC8−22アルキル基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート、末端にC8−22アルキル基を有するアリルアルコールアルコキシレート、C8−22カルボン酸ビニルエステル及びその混合物から選択される少なくとも1種の追加モノマーe);
をフリーラジカル共重合することにより得られる請求項1〜14のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項39】
重合をポリエーテル含有化合物の存在下で実施する請求項1〜38のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項40】
CHClで部分的又は完全に4級化されているカチオン基を含む請求項1〜39のいずれかに記載のコポリマーA)。
【請求項41】
沈澱重合方法に従ってフリーラジカル共重合することによる、請求項1〜40のいずれかに定義したシリコーン基を含有するコポリマーA)の製造方法。
【請求項42】
重合を、主として無水の非プロトン性溶媒又は溶媒混合物中で、好ましくは酢酸エチル及び/又は酢酸n−ブチル中で実施する請求項41に記載の方法。
【請求項43】
重合を70〜140℃、好ましくは75〜100℃、特に80〜95℃の範囲の温度で実施する請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
共重合のために、分解温度が相互に少なくとも10℃、好ましくは少なくとも15℃異なる少なくとも2種の開始剤を用いる請求項41〜43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
コポリマーの沈澱が完了するまで共重合を低い方の分解温度以上〜高い方の分解温度未満の温度で実施し、沈澱後、更なる反応を高い方の分解温度以上の温度で実施する請求項44に記載の方法。
【請求項46】
第1重合温度での第1重合期及び第1重合温度よりも高い第2重合温度での第2重合期を含み、重合のために、開始剤の少なくとも1種は第1重合期の間にフリーラジカルに分解し、開始剤の少なくとも1種は第1重合期の間に実質的にフリーラジカルに分解せずに、第2重合期の間にフリーラジカルに分解するように、第1重合温度での半減期が異なる少なくとも2種の開始剤を用いる請求項41〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
第2重合期はコポリマーの沈澱が実質的に完了した後に開始する請求項46に記載の方法。
【請求項48】
低い方の温度で分解する開始剤は50〜100℃の分解温度を有している請求項44〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
高い方の温度で分解する開始剤は80〜150℃の分解温度を有している請求項44〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
高い方の温度で分解する開始剤をまず共重合の開始時に導入するか、又はコポリマーの沈澱前又はその間に添加する請求項44〜49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
高い方の温度で分解する開始剤をまず共重合の開始時に導入するか、又はコポリマーの沈澱前に添加する請求項50に記載の方法。
【請求項52】
水性活性物質又は作用物質組成物のレオロジー特性を調節するための、前記組成物における請求項1〜40のいずれかに定義したシリコーン基を含有するコポリマーA)の使用。
【請求項53】
pHによりコントロールされ得る性質を有するレオロジー調節剤としての請求項52に記載の使用。
【請求項54】
pH6〜10の範囲での、アニオノゲン/アニオン基がカチオノゲン/カチオン基に比べてモル過剰であるコポリマーA)の請求項53に記載の使用。
【請求項55】
pH2〜6の範囲の分散液を製剤化するための、酸、好ましくは乳酸と組み合わせた、アニオノゲン/アニオン基がカチオノゲン/カチオン基に比べてモル過剰である請求項1〜40に定義したコポリマーA)の使用。
【請求項56】
pH3〜9の範囲でのレオロジー調節剤としての、部分的に又は完全に4級化されたカチオンを含む、カチオノゲン/カチオン基がアニオノゲン/アニオン基に比べてモル過剰である請求項1〜40のいずれかに定義されているコポリマーA)の使用。
【請求項57】
塩含有組成物に対するレオロジー調節剤としての請求項52に記載の使用。
【請求項58】
界面活性剤含有組成物に対するレオロジー調節剤としての請求項52に記載の使用。
【請求項59】
少なくともポリビニルピロリドンホモポリマー又はコポリマーを含む組成物に対するレオロジー調節剤としての請求項52に記載の使用。
【請求項60】
コポリマーA)と異なる少なくとも1種の別の増粘剤と組み合わせた請求項52〜59のいずれかに記載の使用。
【請求項61】
均質相水性組成物における請求項52〜59のいずれかに記載の使用。
【請求項62】
更に少なくとも1種の疎水性成分を含む不均質相組成物における請求項52〜60のいずれかに記載の使用。
【請求項63】
25℃及び1013ミリバールで10g/l以下の水溶解度を有する活性物質及び作用物質の水性製剤を調製するための可溶化剤としての、請求項1〜40のいずれかに定義したシリコーン基を含有するコポリマーA)の使用。
【請求項64】
フリーラジカル水性乳化重合中の保護コロイドとしての、請求項1〜40のいずれかに定義したシリコーン基を含有するコポリマーA)の使用。
【請求項65】
A)請求項1〜40のいずれかに定義したシリコーン基を含有する少なくとも1種のコポリマー、
B)少なくとも1種の化粧品上又は製薬上許容される活性物質又は作用物質、及び
C)適当ならば、少なくとも1種のB)とは異なる別の化粧品上又は製薬上許容される助剤
を含む化粧品又は医薬組成物。

【公表番号】特表2009−503174(P2009−503174A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523337(P2008−523337)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064507
【国際公開番号】WO2007/012610
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】