説明

シルク蛋白を含む塗布液とその製造方法

【課題】 シルク蛋白を含む塗布液とその製造方法を提供する。
【解決手段】カップリング剤と、酢酸と、シルク蛋白と、水とを含んでなり、
該カップリング剤の重量に占めるパーセンテージが2〜10%で、酢酸が0.5〜2%で、シルク蛋白が10〜20%で、水が残った重量を占めてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シルク蛋白を含む塗布液とその製造方法と応用に関し、特にシルク蛋白を含む様々な成分からなるシルク蛋白を含む塗布液とその製造方法と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
シルク蛋白は18種類のアミノ酸を含んでなる。該アミノ酸には、グリコール、アラニン、セリンなどが70%以上含まれてなり、極めて豊富な栄養物質を具えてなるため、医薬品、食品、化粧品、皮革・織物などに幅広く使用されている。
【0003】
日用品である衛生用品(生理用ナプキン、生理用パッド、おむつ、化粧パフなど)の市場においてシルク蛋白は大きな影響力を秘めている。
【0004】
シルク蛋白は、セリンや戸レオ人など天然で肌に優しい成分が豊富に含まれている。また、シルク蛋白は、極めて豊富な極性のアミノ酸を含み、天然保湿因子のNMF(Natural Moisturizing Factor)の含有量も多いため、優れた吸水性、放湿性、保湿性を具え、肌の栄養状態を調節することができる。
【0005】
発明者は、シルク蛋白が天気、或いは人体の部位の特殊性から引き起こされたかゆみや湿疹を緩和するとともに、抗菌の働きがあることを発見した。
【0006】
しかしながら、市場で販売されている成人女性、乳幼児などの皮膚に触れる衛生用品において、シルク蛋白に関する製品を塗布液に使用した製品が見られない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、女性や、乳幼児の衛生用品に塗布するシルク蛋白を含む塗布液とその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明の発明者は従来の技術に見られる欠点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、カップリング剤と、酢酸と、シルク蛋白と、水とを含んでなり、
該カップリング剤の重量に占めるパーセンテージが2〜10%で、酢酸が0.5〜2%で、シルク蛋白が10〜20%で、水が残った重量を占めてなるシルク蛋白を含む塗布液とその製造方法によって課題を解決できる点に着眼し、かかる知見に基づいて本発明を完成させた。
【0009】
以下、この発明について具体的に説明する。
請求項1に記載するシルク蛋白を含む塗布液は、カップリング剤と、酢酸と、シルク蛋白と、水とを含んでなり、
該カップリング剤の重量に占めるパーセンテージが2〜10%で、酢酸が0.5〜2%で、シルク蛋白が10〜20%で、水が残った重量を占めてなる。
【0010】
請求項2に記載のシルク蛋白を含む塗布液は、請求項1におけるシルク蛋白がコロイド状のシルクのペプチドと、まゆから抽出したエキスと、セリシンとを含む水溶性の蛋白か、フィブロンを含む非水溶性の蛋白か、ナノシルク蛋白である。
【0011】
請求項3に記載のシルク蛋白を含む塗布液は、請求項2におけるナノシルク蛋白の粒が、1000nm〜1nmの範囲である。
【0012】
請求項4に記載のシルク蛋白を含む塗布液は、請求項1におけるカップリング剤が、キチンオリゴ糖か、キトサンオリゴ糖か、アルカリ基を有するシラン化合物と、触媒と、ZnCL2(塩化亜鉛)の化合物である。
【0013】
請求項5に記載のシルク蛋白を含む塗布液は、請求項4におけるキチンオリゴ糖が、
a.脱灰:蚕のまゆと重量濃度が3〜5%の塩酸溶液を1対15〜20の割合で配合する。先に3〜5%の塩酸溶液を耐酸性の容器に入れ、蚕のまゆを加えて反復して攪拌し、均一にし、20〜24時間浸した後、取り出して樹脂ネットで塩酸をろ過し、次に水道水で中性になるまで洗浄し、遠心分離機にかけて脱水、乾燥機に入れ、70〜80℃の温度で乾燥させ、
b.加熱精製:脱灰したまゆと5〜10%の水酸化ナトリウムを1対20の比率で琺瑯の反応釜へ入れて沸騰するまで温度を上昇させるとともに、攪拌機を始動し、2〜4時間加熱後、加熱停止して冷却し、ろ過用の網でろ過してまゆを取り出し、水道水で洗浄後、洗浄した後の水が水道水と同じ色になるまで洗浄し、遠心分離機で脱水し、温度70〜80℃の乾燥機に入れ、水分が10%になっていることを確認すると、キチン質を採取することができ、
c.キチン質の精製:キチン質と0.5〜1%の高マンガン酸カリウム水溶液とを1対20の割合で配合して脱色する。室温で0.5時間攪拌し、布の袋に入れて高マンガン酸カリウム液をろ過するとともに、純粋な水で洗浄し、洗浄した後の液が純粋な水と同じ色になるまで洗浄を続け、その後、遠心分離機で脱水して水分を測定し、
d.キチンオリゴ糖の採取:キチン質と35〜45%のNaOHを1:20の割合で配合し、琺瑯の反応釜に入れ、攪拌しながら温度を沸騰するまで上昇させ、温度を110〜120℃に制御して、4〜6時間沸騰を続けた後に加熱を停止し、耐酸性のろ過ネットで濃いソーダ液を取り除き、純粋な水で、フェノールフタレインの反応が無くなるまで洗浄し、遠心分離機で脱水し、95%のアルコールの10倍の体積にして10時間浸してアルコールを取り出し、遠心分離機で脱水してから温度が70〜80℃の乾燥機で乾燥し、水分が8%になったら取り出して冷まして採取する。
【0014】
請求項6に記載のシルク蛋白を含む塗布液の製造方法は、請求項1におけるシルク蛋白と、該シルク蛋白を含む塗布液の製造が、
(1)シルク蛋白を採取する場合、
(a)シルクを水道水に12時間以上浸し、純粋な水で3〜5回ほど洗浄して脱水し、水分を計測し、
(b)シルクと水を1対6〜10の割合にして、シルクと水を樹脂を取り除く釜に入れ、0.1〜0.2mpaの蒸気圧の下、0.5〜2時間で樹脂を取り除き、コロイド状のシルクのエキスを取り出し、純粋な水で洗浄し、遠心分離機で脱水して水分を計測し、
(c)シルクのフィブロンと重量濃度が6%のNaOH(水酸化ナトリウム)溶液を1対10〜12の割合にしてフィブロンをNaOH溶液に20〜30時間浸し、
(d)10%の塩酸でPHを5〜7に中和させて、
(e)遠心分離機で脱水し、温度が70〜80℃の乾燥機で水分が10%以下になるまで乾燥し、
(f)精密粉砕機で3〜5回粉砕し、シルクの粉を水に溶かしてろ過フィルムでろ過した後、シルク蛋白の粒径が400nm以下になるようにしてから、遠心分離機で脱水し温度70〜80℃の乾燥機に入れて水分が8%以下になったら取り出して冷まし、
(2)シルク蛋白を含む塗布液を採取する場合、
水温を60〜90℃に上昇させて、2〜10%のカップリング剤及び0.5〜2%の酢酸を入れて0.5〜3時間攪拌し、10〜20%のシルク蛋白を加えて均一に攪拌して塗布液を形成する。
【0015】
請求項7に記載のシルク蛋白を含む塗布液は、請求項1におけるシルク蛋白を含む塗布液が、成人女性、乳幼児の皮膚に直接触れる製品に使用できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明のシルク蛋白を含む塗布液とその製造方法は、従来の製品よりも皮膚に優しく、皮膚を保護し、通気性、高い吸・湿性を具え、表面が乾燥し、抗菌・消炎の働きを具え、皮膚の疾患を防ぐことができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明は、カップリング剤と、酢酸と、シルク蛋白と、水とを含んでなり、
該カップリング剤の重量に占めるパーセンテージが2〜10%で、酢酸が0.5〜2%で、シルク蛋白が10〜20%で、水が残った重量を占めてなる。
かかるシルク蛋白を含む塗布液とその製造方法と特徴を詳述するために具体的な実施例を挙げ、図示を参照にして以下に説明する。
【実施例1】
【0018】
シルク蛋白を含む塗布液は以下のステップで採取する。
【0019】
1.シルク蛋白を採取する場合、
(1)100キログラムのシルクを水道水に12時間つける。その後、不純物を取り除いた純粋な水で5回ほど洗浄して脱水し、乾燥する。
【0020】
(2)シルクを高圧で樹脂を取り除く釜に入れ、シルクと水を1対6の割合にする。0.15mpaの蒸気圧の下、0.5時間、樹脂を取り除き、シルクを取り出す。該シルクを純粋な水で洗浄し、遠心分離機で脱水すると、74kgのフィブロンを摂取することができる。
【0021】
(3)シルクのフィブロンと重量濃度が6%のNaOH(水酸化ナトリウム)溶液を1対10の割合にしてフィブロンを琺瑯の容器内で22時間浸す。
【0022】
(4)10%の塩酸でPHを6.2に中和させた後、遠心分離機で脱水する。
【0023】
(5)温度70℃の乾燥機で12時間乾燥させて、水分が9%になるまで乾燥して取り出す。
【0024】
(6)精密粉砕機で4回粉砕し、44kgのシルクの粉を400kgの純粋な水の中に入れて均等に攪拌する。ろ過フィルムでろ過した後、ろ過後の液体を遠心分離機にかけて脱水した後、乾燥機に入れて温度70℃で10時間乾燥する。水分が5.4%になったら取り出して冷ますと、シルク蛋白42kgを製造することができる。
【0025】
2.シルク蛋白を含む塗布液を採取する場合、
(1)水温を90℃に上昇させて、2%のキチンオリゴ糖を含むカップリング剤及び0.5%の酢酸を入れて3時間攪拌する。その後、10%のシルク蛋白を加えて均一に攪拌して塗布液にする。
【0026】
上述のキチンオリゴ糖を採取する方法を以下に示す。蚕のまゆ50kgを用意する。
【0027】
a.脱灰:蚕のまゆと重量濃度が5%の塩酸溶液を1対20の割合で配合する。先に5%の塩酸溶液を1000kg耐酸性の容器に入れ、50kgの蚕のまゆを加えて反復して均一に攪拌する。20時間浸した後、取り出して樹脂ネットで塩酸をろ過する。次に水道水でPH6.3になるまで洗浄し、遠心分離機にかけて脱水、乾燥機に入れ、70℃の温度で10時間乾燥させて、脱灰したまゆ37kgを採取する。
【0028】
b.加熱精製:脱灰したまゆと10%の水酸化ナトリウムを1対20の比率で琺瑯の反応釜へ入れる。沸騰するまで温度を上昇させるとともに、攪拌機を始動し、2時間加熱後、加熱停止して冷却し、ろ過用の網でろ過してまゆを取り出す。水道水で洗浄後、洗浄した後の水が水道水と同じ色になるまで洗浄し、遠心分離機で脱水し、温度75℃の乾燥機に入れる。8.5時間後、水分が8.1%になっていることを確認すると、キチン質29.6kgを採取することができる。
【0029】
c.キチン質の精製:キチン質と1%の高マンガン酸カリウム水溶液とを1対20(w/v)の割合で配合して脱色する。室温で0.5時間攪拌し、布の袋に入れて高マンガン酸カリウム液をろ過するとともに、純粋な水で洗浄し、洗浄した後の液が純粋な水と同じ色になるまで洗浄を続ける。その後、遠心分離機で脱水して水分が55%になることを確認して精製する。
【0030】
d.キチンオリゴ糖の採取:キチン質と35%のNaOHを1:20(w/v)の割合で配合し、琺瑯の反応釜に入れる。攪拌しながら温度を沸騰するまで上昇させる。温度は110〜120℃に制御して、5時間沸騰を続けた後に加熱を停止する。耐酸性のろ過ネットで濃いソーダ液(回収して使用可能)を取り除き、純粋な水で、フェノールフタレインの反応が無くなるまで洗浄する。その後、遠心分離機で脱水し、乾燥機を75℃にして9時間乾燥する。水分が9%になったら取り出して冷まし、20.1kgのキチンオリゴ糖を採取する。
【実施例2】
【0031】
シルク蛋白を複合する塗布液の製造方法を以下に説明する。
【0032】
1.シルク蛋白の採取:
(1)100キログラムのシルクを用意し、該シルクを12時間水道水に浸す。次に、純粋な水で5回洗浄し、脱水、乾燥させる。
【0033】
(2)シルクを高圧で樹脂を取り除く釜に入れ、シルクと水を1対8の割合にする。0.2mpaの蒸気圧の下、0.5時間、樹脂を取り除き、フィブロンを取り出す。該フィブロンを純粋な水で洗浄し、遠心分離機で脱水すると、74kgのフィブロンを摂取することができる。
【0034】
(3)シルクのフィブロンと重量濃度が4%のNaOH(水酸化ナトリウム)溶液を1対112の割合にしてフィブロンを琺瑯の容器内で24時間浸す。10%の塩酸でPH6になるまで中和して、遠心分離機で脱水する。
【0035】
(4)乾燥機に12時間いれ、そのうち10時間は温度を80℃に設定し、水分が8.2%になるまで乾燥して取り出す。精密粉砕機で4回粉砕し、40.2kgのシルクの粉を395kgの純粋な水の中に入れて均等に攪拌する。ろ過フィルムでろ過した後、ろ過後の液体を遠心分離機にかけて脱水した後、乾燥機に入れて温度70℃で9時間乾燥する。水分が6.2%になったら取り出して冷ますと、シルク蛋白40.5kgを製造することができる。
【0036】
2.シルク蛋白を含む塗布液を採取する場合、
(1)水温を75℃に上昇させて、6%のカップリング剤及び1.3%の酢酸を入れて2時間攪拌する。その後、15%のシルク蛋白を加えて均一に攪拌して塗布液にする。
【0037】
上述のキチンオリゴ糖を採取する方法を以下に示す。蚕のまゆ50kgを用意する。
【0038】
a.脱灰:蚕のまゆと重量濃度が5%の塩酸溶液を1対20の割合で配合する。先に3%の塩酸溶液を1000kg耐酸性の容器に入れ、50kgの蚕のまゆを加えて反復して攪拌し、均一にする。24時間浸した後、取り出して樹脂ネットで塩酸をろ過する。次に水道水でPH6になるまで洗浄し、遠心分離機にかけて脱水、乾燥機に入れ、75℃の温度で9時間乾燥させて、脱灰したまゆ39kgを採取する。
【0039】
b.加熱精製:脱灰したまゆと5%の水酸化ナトリウムを1対20の比率で琺瑯の反応釜へ入れる。沸騰するまで温度を上昇させるとともに、攪拌機を始動し、4時間加熱後、加熱停止して冷却し、ろ過用の網でろ過してまゆを取り出す。水道水で洗浄後、洗浄した後の水が水道水と同じ色になるまで洗浄し、遠心分離機で脱水し、温度70℃の乾燥機に入れる。9時間後、水分が8.3%になっていることを確認すると、キチン質27.4kgを採取することができる。
【0040】
c.キチン質の精製:キチン質と1%の高マンガン酸カリウム水溶液とを1対20(w/v)の割合で配合して脱色する。室温で1時間攪拌し、布の袋に入れて高マンガン酸カリウム液をろ過するとともに、純粋な水で洗浄し、洗浄した後の液が純粋な水と同じ色になるまで洗浄を続ける。その後、遠心分離機で脱水して水分が53%になることを確認して精製する。
【0041】
d.キチンオリゴ糖の採取:キチン質と35%のNaOHを1:20(w/v)の割合で配合し、琺瑯の反応釜に入れる。攪拌しながら温度を沸騰するまで上昇させる。温度は110〜120℃に制御して、6時間沸騰を続けた後に加熱を停止する。耐酸性のろ過ネットで濃いソーダ液(回収して使用可能)を取り除き、純粋な水で、フェノールフタレインの反応が無くなるまで洗浄する。その後、遠心分離機で脱水する。43.7kg(水を含む)で95%のアルコールを10倍の体積した中に10時間浸し、アルコールをろ過した後、遠心分離機で脱水する。乾燥機を70℃にして8時間乾燥する。水分が7.1%になったら取り出して冷まし、18.5kgのキチンオリゴ糖を採取する。
【実施例3】
【0042】
1.シルク蛋白の採取:
(1)100キログラムのシルクを用意し、該シルクを12時間水道水に浸す。次に、純粋な水で5回洗浄し、脱水、乾燥させる。
【0043】
(2)シルクを高圧で樹脂を取り除く釜に入れ、シルクと水を1対8の割合にする。0.1mpaの蒸気圧の下で2時間、樹脂を取り除き、フィブロンを取り出す。該フィブロンを純粋な水で洗浄し、遠心分離機で脱水すると、73kgのフィブロンを摂取することができる。
【0044】
(3)シルクのフィブロンと重量濃度が4%のNaOH(水酸化ナトリウム)溶液とを1対112の割合にしてフィブロンを琺瑯の容器内で30時間浸す。10%の塩酸でPH6になるまで中和して、遠心分離機で脱水する。
【0045】
(4)乾燥機に12時間入れ、そのうち10時間は温度を70℃に設定し、水分が8.1%になるまで乾燥して取り出す。精密粉砕機で4回粉砕する。41.3kgのシルクの粉を400kgの純粋な水の中に入れて均等に攪拌する。ろ過フィルムでろ過した後、ろ過後の液体を遠心分離機にかけて脱水した後、乾燥機に入れて温度80℃で8時間乾燥する。水分が6.3%になったら取り出して冷ますと、シルク蛋白44kgを製造することができる。
【0046】
2.シルク蛋白を複合した塗布液を採取する場合、
(1)水温を90℃に上昇させて、10%のカップリング剤及び2%の酢酸を入れて3時間攪拌する。その後、20%のシルク蛋白を加えて均一に攪拌して塗布液にする。
【0047】
上述のキチンオリゴ糖を採取する方法を以下に示す。蚕のまゆを50kg用意する。
【0048】
a.脱灰:蚕のまゆと重量濃度が5%の塩酸溶液を1対20の割合で配合する。先に3%の塩酸溶液を1000kg耐酸性の容器に入れ、50kgの蚕のまゆを加えて反復して攪拌し、均一にする。24時間浸した後、取り出して樹脂ネットで塩酸をろ過する。次に水道水でPH6.3になるまで洗浄し、遠心分離機にかけて脱水、乾燥機に入れ、75℃の温度で9時間乾燥させて、脱灰したまゆ40kgを採取する。
【0049】
b.加熱精製:脱灰したまゆと4%の水酸化ナトリウムを1対20の比率で琺瑯の反応釜へ入れる。沸騰するまで温度を上昇させるとともに、攪拌機を始動し、4時間加熱後、加熱停止して冷却し、ろ過用の網でろ過してまゆを取り出す。水道水で洗浄後、洗浄した後の水が水道水と同じ色になるまで洗浄し、遠心分離機で脱水し、温度70℃の乾燥機に入れる。9時間後、水分が8.2%になっていることを確認すると、キチン質29.2kgを採取することができる。
【0050】
c.キチン質の精製:キチン質と0.5%の重量濃度の高マンガン酸カリウム水溶液とを1対20(w/v)の割合で配合して脱色する。室温で0.5時間攪拌し、布の袋に入れて高マンガン酸カリウム液をろ過するとともに、純粋な水で洗浄し、洗浄した後の液が純粋な水と同じ色になるまで洗浄を続ける。その後、遠心分離機で脱水する。
【0051】
キチン質と0.5%の高マンガン酸カリウム水溶液とを1対20(w/v)の割合で配合して二次脱色を実施する。二次脱色は最初の脱色に比べて、得られるキチン質が混合物の少ない透明な状態になる。室温で0.5時間攪拌し、布袋で高マンガン酸カリウム液をろ過するとともに、純粋な水で洗浄する。洗浄後の水が純粋な水の色と同じになるまで洗浄を続け、その後遠心分離で脱水して水分が57%になったら取り出す。
【0052】
d.キチンオリゴ糖の採取:キチン質と40%のNaOHを1:20(w/v)の割合で配合し、琺瑯の反応釜に入れる。攪拌しながら温度を沸騰するまで上昇させる。温度は110〜120℃に制御して、4時間沸騰を続けた後に加熱を停止する。耐酸性のろ過ネットで濃いソーダ液(回収して使用可能)を取り除き、純粋な水で、フェノールフタレインの反応が無くなるまで洗浄する。その後、遠心分離機で脱水する。44kg(水を含む)で95%のアルコールを10倍の体積にした中に10時間浸し、アルコールをろ過した後、遠心分離機で脱水する。乾燥機を70℃にして8時間乾燥する。水分が7.3%になったら取り出して冷まし、17.2kgのキチンオリゴ糖を採取する。
【0053】
この発明のシルク蛋白は、栄養価値が高く、通常、食品、衛生用品、化粧品などの栄養添加剤として使用されている。
【0054】
発明者は、長年の研究開発において、シルク蛋白は栄養価値が高いだけでなく、肌を潤す、病気を引き起こすバクテリアの発生を防ぐなどの特性を具えていることを発見した。
【0055】
また、シルク蛋白を成人女性、乳幼児などの衛生用品の材料に塗布すれば、材料が原因で引き起こされるアレルギーや指針などの皮膚病や陰部の炎症などを改善することができるため、衛生用品使用後の皮膚を適度に乾燥、潤して不快感を軽減することができる。
【0056】
以上は、この発明の好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に属するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップリング剤と、酢酸と、シルク蛋白と、水とを含んでなり、
該カップリング剤の重量に占めるパーセンテージが2〜10%で、酢酸が0.5〜2%で、シルク蛋白が10〜20%で、水が残った重量を占めてなることを特徴とするシルク蛋白を含む塗布液。
【請求項2】
前記シルク蛋白がコロイド状のシルクのペプチドと、まゆから抽出したエキスと、セリシンとを含む水溶性の蛋白か、フィブロンを含む非水溶性の蛋白か、ナノシルク蛋白であることを特徴とする請求項1に記載のシルク蛋白を含む塗布液。
【請求項3】
前記ナノシルク蛋白の粒が、1000nm〜1nmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載のシルク蛋白を含む塗布液。
【請求項4】
前記カップリング剤が、キチンオリゴ糖か、キトサンオリゴ糖か、アルカリ基を有するシラン化合物と、触媒と、ZnCL2(塩化亜鉛)の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のシルク蛋白を含む塗布液。
【請求項5】
前記キチンオリゴ糖が、
a.脱灰:蚕のまゆと重量濃度が3〜5%の塩酸溶液を1対15〜20の割合で配合する。先に3〜5%の塩酸溶液を耐酸性の容器に入れ、蚕のまゆを加えて反復して攪拌し、均一にし、20〜24時間浸した後、取り出して樹脂ネットで塩酸をろ過し、次に水道水で中性になるまで洗浄し、遠心分離機にかけて脱水、乾燥機に入れ、70〜80℃の温度で乾燥させ、
b.加熱精製:脱灰したまゆと5〜10%の水酸化ナトリウムを1対20の比率で琺瑯の反応釜へ入れて沸騰するまで温度を上昇させるとともに、攪拌機を始動し、2〜4時間加熱後、加熱停止して冷却し、ろ過用の網でろ過してまゆを取り出し、水道水で洗浄後、洗浄した後の水が水道水と同じ色になるまで洗浄し、遠心分離機で脱水し、温度70〜80℃の乾燥機に入れ、水分が10%になっていることを確認すると、キチン質を採取することができ、
c.キチン質の精製:キチン質と0.5〜1%の高マンガン酸カリウム水溶液とを1対20の割合で配合して脱色する。室温で0.5時間攪拌し、布の袋に入れて高マンガン酸カリウム液をろ過するとともに、純粋な水で洗浄し、洗浄した後の液が純粋な水と同じ色になるまで洗浄を続け、その後、遠心分離機で脱水して水分を測定し、
d.キチンオリゴ糖の採取:キチン質と35〜45%のNaOHを1:20の割合で配合し、琺瑯の反応釜に入れ、攪拌しながら温度を沸騰するまで上昇させ、温度を110〜120℃に制御して、4〜6時間沸騰を続けた後に加熱を停止し、耐酸性のろ過ネットで濃いソーダ液を取り除き、純粋な水で、フェノールフタレインの反応が無くなるまで洗浄し、遠心分離機で脱水し、95%のアルコールの10倍の体積にして10時間浸してアルコールを取り出し、遠心分離機で脱水してから温度が70〜80℃の乾燥機で乾燥し、水分が8%になったら取り出して冷まして採取することを特徴とする請求項4に記載のシルク蛋白を含む塗布液。
【請求項6】
前記シルク蛋白と、該シルク蛋白を含む塗布液の製造が、
(1)シルク蛋白を採取する場合、
(a)シルクを水道水に12時間以上浸し、純粋な水で3〜5回ほど洗浄して脱水し、水分を計測し、
(b)シルクと水を1対6〜10の割合にして、シルクと水を樹脂を取り除く釜に入れ、0.1〜0.2mpaの蒸気圧の下、0.5〜2時間で樹脂を取り除き、コロイド状のシルクのエキスを取り出し、純粋な水で洗浄し、遠心分離機で脱水して水分を計測し、
(c)シルクのフィブロンと重量濃度が6%のNaOH(水酸化ナトリウム)溶液を1対10〜12の割合にしてフィブロンをNaOH溶液に20〜30時間浸し、
(d)10%の塩酸でPHを5〜7に中和させて、
(e)遠心分離機で脱水し、温度が70〜80℃の乾燥機で水分が10%以下になるまで乾燥し、
(f)精密粉砕機で3〜5回粉砕し、シルクの粉を水に溶かしてろ過フィルムでろ過した後、シルク蛋白の粒径が400nm以下になるようにしてから、遠心分離機で脱水し温度70〜80℃の乾燥機に入れて水分が8%以下になったら取り出して冷まし、
(2)シルク蛋白を含む塗布液を採取する場合、
水温を60〜90℃に上昇させて、2〜10%のカップリング剤及び0.5〜2%の酢酸を入れて0.5〜3時間攪拌し、10〜20%のシルク蛋白を加えて均一に攪拌して塗布液を形成することを特徴とする請求項1に記載のシルク蛋白を含む塗布液とその製造方法。
【請求項7】
前記シルク蛋白を含む塗布液が、成人女性、乳幼児の皮膚に直接触れる製品に使用できることを特徴とする請求項1に記載のシルク蛋白を含む塗布液。

【公開番号】特開2010−120866(P2010−120866A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294323(P2008−294323)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(508334096)湖州大港天明投資有限公司 (3)
【Fターム(参考)】