説明

シンボルタイミング再生装置

【課題】装置の規模をできるだけ小さく、且つ処理遅延を小さくしたシンボルタイミング再生装置を提供する。
【解決手段】このシンボルタイミング再生装置1は、受信機で受信した受信信号から仮のシンボルタイミング位置の推定を行う仮シンボルタイミング位置推定部13と、仮のシンボルタイミング位置とその前後をサンプル点とした複数の数値系列を作成する数値系列作成部14と、複数の数値系列の各々の分散値を算出する分散値算出部15と、最小となる分散値を検索する分散最小値検索部16と、最小の分散値を与えるサンプル点のタイミングをシンボルタイミングとして出力するシンボルタイミング出力部17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタル通信の受信機に用いられるシンボルタイミング再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル通信の受信機においては、高速にシンボルタイミング同期を確立することが重要である。シンボルタイミング同期方式としてはゼロ交差点を検出する方法が多く用いられている。しかし、伝搬路特性が刻々と変化するデジタル移動無線等の多値変調方式へのこの方法の適用は、ゼロ交差点のジッタが大きくなり、同期引き込みに要する時間が長くなるという問題がある。このため、近年様々な方式が提案されている。
【0003】
非特許文献1及び特許文献1は、従来のシンボルタイミング再生装置についての文献である。
【非特許文献1】株式会社 昭晃社 ディジタル移動通信 藤野忠 p133〜
【特許文献1】特開平11−112589号公報
【0004】
図5は、非特許文献1のシンボルタイミング再生装置2の構成図である。
このシンボルタイミング再生装置2は、同期検波部20と、第1、第2アナログ/デジタル変換部(以下、「A/D変換部」という。)21、22と、二乗部23と、狭帯域のバンドパスフィルタ(以下、「BPF」という。)24と、再生クロック補間部25と、シンボルタイミング位置検出部26と、を備えている。
【0005】
受信機で受信された受信信号は、入力端子に入力されて同期検波部20に送られる。同期検波部20は、受信信号を検波して同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)とからなるベースバンド信号を生成する。ベースバンド信号のI成分、Q成分は、それぞれ第1、第2A/D変換部21、22でデジタルデータに変換される。その後、デジタルデータは二乗部23で二乗され、BPF24で濾波された後に再生クロック補間部25に入力されて、クロック再生処理が行われる。シンボルタイミング位置検出部26は、再生されたクロックからシンボルタイミングの位置を検出して、検出したシンボルタイミングを出力端子から出力する。
【0006】
シンボルタイミング再生装置2では、受信信号の伝送路に遅延歪みが存在する場合に、出力端子から出力されるシンボルタイミングと受信信号の波形の最適識別点が必ずしも一致しない。遅延歪みが発生すると、受信信号に含まれるクロックの遅延量が周波数成分毎に異なるために、図7に示すようにアイパターンに波形歪みが生じる。シンボルタイミング再生装置2は、主に受信信号の基本シンボル周波数に一致する成分を抽出する構成となっているために、抽出したクロック位相により決まるシンボルタイミング位置が、遅延量の異なる他の周波数成分に関しては必ずしも最適な識別点にはならない。再生したシンボルタイミングと最適な識別点が一致しない場合、特性劣化の要因になる。そのために、シンボルタイミング再生装置2を用いる場合には、遅延歪みが存在しても最適な識別点をシンボルタイミング位置として出力できるような工夫が必要である。
【0007】
特許文献1のシンボルタイミング再生装置は、以上のような非特許文献1のシンボルタイミング再生装置2の問題を解決するものである。図6は、特許文献1のシンボルタイミング再生装置3の構成図である。
特許文献1のシンボルタイミング再生装置3は、同期検波部30と、第1、第2A/D変換部31、32と、数値系列作成部33と、X個(X:自然数)の分散値算出部341〜34Xと、分散最小値検索部35と、シンボルタイミング位置検出部36と、を備えている。
【0008】
受信機で受信された受信信号は、入力端子に入力されて同期検波部30に送られる。同期検波部30は、受信信号を検波してI成分とQ成分からなるベースバンド信号を生成する。ベースバンド信号のI成分及びQ成分は、それぞれ第1、第2A/D変換部31、32でデジタルデータに変換される。数値系列作成部33は、デジタルデータからベースバンド信号の振幅値或いは振幅の二乗値を1シンボル当たりX個の数値系列にして出力する。各数値系列は、受信信号をX個のサンプル点に分割したときの各サンプル点の振幅値或いは振幅の二乗値の列である。分散値算出部341〜34Xでは、1シンボル当たりX個の数値系列のそれぞれのバラツキを表す分散値を算出する。算出されたX個の分散値は、分散最小値検索部35で最小値が検索される。最小の分散値をとる数値系列となるサンプル点が、シンボルタイミング位置としてシンボルタイミング出力部36を介して出力端子から出力される。
【0009】
図8は、特許文献1のシンボルタイミング再生装置3による、電力の分散値とアイパターンの位置関係を示した図である。電力の分散値は、アイパターンの開口が最大となるタイミングで最小値をとる。そのために、分散値が最小となるタイミングをシンボルタイミングとすることで、最適な識別点を抽出可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1のシンボルタイミング再生装置3は、上記の通り、非特許文献1のシンボルタイミング再生装置2で生じる問題を解決する。しかし、特許文献1のシンボルタイミング再生装置3は、分散値を算出するための分散値算出部341〜34Xが多数必要となり、装置全体が大規模になり、また処理遅延が大きくなる。特に、シンボルタイミング再生を高精度で行う場合には、1シンボル当たりのサンプル点(数値系列の数)を多くする必要があり、分散値算出部が多数必要になる。そのために、装置規模及び処理遅延の問題が深刻になる。
【0011】
本発明は、上記の問題に鑑み、装置の規模をできるだけ小さくし、且つ処理遅延を小さくしたシンボルタイミング再生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決する本発明のシンボルタイミング再生装置は、受信機で受信した受信信号から仮のシンボルタイミング位置の推定を行う仮シンボルタイミング位置推定部と、前記仮のシンボルタイミング位置とその前後をサンプル点とした複数の数値系列を作成する数値系列作成部と、前記複数の数値系列の各々についてそのバラツキを表す分散値を算出する分散値算出部と、最小となる前記分散値を検索する分散最小値検索部と、最小の分散値を与えるサンプル点のタイミングをシンボルタイミングとして出力するシンボルタイミング出力部と、を備える。
【0013】
数値系列を仮のシンボルタイミング位置とその前後についてのみ作成するために、従来のように1つのシンボル全体について作成する必要がなく、数値系列の数を大幅に減らすことができる。そのために、分散値算出部を少なくすることができ、装置全体を小さくすることができる。また、処理遅延も小さくできる。
【0014】
前記数値系列作成部は、例えば前記受信信号の振幅値或いは振幅の二乗値の数値系列を作成する。
前記分散値算出部は、例えば前記数値系列を構成する数値の二乗の平均値から前記数値の平均値の二乗を減算して、当該数値系列の分散値を算出する。前記分散値算出部は複数設けられており、前記分散値算出部の各々で並列処理することで前記複数の数値系列から各々の分散値を算出する構成であってもよい。
【0015】
本発明のシンボルタイミング再生装置は、前記受信信号の信号電力及び雑音電力を算出する伝送品質推定部と、前記信号電力及び前記雑音電力との比に応じて、前記数値の二乗の平均値及び前記数値の平均値を求めるための前記数値の個数を決める平均化数可変部と、を更に備えていてもよい。このような構成では、信号電力と雑音電力との比により表される伝送品質に応じて、平均化に用いる数値の個数が決められる。そのために、適切な処理量でシンボルタイミングを得ることができる。前記平均化数可変部は、例えば前記信号電力及び前記雑音電力と前記数値の個数との関係を表すテーブルを参照して個数を決める。
【0016】
前記数値系列作成部は、例えば、前記数値系列を、前記仮のシンボルタイミング位置と前記受信信号の最適な識別点とのずれに応じた数だけ作成する。必要なだけ数値系列を作成するので、不要な処理を低減できる。
【0017】
本発明のシンボルタイミング再生装置は、前記複数の数値系列に対して補間を行い、新たな数値系列を作成する補間処理部を更に備えていてもよい。この場合、前記分散値算出部は、前記新たな数値系列の分散値を算出する。
【発明の効果】
【0018】
上記のような本発明により、数値系列を仮のシンボルタイミング位置とその前後についてのみ作成するために、数値系列の数を大幅に減らすことができる。そのために、分散値算出部を少なくすることができ、装置全体を小さくすることができる。また、処理遅延も小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本実施形態のシンボルタイミング再生装置1の構成図である。シンボルタイミング再生装置1は、同期検波部10と、第1、第2A/D変換部11、12と、仮シンボルタイミング位置推定部13と、数値系列作成部14と、分散値算出部15と、分散最小値検索部16と、シンボルタイミング出力部17とを備えている。シンボルタイミング再生装置1は、例えば受信機に内蔵され、受信機により受信した受信信号のシンボルタイミング再生に用いられる。
【0021】
受信機で受信された受信信号は、入力端子に入力されて同期検波部10に送られる。同期検波部10は、受信信号を検波してI成分とQ成分からなるベースバンド信号を生成する。ベースバンド信号のI成分及びQ成分は、それぞれ第1、第2A/D変換部11、12でデジタルデータに変換される。これらのデジタルデータは、仮シンボルタイミング位置推定部13及び数値系列作成部14に入力される。
【0022】
仮シンボルタイミング位置推定部13は、遅延歪みがある場合に推定するシンボルタイミング位置と最適識別点との間に一定のずれが生じるような回路でよく、例えば、非特許文献1のシンボルタイミング再生装置2の二乗部23〜シンボルタイミング位置検出部26までの構成をそのまま用いることができる。仮シンボルタイミング位置推定部13により算出された仮シンボルタイミング位置情報は、数値系列作成部14に送られる。
【0023】
数値系列作成部14は、デジタルデータに変換されたベースバンド信号から、仮シンボルタイミング位置情報による仮シンボルタイミング位置とその前後の(x−1)個の位置をサンプル点として、x個の数値系列を作成する。仮シンボルタイミング位置以外のサンプル点の位置や数は、受信信号の伝搬路の周波数特性や、受信信号の波形と仮シンボルタイミング位置との関係から決定する。事前に仮シンボルタイミング位置と最適識別点とのずれ量がわかるならば、サンプル点の位置や数を、マージンや誤差、温度変化による特性変化などを考慮して決める。例えば、開発時にオシロスコープなどで波形を観測し、その結果からサンプル点の位置や数を決める。
従来は、1シンボルをX等分してサンプル点を決めていたが、この実施形態では、仮シンボルタイミング位置の前後にサンプル点を決めればよい。そのために、従来よりもサンプル点を大幅に減少させることができる。
各数値系列は、下記の式(1)、(2)のxnに相当する。数値系列xnは、受信信号の振幅値或いは振幅の二乗値から算出される。数値系列作成部14で作成された数値系列は、分散値算出部15へ送られる。分散値算出部15は、x個の数値系列からそれぞれのバラツキを表す分散値を算出する。
【0024】
分散値の算出について説明する。図2は、受信信号のアイパターンの例示図である。従来は、1シンボルをX等分したサンプル点の振幅値或いは振幅の二乗値について、それぞれNシンボル分の平均化処理を実行し、各サンプル点の振幅値或いは振幅の二乗値の平均値(m0〜mX)を算出する。しかし、本実施形態では、図2に示すように、数値系列作成部14により仮シンボルタイミング位置とその前後の位置をサンプル点として作成されたx個(図2では5個)の数値系列により、各サンプル点の振幅値或いは振幅の二乗値の平均値(m0〜mX)を算出する。次いで、算出した平均値を用いて各サンプル点の分散値(σ02〜σX2)を算出する。
式(1)は、数値系列xnの平均値mを算出する式であり、式(2)は、分散値σ2を算出する式である。
m=(x0+x1+…+xN-1)/N … 式(1)
σ2={(x0−m)2+(x−m)2+…+(xN-1−m)2}/N
={(x02+x12+…+xN-12)/N}−m2 … 式(2)
【0025】
図3は式(1)、(2)の処理を実行するための分散値算出部15の構成図である。分散値算出部15は、第1、第2乗算部151、156、第1、第2累積部152、153、第1、第2除算部154、155、及び減算部157を備えている。
数値系列作成部14から入力された数値系列xnに含まれる数値は、第1乗算部151で二乗されて第1累積部152に送られる。第1累積部152では、数値系列xnが含むn=0〜(N−1)までのN個の数値の二乗値を加算する。加算結果は、第1除算部154でNで除算される。これにより、入力データの二乗平均が得られる。入力データの二乗平均は、減算部15の加算端子に入力される。また、入力端子から入力された数値系列xnは、第2累積部153にも送られる。第2累積部153では、数値系列xnが含むn=0〜(N−1)までのN個の数値を加算する。加算結果は、第2除算部155でNで除算される。除算結果は、第2乗算部156で二乗されて、平均の二乗値が得られる。平均の二乗値は、減算部157の減算端子に入力される。このようにして減算部157からは、数値系列と同数のx個の入力データσ2の分散値が得られる。分散値σ2は、分散最小値検索部16に送られる。
【0026】
分散最小値検索部16は、分散値算出部15で算出されたx個の分散値から最小値を検索する。シンボルタイミング出力部17は、分散最小値検索部16で検索された最小値の分散値となる数値系列のサンプル点をシンボルタイミングとして決定して、出力端子から再生したシンボルタイミングを出力する。
【0027】
なお、分散値算出部15をx個並列に設けると、x個の分散値の算出を並列に実行することができ、処理遅延の低減につながる。x個の分散値算出部15の各々が並列処理によりx個の分散値を算出する。数値系列の数が従来よりも少ないために、分散値算出部15をx個設けても、装置全体が従来ほど大きくなることはない。
また、数値系列作成部14により、仮シンボルタイミング位置と受信信号の波形の最適識別点とのずれに応じて、作成する数値系列xnの数を可変にできる構成とすることで、演算量を抑えて、消費電力の低減が図られる。具体的には、仮シンボルタイミング位置と受信波形の最適識別点とのずれが比較的小さいと判断した場合、作成する数値系列xnの数を少なくすることで不要な処理を低減できる。仮シンボルタイミング位置と受信波形の最適識別点とのずれは、例えば、オシロスコープなどでモニタすることで確認することができる。
さらに、数値系列作成部14で作成される数値系列xnに対して、補間処理により数値系列を新たに作成すると、サンプリング速度が比較的遅い場合でも、高速サンプリングと同等の性能を実現できる。この場合、数値系列作成部14内部もしくは数値系列作成部14の後段に、図示しない補間処理部が設けられる。補間処理部は、例えばラグランジェ2次補間により、数値系列xnの補間処理を行う。
【0028】
<変形例>
図4は、図1のシンボルタイミング再生装置1の変形例の構成図である。このシンボルタイミング再生装置1Aは、シンボルタイミング再生装置1の構成に、伝送品質推定部18及び平均化数可変部19を更に有した構成である。伝送品質推定部18は、受信信号から当該受信信号がどの程度雑音などで歪んでいるかを表す伝送品質情報を生成して、平均化数可変部19に送る。平均化数可変部19は、伝送品質情報から、分散値算出部15の第1、第2累積部152、153で累積される数値の個数及び第1、第2除算部154、155で除算する際の分母となる平均化数Nを決めて、分散値算出部15に送る。分散値算出部15では、この平均化数Nに応じて分散値を算出する。
【0029】
伝送品質推定部18は、例えば、受信信号の信号電力と雑音電力とを算出する。或いは、伝送品質推定部18は、第1、第2AD変換部11、12の出力信号を2乗することで受信電力を算出する。信号電力と雑音電力、或いは受信電力は、伝送品質情報として平均数可変部19に送られる。
平均化数可変部19は、伝送品質推定部18から送られた伝送品質情報により、式(1)、(2)に用いられる平均化数Nを決める。平均化数可変部19は、例えば、伝送品質情報と平均化数Nとの関係を表すテーブルを有する。例えば、伝送品質情報の信号電力と雑音電力の比(例えば、S/N比)によりテーブルを参照することで、平均化数Nが決まるようになっている。
【0030】
信号電力と雑音電力の比が比較的低い場合には、平均化数Nを多く設定し、比較的高い場合には平均化数Nを少なく設定する。つまり、伝送品質が劣悪であると判断した場合には、平均化数Nを多く設定することにより、平均化処理時の雑音耐性を高めることが可能になる。伝送品質が良好であると判断した場合には、平均化数Nを少なく設定することにより、不要な処理を減らすことができ、処理遅延の低減及び消費電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態のシンボルタイミング生成装置の構成図。
【図2】受信信号のアイパターンの例示図。
【図3】本実施形態のシンボルタイミング再生装置に用いられる分散値算出部の構成図。
【図4】本実施形態のシンボルタイミング再生装置の変形例の構成図。
【図5】非特許文献1のシンボルタイミング生成装置の構成図。
【図6】特許文献1のシンボルタイミング生成装置の構成図。
【図7】受信信号のアイパターンの例示図。
【図8】特許文献1のシンボルタイミング再生装置による、電力の分散値とアイパターンの位置関係を示した図。
【符号の説明】
【0032】
1,1A,2,3…シンボルタイミング生成装置、10,20,30…同期検波部、11,21,31…第1A/D変換部、12,22,32…第2A/D変換部、13…仮シンボルタイミング推定部、14,33…数値系列作成部、15,15A,341〜34n…分散値算出部、151…第1乗算部、152…第1累積部、153…第2累積部、154…第1除算部、155…第2除算部、156…第2乗算部、157…減算部、16,35…分散最小値検索部、17,36…シンボルタイミング出力部、18…伝送品質推定部、19…平均化数可変部、23…二乗部、24…BPF、25…再生クロック補間部、26…シンボルタイミング位置検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機で受信した受信信号から仮のシンボルタイミング位置の推定を行う仮シンボルタイミング位置推定部と、
前記仮のシンボルタイミング位置とその前後をサンプル点とした複数の数値系列を作成する数値系列作成部と、
前記複数の数値系列の各々についてそのバラツキを表す分散値を算出する分散値算出部と、
最小となる前記分散値を検索する分散最小値検索部と、
最小の分散値を与えるサンプル点のタイミングをシンボルタイミングとして出力するシンボルタイミング出力部と、を備える、
シンボルタイミング再生装置。
【請求項2】
前記数値系列作成部は、前記受信信号の振幅値或いは振幅の二乗値の数値系列を作成する、
請求項1記載のシンボルタイミング再生装置。
【請求項3】
前記分散値算出部は、前記数値系列を構成する数値の二乗の平均値から前記数値の平均値の二乗を減算して、当該数値系列の分散値を算出する、
請求項1又は2記載のシンボルタイミング再生装置。
【請求項4】
前記分散値算出部は複数設けられており、前記分散値算出部の各々で並列処理することで前記複数の数値系列から各々の分散値を算出する、
請求項3記載のシンボルタイミング再生装置。
【請求項5】
前記受信信号の信号電力及び雑音電力を算出する伝送品質推定部と、
前記信号電力及び前記雑音電力との比に応じて、前記数値の二乗の平均値及び前記数値の平均値を求めるための前記数値の個数を決める平均化数可変部と、を備えている、
請求項3又は4記載のシンボルタイミング再生装置。
【請求項6】
前記平均化数可変部は、前記信号電力及び前記雑音電力と前記数値の個数との関係を表すテーブルを備える、
請求項5記載のシンボルタイミング再生装置。
【請求項7】
前記数値系列作成部は、前記数値系列を、前記仮のシンボルタイミング位置と前記受信信号の最適な識別点とのずれに応じた数だけ作成する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のシンボルタイミング再生装置。
【請求項8】
前記複数の数値系列に対して補間を行い、新たな数値系列を作成する補間処理部を更に備えており、
前記分散値算出部は、前記新たな数値系列の分散値を算出する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシンボルタイミング再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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