シート、キーボード、電子機器
【課題】1つのキーボードで多言語環境に対応したキー表示を行うことができる、あるいはキーボードが一体的に設けられている1つの電子機器でキーボードを多言語環境に対応することができるシート、キーボード、電子機器を提供すること。
【解決手段】シート6は、任意の言語環境に基づいた基準キー表示が設けられた複数のキーから構成されるキーボード2を覆い、かつ可塑性を有するものである、シート6のキーボード2の各キーと対向する領域611〜6187に、任意の言語環境とは異なる言語環境に基づいたオプションキー表示がキーボード2を覆った際にオペレータが視認可能に設けられている。オペレータの使用言語がキーボード2の基準キー表示に対応する使用言語と異なる場合は、対応したシート6でキーボード2を覆い、キーボード2が接続された電子機器をオペレータの使用言語環境に対応して設定する。
【解決手段】シート6は、任意の言語環境に基づいた基準キー表示が設けられた複数のキーから構成されるキーボード2を覆い、かつ可塑性を有するものである、シート6のキーボード2の各キーと対向する領域611〜6187に、任意の言語環境とは異なる言語環境に基づいたオプションキー表示がキーボード2を覆った際にオペレータが視認可能に設けられている。オペレータの使用言語がキーボード2の基準キー表示に対応する使用言語と異なる場合は、対応したシート6でキーボード2を覆い、キーボード2が接続された電子機器をオペレータの使用言語環境に対応して設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート、キーボード、電子機器に関し、さらに詳しくは、多言語環境に対応したシート、キーボード、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、使用する言語が異なる複数のオペレータが操作することを想定して、1台で多言語環境に対応した使用が可能な電子機器が普及している。例えば、特許文献1に示す従来技術では、キーボードを操作した使用者(オペレータ)が必要とする使用言語を検出し、検出した使用言語の環境に切り替え、使用言語の環境に基づく表示画面情報をディスプレイに表示制御するものである。これにより、使用者(オペレータ)に最適な言語環境を検出して自動的に切替え、使い勝手の良い装置を使用者に提供可能とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−203008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、キーボードでは、キーボードを構成する複数のキーに設けられたキー表示がオペレータの使用言語環境で異なる。つまり、キーボードは、複数のキーに操作するオペレータの使用言語環境に基づいたキー表示が設けられているものが数〜十数種類必要となる。従って、電子機器が多言語環境に対応した使用が可能であっても、オペレータが操作するキーボードは、オペレータの使用言語環境に基づいて複数用意する必要があった。
【0005】
また、多言語環境に対応した使用が可能な電子機器にキーボードが一体的に設けられている、いわゆるキーボード一体型の電子機器では、基本的に、電子機器を操作するオペレータがいる地域ごとに、地域における標準的な使用言語環境に基づいたキー表示が設けられた複数のキーから構成されるキーボードを備えることとなる。また、多民族国家では、同一地域でもオペレータの使用言語環境が異なる場合もあるため、同一地域内でキーボードのみが異なる複数の電子機器を供給しなければならないという問題があった。つまり、電子機器を操作するすべてのオペレータに対応するためには、キーボードのみが異なる電子機器を複数製造しなければならないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、1つのキーボードで多言語環境に対応したキー表示を行うことができる、あるいはキーボードが一体的に設けられている1つの電子機器でキーボードを多言語環境に対応することができるシート、キーボード、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、任意の言語環境に基づいた基準キー表示が設けられた複数のキーから構成されるキーボードを覆い、かつ可塑性を有するシートにおいて、前記各キーと対向する領域に、前記任意の言語環境とは異なる言語環境に基づいたオプションキー表示が前記キーボードを覆った際にオペレータが視認可能に設けられ、全面が平坦であることを特徴とする。
【0008】
また、上記シートにおいて、前記オプションキー表示は、オペレータの視認側と反対側に設けられていることが好ましい。
【0009】
また、上記シートにおいて、外形が四角形であり、4辺の縁部のうち、少なくとも対向する2辺の前記縁部に支持部材が設けられていることが好ましい。
【0010】
また、上記シートにおいて、前記支持部材は、前記縁部に延在して設けられた板状部材であることが好ましい。
【0011】
また、上記シートにおいて、前記4辺の縁部のうち、対向する2辺の前記縁部に前記キーボードに固定する固定手段が設けられていることが好ましい。
【0012】
また、本発明では、上記シートにより覆われることが可能なキーボードにおいて、前記シートの前記キーボードに対する位置決めを行う位置決め手段が設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、上記キーボードにおいて、前記位置決め手段は、前記シートにより覆われた際に、当該シートの4辺の縁部のうち、1辺の前記縁部と対向して設けられた複数の突起部材であることが好ましい。
【0014】
また、上記キーボードにおいて、前記複数の突起部材のうち、両端部の少なくとも一方は、前記1辺の縁部および当該1辺の縁部と連続する他の1辺の縁部に対向してL字形状に設けられていることが好ましい。
【0015】
また、上記キーボードにおいて、多言語環境に対応した使用が可能であり、タッチパネルモニタを用いて使用言語を選択する電子機器と接続されていることが好ましい。
【0016】
また、本発明にかかる電子機器では、上記キーボードが一体的に設けられ、多言語環境に対応した使用が可能であり、タッチパネルモニタを用いて使用言語を選択することを特徴とする。
【0017】
また、上記電子機器において画像読取媒体の画像を読み取ることができるイメージスキャナユニットを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかるシートは、使用言語環境が基準キー表示に対応する任意の言語と異なるオペレータがキーボードを操作する場合は、キーボードを操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボードを覆うことで、キーボードのキー表示をキーボードを操作するオペレータの使用言語環境に基づいたものとする。従って、シートでキーボードを覆わない、あるいはキーボードを操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボードを覆うことで、1つのキーボードで多言語環境に対応したキー表示を行うことができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明にかかるキーボードは、シートの全面が平坦であっても、位置決め手段によりシートのキーボードに対する位置決めが行われるため、各キーと各キーと対向する領域とがずれることなくシートによりキーボードを覆うことができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明にかかる電子機器は、使用言語環境が基準キー表示に対応する任意の言語と異なるオペレータが電子機器を操作する場合は、電子機器を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボードを覆うことで、キーボードのキー表示を電子機器を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたものとし、電子機器を操作するオペレータの使用言語環境に基づいて電子機器を設定する。従って、シートでキーボードを覆わない、あるいは電子機器を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボードを覆うことで、キーボードが一体的に設けられている1つの電子機器でキーボードを多言語環境に対応することができる。これにより、電子機器を操作するすべてのオペレータに対応するために、キーボードのみ異なる電子機器を複数製造することを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態にかかる電子機器の構成例を示す図である。
【図2】電子機器のブロック構成図である。
【図3】キーボード周辺の詳細図である。
【図4】突起部材の拡大図である。
【図5】シート(英語(イギリス)用)の構成例を示す図である。
【図6】シートの裏面の構成例を示す図である。
【図7】他のシート(ドイツ語用)の構成例を示す図である。
【図8】他のシート(イタリア語用)の構成例を示す図である。
【図9】他のシート(スペイン語用)の構成例を示す図である。
【図10】他のシート(フランス語用)の構成例を示す図である。
【図11】電子機器をオペレータの使用言語環境に対応して設定する方法のフロー図である。
【図12】シートに覆われたキーボードを示す図である。
【図13】初期設定のフロー図である。
【図14】初期設定時の表示画面を示す図である。
【図15】初期設定時の表示画面を示す図である。
【図16】初期設定時の表示画面を示す図である。
【図17】初期設定時の表示画面を示す図である。
【図18】ログイン時の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施の形態では、キーボードが一体的に設けられ、例えば原稿などの画像読取媒体の画像を読み取ることができるイメージスキャナユニットを備える多言語環境に対応した使用が可能なキーボード一体型の電子機器について説明するが本発明はこれに限定されるものではなく、イメージスキャナユニットを備えないキーボード一体型電子機器や、キーボートとキーボードが接続される電子機器とが別個に構成されているものであっても良い。
【0023】
図1は、実施の形態にかかる電子機器の構成例を示す図である。図2は、電子機器のブロック構成図である。図3は、キーボード周辺の詳細図である。図4は、突起部材の拡大図である。図5は、シート(英語(イギリス)用)の構成例を示す図である。図6は、シートの裏面の構成例を示す図である。図7は、他のシート(ドイツにおけるドイツ語用)の構成例を示す図である。図8は、他のシート(イタリア語用)の構成例を示す図である。図9は、他のシート(スペイン語用)の構成例を示す図である。図10は、他のシート(フランス語用)の構成例を示す図である。図1および図2に示すように、実施の形態にかかる電子機器1は、キーボード2と、タッチパネルモニタ3と、イメージスキャナユニット4と、制御装置5とにより構成されている。実施の形態にかかる電子機器1は、キーボード2と、タッチパネルモニタ3と、イメージスキャナユニット4と、制御装置5とが一体的に設けられている。
【0024】
キーボード2は、電子機器1のうち、電子機器1を操作するオペレータが操作時に視認できる位置に設けられている。キーボード2は、図2に示すように、制御装置5と接続されている。キーボード2は、図3に示すように、複数のキー、実施の形態では87個のキー211〜2187により構成されている。キーボード2は、オペレータにより操作されるものであり、オペレータが各キー211〜2187を押圧することで、各キー211〜2187に対応した電気信号が制御装置5に出力される。すべてのキー211〜2187は、キーボードケーシング22に形成された四角形、実施の形態では幅方向に長い長方形の開口部22a内に配置されている。各キー211〜2187には、任意の言語環境に基づいた基準キー表示が設けられている。実施の形態では、各キー211〜2187には、アメリカにおける英語に対応したキー表示が設けられている。ここで、実施の形態では、各キー211〜2187は、凹凸が少ないキーが用いられており、各キー211〜2187の上面と、キーボードケーシング22の表面とが同一あるいは略同一平面に位置し、キーボード2が略平坦に形成されている。
【0025】
また、キーボード2には、突起部材23,24,25が設けられている。各突起部材23〜25は、位置決め手段であり、キーボード2に対するシート6の位置決めを行うものである。各突起部材23〜25は、キーボードケーシング22の表面のうち、開口部22a(各キー211〜2187)のモニタ側の面から突出して、幅方向に一列に設けられている。各突起部材23〜25のキーボードケーシング22に対する位置は、後述するシート6により覆われた際に、シート6の4辺の縁部6c〜6fのうち、1辺の縁部6dと対向するように設けられている。
【0026】
突起部材23は、突起部材23,24,25のうち、幅方向における両端部のうち一方の端部(図3では、左側端部)に設けられている。突起部材23は、図4の(a)に示すように、幅方向に延在する第1突起部23aと、第一突起の幅方向の外側の端部から上下方向に延在する第2突起部23bとにより構成されている。つまり、突起部材23は、後述するシート6により覆われた際に、1辺の縁部6dに対向する第1突起部23aおよび1辺の縁部6dと連続する他の1辺の縁部6eに対向する第2突起部23bによりL字形状に設けられている。
【0027】
突起部材24は、突起部材23,24,25のうち、幅方向における中央部に設けられている。突起部材24は、図4の(b)に示すように、後述するシート6により覆われた際に、1辺の縁部6dに対向して幅方向に延在する棒形状に設けられている。
【0028】
突起部材25は、幅方向における両端部のうち他方の端部(図3では、右側端部)に設けられている。突起部材25は、図4の(c)に示すように、後述するシート6により覆われた際に、1辺の縁部6dに対向して幅方向に延在する棒形状に設けられている。
【0029】
タッチパネルモニタ3は、図1および図2に示すように、電子機器1のうち、電子機器1を操作するオペレータが操作時に視認できる位置、実施の形態では、キーボード2の上方に設けられている。タッチパネルモニタ3は、制御装置5と接続されている。タッチパネルモニタ3は、制御装置5からの画像出力信号に基づいて種々の画面を表示するものである。また、タッチパネルモニタ3は、オペレータが任意の位置を押圧することで、位置に対する電気信号が制御装置5に出力される。
【0030】
イメージスキャナユニット4は、図1および図2に示すように、画像読取媒体の画像を撮像センサにより読み取るものである。イメージスキャナユニット4は、制御装置5と接続されている。イメージスキャナユニット4は、図示しない撮像センサと、光源と、給紙装置41とにより構成されている。イメージスキャナユニット4により画像読取媒体である原稿Pの画像を読み取る場合は、電子機器1の内部に設けられた光源が点灯し、給紙装置41にセットされた原稿Pが給紙装置41により搬送方向に搬送される。電子機器1の内部に設けられた撮像センサは、光源からの光が照射された給紙装置41により搬送方向に搬送される原稿Pからの反射光に応じた出力の電気信号を制御装置5に出力する。
【0031】
制御装置5は、電子機器1を制御するものである。制御装置5は、タッチパネルモニタ3に表示する画面の選択や、イメージスキャナユニット4の駆動制御などを行うものである。制御装置5には、電子機器1を制御する制御プログラムが記憶されている。制御プログラムは、電子機器1の多言語環境に対応した使用を可能とするものである。制御プログラムは、基準言語に基づいて電子機器1を制御することとなる。従って、制御装置5は、例えば、オペレータが各キー211〜2187を押圧することで、制御装置5に出力された各キー211〜2187に対応した電気信号を基準言語環境におけるキーボード2のキー表示に基づいた入力であると判断する。また、制御装置5は、基準言語に対応した画像表示信号をタッチパネルモニタ3に出力し、タッチパネルモニタ3に基準言語に基づいた画面が表示されることとなる。ここで、基準言語は、工場出荷時において予め設定された言語、実施の形態ではアメリカにおける英語、あるいは後述する初期設定時においてオペレータが選択して新たに設定された言語である。制御装置5のハード構成は、主に演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、プログラムや情報を格納するメモリ(RAM、ROM)、入出力インターフェースなどから構成され、既知のパーソナルコンピュータや、スキャナ装置と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、制御装置5は、LANなどを介して他の電子機器と接続されていても良い。つまり、電子機器1は、ネットワークスキャナとして機能しても良い。
【0032】
制御装置5は、初期設定部5aを有する。初期設定部5aは、例えば、工場出荷後に電子機器1を初めて起動させる際に、基準言語をオペレータに選択させるものである。初期設定部5aにより、オペレータが基準言語、すなわち使用言語を選択することで、制御プログラムが基準言語に基づいて電子機器1を制御することとなる。なお、制御装置5は、工場出荷時に基準言語に基づいて初期化されている。実施の形態では、アメリカにおける英語に基づいて初期化が行われている。従って、制御プログラムは、アメリカにおける英語に基づいて電子機器1を制御することとなる。従って、制御装置5は、例えば、オペレータが各キー211〜2187を押圧することで、制御装置5に出力された各キー211〜2187に対応した電気信号をアメリカにおける英語に対応したキー表示に基づいた入力であると判断する。また、制御装置5は、アメリカにおける英語に対応した画像表示信号をタッチパネルモニタ3に出力し、タッチパネルモニタ3にアメリカにおける英語に基づいた画面が表示されることとなる。
【0033】
シート6は、キーボード2を覆い、かつ可塑性を有するものである。シート6は、例えばナイロン系、ポリウレタン系、シリコン系のいずれかのシート材で形成されることで可塑性を有する。シート6は、図5および図6に示すように、外形が四角形であり、実施の形態では幅方向に長い長方形である。シート6の大きさは、キーボードケーシング22の開口部22aよりも大きく形成されている。従って、シート6の4辺の縁部6c、6d、6e、6fの裏面6b側は、シート6でキーボード2をシート6の中心部と開口部22aの中心部とが一致するように覆った際に、キーボードケーシング22の表面のうち、開口部22aの近傍の面と対向することとなる。
【0034】
シート6は、全面が平坦に形成されている。従って、実施の形態のキーボード2のように、キーボード2を構成する各キーに凹凸が少なく、キーボード2が略平坦である場合に、キーボード2を全面が平坦な可塑性を有するシート6で覆うことで、各キー211〜2187とシート6との隙間が広くなることを抑制することができる。従って、オペレータがシート6を介して各キー211〜2187を押圧しても、各キー211〜2187を直接押圧する場合と比較して、違和感を抑制することができる。これにより、シート6を用いてもキータッチを確保することができる。
【0035】
また、シート6には、キーボード2を覆った際に、各キー211〜2187とそれぞれ対向する領域611〜6187に、任意の言語環境とは異なる言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられている。実施の形態では、各領域611〜6187には、アメリカにおける英語とは異なるイギリスにおける英語に対応したオプションキー表示が設けられている。ここで、オプションキー表示は、シート6でキーボード2を覆った際にオペレータが視認可能となるように、各領域611〜6187にそれぞれ設けられている。具体的には、オプションキー表示は、オペレータの視認側と反対側、すなわちシート6の裏面6b側に表面6aから視認できるように、裏面シルク印刷により各領域611〜6187にそれぞれ設けられている。従って、オプションキー表示は、シート6でキーボード2を覆った際に、シート6とキー2との間に設けられているので、外部に露出しない。つまり、例えばオペレータのキーボード2の操作時において、オペレータが直接オプションキー表示に接触することがない。また、シート6の表面6aに液体などが付着しても、液体が直接オプションキー表示に接触することはない。これらにより、シート6のオプションキー表示の耐久性を向上することができる。また、オプションキー表示は、裏面印刷であるので透明感が向上し、質感が向上する。ここで、シート6は、透明あるいは半透明なシート材で形成されることが好ましい。これによれば、シート6でキーボード2を覆った際に、シート6の表面6aのうち、各領域611〜6187との間から、各キー211〜2187間の隙間が視認できるので、シート6で覆っていないキーボードとの外観上の差異を抑制することができる。また、シート6でキーボード2を覆う際に、シート6からキーボード2を視認することができるので、位置決めを容易に行うことができる。
【0036】
また、シート6には、図6に示すように、4辺の縁部6c,6d,6e,6fのうち、対向する2辺の縁部6c、6dに両面テープ62a,62bが設けられており、対向する2辺の縁部6e、6fに支持部材63a,63bは、シート6の裏面6b側に設けられている。
【0037】
各両面テープ62a,62bは、固定手段であり、シート6をキーボード2に固定するものである。また、各両面テープ62a,62bは、支持部材としても機能するものである。各両面テープ62a,62bは、縁部6c、6dの裏面6b側に延在してそれぞれ設けられた板状部材であり、弾性を有するものである。各両面テープ62a,62bは、例えば弾性の有する程度の厚みを有するものである。また、両面テープ62a,62bの縁部6c、6dに延在して形成される対向する2つの接着面には、繰り返し使用することができる接着層が形成されている。両面テープ62aは、予め一方の接着面が縁部6cの裏面6b側に接触することで、縁部6cに固定されている。両面テープ62bは、予め一方の接着面が縁部6dの裏面6b側に接触することで、縁部6dに固定されている。なお、両面テープ62a,62bの他方の接着面には、テープ用の保護シートが貼られている。従って、シート6によりキーボード2を覆う際に、テープ用の保護シートを剥がして、固定手段である各両面テープ62a,62bの他方の接着面をキーボード2のキーボードケーシング22の表面に接触することで、キーボード2をシート6で覆う際にキーボード2にシート6を固定することができる。これにより、シート6のキーボード2に対する相対移動が抑制され、シート6がキーボード2に対してずれることを抑制することができる。また、両面テープ62a、62bは、繰り返し使用することができるため、シート6によりキーボード2を覆う際に、シート6のキーボード2への固定を繰り返し行うことができる。
【0038】
各支持部材63a,63bは、縁部6e、6fに延在してそれぞれ設けられた板状部材であり、弾性を有するものである。各支持部材63a,63bは、例えば弾性の有する程度の厚みを有するものである。なお、各支持部材63a,63bは、両面テープ62a,62bの厚みよりも薄く形成されている。支持部材63aは、例えば接着剤などで縁部6eの裏面6b側に固定されている。支持部材63bは、例えば接着剤などで縁部6fの裏面6b側に固定されている。つまり、実施の形態では、シート6のすべての縁部6c〜6fに、支持部材が設けられていることとなる。従って、すべての縁部6c〜6fに設けられた支持部材により、可塑性を有するため任意の形状に変形可能であるシート6に適度な張りを維持することができる。これにより、キーボード2をシート6で覆う際に、シート6が変形し、各キー211〜2187と各領域611〜6187がずれることを抑制することができ、オプションキー表示と各キー211〜2187とを確実に対応させることができる。
【0039】
ここで、1つの電子機器1には、各領域611〜6187にイギリスにおける英語に対応したオプションキー表示が設けられているシート6のみならず、上記アメリカにおける英語およびイギリスにおける英語以外の他の言語環境に対応したシートが予め用意されている。例えば、各領域711〜7187にドイツにおけるドイツ語に対応したオプションキー表示が設けられているシート7(図7参照)、各領域811〜8187にイタリア語に対応したオプションキー表示が設けられているシート8(図8参照)、各領域911〜9187にスペイン語に対応したオプションキー表示が設けられているシート9(図9参照)、各領域1011〜10187にフランス語に対応したオプションキー表示が設けられているシート10(図10参照)などが用意されている。これらのシート7〜10にも、図示は省略するがシート6の両面テープ62a,62b、支持部材63a,63bと同様の両面テープおよび支持部材が縁部7c〜7f,8c〜8f,9c〜9f,10c〜10fの裏面に設けられている。なお、シート6〜10の表面6a〜10aには、シート用の保護シートが貼られている。従って、オペレータは、自身の使用言語環境に対応したシートをシート6〜10のうちから選択し、選択したシート6〜10でキーボード2を覆う際には、シート用の保護シートおよびテープ用の保護シートを剥がして、キーボード2にシート6〜10を固定する。なお、シート用の保護シートには、各シート6〜10が対応する言語環境がオペレータに理解できるように、文字、記号、図形などが記載されている。
【0040】
次に、電子機器1をオペレータの使用言語環境に対応して設定する方法について説明する。図11は、電子機器1をオペレータの使用言語環境に対応して設定する方法のフロー図である。図12は、シートに覆われたキーボードを示す図である。図13は、初期設定のフロー図である。図14〜図17は、初期設定時の表示画面を示す図である。図18は、ログイン時の表示画面を示す図である。
【0041】
まず、オペレータの使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と異なる使用言語環境であるか否かを判断する(ステップST101)。ここでは、オペレータの使用言語が工場出荷時において予め設定された言語、実施の形態ではアメリカにおける英語と異なるか否かを判断する。つまり、工場出荷時における基準言語で電子機器1が使用可能か否かを判断する。
【0042】
次に、オペレータは、自身の使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と異なると判断する(ステップST101肯定)と、自身の使用言語環境に対応したシートを選択する(ステップST102)。ここでは、実施の形態では、電子機器1に対応して予め用意されているアメリカにおける英語以外の他の言語環境に対応したシートから、オペレータの使用言語環境に対応したシートを選択する。例えば、オペレータがイギリスにおり使用言語が英語である場合は、上記シート6を選択する。なお、オペレータは、自身の使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と同一であると判断する(ステップST101否定)と、初期設定を行う(ステップST106)。
【0043】
次に、オペレータは、選択したシートの保護シートを剥離する(ステップST103)ここでは、実施の形態では、オペレータは、シート6の表面6aに貼られているシート用の保護シートを剥がすとともに、両面テープ62bに貼られているテープ用の保護シートを剥がす。つまり、両面テープ62aに貼られているテープ用の保護シートは、剥がさない。
【0044】
次に、オペレータは、シートの位置決めを行う(ステップST104)。ここでは、オペレータは、保護シートを剥がしたシートをキーボード2に対して位置決めする。実施の形態では、オペレータは、シート6の縁部6dのうち、まず縁部6eと連続する幅方向の一方の端部を突起部材23と接触するように合わせ、シート6の縁部6dのうち幅方向の一方の端部をキーボードケーシング22の表面うちモニタ側に貼る。つまり、オペレータは、まずシート6の縁部6dを突起部材23の第1突起部23aに接触させ、かつ縁部6eを突起部材23の第2突起部23bに接触させるように合わせ、シート6の一部をキーボード2に貼る。次に、オペレータは、シート6の縁部6dの中央部を突起部材24と接触するように合わせ、縁部6dの幅方向の他方の端部を突起部材25に合わせ、シート6の中央部および他方の端部をキーボードケーシング22の表面うちモニタ側に貼る。これにより、シート6の端部6d,6eを突起部材23〜25により位置決めして、両面テープ62bにより縁部6dをキーボード2に貼る。このとき、両面テープ62bにより可塑性を有するシート6に適度な張りを維持することができるので、オペレータはシート6の突起部材23〜25に対する位置決めを容易におこうことができるとともに、シート6を電子機器1の幅方向に貼ることができる。
【0045】
次に、オペレータは、シートを固定する(ステップST105)。ここでは、実施の形態では、オペレータは、キーボード2をシート6で覆い、両面テープ62a,62bにより、シート6をキーボードケーシング22に固定する。上述のように、シート6は、既に両面テープ62bにより、縁部6がキーボードケーシング22に貼られているので、この状態で、両面テープ62aに貼られているテープ用の保護シートを剥がす。そして、オペレータは、シート6の縁部6cをキーボードケーシング22の表面うちモニタ側と反対側に貼る。これにより、図11に示すように、シート6を両面テープ62a,62bによりキーボード2に貼り、シート6によりキーボード2に覆う。このとき、シート6は、突起部材23〜25により位置決めして、キーボード2を覆うこととなるので、シート6の各領域611〜6187がキーボード2の各キー211〜2187と対向する。これによれば、複数の突起部材23〜25にシート6の2辺の縁部6d,6eを合わせて、キーボード2をシート6で覆うことができるので、二方向、すなわち幅方向および上下方向におけるキーボード2に対するシート6の位置決めを確実に行うことができる。また、両面テープ62a、支持部材63a,63bにより可塑性を有するシート6に適度な張りを維持することができるので、シート6を電子機器1の上下方向に貼ることができる。
【0046】
次に、オペレータは、初期設定を行う(ステップST106)。ここでは、オペレータは、自身の使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と同一であり、使用言語と基準言語とが同一である場合、あるいは自身の使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と異なり、使用言語と基準言語とが異なりシート6でキーボードを覆った場合のいずれにおいても初期設定を行う。
【0047】
初期設定では、オペレータが電子機器1を起動すると、図13に示すように、制御装置5は、使用言語切り替え画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する(ステップST201)。ここでは、制御装置5は、工場出荷後にオペレータにより電子機器1が初めて起動されると、使用言語切り替え画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する。このとき、制御装置5は、基準言語に対応した画像表示信号を出力することで、基準言語に基づいた使用言語切り替え画面をタッチパネルモニタ3に表示する。実施の形態では、図14に示すように、アメリカにおける英語に基づいた使用言語切り替え画面表示がタッチパネルモニタ3に表示される。なお、使用言語切り替え画面表示は、同図に示すように、案内表示と、オペレータに使用言語を選択させるための複数の使用言語スイッチ表示、オペレータに初期設定の再表示の有無を選択させるための有無スイッチ表示、オペレータに次の処理を実行させる実行スイッチ表示などで構成される。アメリカにおける英語に基づく場合は、案内表示、有無スイッチ表示、実行スイッチ表示などが英語となり、複数の使用言語スイッチ表示では、基準言語であるアメリカにおける英語が一番上となるように構成される。なお、複数の使用言語スイッチ表示は、各使用言語での表示となり、予め基準言語に対応した使用言語スイッチ表示にカーソルが移動しており、有無スイッチ表示のうち無スイッチ表示にカーソルが移動している。
【0048】
次に、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしたか否かを判断する(ステップST202)。なお、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしていないと判断する(ステップST202否定)と、オペレータにより実行スイッチ表示がタッチされるまで、タッチパネルモニタ3に使用言語切り替え画面表示を表示し続ける。
【0049】
ここで、オペレータは、使用言語と基準言語とが同一である場合、複数の使用言語スイッチ表示のいずれかにタッチせずにカーソルを基準言語に対応した使用言語スイッチ表示に位置させたまま、実行スイッチ表示にタッチすることとなる。また、オペレータは、使用言語と基準言語とが異なる場合、複数の使用言語スイッチ表示のうち、オペレータの使用言語に対応した使用言語スイッチ表示をタッチし、カーソルをタッチした使用言語スイッチ表示に位置させ、実行スイッチ表示にタッチすることとなる。
【0050】
次に、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしたと判断する(ステップST202肯定)と、基準言語を選択したか否かの判断をする(ステップST203)。ここでは、制御装置5は、複数の使用言語スイッチ表示のうち、カーソルがどこに位置しているかを判断する。ここで、制御装置5は、オペレータの使用言語と基準言語とが同一である場合、カーソルが基準言語に対応した使用言語スイッチ表示に位置しているため、基準言語を選択したと判断(ステップST203肯定)し、オペレータの使用言語と基準言語とが異なる場合、カーソルがオペレータの使用言語に対応した使用言語スイッチ表示に位置するので、基準言語を選択していないと判断(ステップST203否定)する。
【0051】
次に、制御装置5は、基準言語を選択したと判断する(ステップST203肯定)と、再表示を選択したか否かを判断する(ステップST204)。ここでは、制御装置5は、使用言語切り替え画面表示に表示された有無スイッチ表示のうち有スイッチ表示にカーソルが位置している場合、再表示を選択したと判断(ステップST204肯定)し(図16参照)、無スイッチ表示にカーソルが位置している場合、再表示を選択していないと判断(ステップST204否定)する。
【0052】
次に、制御装置5は、再表示を選択していないと判断する(ステップST204否定)と、ログイン画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する(ステップST205)。ここでは、制御装置5は、基準言語に対応した画像表示信号を出力することで、基準言語に基づいたログイン画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する。実施の形態では、基準言語を選択した場合、アメリカにおける英語に基づいたログイン画面表示がタッチパネルモニタ3に表示される。なお、ログイン画面表示は、案内表示と、ログイン名を入力させるためのログイン入力表示、パスワードを入力させるためのパスワード入力表示、オペレータに次の処理を実行させる実行スイッチ表示などにより構成される。上述のように、アメリカにおける英語が基準言語である場合は、案内表示と、ログイン入力表示、パスワード入力表示、実行スイッチ表示などが英語となる。これにより、制御プログラムは、アメリカにおける英語に基づいて電子機器1を制御することとなる。これにより、多言語環境に対応した使用が可能な電子機器1は、アメリカにおける英語を使用言語とするオペレータの使用言語環境に対応することができる。なお、制御装置5は、再表示が選択されていると判断する(ステップST204肯定)と、タッチパネルモニタ3にアメリカにおける英語に基づいた使用言語切り替え画面表示を表示する(ステップST201)。
【0053】
また、制御装置5は、基準言語を選択していないと判断する(ステップST203否定)と、初期化メッセージ表示をタッチパネルモニタ3に表示する(ステップST206)。ここでは、制御装置5は、オペレータにより選択された使用言語、すなわちカーソルが位置していた使用言語スイッチ表示に対応する使用言語を基準言語に置き換え、基準言語に対応した画像表示信号を出力することで、基準言語に基づいた初期化メッセージ表示をタッチパネルモニタ3に表示する。例えば、オペレータがドイツにおり使用言語がドイツにおけるドイツ語である場合は、図7に示すドイツにおけるドイツ語用のシート7でキーボード2を覆い、図15に示すように、複数の使用言語スイッチ表示のうちドイツにおけるドイツ語に対応した使用言語スイッチ表示Aをタッチし、実行スイッチ表示Bをタッチしたとする。この場合は、基準言語がアメリカにおける英語からドイツにおけるドイツ語に置き換えられ、図16に示すように、ドイツにおけるドイツ語に基づいた初期化メッセージ表示がタッチパネルモニタ3に表示される。なお、初期化メッセージ表示は、案内表示と、オペレータに次の処理を実行させる実行スイッチ表示などにより構成される。上述のように、ドイツにおけるドイツ語に基準言語が置き換えられた場合は、案内表示、実行スイッチ表示などがドイツにおけるドイツ語となる。
【0054】
次に、制御装置5は、図13に示すように、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしたか否かを判断する(ステップST207)。なお、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしていないと判断する(ステップST207否定)と、オペレータにより実行スイッチ表示がタッチされるまで、タッチパネルモニタ3に初期化メッセージ表示を表示し続ける。
【0055】
次に、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしたと判断する(ステップST207肯定)と、基準言語に基づいて初期化される(ステップST208)。ここでは、制御装置5は、オペレータにより選択された使用言語、すなわち置き換えられた基準言語に基づいて初期化される。例えば、上述のように、ドイツにおけるドイツ語に基準言語が置き換えられた場合は、ドイツにおけるドイツ語に基づいて初期化が行われている。従って、制御プログラムは、ドイツにおけるドイツ語に基づいて電子機器1を制御することとなる。従って、制御装置5は、例えば、オペレータが各キー211〜2187を押圧することで、制御装置5に出力された各キー211〜2187に対応した電気信号をドイツにおけるドイツ語に対応したキー表示に基づいた入力であると判断する。また、制御装置5は、ドイツにおけるドイツ語に対応した画像表示信号をタッチパネルモニタ3に出力し、タッチパネルモニタ3にドイツにおけるドイツ語に基づいた画面が表示されることとなる。
【0056】
次に、制御装置5は、再表示を選択したか否かを判断する(ステップST204)。ここでは、制御装置5は、使用言語切り替え画面表示に表示された有無スイッチ表示のうち有スイッチ表示にカーソルが位置している場合、再表示を選択したと判断(ステップST204肯定)し、無スイッチ表示にカーソルが位置している場合、再表示を選択していないと判断(ステップST204否定)する。
【0057】
次に、制御装置5は、再表示が選択されていると判断する(ステップST204肯定)と、タッチパネルモニタ3にドイツにおけるドイツ語に基づいた使用言語切り替え画面表示を表示する(ステップST201)。例えば、図16に示すように、ドイツにおけるドイツ語に基づいた初期化メッセージ表示がタッチパネルモニタ3に表示され、実行スイッチ表示Cをタッチしたとする。このとき、図15に示すように、有スイッチ表示にカーソルが位置して状態であると、図17に示すように、ドイツにおけるドイツ語に基づいた使用言語切り替え画面表示がタッチパネルモニタ3に表示される。ドイツにおけるドイツ語に基づく場合は、案内表示、有無スイッチ表示、実行スイッチ表示などがドイツ語となり、複数の使用言語スイッチ表示では、基準言語であるドイツにおけるドイツ語が一番上となるように構成される。
【0058】
また、制御装置5は、再表示を選択していないと判断する(ステップST204否定)と、ログイン画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する(ステップST205)。例えば、図17に示すように、オペレータが使用言語切り替え画面表示の無スイッチ表示Dにタッチし、カーソルが無スイッチ表示Dに位置させ、実行スイッチ表示Eをタッチしたとする。これにより、図18に示すように、ドイツにおけるドイツ語が基準言語である場合は、案内表示と、ログイン入力表示、パスワード入力表示、実行スイッチ表示などがドイツ語となる。これにより、制御プログラムは、ドイツにおけるドイツ語に基づいて電子機器1を制御することとなる。これにより、多言語環境に対応した使用が可能な電子機器1は、ドイツにおけるドイツ語を使用言語とするオペレータの使用言語環境に対応することができる。
【0059】
以上によれば、使用言語環境が基準キー表示に対応する任意の言語と異なるオペレータが電子機器1を操作する場合は、電子機器1を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボード2を覆うことで、キーボード2のキー表示を電子機器1を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたものとし、電子機器1を操作するオペレータの使用言語環境に基づいて電子機器1を設定する。従って、多言語環境に対応した使用が可能な電子機器1に対して1つのキーボードで多言語環境に対応することができる。
【0060】
なお、上記実施の形態では、シートの全面が平坦に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、キーボード2を覆った際に各キー211〜2187と対向する領域は、各キー211〜2187との形状に沿って形成されていても良い。キーボード2を構成する各キー211〜2187に凹凸が多く、キーボード2が凸凹である場合に、キーボード2を各キー211〜2187と対向する領域が各キー211〜2187の形状に沿って形成され可塑性を有するシートで覆うことで、各キー211〜2187とシートとの隙間が広くなることを抑制することができる。従って、オペレータがシートを介して各キー211〜2187を押圧しても、各キー211〜2187を直接押圧する場合と比較して、違和感を抑制することができる。これにより、シートを用いてもキータッチを確保することができる。また、各キー211〜2187と対向する領域が各キー211〜2187の形状に沿って形成されているので、シートのキーボード2に対する相対移動が抑制され、シートがキーボード2に対してずれることを抑制することができる。
【0061】
また、上記実施の形態では、表面においてオプションキー表示が視認できるようにシートを構成したが本発明はこれに限定されるものではなく、表面と裏面で異なる使用言語環境に対応したオプションキー表示を設けても良い。この場合は、シートは、不透明なシート材で形成されることとなる。これによれば、1つのシートで2つの使用言語環境に対応したオプションキー表示を設けることができるので、1つの電子機器に対して予め用意するシートの枚数を抑制することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 電子機器
2 キーボード
211〜2187 キー
22 キーボードケーシング
23,24,25 突起部材
3 タッチパネルモニタ
4 イメージスキャナユニット
5 制御装置
5a 初期設定部
6 英語(イギリス)用シート
6a 表面
6b 裏面
6c〜6f 縁部
611〜6187 キー領域
62a,62b 両面テープ(固定手段、支持部材)
63a、63b 支持部材
7 ドイツにおけるドイツ語用シート
7a 表面
7b 裏面
7c〜7f 縁部
711〜7187 キー領域
8 イタリア語用シート
8a 表面
8b 裏面
8c〜8f 縁部
811〜8187 キー領域
9 スペイン語用シート
9a 表面
9b 裏面
9c〜9f 縁部
911〜9187 キー領域
10 フランス語用シート
10a 表面
10b 裏面
10c〜10f 縁部
1011〜10187 キー領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート、キーボード、電子機器に関し、さらに詳しくは、多言語環境に対応したシート、キーボード、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、使用する言語が異なる複数のオペレータが操作することを想定して、1台で多言語環境に対応した使用が可能な電子機器が普及している。例えば、特許文献1に示す従来技術では、キーボードを操作した使用者(オペレータ)が必要とする使用言語を検出し、検出した使用言語の環境に切り替え、使用言語の環境に基づく表示画面情報をディスプレイに表示制御するものである。これにより、使用者(オペレータ)に最適な言語環境を検出して自動的に切替え、使い勝手の良い装置を使用者に提供可能とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−203008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、キーボードでは、キーボードを構成する複数のキーに設けられたキー表示がオペレータの使用言語環境で異なる。つまり、キーボードは、複数のキーに操作するオペレータの使用言語環境に基づいたキー表示が設けられているものが数〜十数種類必要となる。従って、電子機器が多言語環境に対応した使用が可能であっても、オペレータが操作するキーボードは、オペレータの使用言語環境に基づいて複数用意する必要があった。
【0005】
また、多言語環境に対応した使用が可能な電子機器にキーボードが一体的に設けられている、いわゆるキーボード一体型の電子機器では、基本的に、電子機器を操作するオペレータがいる地域ごとに、地域における標準的な使用言語環境に基づいたキー表示が設けられた複数のキーから構成されるキーボードを備えることとなる。また、多民族国家では、同一地域でもオペレータの使用言語環境が異なる場合もあるため、同一地域内でキーボードのみが異なる複数の電子機器を供給しなければならないという問題があった。つまり、電子機器を操作するすべてのオペレータに対応するためには、キーボードのみが異なる電子機器を複数製造しなければならないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、1つのキーボードで多言語環境に対応したキー表示を行うことができる、あるいはキーボードが一体的に設けられている1つの電子機器でキーボードを多言語環境に対応することができるシート、キーボード、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、任意の言語環境に基づいた基準キー表示が設けられた複数のキーから構成されるキーボードを覆い、かつ可塑性を有するシートにおいて、前記各キーと対向する領域に、前記任意の言語環境とは異なる言語環境に基づいたオプションキー表示が前記キーボードを覆った際にオペレータが視認可能に設けられ、全面が平坦であることを特徴とする。
【0008】
また、上記シートにおいて、前記オプションキー表示は、オペレータの視認側と反対側に設けられていることが好ましい。
【0009】
また、上記シートにおいて、外形が四角形であり、4辺の縁部のうち、少なくとも対向する2辺の前記縁部に支持部材が設けられていることが好ましい。
【0010】
また、上記シートにおいて、前記支持部材は、前記縁部に延在して設けられた板状部材であることが好ましい。
【0011】
また、上記シートにおいて、前記4辺の縁部のうち、対向する2辺の前記縁部に前記キーボードに固定する固定手段が設けられていることが好ましい。
【0012】
また、本発明では、上記シートにより覆われることが可能なキーボードにおいて、前記シートの前記キーボードに対する位置決めを行う位置決め手段が設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、上記キーボードにおいて、前記位置決め手段は、前記シートにより覆われた際に、当該シートの4辺の縁部のうち、1辺の前記縁部と対向して設けられた複数の突起部材であることが好ましい。
【0014】
また、上記キーボードにおいて、前記複数の突起部材のうち、両端部の少なくとも一方は、前記1辺の縁部および当該1辺の縁部と連続する他の1辺の縁部に対向してL字形状に設けられていることが好ましい。
【0015】
また、上記キーボードにおいて、多言語環境に対応した使用が可能であり、タッチパネルモニタを用いて使用言語を選択する電子機器と接続されていることが好ましい。
【0016】
また、本発明にかかる電子機器では、上記キーボードが一体的に設けられ、多言語環境に対応した使用が可能であり、タッチパネルモニタを用いて使用言語を選択することを特徴とする。
【0017】
また、上記電子機器において画像読取媒体の画像を読み取ることができるイメージスキャナユニットを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかるシートは、使用言語環境が基準キー表示に対応する任意の言語と異なるオペレータがキーボードを操作する場合は、キーボードを操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボードを覆うことで、キーボードのキー表示をキーボードを操作するオペレータの使用言語環境に基づいたものとする。従って、シートでキーボードを覆わない、あるいはキーボードを操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボードを覆うことで、1つのキーボードで多言語環境に対応したキー表示を行うことができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明にかかるキーボードは、シートの全面が平坦であっても、位置決め手段によりシートのキーボードに対する位置決めが行われるため、各キーと各キーと対向する領域とがずれることなくシートによりキーボードを覆うことができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明にかかる電子機器は、使用言語環境が基準キー表示に対応する任意の言語と異なるオペレータが電子機器を操作する場合は、電子機器を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボードを覆うことで、キーボードのキー表示を電子機器を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたものとし、電子機器を操作するオペレータの使用言語環境に基づいて電子機器を設定する。従って、シートでキーボードを覆わない、あるいは電子機器を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボードを覆うことで、キーボードが一体的に設けられている1つの電子機器でキーボードを多言語環境に対応することができる。これにより、電子機器を操作するすべてのオペレータに対応するために、キーボードのみ異なる電子機器を複数製造することを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態にかかる電子機器の構成例を示す図である。
【図2】電子機器のブロック構成図である。
【図3】キーボード周辺の詳細図である。
【図4】突起部材の拡大図である。
【図5】シート(英語(イギリス)用)の構成例を示す図である。
【図6】シートの裏面の構成例を示す図である。
【図7】他のシート(ドイツ語用)の構成例を示す図である。
【図8】他のシート(イタリア語用)の構成例を示す図である。
【図9】他のシート(スペイン語用)の構成例を示す図である。
【図10】他のシート(フランス語用)の構成例を示す図である。
【図11】電子機器をオペレータの使用言語環境に対応して設定する方法のフロー図である。
【図12】シートに覆われたキーボードを示す図である。
【図13】初期設定のフロー図である。
【図14】初期設定時の表示画面を示す図である。
【図15】初期設定時の表示画面を示す図である。
【図16】初期設定時の表示画面を示す図である。
【図17】初期設定時の表示画面を示す図である。
【図18】ログイン時の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施の形態では、キーボードが一体的に設けられ、例えば原稿などの画像読取媒体の画像を読み取ることができるイメージスキャナユニットを備える多言語環境に対応した使用が可能なキーボード一体型の電子機器について説明するが本発明はこれに限定されるものではなく、イメージスキャナユニットを備えないキーボード一体型電子機器や、キーボートとキーボードが接続される電子機器とが別個に構成されているものであっても良い。
【0023】
図1は、実施の形態にかかる電子機器の構成例を示す図である。図2は、電子機器のブロック構成図である。図3は、キーボード周辺の詳細図である。図4は、突起部材の拡大図である。図5は、シート(英語(イギリス)用)の構成例を示す図である。図6は、シートの裏面の構成例を示す図である。図7は、他のシート(ドイツにおけるドイツ語用)の構成例を示す図である。図8は、他のシート(イタリア語用)の構成例を示す図である。図9は、他のシート(スペイン語用)の構成例を示す図である。図10は、他のシート(フランス語用)の構成例を示す図である。図1および図2に示すように、実施の形態にかかる電子機器1は、キーボード2と、タッチパネルモニタ3と、イメージスキャナユニット4と、制御装置5とにより構成されている。実施の形態にかかる電子機器1は、キーボード2と、タッチパネルモニタ3と、イメージスキャナユニット4と、制御装置5とが一体的に設けられている。
【0024】
キーボード2は、電子機器1のうち、電子機器1を操作するオペレータが操作時に視認できる位置に設けられている。キーボード2は、図2に示すように、制御装置5と接続されている。キーボード2は、図3に示すように、複数のキー、実施の形態では87個のキー211〜2187により構成されている。キーボード2は、オペレータにより操作されるものであり、オペレータが各キー211〜2187を押圧することで、各キー211〜2187に対応した電気信号が制御装置5に出力される。すべてのキー211〜2187は、キーボードケーシング22に形成された四角形、実施の形態では幅方向に長い長方形の開口部22a内に配置されている。各キー211〜2187には、任意の言語環境に基づいた基準キー表示が設けられている。実施の形態では、各キー211〜2187には、アメリカにおける英語に対応したキー表示が設けられている。ここで、実施の形態では、各キー211〜2187は、凹凸が少ないキーが用いられており、各キー211〜2187の上面と、キーボードケーシング22の表面とが同一あるいは略同一平面に位置し、キーボード2が略平坦に形成されている。
【0025】
また、キーボード2には、突起部材23,24,25が設けられている。各突起部材23〜25は、位置決め手段であり、キーボード2に対するシート6の位置決めを行うものである。各突起部材23〜25は、キーボードケーシング22の表面のうち、開口部22a(各キー211〜2187)のモニタ側の面から突出して、幅方向に一列に設けられている。各突起部材23〜25のキーボードケーシング22に対する位置は、後述するシート6により覆われた際に、シート6の4辺の縁部6c〜6fのうち、1辺の縁部6dと対向するように設けられている。
【0026】
突起部材23は、突起部材23,24,25のうち、幅方向における両端部のうち一方の端部(図3では、左側端部)に設けられている。突起部材23は、図4の(a)に示すように、幅方向に延在する第1突起部23aと、第一突起の幅方向の外側の端部から上下方向に延在する第2突起部23bとにより構成されている。つまり、突起部材23は、後述するシート6により覆われた際に、1辺の縁部6dに対向する第1突起部23aおよび1辺の縁部6dと連続する他の1辺の縁部6eに対向する第2突起部23bによりL字形状に設けられている。
【0027】
突起部材24は、突起部材23,24,25のうち、幅方向における中央部に設けられている。突起部材24は、図4の(b)に示すように、後述するシート6により覆われた際に、1辺の縁部6dに対向して幅方向に延在する棒形状に設けられている。
【0028】
突起部材25は、幅方向における両端部のうち他方の端部(図3では、右側端部)に設けられている。突起部材25は、図4の(c)に示すように、後述するシート6により覆われた際に、1辺の縁部6dに対向して幅方向に延在する棒形状に設けられている。
【0029】
タッチパネルモニタ3は、図1および図2に示すように、電子機器1のうち、電子機器1を操作するオペレータが操作時に視認できる位置、実施の形態では、キーボード2の上方に設けられている。タッチパネルモニタ3は、制御装置5と接続されている。タッチパネルモニタ3は、制御装置5からの画像出力信号に基づいて種々の画面を表示するものである。また、タッチパネルモニタ3は、オペレータが任意の位置を押圧することで、位置に対する電気信号が制御装置5に出力される。
【0030】
イメージスキャナユニット4は、図1および図2に示すように、画像読取媒体の画像を撮像センサにより読み取るものである。イメージスキャナユニット4は、制御装置5と接続されている。イメージスキャナユニット4は、図示しない撮像センサと、光源と、給紙装置41とにより構成されている。イメージスキャナユニット4により画像読取媒体である原稿Pの画像を読み取る場合は、電子機器1の内部に設けられた光源が点灯し、給紙装置41にセットされた原稿Pが給紙装置41により搬送方向に搬送される。電子機器1の内部に設けられた撮像センサは、光源からの光が照射された給紙装置41により搬送方向に搬送される原稿Pからの反射光に応じた出力の電気信号を制御装置5に出力する。
【0031】
制御装置5は、電子機器1を制御するものである。制御装置5は、タッチパネルモニタ3に表示する画面の選択や、イメージスキャナユニット4の駆動制御などを行うものである。制御装置5には、電子機器1を制御する制御プログラムが記憶されている。制御プログラムは、電子機器1の多言語環境に対応した使用を可能とするものである。制御プログラムは、基準言語に基づいて電子機器1を制御することとなる。従って、制御装置5は、例えば、オペレータが各キー211〜2187を押圧することで、制御装置5に出力された各キー211〜2187に対応した電気信号を基準言語環境におけるキーボード2のキー表示に基づいた入力であると判断する。また、制御装置5は、基準言語に対応した画像表示信号をタッチパネルモニタ3に出力し、タッチパネルモニタ3に基準言語に基づいた画面が表示されることとなる。ここで、基準言語は、工場出荷時において予め設定された言語、実施の形態ではアメリカにおける英語、あるいは後述する初期設定時においてオペレータが選択して新たに設定された言語である。制御装置5のハード構成は、主に演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、プログラムや情報を格納するメモリ(RAM、ROM)、入出力インターフェースなどから構成され、既知のパーソナルコンピュータや、スキャナ装置と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、制御装置5は、LANなどを介して他の電子機器と接続されていても良い。つまり、電子機器1は、ネットワークスキャナとして機能しても良い。
【0032】
制御装置5は、初期設定部5aを有する。初期設定部5aは、例えば、工場出荷後に電子機器1を初めて起動させる際に、基準言語をオペレータに選択させるものである。初期設定部5aにより、オペレータが基準言語、すなわち使用言語を選択することで、制御プログラムが基準言語に基づいて電子機器1を制御することとなる。なお、制御装置5は、工場出荷時に基準言語に基づいて初期化されている。実施の形態では、アメリカにおける英語に基づいて初期化が行われている。従って、制御プログラムは、アメリカにおける英語に基づいて電子機器1を制御することとなる。従って、制御装置5は、例えば、オペレータが各キー211〜2187を押圧することで、制御装置5に出力された各キー211〜2187に対応した電気信号をアメリカにおける英語に対応したキー表示に基づいた入力であると判断する。また、制御装置5は、アメリカにおける英語に対応した画像表示信号をタッチパネルモニタ3に出力し、タッチパネルモニタ3にアメリカにおける英語に基づいた画面が表示されることとなる。
【0033】
シート6は、キーボード2を覆い、かつ可塑性を有するものである。シート6は、例えばナイロン系、ポリウレタン系、シリコン系のいずれかのシート材で形成されることで可塑性を有する。シート6は、図5および図6に示すように、外形が四角形であり、実施の形態では幅方向に長い長方形である。シート6の大きさは、キーボードケーシング22の開口部22aよりも大きく形成されている。従って、シート6の4辺の縁部6c、6d、6e、6fの裏面6b側は、シート6でキーボード2をシート6の中心部と開口部22aの中心部とが一致するように覆った際に、キーボードケーシング22の表面のうち、開口部22aの近傍の面と対向することとなる。
【0034】
シート6は、全面が平坦に形成されている。従って、実施の形態のキーボード2のように、キーボード2を構成する各キーに凹凸が少なく、キーボード2が略平坦である場合に、キーボード2を全面が平坦な可塑性を有するシート6で覆うことで、各キー211〜2187とシート6との隙間が広くなることを抑制することができる。従って、オペレータがシート6を介して各キー211〜2187を押圧しても、各キー211〜2187を直接押圧する場合と比較して、違和感を抑制することができる。これにより、シート6を用いてもキータッチを確保することができる。
【0035】
また、シート6には、キーボード2を覆った際に、各キー211〜2187とそれぞれ対向する領域611〜6187に、任意の言語環境とは異なる言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられている。実施の形態では、各領域611〜6187には、アメリカにおける英語とは異なるイギリスにおける英語に対応したオプションキー表示が設けられている。ここで、オプションキー表示は、シート6でキーボード2を覆った際にオペレータが視認可能となるように、各領域611〜6187にそれぞれ設けられている。具体的には、オプションキー表示は、オペレータの視認側と反対側、すなわちシート6の裏面6b側に表面6aから視認できるように、裏面シルク印刷により各領域611〜6187にそれぞれ設けられている。従って、オプションキー表示は、シート6でキーボード2を覆った際に、シート6とキー2との間に設けられているので、外部に露出しない。つまり、例えばオペレータのキーボード2の操作時において、オペレータが直接オプションキー表示に接触することがない。また、シート6の表面6aに液体などが付着しても、液体が直接オプションキー表示に接触することはない。これらにより、シート6のオプションキー表示の耐久性を向上することができる。また、オプションキー表示は、裏面印刷であるので透明感が向上し、質感が向上する。ここで、シート6は、透明あるいは半透明なシート材で形成されることが好ましい。これによれば、シート6でキーボード2を覆った際に、シート6の表面6aのうち、各領域611〜6187との間から、各キー211〜2187間の隙間が視認できるので、シート6で覆っていないキーボードとの外観上の差異を抑制することができる。また、シート6でキーボード2を覆う際に、シート6からキーボード2を視認することができるので、位置決めを容易に行うことができる。
【0036】
また、シート6には、図6に示すように、4辺の縁部6c,6d,6e,6fのうち、対向する2辺の縁部6c、6dに両面テープ62a,62bが設けられており、対向する2辺の縁部6e、6fに支持部材63a,63bは、シート6の裏面6b側に設けられている。
【0037】
各両面テープ62a,62bは、固定手段であり、シート6をキーボード2に固定するものである。また、各両面テープ62a,62bは、支持部材としても機能するものである。各両面テープ62a,62bは、縁部6c、6dの裏面6b側に延在してそれぞれ設けられた板状部材であり、弾性を有するものである。各両面テープ62a,62bは、例えば弾性の有する程度の厚みを有するものである。また、両面テープ62a,62bの縁部6c、6dに延在して形成される対向する2つの接着面には、繰り返し使用することができる接着層が形成されている。両面テープ62aは、予め一方の接着面が縁部6cの裏面6b側に接触することで、縁部6cに固定されている。両面テープ62bは、予め一方の接着面が縁部6dの裏面6b側に接触することで、縁部6dに固定されている。なお、両面テープ62a,62bの他方の接着面には、テープ用の保護シートが貼られている。従って、シート6によりキーボード2を覆う際に、テープ用の保護シートを剥がして、固定手段である各両面テープ62a,62bの他方の接着面をキーボード2のキーボードケーシング22の表面に接触することで、キーボード2をシート6で覆う際にキーボード2にシート6を固定することができる。これにより、シート6のキーボード2に対する相対移動が抑制され、シート6がキーボード2に対してずれることを抑制することができる。また、両面テープ62a、62bは、繰り返し使用することができるため、シート6によりキーボード2を覆う際に、シート6のキーボード2への固定を繰り返し行うことができる。
【0038】
各支持部材63a,63bは、縁部6e、6fに延在してそれぞれ設けられた板状部材であり、弾性を有するものである。各支持部材63a,63bは、例えば弾性の有する程度の厚みを有するものである。なお、各支持部材63a,63bは、両面テープ62a,62bの厚みよりも薄く形成されている。支持部材63aは、例えば接着剤などで縁部6eの裏面6b側に固定されている。支持部材63bは、例えば接着剤などで縁部6fの裏面6b側に固定されている。つまり、実施の形態では、シート6のすべての縁部6c〜6fに、支持部材が設けられていることとなる。従って、すべての縁部6c〜6fに設けられた支持部材により、可塑性を有するため任意の形状に変形可能であるシート6に適度な張りを維持することができる。これにより、キーボード2をシート6で覆う際に、シート6が変形し、各キー211〜2187と各領域611〜6187がずれることを抑制することができ、オプションキー表示と各キー211〜2187とを確実に対応させることができる。
【0039】
ここで、1つの電子機器1には、各領域611〜6187にイギリスにおける英語に対応したオプションキー表示が設けられているシート6のみならず、上記アメリカにおける英語およびイギリスにおける英語以外の他の言語環境に対応したシートが予め用意されている。例えば、各領域711〜7187にドイツにおけるドイツ語に対応したオプションキー表示が設けられているシート7(図7参照)、各領域811〜8187にイタリア語に対応したオプションキー表示が設けられているシート8(図8参照)、各領域911〜9187にスペイン語に対応したオプションキー表示が設けられているシート9(図9参照)、各領域1011〜10187にフランス語に対応したオプションキー表示が設けられているシート10(図10参照)などが用意されている。これらのシート7〜10にも、図示は省略するがシート6の両面テープ62a,62b、支持部材63a,63bと同様の両面テープおよび支持部材が縁部7c〜7f,8c〜8f,9c〜9f,10c〜10fの裏面に設けられている。なお、シート6〜10の表面6a〜10aには、シート用の保護シートが貼られている。従って、オペレータは、自身の使用言語環境に対応したシートをシート6〜10のうちから選択し、選択したシート6〜10でキーボード2を覆う際には、シート用の保護シートおよびテープ用の保護シートを剥がして、キーボード2にシート6〜10を固定する。なお、シート用の保護シートには、各シート6〜10が対応する言語環境がオペレータに理解できるように、文字、記号、図形などが記載されている。
【0040】
次に、電子機器1をオペレータの使用言語環境に対応して設定する方法について説明する。図11は、電子機器1をオペレータの使用言語環境に対応して設定する方法のフロー図である。図12は、シートに覆われたキーボードを示す図である。図13は、初期設定のフロー図である。図14〜図17は、初期設定時の表示画面を示す図である。図18は、ログイン時の表示画面を示す図である。
【0041】
まず、オペレータの使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と異なる使用言語環境であるか否かを判断する(ステップST101)。ここでは、オペレータの使用言語が工場出荷時において予め設定された言語、実施の形態ではアメリカにおける英語と異なるか否かを判断する。つまり、工場出荷時における基準言語で電子機器1が使用可能か否かを判断する。
【0042】
次に、オペレータは、自身の使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と異なると判断する(ステップST101肯定)と、自身の使用言語環境に対応したシートを選択する(ステップST102)。ここでは、実施の形態では、電子機器1に対応して予め用意されているアメリカにおける英語以外の他の言語環境に対応したシートから、オペレータの使用言語環境に対応したシートを選択する。例えば、オペレータがイギリスにおり使用言語が英語である場合は、上記シート6を選択する。なお、オペレータは、自身の使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と同一であると判断する(ステップST101否定)と、初期設定を行う(ステップST106)。
【0043】
次に、オペレータは、選択したシートの保護シートを剥離する(ステップST103)ここでは、実施の形態では、オペレータは、シート6の表面6aに貼られているシート用の保護シートを剥がすとともに、両面テープ62bに貼られているテープ用の保護シートを剥がす。つまり、両面テープ62aに貼られているテープ用の保護シートは、剥がさない。
【0044】
次に、オペレータは、シートの位置決めを行う(ステップST104)。ここでは、オペレータは、保護シートを剥がしたシートをキーボード2に対して位置決めする。実施の形態では、オペレータは、シート6の縁部6dのうち、まず縁部6eと連続する幅方向の一方の端部を突起部材23と接触するように合わせ、シート6の縁部6dのうち幅方向の一方の端部をキーボードケーシング22の表面うちモニタ側に貼る。つまり、オペレータは、まずシート6の縁部6dを突起部材23の第1突起部23aに接触させ、かつ縁部6eを突起部材23の第2突起部23bに接触させるように合わせ、シート6の一部をキーボード2に貼る。次に、オペレータは、シート6の縁部6dの中央部を突起部材24と接触するように合わせ、縁部6dの幅方向の他方の端部を突起部材25に合わせ、シート6の中央部および他方の端部をキーボードケーシング22の表面うちモニタ側に貼る。これにより、シート6の端部6d,6eを突起部材23〜25により位置決めして、両面テープ62bにより縁部6dをキーボード2に貼る。このとき、両面テープ62bにより可塑性を有するシート6に適度な張りを維持することができるので、オペレータはシート6の突起部材23〜25に対する位置決めを容易におこうことができるとともに、シート6を電子機器1の幅方向に貼ることができる。
【0045】
次に、オペレータは、シートを固定する(ステップST105)。ここでは、実施の形態では、オペレータは、キーボード2をシート6で覆い、両面テープ62a,62bにより、シート6をキーボードケーシング22に固定する。上述のように、シート6は、既に両面テープ62bにより、縁部6がキーボードケーシング22に貼られているので、この状態で、両面テープ62aに貼られているテープ用の保護シートを剥がす。そして、オペレータは、シート6の縁部6cをキーボードケーシング22の表面うちモニタ側と反対側に貼る。これにより、図11に示すように、シート6を両面テープ62a,62bによりキーボード2に貼り、シート6によりキーボード2に覆う。このとき、シート6は、突起部材23〜25により位置決めして、キーボード2を覆うこととなるので、シート6の各領域611〜6187がキーボード2の各キー211〜2187と対向する。これによれば、複数の突起部材23〜25にシート6の2辺の縁部6d,6eを合わせて、キーボード2をシート6で覆うことができるので、二方向、すなわち幅方向および上下方向におけるキーボード2に対するシート6の位置決めを確実に行うことができる。また、両面テープ62a、支持部材63a,63bにより可塑性を有するシート6に適度な張りを維持することができるので、シート6を電子機器1の上下方向に貼ることができる。
【0046】
次に、オペレータは、初期設定を行う(ステップST106)。ここでは、オペレータは、自身の使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と同一であり、使用言語と基準言語とが同一である場合、あるいは自身の使用言語環境がキーボード2の基準キー表示と異なり、使用言語と基準言語とが異なりシート6でキーボードを覆った場合のいずれにおいても初期設定を行う。
【0047】
初期設定では、オペレータが電子機器1を起動すると、図13に示すように、制御装置5は、使用言語切り替え画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する(ステップST201)。ここでは、制御装置5は、工場出荷後にオペレータにより電子機器1が初めて起動されると、使用言語切り替え画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する。このとき、制御装置5は、基準言語に対応した画像表示信号を出力することで、基準言語に基づいた使用言語切り替え画面をタッチパネルモニタ3に表示する。実施の形態では、図14に示すように、アメリカにおける英語に基づいた使用言語切り替え画面表示がタッチパネルモニタ3に表示される。なお、使用言語切り替え画面表示は、同図に示すように、案内表示と、オペレータに使用言語を選択させるための複数の使用言語スイッチ表示、オペレータに初期設定の再表示の有無を選択させるための有無スイッチ表示、オペレータに次の処理を実行させる実行スイッチ表示などで構成される。アメリカにおける英語に基づく場合は、案内表示、有無スイッチ表示、実行スイッチ表示などが英語となり、複数の使用言語スイッチ表示では、基準言語であるアメリカにおける英語が一番上となるように構成される。なお、複数の使用言語スイッチ表示は、各使用言語での表示となり、予め基準言語に対応した使用言語スイッチ表示にカーソルが移動しており、有無スイッチ表示のうち無スイッチ表示にカーソルが移動している。
【0048】
次に、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしたか否かを判断する(ステップST202)。なお、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしていないと判断する(ステップST202否定)と、オペレータにより実行スイッチ表示がタッチされるまで、タッチパネルモニタ3に使用言語切り替え画面表示を表示し続ける。
【0049】
ここで、オペレータは、使用言語と基準言語とが同一である場合、複数の使用言語スイッチ表示のいずれかにタッチせずにカーソルを基準言語に対応した使用言語スイッチ表示に位置させたまま、実行スイッチ表示にタッチすることとなる。また、オペレータは、使用言語と基準言語とが異なる場合、複数の使用言語スイッチ表示のうち、オペレータの使用言語に対応した使用言語スイッチ表示をタッチし、カーソルをタッチした使用言語スイッチ表示に位置させ、実行スイッチ表示にタッチすることとなる。
【0050】
次に、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしたと判断する(ステップST202肯定)と、基準言語を選択したか否かの判断をする(ステップST203)。ここでは、制御装置5は、複数の使用言語スイッチ表示のうち、カーソルがどこに位置しているかを判断する。ここで、制御装置5は、オペレータの使用言語と基準言語とが同一である場合、カーソルが基準言語に対応した使用言語スイッチ表示に位置しているため、基準言語を選択したと判断(ステップST203肯定)し、オペレータの使用言語と基準言語とが異なる場合、カーソルがオペレータの使用言語に対応した使用言語スイッチ表示に位置するので、基準言語を選択していないと判断(ステップST203否定)する。
【0051】
次に、制御装置5は、基準言語を選択したと判断する(ステップST203肯定)と、再表示を選択したか否かを判断する(ステップST204)。ここでは、制御装置5は、使用言語切り替え画面表示に表示された有無スイッチ表示のうち有スイッチ表示にカーソルが位置している場合、再表示を選択したと判断(ステップST204肯定)し(図16参照)、無スイッチ表示にカーソルが位置している場合、再表示を選択していないと判断(ステップST204否定)する。
【0052】
次に、制御装置5は、再表示を選択していないと判断する(ステップST204否定)と、ログイン画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する(ステップST205)。ここでは、制御装置5は、基準言語に対応した画像表示信号を出力することで、基準言語に基づいたログイン画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する。実施の形態では、基準言語を選択した場合、アメリカにおける英語に基づいたログイン画面表示がタッチパネルモニタ3に表示される。なお、ログイン画面表示は、案内表示と、ログイン名を入力させるためのログイン入力表示、パスワードを入力させるためのパスワード入力表示、オペレータに次の処理を実行させる実行スイッチ表示などにより構成される。上述のように、アメリカにおける英語が基準言語である場合は、案内表示と、ログイン入力表示、パスワード入力表示、実行スイッチ表示などが英語となる。これにより、制御プログラムは、アメリカにおける英語に基づいて電子機器1を制御することとなる。これにより、多言語環境に対応した使用が可能な電子機器1は、アメリカにおける英語を使用言語とするオペレータの使用言語環境に対応することができる。なお、制御装置5は、再表示が選択されていると判断する(ステップST204肯定)と、タッチパネルモニタ3にアメリカにおける英語に基づいた使用言語切り替え画面表示を表示する(ステップST201)。
【0053】
また、制御装置5は、基準言語を選択していないと判断する(ステップST203否定)と、初期化メッセージ表示をタッチパネルモニタ3に表示する(ステップST206)。ここでは、制御装置5は、オペレータにより選択された使用言語、すなわちカーソルが位置していた使用言語スイッチ表示に対応する使用言語を基準言語に置き換え、基準言語に対応した画像表示信号を出力することで、基準言語に基づいた初期化メッセージ表示をタッチパネルモニタ3に表示する。例えば、オペレータがドイツにおり使用言語がドイツにおけるドイツ語である場合は、図7に示すドイツにおけるドイツ語用のシート7でキーボード2を覆い、図15に示すように、複数の使用言語スイッチ表示のうちドイツにおけるドイツ語に対応した使用言語スイッチ表示Aをタッチし、実行スイッチ表示Bをタッチしたとする。この場合は、基準言語がアメリカにおける英語からドイツにおけるドイツ語に置き換えられ、図16に示すように、ドイツにおけるドイツ語に基づいた初期化メッセージ表示がタッチパネルモニタ3に表示される。なお、初期化メッセージ表示は、案内表示と、オペレータに次の処理を実行させる実行スイッチ表示などにより構成される。上述のように、ドイツにおけるドイツ語に基準言語が置き換えられた場合は、案内表示、実行スイッチ表示などがドイツにおけるドイツ語となる。
【0054】
次に、制御装置5は、図13に示すように、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしたか否かを判断する(ステップST207)。なお、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしていないと判断する(ステップST207否定)と、オペレータにより実行スイッチ表示がタッチされるまで、タッチパネルモニタ3に初期化メッセージ表示を表示し続ける。
【0055】
次に、制御装置5は、オペレータが実行スイッチ表示にタッチしたと判断する(ステップST207肯定)と、基準言語に基づいて初期化される(ステップST208)。ここでは、制御装置5は、オペレータにより選択された使用言語、すなわち置き換えられた基準言語に基づいて初期化される。例えば、上述のように、ドイツにおけるドイツ語に基準言語が置き換えられた場合は、ドイツにおけるドイツ語に基づいて初期化が行われている。従って、制御プログラムは、ドイツにおけるドイツ語に基づいて電子機器1を制御することとなる。従って、制御装置5は、例えば、オペレータが各キー211〜2187を押圧することで、制御装置5に出力された各キー211〜2187に対応した電気信号をドイツにおけるドイツ語に対応したキー表示に基づいた入力であると判断する。また、制御装置5は、ドイツにおけるドイツ語に対応した画像表示信号をタッチパネルモニタ3に出力し、タッチパネルモニタ3にドイツにおけるドイツ語に基づいた画面が表示されることとなる。
【0056】
次に、制御装置5は、再表示を選択したか否かを判断する(ステップST204)。ここでは、制御装置5は、使用言語切り替え画面表示に表示された有無スイッチ表示のうち有スイッチ表示にカーソルが位置している場合、再表示を選択したと判断(ステップST204肯定)し、無スイッチ表示にカーソルが位置している場合、再表示を選択していないと判断(ステップST204否定)する。
【0057】
次に、制御装置5は、再表示が選択されていると判断する(ステップST204肯定)と、タッチパネルモニタ3にドイツにおけるドイツ語に基づいた使用言語切り替え画面表示を表示する(ステップST201)。例えば、図16に示すように、ドイツにおけるドイツ語に基づいた初期化メッセージ表示がタッチパネルモニタ3に表示され、実行スイッチ表示Cをタッチしたとする。このとき、図15に示すように、有スイッチ表示にカーソルが位置して状態であると、図17に示すように、ドイツにおけるドイツ語に基づいた使用言語切り替え画面表示がタッチパネルモニタ3に表示される。ドイツにおけるドイツ語に基づく場合は、案内表示、有無スイッチ表示、実行スイッチ表示などがドイツ語となり、複数の使用言語スイッチ表示では、基準言語であるドイツにおけるドイツ語が一番上となるように構成される。
【0058】
また、制御装置5は、再表示を選択していないと判断する(ステップST204否定)と、ログイン画面表示をタッチパネルモニタ3に表示する(ステップST205)。例えば、図17に示すように、オペレータが使用言語切り替え画面表示の無スイッチ表示Dにタッチし、カーソルが無スイッチ表示Dに位置させ、実行スイッチ表示Eをタッチしたとする。これにより、図18に示すように、ドイツにおけるドイツ語が基準言語である場合は、案内表示と、ログイン入力表示、パスワード入力表示、実行スイッチ表示などがドイツ語となる。これにより、制御プログラムは、ドイツにおけるドイツ語に基づいて電子機器1を制御することとなる。これにより、多言語環境に対応した使用が可能な電子機器1は、ドイツにおけるドイツ語を使用言語とするオペレータの使用言語環境に対応することができる。
【0059】
以上によれば、使用言語環境が基準キー表示に対応する任意の言語と異なるオペレータが電子機器1を操作する場合は、電子機器1を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたオプションキー表示が設けられているシートでキーボード2を覆うことで、キーボード2のキー表示を電子機器1を操作するオペレータの使用言語環境に基づいたものとし、電子機器1を操作するオペレータの使用言語環境に基づいて電子機器1を設定する。従って、多言語環境に対応した使用が可能な電子機器1に対して1つのキーボードで多言語環境に対応することができる。
【0060】
なお、上記実施の形態では、シートの全面が平坦に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、キーボード2を覆った際に各キー211〜2187と対向する領域は、各キー211〜2187との形状に沿って形成されていても良い。キーボード2を構成する各キー211〜2187に凹凸が多く、キーボード2が凸凹である場合に、キーボード2を各キー211〜2187と対向する領域が各キー211〜2187の形状に沿って形成され可塑性を有するシートで覆うことで、各キー211〜2187とシートとの隙間が広くなることを抑制することができる。従って、オペレータがシートを介して各キー211〜2187を押圧しても、各キー211〜2187を直接押圧する場合と比較して、違和感を抑制することができる。これにより、シートを用いてもキータッチを確保することができる。また、各キー211〜2187と対向する領域が各キー211〜2187の形状に沿って形成されているので、シートのキーボード2に対する相対移動が抑制され、シートがキーボード2に対してずれることを抑制することができる。
【0061】
また、上記実施の形態では、表面においてオプションキー表示が視認できるようにシートを構成したが本発明はこれに限定されるものではなく、表面と裏面で異なる使用言語環境に対応したオプションキー表示を設けても良い。この場合は、シートは、不透明なシート材で形成されることとなる。これによれば、1つのシートで2つの使用言語環境に対応したオプションキー表示を設けることができるので、1つの電子機器に対して予め用意するシートの枚数を抑制することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 電子機器
2 キーボード
211〜2187 キー
22 キーボードケーシング
23,24,25 突起部材
3 タッチパネルモニタ
4 イメージスキャナユニット
5 制御装置
5a 初期設定部
6 英語(イギリス)用シート
6a 表面
6b 裏面
6c〜6f 縁部
611〜6187 キー領域
62a,62b 両面テープ(固定手段、支持部材)
63a、63b 支持部材
7 ドイツにおけるドイツ語用シート
7a 表面
7b 裏面
7c〜7f 縁部
711〜7187 キー領域
8 イタリア語用シート
8a 表面
8b 裏面
8c〜8f 縁部
811〜8187 キー領域
9 スペイン語用シート
9a 表面
9b 裏面
9c〜9f 縁部
911〜9187 キー領域
10 フランス語用シート
10a 表面
10b 裏面
10c〜10f 縁部
1011〜10187 キー領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の言語環境に基づいた基準キー表示が設けられた複数のキーから構成されるキーボードを覆い、かつ可塑性を有するシートにおいて、
前記各キーと対向する領域に、前記任意の言語環境とは異なる言語環境に基づいたオプションキー表示が前記キーボードを覆った際にオペレータが視認可能に設けられ、全面が平坦であることを特徴とするシート。
【請求項2】
前記オプションキー表示は、オペレータの視認側と反対側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
外形が四角形であり、4辺の縁部のうち、少なくとも対向する2辺の前記縁部に支持部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート。
【請求項4】
前記支持部材は、前記縁部に延在して設けられた板状部材であることを特徴とする請求項3に記載のシート。
【請求項5】
前記4辺の縁部のうち、対向する2辺の前記縁部に前記キーボードに固定する固定手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のシート。
【請求項6】
前記請求項1〜5のいずれか1つに記載のシートにより覆われることが可能なキーボードにおいて、
前記シートの前記キーボードに対する位置決めを行う位置決め手段が設けられていることを特徴とするキーボード。
【請求項7】
前記位置決め手段は、前記シートにより覆われた際に、当該シートの4辺の縁部のうち、1辺の前記縁部と対向して設けられた複数の突起部材であることを特徴とする請求項6に記載のキーボード。
【請求項8】
前記複数の突起部材のうち、両端部の少なくとも一方は、前記1辺の縁部および当該1辺の縁部と連続する他の1辺の縁部に対向してL字形状に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキーボード。
【請求項9】
多言語環境に対応した使用が可能であり、タッチパネルモニタを用いて使用言語を選択する電子機器と接続されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載のキーボード。
【請求項10】
前記請求項6〜8のいずれか1つに記載のキーボードが一体的に設けられ、
多言語環境に対応した使用が可能であり、タッチパネルモニタを用いて使用言語を選択することを特徴とする電子機器。
【請求項11】
画像読取媒体の画像を読み取ることができるイメージスキャナユニットを備えることを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項1】
任意の言語環境に基づいた基準キー表示が設けられた複数のキーから構成されるキーボードを覆い、かつ可塑性を有するシートにおいて、
前記各キーと対向する領域に、前記任意の言語環境とは異なる言語環境に基づいたオプションキー表示が前記キーボードを覆った際にオペレータが視認可能に設けられ、全面が平坦であることを特徴とするシート。
【請求項2】
前記オプションキー表示は、オペレータの視認側と反対側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
外形が四角形であり、4辺の縁部のうち、少なくとも対向する2辺の前記縁部に支持部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート。
【請求項4】
前記支持部材は、前記縁部に延在して設けられた板状部材であることを特徴とする請求項3に記載のシート。
【請求項5】
前記4辺の縁部のうち、対向する2辺の前記縁部に前記キーボードに固定する固定手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のシート。
【請求項6】
前記請求項1〜5のいずれか1つに記載のシートにより覆われることが可能なキーボードにおいて、
前記シートの前記キーボードに対する位置決めを行う位置決め手段が設けられていることを特徴とするキーボード。
【請求項7】
前記位置決め手段は、前記シートにより覆われた際に、当該シートの4辺の縁部のうち、1辺の前記縁部と対向して設けられた複数の突起部材であることを特徴とする請求項6に記載のキーボード。
【請求項8】
前記複数の突起部材のうち、両端部の少なくとも一方は、前記1辺の縁部および当該1辺の縁部と連続する他の1辺の縁部に対向してL字形状に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキーボード。
【請求項9】
多言語環境に対応した使用が可能であり、タッチパネルモニタを用いて使用言語を選択する電子機器と接続されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載のキーボード。
【請求項10】
前記請求項6〜8のいずれか1つに記載のキーボードが一体的に設けられ、
多言語環境に対応した使用が可能であり、タッチパネルモニタを用いて使用言語を選択することを特徴とする電子機器。
【請求項11】
画像読取媒体の画像を読み取ることができるイメージスキャナユニットを備えることを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−168991(P2012−168991A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−132289(P2012−132289)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【分割の表示】特願2008−3726(P2008−3726)の分割
【原出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【分割の表示】特願2008−3726(P2008−3726)の分割
【原出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】
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