説明

シート供給装置および画像処理装置

【課題】上限位置を超える昇降板の駆動に起因する破損を確実に防止することができる、シート供給装置および画像処理装置を提供する。
【解決手段】上限位置センサ204は、シート載置面に搭載されたシートとピックアップローラとの接離に応じて第1検知状態と第2検知状態とが切り替わる。この上限位置センサ204は、シート載置面に搭載されたシートとピックアップローラとが当接した状態およびピックアップローラが装着されていない状態において第1検知状態になる。センサ状態検知部401は、上限位置センサ204が第1検知状態と第2検知状態との間を遷移可能であるか否かを検知する。駆動制御部402は、上限位置センサ204が第2検知状態であり、かつセンサ状態検知部401によって上限位置センサ204は遷移可能であると検知された場合にのみ、駆動部164による昇降板の上昇駆動を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを供給するシート供給装置および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート供給装置は、複写機やファクシミリ、スキャナ、複合機等の画像処理装置に広く採用されている。例えば、シート供給装置を用いて複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に画像読取位置に搬送することで、画像処理装置は各原稿を連続的に読み取ることができる。また、シート供給装置を用いて原稿画像が転写される用紙を1枚ずつ自動的に画像形成位置に搬送することで、画像処理装置は各画像を連続的に印刷することができる。
【0003】
シート供給装置は、トレイに積載された複数枚のシートを1枚ずつ分離するため、シート束をピックアップローラに当接させる。シート束の厚みはトレイに積載されているシートの枚数に応じて変わるので、ピックアップローラに対してシート束を常に適切に当接させるにはシート載置面とピックアップローラとの距離をシート束の厚みに応じて調整する必要がある。この調整に、シートの載置面に昇降可能に取り付けた昇降板を用いることができる。このようなシート供給装置は、昇降板を駆動して昇降板上のシート束を押し上げ、ピックアップローラに当接させる。ピックアップローラは当接したシートを送り出す。
【0004】
シートの送り出しを行う際の昇降板の停止位置は、上限位置センサにより検出される。上限位置センサは、シート束の上面とピックアップローラが当接しているか否かを検出する。上限位置センサにより、シート束の上面とピックアップローラとの接触が検知されると、昇降板の上昇が停止する。例えば、シート束の上面に当接した後、昇降板の上昇とともにピックアップローラが上昇する機構を有するシート供給装置では、ピックアップローラ、あるいはピックアップローラと連動して移動する部材の位置を上限位置センサが検出することで停止位置が検出される。
【0005】
シート搬送が進行すると、シート束の厚みが減少する。シート枚数が多い場合、シート束の厚みが減少すると、ピックアップローラが下位のシートを送り出せない状態になる。このため、シート供給装置では、例えばシート束の厚さが既定量減少したときに昇降板が駆動され、シート束が押し上げられる。これにより、シート束の上面が再びピックアップローラに適切に当接する状態になり、安定したシート供給を実現することができる。このようなシート搬送中の昇降板の上昇は、例えば、上述の上限位置センサの検知状態の変化に呼応して行われる。
【0006】
トレイ上のシートがすべて送り出され、トレイ上のシートの有無を検知するシートセットセンサがシート非検知状態(シート無し)になると、昇降板は新たなシートを積載するためのシートセット位置に駆動される。また、トレイ上にシートを載置する場合も、昇降板はシートセット位置に駆動される。シートセット位置は、通常、昇降板の昇降範囲の下限であり、当該下方への駆動は、昇降板下面と対向する位置に設けられた下限位置センサにより昇降板が検出されるまで行われる。
【0007】
一方、近年の画像処理装置では、一定時間以上の間操作されなかった場合や操作パネルの所定ボタンが押下された場合に、通常の待機状態からさらに消費電力を低減するいわゆる省電力モードに移行する技術が採用されている。例えば、複写機や複合機等のプリント機能を有する画像処理装置における省電力モードでは、消費電力の大きい定着ヒータ等の電源はオフ、あるいは低電力運転に切り替えられる。また、省電力モード中にシート供給装置に電源を供給する必要性が乏しいため、シート供給装置の電源もオフされる。そして、省エネモードから通常の待機モード(スタンバイモード)への復帰時、あるいは画像処理装置の主電源投入時には、シート供給装置の電源がオンされる。
【0008】
このとき、画像処理装置は、シート供給装置の正常動作を保証するために、各部の初期化動作(機能確認動作)を実行する。例えば、シート供給装置では、シート搬送経路の各所に配置されたセンサの状態が確認されたり、トレイ上にシートが積載されている場合はシートの供給が直ちに開始できるように、トレイに搭載されたシートとピックアップローラとを当接させる動作が行われたりする(例えば、特許文献1〜4等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−67853号公報
【特許文献2】特開2002−255396号公報
【特許文献3】特開平8−96894号公報
【特許文献4】特開2008−151715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、大容量用紙トレイ(シート供給装置)を備える画像処理装置も存在している。このような大容量用紙トレイでは昇降板上に大量の用紙が積載されるため、昇降板を駆動する駆動装置としてトルクの大きなモータが使用される。このような大きなトルクを有するモータを使用しているため、例えば、上限位置センサの検知異常等により、用紙とピックアップローラとが当接する位置(以下、適宜、上限位置という。)に昇降板が到達しているにもかかわらず当該モータの駆動が停止されない場合は、上記特許文献1、2が開示するように、駆動系を構成する部材や、上限位置に達した昇降板が当接している部材が破損する可能性がある。
【0011】
例えば、画像処理装置において多用されている、ピックアップローラの上下方向の移動により上限位置到達を検知する構成の上限位置センサでは、メンテナンスのために大容量用紙トレイからピックアップローラを脱離し、メンテナンスが完了した際にピックアップローラの装着を忘れると、このような上限位置センサの検知異常が発生し得る。すなわち、ピックアップローラが装着されていないため、昇降板が上昇してもピックアップローラが移動することはない。したがって、昇降板が上限位置に到達したことを検出できない。なお、ピックアップローラの上下動を検出する上限位置センサの構成としては、例えば、フォトインタラプタにおいてオン状態とオフ状態とを切り替える遮光板を、ピックアップローラの上下動に連動して状態遷移させる構成が使用されている。
【0012】
例えば、上記特許文献3、4が開示するような装着忘れ検出技術を適用することで、ピックアップローラの装着忘れ自体を検出することは可能である。しかしながら、部品点数の増加によるコスト増や構造の複雑化による故障確率の増大等も懸念されるため、部品点数を増加させることなくピックアップローラの装着忘れを検出できることが望ましい。そのため、昇降板の上限位置到達状態とピックアップローラ未装着状態とにおいて上限位置センサの検知状態を同一にした構成が採用されている。すなわち、ピックアップローラと用紙とが当接してピックアップローラが上昇したとき、およびピックアップローラが未装着のときに遮光板はフォトインタラプタの非遮光位置に存在し(オン状態)、ピックアップローラが装着されかつピックアップローラと用紙とが当接していないときに遮光板は遮光位置に存在する(オフ状態)構成とする。この構成では、昇降板の上限位置到達状態とピックアップローラ未装着状態とにおいて上限位置センサの検知状態が同一であるため、ピックアップローラ未装着時に昇降板の上昇が防止できる。
【0013】
しかしながら、このような構成を採用した場合であっても、昇降板が上限位置に到達しているのもかかわらず当該モータの駆動が停止されず、駆動系を構成する部材や、上限位置に達した昇降板が当接している部材が破損するという事例が散見された。
【0014】
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたものであって、複雑な構造を採用することなく、上限位置を超える昇降板の駆動を確実に防止することができる、シート供給装置および画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用している。すなわち、本発明に係るシート供給装置は、昇降板、駆動部、ピックアップローラ、上限位置センサ、センサ状態検知部および駆動制御部を備える。駆動部は、シートの載置面に昇降可能に取り付けられた昇降板を昇降駆動する。ピックアップローラは、昇降板の上方に着脱可能に設けられ、上記載置面に搭載されたシートの上面に当接して当該シートを送り出す。上限位置センサは、上記載置面に搭載されたシートとピックアップローラとの接離に応じて第1検知状態と第2検知状態とが切り替わる。当該上限位置センサは、上記載置面に搭載されたシートとピックアップローラとが当接した状態およびピックアップローラが装着されていない状態において第1検知状態になる。センサ状態検知部は、上限位置センサが第1検知状態と第2検知状態との間を遷移可能であるか否かを検知する。駆動制御部は、上限位置センサが第2検知状態であり、かつ上限位置センサは遷移可能であるとセンサ状態検知部によって検知された場合にのみ、駆動部による上昇駆動を許可する。
【0016】
この構成では、上限位置センサが第1検知状態と第2検知状態との間を遷移可能であり、かつ昇降板が上限位置到達状態ではなく、ピックアップローラも未装着状態でない場合にのみ昇降板の上昇が許可される。したがって、上限位置を超える昇降板の駆動を確実に防止することができる。
【0017】
上記シート供給装置において、上限位置センサは、発光部と受光部とを備えるフォトセンサにより構成することができる。この場合、上記第1検知状態は、当該受光部により発光部が発した光が受光されている状態であることが特に好ましい。また、この構成において、センサ状態検知部は、フォトセンサの発光部の駆動電流に基づいて上限位置センサが遷移可能であるか否かを検知する構成を採用することができる。この構成では、極めて簡単な構成で、上限位置を超える昇降板の駆動を確実に防止することができる。
【0018】
一方、他の観点では、本発明は上述のシート供給装置を備えた画像処理装置を提供することもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上限位置を超える昇降板の駆動を確実に防止することができ、昇降板の昇降駆動系を構成する部材や上限位置に達した昇降板が当接している部材の破損を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態における複合機の全体構成を示す概略構成図
【図2】本発明の一実施形態における複合機の要部を拡大して示す模式図
【図3】本発明の一実施形態における複合機のハードウェア構成を示す図
【図4】本発明の一実施形態における複合機を示す機能ブロック図
【図5】本発明の一実施形態におけるセンサ状態検出を実現する構成の一例を示す構成図
【図6】本発明の一実施形態における複合機が実施する用紙搬送手順の一例を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。以下では、デジタル複合機の用紙供給装置として本発明を具体化する。
【0022】
図1は本実施形態におけるデジタル複合機の全体構成の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、複合機100は、画像読取部120および画像形成部140を含む本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102とを備える。本体101の上面には原稿台103が設けられており、原稿台103はプラテンカバー102によって開閉されるようになっている。また、プラテンカバー102は、原稿搬送装置110を備えている。なお、複合機100の前面には、ユーザが複合機100に複写開始やその他の指示を与えたり、複合機100の状態や設定を確認したりすることができる操作パネル200が設けられている。
【0023】
原稿台103の下方には、画像読取部120が設けられている。画像読取部120は、走査光学系121により原稿の画像を読み取りその画像のデジタルデータ(画像データ)を生成する。原稿は、原稿台103や原稿搬送装置110に載置することができる。走査光学系121は、第1キャリッジ122や第2キャリッジ123、集光レンズ124を備える。第1キャリッジ122には線状の光源131およびミラー132が設けられ、第2キャリッジ123にはミラー133および134が設けられている。光源131は原稿を照明する。ミラー132、133、134は、原稿からの反射光を集光レンズ124に導き、集光レンズ124はその光像をラインイメージセンサ125の受光面に結像する。この走査光学系121において、第1キャリッジ122および第2キャリッジ123は、副走査方向135に往復動可能に設けられている。第1キャリッジ122および第2キャリッジ123を副走査方向135に移動することによって、原稿台103に載置された原稿の画像をイメージセンサ125で読み取ることができる。原稿搬送装置110にセットされた原稿の画像を読み取る場合、画像読取部120は、第1キャリッジ122および第2キャリッジ123を画像読取位置に合わせて一時的に固定し、画像読取位置を通過する原稿の画像をイメージセンサ125で読み取る。イメージセンサ125は、受光面に入射した光像から、例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色に対応する原稿の画像データを生成する。生成された画像データは、画像形成部140において用紙に印刷することができる。また、ネットワークインタフェイス171によりネットワーク172を通じて他の機器(図示せず)へ送信することもできる。
【0024】
画像形成部140は、画像読取部120で得た画像データや、ネットワーク172に接続された他の機器から受信した画像データを用紙に印刷する。画像形成部140は、感光体ドラム141を備える。感光体ドラム141は一定速度で一方向に回転する。感光体ドラム141の周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器142、露光器143、現像器144、中間転写ベルト145が配置されている。帯電器142は、感光体ドラム141表面を一様に帯電させる。露光器143は、一様に帯電した感光体ドラム141の表面に、画像データに応じて光を照射し、感光体ドラム141上に静電潜像を形成する。現像器144は、その静電潜像にトナーを付着させ、感光体ドラム141上にトナー像を形成する。中間転写ベルト145は、感光体ドラム141上のトナー像を用紙に転写する。画像データがカラー画像である場合、中間転写ベルト145は、各色のトナー像を同一の用紙に転写する。なお、RGB形式のカラー画像は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)形式の画像データに変換され、各色の画像データが露光器143に入力される。
【0025】
画像形成部140は、手差しトレイ151、用紙供給装置152、153、154等から、中間転写ベルト145と転写ローラ146との間の転写部に用紙を給送する。手差しトレイ151や各用紙供給装置152、153、154には、様々なサイズの用紙を載置または収容することができる。画像形成部140は、ユーザの指定した用紙や、自動検知した原稿のサイズに応じた用紙を選択し、選択した用紙をピックアップローラ155により手差しトレイ151や用紙供給装置152、153、154から給紙する。給紙された用紙は搬送ローラ156やレジストローラ157で転写部に搬送される。トナー像が転写された用紙は、搬送ベルト147により定着器148に搬送される。定着器148は、ヒータを内蔵した定着ローラ158および加圧ローラ159を有しており、熱と押圧力によってトナー像を用紙に定着する。画像形成部140は、定着器148を通過した用紙を排紙トレイ149へ排紙する。
【0026】
図1の例では、用紙供給装置154が大容量トレイになっている。用紙供給装置154は、その内部に千枚以上の用紙162(適宜、用紙束という。)を収納可能であり、当該用紙束は用紙供給装置154に設けられた昇降可能な昇降板161に積載される。昇降板161は昇降駆動機構163を構成するモータ(駆動部)164の駆動により昇降する。用紙162を給紙する場合、昇降駆動機構163は、昇降板161を駆動して昇降板161上の用紙束を上昇させ、ピックアップローラ155に当接させる。ピックアップローラ155は、当接した用紙162を1枚ずつ送り出す。
【0027】
昇降板161上の用紙がすべて送り出され、昇降板161上の用紙の有無を検知する用紙セットセンサ166が用紙非検知状態になると、昇降板161は新たな用紙を積載するための用紙セット位置に駆動される。用紙セットセンサ166は、例えば、発光部と受光部とが対向して配置された透過型フォトセンサ(フォトインタラプタ)、発光部および受光部が一方面に配置された反射型フォトセンサ(フォトリフレクタ)等の非接触型センサや、マイクロスイッチ等の接触型センサを使用して構成することができる。なお、図1に示す例では、用紙セットセンサ166が、昇降板161の裏面側に配置されているが、昇降板161上の用紙の有無を検知可能であればその配置位置は任意である。例えば、昇降板161の側方または上方等にも配置することができる。
【0028】
例えば、用紙セットセンサ166として透過型フォトセンサが使用される場合、発光部から出射された光が受光部へ到達する状態と、発光部と受光部との間に遮光板が挿入され発光部から出射された光が受光部へ到達しない状態とが、昇降板161上に用紙が載置されている場合と、用紙が載置されていない場合とのそれぞれに対応するように透過型フォトセンサが配置される。この場合、遮光板は、昇降板161上に載置された用紙に当接するように配置された部材と用紙との接離に対応して、発光部と受光部との間に配置される挿入位置と発光部と受光部との間以外に配置される非挿入位置とを移動する。
【0029】
用紙セット位置は、昇降板161の昇降範囲の下限であり、当該下方への駆動は、昇降駆動機構163の下端に昇降板161下面と対向する状態で設けられた下限位置センサ165により昇降板161が検出されるまで行われる。下限位置センサ165は、例えば、上述の透過型フォトセンサ、反射型フォトセンサ等の非接触型センサや、マイクロスイッチ等の接触型センサを使用して構成することができる。なお、下限位置センサ165の配置位置は、昇降板161の下限位置到達を検知可能であればその配置位置は任意である。
【0030】
一方、用紙の送り出しを行う際の昇降板161の停止位置は、上限位置センサにより検出される。上限位置センサは、用紙束の上面とピックアップローラ155が当接しているか否かを検出する。なお、本実施形態では、ピックアップローラ155は、用紙束の上面に当接した後、昇降板161の上昇とともに上昇する構成(すなわち、用紙束との接離に伴って上下動可能な構成)を有する。上限位置センサは、当該ピックアップローラ155の上下動を検出することにより、用紙束の上面とピックアップローラ155とが当接しているか否かを検出する。
【0031】
図2は、用紙供給装置154のピックアップローラ155の近傍を拡大して示す図である。図2(a)および図2(b)は、昇降板161上の用紙束とピックアップローラ155とが離間している状態を示しており、図2(c)および図2(d)は、昇降板161上の用紙束とピックアップローラ155とが当接している状態を示している。図2(a)および図2(c)は、図1のピックアップローラ155部分を拡大した模式図であり、図2(b)および図2(d)は、それぞれ、図2(a)および図2(c)の右側面図に対応する。なお、図2(d)では、図2(b)におけるピックアップローラ155の位置を破線で示している。
【0032】
図2(a)から図2(d)に示すように、上限位置センサ204は透過型フォトセンサにより構成されている。上限位置センサ204の発光部204aと受光部204bとの間には、ピックアップローラ155の上下動にともなって遮光板203が挿抜される。遮光板203は係止部203aと遮光部203bとを備える。係止部203aはピックアップローラ155を回転駆動する駆動軸201に係止されており、ピックアップローラ155の上下動に伴って移動するようになっている。なお、駆動軸201は係止部203aと独立して回転する(空転する)構成になっており、駆動軸201が回転しても係止部203aは回転しない。遮光板203は、ピックアップローラ155が搬送する用紙と接触することがないように、例えば、駆動軸201の一端に配置されていればよい。また、ピックアップローラ155の上下動に連動して遮光板203が移動する構成であれば、駆動軸201以外の部分に係止部203aが接続されていてもよい。
【0033】
また、遮光部203bには、駆動軸201に平行な回転軸202が設けられており、遮光板203は、ピックアップローラ155の上下動に伴って、当該回転軸202周りに回転する。図2(a)、図2(c)に示すように、遮光部203bは正面視において扇型状の形態を有している。そして、ピックアップローラ155の上下動に伴う遮光板203の回転に呼応して、遮光部203bが上限位置センサ204の発光部204aと受光部204bとの間に挿抜される。すなわち、図2(a)、図2(b)に示すように、昇降板161上の用紙束とピックアップローラ155とが離間している状態では、遮光板203の遮光部203bは、発光部204aと受光部204bとの間に挿入される。この場合、上限位置センサ204は遮光状態(オフ状態:第2検知状態)にある。一方、図2(c)、図2(d)に示すように、昇降板161上の用紙束とピックアップローラ155とが当接している状態では、遮光板203の遮光部203bは、発光部204aと受光部204bとの間から抜き出される。この場合、上限位置センサ204は受光状態(オン状態:第1検知状態)にある。
【0034】
なお、本実施形態では、ピックアップローラ155はメンテナンス等のために着脱可能に複合機100に設けられている。また、ピックアップローラ155を脱離した場合、上限位置センサ204は、昇降板161上の用紙束とピックアップローラ155とが当接している状態と同一の検知状態(図2(c)、図2(d)に示す第1検知状態)になるよう構成されている。このような構成は、例えば、昇降板161上の用紙束とピックアップローラ155とが離間している場合に、ピックアップローラ155の自重のみにより図2(a)および図2(b)に示すピックアップローラ155の位置が維持される構成とすることで容易に実現可能である。
【0035】
図3は、複合機における制御系のハードウェア構成図である。本実施形態の複合機100は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304および原稿搬送装置110、画像読取部120、画像形成部140における各駆動部に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。ROM303やHDD304等はプログラムを格納しており、CPU301はその制御プログラムの指令にしたがって複合機100を制御する。例えば、CPU301はRAM302を作業領域として利用し、ドライバ305とデータや命令を授受することにより上記各駆動部の動作を制御する。また、HDD304は、画像読取部120により得られた画像データや、外部機器からネットワークインタフェイス171を通じて受信した画像データの蓄積にも用いられる。
【0036】
内部バス306には、操作パネル200や各種のセンサ307も接続されている。操作パネル200は、ユーザの操作を受け付け、その操作に基づく信号をCPU301に供給する。また、操作パネル200は、CPU301からの制御信号にしたがって自身が備えるディスプレイに操作画面を表示する。
【0037】
図4は、本実施形態の複合機の機能ブロック図である。図4に示すように、本実施形態の複合機100は、センサ状態検知部401および駆動制御部402を備える。
【0038】
センサ状態検知部401は、上述の上限位置センサ204が第1検知状態(ここでは、オン状態)と第2検知状態(ここでは、オフ状態)との間を遷移可能であるか否かを検知する。また、駆動制御部402は、上限位置センサ204が第2検知状態(オフ状態)であり、かつセンサ状態検知部401により上限位置センサ204は遷移可能であると検知された場合にのみ、モータ164による昇降板161の上昇駆動を許可する。
【0039】
図5は、上限位置センサ204、センサ状態検知部401および駆動制御部402の具体例を示す図である。上述のように、上限位置センサ204は透過型フォトセンサからなり、発光ダイオードからなる発光部204aとフォトトランジスタからなる受光部204bとを備える。発光ダイオード204aのアノードには電流制限抵抗502を介して電源電圧(ここでは、3.3V)が印加され、フォトトランジスタ204bのコレクタにはプルアップ抵抗503を介して電源電圧(ここでは、3.3V)が印加されている。なお、発光ダイオード204aのカソードおよびフォトトランジスタ204bのエミッタは接地されている。なお、この構成では、上限位置センサ204は、コネクタ501を介して複合機100に着脱可能に設けられている。
【0040】
当該構成では、駆動制御部402は、プルアップ抵抗503とフォトトランジスタ204bのコレクタとの間の電位に基づいて、上限位置センサ204がオン状態であるかオフ状態であるかを判定する。上限位置センサ204がオン状態である場合、フォトトランジスタ204bは導通状態にある。そのため、図5において、プルアップ抵抗503とフォトトランジスタ204bのコレクタとの間の電位は、ほぼ接地電位になる(Lowレベル)。一方、上限位置センサ204がオフ状態である場合、フォトトランジスタ204bは遮断状態にある。そのため、図5において、プルアップ抵抗503とフォトトランジスタ204bのコレクタとの間の電位は、ほぼ電源電位になる(Highレベル)。この例では、駆動制御部402は、プルアップ抵抗503とフォトトランジスタ204bのコレクタとの間の電位がLowレベルである場合に上限位置センサ204がオン状態であると判定する。また、プルアップ抵抗503とフォトトランジスタ204bのコレクタとの間の電位がHighレベルである場合に上限位置センサ204がオフ状態であると判定する。
【0041】
また、センサ状態検知部401は、電流制限抵抗502と発光ダイオード204aのアノードとの間の電位に基づいて上限位置センサ204がオン状態とオフ状態との間を遷移可能であるか否かを検知する。上限位置センサ204がオン状態とオフ状態との間を遷移可能である場合、発光ダイオード204aには駆動電流(ダイオード電流)が流れている。そのため、図5において、電流制限抵抗502と発光ダイオード204aのアノードとの間の電位は、発光ダイオード204aの内部抵抗と電流制限抵抗502との比に応じた電位になる。したがって、電流制限抵抗502と発光ダイオード204aのアノードとの間の電位は、電源電圧(ここでは、3.3V)よりも低くなる(Lowレベル)。一方、発光ダイオード204aにダイオード電流が流れていない場合、図5において、電流制限抵抗502と発光ダイオード204aのアノードとの間の電位は、ほぼ電源電位になる(Highレベル)。この例では、センサ状態検知部401は、電流制限抵抗502と発光ダイオード204aのアノードとの間の電位がLowレベルである場合に上限位置センサ204がオン状態とオフ状態との間を遷移可能であると検知する。また、センサ状態検知部401は、電流制限抵抗502と発光ダイオード204aのアノードとの間の電位がHighレベルである場合に上限位置センサ204がオン状態とオフ状態との間を遷移不能であると検知する。
【0042】
また、本実施形態の複合機100は、図4に示すように、報知部403および扉セットセンサ411を備えている。報知部403は、センサ状態検知部401の検知結果に応じて、ユーザに警報を通知する。当該警報は、表示や音声等、ユーザに通知可能な任意の手法により実施可能である。例えば、報知部403は、操作パネル200が備えるディスプレイに警告メッセージを表示することでユーザへの通知を実行することができる。
【0043】
扉セットセンサ411は、用紙供給装置154の前部に設けられた開閉扉の開閉状態を検知する。上述のように、用紙セットセンサ166が用紙非検知状態になると、昇降板161は新たな用紙を積載するための用紙セット位置に駆動される。このとき、ユーザは、用紙供給装置154の開閉扉を開放して用紙を補充し、補充後に開閉扉を閉鎖する。扉セットセンサ411は、このような開閉扉の開放状態と閉鎖状態とを検知する。扉セットセンサ411は、例えば、透過型フォトセンサ、反射型フォトセンサ等の非接触型センサや、マイクロスイッチ等の接触型センサを使用して構成することができる。なお、扉セットセンサ411の配置位置は、開閉扉の開閉状態を検知可能であればその配置位置は任意である。なお、特に限定されないが、本実施形態では、用紙セットセンサ166の検知状態にかかわらず、用紙供給装置154の開閉扉が開放されると、昇降板161が用紙セット位置に駆動されるようになっている。
【0044】
図6は、複合機100が実行する用紙搬送手順の一例を示すフロー図である。当該手順は、例えば、複合機100の主電源が投入されたとき、省電力モードからスタンバイモードへ移行したとき、扉セットセンサ411が開放状態から閉鎖状態に変化したときに開始される。
【0045】
当該手順が開始されると、駆動制御部402は、用紙セットセンサ166の状態を確認する(ステップS601)。そして、用紙非検知状態であれば、駆動制御部402は、昇降板161を用紙セット位置まで下降駆動し、手順が終了する(ステップS601No、S608)。一方、用紙セットセンサ166が用紙検知状態であれば、駆動制御部402は、次に、上限位置センサ204の状態を確認する(ステップS601Yes、S602)。
【0046】
まず、複合機100の主電源が投入された場合および省電力モードからスタンバイモードへ移行した場合の手順について説明する。これらの場合、用紙供給装置154の昇降板161は、複合機100の主電源が切断されたときの状態、あるいは省電力モードへ移行したときの状態のままである。すなわち、複合機100の主電源が切断されたとき、あるいは省電力モードへ移行したときに昇降板161が下降駆動されていなければ、昇降板161は、昇降板161上の用紙束の上面とピックアップローラ155とが当接する位置にある。この場合、上限位置センサ204に異常がなければ、上限位置センサ204はオン状態であるはずである。
【0047】
上限位置センサ204がオン状態である場合、駆動制御部402は、昇降板161の上昇動作を禁止する(ステップS602Yes、S605)。また、上限位置センサ204がオン状態である場合、上限位置センサ204の発光部204aは正常に発光し、当該光が受光部204bに受光されている。すなわち、上限位置センサ204に異常はない。そのため、用紙搬送により用紙セットセンサ166が用紙非検知状態になるまで、あるいは上限位置センサ204がオン状態からオフ状態に変化するまで当該状態が維持される(ステップS606No、S601)。
【0048】
当該状態で昇降板161上の用紙が搬送され、用紙セットセンサ166が用紙非検知状態になると、駆動制御部402は、昇降板161を用紙セット位置まで下降駆動し、手順が終了する(ステップS601No、S608)。また、昇降板161上の用紙が搬送され、用紙セットセンサ166が用紙検知状態のままで、上限位置センサ204がオン状態からオフ状態に変化すると、駆動制御部402は、上限位置センサ204がオン状態とオフ状態との間を遷移可能であるか否かについてのセンサ状態検知部401による検知結果を確認する(ステップS601Yes、S602No、S603)。
【0049】
当該検知結果が遷移可能である場合、駆動制御部402はモータ164により昇降板161を上昇駆動する(ステップS603Yes、S609)。駆動制御部402は、センサ状態検知部401による検知結果が遷移可能である限り、上限位置センサ204がオフ状態である間、昇降板161の上昇駆動を継続する(ステップS602No、S603Yes、S609)。上限位置センサ204がオフ状態からオン状態になると、駆動制御部402は当該上昇駆動を停止する(ステップS602Yes、S605)。上述のように、当該状態は、用紙搬送により用紙セットセンサ166が用紙非検知状態になるまで、あるいは上限位置センサ204がオン状態からオフ状態に変化するまで維持される(ステップS606No、S601)。
【0050】
上限位置センサ204がオフ状態である場合で、センサ状態検知部401による検知結果が遷移不能となったときは、駆動制御部402は、昇降板161の上昇動作を禁止する(ステップS602No、S603No、S604、S605)。また、センサ状態検知部401による遷移不能であるとの検知結果は、上限位置センサ204の発光部204aが発光していない状態であることを示している。すなわち、上限位置センサ204はオフ状態からオン状態に遷移できない状態にあり、上限位置センサ204に異常が発生している(ステップS606Yes)。この場合、報知部403は、センサ状態検知部401の当該検知結果に基づいて警報を発報する。ここでは、報知部403は操作パネル100のディスプレイに、上限位置センサ204が異常である旨を示す警告メッセージを表示する(ステップS607)。また、特に限定されないが、本実施形態では、上限位置センサ204に異常が発生している場合、駆動制御部402は、モータ164により昇降板161を用紙セット位置まで下降駆動する構成になっている(ステップS608)。
【0051】
次いで、扉セットセンサ411が開放状態から閉鎖状態に変化した場合の手順について説明する。扉セットセンサ411が開放状態から閉鎖状態に変化したとき、上述のように、昇降板161は用紙セット位置である昇降板161の昇降範囲の下限にある。この場合、上限位置センサ204に異常がなければ、上限位置センサ204はオフ状態にあるはずである(ステップS601Yes、S602No)。
【0052】
上限位置センサ204がオフ状態である場合、上述のように、駆動制御部402は、上限位置センサ204がオン状態とオフ状態との間を遷移可能であるか否かについてのセンサ状態検知部401による検知結果を確認する(ステップS602No、S603)。
【0053】
このとき、センサ状態検知部401による検知結果が遷移不能であった場合は、駆動制御部402は昇降板161の上昇動作を禁止し、報知部403は警報を発報する(ステップS603No、S604、S605、S607)。この場合、昇降板161は用紙セット位置にあるのでそのまま手順が終了する(ステップS608)。一方、センサ状態検知部401による検知結果が遷移可能であった場合は、駆動制御部402は、上述のとおり昇降板161を上昇駆動する(ステップS603Yes、S609、S602)。その後の手順も上述のとおりである。
【0054】
以上説明したように、複合機100では、上限位置センサ204がオン状態(第1検知状態)とオフ状態(第2検知状態)との間を遷移可能であり、かつ上限位置センサ204がオフ状態(第2検知状態)、すなわち、昇降板161が上限位置到達状態でなく、かつピックアップローラ155も未装着状態でない場合にのみ昇降板161の上昇が許可される。したがって、上限位置を超える昇降板161の駆動を確実に防止することができる。その結果、上限位置を超える昇降板161の駆動に起因する、昇降板161の昇降駆動系を構成する部材や上限位置に達した昇降板161が当接している部材の破損を確実に防止することができる。
【0055】
なお、上記実施形態では、上限位置センサ204を透過型フォトセンサにより構成したが、反射型のフォトセンサや、赤外線(電磁波)、静電容量、磁場等の光以外に基づいて物体の有無を検知する他の構成のセンサを使用することができる。しかしながら、構成簡略化の観点では、透過型または反射型のフォトセンサを上限位置センサ204として採用し、昇降板161に搭載された用紙束とピックアップローラ155とが当接した状態およびピックアップローラ155が装着されていない状態において、フォトセンサの受光部が発光部からの光を受光している状態(オン状態)になる構成を採用することが好ましい。例えば、反射型フォトセンサを採用する場合は、図2における遮光部203に反射板を設け、図2(a)の状態において、フォトセンサと反射板とが対向しないオフ状態となり、図2(c)の状態において、フォトセンサと反射板とが対向するオン状態になるように反射型フォトセンサを配置すればよい。
【0056】
上述のように、複合機100では、用紙搬送により用紙束の厚みが減少して上限位置センサ204の検知状態が変動すると昇降板161が上昇し、昇降板161の上昇の過程で上限位置センサ204の検知状態が変動すると昇降板161が停止する。そのため、昇降板161上に用紙が存在する場合は、昇降板161に搭載された用紙束とピックアップローラ155とが当接している状態が通常の状態といえる。このような通常の状態において上限位置センサ204がオン状態になるように構成すると、複合機100の主電源を投入した場合や省電力モードからスタンバイモードへ移行した場合に、上限位置センサ204が正常にオン状態になるか否かをそのままの状態でチェックすることができるため極めて有用である。加えて、フォトセンサを使用した場合には、発光部の駆動電流が流れているか否かにより発光部が発光しているか否かを確認できるため、第1検知状態と第2検知状態との間を現実に遷移させることなく遷移可能であるか否かを判断できる。そのため、極めて簡単な構成で、上述の効果を得ることが可能になる。
【0057】
例えば、図5に示す例において、駆動制御部402は、ROMやRAMに格納されたプログラムを実行するCPUとして実現することができる。この場合、当該CPUがアナログ−デジタル変換ポートを備えるときは、当該アナログ−デジタル変換ポートをセンサ状態検知部401として機能させることができる。すなわち、図5における電流制限抵抗502と発光ダイオード204aのアノードとの間の電位を当該アナログ−デジタル変換ポートに入力し、当該入力に応じて生成されるデジタル値とプルアップ抵抗503とフォトトランジスタ204bのコレクタとの間の電位として得られるデジタル値との論理演算により、図6に示すフローを極めて容易に実現することができる。また、この構成では、上限位置センサ204としてアナログ出力タイプのフォトセンサを使用できるため、非常に安価に構成することができる。
【0058】
以上説明したように、本発明によれば、上限位置を超える昇降板の駆動を確実に防止することができ、昇降板の昇降駆動系を構成する部材や上限位置に達した昇降板が当接している部材の破損を確実に防止することができる。
【0059】
なお、上述した実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上記複合機100では特に好ましい形態として通知部403を備える構成を説明したが、当該通知部403を備えない構成であっても、上限位置を超える昇降板の駆動を確実に防止することは可能である。
【0060】
また、図6に示したフローチャートは、等価な作用を奏する範囲において各ステップの順序を適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、上限位置センサがオフ状態である場合に上限位置センサが遷移可能であるか否かを判定する構成としたが、上限位置センサが遷移可能である場合に上限位置センサがオン状態であるか否かを判定しても、同様の効果を奏するように構成することは可能である。
【0061】
加えて、上述の実施形態では、デジタル複合機の用紙供給装置として本発明を具体化したが、デジタル複合機に限らず、プリンタ、複写機等、印刷機能を有する任意の画像処理装置の用紙供給装置、さらには、ファクシミリ、スキャナ等の画像読取装置の原稿供給装置に本発明を適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明によれば、上限位置を超える昇降板の駆動に起因する、昇降板の昇降駆動系を構成する部材や上限位置に達した昇降板が当接している部材の破損を確実に防止することができ、シート供給装置および画像処理装置として有用である。
【符号の説明】
【0063】
100 複合機
110 原稿搬送装置
154 用紙供給装置
155 ピックアップローラ
161 昇降板
162 用紙
163 昇降駆動機構
164 モータ(駆動部)
204 上限位置センサ
401 センサ状態検知部
402 駆動制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの載置面に昇降可能に取り付けられた昇降板と、
前記昇降板を昇降駆動する駆動部と、
前記昇降板の上方に着脱可能に設けられ、前記載置面に搭載されたシートの上面に当接して当該シートを送り出すピックアップローラと、
前記載置面に搭載されたシートと前記ピックアップローラとの接離に応じて第1検知状態と第2検知状態とが切り替わり、かつ前記載置面に搭載されたシートと前記ピックアップローラとが当接した状態およびピックアップローラが装着されていない状態において、前記第1検知状態になる上限位置センサと、
前記上限位置センサが前記第1検知状態と前記第2検知状態との間を遷移可能であるか否かを検知するセンサ状態検知部と、
前記上限位置センサが第2検知状態であり、かつ前記センサ状態検知部により前記上限位置センサは遷移可能であると検知された場合にのみ、前記駆動部による上昇駆動を許可する駆動制御部と、
を備えたシート供給装置。
【請求項2】
前記上限位置センサが、発光部と受光部とを備えるフォトセンサであり、前記第1検知状態は、前記受光部により前記発光部が発した光が受光されている状態である、請求項1記載のシート供給装置。
【請求項3】
前記センサ状態検知部は、前記発光部の駆動電流に基づいて前記上限位置センサが遷移可能であるか否かを検知する、請求項2記載のシート供給装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート供給装置を備えた画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−71841(P2013−71841A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214638(P2011−214638)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】