シート搬送装置、シート処理装置及び画像形成装置
【課題】用紙束の後端側の撓みの増大を防ぐことが可能になり、シート状記録媒体の束を排出する排出手段への負荷を低減する。
【解決手段】一対の排紙ローラ対14a,14bが用紙を搬送する搬送経路の排出口19に開閉可能に設置されたシート搬送装置において、複数の用紙からなる用紙束を1部搬送する間に前記排紙ローラ14a,14b間の開放量を変化させる。搬送ローラ対の一方は従動ローラ14bとして排紙ガイド板11bの自由端側に支持され、モータによって回動するフィラー15にリンク17を介して連結され、例えば用紙束の厚さ、枚数、綴じ位置などに応じてフィラー15の回動量を制御し、排紙ローラ14a,14b間の開放量を変化させる。
【解決手段】一対の排紙ローラ対14a,14bが用紙を搬送する搬送経路の排出口19に開閉可能に設置されたシート搬送装置において、複数の用紙からなる用紙束を1部搬送する間に前記排紙ローラ14a,14b間の開放量を変化させる。搬送ローラ対の一方は従動ローラ14bとして排紙ガイド板11bの自由端側に支持され、モータによって回動するフィラー15にリンク17を介して連結され、例えば用紙束の厚さ、枚数、綴じ位置などに応じてフィラー15の回動量を制御し、排紙ローラ14a,14b間の開放量を変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙、OHPシート、厚紙などのシート状記録媒体(以下、用紙と総称する)に所定の処理を施して排紙するシート搬送装置、このシート搬送装置を備えたシート処理装置、及び前記シート搬送装置又は前記シート処理装置を一体又は別体に備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として例えば特許文献1ないし3に記載された発明が公知である。これらの特許文献には、用紙または用紙束の排紙トレイの排紙口に前記排紙トレイ側に従動コロを備えた排紙ガイドが設けられている。例えば特許文献1には、一端が支軸に揺動自在に支持され、他端側に排出ローラと離接する従動ローラが回転自在に取り付けられている。支軸は装置本体に固定され、排紙ガイド板の中央部には排紙ガイド板を前記支軸に関して揺動させ、前記従動ローラを前記排出ローラに対して近接、離間させる駆動機構が設けられている。この駆動機構は、複写機本体から搬送される用紙の搬送速度に応じて排紙ガイド板の開口量を変化させ、搬送の信頼性を確保している。また、特許文献2および3にも、排紙ローラと対向する位置に従動ローラを備えた排紙ガイド板が開示されている。
【0003】
すなわち、前記各公知例では、複写機本体側から用紙が搬入された場合に、パンチなどの処理を施す際に用紙先端が排紙ローラと従動ローラに当接し、パンチ位置がずれてしまう虞があるときに、排紙ガイド板を開放するようにしたものである。これにより、用紙先端の排紙ローラ及び従動ローラへの当接を回避している。そして、その際、搬送速度の大小に応じて定速に達するまでの時間が異なることから、これに応じて排紙ガイド板の開口量を制御するようにしている。
【特許文献1】特開2001−072296号公報
【特許文献2】特開2001−012356号公報
【特許文献3】特開平9−301596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、用紙をステイプルトレイに集積して用紙束を形成し、この用紙束を排紙トレイに排紙する場合、排紙ガイド板は一定量に開放(開口)していた。しかし、排出部で用紙束が偏向される際に用紙束が後端側に撓んでいって束の厚みが増す傾向が顕著になり、それによって搬送負荷が上がり排出手段に大きな負荷がかかる場合があった。なお、特許文献1記載の発明では、パンチの際に搬送速度に応じてシート1枚毎に排紙ガイド板の開口量を制御しているが、シート束の偏向に伴って排紙ガイド板の開口量を制御するようにはなっていない。
【0005】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、本発明の解決すべき課題は、用紙束の後端側の撓みの増大を防ぎ、シート状記録媒体の束を排出する排出手段への負荷を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、第1の手段は、一対の搬送ローラ対がシート状記録媒体を搬送する搬送経路の排出口に開閉可能に設置されたシート搬送装置において、複数のシート状記録媒体からなるシート束を1部搬送する間に前記搬送ローラ対間の開放量を変化させる手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
第2の手段は、第1の手段において、前記搬送ローラ対のうち一方の搬送ローラが前記搬送経路に対して開閉可能に設けられた支持手段に支持されていることを特徴とする。
【0008】
第3の手段は、第2の手段において、前記支持手段の回動量によって前記開放量を変化させることを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第2または第3の手段において、前記支持手段を回動させるモータを含む駆動手段を備え、前記開放量が前記モータの駆動パルスによって設定されることを特徴とする。
【0010】
第5の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、前記支持手段の前記回動量の変化回数を前記シート束の綴じ枚数、綴じ位置、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無の少なくとも1つに基づいて変更することを特徴とする。
【0011】
第6の手段は、第3または第4の手段において、前記支持手段の前記開放量を前記シート束の綴じ枚数、綴じ位置、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無の少なくとも1つに基づいて変化させることを特徴とする。
【0012】
第7の手段は、第2ないし第6のいずれかの手段において、前記搬送ローラ対の搬送方向上流側にシート束を搬送し、前記排出口から放出する放出手段を備え、前記支持手段はシート束が前記放出手段からシート束後端が離れた後、開放状態から閉鎖状態への移行を開始することを特徴とする。
【0013】
第8の手段は、第7の手段において、前記前記支持手段の前記移行開始タイミングはシート束の綴じ枚数、シート束のサイズ、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無によって変化させることを特徴とする。
【0014】
第9の手段は、第1ないし第8のいずれかの手段に係るシート搬送装置をシート処理装置が備えていることを特徴とする。
【0015】
第10の手段は、第1ないし第8のいずれかの手段に係るシート搬送装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0016】
第11の手段は、第9の手段に係るシート処理装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0017】
なお、後述の実施形態では、一対の搬送ローラ対は排紙ローラ対14a,14bに、排出口は符号19に、開放量は符号H及びJに、変化させる手段はCPU110に、支持手段は排紙ガイド板11bに、駆動手段はフィラー15及びリンク17に、放出手段は放出ベルト10及び放出爪10a,10bに、シート処理装置は用紙後処理装置1に、画像形成装置は符号2にそれぞれ対応する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数のシート状記録媒体からなるシート束を1部搬送する間に前記搬送ローラ対間の開放量を変化させるので、用紙束の後端側の撓みの増大を防ぐことが可能になり、シート状記録媒体の束を排出する排出手段への負荷を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
〈構成〉
図1は本発明の実施形態に係る用紙処理装置としての用紙後処理装置を備えた画像形成装置全体のシステム構成を示す図である。この用紙後処理装置1は、画像形成装置2の側部(図では側部のみ図示)に取り付けられており、画像形成装置2より排出された用紙は用紙後処理装置1に導かれる。前記用紙は、入口センサ3を経て搬送ローラ4,5,12、排紙ローラ対14a,14bにより排紙トレイCに導く搬送路Aと、搬送ローラ4,5、分岐爪18により搬送路Dに導き搬送ローラ6,7,8,9により処理トレイFに搬送し、処理後排紙トレイCに導く搬送路Bを備えている。本発明は処理トレイFで処理後の搬送路Bでの排出時の動作についてのものである。
【0021】
スティプル処理を施す処理トレイFの構成は以下の通りである。
図1に示すように、搬送ローラ、ここではスティプル排紙ローラ9により処理トレイFへ導かれた用紙は、順次積載される。この場合、用紙ごとに図示しない叩きコロでによって用紙を後端フェンス側に叩き落とし、縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス20によって横方向(用紙搬送方向と直交する用紙幅方向)の整合が行われる。放出爪10aは、放出ベルトHPセンサ21によりホームポジションが検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ21は放出ベルト10に設けられた放出爪10aによりオン・オフする。この放出ベルト10の外周上の対向する位置には2つ目の放出爪10bが配置されており、処理トレイFに収容された用紙束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト10を逆回転し、これから用紙束を移動するように待機している放出爪10aと対向側の放出爪10bの背面で、処理トレイFに収容された用紙束の搬送方向先端を揃えても良い。このような手段で整合された用紙束は端面綴じスティプラ13により1ヶ所ないしは2ヶ所以上綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われた用紙束は、ただちに放出爪10aを有する放出ベルト10によりシフト排紙ローラ対14a,14bへ送られ、受け取り位置にセットされている排紙トレイCに排出口19から排出される。
【0022】
従動側の排紙ローラ14bを自由端側で回転自在に支持する排紙ガイド板11b(公知例における排紙ガイド板に同じ)は回転部材として構成されたフィラー15に連接され、図示しないフィラーの駆動機構(モータを含む)により前記フィラー15を回転させることにより排紙ガイド板11bが開放され、また、フィラーの回転量に応じて開放量が規定される。この開放量は用紙束の種々の状態によって制御される。
【0023】
図2は本実施形態に係る用紙後処理装置を備えた画像形成装置における用紙後処理装置の電気的構成を主に示すブロック図である。同図において、制御装置は全体として画像形成装置2側の制御装置Aと用紙後処理装置1側の制御装置Bとから成り、両者は通信手段を介して相互に情報の授受が可能となっている。制御装置BはCPU110、I/O120を含む制御回路100を備え、CPU110が図示しないROMに格納されたプログラムを読み出して図示しないRAMに展開し、前記プログラムに沿った処理を実行する。I/O120は前記CPU110に対してセンサからの情報を取り込んで通知し、あるいは制御信号をステッピングモータなどの駆動機構に通知する。CPU110はまた、ドライバを介して各種ソレノイド、DCモータ、ステッピングモータなどの各種駆動駆動を制御する。また、図1には図示していないが、パンチ装置などの後処理機構を持つ場合には、このようなパンチ装置の制御も司る。
【0024】
〈動作〉
図3ないし図5は処理トレイFで綴じ処理をされた用紙束を排出するときの排紙ガイド板11bの動作を示す動作説明図である。以下、これらの動作説明を参照して排紙ガイド板の動作について説明する。
【0025】
図1に示す処理トレイFで端面綴じスティプラ13により綴じ処理が行われると同時に図3(a)に示すフィラー15が矢印G方向に回転し、それにより図3(b)に示すようにリンク17が動く。排紙ガイド11bはリンク17によってフィラー15と連動するようになっており、フィラー15が回転することにより回転支点Qを中心に回動する。回動量H,Jは図3(c)及び(d)に示すようにフィラー検知センサ16がON状態になってからのパルスカウントで決定している。回動量の決定方法は図4(a)及び(b)に示すようなフィラー形状にし、検知手段16aと16bの検知情報で決定しても良い。
【0026】
綴じ処理が完了した用紙束は、放出爪10aにより排紙ローラ対14a,14bに送られる。図5(a)に示すように用紙の先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過した後、排紙ガイド板11bの回動が必要な場合は更にフィラー15が回転し、図5(b)に示すように排紙ガイド板11bが回動し、開放量を増す。用紙の先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過した情報は放出ベルトHPセンサ21を放出爪10aによりオンしてからの移動量で検出する。さらに用紙束が放出爪10aで搬送され、図5(c)に示すように用紙束後端が放出爪10aを離れた後、フィラー15を矢印方向に回転させ、排紙ガイド板11bの閉め動作(閉鎖側の回動)を開始する。したがって、排紙ローラ対14a,14bの閉鎖タイミングは用紙サイズによって変化することになる。図5(d)に示すように排紙ガイド板11bが閉まりきるときは、少なくとも用紙束の後端に搬送力を与えるタイミングで閉まりきる。このような動作をすることにより、用紙束の撓みによる搬送負荷を低減することが可能となる。なお、排紙ローラ対14a,14bは用紙搬送方向に対して直交する方向に往復動し、シフトローラとしても機能する。
【0027】
〈制御〉
図6ないし図11は前記動作を行わせるための制御手順を示すフローチャートである。なお、この制御は前記CPU110がROMに格納されたプログラムにしたがって実行される。
図6は本実施形態における排紙ガイド板の制御手順を示すメインフローチャートである。この制御手順では、モード(ステップS1)、綴じ位置(ステップS2,S8)、枚数(ステップS3、S6,S11,S10)、紙厚混入(ステップS4)、折り紙混入(ステップS5,S9)などをチェックし、これらのチェック結果に応じてパターン1ないし3の処理、2ヶ所綴じ以上の処理、あるいは綴じなし処理を実行する。
【0028】
すなわち、コピーがスタートすると、まず、スティプルモードか否かをチェックする(ステップS1))。スティプルモードであれば、1ヶ所綴じか否かをチェックし(ステップS2)、1ヶ所綴じであれば、さらに綴じ枚数が30枚以下か否かをチェックする(ステップS3)。このチェックで30枚以下であれば、厚紙が混入しているかどうかチェックし(ステップS4)、厚紙の混入があればさらに、折り紙の混入があるかどうかをチェックする(ステップS5)。折り紙の混入があれば、折り紙を混入した結果を普通紙の状態に換算し、その換算結果が30枚以下かどうかをチェックする(ステップS6)。本実施形態では、厚紙1枚が普通紙3枚に、折り紙1枚が普通紙5枚として換算している。
【0029】
このチェックで普通紙換算で30枚以下であれば、図9に示したパターン1の処理を実行する。また、ステップS1でスティプルモードでなければ、搬送路A側に用紙を導き(ステップS7)、ステップS2で1ヶ所綴じでなければ、2ヶ所綴じ以上か否かをチェックし(ステップS8)、2ヶ所綴じ以上であれば、図7に示した2ヶ所綴じ以上の処理を実行し、2ヶ所綴じ以上でなければ、綴じなしなので、図8に示した綴じなし処理を実行する。
【0030】
一方、ステップS3で30枚以下でなければ、言い換えれば30枚より多ければ、図10に示したパターン2の処理を実行し、ステップS4で厚紙混入がなければ、さらにステップS9で折り紙混入があるかどうかをチェックする。
【0031】
ステップS9で折り紙混入があれば、さらに混入された折り紙を普通紙に換算し、30枚以下であれば(ステップS10)、パターン1の処理を実行し、30枚よりも多ければパターン2の処理を実行する。ステップS5で折り紙が混入していれば、同様に混入された折り紙を普通紙に換算し、30枚以下であれば(ステップS11)、パターン1の処理を実行し、30枚よりも多ければパターン2の処理を実行する。
【0032】
ステップS8で2ヶ所綴じ以上であると判断されたときには、図7の2ヶ所綴じ以上の制御手順を実行する。この制御手順では、まず、30枚以下か否かをチェックし(ステップS101)、30枚以下であれば、ステップS102で厚紙が混入されているかどうかをチェックし(ステップS102)、30枚よりも多ければ、図12に示したパターン3の処理を実行する。ステップS102で厚紙が混入されていた場合には、折り紙の混入があるか否かをチェックし(ステップS103)、混入されていない場合には、折り紙の混入の有無をチェックする(ステップS105)。ステップS105で折り紙の混入があれば、普通紙に換算して30枚以下か否かをチェックし(ステップS106)、混入がなければパターン1の処理を実行する。また、ステップS106で普通紙換算で30枚以下であれば、パターン1の処理を実行し、30枚よりも多ければパターン3の処理を実行する。
【0033】
ステップS103で折り紙の混入があれば、同様に普通紙換算で30枚以下か否かをチェックし(ステップS104)、30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン3の処理を実行する。同様に、ステップS103で折り紙の混入がなければ、ステップS107で普通紙換算で30枚以下か否かをチェックし、30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン3の処理を実行する。
【0034】
図8は綴じなし処理の制御手順を示すフローチャートである。この制御手順では、まず、用紙の枚数が30枚以下か否かをチェックし(ステップS201)、30枚より多ければパターン2の処理を実行し、30枚以下であれば、ステップS202で厚紙の混入の有無をチェックする。このチェックで、厚紙混入がなければ、ステップS205で折り紙混入の有無をチェックし、混入がなければパターン1の処理を実行し、混入があればステップS206で普通紙換算で30枚以下か否かをチェックする。このチェックで30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン2の処理を実行する。
【0035】
一方、ステップS202で厚紙の混入があると判断されたときには、ステップS203で折り紙の混入の有無をチェックし、折り紙混入があれば、さらにステップS204で普通紙換算で30枚以下か否かをチェックする。30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン2の処理を実行する。また、ステップS203で折り紙の混入があったと判定されたとき、ステップS207でステップS204と同様の判定を行い、30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン2の処理を実行する。
【0036】
図9はパターン1の処理の制御手順を示すフローチャートである。パターン1の制御手順では、綴じ処理が完了すると(ステップS301)、排紙ガイド板11bを開放(1回目)し(ステップS302)、用紙先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過し(ステップS303)、放出爪10aが停止すると(ステップS304)排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS305)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0037】
図10はパターン2の処理の制御手順を示すフローチャートである。パターン2では、綴じ処理が完了すると(ステップS401)、排紙ガイド板11bを開放(1回目)し(ステップS402)、用紙先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過すると(ステップS403)、綴じ枚数をチェックする(ステップS404)。ステップS404のチェックで、綴じ枚数が31枚から40枚の場合には、排紙ガイド板11bを2回目の開放動作として5パルス分開放量を増やす(ステップS405)。5パルスは前述のフィラー15を駆動するステッピングモータの駆動パルスである。5パルス分開放量を増加し、放出爪10aが停止すると(ステップS406)、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS407)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0038】
一方、ステップS404のチェックで綴じ枚数が41枚ないし50枚の場合には(ステップS408)、排紙ガイド板11bを10パルス分さらに開放(2回目)し(ステップS409)、放出爪10aが停止すると(ステップS410)、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS411)、閉鎖された時点で処理を終える。なお、ステップS408では、41枚から50枚の範囲を外れた場合の処理が特に記載されていないが、後処理の最大枚数が50枚に設定されていることから、この範囲を外れると図示しないエラー処理が行われる。
【0039】
図11はパターン3の処理の制御手順を示すフローチャートである。パターン3では、綴じ処理が完了すると(ステップS501)、排紙ガイド板11bを開放(1回目)し(ステップS502)、用紙先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過すると(ステップS503)、綴じ枚数をチェックする(ステップS504)。ステップS504のチェックで、綴じ枚数が31枚から35枚の場合には、排紙ガイド板11bを2回目の開放動作として5パルス分開放量を増やす(ステップS505)。5パルス分開放量を増加し、放出爪10aが停止し(ステップS506)、停止後25ms経過した後、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS507)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0040】
ステップS504で処理枚数31枚から35枚でなく、36枚から40枚であれば(ステップS508)、排紙ガイド板11bをさらに10パルス分開放(2回目)し(ステップS509)、放出爪10aが停止し(ステップS510)、停止後50ms経過した後、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS511)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0041】
ステップS508で処理枚数が36枚から40枚でなく、41枚から45枚であれば(ステップS512)、排紙ガイド板11bをさらに15パルス分開放(2回目)し(ステップS513)、放出爪10aが停止し(ステップS514)、停止後75ms経過した後、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS515)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0042】
ステップS512で処理枚数が41枚から45枚でなく、41枚から45枚であれば(ステップS516)、排紙ガイド板11bをさらに20パルス分開放(2回目)し(ステップS517)、放出爪10aが停止し(ステップS518)、停止後100ms経過した後、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS519)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0043】
図6ないし図11のフローチャートから分かるように、本実施形態では、処理枚数に応じて排紙部ガイド板11の回動量、回動回数、閉めるタイミングを設定している。これをまとめると以下のようになる。
【0044】
(1)用紙束の枚数による変化
(1−1)30枚以下の場合(パターン1)
・回動量:30枚以下の排紙ガイド板11bの回動量は一定で30枚の紙束厚(約3.0mm)より1mm大きい量開放する。
・回動回数:30枚以下の排紙ガイド板11bの回動回数は綴じ処理動作時に開放する。その後用紙束先端が排紙ローラ14のニップを通過しても動作しないようにする。
・閉めるタイミング:30枚以下の排紙ガイド板11bの閉めるタイミングは放出爪10aにより搬送され放出爪10aが停止すると同時に閉める動作を開始する。
(1−2)31枚以上の場合(パターン2)
・回動量:31枚以上の排紙ガイド板11bの回動量(1回目)は30枚以下と同等の回動量で2回目の回動量を10枚ごとに5パルスずつ(回動量は0.5mmずつ増)増やしていく。
・回動回数:31枚以上の排紙ガイド板11bの回動回数は2段階とし、放出爪10aにより用紙束先端が排紙ローラニップを通過すると同時に2段目の回動を開始する。
・閉めるタイミング:31枚以上の排紙ガイド板11bの閉めるタイミングは30枚以下の時と同様、放出爪10aが停止すると同時に閉める動作を開始する。
(2)綴じ位置数、綴じの有無による変化
(2−1)1ヶ所綴じの場合(パターン1または2)
・回動量:1ヶ所閉じの排紙ガイド板の回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
・回動回数:1ヶ所閉じの排紙ガイド板の回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
・回動タイミング:1ヶ所閉じの排紙ガイド板の回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
【0045】
(2−2)2ヶ所以上綴じる場合(パターン1または3)
・回動量:2ヶ所以上綴じる場合の排紙ガイド板11bの回動量(1回目)は30枚以下と同等の回動量で2回目の回動量は5枚ごとに5パルスずつ増やしていく。
・回動回数:2ヶ所以上綴じる場合の排紙ガイド板11bの回動回数は31枚以上の場合と同様に2段階とし、開放するタイミングも31枚以上の場合と同様とする。
・閉めるタイミング:2ヶ所以上綴じる場合の排紙ガイド板11bの綴じるタイミングは30枚以下の時のタイミングから、5枚ごとに25ms遅延させ閉める。ただし、最大遅延時間は100mとする。
【0046】
(2−3)綴じ処理されていない場合(パターン1または2)
・回動量:綴じ処理されていない場合排紙ガイド板11bの回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
・回動回数:綴じ処理されていない場合の排紙ガイド板11bの回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
・回動タイミング:綴じ処理されていない場合の排紙ガイド板11bの回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
【0047】
(3)紙厚(用紙束に厚紙が混入した場合)による変化(パターン1または2)
・回動量、回動回数、閉めるタイミング:厚紙1枚を普通紙3枚に換算し、回動量、回動回数、閉めるタイミングを枚数の変化と同様の動作を行う。
なお、厚紙混入の場合に前記フローチャートでは、普通紙換算処理を行っていないように見えるが、厚紙混入があれば普通紙3枚に自動的に換算して処理している。したがって、例えば図6のフローチャートのステップS6では、ステップS4の厚紙混入と折り紙混入とが含まれた換算が行われ、ステップS9のNの場合には、ステップS404のチェックで普通紙3枚の換算を行った上で判断している。
【0048】
(4)折り紙の有無による変化(パターン1または2)
・回動量,回動回数,閉めるタイミング:折り紙1枚を普通紙5枚に換算し、回動量、回動回数、閉めるタイミングを枚数の変化と同様の動作を行う。
【0049】
このように本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
従来の用紙搬送装置においては、用紙束を排出する際、ガイド板間の隙間は一定に開放していたので、排出部で用紙束が偏向される際に用紙束が後端側に撓んでいって用紙束の厚みが増す傾向があり、それによって搬送負荷が大きくなって排紙ローラ対に大きな負荷がかかっていた。これに対し、本実施形態のように用紙束を放出中にガイド板を開放し、排紙ローラ対間の隙間を確保することにより、偏向時についた撓みを逃がすスペースができ、排紙ローラ対への負荷を低減することが可能となる。
【0050】
また、排紙ガイド板の回動量を制御し、排紙ガイド板間の隙間を調整することにより、用紙束厚にあった隙間を確保することができ、ガイド板間が広すぎたりした場合の用紙のばらつきや、狭すぎた場合の入りローラへの過負荷などを未然に防ぐことができる。また、パルスカウントにすることにより細かく回動量を調整することができる。
【0051】
用紙束の枚数、綴じ位置、紙厚、綴じの有無、折り紙の有無によって用紙の挙動や撓み具合に変化があることに対応し、用紙束放出中に排紙ガイド板間の隙間の回動回数を変化させることにより排紙ローラ対の搬送負荷を低減させることが可能となる。さらに搬送負荷を低減させることが可能なことから、用紙の折れや用紙に対する加傷を防止することができる。
【0052】
排紙ガイド板を閉めるタイミングが一定の場合に、用紙束の枚数、綴じ位置、紙厚、綴じの有無、折り紙の有無によって、回動量や回動回数が変化しているため、用紙束へ排紙ローラ対が接触せず搬送力がなくなって排出部で用紙束が停止してしまう可能性があるが、本実施形態のように排紙ガイド板を閉めるタイミングを変化させることにより、必ず用紙束へ搬送力を与えることが可能となり、用紙束の停止という事態の発生を防止することができる。これにより、前記停止によって引き起こされるジャムの発生を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る用紙処理装置としての用紙後処理装置を備えた画像形成装置全体のシステム構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る用紙後処理装置を備えた画像形成装置における用紙後処理装置の電気的構成を主に示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る排紙ガイド板の動作を示す動作説明図である。
【図4】図3の変形例を示す動作説明図である。
【図5】本実施形態に係る排紙ガイド板の閉鎖動作のタイミングを示す動作説明図である。
【図6】本実施形態における排紙ガイド板の制御手順を示すメインフローチャートである。
【図7】図6の2ヶ所綴じ以上の処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】図6の綴じなし処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】図6のパターン1の処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】図6のパターン2の処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】図6のパターン3の処理の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 用紙後処理装置
2 画像形成装置
10 放出ベルト
10a,10b 放出爪
11b 排紙ガイド板
14a,14b 排紙ローラ対
15 フィラー
17 リンク
19 排出口
110 CPU
H,J 開放量
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙、OHPシート、厚紙などのシート状記録媒体(以下、用紙と総称する)に所定の処理を施して排紙するシート搬送装置、このシート搬送装置を備えたシート処理装置、及び前記シート搬送装置又は前記シート処理装置を一体又は別体に備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として例えば特許文献1ないし3に記載された発明が公知である。これらの特許文献には、用紙または用紙束の排紙トレイの排紙口に前記排紙トレイ側に従動コロを備えた排紙ガイドが設けられている。例えば特許文献1には、一端が支軸に揺動自在に支持され、他端側に排出ローラと離接する従動ローラが回転自在に取り付けられている。支軸は装置本体に固定され、排紙ガイド板の中央部には排紙ガイド板を前記支軸に関して揺動させ、前記従動ローラを前記排出ローラに対して近接、離間させる駆動機構が設けられている。この駆動機構は、複写機本体から搬送される用紙の搬送速度に応じて排紙ガイド板の開口量を変化させ、搬送の信頼性を確保している。また、特許文献2および3にも、排紙ローラと対向する位置に従動ローラを備えた排紙ガイド板が開示されている。
【0003】
すなわち、前記各公知例では、複写機本体側から用紙が搬入された場合に、パンチなどの処理を施す際に用紙先端が排紙ローラと従動ローラに当接し、パンチ位置がずれてしまう虞があるときに、排紙ガイド板を開放するようにしたものである。これにより、用紙先端の排紙ローラ及び従動ローラへの当接を回避している。そして、その際、搬送速度の大小に応じて定速に達するまでの時間が異なることから、これに応じて排紙ガイド板の開口量を制御するようにしている。
【特許文献1】特開2001−072296号公報
【特許文献2】特開2001−012356号公報
【特許文献3】特開平9−301596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、用紙をステイプルトレイに集積して用紙束を形成し、この用紙束を排紙トレイに排紙する場合、排紙ガイド板は一定量に開放(開口)していた。しかし、排出部で用紙束が偏向される際に用紙束が後端側に撓んでいって束の厚みが増す傾向が顕著になり、それによって搬送負荷が上がり排出手段に大きな負荷がかかる場合があった。なお、特許文献1記載の発明では、パンチの際に搬送速度に応じてシート1枚毎に排紙ガイド板の開口量を制御しているが、シート束の偏向に伴って排紙ガイド板の開口量を制御するようにはなっていない。
【0005】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、本発明の解決すべき課題は、用紙束の後端側の撓みの増大を防ぎ、シート状記録媒体の束を排出する排出手段への負荷を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、第1の手段は、一対の搬送ローラ対がシート状記録媒体を搬送する搬送経路の排出口に開閉可能に設置されたシート搬送装置において、複数のシート状記録媒体からなるシート束を1部搬送する間に前記搬送ローラ対間の開放量を変化させる手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
第2の手段は、第1の手段において、前記搬送ローラ対のうち一方の搬送ローラが前記搬送経路に対して開閉可能に設けられた支持手段に支持されていることを特徴とする。
【0008】
第3の手段は、第2の手段において、前記支持手段の回動量によって前記開放量を変化させることを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第2または第3の手段において、前記支持手段を回動させるモータを含む駆動手段を備え、前記開放量が前記モータの駆動パルスによって設定されることを特徴とする。
【0010】
第5の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、前記支持手段の前記回動量の変化回数を前記シート束の綴じ枚数、綴じ位置、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無の少なくとも1つに基づいて変更することを特徴とする。
【0011】
第6の手段は、第3または第4の手段において、前記支持手段の前記開放量を前記シート束の綴じ枚数、綴じ位置、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無の少なくとも1つに基づいて変化させることを特徴とする。
【0012】
第7の手段は、第2ないし第6のいずれかの手段において、前記搬送ローラ対の搬送方向上流側にシート束を搬送し、前記排出口から放出する放出手段を備え、前記支持手段はシート束が前記放出手段からシート束後端が離れた後、開放状態から閉鎖状態への移行を開始することを特徴とする。
【0013】
第8の手段は、第7の手段において、前記前記支持手段の前記移行開始タイミングはシート束の綴じ枚数、シート束のサイズ、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無によって変化させることを特徴とする。
【0014】
第9の手段は、第1ないし第8のいずれかの手段に係るシート搬送装置をシート処理装置が備えていることを特徴とする。
【0015】
第10の手段は、第1ないし第8のいずれかの手段に係るシート搬送装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0016】
第11の手段は、第9の手段に係るシート処理装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0017】
なお、後述の実施形態では、一対の搬送ローラ対は排紙ローラ対14a,14bに、排出口は符号19に、開放量は符号H及びJに、変化させる手段はCPU110に、支持手段は排紙ガイド板11bに、駆動手段はフィラー15及びリンク17に、放出手段は放出ベルト10及び放出爪10a,10bに、シート処理装置は用紙後処理装置1に、画像形成装置は符号2にそれぞれ対応する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数のシート状記録媒体からなるシート束を1部搬送する間に前記搬送ローラ対間の開放量を変化させるので、用紙束の後端側の撓みの増大を防ぐことが可能になり、シート状記録媒体の束を排出する排出手段への負荷を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
〈構成〉
図1は本発明の実施形態に係る用紙処理装置としての用紙後処理装置を備えた画像形成装置全体のシステム構成を示す図である。この用紙後処理装置1は、画像形成装置2の側部(図では側部のみ図示)に取り付けられており、画像形成装置2より排出された用紙は用紙後処理装置1に導かれる。前記用紙は、入口センサ3を経て搬送ローラ4,5,12、排紙ローラ対14a,14bにより排紙トレイCに導く搬送路Aと、搬送ローラ4,5、分岐爪18により搬送路Dに導き搬送ローラ6,7,8,9により処理トレイFに搬送し、処理後排紙トレイCに導く搬送路Bを備えている。本発明は処理トレイFで処理後の搬送路Bでの排出時の動作についてのものである。
【0021】
スティプル処理を施す処理トレイFの構成は以下の通りである。
図1に示すように、搬送ローラ、ここではスティプル排紙ローラ9により処理トレイFへ導かれた用紙は、順次積載される。この場合、用紙ごとに図示しない叩きコロでによって用紙を後端フェンス側に叩き落とし、縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス20によって横方向(用紙搬送方向と直交する用紙幅方向)の整合が行われる。放出爪10aは、放出ベルトHPセンサ21によりホームポジションが検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ21は放出ベルト10に設けられた放出爪10aによりオン・オフする。この放出ベルト10の外周上の対向する位置には2つ目の放出爪10bが配置されており、処理トレイFに収容された用紙束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト10を逆回転し、これから用紙束を移動するように待機している放出爪10aと対向側の放出爪10bの背面で、処理トレイFに収容された用紙束の搬送方向先端を揃えても良い。このような手段で整合された用紙束は端面綴じスティプラ13により1ヶ所ないしは2ヶ所以上綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われた用紙束は、ただちに放出爪10aを有する放出ベルト10によりシフト排紙ローラ対14a,14bへ送られ、受け取り位置にセットされている排紙トレイCに排出口19から排出される。
【0022】
従動側の排紙ローラ14bを自由端側で回転自在に支持する排紙ガイド板11b(公知例における排紙ガイド板に同じ)は回転部材として構成されたフィラー15に連接され、図示しないフィラーの駆動機構(モータを含む)により前記フィラー15を回転させることにより排紙ガイド板11bが開放され、また、フィラーの回転量に応じて開放量が規定される。この開放量は用紙束の種々の状態によって制御される。
【0023】
図2は本実施形態に係る用紙後処理装置を備えた画像形成装置における用紙後処理装置の電気的構成を主に示すブロック図である。同図において、制御装置は全体として画像形成装置2側の制御装置Aと用紙後処理装置1側の制御装置Bとから成り、両者は通信手段を介して相互に情報の授受が可能となっている。制御装置BはCPU110、I/O120を含む制御回路100を備え、CPU110が図示しないROMに格納されたプログラムを読み出して図示しないRAMに展開し、前記プログラムに沿った処理を実行する。I/O120は前記CPU110に対してセンサからの情報を取り込んで通知し、あるいは制御信号をステッピングモータなどの駆動機構に通知する。CPU110はまた、ドライバを介して各種ソレノイド、DCモータ、ステッピングモータなどの各種駆動駆動を制御する。また、図1には図示していないが、パンチ装置などの後処理機構を持つ場合には、このようなパンチ装置の制御も司る。
【0024】
〈動作〉
図3ないし図5は処理トレイFで綴じ処理をされた用紙束を排出するときの排紙ガイド板11bの動作を示す動作説明図である。以下、これらの動作説明を参照して排紙ガイド板の動作について説明する。
【0025】
図1に示す処理トレイFで端面綴じスティプラ13により綴じ処理が行われると同時に図3(a)に示すフィラー15が矢印G方向に回転し、それにより図3(b)に示すようにリンク17が動く。排紙ガイド11bはリンク17によってフィラー15と連動するようになっており、フィラー15が回転することにより回転支点Qを中心に回動する。回動量H,Jは図3(c)及び(d)に示すようにフィラー検知センサ16がON状態になってからのパルスカウントで決定している。回動量の決定方法は図4(a)及び(b)に示すようなフィラー形状にし、検知手段16aと16bの検知情報で決定しても良い。
【0026】
綴じ処理が完了した用紙束は、放出爪10aにより排紙ローラ対14a,14bに送られる。図5(a)に示すように用紙の先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過した後、排紙ガイド板11bの回動が必要な場合は更にフィラー15が回転し、図5(b)に示すように排紙ガイド板11bが回動し、開放量を増す。用紙の先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過した情報は放出ベルトHPセンサ21を放出爪10aによりオンしてからの移動量で検出する。さらに用紙束が放出爪10aで搬送され、図5(c)に示すように用紙束後端が放出爪10aを離れた後、フィラー15を矢印方向に回転させ、排紙ガイド板11bの閉め動作(閉鎖側の回動)を開始する。したがって、排紙ローラ対14a,14bの閉鎖タイミングは用紙サイズによって変化することになる。図5(d)に示すように排紙ガイド板11bが閉まりきるときは、少なくとも用紙束の後端に搬送力を与えるタイミングで閉まりきる。このような動作をすることにより、用紙束の撓みによる搬送負荷を低減することが可能となる。なお、排紙ローラ対14a,14bは用紙搬送方向に対して直交する方向に往復動し、シフトローラとしても機能する。
【0027】
〈制御〉
図6ないし図11は前記動作を行わせるための制御手順を示すフローチャートである。なお、この制御は前記CPU110がROMに格納されたプログラムにしたがって実行される。
図6は本実施形態における排紙ガイド板の制御手順を示すメインフローチャートである。この制御手順では、モード(ステップS1)、綴じ位置(ステップS2,S8)、枚数(ステップS3、S6,S11,S10)、紙厚混入(ステップS4)、折り紙混入(ステップS5,S9)などをチェックし、これらのチェック結果に応じてパターン1ないし3の処理、2ヶ所綴じ以上の処理、あるいは綴じなし処理を実行する。
【0028】
すなわち、コピーがスタートすると、まず、スティプルモードか否かをチェックする(ステップS1))。スティプルモードであれば、1ヶ所綴じか否かをチェックし(ステップS2)、1ヶ所綴じであれば、さらに綴じ枚数が30枚以下か否かをチェックする(ステップS3)。このチェックで30枚以下であれば、厚紙が混入しているかどうかチェックし(ステップS4)、厚紙の混入があればさらに、折り紙の混入があるかどうかをチェックする(ステップS5)。折り紙の混入があれば、折り紙を混入した結果を普通紙の状態に換算し、その換算結果が30枚以下かどうかをチェックする(ステップS6)。本実施形態では、厚紙1枚が普通紙3枚に、折り紙1枚が普通紙5枚として換算している。
【0029】
このチェックで普通紙換算で30枚以下であれば、図9に示したパターン1の処理を実行する。また、ステップS1でスティプルモードでなければ、搬送路A側に用紙を導き(ステップS7)、ステップS2で1ヶ所綴じでなければ、2ヶ所綴じ以上か否かをチェックし(ステップS8)、2ヶ所綴じ以上であれば、図7に示した2ヶ所綴じ以上の処理を実行し、2ヶ所綴じ以上でなければ、綴じなしなので、図8に示した綴じなし処理を実行する。
【0030】
一方、ステップS3で30枚以下でなければ、言い換えれば30枚より多ければ、図10に示したパターン2の処理を実行し、ステップS4で厚紙混入がなければ、さらにステップS9で折り紙混入があるかどうかをチェックする。
【0031】
ステップS9で折り紙混入があれば、さらに混入された折り紙を普通紙に換算し、30枚以下であれば(ステップS10)、パターン1の処理を実行し、30枚よりも多ければパターン2の処理を実行する。ステップS5で折り紙が混入していれば、同様に混入された折り紙を普通紙に換算し、30枚以下であれば(ステップS11)、パターン1の処理を実行し、30枚よりも多ければパターン2の処理を実行する。
【0032】
ステップS8で2ヶ所綴じ以上であると判断されたときには、図7の2ヶ所綴じ以上の制御手順を実行する。この制御手順では、まず、30枚以下か否かをチェックし(ステップS101)、30枚以下であれば、ステップS102で厚紙が混入されているかどうかをチェックし(ステップS102)、30枚よりも多ければ、図12に示したパターン3の処理を実行する。ステップS102で厚紙が混入されていた場合には、折り紙の混入があるか否かをチェックし(ステップS103)、混入されていない場合には、折り紙の混入の有無をチェックする(ステップS105)。ステップS105で折り紙の混入があれば、普通紙に換算して30枚以下か否かをチェックし(ステップS106)、混入がなければパターン1の処理を実行する。また、ステップS106で普通紙換算で30枚以下であれば、パターン1の処理を実行し、30枚よりも多ければパターン3の処理を実行する。
【0033】
ステップS103で折り紙の混入があれば、同様に普通紙換算で30枚以下か否かをチェックし(ステップS104)、30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン3の処理を実行する。同様に、ステップS103で折り紙の混入がなければ、ステップS107で普通紙換算で30枚以下か否かをチェックし、30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン3の処理を実行する。
【0034】
図8は綴じなし処理の制御手順を示すフローチャートである。この制御手順では、まず、用紙の枚数が30枚以下か否かをチェックし(ステップS201)、30枚より多ければパターン2の処理を実行し、30枚以下であれば、ステップS202で厚紙の混入の有無をチェックする。このチェックで、厚紙混入がなければ、ステップS205で折り紙混入の有無をチェックし、混入がなければパターン1の処理を実行し、混入があればステップS206で普通紙換算で30枚以下か否かをチェックする。このチェックで30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン2の処理を実行する。
【0035】
一方、ステップS202で厚紙の混入があると判断されたときには、ステップS203で折り紙の混入の有無をチェックし、折り紙混入があれば、さらにステップS204で普通紙換算で30枚以下か否かをチェックする。30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン2の処理を実行する。また、ステップS203で折り紙の混入があったと判定されたとき、ステップS207でステップS204と同様の判定を行い、30枚以下であればパターン1の処理を実行し、30枚より多ければパターン2の処理を実行する。
【0036】
図9はパターン1の処理の制御手順を示すフローチャートである。パターン1の制御手順では、綴じ処理が完了すると(ステップS301)、排紙ガイド板11bを開放(1回目)し(ステップS302)、用紙先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過し(ステップS303)、放出爪10aが停止すると(ステップS304)排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS305)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0037】
図10はパターン2の処理の制御手順を示すフローチャートである。パターン2では、綴じ処理が完了すると(ステップS401)、排紙ガイド板11bを開放(1回目)し(ステップS402)、用紙先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過すると(ステップS403)、綴じ枚数をチェックする(ステップS404)。ステップS404のチェックで、綴じ枚数が31枚から40枚の場合には、排紙ガイド板11bを2回目の開放動作として5パルス分開放量を増やす(ステップS405)。5パルスは前述のフィラー15を駆動するステッピングモータの駆動パルスである。5パルス分開放量を増加し、放出爪10aが停止すると(ステップS406)、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS407)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0038】
一方、ステップS404のチェックで綴じ枚数が41枚ないし50枚の場合には(ステップS408)、排紙ガイド板11bを10パルス分さらに開放(2回目)し(ステップS409)、放出爪10aが停止すると(ステップS410)、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS411)、閉鎖された時点で処理を終える。なお、ステップS408では、41枚から50枚の範囲を外れた場合の処理が特に記載されていないが、後処理の最大枚数が50枚に設定されていることから、この範囲を外れると図示しないエラー処理が行われる。
【0039】
図11はパターン3の処理の制御手順を示すフローチャートである。パターン3では、綴じ処理が完了すると(ステップS501)、排紙ガイド板11bを開放(1回目)し(ステップS502)、用紙先端が排紙ローラ対14a,14bのニップを通過すると(ステップS503)、綴じ枚数をチェックする(ステップS504)。ステップS504のチェックで、綴じ枚数が31枚から35枚の場合には、排紙ガイド板11bを2回目の開放動作として5パルス分開放量を増やす(ステップS505)。5パルス分開放量を増加し、放出爪10aが停止し(ステップS506)、停止後25ms経過した後、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS507)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0040】
ステップS504で処理枚数31枚から35枚でなく、36枚から40枚であれば(ステップS508)、排紙ガイド板11bをさらに10パルス分開放(2回目)し(ステップS509)、放出爪10aが停止し(ステップS510)、停止後50ms経過した後、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS511)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0041】
ステップS508で処理枚数が36枚から40枚でなく、41枚から45枚であれば(ステップS512)、排紙ガイド板11bをさらに15パルス分開放(2回目)し(ステップS513)、放出爪10aが停止し(ステップS514)、停止後75ms経過した後、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS515)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0042】
ステップS512で処理枚数が41枚から45枚でなく、41枚から45枚であれば(ステップS516)、排紙ガイド板11bをさらに20パルス分開放(2回目)し(ステップS517)、放出爪10aが停止し(ステップS518)、停止後100ms経過した後、排紙ガイド板11bの閉動作を開始し(ステップS519)、閉鎖された時点で処理を終える。
【0043】
図6ないし図11のフローチャートから分かるように、本実施形態では、処理枚数に応じて排紙部ガイド板11の回動量、回動回数、閉めるタイミングを設定している。これをまとめると以下のようになる。
【0044】
(1)用紙束の枚数による変化
(1−1)30枚以下の場合(パターン1)
・回動量:30枚以下の排紙ガイド板11bの回動量は一定で30枚の紙束厚(約3.0mm)より1mm大きい量開放する。
・回動回数:30枚以下の排紙ガイド板11bの回動回数は綴じ処理動作時に開放する。その後用紙束先端が排紙ローラ14のニップを通過しても動作しないようにする。
・閉めるタイミング:30枚以下の排紙ガイド板11bの閉めるタイミングは放出爪10aにより搬送され放出爪10aが停止すると同時に閉める動作を開始する。
(1−2)31枚以上の場合(パターン2)
・回動量:31枚以上の排紙ガイド板11bの回動量(1回目)は30枚以下と同等の回動量で2回目の回動量を10枚ごとに5パルスずつ(回動量は0.5mmずつ増)増やしていく。
・回動回数:31枚以上の排紙ガイド板11bの回動回数は2段階とし、放出爪10aにより用紙束先端が排紙ローラニップを通過すると同時に2段目の回動を開始する。
・閉めるタイミング:31枚以上の排紙ガイド板11bの閉めるタイミングは30枚以下の時と同様、放出爪10aが停止すると同時に閉める動作を開始する。
(2)綴じ位置数、綴じの有無による変化
(2−1)1ヶ所綴じの場合(パターン1または2)
・回動量:1ヶ所閉じの排紙ガイド板の回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
・回動回数:1ヶ所閉じの排紙ガイド板の回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
・回動タイミング:1ヶ所閉じの排紙ガイド板の回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
【0045】
(2−2)2ヶ所以上綴じる場合(パターン1または3)
・回動量:2ヶ所以上綴じる場合の排紙ガイド板11bの回動量(1回目)は30枚以下と同等の回動量で2回目の回動量は5枚ごとに5パルスずつ増やしていく。
・回動回数:2ヶ所以上綴じる場合の排紙ガイド板11bの回動回数は31枚以上の場合と同様に2段階とし、開放するタイミングも31枚以上の場合と同様とする。
・閉めるタイミング:2ヶ所以上綴じる場合の排紙ガイド板11bの綴じるタイミングは30枚以下の時のタイミングから、5枚ごとに25ms遅延させ閉める。ただし、最大遅延時間は100mとする。
【0046】
(2−3)綴じ処理されていない場合(パターン1または2)
・回動量:綴じ処理されていない場合排紙ガイド板11bの回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
・回動回数:綴じ処理されていない場合の排紙ガイド板11bの回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
・回動タイミング:綴じ処理されていない場合の排紙ガイド板11bの回動量は枚数の変化と同様の動作を行う。
【0047】
(3)紙厚(用紙束に厚紙が混入した場合)による変化(パターン1または2)
・回動量、回動回数、閉めるタイミング:厚紙1枚を普通紙3枚に換算し、回動量、回動回数、閉めるタイミングを枚数の変化と同様の動作を行う。
なお、厚紙混入の場合に前記フローチャートでは、普通紙換算処理を行っていないように見えるが、厚紙混入があれば普通紙3枚に自動的に換算して処理している。したがって、例えば図6のフローチャートのステップS6では、ステップS4の厚紙混入と折り紙混入とが含まれた換算が行われ、ステップS9のNの場合には、ステップS404のチェックで普通紙3枚の換算を行った上で判断している。
【0048】
(4)折り紙の有無による変化(パターン1または2)
・回動量,回動回数,閉めるタイミング:折り紙1枚を普通紙5枚に換算し、回動量、回動回数、閉めるタイミングを枚数の変化と同様の動作を行う。
【0049】
このように本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
従来の用紙搬送装置においては、用紙束を排出する際、ガイド板間の隙間は一定に開放していたので、排出部で用紙束が偏向される際に用紙束が後端側に撓んでいって用紙束の厚みが増す傾向があり、それによって搬送負荷が大きくなって排紙ローラ対に大きな負荷がかかっていた。これに対し、本実施形態のように用紙束を放出中にガイド板を開放し、排紙ローラ対間の隙間を確保することにより、偏向時についた撓みを逃がすスペースができ、排紙ローラ対への負荷を低減することが可能となる。
【0050】
また、排紙ガイド板の回動量を制御し、排紙ガイド板間の隙間を調整することにより、用紙束厚にあった隙間を確保することができ、ガイド板間が広すぎたりした場合の用紙のばらつきや、狭すぎた場合の入りローラへの過負荷などを未然に防ぐことができる。また、パルスカウントにすることにより細かく回動量を調整することができる。
【0051】
用紙束の枚数、綴じ位置、紙厚、綴じの有無、折り紙の有無によって用紙の挙動や撓み具合に変化があることに対応し、用紙束放出中に排紙ガイド板間の隙間の回動回数を変化させることにより排紙ローラ対の搬送負荷を低減させることが可能となる。さらに搬送負荷を低減させることが可能なことから、用紙の折れや用紙に対する加傷を防止することができる。
【0052】
排紙ガイド板を閉めるタイミングが一定の場合に、用紙束の枚数、綴じ位置、紙厚、綴じの有無、折り紙の有無によって、回動量や回動回数が変化しているため、用紙束へ排紙ローラ対が接触せず搬送力がなくなって排出部で用紙束が停止してしまう可能性があるが、本実施形態のように排紙ガイド板を閉めるタイミングを変化させることにより、必ず用紙束へ搬送力を与えることが可能となり、用紙束の停止という事態の発生を防止することができる。これにより、前記停止によって引き起こされるジャムの発生を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る用紙処理装置としての用紙後処理装置を備えた画像形成装置全体のシステム構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る用紙後処理装置を備えた画像形成装置における用紙後処理装置の電気的構成を主に示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る排紙ガイド板の動作を示す動作説明図である。
【図4】図3の変形例を示す動作説明図である。
【図5】本実施形態に係る排紙ガイド板の閉鎖動作のタイミングを示す動作説明図である。
【図6】本実施形態における排紙ガイド板の制御手順を示すメインフローチャートである。
【図7】図6の2ヶ所綴じ以上の処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】図6の綴じなし処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】図6のパターン1の処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】図6のパターン2の処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】図6のパターン3の処理の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 用紙後処理装置
2 画像形成装置
10 放出ベルト
10a,10b 放出爪
11b 排紙ガイド板
14a,14b 排紙ローラ対
15 フィラー
17 リンク
19 排出口
110 CPU
H,J 開放量
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の搬送ローラ対がシート状記録媒体を搬送する搬送経路の排出口に開閉可能に設置されたシート搬送装置において、
複数のシート状記録媒体からなるシート束を1部搬送する間に前記搬送ローラ対間の開放量を変化させる手段を備えていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記搬送ローラ対のうち一方の搬送ローラが前記搬送経路に対して開閉可能に設けられた支持手段に支持されていることを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記支持手段の回動量によって前記開放量を変化させることを特徴とする請求項2記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記支持手段を回動させるモータを含む駆動手段を備え、前記開放量が前記モータの駆動パルスによって設定されることを特徴とする請求項2または3記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記支持手段の前記回動量の変化回数を前記シート束の綴じ枚数、綴じ位置、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無の少なくとも1つに基づいて変更することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記支持手段の前記開放量を前記シート束の綴じ枚数、綴じ位置、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無の少なくとも1つに基づいて変化させることを特徴とする請求項3または4に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記搬送ローラ対の搬送方向上流側にシート束を搬送し、前記排出口から放出する放出手段を備え、
前記支持手段はシート束が前記放出手段からシート束後端が離れた後、開放状態から閉鎖状態への移行を開始することを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記前記支持手段の前記移行開始タイミングはシート束の綴じ枚数、シート束のサイズ、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無によって変化させることを特徴とする請求項7記載のシート搬送装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えていることを特徴とするシート処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項9記載のシート処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
一対の搬送ローラ対がシート状記録媒体を搬送する搬送経路の排出口に開閉可能に設置されたシート搬送装置において、
複数のシート状記録媒体からなるシート束を1部搬送する間に前記搬送ローラ対間の開放量を変化させる手段を備えていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記搬送ローラ対のうち一方の搬送ローラが前記搬送経路に対して開閉可能に設けられた支持手段に支持されていることを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記支持手段の回動量によって前記開放量を変化させることを特徴とする請求項2記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記支持手段を回動させるモータを含む駆動手段を備え、前記開放量が前記モータの駆動パルスによって設定されることを特徴とする請求項2または3記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記支持手段の前記回動量の変化回数を前記シート束の綴じ枚数、綴じ位置、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無の少なくとも1つに基づいて変更することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記支持手段の前記開放量を前記シート束の綴じ枚数、綴じ位置、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無の少なくとも1つに基づいて変化させることを特徴とする請求項3または4に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記搬送ローラ対の搬送方向上流側にシート束を搬送し、前記排出口から放出する放出手段を備え、
前記支持手段はシート束が前記放出手段からシート束後端が離れた後、開放状態から閉鎖状態への移行を開始することを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記前記支持手段の前記移行開始タイミングはシート束の綴じ枚数、シート束のサイズ、シート束厚、折り紙の有無、綴じの有無によって変化させることを特徴とする請求項7記載のシート搬送装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えていることを特徴とするシート処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項9記載のシート処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−302393(P2007−302393A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131789(P2006−131789)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]