説明

シート搬送装置、及び前記シート搬送装置を備えた画像読取装置

【課題】簡易な構成により、シートの搬送の異常発生箇所を特定できるシート搬送装置、及び前記シート搬送装置を備えた画像読取装置を提供する。
【解決手段】送信側開口部103C、及び送信側開口部103B、並びに受信側開口部104C、及び受信側開口部104Bは、X軸方向において第2分離ローラ34、及び第2分離片35を挟んで配列されている。送信側開口部103B、及び送信側開口部103A、並びに受信側開口部104B、及び受信側開口部104Aは、X軸方向において搬送ローラ36、及び搬送用従動ローラ37を挟んで配列されている。受信側開口部104A〜104Cを介して超音波受取部106により超音波が受け取られた時間、及び超音波受取部106により受け取られた超音波の振幅値に基づいてシートの搬送に異常が発生したか否かが判定される。シートの搬送に異常が発生したと判定された場合には異常発生箇所が特定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置、及び前記シート搬送装置を備えた画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートを搬送しつつ、搬送されるシートの搬送にジャム等の異常が発生したか否かを判定するシート搬送装置が提案されている。その一例として、特許文献1、2に開示されているシート搬送装置は、搬送経路に沿って複数のセンサを備え、搬送経路のどの箇所において異常が発生したかを特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−290550号公報
【特許文献2】特開平7−301963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているシート搬送装置は、搬送経路にそって複数のセンサ、即ち複数の超音波送信部と複数の超音波受信部とを設ける必要があった。従って、異常発生箇所特定のための構成が複雑であった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡易な構成により、シートの搬送の異常発生箇所を特定できるシート搬送装置、及び前記シート搬送装置を備えた画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、シートを搬送するシート搬送装置であって、パルス状の超音波を発生する超音波発生部と、前記シートの搬送方向に対して互いに異なる位置に配列され、前記超音波を送信する複数の送信側開口部と、前記超音波発生部と複数の前記送信側開口部とに連結され、前記超音波発生部により発生された前記超音波を複数の前記送信側開口部に伝える送信側伝波部と、前記シートの搬送方向に対して互いに異なる位置に配列され、複数の前記送信側開口部と前記シートを挟んで対向し、複数の前記送信側開口部により送信された前記超音波を受信する複数の受信側開口部と、複数の前記受信側開口部により受信された前記超音波を受け取る超音波受取部と、複数の前記受信側開口部と前記超音波受取部とに連結され、複数の前記受信側開口部により受信された前記超音波を前記超音波受取部に伝える受信側伝波部と、複数の前記受信側開口部を介して前記超音波受取部により前記超音波が受け取られた時間、及び前記超音波受取部による受け取られた前記超音波の振幅値に基づいて前記シートの搬送に異常が発生したか否かを判定する判定部と、を備え、前記超音波発生部から前記送信側伝波部、複数の前記送信側開口部、及び複数の前記受信側開口部を介して前記超音波受取部に至るまでの複数の経路の経路長は、異なる長さであることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、前記シートの搬送方向に沿って配列され、前記シートに対して作用する複数の作用部を備え、前記複数の送信側開口部は、前記シートの搬送方向において前記複数の作用部を挟んで配列され、前記複数の受信側開口部は、前記シートの搬送方向において前記複数の作用部を挟んで配列されることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は2に記載の発明において、少なくとも3つの前記送信側開口部と少なくとも3つの前記受信側開口部とを備え、少なくとも3つの前記送信側開口部のうち、前記送信側伝波部おいて隣接する2つの前記送信側開口部の間の距離、及び少なくとも3つの前記受信側開口部のうち、前記受信側伝波部において隣接する2つの前記受信側開口部の間の距離は、各々、前記送信側伝波部、及び前記受信側伝波部の構成に依存した残響時間と音速とを掛け合わせることにより求められる値の半分の値以上の距離であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記送信側伝波部、及び前記受信側伝波部は、屈曲部を備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記送信側伝波部、及び複数の前記送信側開口部、並びに受信側伝波部、及び複数の前記受信側開口部は、各々、伝声管により構成されることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記判定部の判定結果に基づいて異常の発生の有無を報知する報知部を備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7記載の本発明は、画像読取装置であって、請求項1〜6のいずれかに記載のシート搬送装置と、前記シート搬送装置により搬送される前記シートの画像を読み取る読取部と、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載のシート搬送装置によれば、超音波発生部と複数の送信側開口部とが送信側伝波部により連結されている。また、超音波受取部と複数の受信側開口部とが受信側伝波部により連結されている。よって、1個の超音波発生部から超音波を発生するだけで、超音波が送信側伝波部を伝わり、複数の送信側開口部から送信される。また、複数の受信側開口部により受信された超音波は、受信側伝波部を伝わり、1個の超音波受取部により受け取られる。よって、複数の超音波送信部から別個に超音波を送信することなく、また、複数の超音波受信部により別個に超音波を受信する必要がない。よって、簡易な構成により、シートの搬送の異常発生箇所を特定することができる。
【0014】
請求項2記載のシート搬送装置によれば、複数の送信側開口部、及び複数の受信側開口部がシートの搬送方向において複数の作用部を挟んで配置されているため、どの作用部によってシートの搬送異常が発生したかを特定することができる。なお、作用部とは、シートを搬送する搬送部、シートを分離しながら搬送する分離部、及びシートにインク等を吐出するなどして画像形成する画像形成部等である。
【0015】
請求項3記載のシート搬送装置によれば、複数の受信側開口部のうちの特定の受信側開口部により超音波が受信される際に受信側伝波部に発生する残響が、特定の受信側開口部が超音波を受信した後に特定の受信側開口部と互いに隣り合う開口部により超音波が受信されるまで受信側伝波部に残らない。残響が隣り合う受信側開口部により超音波が受信されるまで残ると、隣り合う受信側開口部により受信される超音波と残響とが重畳する。このように超音波と残響とが重畳すると、異常発生箇所特定の精度に影響が出る。従って、請求項3記載のシート搬送装置によれば、残響により異常発生箇所特定の精度に影響が出ることを防止できる。
【0016】
請求項4記載のシート搬送装置によれば、送信側伝波部、及び受信側伝波部内において超音波の経路を屈曲させることで、搬送方向に距離を稼ぐことができる。よって、残響による影響を回避するために、複数の送信側開口部、及び複数の受信側開口部間の搬送方向における距離を大きくする必要がない。従って、搬送方向における装置の大きさを小さくしつつ、簡易な構成により、シートの搬送の異常発生箇所を特定することができる。
【0017】
請求項5記載のシート搬送装置によれば、送信側伝波部、及び複数の送信側開口部、並びに受信側伝波部、及び複数の受信側開口部は、各々、伝声管により構成される。従って、送信側伝波部、及び複数の送信側開口部、並びに受信側伝波部、及び複数の受信側開口部に対し、各々、別個の部品を用いる場合と比較して、部品点数を減らすことができる。
【0018】
請求項6記載のシート搬送装置によれば、ユーザにシートの異常の発生の有無を報知することが可能となる。従って、ユーザに異常が発生せずに確実に搬送されているか否かを報知することができる。
【0019】
請求項7記載の画像読取装置によれば、超音波発生部と複数の送信側開口部とが送信側伝波部により連結されている。また、超音波受取部と複数の受信側開口部とが受信側伝波部により連結されている。よって、1個の超音波発生部から超音波を発生するだけで、超音波が送信側伝波部を伝わり、複数の送信側開口部から送信される。また、複数の受信側開口部により受信された超音波は、受信側伝波部を伝わり、1個の超音波受取部により受け取られる。よって、複数の超音波送信部から別個に超音波を送信することなく、また、複数の超音波受信部により別個に超音波を受信する必要がない。よって、簡易な構成により、シートの搬送の異常発生箇所を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1、及び第2の実施形態に係る画像読取装置1を示す斜視図である。
【図2】上記画像読取装置1の内部構成を説明するための説明図である。
【図3】上記画像読取装置1の検知部10を示す側面図である。
【図4】上記検知部を示す正面図である。
【図5】上記検知部10による超音波の発生、送信、及び受信を説明するための説明図である。
【図6】超音波と残響との重畳によるシートの検知精度への影響を説明するための説明図である。
【図7】上記画像読取装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における上記画像読取装置1の制御を示すフローチャートである。
【図9】上記検知部10によるジャム検知を説明するための説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における上記画像読取装置1の制御を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一変形例に係る超音波送信部200Aを示す上面図である。
【図12】本発明の一変形例に係る超音波送信部300Aを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
[画像読取装置の外観]
図1は、本実施形態の画像読取装置1の外観を示す斜視図である。画像読取装置1は、図1に示すように、給紙トレイ2と、読取部3と、排紙トレイ4と、設定部5と、表示部6と、を備える。本実施形態に係る画像読取装置1は、ユーザにより給紙トレイ2に載置された複数のシートSHを読取部3内において搬送しながら読み取るシートフィードスキャナである。
【0023】
読取部3は、給紙トレイ2に載置されたシートSHを読取部3の内部に引き込む。読取部3は、読取部3の内部において、引き込まれたシートSHを給紙トレイ2から排紙トレイ4に向けて搬送する。読取部3は、読取部3の内部において、搬送されるシートSHの画像を読み取る。
【0024】
排紙トレイ4は、読取部3により搬送されたシートSHを受け取る。設定部5は、電源スイッチ、及び各種設定ボタンを有する。表示部6は、液晶ディスプレイにより構成される。表示部6は、読取部3により読み取られた画像などを表示可能である。表示部6は、例えば、シートSHの搬送に異常が発生したことを示す「異常発生」というメッセージを表示できる。
【0025】
[画像読取装置の内部構造]
図2は、画像読取装置1の内部構造を説明するための説明図である。画像読取装置1は、図2に示すように、読取部3の内部に、検知部10と、読取センサ31と、第1分離ローラ32と、第1分離片33と、第2分離ローラ34と、第2分離片35と、搬送ローラ36と、搬送用従動ローラ37と、排出ローラ38と、排出用従動ローラ39と、制御部7と、を備える。シートSHは、画像読取装置1の上側部分と下側部分との間に形成される搬送路FP内を搬送される。
【0026】
第1分離ローラ32は、摩擦力により、給紙トレイ2に載置された複数枚のシートSHを画像読取装置1の内部に引き込む。第1分離ローラ32は、図示しないモータにより駆動される。第1分離片33は、摩擦力により、複数枚のシートSHを分離する。第1分離片33により、複数枚のシートSHが1枚のシートSHに分離されるのが望ましいが、第1分離片33の存在下においても、複数枚のシートSHが1枚のシートSHに分離されないこともある。第2分離片35は、第1分離片33により複数枚のシートSHが1枚のシートSHに分離されなかった場合に、可能な限りシートSHを1枚のシートSHに分離できるように第1分離片33の搬送方向下流側に設けられる。
【0027】
第2分離ローラ34は、図示しないモータにより駆動されてシートSHを搬送する。第2分離片35は、第2分離ローラ34と対向して配置される。第2分離ローラ34と第2分離片35とは、第2分離ローラ34と第2分離片35との間にシートSHを挟む。シートSHは、第2分離ローラ34と第2分離片35との間の摩擦力により、搬送路FP内を搬送される。
【0028】
検知部10は、搬送されるシートSHを検知する。検知部10は、超音波センサにより構成される。検知部10は、超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとを備える。超音波送信部10Aは、搬送されるシートSHに対しパルス状の超音波を送信する。超音波受信部10Bは、超音波送信部10Aにより送信された超音波を受信する。超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとの間をシートSHが通過する際には、シートSHを透過して超音波受取部10Bに到達した超音波が超音波受信部10Bにより受信される。なお、搬送路FPは、図2において詳細に図示していないが、超音波送信部10Aから超音波受取部10Bへの超音波の通過を許容する穴を備える。
【0029】
以後、図2に示すように、シートSHの略搬送方向をX軸方向、搬送されるシートSHの表面に平行な面上で、且つX軸方向に垂直な方向をY軸方向、搬送されるシートSHの表面に垂直な方向をZ軸方向として定義する。従って、例えば、超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとの間を搬送されるシートSHの表面に平行な面は、XY平面に平行である。なお、以後、「上」、または「表」と記した場合、図2に示す矢印が指すZ軸の正方向を意味し、「下」、または「裏」と記した場合、図2に示すZ軸の負方向を意味するものとする。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は他の図面においても共通のものとする。なお、搬送路FPは厳密に言えば曲線状であり、搬送路FP内を搬送されるシートSHの搬送方向は、搬送路FP内におけるシートSHの到達地点に応じて変化する。しかし、説明の明確化のため、図2、及びその他図面においては、その一例をX軸方向として記し、以後の説明においても、その一例をX軸方向として記す。Y軸方向、及びZ軸方向に関しても同様である。
【0030】
搬送ローラ36は、図示しないモータにより駆動されてシートSHを搬送する。搬送ローラ36は、図2に示すように、超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとの間に配置される。搬送用従動ローラ37は、搬送ローラ36と対向して配置される。搬送ローラ36と搬送用従動ローラ37とは、搬送ローラ36と搬送用従動ローラ37との間にシートSHを挟む。シートSHは、搬送ローラ36と搬送用従動ローラ37との間の摩擦力により、搬送路FP内を搬送される。
【0031】
読取センサ31は、搬送路FPを挟んで対向する一対の密着イメージセンサ(Contact Image Sensor、以後「CIS」と記す)31A、31Bにより構成される。CIS31A、31Bは、Y軸方向に複数の受光素子が配列されたライン型イメージセンサである。読取センサ31は、シートSHの表面、及び裏面の画像を読み取る。
【0032】
排出ローラ38は、搬送路FP内において読取センサ31の下流側に配置される。排出用従動ローラ39は、排出ローラ38と対向して配置される。排出ローラ38と排出用従動ローラ39とは、排出ローラ38と排出用従動ローラ39との間にシートSHを挟む。シートSHは、排出ローラ38と排出用従動ローラ39との間の摩擦力により、搬送路FP内を搬送される。排出ローラ38は、搬送路FP内を搬送されたシートSHを図1において示した排紙トレイ4に送る。排出ローラ38は、図示しないモータにより駆動される。シートSHは、図1において示した排紙トレイ4に排紙される。
【0033】
制御部7は、CPU、ROM、RAM、フラッシュROM等を有するコンピューターにより構成される。
【0034】
[検知部の外観]
図3は、検知部10の外観を示す正面図(Y軸正方向から見た図)である。図4は、検知部10の外観を示す側面図(X軸正方向から見た図)である。図4において検知部10とあわせてシートSHを示している。
【0035】
検知部10は、図3、及び図4に示すように、超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとを備える。超音波送信部10Aは、図3に示すように、超音波発生部101と、送信側伝波部102と、送信側開口部103A、103B、103Cと、を備える。超音波受信部10Bは、図3に示すように、受信側開口部104A、104B、104Cと、受信側伝波部105と、超音波受取部106と、を備える。
【0036】
超音波発生部101は、パルス状の超音波を発生する。送信側伝波部102は、超音波発生部101と送信側開口部103A、103B、103Cとに連結される。送信側伝波部102は、超音波発生部101により発生された超音波を送信側開口部103A、103B、103Cに伝える。送信側伝波部102は、図3に示すように、X軸方向に延出している。従って、送信側伝波部102は、超音波発生部101により発生された超音波をX軸方向に伝えることができる。
【0037】
送信側開口部103A、103B、103Cは、図3に示すようにX軸方向に対して互いに異なる位置に配列される。即ち、送信側開口部103A、103B、103Cは、X軸方向の異なる座標位置に配置される。送信側開口部103A、103B、103Cは、Y軸方向に対して同一位置に配置される。即ち、送信側開口部103A、103B、103Cは、Y軸方向の同一座標位置に配置される。送信側開口部103A、103B、103Cは、図3に示すように、各々、開口部分をZ軸負方向側に向けて配置されている。図3において、シートSHは、超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとの間を、表面がXY平面に平行な状態で、X軸正方向に搬送される。送信側伝波部102、及び送信側開口部103A、103B、103Cは、硬質プラスチック材料の中空の伝声管により構成される。
【0038】
本実施形態において、X軸方向における超音波発生部101から送信側開口部103Aまでの第1距離L1と超音波発生部101から送信側開口部103Cまでの第2距離L2は、各々、第1距離L1=40mm、第2距離L2=50mmである。従って、第1距離L1<第2距離L2である。即ち、第1距離L1と第2距離L2とは異なる距離である。
【0039】
送信側開口部103Cと送信側開口部103Bとは、図2に示すように、X軸方向において第2分離ローラ34、及び第2分離片35を挟んで配列されている。送信側開口部103Bと送信側開口部103Aとは、X軸方向において搬送ローラ36、及び搬送用従動ローラ37を挟んで配列されている。
【0040】
受信側開口部104A、104B、104Cは、各々、送信側開口部103A、103B、103Cを介して送信された超音波を受信する。シートSHが送信側開口部103A、103B、103Cと受信側開口部104A、104B、104Cとの間を搬送される際、受信側開口部104A、104B、104Cは、各々、送信側開口部103A、103B、103CとシートSHとを介して受信側開口部104A、104B、104Cに到達した超音波を受信する。受信側開口部104A、104B、104Cは、図3に示すように、X軸方向に対して互いに異なる位置に配列される。即ち、受信側開口部104A、104B、104Cは、X軸方向の異なる座標位置に配置される。受信側開口部104A、104B、104Cは、Y軸方向に対して同一位置に配置される。即ち、受信側開口部104A、104B、104Cは、Y軸方向の同一座標位置に配置される。受信側開口部104A、104B、104Cは、図3に示すように、各々、開口部分をZ軸正方向側に向けて配置されている。
【0041】
受信側開口部104A、104B、104Cは、各々、X軸方向に対して、送信側開口部104A、104B、104Cと同一位置に位置する。従って、X軸方向における超音波受取部106から受信側開口部104Aまでの距離は、第1距離L1に等しい。X軸方向における超音波受取部106から受信側開口部104Cまでの距離は、第2距離L2に等しい。よって、X軸方向における超音波受取部106から受信側開口部104Aまでの距離と超音波受取部106から受信側開口部104Cまでの距離とは異なる距離である。
【0042】
受信側開口部104Cと受信側開口部104Bとは、図2に示すように、X軸方向において第2分離ローラ34、及び第2分離片35を挟んで配列されている。受信側開口部104Bと受信側開口部104Aとは、X軸方向において搬送ローラ36、及び搬送用従動ローラ37を挟んで配列されている。
【0043】
受信側伝波部105は、受信側開口部104A、104B、104Cと超音波受取部106とに連結される。受信側伝波部105は、図3に示すように、X軸方向に延出している。従って、受信側伝波部105は、受信側開口部104A、104B、104Cにより受信された超音波をX軸方向に伝えることができる。受信側伝波部105は、受信側開口部104A、104B、104Cにより受信された超音波を超音波受取部106に伝える。超音波受取部106は、受信側開口部104A、104B、104Cにより受信された超音波を受け取る。受信側伝波部105、及び受信側開口部104A、104B、104Cは、硬質プラスチック材料の中空の伝声管により構成される。
【0044】
送信側開口部103Bと受信側開口部104Bと超音波発生部101と超音波受取部106とは、図3に示すように、X軸方向に対して同一位置に配置される。
【0045】
超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとは、図4に示すように、シートSHが送信側開口部103A、103B、103Cと受信側開口部104A、104B、104Cとの間をX軸方向に搬送される際に、シートSHを挟んでZ軸方向に対向する。超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとは、X軸方向に対して同一位置に配置される。
【0046】
以上示したように、X軸方向における超音波発生部101から送信側開口部103Aまでの第1距離L1と超音波発生部101から送信側開口部103Cまでの第2距離L2とは異なる距離である。また、X軸方向における超音波受取部106から受信側開口部104Aまでの第1距離L1と超音波受取部106から受信側開口部104Cまでの第2距離L2とは異なる距離である。従って、超音波発生部101から送信側伝波部102、送信側開口部103A、及び受信側開口部104Aを介して超音波受取部106に至るまでの経路の経路長と、超音波発生部101から送信側伝波部102、送信側開口部103B、及び受信側開口部104Bを介して超音波受取部106に至るまでの経路の経路長と、超音波発生部101から送信側伝波部102、送信側開口部103C、及び受信側開口部104Cを介して超音波受取部106に至るまでの経路の経路長とは、異なる長さである。
【0047】
送信側開口部103C経由の超音波は、図2に示す特定箇所ACにシートSHが存在し、その際にシートSHを透過すると減衰する。送信側開口部103B経由の超音波は、特定箇所ABにシートSHが存在し、その際にシートSHを透過すると減衰する。送信側開口部103A経由の超音波は、特定箇所AAにシートSHが存在し、その際にシートSHを透過すると減衰する。従って、送信側開口部103A、103B、103C経由の超音波を検知することで、シートSHが搬送路FPのうちのどの箇所に存在しているのかを特定することができる。また、送信側開口部103A、103B、103C経由の超音波を検知し、特定箇所AA、AB、ACにおけるシートSHの待機時間を検知することで、シートSHが特定箇所AA、AB、ACのうちのいずれかにおいて所定時間以上待機していることが判定されれば、その特定箇所においてジャムが発生していると判定できる。
【0048】
なお、超音波発生部101により単位時間当たりに超音波が発生される頻度は非常に高い。そのため、送信側開口部103C下、送信側開口部103B下、及び送信側開口部103A下をシートSHが搬送される際に、必ず少なくとも1回ずつシートSHに送信側開口部103C、送信側開口部103B、及び送信側開口部103A経由の超音波が送信される。
【0049】
図5を用いて、上述の検知部10による超音波の送受信について説明する。図5の(A)において、横軸は、超音波発生部101により超音波が発生される時間TMを示す。図5の(A)において、縦軸は、超音波発生部101により発生される超音波の振幅AMを示す。図5の(B)において、横軸は、送信側開口部103A、103B、103Cから超音波が送信される時間TMを示す図である。図5の(B)において、縦軸は、送信側開口部103A、103B、103Cから送信される超音波の振幅AMを示す。図5の(C)において、横軸は、超音波受取部106により超音波が受け取られる時間TMを示す。図5の(C)において、縦軸は、超音波受取部106により受け取られる超音波の振幅AMを示す。ただし、図5の(C)は、送信側開口部103A、103B、103Cと受信側開口部104A、104B、104Cとの間にシートSHが介在しない際に、超音波が送信側開口部103A、103B、103Cから受信側開口部104A、104B、104Cに送信された場合に超音波受取部106により受け取られる超音波の振幅AMを示す。図5の(A)、(B)、及び(C)において、時間TMは、共通の時間軸で示され、振幅AMは、共通の単位で示される。従って、例えば、図5の(A)に示す時点TG1と図5の(B)、及び(C)に示す時点TG1とは同一の時間TMである。
【0050】
図5の(A)に示すように時間TG1〜TG2にて超音波発生部101により発生されたパルス状の超音波は、先ず、図5の(B)に示すように時間TT1〜TT2において超音波発生部101のZ軸負方向側に位置する送信側開口部103Bから送信される。なお、以後、例えば、時点TG1から時点TG2までの間の時間を「時間TG1〜TG2」と表記する。超音波は、送信側伝波部102を伝わる。第1距離L1<第2距離L2であるため、送信側伝波部102を伝わる超音波は、次に図5の(B)に示すように時間TT3〜TT4において送信側開口部103Aから送信される。その後、超音波は、時間TT5〜TT6において送信側開口部103Cから送信される。このように、送信側伝波部102における超音波発生部101から各送信側開口部103A、103B、103Cへの距離が異なることで、超音波の送信タイミング制御を必要とせずに、送信側開口部103A、103B、103Cから超音波が送信されるタイミングをずらすことができる。なお、超音波発生部101により発生されるパルス状の超音波のパルス幅は、図5の(B)に示すように送信側開口部103A、103B、103Cから送信される超音波が重ならない程度にあらかじめ設定されている。このパルス幅の設定値は、第1距離L1、及び第2距離L2により決まる値である。
【0051】
時間TT1〜TT2において送信側開口部103Bから送信された超音波は、受信側開口部104Bにより受信される。受信側開口部104Bにより受信された超音波WBは、図5の(C)に示すように、時間TR1〜TR2において、超音波受取部106により受け取られる。図5の(B)に示す時間TT3〜TT4において送信側開口部103Aから送信された超音波は、受信側開口部104Aにより受信される。受信側開口部104Aにより受信された超音波WAは、受信側伝波部105を伝わり、時間TR3〜TR4において超音波受取部106により受け取られる。時間TT5〜TT6において送信側開口部103Cから送信された超音波は、受信側開口部104Cにより受信される。受信側開口部104Cにより受信された超音波WCは、受信側伝波部105を伝わり、時間TR5〜TR6において超音波受取部106により受け取られる。このように、受信側伝波部105における超音波受取部106から各受信側開口部104A、104B、104Cへの距離が異なることで、超音波の送信タイミング制御を必要とせずに、受信側開口部104A、104B、104Cにより受信される各々の超音波が超音波受取部106により受け取られるタイミングをずらすことができる。即ち、受信側開口部104A、104B、104Cにより受信される各々の超音波が超音波受取部106により受け取られる際に重ならない。従って、シートSHの搬送における異常発生箇所を確実に特定することができる。
【0052】
超音波発生部101は、時間TG3〜TG4において、時間TG1〜TG2において発生された超音波の次の超音波を発生する。先の時間TG1〜TG2において超音波が発生されてから後の時間TG3〜TG4において超音波が発生されるまでの間の時間間隔PRは、図5の(A)、及び(C)に示すように、時点TT2〜TT3の間の時間P1、時点TT4〜TT5の間の時間P2、時点TG1〜TG2の間の時間PSとした場合に、PR>2×(3×PS+P1+P2)となるようにあらかじめ設定されている。このようにあらかじめ設定された時間間隔PRは、制御部7が有するROMにあらかじめ記憶されている。なお、時間PSは、超音波の振動時間であるため、超音波の周波数を周波数FRとするとPS=(1回の送信で発生される超音波の波数)/FRを満たす。また、時間PSと時間P1との和である時間PS+P1は、超音波発生部101により発生された超音波が送信側開口部103Bから送信されてから、送信側開口部103Aにより送信されるまでの時間である。従って、図5の(B)に示す時間PS+P1は、音速を音速SSとすると、超音波発生部101から送信側開口部103Aまでの距離が距離L1であることから、PS+P1=L1/SSを満たす。同様に、超音波発生部101により発生された超音波が送信側開口部103Aにより送信されてから、送信側開口部103Cにより送信されるまでの時間PS+P2は、超音波発生部101から送信側開口部103Aまでの距離L1と超音波発生部101から送信側開口部103Cまでの距離L2の差で決まる。即ち、図5の(B)に示す時間PS+P2は、PS+P2=(L2−L1)/SSを満たす。一方、受信側開口部104Bにより受信された超音波が超音波受信部106により受け取られるまでにかかる時間と、受信側開口部104Aにより受信された超音波が超音波受信部106により受け取られるまでにかかる時間の差はPS+P1(=L1/SS)となる。また、受信側開口部104Aにより受信された超音波が超音波受信部106により受け取られるまでにかかる時間と、受信側開口部104Cにより受信された超音波が超音波受信部106により受け取られるまでにかかる時間の差は、時間PS+P2=(L2−L1)/SSとなる。よって、図5の(C)において、時間TR1〜TR3に示すように、超音波発生部101から発生された超音波を、送信側開口部103B、受信側開口部104Bを介して超音波受信部106で受信した信号に対し、送信側開口部103A、受信側開口部104Aを介して超音波受信部106で受信した信号は2×(PS+P1)だけ遅れる。また、図5の(C)において、時間TR1〜TR5に示すように、超音波発生部101から発生された超音波を、送信側開口部103B、受信側開口部104Bを介して超音波受信部106で受信した信号に対し、送信側開口部103C、受信側開口部104Cを介して受信した信号は、2×(PS+P1)+2×(PS+P2)=2×(2×PS+P1+P2)だけ遅れることになる。さらに、図5の(C)において、時間TR5〜TR6に示すように、送信側開口部103C、及び受信側開口部104Cを介して受信した信号の受信を完了するために時間PSが必要になる。従って、超音波発生部101により超音波が発生される時間間隔PRが、図5の(C)に示すように、PR>2×(3×PS+P1+P2)となるように設定されていることにより、先の時間TG1〜TG2において発生された超音波から派生した超音波と後の時間TG3〜TG4において発生された超音波から派生した超音波が、超音波受取部106において重なって受け取られることを防ぐことができる。従って、シートSHの搬送における異常発生箇所を確実に特定することができる。
【0053】
なお、第1距離L1、及び第2距離L2は、送信側伝波部102、及び受信側伝波部105の構成に依存した残響時間と音速とを掛け合わせることにより求められる値の半分の値以上の距離である。残響時間は、送信側伝波部102、及び受信側伝波部105の構成、即ち伝声管の材料や構造などに依存する。本実施形態の検知部10において、残響時間は200μsである。本実施形態において、音速は、画像読取装置1が使用される条件として想定される温度範囲0℃〜40℃の条件下で、最も遅い0℃の条件化における音速331.5m/sである。従って、第1距離L1=40mm、第2距離L2=50mmであるので、第1距離L1、及び第2距離L2は、33.15mm(=200μs×331.5m/s÷2)<L1<L2を満たす。第1距離L1、及び第2距離L2が、33.15mm<L1<L2を満たすことで、残響により異常発生箇所特定の精度に影響が出ることを防止できる。即ち、受信側開口部104A、104B、104Cのうちの特定の開口部により超音波が受信される際に受信側伝波部105に発生する残響が、特定の開口部が超音波を受信した後に特定の開口部に互いに隣り合う開口部により超音波が受信されるまで受信側伝波部105に残らない。図6に示すように残響が隣接する開口部により超音波が受信されるまで残ると、互いに隣り合う開口部により受信される超音波と残響とが重畳する。このように超音波と残響とが重畳すると、超音波の振幅が大きくなるか、又は小さくなる。従って、超音波と残響との重畳は、シートSHの搬送に異常が発生しているか否かの判定を行う際にその判定精度に支障を来たす。しかし、第1距離L1、及び第2距離L2が、33.15mm<L1<L2を満たすことで、残響により搬送されるシートSHの異常発生判定の精度に影響が出ることを防止できる。
【0054】
[画像読取装置電気的構成]
図7を用いて、画像読取装置1の電気的構成において異常発生箇所特定に関わる電気的構成について説明する。図7は、画像読取装置1の電気的構成において異常発生箇所特定に関わる電気的構成を示す図である。制御部7は、図7に示すように、CPU71と、RAM72と、ROM73と、駆動信号生成部74と、増幅部75と、サンプルホールド回路76と、AD変換部77と、バス78と、を備える。
【0055】
CPU71は、各種情報処理プログラムを実行することにより、画像読取装置1が備える各種機能を実行する演算処理装置である。RAM72は超音波受取部106により受け取られる超音波の振幅データや読取センサ31により読み取られたシートSHの画像データ等の各種データを一時的に記憶する領域である。ROM73は、CPU71により実行される各種情報処理プログラムを記憶している。ROM73は、前述の時間間隔PR、時間P1、時間P2、時間PS、及びシートSHを介さない場合に超音波受取部106により受信される超音波の振幅値(以後、「閾値」と記す)などの各種データも記憶している。ROM73は、不揮発性メモリであるフラッシュメモリにより構成されている。CPU71、RAM72、及びROM73は、データ通信用のバス78にそれぞれ接続されており、バス78を介して各種情報の送受信を行う。バス78は、設定部5、及び表示部6と接続されている。異常が発生したとCPU71により判断されると、バス78を介して表示部6に異常発生を報知するための指令情報が供給される。
【0056】
駆動信号生成部74は、超音波送信部10Aを駆動するための駆動信号を生成する。駆動信号生成部74は、生成した駆動信号を超音波送信部10Aに供給する。超音波送信部10Aは、供給された駆動信号に基づき、超音波を発生する。超音波送信部10Aは、図3などにおいて示したように、発生された超音波を超音波受信部10Bに向けて送信する。超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとの間をシートSHが搬送される場合、超音波は減衰して、超音波受信部10Bにより受信される。
【0057】
増幅部75は、超音波受信部10Bにより受信された超音波のアナログ信号を増幅する。サンプルホールド回路76は、増幅部75により増幅された超音波のアナログ信号のピーク値をサンプリングする。サンプルホールド回路76は、サンプリングした値を図5の(C)において示した時間PSの間の所定の時点TS1、TS2、及びTS3と対応付けて一時保持する。所定の時点TS1、TS2、及びTS3は、ROM73により記憶されている時間間隔PR、時間P1、時間P2、時間PSのデータに基づいて、超音波受取部106により超音波が受け取られる毎にCPU71により決定される。時点TS1、TS2、及びTS3は、各々、受信側開口部104B、104A、104Cを介して、超音波受取部106により超音波が受け取られる時点と対応している。サンプリングホールド回路76によるサンプリング、及び一時保持により、超音波受取部106により受け取られた超音波の振幅が、超音波が超音波受取部106により受け取られた時点と対応付けられて決定される。AD変換部77は、サンプルホールド回路76により一時保持された超音波のアナログデータをデジタルデータに変換する。RAM72は、AD変換部77によりデジタルデータに変換された超音波のデータを、超音波が超音波受取部106により受け取られた時点と対応付けて一時的に記憶する。即ち、図5の(C)に示すように、RAM72は、時間間隔PR毎に超音波発生部101により発生された1つの超音波から派生した3つの超音波を、各々時点TS1、TS2、及びTS3と対応付けて記憶する。
【0058】
[画像読取装置の制御]
以下、図8を用いて画像読取装置1の制御について説明する。図8は、画像読取装置1の制御を示すフローチャートである。一連の処理は、図7において示したCPU71により実行される。ユーザにより設定部5の電源スイッチが押されると、CPU71に設定部5から電源ONの指令が供給される。CPU71に電源ONの指令が供給されると、画像読取装置1の駆動が開始される。同時に、以下に示す一連の処理が、CPU71により実行される。
【0059】
図8に示す処理では、先ず、各種パラメータ、及びフラグ等の初期化が行われる(ステップ0、以後「S0」と記す)。S0において、以下に示す特定箇所到達回数は0にされる。
【0060】
初期化が行われると、超音波送信部10Aが駆動される(S1)。即ち、超音波が発生される。発生された超音波は、超音波送信部10Aから送信される。超音波送信部10Aから送信された超音波は、超音波受信部10Bにより受信される。受信された超音波のアナログ信号は、増幅部75により増幅され、増幅された超音波のアナログ信号のピーク値のサンプリング、及び一時保持がサンプルホールド回路76により行われる。サンプリング、及び一時保持が行われると、サンプルホールド回路76により一時保持された超音波のアナログデータがAD変換部77によりデジタルデータにAD変換される。デジタルデータに変換された超音波のデータは、時点TS1、TS2、及びTS3と対応付けられた超音波WA、WB、WCとしてRAM72により一時的に記憶される。
【0061】
時点TS3までの受信が完了すると、RAM72により記憶された3つの超音波WA、WB、WCのデータが時点TS1、TS2、及びTS3とともにRAM72から読み出される(S2)。
【0062】
読み出された超音波WA、WB、WCのデータのうち、閾値未満のデータ値があるか否かが判定される(S3)。即ち、超音波WA、WB、WCがROM73により記憶されているシートSHを介していない場合に超音波受取部106により受け取られる超音波の振幅値の閾値と比較される。読み出された超音波WA、WB、WCのデータのうち、閾値未満のデータ値がないと判定されると(S3:No)、処理がS6に移る。S6において、シートSHの搬送が終了したか否か、即ち設定部5が操作され、終了指令が制御部7に供給されたか否かが判断される。シートSHの搬送が終了していないと判断されると(S6:No)、処理がS1に戻る。シートSHの搬送が終了していると判断されると(S6:Yes)、S8において特定箇所到達回数のリセットが実行された後、図8に示す全ての処理が終了する。
【0063】
S3において、読み出された超音波WA、WB、WCのデータのうち、閾値未満のデータ値があると判定されると(S3:Yes)、特定箇所到達回数がインクリメントされる(S4)。即ち、S3において超音波WAが減衰していると判定されると、特定箇所AAにシートSHが到達していることを示すAA到達回数がインクリメントされる。S3において超音波WBが減衰していると判定されると、特定箇所ABにシートSHが到達していることを示すAB到達回数がインクリメントされる。S3において超音波WCが減衰していると判定されると、特定箇所ACにシートSHが到達していることを示すAC到達回数がインクリメントされる。特定箇所到達回数は、AA到達回数、AB到達回数、及びAC到達回数により構成される。特定箇所到達回数は、RAM72により記憶される。
【0064】
特定箇所到達回数がインクリメントされると、シートSHが所定時間以上特定箇所WA、WB、WCのうちのいずれかに待機しているか否かが判定される(S5)。即ち、AA到達回数、AB到達回数、及びAC到達回数のうち、ROM73にあらかじめ記憶されている所定回数以上のものがあるか否かが判定される。AA到達回数、AB到達回数、及びAC到達回数のうち、所定回数以上のものがある場合、各々の回数に対応する特定箇所にシートSHが所定時間以上待機していることになる。従って、特定箇所AA、AB、ACのいずれかにおいてジャムが発生していると判定できる。シートSHが所定時間以上特定箇所WA、WB、WCのうちのいずれかにおいても待機していないと判定されると(S5:No)、処理がS6に移る。
【0065】
S3、S4、及びS5に示す処理について、図9を用いて詳細に説明する。図9において、横軸は、超音波受取部106により超音波が受け取られる時間TMを示す。図9において、縦軸は、超音波受取部106により受け取られる超音波の振幅AMを示す。
【0066】
図9に示すように、特定箇所ABにシートSHが到達すると、受信側開口部104Bを介して得られる超音波WBの振幅が減衰する。特定箇所ABにおいてジャムが発生すると、シートSHが特定箇所ABにシートSHが留まり続けることになる。従って、図9に示すように、減衰した超音波WBのデータが受信され続ける。減衰した超音波WBが受信され続けると、AB到達回数がインクリメントされ続け、AB到達回数が増大する。よって、AB到達回数があらかじめ設定された所定回数以上を超えると、特定箇所ABにおいてシートSHが留まっている状態であることが分かり、特定箇所ABにおいてジャムが発生していることが検知できる。
【0067】
シートSHが所定時間以上特定箇所WA、WB、WCのうちのいずれかに待機していると判定されると(S5:Yes)、異常発生箇所が報知される(S7)。即ち、表示部6に、ジャムが発生したことを示す「ジャム発生」というメッセージとジャムが発生した箇所を示すメッセージを表示するための画像信号が表示部6に供給される。表示部6は、供給された画像信号に基づいて、メッセージを表示する。例えば、シートSHが特定箇所WBにおいて待機していると判定されると、「搬送ローラ付近においてジャム発生」というメッセージが表示される。
【0068】
異常発生箇所が報知されると、特定箇所到達回数がリセットされる(S8)。即ち、特定箇所到達回数が0に初期化される。特定箇所到達回数がリセットされると、画像読取装置1の全ての処理が終了する。
【0069】
(第2の実施形態)
【0070】
第1の実施形態において、異常発生検知の一例として画像読取装置1は検知部10により特定箇所においてジャムが発生しているか否かを検知していた。しかし、ジャムに限らず、例えば、重送、及び空送等の異常検知が行われてもよい。その一例として、以下に示す第2の実施形態において、重送検知に検知部10を適用する場合の例を示す。
【0071】
第2の実施形態における画像読取装置1は、第1の実施形態における画像読取装置1と同一の機械的構成、及び電気的構成を備える。第2の実施形態における画像読取装置1は、制御のみ第1の実施形態における画像読取装置1と一部異なる制御を行う。図10は、第2の実施形態における制御の一部を示すフローチャートである。一連の処理は、図7において示したCPU71により実行される。ユーザにより設定部5の電源スイッチが押されると、CPU71に設定部5から電源ONの指令が供給される。CPU71に電源ONの指令が供給されると、画像読取装置1の駆動が開始される。同時に、以下に示す一連の処理が、CPU71により実行される。
【0072】
図10に示す処理では、先ず、各種パラメータ、及びフラグ等の初期化が行われる(ステップX0、以後「SX0」と記す)。S0において、以下に示す非搬送状態回数は0にされる。
【0073】
初期化が行われると、超音波送信部10Aが駆動される(SX1)。即ち、超音波が発生される。発生された超音波は、超音波送信部10Aから送信される。超音波送信部10Aから送信された超音波は、超音波受信部10Bにより受信される。受信された超音波のアナログ信号は、増幅部75により増幅され、増幅された超音波のアナログ信号のピーク値のサンプリング、及び一時保持がサンプルホールド回路76により行われる。サンプリング、及び一時保持が行われると、サンプルホールド回路76により一時保持された超音波のアナログデータがAD変換部77によりデジタルデータにAD変換される。デジタルデータに変換された超音波のデータは、時点TS1、TS2、及びTS3と対応付けられた超音波WA、WB、WCとしてRAM72により一時的に記憶される。
【0074】
時点TS3までの受信が完了すると、RAM72により記憶された3つの超音波WA、WB、WCのデータが時点TS1、TS2、及びTS3とともにRAM72から読み出される(SX2)。
【0075】
読み出された超音波WA、WB、WCのデータのうち、第1閾値未満のデータがあるか否かが判定される(SX3)。即ち、超音波WA、WB、WCが、ROM73により記憶されている2枚以上のシートSHを介した場合に超音波受取部106により受け取られる減衰した超音波の振幅値の第1閾値と比較される。読み出された超音波WA、WB、WCのデータのうち、第1閾値未満のデータ値がある、即ち特定箇所において重送が発生していると判定されると(SX3:Yes)、重送発生箇所が報知される(SX4)。即ち、表示部6に、重送が発生したことを示す「重送発生」というメッセージと重送が発生した箇所を示すメッセージを表示するための画像信号が表示部6に供給される。表示部6は、供給された画像信号に基づいて、メッセージを表示する。例えば、特定箇所WBにおいて重送が発生していると判定されると、「搬送ローラ付近において重送発生」というメッセージが表示される。重送発生箇所が報知されると、処理がSX9に移り、後述の非搬送状態回数のリセットが実行される(SX9)。
【0076】
読み出された超音波WA、WB、WCのデータのうち、第1閾値未満のデータ値がない、即ち重送が発生していないと判定されると(SX3:No)、超音波WA、WB、WCのデータのうち、第2閾値未満のデータがあるか否かが判定される(SX5)。即ち、超音波WA、WB、WC振幅値がROM73により記憶されている1枚のシートSHを介した場合に超音波受取部106により受け取られる減衰した超音波の振幅値の第2閾値と比較される。第2閾値未満のデータがある、即ち、特定箇所のうちのいずれかにおいて1枚のシートが正常に搬送されていると判定されると(SX5:Yes)、処理がSX1に戻る。第2閾値未満のデータ値がないと判定される、即ち特定箇所のうちのいずれにおいてもシートSHが搬送されていないと判定されると(SX5:No)、非搬送状態回数がインクリメントされる(SX6)。非搬送状態回数は、画像読取装置1内をシートSHが搬送されていない状態の時間的な長さを示す回数である。この非搬送状態回数が所定の回数以上を超えると、画像読取装置1内をシートSHが所定時間以上搬送されていない、即ち、ユーザにより画像読取装置1が所定時間以上使用されていないことを検知することができる。
【0077】
非搬送状態回数がインクリメントされると、シートSHが所定時間以上搬送されていないか否かが判定される(SX7)。即ち、非搬送状態回数がROM73に記憶されている所定回数を超えたか否かが判定される。シートSHが搬送されていると判定されると(SX7:No)、処理がSX1に戻る。シートSHが所定時間以上搬送されていないと判定されると(SX7:Yes)、シートSHの搬送が終了したか否か、即ち設定部5が操作され、終了指令が制御部7に供給されたか否かが判断される(SX8)。シートSHの搬送が終了していないと判断されると(SX8:No)、処理がSX1に戻る。シートSHの搬送が終了していると判断されると(SX8:Yes)、SX9において非搬送状態回数のリセットが実行された後、図10に示す処理が全て終了する。
【0078】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることは無く、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。以下に示す変形例において、上記実施形態と同一の構成は、同一の番号を付して説明する。
【0079】
上記実施形態において、検知部10は、送信側伝波部102、及び受信側伝波部105は、X軸方向に延出した形状をしていた。しかし、これに限らず、送信側伝波部、及び受信側伝波部は、例えば、図11、及び図12に示す送信側伝波部202、302のように、シートの搬送方向に蛇行する形状であってもよい。送信側伝波部、及び受信側伝波部がシートの搬送方向に蛇行する形状であることにより、送信側伝波部、及び受信側伝波部は、図11、及び図12に示すように屈曲部CRを備える。図11に示す超音波送信部200Aは、超音波発生部201、送信側伝波部202、送信側開口部203A、203B、203C、203Dを備える。図12に示す超音波送信部300Aは、超音波発生部301、送信側伝波部302、送信側開口部303A、303B、303C、303Dを備える。図11、及び図12において送信側開口部303A〜303D、及び送信側開口部303A〜303Dは、各々、送信側伝波部202、302の下側に形成されているため、図11、及び図12において破線により示す。図11、及び図12に示す変形例において、受信側伝波部は、図11、及び図12に示す送信側伝波部202、302と同様の構成を備える。図11、及び図12に示すように送信側伝波部、及び受信側伝波部を構成することで、送信側伝波部、及び受信側伝波部内における超音波の経路を屈曲させることができる。よって、例えば、送信側開口部203Bから送信側開口部203Aまでの送信側伝波部202内において、図11に示す矢印MDに示すように超音波が蛇行する。一方、送信側伝波部が搬送方向に延出する場合、超音波は、送信側開口部203Bから送信側開口部203Aまでの送信側伝波部202内において、図11に示す矢印STに示すように、直行する。従って、図11、及び図12に示す送信側伝波部202、302のように、伝波部が屈曲部CRを備えることで、搬送方向に距離を稼ぐことができる。残響による影響を回避するためには、複数の送信側開口部、及び複数の受信側開口部間の搬送方向における距離を大きくすることが通常考えられる。しかし、複数の送信側開口部、及び複数の受信側開口部間の搬送方向における距離を大きくすると、装置が大型化するという問題が発生する。本変形例においては、残響による影響を回避するために、複数の送信側開口部、及び複数の受信側開口部間の搬送方向における距離を大きくする必要がない。従って、搬送方向における装置の大きさを小さくしつつ、簡易な構成により、シートの搬送の異常発生箇所を特定することができる。なお、送信側伝波部、及び受信側伝波部の形状はシートの搬送方向に蛇行する形状以外にも、螺旋状、コイル状などの屈曲部を備えるような形状であれば何でもよい。
【0080】
上記実施形態において、シートに対して作用する作用部は、シートを搬送する搬送部である搬送ローラ36、シートを分離しながら搬送する分離部である第1分離片33、及び第2分離片35などであった。しかし、これに限らず、作用部は、例えば、シートにインク等を吐出するなどして画像形成する画像形成部等であってもよい。
【0081】
上記実施形態において、検知部10は、送信側開口部103A、103B、103C、及び受信側開口部104A、104B、104Cの3つの送信側開口部と3つの受信側開口部とを備えていた。しかし、これに限らず、検知部は、例えば、2つの送信側開口部と2つの受信側開口部とを備えていてもよいし、送信側開口部と受信側開口部とを幾つ備えていてもよい。
【0082】
上記実施形態において、超音波送信部10Aと超音波受信部10Bとは、図4に示すように、X軸方向に対して同一位置に配置されていた。しかし、これに限らず、超音波送信部と超音波受信部とは、例えば、送信側開口部と受信側開口部とを結ぶ線がシートの表面と斜めに交差するように配置されてもよい。なお、「斜めに交差する」とは、超音波の反射波が超音波送信部に戻らないように角度を持って交差することを示す。例えば、この交差角度は、送信側開口部の開口サイズ、反射するシートとの距離、又は反射波の反射様態などの幾何学的条件から設定されてもよい。このように検知部が構成されることで、送信側開口部から送信されシートにより反射された超音波が再び送信側開口部に戻ることがない。よって、反射波の影響により超音波受取部により受信される超音波の振幅値が不安定になることを防ぐことができる。従って、送信側開口部と受信側開口部とが、送信側開口部と受信側開口部とを結ぶ線が搬送されるシートと直交するように配置されている場合と比較して、正確な異常発生箇所特定につなげることができる。
【0083】
上記実施形態において、超音波発生部101と超音波受取部106とは、Y軸方向において同一位置に配置されていた。しかし、これに限らず、例えば、超音波発生部101と超音波受取部106とは、異常発生箇所特定に支障が出ない範囲内において、Y軸方向において互いにずれた位置に配置されていてもよい。
【0084】
上記実施形態において、送信側伝波部102、及び送信側開口部103A、103B、103C、並びに受信側伝波部105、及び受信側開口部104A、104B、104Cは、硬質プラスチック材料の中空の伝声管により構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、送信側伝波部、及び受信側伝波部は、中空でない固体素子により構成されてもよい。
【0085】
上記実施形態において、画像読取装置の一例として、シートフィードスキャナを挙げたが、これに限らず、例えば、FAX、及び自動搬送機能付きの複合機の読取部であってもよい。また、検知部が印刷機の紙送り機構における異常発生箇所特定に利用されてもよい。
【0086】
上記実施形態において、受信側開口部104A、104B、104Cは、各々、Y軸方向において、送信側開口部103A、103B、103Cと同一位置に位置していた。しかし、これに限らず、例えば、受信側開口部は、各々、Y軸方向において、送信側開口部から約0.1mm程度ずれて位置してもよい。即ち、受信側開口部は、各々、Y軸方向において、少なくとも送信側開口部から送信された超音波を受信できる位置に位置していればよい。
【0087】
上記実施形態において、画像読取装置1は、異常の発生を検知した場合に、表示部6により異常の発生を報知しているが、これに限らず、例えば、音によって報知してもよいし、読取動作を途中停止するなどして報知してもよい。
【0088】
上記実施形態において、画像読取装置1が、シートSHに異常が発生しているか否かの判定を行っていた。しかし、これに限らず、例えば、検知部10が判定部を有し、検知部10がシートSHに異常が発生しているか否かの判定を行ってもよい。
【0089】
検知部は、残響低減のために、例えば、送信側伝波部、及び受信側伝波部の両端において、吸音材を備えていてもよい。
【0090】
検知部を異常検知と合わせて給紙トレイにシートが載置されているかを検知するためのセンサとして用いてもよい。この場合、送信側伝波部、及び受信側伝波部を給紙トレイ付近まで延出させ、給紙トレイに給紙トレイ上の送信側開口部から給紙トレイ下の受信側開口部へ送信される超音波が通る貫通孔などを設ければよい。また、この場合、検知部により給紙トレイにシートが載置されたことが検知された後、シートの搬送、及び読取が開始されてもよい。
【0091】
シートは、紙、段ボール、プラスチックカード、反物又はロールシートから繰り出されたシート等、搬送されるシート状のものであれば何でもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 画像読取装置
6 表示部
10 検知部
10A 超音波送信部
10B 超音波受信部
101 超音波発生部
102 送信側伝波部
103A、103B、103C 送信側開口部
104A、104B、104C 受信側開口部
105 受信側伝波部
106 超音波受取部
31 読取センサ
32 ピックアップローラ
33 第1分離片
34 第2分離ローラ
35 第2分離片
36 搬送ローラ
37 搬送用従動ローラ
71 CPU
72 RAM
73 ROM
200A 超音波送信部
201 超音波発生部
202 送信側伝波部
203A、203B、203C 送信側開口部
300A 超音波送信部
301 超音波発生部
302 送信側伝波部
303A、303B、303C 送信側開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するシート搬送装置であって、
パルス状の超音波を発生する超音波発生部と、
前記シートの搬送方向対して互いに異なる位置に配列され、前記超音波を送信する複数の送信側開口部と、
前記超音波発生部と複数の前記送信側開口部とに連結され、前記超音波発生部により発生された前記超音波を複数の前記送信側開口部に伝える送信側伝波部と、
前記シートの搬送方向に対して互いに異なる位置に配列され、複数の前記送信側開口部と前記シートを挟んで対向し、複数の前記送信側開口部により送信された前記超音波を受信する複数の受信側開口部と、
複数の前記受信側開口部により受信された前記超音波を受け取る超音波受取部と、
複数の前記受信側開口部と前記超音波受取部とに連結され、複数の前記受信側開口部により受信された前記超音波を前記超音波受取部に伝える受信側伝波部と、
複数の前記受信側開口部を介して前記超音波受取部により前記超音波が受け取られた時間、及び前記超音波受取部による受け取られた前記超音波の振幅値に基づいて前記シートの搬送に異常が発生したか否かを判定する判定部と、を備え、
前記超音波発生部から前記送信側伝波部、複数の前記送信側開口部、及び複数の前記受信側開口部を介して前記超音波受取部に至るまでの複数の経路の経路長は、異なる長さであることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記シートの搬送方向に沿って配列され、前記シートに対して作用する複数の作用部を備え、
前記複数の送信側開口部は、前記シートの搬送方向において前記複数の作用部を挟んで配列され、
前記複数の受信側開口部は、前記シートの搬送方向において前記複数の作用部を挟んで配列されることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
少なくとも3つの前記送信側開口部と少なくとも3つの前記受信側開口部とを備え、
少なくとも3つの前記送信側開口部のうち、前記送信側伝波部おいて隣接する2つの前記送信側開口部の間の距離、及び少なくとも3つの前記受信側開口部のうち、前記受信側伝波部において隣接する2つの前記受信側開口部の間の距離は、各々、前記送信側伝波部、及び前記受信側伝波部の構成に依存した残響時間と音速とを掛け合わせることにより求められる値の半分の値以上の距離であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記送信側伝波部、及び前記受信側伝波部は、屈曲部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記送信側伝波部、及び複数の前記送信側開口部、並びに受信側伝波部、及び複数の前記受信側開口部は、各々、伝声管により構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記判定部の判定結果に基づいて異常の発生の有無を報知する報知部を備える請求項1〜5のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置により搬送される前記シートの画像を読み取る読取部と、を備えることを特徴とする画像読取装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−96851(P2012−96851A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243135(P2010−243135)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】