シート搬送装置及び原稿読取装置並びに画像形成装置
【課題】搬送するシートの厚さの大小によるターン部の影響を軽減し、スキュー補正したシートを安定して搬送することができるシート搬送装置及び原稿読取装置を提供する。
【解決手段】原稿が搬送される搬送経路中に原稿をほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部40を備え、そのターンガイド部40の原稿搬送方向上流側にはプルアウトローラ12とその下流の中間ローラ12とが設けられているシート搬送装置であり、搬送経路に配置され、原稿の厚みを検知するセンサS1と、そのセンサS1で検知された原稿の紙種に応じてプルアウトローラ12と中間ローラ12における少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段100とを有し、該制御手段100はプルアウトローラ12と中間ローラ12によるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御する。
【解決手段】原稿が搬送される搬送経路中に原稿をほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部40を備え、そのターンガイド部40の原稿搬送方向上流側にはプルアウトローラ12とその下流の中間ローラ12とが設けられているシート搬送装置であり、搬送経路に配置され、原稿の厚みを検知するセンサS1と、そのセンサS1で検知された原稿の紙種に応じてプルアウトローラ12と中間ローラ12における少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段100とを有し、該制御手段100はプルアウトローラ12と中間ローラ12によるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置及び該シート搬送装置及び原稿読取装置並びに画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記形式のシート搬送装置はよく知られており、例えばスキャナ、さらには複写機やファクシミリ等の画像形成装置に搭載される原稿読取装置に用いられている。この種の原稿読取装置においては、原稿を搬送しながら位置固定の読取部で読み取るシートスルータイプのものがあり、このシートスルータイプの原稿送り装置は原稿を搬送しながら画像を読み取る機構のため、いったん原稿を止めて本体のスキャナが移動することで原稿を読み込むタイプ(ベルト式)に比べて生産性を高くできることが特徴のひとつである。そして、作業の効率化が求められている今日においては、生産性の向上、すなわち、原稿読取速度の高速化に対する需要は益々増加している。
【0003】
かかるシートスルータイプの原稿送り装置においては、ズレの無い画像を読み込むことが必要であり、そのためには原稿を傾けることなく搬送することが要求される。しかしながら、搬送する原稿の幅方向中央に対してローラの配置が非対称になる場合、例えば、特定サイズの原稿を端面基準でセットする場合や複数サイズの原稿を混載する場合には、主走査方向に対して搬送力に偏りが生じ、原稿曲がり(以降、スキューとよぶ)が発生してしまい、曲がりのない画像を読み込むことに対しての課題となっていた。
【0004】
これらの課題に対して、分離部の下流で、かつ、ターンガイド部の上流にあるプルアウトローラ対を突き当てローラとして、これに原稿先端の突き当てて撓ませスキューを補正し、その際その撓み量を調整する方法が既に知られている。
【0005】
かかる装置では、スキュー補正した原稿をプルアウトローラから中間ローラへ搬送し、原稿をプルアウトローラと中間ローラの搬送力でターンガイド部へ搬送し、反転搬送してから読取処理するようにしている。しかし、このようなスキュー補正方法では補正した原稿が中間ローラを抜けてターンガイド部に接触したとき、ターン部での曲げに対して原稿がその剛性に応じて元の状態に戻ろうとする力を発揮するため、搬送負荷が増大する。この搬送負荷の増大は、厚紙のような剛性の強い原稿ほど顕著に現れることから増大した負荷に対して中間ローラでは搬送力が不足気味となりスリップ率が増加し、搬送力が大きいプルアウトローラの力で原稿を中間ローラに対し押し込むことになる。
【0006】
このとき、プルアウトローラの搬送力が幅方向において不均一であると、原稿がプルアウトローラに強く押される側が先行するようなスキューを起こした状態で原稿が搬送されてしまう。
以上のことから厚紙のような剛性の強い原稿を搬送する場合に、スキューした状態で搬送される現象が顕著に現れてしまう。
【0007】
そこで、特許文献1には信頼性の高いスキュー補正を行う目的で、上流側のプルアウトローラへの突き当てによるスキュー補正だけでなく、プルアウトローラの線速を下流側の中間ローラの線速に対して速くし、中間ローラ対のニップ部に突き当て撓ませることによってスキュー補正を行い、突き当て後プルアウトローラの線速を減速するとともに、原稿の種別に応じてその撓み量を調整するという制御方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1のスキュー補正手段ではターンガイド部での影響が考慮されておらず、原稿の幅方向中央に対してローラの配置が非対称になる場合には、大きなスキューが発生し、その状態で原稿先端が中間ローラに押し込まれ、突き抜けるため、突き当てによるスキュー補正が十分に行い得ないという問題が解消できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、搬送するシートの厚さの大小によるターン部の影響を軽減し、スキュー補正したシートを安定して搬送することができるシート搬送装置及び原稿読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置において、前記搬送経路に配置され、シートの紙種を検知する検知手段と、該検知手段で検知されたシートの紙種に応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラにおける少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段とを有し、該制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラによるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置を提案する。
【0011】
なお、本発明は、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段を備えており、該厚検知手段が検知したシート厚に応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0012】
さらに、本発明は、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段と、シートの幅を検知する幅検知手段とを備えており、該厚検知手段が検知したシート厚及び幅検知手段が検知したシート幅に応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0013】
さらにまた、本発明は、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段と、シートの搬送方向の長さを検知する長さ検知手段とを備えており、該厚検知手段が検知したシート厚及び長さ検知手段が検知したシート長さに応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0014】
また、上記課題を解決するため、本発明は、シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置において、シートの紙種を指定する紙種指定手段と、該紙種指定手段で指定されたシートの紙種に応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラにおける少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段とを有し、該制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラによるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置を提案する。
【0015】
なお、本発明は、前記紙種指定手段がシートの剛性の強さに関する情報を指定し、前記制御手段が指定されたシートの剛性の強さに応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0016】
さらに、本発明は、前記紙種指定手段がシートの厚さの情報を指定し、前記制御手段がシートの厚さ情報から剛性の強さを判断して前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0017】
さらにまた、本発明は、前記制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの両方のローラの回転速度を可変制御すると有利である。
さらにまた、本発明は、前記制御手段は前記第1搬送ローラの回転速度を一定とし、前記第2搬送ローラの回転速度を可変制御すると有利である。
【0018】
さらにまた、本発明は、前記制御手段は前記第2搬送ローラの回転速度を一定とし、前記第1搬送ローラの回転速度を可変制御すると有利である。
さらにまた、上記課題を解決するため、本発明は、請求項1ないし10の何れかに記載のシート搬送装置を用いて原稿を搬送することを特徴とする原稿読取装置を提案する。
【0019】
さらにまた、上記課題を解決するため、本発明は、請求項11に記載の原稿読取装置で読み取った画像を記録形成することを特徴とする画像形成装置を提案する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、紙種や搬送負荷等の搬送条件の違いに応じて第1搬送ローラ及び第2搬送ローラの回転速度を制御することによりスキューの発生を大幅に軽減することができる。さらに、このシート搬送装置を用いた原稿読取装置では安定した良質の原稿読取が得られ、その原稿読取装置を用いた画像形成装置では安定した良質の記録物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るシート搬送装置を備えた原稿読取装置の概略を示す全体図である。
【図2】その原稿読取装置の給送制御の構成を示すブロック図である。
【図3】その原稿読取装置の読取制御の構成を示すブロック図である。
【図4】シート搬送装置の構成を示す平面展開図である。
【図5】シート搬送装置の一部の構成を示す側面図である。
【図6】本発明に係るシート搬送装置の制御例を示すフローチャートである。
【図7】図6の制御の変形例を示すフローチャートである。
【図8】図6の制御の別の変形例を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るシート搬送装置の他の実施形態の制御例を示すフローチャートである。
【図10】図9の制御の変形例を示すフローチャートである。
【図11】図9の制御の別の変形例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係るシート搬送装置のさらに他の実施形態の制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係るシート搬送装置の一実施形態を示す図であって、本実施形態のシート搬送装置は被読取原稿を固定の読取装置部に搬送し所定の速度で搬送しながら画像読取を行う自動原稿給送装置装置(以下ADF)に装置に用いられているものである。ADFの基本的な構成、動作、作用を図1の装置概略図、及び図2及び図3の制御ブロック図を基に説明する。
【0023】
図1において、被読取原稿束をセットする原稿セット部A、セットされた原稿束から一枚毎原稿を分離して給送する分離給送部B、給送された原稿を一次突当整合する働きと、整合後の原稿を引き出し搬送する働きのレジスト部C、搬送される原稿をターンさせて、原稿面を読取り側(下方)に向けて搬送するターン部D、原稿の表面画像を、コンタクトガラスの下方より読取を行わせる第一読取搬送部E、読取後の原稿の裏面画像を読みとる第二読取搬送部F、表裏の読取が完了した原稿を機外に排出する排紙部G、読取完了後の原稿を積載保持するスタック部H、これら搬送動作の駆動を行う駆動部101〜105、113〜115、更に、一連の動作を制御するコントローラ部100、とから構成されている。
【0024】
読取を行う原稿束1をセットするのは、可動原稿テーブル3を含む原稿テーブル2上で、原稿面を上向きの状態でセットする。更に原稿束1の幅方向を図示しないサイドガイドによって搬送方向と直行する方向の位置決めを行う。原稿のセットはセットフィラー4、セットセンサ5により検知され、I/F107により本体制御部111に送信される。更に原稿テーブル面に設けられた原稿長さ検知センサ30ないし32により原稿の搬送方向長さの概略が判定される。なお、原稿長さ検知センサ30ないし32としては反射型センサ又は原稿1枚にても検知可能なアクチェーター・タイプのセンサが用いられ、さらに少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能となるようにセンサが配置されている。
【0025】
可動原稿テーブル3は底板上昇モータ105により図に示すa、b方向に上下動可能な構成になっていて、原稿がセットされた事を前記セットフィラー4、セットセンサ5により検知すると底板上昇モータ105を正転させて原稿束の最上面がピックアップローラ7と接触するように可動原稿テーブル3を上昇させる。
【0026】
ピックアップローラ7は、ピックアップモータ101によりカム機構で図に示すc、d方向に動作すると共に、可動テーブル3が上昇し可動テーブル3上の原稿上面により押されてc方向に上がりテーブル上昇検知センサ8により上限を検知可能となっている。本体操作部108よりプリントキーが押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ部100に原稿給紙信号が送信されると、ピックアップローラ7は給紙モータ102の正転によりコロが回転駆動し、原稿テーブル2上の数枚(理想的には1枚)の原稿をピックアップする。ピックアップローラ7の回転方向は、最上位の原稿を給紙口に搬送する図の時計方向である。
【0027】
給紙ベルト9は給紙モータ102の正転により給紙方向に駆動され、リバースローラ10は給紙モータ102の正転により給紙と逆方向に回転駆動され、最上位の原稿とその下の原稿を分離して、最上位の原稿のみを給紙できる構成となっている。さらに詳しく説明すると、リバースローラ10は給紙ベルト9と所定圧で接し、給紙ベルト9との直接接している時、又は原稿1枚を介して接している状態では給紙ベルト9の回転につられて反時計方向につれ回りし、原稿が万が一2枚以上給紙ベルト9とリバースローラ10の間に侵入した時は連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されており、リバースローラ10は本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをし、重送が防止される。
【0028】
給紙ベルト9とリバースローラ10との作用により1枚に分離された原稿は給紙ベルト9によって更に送られ、突き当てセンサ11によって先端が検知され更に進んで停止しているプルアウトローラ12に突き当たる。その後、突き当てセンサ11の検知から所定量定められた距離送られ、結果的には、プルアウトローラ12に所定量撓みを持って押し当てられた状態で給紙モータ102を停止させることにより、給紙ベルト9の駆動が停止する。この時、ピックアップモータ101を回転させることでピックアップローラ7を原稿上面から退避させ原稿を給紙ベルト9の搬送力のみで送ることにより、原稿先端は、プルアウトローラ12の上下ローラ対のニップに進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。
【0029】
プルアウトローラ12は、上記スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿を中間ローラ14まで搬送するためのローラで、給紙モータ102の逆転により駆動される。またこの時(給紙モータ102逆転時)、プルアウトローラ12と中間ローラ14は駆動されるが、ピックアップローラ7と給紙ベルト9は駆動されていない。
【0030】
原稿幅センサ13は奥行き方向に複数個並べられ、プルアウトローラ12により搬送された原稿の搬送方向に直行する幅方向のサイズを検知する。また、原稿の搬送方向の長さは原稿の先端後端を突き当てセンサ11で読取ることによりモータパルスから原稿の長さを検知する。
【0031】
プルアウトローラ12及び中間ローラ14の駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿が搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定して原稿を読取部へ送り込む処理時間の短縮が図られている。
【0032】
原稿先端が読取入口センサ15により検出されると、読取入口ローラ16の上下ローラ対のニップに原稿先端が進入前に、原稿読取速度を読取搬送速度と同速にする為に減速を開始すると同時に、読取モータ103を正転駆動して読取入口ローラ16、読取出口ローラ23、CIS出口ローラ27を駆動する。原稿の先端をレジストセンサ17にて検知すると、所定の搬送距離をかけて減速し、読取位置20の手前で一時停止すると共に、本体制御部111にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。続いて本体制御部111より読取り開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿は、読取位置に原稿先端が到達するまでに所定の搬送速度に立上るように増速されて搬送される。読取モータ103のパルスカウントにより検出された原稿先端が読取部に到達するタイミングで、本体制御部111に対して第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が、第1読取部を原稿後端が抜けるまで送信される。
【0033】
片面原稿読取りの場合には、読取搬送部Eを通過した原稿は第二読取り部を経て排紙部Gへ搬送される。この際、排紙センサ24により原稿の先端を検知すると、排紙モータ104を正転駆動して排紙ローラ28を反時計方向に回転させる。また、排紙センサ24による原稿の先端検知からの排紙モータパルスカウントにより、原稿後端が排紙ローラ28の上下ローラ対のニップから抜ける直前に排紙モータ駆動速度を減速させて、排紙トレイ29上に排出される原稿が飛び出さない様に制御される。
【0034】
両面原稿読取りの場合には、排紙センサ24にて原稿先端を検知してから読取モータ103のパルスカウントにより第2画像読取手段25に原稿先端が到達するタイミングで第2画像読取手段25に対してコントローラ部100から副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が読取部を原稿後端が抜けるまで送信される。第2読取ローラ26は第二読取部における原稿の浮きを抑えると同時に、第二読取部におけるシェーディングデータを取得する為の基準白部を兼ねるものである。
【0035】
このように構成されて動作するADFにおいて、ターン部Dにはターンガイド部40が設けられ、ターンガイド部40の搬送方向上流側のローラがプルアウトローラ12と中間ローラ14で、ターンガイド部40の搬送方向下流側のローラが読取入口ローラ16で構成されている。
【0036】
次に、本発明が解決しようとしているスキュー発生のメカニズムについて説明する。
図4において、原稿を搬送する際に、リバースローラ10が負荷となるため、プルアウトローラ12の回転速度、搬送力を中間ローラ14に対して大きく設定されている。そして、原稿を端面基準でセットするADFではプルアウトローラ12のローラ部位12aが原稿幅方向の中央に対して非対称に配置されたおり、このため搬送力のバランスが崩れてモーメントが発生し、スキューが発生し易い。なお、かかるスキューは端面基準でなく中央基準のADFであっても、ユーザーが原稿を適切にセットしなかった場合や幅サイズが異なる原稿を混載した場合には同じような状況となり得る。
【0037】
さらに、図5に示すように、原稿先端が中間ローラ14を抜けてターンガイド部40に接触した場合、ターンガイド部40で曲げられた原稿がその剛性に応じて元の平らな状態に戻ろうとする力を発揮するため、搬送負荷が増大する。この搬送負荷の増大は、厚紙のような剛性の強い原稿ほど顕著に現れる。そして、前述したように回転速度と搬送力は中間ローラ14に対してプルアウトローラ12の方が大きいことから、増大した負荷に対して中間ローラ14では搬送力不足によりスリップ率が増加し、原稿の搬送速度は低下するが、搬送力の大きいプルアウトローラ12はほとんどスリップせずに原稿を中間ローラに対し押し込むことになる。
【0038】
本実施形態のADFでは、プルアウトローラ12のローラ部位が奥寄りに配置されているため、奥側ではプルアウトローラ12が原稿を中間ローラ14に押し込む形となり、スリップの影響による搬送速度の低下は少ないが、手前側では、原稿がプルアウトローラ12に押される力が奥側より弱いのでスリップの影響による原稿搬送速度の低下が大きくなる。よって中間ローラ14より下流では、奥先行の大きなスキューを起こした状態で原稿が搬送されていく。
【0039】
以上のことから厚紙のような剛性の強い原稿を搬送する場合に、スキューした状態で搬送される現象が顕著に現れる。
どこで、本発明ではかかるスキューの発生を抑えるべく次のように措置を講じている。
【0040】
まず、図1のADFの構成において、分離給送部Bとプルアウトローラ12の間に、原稿の厚さを検知する手段として厚検知センサS1を加えている。モータが所望の回転速度に達するまでの時間等を考慮すると、原稿の厚さの情報は出来るだけ早い段階で検知したいため、本実施形態では原稿を分離した直後に厚検知センサS1を配置している。厚検知センサS1は原稿の厚さを検知した後に中間ローラ14あるいはプルアウトローラ12の回転速度を調整可能であれば、他の場所でも良いが、原稿先端が中間ローラ14あるいはプルアウトローラ12のうち、回転速度を調整するローラよりは上流に配置されていることが望ましい。また、原稿の厚さを検知する厚検知手段としては、それ自体公知の超音波センサや微小変位センサなど用いた検知手段を採用することができる。
【0041】
図6は、本発明の制御動作を示したフローチャートである。なお、プルアウトローラ12と中間ローラ14によるシート搬送速度はプルアウトローラ12及び中間ローラ14のそれぞれの回転速度とそれぞれのローラ径が関係するが、本例の制御フローは図4,5の実施形態に準じて両者のローラ径が同寸となっており、回転速度の違いでシート搬送速度に差が生ずる例である。
【0042】
図6において、原稿セットセンサ5が原稿のセットを検知し(ステップP1)、本体制御部111からの原稿給紙信号を受信すると(ステップP2)、中間ローラ14の回転速度Vtを初期値Vt0、プルアウトローラ12の回転速度Vpを初期値Vp0に設定される(ステップP3)。なお、分離負荷によるプルアウトローラの原稿搬送速度の減速を考慮し、Vt0≦Vp0とする。原稿の給紙が開始され、原稿が1枚に分離され搬送され(ステップP4)、厚検知センサS1に原稿先端が到達すると、搬送されてきた原稿の厚み(紙厚t)が検知され(ステップP5)、その情報がCPUに送られる。
【0043】
次に、搬送されてきた原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いか否かが判断され(ステップP6)、原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚い場合は原稿が厚紙であると判断される。そして、その情報を元に中間ローラ14の回転速度VtをVt1、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp1に設定する(ステップP7)。
【0044】
また、搬送されてきた原稿の紙厚tがt1よりも薄いときには、原稿の紙厚tが所定の紙厚t2よりも厚いか否かが判断され(ステップP8)、所定の紙厚t2よりも厚い場合は普通紙と判断され、その情報を元に中間ローラ14の回転速度VtをVt2、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp2に設定する(ステップP9)。上記ステップP8で搬送されてきた原稿の紙厚tが所定の紙厚t2よりも薄い場合は原稿が薄紙であると判断され(ステップP10)、その情報を元に、中間ローラ14の回転速度VtをVt3、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp3に設定する。ただし、紙厚の所定値はt1>t2、中間ローラ14の回転速度の所定値は、Vt1>Vt2>Vt3、プルアウトローラ12の回転速度の所定値は、Vp1<Vp2<Vp3であるものとする。また、厚紙の場合の中間ローラ14の回転速度Vt1と、プルアウトローラ12の回転速度Vp1との関係はVt1≧Vp1とし、薄紙の場合それはVt3≦Vp3とする。このような回転速度の設定にしている理由として、スキューを発生させないためには中間ローラ14とプルアウトローラ12の原稿搬送速度は同等になることが望ましいが、中間ローラ14ではスリップが生じ原稿の搬送速度が減速するためである。薄紙の場合には、中間ローラ14でのスリップはほとんど生じず、分離部の負荷が影響しプルアウトローラ12の原稿搬送速度の減速につながるためである。
【0045】
そして、設定されたローラの回転速度で原稿がターンガイド部40を搬送されていき、原稿の先端が読取部手前のニップインセンサ15に到達したら(ステップP11)、中間ローラ14とプルアウトローラ12の回転速度を原稿の読取速度と同じVsに変更して(ステップP12)、原稿の読取り動作が行われる(ステップP13)。ここでは、原稿をより高速に搬送することを想定し、読取動作前に読取入口ローラ16にて、突き当てスキュー補正を実施しない例を示したが、前記の制御によるスキュー防止と突き当てスキュー補正を組み合わせることで、より信頼性の高い(スキューの無い)搬送が可能になる。このように、原稿の種類や搬送状況に応じてプルアウトローラ12の回転速度と中間ローラ14の回転速度を、両ローラの原稿搬送速度が等速になるように制御することでスキューの発生を大幅に軽減することができる。
【0046】
ところで、スキューの発生はプルアウトローラ12のローラ部位12aの幅方向中央に対する非対称の配置によるものであるが、この非対称による影響は原稿の幅によって程度が異なる。
そこで、本発明は図7に示すフローチャートのように制御することができる。
【0047】
図7において、本図のステップP1〜P6,P11〜P13は図6のステップP1〜P6,P11〜P13と同じであるので、その説明を省略する。
ステップ6で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いと、幅サイズセンサ13にて原稿の幅wを検知し(ステップP7A)、その原稿幅wが所定の幅w1より小さいかが判断される(ステップP8A)。なお、所定の幅w1はプルアウトローラ12のローラ部位12aの幅方向中央に対する非対称配置形態に応じて適宜設定される。本制御では、プルアウトローラ12の回転速度を固定し、中間ローラ14を可変に設定しているので、原稿幅wが所定の幅w1より小さいと、非対称配置の影響を受けるとして中間ローラ14の回転速度VtをVt1に設定する(ステップP9A)。そして、原稿幅wが所定の幅w1より大きい場合には、非対称配置の影響が緩和されるので中間ローラ14の回転速度VtをVt2に設定する(ステップP9B)。ステップP6で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも薄い場合はプルアウトローラ12の影響をほぼ受けないので、原稿幅に関係なく中間ローラ14の回転速度VtをVt3に設定する(ステップP10A)。
【0048】
なお、本制御ではプルアウトローラ12を固定、中間ローラ14の回転速度を可変に設定しており、このように設定すると、かかる制御に対して回転速度の制御が必要なローラが減り、制御が容易になることや、厚検知センサS1の配置場所から上流側のプルアウトローラ12の回転速度を調整する必要が無いため、両方のローラの速度を制御する場合に比べて厚検知センサS1の配置場所をより下流側に設定することも可能となる。また、ローラの回転速度を所望の値に変更するためには、モータの立ち上がり時間等を考慮する必要があるため、厚検知センサS1と制御したいローラの位置をある程度離して配置可能なこの制御の方が有利である。
【0049】
ところで、腰の強い原稿のスキューは原稿先端がターンガイド部40に突き当ったとき発生するが、この時点で原稿が長尺でサイドフェンスの規制を受けていると、スキューの発生が軽減される。
【0050】
そこで、本発明は図8に示すフローチャートのように制御することができる。
図8において、本図のステップP1〜P6,P11〜P13は図6のステップP1〜P6,P11〜P13と同じであるので、その説明を省略するが、本例ではステップP1とステップP2の間において原稿長さセンサ30,31,32で長さlを検知している(ステップP1A)。
【0051】
図8のステップP6で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いと、原稿の長さlがl1より長いかが判断される(ステップP7B)。このときの上記所定の長さl1は、原稿の先端がターンガイド部40に突き当ったときにサイドフェンスの規制を受けている長さに応じて適宜設定される。本制御では、プルアウトローラ12の回転速度を可変し、中間ローラ14の回転速度を固定に設定しているので、ステップP7Bで原稿長さlが所定の長さl1より短いと判断されると、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp1に設定する(ステップP8B)。そして、原稿長さlが所定の長さl1より長いと判断されると、原稿がサイドフェンスによってスキューされにくくなるので、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp2に設定する(ステップP9C)。また、ステップ6で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも薄い場合はプルアウトローラ12の影響がほぼ受けないので、原稿長さlに関係なく、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp3に設定する(ステップP10B)。
【0052】
その後は、上記図6の制御と同様の読取り動作が行われる。なお、本制御ではプルアウトローラ12を可変、中間ローラ14を固定に設定しており、このように設定すると、かかる制御に対して回転速度の制御が必要なローラが減り、制御が容易になる。
【0053】
ところで、上記した実施形態では原稿の厚みを厚みセンサS1で検知し、それに基づいて制御しているが、セットする原稿が厚いか否かはユーザが当然認識することができるので、ユーザが本体機器の操作パネル(図示せず)から入力した紙厚情報から制御するようにしてもよく、その制御例を図9ないし図12に示す。なお、ユーザが入力する紙厚情報方法としては厚紙及び薄紙のときのみ入力し、何も入力しないと通常最も多いと思われる普通紙として設定されるもの等が好ましい。
【0054】
図9は上記実施形態の図6の制御にほぼ対応しているもので、原稿セットセンサ5が原稿のセットを検知し(ステップQ1)、本体制御部111からの紙種情報としての厚紙情報と原稿給紙信号を受信すると(ステップQ2、ステップQ3)、搬送する原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いか否かが判断される(ステップQ4)。原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚い厚紙であると、その情報を元に中間ローラ14の回転速度VtをVt1、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp1に設定する(ステップQ5)。
【0055】
また、搬送されてきた原稿の紙厚tがt1よりも薄いときには、原稿の紙厚tが所定の紙厚t2よりも厚いか否かが判断され(ステップQ6)、これによって原稿が普通紙か薄紙かが判断される。原稿が普通紙であれば中間ローラ14の回転速度VtをVt2、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp2に設定し(ステップQ7)、薄紙であれば、中間ローラ14の回転速度VtをVt3、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp3に設定する。ただし、紙厚の所定値はt1>t2、中間ローラ14の回転速度の所定値は、Vt1>Vt2>Vt3、プルアウトローラ12の回転速度の所定値は、上記と同様にVp1<Vp2<Vp3であるものとし、また厚紙の場合の中間ローラ14の回転速度Vt1と、プルアウトローラ12の回転速度Vp1との関係はVt1≧Vp1とし、薄紙の場合それはVt3≦Vp3としている。
【0056】
そして、設定されると、原稿の給紙、分離、搬送が実行され(ステップQ9)、その後のステップQ10〜Q12は図6のステップP11〜P13と同様である。
図10は、上記実施形態の図7の制御にほぼ対応し、かつ、本図のステップQ1〜Q4,Q9〜Q12は図9のステップQ1〜Q4,Q9〜Q12とほぼ同じであるので、その説明を省略する。
【0057】
ステップQ4で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いと、幅サイズセンサ13にて原稿の幅wを検知し(ステップQ5)、その原稿幅wが所定の幅w1より小さいかが判断される(ステップQ6)。本制御では、プルアウトローラ12の回転速度を固定し、中間ローラ14を可変に設定しているので、原稿幅wが所定の幅w1より小さいと、非対称配置の影響を受けるとして中間ローラ14の回転速度VtをVt1に設定する(ステップQ7A)。そして、原稿幅wが所定の幅w1より大きい場合には、非対称配置の影響が緩和されるので中間ローラ14の回転速度VtをVt2に設定する(ステップQ7B)。ステップ4で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも薄い場合はプルアウトローラ12の影響がほぼ受けないので、中間ローラ14の回転速度VtをVt3に設定する(ステップQ8A)。
【0058】
なお、ステップ5の幅サイズセンサ13にて原稿の幅wを検知は、ステップQ2の紙種情報としての厚紙情報と一緒に受け取れるようにすれば、省略することができる。また、本制御では図7の制御と同様に、プルアウトローラ12を固定、中間ローラ14の回転速度を可変に設定しており、このように設定すると、かかる制御に対して回転速度の制御が必要なローラが減り、制御が容易になる。
【0059】
図11は、上記実施形態の図8の制御にほぼ対応し、かつ、本図のステップQ1〜Q4,Q9〜Q12は図9のステップQ1〜Q4,Q9〜Q12とほぼ同じであるが、ステップQ2は紙種情報としての厚紙情報だけでなく、長さ情報も受信するように構成している。
【0060】
ステップQ4で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いと、原稿の長さlがl1より長いかが判断され(ステップQ5A)、その原稿長さlが所定の長さl1より短いと、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp1に設定する(ステップQ6B)。そして、原稿長さlが所定の長さl1より長いと、原稿がサイドフェンスによってスキューされにくくなるので、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp2に設定する(ステップQ7C)。ステップ4で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも薄い場合はプルアウトローラ12の影響がほぼ受けないので、原稿長さlに関係なく、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp3に設定する(ステップQ8B)。
【0061】
なお、本制御ではプルアウトローラ12を可変、中間ローラ14を固定に設定しており、このように設定すると、かかる制御に対して回転速度の制御が必要なローラが減り、制御が容易になる。
このように、本実施形態(図9〜図11)では厚みセンサS1を用いない制御について説明したが、本発明は厚みセンサS1とユーザによる紙種情報の入力とを併用することも可能である。例えば、ユーザの入力情報がない場合は厚みセンサS1が検知した情報で制御し、ユーザの入力があった場合はその紙種情報を優先し制御するようにしてもよい。
【0062】
図12は、本発明のさらに別の実施形態を示す制御フローである。
図12において、原稿セットセンサ5が原稿のセットを検知すると(ステップR1)、本体制御部111では紙種情報である、厚紙情報、原稿幅情報、原稿長さ情報から予め設定されたプルアウトローラ12と中間ローラ14の回転速度を受信する(ステップR2)。すなわち、原稿の厚紙情報、幅情報、長さ情報からスキューが生じにくい最適なプルアウトローラ12と中間ローラ14の回転速度を受信する。
【0063】
そして、原稿給紙信号を受信すると(ステップR3)、プルアウトローラ12と中間ローラ14の回転速度が給紙する原稿に適した回転速度Vtu、Vpuに設定される(ステップR4)。その後、ステップR5〜R8図9のステップQ9〜Q12と同様に制御される。
【0064】
なお、本例では本体から中間ローラ14、プルアウトローラ12の回転速度を直接実際の値Vtu、Vpuで指定しているが、より間接的な方法でも実施可能である。例えば、本体が送信するインデックス「1,2,3,・・・」に対応し、ADFが対応する線速のテーブル「(Vt1,Vp1),(Vt2,Vp2),(Vt3,Vp3)・・・」のようなものであっても良い。
【0065】
上記した実施形態では、紙厚が腰(剛性)の強さと比例するものとして制御しているが、例えばコート紙からなる原稿のように厚みに比べて腰が強いものがある。このような特殊な原稿の場合、ユーザが操作パネルからその旨の情報を入力することで、その原稿に適した搬送作用が得られる。
【符号の説明】
【0066】
11 突き当てセンサー
12プルアウトローラ
13 原稿幅センサ
14 中間ローラ
30,31,32 原稿長さセンサ
40 ターンガイド部
S1 厚検知センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特許第3964121号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置及び該シート搬送装置及び原稿読取装置並びに画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記形式のシート搬送装置はよく知られており、例えばスキャナ、さらには複写機やファクシミリ等の画像形成装置に搭載される原稿読取装置に用いられている。この種の原稿読取装置においては、原稿を搬送しながら位置固定の読取部で読み取るシートスルータイプのものがあり、このシートスルータイプの原稿送り装置は原稿を搬送しながら画像を読み取る機構のため、いったん原稿を止めて本体のスキャナが移動することで原稿を読み込むタイプ(ベルト式)に比べて生産性を高くできることが特徴のひとつである。そして、作業の効率化が求められている今日においては、生産性の向上、すなわち、原稿読取速度の高速化に対する需要は益々増加している。
【0003】
かかるシートスルータイプの原稿送り装置においては、ズレの無い画像を読み込むことが必要であり、そのためには原稿を傾けることなく搬送することが要求される。しかしながら、搬送する原稿の幅方向中央に対してローラの配置が非対称になる場合、例えば、特定サイズの原稿を端面基準でセットする場合や複数サイズの原稿を混載する場合には、主走査方向に対して搬送力に偏りが生じ、原稿曲がり(以降、スキューとよぶ)が発生してしまい、曲がりのない画像を読み込むことに対しての課題となっていた。
【0004】
これらの課題に対して、分離部の下流で、かつ、ターンガイド部の上流にあるプルアウトローラ対を突き当てローラとして、これに原稿先端の突き当てて撓ませスキューを補正し、その際その撓み量を調整する方法が既に知られている。
【0005】
かかる装置では、スキュー補正した原稿をプルアウトローラから中間ローラへ搬送し、原稿をプルアウトローラと中間ローラの搬送力でターンガイド部へ搬送し、反転搬送してから読取処理するようにしている。しかし、このようなスキュー補正方法では補正した原稿が中間ローラを抜けてターンガイド部に接触したとき、ターン部での曲げに対して原稿がその剛性に応じて元の状態に戻ろうとする力を発揮するため、搬送負荷が増大する。この搬送負荷の増大は、厚紙のような剛性の強い原稿ほど顕著に現れることから増大した負荷に対して中間ローラでは搬送力が不足気味となりスリップ率が増加し、搬送力が大きいプルアウトローラの力で原稿を中間ローラに対し押し込むことになる。
【0006】
このとき、プルアウトローラの搬送力が幅方向において不均一であると、原稿がプルアウトローラに強く押される側が先行するようなスキューを起こした状態で原稿が搬送されてしまう。
以上のことから厚紙のような剛性の強い原稿を搬送する場合に、スキューした状態で搬送される現象が顕著に現れてしまう。
【0007】
そこで、特許文献1には信頼性の高いスキュー補正を行う目的で、上流側のプルアウトローラへの突き当てによるスキュー補正だけでなく、プルアウトローラの線速を下流側の中間ローラの線速に対して速くし、中間ローラ対のニップ部に突き当て撓ませることによってスキュー補正を行い、突き当て後プルアウトローラの線速を減速するとともに、原稿の種別に応じてその撓み量を調整するという制御方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1のスキュー補正手段ではターンガイド部での影響が考慮されておらず、原稿の幅方向中央に対してローラの配置が非対称になる場合には、大きなスキューが発生し、その状態で原稿先端が中間ローラに押し込まれ、突き抜けるため、突き当てによるスキュー補正が十分に行い得ないという問題が解消できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、搬送するシートの厚さの大小によるターン部の影響を軽減し、スキュー補正したシートを安定して搬送することができるシート搬送装置及び原稿読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置において、前記搬送経路に配置され、シートの紙種を検知する検知手段と、該検知手段で検知されたシートの紙種に応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラにおける少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段とを有し、該制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラによるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置を提案する。
【0011】
なお、本発明は、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段を備えており、該厚検知手段が検知したシート厚に応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0012】
さらに、本発明は、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段と、シートの幅を検知する幅検知手段とを備えており、該厚検知手段が検知したシート厚及び幅検知手段が検知したシート幅に応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0013】
さらにまた、本発明は、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段と、シートの搬送方向の長さを検知する長さ検知手段とを備えており、該厚検知手段が検知したシート厚及び長さ検知手段が検知したシート長さに応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0014】
また、上記課題を解決するため、本発明は、シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置において、シートの紙種を指定する紙種指定手段と、該紙種指定手段で指定されたシートの紙種に応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラにおける少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段とを有し、該制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラによるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置を提案する。
【0015】
なお、本発明は、前記紙種指定手段がシートの剛性の強さに関する情報を指定し、前記制御手段が指定されたシートの剛性の強さに応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0016】
さらに、本発明は、前記紙種指定手段がシートの厚さの情報を指定し、前記制御手段がシートの厚さ情報から剛性の強さを判断して前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御すると有利である。
【0017】
さらにまた、本発明は、前記制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの両方のローラの回転速度を可変制御すると有利である。
さらにまた、本発明は、前記制御手段は前記第1搬送ローラの回転速度を一定とし、前記第2搬送ローラの回転速度を可変制御すると有利である。
【0018】
さらにまた、本発明は、前記制御手段は前記第2搬送ローラの回転速度を一定とし、前記第1搬送ローラの回転速度を可変制御すると有利である。
さらにまた、上記課題を解決するため、本発明は、請求項1ないし10の何れかに記載のシート搬送装置を用いて原稿を搬送することを特徴とする原稿読取装置を提案する。
【0019】
さらにまた、上記課題を解決するため、本発明は、請求項11に記載の原稿読取装置で読み取った画像を記録形成することを特徴とする画像形成装置を提案する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、紙種や搬送負荷等の搬送条件の違いに応じて第1搬送ローラ及び第2搬送ローラの回転速度を制御することによりスキューの発生を大幅に軽減することができる。さらに、このシート搬送装置を用いた原稿読取装置では安定した良質の原稿読取が得られ、その原稿読取装置を用いた画像形成装置では安定した良質の記録物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るシート搬送装置を備えた原稿読取装置の概略を示す全体図である。
【図2】その原稿読取装置の給送制御の構成を示すブロック図である。
【図3】その原稿読取装置の読取制御の構成を示すブロック図である。
【図4】シート搬送装置の構成を示す平面展開図である。
【図5】シート搬送装置の一部の構成を示す側面図である。
【図6】本発明に係るシート搬送装置の制御例を示すフローチャートである。
【図7】図6の制御の変形例を示すフローチャートである。
【図8】図6の制御の別の変形例を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るシート搬送装置の他の実施形態の制御例を示すフローチャートである。
【図10】図9の制御の変形例を示すフローチャートである。
【図11】図9の制御の別の変形例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係るシート搬送装置のさらに他の実施形態の制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係るシート搬送装置の一実施形態を示す図であって、本実施形態のシート搬送装置は被読取原稿を固定の読取装置部に搬送し所定の速度で搬送しながら画像読取を行う自動原稿給送装置装置(以下ADF)に装置に用いられているものである。ADFの基本的な構成、動作、作用を図1の装置概略図、及び図2及び図3の制御ブロック図を基に説明する。
【0023】
図1において、被読取原稿束をセットする原稿セット部A、セットされた原稿束から一枚毎原稿を分離して給送する分離給送部B、給送された原稿を一次突当整合する働きと、整合後の原稿を引き出し搬送する働きのレジスト部C、搬送される原稿をターンさせて、原稿面を読取り側(下方)に向けて搬送するターン部D、原稿の表面画像を、コンタクトガラスの下方より読取を行わせる第一読取搬送部E、読取後の原稿の裏面画像を読みとる第二読取搬送部F、表裏の読取が完了した原稿を機外に排出する排紙部G、読取完了後の原稿を積載保持するスタック部H、これら搬送動作の駆動を行う駆動部101〜105、113〜115、更に、一連の動作を制御するコントローラ部100、とから構成されている。
【0024】
読取を行う原稿束1をセットするのは、可動原稿テーブル3を含む原稿テーブル2上で、原稿面を上向きの状態でセットする。更に原稿束1の幅方向を図示しないサイドガイドによって搬送方向と直行する方向の位置決めを行う。原稿のセットはセットフィラー4、セットセンサ5により検知され、I/F107により本体制御部111に送信される。更に原稿テーブル面に設けられた原稿長さ検知センサ30ないし32により原稿の搬送方向長さの概略が判定される。なお、原稿長さ検知センサ30ないし32としては反射型センサ又は原稿1枚にても検知可能なアクチェーター・タイプのセンサが用いられ、さらに少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能となるようにセンサが配置されている。
【0025】
可動原稿テーブル3は底板上昇モータ105により図に示すa、b方向に上下動可能な構成になっていて、原稿がセットされた事を前記セットフィラー4、セットセンサ5により検知すると底板上昇モータ105を正転させて原稿束の最上面がピックアップローラ7と接触するように可動原稿テーブル3を上昇させる。
【0026】
ピックアップローラ7は、ピックアップモータ101によりカム機構で図に示すc、d方向に動作すると共に、可動テーブル3が上昇し可動テーブル3上の原稿上面により押されてc方向に上がりテーブル上昇検知センサ8により上限を検知可能となっている。本体操作部108よりプリントキーが押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ部100に原稿給紙信号が送信されると、ピックアップローラ7は給紙モータ102の正転によりコロが回転駆動し、原稿テーブル2上の数枚(理想的には1枚)の原稿をピックアップする。ピックアップローラ7の回転方向は、最上位の原稿を給紙口に搬送する図の時計方向である。
【0027】
給紙ベルト9は給紙モータ102の正転により給紙方向に駆動され、リバースローラ10は給紙モータ102の正転により給紙と逆方向に回転駆動され、最上位の原稿とその下の原稿を分離して、最上位の原稿のみを給紙できる構成となっている。さらに詳しく説明すると、リバースローラ10は給紙ベルト9と所定圧で接し、給紙ベルト9との直接接している時、又は原稿1枚を介して接している状態では給紙ベルト9の回転につられて反時計方向につれ回りし、原稿が万が一2枚以上給紙ベルト9とリバースローラ10の間に侵入した時は連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されており、リバースローラ10は本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをし、重送が防止される。
【0028】
給紙ベルト9とリバースローラ10との作用により1枚に分離された原稿は給紙ベルト9によって更に送られ、突き当てセンサ11によって先端が検知され更に進んで停止しているプルアウトローラ12に突き当たる。その後、突き当てセンサ11の検知から所定量定められた距離送られ、結果的には、プルアウトローラ12に所定量撓みを持って押し当てられた状態で給紙モータ102を停止させることにより、給紙ベルト9の駆動が停止する。この時、ピックアップモータ101を回転させることでピックアップローラ7を原稿上面から退避させ原稿を給紙ベルト9の搬送力のみで送ることにより、原稿先端は、プルアウトローラ12の上下ローラ対のニップに進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。
【0029】
プルアウトローラ12は、上記スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿を中間ローラ14まで搬送するためのローラで、給紙モータ102の逆転により駆動される。またこの時(給紙モータ102逆転時)、プルアウトローラ12と中間ローラ14は駆動されるが、ピックアップローラ7と給紙ベルト9は駆動されていない。
【0030】
原稿幅センサ13は奥行き方向に複数個並べられ、プルアウトローラ12により搬送された原稿の搬送方向に直行する幅方向のサイズを検知する。また、原稿の搬送方向の長さは原稿の先端後端を突き当てセンサ11で読取ることによりモータパルスから原稿の長さを検知する。
【0031】
プルアウトローラ12及び中間ローラ14の駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿が搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定して原稿を読取部へ送り込む処理時間の短縮が図られている。
【0032】
原稿先端が読取入口センサ15により検出されると、読取入口ローラ16の上下ローラ対のニップに原稿先端が進入前に、原稿読取速度を読取搬送速度と同速にする為に減速を開始すると同時に、読取モータ103を正転駆動して読取入口ローラ16、読取出口ローラ23、CIS出口ローラ27を駆動する。原稿の先端をレジストセンサ17にて検知すると、所定の搬送距離をかけて減速し、読取位置20の手前で一時停止すると共に、本体制御部111にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。続いて本体制御部111より読取り開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿は、読取位置に原稿先端が到達するまでに所定の搬送速度に立上るように増速されて搬送される。読取モータ103のパルスカウントにより検出された原稿先端が読取部に到達するタイミングで、本体制御部111に対して第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が、第1読取部を原稿後端が抜けるまで送信される。
【0033】
片面原稿読取りの場合には、読取搬送部Eを通過した原稿は第二読取り部を経て排紙部Gへ搬送される。この際、排紙センサ24により原稿の先端を検知すると、排紙モータ104を正転駆動して排紙ローラ28を反時計方向に回転させる。また、排紙センサ24による原稿の先端検知からの排紙モータパルスカウントにより、原稿後端が排紙ローラ28の上下ローラ対のニップから抜ける直前に排紙モータ駆動速度を減速させて、排紙トレイ29上に排出される原稿が飛び出さない様に制御される。
【0034】
両面原稿読取りの場合には、排紙センサ24にて原稿先端を検知してから読取モータ103のパルスカウントにより第2画像読取手段25に原稿先端が到達するタイミングで第2画像読取手段25に対してコントローラ部100から副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が読取部を原稿後端が抜けるまで送信される。第2読取ローラ26は第二読取部における原稿の浮きを抑えると同時に、第二読取部におけるシェーディングデータを取得する為の基準白部を兼ねるものである。
【0035】
このように構成されて動作するADFにおいて、ターン部Dにはターンガイド部40が設けられ、ターンガイド部40の搬送方向上流側のローラがプルアウトローラ12と中間ローラ14で、ターンガイド部40の搬送方向下流側のローラが読取入口ローラ16で構成されている。
【0036】
次に、本発明が解決しようとしているスキュー発生のメカニズムについて説明する。
図4において、原稿を搬送する際に、リバースローラ10が負荷となるため、プルアウトローラ12の回転速度、搬送力を中間ローラ14に対して大きく設定されている。そして、原稿を端面基準でセットするADFではプルアウトローラ12のローラ部位12aが原稿幅方向の中央に対して非対称に配置されたおり、このため搬送力のバランスが崩れてモーメントが発生し、スキューが発生し易い。なお、かかるスキューは端面基準でなく中央基準のADFであっても、ユーザーが原稿を適切にセットしなかった場合や幅サイズが異なる原稿を混載した場合には同じような状況となり得る。
【0037】
さらに、図5に示すように、原稿先端が中間ローラ14を抜けてターンガイド部40に接触した場合、ターンガイド部40で曲げられた原稿がその剛性に応じて元の平らな状態に戻ろうとする力を発揮するため、搬送負荷が増大する。この搬送負荷の増大は、厚紙のような剛性の強い原稿ほど顕著に現れる。そして、前述したように回転速度と搬送力は中間ローラ14に対してプルアウトローラ12の方が大きいことから、増大した負荷に対して中間ローラ14では搬送力不足によりスリップ率が増加し、原稿の搬送速度は低下するが、搬送力の大きいプルアウトローラ12はほとんどスリップせずに原稿を中間ローラに対し押し込むことになる。
【0038】
本実施形態のADFでは、プルアウトローラ12のローラ部位が奥寄りに配置されているため、奥側ではプルアウトローラ12が原稿を中間ローラ14に押し込む形となり、スリップの影響による搬送速度の低下は少ないが、手前側では、原稿がプルアウトローラ12に押される力が奥側より弱いのでスリップの影響による原稿搬送速度の低下が大きくなる。よって中間ローラ14より下流では、奥先行の大きなスキューを起こした状態で原稿が搬送されていく。
【0039】
以上のことから厚紙のような剛性の強い原稿を搬送する場合に、スキューした状態で搬送される現象が顕著に現れる。
どこで、本発明ではかかるスキューの発生を抑えるべく次のように措置を講じている。
【0040】
まず、図1のADFの構成において、分離給送部Bとプルアウトローラ12の間に、原稿の厚さを検知する手段として厚検知センサS1を加えている。モータが所望の回転速度に達するまでの時間等を考慮すると、原稿の厚さの情報は出来るだけ早い段階で検知したいため、本実施形態では原稿を分離した直後に厚検知センサS1を配置している。厚検知センサS1は原稿の厚さを検知した後に中間ローラ14あるいはプルアウトローラ12の回転速度を調整可能であれば、他の場所でも良いが、原稿先端が中間ローラ14あるいはプルアウトローラ12のうち、回転速度を調整するローラよりは上流に配置されていることが望ましい。また、原稿の厚さを検知する厚検知手段としては、それ自体公知の超音波センサや微小変位センサなど用いた検知手段を採用することができる。
【0041】
図6は、本発明の制御動作を示したフローチャートである。なお、プルアウトローラ12と中間ローラ14によるシート搬送速度はプルアウトローラ12及び中間ローラ14のそれぞれの回転速度とそれぞれのローラ径が関係するが、本例の制御フローは図4,5の実施形態に準じて両者のローラ径が同寸となっており、回転速度の違いでシート搬送速度に差が生ずる例である。
【0042】
図6において、原稿セットセンサ5が原稿のセットを検知し(ステップP1)、本体制御部111からの原稿給紙信号を受信すると(ステップP2)、中間ローラ14の回転速度Vtを初期値Vt0、プルアウトローラ12の回転速度Vpを初期値Vp0に設定される(ステップP3)。なお、分離負荷によるプルアウトローラの原稿搬送速度の減速を考慮し、Vt0≦Vp0とする。原稿の給紙が開始され、原稿が1枚に分離され搬送され(ステップP4)、厚検知センサS1に原稿先端が到達すると、搬送されてきた原稿の厚み(紙厚t)が検知され(ステップP5)、その情報がCPUに送られる。
【0043】
次に、搬送されてきた原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いか否かが判断され(ステップP6)、原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚い場合は原稿が厚紙であると判断される。そして、その情報を元に中間ローラ14の回転速度VtをVt1、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp1に設定する(ステップP7)。
【0044】
また、搬送されてきた原稿の紙厚tがt1よりも薄いときには、原稿の紙厚tが所定の紙厚t2よりも厚いか否かが判断され(ステップP8)、所定の紙厚t2よりも厚い場合は普通紙と判断され、その情報を元に中間ローラ14の回転速度VtをVt2、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp2に設定する(ステップP9)。上記ステップP8で搬送されてきた原稿の紙厚tが所定の紙厚t2よりも薄い場合は原稿が薄紙であると判断され(ステップP10)、その情報を元に、中間ローラ14の回転速度VtをVt3、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp3に設定する。ただし、紙厚の所定値はt1>t2、中間ローラ14の回転速度の所定値は、Vt1>Vt2>Vt3、プルアウトローラ12の回転速度の所定値は、Vp1<Vp2<Vp3であるものとする。また、厚紙の場合の中間ローラ14の回転速度Vt1と、プルアウトローラ12の回転速度Vp1との関係はVt1≧Vp1とし、薄紙の場合それはVt3≦Vp3とする。このような回転速度の設定にしている理由として、スキューを発生させないためには中間ローラ14とプルアウトローラ12の原稿搬送速度は同等になることが望ましいが、中間ローラ14ではスリップが生じ原稿の搬送速度が減速するためである。薄紙の場合には、中間ローラ14でのスリップはほとんど生じず、分離部の負荷が影響しプルアウトローラ12の原稿搬送速度の減速につながるためである。
【0045】
そして、設定されたローラの回転速度で原稿がターンガイド部40を搬送されていき、原稿の先端が読取部手前のニップインセンサ15に到達したら(ステップP11)、中間ローラ14とプルアウトローラ12の回転速度を原稿の読取速度と同じVsに変更して(ステップP12)、原稿の読取り動作が行われる(ステップP13)。ここでは、原稿をより高速に搬送することを想定し、読取動作前に読取入口ローラ16にて、突き当てスキュー補正を実施しない例を示したが、前記の制御によるスキュー防止と突き当てスキュー補正を組み合わせることで、より信頼性の高い(スキューの無い)搬送が可能になる。このように、原稿の種類や搬送状況に応じてプルアウトローラ12の回転速度と中間ローラ14の回転速度を、両ローラの原稿搬送速度が等速になるように制御することでスキューの発生を大幅に軽減することができる。
【0046】
ところで、スキューの発生はプルアウトローラ12のローラ部位12aの幅方向中央に対する非対称の配置によるものであるが、この非対称による影響は原稿の幅によって程度が異なる。
そこで、本発明は図7に示すフローチャートのように制御することができる。
【0047】
図7において、本図のステップP1〜P6,P11〜P13は図6のステップP1〜P6,P11〜P13と同じであるので、その説明を省略する。
ステップ6で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いと、幅サイズセンサ13にて原稿の幅wを検知し(ステップP7A)、その原稿幅wが所定の幅w1より小さいかが判断される(ステップP8A)。なお、所定の幅w1はプルアウトローラ12のローラ部位12aの幅方向中央に対する非対称配置形態に応じて適宜設定される。本制御では、プルアウトローラ12の回転速度を固定し、中間ローラ14を可変に設定しているので、原稿幅wが所定の幅w1より小さいと、非対称配置の影響を受けるとして中間ローラ14の回転速度VtをVt1に設定する(ステップP9A)。そして、原稿幅wが所定の幅w1より大きい場合には、非対称配置の影響が緩和されるので中間ローラ14の回転速度VtをVt2に設定する(ステップP9B)。ステップP6で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも薄い場合はプルアウトローラ12の影響をほぼ受けないので、原稿幅に関係なく中間ローラ14の回転速度VtをVt3に設定する(ステップP10A)。
【0048】
なお、本制御ではプルアウトローラ12を固定、中間ローラ14の回転速度を可変に設定しており、このように設定すると、かかる制御に対して回転速度の制御が必要なローラが減り、制御が容易になることや、厚検知センサS1の配置場所から上流側のプルアウトローラ12の回転速度を調整する必要が無いため、両方のローラの速度を制御する場合に比べて厚検知センサS1の配置場所をより下流側に設定することも可能となる。また、ローラの回転速度を所望の値に変更するためには、モータの立ち上がり時間等を考慮する必要があるため、厚検知センサS1と制御したいローラの位置をある程度離して配置可能なこの制御の方が有利である。
【0049】
ところで、腰の強い原稿のスキューは原稿先端がターンガイド部40に突き当ったとき発生するが、この時点で原稿が長尺でサイドフェンスの規制を受けていると、スキューの発生が軽減される。
【0050】
そこで、本発明は図8に示すフローチャートのように制御することができる。
図8において、本図のステップP1〜P6,P11〜P13は図6のステップP1〜P6,P11〜P13と同じであるので、その説明を省略するが、本例ではステップP1とステップP2の間において原稿長さセンサ30,31,32で長さlを検知している(ステップP1A)。
【0051】
図8のステップP6で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いと、原稿の長さlがl1より長いかが判断される(ステップP7B)。このときの上記所定の長さl1は、原稿の先端がターンガイド部40に突き当ったときにサイドフェンスの規制を受けている長さに応じて適宜設定される。本制御では、プルアウトローラ12の回転速度を可変し、中間ローラ14の回転速度を固定に設定しているので、ステップP7Bで原稿長さlが所定の長さl1より短いと判断されると、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp1に設定する(ステップP8B)。そして、原稿長さlが所定の長さl1より長いと判断されると、原稿がサイドフェンスによってスキューされにくくなるので、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp2に設定する(ステップP9C)。また、ステップ6で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも薄い場合はプルアウトローラ12の影響がほぼ受けないので、原稿長さlに関係なく、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp3に設定する(ステップP10B)。
【0052】
その後は、上記図6の制御と同様の読取り動作が行われる。なお、本制御ではプルアウトローラ12を可変、中間ローラ14を固定に設定しており、このように設定すると、かかる制御に対して回転速度の制御が必要なローラが減り、制御が容易になる。
【0053】
ところで、上記した実施形態では原稿の厚みを厚みセンサS1で検知し、それに基づいて制御しているが、セットする原稿が厚いか否かはユーザが当然認識することができるので、ユーザが本体機器の操作パネル(図示せず)から入力した紙厚情報から制御するようにしてもよく、その制御例を図9ないし図12に示す。なお、ユーザが入力する紙厚情報方法としては厚紙及び薄紙のときのみ入力し、何も入力しないと通常最も多いと思われる普通紙として設定されるもの等が好ましい。
【0054】
図9は上記実施形態の図6の制御にほぼ対応しているもので、原稿セットセンサ5が原稿のセットを検知し(ステップQ1)、本体制御部111からの紙種情報としての厚紙情報と原稿給紙信号を受信すると(ステップQ2、ステップQ3)、搬送する原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いか否かが判断される(ステップQ4)。原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚い厚紙であると、その情報を元に中間ローラ14の回転速度VtをVt1、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp1に設定する(ステップQ5)。
【0055】
また、搬送されてきた原稿の紙厚tがt1よりも薄いときには、原稿の紙厚tが所定の紙厚t2よりも厚いか否かが判断され(ステップQ6)、これによって原稿が普通紙か薄紙かが判断される。原稿が普通紙であれば中間ローラ14の回転速度VtをVt2、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp2に設定し(ステップQ7)、薄紙であれば、中間ローラ14の回転速度VtをVt3、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp3に設定する。ただし、紙厚の所定値はt1>t2、中間ローラ14の回転速度の所定値は、Vt1>Vt2>Vt3、プルアウトローラ12の回転速度の所定値は、上記と同様にVp1<Vp2<Vp3であるものとし、また厚紙の場合の中間ローラ14の回転速度Vt1と、プルアウトローラ12の回転速度Vp1との関係はVt1≧Vp1とし、薄紙の場合それはVt3≦Vp3としている。
【0056】
そして、設定されると、原稿の給紙、分離、搬送が実行され(ステップQ9)、その後のステップQ10〜Q12は図6のステップP11〜P13と同様である。
図10は、上記実施形態の図7の制御にほぼ対応し、かつ、本図のステップQ1〜Q4,Q9〜Q12は図9のステップQ1〜Q4,Q9〜Q12とほぼ同じであるので、その説明を省略する。
【0057】
ステップQ4で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いと、幅サイズセンサ13にて原稿の幅wを検知し(ステップQ5)、その原稿幅wが所定の幅w1より小さいかが判断される(ステップQ6)。本制御では、プルアウトローラ12の回転速度を固定し、中間ローラ14を可変に設定しているので、原稿幅wが所定の幅w1より小さいと、非対称配置の影響を受けるとして中間ローラ14の回転速度VtをVt1に設定する(ステップQ7A)。そして、原稿幅wが所定の幅w1より大きい場合には、非対称配置の影響が緩和されるので中間ローラ14の回転速度VtをVt2に設定する(ステップQ7B)。ステップ4で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも薄い場合はプルアウトローラ12の影響がほぼ受けないので、中間ローラ14の回転速度VtをVt3に設定する(ステップQ8A)。
【0058】
なお、ステップ5の幅サイズセンサ13にて原稿の幅wを検知は、ステップQ2の紙種情報としての厚紙情報と一緒に受け取れるようにすれば、省略することができる。また、本制御では図7の制御と同様に、プルアウトローラ12を固定、中間ローラ14の回転速度を可変に設定しており、このように設定すると、かかる制御に対して回転速度の制御が必要なローラが減り、制御が容易になる。
【0059】
図11は、上記実施形態の図8の制御にほぼ対応し、かつ、本図のステップQ1〜Q4,Q9〜Q12は図9のステップQ1〜Q4,Q9〜Q12とほぼ同じであるが、ステップQ2は紙種情報としての厚紙情報だけでなく、長さ情報も受信するように構成している。
【0060】
ステップQ4で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも厚いと、原稿の長さlがl1より長いかが判断され(ステップQ5A)、その原稿長さlが所定の長さl1より短いと、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp1に設定する(ステップQ6B)。そして、原稿長さlが所定の長さl1より長いと、原稿がサイドフェンスによってスキューされにくくなるので、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp2に設定する(ステップQ7C)。ステップ4で原稿の紙厚tが所定の紙厚t1よりも薄い場合はプルアウトローラ12の影響がほぼ受けないので、原稿長さlに関係なく、プルアウトローラ12の回転速度VpをVp3に設定する(ステップQ8B)。
【0061】
なお、本制御ではプルアウトローラ12を可変、中間ローラ14を固定に設定しており、このように設定すると、かかる制御に対して回転速度の制御が必要なローラが減り、制御が容易になる。
このように、本実施形態(図9〜図11)では厚みセンサS1を用いない制御について説明したが、本発明は厚みセンサS1とユーザによる紙種情報の入力とを併用することも可能である。例えば、ユーザの入力情報がない場合は厚みセンサS1が検知した情報で制御し、ユーザの入力があった場合はその紙種情報を優先し制御するようにしてもよい。
【0062】
図12は、本発明のさらに別の実施形態を示す制御フローである。
図12において、原稿セットセンサ5が原稿のセットを検知すると(ステップR1)、本体制御部111では紙種情報である、厚紙情報、原稿幅情報、原稿長さ情報から予め設定されたプルアウトローラ12と中間ローラ14の回転速度を受信する(ステップR2)。すなわち、原稿の厚紙情報、幅情報、長さ情報からスキューが生じにくい最適なプルアウトローラ12と中間ローラ14の回転速度を受信する。
【0063】
そして、原稿給紙信号を受信すると(ステップR3)、プルアウトローラ12と中間ローラ14の回転速度が給紙する原稿に適した回転速度Vtu、Vpuに設定される(ステップR4)。その後、ステップR5〜R8図9のステップQ9〜Q12と同様に制御される。
【0064】
なお、本例では本体から中間ローラ14、プルアウトローラ12の回転速度を直接実際の値Vtu、Vpuで指定しているが、より間接的な方法でも実施可能である。例えば、本体が送信するインデックス「1,2,3,・・・」に対応し、ADFが対応する線速のテーブル「(Vt1,Vp1),(Vt2,Vp2),(Vt3,Vp3)・・・」のようなものであっても良い。
【0065】
上記した実施形態では、紙厚が腰(剛性)の強さと比例するものとして制御しているが、例えばコート紙からなる原稿のように厚みに比べて腰が強いものがある。このような特殊な原稿の場合、ユーザが操作パネルからその旨の情報を入力することで、その原稿に適した搬送作用が得られる。
【符号の説明】
【0066】
11 突き当てセンサー
12プルアウトローラ
13 原稿幅センサ
14 中間ローラ
30,31,32 原稿長さセンサ
40 ターンガイド部
S1 厚検知センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特許第3964121号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置において、
前記搬送経路に配置され、シートの紙種を検知する検知手段と、該検知手段で検知されたシートの紙種に応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラにおける少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段とを有し、該制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラによるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート搬送装置において、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段を備えており、該厚検知手段が検知したシート厚に応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載のシート搬送装置において、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段と、シートの幅を検知する幅検知手段とを備えており、該厚検知手段が検知したシート厚及び幅検知手段が検知したシート幅に応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項4】
請求項1に記載のシート搬送装置において、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段と、シートの搬送方向の長さを検知する長さ検知手段とを備えており、該厚検知手段が検知したシート厚及び長さ検知手段が検知したシート長さに応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項5】
シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置において、
シートの紙種を指定する紙種指定手段と、該紙種指定手段で指定されたシートの紙種に応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラにおける少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段とを有し、該制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラによるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載のシート搬送装置において、前記紙種指定手段がシートの剛性の強さに関する情報を指定し、前記制御手段が指定されたシートの剛性の強さに応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載のシート搬送装置において、前記紙種指定手段がシートの厚さの情報を指定し、前記制御手段がシートの厚さ情報から剛性の強さを判断して前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れかに記載のシート搬送装置において、前記制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの両方のローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項9】
請求項1ないし7の何れかに記載のシート搬送装置において、前記制御手段は前記第1搬送ローラの回転速度を一定とし、前記第2搬送ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項10】
請求項1ないし7の何れかに記載のシート搬送装置において、前記制御手段は前記第2搬送ローラの回転速度を一定とし、前記第1搬送ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れかに記載のシート搬送装置を用いて原稿を搬送することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項12】
請求項11に記載の原稿読取装置で読み取った画像を記録形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置において、
前記搬送経路に配置され、シートの紙種を検知する検知手段と、該検知手段で検知されたシートの紙種に応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラにおける少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段とを有し、該制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラによるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート搬送装置において、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段を備えており、該厚検知手段が検知したシート厚に応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載のシート搬送装置において、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段と、シートの幅を検知する幅検知手段とを備えており、該厚検知手段が検知したシート厚及び幅検知手段が検知したシート幅に応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項4】
請求項1に記載のシート搬送装置において、前記検知手段がシート厚を検知する厚検知手段と、シートの搬送方向の長さを検知する長さ検知手段とを備えており、該厚検知手段が検知したシート厚及び長さ検知手段が検知したシート長さに応じて前記制御手段が前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項5】
シートが搬送される搬送経路中にシートをほぼ反転させるべくガイドするターンガイド部を備え、該ターンガイド部のシート搬送方向上流側には第1搬送ローラとその下流の第2搬送ローラとが設けられているシート搬送装置において、
シートの紙種を指定する紙種指定手段と、該紙種指定手段で指定されたシートの紙種に応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラにおける少なくとも一方のローラの回転速度を可変する制御手段とを有し、該制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラによるシート搬送速度がほぼ同一になるように該ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載のシート搬送装置において、前記紙種指定手段がシートの剛性の強さに関する情報を指定し、前記制御手段が指定されたシートの剛性の強さに応じて前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載のシート搬送装置において、前記紙種指定手段がシートの厚さの情報を指定し、前記制御手段がシートの厚さ情報から剛性の強さを判断して前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの少なくとも一方のローラの回転速度を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れかに記載のシート搬送装置において、前記制御手段は前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラの両方のローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項9】
請求項1ないし7の何れかに記載のシート搬送装置において、前記制御手段は前記第1搬送ローラの回転速度を一定とし、前記第2搬送ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項10】
請求項1ないし7の何れかに記載のシート搬送装置において、前記制御手段は前記第2搬送ローラの回転速度を一定とし、前記第1搬送ローラの回転速度を可変制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れかに記載のシート搬送装置を用いて原稿を搬送することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項12】
請求項11に記載の原稿読取装置で読み取った画像を記録形成することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−6673(P2012−6673A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141559(P2010−141559)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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