シート積載装置
【課題】シートを、変形しないように、かつ端部を揃えた状態できれいに積載し得るようにする。
【解決手段】シート把持装置と積載テーブルTとの間に、この積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア70を設置する。移送コンベア70における積載テーブルTに臨む先端側に、該移送コンベア70の上面側から該積載テーブルTの上面側へ傾斜するスロープ面102を有するシート案内部材100を設置する。また積載テーブルTの上方に、移送コンベア70から積載テーブルTの上面へ到来したシートSの端部近傍を該積載テーブルTへ押し付け可能なシート押圧部材110を配設する。シート押圧部材110は、先端のシート押圧部118が柔軟性を有する材料から形成され、押圧したシートSの形状に追従変形可能である。
【解決手段】シート把持装置と積載テーブルTとの間に、この積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア70を設置する。移送コンベア70における積載テーブルTに臨む先端側に、該移送コンベア70の上面側から該積載テーブルTの上面側へ傾斜するスロープ面102を有するシート案内部材100を設置する。また積載テーブルTの上方に、移送コンベア70から積載テーブルTの上面へ到来したシートSの端部近傍を該積載テーブルTへ押し付け可能なシート押圧部材110を配設する。シート押圧部材110は、先端のシート押圧部118が柔軟性を有する材料から形成され、押圧したシートSの形状に追従変形可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載装置に関し、更に詳細には、シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型のブロック状に発泡成形した密度20〜50kg/m3の軟質ポリウレタン発泡樹脂ブロック(「原反」という)をスライス装置で薄くスライスして、2〜5mm程度の厚みとされる軟質発泡樹脂製のシートを形成した後、この軟質発泡樹脂シートを把持して隣接した積載テーブル等へ整えながら順次積載するシート積載装置が提案されている。このようなシート積載装置としては、例えば特許文献1に開示された「自動スライス掴持取出移載装置」等がある。
【0003】
特許文献1に開示された自動スライス掴持取出移載装置は、軟質発泡樹脂ブロックを軟質発泡樹脂シートへ順次スライスするスライス装置と、スライスして形成された軟質発泡樹脂シートを掴持(把持)して載置台(積載テーブル)上の載置位置まで移送し、該載置台へ積載させる自動掴持取出移載装置とから構成されており、この自動掴持取出移載装置が前述したシート積載装置に相当する。なお自動掴持取出移載装置は、スライスされた軟質発泡樹脂シートの端縁近傍部分を上側から押圧して端縁部を浮き上がらせる押圧部材と、この押圧部材に向けて近接・離間移動する掴持部材と、これら押圧部材および掴持部材で掴持した軟質発泡樹脂シートを載置台へ移送する移送手段とを装備している。
【0004】
図18は、特許文献1に開示された自動スライス掴持取出移載装置の自動掴持取出移載装置と類似した構成の従来のシート積載装置を例示したもので、このシート積載装置による軟質発泡樹脂シートの積載態様を経時的に示した説明図である。すなわち従来のシート積載装置10は、図18(a)に例示するように、軟質発泡樹脂ブロックBの上部に形成された軟質発泡樹脂シートSを把持(掴持)するための押圧部材16および把持部材18を有している。また、上部ガイドレール20に沿って往復移動可能に配設されたシート把持装置12と、積載テーブルTの上方に配設されて軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTの上方へ移送する移送コンベア(移送手段)14とを有している。
【0005】
ここで前述した移送コンベア14は、積載テーブルTを挟んで図面の手前側および奥側に並設されて4つの固定スプロケット24,24,24,24に巻掛けられたチェーン22と、これらチェーン22の全長における約1/3の長さ領域において所要間隔毎に配設された複数個(図では17個)のローラ26から構成されている。従って移送コンベア14は、図示省略した駆動手段(モータ等)により両チェーン22,22を回転移動させた際に、各ローラ26が該チェーン22,22の軌道上を移動するようになり、各ローラ26を積載テーブルTの上方へ到来させると軟質発泡樹脂シートSの支持が可能となる一方、各ローラ26を上方から退避させると積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載を許容する構造となっている。
【特許文献1】登録実用新案第3018225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来のシート積載装置10による軟質発泡樹脂シートSの積載作業は、具体的には次のように行なわれる。すなわち、シート把持装置12の押圧部材16および把持部材18で端縁部が把持された軟質発泡樹脂シートSは、該シート把持装置12の移動と共に移送コンベア14側へ引張られ、同期的に回転制御されている該移送コンベア14の各ローラ26の上へ順次載置されるようになる(図18(a))。そして、シート把持装置12と移送コンベア14が同期的に図示左側へ移動することで、積載テーブルTの上方へ移動した各ローラ26上へ軟質発泡樹脂シートSが載置され、該軟質発泡樹脂シートSは該積載テーブルTの上方に到来するようになる(図18(b))。次いで、軟質発泡樹脂シートSが所定位置へ到来したら、シート把持装置12による把持を維持したもとで移送コンベア14を逆転させることで、各ローラ26が軟質発泡樹脂シートSの下側から順次退避するため、全てのローラ26が退避すると同時にシート把持装置12による把持を解除することで、該軟質発泡樹脂シートSは積載テーブルT上へ落下して積載されるようになる(図18(c))。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された自動掴持取出移載装置および図18に例示したシート積載装置10では、移送コンベア14の各ローラ26が所定間隔毎に配設されており、各ローラ26間には軟質発泡樹脂シートSを支持し得ない空間(隙間)が画成されている。このため、柔軟性に富んだ素材を薄くスライスして形成された軟質発泡樹脂シートSは、これらローラ26へ載置されて移送される際に、空間に対応する部位が下方へ弛んで全体が波板状に変形し易くなる。従って軟質発泡樹脂シートSは、移送コンベア14の各ローラ26が退避する際し、移送コンベア14の移動方向へ引張られて引き伸ばされ易く、場合によっては押圧部材16および把持部材18で把持された部分に裂け等が発生するおそれがあった。
【0008】
また、軟質発泡樹脂シートSに対するシート把持装置12の把持および移送コンベア14の移送は、積載テーブルTの上面または該積載テーブルTに積載されている軟質発泡樹脂シートSの上面から所要量だけ浮上した位置で行なわれる。このため、これらシート把持装置12の把持解除および移送コンベア14の各ローラ26による支持解除がなされると、軟質発泡樹脂シートSは全体がこの高さ分だけ下へ落下するようになるから、落下して積載された際に、位置ずれが起こったり、空気が挟み込まれて部分的または全体的に皺ができる等の問題を内在していた。
【0009】
従って本発明では、シートを変形しないように積載テーブルへ積載すると共に、順次積載される各シートを、端部を揃えた状態できれいに積載し得るようにしたシート積載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、
シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置と積載テーブルとの間に設置され、この積載テーブルの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベアと、
前記移送コンベアにおいて前記積載テーブルに臨む先端側に設置され、該移送コンベアの上面側から該積載テーブルの上面側へ傾斜するスロープ面を有するシート案内部材とから構成したことを要旨とする。
【0011】
従って、請求項1に係る発明によれば、移送コンベアの上面と積載テーブルの上面との段差が好適に解消され、シートが形状保持性が低く柔軟性に富んでいたとしても、移送コンベアと積載テーブルとの境界部分において該シートが変形することが防止される。これにより、積載コンベアに積載されたシートに皺等が生ずることが殆どなく、積載コンベアの上面または該積載コンベアに積載されたシートの上面へ適切に位置決めされた状態で積載することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置と積載テーブルとの間に設置され、この積載テーブルの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベアと、
前記移送コンベアにおいて前記積載テーブルに臨む先端側に設置され、該移送コンベアの上面側から該積載テーブルの上面側へ傾斜するスロープ面を有するシート案内部材と、
前記積載テーブルの上方に配設されて該積載テーブルの上面へ近接移動可能であり、前記移送コンベアから前記積載テーブルの上面へ到来した前記シートの端部近傍を、該積載テーブルへ押し付け可能なシート押圧部材とから構成したことを要旨とする。
【0013】
従って、請求項2に係る発明によれば、移送コンベアの上面と積載テーブルの上面との段差が好適に解消され、シートが形状保持性が低く柔軟性に富んでいたとしても、移送コンベアと積載テーブルとの境界部分において該シートが変形することが防止される。また、所定位置に到来して位置決めされたシートの端縁部近傍をシート押圧部材で押圧したもとで、移送コンベアを第1状態から第2状態へ形態変位させるようにでき、順次積載される各シートを、端縁部を揃えて綺麗に積載することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、
前記移送コンベアは、前記積載テーブルに隣接して配設された駆動ローラと、前記積載テーブルの上方に配設され、前記シートの移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラと、前記積載テーブルの上方から退避した位置に配設され、前記第1スライドローラと同期的に往復移動可能な第2スライドローラと、これら駆動ローラ、第1スライドローラおよび第2スライドローラに巻掛けられる回転ベルトとから構成されることを要旨とする。
【0015】
従って、請求項3に係る発明によれば、第1スライドローラと第2スライドローラを同期的に移動させることで第1状態と第2状態とにスムーズに形態変位し、回転ベルト上に載置されたシートを平面状に支持することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記移送コンベアは、前記回転ベルトの回転停止状態で前記第1スライドローラおよび第2スライドローラを移動させることで、前記第1状態から第2状態に変位して前記シートの下側から退避して、該シートを前記積載テーブル上へ積載させることを要旨とする。
【0017】
従って、請求項4に係る発明によれば、シートを停止させたもとで移送コンベアを第1状態から第2状態へ形態変位させるため、該シートが水平方向へ引張られずに積載テーブルへ積載されるようになり、積載位置の位置決めが容易に図られる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記シート押圧部材は、先端のシート押圧部が柔軟性を有する材料から形成され、押圧したシートの形状に追従変形可能であることを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、シート押圧部材の先端に設けたシート押圧部が柔軟性を有する材料から形成されているため、シートを適度な圧力で均一的に押圧するようになり、該シートを不用意に変形させることがない。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るシート積載装置によれば、シートを変形しないように積載テーブルへ積載することができると共に、順次積載される各シートを、端部を揃えた状態できれいに積載し得る等の有益な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明に係るシート積載装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、本発明のシート積載装置が積載対象とするシートは、例えば敷布のような布形状の物品が例示でき、特には後述するように、軟質発泡樹脂からなるシートが好適とされる。
【実施例】
【0021】
図1は、好適実施例に係るシート積載装置を破断して示した概略側面図、図2は、図1のシート積載装置の概略平面図、図3は、図1のシート積載装置の概略背面図である。本実施例のシート積載装置30は、スライドテーブル28上に載置された密度20〜50kg/m3程度の軟質ポリウレタン発泡樹脂ブロック(以下、「軟質発泡樹脂ブロック」ともいう)Bの上部を、図示省略したスライス装置でスライスすることで所定の厚み(2〜5mm程度)に形成されたシートS(以下、「軟質発泡樹脂シートS」という)を、シート把持装置32で把持して隣接して配設された積載テーブルTへ移送すると共に、このシート把持装置32と積載テーブルTとの間に配設された移送コンベア70を利用して、該積載テーブルT上へ順次積載する装置である。なお説明の便宜上、図1における右側をシート積載装置30の前側、図面左側を装置の後側とする。またスライス装置は、既存のものがそのまま実施されるため、本実施例では図示および説明を省略する。
【0022】
シート把持装置32は、本体フレーム34の左右両側に設置されて略「く」字形を呈する第1ガイドレール38,38に案内されて昇降移動する昇降体36に配設されている。この昇降体36は、本体フレーム34の幅方向へ水平に延在する棒状部材であって、前述した各第1ガイドレール38,38に沿ってスライド移動可能な第1スライダ40,40に対し、その両端部が摺接状態で連結されている。そして、各々の第1ガイドレール38,38には、複数のスプロケット43に巻掛けられて、本体フレーム34の上部に設置されたモータ44に連繋されたチェーン42,42が、該第1ガイドレール38,38の長手方向に沿うよう延設されており、これらチェーン42,42に第1スライダ40,40が連結されている。従って、前述したモータ44を正転・逆転駆動制御することにより、水平姿勢に保持されている昇降体36は、各第1ガイドレール38,38に沿って本体フレーム34の前側と上部中央との間を昇降移動するようになる。なお昇降体36は、各第1スライダ40,40に対し端部が摺接されて軸方向を中心とした回動が可能となっており、後述するように、揺動機構56によるシート把持装置32の揺動を許容し得るようになっている。
【0023】
昇降体36に配設されたシート把持装置32は、図4(a)に例示するように、該昇降体36に所要間隔毎に配設された複数の支持ステー52に固定された横長板状の押圧部材46と、昇降体36に所要間隔毎に配設された複数基の第1流体アクチュエータ54のロッド54Aに固定されたL形板状の把持部材48とからなるシート把持部50を有している。そして、各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう付勢制御することで、各把持部材48が押圧部材46へ近接移動し、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持し得る。また、各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが後退するよう付勢制御することで、各把持部材48が押圧部材46から離間移動し、軟質発泡樹脂シートSに対する把持を解除し得る構造となっている。
【0024】
なお、前述した押圧部材46には図示しない圧力感知センサが装備されており、軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成された軟質発泡樹脂シートSの端縁近傍部分を該押圧部材46の先端が押圧し、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1が起立した状態(図4(a)の状態)となった時点で、圧力感知センサが感知するよう設定されている。従って、昇降体36の下降移動によりシート把持装置32を下降移動させ、押圧部材46の先端が軟質発泡樹脂シートSを押圧して圧力感知センサが作動したら、これによる信号に基づいて前述した第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう付勢制御することにより、把持部材48を押圧部材46へ近接移動させて軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持することが可能となる。
【0025】
またシート把持装置32には、シート把持部50を全体的に揺動させる揺動機構56を有している。この揺動機構56は、図5(a)に例示するように、一方の第1スライダ40(図2における上側)に立設固定された支持ステー58と、昇降体36に固定された作動レバー60と、支持ステー52の上端にそのボトム側が枢支されると共に作動レバー60の先端にロッド62Aを連結した第2流体アクチュエータ62とから構成されている。これにより、第2流体アクチュエータ62をロッド62Aが後退するよう付勢制御することで、各支持ステー52が第1ガイドレール38に対して略直角に延出した姿勢となる(図5(a))。また、第2流体アクチュエータ62をロッド62Aが前進するよう付勢制御することで、各支持ステー52が第1ガイドレール38に対して約45度の前下がり姿勢となる(図5(b))。この揺動機構56は、後述するように、把持していた軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに先立ち、この軟質発泡樹脂シートSを揺れ動かして該軟質発泡樹脂シートSに付与されていた皺や捻れ等を除去すると共に、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ適切に臨ませ得るように機能する(図5(b))。
【0026】
積載テーブルTは、前述した本体フレーム34の内側に設置されたリフター64の上面に、水平状態で着脱可能に搭載されている。そして図1に例示したように、本体フレーム34の前後部分に光電管等のセンサ66,66が配設されており、リフター64の伸縮制御を行なうことで、軟質発泡樹脂シートSを積載していない場合では積載テーブルTの上面が、また軟質発泡樹脂シートSが積載されている場合には該軟質発泡樹脂シートSの最上面が、常に両センサ66,66を結んだライン上に一致するよう制御される。すなわち、移送コンベア70から移載される軟質発泡樹脂シートSが、弛んだり折り重なることなく適切に積載されるようにするため、積載テーブルTの上面(または積載されている軟質発泡樹脂シートSの上面)と移送コンベア70との間隔を常に一定に保持する必要があるためである。従って、積載テーブルTに積載されている軟質発泡樹脂シートSの枚数が少ない程、リフター64の伸長量が大きくなる。なお、実施例に例示した積載テーブルTは、キャスター68が付いていてリフター64に着脱可能に搭載される形態のものであるが、この積載テーブルTはリフター64に備え付けられた固定形態のものでもよい。
【0027】
そして本実施例のシート積載装置30では、図1〜図3に例示したように、前述したシート把持装置32と積載テーブルTとの間に、この積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア70を装備している。この移送コンベア70は、後で詳述するように、第1状態においてシート把持装置32から軟質発泡樹脂シートSを受け取ると共に、該軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTの側へ移送する回転ベルト80を備えている。そして、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が積載テーブルTの所定位置に到来した時点で、第1状態から第2状態へ徐々に形態変位して該積載テーブルT上から退避し、軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルT上へ積載するよう構成されている。
【0028】
具体的に移送コンベア70は、積載テーブルTの前側に隣接して配設された駆動ローラ72と、積載テーブルTの上方に配設され、軟質発泡樹脂シートSの移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラ74と、積載テーブルTの上方から退避した位置に配設され、第1スライドローラ74と同期的に往復移動可能な第2スライドローラ76と、積載テーブルTに隣接して配設されたテンションローラ78と、これら駆動ローラ72、第1スライドローラ74、第2スライドローラ76およびテンションローラ78に常には展張状態で巻掛けられる回転ベルト80とから構成されている。駆動ローラ72およびテンションローラ78は本体フレーム34に対して固定的(移動不能)に配設されており、第1スライドローラ74および第2スライドローラ76は本体フレーム34に対してスライド移動可能に配設されている。なお、前述した「展張状態」とは、各ローラ72,74,76,78に巻掛けられた回転ベルト80が、テンションローラ78に配設されたバネ等の付勢弾力により、部分的または全体的な弛みがないよう適度にテンションが掛かった状態を意味する。
【0029】
第1スライドローラ74は、図1〜図3に例示したように、本体フレーム34の左右両側に水平に延在する第2ガイドレール82,82にスライド移動可能に配設された第2スライダ84,84の下端にその両端が支持され、自在回転可能に取り付けられたフリーローラである。これら第2スライダ84,84は、パルスモータ等の図示省略した第1スライド駆動手段にタイミングベルト等を介して連繋されており、この第1スライド駆動手段により対応の第2ガイドレール82,82に沿って摺動する。従って第1スライドローラ74は、積載テーブルTの上方において移送方向と直交する方向へ水平に延在し、この水平状態で搬送方向(前後方向)へ移動するようになる。
【0030】
第2スライドローラ76は、図1〜図3に例示したように、本体フレーム34の左右両側に垂直に延在する第3ガイドレール86,86にスライド移動可能に配設された第3スライダ88,88にその両端が支持され、自在回転可能に取り付けられたフリーローラである。これら第3スライダ88,88は、パルスモータ等の図示省略した第2スライド駆動手段にタイミングベルト等を介して連繋されており、この第2スライド駆動手段により対応の第3ガイドレール86,86に沿って摺動する。従って第2スライドローラ76は、積載テーブルTの前側において移送方向と直交する方向へ水平に延在し、この水平状態で垂直方向へ昇降移動するようになる。
【0031】
駆動ローラ72は、本体フレーム34の左右両側に固定された軸支部にその両端が軸支され、図示省略したモータ等の駆動手段に連繋されており、この駆動手段を制御して正転方向および逆転方向への回転が可能となっている。またテンションローラ78は、自在回転可能なフリーローラであって、図示省略したスプリング等の付勢手段により常には駆動ローラ72に近接する方向へ付勢されている。従って、各ローラ72,74,76,78へ巻掛けられた回転ベルト80は、常に適度の展張状態に保持されて弛むことがなく、駆動ローラ72の回転に対して滑ることなく追従移動するようになる。
【0032】
なお実施例の移送コンベア70は、駆動ローラ72およびテンションローラ78の配設位置が、第1スライドローラ74の配設位置よりも高く設定されており、積載テーブルT上に臨む部分が常に下方傾斜した状態に延出するようになっている。これにより回転ベルト80は、第1スライドローラ74が位置する後端部分においてのみ積載テーブルTに積載されている軟質発泡樹脂シートSに最接近するだけであり、この第1スライドローラ74とテンションローラ78との間では軟質発泡樹脂シートSに接近していない。従って万一、回転ベルト80が静電気を帯電したとしても、積載テーブルTへ積載されている軟質発泡樹脂シートSが、該回転ベルト80へ吸着されて巻き込まれる等の不都合を防止するよう考慮されている。
【0033】
回転ベルト80は、例えば帯電防止剤等で表面処理されて静電気等を帯電し難い材質から形成された無端ベルトである。そして、軟質発泡樹脂シートSに接触するようになる外表面80aは、図6および図8に例示するように、該回転ベルト80に載置された軟質発泡樹脂シートSとの間で摩擦を向上させる摩擦向上手段としての凸部92が、適宜間隔毎に複数個突設されている。これら凸部92は、2〜3mm程度の高さで突出した環状(ドーナツ状)を呈しており、載置された軟質発泡樹脂シートSの外表面へその環状先端部が好適に引っ掛かるようになり、回転ベルト80と該軟質発泡樹脂シートSとの間の摩擦を適切に向上させることができる。これら凸部92は、(a)回転ベルト80の成形時に同時に一体成形する、(b)外表面80aが平坦状の回転ベルト80の該外表面80aへ熱棒等を押し付け、当該押圧部分の周囲を溶融膨出させて成形する、(c)外表面80aが平坦状の回転ベルト80に対し、別途成形したドーナツ状部材を接着して取り付ける、等の方法を利用して設けられる。なお、各凸部92の上面に細かな凹凸形状を形成したり、摩擦係数の高いウレタンシート等を貼り込んでおけば、更なる摩擦力の向上を図ることができる。
【0034】
特に本実施例の移送コンベア70は、前述したように、第1状態で下方傾斜した状態となり(図10)、かつ第1状態から第2状態へ移行する過程(図14、図15)でその傾斜角度が徐々に大きくなる構造となっている。このため、回転ベルト80の外表面80aに複数の凸部92を設けておくことにより、該回転ベルト80と軟質発泡樹脂シートSとの間の適度な摩擦が得られるので、移送コンベア70から積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを移載する過程において回転ベルト80が傾斜しても、該軟質発泡樹脂シートSの不用意な滑り発生を防止できる。
【0035】
なお、本実施例における凸部92は、回転ベルト80の長手方向および幅方向へ所定間隔で規則的に配列させた場合を例示しているが、この配列態様はこれに限定されず、回転ベルト80の外表面80aにランダムに配列するようにしてもよい。但し、凸部92の配設個数は、該凸部92の配設位置から外れた軟質発泡樹脂シートSの外表面が、回転ベルト80の外表面80aに適度に接触し得るように設定するのが望ましい。
【0036】
前述した移送コンベア70は、軟質発泡樹脂シートSの縦横サイズを考慮すると幅寸法が2m以上に及ぶため、長さが2m以上となる第1スライドローラ74は、中央部分での撓み変形の防止を考慮すると、外径寸法を極端に小さくすることはできない。このため、積載テーブルTの上方へ臨む移送コンベア70の厚み寸法は、この第1スライドローラ74の外径寸法に依存されることとなり、積載テーブルTに積載された軟質発泡樹脂シートSの上面と回転ベルト80の上面との間に、第1スライドローラ74の外径寸法以上の段差が形成されてしまう。従って、形状保持性が極めて低く柔軟性に富んだ軟質発泡樹脂シートSが移送コンベア70から積載テーブルTへ移送される場合、この段差部分で下側へ落ち込んでしまい、積載される軟質発泡樹脂シートSに皺が形成される原因となる。
【0037】
そこで本実施例のシート積載装置30では、移送コンベア70において積載テーブルTに臨む先端側、すなわち第1スライドローラ74に隣接して、移送される軟質発泡樹脂シートSを下側から支持するシート案内部材100を設置してある。このシート案内部材100は、例えばステンレスや合成樹脂等の成形部材であって第1スライドローラ74と略同一の長さに設定され、移送コンベア70の上面側から積載テーブルTの上面側へ傾斜するスロープ面102を有しており、両端に形成された取付片104,104を利用して第2スライダ84,84間に取り付けられている。従って、移送コンベア70上に載置されている軟質発泡樹脂シートSは、シート案内部材100のスロープ面102に沿って滑りながら積載テーブルT上へ移動するようになり、落ち込み等の変形が好適に防止された状態で移動する。
【0038】
前述のように構成された本実施例の移送コンベア70は、図示しない第1スライド駆動手段および第2スライド駆動手段を連動的に制御することで、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面後方に位置する場合に第2スライドローラ76は最も上側に位置するようになる(図10)。そして、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上方を前方側へ移動する場合は、第2スライドローラ76はこれに連動して下方へ移動するようになり(図14)、更に第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面前方に位置した場合に、第2スライドローラ76は最も下側に位置するようになる(図15)。
【0039】
また、第1状態から第2状態への形態変位時および第2状態から第1状態への形態変位時は、駆動ローラ72を停止制御して回転ベルト80を停止させた状態で行なうようになっている。これにより、駆動ローラ72と第1スライドローラ74との間に位置した回転ベルト80におけるシート載置部分80Aは、第1スライドローラ74が前方へ移動するに従い、全く移動せずにその延出長だけが徐々に短くなる。すなわち移送コンベア70は、第1状態から第2状態へ形態変位するに際し、シート載置部分80Aに載置されている軟質発泡樹脂シートSを後方側へ押したり前方側へ引張らないようになっている。
【0040】
なお、図1における符号90は、前述した積載基準位置(所定位置)Pの上方に設置されたセンサであり、前述した移送コンベア70で積載テーブルT側へ移送された軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2を検知するために機能する。従って、このセンサ90による検知信号の検出タイミングに基づき、前述した駆動手段が停止制御されて駆動ローラ72および回転ベルト80が停止する一方、第1スライド駆動手段および第2スライド駆動手段が夫々駆動制御されて第1スライドローラ74および第2スライドローラ76が前側および下側へ移動し、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位するようになる。
【0041】
更に、本実施例のシート積載装置30は、図1〜3および図6に例示したように、積載テーブルTの後端側上方における本体フレーム34に、該積載テーブルTの上面へ近接移動可能なシート押圧部材110が配設されている。このシート押圧部材110は、本体フレーム34の支持片112に対し垂下状態に固定された第3流体アクチュエータ114のロッド114A先端に取り付けられており、該ロッド114Aに固定される比較的硬質の取付基台116と、この取付基台116の下側に配設される比較的軟質のシート押圧部118とから構成されている。シート押圧部118は、例えば軟質発泡ウレタン等の柔軟性を有する材料から形成され、押圧した軟質発泡樹脂シートSの形状に追従変形可能となっている。なお本実施例では、本体フレーム34の幅方向へ所要間隔毎に3基のシート押圧部材110が配設されており、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2近傍における左右両側および中央を夫々押圧するようになる。
【0042】
このようなシート押圧部材110は、図7に例示するように、移送コンベア70が第1状態に形態変位している際に、第3流体アクチュエータ114をロッド114Aが延出するよう付勢制御すると、積載テーブルTの上面(または積載された軟質発泡樹脂シートSの上面)およびシート案内部材100のスロープ面102の夫々に、シート押圧部118が略半分ずつ掛かる位置へ押し付けられるよう設定されている。従って、移送コンベア70から積載テーブルTの積載基準位置Pへ軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が到来したタイミングで第3流体アクチュエータ114を付勢制御すると、この端縁部S2の近傍を、積載テーブルTの上面(または積載された軟質発泡樹脂シートSの上面)およびシート案内部材100のスロープ面102へ押し付けるようになる。
【0043】
次に、前述のように構成された本実施例のシート積載装置30を使用したシート積載方法につき、図10〜図17を引用して説明する。
【0044】
本実施例のシート積載装置30は、電源投入時の初期状態または作動前状態では、次のようになっている。前記シート把持装置32は、図1に例示したように、例えば第1ガイドレール38の折曲部分の真下(軟質発泡樹脂ブロックBの適宜上方)を原点位置として、この原点位置に停止待機した状態となる。移送コンベア70は、積載テーブルTの上方に傾斜状態で延出した前述の第1状態に停止保持されている。積載テーブルTは、リフター64の昇降制御により、その上面が前述したセンサ66,66を結ぶラインに合致した状態に保持されている。更に、シート押圧部材110は、第3流体アクチュエータ114をロッド114Aが後退するよう付勢制御して、積載テーブルTから上昇した位置に停止保持されている。
【0045】
このような初期状態において、図示省略したスライス装置およびシート積載装置30の運転を開始すると、該スライス装置によりスライドテーブル28の上面に載置された軟質発泡樹脂ブロックBの上面がスライスされ、所要厚みの軟質発泡樹脂シートSが該軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成される。このスライス装置によるスライス工程完了が検知されたら、図4(a)に例示するように、前述したモータ44の駆動制御により昇降体36をゆっくりと下降移動させ、押圧部材46の先端で軟質発泡樹脂シートSの端縁近傍部分を押圧させる。そして、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1が浮き上がってセンサからの検出信号が入力されると、図10および図4(b)に例示するように、前述した各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう付勢制御して各把持部材48を押圧部材46へ近接移動させることで、これら押圧部材46と把持部材48により軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持する。
【0046】
押圧部材46および把持部材48による軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1の把持が完了したら、図11および図4(c)に例示するように、前述したモータ44を逆駆動するよう制御して、シート把持装置32をガイドレール38,38に沿って上昇移動させる。これにより、シート把持部50に把持された軟質発泡樹脂シートSは、本体フレーム34の上部中央まで上昇したシート把持装置32から下方へ懸吊した状態となる。
【0047】
シート把持装置32が所定位置まで上昇したら、図12および図5(b)に例示するように、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに先立ち、該シート把持装置32のシート把持部50を揺動機構56により揺動させる。これにより、該軟質発泡樹脂シートSに付与されていた皺や捻れ等が取り除かれると共に、軟質発泡樹脂シートSの下側の端縁部(シート把持部50で把持されている端縁部S1と対向した端縁部)S2が、移送コンベア70の上方へ臨むようになる。なお、シート把持装置32の揺動と同時に、移送コンベア70を第1状態で駆動させて回転ベルト80を回転させる。
【0048】
シート把持装置32を揺動させたことにより、移送コンベア70の回転ベルト80に軟質発泡樹脂シートSの端端部S2が接触するようになり、図12に例示したように、軟質発泡樹脂シートSは回転ベルト80の回転に伴って後方側へ引張られるようになる。そこで、適宜タイミングを以て前述した各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが後退するよう付勢制御し、各把持部材48を押圧部材46から離間移動させることで、シート把持部50による軟質発泡樹脂シートSの把持が解除され、該軟質発泡樹脂シートSは、移送コンベア70の回転ベルト80におけるシート積載部分80A上へ、裏返し状態で完全に移載される。
【0049】
移送コンベア70へ移載された軟質発泡樹脂シートSは、図13に例示したように、回転する回転ベルト80のシート載置部分80Aに載置された状態で積載テーブルTの上方に向けて移送される。そして軟質発泡樹脂シートSは、シート案内部材100のスロープ面102を滑るようにして、移送コンベア70から積載テーブルTへ移載され、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が積載基準位置Pへ到来するとセンサ90がこれを検知する。このセンサ90の検出タイミングに基づき、前述した駆動手段を停止制御し、回転ベルト80の回転を停止させる。また、センサ90の検出タイミングに基づき、図13および図17(a)に例示するように、前述した第3流体アクチュエータ114をロッド114Aが前進するよう付勢制御し、シート押圧部材110を軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2近傍へ押し付け、積載テーブルTおよびシート案内部材100のスロープ面102との間で挟持する。
【0050】
なお、軟質発泡樹脂シートSの把持を解除したシート把持装置32は、例えば前述したセンサ90からの検出信号に基づき、揺動機構56により揺動状態から図5(a)に例示した姿勢に復帰する一方、逆駆動制御されたモータ44によりガイドレール38,38に沿って下降移動して前述した原点位置へ復帰する。
【0051】
シート押圧部材110の押し付けが完了したら、前述した第1スライド移動手段および第2スライド移動手段を同時に作動制御させる。これにより、図14および図17(b)に例示するように、回転ベルト80が停止した状態において、第1スライドローラ74が前方へスライド移動すると共に第2スライドローラ76が下方へスライド移動する。従って移送コンベア70は、この位置で停止している軟質発泡樹脂シートSの下側から徐々に前方へ退避していく。
【0052】
移送コンベア70が第1状態から第2状態に向けて形態変位する過程で、回転ベルト80のシート載置部分80Aは延出長が徐々に小さくなるため、移送コンベア70による支持が徐々に解除される軟質発泡樹脂シートSは、適宜に弾性変形しながら端縁部S2の側から積載テーブルTの上面へ載置されていく。そして、移送コンベア70が前述した第2状態へ形態変位すると、図15および図17(c)に例示するように、回転ベルト80が軟質発泡樹脂シートSの下側から完全に退避するため、該軟質発泡樹脂シートSは積載テーブルTへ完全に積載される。
【0053】
ここで、図17(a)〜図17(c)に例示したように、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位する過程では、該移送コンベア70と積載テーブルTとの境界部分にシート案内部材100のスロープ面102が存在しているため、軟質発泡樹脂シートSが弛んだり皺になることなく積載テーブルTへ順次載置されていく。また、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位する過程では、回転ベルト80のシート載置部分80Aの傾斜角度が徐々に大きくなっていくものの、回転ベルト80の外表面80aに形成した複数の凸部92が軟質発泡樹脂シートSの外表面へ適宜引っ掛かるようになるから、回転ベルト80に対する該軟質発泡樹脂シートSの滑りが発生しない。従って、軟質発泡樹脂シートSの移載途中において回転ベルト80に対して滑ることがないから、積載テーブルTへ既に積載された部位へ後から順次折り重なるように積載される現象は起こらず、当該該軟質発泡樹脂シートSは皺が発生することなく積載テーブルTへ積載されるようになる。
【0054】
一方、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位する際には、前述したスライス装置により軟質発泡樹脂ブロックBの上部に次の軟質発泡樹脂シートSが形成されているため、再びシート把持装置32による該軟質発泡樹脂シートSの把持作業が遂行される。すなわち、本実施例のシート積載装置30では、前の軟質発泡樹脂シートSが積載テーブルTに積載完了された時点で、シート把持装置32は軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成された次の軟質発泡樹脂シートSを既に把持している。
【0055】
積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載が完了したら、前述した第1スライド移動手段および第2スライド移動手段を同時に作動制御して、図16に例示するように、移送コンベア70を前述した第1状態に形態変位させる。また積載テーブルTは、リフター64を作動制御して、積載された軟質発泡樹脂シートSの上面がセンサ66,66を結んだラインに一致するまで降下させる。更にシート押圧部材110は、第3流体アクチュエータ114をロッド114Aが後退するよう付勢制御することで、積載テーブルTから離間するよう上昇する。
【0056】
一方、移送コンベア70が第2状態から第1状態へ復帰する際に、前述したシート把持装置32は、次の軟質発泡樹脂シートSを把持した状態で本体フレーム34の上方へ到来しており、該移送コンベア70に対する当該軟質発泡樹脂シートSの移載が可能となっている。従って移送コンベア70は、第1状態に復帰すると同時に再び駆動手段が駆動制御されて回転ベルト80が回転し、軟質発泡樹脂シートSの受け取りが可能な状態となる。
【0057】
このように、本実施例のシート積載装置30によるシート積載方法では、移送コンベア70から積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを移載するに際し、この軟質発泡樹脂シートSを最後まで把持している必要がないため、積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを積載する間に、シート把持装置32は次の軟質発泡樹脂シートSを把持して、移送コンベア70へ移送する準備をすることができる。従って、スライス装置により連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載する際のロスタイムが殆どなく、積載作業のサイクルタイムを短縮化し得る。また、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに際してシート把持装置を揺動させるため、把持されていた軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ好適に臨ませ得るようになり、この軟質発泡樹脂シートSに付与されていた折れや捻れ等が除去されると共に、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ適切に移載させ得る。
【0058】
また本実施例のシート積載装置30によれば、次のような作用効果を奏する。先ず、積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態とに形態変位可能な回転ベルト80を有する移送コンベア70を使用して、軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載するようにしたため、この積載時に軟質発泡樹脂シートSが引張られることがなくなり、積載時にシート把持装置32で軟質発泡樹脂シートSを長く把持している必要がない。このため、スライス装置により連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載する際のサイクルタイムを短縮化し得る。そして移送コンベア70は、第1スライドローラ74と第2スライドローラ76を同期的に移動させることで第1状態と第2状態とにスムーズに形態変位する一方、テンションローラ78により何れの状態でも常に回転ベルト80が展張状態に保持され、該回転ベルト80に載置された軟質発泡樹脂シートSを平面状に支持することができる。しかも、軟質発泡樹脂シートSを停止させたもとで移送コンベア70を第1状態から第2状態へ形態変位させるため、該軟質発泡樹脂シートSが水平方向へ動くことなく積載テーブルTへ積載されるようになり、積載位置の位置決めが容易に図られる。
【0059】
そして、移送コンベア70の先端側にシート案内部材100を配設したため、該移送コンベア70の上面と積載テーブルTの上面との段差が好適に解消され、軟質発泡樹脂シートSが形状保持性が低く柔軟性に富んでいたとしても、移送コンベア70と積載テーブルTとの境界部分において該軟質発泡樹脂シートSが変形することが防止される。これにより、積載テーブルTに積載された軟質発泡樹脂シートSに皺等が生ずることが殆どなく、積載テーブルTの上面または該積載テーブルTに積載された軟質発泡樹脂シートSの上面へ適切に積載することができる。
【0060】
また、積載テーブルTの上方にシート押圧部材110を配設したため、積載基準位置Pに到来して位置決めされた軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2近傍をこのシート押圧部材110で押圧したもとで、移送コンベア70を第1状態から第2状態へ形態変位させるようにできる。このため、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位するに際し、万一、軟質発泡樹脂シートSが引張られるようなことがあってもこれによるずれ動きを防止でき、順次積載される各軟質発泡樹脂シートSを、端縁部S2を揃えて綺麗に積載することができる。しかもシート押圧部材110は、その先端に設けたシート押圧部118が柔軟性を有する材料から形成されているため、軟質発泡樹脂シートSを適度な圧力で均一的に押圧するようになり、該軟質発泡樹脂シートSを不用意に変形させることがない。
【0061】
更に、移送コンベア70における回転ベルト80の外表面80aに、摩擦向上手段として複数の凸部92を突設したため、移送コンベア70が第1状態から第2状態に形態変位する途中で該回転ベルト80が適宜角度に傾斜していても、これら凸部92が軟質発泡樹脂シートSの外表面へ適宜引っ掛かるため、該軟質発泡樹脂シートSが回転ベルト80上で滑ることがない。従って、これによっても、積載テーブルTに積載される軟質発泡樹脂シートSに皺等が生ずることが殆どなく、積載テーブルTの上面または該積載テーブルTに積載された軟質発泡樹脂シートSの上面へ、軟質発泡樹脂シートSを適切に順次積載することができる。
【0062】
なお、移送コンベア70に関しては、第1スライドローラ74および第2スライドローラ76を移動させる構成、シート把持部材48を移動させる構成、シート押圧部材110を昇降移動させる構成等は、前述した実施例に開示のものに限定されるものではなく、現在実用化されている種々態様のものに変更可能である。
【0063】
そして前述した実施例では、第1状態と第2状態に形態変位する移送コンベア70に関し、略L字形に屈曲するものを例示したが、この移送コンベア70の形態はこれに限定されるものではない。例えば、設置スペース等の制限がない場合には、第1スライドローラ74、駆動ローラ72、第2スライドローラ76を略直線状に配列するようにしてもよい。
【0064】
また、回転ベルト80の外表面80aに形成した摩擦向上用の凸部92は、図8に例示した環状形状(ドーナツ形状)のものに限定されるものではなく、傾斜状態の回転ベルト80と軟質発泡樹脂シートSとの間に滑りが生じないだけの摩擦を発現し得るものであれば、突出形状、配設個数、配設態様等は多様である。例えば、先丸円錐形状、截頭角錐形状等、様々な形態が実施可能である。
【0065】
また前述した実施例では、回転ベルト80と軟質発泡樹脂シートSとの間の摩擦を向上させる摩擦向上手段として、前述した回転ベルト80の外表面80aに凸部92を設けたことによる外表面82aの形状変更によるものを例示したが、この摩擦向上手段はこれに限定されるものではない。これ以外に摩擦向上手段は、例えば図9に例示するように、回転ベルト80の外表面80aに貼り込んだシート材120として、回転ベルト80の外表面80a部分の材質を変更したものとしてもよい。このシート材120は、ウレタンフォームやゴム等の摩擦係数の高い材質のものとすれば、軟質発泡樹脂シートSが該シート材120へ全面的に接触するようになるため、該軟質発泡樹脂シートSの滑りを好適に防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明に係るシート積載装置の移送コンベアは、薄くスライスされたシートを、シート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置に装備されるものであって、形状保持性が低く柔軟性に富んだシートを効率よく積載する作業に好適に供される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例に係るシート積載装置を破断して示した概略側面図。
【図2】図1のシート積載装置の概略平面図。
【図3】図1のシート積載装置の概略背面図。
【図4】シート把持装置による軟質発泡樹脂シートの把持態様を例示した説明図。
【図5】シート把持装置に装備された揺動機構の作動態様を示した説明図。
【図6】移送コンベアに配設されたシート案内部材および本体フレームに配設されたシート押圧部材を示した概略斜視図。
【図7】移送コンベアに配設されたシート案内部材および本体フレームに配設されたシート押圧部材を示した説明図。
【図8】外表面に凸部を突設した回転ベルトの部分斜視図。
【図9】摩擦係数の高いシート材を外表面に貼り込んだ別形態の回転ベルトの部分斜視図。
【図10】図1のシート積載装置を使用したシート積載工程の説明図であって、シート把持装置により軟質発泡樹脂シートを把持する状態を示している。
【図11】シート積載工程の説明図であって、軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を上昇移動させた状態を示している。
【図12】シート積載工程の説明図であって、シート把持装置を揺動させて軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ臨ませた状態を示している。
【図13】シート積載工程の説明図であって、移送コンベアへ移載した軟質発泡樹脂シートの端縁部が積載基準位置へ到来し、シート押圧部材により押圧した状態を示している。
【図14】シート積載工程の説明図であって、移送コンベアを第1状態から第2状態へ形態変位させている状態を示している。
【図15】シート積載工程の説明図であって、移送コンベアが第2状態へ形態変位して積載テーブルに対する軟質発泡樹脂シートの積載が完了すると共に、シート把持装置で次の軟質発泡樹脂シートを把持する状態を示している。
【図16】シート積載工程を示した説明図であって、移送コンベアを第1状態へ復帰させると共に、次の軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を上昇移動させた状態を示している。
【図17】図13、図14および図15の部分拡大図。
【図18】従来のシート積載装置によるシート積載方法を例示した説明図。
【符号の説明】
【0068】
32 シート把持装置,70 移送コンベア,72 駆動ローラ,
74 第1スライドローラ,76 第2スライドローラ,80 回転ベルト,
100 シート案内部材,102 スロープ面,110 シート押圧部材,
118 シート押圧部,S 軟質発泡樹脂シート(シート),T 積載テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載装置に関し、更に詳細には、シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型のブロック状に発泡成形した密度20〜50kg/m3の軟質ポリウレタン発泡樹脂ブロック(「原反」という)をスライス装置で薄くスライスして、2〜5mm程度の厚みとされる軟質発泡樹脂製のシートを形成した後、この軟質発泡樹脂シートを把持して隣接した積載テーブル等へ整えながら順次積載するシート積載装置が提案されている。このようなシート積載装置としては、例えば特許文献1に開示された「自動スライス掴持取出移載装置」等がある。
【0003】
特許文献1に開示された自動スライス掴持取出移載装置は、軟質発泡樹脂ブロックを軟質発泡樹脂シートへ順次スライスするスライス装置と、スライスして形成された軟質発泡樹脂シートを掴持(把持)して載置台(積載テーブル)上の載置位置まで移送し、該載置台へ積載させる自動掴持取出移載装置とから構成されており、この自動掴持取出移載装置が前述したシート積載装置に相当する。なお自動掴持取出移載装置は、スライスされた軟質発泡樹脂シートの端縁近傍部分を上側から押圧して端縁部を浮き上がらせる押圧部材と、この押圧部材に向けて近接・離間移動する掴持部材と、これら押圧部材および掴持部材で掴持した軟質発泡樹脂シートを載置台へ移送する移送手段とを装備している。
【0004】
図18は、特許文献1に開示された自動スライス掴持取出移載装置の自動掴持取出移載装置と類似した構成の従来のシート積載装置を例示したもので、このシート積載装置による軟質発泡樹脂シートの積載態様を経時的に示した説明図である。すなわち従来のシート積載装置10は、図18(a)に例示するように、軟質発泡樹脂ブロックBの上部に形成された軟質発泡樹脂シートSを把持(掴持)するための押圧部材16および把持部材18を有している。また、上部ガイドレール20に沿って往復移動可能に配設されたシート把持装置12と、積載テーブルTの上方に配設されて軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTの上方へ移送する移送コンベア(移送手段)14とを有している。
【0005】
ここで前述した移送コンベア14は、積載テーブルTを挟んで図面の手前側および奥側に並設されて4つの固定スプロケット24,24,24,24に巻掛けられたチェーン22と、これらチェーン22の全長における約1/3の長さ領域において所要間隔毎に配設された複数個(図では17個)のローラ26から構成されている。従って移送コンベア14は、図示省略した駆動手段(モータ等)により両チェーン22,22を回転移動させた際に、各ローラ26が該チェーン22,22の軌道上を移動するようになり、各ローラ26を積載テーブルTの上方へ到来させると軟質発泡樹脂シートSの支持が可能となる一方、各ローラ26を上方から退避させると積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載を許容する構造となっている。
【特許文献1】登録実用新案第3018225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来のシート積載装置10による軟質発泡樹脂シートSの積載作業は、具体的には次のように行なわれる。すなわち、シート把持装置12の押圧部材16および把持部材18で端縁部が把持された軟質発泡樹脂シートSは、該シート把持装置12の移動と共に移送コンベア14側へ引張られ、同期的に回転制御されている該移送コンベア14の各ローラ26の上へ順次載置されるようになる(図18(a))。そして、シート把持装置12と移送コンベア14が同期的に図示左側へ移動することで、積載テーブルTの上方へ移動した各ローラ26上へ軟質発泡樹脂シートSが載置され、該軟質発泡樹脂シートSは該積載テーブルTの上方に到来するようになる(図18(b))。次いで、軟質発泡樹脂シートSが所定位置へ到来したら、シート把持装置12による把持を維持したもとで移送コンベア14を逆転させることで、各ローラ26が軟質発泡樹脂シートSの下側から順次退避するため、全てのローラ26が退避すると同時にシート把持装置12による把持を解除することで、該軟質発泡樹脂シートSは積載テーブルT上へ落下して積載されるようになる(図18(c))。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された自動掴持取出移載装置および図18に例示したシート積載装置10では、移送コンベア14の各ローラ26が所定間隔毎に配設されており、各ローラ26間には軟質発泡樹脂シートSを支持し得ない空間(隙間)が画成されている。このため、柔軟性に富んだ素材を薄くスライスして形成された軟質発泡樹脂シートSは、これらローラ26へ載置されて移送される際に、空間に対応する部位が下方へ弛んで全体が波板状に変形し易くなる。従って軟質発泡樹脂シートSは、移送コンベア14の各ローラ26が退避する際し、移送コンベア14の移動方向へ引張られて引き伸ばされ易く、場合によっては押圧部材16および把持部材18で把持された部分に裂け等が発生するおそれがあった。
【0008】
また、軟質発泡樹脂シートSに対するシート把持装置12の把持および移送コンベア14の移送は、積載テーブルTの上面または該積載テーブルTに積載されている軟質発泡樹脂シートSの上面から所要量だけ浮上した位置で行なわれる。このため、これらシート把持装置12の把持解除および移送コンベア14の各ローラ26による支持解除がなされると、軟質発泡樹脂シートSは全体がこの高さ分だけ下へ落下するようになるから、落下して積載された際に、位置ずれが起こったり、空気が挟み込まれて部分的または全体的に皺ができる等の問題を内在していた。
【0009】
従って本発明では、シートを変形しないように積載テーブルへ積載すると共に、順次積載される各シートを、端部を揃えた状態できれいに積載し得るようにしたシート積載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、
シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置と積載テーブルとの間に設置され、この積載テーブルの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベアと、
前記移送コンベアにおいて前記積載テーブルに臨む先端側に設置され、該移送コンベアの上面側から該積載テーブルの上面側へ傾斜するスロープ面を有するシート案内部材とから構成したことを要旨とする。
【0011】
従って、請求項1に係る発明によれば、移送コンベアの上面と積載テーブルの上面との段差が好適に解消され、シートが形状保持性が低く柔軟性に富んでいたとしても、移送コンベアと積載テーブルとの境界部分において該シートが変形することが防止される。これにより、積載コンベアに積載されたシートに皺等が生ずることが殆どなく、積載コンベアの上面または該積載コンベアに積載されたシートの上面へ適切に位置決めされた状態で積載することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置と積載テーブルとの間に設置され、この積載テーブルの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベアと、
前記移送コンベアにおいて前記積載テーブルに臨む先端側に設置され、該移送コンベアの上面側から該積載テーブルの上面側へ傾斜するスロープ面を有するシート案内部材と、
前記積載テーブルの上方に配設されて該積載テーブルの上面へ近接移動可能であり、前記移送コンベアから前記積載テーブルの上面へ到来した前記シートの端部近傍を、該積載テーブルへ押し付け可能なシート押圧部材とから構成したことを要旨とする。
【0013】
従って、請求項2に係る発明によれば、移送コンベアの上面と積載テーブルの上面との段差が好適に解消され、シートが形状保持性が低く柔軟性に富んでいたとしても、移送コンベアと積載テーブルとの境界部分において該シートが変形することが防止される。また、所定位置に到来して位置決めされたシートの端縁部近傍をシート押圧部材で押圧したもとで、移送コンベアを第1状態から第2状態へ形態変位させるようにでき、順次積載される各シートを、端縁部を揃えて綺麗に積載することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、
前記移送コンベアは、前記積載テーブルに隣接して配設された駆動ローラと、前記積載テーブルの上方に配設され、前記シートの移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラと、前記積載テーブルの上方から退避した位置に配設され、前記第1スライドローラと同期的に往復移動可能な第2スライドローラと、これら駆動ローラ、第1スライドローラおよび第2スライドローラに巻掛けられる回転ベルトとから構成されることを要旨とする。
【0015】
従って、請求項3に係る発明によれば、第1スライドローラと第2スライドローラを同期的に移動させることで第1状態と第2状態とにスムーズに形態変位し、回転ベルト上に載置されたシートを平面状に支持することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記移送コンベアは、前記回転ベルトの回転停止状態で前記第1スライドローラおよび第2スライドローラを移動させることで、前記第1状態から第2状態に変位して前記シートの下側から退避して、該シートを前記積載テーブル上へ積載させることを要旨とする。
【0017】
従って、請求項4に係る発明によれば、シートを停止させたもとで移送コンベアを第1状態から第2状態へ形態変位させるため、該シートが水平方向へ引張られずに積載テーブルへ積載されるようになり、積載位置の位置決めが容易に図られる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記シート押圧部材は、先端のシート押圧部が柔軟性を有する材料から形成され、押圧したシートの形状に追従変形可能であることを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、シート押圧部材の先端に設けたシート押圧部が柔軟性を有する材料から形成されているため、シートを適度な圧力で均一的に押圧するようになり、該シートを不用意に変形させることがない。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るシート積載装置によれば、シートを変形しないように積載テーブルへ積載することができると共に、順次積載される各シートを、端部を揃えた状態できれいに積載し得る等の有益な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明に係るシート積載装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、本発明のシート積載装置が積載対象とするシートは、例えば敷布のような布形状の物品が例示でき、特には後述するように、軟質発泡樹脂からなるシートが好適とされる。
【実施例】
【0021】
図1は、好適実施例に係るシート積載装置を破断して示した概略側面図、図2は、図1のシート積載装置の概略平面図、図3は、図1のシート積載装置の概略背面図である。本実施例のシート積載装置30は、スライドテーブル28上に載置された密度20〜50kg/m3程度の軟質ポリウレタン発泡樹脂ブロック(以下、「軟質発泡樹脂ブロック」ともいう)Bの上部を、図示省略したスライス装置でスライスすることで所定の厚み(2〜5mm程度)に形成されたシートS(以下、「軟質発泡樹脂シートS」という)を、シート把持装置32で把持して隣接して配設された積載テーブルTへ移送すると共に、このシート把持装置32と積載テーブルTとの間に配設された移送コンベア70を利用して、該積載テーブルT上へ順次積載する装置である。なお説明の便宜上、図1における右側をシート積載装置30の前側、図面左側を装置の後側とする。またスライス装置は、既存のものがそのまま実施されるため、本実施例では図示および説明を省略する。
【0022】
シート把持装置32は、本体フレーム34の左右両側に設置されて略「く」字形を呈する第1ガイドレール38,38に案内されて昇降移動する昇降体36に配設されている。この昇降体36は、本体フレーム34の幅方向へ水平に延在する棒状部材であって、前述した各第1ガイドレール38,38に沿ってスライド移動可能な第1スライダ40,40に対し、その両端部が摺接状態で連結されている。そして、各々の第1ガイドレール38,38には、複数のスプロケット43に巻掛けられて、本体フレーム34の上部に設置されたモータ44に連繋されたチェーン42,42が、該第1ガイドレール38,38の長手方向に沿うよう延設されており、これらチェーン42,42に第1スライダ40,40が連結されている。従って、前述したモータ44を正転・逆転駆動制御することにより、水平姿勢に保持されている昇降体36は、各第1ガイドレール38,38に沿って本体フレーム34の前側と上部中央との間を昇降移動するようになる。なお昇降体36は、各第1スライダ40,40に対し端部が摺接されて軸方向を中心とした回動が可能となっており、後述するように、揺動機構56によるシート把持装置32の揺動を許容し得るようになっている。
【0023】
昇降体36に配設されたシート把持装置32は、図4(a)に例示するように、該昇降体36に所要間隔毎に配設された複数の支持ステー52に固定された横長板状の押圧部材46と、昇降体36に所要間隔毎に配設された複数基の第1流体アクチュエータ54のロッド54Aに固定されたL形板状の把持部材48とからなるシート把持部50を有している。そして、各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう付勢制御することで、各把持部材48が押圧部材46へ近接移動し、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持し得る。また、各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが後退するよう付勢制御することで、各把持部材48が押圧部材46から離間移動し、軟質発泡樹脂シートSに対する把持を解除し得る構造となっている。
【0024】
なお、前述した押圧部材46には図示しない圧力感知センサが装備されており、軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成された軟質発泡樹脂シートSの端縁近傍部分を該押圧部材46の先端が押圧し、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1が起立した状態(図4(a)の状態)となった時点で、圧力感知センサが感知するよう設定されている。従って、昇降体36の下降移動によりシート把持装置32を下降移動させ、押圧部材46の先端が軟質発泡樹脂シートSを押圧して圧力感知センサが作動したら、これによる信号に基づいて前述した第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう付勢制御することにより、把持部材48を押圧部材46へ近接移動させて軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持することが可能となる。
【0025】
またシート把持装置32には、シート把持部50を全体的に揺動させる揺動機構56を有している。この揺動機構56は、図5(a)に例示するように、一方の第1スライダ40(図2における上側)に立設固定された支持ステー58と、昇降体36に固定された作動レバー60と、支持ステー52の上端にそのボトム側が枢支されると共に作動レバー60の先端にロッド62Aを連結した第2流体アクチュエータ62とから構成されている。これにより、第2流体アクチュエータ62をロッド62Aが後退するよう付勢制御することで、各支持ステー52が第1ガイドレール38に対して略直角に延出した姿勢となる(図5(a))。また、第2流体アクチュエータ62をロッド62Aが前進するよう付勢制御することで、各支持ステー52が第1ガイドレール38に対して約45度の前下がり姿勢となる(図5(b))。この揺動機構56は、後述するように、把持していた軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに先立ち、この軟質発泡樹脂シートSを揺れ動かして該軟質発泡樹脂シートSに付与されていた皺や捻れ等を除去すると共に、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ適切に臨ませ得るように機能する(図5(b))。
【0026】
積載テーブルTは、前述した本体フレーム34の内側に設置されたリフター64の上面に、水平状態で着脱可能に搭載されている。そして図1に例示したように、本体フレーム34の前後部分に光電管等のセンサ66,66が配設されており、リフター64の伸縮制御を行なうことで、軟質発泡樹脂シートSを積載していない場合では積載テーブルTの上面が、また軟質発泡樹脂シートSが積載されている場合には該軟質発泡樹脂シートSの最上面が、常に両センサ66,66を結んだライン上に一致するよう制御される。すなわち、移送コンベア70から移載される軟質発泡樹脂シートSが、弛んだり折り重なることなく適切に積載されるようにするため、積載テーブルTの上面(または積載されている軟質発泡樹脂シートSの上面)と移送コンベア70との間隔を常に一定に保持する必要があるためである。従って、積載テーブルTに積載されている軟質発泡樹脂シートSの枚数が少ない程、リフター64の伸長量が大きくなる。なお、実施例に例示した積載テーブルTは、キャスター68が付いていてリフター64に着脱可能に搭載される形態のものであるが、この積載テーブルTはリフター64に備え付けられた固定形態のものでもよい。
【0027】
そして本実施例のシート積載装置30では、図1〜図3に例示したように、前述したシート把持装置32と積載テーブルTとの間に、この積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア70を装備している。この移送コンベア70は、後で詳述するように、第1状態においてシート把持装置32から軟質発泡樹脂シートSを受け取ると共に、該軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTの側へ移送する回転ベルト80を備えている。そして、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が積載テーブルTの所定位置に到来した時点で、第1状態から第2状態へ徐々に形態変位して該積載テーブルT上から退避し、軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルT上へ積載するよう構成されている。
【0028】
具体的に移送コンベア70は、積載テーブルTの前側に隣接して配設された駆動ローラ72と、積載テーブルTの上方に配設され、軟質発泡樹脂シートSの移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラ74と、積載テーブルTの上方から退避した位置に配設され、第1スライドローラ74と同期的に往復移動可能な第2スライドローラ76と、積載テーブルTに隣接して配設されたテンションローラ78と、これら駆動ローラ72、第1スライドローラ74、第2スライドローラ76およびテンションローラ78に常には展張状態で巻掛けられる回転ベルト80とから構成されている。駆動ローラ72およびテンションローラ78は本体フレーム34に対して固定的(移動不能)に配設されており、第1スライドローラ74および第2スライドローラ76は本体フレーム34に対してスライド移動可能に配設されている。なお、前述した「展張状態」とは、各ローラ72,74,76,78に巻掛けられた回転ベルト80が、テンションローラ78に配設されたバネ等の付勢弾力により、部分的または全体的な弛みがないよう適度にテンションが掛かった状態を意味する。
【0029】
第1スライドローラ74は、図1〜図3に例示したように、本体フレーム34の左右両側に水平に延在する第2ガイドレール82,82にスライド移動可能に配設された第2スライダ84,84の下端にその両端が支持され、自在回転可能に取り付けられたフリーローラである。これら第2スライダ84,84は、パルスモータ等の図示省略した第1スライド駆動手段にタイミングベルト等を介して連繋されており、この第1スライド駆動手段により対応の第2ガイドレール82,82に沿って摺動する。従って第1スライドローラ74は、積載テーブルTの上方において移送方向と直交する方向へ水平に延在し、この水平状態で搬送方向(前後方向)へ移動するようになる。
【0030】
第2スライドローラ76は、図1〜図3に例示したように、本体フレーム34の左右両側に垂直に延在する第3ガイドレール86,86にスライド移動可能に配設された第3スライダ88,88にその両端が支持され、自在回転可能に取り付けられたフリーローラである。これら第3スライダ88,88は、パルスモータ等の図示省略した第2スライド駆動手段にタイミングベルト等を介して連繋されており、この第2スライド駆動手段により対応の第3ガイドレール86,86に沿って摺動する。従って第2スライドローラ76は、積載テーブルTの前側において移送方向と直交する方向へ水平に延在し、この水平状態で垂直方向へ昇降移動するようになる。
【0031】
駆動ローラ72は、本体フレーム34の左右両側に固定された軸支部にその両端が軸支され、図示省略したモータ等の駆動手段に連繋されており、この駆動手段を制御して正転方向および逆転方向への回転が可能となっている。またテンションローラ78は、自在回転可能なフリーローラであって、図示省略したスプリング等の付勢手段により常には駆動ローラ72に近接する方向へ付勢されている。従って、各ローラ72,74,76,78へ巻掛けられた回転ベルト80は、常に適度の展張状態に保持されて弛むことがなく、駆動ローラ72の回転に対して滑ることなく追従移動するようになる。
【0032】
なお実施例の移送コンベア70は、駆動ローラ72およびテンションローラ78の配設位置が、第1スライドローラ74の配設位置よりも高く設定されており、積載テーブルT上に臨む部分が常に下方傾斜した状態に延出するようになっている。これにより回転ベルト80は、第1スライドローラ74が位置する後端部分においてのみ積載テーブルTに積載されている軟質発泡樹脂シートSに最接近するだけであり、この第1スライドローラ74とテンションローラ78との間では軟質発泡樹脂シートSに接近していない。従って万一、回転ベルト80が静電気を帯電したとしても、積載テーブルTへ積載されている軟質発泡樹脂シートSが、該回転ベルト80へ吸着されて巻き込まれる等の不都合を防止するよう考慮されている。
【0033】
回転ベルト80は、例えば帯電防止剤等で表面処理されて静電気等を帯電し難い材質から形成された無端ベルトである。そして、軟質発泡樹脂シートSに接触するようになる外表面80aは、図6および図8に例示するように、該回転ベルト80に載置された軟質発泡樹脂シートSとの間で摩擦を向上させる摩擦向上手段としての凸部92が、適宜間隔毎に複数個突設されている。これら凸部92は、2〜3mm程度の高さで突出した環状(ドーナツ状)を呈しており、載置された軟質発泡樹脂シートSの外表面へその環状先端部が好適に引っ掛かるようになり、回転ベルト80と該軟質発泡樹脂シートSとの間の摩擦を適切に向上させることができる。これら凸部92は、(a)回転ベルト80の成形時に同時に一体成形する、(b)外表面80aが平坦状の回転ベルト80の該外表面80aへ熱棒等を押し付け、当該押圧部分の周囲を溶融膨出させて成形する、(c)外表面80aが平坦状の回転ベルト80に対し、別途成形したドーナツ状部材を接着して取り付ける、等の方法を利用して設けられる。なお、各凸部92の上面に細かな凹凸形状を形成したり、摩擦係数の高いウレタンシート等を貼り込んでおけば、更なる摩擦力の向上を図ることができる。
【0034】
特に本実施例の移送コンベア70は、前述したように、第1状態で下方傾斜した状態となり(図10)、かつ第1状態から第2状態へ移行する過程(図14、図15)でその傾斜角度が徐々に大きくなる構造となっている。このため、回転ベルト80の外表面80aに複数の凸部92を設けておくことにより、該回転ベルト80と軟質発泡樹脂シートSとの間の適度な摩擦が得られるので、移送コンベア70から積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを移載する過程において回転ベルト80が傾斜しても、該軟質発泡樹脂シートSの不用意な滑り発生を防止できる。
【0035】
なお、本実施例における凸部92は、回転ベルト80の長手方向および幅方向へ所定間隔で規則的に配列させた場合を例示しているが、この配列態様はこれに限定されず、回転ベルト80の外表面80aにランダムに配列するようにしてもよい。但し、凸部92の配設個数は、該凸部92の配設位置から外れた軟質発泡樹脂シートSの外表面が、回転ベルト80の外表面80aに適度に接触し得るように設定するのが望ましい。
【0036】
前述した移送コンベア70は、軟質発泡樹脂シートSの縦横サイズを考慮すると幅寸法が2m以上に及ぶため、長さが2m以上となる第1スライドローラ74は、中央部分での撓み変形の防止を考慮すると、外径寸法を極端に小さくすることはできない。このため、積載テーブルTの上方へ臨む移送コンベア70の厚み寸法は、この第1スライドローラ74の外径寸法に依存されることとなり、積載テーブルTに積載された軟質発泡樹脂シートSの上面と回転ベルト80の上面との間に、第1スライドローラ74の外径寸法以上の段差が形成されてしまう。従って、形状保持性が極めて低く柔軟性に富んだ軟質発泡樹脂シートSが移送コンベア70から積載テーブルTへ移送される場合、この段差部分で下側へ落ち込んでしまい、積載される軟質発泡樹脂シートSに皺が形成される原因となる。
【0037】
そこで本実施例のシート積載装置30では、移送コンベア70において積載テーブルTに臨む先端側、すなわち第1スライドローラ74に隣接して、移送される軟質発泡樹脂シートSを下側から支持するシート案内部材100を設置してある。このシート案内部材100は、例えばステンレスや合成樹脂等の成形部材であって第1スライドローラ74と略同一の長さに設定され、移送コンベア70の上面側から積載テーブルTの上面側へ傾斜するスロープ面102を有しており、両端に形成された取付片104,104を利用して第2スライダ84,84間に取り付けられている。従って、移送コンベア70上に載置されている軟質発泡樹脂シートSは、シート案内部材100のスロープ面102に沿って滑りながら積載テーブルT上へ移動するようになり、落ち込み等の変形が好適に防止された状態で移動する。
【0038】
前述のように構成された本実施例の移送コンベア70は、図示しない第1スライド駆動手段および第2スライド駆動手段を連動的に制御することで、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面後方に位置する場合に第2スライドローラ76は最も上側に位置するようになる(図10)。そして、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上方を前方側へ移動する場合は、第2スライドローラ76はこれに連動して下方へ移動するようになり(図14)、更に第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面前方に位置した場合に、第2スライドローラ76は最も下側に位置するようになる(図15)。
【0039】
また、第1状態から第2状態への形態変位時および第2状態から第1状態への形態変位時は、駆動ローラ72を停止制御して回転ベルト80を停止させた状態で行なうようになっている。これにより、駆動ローラ72と第1スライドローラ74との間に位置した回転ベルト80におけるシート載置部分80Aは、第1スライドローラ74が前方へ移動するに従い、全く移動せずにその延出長だけが徐々に短くなる。すなわち移送コンベア70は、第1状態から第2状態へ形態変位するに際し、シート載置部分80Aに載置されている軟質発泡樹脂シートSを後方側へ押したり前方側へ引張らないようになっている。
【0040】
なお、図1における符号90は、前述した積載基準位置(所定位置)Pの上方に設置されたセンサであり、前述した移送コンベア70で積載テーブルT側へ移送された軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2を検知するために機能する。従って、このセンサ90による検知信号の検出タイミングに基づき、前述した駆動手段が停止制御されて駆動ローラ72および回転ベルト80が停止する一方、第1スライド駆動手段および第2スライド駆動手段が夫々駆動制御されて第1スライドローラ74および第2スライドローラ76が前側および下側へ移動し、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位するようになる。
【0041】
更に、本実施例のシート積載装置30は、図1〜3および図6に例示したように、積載テーブルTの後端側上方における本体フレーム34に、該積載テーブルTの上面へ近接移動可能なシート押圧部材110が配設されている。このシート押圧部材110は、本体フレーム34の支持片112に対し垂下状態に固定された第3流体アクチュエータ114のロッド114A先端に取り付けられており、該ロッド114Aに固定される比較的硬質の取付基台116と、この取付基台116の下側に配設される比較的軟質のシート押圧部118とから構成されている。シート押圧部118は、例えば軟質発泡ウレタン等の柔軟性を有する材料から形成され、押圧した軟質発泡樹脂シートSの形状に追従変形可能となっている。なお本実施例では、本体フレーム34の幅方向へ所要間隔毎に3基のシート押圧部材110が配設されており、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2近傍における左右両側および中央を夫々押圧するようになる。
【0042】
このようなシート押圧部材110は、図7に例示するように、移送コンベア70が第1状態に形態変位している際に、第3流体アクチュエータ114をロッド114Aが延出するよう付勢制御すると、積載テーブルTの上面(または積載された軟質発泡樹脂シートSの上面)およびシート案内部材100のスロープ面102の夫々に、シート押圧部118が略半分ずつ掛かる位置へ押し付けられるよう設定されている。従って、移送コンベア70から積載テーブルTの積載基準位置Pへ軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が到来したタイミングで第3流体アクチュエータ114を付勢制御すると、この端縁部S2の近傍を、積載テーブルTの上面(または積載された軟質発泡樹脂シートSの上面)およびシート案内部材100のスロープ面102へ押し付けるようになる。
【0043】
次に、前述のように構成された本実施例のシート積載装置30を使用したシート積載方法につき、図10〜図17を引用して説明する。
【0044】
本実施例のシート積載装置30は、電源投入時の初期状態または作動前状態では、次のようになっている。前記シート把持装置32は、図1に例示したように、例えば第1ガイドレール38の折曲部分の真下(軟質発泡樹脂ブロックBの適宜上方)を原点位置として、この原点位置に停止待機した状態となる。移送コンベア70は、積載テーブルTの上方に傾斜状態で延出した前述の第1状態に停止保持されている。積載テーブルTは、リフター64の昇降制御により、その上面が前述したセンサ66,66を結ぶラインに合致した状態に保持されている。更に、シート押圧部材110は、第3流体アクチュエータ114をロッド114Aが後退するよう付勢制御して、積載テーブルTから上昇した位置に停止保持されている。
【0045】
このような初期状態において、図示省略したスライス装置およびシート積載装置30の運転を開始すると、該スライス装置によりスライドテーブル28の上面に載置された軟質発泡樹脂ブロックBの上面がスライスされ、所要厚みの軟質発泡樹脂シートSが該軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成される。このスライス装置によるスライス工程完了が検知されたら、図4(a)に例示するように、前述したモータ44の駆動制御により昇降体36をゆっくりと下降移動させ、押圧部材46の先端で軟質発泡樹脂シートSの端縁近傍部分を押圧させる。そして、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1が浮き上がってセンサからの検出信号が入力されると、図10および図4(b)に例示するように、前述した各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう付勢制御して各把持部材48を押圧部材46へ近接移動させることで、これら押圧部材46と把持部材48により軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持する。
【0046】
押圧部材46および把持部材48による軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1の把持が完了したら、図11および図4(c)に例示するように、前述したモータ44を逆駆動するよう制御して、シート把持装置32をガイドレール38,38に沿って上昇移動させる。これにより、シート把持部50に把持された軟質発泡樹脂シートSは、本体フレーム34の上部中央まで上昇したシート把持装置32から下方へ懸吊した状態となる。
【0047】
シート把持装置32が所定位置まで上昇したら、図12および図5(b)に例示するように、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに先立ち、該シート把持装置32のシート把持部50を揺動機構56により揺動させる。これにより、該軟質発泡樹脂シートSに付与されていた皺や捻れ等が取り除かれると共に、軟質発泡樹脂シートSの下側の端縁部(シート把持部50で把持されている端縁部S1と対向した端縁部)S2が、移送コンベア70の上方へ臨むようになる。なお、シート把持装置32の揺動と同時に、移送コンベア70を第1状態で駆動させて回転ベルト80を回転させる。
【0048】
シート把持装置32を揺動させたことにより、移送コンベア70の回転ベルト80に軟質発泡樹脂シートSの端端部S2が接触するようになり、図12に例示したように、軟質発泡樹脂シートSは回転ベルト80の回転に伴って後方側へ引張られるようになる。そこで、適宜タイミングを以て前述した各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが後退するよう付勢制御し、各把持部材48を押圧部材46から離間移動させることで、シート把持部50による軟質発泡樹脂シートSの把持が解除され、該軟質発泡樹脂シートSは、移送コンベア70の回転ベルト80におけるシート積載部分80A上へ、裏返し状態で完全に移載される。
【0049】
移送コンベア70へ移載された軟質発泡樹脂シートSは、図13に例示したように、回転する回転ベルト80のシート載置部分80Aに載置された状態で積載テーブルTの上方に向けて移送される。そして軟質発泡樹脂シートSは、シート案内部材100のスロープ面102を滑るようにして、移送コンベア70から積載テーブルTへ移載され、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が積載基準位置Pへ到来するとセンサ90がこれを検知する。このセンサ90の検出タイミングに基づき、前述した駆動手段を停止制御し、回転ベルト80の回転を停止させる。また、センサ90の検出タイミングに基づき、図13および図17(a)に例示するように、前述した第3流体アクチュエータ114をロッド114Aが前進するよう付勢制御し、シート押圧部材110を軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2近傍へ押し付け、積載テーブルTおよびシート案内部材100のスロープ面102との間で挟持する。
【0050】
なお、軟質発泡樹脂シートSの把持を解除したシート把持装置32は、例えば前述したセンサ90からの検出信号に基づき、揺動機構56により揺動状態から図5(a)に例示した姿勢に復帰する一方、逆駆動制御されたモータ44によりガイドレール38,38に沿って下降移動して前述した原点位置へ復帰する。
【0051】
シート押圧部材110の押し付けが完了したら、前述した第1スライド移動手段および第2スライド移動手段を同時に作動制御させる。これにより、図14および図17(b)に例示するように、回転ベルト80が停止した状態において、第1スライドローラ74が前方へスライド移動すると共に第2スライドローラ76が下方へスライド移動する。従って移送コンベア70は、この位置で停止している軟質発泡樹脂シートSの下側から徐々に前方へ退避していく。
【0052】
移送コンベア70が第1状態から第2状態に向けて形態変位する過程で、回転ベルト80のシート載置部分80Aは延出長が徐々に小さくなるため、移送コンベア70による支持が徐々に解除される軟質発泡樹脂シートSは、適宜に弾性変形しながら端縁部S2の側から積載テーブルTの上面へ載置されていく。そして、移送コンベア70が前述した第2状態へ形態変位すると、図15および図17(c)に例示するように、回転ベルト80が軟質発泡樹脂シートSの下側から完全に退避するため、該軟質発泡樹脂シートSは積載テーブルTへ完全に積載される。
【0053】
ここで、図17(a)〜図17(c)に例示したように、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位する過程では、該移送コンベア70と積載テーブルTとの境界部分にシート案内部材100のスロープ面102が存在しているため、軟質発泡樹脂シートSが弛んだり皺になることなく積載テーブルTへ順次載置されていく。また、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位する過程では、回転ベルト80のシート載置部分80Aの傾斜角度が徐々に大きくなっていくものの、回転ベルト80の外表面80aに形成した複数の凸部92が軟質発泡樹脂シートSの外表面へ適宜引っ掛かるようになるから、回転ベルト80に対する該軟質発泡樹脂シートSの滑りが発生しない。従って、軟質発泡樹脂シートSの移載途中において回転ベルト80に対して滑ることがないから、積載テーブルTへ既に積載された部位へ後から順次折り重なるように積載される現象は起こらず、当該該軟質発泡樹脂シートSは皺が発生することなく積載テーブルTへ積載されるようになる。
【0054】
一方、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位する際には、前述したスライス装置により軟質発泡樹脂ブロックBの上部に次の軟質発泡樹脂シートSが形成されているため、再びシート把持装置32による該軟質発泡樹脂シートSの把持作業が遂行される。すなわち、本実施例のシート積載装置30では、前の軟質発泡樹脂シートSが積載テーブルTに積載完了された時点で、シート把持装置32は軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成された次の軟質発泡樹脂シートSを既に把持している。
【0055】
積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載が完了したら、前述した第1スライド移動手段および第2スライド移動手段を同時に作動制御して、図16に例示するように、移送コンベア70を前述した第1状態に形態変位させる。また積載テーブルTは、リフター64を作動制御して、積載された軟質発泡樹脂シートSの上面がセンサ66,66を結んだラインに一致するまで降下させる。更にシート押圧部材110は、第3流体アクチュエータ114をロッド114Aが後退するよう付勢制御することで、積載テーブルTから離間するよう上昇する。
【0056】
一方、移送コンベア70が第2状態から第1状態へ復帰する際に、前述したシート把持装置32は、次の軟質発泡樹脂シートSを把持した状態で本体フレーム34の上方へ到来しており、該移送コンベア70に対する当該軟質発泡樹脂シートSの移載が可能となっている。従って移送コンベア70は、第1状態に復帰すると同時に再び駆動手段が駆動制御されて回転ベルト80が回転し、軟質発泡樹脂シートSの受け取りが可能な状態となる。
【0057】
このように、本実施例のシート積載装置30によるシート積載方法では、移送コンベア70から積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを移載するに際し、この軟質発泡樹脂シートSを最後まで把持している必要がないため、積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを積載する間に、シート把持装置32は次の軟質発泡樹脂シートSを把持して、移送コンベア70へ移送する準備をすることができる。従って、スライス装置により連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載する際のロスタイムが殆どなく、積載作業のサイクルタイムを短縮化し得る。また、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに際してシート把持装置を揺動させるため、把持されていた軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ好適に臨ませ得るようになり、この軟質発泡樹脂シートSに付与されていた折れや捻れ等が除去されると共に、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ適切に移載させ得る。
【0058】
また本実施例のシート積載装置30によれば、次のような作用効果を奏する。先ず、積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態とに形態変位可能な回転ベルト80を有する移送コンベア70を使用して、軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載するようにしたため、この積載時に軟質発泡樹脂シートSが引張られることがなくなり、積載時にシート把持装置32で軟質発泡樹脂シートSを長く把持している必要がない。このため、スライス装置により連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載する際のサイクルタイムを短縮化し得る。そして移送コンベア70は、第1スライドローラ74と第2スライドローラ76を同期的に移動させることで第1状態と第2状態とにスムーズに形態変位する一方、テンションローラ78により何れの状態でも常に回転ベルト80が展張状態に保持され、該回転ベルト80に載置された軟質発泡樹脂シートSを平面状に支持することができる。しかも、軟質発泡樹脂シートSを停止させたもとで移送コンベア70を第1状態から第2状態へ形態変位させるため、該軟質発泡樹脂シートSが水平方向へ動くことなく積載テーブルTへ積載されるようになり、積載位置の位置決めが容易に図られる。
【0059】
そして、移送コンベア70の先端側にシート案内部材100を配設したため、該移送コンベア70の上面と積載テーブルTの上面との段差が好適に解消され、軟質発泡樹脂シートSが形状保持性が低く柔軟性に富んでいたとしても、移送コンベア70と積載テーブルTとの境界部分において該軟質発泡樹脂シートSが変形することが防止される。これにより、積載テーブルTに積載された軟質発泡樹脂シートSに皺等が生ずることが殆どなく、積載テーブルTの上面または該積載テーブルTに積載された軟質発泡樹脂シートSの上面へ適切に積載することができる。
【0060】
また、積載テーブルTの上方にシート押圧部材110を配設したため、積載基準位置Pに到来して位置決めされた軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2近傍をこのシート押圧部材110で押圧したもとで、移送コンベア70を第1状態から第2状態へ形態変位させるようにできる。このため、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位するに際し、万一、軟質発泡樹脂シートSが引張られるようなことがあってもこれによるずれ動きを防止でき、順次積載される各軟質発泡樹脂シートSを、端縁部S2を揃えて綺麗に積載することができる。しかもシート押圧部材110は、その先端に設けたシート押圧部118が柔軟性を有する材料から形成されているため、軟質発泡樹脂シートSを適度な圧力で均一的に押圧するようになり、該軟質発泡樹脂シートSを不用意に変形させることがない。
【0061】
更に、移送コンベア70における回転ベルト80の外表面80aに、摩擦向上手段として複数の凸部92を突設したため、移送コンベア70が第1状態から第2状態に形態変位する途中で該回転ベルト80が適宜角度に傾斜していても、これら凸部92が軟質発泡樹脂シートSの外表面へ適宜引っ掛かるため、該軟質発泡樹脂シートSが回転ベルト80上で滑ることがない。従って、これによっても、積載テーブルTに積載される軟質発泡樹脂シートSに皺等が生ずることが殆どなく、積載テーブルTの上面または該積載テーブルTに積載された軟質発泡樹脂シートSの上面へ、軟質発泡樹脂シートSを適切に順次積載することができる。
【0062】
なお、移送コンベア70に関しては、第1スライドローラ74および第2スライドローラ76を移動させる構成、シート把持部材48を移動させる構成、シート押圧部材110を昇降移動させる構成等は、前述した実施例に開示のものに限定されるものではなく、現在実用化されている種々態様のものに変更可能である。
【0063】
そして前述した実施例では、第1状態と第2状態に形態変位する移送コンベア70に関し、略L字形に屈曲するものを例示したが、この移送コンベア70の形態はこれに限定されるものではない。例えば、設置スペース等の制限がない場合には、第1スライドローラ74、駆動ローラ72、第2スライドローラ76を略直線状に配列するようにしてもよい。
【0064】
また、回転ベルト80の外表面80aに形成した摩擦向上用の凸部92は、図8に例示した環状形状(ドーナツ形状)のものに限定されるものではなく、傾斜状態の回転ベルト80と軟質発泡樹脂シートSとの間に滑りが生じないだけの摩擦を発現し得るものであれば、突出形状、配設個数、配設態様等は多様である。例えば、先丸円錐形状、截頭角錐形状等、様々な形態が実施可能である。
【0065】
また前述した実施例では、回転ベルト80と軟質発泡樹脂シートSとの間の摩擦を向上させる摩擦向上手段として、前述した回転ベルト80の外表面80aに凸部92を設けたことによる外表面82aの形状変更によるものを例示したが、この摩擦向上手段はこれに限定されるものではない。これ以外に摩擦向上手段は、例えば図9に例示するように、回転ベルト80の外表面80aに貼り込んだシート材120として、回転ベルト80の外表面80a部分の材質を変更したものとしてもよい。このシート材120は、ウレタンフォームやゴム等の摩擦係数の高い材質のものとすれば、軟質発泡樹脂シートSが該シート材120へ全面的に接触するようになるため、該軟質発泡樹脂シートSの滑りを好適に防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明に係るシート積載装置の移送コンベアは、薄くスライスされたシートを、シート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置に装備されるものであって、形状保持性が低く柔軟性に富んだシートを効率よく積載する作業に好適に供される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例に係るシート積載装置を破断して示した概略側面図。
【図2】図1のシート積載装置の概略平面図。
【図3】図1のシート積載装置の概略背面図。
【図4】シート把持装置による軟質発泡樹脂シートの把持態様を例示した説明図。
【図5】シート把持装置に装備された揺動機構の作動態様を示した説明図。
【図6】移送コンベアに配設されたシート案内部材および本体フレームに配設されたシート押圧部材を示した概略斜視図。
【図7】移送コンベアに配設されたシート案内部材および本体フレームに配設されたシート押圧部材を示した説明図。
【図8】外表面に凸部を突設した回転ベルトの部分斜視図。
【図9】摩擦係数の高いシート材を外表面に貼り込んだ別形態の回転ベルトの部分斜視図。
【図10】図1のシート積載装置を使用したシート積載工程の説明図であって、シート把持装置により軟質発泡樹脂シートを把持する状態を示している。
【図11】シート積載工程の説明図であって、軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を上昇移動させた状態を示している。
【図12】シート積載工程の説明図であって、シート把持装置を揺動させて軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ臨ませた状態を示している。
【図13】シート積載工程の説明図であって、移送コンベアへ移載した軟質発泡樹脂シートの端縁部が積載基準位置へ到来し、シート押圧部材により押圧した状態を示している。
【図14】シート積載工程の説明図であって、移送コンベアを第1状態から第2状態へ形態変位させている状態を示している。
【図15】シート積載工程の説明図であって、移送コンベアが第2状態へ形態変位して積載テーブルに対する軟質発泡樹脂シートの積載が完了すると共に、シート把持装置で次の軟質発泡樹脂シートを把持する状態を示している。
【図16】シート積載工程を示した説明図であって、移送コンベアを第1状態へ復帰させると共に、次の軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を上昇移動させた状態を示している。
【図17】図13、図14および図15の部分拡大図。
【図18】従来のシート積載装置によるシート積載方法を例示した説明図。
【符号の説明】
【0068】
32 シート把持装置,70 移送コンベア,72 駆動ローラ,
74 第1スライドローラ,76 第2スライドローラ,80 回転ベルト,
100 シート案内部材,102 スロープ面,110 シート押圧部材,
118 シート押圧部,S 軟質発泡樹脂シート(シート),T 積載テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート(S)をシート把持装置(32)で把持して積載テーブル(T)へ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置(32)と積載テーブル(T)との間に設置され、この積載テーブル(T)の上方へ延出した第1状態および該積載テーブル(T)の上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア(70)と、
前記移送コンベア(70)において前記積載テーブル(T)に臨む先端側に設置され、該移送コンベア(70)の上面側から該積載テーブル(T)の上面側へ傾斜するスロープ面(102)を有するシート案内部材(100)とから構成した
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
シート(S)をシート把持装置(32)で把持して積載テーブル(T)へ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置(32)と積載テーブル(T)との間に設置され、この積載テーブル(T)の上方へ延出した第1状態および該積載テーブル(T)の上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア(70)と、
前記移送コンベア(70)において前記積載テーブル(T)に臨む先端側に設置され、該移送コンベア(70)の上面側から該積載テーブル(T)の上面側へ傾斜するスロープ面(102)を有するシート案内部材(100)と、
前記積載テーブル(T)の上方に配設されて該積載テーブル(T)の上面へ近接移動可能であり、前記移送コンベア(70)から前記積載テーブル(T)の上面へ到来した前記シート(S)の端部近傍を、該積載テーブル(T)へ押し付け可能なシート押圧部材(110)とから構成した
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項3】
前記移送コンベア(70)は、
前記積載テーブル(T)に隣接して配設された駆動ローラ(72)と、
前記積載テーブル(T)の上方に配設され、前記シート(S)の移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラ(74)と、
前記積載テーブル(T)の上方から退避した位置に配設され、前記第1スライドローラ(74)と同期的に往復移動可能な第2スライドローラ(76)と、
これら駆動ローラ(72)、第1スライドローラ(74)および第2スライドローラ(76)に巻掛けられる回転ベルト(80)とから構成される請求項1または2記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記移送コンベア(70)は、前記回転ベルト(80)の回転停止状態で前記第1スライドローラ(74)および第2スライドローラ(76)を移動させることで、前記第1状態から第2状態に変位して前記シート(S)の下側から退避して、該シート(S)を前記積載テーブル(T)上へ積載させる請求項3記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記シート押圧部材(110)は、先端のシート押圧部(118)が柔軟性を有する材料から形成され、押圧したシート(S)の形状に追従変形可能である請求項2記載のシート積載装置。
【請求項1】
シート(S)をシート把持装置(32)で把持して積載テーブル(T)へ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置(32)と積載テーブル(T)との間に設置され、この積載テーブル(T)の上方へ延出した第1状態および該積載テーブル(T)の上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア(70)と、
前記移送コンベア(70)において前記積載テーブル(T)に臨む先端側に設置され、該移送コンベア(70)の上面側から該積載テーブル(T)の上面側へ傾斜するスロープ面(102)を有するシート案内部材(100)とから構成した
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
シート(S)をシート把持装置(32)で把持して積載テーブル(T)へ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置(32)と積載テーブル(T)との間に設置され、この積載テーブル(T)の上方へ延出した第1状態および該積載テーブル(T)の上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア(70)と、
前記移送コンベア(70)において前記積載テーブル(T)に臨む先端側に設置され、該移送コンベア(70)の上面側から該積載テーブル(T)の上面側へ傾斜するスロープ面(102)を有するシート案内部材(100)と、
前記積載テーブル(T)の上方に配設されて該積載テーブル(T)の上面へ近接移動可能であり、前記移送コンベア(70)から前記積載テーブル(T)の上面へ到来した前記シート(S)の端部近傍を、該積載テーブル(T)へ押し付け可能なシート押圧部材(110)とから構成した
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項3】
前記移送コンベア(70)は、
前記積載テーブル(T)に隣接して配設された駆動ローラ(72)と、
前記積載テーブル(T)の上方に配設され、前記シート(S)の移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラ(74)と、
前記積載テーブル(T)の上方から退避した位置に配設され、前記第1スライドローラ(74)と同期的に往復移動可能な第2スライドローラ(76)と、
これら駆動ローラ(72)、第1スライドローラ(74)および第2スライドローラ(76)に巻掛けられる回転ベルト(80)とから構成される請求項1または2記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記移送コンベア(70)は、前記回転ベルト(80)の回転停止状態で前記第1スライドローラ(74)および第2スライドローラ(76)を移動させることで、前記第1状態から第2状態に変位して前記シート(S)の下側から退避して、該シート(S)を前記積載テーブル(T)上へ積載させる請求項3記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記シート押圧部材(110)は、先端のシート押圧部(118)が柔軟性を有する材料から形成され、押圧したシート(S)の形状に追従変形可能である請求項2記載のシート積載装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−22733(P2007−22733A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206117(P2005−206117)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
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