シート穿孔装置及びその制御方法
【課題】移動部材の高い移動距離精度および駆動手段の高耐久性を維持することができるシート穿孔装置を提供する。
【解決手段】プレスパンチ方式では、搬送モータ208の停止後、パンチモータ221を起動させ、穿孔動作が行われる。シート後処理装置制御部501は、イニシャル動作でスライダ260の停止時のオーバーラン量を算出する。シート後処理装置制御部501は、搬送モータ208を停止させるタイミングよりもオーバーラン量に対応した時間ΔT0前に、パンチモータ221を起動させる。起動後、パンチホームポジション2センサ272、パンチホームポジション1センサ271がONになると、シート後処理装置制御部501は、パンチモータ221を停止させる。
【解決手段】プレスパンチ方式では、搬送モータ208の停止後、パンチモータ221を起動させ、穿孔動作が行われる。シート後処理装置制御部501は、イニシャル動作でスライダ260の停止時のオーバーラン量を算出する。シート後処理装置制御部501は、搬送モータ208を停止させるタイミングよりもオーバーラン量に対応した時間ΔT0前に、パンチモータ221を起動させる。起動後、パンチホームポジション2センサ272、パンチホームポジション1センサ271がONになると、シート後処理装置制御部501は、パンチモータ221を停止させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを穿孔するシート穿孔装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート穿孔装置として、画像が形成された記録シートをその搬送中に一旦停止させて1枚ずつ穿孔するプレスパンチ方式のものと、シートを停止させることなく穿孔するロータリ方式のものがある。一般的に、プレスパンチ方式の方がロータリ方式よりも、穴位置の精度が高く、穴位置のバラツキも少ない。
【0003】
また、装置の小型化、低コスト化を目指す場合、シート穿孔装置のパンチ駆動モータとして、DCモータが用いられる。しかし、DCモータの場合、パルスモータに比べて停止精度が良くないので、DCモータを用いた場合、目標停止位置に対してバラツキ量が大きくなる。
【0004】
これに対し、特許文献1では、モータ起動直後から、モータに取り付けられているエンコーダによりパルスカウントを行って時間測定を開始し、起動直後からの経過時間が規定時間に相当するパルス数になったとき、モータにブレーキをかける制御をしている。このように、モータの起動後から規定時間が経過した後、ブレーキタイミングの制御を行うことで、停止精度位置のバラツキ量が抑えられる。
【0005】
また、特許文献2では、穿孔動作を行うモータの停止時または停止前に、停止位置がズレている場合、所望の位置に近づけるようにモータの再駆動を行うことで、モータの停止位置におけるバラツキ量の精度向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−345834号公報
【特許文献2】特開2005−75550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のシート穿孔装置には、つぎのような問題があった。すなわち、特許文献1に記載の技術は、モータのバラツキや機械差の補正には適している。しかし、機械を同じ負荷で動作させても少しずつズレてしまうようなバラツキがある場合、同じタイミングでブレーキを開始しても、必ずしもいつも同じ位置で停止するとは限らないので、モータによる穿孔装置の移動距離精度は上がらない。図16は動作の繰り返しにおけるバラツキが一定で無いパンチモータの停止動作を示すタイミングチャートである。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術では、穿孔装置の停止すべき位置までの移動距離精度は高くなるが、DCブラシモータの起動・停止を繰り返すと、モータの寿命が短くなる。その結果、部品の交換頻度が増え、装置のメンテナンスコストが高くなってしまうという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、移動部材の高い移動距離精度および駆動手段の高耐久性を維持することができるシート穿孔装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のシート穿孔装置は、搬送されたシートを穿孔するシート穿孔装置であって、往復動されることによりシートに穿孔を行うポンチ部と、所定の方向に移動することで、前記ポンチ部を往復動させる移動部材と、前記移動部材を前記所定の方向に移動させる駆動手段と、前記移動部材が所定の位置にあることを検知する位置検知手段と、前記駆動手段が前記移動部材の移動を開始させた後、前記位置検知手段によって前記移動部材が前記所定の位置に達したことが検知されたことに応じて前記駆動手段の動作を停止させて、前記移動部材の移動を停止させる停止制御手段と、前記移動部材が移動を開始してから前記所定の位置に達するまでの第1の移動量、および前記移動部材が移動を開始してから停止するまでの第2の移動量を検知する移動量検知手段と、前記移動量検知手段によって検知された前記第1の移動量と前記第2の移動量の差に基づき、次回、前記移動部材の移動を開始する移動開始時期を決定する時期決定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に係るシート穿孔装置は、移動部材が移動を開始してから所定の位置に達するまでの第1の移動量と停止するまでの第2の移動量との差に基づき、次回、移動部材の移動を開始する移動開始時期を決定する。このように、移動部材の停止位置に応じて、次回の移動部材の移動開始時期、つまり移動距離を変化させることで、移動部材の移動距離精度を高めることができ、駆動手段の起動から停止位置までの駆動時間を短くすることができる。従って、駆動手段にDCモータを使用した場合、移動部材の高い移動距離精度および駆動手段の高耐久性を維持することができる。
【0012】
請求項2に係るシート穿孔装置によれば、駆動手段の起動から停止位置までの駆動時間を最短にすることができ、より一層、駆動手段の高耐久化を図ることができる。また、シートが搬送されてから駆動手段を起動させる場合に比べ、シートを穿孔する際の生産性を高めることができる。
【0013】
請求項3に係るシート穿孔装置によれば、移動部材を往復移動させるので、移動部材の移動距離を短くすることができる。
【0014】
請求項4に係るシート穿孔装置によれば、初期動作時、シート穿孔装置が正常動作を行うか否かのチェックを兼ねて移動開始時期を決定することができる。従って、シートの穿孔動作に速やかに移行することができる。
【0015】
請求項5に係るシート穿孔装置によれば、シートを穿孔する度、移動部材の移動開始時期を更新するので、駆動手段の状態によらず、移動部材の高い移動距離精度を維持することができる。
【0016】
請求項6に係るシート穿孔装置によれば、移動部材を所定の方向に移動させるだけで、簡単にシートを穿孔することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】シート穿孔装置が適用された画像形成システムの全体構成を示す縦断面図である。
【図2】シート後処理装置100の内部構成を示す縦断面図である。
【図3】穿孔動作を行うパンチユニット250の内部構成を示す斜視図である。
【図4】穿孔動作を行うパンチユニット250の内部構成を示す斜視図である。
【図5】穿孔動作を行うパンチユニット250の内部構成を示す斜視図である。
【図6】画像形成装置300およびシート後処理装置100の制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】スライダ260が図3に示す位置に停止している場合において穿孔動作を開始する際の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。
【図8】カム溝275とポンチ273の位置関係の変化を示す図である。
【図9】カム溝275とポンチ273の位置関係の変化を示す図である。
【図10】スライダ260が図5に示す位置で停止している場合において穿孔動作を開始する際の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。
【図11】穿孔動作におけるイニシャル動作手順を示すフローチャートである。
【図12】スライダ260がパンチユニット250の手前側のホームポジションで停止している場合の穿孔動作手順を示すフローチャートである。
【図13】図12につづく穿孔動作手順を示すフローチャートである。
【図14】スライダ260がパンチユニット250の後ろ側のホームポジションで停止している場合の穿孔動作手順を示すフローチャートである。
【図15】図14につづく穿孔動作手順を示すフローチャートである。
【図16】動作の繰り返しにおけるバラツキが一定で無いパンチモータの停止動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のシート穿孔装置及びその制御方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態のシート穿孔装置は、画像形成装置に接続されたシート後処理装置(フィニッシャ)に搭載される。
【0019】
(画像形成システムの全体構成)
図1は実施の形態におけるシート穿孔装置が適用された画像形成システムの全体構成を示す縦断面図である。画像形成システムは、画像形成装置300と、自動原稿給送装置500と、シート後処理装置100とを備える。
【0020】
シート後処理装置100は、画像形成装置300に接続され、中綴じ処理装置(サドルユニット)135およびシート積載処理装置としての平綴じ処理装置を備える。なお、シート後処理装置100と画像形成装置300は一体で構成されてもよい。画像形成装置300内のカセット909a〜909dから給送されたシートには、画像形成部内のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各感光ドラム914a〜914dに形成された4色のトナー像が転写される。さらに、シートは、定着器904に搬送されてトナー画像が定着し、シート後処理装置100に搬送される。
【0021】
(シート後処理装置)
図2はシート後処理装置100の内部構成を示す縦断面図である。画像形成装置300から排紙されたシートは、シート後処理装置100の入口ローラ対102に受け渡される。このとき、入口センサ101によりシートの受渡しタイミングが同時に検知される。入口ローラ対102により搬送されたシートが搬送パス103を通過する際、横レジ検知センサ104によってシートの搬送方向に直交する幅方向の端部の位置が検知される。この端部の位置の検知結果から、シート搬送方向の中心位置からのシートの横ずれ量が求められる。
【0022】
その後、シートは、シフトユニット108によって横ずれを補正するように、手前/奥方向に移動される(シフト動作)。このシフト動作は、シフトローラ対105、106で搬送されている間に行われる。なお、必要に応じて、パンチユニット250で、シート後端部にパンチ穴をあけることが可能である。その後、シートは、搬送ローラ110、離間ローラ111およびバッファローラ対115により搬送された後、上パス搬送路117あるいは束搬送パス121に搬送される。上パス搬送路117に導かれる場合、上パス切り換えフラッパ118がソレノイド(図示せず)により図中破線で示す状態になり、シートは上排紙ローラ120により上トレイ136に排紙される。
【0023】
一方、シートが束搬送パス121に導かれる場合、上パス切り換えフラッパ118が図中実線で示す状態になり、シートはバッファローラ対122および束搬送ローラ対124により順次、束搬送パス121内を通過する。
【0024】
シートを中綴じ処理する場合、ソレノイド(図示せず)によりサドルパス切り換えフラッパ125が破線で示す状態になることで、シートはサドルパス133に搬送される。さらに、シートは、サドル入口ローラ対134によりサドルユニット135に導かれ、中綴じ処理される。なお、中綴じ処理は一般的な処理であり、本発明の要部でないので、その詳細な説明については省略する。
【0025】
一方、下トレイ137に排紙される場合、サドルパス切り換えフラッパ125が実線で示す状態になることで、シートは、束搬送ローラ対124およびサドル切り換えフラッパ125により下パス126に搬送される。その後、シートは、下排紙ローラ対128により中間処理トレイ138に排紙される。そして、パドル131とローレットベルト(図示ぜす)等の戻し部により、中間処理トレイ138上で整合処理が行われ、シート束となる。その後、必要に応じて、シート束に対し、ステイプラ132により綴じ処理が施された後、シート束は、束排紙ローラ対130により下トレイ137に排紙される。
【0026】
(穿孔装置の説明)
つぎに、穿孔装置の構成および動作について説明する。本実施形態では、穿孔装置としてパンチユニット250が設けられている。
【0027】
図3〜図5は穿孔動作を行うパンチユニット250の内部構成を示す斜視図である。図3〜図5のそれぞれにおいて、各図(A)はパンチユニット250の全体構成を示す。同様に、各図(B)は各図(A)の状態において矢印a方向から視たパンチユニット250のピンおよびカム溝の位置関係を示す。同様に、各図(C)は各図(A)の状態において矢印b方向から視たシートとポンチの位置関係を示す図である。
【0028】
パンチユニット250は、スライダ260、穿孔方向に移動自在なポンチ273(ポンチ部)、パンチモータ221、パンチホームポジション1センサ271およびパンチホームポジション2センサ272を有する。パンチホームポジション1センサ271およびパンチホームポジション2センサ272は、透過型フォトインタラプタからなり、スライダ260(移動部材)がどの位置にいるかを判別するためのセンサである。例えば、図3に示すように、パンチホームポジション1センサ271とパンチホームポジション2センサ272の両方がスライダ260の部材によって遮光されている場合、矢印b方向から見て、スライダ260は奥側(後ろ側)に位置する。
【0029】
また、図5に示すように、パンチホームポジション1センサ271とパンチホームポジション2センサ272の両方が遮光されていない場合、スライダ260は、矢印b方向から見て、手前側に位置する。なお、パンチホームポジション1センサ271、パンチホームポジション2センサ272は、それぞれスライダ260が往動時に後ろ側の第1の位置にあること、復動時に手前側の第2の位置にあることを検知する位置検知手段の一例である。
【0030】
スライダ260は、パンチモータ221により駆動され、図3中の矢印c、d方向に動く。例えば、パンチモータ221が矢印eに示すように時計回りに回転すると、スライダ260は図中d方向に動く。このとき、ポンチ273に固定されているピン274(突起部)は、スライダ260に形成されたカム溝275に挿通され、図3の位置から、カム溝275に沿ってスライダ260の移動方向に対して垂直な(直交する)方向に移動(往復動)する。そして、ピン274に連動しているポンチ273は、図4の矢印fに示すように、シートの表面に対して垂直に移動(往復動)することにより、シートに穿孔を行う。その後、スライダ260は、さらに移動し、図5に示す位置に達する。
【0031】
また、エンコーダ280は、パンチモータ221の反出力軸に固定され、パンチモータ221が動作すると、透過型フォトインタラプタであるパンチモータクロックセンサ276からクロックを発生させる。このクロックをカウントすることで、パンチモータ221によって動作するスライダ260の移動量が検知される。なお、スライダ260が1回所定距離を移動すると、1回の穿孔動作が終了する。本実施形態では、スライダ260が往復移動する際、つまり手前側から奥側へかつ奥側から手前側へ移動する際、それぞれの移動方向でシートの穿孔が行われる。
【0032】
(制御ブロック図)
図6は画像形成装置300およびシート後処理装置100の制御部の構成を示すブロック図である。画像形成装置制御部305には、CPU310、ROM306およびRAM307が内蔵されている。CPU310がROM306に格納されている制御プログラムを実行することによって、画像形成装置制御部305に接続された各部は総括的に制御される。すなわち、原稿給送装置制御部301、イメージリーダ制御部302、画像信号制御部303、プリンタ制御部304、操作部308およびシート後処理装置制御部501は総括的に制御される。また、RAM307は、制御データを一時的に保持したり、制御に伴う演算処理の作業領域としてデータを保持する場合に用いられる。
【0033】
これらの各部のうち、原稿給送装置制御部301は、自動原稿給送装置500(図1参照)を画像形成装置制御部305からの指示に従って、駆動制御を行う。イメージリーダ制御部302は、光源、レンズ、撮像素子等の光学系などに対する駆動制御を行うとともに、撮像素子から出力されたRGBのアナログ画像信号を画像信号制御部303に転送する。画像信号制御部303は、RGBのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後、各種処理を施し、このデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部304に出力する。この画像信号制御部303による処理動作は、画像形成装置制御部305により制御される。操作部308は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示する表示部など有する。この操作部308におけるそれぞれのキー操作に対応するキー信号は、計算部や入力部として機能する画像形成装置制御部305に供給される。また、操作部308には、画像形成装置制御部305からの信号に従って、表示部などに対応する情報が表示される。
【0034】
一方、シート後処理装置制御部501は、シート後処理装置100に搭載され、通信用IC(図示せず)を介して画像形成装置制御部305とデータの通信を行うことによって、シート後処理装置100の動作を制御する。また、シート後処理装置制御部501は、CPU401、ROM402およびRAM403を有する。
【0035】
CPU401は、ROM402に格納されている制御プログラムを実行することにより、各種アクチュエータや各種センサを制御する。例えば、入口センサ101、入口ローラ対102、105、106を駆動させる搬送モータ208等は、シート後処理装置制御部501により制御される。また、シート後処理装置制御部501には、パンチモータドライバ279、搬送モータドライバ278、パンチホームポジション1センサ271、パンチホームポジション2センサ272およびパンチモータクロックセンサ276が接続されている。パンチモータドライバ279はパンチモータ221を駆動する。搬送モータドライバ278は搬送モータ208を駆動する。また、RAM403は、制御データを一時的に保持したり、制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
【0036】
つぎに、本実施形態のパンチユニット250の穿孔動作について説明する。図7は、スライダ260が図3に示す位置で停止している場合において穿孔動作を開始する際の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。図7のタイミングチャートでは、図3に示す位置で停止していたスライダ260は、イニシャル動作により図5に示す位置へ移動し、その後、再度、図3に示す位置に移動することにより穿孔動作を行う。
【0037】
ユーザによるコピー開始(オン)後、シート後処理装置制御部501は、パンチユニット250が正常動作を行うか否かのチェックを兼ねるパンチユニット250のイニシャル動作(初期動作)を行う。この初期動作として、シート後処理装置制御部501は、図3の位置にあったスライダ260を図5の位置に移動させるべく、パンチモータ221を、モータ出力軸側から見て、時計方向に回転するように起動させる。
【0038】
最初に、パンチホームポジション1センサ271は、それを遮光していたスライダ260の部材がパンチホームポジション1センサ271から抜けてオフ状態になる。ここで、パンチホームポジション1センサ271のオフをローレベルとし、オンをハイレベルとする。続いて、パンチホームポジション2センサ272からもスライダ260の部材が抜けてパンチホームポジション2センサ272もオフ状態になると、シート後処理装置制御部501は、パンチモータ221の駆動を停止する。
【0039】
図8はカム溝275とポンチ273の位置関係の変化を示す図である。ポンチ273に設けられたピン274は、カム溝275に沿って移動し、穿孔後に停止する。パンチモータ221は、ブレーキをかけても(制動されても)、すぐには止まらないので、起動開始位置から目標停止位置までの距離L1に対して、距離L2までオーバーランしてしまう。なお、距離L1は第1の移動量に相当し、距離L2は第2の移動量に相当する。また、図中、矢印hはスライダ260の移動方向を示す。このオーバーラン量(L2−L1)は、図7のΔT0時間に相当する。
【0040】
図7のΔT0時間は、パンチモータ221の反出力軸に取り付けられているエンコーダ280のスリットを検知するパンチモータクロックセンサ276からのパルスをカウントすることにより求められる。CPU401は、パンチモータクロックセンサ276からのパルスをカウントすることにより移動量検知手段として機能する。
【0041】
つぎに、ユーザが穿孔処理を選択し、コピースタートを指示すると、穿孔処理として図5の位置にあるパンチユニット250内のスライダ260が図3の位置に移動することになる。シートがシート後処理装置100に搬入された後、シートの後端が入口センサ101を抜けると、シート後処理装置制御部501は、搬送モータ208を停止させる。入口センサ101がシート検知している時、信号の出力はハイレベルとなる。なお、搬送モータ208として、ステッピングモータが使用されているので、モータの駆動を精度良く制御できるため、シートをほぼ確実に目標位置に停めることが可能である。
【0042】
本来、プレスパンチ方式では、搬送モータ208の停止後、パンチモータ221を起動させ、穿孔動作が行われる。しかし、前述したとおり、先に実行したイニシャル動作でスライダ260の停止時のオーバーラン量が分かっている。そこで、本実施形態では、シート後処理装置制御部501は、搬送モータ208を停止させるタイミングよりもオーバーラン量に対応した時間ΔT0前にパンチモータ221を起動させ、オーバーラン量の移動の時間分穿孔動作が遅れることを防止している。
【0043】
このように、搬送モータ208が停止してからパンチモータ221を起動させる場合に比べて時間ΔT0の時間分だけ早く起動させるので、穿孔処理時間を時間ΔT0だけ早く終了させることができる。さらに、オーバーラン量が分かっているので、搬送されるシートを穿孔するためのパンチモータ221の動作時間(スライダ260の移動距離)を高い精度で適正にすることができ、また、パンチモータ221の動作時間も最適となる。
【0044】
パンチモータ221の起動後、パンチホームポジション2センサ272がONになり、さらに、パンチホームポジション1センサ271がONになると、シート後処理装置制御部501は、パンチモータ221を停止させる。
【0045】
図9はカム溝275とポンチ273の位置関係の変化を示す図である。図8の場合と比べ、スライダ260の移動方向hが逆になっている。パンチモータ221は、イニシャル動作の場合と同様、ブレーキをかけても起動開始位置から目標停止位置までの距離L1’に対し、L2’までオーバーランしてしまう。
【0046】
このオーバーラン(L2’−L1’)分は、図7の時間ΔT1分に相当する。そして次の穿孔処理時、シート後処理装置制御部501は、時間ΔT1だけ早くパンチモータ221を起動させる。このように、穿孔処理ごとに、前回の穿孔処理時に求めた停止位置(オーバーラン位置)から、事前に起動時間が適切に求められる。
【0047】
一方、図10はスライダ260が図5に示す位置で停止している場合において穿孔動作を開始する際の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。図10のタイミングチャートでは、図5に示す位置で停止していたスライダ260は、イニシャル動作を行うことにより図3に示す位置へ移動し、その後、再度、図5に示す位置に移動することにより穿孔動作が行われる。図10における各部の信号の変化は図7の場合とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0048】
図11は穿孔動作におけるイニシャル動作手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、シート後処理装置制御部501内のROM402に格納されており、CPU401によって実行される。このイニシャル動作は、パンチユニット250が正常に動作するか否かのチェックを兼ねる。また、この処理は、ユーザによるコピー開始指示の後であって、シート後処理装置100にシートが搬入されるよりも前に実行される。
【0049】
まず、シート後処理装置制御部501内のCPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンであるか、つまりスライダ260が図3に示す位置で停止しているか否かを判別する(ステップS1)。
【0050】
パンチホームポジション1センサ271がONである場合、CPU401は、イニシャル動作を行う。すなわち、CPU401は、パンチモータ221を時計回りに回転させるように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させ(ステップS2)、パンチモータクロックセンサ276からのパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS3)。そして、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフになったか、つまりスライダ260が図3に示す位置から抜けたか否かを判断する(ステップS4)。パンチホームポジション2センサ272がオフになった場合、つまりスライダ260が図3に示す位置から抜けた場合、CPU401は、つぎの動作を行う。すなわち、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS5)。即ち、CPU401は、モータを停止させる停止制御手段として機能する。
【0051】
そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなるまで待つ(ステップS6)。パンチモータクロックが変化しなくなったと判断した場合、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がOFFになった時から完全停止までのクロック数(オーバーラン量)から時間ΔT0(図7参照)を算出する(ステップS7)。即ち、CPU401は、オーバーラン量(クロック数)を時間ΔT0に換算する換算手段として機能する。この後、CPU401は、本処理を終了する。
【0052】
一方、ステップS1で、パンチホームポジション1センサ271がオンになっていなかった場合、つまりスライダ260が図5に示す位置で停止している場合、CPU401は、イニシャル動作を行う。すなわち、CPU401は、パンチモータ221を反時計回りに回転させるように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させ(ステップS8)、パンチモータクロックセンサ276からのパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS9)。
【0053】
そして、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンになったか否かを判断する(ステップS10)。オンになった場合、つまりスライダ260が図5に示す位置から抜けた場合、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS11)。
【0054】
そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなるまで待つ(ステップS12)。パンチモータクロックが変化しなくなったと判断した場合、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンになった時から完全停止までのクロック数(オーバーラン量)から時間ΔT0’(図10参照)を算出する(ステップS13)。この後、CPU401は、本処理を終了する。
【0055】
図12および図13は穿孔動作手順を示すフローチャートである。この手順では、イニシャル動作でスライダ260が図3に示す位置から図5に示す位置に移動した後、穿孔動作が行われる。この穿孔動作1の処理プログラムは、シート後処理装置制御部501内のROM402に格納されており、CPU401によって実行される。
【0056】
まず、CPU401は、シートの後端が入口センサ101を抜けたか否かを判断する(ステップS21)。抜けていない場合、CPU401はステップS21の処理を繰り返す。一方、シートの後端が入口センサ101を抜けた場合、CPU401は、搬送モータ208を停止させるタイミングより時間t0分前に、パンチモータ221を反時計回りに回転させるように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させる(ステップS22)。さらに、CPU401は、パンチモータクロックセンサ276からパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS23)。この後、CPU401は、搬送モータ208を停止させる(ステップS24)。
【0057】
なお、画像形成装置の電源オン後における最初の穿孔動作でない場合、時間t0は前回の穿孔動作で発生したオーバーラン量から算出された時間となり、穿孔動作が終了するまで更新される。一方、最初の穿孔動作である場合、時間t0はイニシャル動作の実行により算出された時間ΔT0(図7参照)である。
【0058】
つぎに、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンであるか否か、つまりスライダ260が図3に示す位置になったか否かを判断する(ステップS25)。パンチホームポジション1センサ271がオンでない場合、CPU401はステップS25の処理を繰り返す。一方、パンチホームポジション1センサ271がオンである場合、CPU401は、つぎの動作を行う。すなわち、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS26)。そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなったか否かを判断する(ステップS27)。パンチモータクロックが変化している場合、CPU401はステップS27の処理を繰り返す。
【0059】
一方、パンチモータクロックが変化しなくなったと判断した場合、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンになった時から完全停止までのクロック数(オーバーラン量)から時間t1を算出する(ステップS28)。その後、CPU401は、搬送モータ208を再起動させるべく搬送モータ起動信号を出力し、搬送モータ208を再起動させる(ステップS29)。
【0060】
この後、CPU401は、穿孔動作を継続させるか否かを判断する(ステップS30)。穿孔動作を継続させない場合、CPU401はそのまま本処理を終了する。一方、穿孔動作を継続させる場合、CPU401はシート後処理装置100にシートを搬入する(ステップS31)。
【0061】
シートが搬入された後、CPU401は、シートの後端が入口センサ101を抜けるまで待つ(ステップS32)。シートの後端が入口センサ101を抜けたと判断された場合、CPU401は、搬送モータ208を停止させるタイミングより時間t1前に、パンチモータ221が時計回りに回転するように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させる(ステップS33)。このように、 CPU401は、パンチモータ221の起動時期を決定する時期決定手段として機能する。これと同時に、CPU401は、パンチモータクロックセンサ276から、CPU401へのパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS34)。この後、CPU401は、搬送モータ208を停止させる(ステップS35)。なお、時間t1は、前回の穿孔動作で発生したオーバーラン量に対応した時間であり、穿孔動作が終了するまで更新され続ける。
【0062】
CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフになったか否かを判断する(ステップS36)。パンチホームポジション2センサ272がオフになった場合、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS37)。そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなったか否かを判断する(ステップS38)。パンチモータクロックが変化していると判断された場合、CPU401は、ステップS38の処理を繰り返す。一方、パンチモータクロックが変化しなくなったと判断された場合、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフした時から完全停止までの時間(オーバーラン時間)を算出する(ステップS39)。この後、CPU401は、搬送モータ208を再起動させるべく搬送モータ起動信号を出力し、搬送モータ208を再起動させる(ステップS40)。
【0063】
そして、CPU401は、穿孔動作を継続させるか否かを判断する(ステップS41)。穿孔動作を継続させない場合、CPU401はそのまま本処理を終了する。一方、穿孔動作を継続させる場合、CPU401は、ステップS21の処理に戻る。CPU401は、このような動作を穿孔動作が終了するまで行う。
【0064】
図14および図15は穿孔動作手順を示すフローチャートである。この手順では、イニシャル動作でスライダ260が図5に示す位置から図3に示す位置に移動した後、穿孔動作が行われる。この穿孔動作2の処理プログラムは、シート後処理装置制御部501内のROM402に格納されており、CPU401によって実行される。
【0065】
まず、CPU401は、シートの後端が入口センサ101を抜けたか否かを判断する(ステップS51)。抜けていない場合、CPU401はステップS51の処理を繰り返す。一方、シートの後端が入口センサ101を抜けた場合、CPU401は、搬送モータ208を停止させるタイミングより時間t0分前に、パンチモータ221を時計回りに回転させるように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させる(ステップS52)。これと同時に、CPU401は、パンチモータクロックセンサ276からパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS53)。この後、CPU401は、搬送モータ208を停止させる(ステップS54)。
【0066】
なお、画像形成装置の電源オン後における最初の穿孔動作でない場合、時間t0は電源オフ前の最後の穿孔動作で発生したオーバーラン量から算出された時間となる。一方、最初の穿孔動作である場合、時間t0はイニシャル動作の実行により算出された時間ΔT0’(図10参照)である。
【0067】
つぎに、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフであるか否か、つまりスライダ260が図5に示す位置に入ったか否かを判断する(ステップS55)。パンチホームポジション1センサ272がオフでない場合、CPU401はステップS55の処理を繰り返す。一方、パンチホームポジション2センサ272がオフである場合、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS56)。そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなったか否かを判断する(ステップS57)。パンチモータクロックが変化している場合、CPU401はステップS57の処理を繰り返す。
【0068】
一方、パンチモータクロックが変化しなくなったと判断した場合、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフになった時から完全停止までのクロック数(オーバーラン量)から時間t1を算出する(ステップS58)。その後、CPU401は、搬送モータ208を再起動させるべく搬送モータ起動信号を出力し、搬送モータ208を再起動させる(ステップS59)。
【0069】
この後、CPU401は、穿孔動作を継続させるか否かを判断する(ステップS60)。穿孔動作を継続させない場合、CPU401はそのまま本処理を終了する。一方、穿孔動作を継続させる場合、CPU401はシート後処理装置100にシートを搬入する(ステップS61)。
【0070】
シートが搬入された後、CPU401は、シートの後端が入口センサ101を抜けるまで待つ(ステップS62)。シートの後端が入口センサ101を抜けたと判断された場合、CPU401は、搬送モータ208を停止させるタイミングより時間t1前に、パンチモータ221が反時計回りに回転するように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させる(ステップS63)。これと同時に、CPU401は、パンチモータクロックセンサ276から、CPU401へのパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS64)。この後、CPU401は、搬送モータ208を停止させる(ステップS65)。なお、時間t1は、前回の穿孔動作で発生したオーバーラン量に対応した時間であり、穿孔動作が終了するまで更新され続ける。
【0071】
CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンになったか否かを判断する(ステップS66)。パンチホームポジション1センサ271がオンになった場合、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS67)。
【0072】
そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなったか否かを判断する(ステップS68)。パンチモータクロックが変化していると判断された場合、CPU401は、ステップS68の処理を繰り返す。一方、パンチモータクロックが変化しなくなったと判断された場合、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がONした時から完全停止までの時間(オーバーラン時間)を算出する(ステップS69)。この後、CPU401は、搬送モータ208を再起動させるべく搬送モータ起動信号を出力し、搬送モータ208を再起動させる(ステップS70)。
【0073】
そして、CPU401は、穿孔動作を継続させるか否かを判断する(ステップS71)。穿孔動作を継続させない場合、CPU401はそのまま本処理を終了する。一方、穿孔動作を継続させる場合、CPU401は、ステップS51の処理に戻る。CPU401は、このような動作を穿孔動作が終了するまで行う。
【0074】
本実施形態のシート穿孔装置は、実際にスライダ260の停止した位置を算出し、この停止位置によって次回のスライダ260の移動開始時期、つまり移動距離を変化させることで、スライダ260の移動距離精度を高めることができる。これにより、パンチモータの起動から停止位置までのモータ駆動時間を最短にすることができ、パンチモータの高耐久化を図ることができる。また、シートが搬送されてからパンチモータを起動させる場合に比べ、シートを穿孔する際の生産性を高めることができる。また、パンチモータにDCモータを使用した場合、高いモータの移動距離精度およびモータの高耐久性を維持することができる。
【0075】
また、初期動作時、シート穿孔装置が正常動作を行うか否かのチェックを兼ねて、スライダを移動する開始タイミング(移動開始時期)を決定することができる。従って、シートの穿孔動作に速やかに移行することができる。
【0076】
また、シートを穿孔する度、開始タイミングを更新するので、モータの状態によらず、スライダ260の高い移動距離精度を維持することができる。また、本実施形態では、スライダ260を所定の方向に移動させるだけで、簡単にシートを穿孔することができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0078】
例えば、本発明のシート穿孔装置が適用される画像形成装置としては、本来の印刷装置、印刷機能を有するファクシミリ装置、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能等を有する複合機(MFP)であってもよいことは勿論である。
【0079】
また、上記実施の形態では、画像形成装置の印刷方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明はインクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。
【0080】
また、上記実施形態に記載されている構成部品の形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲は上記例示するもののみに限定されものではない。
【0081】
また、穿孔されるシートのマテリアル(材質)としては、紙媒体、OHPシート、厚紙用紙など、特に限定されない。また、シートの形状はタブ紙など特に限定されない。
【符号の説明】
【0082】
221 パンチモータ
260 スライダ
271 パンチホームポジション1センサ
272 パンチホームポジション2センサ
273 ポンチ
274 ピン
275 カム溝
276 パンチモータクロックセンサ
501 シート後処理装置制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを穿孔するシート穿孔装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート穿孔装置として、画像が形成された記録シートをその搬送中に一旦停止させて1枚ずつ穿孔するプレスパンチ方式のものと、シートを停止させることなく穿孔するロータリ方式のものがある。一般的に、プレスパンチ方式の方がロータリ方式よりも、穴位置の精度が高く、穴位置のバラツキも少ない。
【0003】
また、装置の小型化、低コスト化を目指す場合、シート穿孔装置のパンチ駆動モータとして、DCモータが用いられる。しかし、DCモータの場合、パルスモータに比べて停止精度が良くないので、DCモータを用いた場合、目標停止位置に対してバラツキ量が大きくなる。
【0004】
これに対し、特許文献1では、モータ起動直後から、モータに取り付けられているエンコーダによりパルスカウントを行って時間測定を開始し、起動直後からの経過時間が規定時間に相当するパルス数になったとき、モータにブレーキをかける制御をしている。このように、モータの起動後から規定時間が経過した後、ブレーキタイミングの制御を行うことで、停止精度位置のバラツキ量が抑えられる。
【0005】
また、特許文献2では、穿孔動作を行うモータの停止時または停止前に、停止位置がズレている場合、所望の位置に近づけるようにモータの再駆動を行うことで、モータの停止位置におけるバラツキ量の精度向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−345834号公報
【特許文献2】特開2005−75550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のシート穿孔装置には、つぎのような問題があった。すなわち、特許文献1に記載の技術は、モータのバラツキや機械差の補正には適している。しかし、機械を同じ負荷で動作させても少しずつズレてしまうようなバラツキがある場合、同じタイミングでブレーキを開始しても、必ずしもいつも同じ位置で停止するとは限らないので、モータによる穿孔装置の移動距離精度は上がらない。図16は動作の繰り返しにおけるバラツキが一定で無いパンチモータの停止動作を示すタイミングチャートである。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術では、穿孔装置の停止すべき位置までの移動距離精度は高くなるが、DCブラシモータの起動・停止を繰り返すと、モータの寿命が短くなる。その結果、部品の交換頻度が増え、装置のメンテナンスコストが高くなってしまうという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、移動部材の高い移動距離精度および駆動手段の高耐久性を維持することができるシート穿孔装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のシート穿孔装置は、搬送されたシートを穿孔するシート穿孔装置であって、往復動されることによりシートに穿孔を行うポンチ部と、所定の方向に移動することで、前記ポンチ部を往復動させる移動部材と、前記移動部材を前記所定の方向に移動させる駆動手段と、前記移動部材が所定の位置にあることを検知する位置検知手段と、前記駆動手段が前記移動部材の移動を開始させた後、前記位置検知手段によって前記移動部材が前記所定の位置に達したことが検知されたことに応じて前記駆動手段の動作を停止させて、前記移動部材の移動を停止させる停止制御手段と、前記移動部材が移動を開始してから前記所定の位置に達するまでの第1の移動量、および前記移動部材が移動を開始してから停止するまでの第2の移動量を検知する移動量検知手段と、前記移動量検知手段によって検知された前記第1の移動量と前記第2の移動量の差に基づき、次回、前記移動部材の移動を開始する移動開始時期を決定する時期決定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に係るシート穿孔装置は、移動部材が移動を開始してから所定の位置に達するまでの第1の移動量と停止するまでの第2の移動量との差に基づき、次回、移動部材の移動を開始する移動開始時期を決定する。このように、移動部材の停止位置に応じて、次回の移動部材の移動開始時期、つまり移動距離を変化させることで、移動部材の移動距離精度を高めることができ、駆動手段の起動から停止位置までの駆動時間を短くすることができる。従って、駆動手段にDCモータを使用した場合、移動部材の高い移動距離精度および駆動手段の高耐久性を維持することができる。
【0012】
請求項2に係るシート穿孔装置によれば、駆動手段の起動から停止位置までの駆動時間を最短にすることができ、より一層、駆動手段の高耐久化を図ることができる。また、シートが搬送されてから駆動手段を起動させる場合に比べ、シートを穿孔する際の生産性を高めることができる。
【0013】
請求項3に係るシート穿孔装置によれば、移動部材を往復移動させるので、移動部材の移動距離を短くすることができる。
【0014】
請求項4に係るシート穿孔装置によれば、初期動作時、シート穿孔装置が正常動作を行うか否かのチェックを兼ねて移動開始時期を決定することができる。従って、シートの穿孔動作に速やかに移行することができる。
【0015】
請求項5に係るシート穿孔装置によれば、シートを穿孔する度、移動部材の移動開始時期を更新するので、駆動手段の状態によらず、移動部材の高い移動距離精度を維持することができる。
【0016】
請求項6に係るシート穿孔装置によれば、移動部材を所定の方向に移動させるだけで、簡単にシートを穿孔することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】シート穿孔装置が適用された画像形成システムの全体構成を示す縦断面図である。
【図2】シート後処理装置100の内部構成を示す縦断面図である。
【図3】穿孔動作を行うパンチユニット250の内部構成を示す斜視図である。
【図4】穿孔動作を行うパンチユニット250の内部構成を示す斜視図である。
【図5】穿孔動作を行うパンチユニット250の内部構成を示す斜視図である。
【図6】画像形成装置300およびシート後処理装置100の制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】スライダ260が図3に示す位置に停止している場合において穿孔動作を開始する際の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。
【図8】カム溝275とポンチ273の位置関係の変化を示す図である。
【図9】カム溝275とポンチ273の位置関係の変化を示す図である。
【図10】スライダ260が図5に示す位置で停止している場合において穿孔動作を開始する際の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。
【図11】穿孔動作におけるイニシャル動作手順を示すフローチャートである。
【図12】スライダ260がパンチユニット250の手前側のホームポジションで停止している場合の穿孔動作手順を示すフローチャートである。
【図13】図12につづく穿孔動作手順を示すフローチャートである。
【図14】スライダ260がパンチユニット250の後ろ側のホームポジションで停止している場合の穿孔動作手順を示すフローチャートである。
【図15】図14につづく穿孔動作手順を示すフローチャートである。
【図16】動作の繰り返しにおけるバラツキが一定で無いパンチモータの停止動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のシート穿孔装置及びその制御方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態のシート穿孔装置は、画像形成装置に接続されたシート後処理装置(フィニッシャ)に搭載される。
【0019】
(画像形成システムの全体構成)
図1は実施の形態におけるシート穿孔装置が適用された画像形成システムの全体構成を示す縦断面図である。画像形成システムは、画像形成装置300と、自動原稿給送装置500と、シート後処理装置100とを備える。
【0020】
シート後処理装置100は、画像形成装置300に接続され、中綴じ処理装置(サドルユニット)135およびシート積載処理装置としての平綴じ処理装置を備える。なお、シート後処理装置100と画像形成装置300は一体で構成されてもよい。画像形成装置300内のカセット909a〜909dから給送されたシートには、画像形成部内のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各感光ドラム914a〜914dに形成された4色のトナー像が転写される。さらに、シートは、定着器904に搬送されてトナー画像が定着し、シート後処理装置100に搬送される。
【0021】
(シート後処理装置)
図2はシート後処理装置100の内部構成を示す縦断面図である。画像形成装置300から排紙されたシートは、シート後処理装置100の入口ローラ対102に受け渡される。このとき、入口センサ101によりシートの受渡しタイミングが同時に検知される。入口ローラ対102により搬送されたシートが搬送パス103を通過する際、横レジ検知センサ104によってシートの搬送方向に直交する幅方向の端部の位置が検知される。この端部の位置の検知結果から、シート搬送方向の中心位置からのシートの横ずれ量が求められる。
【0022】
その後、シートは、シフトユニット108によって横ずれを補正するように、手前/奥方向に移動される(シフト動作)。このシフト動作は、シフトローラ対105、106で搬送されている間に行われる。なお、必要に応じて、パンチユニット250で、シート後端部にパンチ穴をあけることが可能である。その後、シートは、搬送ローラ110、離間ローラ111およびバッファローラ対115により搬送された後、上パス搬送路117あるいは束搬送パス121に搬送される。上パス搬送路117に導かれる場合、上パス切り換えフラッパ118がソレノイド(図示せず)により図中破線で示す状態になり、シートは上排紙ローラ120により上トレイ136に排紙される。
【0023】
一方、シートが束搬送パス121に導かれる場合、上パス切り換えフラッパ118が図中実線で示す状態になり、シートはバッファローラ対122および束搬送ローラ対124により順次、束搬送パス121内を通過する。
【0024】
シートを中綴じ処理する場合、ソレノイド(図示せず)によりサドルパス切り換えフラッパ125が破線で示す状態になることで、シートはサドルパス133に搬送される。さらに、シートは、サドル入口ローラ対134によりサドルユニット135に導かれ、中綴じ処理される。なお、中綴じ処理は一般的な処理であり、本発明の要部でないので、その詳細な説明については省略する。
【0025】
一方、下トレイ137に排紙される場合、サドルパス切り換えフラッパ125が実線で示す状態になることで、シートは、束搬送ローラ対124およびサドル切り換えフラッパ125により下パス126に搬送される。その後、シートは、下排紙ローラ対128により中間処理トレイ138に排紙される。そして、パドル131とローレットベルト(図示ぜす)等の戻し部により、中間処理トレイ138上で整合処理が行われ、シート束となる。その後、必要に応じて、シート束に対し、ステイプラ132により綴じ処理が施された後、シート束は、束排紙ローラ対130により下トレイ137に排紙される。
【0026】
(穿孔装置の説明)
つぎに、穿孔装置の構成および動作について説明する。本実施形態では、穿孔装置としてパンチユニット250が設けられている。
【0027】
図3〜図5は穿孔動作を行うパンチユニット250の内部構成を示す斜視図である。図3〜図5のそれぞれにおいて、各図(A)はパンチユニット250の全体構成を示す。同様に、各図(B)は各図(A)の状態において矢印a方向から視たパンチユニット250のピンおよびカム溝の位置関係を示す。同様に、各図(C)は各図(A)の状態において矢印b方向から視たシートとポンチの位置関係を示す図である。
【0028】
パンチユニット250は、スライダ260、穿孔方向に移動自在なポンチ273(ポンチ部)、パンチモータ221、パンチホームポジション1センサ271およびパンチホームポジション2センサ272を有する。パンチホームポジション1センサ271およびパンチホームポジション2センサ272は、透過型フォトインタラプタからなり、スライダ260(移動部材)がどの位置にいるかを判別するためのセンサである。例えば、図3に示すように、パンチホームポジション1センサ271とパンチホームポジション2センサ272の両方がスライダ260の部材によって遮光されている場合、矢印b方向から見て、スライダ260は奥側(後ろ側)に位置する。
【0029】
また、図5に示すように、パンチホームポジション1センサ271とパンチホームポジション2センサ272の両方が遮光されていない場合、スライダ260は、矢印b方向から見て、手前側に位置する。なお、パンチホームポジション1センサ271、パンチホームポジション2センサ272は、それぞれスライダ260が往動時に後ろ側の第1の位置にあること、復動時に手前側の第2の位置にあることを検知する位置検知手段の一例である。
【0030】
スライダ260は、パンチモータ221により駆動され、図3中の矢印c、d方向に動く。例えば、パンチモータ221が矢印eに示すように時計回りに回転すると、スライダ260は図中d方向に動く。このとき、ポンチ273に固定されているピン274(突起部)は、スライダ260に形成されたカム溝275に挿通され、図3の位置から、カム溝275に沿ってスライダ260の移動方向に対して垂直な(直交する)方向に移動(往復動)する。そして、ピン274に連動しているポンチ273は、図4の矢印fに示すように、シートの表面に対して垂直に移動(往復動)することにより、シートに穿孔を行う。その後、スライダ260は、さらに移動し、図5に示す位置に達する。
【0031】
また、エンコーダ280は、パンチモータ221の反出力軸に固定され、パンチモータ221が動作すると、透過型フォトインタラプタであるパンチモータクロックセンサ276からクロックを発生させる。このクロックをカウントすることで、パンチモータ221によって動作するスライダ260の移動量が検知される。なお、スライダ260が1回所定距離を移動すると、1回の穿孔動作が終了する。本実施形態では、スライダ260が往復移動する際、つまり手前側から奥側へかつ奥側から手前側へ移動する際、それぞれの移動方向でシートの穿孔が行われる。
【0032】
(制御ブロック図)
図6は画像形成装置300およびシート後処理装置100の制御部の構成を示すブロック図である。画像形成装置制御部305には、CPU310、ROM306およびRAM307が内蔵されている。CPU310がROM306に格納されている制御プログラムを実行することによって、画像形成装置制御部305に接続された各部は総括的に制御される。すなわち、原稿給送装置制御部301、イメージリーダ制御部302、画像信号制御部303、プリンタ制御部304、操作部308およびシート後処理装置制御部501は総括的に制御される。また、RAM307は、制御データを一時的に保持したり、制御に伴う演算処理の作業領域としてデータを保持する場合に用いられる。
【0033】
これらの各部のうち、原稿給送装置制御部301は、自動原稿給送装置500(図1参照)を画像形成装置制御部305からの指示に従って、駆動制御を行う。イメージリーダ制御部302は、光源、レンズ、撮像素子等の光学系などに対する駆動制御を行うとともに、撮像素子から出力されたRGBのアナログ画像信号を画像信号制御部303に転送する。画像信号制御部303は、RGBのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後、各種処理を施し、このデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部304に出力する。この画像信号制御部303による処理動作は、画像形成装置制御部305により制御される。操作部308は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示する表示部など有する。この操作部308におけるそれぞれのキー操作に対応するキー信号は、計算部や入力部として機能する画像形成装置制御部305に供給される。また、操作部308には、画像形成装置制御部305からの信号に従って、表示部などに対応する情報が表示される。
【0034】
一方、シート後処理装置制御部501は、シート後処理装置100に搭載され、通信用IC(図示せず)を介して画像形成装置制御部305とデータの通信を行うことによって、シート後処理装置100の動作を制御する。また、シート後処理装置制御部501は、CPU401、ROM402およびRAM403を有する。
【0035】
CPU401は、ROM402に格納されている制御プログラムを実行することにより、各種アクチュエータや各種センサを制御する。例えば、入口センサ101、入口ローラ対102、105、106を駆動させる搬送モータ208等は、シート後処理装置制御部501により制御される。また、シート後処理装置制御部501には、パンチモータドライバ279、搬送モータドライバ278、パンチホームポジション1センサ271、パンチホームポジション2センサ272およびパンチモータクロックセンサ276が接続されている。パンチモータドライバ279はパンチモータ221を駆動する。搬送モータドライバ278は搬送モータ208を駆動する。また、RAM403は、制御データを一時的に保持したり、制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
【0036】
つぎに、本実施形態のパンチユニット250の穿孔動作について説明する。図7は、スライダ260が図3に示す位置で停止している場合において穿孔動作を開始する際の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。図7のタイミングチャートでは、図3に示す位置で停止していたスライダ260は、イニシャル動作により図5に示す位置へ移動し、その後、再度、図3に示す位置に移動することにより穿孔動作を行う。
【0037】
ユーザによるコピー開始(オン)後、シート後処理装置制御部501は、パンチユニット250が正常動作を行うか否かのチェックを兼ねるパンチユニット250のイニシャル動作(初期動作)を行う。この初期動作として、シート後処理装置制御部501は、図3の位置にあったスライダ260を図5の位置に移動させるべく、パンチモータ221を、モータ出力軸側から見て、時計方向に回転するように起動させる。
【0038】
最初に、パンチホームポジション1センサ271は、それを遮光していたスライダ260の部材がパンチホームポジション1センサ271から抜けてオフ状態になる。ここで、パンチホームポジション1センサ271のオフをローレベルとし、オンをハイレベルとする。続いて、パンチホームポジション2センサ272からもスライダ260の部材が抜けてパンチホームポジション2センサ272もオフ状態になると、シート後処理装置制御部501は、パンチモータ221の駆動を停止する。
【0039】
図8はカム溝275とポンチ273の位置関係の変化を示す図である。ポンチ273に設けられたピン274は、カム溝275に沿って移動し、穿孔後に停止する。パンチモータ221は、ブレーキをかけても(制動されても)、すぐには止まらないので、起動開始位置から目標停止位置までの距離L1に対して、距離L2までオーバーランしてしまう。なお、距離L1は第1の移動量に相当し、距離L2は第2の移動量に相当する。また、図中、矢印hはスライダ260の移動方向を示す。このオーバーラン量(L2−L1)は、図7のΔT0時間に相当する。
【0040】
図7のΔT0時間は、パンチモータ221の反出力軸に取り付けられているエンコーダ280のスリットを検知するパンチモータクロックセンサ276からのパルスをカウントすることにより求められる。CPU401は、パンチモータクロックセンサ276からのパルスをカウントすることにより移動量検知手段として機能する。
【0041】
つぎに、ユーザが穿孔処理を選択し、コピースタートを指示すると、穿孔処理として図5の位置にあるパンチユニット250内のスライダ260が図3の位置に移動することになる。シートがシート後処理装置100に搬入された後、シートの後端が入口センサ101を抜けると、シート後処理装置制御部501は、搬送モータ208を停止させる。入口センサ101がシート検知している時、信号の出力はハイレベルとなる。なお、搬送モータ208として、ステッピングモータが使用されているので、モータの駆動を精度良く制御できるため、シートをほぼ確実に目標位置に停めることが可能である。
【0042】
本来、プレスパンチ方式では、搬送モータ208の停止後、パンチモータ221を起動させ、穿孔動作が行われる。しかし、前述したとおり、先に実行したイニシャル動作でスライダ260の停止時のオーバーラン量が分かっている。そこで、本実施形態では、シート後処理装置制御部501は、搬送モータ208を停止させるタイミングよりもオーバーラン量に対応した時間ΔT0前にパンチモータ221を起動させ、オーバーラン量の移動の時間分穿孔動作が遅れることを防止している。
【0043】
このように、搬送モータ208が停止してからパンチモータ221を起動させる場合に比べて時間ΔT0の時間分だけ早く起動させるので、穿孔処理時間を時間ΔT0だけ早く終了させることができる。さらに、オーバーラン量が分かっているので、搬送されるシートを穿孔するためのパンチモータ221の動作時間(スライダ260の移動距離)を高い精度で適正にすることができ、また、パンチモータ221の動作時間も最適となる。
【0044】
パンチモータ221の起動後、パンチホームポジション2センサ272がONになり、さらに、パンチホームポジション1センサ271がONになると、シート後処理装置制御部501は、パンチモータ221を停止させる。
【0045】
図9はカム溝275とポンチ273の位置関係の変化を示す図である。図8の場合と比べ、スライダ260の移動方向hが逆になっている。パンチモータ221は、イニシャル動作の場合と同様、ブレーキをかけても起動開始位置から目標停止位置までの距離L1’に対し、L2’までオーバーランしてしまう。
【0046】
このオーバーラン(L2’−L1’)分は、図7の時間ΔT1分に相当する。そして次の穿孔処理時、シート後処理装置制御部501は、時間ΔT1だけ早くパンチモータ221を起動させる。このように、穿孔処理ごとに、前回の穿孔処理時に求めた停止位置(オーバーラン位置)から、事前に起動時間が適切に求められる。
【0047】
一方、図10はスライダ260が図5に示す位置で停止している場合において穿孔動作を開始する際の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。図10のタイミングチャートでは、図5に示す位置で停止していたスライダ260は、イニシャル動作を行うことにより図3に示す位置へ移動し、その後、再度、図5に示す位置に移動することにより穿孔動作が行われる。図10における各部の信号の変化は図7の場合とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0048】
図11は穿孔動作におけるイニシャル動作手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、シート後処理装置制御部501内のROM402に格納されており、CPU401によって実行される。このイニシャル動作は、パンチユニット250が正常に動作するか否かのチェックを兼ねる。また、この処理は、ユーザによるコピー開始指示の後であって、シート後処理装置100にシートが搬入されるよりも前に実行される。
【0049】
まず、シート後処理装置制御部501内のCPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンであるか、つまりスライダ260が図3に示す位置で停止しているか否かを判別する(ステップS1)。
【0050】
パンチホームポジション1センサ271がONである場合、CPU401は、イニシャル動作を行う。すなわち、CPU401は、パンチモータ221を時計回りに回転させるように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させ(ステップS2)、パンチモータクロックセンサ276からのパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS3)。そして、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフになったか、つまりスライダ260が図3に示す位置から抜けたか否かを判断する(ステップS4)。パンチホームポジション2センサ272がオフになった場合、つまりスライダ260が図3に示す位置から抜けた場合、CPU401は、つぎの動作を行う。すなわち、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS5)。即ち、CPU401は、モータを停止させる停止制御手段として機能する。
【0051】
そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなるまで待つ(ステップS6)。パンチモータクロックが変化しなくなったと判断した場合、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がOFFになった時から完全停止までのクロック数(オーバーラン量)から時間ΔT0(図7参照)を算出する(ステップS7)。即ち、CPU401は、オーバーラン量(クロック数)を時間ΔT0に換算する換算手段として機能する。この後、CPU401は、本処理を終了する。
【0052】
一方、ステップS1で、パンチホームポジション1センサ271がオンになっていなかった場合、つまりスライダ260が図5に示す位置で停止している場合、CPU401は、イニシャル動作を行う。すなわち、CPU401は、パンチモータ221を反時計回りに回転させるように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させ(ステップS8)、パンチモータクロックセンサ276からのパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS9)。
【0053】
そして、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンになったか否かを判断する(ステップS10)。オンになった場合、つまりスライダ260が図5に示す位置から抜けた場合、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS11)。
【0054】
そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなるまで待つ(ステップS12)。パンチモータクロックが変化しなくなったと判断した場合、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンになった時から完全停止までのクロック数(オーバーラン量)から時間ΔT0’(図10参照)を算出する(ステップS13)。この後、CPU401は、本処理を終了する。
【0055】
図12および図13は穿孔動作手順を示すフローチャートである。この手順では、イニシャル動作でスライダ260が図3に示す位置から図5に示す位置に移動した後、穿孔動作が行われる。この穿孔動作1の処理プログラムは、シート後処理装置制御部501内のROM402に格納されており、CPU401によって実行される。
【0056】
まず、CPU401は、シートの後端が入口センサ101を抜けたか否かを判断する(ステップS21)。抜けていない場合、CPU401はステップS21の処理を繰り返す。一方、シートの後端が入口センサ101を抜けた場合、CPU401は、搬送モータ208を停止させるタイミングより時間t0分前に、パンチモータ221を反時計回りに回転させるように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させる(ステップS22)。さらに、CPU401は、パンチモータクロックセンサ276からパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS23)。この後、CPU401は、搬送モータ208を停止させる(ステップS24)。
【0057】
なお、画像形成装置の電源オン後における最初の穿孔動作でない場合、時間t0は前回の穿孔動作で発生したオーバーラン量から算出された時間となり、穿孔動作が終了するまで更新される。一方、最初の穿孔動作である場合、時間t0はイニシャル動作の実行により算出された時間ΔT0(図7参照)である。
【0058】
つぎに、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンであるか否か、つまりスライダ260が図3に示す位置になったか否かを判断する(ステップS25)。パンチホームポジション1センサ271がオンでない場合、CPU401はステップS25の処理を繰り返す。一方、パンチホームポジション1センサ271がオンである場合、CPU401は、つぎの動作を行う。すなわち、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS26)。そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなったか否かを判断する(ステップS27)。パンチモータクロックが変化している場合、CPU401はステップS27の処理を繰り返す。
【0059】
一方、パンチモータクロックが変化しなくなったと判断した場合、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンになった時から完全停止までのクロック数(オーバーラン量)から時間t1を算出する(ステップS28)。その後、CPU401は、搬送モータ208を再起動させるべく搬送モータ起動信号を出力し、搬送モータ208を再起動させる(ステップS29)。
【0060】
この後、CPU401は、穿孔動作を継続させるか否かを判断する(ステップS30)。穿孔動作を継続させない場合、CPU401はそのまま本処理を終了する。一方、穿孔動作を継続させる場合、CPU401はシート後処理装置100にシートを搬入する(ステップS31)。
【0061】
シートが搬入された後、CPU401は、シートの後端が入口センサ101を抜けるまで待つ(ステップS32)。シートの後端が入口センサ101を抜けたと判断された場合、CPU401は、搬送モータ208を停止させるタイミングより時間t1前に、パンチモータ221が時計回りに回転するように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させる(ステップS33)。このように、 CPU401は、パンチモータ221の起動時期を決定する時期決定手段として機能する。これと同時に、CPU401は、パンチモータクロックセンサ276から、CPU401へのパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS34)。この後、CPU401は、搬送モータ208を停止させる(ステップS35)。なお、時間t1は、前回の穿孔動作で発生したオーバーラン量に対応した時間であり、穿孔動作が終了するまで更新され続ける。
【0062】
CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフになったか否かを判断する(ステップS36)。パンチホームポジション2センサ272がオフになった場合、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS37)。そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなったか否かを判断する(ステップS38)。パンチモータクロックが変化していると判断された場合、CPU401は、ステップS38の処理を繰り返す。一方、パンチモータクロックが変化しなくなったと判断された場合、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフした時から完全停止までの時間(オーバーラン時間)を算出する(ステップS39)。この後、CPU401は、搬送モータ208を再起動させるべく搬送モータ起動信号を出力し、搬送モータ208を再起動させる(ステップS40)。
【0063】
そして、CPU401は、穿孔動作を継続させるか否かを判断する(ステップS41)。穿孔動作を継続させない場合、CPU401はそのまま本処理を終了する。一方、穿孔動作を継続させる場合、CPU401は、ステップS21の処理に戻る。CPU401は、このような動作を穿孔動作が終了するまで行う。
【0064】
図14および図15は穿孔動作手順を示すフローチャートである。この手順では、イニシャル動作でスライダ260が図5に示す位置から図3に示す位置に移動した後、穿孔動作が行われる。この穿孔動作2の処理プログラムは、シート後処理装置制御部501内のROM402に格納されており、CPU401によって実行される。
【0065】
まず、CPU401は、シートの後端が入口センサ101を抜けたか否かを判断する(ステップS51)。抜けていない場合、CPU401はステップS51の処理を繰り返す。一方、シートの後端が入口センサ101を抜けた場合、CPU401は、搬送モータ208を停止させるタイミングより時間t0分前に、パンチモータ221を時計回りに回転させるように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させる(ステップS52)。これと同時に、CPU401は、パンチモータクロックセンサ276からパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS53)。この後、CPU401は、搬送モータ208を停止させる(ステップS54)。
【0066】
なお、画像形成装置の電源オン後における最初の穿孔動作でない場合、時間t0は電源オフ前の最後の穿孔動作で発生したオーバーラン量から算出された時間となる。一方、最初の穿孔動作である場合、時間t0はイニシャル動作の実行により算出された時間ΔT0’(図10参照)である。
【0067】
つぎに、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフであるか否か、つまりスライダ260が図5に示す位置に入ったか否かを判断する(ステップS55)。パンチホームポジション1センサ272がオフでない場合、CPU401はステップS55の処理を繰り返す。一方、パンチホームポジション2センサ272がオフである場合、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS56)。そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなったか否かを判断する(ステップS57)。パンチモータクロックが変化している場合、CPU401はステップS57の処理を繰り返す。
【0068】
一方、パンチモータクロックが変化しなくなったと判断した場合、CPU401は、パンチホームポジション2センサ272がオフになった時から完全停止までのクロック数(オーバーラン量)から時間t1を算出する(ステップS58)。その後、CPU401は、搬送モータ208を再起動させるべく搬送モータ起動信号を出力し、搬送モータ208を再起動させる(ステップS59)。
【0069】
この後、CPU401は、穿孔動作を継続させるか否かを判断する(ステップS60)。穿孔動作を継続させない場合、CPU401はそのまま本処理を終了する。一方、穿孔動作を継続させる場合、CPU401はシート後処理装置100にシートを搬入する(ステップS61)。
【0070】
シートが搬入された後、CPU401は、シートの後端が入口センサ101を抜けるまで待つ(ステップS62)。シートの後端が入口センサ101を抜けたと判断された場合、CPU401は、搬送モータ208を停止させるタイミングより時間t1前に、パンチモータ221が反時計回りに回転するように起動信号を出力し、パンチモータ221を起動させる(ステップS63)。これと同時に、CPU401は、パンチモータクロックセンサ276から、CPU401へのパンチモータクロックの取り込みを開始する(ステップS64)。この後、CPU401は、搬送モータ208を停止させる(ステップS65)。なお、時間t1は、前回の穿孔動作で発生したオーバーラン量に対応した時間であり、穿孔動作が終了するまで更新され続ける。
【0071】
CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がオンになったか否かを判断する(ステップS66)。パンチホームポジション1センサ271がオンになった場合、CPU401は、パンチモータ221を停止させる停止信号を出力し、パンチモータ221を停止させる(ステップS67)。
【0072】
そして、CPU401は、パンチモータ221が完全に停止し、パンチモータクロックが変化しなくなったか否かを判断する(ステップS68)。パンチモータクロックが変化していると判断された場合、CPU401は、ステップS68の処理を繰り返す。一方、パンチモータクロックが変化しなくなったと判断された場合、CPU401は、パンチホームポジション1センサ271がONした時から完全停止までの時間(オーバーラン時間)を算出する(ステップS69)。この後、CPU401は、搬送モータ208を再起動させるべく搬送モータ起動信号を出力し、搬送モータ208を再起動させる(ステップS70)。
【0073】
そして、CPU401は、穿孔動作を継続させるか否かを判断する(ステップS71)。穿孔動作を継続させない場合、CPU401はそのまま本処理を終了する。一方、穿孔動作を継続させる場合、CPU401は、ステップS51の処理に戻る。CPU401は、このような動作を穿孔動作が終了するまで行う。
【0074】
本実施形態のシート穿孔装置は、実際にスライダ260の停止した位置を算出し、この停止位置によって次回のスライダ260の移動開始時期、つまり移動距離を変化させることで、スライダ260の移動距離精度を高めることができる。これにより、パンチモータの起動から停止位置までのモータ駆動時間を最短にすることができ、パンチモータの高耐久化を図ることができる。また、シートが搬送されてからパンチモータを起動させる場合に比べ、シートを穿孔する際の生産性を高めることができる。また、パンチモータにDCモータを使用した場合、高いモータの移動距離精度およびモータの高耐久性を維持することができる。
【0075】
また、初期動作時、シート穿孔装置が正常動作を行うか否かのチェックを兼ねて、スライダを移動する開始タイミング(移動開始時期)を決定することができる。従って、シートの穿孔動作に速やかに移行することができる。
【0076】
また、シートを穿孔する度、開始タイミングを更新するので、モータの状態によらず、スライダ260の高い移動距離精度を維持することができる。また、本実施形態では、スライダ260を所定の方向に移動させるだけで、簡単にシートを穿孔することができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0078】
例えば、本発明のシート穿孔装置が適用される画像形成装置としては、本来の印刷装置、印刷機能を有するファクシミリ装置、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能等を有する複合機(MFP)であってもよいことは勿論である。
【0079】
また、上記実施の形態では、画像形成装置の印刷方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明はインクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。
【0080】
また、上記実施形態に記載されている構成部品の形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲は上記例示するもののみに限定されものではない。
【0081】
また、穿孔されるシートのマテリアル(材質)としては、紙媒体、OHPシート、厚紙用紙など、特に限定されない。また、シートの形状はタブ紙など特に限定されない。
【符号の説明】
【0082】
221 パンチモータ
260 スライダ
271 パンチホームポジション1センサ
272 パンチホームポジション2センサ
273 ポンチ
274 ピン
275 カム溝
276 パンチモータクロックセンサ
501 シート後処理装置制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されたシートを穿孔するシート穿孔装置であって、
往復動されることによりシートに穿孔を行うポンチ部と、
所定の方向に移動することで、前記ポンチ部を往復動させる移動部材と、
前記移動部材を前記所定の方向に移動させる駆動手段と、
前記移動部材が所定の位置にあることを検知する位置検知手段と、
前記駆動手段が前記移動部材の移動を開始させた後、前記位置検知手段によって前記移動部材が前記所定の位置に達したことが検知されたことに応じて前記駆動手段の動作を停止させて、前記移動部材の移動を停止させる停止制御手段と、
前記移動部材が移動を開始してから前記所定の位置に達するまでの第1の移動量、および前記移動部材が移動を開始してから停止するまでの第2の移動量を検知する移動量検知手段と、
前記移動量検知手段によって検知された前記第1の移動量と前記第2の移動量の差に基づき、次回、前記移動部材の移動を開始する移動開始時期を決定する時期決定手段とを備えたことを特徴とするシート穿孔装置。
【請求項2】
前記時期決定手段は、前記移動量検知手段によって検知された前記第1の移動量と前記第2の移動量の差が大きいほど前記移動開始時期を早めることを特徴とする請求項1記載のシート穿孔装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記移動部材を前記所定の方向に往復移動させ、
前記位置検知手段は、前記移動部材の往動時には、第1の位置を前記所定の位置として検知し、復動時には第2の位置を前記所定の位置として検知することを特徴とする請求項1記載のシート穿孔装置。
【請求項4】
前記シートの穿孔を開始する前の初期動作時、前記駆動手段が前記移動部材を前記所定の方向に移動させることで、前記時期決定手段は前記移動開始時期を決定することを特徴する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート穿孔装置。
【請求項5】
前記シートを穿孔する度、前記時期決定手段は、前記移動開始時期を更新することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート穿孔装置。
【請求項6】
前記移動部材には、前記ポンチ部に設けられた突起部が挿通され、前記移動部材が前記所定の方向に移動する位置に応じて前記ポンチ部が往復動するように、カム溝が形成され、
前記駆動手段は、前記移動部材を前記所定の方向に移動させることで、前記突起部が前記カム溝に沿うように、前記ポンチ部を往復動させ、前記シートの穿孔を行わせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート穿孔装置。
【請求項7】
往復動されることによりシートに穿孔を行うポンチ部と、所定の方向に移動することで、前記ポンチ部を往復動させる移動部材とを備えたシート穿孔装置の制御方法であって、
前記移動部材を、前記所定の方向に移動させる駆動ステップと、
前記移動部材が所定の位置にあることを検知する位置検知ステップと、
前記駆動ステップで前記移動部材の移動を開始させた後、前記位置検知ステップで前記移動部材が前記所定の位置に達したことが検知されたことに応じて、前記駆動ステップでの動作を停止させて、前記移動部材の移動を停止させる停止制御ステップと、
前記移動部材が移動を開始してから前記所定の位置に達するまでの第1の移動量、および前記移動部材が移動を開始してから停止するまでの第2の移動量を検知する移動量検知ステップと、
前記移動量検知ステップで検知された前記第1の移動量と前記第2の移動量の差に基づき、次回、前記移動部材の移動を開始する移動開始時期を決定する時期決定ステップとを有することを特徴とするシート穿孔装置の制御方法。
【請求項1】
搬送されたシートを穿孔するシート穿孔装置であって、
往復動されることによりシートに穿孔を行うポンチ部と、
所定の方向に移動することで、前記ポンチ部を往復動させる移動部材と、
前記移動部材を前記所定の方向に移動させる駆動手段と、
前記移動部材が所定の位置にあることを検知する位置検知手段と、
前記駆動手段が前記移動部材の移動を開始させた後、前記位置検知手段によって前記移動部材が前記所定の位置に達したことが検知されたことに応じて前記駆動手段の動作を停止させて、前記移動部材の移動を停止させる停止制御手段と、
前記移動部材が移動を開始してから前記所定の位置に達するまでの第1の移動量、および前記移動部材が移動を開始してから停止するまでの第2の移動量を検知する移動量検知手段と、
前記移動量検知手段によって検知された前記第1の移動量と前記第2の移動量の差に基づき、次回、前記移動部材の移動を開始する移動開始時期を決定する時期決定手段とを備えたことを特徴とするシート穿孔装置。
【請求項2】
前記時期決定手段は、前記移動量検知手段によって検知された前記第1の移動量と前記第2の移動量の差が大きいほど前記移動開始時期を早めることを特徴とする請求項1記載のシート穿孔装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記移動部材を前記所定の方向に往復移動させ、
前記位置検知手段は、前記移動部材の往動時には、第1の位置を前記所定の位置として検知し、復動時には第2の位置を前記所定の位置として検知することを特徴とする請求項1記載のシート穿孔装置。
【請求項4】
前記シートの穿孔を開始する前の初期動作時、前記駆動手段が前記移動部材を前記所定の方向に移動させることで、前記時期決定手段は前記移動開始時期を決定することを特徴する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート穿孔装置。
【請求項5】
前記シートを穿孔する度、前記時期決定手段は、前記移動開始時期を更新することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート穿孔装置。
【請求項6】
前記移動部材には、前記ポンチ部に設けられた突起部が挿通され、前記移動部材が前記所定の方向に移動する位置に応じて前記ポンチ部が往復動するように、カム溝が形成され、
前記駆動手段は、前記移動部材を前記所定の方向に移動させることで、前記突起部が前記カム溝に沿うように、前記ポンチ部を往復動させ、前記シートの穿孔を行わせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート穿孔装置。
【請求項7】
往復動されることによりシートに穿孔を行うポンチ部と、所定の方向に移動することで、前記ポンチ部を往復動させる移動部材とを備えたシート穿孔装置の制御方法であって、
前記移動部材を、前記所定の方向に移動させる駆動ステップと、
前記移動部材が所定の位置にあることを検知する位置検知ステップと、
前記駆動ステップで前記移動部材の移動を開始させた後、前記位置検知ステップで前記移動部材が前記所定の位置に達したことが検知されたことに応じて、前記駆動ステップでの動作を停止させて、前記移動部材の移動を停止させる停止制御ステップと、
前記移動部材が移動を開始してから前記所定の位置に達するまでの第1の移動量、および前記移動部材が移動を開始してから停止するまでの第2の移動量を検知する移動量検知ステップと、
前記移動量検知ステップで検知された前記第1の移動量と前記第2の移動量の差に基づき、次回、前記移動部材の移動を開始する移動開始時期を決定する時期決定ステップとを有することを特徴とするシート穿孔装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図11】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−101917(P2011−101917A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257180(P2009−257180)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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