説明

シームレスベルトの製造方法及び製造装置

【課題】樹脂組成物の熔融体への気泡の混入、押し出し時の熔融体の逆流、ピストンへの熔融体の貼り付きを抑え、連続かつ安定して熔融体を吐出することで高品位なシームレスベルトを安価に製造する。
【解決手段】
樹脂組成物の熔融体を有する環状流路に、樹脂組成物からなるペレットを投入する工程と、環状流路内の樹脂組成物と接する押圧面が樹脂組成物の融点未満に温調されたピストンで、環状流路に投入されたペレットを押圧して熔融体中にペレットを押し込むことでペレットを熔融させると共に、環状ダイから熔融体を半径方向に吐出させる工程と、吐出された熔融体を円筒の一部に密着させる工程と、熔融体を円筒の一部に密着させた状態で、円筒と環状ダイとを軸方向に相対移動させて円筒の壁面に熔融体を塗布して熔融体の筒状の層を形成する工程と、筒状の層を固化させる工程と、を含むシームレスベルトの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シームレスベルトの製造方法及びその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザービームプリンターや複写機等の電子写真画像形成装置において中間転写ベルトや転写搬送ベルト等に用いられるシームレスベルトの製造方法が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された製造方法では、筒状金型に内接している押出筒金型から熱硬化性樹脂の樹脂溶液を筒状金型内壁の下部から順に上部まで押し出して筒状の樹脂溶液の層を形成する。このとき、樹脂溶液の層の内部に気体を注入して膨張させ、その後、樹脂溶液の層を硬化させることによってシームレスベルトが得られる。この製造方法によれば、筒状金型の内壁に短時間に樹脂溶液を塗布し、且つ塗布スジ、うねり、樹脂溶液残りの発生を抑えることが可能である旨が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−237695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子写真画像装置は高画質化かつ低価格化が進んでおり、シームレスベルトの品質および価格に対する要求が益々高まっている。そこで、本発明者らは、特許文献1に記載の製造方法を、硬化反応プロセスが不要で、熱硬化性樹脂よりも安価な熱可塑性樹脂を主成分とするシームレスベルトの製造に適用することについて検討した。その結果、次のような課題を見出すに至った。すなわち、特許文献1に記載の製造方法では、樹脂溶液を筒状金型の底面に流下させて樹脂溶液の層を形成している。このとき、筒状金型の温度が熱可塑性樹脂の融点よりも低いと、熱可塑性樹脂を含む樹脂熔融体は、筒状金型の内壁に触れた時点で固化し始める。そのため、樹脂熔融体と筒状金型の底面との密着性が不十分となることがあった。そのため、筒状金型の底面に設けられた注入口より気体が注入されたとき、筒状金型の底面と樹脂熔融体の層との隙間から気体が入り込むことがある。この場合、樹脂熔融体の層の筒状金型の内壁への密着が妨げられ、筒状金型の内壁の表面粗さを樹脂熔融体の層の外面に確実に転写できなくなることがあった。そこで、本発明は、熱可塑性樹脂を主成分とする、高品位なシームレスベルトを低コストで製造することのできるシームレスベルトの製造方法および製造装置を提供することを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、円筒と、該円筒と同軸に配置され、該円筒の壁面に近接して軸方向に相対的に移動可能であり、且つ、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の熔融体を半径方向に吐出可能な環状ダイと、を具備するシームレスベルトの製造装置を用いてシームレスベルトを製造する方法であって、
該環状ダイは、該樹脂組成物からなるペレットの投入口を備え、かつ、該投入口から投入された該ペレットを熔融する環状流路と、該環状流路において熔融された該樹脂組成物の熔融体に圧力を印加して該熔融体を該環状ダイから吐出させるための環状のピストンと、を備えており、該シームレスベルトの製造方法は、
(1)該樹脂組成物の熔融体を有している該環状流路に、該樹脂組成物からなるペレットを投入する工程と、
(2)該環状流路内の該樹脂組成物と接する押圧面が該樹脂組成物の融点未満に温調された該ピストンで、該環状流路に投入された該ペレットを押圧して該熔融体中に該ペレットを押し込むことにより該ペレットを熔融させると共に、該環状ダイから該熔融体を半径方向に吐出させる工程と、
(3)吐出された該熔融体を該円筒の一部に密着させる工程と、
(4)該熔融体を該円筒の一部に密着させた状態で、該円筒と該環状ダイとを軸方向に相対移動させて該円筒の壁面に該熔融体を塗布して該熔融体の筒状の層を形成する工程と、
(5)該筒状の層を固化させる工程と、を含むシームレスベルトの製造方法が提供される。
【0006】
また、本発明によれば、円筒と、該円筒と同軸に配置され、該円筒の壁面に近接して軸方向に相対的に移動可能であり、且つ、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の熔融体を半径方向に吐出可能な環状ダイと、を具備するシームレスベルトの製造装置であって、
該環状ダイは、該樹脂組成物からなるペレットの投入口を有し、該投入口から投入された該ペレットを熔融する環状流路と、該環状流路において熔融された該樹脂組成物の熔融体に圧力を印加して該熔融体を該環状ダイから吐出させるための環状のピストンと、を備えているシームレスベルトの製造装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱可塑性樹脂を主成分とする、高品位なシームレスベルトを低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るシームレスベルトの製造装置の断面図である。
【図2】本発明に係るシームレスベルトの製造方法における各工程の説明図である。
【図3】本発明のシームレスベルトの製造装置の一実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係るシームレスベルトの製造方法における各工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るシームレスベルトの製造装置は、円筒と、該円筒と同軸に配置され、該円筒の壁面に近接して軸方向に相対的に移動可能であり、且つ、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の熔融体を半径方向に吐出可能な環状ダイと、を具備する。該環状ダイは、該樹脂組成物からなるペレットの投入口と、投入された該樹脂組成物からなるペレットを熔融する環状流路と、該環状流路において熔融された該樹脂組成物の熔融体に圧力を印加して該熔融体を該環状ダイから吐出させる環状のピストンとを備える。該装置は、更に該環状ダイから吐出される該熔融体を該円筒の一部に密着させる密着手段を具備してもよい。該製造装置によれば、高品位なシームレスベルトを安定して製造することができる。
【0010】
図1は、本発明に係るシームレスベルトの製造装置の一実施形態(第一の実施形態)を示す断面図である。本実施形態の製造装置100は、筒状金型4(円筒)と、把持部材7(密着手段)と、環状ダイ2とを有している。筒状金型4は、上端部が開口し、下端はステージ6に支持されている。ステージ6は、鉛直方向に延びるガイド5に支持されている。ステージ6はガイド5に沿って移動する。それによって、筒状金型4は昇降可能である。筒状金型4の上方には、把持部材7がガイド5に支持された状態で配置されており、筒状金型4の上端開口と対向している。把持部材7は、ガイド5に沿って昇降可能である。
【0011】
環状ダイ2は筒状金型4の同軸上外側に断熱ベース9に支持された状態で配置されている。環状ダイ2は、不図示のヒータにより熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を熔融可能である。また、環状ダイ2は該樹脂組成物の熔融体30を半径方向内側に吐出可能な環状の吐出口2bを有する。吐出口2bの上流にはペレットと熔融体30とが混合される環状流路2aが備えられている。更に上流にはペレットの投入口2cが配置されている。ピストン3は一端に環状の押圧面3aを有し、環状ダイ2の環状流路2a内に組み込まれている。他端は環状ダイ2の上部へ突き出してガイド5に支持されており、環状流路2a内で上下動可能となっている。ピストン3を押し込むことで、環状流路2aに投入されたペレットを押圧して熔融体30中にペレットを押し込むことによりペレットを熔融させると共に、吐出口2bから熔融体30を半径方向に吐出することができる。また、ピストン3の押圧面3aは不図示の冷却手段により樹脂組成物の融点未満に温調可能である。なお、半径方向とは、円周上のある一点から中心に向かう方向(半径方向内側)、中心から円周上のある一点に向かう方向(半径方向外側)の両方を含む。本発明における環状ダイは、半径方向内側及び外側の少なくとも一方に熔融体30を吐出できる。
【0012】
本発明に係るシームレスベルトの製造方法は、前記シームレスベルトの製造装置を用いてシームレスベルトを製造する方法であって、以下の工程(1)から(5)の工程を含む。
(1)該樹脂組成物の熔融体を有している該環状流路に、該樹脂組成物からなるペレットを投入する工程。
(2)該環状流路内の該樹脂組成物と接する押圧面が該樹脂組成物の融点未満に温調された該ピストンで、該環状流路に投入された該ペレットを押圧して該熔融体中に該ペレットを押し込むことにより該ペレットを熔融させる。これと共に、該環状ダイから該熔融体を半径方向に吐出させる工程。
(3)吐出された該熔融体を該円筒の一部に密着させる工程。
(4)該熔融体を該円筒の一部に密着させた状態で、該円筒と該環状ダイとを軸方向に相対移動させて該円筒の壁面に該熔融体を塗布して該熔融体の筒状の層を形成する工程。
(5)該筒状の層を固化させる工程。
【0013】
以下、図2を用いて本発明に係るシームレスベルトの製造方法の一実施形態(第一の実施形態)を説明する。本実施形態では前述した図1に示す製造装置100を用いる。
【0014】
工程(1)では、ピストン3を環状流路2aと投入口2cとが連通するまで押し上げ、投入口2cから熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物からなるペレットを投入する(図2(a)参照)。流路2aには環状の押圧面3aの下降端より下流に該樹脂組成物の熔融体30が残留している。投入口2cから投入されたペレットは、一旦、流路2aに残留した熔融体30の上に堆積する。
【0015】
本発明においては、製造装置100がペレットの質量を計量する計量手段を備え、該計量手段にて一定質量に計量したペレットを投入口2cより投入することが好ましい。特に、一連の工程の中で吐出する質量分だけのペレットを計量して投入することがより好ましい。一連の工程を繰り返し行う際にペレットの投入量を一定にすることで、吐出される熔融体30の量及び特性を安定化させることができ、シームレスベルトをより安価に製造できる。
【0016】
工程(2)では、ピストン3にて投入されたペレットを押圧する。ペレットが投入された時点では、ペレットとペレット間には空隙が存在するが、ピストン3にてペレットを押圧することで、環状の押圧面3aの下降端側から順にペレットを熔融体30に埋没させる。これによりペレット間の空隙を排除し、ペレットを熔融体30中に押し込む。この状態において、不図示のヒータによる熱が環状ダイ2及び熔融体30を通してペレットに伝わるため、ペレットを熔融させることができる。ペレットを熔融体30に埋没させつつ更に圧力を印加すると、熔融体30が逆流し、ピストン3と流路2aとの隙間に流入しようとする。本実施形態では、ピストン3の押圧面3aは不図示の冷却手段にて該樹脂組成物の融点未満に温調されている。これにより、押圧面3aに触れた熔融体30は固化し始め、ピストン3と流路2aとの隙間への熔融体30の流入、押圧面3aへの熔融体30の貼り付きを阻止することができ、ペレットと熔融体との混合物40を安定して加圧することが可能となる。
【0017】
流路2aの内圧が高まると、筒状金型4の上端開口部と把持部材7との間に設けられた間隙20(図2(a)参照)に対し、環状ダイ2の吐出口2bから熔融体30が半径方向内側に吐出される。図2(a)に示すように、環状ダイ2の吐出口2bと間隙20とが同等の高さになる位置に、筒状金型4及び把持部材7は配置されている。環状ダイ2の流路2aには流れの分岐点及び合流点がなく、ピストン3が環状の押圧面3aを具備するため、筒状の層1を形成する際に流れの不連続により発生する線、いわゆるウェルドラインの発生を避けることが可能となる。更に、流路2aが軸対称形状をとることが可能なため、全周にわたって圧力及び流速分布が均一になる。これにより、吐出口2bから熔融体30が均一に吐出され、強度と厚みが均一なシームレスベルトの製造が可能になる。なお、熔融体30の吐出方向は、水平方向であることが望ましいが、仰角方向又は俯角方向であってもよい。
【0018】
工程(3)では、図2(b)に示すように、把持部材7を下降させて間隙20に押し出された熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持する。これにより、筒状金型4の上端面に熔融体30を密着させる。本工程では、熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持する際には、筒状金型4を上昇させてもよい。又は、筒状金型4を上昇させ、把持部材7を下降させてもよい。即ち、筒状金型4及び把持部材7から選ばれる少なくとも一方を互いに近づく方向に移動させて熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持する。なお、本実施形態では熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持することにより熔融体30を筒状金型4の一部に密着させているが、把持部材7を用いない方法により、熔融体30を筒状金型4の一部に密着させてもよい。例えば、筒状金型4の一部で熔融体30を吸引して密着させる方法でもよいし、筒状金型4の一部に空間を設けて熔融体30を注入し密着させる方法でもよい。いずれにしろ、後述する工程(4)にて層を形成する際に、熔融体30を筒状金型4の一部に密着できればよい。
【0019】
工程(4)では、筒状金型4と把持部材7とで熔融体30を挟持した状態、即ち、筒状金型4の一部に熔融体30を密着させた状態を維持する。その状態から更に、ピストン3を所望の速度で押し下げて環状ダイ2から熔融体30を半径方向内側に連続して吐出させつつ、環状ダイ2に対して、筒状金型4及び把持部材7を上昇させる。これにより、熔融体30を筒状金型4の外壁面に連続して塗布し、筒状の層1を筒状金型4の外壁面に形成する(図2(c)参照)。ピストン3を押し下げる速度は吐出口2bからの熔融体30の流出速度に対応しており、該流出速度と筒状金型4の上昇速度とを制御することによって筒状の層1の厚みを制御することができる。更に、筒状の層1を形成する際、筒状金型4及び把持部材7に対して、環状ダイ2を下降させてもよい。又は、筒状金型4及び把持部材7を上昇させるとともに、環状ダイ2を下降させてもよい。即ち、筒状金型4及び把持部材7と環状ダイ2とを軸方向に相対移動させることによって、筒状の層1を筒状金型4の外壁面に形成すればよい。
【0020】
工程(5)では、筒状の層1を筒状金型4の外壁面に形成した状態で固化させる。この時、筒状金型4の温度を樹脂組成物のガラス転移点以上、樹脂組成物の融点未満の範囲に調整することが好ましい。筒状金型4の温度を該温度範囲内とすることで、筒状の層1は筒状金型4の外壁面に接したまま徐々に冷却されるため、結晶化度が高くなり、強度を高めることができる。或いは、筒状金型4を樹脂組成物のガラス転移点未満の温度とすることも可能である。この場合、筒状の層1は筒状金型4に付着すると直ちに固化し始める。筒状の層1は急速に冷却されるため、結晶化が進行することなく固化し、柔軟性の高いシームレスベルトが得られる。なお、筒状金型4の温度制御は、不図示の温度センサ、該温度センサの検出結果に基づいて制御可能な不図示のヒータ及び冷却器によって行うことができる。
【0021】
その後、筒状金型4の外壁面に形成された筒状の層1の固化物を取り出す。具体的には、把持部材7を筒状金型4に対して上昇させ、把持部材7と筒状金型4とを離間させる。筒状の層1が十分固化した後に、不図示の取り出し手段を用いて筒状の層1の固化物を筒状金型4から取り出す。その後、取り出した筒状の層1の固化物の両端を切断することでシームレスベルトが得られる。該実施形態に係る方法では、気泡の混入がなく、肉厚精度及び形状精度の高いシームレスベルトを低コストで製造できる。
【0022】
なお、本実施形態では筒状の層1は筒状金型4の外壁面に形成されるが、筒状の層1は筒状金型4の内壁面に形成されてもよい。この場合、環状ダイ2は筒状金型4の同軸上内側に配置され、熔融体30は環状ダイ2の吐出口2bから半径方向外側に押し出され、筒状金型4の内壁面に筒状の層1が連続して形成される。
【0023】
図3は、本発明に係るシームレスベルトの製造装置の一実施形態(第二の実施形態)を示す断面図である。本実施形態の製造装置101は、筒状金型4(円筒)と、把持部材7(密着手段)と、環状ダイ2とを有している。筒状金型4は、上端部が開口し、下端はステージ6に支持されている。ステージ6は、鉛直方向に延びるガイド5に支持されている。ステージ6はガイド5に沿って移動する。それによって、筒状金型4は昇降可能である。筒状金型4の上方には、把持部材7がガイド5に支持された状態で配置されており、筒状金型4の上端開口と対向している。把持部材7は、ガイド5に沿って昇降可能である。把持部材7の上底部には注入口8が設けられている。注入口8は、不図示の気体注入手段に連結されており、注入口8を通じて気体を把持部材7の内部に導入可能である。
【0024】
環状ダイ2は筒状金型4の同軸上内側に断熱ベース9に支持された状態で配置されている。環状ダイ2は、不図示のヒータにより熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を熔融可能である。また、環状ダイ2は該樹脂組成物の熔融体30を放射方向に吐出可能な環状の吐出口2bを有する。吐出口2bの上流にはペレットと熔融体30とが混合される環状流路2aが備えられている。更に上流にはペレットの投入口2cが配置されている。ピストン3は一端に環状の押圧面3aを有し、環状ダイ2の環状流路2a内に組み込まれている。他端は環状ダイ2の上部へ突き出してガイド5に指示されており、不図示のアクチュエータにて環状流路2a内で上下動可能となっている。また、ピストン3の押圧面3aは不図示の冷却手段により樹脂組成物の融点未満に温調可能である。なお、放射方向とは中心から円周上のある一点に向かう方向(半径方向外側)を示す。
【0025】
本発明に係るシームレスベルトの製造方法は、前記シームレスベルトの製造装置を用いてシームレスベルトを製造する方法であって、以下の(1)から(6)の工程を含む。
(1)該樹脂組成物の熔融体を有している該環状流路に、該樹脂組成物からなるペレットを投入する工程。
(2)該環状流路内の該樹脂組成物と接する押圧面が該樹脂組成物の融点未満に温調された該ピストンで、該環状流路に投入された該ペレットを押圧して該熔融体中に該ペレットを押し込むことにより該ペレットを熔融させる。これと共に、該環状ダイから該熔融体を放射方向に吐出させる工程。
(3)吐出された該熔融体を密着手段により該円筒の一部に密着させ、密着部における気体の連通を遮断する工程。
(4)該熔融体を該密着手段により該円筒の一部に密着させた状態で、該円筒及び該密着手段と該環状ダイとを軸方向に相対移動させて該円筒の内壁面に該熔融体を塗布して該熔融体の筒状の層を形成する工程。
(5)該密着手段と該筒状の層と該環状ダイとで形成される空間内に気体を導入し、該気体の圧力で該筒状の層を該円筒の内壁面に密着させる工程。
(6)該筒状の層を固化させる工程。
【0026】
以下、図4を用いて本発明に係るシームレスベルトの製造方法の一実施形態(第二の実施形態)を説明する。本実施形態では前述した図3に示す製造装置101を用いる。
【0027】
工程(1)、(2)については、熔融体30が吐出される方向が放射方向であること以外は、それぞれ第一の実施形態の工程(1)、(2)と同様に行うことができる(図4(a)参照)。
【0028】
工程(3)では、図4(b)に示すように、把持部材7を下降させて間隙20に吐出された熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持する。これにより、筒状金型4の上端面に熔融体30を密着させ、密着部における気体の連通を遮断する。熔融体30を十分に密着させ密着部における気体の連通を遮断することで、後述する工程(5)において把持部材7と筒状の層1と環状ダイ2とで形成される空間を密閉空間とすることができ、該空間内に気体を導入した際内圧を上げることができる。なお、密着部とは、筒状金型4と熔融体30との接触部分及び把持部材7と熔融体30との接触部分を示す。熔融体30を筒状金型4と把持部材7で挟持する際には、第一の実施形態の工程(3)と同様に、筒状金型4及び把持部材7から選ばれる少なくとも一方を互いに近づく方向に移動させて熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持することができる。
【0029】
工程(4)では、筒状金型4と把持部材7とで熔融体30を挟持し密着させ、密着部における気体の連通を遮断した状態を維持する。その状態から更に、ピストン3を所望の速度で押し下げて環状ダイ2から熔融体30を放射方向に連続して吐出させつつ、環状ダイ2に対して、筒状金型4及び把持部材7を上昇させる。これにより、熔融体30を筒状金型4の内壁面に連続して塗布し、筒状の層1を筒状金型4の内壁面に形成する(図4(c)参照)。なお、筒状の層1の厚みの制御方法、筒状金型4及び把持部材7と環状ダイ2の移動については、第一の実施形態の工程(4)と同様である。
【0030】
工程(5)では、把持部材7と筒状の層1と環状ダイ2とで形成される空間50内に気体を導入し、該気体の圧力で筒状の層1を筒状金型4の内壁面に密着させる(図4(c)参照)。具体的には、工程(4)に引き続いて、又は工程(4)と並行して、不図示の気体注入手段から注入口8を通じて空間50内に気体を注入する。この時、密着部では気体の連通が遮断されているため、図4(c)に示すように、把持部材7と筒状の層1と環状ダイ2とで仕切られる空間50は密閉空間であり、気体の注入により空間50の内部のみが加圧される。その結果、筒状の層1は筒状金型4の内壁面に密着させられることとなる。注入口8から注入される気体は、空気又は窒素ガスに代表される不活性ガスが好ましい。
【0031】
工程(6)については、筒状の層1を筒状金型4の内壁面に形成した状態で固化させること以外は、第一の実施形態の工程(5)と同様に行うことができる。
【0032】
その後、筒状金型4の内壁面に形成された筒状の層1の固化物を取り出す。具体的には、筒状の層1が十分に固化した後、注入口8からの気体の注入を停止する。続いて、把持部材7を筒状金型4に対して上昇させ、把持部材7と筒状金型4とを離間させる。その後、不図示の取り出し手段を用いて筒状の層1の固化物を筒状金型4から取り出す。その後、取り出した筒状の層1の固化物の両端を切断することでシームレスベルトが得られる。
【0033】
本実施形態では、工程(3)において密着部における気体の連通が遮断され、工程(4)において筒状の層1は密着部から連続して形成される。更に、工程(5)において空間50の内部のみが加圧される。そのため、工程(5)において筒状金型4の内壁面と筒状の層1との隙間に気体が入り込まない。したがって、筒状の層1を筒状金型4の内壁面に密着させたまま、工程(6)で筒状の層1を固化させることができる。その結果、筒状金型4の内壁の表面が、筒状の層1の外面に確実に転写される。更に、筒状金型4の内壁面に形成される、筒状の層1の固化物の外径精度を筒状金型4の内径精度と同じレベルに安定させることができる。このように、本実施形態に係る方法ではシームレスベルトの表面に筒状金型4の内壁の表面が正確に転写されるため、表面形状が均一でムラが少ないシームレスベルトを低コストで製造できる。
【0034】
本発明では、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物は特に限定されない。しかし、シームレスベルトの用途が電子写真装置の場合、熱可塑性樹脂としては、以下の樹脂が好ましい。ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度、中密度、低密度、直鎖状低密度)、プロピレンエチレンブロック又はランダム共重合体、ゴム又はラテックス成分、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又は、その水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリビスアミドトリアゾール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチレンテトラフロロエチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、アクリル、アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン共重合体。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、耐久性を考慮すると、熱可塑性樹脂としては、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチックに分類されるものが好ましい。具体的には、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートがより好ましい。
【0035】
また、シームレスベルトの用途が電子写真装置の場合、その用途に応じて様々な添加剤をシームレスベルト内に分散させて機能を付与することが好ましい。例えば、転写搬送ベルトや中間転写ベルト等に使用する場合には、特に抵抗率制御を目的として無機添加剤を分散させることが好ましい。無機添加剤としては、カーボンブラック、黒鉛、金属、金属酸化物の微粉末が挙げられる。該金属としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムが挙げられる。また、金属酸化物としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウムが挙げられる。無機添加剤としては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、「ケッチェンブラック」(商品名、ライオン(株)製)、ファーネスブラック、チャンネルブラックが挙げられる。また、滑り性の付与を目的として二硫化モリブデン等の潤滑性粒子を添加してもよく、硬度向上を目的として二酸化ケイ素、酸化チタンを添加してもよい。
【0036】
本発明に係る方法により製造されるシームレスベルトは、電子写真画像形成装置(レーザービームプリンタ、複写機等)の中間転写ベルト、転写搬送ベルト、感光ベルト、定着ベルト等に用いることができる。
【実施例】
【0037】
(実施例1)
図1に示す構成を有するシームレスベルトの製造装置を用い、前記第一の実施形態に示す工程(1)〜(5)(図2(a)〜(c))に沿って電子写真用シームレスベルトを製造した。
【0038】
図1に示される製造装置において、筒状金型4の外径は290mm、軸方向の長さは420mmであった。また、筒状金型4は不図示の温調手段により120℃に制御した。把持部材7の外径は290mm、軸方向の長さは250mmであった。環状ダイ2の吐出口2bの内径は295mmであった。環状ダイ2の流路2aと投入口2cとは、ピストン3が上昇端に達した際に開通するようにした。また、環状ダイ2は不図示の温調手段により380℃に制御した。
【0039】
前準備として、ポリエーテルエーテルケトン(商品名:VICTREX PEEK、ビクトレックス(Victrex)社製)にアセチレンブラック(電気化学工業(株)製)を混合した。これを2軸成形機にて均一に混練して樹脂組成物を製造した。該樹脂組成物を成形して樹脂ペレットとした。該樹脂ペレットの体積抵抗率は1×1010〜5×1010Ωcmであった。該樹脂組成物のガラス転移点は約150℃、融点は約340℃であった。
【0040】
まず図2(a)に示すように、流路2a内のピストン3の下降端より下流に該樹脂組成物の熔融体が存在する状態で、ピストン3を上昇端まで上昇させ流路2aと投入口2cとを開通させ、投入口2cより流路2aに常温のペレットを適量投入した(工程(1))。
【0041】
次いで、図2(b)に示すように、ピストン3を下降させ、ペレットを熔融体に埋没、熔融させることで、ペレットと熔融体との混合物40とした。この時、筒状金型4と把持部材7とは、筒状金型4及び把持部材7の両端部の間に10mmの間隙20が存在するように配置されている。また、間隙20の位置と、環状ダイ2の吐出口2bの位置とが概略一致するように高さが調整されている。更にピストン3を押し下げることにより混合物40を加圧し、熔融体30を吐出口2bより間隙20に向けて吐出した(工程(2))。その後、把持部材7を下降させて、間隙20に吐出された熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持した(工程(3))。
【0042】
次いで、図2(c)に示すように、熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持した状態で、ピストン3を0.2mm/秒で下降させつつ、筒状金型4及び把持部材7を15mm/秒で上昇させた(工程(4))。これにより筒状金型4の外壁面に筒状の層1を形成した。このとき、筒状金型4は該樹脂組成物のガラス転移点以下である120℃に温調されていたため、熔融体30は筒状金型4の外壁面に押し出された際に急速に熱を奪われ、結晶化が進行することなく固化して筒状の層1となった(工程(5))。約400mmにわたり筒状の層1を形成した後、ピストン3の下降を停止させ、筒状の層1を形成した筒状金型4及び把持部材7を更に上昇させて吐出口2bから連続していた筒状の層1を切断した。次いで、把持部材7を筒状金型4から離間させ、筒状の層1を筒状金型4の外壁面から剥離した。剥離した筒状の層1の両端を切断することで、シームレスベルトを得た。
【0043】
該シームレスベルトは2本の平行ローラに張架しても歪みが観察されず、肉厚100μmの安定した形状を維持した。また、流路2aに分岐及び合流点がないためウェルドラインの発生がなく、シームレスベルトの全面において均一な強度を示した。また、表面に斑がなく成形できた。更に、筒状金型4をガラス転移点以下に温度制御したため、柔軟性の高いシームレスベルトが得られた。
【0044】
(実施例2)
図3に示す構成を有するシームレスベルトの製造装置を用い、前記第二の実施形態に示す工程(1)〜(6)(図4(a)〜(c))に沿って電子写真用シームレスベルトを製造した。
【0045】
図3に示される製造装置において、筒状金型4の内径は290mm、軸方向の長さは420mmであった。また、筒状金型4の内壁面には、シームレスベルトの表面が所定の表面粗さ[十点平均粗さ(Rzjis、JIS K0601−2001):0.4μm]を有するように、表面処理が施されていた。また、筒状金型4は不図示の温調手段により250℃に制御した。把持手段7の内径は290mm、軸方向の長さは250mmであった。環状ダイ2の吐出口2bの外径は282mmであった。環状ダイ2の流路2aと投入口2cとは、ピストン3が上昇端に達した際に開通するようにした。また、環状ダイ2は不図示の温調手段により380℃に制御した。
【0046】
ペレットは実施例1と同様に調製した。図4(a)に示すように、流路2a内のピストン3の下降端より下流に樹脂組成物の熔融体が存在する状態で、ピストン3を上昇端まで上昇させて流路2aと投入口2cとを開通させ、投入口2cより常温のペレットを流路2aに投入した(工程(1))。なお、該ペレットは不図示の計量手段により1回の吐出質量分だけを計量して投入した。
【0047】
その後、ピストン3を下降させ、ペレットを熔融体に埋没、熔融させることで、ペレットと熔融体との混合物40とした。この時、筒状金型4と把持部材7とは、筒状金型4及び把持部材7の両端部の間に10mmの間隙20が存在するように配置されている。また、間隙20の位置と、環状ダイ2の吐出口2bの位置とが概略一致するように高さが調整されている。次いで、図4(b)に示すように、更にピストン3を押し下げることにより混合物40を加圧し、熔融体30を吐出口2bより間隙20に向けて吐出した(工程(2))。その後、把持部材7を下降させて、間隙20に吐出された熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持した(工程(3))。なお、密着部において気体の流通は遮断されている。
【0048】
次いで、図4(c)に示すように、熔融体30を筒状金型4と把持部材7とで挟持した状態で、ピストン3を0.2mm/秒で下降させつつ、筒状金型4及び把持部材7を15mm/秒で上昇させた(工程(4))。それと同時に、把持部材7の注入口8から空間50に圧縮空気を注入した(工程(5))。空間50は、把持部材7と、熔融体30(筒状の層1)と、環状ダイ2とで形成される。これにより筒状金型4の内壁面に筒状の層1を形成し、且つ、筒状の層1を筒状金型4の内壁面に密着させた。このとき、筒状金型4は樹脂組成物の融点以下である250℃に温調されていたため、熔融体30は筒状金型4の内壁面に押し出された際に徐々に熱を奪われ、固化して筒状の層1となった(工程(6))。約400mmにわたり筒状の層1を形成した後、ピストン3の下降を停止させ、筒状の層1を形成した筒状金型4及び把持部材7を更に上昇させて吐出口2bから連続していた筒状の層1を切断した。次いで、圧縮空気の注入を止め、把持部材7を筒状金型4から離間させ、筒状の層1を筒状金型4の内壁面から剥離した。剥離した筒状の層1の両端を切断することで、シームレスベルトを得た。
【0049】
該シームレスベルトは2本の平行ローラに張架しても歪みが観察されず、肉厚100μmの安定した形状を維持した。また、流路2aに分岐及び合流点がないためウェルドラインの発生がなく、シームレスベルトの全面において均一な強度を示した。また、表面に斑がなく成形できた。筒状金型4をガラス転移点以上、融点以下に温度制御したため、結晶化度が20%以上で、引張り強度、表面硬度の高いシームレスベルトが得られた。更に、シームレスベルトの外面は筒状金型4の内壁面の表面粗さを転写しており、十点平均粗さは0.4μmであった。
【符号の説明】
【0050】
1 筒状の層
2 環状ダイ
4 筒状金型
7 把持部材
20 間隙
30 熔融体
40 混合物
50 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒と、
該円筒と同軸に配置され、該円筒の壁面に近接して軸方向に相対的に移動可能であり、且つ、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の熔融体を半径方向に吐出可能な環状ダイと、を具備するシームレスベルトの製造装置を用いてシームレスベルトを製造する方法であって、
該環状ダイは、
該樹脂組成物からなるペレットの投入口を有し、該投入口から投入された該ペレットを熔融する環状流路と、
該環状流路において熔融された該樹脂組成物の熔融体に圧力を印加して該熔融体を該環状ダイから吐出させるための環状のピストンと、を備えており、
該シームレスベルトの製造方法は、
(1)該樹脂組成物の熔融体を有している該環状流路に、該樹脂組成物からなるペレットを投入する工程と、
(2)該環状流路内の該樹脂組成物と接する押圧面が該樹脂組成物の融点未満に温調された該ピストンで、該環状流路に投入された該ペレットを押圧して該熔融体中に該ペレットを押し込むことにより該ペレットを熔融させると共に、該環状ダイから該熔融体を半径方向に吐出させる工程と、
(3)吐出された該熔融体を該円筒の一部に密着させる工程と、
(4)該熔融体を該円筒の一部に密着させた状態で、該円筒と該環状ダイとを軸方向に相対移動させて該円筒の壁面に該熔融体を塗布して該熔融体の筒状の層を形成する工程と、
(5)該筒状の層を固化させる工程と、を含むことを特徴とするシームレスベルトの製造方法。
【請求項2】
円筒と、
該円筒と同軸に配置され、該円筒の壁面に近接して軸方向に相対的に移動可能であり、且つ、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の熔融体を半径方向に吐出可能な環状ダイと、を具備するシームレスベルトの製造装置であって、
該環状ダイは、
該樹脂組成物からなるペレットの投入口を有し、該投入口から投入された該ペレットを熔融する環状流路と、
該環状流路において熔融された該樹脂組成物の熔融体に圧力を印加して該熔融体を該環状ダイから吐出させるための環状のピストンと、を備えていることを特徴とするシームレスベルトの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−86528(P2012−86528A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237643(P2010−237643)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】