説明

シーラント剤及びその製造方法

【課題】ログジャム原理及び粘着ゲル(ラテックス)詰まり原理の組み合わせを利用し、生体材料を用いた、環境に優しく、非毒性のシーラント剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】バルブスルータイプのタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物には、溶解性及び非溶解性の天然材料、不凍剤及び他の固体粒子が含まれる。調製において、0.1−10重量%の溶解性天然材料及び0.1−10重量%の粘着性付与剤を不凍剤と混合し、0.01−5重量%の天然材料の固体粒子及び他の粒子が分散される。水及び不凍剤の含有量はそれぞれ20−40重量%、20−70重量%である。着色剤及び保存剤などの微量の添加剤が含まれ得る。前記シーリング剤は6.35mm以下のスパイクによるパンクを長時間、即ち30時間を超えてシールすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイヤパンクシーリング剤に関する。前記シーリング剤は生体材料を含み、これはパンクをシールするための柔軟材料であり、また前記シーリング剤の不溶性粒子がシーリング性を改良する。前記タイヤシーリング剤組成物は、環境に優しく、非毒性かつ効果的である。
【背景技術】
【0002】
タイヤは、時々道路上などの釘や石などの硬い物体によりパンクする。パンクしたタイヤは、パンクにより空気が漏れたものである。自動車が特に高速道路を走行中にパンクすることで、空気がもれたタイヤは重大な事故を引き起こし、運転者に重大な肉体的損傷を与える恐れがある。さらに事故は、時として自動車運転者が高速道路上でパンクして空気のもれたタイヤを交換しようとする際にも起こり得る。
【0003】
液体タイヤシーリング剤は、タイヤが運転中にパンクする際に一時的なシールをするために使用される。これによりタイヤがパンクした後でも運転者が運転を続けて助けを求めることができる緊急方法を提供し、タイヤパンクにより引き起こされる重大な事故を避けることができる、というものである。
【0004】
一般的に、液体タイヤシーリング剤は、シーリング材料、タッキファイヤ(粘着性付与剤)及び溶媒を不凍剤とともに含む。通常のシーリング材料には、ラテックス、ブチルゴム及び種々の粒子が含まれる。タッキファイヤは粘着性を増加させる化合物である。タイヤシーリング剤に使用される通常のタッキファイヤは樹脂化合物である。エチレングリコール及びプロピレングリコールなどの不凍剤は、タイヤシーリング剤の凍結温度を低下させ前記シーリング剤が運転環境の低温度で凍結することを防止するために使用されるものである。
【0005】
タイヤシーリング剤の初期段階では、US特許No.4116895及び4426468に記載されるように、ブチルゴム及びラテックスがシーリング目的の主成分に使用されていた。架橋剤(即ち有機金属触媒)が適切に機能させるために必要であったにで、シーリング性能は触媒量に大きく依存するものである。これらの組成物の欠点は、不安定な性能、短い棚寿命、使用後の洗浄が難しいこと及び硬化工程が必要であること、などである。
【0006】
US特許No.433322及び4588758には、タイヤシーリング剤のさらなる開発物が記載されている。前記特許は、バルブオープンタイプシーラント剤の主成分として、アスベストファイバ、エチレングリコール及び洗剤が開示されている。アスベストファイバは発癌性であり、エチレングリコールは環境毒性であることがよく知られている。
【0007】
環境問題に照らし、非石油系で環境により安全なタイヤシーリング剤が開示されている(US特許No.5059636)。この処方物では、基本ゴムに加えて小麦粉が添加されている。亜硝酸ナトリウムが長棚寿命のために保存剤として使用されている。一方で、水溶性シーリング剤液の凍結温度はグリコール化合物の代わりにカルシウム塩を添加することで低下させている。唯一の欠点は、このシーリング剤を適用する前にバルブコアを取り除かなければならないということである。
【0008】
水系タイヤシーリング剤の代わりに、有機溶剤を含む組成物が開発され(US特許No.490242及び564806)、ハロゲン化化合物及びアセトンなどの他の有機溶媒を用いるものであるが、これはこれらの高いシーリング性能であるにも拘わらず強い環境毒性がある。
【0009】
一方で、他のシーリング剤組成物がUS特許No.5772747に開示されている。「ログジャム」と呼ばれるメカニズムに基づく機能のシーラント剤である。実際には、セルロース、キサンタンガム、カルボポールポリマー、ウール、ナイロン、珪灰石及び他の平面板状粒子を含む粒子混合物が水系溶媒中に分散されたものである。タイヤのパンクはこの粘着性媒体中の繊維性材料により埋められ、この粘着性はポリグリコールの添加により調節される。このシーリング剤の凍結温度を下げるためにプロピレングリコールが添加されている。色素、保存剤及び腐食防止剤などの他の成分が添加されている。
【0010】
類似の機能メカニズムを持つ、表面活性化基本ゴム、スチレンブタジエンラテックス、多糖類キサンタンガムを含む組成物が開示されている(US特許No.5856376)。それにも拘わらずこれはまたバルブオープンタイプのシーラント剤である。
【0011】
US特許No.6013697に開示されたものは、ベントナイト及びマイカが組成物の主成分である。これらの粒子がパンクを塞いでさらに空気が漏れることを防止する。バルブスルータイプシーラント剤は環境に安全であり迅速シーリング性能を持つ。しかしながら、クレイ小粒の沈殿や凝集がこのシーリング剤の主な問題点である。
【0012】
天然有機材料を用いるログジャムメカニズムに基づく他の開発には、US2002/0077391が挙げられ、これは切り刻まれたポリエチレン、セルロース及びセラミックファイバが使用されている。またUS2005/0277712A1が挙げられ、これは、砂糖ダイコン、砂糖キビ、コーン及び樹木などの穀物副産物が粒子物として使用される。また国際出願Wo2008/022402A1には、シーラント剤が、キサンタンガム、セルロース、フュームドシリカ、ピーナッツ殻、木屑粉、茶粉末、パセリ粉、ベントナイト、ガム樹脂及び痕跡量の二酸化チタンを含む。またUS2007/0015850A1には、セリアル穀物粒、コーン及び小麦などの植物タンパク質が用いられる。またUS2007/0129464A1では、モラッセなどの繊維性材料、即ちシュロ、砂糖ダイコン、コーン、大豆、リグニン、ウール、ガラスウール、綿などの使用が記載されている。
【0013】
ログジャムメカニズムに基づく他の開示は主に合成材料を使用し、US2007/0203260A1では、ウレタンエマルジョン(合成樹脂)及びポリオールが使用されている。また国際特許出願PCR/AU2008/001499では、ポリアクリル酸ナトリウム及び基本ゴムが主成分であることが開示されている。
【0014】
「ログジャム」原理に加えて、他のタイプのシーリング剤は粘着性増加ラテックス分散物に基づく。ラテックス分散物は非常に高粘度溶液であり、パンクした壁に強固に接着しその結果空気漏れを止める。関連する特許には、限定されるものではないが、EP1382654A1、US6992119B2及びUS2006/0142420A1が挙げられる。しかし、ラテックス系シーラントの欠点は、使用後に掃除することが困難であること、粘着性による問題、眼及び皮膚刺激性であること、揮発性有機化合物の使用などである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、ログジャム原理及び粘着ゲル(ラテックス)詰まり原理の組み合わせによる新規なタイヤ用シーリング剤を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
提案されるシーリング剤は、シールの可能性と持続期間を強化するために固体粒子のログジャムメカニズムと、前記固体粒子間への変形可能なゲル粒子によるゲル詰まりにより作用する。前記組成物は、環境に優しく、タイヤのパンクに対して安全で、非毒性であり高い効果(即ち、迅速にシールすることができる)を有する。シールされるパンク孔サイズは前記シーリング剤の粒子サイズ及び固体含有量に依存する。少なくとも6.35mmのスパイクによるパンクをシールすることができる。これはバルブスルータイプのシーリング剤であり、注入する前にバルブコアを外さないで便利に適用することができる。前記シーリング剤は−30℃および70℃の間で十分機能する。前記シールは、シーリング剤組成物により12時間から48時間以上維持される。適用されるシーリング剤は容易に使用後水により洗浄される。
【0017】
提案されるシーリング剤組成物は溶解性及び非溶解性ポリマー性材料を含む。溶解性分子はその原料の固体形から柔軟で変形可能な分散物へ再構成されるものである。物理的及び化学的にその調節可能性により、パンクした部分でログジャムした粒子の粒塊境界へ滑り込み充填され得る。これにより開示された組成物の優れたシーリング性能が与えられる。粘着性付与剤又は他のタイプのアルギン酸ナトリウムなどのヒドロゲルを添加することは、シーリング剤の粘性及び変形可能な溶解性ポリマー鎖の粘着性を増加させ、パンクした壁に接着してジャム粒子の表面を強固に接着することができる。実際に、アルギン酸ナトリウムは柔軟な変形可能なキトサンゲルの粒子サイズを増加させる。プロピレングリコール、塩化カルシウム及び/又は塩化マグネシウムなどの低毒性不凍剤は、水溶性液体シーリング剤の凍結温度を低下させるために使用される。保存剤、腐食防止剤、硬化剤及び着色剤などは、棚寿命及び見かけのよさを改良するために添加される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、固体及び再沈殿させたキトサンの走査電子顕微鏡イメージである。(a)は固体キトサン粒子、(b)は中和後の再沈殿キトサン粒子及び(c)は調製されたシーリング剤からの固体キトサンを含むゲルキトサンの混合物である。
【図2】図2は、異なる濃度で再沈殿させたキトサンの写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明によるタイヤシーリング剤組成物は、少なくとも一種類の天然由来材料を含む。前記材料は部分的に、物理的及び化学的方法により変形可能な柔軟な分散材料に変換され、一方残りの粒子は固体形のままである。他の固体粒子がまた、シーリング性能を強化するために添加され得る。前記シーリング剤の液体媒体は、水及び不凍剤を含み、シーリング剤の使用温度を広げるものである。粘着性付与剤は前記溶液の粘性を増加させ、パンクした壁への固体及び変形可能な分散固体の粘着性を改良する。腐食防止添加剤は、錆の発生を防止するために添加され得る。保存剤がまた、前記シーリング剤の棚寿命を長くするために添加されてよい。酸化亜鉛又は酸化チタンは、太陽光による分解を防止するために添加される。付香剤又は着色剤が場合によりシーリング性能に影響することなく添加されてもよい。
【0020】
好ましい実施態様において、キトサンがシーリング目的で変形可能なゲル材料として使用される。キトサンはキチンの脱アセチル化により生成され、キチンは甲殻類の外骨格で普通見出される。これは固体のフレークとして存在し、酸性媒体中に溶解される。前記酸は全ての種類の酸であってよく、低毒性の点から好ましくは酢酸及び塩酸である。溶解に先立ってキトサンを、全ての種類のアルカリ(好ましくは水酸化ナトリウム)で中和により再沈殿させる。再沈殿キトサンはその原料の形状から異なる粒子構造を持つ。これは水溶性媒体中に分散される柔軟で、やや透明で変形可能なゲル材料である。具体的なゲル粒子サイズ及び剛性は、中和速度と溶液の最終pHに依存する。図1において、固体及び再沈殿キトサンの走査電子顕微鏡イメージが示される。キトサンは一例として示されていることに留意すべきである。他の類似の材料であって所与の液体媒体中でゲル材料として存在し得る材料はまた、上で説明された込み合わされたシーリングメカニズムを持つ前記シーリング剤組成物を調製するために使用され得る。
【0021】
好ましい実施態様において、前記シーリング剤は、0.1−5重量%の再沈殿キトサンを含み、これは50−500μmキトサン粒子を酸性条件下で溶解させることで調製され、水溶性分散物の最終pHがpH7−10の間である。図2には、異なる濃度での再沈殿キトサンの写真が示される。
【0022】
前記シーリング剤組成物の水含有量は30−60重量%の範囲である。水は、前記柔軟なゲルキトサン及び他の固体粒子の分散のため、及び場合により添加される種々の添加物を溶解するための媒体を提供する。
【0023】
水溶性の粘度は粘着性付与剤を添加することで調節される。2つの例がアルギン酸ナトリウムと澱粉である。これらの天然材料は水溶性溶液の粘性を調節するために使用される。好ましい実施態様において、添加される粘着性付与剤の量は0.1−10重量%であり、必要とされる目標の粘度に依存する。通常、30−5000mPaの範囲である。アルギニン酸ナチリウムに加えて、他の粘度調節剤を使用することができる。
【0024】
水溶性分散液の凍結温度は、プロピレングルコールなどの不凍剤を使用することで下げられ、前記シーリング剤組成物の適用範囲を広げることができる。好ましい実施態様において、シーリング剤組成物は30−90重量%のプロピレングリコールを含む。凍結温度は通常、50−60重量%のプロピレングリコールの使用により−30℃へ下がる。1−10重量%の塩化カルシウム又は塩化マグネシウムなどの無機不凍剤もまた好ましい実施態様において使用され得る。
【0025】
ヒドロゲル(柔軟、変形可能なキトサン粒子)に加えて、固体キトサン粒子がシーリング剤成分として0.1−5重量%(最も好ましくは1−3重量%)の量で存在する。固体粒子キトサンの粒子サイズは10−300μm(好ましくは5−50μm)である。固体粒子は、パンクした部分にロクジャムメカニズムにより蓄積される。ジャムされた粒子により形成された詰り部は、溶液内の柔軟な変形可能なキトサン材料と組み合わされて前記パンク部分に優れたシーリング性能を与えることとなる。柔軟な変形可能なキトサン及び固体粒子キトサンは共に同じ原料から由来するものであり、シーリングメカニズムのおけるこれらの整合性は非常に優れたものである。
【0026】
シーリング剤中の固体粒子成分として、キトサン材料に限定されるものではない。他の固体粒子であって、サイズが0.1μmから300μmの範囲であればこの実施態様で使用される。以下の例で、カオリナイト、シリカ、珪灰石、珪藻土、マイカ、メソポーラスシリカ及びコロイドシリカなどがシーリング剤製造及びシーリング性能を説明するために使用される。前記粒子は、より高い密度を持つ粒子も使用され得るが、好ましくは、沈降速度を下げるために比重が1.5未満である。さらに、ベントナイトの0.05−3重量%が、シーリング剤中での沈降及び沈積の問題を防止するために使用される。
【0027】
亜硝酸ナトリウムなどの保存剤が0.1−5重量%の範囲でまたシーリング剤に添加され、シーリング剤組成物中に保存剤として用いて棚寿命を5年以上伸ばす。
【0028】
腐食防止剤が0.1から3重量%の範囲で含まれ、タイヤ内部の錆生成を防止するために添加される。
【0029】
調製されたシーリング剤の粘度及びpHは30−5000mPa及び7−11の範囲である。シーリング剤は、柔軟変形可能なキトサンゲル粒子及び粘着性付与剤がベントナイトと共に存在することから24時間以内ではほとんど沈殿は生じない。前記シーリング剤は保存剤により5年間はその適切な機能を維持する。
【0030】
使用に際しては、前記シーリング剤が高圧(好ましくは3−7バール)でホースを通じて、バルブコアを外して(又は外さずに)タイヤ中に注入される。パンクがない場合にはシーリング剤液は、物理的及び化学的変化を受けることなくタイヤ中で回転し続ける。さらに、シーリング剤はタイヤ内部に効果的に広がり、肩の部分でパンクが生じた場合でもシールすることができる。
【0031】
シーリング剤性能は次のように試験される。即ち、調製されたシーリング剤の300mlを165/60R14古タイヤへ、ホースを通じて高圧(好ましくは3−7バール)で、バルブコアを外さないで注入する。留意すべきは、注入シーリング剤の容量は300ml未満であってよいということである。しかしこの値は試験用のベンチマークとして使用されるものである。その後タイヤを5分間特別製の装置により回転させる。このタイヤに通常は6.35mmスパイクを用いて回転の前又は回転中にパンクさせる。他のサイズのスパイクもまた試験できる。タイヤを金属棒で実際のタイヤに負荷される重量をシミュレートするために抑えつつさらに5分間300rpmで回転させる。タイヤを、パンク箇所が上に向くように静止させる。パンク箇所からの空気漏れを、毎時間石鹸水を用いてチェックする。この試験に合格した後、前記シーリング性能を自動車による実際の道路上試験により確認する。
【実施例】
【0032】
以下本発明に基づくいくつかの実施例につき説明する。しかし本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
実施例1(PD−10)
シーラントAは、30−50重量%の水、50−65重量%のプロピレングリコール、0.1−5重量%の再沈澱キトサン粒子、5重量%のグリセリン、0.1−2重量%のアルギン酸ナトリウム及び0.01−2重量%の固体キトサン粒子からなる。調製されたシーリング剤の粘度は30−500mPaの間であり、溶液のpHは8−10であった。このシーリング剤は6.35mmのスパイクによるパンクを48時間シールすることができた。このシーリング剤は−30℃、30℃及び70℃で機能した。さらに、このシーリング剤は1週間を超えて静置保存しても沈積はほとんど無視出来る程度であった。
【0034】
実施例2(PD−10RM−1)
シーラントBは、30−50重量%の水、50−65重量%のプロピレングリコール、0.1−0.3重量%の再沈澱キトサン粒子、0.1−2重量%のアルギン酸ナトリウム及び0.01−0.5重量%の固体キトサン粒子からなる。この組成物はまた、カオリン、シリカ及びコロイドシリカを含む0.1−5重量%の固体粒子を含む。調製されたシーリング剤の粘度は50−800mPaの間であり、溶液のpHは8−10であった。このシーリング剤は6.35mmのスパイクによるパンクを48時間シールすることができた。このシーリング剤は−30℃、30℃及び70℃で機能した。さらに、このシーリング剤は1週間を超えて静置保存しても沈積はほとんど無視出来る程度であった。
【0035】
実施例3(R−4)
シーラントCは、30−50重量%の水、50−65重量%のプロピレングリコール、0.1−3重量%の再沈澱キトサン粒子、0.1−2重量%のアルギン酸ナトリウム及び0.01−0.5重量%の固体キトサン粒子からなる。この組成物はまた、カオリン、シリカ及びコロイドシリカを含む0.1−5重量%の固体粒子とともに、0.1−4重量%のセリシンと他の溶解性ポリマーを含む。調製されたシーリング剤の粘度は50−1000mPaの間であり、溶液のpHは8−10であった。このシーリング剤は6.35mmのスパイクによるパンクを48時間シールすることができた。このシーリング剤は−30℃、30℃及び70℃で機能した。さらに、このシーリング剤は1週間を超えて静置保存しても沈積はほとんど無視出来る程度であった。
【0036】
実施例4(AS2−FS2)
シーラントDは、30−50重量%の水、50−65重量%のプロピレングリコール、0.1−5重量%のアクリル系ゲル、0.1−3重量%の再沈澱キトサン粒子、0.1−2重量%のアルギン酸ナトリウム及び0.01−0.5重量%の固体キトサン粒子からなる。この組成物はまた、カオリン、シリカ及びコロイドシリカを含む0.1−5重量%の固体粒子とともに、0.1−5重量%のアクリル系糊を含む。調製されたシーリング剤の粘度は50−1000mPaの間であり、溶液のpHは8−10であった。このシーリング剤は6.35mmのスパイクによるパンクを48時間シールすることができた。このシーリング剤は−30℃、30℃及び70℃で機能した。
【0037】
実施例5(NOSA21)
シーラントEは、30−50重量%の水、50−65重量%のプロピレングリコール、0.1−5重量%のアクリル系糊、0.1−3重量%の再沈澱キトサン粒子、0.01−0.5重量%の固体キトサン粒子からなる。この組成物はアルギン酸ナトリウムを含まない。調製されたシーリング剤の粘度は50−1000mPaの間であり、溶液のpHは8−10であった。このシーリング剤は−30℃、30℃及び70℃で機能した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤパンクをシーリングするためのシーリング剤組成物であり、液体キャリア、粘性剤及び分散剤、変形可能及び固体形でのフィラー及び添加剤を含む、シーリング剤組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、30−95重量%の液体キャリア、0.1−5重量%の粘性剤及び分散剤、0.1−5重量%のフィラー及び0.1−5重量%の添加剤を含む、シーリング剤組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記添加物が腐食防止剤及び保存剤を含み、前記液体キャリアが水及び不凍剤を含み、前記粘性剤及び分散剤が粘着性付与剤及び/又は変性可能及び固体形のフィラーを含み、かつ耐腐食防止剤を含む。
【請求項4】
請求項1に記載にタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記シーリング剤組成物がバルブスルー又はバルブオープンタイプである、シーリング剤組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、シーリング剤組成物が、水、プロピレングリコール、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、ゲル粒子及び固体粒子を含む、シーリング剤組成物。
【請求項6】
請求項5に記載にタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記ゲル粒子が再沈殿キトサン粒子及びアルギン酸塩であり、前記固体粒子が1μmから500μmの適切な粒子サイズを持つ、シーリング剤組成物。
【請求項7】
請求項6記載にタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記シーリング剤組成物がさらに、固体カオリナイト粒子、固体粒子及び固体コロイドシリカ粒子を含む、シーリング剤組成物。
【請求項8】
請求項7に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記シーリング剤組成物がさらに、セリシン及び可溶性有機ポリマーを含む、シーリング剤組成物。
【請求項9】
請求項8に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記シーリング剤組成物が、0.1−3重量%再沈殿キトサン粒子、0.1−1重量%の固体キトサン粒子、0.1−4重量%のセリシン及び可溶性有機ポリマー及び0.1−5重量%のカオリン粒子、固体シリカ粒子及び固体コロイドシリカ粒子を含む、シーリング剤組成物。
【請求項10】
請求項9に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記シーリング剤粗生成物の粘度が50−1000mPaであり、前記シーリング剤組成物がpH8−10である、シーリング剤組成物。
【請求項11】
請求項9に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記タイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物が、−30℃、30℃及び70℃で機能し、一週間を超える静置でも沈積は無視できる程度である、シーリング剤組成物。
【請求項12】
請求項1に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記シーリング剤組成物が、アンモニア及び毒性化学物質を含まない、シーリング剤組成物。
【請求項13】
請求項1に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物であり、前記シーリング剤組成物が、数秒でタイヤパンクをシールでき、高い再現性で48時間を超えてタイヤをシールでき、その適用後には容易に水洗して汚れを落とすことができる、シーリング剤組成物。
【請求項14】
請求項1に記載のタイヤパンクをシールするためのシーリング剤組成物を製造するための方法であり、次のステップ:
S1;固体粒子を化学的方法で溶解し、液体媒体中に分散された変形可能なゲル材料を制御して形成させ、
S2;種々の固体粒子を前記ゲル分散物に、制御下で効果的な混合方法により添加し、及び
S3;添加剤を前記シーリング剤組成物に添加する、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−102327(P2012−102327A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240715(P2011−240715)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(511266391)トップ アライアンス テクノロジー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】