シーリング方法、シール材およびシール構造
【課題】外壁の開口部と挿入部材と間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができるとともに、優れたシール性を長期にわたって確保することができ、また、外壁の美観の低下を防止することのできる、シーリング方法、シール材およびシール構造を提供する。
【解決手段】弾性層3と、その表面に積層される第1粘着部4と、弾性層3の裏面に積層される第2粘着部5と、第1粘着部4の表面に積層される第1離型フィルム8とを備えるシール材1を用意し、第2粘着部5をダクト23の外周面に接着することにより、弾性層3をダクト23の外周面に固定し、ダクト23を、開口部22に圧入することにより、弾性層3を開口部22とダクト23との間の隙間に充填し、第1離型フィルム8を第1粘着部4から引き剥がし、それによって、第1粘着部4を開口部22の内周面に接着することにより、弾性層3を開口部22の内周面に固定する。
【解決手段】弾性層3と、その表面に積層される第1粘着部4と、弾性層3の裏面に積層される第2粘着部5と、第1粘着部4の表面に積層される第1離型フィルム8とを備えるシール材1を用意し、第2粘着部5をダクト23の外周面に接着することにより、弾性層3をダクト23の外周面に固定し、ダクト23を、開口部22に圧入することにより、弾性層3を開口部22とダクト23との間の隙間に充填し、第1離型フィルム8を第1粘着部4から引き剥がし、それによって、第1粘着部4を開口部22の内周面に接着することにより、弾性層3を開口部22の内周面に固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーリング方法、シール材およびシール構造、詳しくは、外壁の開口部と挿入部材と間の隙間のシールに好適に用いられるシーリング方法、それに用いられるシール材、および、シール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物などの外壁に、その厚み方向を貫通する開口部(貫通孔)を形成し、それに、ダクト(導管)を挿入することにより、ダクトを介して、建物の内部と外部とを連通させて、建物の換気などを図ることがよく知られている。
一方、開口部の内周面とダクトの外周面との間には、隙間を生じやすく、そのため、水が建物の外部から内部に隙間を介して浸入する場合がある。
【0003】
上記した水の浸入を防止すべく、例えば、まず、ダクトを、外壁の開口部に挿入し、その後、コーキング材を、外壁の開口部の内周面とダクトの外周面との間に充填し、それによって、それらの間の隙間をシールすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−120189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、外壁に生じる振動などによって、コーキング材にひび割れを生じたり、あるいは、コーキング材と、外壁の開口部の内周面および/またはダクトの外周面との間に別の隙間を生じる場合がある。その場合には、ダクトの周囲のシール性が低下するという不具合がある。
また、充填されたコーキング材を、硬化させる必要があり、その分が、時間がかかるという不具合がある。
【0006】
さらに、コーキング材を、隙間の寸法に応じた量で充填する必要があり、その分、手間がかかるという不具合がある。また、コーキング材が隙間から溢れる場合があり、その場合には、ダクトの周囲の美観が低下するという不具合もある。
本発明の目的は、外壁の開口部と挿入部材と間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができるとともに、優れたシール性を長期にわたって確保することができ、また、外壁の美観の低下を防止することのできる、シーリング方法、シール材およびシール構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のシーリング方法は、外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシーリング方法であって、弾性層と、前記弾性層の表面に積層される第1粘着部と、前記弾性層の裏面に積層される第2粘着部と、前記第1粘着部の表面に積層される離型フィルムとを備えるシール材を用意するシール材用意工程、前記第2粘着部を前記挿入部材の外周面に接着することにより、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に固定する第1固定工程、前記弾性層が固定された前記挿入部材を、前記離型フィルムを前記開口部の内周面に密着させるように、前記外壁の前記開口部に圧入することにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部と前記挿入部材との間の隙間に充填する工程、および、前記離型フィルムを前記第1粘着部から引き剥がし、それによって、前記第1粘着部を前記外壁の前記開口部の内周面に接着することにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部の内周面に固定する第2固定工程を備えていることを特徴としている。
【0008】
このシーリング方法によれば、第1固定工程において、弾性層を挿入部材の外周面に固定し、第2固定工程において、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定するので、弾性層によって、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間を確実にシールすることができる。
しかも、弾性層を、圧入後に硬化させる手間を省くことができ、短時間で隙間をシールすることができる。
【0009】
また、弾性層は、弾性を有するので、外壁が振動しても、これを吸収でき、そのため、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
さらに、第2固定工程では、離型フィルムを第1粘着部から引き剥がすことによって、第1粘着部を外壁の開口部の内周面に接着するので、簡易な方法で、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定することができる。
【0010】
さらにまた、弾性層が固定された挿入部材を、外壁の開口部に圧入するので、弾性層が外壁の開口部と挿入部材との間の隙間から漏れることを有効に防止することができる。そのため、外壁の美観の低下を防止することができる。
その結果、このシーリング方法では、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができるとともに、優れたシール性を長期にわたって確保することができ、また、外壁の美観の低下を防止することができる。
【0011】
また、本発明のシーリング方法では、前記第1固定工程は、前記第2粘着部を前記挿入部材の外周面に巻き付ける第1巻付工程、および、前記第1粘着部を前記弾性層の表面に巻き付ける第2巻付工程を備え、前記第1巻付工程では、前記第2粘着部を、前記挿入部材の外周面に沿う巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、前記挿入部材の外周面に順次巻き付け、前記第2巻付工程では、前記第1粘着部を、巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、前記弾性層の表面に順次巻き付けることが好適である。
【0012】
このシーリング方法では、第1巻付工程において、第2粘着部を、巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、挿入部材の外周面に順次巻き付けるので、第2粘着部を挿入部材の外周面に円滑かつ確実に接着することができる。
また、第2巻付工程において、第1粘着部を、巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、弾性層の表面に順次巻き付けるので、第1粘着部を弾性層の表面に円滑かつ確実に接着することができる。
【0013】
そのため、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間をより一層簡易かつ確実にシールすることができる。
また、本発明のシーリング方法では、前記第1巻付工程における前記第2粘着部の巻付方向と、前記第2巻付工程における前記第1粘着部の巻付方向とが、同一方向であることが好適である。
【0014】
このシーリング方法では、第1巻付工程と第2巻付工程とにおいて、同一方向で、第2粘着部と第1粘着部との巻付をそれぞれ実施するので、第1巻付工程から第2巻付工程に円滑に移行することができる。
また、本発明のシーリング方法において、前記シール材用意工程では、長手方向に連続して延びる粘着剤層を備える前記シール材を用意し、前記粘着剤層は、前記弾性層の裏面に予め積層され、前記弾性層に支持される前記第2粘着部と、前記弾性層から露出し、前記第2粘着部に連結される前記第1粘着部と、前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する連結粘着部とを備え、前記第1固定工程は、前記第1巻付工程後、前記連結粘着部を、前記弾性層の巻付方向両端面の間に介在させる工程をさらに備えていることが好適である。
【0015】
このシーリング方法では、連結粘着部を、弾性層の巻付方向両端面の間に介在させるので、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
また、本発明のシーリング方法では、前記弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることが好適である。
このシーリング方法によれば、連結粘着部を、巻付方向および弾性層の厚み方向の両方向において、弾性層の巻付方向両端面の間に介在させることができる。そのため、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0016】
また、弾性層に巻付方向の張力が生じる場合には、弾性層の巻付方向両端部が互いに離間する方向に引っ張られて、それらの間に隙間を生じる可能性がある。
しかしながら、このシーリング方法によれば、弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されているので、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分が巻付方向に沿って形成される。
【0017】
そのため、弾性層の巻付方向両端部が多少離間しようとしても、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分を確保できるので、弾性層の巻付方向両端面のシール性を確保することができる。
また、本発明のシーリング方法では、シール材用意工程における前記シール材の前記粘着剤層は、前記第2粘着部の巻付方向一端部から巻付方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する延出部をさらに備え、前記第1固定工程は、前記第1巻付工程前に、前記延出部を、前記挿入部材の外周面に接着することによって、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に仮固定する工程をさらに備え、前記第1巻付工程では、前記第2粘着部の巻付方向他端部を、前記延出部に重ね合わせることが好適である。
【0018】
このシーリング方法では、弾性層を挿入部材の外周面に仮固定するので、第1巻付工程を確実に実施することができる。
また、第1巻付工程において、第2粘着部の巻付方向他端部を、延出部に重ね合わせるので、弾性層を、挿入部材の外周面に強固に接着することができる。
また、本発明のシール材は、外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシール材であって、長手方向に連続して延びる粘着剤層と、前記粘着剤層の表面の長手方向一方側に積層される弾性層と、前記粘着剤層の表面の長手方向他方側に積層される離型フィルムと備え、前記粘着剤層には、前記弾性層が積層される部分が、前記挿入部材の外周面に接着される第2粘着部として区画され、前記弾性層から露出し、前記第2粘着部に連結され、前記離型フィルムが積層される部分が、前記離型フィルムが引き剥がされたときに、前記外壁の前記開口部の内周面に接着される第1粘着部として区画されていることを特徴としている。
【0019】
このシール材によれば、第2粘着部によって、弾性層を挿入部材の外周面に固定し、第1粘着部によって、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定することができる。そのため、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間を確実にシールすることができる。
しかも、弾性層を、圧入後に硬化させる手間を省くことができ、短時間で隙間をシールすることができる。
【0020】
また、弾性層は、弾性を有するので、外壁が振動しても、これを吸収でき、そのため、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
さらに、離型フィルムが第1粘着部から引き剥がされたときに、第1粘着部が外壁の開口部の内周面に接着されるので、簡易な方法で、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定することができる。
【0021】
その結果、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができる。
また、本発明のシール材では、前記粘着剤層には、前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する部分が連結粘着部として区画されていることが好適である。
このシール材では、連結粘着部が、弾性層の長手方向両端面の間に介在されれば、弾性層の長手方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0022】
また、本発明のシール材では、前記弾性層の長手方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることが好適である。
このシール材によれば、連結粘着部を、巻付方向および弾性層の厚み方向の両方向において、弾性層の巻付方向両端面の間に介在させることができる。そのため、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0023】
また、弾性層に巻付方向の張力が生じる場合には、弾性層の巻付方向両端部が互いに離間する方向に引っ張られて、それらの間に隙間を生じる可能性がある。
しかしながら、このシール材によれば、弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されているので、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分が巻付方向に沿って形成される。
【0024】
そのため、弾性層の巻付方向両端部が多少離間しても、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分を確保できるので、弾性層の巻付方向両端面のシール性を確保することができる。
また、本発明のシール材では、前記粘着層には、前記第2粘着部の長手方向一端部から長手方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する部分が延出部として区画されていることが好適である。
【0025】
このシール材では、延出部が、挿入部材の外周面に接着されれば、弾性層を挿入部材の外周面に仮固定することができる。そのため、第2粘着部が挿入部材の外周面に接着されて、弾性層を、挿入部材の外周面に強固に接着することができる。
また、本発明のシール構造は、外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシール構造であって、弾性層と、前記弾性層の裏面に積層され、前記挿入部材の外周面に接着される第2粘着部と、前記弾性層の表面に積層され、前記外壁の前記開口部の内周面に接着される第1粘着部とを備えるシール材が、前記外壁の前記開口部と前記挿入部材との間の隙間に充填されていることを特徴としている。
【0026】
このシール構造によれば、第2粘着部によって、弾性層を挿入部材の外周面に固定し、第1粘着部によって、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定することができる。そのため、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間を確実にシールすることができる。
しかも、弾性層を、圧入後に硬化させる手間を省くことができ、短時間で隙間をシールすることができる。
【0027】
また、弾性層は、弾性を有するので、外壁が振動しても、これを吸収でき、そのため、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
その結果、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間に優れたシール性を簡易に付与することができるとともに、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
また、本発明のシール構造では、前記シール材は、長手方向に連続して延びる粘着剤層を備え、前記粘着剤層は、前記挿入部材の外周面に巻き付けられることにより、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に固定するための前記第2粘着部と、前記第2粘着部に連結され、前記弾性層の表面に巻き付けられることにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部の内周面に固定するための前記第1粘着部と、前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する連結粘着部とを備え、前記連結粘着部は、前記弾性層の巻付方向両端面の間に介在されていることが好適である。
【0028】
このシール構造では、連結粘着部が、弾性層の巻付方向両端面の間に介在されるので、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
また、本発明のシール構造では、前記弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることが好適である。
このシール構造によれば、連結粘着部を、巻付方向および弾性層の厚み方向の両方向において、弾性層の巻付方向両端面の間に介在させることができる。そのため、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0029】
また、弾性層に巻付方向の張力が生じる場合には、弾性層の巻付方向両端部が互いに離間する方向に引っ張られて、それらの間に隙間を生じる可能性がある。
しかしながら、このシール構造によれば、弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されているので、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分が巻付方向に沿って形成されている。
【0030】
そのため、弾性層の巻付方向両端部が多少離間しようとしても、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分を確保できるので、弾性層の巻付方向両端面のシール性を確保することができる。
また、本発明のシール構造では、前記粘着剤層は、前記第2粘着部の巻付方向一端部から巻付方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する延出部を備え、前記延出部は、前記第2粘着部の巻付方向他端部に重ね合わされていることが好適である。
【0031】
このシール構造では、延出部が、挿入部材の外周面に接着されれば、弾性層を挿入部材の外周面に仮固定することができる。
また、第2粘着部の巻付方向他端部が、延出部に重ね合わされるので、弾性層を、挿入部材の外周面に強固に接着することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のシール材が用いられる本発明のシーリング方法およびシール構造によれば、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができ、優れたシール性を長期にわたって確保することができ、また、外壁の美観の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明のシール材の一実施形態(第1粘着部が弾性層から露出する態様)の断面図を示す。
【図2】図2は、図1に示すシール材の平面図を示す。
【図3】図3は、本発明のシール構造の一実施形態が採用される外壁およびダクトの斜視図を示す。
【図4】図4は、本発明のシーリング方法の第1実施固定工程の一実施形態を説明する断面図であって、(a)は、弾性層をダクトの外周面に仮固定する工程、(b)は、第2粘着部をダクトの外周面に巻き付ける第1巻付工程、(c)は、第1粘着部を弾性層の表面に巻き付ける第2巻付工程を示す。
【図5】図5は、図4(b)に示す弾性層の巻付方向両端部の拡大断面図を示す。
【図6】図6は、弾性層をダクトの外周面に固定する第1固定工程を説明する斜視図を示す。
【図7】図7は、ダクトを外壁の開口部に圧入する工程を説明する斜視図を示す。
【図8】図8は、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定する第2固定工程を説明する斜視図を示す。
【図9】図9は、本発明のシール材の他の実施形態(第1粘着部が弾性層を予め被覆する態様)の断面図を示す。
【図10】図10は、図9のシール材の弾性層をダクトの外周面に固定する第1固定工程を説明する斜視図を示す。
【図11】図11は、ダクトを外壁の開口部に圧入する工程を説明する斜視図を示す。
【図12】図12は、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定する第2固定工程を説明する斜視図を示す。
【図13】図13は、本発明のシール材の他の実施形態(弾性層の長手方向両端面が上方に向かうに従って長手方向他方側に傾斜する態様)の断面図を示す。
【図14】図14は、図13のシール材による第1固定工程を説明するための拡大断面図であって、(a)は、第2粘着部をダクトの外周面に巻き付ける第1巻付工程、(b)は、第1粘着部を弾性層の表面に巻き付ける第2巻付工程を示す。
【図15】図15は、本発明のシール材の他の実施形態(弾性層の長手方向両端面が上方に向かうに従って長手方向一方側に傾斜する態様)の断面図を示す。
【図16】図16は、図15のシール材による第1巻付工程を説明するための拡大断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本発明のシール材の一実施形態の断面図、図2は、図1に示すシール材の平面図、図3は、本発明のシール構造の一実施形態が採用される外壁およびダクトの斜視図、図4は、本発明のシーリング方法の第1実施固定工程の一実施形態を説明する断面図、図5は、図4(b)に示す弾性層の巻付方向両端部の拡大断面図、図6は、弾性層をダクトの外周面に固定する第1固定工程を説明する斜視図、図7は、ダクトを外壁の開口部に圧入する工程を説明する斜視図、図8は、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定する第2固定工程を説明する斜視図を示す。
【0035】
なお、図2において、後述する第1離型フィルム8および第2離型フィルム9は、後述する弾性層3の配置を明確に示すために、省略されている。
図1および図2において、このシール材1は、図3に示す外壁21の厚み方向を貫通する開口部22と、開口部22に挿入される挿入部材としてのダクト23と間の隙間をシールするために用いられる。
【0036】
シール材1は、長手方向に延びる平面視略矩形平帯状に形成されている。シール材1は、長手方向に連続して延びる粘着剤層2と、粘着剤層2の表面の長手方向一方側に積層される弾性層3と、粘着剤層2の表面の長手方向他方側に積層される離型フィルムとしての第1離型フィルム8とを備えている。
粘着剤層2は、長尺の平帯状に形成されている。
【0037】
粘着剤層2は、例えば、水密作用を有する粘着剤組成物から形成されており、そのような粘着剤組成物としては、例えば、ゴム系粘着剤組成物、樹脂系粘着剤組成物などが挙げられる。
ゴム系粘着剤組成物としては、例えば、ゴムを主成分として含有しており、具体的には、ゴムに公知の添加剤が均一に配合されて分散された粘着剤組成物である。そのようなゴムとしては、例えば、ブチルゴム、再生ブチルゴム、ポリイソブチレン、ゴムアスファルトなどが挙げられる。
【0038】
樹脂系粘着剤としては、アクリル系粘着剤組成物、シリコーン系粘着剤組成物、ポリウレタン系粘着剤組成物、ポリエステル系粘着剤組成物などが挙げられる。
これら粘着剤としては、好ましくは、ゴム系粘着剤組成物が挙げられ、さらに好ましくは、耐久性の観点から、主成分としてブチルゴムを含有するブチルゴム系粘着剤組成物が挙げられる。
【0039】
ブチルゴム系粘着剤組成物は、例えば、ブチルゴムを必須成分として含有し、粘着付与剤、充填剤および軟化剤を任意成分として含有している。
ブチルゴムの種類は特に限定されず、例えば、再生ブチルゴム、合成ブチルゴムなどが挙げられる。好ましくは、加工性に富む再生ブチルゴムが挙げられる。
ブチルゴムのムーニー粘度は、例えば、30〜60(ML1+4、100℃)、35〜55(ML1+4、100℃)である。
【0040】
ブチルゴムは、単独種類を使用することができ、あるいは、物性の異なる2種類以上を併用することができる。
粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂などが挙げられる。
粘着付与剤の軟化点は、例えば、50〜150℃、好ましくは、50〜130℃である。
【0041】
充填剤としては、例えば、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、雲母粉、ベントナイト、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミニウムシリケート、酸化チタン、カーボンブラック、アルミニウム粉、ガラスバルーンなどが挙げられる。
軟化剤としては、例えば、ポリブテン、プロセスオイルなどが挙げられる。
【0042】
任意成分の各成分は、それぞれ、単独使用または2種以上併用することができる。
任意成分の総量の配合割合は、ブチルゴム100重量部に対して、例えば、100〜1000重量部、好ましくは、200〜500重量部である。
任意成分において、各成分の配合割合は、ブチルゴム100重量部に対して、粘着付与剤が、例えば、20〜200重量部、好ましくは、30〜150重量部であり、充填剤が、例えば、10〜300重量部、好ましくは、50〜200重量部であり、軟化剤が、例えば、5〜50重量部、好ましくは、10〜40重量部である。
【0043】
さらに、ブチルゴム系粘着剤組成物には、加硫剤、老化防止剤、可塑剤、加硫促進剤など、ブチルゴム系粘着剤組成物に添加される公知の添加剤を適宜の割合で添加することができる。
粘着剤組成物を調製するには、上記した各成分を、上記の配合割合で配合して、混練する。各成分は、例えば、ミキシングロール、ニーダー、押出機などによって混練する。好ましくは、ニーダーによって混練する。
【0044】
次いで、上記により得られる粘着剤組成物(混練物)から粘着剤層2を形成する。
粘着剤組成物から粘着剤層2を形成するには、上記した粘着剤組成物を、例えば、ミキシングロール、カレンダーロール、押出成形、プレス成形などの成形方法によって、シート状に成形する。
このようにして形成される粘着剤層2の厚みは、例えば、10〜1000μm、好ましくは、100〜500μmである。
【0045】
また、図示しないが、粘着剤層2を、粘着剤シートおよび基材の積層体として形成することもできる。より具体的には、基材と、その両側に積層される2枚の粘着剤シートによって粘着剤層2を構成する。
基材は、例えば、綿、スフモス、化学繊維などの織布や不織布などの布、例えば、和紙、クラフト紙などの紙、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂などから形成されている。
【0046】
基材の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは、10〜80μmである。
各粘着剤シート(表側の粘着剤シートおよび裏側の粘着剤シート)、上記した粘着剤組成物から形成されており、その厚みは、それぞれ、例えば、5〜500μm、好ましくは、100〜400μmである。
弾性層3は、長手方向において、粘着剤層2の表面に、長手方向他方側部分と、長手方向一方側最端部(後述する延出部6に相当)とを露出するように積層されており、幅方向(長手方向に直交する方向)において、粘着剤層2の表面全面にわたって積層されている。また、弾性層3は、長手方向に沿う断面視および幅方向に沿う断面視において、略矩形状に形成されている。
【0047】
詳しくは、弾性層3の長手方向両端面および幅方向両端面は、厚み方向(上下方向)に沿って形成されている。また、弾性層3の幅方向両端面は、長手方向において、粘着剤層2の幅方向両端面と面一に配置されている。また、弾性層3の長手方向長さは、ダクト23の外周長さと略同一長さに設定されている。
弾性層3は、例えば、緩衝(クッション)作用および水密作用を有する弾性体から形成され、好ましくは、発泡体から形成されている。
【0048】
弾性層3を形成する材料としては、例えば、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、例えば、1−ブテンなどのα−オレフィン・ジシクロペンタジエン、例えば、エチリデンノルボルネンなどの非共役二重結合を有する環状または非環状のポリエンを成分とするゴム系共重合体、例えば、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレンターポリマー、シリコーンゴム、ポリウレタン系ゴム、ポリアミド系ゴム、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、スチレン・エチレン・ブタジエンゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンゴム、スチレン・イソプレン・プロピレン・スチレンゴム、アクリルゴムなどの各種ゴムが挙げられる。好ましくは、耐候性の観点から、EPDMが挙げられる。
【0049】
EPDMを構成するジエンとしては、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの環状ジエン、例えば、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状の非共役ジエン、例えば、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエンなどのトリエンなどが挙げられる。
【0050】
これらジエンのうち、耐熱性および耐侯性の観点から、好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。
また、EPDMのムーニー粘度は、例えば、10〜60(ML1+4、100℃)、好ましくは、20〜50(ML1+4、100℃)である。
また、EPDMのジエン含有量は、ヨウ素価で、例えば、0.5〜50(g/100g)、好ましくは、10〜30(g/100g)である。
【0051】
EPDMは、単独使用または物性の異なる2種類以上を併用することができる。
そして、ゴムの発泡体は、上記したゴム、発泡剤、架橋剤および添加剤を含有する発泡組成物を、加熱して発泡および架橋することにより、得ることができる。
発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤などの加熱分解型発泡剤が挙げられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。
【0052】
また、有機系発泡剤としては、例えば、N−ニトロソ系化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなど)、アゾ系化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、バリウムアゾジカルボキシレートなど)、フッ化アルカン(例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなど)、ヒドラジン系化合物(例えば、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)など)、セミカルバジド系化合物(例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)など)、トリアゾール系化合物(例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなど)などが挙げられる。
【0053】
なお、発泡剤としては、例えば、ガス封入型マイクロカプセル発泡剤なども挙げられ、より具体的には、加熱膨張性の物質(例えば、イソブタン、ペンタンなど)がマイクロカプセル(例えば、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの熱可塑性樹脂からなるマイクロカプセル)に封入された熱膨張性微粒子などが挙げられる。
【0054】
これら発泡剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
発泡剤の配合割合は、例えば、ゴム100重量部に対して、例えば、0.1〜100重量、好ましくは、0.5〜50重量部である。
架橋剤は、通常、加硫剤であって、このような加硫剤としては、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、有機過酸化物類、ポリアミン類、オキシム類(例えば、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなど)、ニトロソ化合物類(例えば、p−ジニトロソベンジンなど)、樹脂類(例えば、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物など)、アンモニウム塩類(例えば、安息香酸アンモニウムなど)などが挙げられる。
【0055】
これら架橋剤のうち、発泡体の加硫性や、発泡性による耐久性などの物性などの観点より、好ましくは、硫黄や硫黄化合物類が挙げられる。
これら架橋剤は、単独使用または2種以上併用することができる。架橋剤の配合割合は、その種類に基づく架橋(加硫)効率などに応じて適宜に決定することができ、架橋剤が硫黄や硫黄化合物類である場合には、ゴム100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部である。
【0056】
添加剤としては、例えば、加硫促進剤、軟化剤、充填剤、発泡助剤などが挙げられる。これら添加剤は、適宜の配合割合でゴムに添加される。
そして、発泡組成物を調製するには、上記した各成分を上記の配合割合で配合して、これらを均一に混合する。また、上記した各成分を混合するには、上記した成分を、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などによって混練する。また、得られる発泡組成物を、例えば、ミキシングロール、カレンダーロール、押出成形、プレス成形などの成形方法によって、シート状に成形する。
【0057】
そして、発泡体は、上記した発泡組成物を、例えば、450℃以下、好ましくは、100〜350℃で加熱することにより、得られる。
このようにして形成される弾性層3は、その密度(発泡体の重量(g)/発泡体の体積(g/cm3))が、例えば、0.01〜0.5g/cm3、好ましくは、0.05〜0.25g/cm3であり、また、発泡時の発泡倍率(体積発泡倍率)が、例えば、1.1〜25倍、好ましくは、1.5〜20倍である。
【0058】
また、弾性層3の50%荷重における反発力(JIS K 6767)は、後述するが第1粘着部4から引き剥がされる第1離型フィルム8の厚みに応じて適宜設定され、例えば、0.01〜10N/cm3、好ましくは、0.05〜1N/cm3、さらに好ましくは、0.1〜0.5N/cm3である。
弾性層3の厚みは、例えば、0.5〜30mm、好ましくは、2〜15mmである。
【0059】
第1離型フィルム8は、長手方向に延びる平面視略矩形平帯状に形成されており、弾性層3の長手方向他方側部分から露出する粘着剤層2(後述する第1粘着部4)の表面に積層されている。
より具体的には、第1離型フィルム8は、その長手方向長さが、弾性層3の長手方向他方側部分から露出する粘着剤層2の長手方向長さより長く形成されている。これにより、第1離型フィルム8の長手方向他端部および途中が、弾性層3の長手方向他方側部分から露出する粘着剤層2(第1粘着部4)の表面に積層され、その粘着剤層2を被覆する第1被覆部17として区画される一方、第1離型フィルム8の長手方向一端部が、粘着剤層2の表面を被覆することなく、自由端となる第1非被覆部18として区画されている。また、第1離型フィルム8の長手方向他端面は、粘着剤層2(第1粘着部4)の長手方向他端面と、長手方向において、面一に配置されている。
【0060】
第1離型フィルム8では、第1被覆部17が、粘着剤層2に沿って粘着剤層2の表面を被覆するとともに、第1被覆部17および第1非被覆部18の境界において屈曲し、第1非被覆部18が、弾性層3の巻付方向他端部16に沿って、表側に向かって延出している。
第1離型フィルム8は、例えば、柔軟性(フレキシビリティ)および靭性(スティフネス)を有するフィルムから形成されており、そのようなフィルムとして、具体的には、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP、配向ポリプロピレン(OPP)を含む)フィルムなどのオレフィン系フィルム、例えば、PETフィルムなどのエステル系フィルムなどの合成樹脂フィルムなどが挙げられる。好ましくは、オレフィン系フィルムが挙げられる。
【0061】
また、第1離型フィルム8の表面(粘着剤層2に対向する面の反対面、後述する外壁21の開口部22の内周面に対向する面)および/または裏面(粘着剤層2に対向する対向面)は、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデンなどの剥離剤により表面処理することができる。
また、第1離型フィルム8は、上記した合成樹脂フィルムを単層として用いることができ、あるいは、上記した合成樹脂フィルムを複数積層した積層フィルムとして用いることができ、そのような積層フィルムとして、例えば、PEフィルムおよびその表面にOPPフィルムが積層された積層フィルム、PEフィルムおよびその表面にポリエステルフィルムが積層された積層フィルムなどが挙げられる。
【0062】
また、第1離型フィルム8の引張強度(JIS K 7113)は、例えば、10MPa以上、好ましくは、50MPa以上、さらに好ましくは、100MPa以上であり、通常、500MPa以下である。第1離型フィルム8の引張強度が、上記範囲内にない場合には、第1離型フィルム8の引き抜きにおいて、第1離型フィルム8が破損して、第1離型フィルム8が第1粘着部4と外壁21の開口部22の内周面との間に残存する場合がある。
【0063】
第1離型フィルム8の厚みは、例えば、50〜500μm、好ましくは、75〜400μm、さらに好ましくは、100〜300μmである。
そして、このシール材1の粘着剤層2には、弾性層3が積層される部分が、第2粘着部5として区画され、弾性層3の長手方向他端部から露出し、第2粘着部5に連結され、第1離型フィルム8が積層される部分が、第1粘着部4として区画されている。
【0064】
また、粘着剤層2には、弾性層3の長手方向他端部から露出し、第1粘着部4と第2粘着部5との間を連結する部分が連結粘着部7として区画され、弾性層3の長手方向一端部から露出し、第2粘着部5の長手方向一端部から長手方向一方に向かって延出する部分が延出部6として区画されている。
つまり、粘着剤層2は、延出部6、第2粘着部5、連結粘着部7および第1粘着部4を、長手方向一方から他方に向かって順次連続して備えている。
【0065】
延出部6は、第2粘着部5の長手方向一端部から平面視略矩形状に延出している。
第2粘着部5は、粘着剤層2においてダクト23(図4(b)参照)の外周面に接着される粘着部として区画されており、その長手方向長さは、ダクト23の外周(外周面の周方向長さ)と略同一長さに設定されている。
連結粘着部7は、第2粘着部5の長手方向他方側に隣接配置されており、幅方向に長い平面視略矩形状に区画されている。連結粘着部7の長手方向長さは、弾性層3の厚みと略同一長さに設定されている。
【0066】
第1粘着部4は、連結粘着部7の長手方向他方側に隣接配置されている。また、第1粘着部4は、第1巻付工程(図4(c)参照)において、粘着剤層2における弾性層3の表面に接着される粘着部で、第2固定工程(図8参照)において、外壁21の開口部22の内周面に接着される粘着部として区画されている。
そのため、第1粘着部4の長手方向長さは、弾性層3の長手方向長さと略同一長さに形成されている。また、第1粘着部4の長手方向長さは、外壁21の開口部22の内周(内周面の周方向長さ)と略同一長さに形成されている。
【0067】
また、このシール材1は、延出部6の表面に積層される第2離型フィルム9と、粘着剤層2の裏面に積層される第3離型フィルム10とをさらに備えている。
第2離型フィルム9は、長手方向に延びる平面視略矩形平帯状に形成されており、その長手方向長さが、延出部6の長手方向長さより長く形成されている。これにより、第2離型フィルム9の長手方向一端部および途中が、延出部6の表面に積層され、延出部6を被覆する第2被覆部19として区画される一方、第2離型フィルム9の長手方向他端部が、延出部6の表面を被覆することなく、自由端となる第2非被覆部20として区画されている。また、第2離型フィルム9の長手方向一端面は、延出部6(粘着剤層2)の長手方向一端面と、長手方向において、面一に配置されている。
【0068】
より具体的には、第2離型フィルム9では、第2被覆部19が、延出部6に沿って延出部6の表面を被覆するとともに、第2被覆部19および第2非被覆部20の境界において屈曲し、第2非被覆部20が、弾性層3の長手方向一端部に沿って、表側に向かって延出している。
第2離型フィルム9を形成するフィルムとしては、上記した第1離型フィルム8を形成するフィルムと同様のものが挙げられる。
【0069】
第2離型フィルム9の厚みは、第1離型フィルム8の厚みと同様であり、好ましくは、100〜300μmである。
第3離型フィルム10は、長手方向に延びる平面視略矩形平帯状に形成されており、粘着剤層2の裏面全面に積層されている。つまり、第3離型フィルム10の周端面(長手方向両端面および幅方向両端面)は、平面視において、粘着剤層2の周端面と面一に配置されている。
【0070】
第3離型フィルム10を形成するフィルムとしては、上記した第1離型フィルム8と形成するフィルムと同様のものの他に、紙、ゴムシート、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、またこれら積層シート体などが挙げられる。好ましくは、表面処理された紙が挙げられる。
第3離型フィルム10の厚みは、第1離型フィルム8の厚みと同様であり、好ましくは、100〜300μmである。
【0071】
このシール材1を得るには、まず、粘着剤層2を、第3離型フィルム10の表面に積層し、次いで、弾性層3を、粘着剤層2の表面に積層し、次いで、第1離型フィルム8および第2離型フィルム9を、弾性層3から露出する粘着剤層2の表面に積層する(シール材用意工程)。
次に、このシール材1を用いて、外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間をシールするシーリング方法について説明する。
【0072】
外壁21の開口部22は、図3に示すように、外壁21の厚み方向を軸線をとする円柱状に開口(貫通)されている。
また、ダクト23は、外壁21の開口部22の軸線に沿う方向(先後方向)に延びる円筒状に形成されており、その先端部の形状は、外壁21の開口部22の形状に対応する形状に形成されている。
【0073】
より具体的には、ダクト23の先端部は、外壁21の開口部22よりわずかに縮径する円筒形状に形成されている。
外壁21の開口部22の内周面と、ダクト23の外周面との隙間の幅(径方向長さ)は、外壁21の開口部の内径からダクト23の外径を差し引いた値を2で割った値であり、例えば、2〜15mm、さらには、5〜10mmである。
【0074】
次いで、この方法では、図4および図6に示すように、上記により得られた(用意した)シール材1の弾性層3をダクト23の外周面に固定する(第1固定工程)。
すなわち、まず、図4(a)および図4(b)に示すように、延出部6および第2粘着部5をダクト23の外周面に巻き付ける(第1巻付工程)。
具体的には、まず、図4(a)に示すように、第3離型フィルム10を延出部6の裏面から引き剥がし、延出部6を、ダクト23の外周面に接着する。
【0075】
また、延出部6は、図6が参照されるように、延出部6の幅方向一端面が、ダクト23の先後方向において、ダクト23の先端面と面一になるように、ダクト23の外周面に位置決めする。
これにより、弾性層3を、ダクト23の外周面に対して仮固定する。
続いて、図4(b)に示すように、第2粘着部5をダクト23の外周面に接着する。
【0076】
具体的には、図4(a)の仮想線で示すように、第2粘着部5をダクト23の外周面に巻き付ける。
詳しくは、第3離型フィルム10を第2粘着部5の裏面から引き剥がしながら、第2粘着部5を、長手方向一端部(巻付方向一端部)13から長手方向他端部(巻付方向他端部)14に向かうに従って、ダクト23の外周面に順次巻き付ける。つまり、第2粘着部5の巻付方向一端部13、巻付方向途中および巻付方向他端部14を、順次ダクト23の外周面に、ダクト23を中心とする時計回りの方向に沿って巻き付ける。
【0077】
また、図5に示すように、第2離型フィルム9を延出部6(粘着剤層2)から引き剥がし、第2粘着部5の巻付方向他端部14を、延出部6の表面に重ね合わせる。
この第1巻付工程によって、弾性層3の巻付方向両端部(図1および図2における長手方向両端部に相当)15および16は、巻付方向(ダクト23の周方向)において対向配置される。
【0078】
また、第1巻付工程後に、図5に示すように、第3離型フィルム10を連結粘着部7の表面から引き剥がし、連結粘着部7を、弾性層3の巻付方向両端面の間に介在させる。
これにより、弾性層3の巻付方向両端面を、連結粘着部7を介して接着する。
次いで、図4(b)の仮想線(2点鎖線)および図4(c)に示すように、第1粘着部4を弾性層3の表面に接着する。具体的には、第1粘着部4を弾性層3の表面に巻き付ける(第2巻付工程)。
【0079】
詳しくは、図4(b)の仮想線で示すように、第3離型フィルム10を第1粘着部4の裏面から引き剥がしながら、第1粘着部4を、長手方向一端部(巻付方向一端部)11から長手方向他端部(巻付方向他端部)12に向けて、弾性層3の表面に順次巻き付ける。つまり、第1粘着部4の巻付方向一端部11、巻付方向途中および巻付方向他端部12を、順次弾性層3(の巻付方向一端部13、巻付方向途中および巻付方向他端部14)の表面に、ダクト23を中心とする時計回りの方向に沿って巻き付ける。
【0080】
また、第2粘着部5の巻付方向、つまり、図4(a)の矢印で示す方向と、第1粘着部4の巻付方向、つまり、図4(b)の矢印で示す方向とは、同一方向である。
この第2巻付工程によって、第1粘着部4は、弾性層3の表面全面に積層される。また、シール材1(粘着剤層2、弾性層3および第1離型フィルム8)の幅方向一端面は、ダクト23の先端面と、ダクト23の先後方向において面一となるように配置される。
【0081】
これによって、図6に示すように、弾性層3をダクト23の外周面に固定する。
次いで、図6の矢印および図7に示すように、弾性層3を外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間に充填する。
弾性層3を上記した隙間に充填するには、弾性層3が固定されたダクト23を外壁21の開口部22に圧入する。
【0082】
ダクト23は、第1離型フィルム8の表面を外壁21の開口部22の内周面に密着させるように、開口部22に圧入する。
このダクト23の圧入において、第1離型フィルム8は、外壁21の開口部22の内周面から径方向内側(裏面側)に向かって押圧され、これにより、弾性層3が径方向内側に圧縮される。
【0083】
なお、弾性層3は、圧入前の容積に対して、例えば、10〜90容積%、好ましくは、20〜80容積%に圧縮される。
また、第1離型フィルム8は、上記した滑り性を有することから、外壁21の開口部22の内周面に対して、先後方向に摺動可能であり、圧入において、開口部22の内周面によって径方向内側に押圧されながら、弾性層3が隙間に充填される。
【0084】
また、上記したダクト23の圧入とともに、第1離型フィルム8の第1非被覆部18(自由端)を、ダクト23の先方(外方)にわずかにずらして配置する。
これによって、弾性層3を上記した隙間に充填する。
次いで、図8に示すように、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定する(第2固定工程)。
【0085】
弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定するには、図7の仮想線で示すように、第1離型フィルム8を第1粘着部4の表面から引き剥がし、それによって、第1粘着部4の表面を外壁21の開口部22の内周面に接着する。
第1離型フィルム8を第1粘着部4から引き剥がすには、第1離型フィルム8の第1非被覆部18(自由端)を把持し、図7の矢印で示すように、第1非被覆部18を外側(先側)に引き抜く。つまり、第1離型フィルム8の第1被覆部17が、第1粘着部4と外壁21の開口部22の内周面との間から先方に向かって引き抜かれる。
【0086】
そのため、弾性層3が、第1離型フィルム8が積層(介在)されていた部分の厚み分だけ膨潤し、それによって、第1粘着部4の表面と外壁21の開口部22の内周面とが接触する。その結果、第1粘着部4を外壁21の開口部22の内周面に接着する。
そして、このシーリング方法によれば、第1固定工程において、弾性層3をダクト23の外周面に固定し、第2固定工程において、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定するので、弾性層3によって、外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間を確実にシールすることができる。
【0087】
しかも、弾性層3を、圧入後に硬化させる手間を省くことができ、短時間で隙間をシールすることができる。
また、弾性層3は、弾性を有するので、外壁21が振動しても、これを吸収でき、そのため、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
さらに、第2固定工程では、第1離型フィルム8を第1粘着部4から引き剥がすことによって、第1粘着部4を外壁21の開口部22の内周面に接着するので、簡易な方法で、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定することができる。
【0088】
さらにまた、弾性層3が固定されたダクト23を、外壁21の開口部22に圧入するので、弾性層3が外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間から先方(外方)に漏れることを有効に防止することができる。そのため、外壁21の美観の低下を防止することができる。
その結果、このシーリング方法では、外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができるとともに、優れたシール性を長期にわたって確保することができ、また、外壁21の美観の低下を防止することができる。
【0089】
また、このシーリング方法では、第1巻付工程において、第2粘着部5を、巻付方向一端部13から巻付方向他端部14に向かうに従って、ダクト23の外周面に順次巻き付けるので、第2粘着部5をダクト23の外周面に円滑かつ確実に接着することができる。
また、第2巻付工程において、第1粘着部4を、巻付方向一端部11から巻付方向他端部12に向かうに従って、弾性層3の表面に順次巻き付けるので、第1粘着部4を弾性層3の表面に円滑かつ確実に接着することができる。
【0090】
そのため、外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間をより一層簡易かつ確実にシールすることができる。
なお、上記した説明では、第1巻付工程における第2粘着部5の巻付方向(ダクト23を中心とする時計回りの方向)と、第2巻付工程における第1粘着部4の巻付方向(ダクト23を中心とする時計回りの方向)を、同一方向にしているが、例えば、図4(b)の破線および図5の破線で示すように、逆方向にすることもできる。
【0091】
より具体的には、第2巻付工程において、第1粘着部4の巻付方向一端部11、巻付方向途中および巻付方向他端部12を、順次弾性層3の巻付方向他端部14、巻付方向途中および巻付方向一端部13の表面に、ダクト23を中心とする反時計回りの方向に沿って巻き付ける。また、第2巻付工程では、第1離型フィルム8を引き剥がしながら、第1粘着部4を弾性層3の表面に巻き付ける。
【0092】
その場合には、第2固定工程において、第1粘着部4の表面に積層される離型フィルムとしての第3離型フィルム10を、第1粘着部4および外壁21の開口部22の内周面の間から引き抜く。
好ましくは、第1巻付工程の巻付方向と、第2巻付工程の巻付方向とを、同一方向にして、第2粘着部5および第1粘着部4をそれぞれ巻き付ける。
【0093】
この方法によれば、第1巻付工程から第2巻付工程に円滑に移行することができる。
また、上記した説明では、粘着剤層2に連結粘着部7を区画しているが、例えば、図1および図2の仮想線で示すように、粘着剤層2に連結粘着部7を区画することなく、粘着剤層2を、第1粘着部4および第2粘着部5の間を分断するように、形成することもできる。
【0094】
その場合には、図10が参照されるように、第1巻付工程後には、弾性層3の巻付方向両端面は、巻付方向において互いに接触している。
好ましくは、粘着剤層2に、連結粘着部7を区画する。
粘着剤層2に連結粘着部7を区画すれば、連結粘着部7を、弾性層3の巻付方向両端面の間に介在させることができるので、弾性層3の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0095】
また、上記した説明では、粘着剤層2には、延出部6を区画しているが、例えば、図示しないが、粘着剤層2に、延出部6を区画することなく、第2粘着部5の巻付方向一端部11と、弾性層3の巻付方向一端部15とを、長手方向において面一に配置することもできる。
その場合には、弾性層3を、ダクト23の外周面に仮固定することなく、第1粘着部4によって、ダクト23の外周面に固定する。
【0096】
好ましくは、粘着剤層2に、延出部6を区画する。
粘着剤層2に延出部6を区画すれば、弾性層3をダクト23の外周面に仮固定できるので、第1巻付工程を確実に実施することができる。
また、第1巻付工程において、第2粘着部5の巻付方向他端部14を、延出部6に重ね合わせることができるので、弾性層3を、ダクト23の外周面に強固に接着することができる。
【0097】
また、上記した説明では、シール材1には、第2離型フィルム9と第3離型フィルム10とを設けているが、例えば、図示しないが、それらを設けることなく、延出部6の表面および/または粘着剤層2の裏面を露出させることもできる。
図9は、本発明のシール材の他の実施形態(第1粘着部が弾性層を予め被覆する態様)の断面図、図10は、図9のシール材の弾性層をダクトの外周面に固定する第1固定工程を説明する斜視図、図11は、ダクトを外壁の開口部に圧入する工程を説明する斜視図、図12は、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定する第2固定工程を説明する斜視図、図13は、本発明のシール材の他の実施形態(弾性層の長手方向両端面が上方に向かうに従って長手方向他方側に傾斜する態様)の断面図、図14は、図13のシール材による第1固定工程を説明するための拡大断面図、図15は、本発明のシール材の他の実施形態(弾性層の長手方向両端面が上方に向かうに従って長手方向一方側に傾斜する態様)の断面図、図16は、図15のシール材による第1巻付工程を説明するための拡大断面図を示す。
【0098】
なお、上記した部材に対応する部材については、以降の各図面において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上記した図1および図2に示すシール材1では、第1粘着部4を、弾性層3から露出するように設けているが、例えば、図9に示すように、弾性層3を予め被覆するように設けることもできる。
【0099】
このシール材1は、第3離型フィルム10、その表面全面に積層される第2粘着部5、その表面全面に積層される弾性層3、その表面全面に積層される第1粘着部4、および、その表面全面に積層され、長手方向一端部(第2非被覆部18)が延出する第1離型フィルム8を備えている。
図9に示すシール材1によって上記した隙間をシールするには、まず、図10に示すように、第3離型フィルム10を第2粘着部5から引き剥がし、第2粘着部5をダクト23の外周面に接着することにより、弾性層3をダクト23の外周面に固定する(第1固定工程)。
【0100】
次いで、図11に示すように、弾性層3が固定されたダクト23を、第1離型フィルム8を外壁21の開口部22の内周面に密着させるように、外壁21の開口部22に圧入する。
次いで、図12に示すように、第1離型フィルム8を第1粘着部4から引き剥がすことによって、第1粘着部4を外壁21の開口部22の内周面に接着する。これによって、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定する(第2固定工程)。
【0101】
好ましくは、第1粘着部4を弾性層3から露出するように設ける。
これにより、シール材用意工程において、第1粘着部4を弾性層3に予め積層する手間を省略することができる。そのため、シール材1を簡易に用意することができ、シール材1の製造コストを低減することができる。
また、上記した図1の説明では、弾性層3を、長手方向両端面が厚み方向(上下方向)に沿って延びるように、形成しているが、例えば、図13に示すように、長手方向両端面が、上方に向かうに従って長手方向他方側に傾斜状に形成することもできる。
【0102】
図13において、弾性層3は、長手方向に沿う断面視において、上方に向かうに従って、長手方向他方側(右側)に傾斜する平行四辺形状に形成されている。
弾性層3の長手方向両端面と、弾性層3の底面(粘着剤層2の上面)との成す角度Rは、例えば、30〜60度、好ましくは、40〜50度である。
上記した範囲を超える場合には、後述するが、弾性層3の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分の長さ(巻付方向長さ)を十分に確保できず、そのため、弾性層3の巻付方向両端面の間を有効にシールすることができない場合がある。また、上記した範囲に満たない場合には、弾性層3の長手方向両端部15および16の厚みが過度に薄くなり、良好なシール性および加工性を有効に確保できない場合がある。
【0103】
そして、図13に示すシール材1によって弾性層3の巻付方向両端面の間をシールするには、図14(a)および図14(b)に示すように、シール材1の弾性層3をダクト23の外周面に固定する(第1固定工程)。
すなわち、第1固定工程の第1巻付工程では、図14(a)に示すように、弾性層3の巻付方向両端部15および16は、連結粘着部7を挟むように、巻付方向およびダクト23の径方向(弾性層3の厚み方向)において対向配置される。
【0104】
また、連結粘着部7と、第2粘着部5および第1粘着部4との境界では、鈍角状に屈曲しており、そのため、連結粘着部7と、その近傍の第2粘着部5および第1粘着部4とは、断面略直線状に形成されている。
その後、図7が参照されるように、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定する(第2固定工程)。
【0105】
そして、このシーリング方法によれば、連結粘着部7を、巻付方向および径方向の両方向において、弾性層3の巻付方向両端面の間に介在させることができるので、弾性層3の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
また、第1固定工程の第1巻付工程において、弾性層3に巻付方向の張力が生じる場合には、図14の仮想線で示すように、弾性層3の巻付方向両端部15および16が互いに離間する方向に引っ張られて、それらの間に隙間を生じる可能性がある。
【0106】
しかしながら、図13に示すシール材1では、弾性層3の巻付方向両端面は、弾性層3の厚み方向に対して傾斜状に形成されているので、弾性層3の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分が巻付方向に沿って形成されている。
そのため、弾性層3の巻付方向両端部15および16が多少離間しようとしても、弾性層3の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分を確保できるので、弾性層3の巻付方向両端面のシール性を確保することができる。
【0107】
また、上記した図13の説明では、弾性層3を、長手方向両端面が、上方に向かうに従って、長手方向他方側(右側)に傾斜する傾斜状に形成しているが、例えば、図15に示すように、上方に向かうに従って、長手方向一方側(左側)に傾斜する傾斜状に形成することもできる。
図15に示すシール材1を用いた第1固定工程の第1巻付工程後には、図16に示すように、弾性層3の巻付方向他端面に積層される連結粘着部7は、弾性層3の巻付方向他端面に沿って、上方に向かうに従って、巻付方向一方側に傾斜している。
【0108】
また、連結粘着部7と、第2粘着部5および第1粘着部4との境界では、鋭角状に屈曲しており、そのため、連結粘着部7と、その近傍の第2粘着部5および第1粘着部4とは、断面略Z字状に形成されている。
好ましくは、図13に示すように、弾性層3の長手方向両端面を、上方に向かうに従って、長手方向他方側に傾斜する傾斜状に形成する。
【0109】
図13のシール材1では、第1固定工程の第1巻付工程後には、図14(a)に示すように、弾性層3の巻付方向他端面に積層される連結粘着部7は、弾性層3の巻付方向他端面に沿って、上方に向かうに従って、巻付方向他方側に傾斜して配置される。そのため、第1粘着部4は、巻付方向他方側に配置されている。その結果、第1巻付工程から第2巻付工程に、より一層円滑に移行することができる。
【0110】
また、上記した説明では、ダクト23を円筒状に形成しているが、その形状は限定されず、図示しないが、例えば、楕円筒状、例えば、三角筒状、矩形筒状、五角筒状などの多角筒状などに形成することもできる。
さらには、上記した説明では、本発明の挿入部材を、中空筒状のダクト23として説明しているが、図示しないが、例えば、円柱状などの充填部材を例示することもできる。
【0111】
挿入部材として充填部材を用いれば、建物の内部と外部との空気の流れを、外壁21および充填部材によって確実に遮断することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 シール材
2 粘着剤層
3 弾性層
4 第1粘着部
5 第2粘着部
6 延出部
7 連結粘着部
8 第1離型フィルム
10 第3離型フィルム
11 巻付方向一端部(長手方向一端部):第1粘着部
12 巻付方向他端部(長手方向他端部):第1粘着部
13 巻付方向一端部(長手方向一端部):第2粘着部
14 巻付方向他端部(長手方向他端部):第2粘着部
21 外壁
22 開口部
23 ダクト
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーリング方法、シール材およびシール構造、詳しくは、外壁の開口部と挿入部材と間の隙間のシールに好適に用いられるシーリング方法、それに用いられるシール材、および、シール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物などの外壁に、その厚み方向を貫通する開口部(貫通孔)を形成し、それに、ダクト(導管)を挿入することにより、ダクトを介して、建物の内部と外部とを連通させて、建物の換気などを図ることがよく知られている。
一方、開口部の内周面とダクトの外周面との間には、隙間を生じやすく、そのため、水が建物の外部から内部に隙間を介して浸入する場合がある。
【0003】
上記した水の浸入を防止すべく、例えば、まず、ダクトを、外壁の開口部に挿入し、その後、コーキング材を、外壁の開口部の内周面とダクトの外周面との間に充填し、それによって、それらの間の隙間をシールすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−120189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、外壁に生じる振動などによって、コーキング材にひび割れを生じたり、あるいは、コーキング材と、外壁の開口部の内周面および/またはダクトの外周面との間に別の隙間を生じる場合がある。その場合には、ダクトの周囲のシール性が低下するという不具合がある。
また、充填されたコーキング材を、硬化させる必要があり、その分が、時間がかかるという不具合がある。
【0006】
さらに、コーキング材を、隙間の寸法に応じた量で充填する必要があり、その分、手間がかかるという不具合がある。また、コーキング材が隙間から溢れる場合があり、その場合には、ダクトの周囲の美観が低下するという不具合もある。
本発明の目的は、外壁の開口部と挿入部材と間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができるとともに、優れたシール性を長期にわたって確保することができ、また、外壁の美観の低下を防止することのできる、シーリング方法、シール材およびシール構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のシーリング方法は、外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシーリング方法であって、弾性層と、前記弾性層の表面に積層される第1粘着部と、前記弾性層の裏面に積層される第2粘着部と、前記第1粘着部の表面に積層される離型フィルムとを備えるシール材を用意するシール材用意工程、前記第2粘着部を前記挿入部材の外周面に接着することにより、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に固定する第1固定工程、前記弾性層が固定された前記挿入部材を、前記離型フィルムを前記開口部の内周面に密着させるように、前記外壁の前記開口部に圧入することにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部と前記挿入部材との間の隙間に充填する工程、および、前記離型フィルムを前記第1粘着部から引き剥がし、それによって、前記第1粘着部を前記外壁の前記開口部の内周面に接着することにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部の内周面に固定する第2固定工程を備えていることを特徴としている。
【0008】
このシーリング方法によれば、第1固定工程において、弾性層を挿入部材の外周面に固定し、第2固定工程において、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定するので、弾性層によって、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間を確実にシールすることができる。
しかも、弾性層を、圧入後に硬化させる手間を省くことができ、短時間で隙間をシールすることができる。
【0009】
また、弾性層は、弾性を有するので、外壁が振動しても、これを吸収でき、そのため、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
さらに、第2固定工程では、離型フィルムを第1粘着部から引き剥がすことによって、第1粘着部を外壁の開口部の内周面に接着するので、簡易な方法で、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定することができる。
【0010】
さらにまた、弾性層が固定された挿入部材を、外壁の開口部に圧入するので、弾性層が外壁の開口部と挿入部材との間の隙間から漏れることを有効に防止することができる。そのため、外壁の美観の低下を防止することができる。
その結果、このシーリング方法では、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができるとともに、優れたシール性を長期にわたって確保することができ、また、外壁の美観の低下を防止することができる。
【0011】
また、本発明のシーリング方法では、前記第1固定工程は、前記第2粘着部を前記挿入部材の外周面に巻き付ける第1巻付工程、および、前記第1粘着部を前記弾性層の表面に巻き付ける第2巻付工程を備え、前記第1巻付工程では、前記第2粘着部を、前記挿入部材の外周面に沿う巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、前記挿入部材の外周面に順次巻き付け、前記第2巻付工程では、前記第1粘着部を、巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、前記弾性層の表面に順次巻き付けることが好適である。
【0012】
このシーリング方法では、第1巻付工程において、第2粘着部を、巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、挿入部材の外周面に順次巻き付けるので、第2粘着部を挿入部材の外周面に円滑かつ確実に接着することができる。
また、第2巻付工程において、第1粘着部を、巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、弾性層の表面に順次巻き付けるので、第1粘着部を弾性層の表面に円滑かつ確実に接着することができる。
【0013】
そのため、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間をより一層簡易かつ確実にシールすることができる。
また、本発明のシーリング方法では、前記第1巻付工程における前記第2粘着部の巻付方向と、前記第2巻付工程における前記第1粘着部の巻付方向とが、同一方向であることが好適である。
【0014】
このシーリング方法では、第1巻付工程と第2巻付工程とにおいて、同一方向で、第2粘着部と第1粘着部との巻付をそれぞれ実施するので、第1巻付工程から第2巻付工程に円滑に移行することができる。
また、本発明のシーリング方法において、前記シール材用意工程では、長手方向に連続して延びる粘着剤層を備える前記シール材を用意し、前記粘着剤層は、前記弾性層の裏面に予め積層され、前記弾性層に支持される前記第2粘着部と、前記弾性層から露出し、前記第2粘着部に連結される前記第1粘着部と、前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する連結粘着部とを備え、前記第1固定工程は、前記第1巻付工程後、前記連結粘着部を、前記弾性層の巻付方向両端面の間に介在させる工程をさらに備えていることが好適である。
【0015】
このシーリング方法では、連結粘着部を、弾性層の巻付方向両端面の間に介在させるので、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
また、本発明のシーリング方法では、前記弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることが好適である。
このシーリング方法によれば、連結粘着部を、巻付方向および弾性層の厚み方向の両方向において、弾性層の巻付方向両端面の間に介在させることができる。そのため、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0016】
また、弾性層に巻付方向の張力が生じる場合には、弾性層の巻付方向両端部が互いに離間する方向に引っ張られて、それらの間に隙間を生じる可能性がある。
しかしながら、このシーリング方法によれば、弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されているので、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分が巻付方向に沿って形成される。
【0017】
そのため、弾性層の巻付方向両端部が多少離間しようとしても、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分を確保できるので、弾性層の巻付方向両端面のシール性を確保することができる。
また、本発明のシーリング方法では、シール材用意工程における前記シール材の前記粘着剤層は、前記第2粘着部の巻付方向一端部から巻付方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する延出部をさらに備え、前記第1固定工程は、前記第1巻付工程前に、前記延出部を、前記挿入部材の外周面に接着することによって、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に仮固定する工程をさらに備え、前記第1巻付工程では、前記第2粘着部の巻付方向他端部を、前記延出部に重ね合わせることが好適である。
【0018】
このシーリング方法では、弾性層を挿入部材の外周面に仮固定するので、第1巻付工程を確実に実施することができる。
また、第1巻付工程において、第2粘着部の巻付方向他端部を、延出部に重ね合わせるので、弾性層を、挿入部材の外周面に強固に接着することができる。
また、本発明のシール材は、外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシール材であって、長手方向に連続して延びる粘着剤層と、前記粘着剤層の表面の長手方向一方側に積層される弾性層と、前記粘着剤層の表面の長手方向他方側に積層される離型フィルムと備え、前記粘着剤層には、前記弾性層が積層される部分が、前記挿入部材の外周面に接着される第2粘着部として区画され、前記弾性層から露出し、前記第2粘着部に連結され、前記離型フィルムが積層される部分が、前記離型フィルムが引き剥がされたときに、前記外壁の前記開口部の内周面に接着される第1粘着部として区画されていることを特徴としている。
【0019】
このシール材によれば、第2粘着部によって、弾性層を挿入部材の外周面に固定し、第1粘着部によって、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定することができる。そのため、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間を確実にシールすることができる。
しかも、弾性層を、圧入後に硬化させる手間を省くことができ、短時間で隙間をシールすることができる。
【0020】
また、弾性層は、弾性を有するので、外壁が振動しても、これを吸収でき、そのため、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
さらに、離型フィルムが第1粘着部から引き剥がされたときに、第1粘着部が外壁の開口部の内周面に接着されるので、簡易な方法で、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定することができる。
【0021】
その結果、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができる。
また、本発明のシール材では、前記粘着剤層には、前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する部分が連結粘着部として区画されていることが好適である。
このシール材では、連結粘着部が、弾性層の長手方向両端面の間に介在されれば、弾性層の長手方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0022】
また、本発明のシール材では、前記弾性層の長手方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることが好適である。
このシール材によれば、連結粘着部を、巻付方向および弾性層の厚み方向の両方向において、弾性層の巻付方向両端面の間に介在させることができる。そのため、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0023】
また、弾性層に巻付方向の張力が生じる場合には、弾性層の巻付方向両端部が互いに離間する方向に引っ張られて、それらの間に隙間を生じる可能性がある。
しかしながら、このシール材によれば、弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されているので、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分が巻付方向に沿って形成される。
【0024】
そのため、弾性層の巻付方向両端部が多少離間しても、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分を確保できるので、弾性層の巻付方向両端面のシール性を確保することができる。
また、本発明のシール材では、前記粘着層には、前記第2粘着部の長手方向一端部から長手方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する部分が延出部として区画されていることが好適である。
【0025】
このシール材では、延出部が、挿入部材の外周面に接着されれば、弾性層を挿入部材の外周面に仮固定することができる。そのため、第2粘着部が挿入部材の外周面に接着されて、弾性層を、挿入部材の外周面に強固に接着することができる。
また、本発明のシール構造は、外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシール構造であって、弾性層と、前記弾性層の裏面に積層され、前記挿入部材の外周面に接着される第2粘着部と、前記弾性層の表面に積層され、前記外壁の前記開口部の内周面に接着される第1粘着部とを備えるシール材が、前記外壁の前記開口部と前記挿入部材との間の隙間に充填されていることを特徴としている。
【0026】
このシール構造によれば、第2粘着部によって、弾性層を挿入部材の外周面に固定し、第1粘着部によって、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定することができる。そのため、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間を確実にシールすることができる。
しかも、弾性層を、圧入後に硬化させる手間を省くことができ、短時間で隙間をシールすることができる。
【0027】
また、弾性層は、弾性を有するので、外壁が振動しても、これを吸収でき、そのため、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
その結果、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間に優れたシール性を簡易に付与することができるとともに、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
また、本発明のシール構造では、前記シール材は、長手方向に連続して延びる粘着剤層を備え、前記粘着剤層は、前記挿入部材の外周面に巻き付けられることにより、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に固定するための前記第2粘着部と、前記第2粘着部に連結され、前記弾性層の表面に巻き付けられることにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部の内周面に固定するための前記第1粘着部と、前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する連結粘着部とを備え、前記連結粘着部は、前記弾性層の巻付方向両端面の間に介在されていることが好適である。
【0028】
このシール構造では、連結粘着部が、弾性層の巻付方向両端面の間に介在されるので、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
また、本発明のシール構造では、前記弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることが好適である。
このシール構造によれば、連結粘着部を、巻付方向および弾性層の厚み方向の両方向において、弾性層の巻付方向両端面の間に介在させることができる。そのため、弾性層の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0029】
また、弾性層に巻付方向の張力が生じる場合には、弾性層の巻付方向両端部が互いに離間する方向に引っ張られて、それらの間に隙間を生じる可能性がある。
しかしながら、このシール構造によれば、弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されているので、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分が巻付方向に沿って形成されている。
【0030】
そのため、弾性層の巻付方向両端部が多少離間しようとしても、弾性層の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分を確保できるので、弾性層の巻付方向両端面のシール性を確保することができる。
また、本発明のシール構造では、前記粘着剤層は、前記第2粘着部の巻付方向一端部から巻付方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する延出部を備え、前記延出部は、前記第2粘着部の巻付方向他端部に重ね合わされていることが好適である。
【0031】
このシール構造では、延出部が、挿入部材の外周面に接着されれば、弾性層を挿入部材の外周面に仮固定することができる。
また、第2粘着部の巻付方向他端部が、延出部に重ね合わされるので、弾性層を、挿入部材の外周面に強固に接着することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のシール材が用いられる本発明のシーリング方法およびシール構造によれば、外壁の開口部と挿入部材との間の隙間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができ、優れたシール性を長期にわたって確保することができ、また、外壁の美観の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明のシール材の一実施形態(第1粘着部が弾性層から露出する態様)の断面図を示す。
【図2】図2は、図1に示すシール材の平面図を示す。
【図3】図3は、本発明のシール構造の一実施形態が採用される外壁およびダクトの斜視図を示す。
【図4】図4は、本発明のシーリング方法の第1実施固定工程の一実施形態を説明する断面図であって、(a)は、弾性層をダクトの外周面に仮固定する工程、(b)は、第2粘着部をダクトの外周面に巻き付ける第1巻付工程、(c)は、第1粘着部を弾性層の表面に巻き付ける第2巻付工程を示す。
【図5】図5は、図4(b)に示す弾性層の巻付方向両端部の拡大断面図を示す。
【図6】図6は、弾性層をダクトの外周面に固定する第1固定工程を説明する斜視図を示す。
【図7】図7は、ダクトを外壁の開口部に圧入する工程を説明する斜視図を示す。
【図8】図8は、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定する第2固定工程を説明する斜視図を示す。
【図9】図9は、本発明のシール材の他の実施形態(第1粘着部が弾性層を予め被覆する態様)の断面図を示す。
【図10】図10は、図9のシール材の弾性層をダクトの外周面に固定する第1固定工程を説明する斜視図を示す。
【図11】図11は、ダクトを外壁の開口部に圧入する工程を説明する斜視図を示す。
【図12】図12は、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定する第2固定工程を説明する斜視図を示す。
【図13】図13は、本発明のシール材の他の実施形態(弾性層の長手方向両端面が上方に向かうに従って長手方向他方側に傾斜する態様)の断面図を示す。
【図14】図14は、図13のシール材による第1固定工程を説明するための拡大断面図であって、(a)は、第2粘着部をダクトの外周面に巻き付ける第1巻付工程、(b)は、第1粘着部を弾性層の表面に巻き付ける第2巻付工程を示す。
【図15】図15は、本発明のシール材の他の実施形態(弾性層の長手方向両端面が上方に向かうに従って長手方向一方側に傾斜する態様)の断面図を示す。
【図16】図16は、図15のシール材による第1巻付工程を説明するための拡大断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本発明のシール材の一実施形態の断面図、図2は、図1に示すシール材の平面図、図3は、本発明のシール構造の一実施形態が採用される外壁およびダクトの斜視図、図4は、本発明のシーリング方法の第1実施固定工程の一実施形態を説明する断面図、図5は、図4(b)に示す弾性層の巻付方向両端部の拡大断面図、図6は、弾性層をダクトの外周面に固定する第1固定工程を説明する斜視図、図7は、ダクトを外壁の開口部に圧入する工程を説明する斜視図、図8は、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定する第2固定工程を説明する斜視図を示す。
【0035】
なお、図2において、後述する第1離型フィルム8および第2離型フィルム9は、後述する弾性層3の配置を明確に示すために、省略されている。
図1および図2において、このシール材1は、図3に示す外壁21の厚み方向を貫通する開口部22と、開口部22に挿入される挿入部材としてのダクト23と間の隙間をシールするために用いられる。
【0036】
シール材1は、長手方向に延びる平面視略矩形平帯状に形成されている。シール材1は、長手方向に連続して延びる粘着剤層2と、粘着剤層2の表面の長手方向一方側に積層される弾性層3と、粘着剤層2の表面の長手方向他方側に積層される離型フィルムとしての第1離型フィルム8とを備えている。
粘着剤層2は、長尺の平帯状に形成されている。
【0037】
粘着剤層2は、例えば、水密作用を有する粘着剤組成物から形成されており、そのような粘着剤組成物としては、例えば、ゴム系粘着剤組成物、樹脂系粘着剤組成物などが挙げられる。
ゴム系粘着剤組成物としては、例えば、ゴムを主成分として含有しており、具体的には、ゴムに公知の添加剤が均一に配合されて分散された粘着剤組成物である。そのようなゴムとしては、例えば、ブチルゴム、再生ブチルゴム、ポリイソブチレン、ゴムアスファルトなどが挙げられる。
【0038】
樹脂系粘着剤としては、アクリル系粘着剤組成物、シリコーン系粘着剤組成物、ポリウレタン系粘着剤組成物、ポリエステル系粘着剤組成物などが挙げられる。
これら粘着剤としては、好ましくは、ゴム系粘着剤組成物が挙げられ、さらに好ましくは、耐久性の観点から、主成分としてブチルゴムを含有するブチルゴム系粘着剤組成物が挙げられる。
【0039】
ブチルゴム系粘着剤組成物は、例えば、ブチルゴムを必須成分として含有し、粘着付与剤、充填剤および軟化剤を任意成分として含有している。
ブチルゴムの種類は特に限定されず、例えば、再生ブチルゴム、合成ブチルゴムなどが挙げられる。好ましくは、加工性に富む再生ブチルゴムが挙げられる。
ブチルゴムのムーニー粘度は、例えば、30〜60(ML1+4、100℃)、35〜55(ML1+4、100℃)である。
【0040】
ブチルゴムは、単独種類を使用することができ、あるいは、物性の異なる2種類以上を併用することができる。
粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂などが挙げられる。
粘着付与剤の軟化点は、例えば、50〜150℃、好ましくは、50〜130℃である。
【0041】
充填剤としては、例えば、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、雲母粉、ベントナイト、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミニウムシリケート、酸化チタン、カーボンブラック、アルミニウム粉、ガラスバルーンなどが挙げられる。
軟化剤としては、例えば、ポリブテン、プロセスオイルなどが挙げられる。
【0042】
任意成分の各成分は、それぞれ、単独使用または2種以上併用することができる。
任意成分の総量の配合割合は、ブチルゴム100重量部に対して、例えば、100〜1000重量部、好ましくは、200〜500重量部である。
任意成分において、各成分の配合割合は、ブチルゴム100重量部に対して、粘着付与剤が、例えば、20〜200重量部、好ましくは、30〜150重量部であり、充填剤が、例えば、10〜300重量部、好ましくは、50〜200重量部であり、軟化剤が、例えば、5〜50重量部、好ましくは、10〜40重量部である。
【0043】
さらに、ブチルゴム系粘着剤組成物には、加硫剤、老化防止剤、可塑剤、加硫促進剤など、ブチルゴム系粘着剤組成物に添加される公知の添加剤を適宜の割合で添加することができる。
粘着剤組成物を調製するには、上記した各成分を、上記の配合割合で配合して、混練する。各成分は、例えば、ミキシングロール、ニーダー、押出機などによって混練する。好ましくは、ニーダーによって混練する。
【0044】
次いで、上記により得られる粘着剤組成物(混練物)から粘着剤層2を形成する。
粘着剤組成物から粘着剤層2を形成するには、上記した粘着剤組成物を、例えば、ミキシングロール、カレンダーロール、押出成形、プレス成形などの成形方法によって、シート状に成形する。
このようにして形成される粘着剤層2の厚みは、例えば、10〜1000μm、好ましくは、100〜500μmである。
【0045】
また、図示しないが、粘着剤層2を、粘着剤シートおよび基材の積層体として形成することもできる。より具体的には、基材と、その両側に積層される2枚の粘着剤シートによって粘着剤層2を構成する。
基材は、例えば、綿、スフモス、化学繊維などの織布や不織布などの布、例えば、和紙、クラフト紙などの紙、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂などから形成されている。
【0046】
基材の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは、10〜80μmである。
各粘着剤シート(表側の粘着剤シートおよび裏側の粘着剤シート)、上記した粘着剤組成物から形成されており、その厚みは、それぞれ、例えば、5〜500μm、好ましくは、100〜400μmである。
弾性層3は、長手方向において、粘着剤層2の表面に、長手方向他方側部分と、長手方向一方側最端部(後述する延出部6に相当)とを露出するように積層されており、幅方向(長手方向に直交する方向)において、粘着剤層2の表面全面にわたって積層されている。また、弾性層3は、長手方向に沿う断面視および幅方向に沿う断面視において、略矩形状に形成されている。
【0047】
詳しくは、弾性層3の長手方向両端面および幅方向両端面は、厚み方向(上下方向)に沿って形成されている。また、弾性層3の幅方向両端面は、長手方向において、粘着剤層2の幅方向両端面と面一に配置されている。また、弾性層3の長手方向長さは、ダクト23の外周長さと略同一長さに設定されている。
弾性層3は、例えば、緩衝(クッション)作用および水密作用を有する弾性体から形成され、好ましくは、発泡体から形成されている。
【0048】
弾性層3を形成する材料としては、例えば、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、例えば、1−ブテンなどのα−オレフィン・ジシクロペンタジエン、例えば、エチリデンノルボルネンなどの非共役二重結合を有する環状または非環状のポリエンを成分とするゴム系共重合体、例えば、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレンターポリマー、シリコーンゴム、ポリウレタン系ゴム、ポリアミド系ゴム、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、スチレン・エチレン・ブタジエンゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンゴム、スチレン・イソプレン・プロピレン・スチレンゴム、アクリルゴムなどの各種ゴムが挙げられる。好ましくは、耐候性の観点から、EPDMが挙げられる。
【0049】
EPDMを構成するジエンとしては、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの環状ジエン、例えば、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状の非共役ジエン、例えば、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエンなどのトリエンなどが挙げられる。
【0050】
これらジエンのうち、耐熱性および耐侯性の観点から、好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。
また、EPDMのムーニー粘度は、例えば、10〜60(ML1+4、100℃)、好ましくは、20〜50(ML1+4、100℃)である。
また、EPDMのジエン含有量は、ヨウ素価で、例えば、0.5〜50(g/100g)、好ましくは、10〜30(g/100g)である。
【0051】
EPDMは、単独使用または物性の異なる2種類以上を併用することができる。
そして、ゴムの発泡体は、上記したゴム、発泡剤、架橋剤および添加剤を含有する発泡組成物を、加熱して発泡および架橋することにより、得ることができる。
発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤などの加熱分解型発泡剤が挙げられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。
【0052】
また、有機系発泡剤としては、例えば、N−ニトロソ系化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなど)、アゾ系化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、バリウムアゾジカルボキシレートなど)、フッ化アルカン(例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなど)、ヒドラジン系化合物(例えば、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)など)、セミカルバジド系化合物(例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)など)、トリアゾール系化合物(例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなど)などが挙げられる。
【0053】
なお、発泡剤としては、例えば、ガス封入型マイクロカプセル発泡剤なども挙げられ、より具体的には、加熱膨張性の物質(例えば、イソブタン、ペンタンなど)がマイクロカプセル(例えば、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの熱可塑性樹脂からなるマイクロカプセル)に封入された熱膨張性微粒子などが挙げられる。
【0054】
これら発泡剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
発泡剤の配合割合は、例えば、ゴム100重量部に対して、例えば、0.1〜100重量、好ましくは、0.5〜50重量部である。
架橋剤は、通常、加硫剤であって、このような加硫剤としては、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、有機過酸化物類、ポリアミン類、オキシム類(例えば、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなど)、ニトロソ化合物類(例えば、p−ジニトロソベンジンなど)、樹脂類(例えば、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物など)、アンモニウム塩類(例えば、安息香酸アンモニウムなど)などが挙げられる。
【0055】
これら架橋剤のうち、発泡体の加硫性や、発泡性による耐久性などの物性などの観点より、好ましくは、硫黄や硫黄化合物類が挙げられる。
これら架橋剤は、単独使用または2種以上併用することができる。架橋剤の配合割合は、その種類に基づく架橋(加硫)効率などに応じて適宜に決定することができ、架橋剤が硫黄や硫黄化合物類である場合には、ゴム100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部である。
【0056】
添加剤としては、例えば、加硫促進剤、軟化剤、充填剤、発泡助剤などが挙げられる。これら添加剤は、適宜の配合割合でゴムに添加される。
そして、発泡組成物を調製するには、上記した各成分を上記の配合割合で配合して、これらを均一に混合する。また、上記した各成分を混合するには、上記した成分を、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などによって混練する。また、得られる発泡組成物を、例えば、ミキシングロール、カレンダーロール、押出成形、プレス成形などの成形方法によって、シート状に成形する。
【0057】
そして、発泡体は、上記した発泡組成物を、例えば、450℃以下、好ましくは、100〜350℃で加熱することにより、得られる。
このようにして形成される弾性層3は、その密度(発泡体の重量(g)/発泡体の体積(g/cm3))が、例えば、0.01〜0.5g/cm3、好ましくは、0.05〜0.25g/cm3であり、また、発泡時の発泡倍率(体積発泡倍率)が、例えば、1.1〜25倍、好ましくは、1.5〜20倍である。
【0058】
また、弾性層3の50%荷重における反発力(JIS K 6767)は、後述するが第1粘着部4から引き剥がされる第1離型フィルム8の厚みに応じて適宜設定され、例えば、0.01〜10N/cm3、好ましくは、0.05〜1N/cm3、さらに好ましくは、0.1〜0.5N/cm3である。
弾性層3の厚みは、例えば、0.5〜30mm、好ましくは、2〜15mmである。
【0059】
第1離型フィルム8は、長手方向に延びる平面視略矩形平帯状に形成されており、弾性層3の長手方向他方側部分から露出する粘着剤層2(後述する第1粘着部4)の表面に積層されている。
より具体的には、第1離型フィルム8は、その長手方向長さが、弾性層3の長手方向他方側部分から露出する粘着剤層2の長手方向長さより長く形成されている。これにより、第1離型フィルム8の長手方向他端部および途中が、弾性層3の長手方向他方側部分から露出する粘着剤層2(第1粘着部4)の表面に積層され、その粘着剤層2を被覆する第1被覆部17として区画される一方、第1離型フィルム8の長手方向一端部が、粘着剤層2の表面を被覆することなく、自由端となる第1非被覆部18として区画されている。また、第1離型フィルム8の長手方向他端面は、粘着剤層2(第1粘着部4)の長手方向他端面と、長手方向において、面一に配置されている。
【0060】
第1離型フィルム8では、第1被覆部17が、粘着剤層2に沿って粘着剤層2の表面を被覆するとともに、第1被覆部17および第1非被覆部18の境界において屈曲し、第1非被覆部18が、弾性層3の巻付方向他端部16に沿って、表側に向かって延出している。
第1離型フィルム8は、例えば、柔軟性(フレキシビリティ)および靭性(スティフネス)を有するフィルムから形成されており、そのようなフィルムとして、具体的には、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP、配向ポリプロピレン(OPP)を含む)フィルムなどのオレフィン系フィルム、例えば、PETフィルムなどのエステル系フィルムなどの合成樹脂フィルムなどが挙げられる。好ましくは、オレフィン系フィルムが挙げられる。
【0061】
また、第1離型フィルム8の表面(粘着剤層2に対向する面の反対面、後述する外壁21の開口部22の内周面に対向する面)および/または裏面(粘着剤層2に対向する対向面)は、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデンなどの剥離剤により表面処理することができる。
また、第1離型フィルム8は、上記した合成樹脂フィルムを単層として用いることができ、あるいは、上記した合成樹脂フィルムを複数積層した積層フィルムとして用いることができ、そのような積層フィルムとして、例えば、PEフィルムおよびその表面にOPPフィルムが積層された積層フィルム、PEフィルムおよびその表面にポリエステルフィルムが積層された積層フィルムなどが挙げられる。
【0062】
また、第1離型フィルム8の引張強度(JIS K 7113)は、例えば、10MPa以上、好ましくは、50MPa以上、さらに好ましくは、100MPa以上であり、通常、500MPa以下である。第1離型フィルム8の引張強度が、上記範囲内にない場合には、第1離型フィルム8の引き抜きにおいて、第1離型フィルム8が破損して、第1離型フィルム8が第1粘着部4と外壁21の開口部22の内周面との間に残存する場合がある。
【0063】
第1離型フィルム8の厚みは、例えば、50〜500μm、好ましくは、75〜400μm、さらに好ましくは、100〜300μmである。
そして、このシール材1の粘着剤層2には、弾性層3が積層される部分が、第2粘着部5として区画され、弾性層3の長手方向他端部から露出し、第2粘着部5に連結され、第1離型フィルム8が積層される部分が、第1粘着部4として区画されている。
【0064】
また、粘着剤層2には、弾性層3の長手方向他端部から露出し、第1粘着部4と第2粘着部5との間を連結する部分が連結粘着部7として区画され、弾性層3の長手方向一端部から露出し、第2粘着部5の長手方向一端部から長手方向一方に向かって延出する部分が延出部6として区画されている。
つまり、粘着剤層2は、延出部6、第2粘着部5、連結粘着部7および第1粘着部4を、長手方向一方から他方に向かって順次連続して備えている。
【0065】
延出部6は、第2粘着部5の長手方向一端部から平面視略矩形状に延出している。
第2粘着部5は、粘着剤層2においてダクト23(図4(b)参照)の外周面に接着される粘着部として区画されており、その長手方向長さは、ダクト23の外周(外周面の周方向長さ)と略同一長さに設定されている。
連結粘着部7は、第2粘着部5の長手方向他方側に隣接配置されており、幅方向に長い平面視略矩形状に区画されている。連結粘着部7の長手方向長さは、弾性層3の厚みと略同一長さに設定されている。
【0066】
第1粘着部4は、連結粘着部7の長手方向他方側に隣接配置されている。また、第1粘着部4は、第1巻付工程(図4(c)参照)において、粘着剤層2における弾性層3の表面に接着される粘着部で、第2固定工程(図8参照)において、外壁21の開口部22の内周面に接着される粘着部として区画されている。
そのため、第1粘着部4の長手方向長さは、弾性層3の長手方向長さと略同一長さに形成されている。また、第1粘着部4の長手方向長さは、外壁21の開口部22の内周(内周面の周方向長さ)と略同一長さに形成されている。
【0067】
また、このシール材1は、延出部6の表面に積層される第2離型フィルム9と、粘着剤層2の裏面に積層される第3離型フィルム10とをさらに備えている。
第2離型フィルム9は、長手方向に延びる平面視略矩形平帯状に形成されており、その長手方向長さが、延出部6の長手方向長さより長く形成されている。これにより、第2離型フィルム9の長手方向一端部および途中が、延出部6の表面に積層され、延出部6を被覆する第2被覆部19として区画される一方、第2離型フィルム9の長手方向他端部が、延出部6の表面を被覆することなく、自由端となる第2非被覆部20として区画されている。また、第2離型フィルム9の長手方向一端面は、延出部6(粘着剤層2)の長手方向一端面と、長手方向において、面一に配置されている。
【0068】
より具体的には、第2離型フィルム9では、第2被覆部19が、延出部6に沿って延出部6の表面を被覆するとともに、第2被覆部19および第2非被覆部20の境界において屈曲し、第2非被覆部20が、弾性層3の長手方向一端部に沿って、表側に向かって延出している。
第2離型フィルム9を形成するフィルムとしては、上記した第1離型フィルム8を形成するフィルムと同様のものが挙げられる。
【0069】
第2離型フィルム9の厚みは、第1離型フィルム8の厚みと同様であり、好ましくは、100〜300μmである。
第3離型フィルム10は、長手方向に延びる平面視略矩形平帯状に形成されており、粘着剤層2の裏面全面に積層されている。つまり、第3離型フィルム10の周端面(長手方向両端面および幅方向両端面)は、平面視において、粘着剤層2の周端面と面一に配置されている。
【0070】
第3離型フィルム10を形成するフィルムとしては、上記した第1離型フィルム8と形成するフィルムと同様のものの他に、紙、ゴムシート、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、またこれら積層シート体などが挙げられる。好ましくは、表面処理された紙が挙げられる。
第3離型フィルム10の厚みは、第1離型フィルム8の厚みと同様であり、好ましくは、100〜300μmである。
【0071】
このシール材1を得るには、まず、粘着剤層2を、第3離型フィルム10の表面に積層し、次いで、弾性層3を、粘着剤層2の表面に積層し、次いで、第1離型フィルム8および第2離型フィルム9を、弾性層3から露出する粘着剤層2の表面に積層する(シール材用意工程)。
次に、このシール材1を用いて、外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間をシールするシーリング方法について説明する。
【0072】
外壁21の開口部22は、図3に示すように、外壁21の厚み方向を軸線をとする円柱状に開口(貫通)されている。
また、ダクト23は、外壁21の開口部22の軸線に沿う方向(先後方向)に延びる円筒状に形成されており、その先端部の形状は、外壁21の開口部22の形状に対応する形状に形成されている。
【0073】
より具体的には、ダクト23の先端部は、外壁21の開口部22よりわずかに縮径する円筒形状に形成されている。
外壁21の開口部22の内周面と、ダクト23の外周面との隙間の幅(径方向長さ)は、外壁21の開口部の内径からダクト23の外径を差し引いた値を2で割った値であり、例えば、2〜15mm、さらには、5〜10mmである。
【0074】
次いで、この方法では、図4および図6に示すように、上記により得られた(用意した)シール材1の弾性層3をダクト23の外周面に固定する(第1固定工程)。
すなわち、まず、図4(a)および図4(b)に示すように、延出部6および第2粘着部5をダクト23の外周面に巻き付ける(第1巻付工程)。
具体的には、まず、図4(a)に示すように、第3離型フィルム10を延出部6の裏面から引き剥がし、延出部6を、ダクト23の外周面に接着する。
【0075】
また、延出部6は、図6が参照されるように、延出部6の幅方向一端面が、ダクト23の先後方向において、ダクト23の先端面と面一になるように、ダクト23の外周面に位置決めする。
これにより、弾性層3を、ダクト23の外周面に対して仮固定する。
続いて、図4(b)に示すように、第2粘着部5をダクト23の外周面に接着する。
【0076】
具体的には、図4(a)の仮想線で示すように、第2粘着部5をダクト23の外周面に巻き付ける。
詳しくは、第3離型フィルム10を第2粘着部5の裏面から引き剥がしながら、第2粘着部5を、長手方向一端部(巻付方向一端部)13から長手方向他端部(巻付方向他端部)14に向かうに従って、ダクト23の外周面に順次巻き付ける。つまり、第2粘着部5の巻付方向一端部13、巻付方向途中および巻付方向他端部14を、順次ダクト23の外周面に、ダクト23を中心とする時計回りの方向に沿って巻き付ける。
【0077】
また、図5に示すように、第2離型フィルム9を延出部6(粘着剤層2)から引き剥がし、第2粘着部5の巻付方向他端部14を、延出部6の表面に重ね合わせる。
この第1巻付工程によって、弾性層3の巻付方向両端部(図1および図2における長手方向両端部に相当)15および16は、巻付方向(ダクト23の周方向)において対向配置される。
【0078】
また、第1巻付工程後に、図5に示すように、第3離型フィルム10を連結粘着部7の表面から引き剥がし、連結粘着部7を、弾性層3の巻付方向両端面の間に介在させる。
これにより、弾性層3の巻付方向両端面を、連結粘着部7を介して接着する。
次いで、図4(b)の仮想線(2点鎖線)および図4(c)に示すように、第1粘着部4を弾性層3の表面に接着する。具体的には、第1粘着部4を弾性層3の表面に巻き付ける(第2巻付工程)。
【0079】
詳しくは、図4(b)の仮想線で示すように、第3離型フィルム10を第1粘着部4の裏面から引き剥がしながら、第1粘着部4を、長手方向一端部(巻付方向一端部)11から長手方向他端部(巻付方向他端部)12に向けて、弾性層3の表面に順次巻き付ける。つまり、第1粘着部4の巻付方向一端部11、巻付方向途中および巻付方向他端部12を、順次弾性層3(の巻付方向一端部13、巻付方向途中および巻付方向他端部14)の表面に、ダクト23を中心とする時計回りの方向に沿って巻き付ける。
【0080】
また、第2粘着部5の巻付方向、つまり、図4(a)の矢印で示す方向と、第1粘着部4の巻付方向、つまり、図4(b)の矢印で示す方向とは、同一方向である。
この第2巻付工程によって、第1粘着部4は、弾性層3の表面全面に積層される。また、シール材1(粘着剤層2、弾性層3および第1離型フィルム8)の幅方向一端面は、ダクト23の先端面と、ダクト23の先後方向において面一となるように配置される。
【0081】
これによって、図6に示すように、弾性層3をダクト23の外周面に固定する。
次いで、図6の矢印および図7に示すように、弾性層3を外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間に充填する。
弾性層3を上記した隙間に充填するには、弾性層3が固定されたダクト23を外壁21の開口部22に圧入する。
【0082】
ダクト23は、第1離型フィルム8の表面を外壁21の開口部22の内周面に密着させるように、開口部22に圧入する。
このダクト23の圧入において、第1離型フィルム8は、外壁21の開口部22の内周面から径方向内側(裏面側)に向かって押圧され、これにより、弾性層3が径方向内側に圧縮される。
【0083】
なお、弾性層3は、圧入前の容積に対して、例えば、10〜90容積%、好ましくは、20〜80容積%に圧縮される。
また、第1離型フィルム8は、上記した滑り性を有することから、外壁21の開口部22の内周面に対して、先後方向に摺動可能であり、圧入において、開口部22の内周面によって径方向内側に押圧されながら、弾性層3が隙間に充填される。
【0084】
また、上記したダクト23の圧入とともに、第1離型フィルム8の第1非被覆部18(自由端)を、ダクト23の先方(外方)にわずかにずらして配置する。
これによって、弾性層3を上記した隙間に充填する。
次いで、図8に示すように、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定する(第2固定工程)。
【0085】
弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定するには、図7の仮想線で示すように、第1離型フィルム8を第1粘着部4の表面から引き剥がし、それによって、第1粘着部4の表面を外壁21の開口部22の内周面に接着する。
第1離型フィルム8を第1粘着部4から引き剥がすには、第1離型フィルム8の第1非被覆部18(自由端)を把持し、図7の矢印で示すように、第1非被覆部18を外側(先側)に引き抜く。つまり、第1離型フィルム8の第1被覆部17が、第1粘着部4と外壁21の開口部22の内周面との間から先方に向かって引き抜かれる。
【0086】
そのため、弾性層3が、第1離型フィルム8が積層(介在)されていた部分の厚み分だけ膨潤し、それによって、第1粘着部4の表面と外壁21の開口部22の内周面とが接触する。その結果、第1粘着部4を外壁21の開口部22の内周面に接着する。
そして、このシーリング方法によれば、第1固定工程において、弾性層3をダクト23の外周面に固定し、第2固定工程において、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定するので、弾性層3によって、外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間を確実にシールすることができる。
【0087】
しかも、弾性層3を、圧入後に硬化させる手間を省くことができ、短時間で隙間をシールすることができる。
また、弾性層3は、弾性を有するので、外壁21が振動しても、これを吸収でき、そのため、優れたシール性を長期にわたって確保することができる。
さらに、第2固定工程では、第1離型フィルム8を第1粘着部4から引き剥がすことによって、第1粘着部4を外壁21の開口部22の内周面に接着するので、簡易な方法で、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定することができる。
【0088】
さらにまた、弾性層3が固定されたダクト23を、外壁21の開口部22に圧入するので、弾性層3が外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間から先方(外方)に漏れることを有効に防止することができる。そのため、外壁21の美観の低下を防止することができる。
その結果、このシーリング方法では、外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間に優れたシール性を簡易かつ短時間で付与することができるとともに、優れたシール性を長期にわたって確保することができ、また、外壁21の美観の低下を防止することができる。
【0089】
また、このシーリング方法では、第1巻付工程において、第2粘着部5を、巻付方向一端部13から巻付方向他端部14に向かうに従って、ダクト23の外周面に順次巻き付けるので、第2粘着部5をダクト23の外周面に円滑かつ確実に接着することができる。
また、第2巻付工程において、第1粘着部4を、巻付方向一端部11から巻付方向他端部12に向かうに従って、弾性層3の表面に順次巻き付けるので、第1粘着部4を弾性層3の表面に円滑かつ確実に接着することができる。
【0090】
そのため、外壁21の開口部22とダクト23との間の隙間をより一層簡易かつ確実にシールすることができる。
なお、上記した説明では、第1巻付工程における第2粘着部5の巻付方向(ダクト23を中心とする時計回りの方向)と、第2巻付工程における第1粘着部4の巻付方向(ダクト23を中心とする時計回りの方向)を、同一方向にしているが、例えば、図4(b)の破線および図5の破線で示すように、逆方向にすることもできる。
【0091】
より具体的には、第2巻付工程において、第1粘着部4の巻付方向一端部11、巻付方向途中および巻付方向他端部12を、順次弾性層3の巻付方向他端部14、巻付方向途中および巻付方向一端部13の表面に、ダクト23を中心とする反時計回りの方向に沿って巻き付ける。また、第2巻付工程では、第1離型フィルム8を引き剥がしながら、第1粘着部4を弾性層3の表面に巻き付ける。
【0092】
その場合には、第2固定工程において、第1粘着部4の表面に積層される離型フィルムとしての第3離型フィルム10を、第1粘着部4および外壁21の開口部22の内周面の間から引き抜く。
好ましくは、第1巻付工程の巻付方向と、第2巻付工程の巻付方向とを、同一方向にして、第2粘着部5および第1粘着部4をそれぞれ巻き付ける。
【0093】
この方法によれば、第1巻付工程から第2巻付工程に円滑に移行することができる。
また、上記した説明では、粘着剤層2に連結粘着部7を区画しているが、例えば、図1および図2の仮想線で示すように、粘着剤層2に連結粘着部7を区画することなく、粘着剤層2を、第1粘着部4および第2粘着部5の間を分断するように、形成することもできる。
【0094】
その場合には、図10が参照されるように、第1巻付工程後には、弾性層3の巻付方向両端面は、巻付方向において互いに接触している。
好ましくは、粘着剤層2に、連結粘着部7を区画する。
粘着剤層2に連結粘着部7を区画すれば、連結粘着部7を、弾性層3の巻付方向両端面の間に介在させることができるので、弾性層3の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
【0095】
また、上記した説明では、粘着剤層2には、延出部6を区画しているが、例えば、図示しないが、粘着剤層2に、延出部6を区画することなく、第2粘着部5の巻付方向一端部11と、弾性層3の巻付方向一端部15とを、長手方向において面一に配置することもできる。
その場合には、弾性層3を、ダクト23の外周面に仮固定することなく、第1粘着部4によって、ダクト23の外周面に固定する。
【0096】
好ましくは、粘着剤層2に、延出部6を区画する。
粘着剤層2に延出部6を区画すれば、弾性層3をダクト23の外周面に仮固定できるので、第1巻付工程を確実に実施することができる。
また、第1巻付工程において、第2粘着部5の巻付方向他端部14を、延出部6に重ね合わせることができるので、弾性層3を、ダクト23の外周面に強固に接着することができる。
【0097】
また、上記した説明では、シール材1には、第2離型フィルム9と第3離型フィルム10とを設けているが、例えば、図示しないが、それらを設けることなく、延出部6の表面および/または粘着剤層2の裏面を露出させることもできる。
図9は、本発明のシール材の他の実施形態(第1粘着部が弾性層を予め被覆する態様)の断面図、図10は、図9のシール材の弾性層をダクトの外周面に固定する第1固定工程を説明する斜視図、図11は、ダクトを外壁の開口部に圧入する工程を説明する斜視図、図12は、弾性層を外壁の開口部の内周面に固定する第2固定工程を説明する斜視図、図13は、本発明のシール材の他の実施形態(弾性層の長手方向両端面が上方に向かうに従って長手方向他方側に傾斜する態様)の断面図、図14は、図13のシール材による第1固定工程を説明するための拡大断面図、図15は、本発明のシール材の他の実施形態(弾性層の長手方向両端面が上方に向かうに従って長手方向一方側に傾斜する態様)の断面図、図16は、図15のシール材による第1巻付工程を説明するための拡大断面図を示す。
【0098】
なお、上記した部材に対応する部材については、以降の各図面において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上記した図1および図2に示すシール材1では、第1粘着部4を、弾性層3から露出するように設けているが、例えば、図9に示すように、弾性層3を予め被覆するように設けることもできる。
【0099】
このシール材1は、第3離型フィルム10、その表面全面に積層される第2粘着部5、その表面全面に積層される弾性層3、その表面全面に積層される第1粘着部4、および、その表面全面に積層され、長手方向一端部(第2非被覆部18)が延出する第1離型フィルム8を備えている。
図9に示すシール材1によって上記した隙間をシールするには、まず、図10に示すように、第3離型フィルム10を第2粘着部5から引き剥がし、第2粘着部5をダクト23の外周面に接着することにより、弾性層3をダクト23の外周面に固定する(第1固定工程)。
【0100】
次いで、図11に示すように、弾性層3が固定されたダクト23を、第1離型フィルム8を外壁21の開口部22の内周面に密着させるように、外壁21の開口部22に圧入する。
次いで、図12に示すように、第1離型フィルム8を第1粘着部4から引き剥がすことによって、第1粘着部4を外壁21の開口部22の内周面に接着する。これによって、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定する(第2固定工程)。
【0101】
好ましくは、第1粘着部4を弾性層3から露出するように設ける。
これにより、シール材用意工程において、第1粘着部4を弾性層3に予め積層する手間を省略することができる。そのため、シール材1を簡易に用意することができ、シール材1の製造コストを低減することができる。
また、上記した図1の説明では、弾性層3を、長手方向両端面が厚み方向(上下方向)に沿って延びるように、形成しているが、例えば、図13に示すように、長手方向両端面が、上方に向かうに従って長手方向他方側に傾斜状に形成することもできる。
【0102】
図13において、弾性層3は、長手方向に沿う断面視において、上方に向かうに従って、長手方向他方側(右側)に傾斜する平行四辺形状に形成されている。
弾性層3の長手方向両端面と、弾性層3の底面(粘着剤層2の上面)との成す角度Rは、例えば、30〜60度、好ましくは、40〜50度である。
上記した範囲を超える場合には、後述するが、弾性層3の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分の長さ(巻付方向長さ)を十分に確保できず、そのため、弾性層3の巻付方向両端面の間を有効にシールすることができない場合がある。また、上記した範囲に満たない場合には、弾性層3の長手方向両端部15および16の厚みが過度に薄くなり、良好なシール性および加工性を有効に確保できない場合がある。
【0103】
そして、図13に示すシール材1によって弾性層3の巻付方向両端面の間をシールするには、図14(a)および図14(b)に示すように、シール材1の弾性層3をダクト23の外周面に固定する(第1固定工程)。
すなわち、第1固定工程の第1巻付工程では、図14(a)に示すように、弾性層3の巻付方向両端部15および16は、連結粘着部7を挟むように、巻付方向およびダクト23の径方向(弾性層3の厚み方向)において対向配置される。
【0104】
また、連結粘着部7と、第2粘着部5および第1粘着部4との境界では、鈍角状に屈曲しており、そのため、連結粘着部7と、その近傍の第2粘着部5および第1粘着部4とは、断面略直線状に形成されている。
その後、図7が参照されるように、弾性層3を外壁21の開口部22の内周面に固定する(第2固定工程)。
【0105】
そして、このシーリング方法によれば、連結粘着部7を、巻付方向および径方向の両方向において、弾性層3の巻付方向両端面の間に介在させることができるので、弾性層3の巻付方向両端面の間のシール性を向上させることができる。
また、第1固定工程の第1巻付工程において、弾性層3に巻付方向の張力が生じる場合には、図14の仮想線で示すように、弾性層3の巻付方向両端部15および16が互いに離間する方向に引っ張られて、それらの間に隙間を生じる可能性がある。
【0106】
しかしながら、図13に示すシール材1では、弾性層3の巻付方向両端面は、弾性層3の厚み方向に対して傾斜状に形成されているので、弾性層3の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分が巻付方向に沿って形成されている。
そのため、弾性層3の巻付方向両端部15および16が多少離間しようとしても、弾性層3の巻付方向両端面の厚み方向の重なり部分を確保できるので、弾性層3の巻付方向両端面のシール性を確保することができる。
【0107】
また、上記した図13の説明では、弾性層3を、長手方向両端面が、上方に向かうに従って、長手方向他方側(右側)に傾斜する傾斜状に形成しているが、例えば、図15に示すように、上方に向かうに従って、長手方向一方側(左側)に傾斜する傾斜状に形成することもできる。
図15に示すシール材1を用いた第1固定工程の第1巻付工程後には、図16に示すように、弾性層3の巻付方向他端面に積層される連結粘着部7は、弾性層3の巻付方向他端面に沿って、上方に向かうに従って、巻付方向一方側に傾斜している。
【0108】
また、連結粘着部7と、第2粘着部5および第1粘着部4との境界では、鋭角状に屈曲しており、そのため、連結粘着部7と、その近傍の第2粘着部5および第1粘着部4とは、断面略Z字状に形成されている。
好ましくは、図13に示すように、弾性層3の長手方向両端面を、上方に向かうに従って、長手方向他方側に傾斜する傾斜状に形成する。
【0109】
図13のシール材1では、第1固定工程の第1巻付工程後には、図14(a)に示すように、弾性層3の巻付方向他端面に積層される連結粘着部7は、弾性層3の巻付方向他端面に沿って、上方に向かうに従って、巻付方向他方側に傾斜して配置される。そのため、第1粘着部4は、巻付方向他方側に配置されている。その結果、第1巻付工程から第2巻付工程に、より一層円滑に移行することができる。
【0110】
また、上記した説明では、ダクト23を円筒状に形成しているが、その形状は限定されず、図示しないが、例えば、楕円筒状、例えば、三角筒状、矩形筒状、五角筒状などの多角筒状などに形成することもできる。
さらには、上記した説明では、本発明の挿入部材を、中空筒状のダクト23として説明しているが、図示しないが、例えば、円柱状などの充填部材を例示することもできる。
【0111】
挿入部材として充填部材を用いれば、建物の内部と外部との空気の流れを、外壁21および充填部材によって確実に遮断することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 シール材
2 粘着剤層
3 弾性層
4 第1粘着部
5 第2粘着部
6 延出部
7 連結粘着部
8 第1離型フィルム
10 第3離型フィルム
11 巻付方向一端部(長手方向一端部):第1粘着部
12 巻付方向他端部(長手方向他端部):第1粘着部
13 巻付方向一端部(長手方向一端部):第2粘着部
14 巻付方向他端部(長手方向他端部):第2粘着部
21 外壁
22 開口部
23 ダクト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシーリング方法であって、
弾性層と、
前記弾性層の表面に積層される第1粘着部と、
前記弾性層の裏面に積層される第2粘着部と、
前記第1粘着部の表面に積層される離型フィルムとを備えるシール材を用意するシール材用意工程、
前記第2粘着部を前記挿入部材の外周面に接着することにより、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に固定する第1固定工程、
前記弾性層が固定された前記挿入部材を、前記離型フィルムを前記開口部の内周面に密着させるように、前記外壁の前記開口部に圧入することにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部と前記挿入部材との間の隙間に充填する工程、および、
前記離型フィルムを前記第1粘着部から引き剥がし、それによって、前記第1粘着部を前記外壁の前記開口部の内周面に接着することにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部の内周面に固定する第2固定工程
を備えていることを特徴とする、シーリング方法。
【請求項2】
前記第1固定工程は、
前記第2粘着部を前記挿入部材の外周面に巻き付ける第1巻付工程、および、
前記第1粘着部を前記弾性層の表面に巻き付ける第2巻付工程を備え、
前記第1巻付工程では、前記第2粘着部を、前記挿入部材の外周面に沿う巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、前記挿入部材の外周面に順次巻き付け、
前記第2巻付工程では、前記第1粘着部を、巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、前記弾性層の表面に順次巻き付けることを特徴とする、請求項1に記載のシーリング方法。
【請求項3】
前記第1巻付工程における前記第2粘着部の巻付方向と、前記第2巻付工程における前記第1粘着部の巻付方向とは、同一方向であることを特徴とする、請求項2に記載のシーリング方法。
【請求項4】
前記シール材用意工程では、
長手方向に連続して延びる粘着剤層を備える前記シール材を用意し、
前記粘着剤層は、
前記弾性層の裏面に予め積層され、前記弾性層に支持される前記第2粘着部と、
前記弾性層から露出し、前記第2粘着部に連結される前記第1粘着部と、
前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する連結粘着部とを備え、
前記第1固定工程は、
前記第1巻付工程後、前記連結粘着部を、前記弾性層の巻付方向両端面の間に介在させる工程
をさらに備えていることを特徴とする、請求項2または3に記載のシーリング方法。
【請求項5】
前記弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のシーリング方法。
【請求項6】
シール材用意工程における前記シール材の前記粘着剤層は、前記第2粘着部の巻付方向一端部から巻付方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する延出部をさらに備え、
前記第1固定工程は、
前記第1巻付工程前に、前記延出部を、前記挿入部材の外周面に接着することによって、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に仮固定する工程
をさらに備え、
前記第1巻付工程では、前記第2粘着部の巻付方向他端部を、前記延出部に重ね合わせることを特徴とする、請求項4または5に記載のシーリング方法。
【請求項7】
外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシール材であって、
長手方向に連続して延びる粘着剤層と、
前記粘着剤層の表面の長手方向一方側に積層される弾性層と、
前記粘着剤層の表面の長手方向他方側に積層される離型フィルムと
を備え、
前記粘着剤層には、
前記弾性層が積層される部分が、前記挿入部材の外周面に接着される第2粘着部として区画され、
前記弾性層から露出し、前記第2粘着部に連結され、前記離型フィルムが積層される部分が、前記離型フィルムが引き剥がされたときに、前記外壁の前記開口部の内周面に接着される第1粘着部として区画されていることを特徴とする、シール材。
【請求項8】
前記粘着剤層には、前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する部分が連結粘着部として区画されていることを特徴とする、請求項7に記載のシール材。
【請求項9】
前記弾性層の長手方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることを特徴とする、請求項8に記載のシール材。
【請求項10】
前記粘着層には、前記第2粘着部の長手方向一端部から長手方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する部分が延出部として区画されていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載のシール材。
【請求項11】
外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシール構造であって、
弾性層と、
前記弾性層の裏面に積層され、前記挿入部材の外周面に接着される第2粘着部と、
前記弾性層の表面に積層され、前記外壁の前記開口部の内周面に接着される第1粘着部と
を備えるシール材が、前記外壁の前記開口部と前記挿入部材との間の隙間に充填されていることを特徴とする、シール構造。
【請求項12】
前記シール材は、長手方向に連続して延びる粘着剤層を備え、
前記粘着剤層は、
前記挿入部材の外周面に巻き付けられることにより、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に固定するための前記第2粘着部と、
前記第2粘着部に連結され、前記弾性層の表面に巻き付けられることにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部の内周面に固定するための前記第1粘着部と、
前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する連結粘着部と
を備え、
前記連結粘着部は、前記弾性層の巻付方向両端面の間に介在されていることを特徴とする、請求項11に記載のシール構造。
【請求項13】
前記弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることを特徴とする、請求項12に記載のシール構造。
【請求項14】
前記粘着剤層は、前記第2粘着部の巻付方向一端部から巻付方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する延出部を備え、
前記延出部は、前記第2粘着部の巻付方向他端部に重ね合わされていることを特徴とする、請求項12または13に記載のシール構造。
【請求項1】
外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシーリング方法であって、
弾性層と、
前記弾性層の表面に積層される第1粘着部と、
前記弾性層の裏面に積層される第2粘着部と、
前記第1粘着部の表面に積層される離型フィルムとを備えるシール材を用意するシール材用意工程、
前記第2粘着部を前記挿入部材の外周面に接着することにより、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に固定する第1固定工程、
前記弾性層が固定された前記挿入部材を、前記離型フィルムを前記開口部の内周面に密着させるように、前記外壁の前記開口部に圧入することにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部と前記挿入部材との間の隙間に充填する工程、および、
前記離型フィルムを前記第1粘着部から引き剥がし、それによって、前記第1粘着部を前記外壁の前記開口部の内周面に接着することにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部の内周面に固定する第2固定工程
を備えていることを特徴とする、シーリング方法。
【請求項2】
前記第1固定工程は、
前記第2粘着部を前記挿入部材の外周面に巻き付ける第1巻付工程、および、
前記第1粘着部を前記弾性層の表面に巻き付ける第2巻付工程を備え、
前記第1巻付工程では、前記第2粘着部を、前記挿入部材の外周面に沿う巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、前記挿入部材の外周面に順次巻き付け、
前記第2巻付工程では、前記第1粘着部を、巻付方向一端部から巻付方向他端部に向かうに従って、前記弾性層の表面に順次巻き付けることを特徴とする、請求項1に記載のシーリング方法。
【請求項3】
前記第1巻付工程における前記第2粘着部の巻付方向と、前記第2巻付工程における前記第1粘着部の巻付方向とは、同一方向であることを特徴とする、請求項2に記載のシーリング方法。
【請求項4】
前記シール材用意工程では、
長手方向に連続して延びる粘着剤層を備える前記シール材を用意し、
前記粘着剤層は、
前記弾性層の裏面に予め積層され、前記弾性層に支持される前記第2粘着部と、
前記弾性層から露出し、前記第2粘着部に連結される前記第1粘着部と、
前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する連結粘着部とを備え、
前記第1固定工程は、
前記第1巻付工程後、前記連結粘着部を、前記弾性層の巻付方向両端面の間に介在させる工程
をさらに備えていることを特徴とする、請求項2または3に記載のシーリング方法。
【請求項5】
前記弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のシーリング方法。
【請求項6】
シール材用意工程における前記シール材の前記粘着剤層は、前記第2粘着部の巻付方向一端部から巻付方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する延出部をさらに備え、
前記第1固定工程は、
前記第1巻付工程前に、前記延出部を、前記挿入部材の外周面に接着することによって、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に仮固定する工程
をさらに備え、
前記第1巻付工程では、前記第2粘着部の巻付方向他端部を、前記延出部に重ね合わせることを特徴とする、請求項4または5に記載のシーリング方法。
【請求項7】
外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシール材であって、
長手方向に連続して延びる粘着剤層と、
前記粘着剤層の表面の長手方向一方側に積層される弾性層と、
前記粘着剤層の表面の長手方向他方側に積層される離型フィルムと
を備え、
前記粘着剤層には、
前記弾性層が積層される部分が、前記挿入部材の外周面に接着される第2粘着部として区画され、
前記弾性層から露出し、前記第2粘着部に連結され、前記離型フィルムが積層される部分が、前記離型フィルムが引き剥がされたときに、前記外壁の前記開口部の内周面に接着される第1粘着部として区画されていることを特徴とする、シール材。
【請求項8】
前記粘着剤層には、前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する部分が連結粘着部として区画されていることを特徴とする、請求項7に記載のシール材。
【請求項9】
前記弾性層の長手方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることを特徴とする、請求項8に記載のシール材。
【請求項10】
前記粘着層には、前記第2粘着部の長手方向一端部から長手方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する部分が延出部として区画されていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載のシール材。
【請求項11】
外壁の厚み方向を貫通する開口部と、前記開口部に挿入される挿入部材と間の隙間をシールするためのシール構造であって、
弾性層と、
前記弾性層の裏面に積層され、前記挿入部材の外周面に接着される第2粘着部と、
前記弾性層の表面に積層され、前記外壁の前記開口部の内周面に接着される第1粘着部と
を備えるシール材が、前記外壁の前記開口部と前記挿入部材との間の隙間に充填されていることを特徴とする、シール構造。
【請求項12】
前記シール材は、長手方向に連続して延びる粘着剤層を備え、
前記粘着剤層は、
前記挿入部材の外周面に巻き付けられることにより、前記弾性層を前記挿入部材の外周面に固定するための前記第2粘着部と、
前記第2粘着部に連結され、前記弾性層の表面に巻き付けられることにより、前記弾性層を前記外壁の前記開口部の内周面に固定するための前記第1粘着部と、
前記第1粘着部と前記第2粘着部との間を連結する連結粘着部と
を備え、
前記連結粘着部は、前記弾性層の巻付方向両端面の間に介在されていることを特徴とする、請求項11に記載のシール構造。
【請求項13】
前記弾性層の巻付方向両端面は、弾性層の厚み方向に対して傾斜状に形成されていることを特徴とする、請求項12に記載のシール構造。
【請求項14】
前記粘着剤層は、前記第2粘着部の巻付方向一端部から巻付方向一方に向かって延出し、前記弾性層から露出する延出部を備え、
前記延出部は、前記第2粘着部の巻付方向他端部に重ね合わされていることを特徴とする、請求項12または13に記載のシール構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−132728(P2011−132728A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292535(P2009−292535)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【出願人】(509354651)錦産業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【出願人】(509354651)錦産業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]